ソーシャルビジネス

                    

ソーシャルビジネスの事例と課題

  ■ソーシャルビジネスの概要

   ソーシャルビジネスとは「少子高齢化」、「環境問題」、「雇用対策」など社会が抱
   えるさまざまな問題を民間の力で解決し、かつビジネスとして収益も継続的に確
   保していこうとする社会貢献型ビジネスのことです。

   最近ではこれらの活動に新たに取り組む「社会的起業家」が注目を集めています
   が、すでに事業を行っている中小企業であっても、ソーシャルビジネスの考え方を
   理解することで自社の経営力強化や事業の多様化が期待できます。

   1.3つの要件

    ソーシャルビジネスは、通常の企業が求める事業性とボランティア団体などが
    求める社会性を同時に実現することを特徴としています。

    その要件は以下の3点に整理できます。

    (1)社会性

      特定の顧客層だけではなく、社会全体が抱えている問題を解決することを事
      業活動のミッションとする。

      たとえば環境問題、雇用問題、貧困問題、少子高齢化、人口の都市部への
      集中、ライフスタイルや就労環境の変化などに伴う高齢者・障害者の介護・
      福祉、共働き実現、青少年・生涯教育、まちづくり・まちおこしなどが解決す
      べきテーマとなる。

    (2)事業性

      そのミッションをビジネスの形に表し、継続的に事業活動を進めていくこと。

      事業継続に必要な収益を確実に確保すること。

      本業で儲けた収益を社会貢献活動に回すのではなく、ソーシャルビジネス自
      体で収益を生み出していることが必要。

    (3)革新性

      新しい社会的商品・サービスや、それを提供するための仕組みを開発した
      り、活用したりすること。

      また、その活動が社会に広がることを通して、新しい社会的価値を創出すること。

      なお、同類の言葉として、「コミュニティビジネス」があります。

      コミュニティビジネスは地域限定のボランティアに近い活動の意味で使われ
      ることもありますが、ソーシャルビジネスはより広い地域性、事業性、革新性
      をもったビジネスを想定しています。

   2.注目を集めている背景

    ソーシャルビジネスが注目を集めている背景には、民間の力で社会的問題を解
    決する必要性が高まっているという本来的な理由以外に、これからの時代はす
    べての企業にソーシャルビジネス的な社会との共存姿勢が求められているとい
    う理由があります。

    たとえば、省エネ法改正など環境に関するさまざまな規制は相次いで強化され
    ています。

    また、雇用の安定化などについても積極的な取り組みが求められています。

    CSR(corporate social responsibility:企業の社会的責任)という考え方が
    急速に浸透しつつあるのです。

    このように企業には「利益の追求」だけではなく、社会の一員としてのルールを
    守ることが強く求められるようになっています。

    また、ルールを守るだけではなく、さらに一歩踏み込んで社会貢献をしようとす
    る企業には高い評価が与えられます。

    顧客に対して「より安く、より高品質な商品・サービスを提供する」だけではなく、
    「より正しく、より社会に貢献しつつ」というソーシャルビジネス的な企業姿勢が
    今後は一層求められることになることは確実です。

    そこで、一部の「社会的起業家」や、これまでも一定の取り組みを行ってきた「大
    企業」以外でもソーシャルビジネスへの関心が高まっているというわけです。

   3.さまざまな支援者との調整

    ソーシャルビジネスでは、通常の事業の場合よりも多くの利害関係者との調整
    や協力関係を構築することが求められます。

    たとえば、ビジネスの主旨に賛同し連携してくれる他の企業を探すことや、実際
    にサービスを利用してもらうことになる周辺住民へ理解を深めてもらうことなど
    は不可欠でしょう。

    また、社会貢献度合いの高さを示すことで公的な資金援助を受けること、さらに
    は革新性の高いビジネスを行う場合は大学との共同研究なども重要になるで
    しょう。

    そして、これらの支援を得るためにはソーシャルビジネス主体者自身が「何とし
    ても社会に貢献したい」という強い理念をもっていることが必要なのはいうまでも
    ありません。

    これらのさまざまな支援者たちは通常の事業であれば、いわゆる「ステークホル
    ダー」(利害関係者)に該当します。

    ソーシャルビジネスでは支援者たちにたんなる収益上のメリットだけではなく、そ
    のビジネスが目的としている「社会的問題の解決」についても同時に理解しても
    らう必要があります。

    この説得は容易ではありませんが、目的達成までの長い道のりと困難さを考え
    ると、彼らと「志」をベースにした信頼関係を築くことはソーシャルビジネス主体
    者にとって、避けて通ることはできません。

    逆にいえば多様な支援者を巻き込むことができれば、実際のビジネス展開に向
    けた準備が大きく前進したといえるでしょう。

   4.おもな対象分野

    ソーシャルビジネスの対象としてはさまざまな事業分野が考えられますが、次項
    で取り上げる経済産業省選の「ソーシャルビジネス55選」(2009年2月公表)で
    は、以下の4つに分類されています。

    経済産業省選 ソーシャルビジネス55選 

     @街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・
      仕組みづくりに取り組むもの

     A子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

     B環境・健康・就労等の分野で社会の仕組みづくりに貢献するもの

     C企業家育成、創業・経営の支援に取り組むもの

    いずれも社会全体から解決を求められている問題ばかりであり、また、複数の
    分野の問題を同時に解決しようというソーシャルビジネスも多くあります。

  □ソーシャルビジネスの事例

   経済産業省ではソーシャルビジネスの取り組みを広く世の中に普及させることを
   目的として、国の先進的なソーシャルビジネスの事例を整理し、成功モデルを
   「ソーシャルビジネス55選」としてとりまとめました。

   ここではそのなかからいくつかの事例を紹介します。

   1.葉っぱビジネスで年収1000万円

    株式会社いろどり(徳島県勝浦郡上勝町)

    この事例は当時広くマスコミなどでも報道されたため、すでにご存じの方も多い
    でしょう。

    取り組みは高齢化・過疎化に悩む徳島県上勝町で、農協職員が推進役となって
    1986年から始まりました。

    上勝町が抱える問題を何とか解決したいと考えていたこの職員(横石知二氏)
    は、たまたま立ち寄った寿司店で、若い女性客が料理に添えられていたモミジを
    「きれい」と感動して持ち帰ろうとしているのを目撃し、料理に添える「つまもの」
    に上勝町産の「葉っぱ」を利用できないかと思いつきました。

    この思いつき自体はすばらしかったのですが、当初は料亭が欲するつまものの
    特徴や、季節ごとのニーズの違いなどがわからずに大変苦労したそうです。

    しかし、横石氏は自腹で料亭に通い詰め、研究を重ねました。

    そして、要求されているつまものには「種類」、「大きさ」、「彩り」、「形」などさまざ
    まな規格があること、また通年需要があるもの、季節ごとに需要が変わるもの
    があることなどがわかってきました。

    次第に注文も増加し農協内に「彩部会」という組織を作るまでに至りましたが、
    横石氏はさらなるビジネスの拡大とそのために必要な仕組みの強化に取り組み
    ます。

    そして、最初は防災行政無線を通じた「同報無線ファクス」と電話を利用して、そ
    の日の注文情報とそれに応じる農家のやりとりをスピーディーに行う仕組みを
    整えました。

