新規開拓より既存顧客の売上アップ

          

新規顧客より既存顧客の売上をアップ

   
  ■あなたの収入は顧客のサイフから

   あなたが安定して発展し続けるためには、リピーター、好意的な口コミ、顧客の満足、
   顧客がどう好意的に受け取るかが鍵となります。

   増収の秘訣は『顧客との接点拡大』と述べてきました。

   しかし、単に顧客に顔を見せればいいというわけではありません。

   あなたが顧客と面談するときには以下の点を心がけてください。

    1.お客様は、あなた(経営者、従業員問わず)が会社の代表であると認識して
      いるということを忘れてはならないこと。

      あらゆるビジネスにおいて、顧客は最も身近で最も頻繁に接する人をその会
      社そのものとして認識します。

      そして、最も身近で最も頻繁に接する人とは、あなたに他なりません。

      あなたは周りに影響を与えているのです。

      あなたは、あなたが他の人々に及ぼす影響力を過小評価しているかもしれ
      ませんし、実際多くの人が、そのような影響力を過小評価しています。


    2.あなたは一人ひとりの顧客に対して、あなたの親友に対してするように接す
      ること。

      私たちは皆、人間として同じ基本的ニーズ、欲求、動機を持っています。

      あなたも私も、顧客もです。

      そして、最も基本的なニーズの一つが、「大切に扱われたい」という欲求で
      す。

      他と変わらない顧客の一人としては扱われたくはないのです。

      あなたも大切な顧客として顔を覚えてもらい、大切な顧客として扱われたいと
      思っているのではありませんか?

      だったら、他の人も同じです。


    3.顧客との接点が、常に最優先事項であること。

      あなたの仕事の中でどうでも良いことなど一つもありません。

      あなたの仕事は全て大切なことばかりです。

      大切でなければ、最初からしていないはずですから。

      どれも全部大切ですが、顧客を引き付け、彼らを満足させ続けるために、ほ
      んの少しだけ他の何よりも大切なこと、それが顧客との接点です。

      真に満足している顧客の数が増え続けることが大事なのです。

      アップセル(単価アップ)、クロスセル(追加販売)ができている顧客こそが堅
      固で安定したビジネスの基盤であり、単価アップや追加販売の顧客を作るこ
      とこそが最重要事項なのです。


    4.顧客こそが、あなたの収入を左右し、あなたの昇進や昇給、雇用の安定を左
      右するのだということを忘れないこと。

      ある企業が全従業員を対象に大規模なアンケートを実施しました。

      そのアンケートの質問の一つに、次のようなものがありました。

      「あなたの給料は、どこから支払われていますか?」

      80%以上の人が「経理部から」と答え、「銀行から」と答えた人も約10%い
      たそうです。

      目の前の顧客こそが、あなたの収入を左右しているのだということを思い出
      すことです。


    5.顧客との接点においては、常に、更なる「よりよい仕事」が求められるという
      こと。

      あなたは自分で選んで今の仕事に就き、その仕事に自分の時間を注ぎ込ん
      でいるのです。

      であれば、その仕事に全力で取り組むべきです。

      常に報酬以上のサービスを心がけることです。

      どうしたら顧客の抱える問題解決に貢献できるか、どんなサービスを提供す
      れば、喜ばれ、感動されるかを。 

   上記のことを個々の営業担当者任せにせず、組織として仕組みを作ることが欠かせま
   せん。


  ■既存顧客の売上アップを図る

   IT化の進展にともない、取り扱う商品やサービスの多様化が進み、その形態も複雑化を
   増す傾向にあります。

   ただし、ビジネスの基本が「売り手と買い手の間で行われる商行為」である以上、会社
   (売り手)と顧客(買い手)とのリレーションシップを構築し、なおかつ維持すること
   は、ビジネスにおいて成功するための大原則です。

   営業会社にとって、顧客は大きく分けて

    ・新規顧客
    ・既存顧客

   の2種類があります。

   おさらいの意味も含めて、営業について考えてみましょう。

   新規顧客は、「従来は取引を行っていなかったが、何らかのきっかけにより新しく取引を
   開始するようになった顧客」をいい、既存顧客は、「従来より継続して一定量の取引を
   行っている顧客」をいいます。

