企業コンセプトを確立する

         

自社のコンセプトを確立

  ■自社のコンセプト

   会社経営においてコンセプトを確立することは非常に重要です。

   コンセプトが不明確であると、経営における様々な場面でブレが生じる要因となり、
   営業においても、見込み客、新規顧客の心をつかむことが困難となり、リピート客へも
   不満や不安を与えることになります。

   企業コンセプトの構築に重要なことは、自社の経営理念の本質を理解することです。

   そしてコンセプトの確立は自社ブランドの構築において重要となります。

    1.コンセプトの重要性
      コンセプトとは自社の特徴を簡潔な言葉で表現したものです。

      「自社は○○業です」というだけでは、たんに自社の業種・業態を「名刺」のよう
      に示したに過ぎません。

      コンセプトとは、その事業を通して「自社は何をやろうとしているのか」が、お
      客様に対しても十分に伝わるものでなくてはなりません。

      また、コンセプトを明確化するということは、競合他社との違いを理解してもらう
      ことでもあります。

      「その他大勢」に埋没することなく、お客様に関心をもってもらうためには、コ
      ンセプトによって「自社ならでは」の特徴を鮮明にする必要があります。

      関連性のある言葉として、「USP」、「売り」、「付加価値」「ポジショニング
      などがあります。
      
    2.自社コンセプトに必要な3要素
      たとえば、ある飲食店が「豊かな食生活でお客さまを幸せにする」という方針を掲
      げていたとしても、それ自体ではコンセプトに
      は成り得ません。

      コンセプトは具体的でわかりやすく、お客様に
      とって魅力的でなければならないのコンセプトa.jpgです。

      そのためには、
      「誰に対して」、「何を」、「どうやって」提供す
      るかという3つの要素(事業コンセプト)を備
      えておく必要があります。

       ・誰に対して(ターゲット
        自社はどのような特性をもった顧客層(ター
        ゲット)に向けて事業を行いたいのか、どの
        ようなニーズをもっている人をターゲットにし
        たいのか。

        市場を同質のニーズを持ついくつかの集団に細分化し、個々の市場にあっ
        た売り方が必要になってきたことで、企業は、売り込む先を自社の製品・サ
        ービスを最も欲するであろう特定の顧客に絞り込むことができます。
 
        つまり、「標的市場(ターゲット市場)」が選定できるのです。

        これにより、企業は自社のヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を使って
        集中的に標的(ターゲット)とする顧客に売り込むことで、効率的により大き
        な成果が挙げられるようになります。

       ・何を(ベネフィット)
        ターゲットのニーズを自社の商品のもつどのようなべネフィット(便益)で
        満たすのか、商品にどのような価値を感じてもらうのか。

        自社の事業全体に関する「事業コンセプト」とともに、自社で扱っている
        個々の商品についての「商品コンセプト」も必要です。

        商品コンセプトとは、「この商品はどのようなものか」、「今までの商品とど
        こが違うのか」、「誰がいつどこでどう使うのか」、「メリットは何か」等を
        ひとことで言い表したものです。

        「A」、「B」、「C」の3つの商品があれば、それぞれの商品を通じて顧客に
        届けたいベネフィットは異なるはずです。

        コンセプトがまったく同じならば、そのようなラインナップにする必要はあり
        ません。

        似通ったコンセプトの新商品を投入すると、カニバリゼーション(自社の商
        品・サービスが自社の他の商品・サービスとシェア争いをする「共食い」現
        象のこと)を起こす可能性が高くなります。

       ・どうやって(根拠)
        ベネフィットを可能にする自社独自の技術・ノウハウは何か、競合他社に比べ
        てどの部分に優位性があるのか。

    上記の3つの要素を踏まえて、前述の「豊かな食生活でお客さまを幸せにする」という
    方針を具体化すると、

    たとえば、
     ・食の安全に関心が高いファミリー顧客に対して(ターゲット)
     ・厳選素材を使ったオリジナル料理でおいしさとヘルシーさを(ベネフィット)
     ・自社独自の調理ノウハウ、オリジナルソース、高い接客技術で(根拠)

