仕事の75%を標準化するための経営ツール

          

仕事の75%は標準(定型)化できる

  ■生産性の向上と効率化

   日本の労働生産性は低いと言われているいる理由に効率化が挙げられる。

    ・価格に転嫁されない部分にコストをかけすぎる

    ・日本だけにしか通用しない商品サービスのガラパゴス化

    ・形骸化された会議、アリバイのための書類

    ・人の評価があやふやなので能力も育たない

   など、生産性の悪化に拍車をかけている。

   日本生産性本部は、OECDデータベース等をもとに『労働生産性の国際比較
   2018』を公表した。

   『労働生産性の国際比較2018』によると、1人が1時間にどれくらいのモノやサー
   ビスを効率的に生み出すかの「労働生産性」で、日本は4,733円。

   ちなみに米国は7,169円。

   OECD加盟36カ国中では前年と変わらずの20位で、G7では47年連続の最下
   位となった。

   米国を100としたときの日本のサービス業は49.9%、一方、製造業の生産性は
   米国の69.7%と半分の水準で、サービス業に比べると差は小さい。

   生産性の低さには業務の標準(マニュアル)化が挙げられ、長時間労働も業務が
   標準化されていないことに起因する。

   人口減少に拍車がかかる今、中小企業だからこそ限られた現有資産を効率・効
   果的に活用することが求められている。

  経営に関するツール

   あなたは日々の仕事をただ漫然と行っていないだろうか。

   日常業務の中で「その業務は本当に必要だろうか」、「もっとシンプルにならない 
   だろうか」、「この部分はもっと無駄を省けるのではないだろうか」、「他の誰かに代  
   わってもできないだろうか」、「他の部門の人間が見てもわかるだろうか」など工夫
   や改善策を考えながら仕事をする必要がある。

   そのためには、よくいわれている見える化や標準化といった言葉です。

   日々の業務を勘と経験に頼ることなく行うことができれば、こんな楽なことはあり
   ません。

   それより会社にとって重要なことは、収益に直結した付加価値業務の時間を作る 
   ことです。 

   経営に関するツールをゼロから作ることは至難の業であり、その必要はありません。

   真似ることから始めてみましょう。   


  □仕事の75%は標準(定型)化できる

   それでは定型化できる75%の中身を見てみましょう。

   チェックシートは、現状を把握や、今後何をすべきか必要なのかを目に見える形
   にするツールです。

   人は頭だけで処理出来る容量は少なく、客観的に具現化することでミスやトラブ
   ルを防ぐことが出来るのです。

   残りの25%は付加価値業務となります。

   この75%を標準化することで業務の生産性は飛躍的に向上できるのです。

   これから日本においても外国人労働者の受入れ拡大が始まります。

   そのためにも自社の業務を標準化することは緊急課題です。

   前項でも書きましたが、米国と比較した労働生産性においても業務の効率化が挙
   げられます。

   米国の多くの企業では業務のかなりの部分をマニュアルに頼っているのが現状
   です。

   会議通知の時点においても、アジェンダ(協議事項)を書くようなフォーマットに
   なっているそうです。

   会議を開始すると、まずは会議の目的とアジェンダの確認、決定事項、決裁者を
   みんなで読み上げて確認です。

   これを見てもお分かりのように、各業務のルールが明確に決まっていないというこ
   とです。

   結果として、生産効率の悪化を招いているのです。   

  □なぜチェックシート・リストが欠かせないか

   チェックシートというと、製造業における品質管理を保持向上するためのツール
   「QC7つ道具」を思い出す人もいると思います。

   その中のツールのひとつで、業務品質を担保するため(仕事の抜け漏れがないよ
   うにするため)のものがチェックシートです。

   今まで、チェックシートは主に製造業で使われてきましたが、今では非製造業にお
   いても重要なツールとして使われてきてはいます。

   しかし、いまだ多くの中小企業が勘・経験に頼ったやり方が多数を占めているの
   が実態です。

   例えば、

    ・会社の顔となる電話対応の基本ができているか

    ・一日に売上処理を何回し、具体的にどんな作業をしたかを記録しているか

    ・営業マンによる取引先の経営状況のチェックは行われているか

    ・5S活動はしているが、評価はしているか

    ・クレーム対応は原因の調査と再発防止などの対応策を講じているか

    ・パワハラ防止が掛け声だけで対策を講じているか

    ・業務スケジュールに則って仕事を進めているか

    ・営業マンが収益に直結した行動かどうかの管理ができているか

    ・企画立案が我流や思いつきで行われ手順に沿って実施されているか

    ・取引先訪問時には相手先社内の環境をチェックしているか

    ・新入・中途社員の採用における仕組み(手順)はあるか

    ・自社商品の分析(強み・弱み)は定期に見直しされているか

    ・部門ごとの業務の見直し(ムダ・ムラ・ムリの排除)はされているか

    ・会社を守る社内規程・規定の整備は万全か

   等々、シンプルで、作業・業務の抜け漏れを防ぐことができ、いつ、だれが行った
   か、ダブルチェックはあったのかなども記録でき、業務の効率化には欠かせません。

   どんなに業務に習熟しているとしても品質低下や納品遅れ・漏れを防止するため
   に必ずリストにチェックを入れながら作業を進めます。

   エラーやムダを防止し、効率的な経営を目指すためにも、ここに挙げたツールを
   自社(店)用に加工し活用することをお勧めします。


  □チェックリストの効果

   ・仕事のモレがなくなる

   ・人に仕事を任せられる

   ・不必要な思考がなくなる

   ・何ができないかが明確になる

   ・やったかやっていないかが明らか

   ・ハイパフォーマーと同じ行動をとることができる

  弊社では過去から今日に至るまで、中小企業の経営効率に向けたコンサルティン
  グにおいて、500種以上の経営ツールを作成してきました。

    経営/経理/営業/企画/人事・労務/計画・事業計画/環境整備/

    人材育成/安全管理/改善/採用/規程・規定…等々。 

    業務を標準化できる経営ツールにはチェックシート・リスト、レポート、規程類な
    ど多種多様です。

  今年はぜひ自社の業務効率化に向けて、標準化にチャレンジしてみましょう。
   

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経営ツールの内容・目次と抜粋記事

            

経営ツールの内容・目次と抜粋記事

                 
  A.経営・改善・安全管理・企画 

   (経営:部門別診断チェックリスト目次と抜粋記事)

    経営部門 コンピュータ部門 市場開発部門 販売部門 開発部門 小売部門

    生産部門 資材仕入れ部門 事務部門 労務部門 経理部門 財務部門

     (目次に記載のページ番号が1.から始まりではないのは、弊社作成のマニュアル<600頁>
     から抽出した項目のためです)

  B.営業・採用   
 

  C.人事 労務・計画・経理 
     

  D.社内規程・環境整備・人材育成・管理 

    (管理:管理マニュアル目次と抜粋記事)
                   
     セールスマン管理 回収管理 拠点管理 決定事項実践 顧客管理 行動管理 

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役員変更の登記申請

              

忘れていませんか 役員変更の登記申請

  ■役員変更の登記申請を忘れずに

   1.役員の任期も確認を

    貴社の取締役・監査役の任期は何年になっているでしょうか。

    定款を見ると、「選任後○年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する
    定時株主総会の終結の時までとする」といった形で役員の任期が記載されています。

    つまり任期が2年であれば、選任から2年後の定時株主総会で任期を満了する
    ことになり、法務局に対し再選の手続き(=役員の変更登記)を行わなくてはな
    りません。

    たとえ全く同じメンバーが引き続き役員を務める場合でも同様です。

   2.登記すべき期間

    役員の再任手続きなど、会社の登記に関しては登記すべき期間(登記期間)が
    定められており、原則として変更後2週間以内に法務局で登記申請をする必要
    があります。

    もし仮に、登記期間内に登記の申請を怠り、その後申請をする場合、申請その
    ものが却下されることはありませんが、100万円以下の過料に処せられる恐れ
    があります。

    過料金額は登記を怠った期間が長ければ長いほど膨れる傾向にあります。

    実例としては数万〜10万円の過料が科されているようですが、基準は明らかに
    なっていません。

    また、過料の通知は代表者個人にされ、会社の損金に算入することができない
    点にも注意が必要です。

    参考<関連法規>

    会社法(変更の登記)

