コストダウンに対する意識改革

            

コストダウンに対する意識改革

■コストダウンの意識を持った組織 
 コストダウンは全社的に取り組まなければ大きな効果を期待することができません。
 たとえ、コストダウンが購買担当部署など特定の部門だけで開始されることになったと
 しても、社長・幹部職員はもちろん、すべての従業員がコストダウンの意識を持つことが
 重要です。

 そうすることでコストダウンを実現できている組織が「コストダウンの意識を持った組織」
 です。 
 以下で、コストダウンの意識を持った組織の特長を整理してみます。

 【ポイント1】費用(コスト)対効果を考える 
  コストダウンの意識を持った組織では、従業員は常に「費用(コスト)対効果」を
  考えて行動し、また、ムダを発見した場合は率先して改善しようと試みます。
  「社内では必要のないときにはこまめに消灯することを心がけている」という組織などは
  分かりやすい例といえるでしょう。

  こまめに消灯することの効果はそれほど大きくはないかもしれませんが、従業員にまで
  徹底し、続けていくことが重要なポイントです。 
  期間限定のキャンペーン的なコストダウンは、一つのきっかけになるものの、継続性
  には問題が残ります。

  “継続は力なり”という言葉にもあるように、コストダウンは、「毎日の積み重ね」
  「継続的な取り組み」が重要といえ、それを実現するための原動力が「従業員のコスト
  ダウンに対する強い意識」です。

 【ポイント2】周囲の状況に配慮する 
  さらに、コストダウンの意識を持った組織には、「ほかの従業員など周囲の状況に
  配慮する」風土があります。

  コストダウンを実現するためには、従業員が業務のムダを改善し効率化を図る必要が
  あります。

  しかし、ほかの従業員に配慮せず自分一人の業務の効率化だけを考えていたのでは、
  組織全体としてとらえた場合、結果としてコストダウンにつながらなくなってしまう
  場合があります。

  誰か一人の業務の効率化が図れたとしても、そのせいでほかの従業員の効率が悪くなり、
  結果として組織全体の生産性が低下するようであれば、「コストダウンの意識を持った
  組織」とはいえません。 

  コストダウンの意識を持った組織では、従業員が、ほかの従業員など周囲の状況に配慮し、
  組織全体として業務のムダを改善し効率化を図ることができます。

 【ポイント3】責任を持ってコストダウンを進める 
  コストダウンの意識を持った組織の最大の特長として挙げられるのは、「すべての
  従業員が責任を持ってコストダウンに取り組んでいること」です。 
  コストダウンでは、職場の「ムダ・ムラ・ムリ」を発見し、それを改善していくことが
  重要です。

  このとき、キーパーソンとなるのは、業務の流れを詳細まで把握している従業員です。
  従業員こそが、どこに、どのような「ムダ・ムラ・ムリ」があるのかを一番よく知って
  いるからです。

  しかし、「ムダがあっても仕方がないという意識」を持つ組織では、ムダはいつまでも
  放置されたままです。
  従業員に定期的に「改善シート(業務のムダを指摘する提案)」を提出させているから
  大丈夫だという企業もあるでしょう。

  しかし、その実効性には疑問が残ります。
  コストダウンの意識に乏しい従業員は、ムダを知っていても、改善シートに記入する
  ことを面倒に感じ、ほぼ白紙の状態で提出することがあるからです。

  このように、「ムダ・ムラ・ムリ」を顕在化させて改善していくためには、業務の
  流れを把握している個々の従業員にコストダウンの意義を理解させ、責任感を高める
  ことが重要となります。

  ドラッカーの言葉に、『働く者に責任を持たせよ』があります。  
  実際に仕事をしている人間こそが、何が生産性を高める役に立ち、何が邪魔になるかを
  知っている。
  したがって知識をもち、技能を持つ者本人に責任を持たせることが必要である。
  (出所:ドラッカー名言集「経営の哲学」)