    後には通産省(当時)の実験事業に応募して、参加している農家にパソコンを設
    置し、ネットワーク化することで、さらなる効率化が実現しました。

    「お年寄りにパソコンが扱えるわけがない」という危惧も専用キーボードやトラッ
    クボールの導入などで乗り越えました。

    事業開始当初は100万円程度だった売上は現在では2億6000万円に達し、農
    家のなかには年収が1000万円を超える「強者」も登場しました。

    お年寄りの農家も活気を取り戻し、農業以外にも体を動かすことが増え、町の
    医療費負担低減にも貢献しているようです。

    今では同様の悩みを抱える自治体などからの視察が殺到し、マスコミで報道を
    見た観光客も増加しています。

   2.地元でチャレンジする人を支援

    特定非営利活動法人G−n e t(岐阜県岐阜市)

    地方部前の商店街の衰退は著しく、「G−net代表理事」の秋元祥治氏の地元
    岐阜でもその状況は変わりありませんでした。

    帰省した秋元さんを待っていたものはシャッター通りと化した商店街でした。

    地元の人にその理由を聞いてみても行政や他人のせいにするばかりで、「自分
    の力でなんとかしたい」という当事者意識が感じられませんでした。

    しかし、そうやって批判しているだけでは自分も傍観者のひとりに過ぎないので
    はないか。

    そう感じた秋元さんは最初は地元の人間のやる気を引き出すための「カンフル
    剤」として、自分のネットワークを使って著名人の講演会などを行ったそうです。

    しかし、それが大きな反響となり地元住民の期待が高まっていきました。

    また、行政から、まちおこし事業の事務局業務受託の話があり、それをきっかけ
    に、NPOで人づくりをやろうと覚悟を決め、2003年にNPO法人化しました。

    G−netの中核事業は長期インターンシップ制度です。

    多くの地方で当たり前になっている「志の高い若者の多くは都会に移住する」と
    いう図式を崩し、どんな地方でもチャレンジできる環境を整えたいというのが秋
    元さんの願いだそうです。

    インターンシップ制度では、若者と地域の30歳代から40歳代のユニークな経営
    者にマッチングをしています。

    学生は魅力ある社長の下に弟子入りして仕事ができ、会社としては正社員候補
    としての見極めと入社に向けた動機付けができます。

    しかし、インターンシップ制度に協力した経営者にはたんに自社のメリットだけを
    狙ったのではなく、地元の活性化のために一役買いたいという想いもあったこと
    は間違いないでしょう。

    結果、5年間で延べ70社、100人超のインターンシップを実現し、そのうち、7人
    が地域で起業し、6人が受入企業に就業しました。

   3.市民からの出資で資金調達

    株式会社コミュニティタクシー(岐阜県多治見市)

    株式会社コミュニティタクシーの代表取締役である岩村龍一氏はもともと運送事
    業者でしたが、仲間と共に便利屋サービスを立ち上げ、さらに「タクシーで皆の
    足に、便利屋で皆の手に」、「お金儲けじゃない。皆に喜ばれることをやろう」とい
    う合意のもとにタクシー事業にも進出しました。

    ユニークなのはその資金の調達方法です。

    「リターンは期待しないでください。その代わり地域に貢献しますよ」と友人、知
    人に声をかけたところ、一口5万円の出資の株主が40人、合計1000万円の資
    本金が集まりました。

    開業当初は営業許可がおりないなどの想定外の事態が発生し、借り入れやさら
    なる増資を余儀なくされましたが、その間にも予約の電話は鳴りっぱなしだった
    そうです。

    ただし、夜に比べ、昼間の利用客数は伸び悩んでいました。

    好転のキッカケは「シニアカード」の導入です。

    登録者が提示すると運賃が1割引きになります。

    収益性は悪化しますが、「売上が1割落ちるより、お客さんが喜ぶほうを取る」と
    いう方針を貫き、登録者を増やしました。

    多治見市の人口は約11万人。

    70歳以上は推計1万2000人程度ですが、そのなかの4000人がシニアカード
    に登録しています。

    さらに、地域の他のタクシー会社と共同で収益確保が難しいといわれている介
    護専門タクシー分野にも進出しています。

  □ソーシャルビジネスに学ぶ視点

   自社がソーシャルビジネスに直接的に取り組むかどうかはともかく、ソーシャルビ
   ジネスの考え方や成功事例のなかには経常に役立つ多くの視点が含まれています。

   1.社会との関係性をつねに意識する

    前述のようにこれからの企業経営には「社会との共存」、「社会への貢献」が強く
    求められるようになってきています。

    多くの企業では「自社の活動を通じてこのような社会貢献がしたい」という経営
    理念をもっていると思います。

    今一度その理念が現状の社会情勢に即しているか、あるいは社会貢献の方向
    性・意味合いをもっと鮮明化できないか考えてみましょう。

    逆に自社の活動がこのままのやり方では、たとえば、環境破壊などの社会的問
    題を助長する可能性はないか、その場合は改善のためにはどのような方策が
    あるかということについて検討してみることも大切です。

    これからの企業は自社の方向性を検討する際には直接的な取引先である「顧
    客ニーズ」だけではなく、「社会全体のニーズ」についても強く意識する必要があ
    ります。

   2.知恵と行動力で対応する

    中小企業は大企業のように潤沢な物量作戦で戦うことはできません。

    何か新しいビジネスアイデアを思いついたとしても、そのために大きな先行投資
    をすることは通常は困難です。

    よくいわれることですが、中小企業はやはり「知恵」と「行動力」で勝負する以外
    ありません。

    成功した多くのソーシャルビジネスも、まさに「ないないづくし」の状態からスター
    トしています。

    それでも「〜だからできない」ではなく「どうしたら前に進めるか」という発想でこ
    れを克服しています。

    上勝町の事例では「葉っぱをビジネスに」という発想を得たこと自体が、日頃か
    ら「地域の資源を何とか有効活用できないか」と知恵を巡らせていた成果です。

    さらに、発想をビジネス化するまでのプロセスでは、知恵と行動力を最大限に発
    揮してさまざまな困難を乗り越えました。

    注文情報を参加している農家に知らせるために防災行政無線を利用したこと、
    パソコン導入のために国の実験事業に応募したことなど、「ただで(安く)利用で
    きるものは何でも使う」という知恵と行動力の表れといえるでしょう。

   3.商品そのもの以外の価値を創出し、理解してもらう

    ソーシャルビジネスでは周囲からの協力者、理解者を得ることが大変重要にな
    ります。

    個人的な損得勘定だけではなく、ビジネスに関係しているすべての人が自分た
    ちの活動が社会に貢献していると感じてもらうことが大切です。

    コミュニティタクシーの事例では、周辺住民の多くはどうせタクシーを利用するな
    ら、地域貢献に熱心な会社を利用したいと感じるでしょうし、自分も地域に役立
    てればという思いからリターンの期待しにくい出資にも応じています。

    通常の事業経営においても、自社の商品を購入することによって生じる商品そ
    のもの以外の付加価値を創出し、そのことを顧客に理解してもらうことが重要です。

    たとえば、誰かに物を送る場合、コストや利便性がまったく同じ2社があり、A社
    は「環境に優しい車」、B車は「環境を損なう車」を使っているとしたら、ほとんど
    の消費者はA社を利用するはずです。

    環境問題に関心が高い消費者は多少コストが高くてもA社を選ぶかもしれません。

    自社で取り扱っている商品についても、その原料の調達方法、製造方法、物流
    方法などを改めて考えてみて、自社商品を使うことで生まれる価値を顧客にア
    ピールし、自社商品を使う意義を理解してもらうことも大切です。

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マーケティングとセールスの違い

            

マーケティングとセールスの違い

  ■マーケティングとセールスの違い

   既にある商品やサービスをお客様に買っていただくための具体的な働きかけを
   「営業」と呼ぶならば、「マーケティング」はより上位の概念として位置づけられま
   す。

