営業マンの役割

営業成果は情報管理の活かし方

■営業における情報管理とは

 営業担当者の仕事は、会社の情報を顧客に伝えると同時に、顧客の情報を会社に伝えることです。

 顧客は会社の財産であり、個人のものではありません。

 顧客情報をチームで共有する仕組みがなければ、営業活動は成り立たなくなり、属人的にしか行動
 できなくなります。

 全員で情報を共有し、チームや部署、ひいては全社で顧客に対して提案していくことが必要です。

 顧客の情報管理を行うことにより、顧客の真のニーズや、ライバルの動向といった“競合に勝つ
 情報”を集めていく。

 また、情報管理をIT化することで、商談が終わった案件に関しても、どこでチャンスをロスして
 しまったのかが判明する。

 進行形の案件に関しても、どのように進み、何がネックになっているかが見えてくる。

 情報管理をする上で集めるべき情報は、

  ①顧客の基礎情報である顧客情報や案件

  ②訪問先情報である顧客訪問履歴情報

  ③顧客との接触履歴から見たプロセス進捗情報、

 と、大きく分けて三つがあります。

 これらの情報を全社の共有情報とすることにより 、商談を時系列で押さえられ、全体の流れが
 分かります。

 例えば、経験の少ない営業担当者は、成功事例や失敗事例を分析することで、営業スキルが上がる。

 また、営業チームのみならず、ほかのチームや部署からもアドバイスをもらうこともできる。

 1. 顧客情報

  集めるべき顧客情報は顧客名、住所、連絡先、ホームページアドレス、代表者名、過去3年間の
  年商、資本金、従業員数、既存取引先情報など。

  既存先であれば、販売実績、請求方法といった顧客に関する基礎情報を入力する。

  これに、業種ごとに必要な情報を付加する。

  例えば、値引きが多い業態であれば平均値引き率の情報など、商談を進める上でキーとなる
  情報を記述していく。

 2. 顧客履歴情報

  一つの案件情報に対して訪問先情報を入れていく。

  必須情報は面談者、キーパーソンの役職、名前、案件(ニーズの内容)、案件の状態です。

  新規であれば顧客訪問のきっかけなどを入力していく。

  また、競合情報、受注のためにネックとなっている要因、顧客の戦略など、訪問で知り得た
  有益な情報を逃すことがないように記入欄を設定し、入力漏れが起きないようにしていく。

  履歴情報には、知り得た事実を入れていく。

  ここでは、時系列で記入し、情報を管理することがポイントになる。

  また、競合の動きを具体的に書くと、全社で情報が共有できる。

  営業担当者一人では、目の前の競合を自分の目線でしか意識できない。

  しかし、情報の見える化を進めることで客観的に他社と自社のポジショニングなども分析でき、
  競合との差別化が図りやすくなる。

 3. プロセス進捗情報

  ここでは、プロセス進捗情報を入力していく。

  顧客との接触履歴をセールスプロセスごとにまとめる。

  営業担当者が顧客に何をして、どのような状況にいるのかという形でまとめていく。

  プロセス進捗の欄には、アプローチ、プレゼンテーション、クロージング、ランク、内定、決定の
  どの段階にあるのか、進捗状況が分かるように設定する。

  見積書、提案書、資料などを提出した場合は、その内容(データ)も添付する。

  そして、受注予定日、受注金額も入力する。

  また、商談の段階で受注に至らないこともあるので、受注できなかった場合でも、その失注理由を
  記述する。

  ソート機能をつけ、企画書、見積書などをテーマ別に検索できれば、似た案件が出た時に、
  カスタマイズして有効活用することができる。

  ここでのポイントは、プロセスの進捗を入力後、商談中に感じた推察を記述することです。

  その推察をもとに、次回のアクション予定を記述していく。

  こうすることで、営業担当者自身がどう感じ、どう考えたかということと、顧客がどう感じ、
  どう考えたかということが見えるようになり、相手を推察するトレーニングにもなる。

  最初は間違ってもよいが、うわべだけでなく、顧客の頭の中を探っていき、次の会話や
  アクションにどう活かすか、推察の質を高めることが重要です。

  外面からは読み取れない、顧客の本音の中で何に引っかかって、どうすればネックを解消できるか
  などを考えていく。

  これが見えないと営業のプロセスが分からず、よい方向に改善するのは難しい。

  また、チームリーダーは顧客管理でプロセスが見えるので、結果だけでなくプロセスの評価も
  行います。

  数値目標を設定するだけでなく、プロセスも「どのよう な活動をすると評価されるか」を
  決めておく。

  例えば、「決定権者に提案書と見積書を提出し、いつまでに結論を出したい」というステップに
  たどり着けば、単純に提案書、見積書を提出した時よりも高く評価する。

  こうすることで、質の高い行動をしている営業担当者がより評価され、結果につながっていく。

  これが、行動の質を伸ばしていく仕組みとなります。

  営業における情報管理について営業活動の側面から述べました。

  次は顧客の声をデータ化し、どう優先順位をつけて取り組み、どう営業に活かし、顧客満足度
  および業績の向上につなげていくかについて述べます。

□顧客の声をどう活かすか

 大きなクレームがあった時、迅速に対応し、今後の教訓にしていく企業は多いが、それは顧客の
 不満の一部分を解消したにすぎません。

 顧客が発した「声」を情報としてまとめることで、顧客の本音が見えてきます。

 そのためには顧客の声を要望の種類や担当部門ごとに分け、入力するとよいでしょう。

 例えば、営業活動、商品、納期、価格に関する要望やクレーム、顧客からの評価、感謝された
 言葉、そのほかの要望事項別に分けていく。

 この時のポイントは、ささいなことでも記録すること。

 例えば、「うちの商品は高付加価値だから価格が高くて当然」という考えでは、「『御社の商品は
 高い』という声をいちいち記録に残す必要はない」と考えてしまいがちです。

 それでは、顧客の評価は反映されない。

 一定期間、顧客の声を蓄積することで、顧客の「真のニーズ」が見えてくる。

 その要望は、会社として的確な行動を取る判断材料になります。

 顧客の話を冷静に聞いた上で、その判断材料をもとに、どのような対応が適切かを考える。

 すると、場当たりな対応がなくなり、早期に対応すべきことか、将来的な課題か、顧客のわがまま
 なのかといった会社としての価値判断を反映した対応ができるようになります。

 つまり、声の大きい顧客を最優先し、冷静に対応を求める顧客は後回しにするといった安易な
 対応がなくなり、要望を顧客満足度と業績向上につなげていくことが可能になります。

 1.情報管理で得たキー情報を分析し、活かしていく

  図から分かるように、情報管理を行うことで、いつでもどこでも会社全体の営業活動が読める
  ようになります。

  また、成果を上げている営業担当者の見えなかったプロセスも分かり、ほかの営業担当者が、
  次の営業に役立てることもできる。

  リーダーは、各営業担当者の行動に対して、現状分析した上で、より的確なアドバイスができる
  ようになります。

  自社の営業の成功・失敗事例を共有すると、営業担当者自身がその経験を擬似体験として吸収
  できます。

  そして、行動することで実際の経験も加わり、経験値が増えていく。

  案件に関わる営業の動きが見えるようになり、常に顧客をより理解・分析した上で適切な提案が
  できます。

  また、サポート部門や製造部門など営業以外の直接部門からも、顧客へのアプローチがより正確
  に見えます。

  そのため、「この状況では過去の傾向から別の商品やサービスを提案したほうがよい」とか、
  「納期をこのような形で案内したほうがスムーズにいく」など、営業部門以外からの主体的な
  提案が可能になります。

 2. 新規開拓のプロモーションも「見える化」する

  新規開拓のプロモーション(ダイレクトメール、広告、展示会、セミナーホームページ、FAX、
  紹介など)の効果を検証していない会社が多いので、そちらについても述べてみます。

  顧客開発戦略を練った後、ターゲットとなる新規顧客にさまざまなプロモーションを試み、顧客
  開拓に励んでいる例は多いが、「どの仕事の内容に、どのプロモーションが効果的か」という
  ことをつかんでいる会社は少ない。

  仕事の内容別に、どのプロモーションがどれくらいの引き合いがあるか、どれくらいア ポが
  取れたか、どれくらい提案・受注につながったかをまとめます。

  成約率などから、次回はどのプロモーションを展開するか選択と集中をし、精度を上げていける
  よう取り組んでいただきたい。

  ここで効果が出ると、次のプロセスでスムーズに事が進み、効率的な営業ができるのです。

  成果を出し続ける営業チームをつくるために、リーダーは一部の優秀な営業担当者に依存しなく
  ても、営業チームが機能する仕組みづくりに取り組む必要があります。

  例えば、各営業担当者の行動計画、案件のプロセスをチェックし、質を変えるアドバイスと
  前向きな環境づくりなどです。

  そのためには、常に現場に目を向ける必要があります。

  営業現場で実際は何が起きているかをつかめないと、アドバイスはできない。

  その上で、各営業担当者が自身の行動を常に改善しながら、オリジナルの勝ちパターンを確立
  していくことも求められます。

  営業チームとして、「妥協することなくメンバーが仕組みの中で努力すれば成果が出る」と
  いうことを実感させるのが第一歩です。

  リーダーは、メンバーと密なコミュニケーションを取り 、成功事例も失敗事例も的確にフィード
  バックをして、育成をしながら長期的な成果を出すことにこだわっていただきたい。

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営業マンの役割

営業パーソンの役割 Ⅱ

□顧客との接点を強化

 あなたにとって、中身の濃いお客様・顧客との面談時間の拡大こそが販売に繋がることだけは
 確かです。 

 ただ、顧客との接点拡大は重要だが、直接面談しなくても、お客様と継続して接触する場面を
 つくることが重要となります。 

 直接面談しなくても、

  ・サンキューコール

  ・サンキューレター(はがきの活用)

  ・ニュースレター 

  ・FAX、メールによる定期の情報配信

 電話の有効に活用では、ほとんど直接本人と会っているのと全く同様の効果をもたらし、かなり
 効率的なコミュニケーションをとることが可能です。

 そして単に思いついた時に電話するのではなく、時間や内容、相手を決めて計画をたてて、これを
 双方向のコミュニケーションに活用する。

 また、ファックスの場合は一方通行になりがちだが、なるべく返信の可能性のある形を整える
 ことで効果が増します。

 いずれにしてもベストのコミュニケーション方法は、「双方向」「一対一」「同時」のコミュニ
 ケーションとなる。

  (例)封筒に返信用ハガキを入れる

    ・往復ハガキを入れる

    ・FAXの場合、返信用FAXの準備

    ・E−mailの活用

□営業の改善・改革チェックポイント

  ・同業他社と同じやり方をしていないか(差別化商品・サービス)

  ・対象(マーケット)を絞っているか

  ・商品・サービスを得意なもの1〜2つに絞っているか

  ・行動計画(月・週報 日報)は作っているか(常に5W1Hで作成)

  ・名刺、会社案内、パンフ等は独自性があるか

  ・信頼性、親近感(見た目)を強調しているか

  ・基本動作(12項目)(挨拶、身だしなみ、電話の応対)は実践されているか

  ・お客様への感謝の気持ちを行動に表しているか(サンキューレター・コール、
   定期の情報提供 等)

  ・あなたの本当の売りは人間関係であることを理解しているか

  ・競争相手は同業者ではなく、お客さんであると理解しているか

  ・あなたは自身が「何業」と理解しているか

  ・セールストークはあなたが言いたいことではなく、お客様が聞きたい、知りたい
   ことをメインに組み立てられているか

  ・行動の前の段取り八分を心がけているか

 どの時代であっても、顧客を獲得するには人との接触を頻繁に行うことは重要であることだけは
 確かです。

 成熟化市場でシェアアップを図るには、今まで以上に「顧客に近づく」ことが必要となっています。

 ただし、顧客との接触が重要だからといって、意味のない御用聞き訪問を推進しているわけではない。

 顧客との接触は直接面談だけではないことを理解し、質を重視したものでなくてはならないのです。

 施策として、

  (1)データベースを活用した営業で顧客に近づく

  (2)マーケティングを活用した営業で顧客に近づく

  (3)顧客主導型の発想で顧客に近づく

□お客様の『ノー』の捉え方

 優秀な営業マンは、お客様が「お金がない」という言葉を聞いたとき、『お客様は、お金がない
 のではない。

 それだけの価値を認めていない』と捉えよう。

 しかし、そうでない営業マンはお金がないということを事実と受け止めてしまうから『ノー』が
 成立してしまうわけです。

 お客様の『ノー』の捉え方の違いが、売り上げに大きな差となって表れるのです。

 価値と価値の交換ですから、優秀な営業マンは、お客様が支払う価値に対して十分な、いや、それ
 以上のメリットを提供するという確信があるからこそ、慌てずニコっと笑って対応ができるのです。

 見込み客を見つけ、アプローチをし、面会の約束を取り付け、プレゼンテーションを行い、反論の
 処理をしても、お客様が最終的に『ノー』と言ってしまったら、あなたの苦労は水の泡となって
 しまいます。

□クロージングに入るタイミング

  ・お客様が熱心に質問してきたとき

  ・話の途中でたびたびお客様が質問してきたとき

  ・見本を手にとって熱心に見始めたとき

  ・体を乗り出して熱心に話を聞きだしたとき

  ・お客様が黙り込んで、ため息をついたとき

  ・価格や支払い条件について触れたとき

  ・納期のことをたずねたとき

  ・購入後のアフターサービスについて触れたとき

  ・真剣に値切り始めたとき

  ・周囲の人に相談し始めたとき

□クロージングで失敗しないポイント

  ・あわてない

  ・余分なことをいわない

  ・緊張しない

  ・神経質にならない

  ・悲壮な態度をとらない

  ・議論しない

  ・否定語を使わない

  ・主導権はあなた(営業マン)が握っている

  ・条件について弱腰にならない

  ・お客様から注意をそらさない

 クロージング段階でお客様に『イエス』と言ってもらえるために、優秀な営業マンはあるポイント
 をおさえたトークをします。

  (1)最終的なクロージングに入る前に、確認しておくこと

   ・顧客との信頼関係が、出来上がっているか?

   ・自社(店)、あなたの信用は得られているか?

   ・顧客は十分な必要性を感じているか?

   これらの項目で十分な相互理解が得られていない場合、あなたのプレゼンテーションが、
   どれほど立派だったとしても、お客様は「ノー」という答えを出すでしょう。

  (2)あなたが売っているものは何ですか?

   まず、あなたが売っているのはあなたの扱う商品・サービスいということを理解しよう。

   自分が何を売っているか、明確に理解することから始める。

   たとえば、あなたの提案する商品・サービスがいかに優れているかという説明をしても、
   売ることは困難となる。

   売るためには、その商品・サービスをお客様が利用すると、どんなメリットが生まれ、
   どのような状態になるかをイメージさせる必要があるのです。

   あなたの扱う商品・サービスは、あくまでも手段であって、お客様が最終的に得られる
   利益をどれだけ分かりやすく伝え、売ることができるかが重要なポイントとなります。

   当たり前のように聞こえるかもしれないが、商品の特徴が優れていることと、売れる
   ことがイコールであるとは限らない。

   いちばん売れるのは、お客様が利用すると、どんなメリットが生まれるかを、お客様に
   最もアピールした商品やサービスであることを知っておくべきです。

   営業を成功させるためには市場の教育が常に必要となる。

   あなたの商品の「売り」となるお客様のニーズ・メリットはどこで、なぜよそで買うより
   あなたから買った方がいいのかを教育することです。

   お客様が求めるのは、自分たちのニーズに応えてくれるものであって、あなたのニーズに
   応えるものではない。

   あなたは自社(店)の扱う商品の真の価値を即座に、列挙できるでしょうか?