    で、提供するというコンセプトとして定義することができます。

    コンセプトを明確化することによって、顧客はこの飲食店が自分に対して何をしてく
    れるのかを鮮明にイメージすることができるのです。

  ポジショニング 
   コンセプトを明確にする際には、その商品・サービスを、どのような相手に、どのように
   販売するか、を設定することです。

   自社の考え方を相手に伝える際にもよりわかりやすく表現することができます。

   顧客ニーズが多様化・複雑化している現在、販売の土俵を決めて戦力を集中しなければ
   なりません。

   万人を対象に、あなたの扱う商品・サービスを販売すべきではありません。

   市場のどこで勝負をかけるか、「販売する土俵」(他社と違う土俵)を設定することが
   ポジショニングです。

  SWOT分析と事業領域(ドメイン)の決定
   自社の外部環境分析と内部資源分析を行い、強みと弱みを把握します。

   そして自社の事業領域(戦うべき市場)を設定するためには「どのような顧客集団
   (who)の」「どのようなニーズ(what)に対して」「どのような方法・技術(how to)
   で」が必要不可欠です。

   中小企業の基本戦略のひとつは専門化です。

   品揃え豊富なデパートを目指すのではなく、専門店を目指します。

   この実現のためにも顧客に提供する製品やサービスの独自性を強めることです。

   ニッチ市場でオンリーワンの地位を築けば、必然的に競争は回避され他企業に対し優位
   性を確保できます。

   限られた現有資産の中で確実に収益をあげるためにも、場当たりな自己流を断ち切るこ
   とが急務です。

   さらに、自社の強みを活かしてた営業展開も重要です。

   送り先であるマスコミに向け、自社の新製品・新サービスについての情報や記事を無料で
   メディアに取り上げてもらうプレスリリースの活用です。

   メディアに取り上げられることで、商品・サービスだけでなく、自社のイメージや信用力
   を向上させることも期待できます。


  □コンセプトを明確にするポジショニングマップ
   コンセプトを明確にする際には「ポジショニングマップ」を活用することで、視覚的・直
   感的に捉えやすくなります。

   また、自社の考え方を相手に伝える際にもよりわかりやすく表現することができます。

   ポジショニングマップとは自社のコンセプトを顧客にどのように理解してほしいのかを
   示したものです。

   ポジショニングマップを作成することで、自社の「立ち位置(ポジション)」や競合企
   業の状況も明らかになります。
    
  □ポジショニングマップの作成手順
   1.Key Buying Factor(購買決定要因:KBF)を設定する
     KBFとは、顧客が数ある選択肢のなかから「この店で買う」、「この商品を買う」
     と最終的に判断する購買決定要因のことです。

     自社にとっての複数のKBFを明確にし、そのなかから重要な2つの要因を縦
     軸・横軸にとってポジショニングマップを作成することが基本になります。

     KBFにはさまざまな種類がありますが、もっともわかりやすいのは「他店に比
     べて安い」、「類似商品に比べて安い」という「価格」でしょう。

     価格に敏感な顧客は多少遠くても安い店に足を運びます。

     自分が必要とするニーズを満たしそうであれば、ほとんど吟味することなくもっ
     とも安い商品を選ぶという顧客も数多くいます。

     また、「品質」も重要なKBFであることはいうまでもありません。

     日頃は価格に敏感な顧客であっても、自分のこだわりがある分野については、
     多少高くても品質重視で店や商品を選びます。

     自分のニーズをよりハイレベルで満たすために割高の支出を容認するのです。

   2.競合状況を探る 
     次に自社だけではなく、競合他社がどのようなポジションにあるのかを書き出して
     いきます。

     「敵を知り、己を知る」ために、それぞれの立ち位置を可視化します。

     その際、事業の捉え方によって、競合とみなすべき相手の幅は変わります。

     たとえば、飲食業の場合、事業を広く捉えれば、同業者のほかに、コンビニ、持ち
     帰り弁当店、宅配専門店、デパ地下やスーパーの総菜売り場なども競合相手にな
     ります。