   会社(店)がこれらの顧客に対して販売活動を行うことを営業といいます。

   営業におけるそれぞれの顧客への対応としては、

    ・新規顧客への対応:有効であると見込まれる顧客へ新規取引を提案し、徐々に
     取引を増加させてリレーションシップを構築する。

    ・既存顧客への対応:従来の取引に基づき、さらに新しい提案やサービスなどを行
     うことによってリレーションシップを維持する。

   新規顧客は取引実績を重ねることにより既存顧客となります。

   従って、売り上げ不調(前年比、予算比のいずれも含みます)の背景には、新規顧客
   と既存顧客のいずれか、あるいはその両方に何らかの問題があると考えられます。

   売り上げ不調に際して「新規顧客の獲得不足」
   が原因として挙げられるケースが多くみられます。

   しかし、新規顧客を獲得した場合でも、最初
   から大きな取引を行うことはありません。

   従って、一般的には、新規顧客の売り上げが
   企業の売り上げ全体に占める割合は、実の
   ところそれほど大きくありません。

   一方、既存顧客は新規顧客の陰に隠れてし
   まいがちですが、従来からの取引実績がある
   ため、新規顧客に比べて取引額が大きいの
   が特徴です。

   既存顧客の売り上げは、企業の売り上げの基盤となっているため、既存顧客の売り
   上げ不調は、全体的な売り上げ不調につながります。

   従って、営業においては、まず既存顧客という足場をしっかりと固めて、それから新規
   顧客にアプローチを試みることが望ましいでしょう。
   
  □既存顧客の流出防止
   顧客が一生のうちにどれだけ自社に貢献をしてくれるか(ライフタイム・バリュー:顧客
   の生涯価値)に注意を向けるべきです。

   顧客の生涯価値をしっかり見据えて、契約を継続的に維持していくためには、顧客との
   良い関係を構築していかなくてはなりません。

   これからの営業は、より戦略的に顧客と結びつかなくてはなりません。

   競争はますます激しくなり、油断していれば顧客はすぐに浮気してしまうでしょう。

   自由競争、自由選択の時代が、顧客主導の市場をどんどん形成していくなかで、いかに
   して顧客をつなぎ止めるか?

   競争が激しい時代とはいえ、その背景には営業の正しい努力の不足が挙げられます。

   中小企業の営業スタイルの多くが、時代に大きく遅れを取っていることは間違いないでし
   ょう。

   ●顧客の流出防止チェックポイント 
    ・顧客別とコミュニケーションするために、独立した顧客データベースがあるか。

    ・1人の顧客を獲得、維持するのにかかるコストを把握しているか。

    ・休眠中の顧客を抽出でき、その顧客を再活性化させるためのプロクラムがあるか。

    ・顧客別に単品だけの顧客であるか複数品の顧客であるか、成約頻度・商品単価の
     高い顧客であるか、少ない顧客であるか判別し、それに応じたマーケティングを実
     施しているか。

    ・ダイレクトメール・電話・ファックス・ハガキでの接触や訪問をするときに、顧客1人
     当りの接触コストがいくらか理解しているか。

    ・1人の顧客が去ってしまった理由を知るために、顧客に連絡を取るなどして、流
     出防止対策を講じているか。

    ・顧客はあなたの会社のビジヨン・使命・価値について知っているか。

    ・定期的(最低年に1回)に顧客の満足度を測定し、収集された情報は満足度を向
     上させるために使用しているか。

    ・1人の顧客が離れたために失ってしまう価値を理解し、流出を抑えるためのマーケ
     ティングプログラムあるか。

    ・継続的に契約していただくために顧客に投資しているか。その投資コストは見込ま
     れる収益と関連させ、費用対効果を測定しているか。

    ・あなたは優良顧客とのリレーションシップ(関係性)を育てることに前向きか。

    ・既存顧客に向けて、商品やサービスのアップセル、クロスセルを実施するプログラ
     ムを持っており、その実施結果の測定を定期に実施しているか。

   基本的に顧客は「自分にとって」を優先します。

   熱意と根性で成約した契約は、さらに熱意のある、低価格のところに移ってしまう。

   頭を使わずに取れた契約は簡単に落ちると考えていいでしょう。

   顧客の流出を防止することと、顧客への追加販売・単価アップは連動しています。
   
  □自社の資産  
   中小企業の多くが「お客を集める目的は、商品を売るためだ」と考える一方で、優秀な
   営業マンは反対に、「顧客を獲得する(目的)ために、商品を売る」と考えます。 