□コストダウンの意識を持った組織をつくり上げる 
 コストダウンの意識を持った組織には、以下のような特長があります。
  ・費用(コスト)対効果を考える
  ・周囲の状況に配慮する
  ・責任を持ってコストダウンを進める 

 コストダウンを推進する上で、コストダウンの意識を持った組織をつくり上げることは
 非常に重要です。
 
□「コストダウンの意識を持った組織」をつくるためのステップ

 1.第1ステップ:「当たり前の意識」を改善

  (1)課題:「接待」は当たり前? 
   コストダウンを進める際に一つの障壁となるのは、長い期間をかけて定着してしまった
   従業員の「当たり前の意識」です。

   例えば、接待を繰り返して顧客を獲得するといった営業スタイルでは、営業担当者は、
   「接待と営業はセットである」あるいは「接待がなければ顧客との親密な関係が
   築けない」と考えているかもしれません。

   そこに突然のコストダウン宣言があり、接待交際費がこれまでの半分しか認められ
   なくなったとしたら、営業担当者は「これまで接待で新規顧客を獲得してきたんだ。
   お客様を接待して当たり前じゃないか!」と反発するかもしれません。

   このような従業員の当たり前の意識の例として、
   人は新しい取り組みに対して反発しやすいものです。
   ましてや、自分のスタイルを制約する要素が増えるような取り組みであれば、反発は
   一層強くなります。 

   しかし一方で、正しいコストダウンは全社的に取り組まなければ実現できるものでは
   ありません。
   そのため企業は、従業員の「当たり前の意識」を見直し、コストダウンの意識を
   持った組織を育て上げていく努力を続けていかなければなりません。

  (2)対策:コストダウン推進の理由を説明する 
   当たり前の意識の改善方法を考えてみましょう。
   例えば、コストダウンを推進しようとする経営者が従業員に対し、「コストダウン
   を進めるので、来年度から接待交際費枠は半分になります」と説明しただけでは
   不十分です。

   これでは従業員の当たり前の意識と真正面からぶつかってしまうでしょう。
   ここで社長が従業員に説明しておきたいのは、「コストダウンは決して最終目標
   ではない」ということです。
   コストダウンは、新商品開発、営業活動などと同様に利益追求のための取り組みの
   一つです。

   従って、社長は「コストダウンは、これまでの企業戦略を一部転換することである」
   として、コストダウンを推進する理由を従業員に真摯(しんし)に説明しなければ
   なりません。

   この際のポイントは、社長自らが、コストダウンを推進しなかった場合の最悪の
   シナリオを示すことです。

   このままの状態が続けば、3年後の自社存続が危ぶまれるなど厳しい内容でも
   構いません。
   社長が、現状を踏まえた上でのコストダウンの必要性を説くことが大切です。

  (3)効果:従業員の「当たり前の意識」が変わり始める 
   社長自らの説明によって、従業員は「なぜ、変わらなければならないのか」に
   気がつきます。
   同時に、これまでの当たり前が「本当に当たり前なのか?」と疑問を感じるようにも
   なってきます。

   例えば、先の営業担当者の例を挙げれば、「同僚の営業担当者Aは、接待なしでも
   新規顧客を獲得しているな。 
   本当に接待は必要なのだろうか?もしかすると、接待に頼る営業スタイルに問題が
   あるのかもしれない」といったように変化します。 

   このような従業員の考え方の転換は、コストダウンの意識を持った組織をつくり
   上げる上での前提条件となります。

 2.第2ステップ:「コストダウン推進委員会」の設立
  (1)課題:言葉だけでは、コストダウンに対する従業員の意識は継続しない 
   従業員の当たり前の意識を改善する際の経営者の言葉によって、多くの従業員は、
   コストダウンに対する意識を高めることでしょう。 
   しかし、経営者の言葉による刺激は一時的で終わってしまうことがあり、従業員の
   コストダウンに向けた意識が継続するとは限りません。