    第915条  会社において第911条第3項各号又は前3条各号に掲げる事項に
     変更が生じたときは、2週間以内に、その本店の所在地において、変更の登
     記をしなければならない。

    (第976条:過料に処すべき行為)出典Wikibooks

    会社法(第472条:休眠会社のみなし解散)出典Wikibooks

  
法人税法 (出典:電子政府の総合窓口e-Gov)

(不正行為等に係る費用等の損金不算入)
第55条  内国法人が、その所得の金額若しくは欠損金額又は法人税の額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装すること(以下この項及び次項において「隠ぺい仮装行為」という。)によりその法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合には、当該隠ぺい仮装行為に要する費用の額又は当該隠ぺい仮装行為により生ずる損失の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

四 内国法人が納付する次に掲げるものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

(一)罰金及び科料(通告処分による罰金又は科料に相当するもの及び外国又はその地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するものを含む。)並びに過料

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トップダウンマネジメント

          

トップダウンマネジメント


  ■トップダウンマネジメント

   中小企業がこの厳しい時代を乗り越えていくためには、明確な経営戦略と社員一
   丸となった取り組みが不可欠です。

   そして、そのなかで社長が果たすべきトップダウンマネジメントの重要性は、一層
   高まっています。

   1.トップダウンとボトムアップ

     マネジメントスタイルの違いとしてよく取り上げられるのが、トップダウンとボト
     ムアップです。

     トップダウンとはトップ自らが方針を定め、会社を強力に引っ張っていくやり方
     です。

     一方、ボトムアップとは、社員自身からの提案も積極的に経営に反映させてい
     こうというやり方です。

     両者のメリット・デメリットをまとめると次のように整理できます。

     トップダウンとボトムアップそれぞれに一長一短はありますが、景気低迷下に
     おいては、トップダウン型のマネジメントの強化が大きな課題になるでしょう。

     なぜなら、厳しい経営環境のなかで会社の進むべき方向性を明確に示し、困
     難な意思決定を次々に行っていけるのは社長だけだからです。

     両者を比較した場合の最大のポイントは、意思決定のスピードの差にあります。

     トップダウンマネジメントにおいては、重要事項について社長はすべて即断即
     決できます。

     ただし、限られた情報のなかでの判断であるため、「思いつき」になってしまう
     危険もあります。

     また、社員は社長の決断を後から聞かされて、慌ててその対応に追われるこ
     ともあるでしょう。

     逆にボトムアップマネジメントを重複すると、社員の意見を吸い上げるための
     時間がかかり、意思決定のスピードは遅くなります。

     精度の高い情報は集まるかもしれませんが、「機を逸する」可能性も高くなると
     いうことです。

     社長としては、

      ・トップダウンマネジメントのもつメリットを最大最発揮すると同時に、
       デメリットをできるだけ防止すること

      ・ボトムアップマネジメントのもつメリットをトップダウン型のなかでも、
       享受できるような工夫をすること

     などが求められます。

     これらのポイントについて、次項以降で説明します。

   2.トップダウン経営とワンマン経営の違い

     トップダウンマネジメントを強化する際には、いわゆる「ワンマン経営」に陥る可
     能性もあるので注意が必要です。

     トップダウン経営とワンマン経営、イメージとして似ているような気もしま
     すが、実はまったく異なるものです。

     表は多少強調した部分もありますが、トップダウン経営とワンマン経営につい
     て、わかりやすく対比したものです。

     ワンマン経営は、実は会社がうまくいっている時期には、社長にとっても社員
     にとっても非常に「楽」なやりかたです。

     極端にいえば、「社長は好き勝手して、社員は何も考えずに適当に流す」とい
     うスタイルでも会社は回っていくからです。

     このような会社では、「マネジメントスタイルを切り替える」ことをどれだけ早く社
     長に納得してもらえるかが、会社改善のスピードを大きく左右します。

     しかし、会社のなかにも、残念ながら結局ワンマン経営から脱却できずに、事
     業継続ができなくなった会社も多数あります。

     最初のうちは、そんな社長のやる気や手腕に対する社員の信頼も厚く、また
     社長もそれに応えるべく頑張ります。

     しかし、業績好調が逆にアダとなって、社長のワンマンぶりが目立つようになり
     ます。

     社員は社長への信頼をもてなくなり、単に「社長というポジションにいる人」に
     対する「恐れや遠慮」によって指示に従うだけになります。

     それでもしばらくの間は大した支障もなく、会社は回っていきますが、やがて急
     速に売上が落ち始めることになります。

     そしてすでに業績は悪化し、とてもそれまでのワンマン経営ではもたなくなって
     しまいます。

     自分自身では正しいトップダウン経営をしているつもりでも、ワンマン経営に
     陥ってしまう可能性は誰にでもあるのです。

     そして、いったんワンマン経営が当たり前になってしまうと、基本的には社員は
     誰もそれを指摘できなくなります。

     気がつくと取り返しのつかない状況になっていることが多いのです。

     この点は、特に注意する必要があるでしょう。

  □成功に必要な姿勢

   ここでは、社長が全社を強力に引っ求っていくための心構えや社員への接し方な
   ど、トップダウンマネジメントを有効に機能させるための土台作りについて考えます。

   基本は「社長自身や全社員がどうやったら元気を出せるか」ということです。

   また、前項で取り上げたようなワンマン経営に陥らないための心構えも大切です。

   1.つねに前向きに明るく振る舞う

     会社を引っ張っていこうという社長が、いつも暗い顔をして下を向いていたの
     では、社員の士気は高まりません。

     経営環境が悪化していることは、社員の誰もが気づいています。

     そんなときだからこそ、社長は「多少無理をしてでも」明るく振る舞う必要があ
     るのです。

     社員には、会社の細かい経営状態までは分かりません。

     彼らは毎日接している社長の「元気さ」からそれを感じ取ろうとします。

     また、社長自身も「不況の今こそチャンス」と思えるぐらいの「大胆さ、楽天さ」
     がないと、精神的に参ってしまいますし、前向きな戦略も浮かんできません。

     実際に不況時に業績を伸ばした中小企業はいくらでもあります。

     社員のためにも、自分自身のためにも、まずは「前向き」な姿勢を保つことが
     不可欠です。

   2.社長が腹を括るという姿勢を示す。

     いうまでもないことですが、会社経営の全責任は社長にあります。

     社長としてはそんなことは分かりきっていますから、社員が失敗したとしても
     「最終的には自分が腹を括るしかない」という覚悟はいつでもできているはずです。

     しかし、残念ながら社長のそのような覚悟は、社員にはなかなか伝わりません。

     プロ野球で監督がリリーフピッチャーを送り出すときには、「もし打たれても、そ
     れはお前を使った俺(監督)の責任だ、臆せずにやれ!」という言葉がよく使わ
     れます。

     選手は監督の言葉を「意気に感じる」ことで実力以上のプレーをすることもあり
     ます。

     会社経営においても、「社長は普段は厳しいが、最終的には必ず社員を守っ
     てくれる」という意識を社員にもってもらうことが重要です。

     そのためには、「社員は失敗を恐れずに頑張って欲しい」というメッセージを繰
     り返し伝えていく以外ありません。

   3.状況ではなく未来を語る

     不況が続くなかで、自社もしばらくの間は苦しい業績が続くかもしれません。

     そんななかで厳しい現状と真摯に向き合い、打開策を考えていくことはもちろ
     ん大切です。

     しかし同時に、その先にあるもの、つまり厳しい状祝を乗り越えたときに、自社
     に訪れる未来についても、できるだけ積極的に社員と話すようにしましょう。

     その際には、単に「不況を乗り越える」という小さな未来ではなく、その先にあ
     るもっと大きな成功をイメージします。

     「業界で首位になる」、「海外に進出する」、「給料を3倍にする」など自社が実
     現したいワクワクできる未来を描くことが大切です。

     最初は社員も半信半疑かもしれませんが、社長が繰り返し語ることが大切です。

     そして、社員が「ひとつやってみるか」という気になれば、会社の雰囲気はガラ
     リと変わるはずです。

   4.自分に足りない部分を自覚する

     トップダウンマネジメントを強化していくということは、社長に集中させた権限を
     大胆かつスピーディーに行使してくことです。

     このことは有効に機能すれば、会社牽引の大きな原動力となりますが、一歩
     間違えば独断専行の「暴走」にもつながりかねません。

     この危険性を少しでも回避するためには、社長が自分に不足している資質や
     知識、陥りやすい判断ミスなどをあらかじめ自覚しておくことが大切です。

     社長といえどもすべての面において社内でいちばんであるはずがありません。

     不足している部分は、他の力を借りることで、最終的な正しい判断につなげれ
     ばよいのです。

     また、特に重要な判断を行うときには、他の経営幹部の意見を必ず聞くという
     ルールを決めておくことなども有効でしょう。

  □成功に必要な論理

   トップダウンマネジメントは「気合い」ではありません。

   確かにそういう部分が必要なときもありますが、基本的にはきちんとした論理が背
   景になければ、継続的な効果を出せるものではありません。

   ここでは、論理的なマネジメントの基本を説明します。

   1.戦略、戦術、実践(戦闘)