     しかし、自社が得意ジャンルの専門料理にこだわっているのであれば、同じ飲食業
     であってもまったく違うジャンルの専門店は競合から除外して考えることもできま
     す。

     ここでは「価格×品質」のポジショニングマップが次のようになったとします。

     それぞれの円の大きさは事業規模を表しています。

     この場合、自社は「高価格・高品質」の領域で勝負していますが、同じ領域には数
     多くのライバル企業が存在し、競合状況は非常に厳しくなっていることがわかりま
     す。

     また、「低価格・基本品質」の領域では、F社とG社がしのぎを削っています。

     一方、「低価格・高品質」、「高価格・基本品質」の領域には競合企業が少なく、
     大きな空白ゾーンがあります。

     ポジショニングマップによる分析で、自社の強みをいかせる有望な空白ゾーンを見
     つけることができれば、競争を避けた効率的な事業展開が可能になります。

     つまり、競争が激しくない新たな「種目」にエントリーし、独自の技を磨き差別化し
     ていくことができるのです。

     一般にポジショニングマップ上に空白ゾーンがある場合、
     その理由は次の3つに分コンセプトb.jpgけられます。

      (1)そのゾーンにはニーズがまったくないことが明白で
        ある

      (2)そのゾーンのニーズが高いことはわかっている
        が、収益性の低さや技術的な困難さなどの理由で
        未開拓なままになっている

      (3)潜在的なニーズの可能性はあるが、誰も気づか
        ずに手をつけていない

    上記のポジショニングマップで「高価格・基本品質」が空白
    なのは、(1)の理由であることは明らかです。

    品質に比べて価格が高すぎる商品は誰も買いません。

    「低価格・高品質」ゾーンではE社が健闘していますが、まだ
    大きな空白ゾーンが残されています。

    これはおもに(2)の理由によるものでしょう。

    また、極端な「高価格・高品質」ゾーン、極端な「低価格・基本品質」ゾーンについて
    は、ニーズがないのではなく、(3)の理由によって空白ゾーンが放置されていると考
    えることもできます。

    つまり、「より高い品質が得られるならばもっと高価格であっても構わない」、あるい
    は「さらに基本品質を絞り込むことで、もっと低価格にしてほしい」という潜在ニー
    ズが眠っている可能性もあるのです。

    このように分析していくと、自社の今後の戦略として、
     ・未開拓有望ゾーン進出に向けて、コストダウンや技術開発を強化していく
     ・潜在ニーズの可能性を探り、そのニーズに応えられる要件を研究していく
     ・現在のポジションが厳しい競合にあることは承知のうえで、「同じ土俵」でライバ
    ル企業に打ち勝っていくための方策を強化する

    といった選択肢を検討することができます。

   3.さまざまなKBFでポジションを確認する
     ここまでは「価格×品質」をKBFとしたポジショニングマップをみてきましたが、
     これ以外にも「品揃え」、「利便性」、「機能」、「操作性」など多くの業種・業態
     に共通したKBFがあります。

     これらを軸にしたさまざまなポジショニングマップを分析することで競合他社との差
     別化を探ることが可能となります。

     それぞれのマップのどこにポジションを置くかは、業種・業態によって異なります。

     たとえば、高級な専門ブランドショップのような業態に求められるポジションと、
     手軽なアクセサリーショップに求められるポジションは大きく違ってくるでしょう。

     自社のコンセプトに応じて適切なポジションをとること、さらには自社がそのような
     ポジションで事業を行っていると顧客から認識されているかどうかを確認すること
     が大切です。

     また、業種・業態独自のKBFもあります。

     製造業であれば、「技術力」、「開発力」、「設計力」、「製造力」、「納期」な
     ど、サービス業であれば、「居心地のよさ」、「接客技術」、「待ち時間」、「予約
     の取りやすさ」などが重要なKBFとなるでしょう。