   コストダウンは継続して取り組むべきものであることから、従業員のコストダウンに
   対する高い意識を維持するためのシンボルなどが必要となります。

  (2)対策:コストダウン推進委員会を設置する 
   ここでは、従業員のコストダウンに対する高い意識を維持するためのシンボルとして
   「コストダウン推進委員会」の設置を考えてみましょう。
   以下では、コストダウン推進委員会の概要や活動を紹介します。

   @コストダウン推進委員会の概要 
    コストダウン推進委員会とは、文字通り、「コストダウンを推進するために
    設置される専門チーム」です。
    会社の規模などによってコストダウン推進委員会の概要などは異なりますが、
    理想は、経営者など責任ある立場の人間が委員長になることです。

    社長が出席するだけでも、委員会の場によい意味での緊張感が生まれるでしょう。 
    また、コストダウンの対象は、すべての費用となることを考慮し、各部門から
    少なくとも1名ずつはメンバーを選出するとよいでしょう。

    また、メンバーは、部長クラスなどある程度の意思決定権を持つ従業員を選出
    したほうが好ましいといえます。

    社長が委員長となり、各部門の部長クラスがメンバーとして参加する体制が整えば、
    コストダウン推進委員会の存在は、従業員に対し、企業が本気でコストダウンを
    進めようとしていることをアピールするシンボルとなります。

   Aコストダウン推進委員会の活動 
    コストダウン推進委員会の活動としては、主に以下の5点が挙げられます。
     a.コストダウン計画の企画・立案
     b.各部門へのコストダウン目標の割り当て
     c.従業員へのコストダウンインフォメーション
     d.コストダウン計画の進ちょく度合いの把握
     e.コストダウン計画の見直し 

   以下では、この5点についてまとめます。
   a.コストダウン計画の企画・立案 
    コストダウンは計画的に取り組まなければなりません。
    漠然とコストの削減を唱えるのではなく、具体的に「どのコストを」「いつまでに」
    「何%削減する」といったところまで落とし込んで話し合い、計画を立てることが
    大切です。 
    経営者が委員長を務め、各部門の部長クラスがメンバーとなっていれば、その場で
    意思決定ができるため、話し合いは比較的スムーズに進むでしょう。

   b.各部門へのコストダウン目標の割り当て 
    コストダウン計画を立案する際は、各部門に対するコストダウンの目標を
    決定する必要があります。
    例えば、総務部に対しては「こまめな消灯の徹底・オフィス備品の購入コスト
    の見直し・冷暖房の設定温度の調節などにより、コストを15%削減する」と
    いった具体的な目標を与えます。

   c.従業員へのコストダウンインフォメーション 
    コストダウン推進委員会の議事録、決定事項などを従業員に通知します。
    全体朝礼・部門別朝礼・回覧物などを利用するとよいでしょう。
    コストダウン推進委員会の活動はすべて従業員に伝え、コストダウンに対する
    意識の統一を図ります。

   d.コストダウン計画の進ちょく度合いの把握 
    各部門から定期的な報告を受ける体制を整え、コストダウン計画の進ちょく
    度合いを確認します。
    ここで収集される情報は、後にコストダウン計画を見直す際の重要な資料と
    なるため、できるだけ詳細に把握します。 
    また、把握した資料は分かりやすくまとめ、従業員に通知します。

   e.コストダウン計画の見直し 
    コストダウン計画の対象期間が終了した時点で、コストダウン計画の実効性を
    確認し、必要であれば見直しを行います。
    この際、目標達成組と未達成組から満遍なくヒアリングを行い、双方で相違点
    がないかを確認してみましょう。
    もしかすると、達成組には、