     マネジメントには、幹となる戦略が必要です。

     戦略とは、「自社のめざすべき将来の姿を描き、その姿を実現するためのシナ
     リオ」のことです。

     たとえば「業界ナンバー1になって競合他社に対して圧倒的な地位を確立す
     る」というのが経営戦略です。

     そして、戦略実現のためにどういったやり方で臨むのかが「戦術」になります。

     先の例でいえば、「一定水準の技術者を50人育成する」などが戦術になります。

      さらに、戦術にしたがって行う日々の具体的な業務が「実践(戦闘)」になります。

     これも先の例でいえば、「カリキュラムに従って技術者を日々鍛える」などが実
     践といえます。

     時間軸で考えると、戦略は数年程度、戦術は3〜6カ月程度、実践は1日〜1
     カ月程度で計画・実行されることになります。

     さらに「戦略、戦術、実践(戦闘)」は、整合性をもってブレイクダウンされている
     ことが必要です。

     たとえば「業界ナンバー1になって競合他社に対して圧倒的な地位を確立す
     る」という戦略自体が間違っていたら、その実現のためにどんなに優れた戦術
     や実践がなされたとしても決してうまくはいきません。

     また、仮に正しい戦略をとることができても、それが適切に戦術や実践(戦闘)
     にブレイクダウンされなければ、やはり成功しません。

     つまり、

      正しい戦略が策定され、かつそれが適切に戦術、実践に展開された
      場合のみに戦略は成功する

     ということになります。

     トップダウンマネジメントを行ううえでは、これらの整合性、進捗度合い、環境
     変化による修正の必要性などについて、素早く判断を下していくことが必要に
     なります。

     なお、戦略と戦術については、混同しやすいので注意が必要です。

     「一定水準の技術者を50人育成する」するということはあくまでも戦術であり、
     その上位概念である戦略を実現するための手段に過ぎません。

     また、一般社員が対応している「実践レベル」の進捗状況を社長自身がすべて
     把握することは通常は不可能なので、重要情報が選別されて、社長に上がっ
     てくるための仕組み作りも必要になります。

   2.問題と課題

     問題と課題、どちらも聞き慣れた言葉ですが、マネジメントにおいてはこの2つ
     の言葉を正しく使い分けることが非常に重要です。

     問題とは「現状と本来あるべき姿とのギャップ」のことであり、課題とは「その
     ギャップを解消するために何をすればよいか」ということです。

     つまり、現状分析がきちんとなされ、なおかつどのような姿をめざすのかがき
     ちんと検討されていなければ、問題も課題も特定することはできません。

     また、ギャップのなかには、自分たちの努力だけではどうしても解決できない
     要素もあります。

     たとえば、「円高」、「原油高」、「人口減少」などは、状況そのものを変えること
     はできません。

     このような要素を制約条件といいます。

     たとえば、本来の計画では月商1億円となっているスーパーが、売上8000万
     円しかないとすると、この2000万円の差が問題、足りない2000万円をどのよ
     うに積み上げていくかという具体的な販促策などが、課題ということになります。

     また、制約条件のなかには、一見自らの力では改善できないようにみえるもの
     の、やり方次第では、対応可能になるケースもあります。

     たとえば、このスーパーが単独で仕入れを行っている場合、卸売業者といくら
     交渉してもその仕入れ条件には一定の限界があります。

     この段階では、制約条件です。

     ただし、いくつかのスーパーと共同仕入れを検討することで、この制約条件を   
     外すことができます。

     共同仕入れが可能になれば、単独仕入れよりも有利に仕入れ交渉を行えるよ
     うになるからです。

     これによって「仕入れ交渉の限界」という制約条件は、「近隣スーパーとの共同
     購入の実現」という課題に変えることができたのです。

     このように問題と課題を論理的に考えていくためには、

      ・現状を把握・分析する

      ・あるべき姿を明確にする

      ・ギャップである同類を明確にする

      ・問題を解決するための課題を設定する

      ・何とかして制約条件を外すことはできないかを検討する

     といった、ステップを踏むことが大切です。

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経営課題の解決手法

          

経営課題の解決手法

  ■まずは分解して考える

   1.わからないことはまず分解して考えてみる

     経営課題の解決手法を身に付けるにあたっての第一歩は、わからないことは
     まず分解してみるということです。

     日々起こる問題を漠然として捉えるのではなく、なぜそうなっているのかをさま
     ざまな可能性に分解して考えてみるのです。

     たとえば、「3ケ月連続で利益が対前年比割れしている」という事態が生じた場
     合、単純に「利益が落ちている」ということを問題として捉えるだけでは、その
     課題としては「利益を上げる」ということになってしまい、先に進みません。

     このような場合に「ロジックツリー」というツールを使うと問題の原因を触り下げ
     て考えていくことができます。

     ロジックツリーとは、起こっている問題の本当の原因を探るために、問題を何
     段階にも網羅的・体系的に掘り下げていくためのツールです。

     事例では4階層になっていますが、状況に応じてさらに掘り下げる必要も生じ
     ます。

     たとえば「新規顧客」が減っている場合、小売店であれば、来店客数が減って
     いるのか、来店客数は減っていないが実際に買ってくれる客が減っているの
     か、といったことも掘り下げるべきポイントになります。

     問題が発生するたびにこのようなロジックツリーを作ってもいいのですが、過
     去に起こったさまざまな問題を整理して、あらかじめ自社にとってもっとも有効
     なロジックツリーを作っておけば、問題の早期発見と迅速な解決につながります。

     たとえば、顧客数の変動が激しい業種では、顧客分析に関するロジックツリー
     は広くかつ深くなりますし、仕入れ変動の大きい業種では原価に関するロジッ
     クツリーは広くかつ深くなるでしょう。

     また、同一の業界であっても、最適なロジックツリーは会社の置かれている状
     況によって、異なってきます。

     自社に適した実践的なロジックツリーを作ることが大切です。

     なお、現実には次から次に新しい問題が発生しますので、いったん作ったロ
     ジックツリーがずっと有効なわけではありません。

     新たな問題が発生したらロジックツリーを必要に応じて修正することが必要です。

   2.管理指標の活用で問題を事前に回避する

     あらかじめロジックツリーを作っておくメリットは、問題が発生したときに、解決
     の道筋が早く見つかるということだけではありません。

     むしろロジックツリーを活用することによって、大きな問題になる前に事前にそ
     れを回避できるメリットのほうが大きいのです。

     たとえば、小売店で女性客が主要ターゲットの店の場合、女性客の来店数、
     購買単価などがロジックツリーの重要な管理項目になります。

     管理項目が決定したら、業績の変動に関係なく、その項目を管理指標として設
     定し、データを定期的に取り続けます。

     データを定期的にチェックし、来店数の減少傾向などが見てとれた場合には、
     販促策を立てるなどによって大きな売上ダウンを事前に回避できます。

   3.事業拡大の検討材料としても活用できる

     事例として紹介したロジックツリーは「利益の減少」という問題を掘り下げるた
     めの例ですが、逆に「利益を拡大するためにはどうしたらいいか」といった、プ
     ラス方向を考える際にも活用できます。