   どのようなお客様をターゲットとするのか、どのようにニーズを発掘するのか、ど
   のようにニーズに応えてゆくのか、どのように実際に購買行動に結びつけるか、
   どのように経営資源を有効活用するのか、ということを原理・原則に従って決めて
   いくことが「マーケティング」活動であり、単なる「営業」活動よりも幅が広く奥も深
   いものと言えます。

   市場が成熟しつつある今日では、お客様シェアを拡大していく志向がより 強くな
   り、お客様との長期的な関係を構築してゆくことが求められています。

   そのためには、お客様一人一人のニーズに対応するOne to one (ワンツーワ
   ン )のマーケティングが重要になってきます。

   従業員一人ひとりが、社長の経営理念・方針を守りながら ワンツーワンを実践す
   ることが、結果的に営業担当者自身のブランド、ひいては自社としてのブランド構築
   つながり、お客様との長期的な関係を構築していくことになるのです。

   ◎ポイント

    ・「セールス」とは既にある商品やサービスをマーケティング戦略に従って販売
     する。

    ・「マーケティング」とはお客様のニーズに基づいて、商品・サービス、販売
     価格、販売チャネル、販売促進を決める。

    ・自社のイメージや商品・サービスのイメージがお客様の頭の中に植え付けら
     れることが「ブランド構築」である。

  自社を取り巻く環境を把握する

   「情報を制するものはビジネスを制す」という言葉がありますが、ビジネス環境が
   目まぐるしく変化する今日では、次の一手を正しく迅速に打つためには情報の収
   集と活用が不可欠と言えます。

   情報収集は一般的に、

    (1)統計資料や文献の収集、(2)観察(3)インタビュー(4)アンケート調査
   といった4つの方法があります。

   官公庁発行の外部統計データ等は、最近ではホームページ上でダウンロードで
   きるので収集には便利です。

   ただし、それをどのように分析し、分析結果をどのように読むかが大事です。

   他社の動向やお客様動向を意識的に観察し、統計データや文献による情報とリ
   ンクさせて、情報の質を高めるとより現実的になります。

   お客様アンケートはお客様ニーズを発見するのに有効です。

   一部の中小企業では積極的に活用されており、お客様一人ひとりのニーズに対
   応するワンツーワン営業に役立てています。

   ◎ポイント

    ・外部環境の各要因をどう捉えて、近未来をどう予測するかによって、経営の
     かじ取り(方向性)が変わる。

    ・経営に与える外部環境のインパクトを「需要環境」「競争環境」「制度の変化」
     の3つの視点で捉える。

    ・これらを把握するために、お客様や競合他社の動向を慎重に観察したり、社
     内外のデータを調査・分析する。

  □競合エリアで自社が優位になるには

   他社(店)との競争を意識して、独自の商品・サービスを市場に提供することで、
   自社(店)の優位を確保する方法を発見するプロセスをマーケティング用語で「ポ 
   ジショニング分析
」と言います。

   過去の事例では、アサヒビールの「スーパードライ」の成功は、従来のビールの味
   を変えることで新しい市場を創造した典型例で、キリンがもっていた「ラガー」の味
   を「コク」と「キレ」という味に変えて市場制覇を狙い、成長した事例と言えます。

   自社(店)のテリトリー内にある競合B店でカバーしきれないお客様ニーズに的を
   絞った専門店志向で成功した事例です。

   このように、競合関係から自店の独自色を打ち出し、新しい事業領域をつくる、ま
   たは既存の事業領域を再設定する方法として、ポジショニング分析はよく使われ
   る手法です。

    ◎ポイント

     自社(店)の独自色を打ち出し、事業領域を再設定することが求められる。
    そのためには、まず、自社の強みや弱み、自社を取り巻く環境の機会や
    脅威などをきちんと整理・考慮する。
    自社(店)ならではの強みを機会で最大限に発揮できるアイデンティティを
    確立する。

   □どのようにお客様を選定するか

    他社(店)との差異化や自社(店)の事業領域が決まったら、次に行うマーケティン
    グプロセスが、「ターゲティング」です。

    ターゲティングとは、具体的にどのようなお客様を対象に自社(店)の商品・サー
    ビスを販売していくか、を決めることです。

    一般的に、小さな会社の場合は、地理的要因である程度ターゲットとされるお客
    様が決まりますが、大事なことはそのテリトリーの中で、自社(店)の強みを発揮
   できる属性のお客様に絞ったり、あるいは弱みを克服するために新たな属性のお
   客様をターゲットとするなど、自社(店)のお客様構成を意識することです。

   そして、地理的要因、デモグラフィック要因(属性要因)でターゲット市場が決定さ
   れたら、そのお客様一人ひとりのニーズに対応する “One to one” を実践する
   ことが大事です。

   個々のライフスタイルやライフステージによるニーズ、そのお客様の性格やタイプ
   によるニーズ、など様々ですが、それらをきちんと把握して一つ一つ応えていくこ
   とが、お客様との長期的な関係を築く上で不可欠と言えます。

    ◎ポイント

     地理的要因により、自社がターゲットとする市場はある程度決定される。
     そのエリアの中で人口統計的基準で細分化し、自社の現在のお客様構成
     (強み・弱み)を意識してセグメントを決定する。
     そのセグメントのお客様のライフスタイル・ステージを意識したタイミング
    よいアプローチで “One to one” を実践する。

  □自社の独自性やコンセプトの事例

   自社(店)の独自性やコンセプトは、経営理念やビジョン、差異化要因などを、より
   消費者に分かりやすく、印象に残るように伝えるための表現です。

   フレーズやキャラクター性のある絵を用いた表現は、お客様に親密感をもたせる
   のに有効です。

   ものづくりでは商品コンセプトが企画段階で必ずあるように、社長自身も「何をウ
   リとするのか」、を明確にお客様に表現することが不可欠です。

   商品・サービスを通じ、社長自身がお客様にどのようなことを提供していきたいか
   という点についてわかりやすく掲げることが大切です。

   ◎ポイント

    自社(店)の価値を訴求する「キャッチフレーズ」や「キャラクター」などの自己
    表現を示すことがコンセプトの明確化。
    コンセプトの明確化は、自社の競争優位の独自性発揮による訴求力の向上
    につながる。
    自らのニーズに合致する会社を選べるといったお客様にとっても選択の利便
    性メリットがある。

  マーケティング・ミックス

   「どのような商品・サービスを(Product)」、「どのような価格で(Price)」、「どこで
   (Place)」、「どのような方法で(Promotion)」、お客様に提供するかという4つの
   Pが、“マーケティング・ミックス”です。

   お客様のニーズに対して、これらの4つのPを最適となるようにミックスし(組み合
   わせ)、自店の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を戦略的に配分しながら実行し
   ていくことが、「マーケティング戦略」です。

    ◎ポイント

     ・自社(店)の掲げるコンセプトを「どのように」お客様に伝達し、購買行動に
      結びつけるかという方法を決める要素。

     ・その要素である「商品・サービス」、「価格体系」、「エリア」、「販促」をお客
      様にとって最適となるように組合わせる。

     ・最適な組合わせに対して、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源の選択と
    集中など配分を決める。

  □すべてのお客様に同レベルの対応はできない

   バブル全盛期までのマーケティングは、いい商品・サービスをつくり、訪問や広告
   によって商品内容をお客様に伝えれば「売上は伸びる」という、売り手サイドの考
   え方によるマーケティングでした。

   しかし社会の成熟化に伴いお客様の一人ひとりに“ゆとり”が生まれると、ライフス
   タイルの範囲が拡大し、お客様一人ひとりのもつ趣向や特性が多様化してきた。

   また、競合との競争も一層激しくなるなどビジネス環境も厳しくなるなか、お客様  
   一人ひとりのニーズに対応する “One to one” がより一層求められるようになり
   ました。