□思いを伝える

 お客様は正直です。

 営業マンが日頃から「こんなに感謝しています」と口だけでは、本当に感謝しているとは
 思わないものです。

 高価なモノを贈る必要はない。

 安価なモノでも贈り方による。

 何度も送るほうが、手間をかけた分だけ伝わるものです。

 また、バースディカード、礼状(ハガキ)といったことも含まれる。

 要は、「目に見える形」で、心の思いを表現する必要があるのです。   

 お客様の多くは「購入するなら、もっと感じのいい営業マンから買いたい」という気持ちを多くの
 人は持っている。

 また、営業マンの人柄や誠意に打たれて購入したとか、担当者の人間性に惚れて購入することに
 したとか、お客様の購買行動は理屈ではありません。

 お客様は理屈で商品を購入するのではなく、感情(見た目)で購入するのです。

 そして、購入後にお客様の役に立つこと。

 どれだけお客様の身になって扱っている商品やサービスを提供し、それを通じて役に立てるかと
 いうことです。

 それが結果として顧客満足につながるのです。

 本当の営業力とは何でしょう。

  1.あなたの提供する商品の特徴より大切なのは、提供する商品がお客様にとってどの
    ように役立つ(利益)のか。

  2.社会環境の変化の中で、扱う商品・サービスの差別化(どのように加工し、今の時代
    にあったモノにしていくか)。

  3.組織力(情報の共有、チーム営業、、教育・訓練、マニュアル)

 上記の3点を要約すると、

  ◎役割分担 (分業)

   営業会社では役割分担により、すべての部門が営業に関わる体制作りが欠かせない。

   営業は営業部門の仕事と思っているのは大きな間違い。

  ◎情報・知識は企業の財産(共有化) 

   営業をマンパワーに頼ることは、企業の財産である顧客情報や知識を担当者個人のみが
   持つことで、企業の大事な財産をドブに捨てるようなものである。

   企業に情報や知識の収集と活用であるナレッジマネジメントが定着しないのは「何の目的
   のために、どのように活かすか」を明確にしないからである。

   「組織として何をどのように改善したいのか、そのために今何の情報が必要なのか」
   を先に考える。

  ◎教育訓練 

   営業力を強化するには教育が欠かせない。

   企業が行う教育は、あくまでも業務の遂行に必要な知識習得のための「トレーニング」です。

   ロープレなどがその一例となる。

  ◎チベーション

   企業では営業マンのモチベーションを上げるために、さまざまな教育が試みられていますが、
   成果のほどは定かではありません。

   凡人にとって、高いモチベーションを一定に保ち続けることは不可能に近いことです。

  ◎営業の環境整備(営業力強化

   モチベーションアップを図ることも重要だが、モチベーションの低い状態であっても売れる
   環境を整備することも企業にとって、より重要なはずです。

   そのためにも、組織全体のレベルアップにつながる営業管理の仕組み構築が欠かせない。

  ◎営業プロセスを標準化

   そのためには、凡人営業マンであっても優秀な営業マンと同等な仕組をつくること。

   その仕組とは、営業活動の標準化です。

   優秀な営業マンの営業プロセスを客観的に分析し、マニュアル化する、言い換えるなら
   営業の台本(スクリプト)を作ることです。

   そうでないと、売れない理由を「営業努力が足りないから」「景気が悪いから」「競合
   他社より価格が高いから」といった言い訳が横行してしまうからです。

   また、精神論的営業からは、セールスにおいて「なぜ契約にいたらなかったのか」の原因を
   解明することができない。

   一人の営業マンに営業活動のすべて(集客〜顧客管理)を任せっきりにすることが如何に
   ムダであるかが理解できるでしょう。

   これらの問題を解決するには、「営業マンにすべてを任せず」他部門も含めて営業プロセス
   を分業(分担)することです。

   一人の営業マンが今までのように全部を担うのではなく、一部だけを担当することで、
   人の異動や辞めたりしたときの影響も少なくて済み、後任の人はすぐに自分の役割を
   理解できる。

   人が足りなくなったら部分教育を行えばよいので、人材の育成のスピードも早くなる。
   
  ◎営業の武器

   中小企業にとって、マスコミを活用したプレスリリース、インターネット、電話、FAXなど
   複数のチャネルを活用することで、顧客とのビジネス関係を効率的に行い、顧客との
   接点を拡大でき、営業効率と顧客満足の向上が可能となります。

   営業活動のすべてを営業マン個人、営業部門だけに任せるのではなく、他部門も含め
   営業活動全体を分割、専門化することが組織営業を効率・効果的にする。 

   営業を戦に例えるなら営業ツールは武器です。

   時代とともに武器も変わってきます。

   今の時代に合った武器を使うことで戦いを有利に運ぶことができます。

   一昔前のセールスのやり方を今でも続けていく限り、成果は得られません。

   営業のための武器の一部を取り上げてみても、

   会社案内、名刺、アプローチブック、ニュースレター、セールストーク、ハガキ、電話、
   FAX、メール、有益情報紙、セミナー開催、

   あなたはここに掲載してある武器をどれだけ活用していますか?

   なにを武器に戦うのか、明確な方針を出して戦わなければ、戦いに勝つことはできません。

   あなたの商品は競合他店の商品に比べてどれだけの性能を持っているか、販売している
   商品の性能・価値を的確につかんでいなくては差別化はできません。

   お客さんが契約を決意するのは、それを購入すれば必要が満たされるか、あるいは満足を
   手にすることができるからです。

   必要性も利便性も満足も感動も得られないのであれば、顧客は購入を決意しません。

   商品に名演技をさせるためには、営業マンがその商品の性能・価値を把捉していなければ
   ならないのです。

   スピードアップが必須の時代において、代理店の業務量は大幅に増大されており、限られた
   時間の中で、顧客の記憶に残るサービスを提供していかなければならない。

   また、上記以外にも心がけることは、

    ・あなたにできることは何か?
     今かかわっている仕事にこだわらず、自社に何ができるかを考えよう。
     サービス業にかかわるすべての人間は、発想の限界にとらわれている。
     発想の限界とは、通常、自社が携わっているビジネスの通例の範疇にとどまることです。
     自社の業種のことだけを考えず、自社の技能について考えること。


    ・あなたの本当の売り物は何か?
     顧客が、本当に買っているものは何かを探りだそう。
     商品そのものではなく、問題解決の手段としてあなたの商品を購入しているのです。


    ・あなたの競争相手は?
     見込み客にはたいてい三つの選択肢がある。
     その営業マンを「利用する」「利用しない」、あるいは「今の営業マンのままで     
     済ます」です。
     多くの場合、あなたの本当の競合相手は同業者ではない。
     あなたの見込み客自身なのです。


    ・フィーリングの良さこそサービスの決め手
     サービス業は人間関係だ。
     そして人間関係とはフィーリングなのだ。良い人間関係の始まりはフィーリング。


    ・顧客への報告・連絡・相談を心がける
     お客様は自分を大切に扱ってくれているかどうかを感じ取るのに敏感である。


    ・常識があなたを縛る
     常識からは、改革は生まれない。想像力の飛躍こそが、これらを生み出す。

     常識にとらわれていては、今以上の自分にはなれない。胸が躍るような結果が   
     欲しければ、夢をかき立てるインスピレーションが必要だ。


    ・長所が長所を連想させる
     なぜサービス業の人々は、自分たちのサービスをポジショニング(絞り込む)する
     ことを恐れるのか? 
     それは、あることを強調すると他のことをアピールできなくなると考えるからだが、
     実際はそんなことはない。
     なぜなら人は連想をするからだ。
     良いことを1つ言ってみよう。そうすれば他の良いことも連想されるようになる。


    ・自分のサービスに違い(独自性)が見出せないなら、目を皿にして探し出す
     最も記憶に残ることは「ユニークで、五感に訴えかけるような、クリエイティブで
     目立つもの」です。  


    ・顧客は良いサービスをすぐ忘れる
     自分のあげた成果は、必ず顧客に知らせよう。
     良質なサービスを受けたことを思い出させてくれるものはほとんどない。
     満足は多くの場合、記憶だけの問題なのである。
     通常のサービス業の会社は、提供したサービスが継続的に役立っていることを顧客に
     意識させていない。
     事故時の対応の良さ、スピード(支払い、依頼ごと)、丁寧さ(専門用語を使わない・
     分かりやすさ)、安心感(約束・時間の厳守)などにより、「存在感を示し続けること」。
     相手の目に入らなければ存在しないも同然です。


    ・いちばん些細なことに注力しよう。
     あなたが想像するよりもずっと多く頻繁に、顧客との接点を持つ。
     セールスとはこの程度のことで差がつくものです。
     より知識が優れているからではない。より経験が豊富なわけでもない。
     ほんのちょっとした、短いながら思慮深い手紙・ハガキのように小さなことが、大きな
     違いを生むのです。


    ・自社の営業マンは、明確なセールスポイントを持っているか? 
     あなたの会社が顧客にわかりやすいセールスポイントとそのメリットを確立していな
     ければ、ほとんどの社員は、その商品をうまく売り込めない。 
     なぜなら、売り込むものがないという理由で。
     営業マンを鍛え直したかったら、まずは商品を見直そう。


   ◎売れる仕組み

    お客様の方から自社に近づいてくれるような工夫や仕掛けをし、そして教育啓蒙をする
    ことで、安定的に本当の見込み客を保有し続けている状態のことをいう。

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営業マンの役割

営業パーソンの役割 Ⅰ

■営業パーソンがもっとも苦手なこと

 多くの営業パーソンが扱い商品を売ることばかりに専念した熱意と根性のセールスに邁進しています。

 営業パーソンの方ならお分かりかと思うが、通常の営業活動をしながら、1日十数件の飛び込み
 営業はかなりキツイものがあります。

 1回1時間の商談にたどり着くまでに2時間半の努力が隠されている。

 2時間半という時間は8時間の労働時間のほぼ1/3にあたります。

 体力的にも時間的にもハードな仕事量であり、何より飛び込み営業で断られ続けるわけだから、
 精神的にもへこんでしまう。

 営業マンにとって一番の悩みの種はココです。

 「見込み客を探すことが最も難しく、時間がかかる」

 もし、この部分が解決できたら、仕事の能率が飛躍的に上がるのではないでしょうか?

□営業マンの役割

 集客から顧客の維持・管理までを営業マン個々に任せることは至難の業といえる。

 本来、集客は会社が行い、集客した見込み客に対してセールスを行うのが営業マンの役割です。

 しかし、営業活動のすべてをマンパワー(営業マン個人)に任せている企業が大多数を占めている。

 結果しか求めない営業管理をしていると、社員のモチベーションは下がり、組織は戦略、事業の
 仕組みづくりを重視せず、社員に犠牲を強いるばかりの場当たりな営業となってしまう。

 そして、精神論がまかり通り、人材は育たず、労多くして益の少ない無意味な飛び込みと人海戦術を
 奨励する営業スタイルが横行してまう。

 つくれば売れた時代では顔見せ、足で稼ぐといった活動をすれば、正しい営業行為がなくても
 モノが売れました。

 お客様の商品知識は少なく、選択肢も限られていたため、営業マンは「売り込み」、「熱意」と
 いう一方通行的な仕事になっても、なんとかなったのです。

 どうせ注文するなら、よく通ってくれた営業マンに注文してくれ、営業マンも用がなくても顧客を
 訪問することが営業の基本となり、習慣化してきました。

 しかし、環境は激変し、モノは溢れ、選択肢も多様化しています。

 いくら顧客に会っても、一方通行のセールスを続けていたのでは、お客様が必要だと思っている
 モノでも売れなくなってしまう。

 なぜなら、購入の選択肢は多数あるからです。

 つくれば売れた時代の営業の多くは本当の営業力ではなかったのです。

 顧客はセールススキルの優れた営業マンを求めているわけではありません。

 その営業マンが提供してくれるサービスを求めているのです。
   
□あなたの商品はまだ未完成
 あなたの手元にある商品・サービスはまだ売る段階ではありません。

 これを完成品にするためには、 

  ・商品、サービスが誕生するまでのストーリーが必要

  ・機能や特徴の自慢より「お客様にとって」の価値、相手が求めているものを先に知る

  ・扱う商品・サービスの本当の価値は人間関係である

   
 営業の役割は何かといえば、開発された商品を、お客様の願望を埋められる商品・サービスに
 仕立てあげることです。

 つまり、営業は、その商品が持つ本当の価値、お客様が求める価値を実現させるための活動です。

 お客様との接点である営業担当者は、価値を実現させることであり、またそれができるのは営業
 担当者しかいないのです。

 お客様との接点を持つことのできる営業担当者は、価値の具現者であり、ここが通販との大きな
 違いです。

 アプローチからクロージングまでのプロセスでもいろいろな工夫が必要です。

 大切なのは「これを話したら、お客様はどう反応するか」「それに対してどう対処すれば、お客様の
 求める価値を実現できるか」、そのさまざまなパターンを想定し、対応法や応酬話法をモデル
 (標準化)化することです。

 しかも、このモデルは、お客様が持つ個々の課題に対し、それに見合った答が出せるようでなけ
 ればなりません。

 それがお客様を知る作業につながります。

 そのためにも、ロープレといったトレーニングが欠かせません。

 お客様との接点づくりにおいても工夫が必要となります。

 商品の違いを生み出すのは営業の力です。

 そして商品に価値を与えるのも営業の力です。

 今では、お客様の「買い方」が変化しています。

 そうであれば「売り方」も当然変えていかなければなりません。

 商品の良さ、品揃えは大事だが、それだけでは商売にはならないということです。

 大切なのは、お客様の感性のステップアップに合わせて、店舗や売り方、情報発信の仕方を考え、
 変えていかなければ売れないということです。

 これは今日、お客様との接点づくりにおいて、どの業界にも共通する課題です。
   
□分かりやすく、選びやすく、迷わせない工夫をする

 お客様との接点における商品のアピールや情報発信で大切なのはそこです。

 その組み立てを何通りも考え、試してみることが大切なのです。

 その商品・サービスがお客様の生活・事業の中の何と結びついてくるのかの実感が湧かなくては
 なりません。

 お客様の趣味や仕事、年齢、家族構成などに合わせて多くの具体的な事例、シナリオを用意できて
 いるかどうか。

 これは経験だけの問題ではなく、ターゲットであるお客様のことをどこまで考えることができるか
 という重要な問題なのです。

 あなたの売りものは扱う商品・サービスそのものではなく、お客様の満足を獲得するための手段で
 あることを忘れないでください。

 販売にはさまざまな手法や考え方がありますが、最も原理的で、最も重要なことは、「自分(会社)
 を売ること」であり、このことが信頼関係の構築につながるのです。

 そうでなければ、いつもの売り込み営業に走ってしまいます。
    
しゃべらない営業

 今までの営業では、明るく元気で押しの強いことが優秀な営業マンの代名詞となっていました。

 しかし、営業をとりまく環境の変化。

 「お客様の買い方」、「お客様のニーズや真理」、「インターネットの普及」などといった変化。

 このような変化に対して今もって変わらないのが営業スタイルです。

 今の消費者は営業マン以上に商品知識が豊富と言っていいでしょう。

 明るく元気で押しの強さを装った営業は通用しない。

 いつの時代にあっても、優秀な営業マンに共通することは、人の話を『よく聴く』ということです。

 人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っていますが、話を一生懸命聞いてくれる人は非常に
 少ない。

 人は自慢話が好きだが、それをあなたがやってはいけない。

 相手に自慢話をさせることが、あなたの高感度をあげる秘訣なのだから。
   
□「聞く」から「聴く

 『聞き方のポイント』は4つあります。

 まずは、『80対20の法則』の活用です。

 有名なパレートの法則ですが、ごくシンプルです。

 すなわち、『自分が話すのは2割、話を聞くのは8割』

 これを意識してください。

 しかし、意識してもそれでも半々くらいではないでしょうか。

 ですが、極力80対20の法則に従って、8割は聞くことに徹することが大切です。

 そして、2つ目は、『人の話を奪い取らない』こと。

 「あぁ、それ、こういうことだろ?」「そういえば、俺こんなことがあってさ」・・・。

 相手は自分が話したくて話を投げかけてきたのに、それを奪ってしまう。

 そうすると、そこでもう信頼関係がなくなってしまいます。

 決して人の話を奪い取らないようにすることです。

 そして3つ目は、『即座に否定しない』こと。

 これもよくやってしまいます。

 「いや、違う違う!」「そうじゃなくて、こうだよね?」・・・

 即座に否定せず、逆に肯定しましょう。

 合わせて、『反論に反論しない』ことも大切です。

 「いや、それはそうじゃないと思います」と言われた時に、さらに「そうじゃないよ」と言い
 返さないことです。

 「私も最初そう思っていました」

 「なるほど、多くの人はそんな風に感じると聞いています」など、やはり、最初は必ず肯定して
 あげることが大切です。

 4つ目は、『質問する』ことです。

 「それについてもう少し聞かせてください!」

 「あ、これはこういうことなんですね!」・・・、

 良い質問は、会話を促進してくれます。

 また、お客様の心を開き、答えを引き出しやすくなります。

 この4つのポイントを心掛けて、話を聞(聴)いてみてください。

 きっとその効果に驚かれると思います。

□聞く際に効果的な4つの動作

  1.『よく頷き、相槌をうつ』

  2.『視線を合わせる』

  3.『メモを取る』

  4.『配慮や気配りをする』

 「あなたの話を真剣に聞いていますよ」「あなたの話は価値がありますよ」ということが、メモを
 取ることによって伝わります。

 私は自分がお客様の側であったら、まずそこを見ます。

 どんなにこちらの話を一生懸命聞いていても、メモを取ってなかったら「あぁ、その程度なのかな」
 と思います。

 経営者や、優秀な営業マンは本当にこういう細かいところを見ています。

 「話をするのはスキル。話を聞くのは器」と言われます。

 人は自分の興味のない話、関係のない話を聞くことに苦痛を感じます。

 技術を学んでも、本当にその人のことを思う気持ちや器量がないと、話は聞けません。

 器を拡張するとは、どれだけ相手中心の考え方が持てるかということです。

 「どうしたら相手が喜んでくれるのかな」「どうしたら相手のお役に立てるのかな」と思い、
 相手に接することができるか。

 決して「自分がうまく話そう」「よく思われたい」などと思わないことです。

 自分の考え方はそのまま相手に伝わってしまいます。

 人の第一印象は初めて会った時の3〜5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚情報」から
 得ていると言う概念(メラビアンの法則:アメリカUCLA大学の心理学者:アルバート・メラビアン
 が1971年に提唱)     

 人に好かれることは、あなたにとって非常に重要なことです。

 人はシンプルです。

 同じ商品であっても、好きな人の売る商品は好きで、嫌いな人の売る商品は嫌いなのです。

 お客様に好かれるかどうかがあなたにとっての生命線といって良いだろう。

 では好感度の高い人はどんな人なのだろうか。

 優秀な営業マンに共通していることは、人の話をよく『聴く』ということです。

 人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っている。

 カーネギーも「人の話を聞くことにより、人生の80%は成功だ」という。

 しかし営業現場を見てみると、人の話を遮ったり否定したりする人が少なくない。

 あなたはどうだろうか?