     この場合には第2階層が「売上の拡大」「経費の削減」となり、第3階層には
     「顧客数の拡大」「客単価の上昇」などが、第4階層には「新規顧客数の拡大」
     「既存顧客の囲い込み」といった項目が並ぶことになります。

     そして「やはりうちの店はお得意様を大事にすることがもっとも大事だ」という
     結論になれば、既存顧客の囲い込み策をどうするかといった施策を検討して
     いくことができます。

   4.「問題」と「課題」の違いを理解する

     ここまで「問題」と「課題」という言葉を混在して使ってきましたが、実はこの2つ
     の言葉には明確な違いがあります。

     「問題」は、あるべき姿と現状のギャップのことであり、「課題」はそのギャップを 
     埋める方策のことです。

     前述の例でいえば、ロジックツリーを使う前の問題は「売上の減少」、課題は
     「売上の回復」という非常に抽象的で手の打ちようがないレベルのものです。

     これをロジックツリーを使い分解して掘り下げることで、たとえば問題は「女性
     客の減少」であり、その解決のための課題として「女性向けの少量商品を開発
     する」などの施策を設定することができるのです。

  □緊急性と重要性に分解して考える

   1.問題を「緊急性」と「重要性」で評価する

     会社経営にはさまざまな問題が次々に発生します。

     放っておくとあっという間に問題が山積みという状況になってしまいます。

     手当たり次第に対応していたのでは全部の問題にはとても対処できません。

     そこで、対応する問題に優先順位をつける必要が出てきます。

     そのようなときのひとつの方法が問題を「緊急性」と「重要性」に分解して評価
     してみることです。

     ◎「問題」を緊急性、重要性で評価する

       「緊急性の高い問題」

        今すぐ対応しないとデメリットが生じる問題。

        問題対応に必要な迅速性の評価

       「重要性の高い問題」

        対応しないと大きなデメリットが生じる問題。

        デメリットの大きさを評価

       このように評価した結果、緊急性も重要性も高い問題、つまり
       「今すぐ対応しないと大きなデメリットが生じる問題」に対して、
       最優先で取り組むことになります。

   2.評価結果をマトリクスで考える

     では実際に評価結果をマトリクス(表)にしてみましょう。

     縦軸が緊急性、横軸が重要性を示しています。

     それぞれ矢印の方向へいくほど、対応すべき度合いが高いことを表しています。

     緊急性、重要性ともに高い領域、つまりマトリクスの右上の太線で囲まれた領
     域に属する問題は、最優先で、できれば社長自身で対応すべき問題ということ
     になります。

     問題が発生したら頭の中でこのマトリクスを描いて、優先度に大体の検討をつ
     けると、問題対応の方針を決定することができます。

     上記の例では「大口顧客からのクレーム」を最優先の顔域に入れていますが、
     もちろん個々の会社の状況によって、優先順位の付け方は変わってきます。

     自社にとっての「緊急性」「重要性」の評価のポイントを考えて、それにふさわし
     いマトリクスを作成しましょう。

   3.課題の優先順位付けにも活用できる

     このマトリクスは、「問題」の優先順位付けだけではなく、「課題」に対する優先
     順位付けにも活用できます。

     ◎「課題」を緊急性、重要性で評価する

      「緊急性の高い課題」

       今すぐ対応するとメリットが生じる問題。問題対応に必要な迅速性の評価

      「重要性の高い問題」

       対応すると大きなメリットが生じる問題。メリットの大きさを評価

      このように評価した結果、緊急性も重要性も高い課題、つまり「今すぐ対応す
      ることによって大きなメリットが生じる問題」に対して、最優先で取り組むこと
      になります。

      たとえば新規取引先との詰めの交渉などは、マトリクスの右上の領域に属す
      ることになるでしょう。

      また、会社の事業計画の策定などは、今日明日という緊急性はありません
      が、策定することによって将来的に会社に大きなメリットをもたらすということ
      で、マトリクスの右の中段あたりに属することになります。

  □効果と難易度に分解して考える

   ここでは実現までに長期間を要するような比較的大きな課題解決の考え方を事
   例を使ってご紹介します。

   ここでもやはり基本は「分解して考える」ことになります。

   『事例』

    玩具製造会社A社の業績は、ここ数年で大きく悪化し、営業利益率は前期比で
    5%も下落している。抜本的な打開策を打ち出したい。

   【STEP1:問題の掘り下げ】

    A社の営業利益率が悪化している原因を探ります。

    ご紹介したロジックツリーを使って、問題点を掘り下げていきます。

    営業利益率悪化の原因を掘り下げていくと、10個の問題(a〜j)に
    細分化することができました。

    これら10個の問題を解決するために、それぞれの個別課題を設定します。

    ここでは細分化のレベルを10個に抑えましたが、たとえば「営業力が低下」
    という問題を「営業マンの人手が不足」「営業マンの能力が不足」「営業マン
    のやる気が不足」等々、さらに細分化することが可能です。

    もっとも、細分化はある意味では際限がありません。

    そのため、個別課題の具体的施策が提示できるレベルまでが細分化の
    目安となります。

    【STE P2:具体的施策の設定】

     個別課題それぞれについて、具体的施策を提示していきます。

     実際には、1つの個別課題に対して複数の施策が提示されますが、
     ここでは施策を1つに省略しています。

    【STEP3:施策を『効果』と『難易度』に評価】

     STE P3で提示した個別課題に対する施策をそれぞれ評価していきます。

     評価のポイント(評価項目)として、以下のようなものが考えられます。

     (効果の評価)

      ・どれだけの効果が期待できるのか?              …A

     (難易度の評価)

      ・その仮説を実行するだけの余力(経営資源)はあるか?   …B

      ・その仮説を実行した場合のリスクはどの程度か?      …C

      ・その仮説は素早く(スピーディーに)実行に移せるか?    …D

     ここでは、評価項目として上述のA〜Dを用います。

     評価項目は解決すべき課題の性質によりそれぞれ異なります。

     評価の基準は、あくまで「個別課題を解決できるか?」という点である
     ことに注意します。

      具体的施策案の効果と難易度による評価

     (判断結果)

      a:現実性に乏しく、具体的な仮説を立てることができないため却下。

      b:A社が将来にわたり生き残っていくためには、市場ニーズを反映
        した魅力ある商品の開発が不可欠である。開発チームを編成し、
        長期的な視点で商品開発を行っていく必要がある。

      c:e〜jを包含する仮説。より具体化されたe〜jの評価に委ねる。

      d:現状よりは効果が上がるかもしれない。実行する価値はある。

      e:共同仕入の実現性は乏しいが、仕入先との価格交渉は実行する
        価値がある。

      f:外注部分の内製化は、現状の生産ラインを増設しない限り不可能。
       増設に伴う資金的余裕はない。ただし、外注先との価格交渉は実行
       する価値がある。

      g:生産現場には、まだまだ効率化の余地がある。3人1チームでQC
       活動を展開し、効率化に寄与したチームには報奨金を支給する制度
       を導入すれば、従業員のモラールアップにも効果がありそうだ。

      h:リストラとも受け取られかねない。従業員の反発は必至である。

      i:パンフレットを必要とする取引先は多く、たとえ廃止しても効果は小さい。

      j:効果は小さいが、従業員のコスト意識を高めることに一役買いそうだ。

    【STE P4:実行策の選択】

     STE P3までは設定した個別課題を解決できるかという視点で検討して
     きましたが、最終的に実行策を選択する際には、それらを総合して「利益
     率低下を脱するための打開策立案」という総合的な視点で行います。

     そしてどのくらいの期間でどのような体制で行うかという基本プランを策定
     していきます。

     結局A杜では表のような6つの基本プランが策定されました。

   社内に生じるさまざまな課題を解決するための手法として活用をお勧めします。

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事業アイディア

            

事業アイディア

  アイディアを生み出すフレーム

   社長のなかには常日頃から新しい事業アイディアを考えている方も多いでしょう。

   たとえ現業が好調であってもその状態がいつまでも続くとは限りません。

   次のステップを見据えた事業アイディアはつねにもっておきたいものです。

   ここでは新しい事業アイディアを生み出すためのポイントについてご紹介します。

  1.自社が「何屋(業種)」であるかを再定義する
     事業アイディアを考えるときには、自社が「何屋」であるのか、つまり自社の商
     品・サービスによって顧客のどのようなニーズに応えようとしているのかを改め
     て考えてみる必要があります。