   ◎ポイント

    ライフスタイル・ステージによるニーズ、性格・関心の度合いなどのタイプ
    別など、 “One to one” 対応が望まれる
    大量規模の個別対応を可能にするのが、お客様データベース、パソコン、
    モバイルパソコン、携帯電話などのIT機器
    これからは、お客様一人一人との関係をより長く構築し、長期にわたるお客
    様の生涯価値(LTV)を高めることが大事

  □既存顧客と長くお付き合い

   今日の中小企業経営においては、お客様シェアを拡大する、すなわち、お客様と
   長期的な関係を構築し、お客様の生涯価値( =“Life Time Value”)を高めるこ
   とは不可欠と言えます。

   そのためには、お客様一人ひとりのニーズに対応する “One to one” マーケ
   ティングが重要です。

   お客様一人ひとりのニーズを把握するには、まず、お客様を知る、すなわち、お客

   様を学習することが必要です。

   中小企業は独自のやり方で “One to one” 対応を実践します。

   「アンケート調査」でお客様の本音を探る会社や「対話」を重視する会社など様々
   です。

   大切なことは、自社(店)に合ったやり方でお客様を学習することです。

  エリアマーケティングの進め方 

   上図は、エリアマーケティングの進め方に関して、典型的な流れを示したものです。

   営業エリアを半径30分以上(時間距離換算)の広域に設定して活動している会社
   が少なくありませんが、その結果として多くの同業他社と競合することとなって各
   店の商圏内シェア(カバー率)は1%未満に留まっているのが現状です。

   地域密着型企業を標榜して成果を挙げている企業の中には、競合の少ない狭い
   エリアを徹底的に攻め、数十%の域内カバー率を保っている例も見られます。

   企業淘汰の時代を迎えつつある中、比較的広域で活動していても1〜2%程度の
   市場シェアしか持たない中小企業では激しい競争の中で存立基盤を失いかねま
   せん。

   一方、狭いエリアであっても30〜40%に上るシェアを握る会社であれば域内で
   の競争優位性は安定的になると考えられるため、戦略的に重点エリアを定めるこ
   とが従来以上に重要になってきます。

  □チャネル特性を活かしたマーケティング

   社会の成熟化に伴い、お客様の一人ひとりに‘ゆとり’が生まれ、ライフ
   スタイルの範囲が拡大し、お客様一人ひとりのもつ趣向や特性が多様化
   してきたこと、また、競合との競争も一層激しくなるなどビジネス環境
   も厳しくなるなか、お客様一人ひとりのニーズに対応する “One to
   one” がより一層求められるようになりました。

   一方、 “One to one” は、高度な商品知識ときめ細かなサービス、地域 
   密着によるお客様との接触頻度の高さなど、自社がもつ強みを最大限に 
   生かすことのできるマーケティングアプローチでもあると言えます。

   ◎ポイント

    ・自社の強みは、高度な商品知識ときめ細かなサービスや、地域密着
     によるお客様との接触頻度が高いこと

    ・自社の高い提案力やサービス水準に魅力を感じ継続的な関係を維持
     できるお客様をターゲットとする

    ・お客様一人ひとりのニーズに対応する“One to one”の実践が成
     功のカギ


  □地域一番店戦略とは

   「地域密着型企業として地域一番店を目指す」と目標を掲げる中小企業
   は少なくありませんが、「どのようにして」という部分について明確な
   方針が定められておらず周辺の競合他社と同じような営業活動に留まっ
   ているケースが多く見受けられます。

   「地域一番店」の明確な定義は難しいですが、その含意として域内にお
   ける圧倒的な市場シェアと想起率ナンバー1(このまちで修理工場と言
   えば○○さん)というものがあるならば、2番手の修理工場の2〜3倍の
   収益と少なくとも20〜30%程度の市場シェアの実現が「地域一番
   店」にふさわしい条件と言えるかもしれません。

   とすれば、商圏人口数十万人(あるいはそれ以上)という広大な営業エ
   リアで一番店となるのは並大抵のことではなく、ほとんどの中小企業に
   とってはコンパクトな重点エリアを対象とするのでなければ一番店戦略
   はとり得ないことになってしまいます。

   重点エリアにおける十分な基盤固めができていない段階で営業エリアの
   拡大を志向すると、結果として営業力の分散と顧客基盤の拡散を招いて
   しまい、当初設定した重点エリアについても他店の攻勢を受けることに
   なりかねません。

   ◎ポイント

    ・地域一番店とは、一般的に域内における圧倒的な市場シェアと想起
     率ナンバー1を誇る会社を指す

    ・2番手会社の2〜3倍の収益と少なくとも20〜30%程度の市場
     シェアの実現が「地域一番店」

    十分な基盤固めができていない段階で営業エリアを拡大すると、結果
    として営業力の分散と顧客基盤の拡散を招く

  □自社(店)のブランドを考える

   同種の商品を扱う多数の競合相手を持つ会社にとって何よりも重要なの
   は、サービスレベルの向上によって他社(店)との差異化を図り、お客
   様のロイヤルティを高めることだと言えます。

   取り扱うのが、お客様に安心感を訴求すべき商品だとすれば、クレーム
   発生時の処理能力はもとより、個々のお客様にとって最適な商品を提案
   する力、いつでもお客様の問い合わせや相談に応じられる対応力などが
   重要だと考えられます。

   大規模化が進展する中で留意すべきポイントとして、特定の担当者に限
   らず社(店)内の誰が対応しても一定レベルのサービスを維持できる体
   制を整えるということが挙げられます。

   従業員によって提供できるサービスレベルが大きく異なると、お客様に
   とっての安心感は高まらず、その会社に対するお客様の評価は低いレベ
   ルに収斂してしまう危険性があります。

   業績の安定・飛躍に向け自社のブランドの価値を高めていくためには、
   理念や共通の目的を基盤として一体感と全従業員の参画意識を醸成し、
   お客様情報やノウハウの共有化を推進して好循環を作り出すことが必要です。

   ◎ポイント

    ・ブランドとは、自社(店)の商品・サービスを通じてお客様と共感
     することである

    ・お客様と継続的な関係を構築するには、個々の営業担当者自身のブ
     ランドだけでなく、組織のブランドも重要

    ・組織のブランドを育てるには、経営理念・方針を従業員全員が一貫
     して守っていくことが前提である

  □お客様データベースの整備と活用について

   “One to one”マーケティングを効率的に行うためにはお客様データベ
   ースを整備・活用することが役立ちます。

   紙ベースのお客様ファイルによるデータの整理でもある程度は対応可能
   ですが、多数のお客様に対する適切な個別対応を漏れなく実現するに
   は、正確かつ迅速に処理を行うことができるパソコンを使用するのが理
   想です。

   お客様データベースについては、初期のデータを保持しつづけるだけで
   はなく、最新の情報に随時追加・修正して活きたものとすることが重要
   です。

   お客様データベースをうまくメンテナンスしている企業の多くでは、お
   客様と直接の接点を持った担当者(営業担当や電話を受けた事務員な
   ど)が当日中にデータを更新するなどといったルールを定めています。

   ◎ポイント

    ・お客様データベースは、パソコンを使用したデジタルのものから紙
     媒体によるファイリングなども含む

    ・お客様のデータベース化の目的は、お客様一人ひとりのニーズを発
     掘し、個別対応策を検討して、実行すること

    ・お客様情報を整備し、次回の接触のタイミングや新たなニーズなど
     を模索する

  □広告メディアをうまく使い分ける

   広告媒体を選定するまでのフローとその後の一連のフローは、上図に示
   した通りです。

   広告媒体を選定する上で大切なことは、「需要創造するのか」、「自社
   の品質をアピールするのか」、「消費者に自社のブランドを思い起こさ
   せるのか」といった、広告の目的を明確にすることです。