     ・部長が先頭に立って部全体でコストダウンに取り組む強い機運が生まれて
      いた
     ・定期的にコストダウンミーティングを開き、効果を検証していた

    など、未達成組にはない動きがあったかもしれません。
    これらを整理し、次のコストダウン計画の対象期間では未達成組も実践する
    ように指示します。

  (3)効果:従業員はコストに対する意識を強めていく 
   コストダウン推進委員会は、コストダウンを進める上で必要となるあらゆる機能
   を担う重要なチームです。
   経営幹部の参加や定期的なコストダウンインフォメーションなどにより、従業員は
   企業のコストダウンに対する本気の姿勢を肌で感じます。

   コストダウン推進委員会が機能し続ける限り、従業員はコストダウンに対する
   意識を継続することでしょう。

 3.第3ステップ:小規模な「分科会」の設置
  (1)課題:他人任せの従業員が出てくる 
   前述の通り、コストダウン推進委員会は、総務部、製造部など各部門に対し、
   具体的なコストダウンの目標を与えます。
   しかし、これは部門全体に与えられた目標であることから、個々の従業員に対して
   コストダウンへの責任を感じさせることは困難です。

   例えば、先に総務部に対するコストダウンの目標の例として、
    ・こまめな消灯の徹底
    ・オフィス備品の購入コストの見直し
    ・冷暖房の設定温度の調節
   などにより、コストを15%削減するを紹介しました。

   これは総務部全体に与えられた目標であり、総務部の従業員は責任を持って取り
   組むのが理想です。

   しかし、これだけではコストダウンの目標は部門全体に与えられたものとの印象が
   強く、従業員によってコストダウンに対する意欲の違いが出てくるはずです。
   これは、「自分がやらなくても、同僚がやってくれるだろう」という甘えです。

   また、目標が達成でも未達成でも、それは総務部全体の問題であり、個人が責任を
   痛感することはないでしょう。

  (2)対策:小規模な分科会を設置する 
   従業員にコストダウンに対する責任を持ってもらうためには、コストダウン推進
   委員会で決定した各部門のコストダウンの目標を、個々の従業員の業務目標
   (言葉を換えれば「ノルマ」)に置き換えられる体制を構築することが重要です。 

   例えば、総務部の中に、「冷暖房の設定温度に気を配り光熱費のコストダウンを
   推進するチーム」「オフィス備品購入のコストダウンを推進するチーム」といった
   ような、小規模な分科会を設置します。

   そして、総務部がコストダウンの目標を達成できなかった場合には、どの分科会の
   計画が未達成だったのかを把握できる体制を整えます。

  (3)効果:個々の従業員が責任を持ってコストダウンに取り組む 
   小規模な分科会を設置し、コストダウンの目標の達成に対する責任の所在を明確に
   することで、従業員はこれまで以上に強い責任を持ってコストダウンに取り組む
   ようになるでしょう。

□「責任」を押しつけるのではなく「評価」する 
 ここまで紹介したすべてのステップをクリアした組織には、
  ・過去の当たり前の意識にとらわれることなく、コスト意識を高める
  ・コストダウン推進委員会を中心に、組織全体でコストダウンに取り組む
  ・分科会など従業員が責任を持って、コストダウンに取り組む
 といった体制が実現されているでしょう。

 これこそが「コストダウンの意識を持った組織」といえ、企業がコストダウンを進める
 上での貴重な第一歩を踏み出したことになります。 
 最後に、コストダウンを推進する際の企業と従業員の関係を良好に保つための取り組み
 について紹介します。

 コストダウンにおいて、ある程度の責任を従業員に課すことは重要ですが、その責任が
 あまり重過ぎてはいけません。
 多くの従業員はコストダウンにはマイナスのイメージがあるため、責任まで問われる
 ことになれば、コストダウンを大きな負担と感じる従業員が出てくるからです。

 こうした問題に対応するために、コストダウンへの取り組みを評価できる仕組みを構築
 してみましょう。
 例えば、コストダウン推進委員会からの通知の際に、目標を達成した部門(総務部など)、
 あるいは分科会(光熱費チームなど)を表彰し、その取り組みをたたえます。 