     自社のコンセプトを確立することはブランド構築に共通します。

     どんなに素晴らしい商品やサービスであっても、それを提案する従業員の品質
     レベルが低ければ採用されません。

     それが組織人として、ブランド構築に欠かせない基本動作12項目です。
    
  □商品のポジショニングマップ
   1.事業コンセプトと商品コンセプト

     事業コンセプトとは、自社が「誰に」、「何を」、「どのように」提供するかを決定
     することです。

     事業コンセプトは、いかに先行する競合他社と差別化できるコンセプトを発案し、
     事業規模を拡大していけるのかというシナリオ(筋書き)を明確にします。

     事業コンセプトは、「顧客ニーズの変化方向」と「事業のイノベーション方向を具体
     的に予測することで抽出できます。

     (1)顧客ニーズの変化方向
       現在、3年後、5年後の顧客ニーズの水準がどうなっていくのかを予測します。

       プロジェクトメンバーを中心に徹底的に議論します。

     (2)事業のイノベーション方向
       顧客ニーズの変化方向を予測すると同時に、業界上位の動向から、事業特性
       ・技術革新・取り組むべきノウハウなどが、どのように変化していくのかを予測
        します。

     (3)事業コンセプトの抽出
       顧客ニーズの変化方向と事業のイノベーション方向の両方向から総合的に事
       業の中核的考え方(事業コンセプト)を導き出します。

       原則として、3年後または5年後の中核的考え方を選びます。

       どちらを選ぶかは自社の実現可能性によります。

     自社の事業全体に関する「事業コンセプト」とともに、自社で扱っている個々の商品
     についての「商品コンセプト」も必要です。

     商品コンセプトとは、「この商品はどのようなものか」、「今までの商品とどこが
     違うのか」、「誰がいつどこでどう使うのか」、「メリットは何か」等をひとことで
     言い表したものです。

     「A」、「B」、「C」の3つの商品があれば、それぞれの商品を通じて顧客に届けたい
     ベネフィットは異なるはずです。

     コンセプトがまったく同じならば、そのようなラインアップにする必要はありませ
     ん。

     似通ったコンセプトの新商品を投入すると、カニバリゼーション(自社の商品・サ
     ービスが自社の他の商品・サービスといったシェア争いをする「共食い」現象のこ
     と。)を起こす可能性が高くなります。

     カニバリゼーションは食品などの価格差がなく、重複商品が多い業界で発生率が
     高いといわれています。

     それぞれの商品コンセプトはその共通の土台となる事業コンセプトに合致したも
     のでなければなりません。

     つまり、それぞれの商品コンセプトには「違い」が必要ですが、「矛盾」してはなら
     ない。

     まずは自社の事業全体のコンセプトを確立し、それを踏まえたうえでベネフィットの
     異なる個々の商品コンセプトを固めることが大切です。

  商品のポジショニングマップを作成
   たとえば、ある家電メーカーの商品について、縦軸に
   「機能」、横軸に「操作性」とした商品コンセプトc.jpgポジショニングマップ
   が次のようになったとします。

   この場合、商品A〜Cについては、独自のポジションにな
   っていますが、商品D〜Fのポジションは非常に類似して
   います。

   商品D〜Fについて、それぞれの微妙な違いが顧客の選  
   択肢を広げ、購買行動を促進していればこのようなライン
   アップも有効です。

   しかし、微妙な違いが顧客にとって意味のないものであれ
   ば、顧客はたまたま商品D〜Fのどれかを選んでいるだけ
   かもしれません。

   この場合、商品E、Fの製造を中止し、商品Dに一本化した
   ほうが、製造効率は高まり、顧客に余計な迷いを与えずに
   済みます。

   また、「多彩な機能・簡単操作」、「単機能・マニュアル操作」のゾーンには品揃えが
   ありません。

   前述のようにポジショニングマップ上で空白ゾーンがある場合の理由は、(1)ニーズが
   ない、(2)有望だが未開拓、(3)潜在ニーズに気づいていない、の3種類です。