     たとえば、書店ではたくさんの本を売っています。

     普通に考えれば、本を売ることそのものが商売ですが、じつは、本を買う人は
     「モノ」としての本そのものが欲しくて買っているわけではありません(コト

     顧客は本を読むことによって新しい知識を得たり、感動することを期待して本
     を購入しているのです。

     このように考えると、書店とは単純に「本屋」ではなく、「知識提供業」、「感動提
     供業」であることがわかります。

     同様に考えると、パソコン販売店は「計算処理支援業」、「インターネット環境提
     供業」であり、住宅販売業は「快適な生活空間提供業」、「家族の団らん提供
     業」などと定義づけることができます。

     このように自社が現在行っているビジネスの本質を考え、その守備範囲をでき
     るだけ広く捉えることによって、新たな事業アイディアを発見する可能性が高ま
     ります。

   2.価値は3層構造で考える
     前述のように顧客は商品そのものではなく、その商品がもたらす効果に価値
     を感じています。

     この価値を3つの視点でさらに分解して考えることで事業アイディアの発想が
     広がります。

     たとえば本を例にすると、第一の価値は想定する顧客の読みたい内容になっ
     ているかという「本質的価値」です。

     顧客ニーズに本当に応えているかどうかという、もっとも重要な部分です。

     すぐに犯人がわかってしまうような推理小説は誰も買いません。

     第二の価値は手にとってみたいと思わせる形状、デザイン、材質になっている
     かという「付随的価値」です。

     物質としての本そのものの「つくり」が好ましいかどうかということです。

     あまりに文字が小さい本や持ち運ぶのに苦労する重たい本は敬遠されます。

     第三の価値は本が売られている「状況的価値」です。

     書籍の分類方法がわかりにくかったり、欠品していたりすると当然売れる確率
     は低下します。

     自社で扱っている商品の価値をこれらの3つの階層で捉えて、それぞれの階
     層で顧客が本当に欲している価値を生み出しているかを考えることも事業アイ
     ディアの発見に役立ちます。

     なおこの分析は新しい事業アイディアの創出だけでなく、既存事業の改善にも
     つなげることができます。

     ◎価値の3層構造 

     ◎事業アイディア創出の視点
      ・本質的価値
       求められるレベルの品質になっているか、違う価値を生み出すことは
       できないか など

      ・付随的価値
       パッケージやデザインは適切か、商品の説明が十分になされて
       いるか など

      ・状況的価値
       品揃えや販売手法は適切か、店頭販売のほかにデリバリー販売も
       可能か など

   3.2種類の顧客ニーズを考える
     さらに商品の価値を顧客ニーズの視点から2つに分けて考えることも有効で
     す。

     顧客ニーズを大きく2つに分けると、
      ・価値創出型ニーズ(やりたいことができるようになるニーズ)
      ・問題解決型ニーズ(やりたくないことをやらなくてすむニーズ)
     となります。

     普及が進んでいるハイビジョンテレビなどは、「より高画質でテレビがみられ
     る」という価値創出型ニーズと、大画面であるのに省スペースという問題解決
     型ニーズを同時に満たしています。

     またこれも普及が進んでいる食器洗浄機や洗濯乾燥機などは皿洗いや洗濯
     といった、できればやりたくないことを代わりにやってくれる典型的な問題解決
     型の商品です。

     自社で扱っている商品にちょっとした工夫をすることで、これまでできなかった
     ことも同時にできるようになったり(価値創出型)、面倒な手順が省力化できる
     (問題解決型)こともあるかもしれません。

     ここにも事業アイディアのヒントがありそうです。

     ここまでは自社の商品をさまざまな角度から捉えることによって事業アイディア
     を創出する方法について解説してきましたが、まったく新しい発想を得るため
     には日頃からの情報収集活動も欠かせません。

     事項以降では効果的な情報収集の方法について解説します。

  世の中全体のトレンドを把握する

   1.事業化のフィルターを通した「ネタ帳」を作る
     我々がテレビや新聞、インターネットなどで毎日受け取る情報量は膨大です。

     情報を受け取ったときには「なるほど」と感じても、放っておけばどんどん忘れ
     てしまいます。

     しかし、事業アイディア創出のためには、これらの情報に接する際に常日頃か
     ら「自社のビジネスに結びつかないか」というフィルターを通して接することが
     大切です。

     こうすることで膨大な情報から事業化のヒントになりそうな情報のみを抽出し、
     その他の情報とともに忘れてしまうことを防ぐことができます。

     ちょうど新聞をスクラップするように有益な情報のみを蓄積していくわけです。

     そして、抽出した情報は端的なキーワードなど、何らかの形で記録として残し
     ます。

     実際に事業アイディアを考える際の「ネタ帳」として活用するためです。

   2.業界情報だけではなくトレンドにも注目する
     それではどのような情報を「ネタ帳」として残していけばよいのでしょうか。

     すぐに思いつくのは、自社が属している業界の情報でしょう。

     同業他社の新商品などの情報は、当然気になるところです。

     実際にこれらの情報に注目し、業界紙や専門誌を購読している方も多いでしょ
     う。

     しかし、まったく新しい発想を得るためには、世の中全体の流れ、つまりトレン
     ドに関する情報収集も必要です。

     ビジネスとして広く受け入れられる事業アイディアを生み出すには、世の中全
     体のトレンド(時流)に関する情報にも敏感になる必要があるのです。

     たとえば、トレンドとしてすっかり定着した「癒し」という言葉について考えてみ
     ましょう。

     「癒し」という抽象的な言葉からは一見するとビジネスアイディアは浮かんで来
     ないように思えます。

     しかし、実際には最近は「癒し」を目的にしたビジネスがいずれも好調です。

     たとえば「ペット関連ビジネス」、「マッサージ」、「岩盤浴」、「家庭用プラネタリ
     ウム」、「自然食レストラン」、「アウトドア関連ビジネス」、「絵本」などさまざま。

     それぞれ売る商品やサービスそのものは違っていますが、ストレス社会に生き
     る現代人が強くもっている「癒されたい」というニーズに応えようとしている点は
     共通しているわけです。

     ◎トレンドをベースにさまざまなビジネスが興隆 
       このように考えると、
        ・自社の現状のビジネスに「癒し」という付加価値をつけられないか
        ・新規事業として「癒し」ビジネスに取り組めないか
       を検討することが事業アイディアの創出につながるとわかるでしょう。

       ちなみに「癒し」以外に最近注目されているビジネスに応用が利きそうな
       キーワードとしては、

       たとえば、
        「健康」、「安全・安心」、「少子化」、「シルバーエイジ」、「いきがい」、
        「3R(リサイクル、リユース、リデュース)」、「ロハス」、「地産地消」、
        「アンチエイジング」、「温暖化」
       などがあげられます。

   3.同じトレンドのなかでもニーズは微妙に変化する
     「癒し」についてもう一度考えてみると、少し前までは庶民の間では景気回復
     の実感などなかったから、基本的には「癒されたい、でも安く」というニーズが
     主流だったでしょう。

     しかしながらようやく景気回復の実感をもてるようになった人のなかには、「高
     くてもいいから癒されたい」という人も増えているでしょう。

     同じトレンドのなかでも必要とされるニーズは微妙に変わっているのです。

     このように、「世の中全体のトレンドは何か」、「そのなかで今必要とされている
     ニーズは何か」、「そのニーズに自社がどのように対応していくか」を考えること
     は事業アイディアを考えるうえで非常に有益なのです。

   4.トレンドとブームを取り違えない
     トレンドと似たような使われ方をする言葉に「ブーム」というものがありますが、
     事業アイディアを考えるうえでこの2つの概念は分けて考える必要がある。

     トレンドとは先にあげた「癒し」のようにはっきりとした根拠があり、長期的に安
     定した広い分野の需要が見込めるものだと考えることができます。

     一方ブームとは、確かにはやってはいるがその根拠がよくわからなかったり、
     極めて短期間に劇的に盛り上がる反面、ピークを越えると急速に消えていく一
     時的な現象のことです。