 また、従業員に直接的な利益を与えるために、コストダウンの目標達成手当をつくったり、
 コストダウンへの意欲的な姿勢を人事考課の対象とするなどの方法も効果的です。 
 正しいコストダウンを推進するには、個々の従業員が当たり前の意識を改善し、責任を
 持ってコストダウンに取り組むことが必要です。

 そのためには、コストダウン推進委員会の設置とともに評価体制の整備が非常に重要と
 なります。

販売促進費の節減

                               

販売促進費の節減

■販売促進費の経費節減 〜メーカー編〜
 1.リベート体系を見直す 
  メーカーにとってリベートは、取引先との協力関係の維持・強化、継続的な販売の
  促進に欠かせないものとなっています。
  しかし、長年の取引関係のなかで複雑なリベート体系が根づいており、メーカーの
  コストアップにつながるケースも多々あるようです。

  また、公正取引委員会においても、複雑なリベート制度が閉鎖的な系列取引につながる
  と警告しています。 
  したがって、リベート体系を見直し、簡素化を図る必要が生じています。

  たとえば、取引先の理解を得て、  
   複雑化したリベート体系を、販売実績に応じた体系へと一本化する
  ことなどが考えられ、これにより経費の節減が図れます。

 2.リテールサポートを見直す 
  これまでのリテールサポートは、カネやモノの形で行われることも多く(たとえば、
  販売店への低利融資、広告宣伝用の社用車の提供など)、メーカーのコストアップを
  招いている面がありました。

  一方、こうしたメーカーの支援があるにもかかわらず、最近の販売店のなかには、
  ますます多様化する消費者ニーズに対応できず、売り上げが思わしくないというところも
  少なくありません。
  そこで、発想の転換により、販売店支援策をハード面からソフト面に切り替えていく
  ことが重要になります。

  具体的には、
   ・販売促進アイデアや製品売れ筋情報、消費者情報などを提供する
   ・POP広告や陳列方法など、消費者を引きつけるための工夫を指導する
   ・小売店の成功事例を集め、ポイントをまとめてマニュアル化したものを提供する
   ・展示会やキャンペーンの企画を立案し、運営時も手助けをする
   ・商品管理・財務管理などの経営管理を指導する
  などの方法が考えられます。 

  ソフト面の支援は、ノウハウの確立に時間がかかったり、指導のための労力が必要と
  なるなど、カネやモノの提供のほうが取り組みやすい支援方法かもしれません。
  しかし、メーカーにとって、川下に位置する小売業や卸売業の繁栄は自社の死活問題に
  かかわります。

  小売店が販売力を強化して売り上げ拡大を実現するということは、メーカーにとっての
  売り上げ拡大にも通じるものと捉え、ソフト面での川下支援が強く望まれるところです。
  このような活動は、「リテールサポート」あるいは「カテゴリーマネジメント(*)」
  といった形で、メーカーや卸売業で積極的に導入されています。
   (*)小売業の売り場を戦略単位である「カテゴリー(具体的には各売り場)」
      集合体として捉え、各カテゴリーから得られる利益を極大化するため、

      店頭在庫量や陳列方法の適正化、効果的な販売促進策の展開などをメーカー
      (あるいは卸売業)側が支援すること。

 3.パブリシティーを積極的に活用する 
  新製品の投入やキャンペーンの告知には、積極的にパブリシティーを活用することが
  有効です。
  たとえば、新聞を媒体とした新製品の告知を考えているならば、「広告」として
  新聞社に広告掲載料を支払うのではなく、「記事」として無料で掲載してもらえるよう、
  会社側から新聞社の担当者に働きかけます。

  その新聞の購読者に役立つ情報と判断されれば、企業規模に関係なく取り上げてもらう
  ことができます。 
  具体的には、人脈を使って記者と接触するのが一般的ですが、直接新聞社に連絡する
  場合でも、記者が関心を示せば、取材につなげることも可能です。