   (2)、(3)の理由による場合は、ライバル企業がすでに販売している商品もポジショ
   ニングマップに加えて分析してみましょう。

   そして、競合が少ない、あるいは自社商品のほうが優位に立てるという判断ができれば、
   新商品を投入することで、新規顧客層を開拓できる可能性があります。

   企業活動の中心は顧客を創造し維持することだと考え、マーケティングを企業活動の中心
   的な機能に位置付けるマーケティングコンセプトの考え方が重要となります。

 

 

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新商品開発と商品コンセプト

       

新商品開発と商品コンセプト

   
  ■新商品の開発

   市場の変化と競争の激化の中、一般消費者向けの商品を開発している会社は、社会構
   造の変化や消費者の趣味・嗜好の変化にともなって、その変化に対応した商品を提供す
   ることが特に必要になります。

   具体的には、環境問題や規制緩和によって商品の仕様変更を余儀なくされ、商品の
   品質のみならず、その製造方法やアフターフォローの方法に至るまで修正することが   
   あります。

   さらに自社の市場占有率を高めるためには、新商品の開発なども必要となります。

  □商品のライフサイクル
   商品にはライフサイクル(導入期→成長期→成熟期→衰退期)があります。

   導入期は新商品を市場に投入した時期です。

   販売が開始されたばかりのため競合商品は少なく価格も高めです。

   成長期は競合商品も増え、市場でのシェア獲得のための販売戦略が重要となります。

   そして成熟期に入ると値引きが行われ、価格競争が始まります。

   衰退期では販売量は減少し、商品によっては大幅な値下げや在庫処分が行われます。
 
   ライフサイクルは商品の種類によって異なりますが、自社の商品が成熟期や衰退期にあ
   る場合、将来的に成長を続けることは難しくなります。

   そこで新商品を開発して、新たな主力商品を確保する必要があります。

  □新商品開発のプロセス
   (1)アイディア 
     新商品の開発方法はさまざまですが、新商品のアイディアは、新商品の開発を目
     的に創出されるケースと、偶然のアイディアをもとに新商品を開発するケースがあ
     ります。

     前者の場合、ある一定期間を設けてアイディアをスタッフから募ったり、ブレーンス
     トーミングなどの手法でアイディアを集めるのが一般的です。

     後者の場合は、アイディアを出そうと思って考えたわけでなく、「こんな商品があっ
     たら売れるのでは?」という偶然のアイディアから商品開発するものです。

     しかし、いざアイディア(アイディアフォーマット)を捻出しようと思ってもなかな
     か、よいアイディアは浮かばないものです。

     偶然のアイディアを吸収する意味でも、社内で「提案制度」などを設けて定期的に
     アイデアを募集する体制が求められます。
 
     また、アイディアの創出という意味では、顧客からのクレームなどをデータベース化
     しておき、商品開発のアイディアとして利用したり、消費者調査などを通じて、「消
     費者の生の声」を集めるようにするのもよいアイディアを創出する仕組みとして役
     立つでしょう。

   (2)マーケット分析
     新商品のアイディアが出そろい、どのアイディアを採用するのかという段階では、
     それぞれのアイディアのマーケット分析を行います。

     「市場規模」「競合商品」「将来性」などの市場分析を行い、一番よいアイディアを
     選定します。

     その際、「消費者へのアンケート調査」などを実施して好評だったアイディアを選ぶ
     のも一つの方法です。 

     なお、自社に市場分析を行うノウハウがない場合は、外部へのアウトソーシングを
     検討するとよいでしょう。

   (3)企画 
     この段階では、各種スケジュールや予算、製造方法などを企画します。

     具体的には「試作品」「消費者モニター」「販売代理店募集」「製造」「営業」「販 
     売日」などのスケジュールとともに、「開発費」「材料費」「人件費」などのコスト
     算出や、「外注先の選定」などの製造方法を検討します。