   広告の目的によって、「ターゲットは誰か」、「伝えたいのは商品・サ
   ービスか」、あるいは「代理店姿勢か」が明確になります。

   また、この目的をもとに広告媒体を予算に合わせて選択します。

   ◎ポイント

    ・広告計画はマーケティングの一部であり、広告の目的や予算、表現
     などを明確化した上で、広告媒体を決定する

    ・「商品 ・サービスと代理店姿勢のどちらを優先して伝えるか」、
     「ターゲットは誰か」などにより、有効な広告媒体が異なる

    ・中小企業にとっての現実的な広告媒体は、折込チラシ、DM、雑
     誌・新聞広告、インターネット、など

   □お客様とのコミュニケーションに電話やメールを有効活用

   当然のことながら、お客様一人一人のニーズに対応する “One to one”
   の実践においてはコミュニケーションが不可欠です。

   「いつもお客様のことを考えている」という印象を与えるために、電話
   やメールはもちろんのこと、CTIやモバイルパソコンなどを駆使してコ
   ミュニケーションの充実を図っている会社もあります。

   ◎ポイント

    ・電話やメール、モバイルパソコンといったツールの活用は、コミュ
     ニケーションの充実に大きく貢献する

    ・お客様の性格やタイプ、コミュニケーション内容の緊急度合い等を
     考慮した上で、電話やメール等の手段を使いわける

    ・大事なことは、お客様一人一人に「いつもお客様のことを考えてい
     る」といった印象を与える「ワン・ツー・ワン」の姿勢

  □人的ネットワークの構築に工夫

   業種に限らず、営業においては人脈は非常に大切な資源であり、財産です。

   人的ネットワーク構築に必要なのは、信頼構築のための地道な交流の積
   み重ねです。

   すぐには実を結ばないケースも多々ありますが、いざという時に思い出
   してもらえる存在になっておくことが大切です。

   同業者同士による協力体制は、お互いのお客様に対するサービス水準を
   高めるだけでなく、勉強会を開くなどの交流を通じて切磋琢磨できる有
   効なネットワークと言えます。

   ◎ポイント

    人的ネットワークは、

     「@お客様としてのネットワーク」と、

     「A同業者仲間としてのネットワーク」

    に大別される

    @は、地元有力者との交流などの積み重ねにより、信頼を高め、お客
     様の紹介や認知度の向上につなげるもの

    Aは、複数の同業者による協力体制でお互いのお客様への対応を充実
     させ相乗効果を高めるもの

  □お客様とのよりよい関係を作る

   カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)とは、お客様
   との関係の 構築・維持から収益を最大化することを目的とし、自社に
   とって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義し、その顧客群に対
   して最適なマーケティングミクス(商品・サービス、価格、エリア、販
   促、の組合わせ)を適用することを指します。

   そのための基本となる考え方が、お客様の生涯価値(ライフ・タイム・
   バ リュー:LTV)、すなわち、お客様との長期的な関係構築により顧客
   シェアを拡大することです。

   顧客シェアを拡大するためには、お客様一人ひとりのニーズに対応す
   る“One to one” 営業が不可欠となります。上図の事例は、それをまさ
   に実践している成功例と言えます。

   ◎ポイント

    ・タイミングよい情報提供でお客様と接触するキッカケを増やす

    ・接触に成功したら何か宿題をもらい次の接触機会を設ける

    ・お客様のことをよく学び、一人一人のニーズに対応する “One to
     one” が基本

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「モノ売り」から「コト売り」に変えることが商品価値を高める

                

単なる「モノを売る」発想から「コトを売る」発想


  少子・高齢化などによりマーケットの縮小が叫ばれてきましたが、今までの営業の考え・
  売り方を続けていればそうかもしれません。

  しかし、考え・やり方を変えることで同じマーケットであっても違うマーケットとして捉
  えることができます。

  そのためには、単なる「モノ売り」をやめ、「コトを売る」に変えることです。

  「コトを売る」発想は自社のブランド構築に欠かせないキーワードとなります。

  過去の延長線上のやり方でやっていては、頑張れば頑張るほど、ムダなエネルギー
  を使ってしまいます。

  そして、利益が少なくなって、歯止めのない赤字体質が定着してしまいます。

  よい例が「低価格競争」です。

  どこで買っても同じモノだったら、価格の安いほうを買ってしまいます。

  お客としては、それは当たり前です。

   
  ■サービス業

   あなたは自社の業種が○○業だと思っていないだろうか?

   それがくせものです。

   ただ単にモノを売ろうとするだけでは同業他社と同じ。

   製造業であろうと建設業であろうと全てはサービス業なのです。

   我が国はものづくりでは世界NO1と言われています。

   しかし、現実ではそのNO1のものづくりが瀕死の状態です。

   いいものを作れば売れると信じてきました。

   その結果は家電製品を見てみても明白です。

   国内のトップメーカーは韓国に後塵を拝している。

   日本製品はガラパゴス化と言われ、マニアックな製品に力を注いでいるように感じる。

   マーケットを絞り込んでの製品づくりであればいいのですが…。

   今日に至るまで、つくったものをそのまま売るという行為を繰り返してきました。

   時代の変化に対応した売り方やお客様の買い方も考えずに。

   そして、売れない理由を景気や価格のせいにする。

   儲かっている会社に言えることは、ニーズのあるところに適切なプレゼンをすることで高
   収益を上げることに成功しています。

   会社にとって重要なことは売上や利益を上げることではありません。

   会社を存続させ、成長させることです。

   そして、会社が存在し続けるためには儲けなければならないのです。

   大企業と違い資金や人材に限りがある中小企業が売上を上げるには、自社だけで戦うこ
   とは困難を要します。

   これらの問題を解決するための手法として、マッチング(サイト)、JV、コラボ、アラ
   イアンスなどといった異業種同士の協力関係があります。

   しかし、提携や協業が単にモノとしての商品を増やすためだけの目的であってはなら
   ない。

   大切なことは、異業種間の協業目的は付加価値である「コト」を創造するためです。

   売れている商品やサービスにはストーリーがあります。

   そのストーリーが、まだ購入していない時点で「よさそうだ」「これを買えば今抱える
   問題を解決できそうだ」「これを購入すれば私の望んでいる体験ができそうだ」といっ
   た感情を抱き、購入の引き金を引くのです。

   営業会社にとって、売るのは「モノ」ではなくストーリーのある「コト」です。

   協業は「コト(付加価値)」を完成させるためで、「モノ」を複数にするためではありま
   せん。

   あなたが自社の扱う商品を、たんなるモノとして考えているかぎり、価格競争に陥り、
   競合他社の中に埋没してしまうでしょう。

   あなたが売るのは「モノ」ではなく「コト」だということを忘れないでください。

   
  ■モノ発想からコト発想  

   モノ発想は「自(店)社の都合」であり、作ったモノ、仕入れたモノをどういう売り方を
   すれば売上か上がるかという発想です。

   コト発想は「お客の都合」に合わせ、お客様がコトを実現するためには、どういう買い
   方をするのが一番お客さんの都合にふさわしいかという発想です。

   従来のモノ発想でいけば、時計は時計屋さんで、本は本屋さんで、酒は酒屋さんで、
   花は花屋さんというチャネル(販売拠点)で売られてきました。

   そして、タテ割りの業界別に、生産者 ⇒ 問屋 ⇒ 小売店とうい流通ルートが確固としてで
   きていました。

   なぜそうなったかというと、「業界の都合」と「会社の都合」に合っていたからです。

   生産者はモノを作るだけ、問屋(卸売業者)はモノを集めて流すだけ、小売店は流れてき
   たモノを店頭に並べるだけでよかった。誰も販売なんかしていませんでした。

   「販売なくして事業なし」といいますが、生産者も問屋も、そして小売店も、販売はやっ
   ていないのです。

   モノ別にタテ割り社会の中で、作る、流す、並べるという役割分担を担っていただけに
   すぎません。

   本来販売とは、意味のある体験を提案することで、気づいていないニ−ズを気づかせ
   ることです。

   そんなことは誰もやっていません。やる必要がなかったのです、今までは。

   意味のある体験を提案とは、お客様があなたの商品・サービスを購入することで、
   「○○の不便か解決できる」「○○な問題が解決できる」「○○の悩みが解決できる」
   ことをお客様が想像(疑似体験)できるようにしてあげることです。