 相手の話を遮って、「自分の意見・言いたいこと」を言おうとしていないだろうか。

 これとは逆に話を一生懸命聞いてくれる人は非常に少ないのです。

 好感度を高めるとは、いかに相手を気分良くさせるかなのです。

 そのためには、相手の得意分野を導いたり、自慢話をよく聞いてあげる。

 そうすると相手は気分が良くなる。

 その結果相手は自分の話を聞いてくれている人を好きになるのです。

 ですが、自慢話に付き合うのは大変です。

 最初は訓練かもしれません。

 でも、それが本当に自然に出来るようになったとき、習慣になったときに、明らかにあなたの
 成果が変わるでしょう。

 結果を出しているセールスパーソンは、間違いなくこの点に長けています。

 自分が話すのは2割、話を聞くのは8割を意識して欲しい。

 そして、『人の話を奪い取らない』こと。

 『即座に否定しない』こと、「いや、違う!」「そうじゃなくて、こうだよね?」・・・
 など、相手と違った自分の意見で否定せず、逆に肯定しよう。

 次に『質問する』こと。

 質問は、お客様に話の内容を理解していただき、話の中に引き込むために行う。

 「それについてもう少し聞かせてください!」「あ、これはこういうことなんですね!」・・・、
 「この件について、御社ではどのように感じられますか?」

 良い質問は会話を促進し、お客様の心を開き、答えを引き出しやすくなる。
   
□「聞く」の技術 

 コミュニケーションとは、自分の意思を相手に良く伝えるために、とにかく自分の情報をできるだけ
 話すことだと思っている人がいます。

 事前に何をどのように話すかを考えて準備したとおりに、十分にしゃべり足りたと思うと、これで
 クロージングも上手くいくと、錯覚します。

 しかし、実は聴くこともコミュニケーションなのです。

 お客様の話を聴くという行為は苦痛で、非常に難しいことかもしれません。

 もちろん、上手な話し方や、質問の仕方は、セールスパーソンの武器であり、大切なことですが、
 それはお客様のウォンツ(願望)を明確にするための技術です。

 しかし、お客様の願望を知り、購買行動に結びつけるためには、お客様の話を良く聴き、お客様が
 何を言わんとしているかを受け止めて、その中の情報をチェックして、問題の所在や、その解決策
 をしっかり吟味したうえで提案することが、もっと大事です。

 営業マンが自身を理解してほしいと思っている以上に、実はお客様も自分を理解して欲しいと
 思っています。

 お客様の話にじっくり耳を傾け、願望の達成や問題解決のてがかりをつかみましょう。

 では、良く聴くとはどういうことでしょう。

 聴くということは、難しい技術とも言えます。

 なぜなら、話すことは、自分で何を考え、何を感じているかがわかっているので、それのコント
 ロールはできますが、聴くことを自在にコントロールすることはできないからです。

 相手の言葉のニュアンスを、相手はこう考えて、こう感じて使い、話しているのだろうな、と推測
 しながら聴かなければならないからです。

 聴き上手な人は、自己本位ではなく、相手の立場に立って、相手の視線でものを眺め、理解しながら
 聴きます。

 「きく」という漢字には、「聞く」「聴く」「訊く」がありますが、傾聴するということが大事です。

   (1)相手が何を考え、何を感じているか、その言っていることがどんなニーズを表現して
    いるか、を理解することができる。

   (2)話し合いの中で、得たい情報を選択することができる。

   (3)傾聴しているという感じを、相手に与えることができる。

 この聴く能力によって、セールスの基本である「お客様が心から欲しいと思っているものを提供する」
 ことができるのです。

 この『聴く』は今回のタイトルにもある「コーチング」においても重要なことです。

 セールスの場面においては、話したいこと、言いたいことはたくさんあるでしょう。

 ですが、そこはグッと我慢して、自分が話すのは2割、話を聞くのは8割を意識しましょう。

□好感度

 人は感情の生き物です。

 どんなにすばらしいセールステクニックを持ち、商品知識が豊富であっても、嫌われては元も子も
 ありません。

 そのためには、
  ・競争相手以上に、お客様から好感をもたれ

  ・競争相手以上に、お客様から気に入られ

  ・競争相手以上に、お客様から忘れられないようにする

 お客様は安い価格よりも、信頼できる営業マンから購入するものです。

 自分の得であっても、お客の得がなければ断る。

 それが信頼を獲得するための、真実の瞬間です。

 「顧客戦略」とは、お客に感心されて、支持されて契約してもらい、さらに喜ばれてリピートを
 もらい、お客の紹介ももらうという仕組みです。

 そういう体制を社(店)内に作り上げること。

 新規顧客を固定客化するまでの仕組みが「顧客維持の仕組み」となります。

  ステップ1 初めての人に好かれて「お客」になってもらう。

  ステップ2 「お客」に気に入られて「リピーター」になってもらう。

  ステップ3 「リピーター」が他の人にも紹介してくれるような「ファン」になってもらう。

 そのためには、

  ・お客様と直接接するところを総点検してみる

  ・お客様に不便や二度手間をかけているところを改善する
  
 お客様の立場で不便に思うことを書き出し、自社(店)ではどうか、どこをどう改善するか。

  ○名刺について

   ・電話・mailアドレス・FAX番号は大きな文字で
    名刺は相手に渡し、見てもらうものであることを認識しましょう。

   ・住所だけでは場所がわからない
    地図または「地下鉄〇〇駅・〇〇出口より左側に徒歩3分」などを加える。

   ・名刺のウラも使う
    名刺はミニカタログ
    事業内容や商品名、個人の自己紹介を入れる

   ・顔写真を入れる
    商売は顔を売ること

   ・封筒もミニカタログにしよう
    封筒もお客と接する度合いが高いツール。
    封筒の電話番号なども名刺と同じく大きくする。
    2〜3行のメッセージ欄を作り、そこに手書きの一言を入れる


  ○礼状(ハガキ) 

   ・礼状を出している会社は平均すると3%です。
    残りの97%は契約してもらっても知らん顔をしている。
     
   ・せっかく「顧客」になってくれた人に、さらに高感度を増すためには、
    自分の都合や面倒臭さをぐっとおさえ、親切で報いを求めない行動が必要となる。

   ・感じたことをありのままにパッと伝える「感謝」。 
    感謝とは「感じたことを、言葉で射る」と書き、ありがたいと思ったら、口や言葉や
    文章で相手に伝える行動が必要です。
    社内の報連相も重要ですが、まずはお客様から。


  情報紙・ニュースレター 

   ・お客様の役に立ちそうな情報を送る。

   ・普段、読んでいる新聞や雑誌で、お客の役に立ちそうな記事があれば切り抜き、
    コピーして「ご覧だとは思いますが、念のために」と一言書いてFAXまたは郵送する。

 相手が中小企業の社長の場合、忙しくて意外に著名な新聞や雑誌にも目を通していないことが
 よくあります。

 こういったことを考える日を月に一度は持つことをお勧めします。
 
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営業マンの役割

売掛金の回収

売掛金の回収方法
 

  売掛金回収管理の基本 

   「販売なくして事業なし」とよくいわれますが、その販売は売掛金がちゃんと回収さ
   れてはじめて意味をなすものです。

   商品は売れたものの、営業担当者が販売した時点で安心してしまい、回収がおろ
   そかになって結局焦げ付いてしまったということにならないよう、十分な注意が必
   要です。

   売掛金回収のために事前にしておくべき基本的な対策のポイントは次のとおりです。

    ・契約時には必ず注文書などを交わし、債務の発生を確認する

    ・つねに支払期日を確認し、確実に請求処理を行う

    ・取引先の要注意信号に気を配り、素早い対応をする

    ・取引先の信用不安に対して、債権保全策を講じる

   そして、

   いずれにしても、取引先が完全に経営不振に陥る前に手を打つことが肝心です。

   不幸にして取引先が不渡りを出したり、倒産してしまった場合には、弁護士に依
   頼して至急債権保全に尽力する必要があります。

   そのためにも、日頃から「よい弁護士」を確保しておくことも大切です。

   1.取引先の状況を見抜く

    前述のように、取引先が経営不振に陥る前に手を打つことが重要となるわけで
    すが、そのためには、取引先がそのような状況に陥るかどうかを見抜かねばな
    りません。

    つまり、取引先が経営不振に陥る前の兆候、「要注意信号」を敏感にキャッチす
    ることが求められます。

    それらの「要注意信号」としては次のような事柄があげられます。

     ・おもな取引先(融資先)が倒産した

     ・突然、手形書き換え・支払猶予を申し出てきた

     ・急に支払条件の変更を申し出てきた

     ・不動産に高額の担保を設定した

     ・自社ビルの新築・増築後に、急に支払いが悪化した

     ・悪い噂やデマがでてきた

     ・経営者が不在がちである

     ・従業員の退職が相次いでいる

     ・何となく社内の雰囲気が悪く、活気がない

    ただし、これらの要注意信号のなかには正当な理由がある場合もあります。

    たとえば、経営者が不在がちなのは資金繰りのために奔走しているのではなく、
    たんに外出する仕事が増えただけなのかもしれません。

    しかし、そうした事実の把握こそが重要なのであり、結果として「勘ぐりすぎ」だと
    わかるまで観察するという姿勢が大切です。

    また、これらの要注意信号を集める手段としては、

     ・取引先をよく巡回する

     ・取引銀行を活用して、信用調査をする

    といったことを、こまめに繰り返すことが有効です。

   2.取引先への対応策

    売掛金の支払いが長期的に遅れている場合や、取引先について危ないという
    情報をつかんだときには、素早く対応策をとることが必要です。

    その場合、「資金繰りの悪化」「回収難状態」「販売不振状態」「販売事故」などが
    原因になっていることが多いようですので、次のような対応をします。

     ・取引先の担当者にその理由をよく聞き、よく話し合う

     ・取引銀行や興信所を通じて調査を行い、原因や情報を確認する

     ・とくに、与信限度額の修正や債務の確認などを急ぐ

    その結果、売掛金の支払遅延が実際に資金繰りの悪化など、懸念していた原
    因によるものだと判明した場合には、速やかに以下のような対策を講じる必要
    があります。

    (1)請求の実施       (6)売掛金から約束手形への切り換え

    (2)債務の確認       (7)売掛金の借金化

    (3)消滅時効の中断    (8)売掛金の相殺

    (4)支払猶予         (9)売掛金の公正証書化

    (5)手形の書き換え    (10)担保の設定

  □売掛金回収の具体的対応策

  
 1.請求の実施

    売掛金の支払いが滞っている場合には、まず請求書を送り、その後に返済がな
    ければ口頭・電話による請求を行います。

    この時点では、取引先の経営不振が決定したわけではありませんので、あくま
    でもソフトに請求の意思を伝えます。

    具体的には以下のような点に留意しておこないます。

     ・支払期日がすでに経過していることを示す

     ・当方の資金繰りが逼迫していることを明示する

     ・いつ支払いをしてもらえるかの返事をもらう

    さらに、支払いについて誠意がない場合には、営業担当者が直接回収に出向く
    ことになりますが、取引先が遠距離であるとか、あるいは長期的な取引を望め
    ないような相手に対しては、心理的圧迫感を与えるために「内容証明郵便」での
    請求が効果的です。

    <内容証明郵便の要領>

     (1)1行20字以内、l枚26行(520字)以内
       (句読点やカツコなどはそれぞれ1字分として数える)

     (2)文字・記号の訂正箇所については、その上部欄外に訂正した字数とその
       箇所を記入する

     (3)2枚以上にわたるときは、とじ目に契印する

     (4)同じものを3通作成し、郵便局に提出する
       (内容証明郵便は本局など大きい郵便局のみの取り扱いとなります)

     (5)郵便局で証明番号および日付印を記入のうえ、相手方、差出し人、郵便
       局保管用に各一通ずつとする

     (6)必ず配達証明付の内容証明郵便とする

     (*)用紙についての制限はありませんが、文具店などで販売している「内容
        証明郵便用紙」の購入をお勧めする。なお、(1)(2)の要件を満たせば、
        ワープロやパソコンで打った文書でも受け付けてもらえます。
 
   2.債務の確認

    営業担当者が直接取引先に出向いてもすぐに回収できない場合、あきらめてし
    まわず、取引先に対する債権債務・契約残を確実に把握して、取引先に債務を
    認めさせることが重要です。

    そのためには、まず自社で債務の残額がいくらあるかを調べ、その明細を添え
    て取引先に確認を要請します。

    取引先の確認がとれたときには「債務確認書」を作成しておきましょう。

    定まった書式はありませんが、以下の点に留意する必要があります。

     ・債務確認は債務者が行う

     ・債務の内容をすべて明示する

     ・債務を確認した日付を明示する

     ・債務者の署名捺印をとっておく(ゴム印は不可)

    「債務確認書」には特別これによって、たしかに債務者が債務を確認した証拠が
    できるため、後日債務がないなどといった言い逃れを防止できます。

   3.消滅時効の中断

    売掛金などの債権は永久に存在するものではありません。

    一定の期間、回収をせず放置しておくと、時効によりその使権は消滅してしまいます。

    売掛金の場合、

     ・支払期日が決まっていれば、その翌日から起算して2年間

     ・支払期日が決まっていなければ、売掛金などの債権が発生した翌日
      から起算して2年間支払いを請求しなければ「債権の消滅時効」により、
      債権は消滅してしまいます。

    債権を消滅させないためには、時効の中断措置をとる必要があります。

    時効の中断措置には、

    (1)裁判上の請求手続き

    (2)債務確認書や支払猶予申込みなどの債務者による債務の承認

    (3)債権保全のための差押え・仮差押え・仮処分の申請

    といった方法があります。

    (1)裁判上の請求手続き

      支払請求訴訟などの裁判上の請求をすれば時効は中断します。

      なお、たんなる請求(請求書の送付や電話による催促など)を行っても時効
      を最大限6カ月間遅らせることができるだけで、中断させることはできないた
      め注意が必要です。

      この場合、6カ月以内にまたたんなる請求を繰り返しても効力はありません。

      通常は、時効が完成する直前に気づいた場合などに、内容証明郵便による
      請求を行い、とりあえず時効を6カ月延期させ、ほかの時効中断の措置を取
      るようにします。

    (2)債務者による債務の承認

      費用や手間をかけずに時効を中断する方法が、債務者による債務の承認です。

      債務者から前述の「債務確認書」をとることのほか、支払猶予の申入れや利
      息の支払い、債務の一部弁済などによっても債務全額の承認がなされたと
      認められ、時効が中断します。

    (3)差押え・仮差押え・仮処分の申請

      債権者が債権回収のために差押え・仮差押え・仮処分の申請を行った場
      合、この申請によって時効は中断されます。

      そのほか、

       ・裁判所による和解のための呼び出し、任意出頭

       ・裁判所での支払命令

       ・債務者の破産手続きに対する参加

      も時効の中断事由になります。
 
      ただし、いったん中断した時効も、中断事由が終了したときから新たに時効
      期間が進行することになるため注意が必要です。

      たとえば、裁判上の請求を行った場合には、その裁判が確定したときから起
      算をはじめます(ただし、この場合はすべての債権の時効期間が10年となる
      ため、大部分の売掛金の時効期間が2年であるのに比べ非常に有利になり
      ます)。