     事業アイディアに結びつきそうな世の中の現象を「トレンド」と捉えるか「ブー
     ム」と捉えるかによってその対応の仕方はまったく変わってきます。

     トレンドと捉えるのならば、じっくりと腰を落ち着けて長期的・本格的に取り組む
     価値があるでしょう。

     しかしブームと捉えるのであれば、事業化は見送るほうが無難でしょう。

     なぜなら「ブーム」に気づいた段階から自社が追随しても実際に事業化できる
     ころにはそのブームは終焉していることがほとんどだからです。

     自社にそのブームをとらえるだけの経営資源がすでにあり、ほとんど時間的ロ
     スがなく事業化できるといった特殊なケースは除いて、ブームに便乗した事業
     化は失敗する確率が高いといえるでしょう。

     ◎トレンドとブームの違い

   5.逆張りの発想をもつ
     ここまでトレンドを把握した事業アイディア創出の大切さについて述べてきまし
     たが、ときにはあえてトレンドと逆張りの発想をもつことが有効なこともありま
     す。

     ここで逆張りの発想の典型例を紹介しましょう。

     ある靴の貿易商の話です。

     嵐で船が流されて、文明の発達から取り残された離島に漂着してしまいまし
     た。転んでもただでは起きない貿易商は、その島で靴を売ることを思いつきま
     す。しかし出会う島民はみな裸足です。この島では「靴を履く」という習慣がま
     だないのです。

     つまりこの段階ではこの島のトレンドは「素足」なのです。

     そのときその貿易商は次のどちらの感想をもつでしょうか?
      @靴を履く習慣がない人たちを相手にしても仕方ないとがっかりする
      Aまだ誰も靴を履いていないということは、この島の靴の市場を独り
        占めできる可能性がある

     あくまでトレンド重視で考えれば貿易商の選択肢は@しかありません。

     しかしあえて自らがトレンドを切り開く(靴文化を根付かせる)という気概があれ
     ばAを選択し、大成功を収めることができる可能性もあるわけです。

     これとは逆にトレンドとしては終焉を迎えつつあり、同業他社が相次いで撤退
     している市場にあえて参入するという方法もあります。

     たとえば、レコードプレイヤーはあっという間にCDプレイヤーにその座を奪わ
     れましたが、一部のコアなオーディオファンのなかにはいまだにレコードプレイ
     ヤーの「柔らかい音」から離れられない人たちがいます。

     急速に市場は縮小したとはいえ、消滅したわけではありません。

     撤退企業を尻目にあえて参入し、小さい市場を独り占めすることも可能なので
     す。

  □地域特性を把握する

   1.地元の特性を理解する
     事業アイディアを考える際には、その地域の特性を把握することも欠かせない。

     とくに中小企業の多くは地元を基盤に活動しているので、そこに住んでいる人
     や企業の特性をできるだけ正確につかむことが大切です。

     世の中全体のトレンドを把握したうえで、活動する地域の特性に合わせて事業
     アイディアを修正する必要があるのです。

   2.こんなに大きい地域格差
     極端な例をひとつご紹介しましょう。

     総務省が発表した「家計調査」(平成16年〜平成18年の1世帯当たり年間の
     支出金額)によれば、県庁所在地のなかでもっとも喫茶代が使われているの
     は岐阜市で金額は16,845円、もっとも少ないのは宮崎市で2,359円でした
     (全国平均は5,275円)。

     岐阜市では実に宮崎市の7倍以上の支出をしているわけです。

     岐阜市の1回あたりの喫茶代が極端に高いとは考えにくいので、岐阜市民は
     とにかく頻繁に喫茶店に通っていることになります。

     一方、同じく総務省による「事業所・企業統計調査」で両市の喫茶店の数(平
     成16年)をみてみると、岐阜市は3,446店で、宮崎市392店の9倍近い喫茶
     店がひしめきあっています。

     もし自社で新規事業として喫茶店ビジネスを展開することを検討するとしたら、
     基盤とする地域が、喫茶店に通う文化が十分に根付いているが競争が厳しい
     「岐阜市型」か、喫茶店文化は低いが競争が少ない「宮崎市型」かによって戦
     い方が大きく異なってくるはずです。

     このように事業アイディアを考える際には、実際にそれを展開する地域の特性
     を把握することが非常に大切なのです。

     なお、地域特性を把握するためには、すでにあげた「家計調査」や「事業所・企
     業統計調査」などのほかに「国勢調査」も参考になります。

     国勢調査では平日昼間の人口や住んでいる人の数が市町村単位でわかるの 
     で、自社の商圏が「ビジネス街型」なのか「ベッドタウン型」なのかの傾向をつ
     かむことができます。

     さらに、朝日新聞社が発行している「民力」という書籍も非常に参考になる。

     「民力とは生産・消費・文化などの分野にわたって国民が持っているエネル
     ギーである」と定義されており、都道府県別・商圏別の各種データのほか、独
     自の指標として「民力総合指数」が掲載されています。

     自社の基盤である商圏の特性を把握するうえで、大変参考になるでしょう。

      家計調査報告(家計収支編)平成29(2017)年

      平成18(2006)年事業所・企業統計調査

      平成27(2015)年国勢調査


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当たり前のこと(原理原則)ができていない

 

ビジネスの基本となる原理原則を徹底


  当たり前のこと(原理原則)ができていない会社が多いのではないでしょうか。

  トップ自らが「忙しくて・・・」、「人がいなくて・・・」、「うちの業界は特殊だか
  ら・・・」と言い訳をすることが多いのです。

  関与先事業所の実態調査で、どの取引先がどのくらい利益を上げているのか、
  どの取扱商品が儲かっているのかを調べましたが、実際に管理しているのは、
  取引先別・商品別の売上高だけであり、利益については管理していない(デー
  タが整備されていない)状態です。
   
  ■継続は力  

   巷では営業に関する情報が氾濫していますが、多くが“インスタント”を売りにした
   言葉が飛び交っています。

   継続してこそ成果が出るといった言葉はそこにはありません。

   なぜなら、それではアナウンスしている商品・サービスが売れないからです。

   もちろん直ちに成果が出せるに越したことはありません。

   トップセールスマンなどのセミナーに参加し、どれだけの営業マンが成果を出し
   ているのか、はなはだ疑問です。

   かくいう私も過去に数多くのセミナーに参加した一人だからです。

   優秀な営業マンではなかった私にとって、収益アップのノウハウは垂涎の的だった
   のです。

   しかし、多くのセミナーに参加した結果どうだったのか?

   1、2ヶ月は気持ちも高揚し、モチベーションも高まり、参加した内容を試みました
   が上手くいきませんでした。

   そして、高揚した気持ちも冷め、「これではいけない」と思い、さらにセミナーに参
   加するといった繰り返しが数年続きました。

   それでは優秀な営業マンとそうでない営業マンの違いは何でしょう?

   優秀な営業マンが持っていて、そうでない営業マンが持っていないもの?

   それは、

    『センス+もうひとがんばり』 です。

   私見ですが、センスとはもって生まれた才能だと思うのですが、そのセンスに
   ついて朝日新聞(H.22.2.19記事)にこんな記事がありました。

     「オリンピック選手のDNAは特別か」

   そこには、日本人とアフリカ系の選手を調査したところ、瞬発力や持久力にすぐ
   れた選手はミトコンドリアDNA(細胞内で生命活動に欠かせないエネルギーをつ
   くり、母親からのみ引き継がれるDNA)を持つ割合が多いとのことです。


   それではセンスのない営業マンはどうしたらよいのでしょう?