   これは個人向けであっても企業向けであっても同じです。

   既にご承知のように、今ではこのようなモノ発想が通用しないことは言うまでもありま
   せん。

   今までやっていた売り方というのは、モノの売れ筋の把握だけです。

   どういうモノに人気があるかという売れ筋さえつかんでいれば、販売なんかしなくても、
   自然に売上が上がってくれたのです。

   生産者は売れ筋をいかに効率よく作るか、問屋は売れ筋をいかに効率よく流すか、
   小売店は売れ筋をいかに効率よく並べるか、それだけを考えていれば経営を間違う
   ことはなかったのです。

   こんな都合のいい詰はありません。

   社会生活にモノがなかった時代、モノが不足していた時代はそれでよかったのです。

   それがお客さんの都合にも合っていたのです。

   足りない・不足するモノを買いたいお客にとって、どこで買えばいいかがわからないで
   は困ります。

   花が欲しければ花屋さんで売ってるよと、明確に示しているからです。

   ですから、時計が欲しいときは時計屋さんで買った。

   本が買いたいときは本屋さんに行ったのです。

   このような時代であったなら、十分にお客さんの役に立ってきたのです。

   しかし、今や時代はモノ不足ではありません。

   むしろモノを手に入れてしまって、モノ余りの時代です。

   モノがなかった時代は、モノを手に入れることが目的でしたが、手に入れてしまえば、
   モノを買うことは目的ではありません。

   今やモノそれ自体はコトを実現するための手段にすぎません。

   意味のある体験をするための手段です。

   手段であるモノが主役ではありません。

   主役はコトです。意味のある体験です。

   お客は意味のある体験を手に入れるために、手段としてのモノを買うのです。

   よって、お客が求めるコトとか意味のある体験というのは、その時、その場所の「置か
   れている状態」で違ったものになってきます。

   例えば、同じ食事をするにしても、レストランという場所で食事をする時と、家で食事を
   する時とでは意味合いが違うし、食べるモノだって違ってくるでしょう。

   そうなると「置かれている状態」によって、買い方まで違ったものになってきます。

   本を本屋さんで、タバコをタバコ屋さんで、花を花屋さんで買うとは限りません。

   でも、今までと同じやり方をしていませんか? 

   過去の延長線上のやり方でやっていては、頑張れば頑張るほど、モノとしての商品は
   売れなくなり、利益が少なくなって、歯止めのない赤字体質が定着してしまいます。

   モノが売れなくなると、価格を下げたくなるのが人情。

   しかし、モノが飽和しているために、安くしても必要最小限しか売れず、売上減を物量
   でカバーすることができません。

   しかも、競合者がそれ以上に価格を下げたら、もうおしまいです。

   もっとさらに価格を下げなければならなくなります。

   モノの価格競争に特効薬はなく、どちらかが倒れるか、あるいは共倒れになるまで続
   くのです。

   モノの飽和時代、モノの成熟時代にもかかわらず、あえて「モノ」を売ると、差別化とは
   名ばかりの価格競争(共食い)を繰り返すばかり。

   それなのに、今までのような「モノ」の売り方(価格の差別化戦略)をしているのはどう
   いうわけでしょう。

   会社名を伏せたら、品揃えといい価格帯といい、すべてが競合他社と類似微差。

   それが「現在のデフレ不況を作っている」といっても過言ではないでしょう。

   
  □モノを売るなコトを売れ
   どこの会社のカタログやチラシを見ても、商品(モノ)の写真をズラッと羅列し、価格を
   大きな文字で目立つように表示してある。

   モノが売れなくなると、どうしてもモノを売ろうとしがち、
   モノを売ろうとすればするほど、モノ商品の価値1.jpgが売れなくなるの
   です。

   特殊な商品を除けば、この世の中にある製品・
   商品・サービスの品質は類似微差で、ほとんど
   変わりません。

   今までのような「モノ」の売り方をしていると、もう
   「モノ」は売れないのです。

   日常の生活に必要なモノ(食って生きていくため
   に必要なモノ)は、価格の安いモノを仕方なく補
   充買いするにすぎません。

   欲しいモノがないといっているお客様に、安くするからモノを買えといっても、売れない
   のは当たり前です。

   なにしろ全国津々浦々の人々は、もう充分にモノをもっているのですから。

   お客はお金を使いたがっています。

   でも、お金を使う先がないのです。

   お金を使う先に気づいていないのです。

   ですから、お客の先回りをして「使う先」を気づかせる。

   モノを買う前に購入後の「意味のある体験」をお客に「提案」してあげることで、お客様は
   「体験」を実現するためにその手段として「モノ」を買うのです。

   時代とともにお客様の買い方も違ってくるのだから、当然売り方も変えなくてはなりま
   せん。

   再度、自社(店)の「売り方」を変えてみてはどうでしょうか。

   
  □「弁当」を売らずに「旅情の体験」を売る
   『峠の釜飯』といえば、1日に6千食を売る駅弁のロングセラー。

   一般の駅弁が低落傾向にある中で、特筆すべき実績を長年にわたって誇っています。

   売っているのは、信越線の片田舎のちっぽけな横川駅のプラットホーム。

   横川駅は、横川と軽井沢間の碓井峠(長野県と群馬県の県境)の急勾配を登る機関
   区。

   鉄道開通初期には日本唯一のアプト式レールが敷かれていて、横川と軽井沢間の一
   区間に何と1時間強も要して登坂したそうです。
 
   そのため、横川駅では特急も鈍行もすべて5分間停車。

   お客は「次は横川〜」という車掌のアナウンスが聞こえると、まだ駅に到着していない
   のにゾロゾロと乗降口に集まってきます。

   そして、列車が到着すると同時にホームに飛び降りて、われ先にと釜飯の売り子目がけて
   全力疾走で突進するのです。
 
   なぜかって? 発車までわずか5分間。

   しかも、一人が平均2〜3個、多い人だと5個以上も買うから、モタモタしていると時間
   切れでアウトになるか、売り切れで買い損なってしまうからです。

   横川の『峠の釜飯』があまりにも人気があるために、信越線の他の駅の弁当はサッパリ
   売れません。

   登りも下りの乗客も、列車が横川駅に到着するまで、他の駅で弁当を買おうとはしないの
   です。

   車内販売にいたっては全くのお手上げです。

   なぜ一人が2〜3個も買うのでしょう?

   それにしても、たかが駅弁で、客単価は一人平均3000円以上になるのです。

   それも他の駅や車内販売で買わずに、わざわざ横川駅のホームに降りて並んで
   まで・・・・。
 
   弁当のお値打ちってなんでしょう? 