     同時にそれぞれの項目ごとに、スケジュール、予算、品質などの管理責任者を決
     めます。
 
     また、できれば企画の段階で、「販売数の見込み」とともに、開発費、材料費、人
     件費などを考慮に入れた「利益の見込み」も立てておきたいものです。

     その結果、利益の確保が望めないような企画であれば商品化は見送るようにします。

   (4)開発
     開発の段階では、まず仕様書を作成し、それを基に試作品を完成させます。

     試作品はなるべく完成品に近いものが望ましいのですが、ここで問題となるのは製
     造コストです。

     いくらよいものでも製造コストが多大にかかるのであれば大量生産ができません。

     大量生産を念頭において材料・素材の選定を行い、場合によっては外注を検討し
     ます。

     自社の技術レベルや機材の有無によっては外注の方が結果的に安く上がる
     ことも少なくありません。
 
     いかに製造コストを下げることができるのかという点を踏まえながら開発すること
     が重要です。

   (5)テストマーケティング
     試作品が出来上がったら、その商品が本当に計画通りに売れるのかどうかを検
     証します。

     消費者モニターのほか、限られた地域での市場テストや営業テストなどを行い、予
     想通りの販売が見込めるのかを調べます。

     その際、期待通りまたは期待以上の販売結果が得られれば、すぐにでも商品化し、 
     全国に向けて販売することができます。

     逆に期待通りの結果を得られなかったときは、たとえ企画の段階で売れるという
     結果が出ても「実際は売れない」と割り切り、商品化は見送るべきでしょう。

     ここまでの開発費は無駄になりますが、売れない商品を市場に導入する意味はあ
     りません。

     再度アイデアまたは企画の段階からやり直します。  

   (6)商品化
     テストマーケティングが終了したら、いよいよ商品化となります。

     大量生産を踏 まえた製造方法の確立、パッケージの選定、広告戦略の推進
     などを行い、販売を開始します。

     その際、商品の種類にもよりますが、流通ルートの開拓も重要となります。企
     画の段階で定めていた営業方法のほかに、代理店の選定や特殊なルートで
     の販売方法など、さまざまな拡販方法を推進します。

     また、顧客へのアフターフォローの仕方や、クレーム処理の対処方法などもこ
     の段階で明確にしておきます。

   (7)販売後のフォロー
     販売を開始した後は、ただ売ればよいというわけではありません。顧客からの
     クレームや意見を集め、商品の仕様やパッケージの見直しを図ります。

  □マーケティング分析と販路の確保
   新商品の開発に当たっては、ただ開発し販売するだけでは、売れるものも売れません。

   正確なマーケット分析とともに、販路の確保が重要となります。

   通常、新商品というと、
    1.今までにない全く新しい商品
      今までにない全く新しい商品を開発して販売する場合、その市場規模は未知
      数となります。

      商品を購入する消費者の「年齢層」「性別」「噂好」のほか、「デザイン」「販
      路」「年間販売室」「将来性」などを考慮し、確実に売れることが見込めた段
      階で参入することが求められます。

      これらのノウハウを自社が持っている場合は問題ありませんが、そうでない
      場合は自社のノウハウだけに頼らず、次のような業種と協力することによっ
      て商品を企画していくことが近道といえます。

       ・商品企画会社(売れる商品の企画)
       ・リサーチ会社(消費者へのアンケート調査やマーケット分析)

      これらの中で最も頼りにすべきは、商品企画会社(企画デザインプロダクショ
      ン)です。

      リサーチ会社の場合、それぞれの商品に対して調査や分析を行うのが仕事
      であり、売れるかどうかの見込みはあくまで予想となります。

      参考とはなるものの、実際の販路の開拓は期待できません。

      一方、商品企画会社の中には強力な販路を持ち、その販路で販売すること
      が期待できる商品を企画している会社もあります。

      そのような商品企画会社と提携し、将来的には自社で企画開発ができるよう
      にノウハウを吸収することが大切です。

      なお、優れた商品企画会社を見つけるためには、今までの実績のほか、「具
      体的な販路を提示できるか」が重要なポイントとなります。

      商品企画が決定した後は、販路を探すこととなります。

      販路はできれば企画の段階で見込みを立てておくことが望ましく、「このよう
      な商品があったら取り扱ってくれますか」といった問い合わせをするとともに、 
      「○○円以下であれば△△個発注してもよい」というレベルの販路をいくつか 
      開拓し、確実に採算が合うと判断できた段階で商品化することが求められます。