      承認は承認がなされたときから、差押えなどは手続きが終了したときから起
      算して2年で時効になります。

   4.支払猶予

    「3.消滅時効の中断の(3)」でみたように、相手先からの支払猶予の申し込み
    によっても債務の承認がなされたと解釈されるため、消滅時効は中断されます。

    しかし、相手先の経営状態がかなり逼迫していて倒産が危倶される場合には、
    支払猶予の申し入れに応じる訳にはいきません。

    相手先から支払猶予の申し入れがあった場合、その理由が真実かを確認して
    から申し入れに応じるかどうかを決める必要があります。

    さらに、支払猶予に応じる場合でも、できる限り自社の安全確保を考え、以下の
    ような手段を取る必要があります。

     ・「支払延期証」をとって証拠を残す

      → この支払延期証によって債務の承認や消滅時効中断の効果が
         発生します。

     ・金利相当分の遅延賠償金の請求をする

     ・一部でも現金で回収する

     ・約束手形に切り換える

     ・担保をとる

    <支払延期証例

     支払延期証の形式は自由ですが、内容を特定しておくことが必要です。

     また、これを公正証書(9.売掛金の公正証書化参照)にしておくとさらに安心
     です。

   5.手形の書き換

    資金繰り状況が悪化した場合、手形支払期日を延期するために「すでに交付し
    た手形の差し替え(手形ジャンプ)をして欲しい」と依頼される場合があります。

    取引先から手形ジャンプの依頼を受けるということは、取引先の経営内容を確
    実に把握し、債権を保全できるチャンスと考えることもできます。

    したがって、支払猶予の申し入れと同じく、応じてもよいかどうかを十分に検討
    する必要があります。

    取引先が手形ジャンプをしなければならないということは、取引先が信用不安の
    状態にあるということですから、取引先に対する全休的な債権保全を考えなけ
    ればなりません。

    そのため取引先の経営内容・資金繰り状況を確認することが大切です。

    取引先の、

     ・資金繰り表(前後6カ月間程度がわかるもの)

     ・月次決算書類(貸借対照表、損益計算書など)

     ・そのほか、現在の経営状況を把握できるもの

    などの帳簿関係書類や伝票類など必要書類の内容を確認することが必要とな
    ります。

    さらに、手形ジャンプに応じる場合は、支払猶予と同様に以下のような点に注意
    しなければなりません。

     ・債権全額の担保を取得する(最低手形金額相当分の担保は必要)

     ・一部でも回収する(減額書き換え)

     ・利息相当分を加えた手形金額に書き換える(増額書き換え)

     ・手形書き換えの依頼書を取る など

    手形書き換えの依頼書には、「手形ジャンプを依頼する理由」と「従来の手形を
    新たな手形に差し替えてもらう」という依頼の内容を記載してもらうことが必要です。

    そうしなければ、従来の手形と新しい手形との関連性がわからなくなってしまいます。

    従来の手形に関して担保を取得している場合、新しい手形もこの担保の被担保
    債権となっていることを確認しておかなければ、手形の更改とみなされて新しい
    手形はその担保の被担保債権ではないとされる危険性があります。

   6.売掛金から約束手形への切り替え

    取引先が何月何日までには支払いをするという場合には、その日を満期日とす
    る手形の振り出しを受けておくと、決済が受けやすくなります。

    手形は金融機関を経由して、手形交換所において決済されることになります。

    満期日に支払場所の金融機関に手形金額に相当する当座預金がない場合に
    は、不渡りとなり、6カ月間に2回手形不渡りが発生すると、手形交換所におけ
    る手形取引が2年間停止されることになります。

    ただし、社会的には一度不渡りを出すと、銀行をはじめ取引先からも取引の停
    止を求められ、倒産に追い込まれてしまうことが多いようです。

    取引先としてもこのような事態を避けるために手形支払いに最大限の努力を続
    けるため、手形の振り出しを受けることは回収の有効な手段となるのです。

    手形を受け取るときに注意することは、売掛金の「支払いに代えて」手形の振り
    出しを受けないということです。

    このようにすると、本来の売掛金債権に代えて手形による代物弁済を受けるこ
    とになるため、手形債権だけが残ることになります。

    万一、手形が不渡りになった場合、売掛金債権も売掛金債権についていた被担
    保債権も消滅してしまうため注意が必要です。

    とくに「支払いに代えて」手形の振り出しを受ける約束をしていなければ売掛金
    債権と手形債権が併存することになり、手形が不渡りになっても別の手段で債
    権の保全を図ることができます。

    不幸にして手形が不渡りになった場合でも、手形訴訟の活用ができます。

    手形訴訟は通常訴訟に比べ裁判手続きが簡単で、短期間で決着をつけること
    ができます。

    つまり、手形の原因債権(売掛金)については議論の対象とならないため、手形
    の形式さえ整っていれば勝訴判決が出され、これには無条件で仮執行宣言が
    つけられますなお、判決後、振出人が異議申し立てをすると通常訴訟に移行
    し、手続きも通常訴訟と同じになります)。

    そのほか、売掛金を手形化しておくことで、下記のような効用が考えられます。

     ・債務の承認の効果が生じる

     ・消滅時効が中断される

     ・消滅時効が2年から3年に延びる(手形法77条、70条)
 
   7.売掛金の借金化

    売掛金を金銭貸借に切り換えることで、手形化と同様に、早期回収を図ることが
    できます。

    これを契機に社長や取締役等の保証人を付けることや、新たに担保を提供させ
    ることも要求できるでしょう。

    売掛金を金銭貸借に切り換えることで、以下のような効果が生じます。

     ・消滅時効が中断される

     ・大部分の売掛金の消滅時効が2年から5年に延びる(商法522条)

     ・利息が付けられる

     ・遅延損害金が請求できる

     ・取引先に心理的強制力が加わる

    売掛金を金銭貸借に切り換えるには「準消費貸借契約書」が必要ですが、これ
    にはどのような債権債務があったかをできるだけ具体的に記載しておくことが大
    切です。

   8.売掛金の相殺

    売掛金が回収できない場合、相殺することで回収することもできます。

    取引先に対して相当額の債務がなければ、取引先から相当する額の商品を購
    入し、自ら債務を負ってそれを相殺すれば、実質的に売掛金を回収したことにな
    ります。

    相殺には、

     ・民法(第505条)で規定された「法定相殺」

     ・当事者間の合意(特約)で簡単にできる「約定相殺」

    があります。

    「法定相殺」には以下のような一定の条件(相殺適状)が要求されます。

     ・同種の対立する債権が存在する
      (通常は金銭債権の場合なのでこの点はあまり問題となりません)

     ・双方の債務が弁済期にある

     ・当事者間に相殺禁止の特約がない

     ・債務の性質が相殺を許さないものではない

    「約定相殺」の場合は、上記のような条件を満たす必要はなく、当事者間での合
    意さえあれば簡単にできます。

    法定相殺でも約定相殺でも、債権債務が対立したら自動的に相殺になるもので
    はなく、取引先に対して相殺をする旨の意思表示をすることが必要です。

    なお、「相殺通知書」は内容証明郵便で出すとよいでしょう。

   9.売掛金の公正証書化

    売掛金が不良債権になった場合、売買契約書を公正証書に切り換えておくこと
    で、契約書の証明力を高めることができます。

    売掛金を公正証書にしておくことにより、以下のような効果があります。

     ・私文書に比べ、法的安定度が高くなる

     ・取引先からの文書偽造の主張を阻止できる

     ・取引先に心理的強制力が加わる

    公正証書に「債務者は、金銭債務不履行のときは、ただちに強制執行を受けて
    も異議がない旨を認諾した」という「執行認諾文言」を入れておくことによって、訴
    訟による判決を受けたのと同じ効果が発生するため、債務不履行の場合に債
    権者は、債務者の所有する資産に対して訴訟などの法的手続きを取らなくても
    差押えの申し立てを行うことができます。

    <公正証手の作成手続き>

     公正証書は、当事者(債権者と債務者)本人が最寄りの公証人役場に出向い
     て作成します。

     本人が行けない場合には、委任状を託した代理人が出向くことも可能です。

     【手続き】

      (1)当事者間で契約書を3通作成、調印する
        (1通は文案として公証人に提出し、2通は各当事者が保管する。
         契約書は必ずしも必要なものではなく、内容をメモしたものでもよい)

      (2)当事者(代理人の場合はr委任状」が必要)全員が公証人役場に出頭し
        公証人に公正証書の作成を依頼する

      (3)出頭者は、公証人が読み上げる公正証書の内容を確認のうえ、証書に
        署名捺印する

      (4)公正証書の原本は公証人役場に保管され、債権者には正本が渡され、
        債務者には謄本が渡される

     【必要書類】

       ・代表者の資格証明書(商業登記簿抄本など)

       ・法人の印鑑証明書

       ・法人の実印

      代理人が出頭する場合には下記のものが必要になります。

       ・法人の実印の代わりに、代理人の印鑑証明書および代理人の実印

       ・代理人に対する委任状(法人の実印によることが必要)

   10.担保の設定

     取引先が債務超過で経営が破綻した場合でも、担保が設定されていれば回
     収できる可能性が高くなり、設定されている担保能力によって回収できるかど
     うかが決まります。

     担保には「人的担保」と「物的担保」があります。

     人的担保はその人の財産によることからつねに変動すろ可能性があるため、
     一般的には「物的担保」のほうが有利になります。

     ただし、物的担保でもその金銭的価値が低下するケースがあるので注意が必
     要です。

     <人的担保>           <物的担保>
      ・連帯保証             ・抵当権

      ・手形保証             ・仮登記担保

      ・隠れたる保証                     ・譲渡担保

      ・重畳的債務引受 など       ・質権 など

     取引先が中小企業の場合には担保が取りにくいといわれていますが、抵当権
     や譲渡担保が無理でも、手形保証・債務引受などの方法なら引き受けてもら
     いやすいでしょう。

     なお、保証には「単純保証」と「連帯保証」がありますが、商取引で「保証人」と
     いった場合には連帯保証人ということになります(商法511条)。

     「単純保証」は保証額を保証人の人数で割ったものが各保証人の責任額とな
     りますが、「連帯保証」は保証額全額が各保証人の責任額となります。

     また、連帯保証の場合には、債務者からの支払いがなければ、直接連帯債務
     者に請求することや、連帯保証人の財産に対して強制執行をすることもできま
     す(単純保証の場合は、先に債務者にしてほしいという抗弁ができます)。

     人的担保としてもっとも一般的に用いられるのが「連帯保証」ですが、連帯保
     証は保証人の信用・財産が担保ですので、「保証人が不誠実」「資産がない」
     といった場合には、保証書は紙切れ同然となってしまいます。

     そのため、連帯保証をとる場合には、まず連帯保証人の資産内容を十分に調
     査することが必要ですし、連帯保証人に対して必ず確認しておきます。

     さらに有利なものに「根保証」というものがあります。

     これは保証する額を決定せず、継続的に行われる取引によって将来発生する
     一切の債務を保証するものです。

     しかし、根保証人を立てる場合には、根保証の期間か限度額、またはその双
     方を明示しておいたほうが安全です。

     何も限度がないと、場合によっては裁判所によって根保証契約そのものが無
     効と判断される場合があるからです。

  □取引先が倒産寸前のとき

   実際に取引先が倒産してしまうと、種々の債権確保の手段も役に立たなくなって
   しまう恐れがあります。

   法律では、債権者といえども自分の実力に訴えて強制的に債務の履行をさせる
   ことはできない(自力救済の禁止)としていますが、裁判などの法的な手段を待っ
   ていたのでは回収までに何年かかるかわかりませんし、結局ほとんど債権回収
   ができないことすらあります。

   では、自社の納入した商品を持ち帰ってくることは認められているのでしょうか。

   自社が納入した商品であっても所有権は債務者に移っているため、これを無断で
   持ち帰ることは刑法上の窃盗罪に該当します。

   委託商品の場合には、債務者に所有権はありませんが占有権があるため、商品
   を持ち帰ることはやはり窃盗罪にあたります。

   このような問題が生じないように、債務者に商品を引き取る旨を告げて、同意書
   に「以上、同意する」と書いてもらい、署名してもらったうえで商品を持ち帰りましょ
   う。

   このような同意書があれば、自社の納入した商品を引き上げても問題はありません。

   では、他社の納入した商品を持ち帰ることは認められているのでしょうか。

   自社が納入した商品を無断で持ち帰ることが窃盗罪にあたるのですから、他社が
   納入した商品についても、同じく窃盗罪になります。

   この場合は、売掛金債権の支払いに代えて他社納入の商品で支払う、いわゆる
   代物弁済として商品を受け取るという書面に署名してもらうことで解決できます。

   しかし、このように強引な方法は、後日、ほかの債権者から詐害行為取消権(民
   法423条)を行使されて取り消される恐れがあります。

  □社内業務体制の見直し

   ここでは顧客から売掛金を回収する方法についてみてきましたが、売掛金の回収
   が滞る理由は何も顧客の問題が原因とは限りません。

   次のように、社内に原因がある場合も多く見受けられます。

   (1)営業担当者、営業部門に原因がある場合

     ・「仮の売上げ」を計上している

     ・取引先への支払請求をきちんとしていない

     ・販売を優先するあまり、回収を後回しにしている

   (2)社内売掛金回収管理手続きに原因がある場合

     ・回収業務、責任を営業担当者だけに負わせており、管理に不備がある

   まずは売掛金そのものを把握するとともに、社内の業務体制を見直し、上記のよ
   うな原因を取り除くことが必要です。

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営業マンの役割

優秀な営業担当者を育てる
 

  ■営業マネジャーの役割

   1.定期業務と戦略業務の時間的バランス

     (1)営業担当者の業務を分類

       営業の業務は、自社の商品やサービスを販売することです。そのために営 
       業担当者は顧客と良好な人間関係を構築し、プレゼンテーションを行い、ま
       た取引条件や価格などについて交渉を行う。

       このように営業担当者が行う業務は多岐にわたりますが、大きく分類すると
       以下のようになります。

       ●営業担当者の主な業務

        ○定期業務

         ・既存顧客の維持、深耕化のための業務

         ・新規顧客を獲得するための訪問活動など

        ○戦略業務

         ・販売目標を達成するための計画立案

         ・顧客ニーズの把握と商品・サービスへの反映
          ※製造部門などとの連携

        ○そのほかの業務

         ・クレーム処理

         ・冠婚葬祭の出席

         ・販促活動(旅行、ゴルフ、接待など)

         ・研修への参加

      (2)定期業務に流されがちな現状

       上記のうち、定期業務は既存顧客と見込み客への訪問活動に代表される
       もので、営業活動の基本となります。

       だたし、一口に訪問活動といっても、その内容は

        ①既存顧客の維持と深耕化

         ・定期的な新商品やサービスの提案

         ・既存サービスの問題点把握

        ②新規顧客の獲得

         ・見込み先の訪問

         ・アライアンス先、同業他社との情報交換

       などのようにさまざまです。

       こうした定期業務をより有益なものとするためには、営業担当者の2つ目の
       業務である戦略業務がポイントとなります。

       定期業務の前準備として、あるいは並行して戦略業務をしっかりと行うこと
       が重要となります。

       しかし実際は、多くの営業担当者が、戦略業務をないがしろにしたままで、
       定期業務に必要以上の時間をとられているのです。

       営業の成果は客観的な数値で表れるため、営業担当者に課せられる目標
       は「今年度上期に、既存顧客との取引額を○%増加、新規顧客を○○件獲
       得」といった具体的なものとなります。

       目標が具体的なのは好ましいのですが、問題は目標を達成するためのプ
       ロセスがあいまいなままであることです。

       ソリューション営業(課題解決型の営業スタイル)が注目されているとはい
       え、依然として営業は“売ってナンボ”の世界が実態です。

       営業担当者はそのことをよく知っていると同時に、目標達成のプレッシャー
       を常に感じています。

       こうした意識は心の焦りへとつながり、見込み客のランク付けもせずに、1
       件でも多く電話しなければならない、1回でも多く訪問しなければならないと
       考えるようになるのです。

       結果として、営業担当者は定期業務にかなり時間を割かれるようになりま
       す。

       もちろん、多くの見込み先にアプローチすることは大切ですが、これは成約
       の可能性が高かったり、訪問ルートが効率的であったりする場合にいえる
       ことで、手当たり次第というわけではないのです。

     (3)定期業務と戦略業務のバランス

       目標を達成するためには、先に紹介したすべての業務が必要ですが、冷
       静に考えればまず第一に取り組むべきことは戦略業務であることは明白で
       す。

       そこで営業マネジャーは、定期業務の効率化を図り、戦略業務に多くの時
       間をかけるように営業担当者を指導しなければなりませが、戦略業務に必
       要以上の時間をかけることは、逆に定期業務の遂行を妨げる結果となって
       しまいます。

       そのため、営業マネジャーは営業担当者に対し、営業の販売目標を与える
       と同時に、それを達成するためには定期業務と戦略業務の時間配分が重
       要であることを伝えなければなりません。