   あなたにとって最も重要な資産は、『満足してくれていて、気に入ってくれている顧客
   のリスト』です。

   あなたは、その顧客とのコンタクトを年間最低でも12回とってください。

   そのとき、提供することは新商品の告知であったり、有益情報、ニュースレターなど。

   「そんなことは顧客はすでに知っている」という思い込みは捨てるべきです。

   既存顧客だからといって早回り(売り込み)をしてはいけません。

   同じ話を何度も繰り返したら退屈だろうと思う必要もありません。

   殆どのセールスパーソンが、既存顧客のリピート(追加販売・単価アップ)率を上げる
   ことにはあまりにも無関心です。

   一度満足した顧客は、「もう一度購入する」、「購入数を増やす」、「何か違うものを
   購入する」可能性が高いのです。

   新規顧客を獲得するより、既存顧客に再購入を働きかけるほうがコストが少なくて
   すむのです。

   顧客が移り気である理由は、あなたよりも他社(店)のほうが自分に、より以上に注意
   を払ってくれるからに過ぎないのです。

   頑張って新しい顧客を一人増やすよりも、あなたの商品やサービスに満足している
   顧客の購入額を増やすほうがずっと簡単で、より多くの利益を得ることができます。

  □売り上げ不調
   売り上げ不調の要因は、

    ・自社に起因する問題(内的要因)
    ・自社以外に起因する問題(外的要因)

   という2種類の問題に起因します。

   売り上げ不調には、さまざまな問題が存在しています。

   このため、売り上げを回復させるためには、これらの問題を一つずつ解決する必要があり
   ます。

   問題を解決するためには、現在自社が置かれている状況について正確に把握しなくては
   なりません。

  □自社の現状を把握
   売り上げ不調という状況に際しては、まず自社の売り上げ不調は、どのような原因によっ
   て生じているのか、自社が現在置かれている状況を正確に把握することが必要です。

   正確な状況把握なくしては、効果的な問題解決策を立てることはできません。

   売り上げ不調に際しては、まず、それが内的要因によるものなのか外的要因によるもの
   なのかを把握する必要があります。

   そのために、まず売り上げ不調が生じた期間に自社内に何らかの変化があったかどうか
   を考え、それを抽出します。

   例えば、
    ・従来は部内で営業パーソンの勉強会を定期的に開催していたが、最近は業務多
     忙につき開催できなくなっていた

    ・人事異動などにより担当営業パーソンの交替があった

    ・営業パーソンの担当エリアが広がったため、顧客への訪問頻度を1週間に1日か
     ら2週間に1日に変更した

   などです。

   この場合に重要なのは、どんなに小さな変化であっても、すべて漏れなく抽出する
   ことです。

   自社にとっては小さな変化であっても、顧客にとってはそれが大きな意味を持ち、売り上
   げ不調の原因となっている可能性もあります。

   次に、他社(店)の動向に注目し、他社の変化について調査します。

   この際に、併せて他社の受注、納品状況をみて、売り上げの増減を推測することが重要
   です。

   自社の売り上げが減少し、他社の売り上げが増加している場合、外的要因、内的要因の
   いずれかにより、自社の売り上げが他社に流れていることが考えられます。

   自社と他社の売り上げがともに減少していると思われる場合は、外的要因のうち、特に顧
   客に起因する問題の存在が考えられます。

   自社の売り上げ不調が内的要因、外的要因のいずれによるものかが判明したら、次はさら
   に細かくその問題を特定し、それぞれの問題について対処の方法を検討します。

  □各要因への対処
   1.内的要因の場合
     (1)人的要因による問題
       人的要因による問題は、自社の営業パーソンに起因する問題です。

       営業パーソンには、「商品の特性や流通の仕組みを詳しく理解する知識」「顧
       客の話に耳を傾け、潜在的なニーズを引き出すコミュニケーションスキル」「顧
       客に商品の特性を効果的にアピールするプレゼンテーションスキル」といった
       知識やスキルが求められます。