   優秀な営業マンが持つセンスはムリにしても、我々にも『もうひとがんばり』はまね
   できるのではないでしょうか。

   人の心には「怠け癖」、「楽をしたい」、「手っ取り早く儲けたい」といった気持
   ちがうごめいています。

   このような気持ちがギャンブルや、ばくち的な金融商品に手を出し、最悪の結末に
   なった例を我々は多数見聞きしてきました。

   私たちはインスタント志向の強い社会に置かれています。

   電子レンジでチンするインスタント食品、コーヒーなど。

   しかし、インスタントな「成功」は滅多にありません。

  
   この『もうひとがんばり』を言い換えるなら、『仕組みをつくるための努力』と言っ
   てもいいでしょう。

   『仕組み』について簡単に言いますと、業務を標準化し、手順書(マニュアル)
   にすることです。

   優秀な営業マンは手順書がなくても、業務の手順を体(感覚)で覚えているのです。

   でも、数パーセントの優秀な営業マン以外の凡人営業マンは業務手順を文書に
   落とし、繰り返し手順書どおりに、体が覚えるまで繰り返し続けることです。

   これが『もうひとがんばり』の意味です。

   決して精神論的な「がんばり」ではありません。

   精神論でがんばることができる人は、やはりセンスに長けた少数の人しかいません。

   これらのことを踏まえ、凡人営業マンが収益を上げるには『もうひとがんばり』が
   欠かせません。

   結局のところ、平均的なこと、ほどほどのことをしていては、真の意味での効果や満
   足は得られないのです。
   
  ■プロダクト・アウトとマーケット・イン

   多くの企業が自社の販売・生産計画に基づいて、市場へ製品やサービスを投入
   する方法(プロダクト・アウト)をとってきました。

   国内の企業の多くが今日に至るまで、「良いものを作れば売れる」といった売り
   手側の視点での製造・販売してきましたが、海外では苦戦を強いられているよう
   です。

   要因は多々あるでしょうが、その中でも注目すべき点は日本製品のガラパゴス
   化と言われる「過剰な品質」にあるようです。

   そして、作ってからどこのマーケットに、どのように売るか(売り方)を決めている
   のです。

   これはたくさん売る(万人に)といったマスマーケティングの発想です。

   プロダクト・アウトと相反する言葉にマーケット・インがあります。

   これは、たくさん売るから確実に売るといった発想に基づいています。

   マーケット(消費者)のニーズを十分にくみ上げて、それを製品・サービスという
   カタチにして市場に出すという「はじめにマーケット(顧客)ありき」の考え方を言
   います。

   マスマーケティングと意を反するのが、市場の細分化により販売先を特定の顧客
   層に絞り込むターゲット・マーケティングです。

   マス・マーケティングと比べ、より「売る相手を知る」ことが求められるマーケティ
   ング手法といえます。

   さらに、「一人ひとりの顧客を知る」「一人ひとりの顧客に焦点をあてる」マーケテ
   ィング手法がOne to Oneマーケティングです。

   ワン・トウ・ワン・マーケティングでは、企業と顧客との一対一の関係づくりが重視
   され、各顧客のニーズに合った商品やサービスを提供し、顧客との長期的な関
   係づくりを目指します。

   お客様にとって、多くの選択肢の中から「自社を選んでもらうための違いをど
   こに見出
すか」という視点を抜きにしていては、マーケットイン、プロダクトアウト
   のどちらであれ、成果を上げることは難しいといえるでしょう。
 

  ■卵を一つの皿に盛るな

   会社にとって売り上げを上げることより重要なことは、会社をつぶさないことです。

   イギリスの有名な格言に、Don't put all your eggs in one basket (卵を一つ
   の皿に盛るな)があります。

   ここに卵が5個あり、それを盛りつける皿が一枚あるとします。

   この場合、5個の卵を一枚の皿の上に盛りつけて、
   その皿を落っことしてしまったら、たまご1.jpg卵の運命は
   どうなってしまうでしょうか。

   当然、皿が割れてしまうと同時に、卵も割れて 
   しまいます。

   もし、5個の卵を一枚の皿に盛りつけないで、
   一個づつ別々の皿に盛りつけていたら、皿を
   一枚落っことしても、その損害は卵一個ですみ
   ます。

   4個は無事安全で、全部の卵が割れることは 
   ありません。

   それと同様に、「一社危うし、一品危うし」があ
   ります。

   今置かれている環境が、得意先一社、一種類の扱い
   商品に自社の売上高を依存することは、「卵を一つの
   皿に盛りつけている」のと同じ状況なのです。

   得意先の意向にいいように使われ、度重なる要求も呑まざるを得ない状況になり
   かねません。

   世の中には、永久に売れ続ける商品など一つも存在しません。

   しかも、マーケットが成熟してくると、お客様が一つの商品に飽きるのが早く、必
   然的にライフサイクル(商品寿命)が短くなってきます。

   つくれば売れた時代は過去の話です。

   極端にいえば、昨日売れていた商品が、唐突にも今日には売れなくなり、今日売
   れている商品が、突然に明日には売れなくなるかもしれないのです。

   それほど商品のライフサイクルが短縮化してきているというのが、成熟期の特徴
   です。

   しかし、商品寿命の短かさを嘆いてみても始まりません。

   お客の好みとかニーズが常に変化するのは当たり前なのです。

   ならば、企業もまた常に変化し続け、お客様のニーズのありようを絶えず追求し
   ていく必要があります。

   ある特定の商品の売上が大きく、その他の商品の売上が小さい場合にも起こります。

   一つの商品の好調に酔い、次の商品の開発を怠る経営者は少なくありません。

   そこに「一品依存」の経営体質ができてしまうのです。 

   そのことを物語っているのが、最近の報道でもご存知のシャープの経営危機。

   危機の要因となったのが、亀山ブランドと呼ばれたシャープの液晶テレビです。


   一社との取引依存、一品依存、単品経営の恐ろしさは、売上減に対してのFail safe
   (安全装置)がなく、ニーズの変化に対して、会社を無防備状態に放置することです。

   主力商品は少なくとも三品は持っておきたいものです。

   そして、そのうちで最大の売上の主力商品でも、その依存度の比率は上限で
   20〜30%程度にとどめることが望ましいでしょう。

   これは最大の主力商品の売上をわざわざ落とし、その比率を30%程度の数字に
   することではなく、最大の主力商品の売上はそのまま維持し、その他の商品の売上
   を伸ばすことによって、最大商品の占める比率を相対的に低くすることを意味
   します。

   そのためには、小口の売上をバカにしないようにすることです。

   マーケットの成熟化という時代においては、需要が細かく細分化して、一つ一つの
   売上は小口化していきます。

   むしろ大口の売上は望外の幸せと考えて、小口の売上をコツコツと丁寧に拾い
   あげることが、何よりも大切になってきます。

   そうすれば、仮に最大売上を誇る主力商品のライフサイクルがつきても、最大でも
   売上の30%の損失ですみます。

   いや、小口需要を丁寧に拾っていれば、大きくカバーできることもあり、単品
   経営のように、会社全体の売上が根こそぎなくなってしまうという結果にはな
   らないのです。

   そして、もっと大事なことは、主力商品のライフサイクルが尽きることを想定して、
   次の新商品を用意周到に準備しておくことです。

   それを、旧商品の寿命がつきはじめた時期に発売すれば、売上減を招かなくて
   すみます。


   競合他社との競争がますます激化していく中で、中小企業が生き残っていく
   には大企業が手を出さない隙間市場をターゲットとし、他業種とのアライア
   ンス
やJV(ジョイントベンチャー)により、扱い商品・サービスの付加価値
   高めることです。


  ■問題点

   ○ 取引先別、商品別の利益に関するデータが
     整備されていない。

   ○ 販売先に対するリスク(与信)管理
     できていない。 商売ルール.gif

   ○ 社内での情報が共有化されていない。

   ○ 社内の環境整備が行き届いていない。

   ○ 挨拶が全員に徹底されていない。

   ○ パート、アルバイトの時間管理が徹底
    できていない。

  ■基本ができていない理由

   ○ 情報(データ)の重要性についての認識不足
    トップが情報管理の重要性およびその活用の
    有効性を認識していない

   ○ 売上重視への偏り
     トップが「売上重視」に固執しすぎると、「売上さえ上げればいいんだ」とい 
     うことになり、「利益をあげる」という商売の基本を忘れてしまう。

   ○ 個人の営業力への依存
     中小企業の多くが、会社の知名度が低いため、営業は個人の力によると 
     ころが大きく、会社として組織的な営業は無理だと考えてしまうトップが
     多く見られる。