       これをおろそかにすれば、前述したように定期業務に必要以上の時間を割
       かれる事態となってしまいます。

       ただし、社内の営業体制を営業マネジャーだけの力で変革していくには無
       理があります。

       そのため、全社的に営業体制の見直しに着手することが好ましいでしょう。

       実際、SFA(セールスフォースオートメーション)を導入するなどして社内の
       営業効率化を図った企業では、営業担当者が定期業務に必要以上の時間
       をかけることがなくなり、代わって戦略業務に多くの時間を費やすことで営
       業成果が向上するなどの効果が表れています。

   2.営業担当者の行動に見られがちな問題点

     次に営業担当者の日常業務における問題点を考えてみましょう。

     営業担当者の行動には、解決の難しい複雑なものが多くあります。この問題
     は業種、業態、規模の大小を問わず、同じ問題が多くの企業の営業担当者の
     行動に発生しているといえます。

     営業担当者の抱える問題点は10、20年前も同じなのです。

     ●営業担当者の日常業務における問題点

      (1)1日当たりの平均訪問件数が少ない

      (2)与えられた得意先で1カ月に1度も訪問していない先が多い
         ※未訪問先が多い、訪問先に偏りがある

      (3)新規開拓をしていない

      (4)雑用、労務提供に翻弄される

      (5)行動計画を立てるが、計画通りに行動できない

      (6)社内作業が多い(資料作成、会議、研修など)

     ●1日当たりの平均訪問件数が少ない

      営業担当者の訪問件数が増えない主な理由として、

      (4)雑用、労務提供に翻弄される

      (6)社内作業が多い

      などを挙げることができます。

      この理由も当然なことですが、例えば顧客管理システムがしっかりしており
      (4)(6)がすべて解決し、訪問する時間が十分にあったとしても、やはり営業
      担当者の訪問件数は増えないのです。

      なぜなら、多くの場合営業担当者は先輩や同僚の仕事振りを横目でみなが
      ら、同じことをやっているからです。

      もし、その先輩や同僚が社内で1、2を争うトップ営業担当者であれば、彼ら
      は「あの人達はスーパーマンだ、自分とは違う。

      自分はあそこまでできない」といって平凡な先輩や同僚(訪問件数の少な
      い、数字のあまり上がらない)を手本にするのです。

      こうなると目標数値のプレッシャーに打ち負かされ、昼食後は喫茶店で1時
      間も休憩する営業担当者が大量に生産されていくことになります。

      そして、そのような営業担当者が次代を担うはずの新人営業担当者のお手
      本となるのです。

      しかし、これらの事実は決して彼らが悪いわけではないのです。

      特に新人の営業担当者は、訪問をしたくても、どのように訪問したらよいの
      かが分からないのです。

      つまり、企業が「企業とは」「セールスとは」「訪問はどのようなところを、いか
      なる方法で」といったことを具体的かつ実践で通用するように教育していない
      ことにも問題があるといえるのです。

      人材は時間が経てば自然に育つわけではありません。

      社内の教育体制は今問題を抱えています。

      厚生労働省「平成26年度能力開発基本調査」においても、全体の75.9%の
      事業所が「人材育成に問題がある」と回答しています。

      中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行している。

      その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

      この問題を解決しなければ、社内教育制度の内製化は不可能です。

      
     ●与えられた得意先を訪問していない

      得意先を訪問しないのは、営業担当者が、それらの得意先を訪問しても実
      績が上がらないと勝手に判断しているのか、その得意先を訪問するのが嫌
      なのかのいずれかでしょう。

      いわゆる「訪問恐怖症」と呼ばれる症状です。

      これは顧客管理または販売管理システムを構築しておらず、得意先の訪問
      を営業担当者の判断に任せたままにしておいたために起きる事態といえる
      でしょう。

      1カ月に1度(2週間に1度)は顧客を訪問する、または顧客の重要度に関し
      ては電話で必ず連絡するなどの方法を取りシステム化し、営業マネジャーが
      一元管理できる仕組みを整えておけば、この問題は少なからず解決できる
      のです。

     ●新規開拓をしていない

      新規開拓がおろそかになるのは、ある意味で当然のことといえます。

      既存顧客を十分に訪問しない営業担当者が、見ず知らずの見込み先を積極  
      的に開拓をするとは思えません。

      しかし、これは会社にとっては大きな問題です。

      常に新規開拓をしていかなければ、会社の売り上げや利益はいつまでも既
      存顧客との取り引きからしか生まれなくなります。

      長年の付き合いによる取引慣行が見直されている現在、数十年来の既存顧
      客から、突如、取引停止を言いわたされることも珍しくありません。

      利益向上だけでなく、利益を安定させるためにも新規開拓は重要なのです
      が、営業担当者は理解していないのかもしれません。

      あるいは、理解していたとしても「どうせ断られるだろう」との諦めと訪問恐怖
      症から行動に移すことができずにいるのかもしれません。

      従って、営業マネジャーは営業担当者に有力な新規見込み先の見つけ方と
      アプローチ方法を教育しなければなりません。

      営業会議の場で「新規を獲得しろ」との号令をかけるだけでは不十分というこ
      とです。

     ●雑用、労務提供に翻弄される

      特に中小企業で起こりがちな症状です。

      営業担当者の中心業務は“営業活動”であり、基本業務や戦略業務に多く
      の時間を割り振るべきです。

      しかし、一人の従業員がさまざまな業務を担当することになる中小企業の営
      業担当者は、突然、雑用を頼まれたりすることがあります。

      もちろん、これもれっきとした業務の1つといえますが、問題は営業担当者の
      行動予定表の中には雑用などに要する時間が含まれていないことです。

      営業成果の向上を目指すうえで、営業マネジャーは、ある程度は営業担当
      者の行動を把握しておかなければなりません。

      仮に、営業担当者がさして重要でない雑用や労務提供に多くの時間を取ら
      れているようであれば、営業マネジャーはその体制を見直さなければなりま
      せん。

     ●行動計画を立てるが、計画通りに行動できない

      ある営業担当者は1週間の行動計画表を作成したものの、突如、顧客からク
      レームが2件続けて入り、結局、計画通りに行動することができませんでし
      た。

      営業担当者はクレーム処理のため、行動計画を実行できなかったと報告書
      に記入しました。

      営業マネジャーは、「なぜ計画通りに行動できなかったのか? 計画が甘
      かったのではないか?」と営業担当者に質問することでしょう。

      あるいは少し視点を変え、計画通りに行動できなかったことで問題点が明ら
      かになるのだから、失敗は成功の元としようと考えるかもしれません。

      しかし、もっと重要なことは別にあります。

      例えば、ゴルフコンペが2週間後に決定した場合、その人は誰からの指示も
      受けずに、配車や待ち合わせ(ゴルフ場までの道路状況や渋滞とスタート時
      間を考慮して)、その日の朝食はどうするかなどを決定しています。

      そして、今週は1回、来週は2回練習場で調整しようと計画するのです。

      多少の雑用が入ってもその計画は実行されるのです。

      そしてコンペ当日には、前回のコンペはスタートぎりぎりにゴルフ場に到着し
      たことを反省して今回はもう少し早めに家を出ようと考えます。

      プレー終了後は悪かったショットやパッティグを反省し、次回までには必ず改
      善しようなどと決意します。

      計画→実行→チェック→問題点の発見→解決策の立案→計画

      を見事に1人でやってのけるのです。

      なぜなら、彼はゴルフを「面白い、楽しいと感じ、関心を強く持っている」から
      です。

      同様に、セールスの仕事を面白い、楽しいと感じ関心を抱かせない限り、行
      動計画をたてるが、計画通りに行動できないといった状態は続くでしょう。

      営業の仕事を面白いと営業担当者に感じさせるには、成果(成果が上がらな
      くてもプロセスが正しければそのプロセス)を誉め、喜びを共有することです。

     ●社内作業が多い(資料作成、会議、研修など)

      計画通りに行動できない営業担当者は顧客からの電話、営業マネジャーか
      らの指示がないと訪問活動を行わないものです。

      また、書類作成、会議、研修による時間の無駄遣いがあります。

      これらの作業は無駄ではないのですが、厳しい表現をすると、営業担当者の
      中には言い訳のためにこの作業に没頭するタイプがいるのも事実なのです。

      本来ならば、提案書と格闘した後には必ず商談先での格闘があるべきなの 
      ですが、提案書とばかり格闘しているのではセールスにつながりません。

      社内で行うこれらの作業はスポーツに例えると「すべてウォーミングアップに
      しか過ぎない」のです。

      いかなる運動にもウォーミングアップが不可欠であることはいうまでもありま
      せんが、ウォーミングアップはあくまでも後の試合に備えてのものです。

   3.まず、営業マネジャーを改革する

     例えば、営業マネジャーが目標達成方法を決め、それを部下である営業担当
     者に的確に伝えました。

     営業担当者もそれを納得したのですが、それを進めるに当たって営業担当者 
     の能力不足が明らかになったとします。

     その時は営業マネジャーが営業担当者の能力を向上させるよう細かく具体的
     に指導しなければなりません。

     もし、目標達成のために何軒かの新規開拓をしなければならない時、新人の
     営業担当者に「今期は5つの新規開拓をせよ」と指示するだけでは、その営業
     担当者に新規開拓をやってみたい気持ちはあっても、彼にとってはそれは未
     体験の仕事であり、その進め方がよく分からないため、結局やらないという結
     果になってしまいがちです。

     この場合、営業マネジャーが新規開拓の進め方を手取り、足取り、丁寧に教え
     ることが必要なのです。

     しかし、営業マネジャーが新規開拓の進め方をよく知らなければ、部下にそれ
     を教えることができません。

     これを敏感に察知した営業担当者が、「実は上司である営業マネジャーの実
     力はたいしたことがない」と考えるようになってしまうと、営業マネジャーが営業
     担当者に「新規開拓をせよ」と指示しても営業担当者はその指示に結果的に
     は従わなくなってしまうのです。

     これは大きな問題で、営業成果が上がらないばかりか、社内のパワーバラン
     スまでが崩れ始めます。

     このようなケースでは、営業マネジャーと営業担当者の教育を速やかに実施
     することが先決です。

     しかし社内教育は問題が山積しています。

     中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

     その原因に教育担当者やマネジャーの能力不足が挙げられます。

     この問題を解決しなければ、OJTを含め社内教育制度の内製化は不可能です。

      たとえそのために日数がかかり、売り上げが少々ダウンしても、それらの教育
     を優先して実施したほうが将来につながるはずです。

     また、実際にやってみると分かることですが、売り上げはそんなに落ちないも
     のです。

     会社を永続的なものと考えるならば、よほど業績が悪くない限り、1年間くらい
     は売り上げの伸びを意識的に横ばい程度にとどめ、むしろ内部管理体制を強
     化したほうがよいという場合もあるようです。

     営業マネジャーと営業担当者の教育は、人事・研修部門に任せ切りにせず社
     長自らが先頭に立ち、営業幹部を巻き込みながら行いましょう。その際、以下
     に挙げたポイントを押さえながら徹底的にやることが重要だと考えます。

      ・営業担当者個人だけでなく部門全体の能力向上を考える

      ・目標達成のために営業担当者はどこへ行き、そこで何をするかを
       明確にし、能力不足でそれがこなせない営業担当者を教育する

      ・仕事の効率化をはかり営業担当者に時間の余裕を与えてやる

      ・低成長時代は成果と労働時間は比例しない

      ・集合教育を重点的にやりマネジャーのOJTは後回しにする

      ・集合教育の研修プログラムを体系的に作成し継続的に行う

      ・一般論の教育は後回し

      ・自己啓発の場を会社が提供する

      ・週に2日は定時に退出させる

   これをいうと身も蓋もないのですが、営業が嫌いな者は営業担当者にはしないこと
   です。

   逆にあまり売り上げが上がらなくても営業が好きな営業担当者は、長い目で育てる
   心構えが必要でしょう。 

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営業マンの役割

ルートセールスによる新規顧客開拓
 

  ルートセールスにおける問題点の一つに、顧客が固定化しやすいということが上げ
  られます。

  新規開拓を最重要課題として上げても、ただ、「頑張れ!」と檄を飛ばすだけは成
  果はあがりません。

  新規顧客開拓にはターゲットの選定が重要です。

  相手の売上高など新規開拓のメリットを勘案し、優先順位を付ける。

  そして、訪問前にその企業の悩みは何かなどの仮説を立て、それを解消する提案
  営業を行うことが商談を成功に導きます。

  商談の進捗状況を管理し、営業マンにアドバイスすれば、教育課題発見にもつな
  がります。

  □ターゲットの選定
   中小企業で多いのが、新規開拓の流れを営業マン個人に任せているケースです。

   成果を上げるには、基本に立ち返ったセールス活動の見直しが必要です。

   まず大切なのは、ターゲットの選定です。

   どこを狙うのかをセールスマンに任せることはかなり危険です。

   何故なら、どうしても自分の訪問しやすそうなところを選びがちになるからです。

   これでは成果が上がったとしても、メリットのない顧客が増えてしまいます。

   では、どのようにターゲットの選定をするのかというと、

    ①地域を決める
    ②地域内でリストを作る(名簿・電話・目で見る他)
    ③リストを評価する
    ④ターゲット一覧を作成する

   という手順になりましょう。

   ここでは③の「リストを評価する」が、大変重要なポイントとなります。

   これには

    ○ターゲットの売上高(取引開始後に我が社の商品サービスの
     利用度が高い)
    ○ステータス
    ○紹介がもらえる

   等が考えられるでしょう。

   「自社に対する認知度」という基準を取ります。

   これは、自社のことをよく知っている可能性を指します。

   例えば強力な推薦者がいる時などは、最も高い評価となります。

   優先順位は

    ①最重要

    ②重要1

    ③重要2

    ④見送り

   となります。

   このようにリストの評価を行い、優先順位に従って、「ターゲット一覧表」を個人別
   に作成します。

   これで訪問する順番が決まりました。

  □仮説を立てて問題解決を提案
   しかし、闇雲に訪問すればよいというものではありません。

   まずは準備が必要です。

   準備とは、これから訪問するターゲットのことを「十分に知る」ことです。

   手元にある情報やデータベースなどを活用し顧客カードを作ってみると、不足して
   いることが沢山あることに気付くでしょう。

   不足部分を調べ、仮説を立てます。

   この仮説を立てることが重要で、ターゲットの企業が属する業界特有の問題は何
   か、ターゲット固有の悩みは何か、などを考えます。

   例えばメーカーなら、○○の品質の不安定さに悩んでいるのか、人材確保なのか、
   レストランなら客単価の低迷なのか、客数の減少なのか、というようなことです。

   これらの問題解決に結びつく提案をすることが、商談を成功に導きます。

   そしていよいよ訪問開始です。

   第一の目的は仮説の検証です(もちろん準備段階で、ターゲットの問題点が特定
   できているならば、即座に提案をすればよいでしょう)。

   間違っていれば修正、あるいは仮説の再構築をする必要があります。

   問題点がみつかれば、次はじっくり考えて提案・テスト・見積もり・交渉・受注・納
   品・アフターフォローという順になります。

   もちろん訪問過程でターゲットにならないことがわかる場合もあるでしょう。

   さらにターゲットの一つひとつが今どのような状況になっているのかが瞬時に把
   握できるようにしておくことが新規開拓の成功率を高めます。   

   この管理フォーマット一枚でマネージャーは部下の行動が把握でき、商談成立に
   向けてのアドバイスを的確に行うことができます。

   また、どの段階でボツになることが多いのかを知ることで、セールスマンの中期的
   な教育課題を発見することもできます。

   成熟化した今日の市場で営業実績を上げていくために効率のよい新規顧客開拓
   活動を実施してみましょう。

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営業マンの役割

ルートセールスにおける営業活動の効率化
 

  ■求められるルートセールスにおける営業力

   1.これまでの営業活動の効率化だけでは限界がある 

     従来、ルートセールス活動は、定期的に得意先をまわって定番商品の在庫を
     確認し必要に応じて発注し、その際、商品の代金を回収したり、新しい商品の
     注文をとったりする仕事が中心でした。

     つまり、ルーティンワークをいかに効率的に行うかということが営業活動の大
     きなテーマだったわけです。

     しかし、EOSの普及などにより、このような「ご用聞き営業」の比重は小さくなり
     ました。

     一方、規制緩和などにより競争が激化した結果、得意先各社は生き残りをか
     けてさまざまな売上拡大や経営改善の方策を求めるようになり、納入業者に
     対しても情報提供や経営力強化策の提案など、具体的な支援を求めるように
     なってきました。

     したがって、ルートセールス活動の効率化を考えるときには、自社の新しい営
     業のあり方を考えたうえで、従来の業務をいかに効率化するかという視点が
     必要になります。