      なお、今までにない全く新しい商品を開発して販売する場合、当初は、価格 
      競争に巻き込まれることはなく、価格も強気に設定できます。

      しかし、競合商品が現れたときにはさらなる高付加価値化や生産コストの見
      直しによる低価格化が必要となります。

      競合商品の動向を見据え、常に売れる商品開発を行うことが大切です。

    2.他では販売しているが自社では初めて生産する商品
      他社では販売しているが自社にとっては初めて生産する商品の場合、既存
      市場への参入となるため、市場の把握はもとより、消費者へのアンケート調
      査が重要となります。  

      「他社商品と比べてどう思うか」「いくらなら購入するのか」などという商品そ
      のもののアンケートのほか、「パッケージのデザイン」「購買意欲をそそる
      キャッチコピー」など、十分な調査を重ねた上で商品化することとなります。

      できれば消費者アンケートの専門企業(リサーチ会社など)に依頼し、正確で
      客観的な情報を入手するとよいでしょう。

      既存市場への新規参入は、通常「既存品よりも安くていいもの」、「既存品よ
      りも高いが付加価値が付いているもの」のいずれかを販売することになります。

      前者の場合は、商品1個当たりの利益は少なくなるので、大量に販売しなけ
      れば利益の確保が難しくなります。

      後者の場合は逆に高付加価値を前面に押し出し、なるべく商品1個当たりの
      利益が大きくなるようにすることが求められます。

      販路に関しては、大手の販売店や問屋への営業のほか、通信販売やイン
      ターネット上での販売など、独自の販売ルートも検討したいものです。

      営業先の選定は、それぞれの業態や商品のカテゴリごとに業界団体を調
      べ、その業界団体から名簿を入手するのが早道となります。

      名簿を公表していない業界団体に関しては、大手企業を数社紹介してもらう
      など、効率的な営業を心がけます。

    3.既存商品に何らかの改良を加えた商品
      既存商品に何らかの改良を加えたものを新商品として販売する場合は、従 
      来のデザインやパッケージをそのまま踏襲するのではなく、何らかのリ
      ニューアルを加えたほうがよいでしょう。

      もっとも、現在の売れ行き状況や、競合の度合いによってデザインやパッ
      ケージのリニューアル方法は異なってきます。

      例えば、「市場でのシェアはナンバーワンだが、競合商品によって販売数が
      減少している」という商品の場合、何らかの改良を加えて商品の高付加価値
      化を図ることは非常に有効です。

      その際、商品が成長期にあるときは、機能強化や容量の増加、新材料の採
      用など、高付加価値化をアピールするにとどめ、大幅なリニューアルはしな
      いほうが得策です。

      せっかく構築した認知度を下げてしまうことを避けるためです。

      一方、商品が成熟期にあり、「買い換え需要を狙う」という状況の場合は、デ
      ザインやパッケージの大幅なリニューアルが効果的でしょう。

      商品の種類にもよりますが、新商品としての販売は、競合商品よりも新鮮な
      商品として販売することができるからです。

    など、上記のように分類できます。
 
   それぞれの分類ごとにマーケット分析や販路の確保の手法は異なってきます。

   また、商品のライフサイクルによっても商品の仕様やコンセプトを変更する必要が
   あります。 

   ただし、自社(店)の今ある商品の売り上げが落ちてきたからといって、安易に上記1
   の新商品開発に飛びつかないいことです。

   1の「今までにない全く新しい商品」は売れると思いがちですが、今までにない全く新し
   い商品を開発し販売する場合、その市場規模は未知数となります。

   商品を購入する消費者の「年齢層」「性別」「嗜好(しこう)」のほか、「デザイン」
   「販路」「年間販売量」「将来性」など、多くのデータ(情報)が必要となります。