     「優秀な人に付いていた顧客が逃げていってしまうのではないか」と考え、
     営業マンの担当先を替えることができず、優秀な営業マンのやり方が会
     社に広がっていく(営業の仕組み)ことがなく、会社としての営業ノウハウ
     が蓄積できずにいる。

   ○ 顧客視点の欠如
     売上を上げる為に、基本中の基本である基本動作(挨拶、電話対応、清
     掃、身だし なみ 等々)が重要視されず、基本動作の訓練に時間を取る
     よりも、商品を売る時間の確保が優先され、基本がおろそかになってい
     き、顧客がどんどん離れていってしまう。

   ○ トップの甘え
     ビジネスの基本的なことが徹底できない理由は、トップが本気になってい
     ないことが一番の原因。


  ■基本(原理原則)を徹底する

   ○現状を否定する
    過去の成功体験や業界の慣習が染み付いており、斬新な発想がしにくく
     なってしまう。

    他の業界では当たり前に行なわれていることも、「うちの会社では無理だ
    な」「うちの業界は特殊だから」と、できない理由をあげてしまう。

   ○ トップの覚悟と実践
     何事も実践して、定着させるにはトップが情熱を持ち、しゃかりきになって
     やらないとなかなか定着しません。

     どんなつらいことがあっても、やり抜くんだという覚悟を決めることが重要
     であり、やると決めたら、そこまでやるのかというくらい徹底する。

     「1つひとつのことをきっちりとやり切る」それを積み重ねていくことが、物
     事を定着させる唯一の方法である。

   ○ 1つのことを徹底する(凡事徹底)
    初めにあれもこれもと多くのことをやろうとすると、全部が中途半端に終
    わってしまうことがあります。

    まずは、ビジネスの基本である挨拶を徹底することです。

    ビジネスの基本となる「当たり前のことが当たり前にできている」ということ
    は、実は大変難しいことです。

    それができている会社は、とてもレベルが高く、業績もよい会社なのです。

  ■成約率を高めるセールスの基本

   あなたはセールスにおいて我流を押し通していませんか?

   見込み客への『プレゼン』や『マーケット』について、『お客様の心理』、『トー
   ク』、『ビジネスマナー』など、自分では良かれと思っていた言動により、せっ
   かくのチャンスを逃してしまっていないでしょうか。

   ほんの些細なことで、成約率はアップします。

   是非、ここに紹介する内容(基本)を身に付け、成約率を高めてください。
    
   ○全売り上げの80%を占めるのは20%の顧客(パレートの法則)
 
   上位20%の優良顧客への訪問時間、訪問頻度をもっと増やしていくことです。

    残りの80%の顧客への対応は、ドラスティックに判断すべきでしょう。

    物理的(時間、手間暇)には、手間暇かかっている顧客80%の内、一部20%の
    顧客にかかっているはずです。これを整理しましょう。

    コストの点では、全体の80%のコストがわずか20%の顧客によって消費されて
    いる。

    ならば、これらのコスト増の要因を調べ、コストがかからない仕組みをつくること
    です。

    たとえば、これらを新人に任せ、あなたは新規顧客に全力を傾けるといった
    方法もあります。

    すべての顧客に同品質のサービスをするのではなく、顧客をランク分けし、
    ランクごとにサービスの内容を変えることです。

   ○お客様の利益(メリット)   
    お客様が商品やサービスを通して手
    にする最終メリットのことで、利点とい
    ってもよいでしょう。

    つまり、人々や企業の願望(欲求)・抱
    える悩み・問題を解決するような商品 
    やサービが利益だということになりま
    す。

    販売成績をのばす秘訣は、「必要なもの
    を必要な人に必要なときに売る」ということ
    です。

    必要のないところに行って、契約がとれないと
        嘆いても無意味なことです。

    優秀な営業マン(セールスパーソン)は決して無理に売ろうとはしません。

    そのために、まず最初に、近日中に買ってくれそうなお客様(今すぐ客)と
    そうでないお客様(そのうち客)を見分け、アプローチしていきます。

    つまり、ニーズの有無を見分けながら、ニーズのありそうなお客様からアプ
    ローチをかけていくのです。

   ○マーケットありき
    セールスで成功するためには、最初に決めるのはマーケットです。 

    スキルにとらわれると、「売れないのはおかしい。客が悪い」という独善的な
    思考に囚われてしまうので要注意です。

    売れなくなったら、「マーケットの選択を間違えたかなあ?」と釣り場をすぐに
    替えられる柔軟性に富む営業マンが増収できるのです。
   

   挨拶
 
   「語先後礼」という言葉があります。

    先に言葉(あいさつ)、後に礼をするという意味で、これが、もっとも丁寧だと
    されています。

    初めて会う人には、目をしっかり見てあいさつをしてから、そのあとで頭を下げ
    た方がよいでしょう。

   ○目に見える商品にする
    目に見えないものを目に見える形で売るためには、どうしてもたとえ話でお客様
    のイメージに働きかけることが必要になります。

    対象がユーザー(個人)であれば、家族の話題、子どもの話題、仕事の苦労話
    や責任感といった話、人生を生きていくためのヒントなどによりニーズ喚起して
    いきます。

    事業所であれば、社長の創業の苦労話、業種にあわせて最近の事件事故の
    事例、従業員の不祥事、サービス残業問題、ハラスメント、等々。

   いいと思ったことはすぐに実験(実行)してみてましょう。

   商売を成功に導くのは、他の成功事例を「真似る」ことです。

   「学ぶは真似るに通じる」や「愚者は自分の経験から学び、賢者は他人の経験から学
   」の言葉にあるように、限られた時間や資金の中で経営していくためにも、「真
   似る」ことから始めましょう。

 


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自社の「売りモノ」は何か


   自社の「売りモノ」を明確にし、「売りモノ」でない作業に人員を投入したり、
   時間を使わないことです。

   しかし現実では、自社の「売りモノ」でない作業も当然発生してくる。

   会社にはサービスを低下させないために付随した業務活動があって、どうしても
   その業務をやらなければならないことが多いのです。

   ただその場合でも、それが自社で行う作業か、または外部にやってもらうべき作業
   なのか? まず区別して考えなければなりません。

   そうしなければ、売上げが増加すればするほど人員が増え、労働生産性が落ちて、
   儲からない会社になってしまいます。

   社員数を増やさずに儲かる体質をつくるには、以下の3点をしっかり押さえること
   です。

    ・自社の「売りモノ」は何かを、ハッキリさせているか?

    ・自社の「売りモノ」に直接かかわりのない繰り返し作業を他社に委託でき
     ているか?

    ・自社の社員の品質を上げ、専門的な業務活動の面で同業他社の社員よ
     り「質的なレベルアップ」をはかる指導をしているか?

  □人にかかるコスト
   小さな会社の場合は、けっこう人の出入りが多いものです。

   大企業ならば「寄らば大樹の陰」で、いったん入社した社員はたいてい定年まで
   勤めようとするが、小さな会社では、せっかく人を採用しても簡単にやめてしまう。

   ここが問題なのです。

   会社経営において、人のコストが一番高くつきます。

   人のコストは「入社させるコスト」、「在職中のコスト」、「退職させるコスト」と
   3つに分ければ、よくわかるはずです。

   過去に自社(店)をやめた人の「やめた理由」を一覧表にすることをお勧めします。

   採用時にその一覧表をもとに、会社の状態を説明することで採用時に人材の選別
   ができます。

  「労働生産性」と「労働分配率」
   小さな会社の経営で、一番重要視すべきは経営の収益基準である「労働生産性」と
   「労働分配率」です。

   たいていの中小企業は、粗利のうち約50〜60%を労働分配率が占めており、労
   働生産性も1名当たり60万円前後のレベルにあります。

   ここで問題になるのは、これらの労働生産性や労働分配率の数値が、標準より悪
   い時です。

   この場合は大体、売上規模と比較して、人員過多のケースが多いことです。   

   トップを含め、すべての社員が「総粗利の中に占める自分たちの総人件費は約
   50%」であるということを、知らしめ、認識させることです。

   小さな会社は、社員1人ひとりが複数の業務を兼務できる「多機能型人材」が欠か
   せません。

   そのためには、業務分担表の作成に始まり、業務の標準(マニュアル)化が必須
   です。 

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