       これらの知識やスキルは円滑に営業を進めるうえで必要不可欠なものである
       ため、営業パーソンにおいてこれらが低下すると、顧客の満足度も低下します。

       このような状況の下、他社が優秀な営業パーソンによって顧客に営業攻勢を
       かけた場合、顧客を他社に奪われ、自社の売り上げが他社に流れてしまう可
       能性があります。

       この問題への対処としては、営業パーソンの販売スキルの強化が急務となり
       ます。

       このため、
        ・ 部内で定期的に勉強会を行い、営業に必要な知識を補強する
        ・ ロールプレイングなどによる研修で、コミュニケーションスキルやプレゼン
         テーションスキルの充実を図る
        ・ 上司(部門長)が定期的に営業に同行し、適宜指導を行うなどの対処が必
          要です。

       また、既存顧客への訪問頻度の低下が売り上げ不調に結びつくケースもあり
       ます。

       このような場合、各営業パーソンの担当エリアを見直すなどして営業の効率化
       を図り、顧客への訪問時間をねん出するなどの対処方法が必要です。

       なお、訪問頻度の低下の背景に人員不足などの要因がある場合、人員補充、
       または他部署からの臨時応援によるバックアップ体制の強化などについても
       検討する必要があるでしょう。

       営業の多くは顧客に対する販売活動であるため、営業パーソンが重要な役割
       を持っています。

       また、自社にとっても営業パーソンは貴重な人的資源です。

       このため、営業パーソンの販売スキルを強化し、売り上げ回復を図ることは、
       長期的な視点からみても効果的な対処方法であるといえます。

     (2)物的要因による問題
       物的要因による問題は、自社のサービスやシステムなどに起因する問題です。

       具体的な事例としては、
        ・ 納品書、請求書などの書式を変更したところ、顧客の規定の書式に適合し
         ていなかった。

        ・ 商品の配送業者を変更したところ、毎回顧客の営業時間外に商品の配送
         が行われるようになってしまっていた。

        ・ 商品のこん包を変更したところ、顧客
         が商品を開封する際に従来以上に手
         間がかかるようになっていた。悩む人2.jpg

       などがあります。

       これらは顧客にとって負担となり、やがて
       は売り上げ不調に結びつく可能性があり
       ます。

       このため、自社のサービスやシステム
       が、あらゆる角度からみて顧客本位のも
       のとなっているかについて確認する必要
       があります。

       しかし、

        ・ 商品調達システムを改良したところ、
         商品の納入スピードが従来よりも大幅
         に速くなったが、その結果、顧客の受
         け入れ処理能力を超えてしまった。

        ・ 顧客の利便性を高めるため自社に新しくWeb受注システムを導入したが、
         顧客の通信環境下ではこのシステムが有効に作動しなかった。

       というように、顧客へのサービス強化を狙った取り組みが、逆に売り上げ不調
       の原因となってしまうケースもあります。

       これらはいずれも営業パーソンとは無関係に発生するものです。

       従って、顧客からの指摘があれば対応することができますが、顧客からの指摘
       がない場合、営業パーソンが状況を把握するのは困難です。

       このため、「気が付いたら自社の売り上げが落ちていたと」いう危険に陥る可能
       性があります。

       このようなことを防ぐためにも、システムやサービスなどを変更する場合は、
       どのような小さなことでも事前に顧客の了承を取り付けておくことが必要です。
       
    2.外的要因の場合
      (1)他社に起因する問題
         他社に起因する問題は、自社との比較のうえで現れる相対的な問題である
         といえます。

         この例としては、自社に比べて、
          ・ 他社の営業パーソンのほうが販売スキルが高い

          ・ 他社のほうが顧客の訪問頻度が高い

          ・ 他社のサービス、システムのほうが利便性が高い

         などのケースが考えられます。

         これらへの対処としては、前述の内的要因の項と同様、「自社の営業
         パーソンの営業スキル強化」「自社の訪問頻度の見直し」「システムや
         サービスの見直し」などが必要となりますが、その際に自社は他社と比
         較されているということをはっきりと自覚することが重要です。