   それよりも、今ある自社商品を分析し、まず上記3「既存商品に何らかの改良を加え
   た商品」を推進することです。  

  ■新商品コンセプト

   商品のアイデア、イベントや広告のアイデア、新規事業のアイデアなど、どれだけ新しい
   アイデアを発想することができるかが、いい企画を立てられるかどうかを決めるといって
   も過言ではありません。

   しかし、当然のことですが、アイデアを出すだけでは何も実現しません。

   そこで、アイデアを具体的な企画に落とし込んでいくプロセスが重要になります。

   つまり、企画力は、アイデアを発想する力、それを実行可能な計画に変える力が必要
   となります。

   そう考えると、ビジネスパーソンは、新しいアイデアを生み出す発想力を鍛えるだけ
   でなく、アイデアを実現可能な形に変える力も同時に鍛えなければならないのです。 

   アイデアを具体的な企画に落とし込むために、一定のフォーマットを使って、企画立案
   のために必要な要素を整理する方法があります。

   新商品のアイデアを整理し、具体的な商品コンセプトをつくりあげていくためのツール
   に「新商品コンセプトテンプレート」があります。

   商品の形はどんなものか? ネーミングはどうするか? 仕様はどうするか? といった
   要素を、テンプレートに書き込むことで具体化していくことができます。

   企画と一口にいっても、事業計画、プロジェクト企画、販売促進企画、広告企画などいろ
   いろなものがあります。

   その中でも、アイデアが最も重要な意味を持つもののひとつが商品企画です。

  新商品コンセプトテンプレートの使い方
   1.ネーミング
     新商品のネーミングを考えます。

     アイデア段階だからと、いい加減に考えるのではなく、「ここでいいネーミングが浮
     かばなかったら、このアイデアは実現しない」と考えて、お客の購買意欲をそそる
     ようなネーミングを考えてください。

     それだけ商品にとってネーミングは重要な意味を持っています。

   2.商品イメージ
     商品のイメージを絵にしてみましょう。

     絵にすることで、漠然としていたイメージがはっきりとした形になるはずです。

     また、絵にすることで発想が刺激されて、新しいアイデアが連鎖的に生まれてくる
     効果も期待できます。

   3.体裁・スペック
     ここでは商品の仕様をまとめます。

     色、大きさ、素材などをできるだけ具体的にまとめていきます。

   4.商品コンセプト
     何のための、何を実現する、どんな商品なのか、具体的にまとめていきます。

     きれいな文章にまとめようとすると、かえって混乱してしまう場合が多いので、箇条
     書きで書いていくのもひとつの方法です。

   5.ターゲット 
     誰に向けた商品なのか、ターゲットを明確にします。

     例えばビジネスマン向けの商品であれば、単純に「ビジネスマン」と書くのでは 
     なく、年代や職種、どんなニーズを持っているのか、といったことまで明確にし
     ておくとよいでしょう。

     そうすることで、商品のコンセプトがよりはっきりと固まるはずです。

   6.売りのポイント
     これまでにないまったく新しい商品であれば、商品そのものが「売り」になりま
     すが、なかなかそういった商品はありません。

     そこで、他の競合となるであろう商品とどこが違うのか、セールスポイントを考
     えます。

     ここで行き詰まってしまうと、競争力の強い商品を生み出すことはできません。

   7.自社内での位置づけ
     自社の持つ商品ラインナップの中で、どういった位置付に置くべき商品なのか考え
     ましょう。

     価格だけでなく、流通戦略、販売促進戦略なども併せて考えておきましょう。

   8.市場性・将来性
     当然のことですが、市場性・将来性がないものを商品化する企業はありません。

     そういう意味では商品企画の基本中の基本です。

     しっかりと情報を集め、分析し、市場性・将来性を見極めましょう。

   多くのアイデアから付加価値の高い新商品を生み出すためのツールとして、このテン
   プレートを活用してください。

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