   2.リテールサポート力が営業力を決める

     前述のように、各社は生き残りをかけてさまざまな経営努力を行っています。

     そのため、注文した商品を届けてくれるだけの納入業者では物足りなく感じる
     ようになってきています。

     各社は自分たちと一緒になって自社の経営力向上に努力してくれる経営パー
     トナーを求めています。

     個別各社では発見しにくい改善課題などを指摘し、その解決に向けて支援を
     惜しまないパートナー業者を探しているのです。

     このように、たんに売れ筋商品を確実に提供するといった狭い範囲ではなく、
     得意先の経営全般を支援する活動をリテールサポートと呼びます。

     リテールサポートを行ううえで重要なことは、「自社の取扱商品を増やすため
     にとにかく商品を押し込む」のではなく、あくまで得意先の経営改善を第一義
     に考えるということです。

     リテールサポートは短期的な売上増をめざすものではありません。

     徹底した得意先支援によって強固な信頼関係を構築し、得意先にとってなくて
     はならない存在になることがその目的なのです。

     また、今後のリテールサポートは、加速する消費者ニーズの変化に対応する
     ために、メーカー、卸、小売の3者がそれぞれの強みをいかして行う「協調型」
     であることが一層求められるでしょう。

     そして、そのなかでリーダーシップを発揮できる企業こそが同業他社に打ち
     勝っていけるでしょう。

  □従来の業務のあり方を見直す

   ルートセールス活動を効率化していくためには、営業パーソンがリテールサポート
   に注力できる環境を整えていかなければなりません。

   自社の業務のあり方に次のような問題点がないか確認してみましょう。

  1.無駄な時間や雑務が多くないか

     商品の配送も営業パーソンが行っている例が多数みられます。

     また、得意先のEOS導入が進んでいても、実際の発注作業は営業パーソンが
     行っているというケースもあります。

     これらの社外業務に加えて、伝票作成からミーティングなどまで、こなさなけれ
     ばならない社内業務も多く、その結果、肝心の新規取引先の開拓やリテール
     サポート活動に十分な時間が費やせないという状況に陥ってしまいがちです。

     従来営業パーソンが行っていたこれらのルーティンワークは、マニュアル化す
     ることでその多くをパートやアルバイトに任せることが可能になるはずです。

     担当の社員はその確認のみを行うことによって、ルーティンワーク以外に時間
     を振り分けることができます。

     言い方を変えると、営業マンからこれらのルーティンワークを「取り上げる」こと
     によって、営業パーソンはリテールサポートという新しい仕事、頭を使う仕事に
     取り組まざるを得なくなります。

     「雑務で忙しいから」という言い訳ができない状況を作ってしまうことが大切な
     のです。

   2.取引先の状況に応じた労力の配分ができているか

     「営業活動の強化=訪問回数の増加」という単純な目標設定により、ただやみ
     くもに得意先を訪問する営業パーソンもいますが、これは効率的な営業活動と
     はいえません。

     得意先のなかには取引規模の大きなところと小さなところ、将来の成長が見
     込めるところとあまり見込めないところなど、状況に違いがあるはずです。

     にもかかわらず、どの取引先に対しても均等な時間を割くのは得策とはいえま
     せん。

     自社との取引状況や、先方の成長力などに応じて「最優先顧客」、「優先顧
     客」、「一般顧客」といった具合に顧客の重要度に応じてランク分けを行い、ラ
     ンクに応じた時間の使い方を工夫するようにしましょう。

   3.営業担当の分類基準が適切か

     通常、営業担当の分類基準は、取引先の業種別や地域別になっています。

     業種別で決められている場合、取引先の業種に精通できるため、顧客のニー
     ズにきめ細かく対応できるというメリットがありますが、その一方で、取引先の
     所在地が分散してしまうため、効率的な訪問活動ができないといったデメリット
     もあります。

     地域別で決められている場合は、メリット・デメリットが反対になります。

     いずれの基準で営業担当を分類してもメリット・デメリットはあるため、双方を
     考え、より効率的に営業活動が行える分類基準を選ぶ必要があります。

     たとえば、大手競合企業の地方進出に対して地方の会社が対抗するために
     は、地域に特化したきめ細かな対応が求められています。

     こうした環境もふまえて、より自社の強みを発挿できるように、現在の営業担
     当の分類基準を見直す必要があります。

   4.勤務体制が硬直化していないか

     いったん出社してから取引先へ向かうのでは、通勤や取引先への移動に無駄
     な時間がかかります。

     直行直帰の勤務体制を導入することにより、移動に費やす時間を減少させ、 
     その分、営業活動に時間を振り分けられるようになります。

     かつては直行直帰では情報交換がしにくい、業務を管理できない、といった問
     題もありましたが、最近は携帯端末などの情報機器の導入でこういった問題も
     解決されています。

     また、日報などで報告を義務づけることにより、毎日出社しなくても営業マンの
     営業活動を把握することはできます。

  □リテールサポート力強化のための環境整備

   従来の業務のあり方を見直したうえで、営業パーソンが有効なリテールサポート
   を行えるように新たな施策を打つ必要があります。

   1.リテールサポートメニューを整備する

     リテールサポートにはさまざまなメニューが考えられます。

     店舗業務を手伝うという日常的なものから、商品ごとの売上情報を提供する、
     販促企画を支援する、経営相談に応じるなどさまざまです。

     また顧客の状況によっても提供すべきリテールサポートメニューは違ってきま
     す。

     たとえば前述の顧客ランクによって、リテールサポートをどこまで手厚く行うべ
     きかが違ってくるでしょう。

     顧客の状況に応じてどこまでのリテールサポートを行うかあらかじめ検討し、
     営業パーソン全員が共通認識をもっておくことが大切です。

   2.営業パーソンに新しい知識を吸収させる

     「ご用聞き営業」から脱皮し、本当に顧客に喜ばれるリテールサポートを行って
     いくためには、営業パーソンはさまざまな知識を身につけなければならない。

     リテールサポートとは顧客の経営全般の支援活動ですので、身につけるべき
     知識は商品知識、業界知識のみならず、消費者ニーズを収集し分析するため
     の知識、企業経営に関する知識など多岐にわたります。

     自社で教育プログラムを作る方法もありますが、専門機関が提供している教
     育訓練を利用すれば比較的容易に教育プログラムが作れます。

   3.リテールサポートに使える情報やツールを整備する

     営業パーソン各人が取引先の役に立ちたいと考えていても、売れ筋情報や効
     果的な棚割りなど有効な情報が社内に整備されていなければ、効果的なリ
     テールサポートは行えません。

     このため、携帯端末を導入する企業も増えているようです。

     企業によっては、携帯情報端末を全営業パーソンに配布し、取引先へのタイ
     ムリーな情報提供だけでなく、日報管理に利用しているところもあります。

     このように、情報機器など営業支援ツールを効果的に使うことで、情報提供力
     を高めたり、営業活動を効率化したりすることができるのです。

     機器類と同様に、情報などのソフト面の充実も不可欠です。

     棚割りソフトや売れ筋・死に筋商品情報など、リテールサポートに必要なソフト
     ウエアや各種情報を取り揃えることでリテールサポート力強化につなげること
     ができます。

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営業マンの役割

ルートセールスにおける営業パーソンの育成


  ■流通新時代の営業パーソンの要件

   1.新時代の営業パーソンの役割
     従来、ルートセールスの営業パーソンの仕事は、定期的に得意先をまわって定 
     番商品の在庫を確認し必要に応じて発注を行ったり、商品の代金を回収した
     りといった業務が中心でした。

     しかし、顧客企業や店舗では、EOS(※)ネット発注の導入が進み、商品代金
     の銀行振込が一般化するなど、これらの業務を営業パーソンが行う必要がな
     くなってきました。

     このような新しい環境のなかで、
      ルートセールス営業パーソンに求められる役割は、単なる受注・代金回収業
      務から取引先への経営支援(リテールサポート)へと、大きく変化している。

      ※EOS(Electronic Ordering System)……POS(バーコードを使用した販売
        情報管理)機能の活用により、受発注をシステム化して商品の補充を効率化する
        システム。
            

   2.リテールサポートに必要な営業マンの条件

     リテールサポートとは、商品や競合状況などの情報提供に加え、販売促進活
     動の提案、売場の改善や資金繰り方法の改善提案など、顧客の経営をさまざ
     まな角度から支援する活動を指します。

     リテールサポートを行ううえで重要なことは、「自社の取扱商品を増やすため
     にとにかく商品を押し込む」のではなく、あくまで顧客の経営改善を第一義に
     考えるということです。

     リテールサポートは短期的な売上増をめざすものではありません。

     徹底した支援によって強固な信頼関係を構築し、顧客にとって自社がなくては
     ならない存在になることがその目的なのです。

     また、今後のリテールサポートは加速する消費者ニーズの変化に対応するた
     めに、販売活動に関係する企業がそれぞれの強みをいかして行う「協調型」で
     あることが一層求められるでしょう。

     そして、そのなかでリーダーシップを発揮できる企業こそが、同業他社に打ち
     勝っていけるものと思われます。

     このように、ルートセールスにおけるリテールサポート力を強化するには、

      商品知識、業界知識など専門分野に関する知識に加え、
      財務分析やマーケテイングなど経営診断に関する知識や問題解決
      思考技術、企画力をもった人材の育成が不可欠

     になります。

     <リテールサポートに必要な知識・技術>

      ○業界専門知識

       業界動向、商品、物流、販売技術に関する知識、EC・ネット通販などの
       ITの知識、業界関連 法知識など

      ○経営知識

       財務分析、マーケティング、店舗開発、組織運営、人材育成に関する
       知識など

      ○その他必要な能力

       問題解決思考技術、企画・提案力、折衝力など

  □ルートセールス営業パーソンの育成方法

   1.人材育成方法の種類と特徴

     一般に、人材育成の方法には、

      (1)OJT

      (2)Of f−JT

      (3)自己啓発

     の3つ(能力開発の3本柱)があります。

     「ルートセールス営業パーソンの育成」というテーマに取り組む際には、上記3
     つの方法を組み合わせた育成プランが必要になります。

     なぜなら、従来のルートセールスしか経験のない上司、先輩社員がOJTでリ
     テールサポートに必要な技能全般を教えることは困難だからです。

   2.計画に基づいたリテールサポート教育

     前述した通り、リテールサポートを行うためにはさまざまな知識や技術が必要
     であり、それらを身につけさせるには、長期的な育成プログラムが必要です。

     育成プログラムは、次のような点に留意して作成します。

    <育成プログラム作成の留意点>

      (1)十分な動機づけを行う

        いかに優れた育成プログラムを作ったとしても、営業パーソン自身がやる
        気をもって取り組まなければ成長にはおぼつきません。

        「業界はどのような状況になっているのか」、「会社としてどのような人材
        が必要か」を十分に説明したうえで、「自分はいつまでにどのような能力
        を身につける必要があるのか」を営業パーソン自身に考えさせることが必
        要です。

      (2)必要な知識や技術の基準を決める

        業務経験年数や職位と照らし合わせて、どの時点でどのようなことができ
        なければならないかという業務の基準を定め、これを達成するために必
        要な知識や技術とその習得レベルの測定基準を定めます。

      (3)習得させる知識や技術の教育計画をたてる

        必要な知識や技術とそれを習得させる時期が決まったら、それに合わせ

        て計画をたてます。

        そして、習得させる知識や技術ごとに、それらの教育方法を決めます。

      (4)業務での実践状況と教育計画を見直す

        知識や技術を身につけることが目的ではなく、実際にリテールサポートを
        行えることが教育訓練の目的です。

        したがって、業務の現場でリテールサポートがどの程度行えるのか、遂行
        状況から教育訓練の成果の評価をしなければなりません。

        効果が出ていないようであれば、その他の要件もふまえながら、教育訓
        練を見直します。

  □営業パーソンが育つ環境条件

   いくら教育訓練を熱心に行ったとしても、営業パーソンが育つ環境がなければ教
   育の効果は期待できません。

   次の環境が整備されていることが、営業パーソンの育つ条件になります。

   <営業パーソンの育つ条件>

    (1)評価制度の確立

      短期間で能力を高めたり、的確なリテールサポートで取引先の業績を向上さ
      せても、それらが昇級や給与面で反映されなければ、社員の意欲は減退し
      ます。

      能力や実績を客観的に評価し、それらを処遇に反映させる評価制度の導入
      が不可欠です。

      具体的には等級ごとに必要な能力の要件を定めた「職能資格制度」や、業
      績の一定割合を給与に連動させる「業績給」の導入などが考えられます。

    (2)能力を発揮しやすい労働環境

      取引先を支援しようという意欲があっても、従来のご用聞き的な業務に忙殺
      され、ほかに手が回らないという状況であればリテールサポートを行うことは
      できません。

      会社としてリテールサポート力を強化するというのであれば、単純業務を
      パートタイマーに割り振る、効率化のための設備導入を行うなど、営業パー
      ソンがリテールサポートに集中して取り組める環境整備を行うことが必要。

    (3)リテールサポートメニューの準備

      教育訓練をしただけで実際のリテールサポートメニューがなければ、リテー
      ルサポートは営業パーソン個人の裁量で行われ、質や内容にもばらつきが
      出てきます。

      また、効果的な棚割やEOSなど、全社的な対応が必要なシステムの導入に
      関しては、個人で対応できる範囲が限られています。

      したがって、会社としてどのようなリテールサポートを行うかを検討し、リテー
      ルサポートメニューをあらかじめ決めておく必要があります。

      また、このメニューは単に「○○を○○する」といった行動レベルのメニューだけ
      ではなく、その結果「顧客にこのようなメリットを与える」という本来の目的が
      明確になっていなければなりません。

      さらに、実際のリテールサポートを行うなかで、当初予定した以外のメニュー
      が必要になることもありますので、順次メニューを追加していきましょう。


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営業マンの役割

営業マンによる見込み客評価


  ■見込み客の選別と評価

   見込み客はいわば将来の得意先候補ですから、自社にとってはまさに財産といえ
   ます。

   しかし、その財産をただ持っているだけでは意味がありません。

   多くの見込み客の中から、「これは」という企業を選び出し、訪問・商談を重ねて得意先
   へと育て上げる。

   こうした活動ができるかどうかが、企業の将来を左右するのです。

   では、得意先候補としてふさわしい見込み客の条件とは何でしょうか。

   一言で言えば、「長く付き合えること」です。

   「販売力がある」「資金力がある」「成長性がある」などといった「経営内容の良さ」が
   あることはもちろん、「経営者の考え方」や「販売方針」「仕入れ方針」といった
   「経営方針」の面でもこちらの戦略に合わなければ、長く付き合っていくことは難しい
   でしょう。

   実際に見込み客を訪問、選別していくのは営業マンの仕事です。

   つまり、どんな取引先と付き合うかという明確な基準や方針がなければ、営業マンの
   力量によって選別基準が変わってきます。

   場合によっては、有力な取引先候補を活動対象から外してしまうかもしれません。

   効率的に新規開拓を行うためにも、見込み評価フォーマットを使って、営業マンの見
   込み客選別作業を標準化していく必要があります。

  □取引基準を定める

   まず、自社の戦略として、どのような会社と取引をしたいのかを大まかに示しておく。

   「資本金は〇〇以上で、1回の取引量は××以上、経営者が・・・」などと、数字ばかり
   の細かい基準を示して、それを厳守させようとすと、かえって営業マンは気力をなくし
   てしまいます。

   ここでは、例えば「経営者の理念に共感できること」とか「しっかりとした成長戦略を
   持っていること」など、営業マンが自分で考え、判断できるような基準を設定すること
   です。

   見込み客評価を通じた新規開拓は、営業マンの実力をつける格好の場になります。

   営業マンのやる気をうまく引き出して、取引先開拓と営業マン育成の一石二鳥を狙っ
   てださい。

  □情報の聞き取り(優秀な営業マンは聞き上手

   1回の訪問で即、受注が成功することはまずありません。

   まずは、何度か訪問を重ね、相手の情報を聞き取っていきます。

   このとき注意することは、取引先を質問責めにしないことです。

   1度の訪問ですべての情報を聞き出す必要はありません。

   「優秀な営業マンは聞き上手」といわれるように、会話のなかに自然な感じで質問を
   織り交ぜながら、少しずつ聞き取っていくことがポイントです。

   見込み客評価において「会社(取引先)の経営方針」や「(取引先企業)発注上の
   方針」は、顧客との長いつきあいを望むなら、非常に重要な情報です。 

   しかし、売上高や資本金などの数字で表される情報と違い、相手の本音を引き出す
   のはなかなか難しいものです。

   この項目については、取引先企業の状況をある程度把握した後、小額の取引を何度
   か重ねて本音を引き出してから記入してもいいでしょう。

   同時に、将来の取引を拡大するべきかどうかを判断する基準にします。

  「競合他社」の動向も重要なポイントです。

   優良な見込み客は、すでにライバル会社が食い込んでいることが多いはずです。

   こうした見込み客は、ライバル会社にとっても優良な顧客ですから、攻略するのはむず
   かしいものです。

   ライバル会社がどういう戦略をとっているのか、しっかり情報収集し、こちらの戦略
   立案に役立てる必要があります。

  □評価分析を行う

   ある程度の情報を収集したら、将来の得意先候補としての条件がどの程度そろって
   いるのか、評価選別を行わなければなりません。

   フォーマットでは「資金繰り」から「同業者評価」までの13項目を、A〜Eまでの5段階
   で評価する仕組みになっています。

   自社の選定基準に合わせて、この項目は適宜変更してください。

   担当営業マンは、自分で収集した情報を基に、得意先候補としてふさわしいかどうか、
   どういう付き合い方をしていくべきかをまとめて、上司に報告します。

  □営業方針の決定

   担当営業マンによる情報収集と評価分析が終わり、上司と面談して今後の営業方針
   を決めてください。

   この時上司は、単に営業方針を決定するだけではマネジャーとしての役割を果たした
   とはいえません。

   見込み客評価は、営業マンの実力をつけるいい機会です。

   「情報収集をしっかりしているか」「評価選定の基準は適正か」など、部下の「お客を
   見る目」をしっかりと評価、育成することが肝要です。

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営業マンの役割

営業マンの役割

 

  ■営業マンがもっとも苦手なこととは?