         また、他社に起因する問題で最も対処が困難であるのは他社のほうが
         自社に比べて値引きが大きいという問題です。

         値引きの差についての対処は簡単であると思われがちです。

         すなわち、「他社よりもさらに値引きを大きくすればよい」という対処がと
         られるケースが多くみられます。

         しかし、値引きが問題となる場合、忘れてはならないのは、安易に値引
         きによる対処を行うと「業者同士の値引き競争」に陥ってしまうことがあ
         るということです。

         他社に対抗して自社が値引きを行うと、「他社がこれに対して値引きを
         行い、さらに自社も値引きを行う」といった値引き競争の悪循環が発生
         する可能性があります。

         このような値引き競争は、両者にとって不利益な状況を生みだすだけな
         のです。

         このため、値引きの問題に対しては、値引きで対処するのではなく、商
         品の付加価値を強化するという観点からの対処が望ましいといえるで
         しょう。

         例えば、
          ・ メールマガジンによる新商品情報の提供
          ・ 試用品の提供
          ・ 特定の商品に関して、本来顧客が行う納入処理の一部を自社で代
            行する

         など、値引き以外の付加価値による差異化が必要となります。

         ただし、これらに大きなコストを要するようでは、値引きを回避した意味
         がなく本末転倒となってしまうので、事前の十分なコスト計算が必要です。

         しかし、場合によっては、どうしても値引きによる対処をせざるを得ない
         場合もあります。

         このような場合、営業コストも勘案して価格の損益分岐点をしっかりと見極
         め、どの程度までの値引きであれば、確実に利益を確保できるかというこ
         とを把握する必要があります。

         あまりに値引き要請が強く、赤字取引となるような場合は、「取引を中止す
         る」といった判断も必要でしょう。

         また、近年では「発注から納入、在庫管理などの処理を一括して行うことが
         できるシステム」が登場していますが、これらの存在にも注意を払う必要が
         あります。

         顧客が他社のこのようなシステムを導入した場合、すべての発注が一気に
         他社に流れてしまう可能性があります。

         いったん顧客がこのようなシステムを導入してしまうと、以後の対処は大変
         困難です。

         このため、自社でシステム開発を行っていない場合は、外部の有力なシス
         テムベンダー(販社、メーカーなど)と提携して自社対応のシステムを
         構築し、他社に対して先手を打って顧客に提案を行うなどの対策が必
         要となるケースもあります。

      (2)商品に起因する問題
         売り上げ不調が、商品自体に起因している場合もあります。

         この例としては、「従来は商品Aが主流となっていたが、最近さらに強い商品
         力を持つ商品Bが登場した。

         このため、商品Aの訴求力が低下し、売れ行きが鈍くなった」などのケース
         が考えられます。

         この場合は、自社も商品Bを取り扱う必要があります。

         しかし、もし他社が既に商品Bを取り扱っている場合、自社は後発となるた
         め他社に対してアドバンテージ(優位性)を確保することは困難です。

         このため、同じように商品Bを取り扱うのであれば、価格やサービス面にお
         いて差異化が必要(ただし前述の通り、価格の値引きには十分な検討が必
         要です)となります。

         また、「顧客のニーズに併せて異なる商品を提案する」という対処方法も考
         えられます。

         例えば、顧客とのコミュニケーションから、潜在的なニーズを引き出し、
         「商品Bと組み合わせることによって、さらに顧客の満足度を高める」と
         いう観点から、顧客に商品Cや商品Dといった新たな商品の提案を行う
         ことも効果的な対処方法といえるでしょう。

         商品に起因する問題においては、従来に代わる商品やサービスを提供
         することにより、他社に対してアドバンテージ(優位性)を確保することが
         重要です。
    
      (3)顧客に起因する問題
         売り上げ不調が顧客に起因している場合もあります。

         この例としては、
          ・ 特定の業者に発注が集中することを防ぐため、多くの業者を新規参入
           させて発注を振り分けるようになった。