   弁当というモノが備えている実用価値は、「空腹を満たす」ことです。

   ただ単に「空腹を満たす」ためだけだったら、どんなにウマイ駅弁だって、1個買えば十分
   なはずです。

   それに、わざわざ横川駅で買わなくたって、他の駅弁でもコンビニ弁当の持ち込みでも
   いいはずです。

   それとも、信越線を利用する乗客は全員大食いばかりで、しかも横川駅に着いたら全
   員が同時に空腹になってしまうのでしょうか?

   お客は「モノ」としての弁当を買っているのではないのです。

   モノとしての弁当の価値は、空腹を満たすという実用性にありますが、それだけのことな
   ら、わさわざ『峠の釜飯』を買うまでもなく、他の駅弁でもコンビニ弁当でも足ります。

   それが「峠の釜飯」にこだわるのは、モノとしての弁当でなく、「旅情」という味わいを
   体験したいからです。

   それはつまり、コトとしての弁当です。

   お客は『峠の釜飯』という駅弁から、いろいろなイメージを膨らませます。

   眼前にそそり立つ妙義山と中山道の碓井峠、そこから峠の先にある信州信濃の恋人
   との出会いと別れ、あるいは自分が生まれ育った故郷など、さまざまなシーンに思い
   を馳せたりするのです。

   それが旅情であり、ポエム、物語なのです。

   これと似た話が、山形新幹線の車内販売のカリスマ販売員齋藤泉さんが有名です。

   こうした旅情にそそられて、まず自分が食べるものを1個買います。

   そして、この旅情の体験を友人や家族にも味わせてあげたいという気持ちから、さらに
   もう1〜2個。

   だから、一人平均2〜3個も買ってしまうわけです。


   このことからも分かるように、この弁当が特別なわけではなくこの弁当にまつわる旅情
   というお客様への感情の琴線に触れることが重要なのです。

   あなたもお客様の感情の琴線に触れるストーリーを作ってください。

   それがあなたの商品となるのです。

    決して扱い商品そのものを売ることではないことを理解してください。

   そうでないといつまでたっても競合他社(店)との違いを打ち出すことはできません。

   あなたが横川の『峠の釜飯』を目指すのか、それとも信越線の他の駅の売れない弁当の
   ようになるかです。

  □100円ショップ
   100円ショップに行ったことがありますか。

   たいていの人は一度や二度は行ったことがあるでしょう。

   「あ〜、大ヒットしているよね。安いモノをたくさん売っているからね」で終わってい
   ては、あなたの感性はまだまだです。

   繁盛の秘訣は、単に安いモノを売っているからではありません。

   100円ショップって何だか楽しくて、すぐには必要ないものまで買ってしまうでしょう。

   「こんなものが100円で買える!」という驚き。

   この驚きによって、思わずいろいろな商品を手に取りたくなります。

   100円ショップでの購買行動は、事前にファイルを買うと決めていた「目的買い」では
   なくて、店頭での「衝動買い」そのものです。

   ふらりと立ち寄って、つい買ってしまう。そんな経験が誰にもあるのではないでしょ
   うか。

   なぜ100円ショップの店頭ではこんなにも財布の紐がゆるむのでしょう?

   単に安いモノを売っているからでは決してありません。

   100円ショップのお客は、節約のために安物買いに走っているわけではないのです。

   節約のためだったら、最初から財布の紐をガッチリ締めて、今すぐに必要ないものま
   で買ったりはしません。

   節約のためだけだったら、ディスカウントショップに行き、他店と値段を見較べて1円でも
   安いほうを買います。


   100円ショップの商品は、すべて自社独自のオリジナル商品(PB)なのです。

   文具、メイク道具、アクセサリー、キッチン用品、洗剤、食器、ガーデニンググッ
   ズ・・・。

   すべて自社商品であり、独自のデザインとカラーを打ち出しています。

   大メーカーが作ったNB商品(ナショナルブランド)をディスカウントしているのではあり
   ません。


   これが一つのミソです。

   その会社独自のオリジナル商品(PB:プライベートブランド)は、その会社、そのお店に
   行かないと買うことができません。

   普通なら、よその会社、よそのお店と見較べてから買うことが一般的なのに、そういう
   ことがありませんから、その会社、そのお店に需要が集中することになります。

   しかも100円で、値段を気にしないで買い物ができるのです。

   こんなイイものまで100円なの? と驚くこともしばしばです。

   そこでつい、今すぐに必要ないものまで買ってしまうわけです。

   100円ショップの客単価が意外に高いのは、そのためで
   す。                 

   100円ショップは100円のモノとしての商品を売っているのではなくワクワク感という
   「体験」を売っているのです。

   そして、いったん100円ショッピングの楽しさを身をもって知ったお客は、また驚きのあ
   る発見を求めて、何度も行くようになります。

   これがリピーターです。

   100円ショップに限らず、ユニクロ、マクドナルド、アスクル、アマゾン、・・・・・。

   どの業界でも成功しているところは皆一味違います。

   ほとんどの商品・サービスがコモディティ(ありきたりの商品・サービス)化している
   今、どのようにすれば「体験(差別化)」を売ることができるのでしょう。

   大企業のようにお金をかければ様々のことができますが、限られた予算であっても競
   合他社との違いを出すことはできます。

   例えば、

   ニュースレター、ハガキ、バースデイ・カード、創立記念日の祝電や祝FAX、お客
   様の声
小冊子、有益情報、等々。

   お金をかけなくても、同業者がやっておらず、お客様から「えっ!こんなことまでやっ
   てくれるの」といった感謝と感動を得られることが必ずあるはずです。

   
  □サービスの品質をお客様に感じ取ってもらう
    提案の商品・サービスについて、セールストークに迫力を持たせる明確な違いが見い
   だせない、あるいは作り出せない、なぜでしょう? 

   あなたは提案する商品・サービスにほれ込んでいるだろうか?

   あなたの求めているものと、お客さんの求めているものが合致しない限り、どんな素晴
   らしいプレゼンテーションをしても、商談は困難を極めるでしょう。

   お客様の求める「これ」という論点さえあれば、商談は成功したも同然なのです。

   あなたは、明確なセールスポイントを持っているだろうか? 

   あなたが顧客にわかりやすいセールスポイントとそのメリットを確立していなければ、
   その商品をうまく売り込むことはできません。

   多くの会社(店)が、売り込むものがないのではないだろうか。

   あなた(会社)、あるいは営業マンの能力を問う前に、まずは商品を見直すことが先決
   です。

   ここで言う「商品の見直し」はご承知のようにあなたの扱う商品・サービスではありま
   せん。
  
   あなたの「売り」です。

   競合他社との決定的な違い(差別化)であるサービスです。

   中小企業にとっての差別化策の一つに社員のモチベーションが挙げられます。

   どんなに素晴らしい商品・サービスであっても提案するのは「人」です。

   提案する「人」のモチベーションが低ければ受け入れてもらえません。

   限られた人材を活性化させ、モチベーションを向上させるためにも基本動作(12項目)
   の訓練(習得)は欠かせません。

   マンション販売の事例ですが、
   マンション自体の売上はイマイチだが、パッケージ化(組み合わせ)を使って差別化し
   たマンションは売れているといいます。

   マンション+レンタカー(カーシェアリングの仕組みが付いている)

   物件やマンション+畑(家庭菜園ができる畑が付いている)

   これらは売上が順調だという。

   銀行においても、単に金利を他行よりよくしたり、サービスをよくするだけがすべてでは
   ない。

   スターバックス(コーヒー)を店舗内に設置している。


   営業会社にとって、どんな商品・サービスを販売するにしてもリスクを伴うはずです。

    リスクを伴うとは、必ずしもお金をかけることではありません。

   うとまれ、拒まれ、あなたが約束したサービス内容をいいように解釈されることで、後々
   事態の悪化を招くといったことです。

   あなたがやるべきことは「サービスを磨き上げ」て、その質を向上させることです。   

   そして顧客や見込み客にそれを感じ取ってもらう工夫をけっして忘れないことです。

   マーケティングについて多く紹介される事例に、
   ホテルに泊まって部屋がチリ1つないほど掃き清められているという印象をあなたも持っ
   たことがあるとおもいます。