   多くの営業マンが扱い商品を売ることばかりに専念した熱意と根性のセールスに邁進
   している。

   営業マンの方ならお分かりかと思うが、通常の営業活動をしながら、1日十数件の
   飛び込み営業はかなりキツイものがある。

   1回1時間の商談にたどり着くまでに2時間半の努力が隠されている。

   2時間半という時間は8時間の労働時間のほぼ1/3にあたる。

   体力的にも時間的にもハードな仕事量であり、何より飛び込み営業で断られ続ける
   わけだから、精神的にもへこんでしまう。

   営業マンにとって一番の悩みの種はココである。

   「見込み客を探すことが最も難しく、時間がかかる」

   もし、この部分が解決できたら、仕事の能率が飛躍的に上がるのではないだろうか?


  ■営業マンの役割

   集客から顧客の維持・管理までを営業マン個々に任せることは至難の業といえる。

   本来、集客は会社が行い、集客した見込み客に対してセールスを行うのが営業マンの
   役割である。

   しかし、営業活動のすべてをマンパワー(営業マン個人)に任せている企業が大多数
   を占めている。

   結果しか求めない営業管理をしていると、社員のモチベーションは下がり、組織は
   戦略、事業の仕組みづくりを重視せず、社員に犠牲を強いるばかりの場当たりな営業
   となってしまう。

   そして、精神論がまかり通り、人材は育たず、労多くして益の少ない無意味な飛び
   込みと人海戦術を奨励する営業スタイルが横行してまう。

   つくれば売れた時代では顔見せ、足で稼ぐといった活動をすれば、正しい営業行為が
   なくてもモノが売れた。

   お客様の商品知識は少なく、選択肢も限られていたため、営業マンは「売り込み」、
   「熱意」という一方通行的な仕事になっても、なんとかなったのである。

   どうせ注文するなら、よく通ってくれた営業マンに注文してくれ、営業マンも用がなく
   ても顧客を訪問することが営業の基本となり、習慣化してきた。

   しかし、環境は激変し、モノは溢れ、選択肢も多様化している。

   いくら顧客に会っても、一方通行のセールスを
   続けていたのでは、お客様が必要だと思って
   いるモノでも売れなくなってしまう。

   なぜなら、購入の選択肢は多数あるからである。

   つくれば売れた時代の営業の多くは本当の営業
   力ではなかった。

   顧客はセールススキルの優れた営業マンを求め
   ているわけではない。

   その営業マンが提供してくれるサービスを求め
   ているのである。
   
  □あなたの商品はまだ未完成
   あなたの手元にある商品・サービスはまだ売る段階ではありません。

   これを完成品にするためには、 

    ・商品、サービスが誕生するまでのストーリーが必要

    ・機能や特徴の自慢より「お客様にとって」の価値、相手が求めているものを先
     に知る

    ・扱う商品・サービスの本当の価値は人間関係である

   
   営業の役割は何かといえば、開発された商品を、お客様の願望を埋められる商品・
   サービスに仕立てあげることです。

   つまり、営業は、その商品が持つ本当の価値、お客様が求める価値を実現させるため
   の活動です。

   お客様との接点である営業担当者は、価値を実現させることであり、またそれができ
   るのは営業担当者しかいないのです。

   お客様との接点を持つことのできる営業担当者は、価値の具現者であり、ここが通販
   との大きな違いです。

   アプローチからクロージングまでのプロセスでもいろいろな工夫が必要です。


   大切なのは「これを話したら、お客様はどう反応するか」「それに対してどう対処すれ
   ば、お客様の求める価値を実現できるか」、そのさまざまなパターンを想定し、対応法
   や応酬話法をモデル(標準化)化することです。

   しかも、このモデルは、お客様が持つ個々の課題に対し、それに見合った答が出せる
   ようでなければなりません。

   それがお客様を知る作業につながります。

   そのためにも、ロープレといったトレーニングが欠かせません。

   お客様との接点づくりにおいても工夫が必要となります。

   商品の違いを生み出すのは営業の力です。

   そして商品に価値を与えるのも営業の力です。

   今では、お客様の「買い方」が変化しています。

   そうであれば「売り方」も当然変えていかなければなりません。

   商品の良さ、品揃えは大事だが、それだけでは商売にはならないということです。

   大切なのは、お客様の感性のステップアップに合わせて、店舗や売り方、情報発信の
   仕方を考え、変えていかなければ売れないということです。

   これは今日、お客様との接点づくりにおいて、どの業界にも共通する課題です。
   
  □分かりやすく、選びやすく、迷わせない工夫をする

   お客様との接点における商品のアピールや情報発信で大切なのはそこです。

   その組み立てを何通りも考え、試してみることが大切なのです。

   その商品・サービスがお客様の生活・事業の中の何と結びついてくるのかの実感が
   湧かなくてはなりません。

   お客様の趣味や仕事、年齢、家族構成などに合わせて多くの具体的な事例、シナリオ
   を用意できているかどうか。

   これは経験だけの問題ではなく、ターゲットであるお客様のことをどこまで考えること
   ができるかという重要な問題なのです。

   あなたの売りものは扱う商品・サービスそのものではなく、お客様の満足を獲得する
   ための手段であることを忘れないでください。

   販売にはさまざまな手法や考え方がありますが、最も原理的で、最も重要なことは、
   「自分(会社)を売ること」であり、このことが信頼関係の構築につながるのです。

   そうでなければ、いつもの売り込み営業に走ってしまいます。
    
  しゃべらない営業

   今までの営業では、明るく元気で押しの強いことが優秀な営業マンの代名詞となっ
   ていた。

   しかし、営業をとりまく環境の変化。

   「お客様の買い方」、「お客様のニーズや真理」、「インターネットの普及」などといっ
   た変化。

   このような変化に対して今もって変わらないのが営業スタイルである。

   今の消費者は営業マン以上に商品知識が豊富と言っていいだろう。

   明るく元気で押しの強さを装った営業は通用しない。

   いつの時代にあっても、優秀な営業マンに共通することは、人の話を『よく聴く』という
   ことである。

   人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っていますが、話を一生懸命聞いてくれ
   る人は非常に少ない。

   人は自慢話が好きだが、それをあなたがやってはいけない。

   相手に自慢話をさせることが、あなたの高感度をあげる秘訣なのだから。
   
  ■「聞く」から「聴く

   『聞き方のポイント』は4つあります。

   まずは、『80対20の法則』の活用です。

   有名なパレートの法則ですが、ごくシンプルです。

   すなわち、『自分が話すのは2割、話を聞くのは8割』

   これを意識してください。

   しかし、意識してもそれでも半々くらいではないでしょうか。

   ですが、極力80対20の法則に従って、8割は聞くことに徹することが大切です。

   そして、2つ目は、『人の話を奪い取らない』こと。

   「あぁ、それ、こういうことだろ?」「そういえば、俺こんなことがあってさ」・・・。

   相手は自分が話したくて話を投げかけてきたのに、それを奪ってしまう。

   そうすると、そこでもう信頼関係がなくなってしまいます。

   決して人の話を奪い取らないようにすることです。

   そして3つ目は、『即座に否定しない』こと。

   これもよくやってしまいます。

   「いや、違う違う!」「そうじゃなくて、こうだよね?」・・・

   即座に否定せず、逆に肯定しましょう。

   合わせて、『反論に反論しない』ことも大切です。

   「いや、それはそうじゃないと思います」と言われた時に、さらに「そうじゃないよ」と
   言い返さないことです。

   「私も最初そう思っていました」

   「なるほど、多くの人はそんな風に感じると聞いています」など、やはり、最初は必ず
   肯定してあげることが大切です。

   4つ目は、『質問する』ことです。

   「それについてもう少し聞かせてください!」

   「あ、これはこういうことなんですね!」・・・、

   良い質問は、会話を促進してくれます。

   また、お客様の心を開き、答えを引き出しやすくなります。

   この4つのポイントを心掛けて、話を聞(聴)いてみてください。

   きっとその効果に驚かれると思います。

  □聞く際に効果的な4つの動作

   1.『よく頷き、相槌をうつ』

   2.『視線を合わせる』

   3.『メモを取る』

   4.『配慮や気配りをする』

   「あなたの話を真剣に聞いていますよ」「あなたの話は価値がありますよ」ということ
   が、メモを
取ることによって伝わります。


   私は自分がお客様の側であったら、まずそこを見ます。

   どんなにこちらの話を一生懸命聞いていても、メモを取ってなかったら「あぁ、その程度
    なのかな」と思います。

    経営者や、優秀な営業マンは本当にこういう細かいところを見ています。

    「話をするのはスキル。話を聞くのは器」と言われます。

    人は自分の興味のない話、関係のない話を聞くことに苦痛を感じます。

    技術を学んでも、本当にその人のことを思う気持ちや器量がないと、話は聞けません。

    器を拡張するとは、どれだけ相手中心の考え方が持てるかということです。

    「どうしたら相手が喜んでくれるのかな」「どうしたら相手のお役に立てるのかな」と
    思い、相手に接することができるか。

    決して「自分がうまく話そう」「よく思われたい」などと思わないことです。

    自分の考え方はそのまま相手に伝わってしまいます。

   人の第一印象は初めて会った時の3〜5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚
   情報」から得ていると言う概念(メラビアンの法則:アメリカUCLA大学の心理学
   者:アルバート・メラビアンが1971年に提唱)     

   人に好かれることは、あなたにとって非常に重要なことである。

   人はシンプルです。

   同じ商品であっても、好きな人の売る商品は好きで、嫌いな人の売る商品は嫌いなの
   です。

   お客様に好かれるかどうかがあなたにとっての生命線といって良いだろう。

   では好感度の高い人はどんな人なのだろうか。

   優秀な営業マンに共通していることは、人の話をよく『聴く』ということだ。

   人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っている。

   カーネギーも「人の話を聞くことにより、人生の80%は成功だ」という。

   しかし営業現場を見てみると、人の話を遮ったり否定したりする人が少なくない。

   あなたはどうだろうか?

   相手の話を遮って、「自分の意見・言いたいこと」を言おうとしていないだろうか。

   これとは逆に話を一生懸命聞いてくれる人は非常に少ないのだ。

   好感度を高めるとは、いかに相手を気分良くさせるかなのである。

   そのためには、相手の得意分野を導いたり、自慢話をよく聞いてあげる。

   そうすると相手は気分が良くなる。

   その結果相手は自分の話を聞いてくれている人を好きになるのだ。

   ですが、自慢話に付き合うのは大変です。

   最初は訓練かもしれません。

   でも、それが本当に自然に出来るようになったとき、習慣になったときに、明らかに
   あなたの成果が変わるでしょう。

   結果を出しているセールスパーソンは、間違いなくこの点に長けています。

   自分が話すのは2割、話を聞くのは8割を意識して欲しい。

   そして、『人の話を奪い取らない』こと。

   『即座に否定しない』こと、「いや、違う!」「そうじゃなくて、こうだよね?」・・・
   など、相手と違った自分の意見で否定せず、逆に肯定しよう。

    次に『質問する』こと。

   質問は、お客様に話の内容を理解していただき、話の中に引き込むために行う。

   「それについてもう少し聞かせてください!」「あ、これはこういうことなんです 
   ね!」・・・、「この件について、御社ではどのように感じられますか?」

   良い質問は会話を促進し、お客様の心を開き、答えを引き出しやすくなる。
   
  □「聞く」の技術 

   コミュニケーションとは、自分の意思を相手に良く伝えるために、とにかく自分の情報
   をできるだけ話すことだと思っている人がいます。

   事前に何をどのように話すかを考えて準備したとおりに、十分にしゃべり足りたと思う
   と、これでクロージングも上手くいくと、錯覚します。

   しかし、実は聴くこともコミュニケーションなのです。

   お客様の話を聴くという行為は苦痛で、非常に難しいことかもしれません。

   もちろん、上手な話し方や、質問の仕方は、セールスパーソンの武器であり、大切な
   ことですが、それはお客様のウォンツ(願望)を明確にするための技術です。

   しかし、お客様の願望を知り、購買行動に結びつけるためには、お客様の話を良く
   聴き、お客様が何を言わんとしているかを受け止めて、その中の情報をチェックして、
   問題の所在や、その解決策をしっかり吟味したうえで提案することが、もっと大事です。

   営業マンが自身を理解してほしいと思っている以上に、実はお客様も自分を理解して
   欲しいと思っています。

   お客様の話にじっくり耳を傾け、願望の達成や問題解決のてがかりをつかみましょう。

   では、良く聴くとはどういうことでしょう。

   聴くということは、難しい技術とも言えます。

   なぜなら、話すことは、自分で何を考え、何を感じているかがわかっているので、それ
   のコントロールはできますが、聴くことを自在にコントロールすることはできないから
   です。

   相手の言葉のニュアンスを、相手はこう考えて、こう感じて使い、話しているのだろう
   な、と推測しながら聴かなければならないからです。

   聴き上手な人は、自己本位ではなく、相手の立場に立って、相手の視線でものを眺め、
   理解しながら聴きます。

   「きく」という漢字には、「聞く」「聴く」「訊く」がありますが、傾聴するということ
   が大
事です。

    (1)相手が何を考え、何を感じているか、その言っていることがどんなニーズを表現

      しているか、を理解することができる。

    (2)話し合いの中で、得たい情報を選択することができる。

    (3)傾聴しているという感じを、相手に与えることができる。

   この聴く能力によって、セールスの基本である「お客様が心から欲しいと思っているもの
   を提供する」ことができるのです。

   この『聴く』は今回のタイトルにもある「コーチング」においても重要なことです。

   セールスの場面においては、話したいこと、言いたいことはたくさんあるでしょう。

   ですが、そこはグッと我慢して、自分が話すのは2割、話を聞くのは8割を意識しまし
   ょう。

  □好感度

   人は感情の生き物である。

   どんなにすばらしいセールステクニックを持ち、商品
   知識が豊富であっても、嫌われては元も子もない。

   そのためには、
    ・競争相手以上に、お客様から好感をもたれ

    ・競争相手以上に、お客様から気に入られ

    ・競争相手以上に、お客様から忘れられないよう
     にする

    お客様は安い価格よりも、信頼できる営業マンから
    購入するものだ。

    自分の得であっても、お客の得がなければ断る。

    それが信頼を獲得するための、真実の瞬間だ。

    「顧客戦略」とは、お客に感心されて、支持されて
    契約してもらい、さらに喜ばれてリピートをもらい、お客の紹介ももらうという仕組
    みである。

    そういう体制を社(店)内に作り上げること。

    新規顧客を固定客化するまでの仕組みが「顧客維持の仕組み」となる。

     ステップ1 初めての人に好かれて「お客」になってもらう。

     ステップ2 「お客」に気に入られて「リピーター」になってもらう。

     ステップ3 「リピーター」が他の人にも紹介してくれるような「ファン」になっても
            らう。

    そのためには、

     ・お客様と直接接するところを総点検してみる

     ・お客様に不便や二度手間をかけているところを改善する
  
    お客様の立場で不便に思うことを書き出し、自社(店)ではどうか、どこをどう改善
    するか。

    ○名刺について

     ・電話・FAX番号は大きな文字で
      名刺は相手に渡し、見てもらうものであることを認識しましょう。

     ・住所だけでは場所がわからない
      地図または「地下鉄〇〇駅・〇〇出口より左側に徒歩3分」などを加える。

     ・名刺のウラも使う
      名刺はミニカタログ
      事業内容や商品名、個人の自己紹介を入れる

     ・顔写真を入れる
      商売は顔を売ること

     ・封筒もミニカタログにしよう
      封筒もお客と接する度合いが高いツール。
      封筒の電話番号なども名刺と同じく大きくする。
      2〜3行のメッセージ欄を作り、そこに手書きの一言を入れる