          ・ 顧客の全社的な予算が削減されてしまった

         などのケースが考えられます。

         このような場合、顧客との従来の取
         引実績を生かし、顧客内のほかの
         窓口(部署)や関係企業にも取引を
         提案するなどの対処が考えられま
         す。

         しかし、一般的に、顧客に起因する
         問題に対しては、企業側が解決
         のための対処をとることが困難で
         あることが多いのが実情です。

         従って、そのような場合にこそ新規開拓による顧客の獲得に注力し、既存
         顧客数の底上げを図ることも検討する必要があります。

    3.内的要因と外的要因が混在している場合
      売り上げ不調において、内的要因と外的要因が混在しているケースもあります。

      このような場合、基本的にはそれぞれ個別の場合と同じ対処が必要です。

      しかし、この両方が混在している場合、どちらか一方だけが存在する場合と比べ
      て、売り上げ不調がより早く進行する可能性があります。

      このため、内的要因と外的要因が混在している場合は、より迅速な対応が必要
      となります。

      まずは比較的対処が簡単である内的要因について直ちに対処し、場合によって
      はそれと並行して、外的要因にも対処しなくてはなりません。

  □対処のポイント 
   1.費用対効果の検証
     既存顧客の売り上げ不調についての対処方法をみてきましたが、これらにおいて
     注意しなくてはならないのは、売り上げ不調という危機的状況に陥った場合、回
     復をあせるあまり、時として誤った対処がとられる可能性があるということです。

     例えば、売り上げ不調の原因が「人的要因に起因する問題」の「訪問頻度」である
     と判明した場合、即座に「営業パーソンを大幅に増員して顧客への対応を強化す
     る」という対処をとったとします。

     その結果として、たとえ売り上げが回復したとしても、人員増にともなう人件費など
     により、利益は従来を下回ってしまうかもしれません。

     しかし、上記のような場合、顧客に対して問題点のヒアリングを行った結果、「メ
     ールなどにより顧客と連絡を密に取り、また顧客の要望などをチェックシートで細
     かく聞き取るなどの工夫により、従来通りの訪問頻度であっても顧客とのコミュニ
     ケーションを充実させる」といった対処をとることが可能となれば、それほどコスト
     を要せずに売り上げ不調の回復を図ることができます。

     売り上げ不調という危機的状況にあればこそ、企業は冷静な判断力を持ち、費
     用対効果を常に念頭に置いて対処方法を検討しなくてはなりません。

   2.好調時の要因分析
     上記の通り、企業は売り上げ不調に際してはあらゆる手段を講じてこれを脱しよ
     うとします。

     その反面、売り上げが順調に増加している際に、その原因を分析することはあま
     り行われていません。

     しかし、売り上げ不調と同様、売り上げ好調にも要因があるということを忘れては
     いけません。

     売り上げ好調の要因を分析し、その情報を売り上げ不調の際の対処方法に活用
     することもできます。

     例えば、売り上げ好調の背景に「受注から納入までの期間は平均3日」「月に1度、
     発注担当者を自社ショールームに招き、実際に新商品を試用してもらう機会を設
     けていた」という要因があったとします。

     この要因が売り上げ不調の際には「受注から納入までの期間は平均4.5日」「新
     商品を試用してもらう機会がなくなっていた」となっていた場合、これらの要因を再
     び売り上げ好調時の条件に合わせることが、売り上げ回復につながるという可能
     性もあるのです。

     売り上げ動向から得られる経験は、自社の貴重な財産です。

     従って売り上げが好調な時にその要因をしっかりと把握し、不調時の対策に活用
     することが、自社の営業価値を高めるうえでも重要なカギとなるといえます。

   新規顧客、既存顧客の深耕どちらも営業会社にとって重要なのは言うまでもありません。

   しかし、まずは既存顧客を再点検することです。

   優良顧客とそうでない顧客との差異化を図り、どの顧客が自社(店)の収益に貢献してく
   れているかを知ることです。

   その顧客をもっと大切にするために、営業の仕組みを根本から見直す必要があるかもし
   れません。

   しかし、既存顧客の深耕だけでは頭打ちになるので、次に新規開拓を推進します。

   両方のバランスを考え、営業を推進していくことです。

 

                          お問合せ・ご質問はこちら

 

                          メルマガ登録(無料)はこちらから