   それは実際に部屋が完璧に清掃されていることが全てではなく、ホテル側がグラスを
   一つひとつをきっちり紙で包み、トイレのシートに消毒済みのテープを巻きつけている
   といった印象からくるものです。

   私たちはサービスのクオリティ(品質)を感じ取っているのではありません。

   「清潔な部屋」という品質の記号を目にしているのです。

   ホテルのサービスに感動させられたのではなく、彼らのサービスの商品(マニュアル)
   化のテクニックの技にのせられているのです。

   「売り」「付加価値」「強み」「USP」など、言い方はさまざまですが、集約すれば「売
   り」はあなた自身であり、会社(店)なのです。

   サービスとは人間同士の問題です。

   その成功は人間関係次第なのです。

   そして、時として人間とは不平を漏らしがちで、気まぐれで短気で先が読みにくいもの
   です。

   しかし人間にはいくつかのパターンがあります。

   そのパターンをより多く見つけ、より理解すれば、より成功に近づくことができるで
   しょう。 
    
   我々サービス業の『本当の売り物は人間関係』であることを忘れないでください。


   タイトロープのような経営をいつまでも続けているわけにはいきません。

   どこかの時点で、今にあったやり方や考えを取り入れることをしなければ、この厳しい
   環境を抜け出すことはできないでしょう。

  □扱う商品の付加価値とは
   「あなたの扱う商品の付加価値とはなんですか?」、このように問われたとき、あなたは
   どのように答えますか?

   商品そのものの特徴や機能ではなく、お客様にとっての価値です。

   付加価値はUSP、売り、差別化といった言葉でも言い表されます。

   価格競争に巻き込まれていない商品が果たしてどのくらいあるだろうか。

   付加価値とはそのためなら多少高くてもお金を喜んで出してもよいということ。

   しかし、本当に付加価値のついている商品というのは思う以上に少ないのです。

   そのためにも、付加価値を効果的にする方法に、マスコミを活用したプレスリリース
   あります。

   中小企業にとって、マスコミに取り上げられるメリットは大きいです。

   商品が持つべき本来の機能(役割)を果たすのは当然であり、そうでなければ粗悪品
   になってしまう。

   今では、商品にこれまでにない付加価値をつけるのが当たり前です。

   
  □コト商品とは付加価値商品
   コンビニとスーパーは、まったく同一の商品なのに、価格が高いコンビニのほうが価格
   の安いスーパーより売れるのはなぜでしょう?

   売上高日本一のセブンイレプン。

   そこで売っているのは、以前からどこにでも売られているありきたりのモノ、目新しい
   商品は何もありません。

    売っている商品は、値段を比較すればスーパーのほうが安い。

   例えば同じ種類のカップラーメン。

   セブンイレプンで売っているのも、スーパーで売っているのも、まったく同一のカップ
   ラーメンです。

   にもかかわらず、お客は必ずしも値投の安いスーパーで買わないで、値段の高いセブ
   ンイレブンで買ったりするのでしょう? 

   「同じ商品なら安いほうを買う」という理屈からすれば、スーパーのほうが売れて当た
   り前なのに、現実はセブンイレプンのほうが売れるというのは、どういうわけでしょう? 

   売場面積が小さいのに大きい面積の店に勝ってしまうのは? 

   セブンイレブンは元酒屋からの転業組のフランチャイジーが多く、総じて売場面積は小さ
   いです。

   小さい売場に何と3000強のアイテムも詰め込んでありますから、一品種当たりの品
   揃えは当然少くなります。

   スーパーの売場面積は、セブンイレプンに較べて格段に大きく、小型の店舗でも、
   セブンイレプンの数倍はあるでしょう。

   その売場に何万、何千というアイテムを並べ、その品揃えの豊富さはセブンイレフンを
   圧倒しています。
 
   にもかかわらず、お客は必ずしも品揃えの豊富なスーパーで買わないで、品揃えの薄い
   セブンイレプンで買ったりするのでしょうか?

   「売場面積の大きいもの(規模の拡大)が勝つ」という理屈からすれば、セブンイレブンは
   スーパーに圧倒されて、とっくの昔につぶれているはずです。


   ●5分以内に買える!
  
  セブンイレブンは、店にいろいろなモノを並べてありますが、モノを売っているのでは
    ありません。

    不意に何か欲しくなった場合、「5分以内に買えるよ!いつでもおいで」という「意味
    のある買い方」を売っているのです。

    われわれの日常生活には、不意に何か欲しくなる、不意に何か必要になるってこと
    が、よくあります。

    不意に空腹を覚えて、弁当とかラーメンが食べたくなる、不意に不幸が起きて、香典
    袋が入り用になる、etc・・・。

    そうした場合、安くて品揃えが豊富だからといって、わざわざスーパーまで買いに行き
    ますか? 

    偶然、近くにスーパーがあればいいですが、普通は立地の遠いスーパーまでわざわ
    ざ出掛けて行かないでしょう。それに、夜間は開いてないし、不意に湧いたニ−ズに
    対して、スーパーは意外に不便です。
 
    セブンイレブンは小さな店を多店舗展開することによって、不意に何かの必要が起
    きても、だいたい車で5分、歩いて5分というところに散在しています。

    しかも24時間営業。

    いつでも、どこにいても、だいたい5分以内に買うことができます。

    一般のスーパーでは、ラーメンや弁当をモノとして、安い価格で売っています。

    セブンイレプンは、5分以内に買えるラーメン、5分以内に買える弁当、すべての商
    品に「5分以内に買える」というありきたりのモノが意味のある商品に変身したのです。

    これがセブンイレブンの取扱商品の付加価値であり、値段が高くてもお客さんが納
    得(リーズナブル)した価格として売れるのです。

    扱う商品・サービスを単なるモノとして扱い、販売しているからスーパーと同じ環境に
    なってしまうわけです。

    どこでも扱っているありきたりの商品を、意味のある商品(付加価値商品)として提案
    ・提供していかなければ、単に商品を羅列しただけのデパート・スーパーと変わりま
    せん。

    まず、お客様の欲してる・必要としているコトを提案することが重要なんです。

    「ありきたりのモノ」が「意味のあるコト」になる。

    例えば、セブンイレブンの取扱商品の付加価値です。

    コトという意味がくっつくことによって、ありきたりのモノが意味のある商品に変身
    し、値段が高くてもリーズナブル(納得)価格として売れるのです。

    お客様が“5分以内に買える”という価値を認めているから、納得価格として通るの
    です。

    モノを単なるモノとして売れば、値段はしっかり比較されます。

    意味のある納得価格は、比較の対象がなく、誰も「高い」とはいいません。

  □付加価値(コト)のキーワード
    1.便利モノからコト1.png

    2.自身を良く見せる効果がある

    3.楽しい・幸せにしてくれる

    4.自己の価値を共有または肯定する

    5.自己の時間・空間を豊かにする

    6.希少性  

    7.抱える問題を解決してくれる

   そして、ストーリーです。

   キーワードを元にストーリーを組み立てます。

   人はストーリーに感動すると言われ、ストーリー「物語」はお客様の感情に訴え、深く
   印象に残ることから効果的な付加価値づくリに欠かせない。

   『付加価値+ストーリー』があなた(会社)が扱う商品の価値をつくり、お客様にとっ
   ての価値となるのです。

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