    ○礼状(ハガキ) 

     ・礼状を出している会社は平均すると3%です。
      残りの97%は契約してもらっても知らん顔をしている。
     
     ・せっかく「顧客」になってくれた人に、さらに高感度を増すためには、
      自分の都合や面倒臭さをぐっとおさえ、親切で報いを求めない行動が必要となる。

     ・感じたことをありのままにパッと伝える「感謝」。 
      感謝とは「感じたことを、言葉で射る」と書き、ありがたいと思ったら、口や
      言葉や文章で相手に伝える行動が必要だ。
      社内の報連相も重要ですが、まずはお客様から。


    情報紙・ニュースレター 

     ・お客様の役に立ちそうな情報を送る。

     ・普段、読んでいる新聞や雑誌で、お客の役に立ちそうな記事があれば切り抜き、
      コピーして「ご覧だとは思いますが、念のために」と一言書いてFAXまたは郵送
      する。

      相手が中小企業の社長の場合、忙しくて意外に著名な新聞や雑誌にも目を通して
      いないことがよくある。


   こういったことを考える日を月に一度は持つことをお勧めする。
   
  □顧客との接点を強化

   あなたにとって、中身の濃いお客様・顧客との面談時間の拡大こそが販売に繋がること
   だけは確かである。

   ただ、顧客との接点拡大は重要だが、直接面談
   しなくても、お客様と継続して接触する場面をつくる
   ことが重要となる。 

   直接面談しなくても、

    ・サンキューコール

    ・サンキューレター(はがきの活用)

    ・ニュースレター 

    ・FAX、メールによる定期の情報配信

   電話の有効に活用では、ほとんど直接本人と
   会っているのと全く同様の効果をもたらし、かなり
   効率的なコミュニケーションをとることが可能だ。

   そして、単に思いついた時に電話するのではなく、
   時間や内容、相手を決めて計画をたてて、これを
   双方向のコミュニケーションに活用する。

   また、ファックスの場合は一方通行になりがちだが、なるべく返信の可能性のある形を整
   えることで効果が増します。

   いずれにしてもベストのコミュニケーション方法は、「双方向」「一対一」「同時」の
   コミュニケーションとなる。

    (例)封筒に返信用ハガキを入れる

       ・往復ハガキを入れる

       ・FAXの場合、返信用FAXの準備

       ・E−mailの活用

   □営業の改善・改革チェックポイント

    ・同業他社と同じやり方をしていないか(差別化商品・サービス)

    ・対象(マーケット)を絞っているか

    ・商品・サービスを得意なもの1〜2つに絞っているか

    ・行動計画(月・週報 日報は作っているか(常に5W1Hで作成)

    ・名刺、会社案内、パンフ等は独自性があるか

    ・信頼性、親近感(見た目)を強調しているか

    ・基本動作(12項目)(挨拶、身だしなみ、電話の応対)は実践されているか

    ・お客様への感謝の気持ちを行動に表しているか(サンキューレター
     ・コール、定期の情報提供 等)

    ・あなたの本当の売りは人間関係であることを理解しているか

    ・競争相手は同業者ではなく、お客さんであると理解しているか

    ・あなたは自身が「何業」と理解しているか

    ・セールストークはあなたが言いたいことではなく、お客様が聞きたい、
     知りたいことをメインに組み立てられているか

    ・行動の前の段取り八分を心がけているか

   どの時代であっても、顧客を獲得するには人との接触を頻繁に行うことは重要であること
   だけは確かである。

   成熟化市場でシェアアップを図るには、今まで以上に「顧客に近づく」ことが必要と
   なっている。

   ただし、顧客との接触が重要だからといって、意味のない御用聞き訪問を推進して
   いるわけではない。

   顧客との接触は直接面談だけではないことを理解し、質を重視したものでなくてはならない
   のだ。

   施策として、

     (1)データベースを活用した営業で顧客に近づく

    (2)マーケティングを活用した営業で顧客に近づく

    (3)顧客主導型の発想で顧客に近づく

  □お客様の『ノー』の捉え方

   優秀な営業マンは、お客様が「お金がない」という言葉を聞いたとき、『お客様は、お金
   がないのではない。

   それだけの価値を認めていない』と捉えよう。

   しかし、そうでない営業マンはお金がないということを事実と受け止めてしまうから
   『ノー』が成立してしまうわけです。

   お客様の『ノー』の捉え方の違いが、売り上げに大きな差となって表れる。

   価値と価値の交換ですから、優秀な営業マンは、お客様が支払う価値に対して十分な、
   いや、それ以上のメリットを提供するという確信があるからこそ、慌てずニコっと笑って
   対応ができるのだ。

   見込み客を見つけ、アプローチをし、面会の約束を取り付け、プレゼンテーションを
   行い、反論の処理をしても、お客様が最終的に『ノー』と言ってしまったら、あなたの
   苦労は水の泡となってしまう。

  □クロージングに入るタイミング

   ・お客様が熱心に質問してきたとき

   ・話の途中でたびたびお客様が質問してきたとき

   ・見本を手にとって熱心に見始めたとき

   ・体を乗り出して熱心に話を聞きだしたとき

   ・お客様が黙り込んで、ため息をついたとき

   ・価格や支払い条件について触れたとき

   ・納期のことをたずねたとき

   ・購入後のアフターサービスについて触れたとき

   ・真剣に値切り始めたとき

   ・周囲の人に相談し始めたとき

  □クロージングで失敗しないポイント

   ・あわてない

   ・余分なことをいわない

   ・緊張しない

   ・神経質にならない

   ・悲壮な態度をとらない

   ・議論しない

   ・否定語を使わない

   ・主導権はあなた(営業マン)が握っている

   ・条件について弱腰にならない

   ・お客様から注意をそらさない

   クロージング段階でお客様に『イエス』と言ってもらえるために、優秀な営業マンはある
   ポイントをおさえたトークをする。

   (1)最終的なクロージングに入る前に、確認しておくこと

     ・顧客との信頼関係が、出来上がっているか?

     ・自社(店)、あなたの信用は得られているか?

     ・顧客は十分な必要性を感じているか?

    これらの項目で十分な相互理解が得られていない場合、あなたのプレゼンテーション 
    が、どれほど立派だったとしても、お客様は「ノー」という答えを出すでしょう。

   (2)あなたが売っているものは何ですか?

     まず、あなたが売っているのはあなたの扱う商品・サービスいということを理解
     しよう。

     自分が何を売っているか、明確に理解することから始める。

     たとえば、あなたの提案する商品・サービスがいかに優れているかという説明をして
     も、売ることは困難となる。

     売るためには、その商品・サービスをお客様が利用すると、どんなメリットが生
     まれ、どのような状態になるかをイメージさせる必要があるのだ。

     あなたの扱う商品・サービスは、あくまでも手段であって、お客様が最終的に得られ
     る利益をどれだけ分かりやすく伝え、売ることができるかが重要なポイントとなる。

     当たり前のように聞こえるかもしれないが、商品の特徴が優れていることと、売れ
     ることがイコールであるとは限らない。

    いちばん売れるのは、お客様が利用すると、どんなメリットが生まれるかを、お客様に
    最もアピールした商品やサービスであることを知っておくべきである。

    営業を成功させるためには市場の教育が常に必要となる。

    あなたの商品の「売り」となるお客様のニーズ・メリットはどこで、なぜよそで買う
    よりあなたから買った方がいいのかを教育することだ。

    お客様が求めるのは、自分たちのニーズに応えてくれるものであって、あなたのニー
    ズに応えるものではない。

    あなたは自社(店)の扱う商品の真の価値を即座に、列挙できるだろうか?


  □思いを伝える

   お客様は正直です。

   営業マンが日頃から「こんなに感謝しています」と口だけでは、本当に感謝している
   とは思わないものだ。

   高価なモノを贈る必要はない。

   安価なモノでも贈り方による。

   何度も送るほうが、手間をかけた分だけ伝わるものだ。

   また、バースディカード、礼状(ハガキ)といったことも含まれる。

   要は、「目に見える形」で、心の思いを表現する必要がある。   

   お客様の多くは「購入するなら、もっと感じのいい営業マンから買いたい」という気持ち
   を多くの人は持っている。

   また、営業マンの人柄や誠意に打たれて購入したとか、担当者の人間性に惚れて購入す
   ることにしたとか、お客様の購買行動は理屈ではない。

   お客様は理屈で商品を購入するのではなく、感情(見た目)で購入するのです。

   そして、購入後にお客様の役に立つこと。

   どれだけお客様の身になって扱っている商品やサービスを提供し、それを通じて役に立て
   るかということだ。

   それが結果として顧客満足につながるのです。

   本当の営業力とは何でしょう。

   1.あなたの提供する商品の特徴より大切なのは、提供する商品がお客様にとってどの
     ように役立つ(利益)のか。

   2.社会環境の変化の中で、扱う商品・サービスの差別化(どのように加工し、今の時代
     にあったモノにしていくか)。

   3.組織力(情報の共有、チーム営業、、教育・訓練、マニュアル)

   上記の3点を要約すると、

  役割分担 (分業)

   営業会社では役割分担により、すべての部門が営業に関わる体制作りが欠かせない。

   営業は営業部門の仕事と思っているのは大きな間違い。

  情報・知識は企業の財産(共有化) 

   営業をマンパワーに頼ることは、企業の財産である顧客情報や知識を担当者個人のみが
   持つことで、企業の大事な財産をドブに捨てるようなものである。

   企業に情報や知識の収集と活用であるナレッジマネジメントが定着しないのは「何の目的
   のために、どのように活かすか」を明確にしないからである。

   「組織として何をどのように改善したいのか、そのために今何の情報が必要なのか」
   を先に考える。

  教育訓練 

   営業力を強化するには教育が欠かせない。

   企業が行う教育は、あくまでも業務の遂行に 
   必要な知識習得のための「トレーニング」です。

   ロープレなどがその一例となる。

  モチベーション

   企業では営業マンのモチベーションを上げる
   ために、さまざまな教育が試みられていますが、
   成果のほどは定かではない。

   凡人にとって、高いモチベーションを一定に保ち
   続けることは不可能に近いことだ。

  □営業の環境整備(営業力強化

   モチベーションアップを図ることも重要だが、モチベーションの低い状態であっても売
   れる環境を整備することも企業にとって、より重要なはずだ。

   そのためにも、組織全体のレベルアップにつながる営業管理の仕組み構築が欠かせ
   ない。

  □営業プロセスを標準化

   そのためには、凡人営業マンであっても優秀な営業マンと同等な仕組をつくること。

   その仕組とは、営業活動の標準化です。

   優秀な営業マンの営業プロセスを客観的に分析し、マニュアル化する、言い換える
   なら営業の台本(スクリプト)を作ることだ。

   そうでないと、売れない理由を「営業努力が足りないから」「景気が悪いから」「競合
   他社より価格が高いから」といった言い訳が横行してしまうからである。

   また、精神論的営業からは、セールスにおいて「なぜ契約にいたらなかったのか」の
   原因を解明することができない。

   一人の営業マンに営業活動のすべて(集客〜顧客管理)を任せっきりにすることが
   如何にムダであるかが理解できると思う。

   これらの問題を解決するには、「営業マンにすべてを任せず」他部門も含めて営業
   プロセスを分業(分担)することです。

   一人の営業マンが今までのように全部を担うのではなく、一部だけを担当することで、
   人の異動や辞めたりしたときの影響も少なくて済み、後任の人はすぐに自分の役割を
   理解できる。

   人が足りなくなったら部分教育を行えばよいので、人材の育成のスピードも早くなる。
   
  □営業の武器

   中小企業にとって、マスコミを活用したプレスリリース、インターネット、電話、FAXなど
   複数のチャネルを活用することで、顧客とのビジネス関係を効率的に行い、顧客との
   接点を拡大でき、営業効率と顧客満足の向上が可能となる。

   営業活動のすべてを営業マン個人、営業部門だけに任せるのではなく、他部門も含め
   営業活動全体を分割、専門化することが組織営業を効率・効果的にする。 

   営業を戦に例えるなら営業ツールは武器である。

   時代とともに武器も変わってきます。

   今の時代に合った武器を使うことで戦いを有利に運ぶことができます。

   一昔前のセールスのやり方を今でも続けていく限り、成果は得られません。

   営業のための武器の一部を取り上げてみても、

   会社案内、名刺、アプローチブック、ニュースレター、セールストーク、ハガキ、電話、
   FAX、メール、有益情報紙、セミナー開催、

   あなたはここに掲載してある武器をどれだけ活用していますか?

   なにを武器に戦うのか、明確な方針を出して戦わなければ、戦いに勝つことはできま
   せん。

   あなたの商品は競合他店の商品に比べてどれだけの性能を持っているか、販売して
   いる商品の性能・価値を的確につかんでいなくては差別化はできません。

   お客さんが契約を決意するのは、それを購入すれば必要が満たされるか、あるいは
   満足を手にすることができるからです。

   必要性も利便性も満足も感動も得られないのであれば、顧客は購入を決意しません。

   商品に名演技をさせるためには、営業マンがその商品の性能・価値を把捉していなけれ
   ばならないのです。

   スピードアップが必須の時代において、代理店の業務量は大幅に増大されており、限ら
   れた時間の中で、顧客の記憶に残るサービスを提供していかなければならない。

   また、上記以外にも心がけることは、

    ・あなたにできることは何か?

     今かかわっている仕事にこだわらず、自社に何ができるかを考えよう。

     サービス業にかかわるすべての人間は、発想の限界にとらわれている。

     発想の限界とは、通常、自社が携わっているビジネスの通例の範疇にとどまる
     ことだ。

     自社の業種のことだけを考えず、自社の技能について考えること。

    ・あなたの本当の売り物は何か?

     顧客が、本当に買っているものは何かを探りだそう。

     商品そのものではなく、問題解決の手段としてあなたの商品を購入しているのです。

    ・あなたの競争相手は?

     見込み客にはたいてい三つの選択肢がある。

     その営業マンを「利用する」「利用しない」、あるいは「今の営業マンのままで済
     ます」だ。

     多くの場合、あなたの本当の競合相手は同業者ではない。

     あなたの見込み客自身なのだ。

    ・フィーリングの良さこそサービスの決め手

     サービス業は人間関係だ。

     そして人間関係とはフィーリングなのだ。良い人間関係の始まりはフィーリング。

    ・顧客への報告・連絡・相談を心がける

     お客様は自分を大切に扱ってくれているかどうかを感じ取るのに敏感である。

    ・常識があなたを縛る

     常識からは、改革は生まれない。想像力の飛躍こそが、これらを生み出す。

     常識にとらわれていては、今以上の自分にはなれない。胸が躍るような結果が
     欲しければ、夢をかき立てるインスピレーションが必要だ。


    ・長所が長所を連想させる

     なぜサービス業の人々は、自分たちのサービスをポジショニング(絞り込む)す
     ることを恐れるのか? 

     それは、あることを強調すると他のことをアピールできなくなると考えるからだが、
     実際はそんなことはない。

     なぜなら人は連想をするからだ。

     良いことを1つ言ってみよう。そうすれば他の良いことも連想されるようになる。

    ・自分のサービスに違い(独自性)が見出せないなら、目を皿にして探し出す

     最も記憶に残ることは「ユニークで、五感に訴えかけるような、クリエイティブで
     目立つもの」である。  

    ・顧客は良いサービスをすぐ忘れる

     自分のあげた成果は、必ず顧客に知らせよう。

     良質なサービスを受けたことを思い出させてくれるものはほとんどない。

     満足は多くの場合、記憶だけの問題なのである。 

     通常のサービス業の会社は、提供したサービスが継続的に役立っていることを
     顧客に意識させていない。

     事故時の対応の良さ、スピード(支払い、依頼ごと)、丁寧さ(専門用語を使わな
     い、分かりやすさ)、安心感(約束・時間の厳守)などにより、「存在感を示し続け
     ること」だ。

     相手の目に入らなければ存在しないも同然だ。

    ・いちばん些細なことに注力しよう。

     あなたが想像するよりもずっと多く頻繁に、顧客との接点を持つ。

     セールスとはこの程度のことで差がつくものです。

     より知識が優れているからではない。より経験が豊富なわけでもない。

     ほんのちょっとした、短いながら思慮深い手紙・ハガキのように小さなことが、
     大きな違いを生むのです。

    ・自社の営業マンは、明確なセールスポイントを持っているか? 

     あなたの会社が顧客にわかりやすいセールスポイントとそのメリットを確立して
     いなければ、ほとんどの社員は、その商品をうまく売り込めない。 

     なぜなら、売り込むものがないという理由で。

     営業マンを鍛え直したかったら、まずは商品を見直そう。


   売れる仕組み

    お客様の方から自社に近づいてくれるような工夫や仕掛けをし、そして教育啓蒙をする
    ことで、安定的に本当の見込み客を保有し続けている状態のことをいう。

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「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
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