  そして一度取材してもらうことができれば、その記者を通じて再度記事を取り上げて
  もらう可能性も高まります。
  このようにパブリシティーは非常に有効であり、多額の広告費用の拠出が困難な中小
  企業こそ、積極的に取り組むべき手法といえます。

  さらに、パブリシティーは、たんに広告宣伝費の節約になるだけでなく、独自の広告や
  チラシよりも消費者に公平な印象を与えるため、非常に効果的であるといわれています。

□販売促進費の経費節減 〜小売業編〜
 1.サービスを有料化する 
  これまで無料で行ってきたサービスのなかには、コストがかかっていたものも少なく
  ないはずです。
  したがって、無料サービスを有料化することで経費の節減を図ることも検討して
  みましょう。

  有料化に対して、顧客は抵抗を感じるかもしれませんが、選択制にすれば比較的受け入れ
  られやすいのではないでしょうか。

  つまり、
   ・無料の範囲でできるサービス、有料になるサービスを明確に分ける
   ・有料サービスについては、さらにいくつかのレベルに分けてそれぞれ料金を
    設定する
   ・サービスの内容と料金を顧客にわかりやすいように表示する
  ようにして、顧客に自分の求めるサービスを選んでもらうのです。

  たとえば、ラッピングサービスを行っている小売店は多いものと思われますが、簡素な
  ラッピングを無料として、包装紙やリボン、ラッピング技術のレベルに応じて料金を
  設定していくといった方法が考えられます。

  省資源やゴミ問題など、環境への関心が高まっていることを反映して、デパートなど
  でも積極的に簡易包装を行っています。
  「省資源のために簡易包装にご協力ください」といった掲示をしておくことで、顧客の
  抵抗感を和らげながら、ラッピングサービスを廃止してしまうことも可能です。

 2.ノベルティーを工夫する 
  販売促進の一環としてノベルティーを配布する場合、ついどこにでもあるものになって
  しまいがちです。
  また、一時は高級化の傾向も見受けられましたが、高ければいいというものでも
  ありません。
  選び方を工夫して、できるだけ経費の節減を図りたいものです。 

  たとえば、
   ・話題性が高い、特定の地域でしか買えないといったもので、比較的コストの
    かからないものを選ぶ 
   ・数量や期間を限定して配布する
  などのようにします。

 3.口コミを利用する 
  イベントを開催する際は、できるだけ多くの消費者に集まってもらいたいためおのずと
  広告宣伝にも力が入りますが、当然、その分だけ費用も高額になります。
  そこで、得意客に友人や知人を紹介してもらうなど、口コミによる宣伝を利用する
  ことにより、経費節減を図ります。
  かりに、協力してくれた得意客に紹介料を支払ったり、何らかの特典を設けたと
  しても、チラシを作成したり宣伝活動を行うよりはコストを抑えられる場合が多い
  でしょう。

 4.時間帯、曜日により売り方を工夫する 
  競合店に対抗するため、営業時間を延長するという方法がよく取られ、それに伴い
  光熱費や人件費などのコストが増加することになります。
  そこで、従来どおりの営業時間で、時間帯、曜日による繁閑や店頭通行量の状況を
  見極め、売り方や品揃え、店員の配置などを工夫して無駄をなくします。
  また、店内POP広告に商品名や価格、詳細な商品説明を加えるなど、POP広告を
  「第2の店員」として有効に活用することで、直接人件費を節減することが可能と
  なります。

 5.カタログ、インターネット販売の実施 
  地理・立地上の不利を克服するために、カタログやインターネットでの販売を導入する
  のも効果的です。
  導入の長所として、在庫スペースの縮小、販売エリアの拡大などがあげられます。

  つまり、新たに店舗を開設する場合に比べて、店舗経費や人件費など、経費を極力
  抑えながら販路の拡大が実現できるため、結果として、販売コストを引き下げる効果を
  もたらすのです。

  また、来店してもらう必要がないため、通常客層となりにくい遠方からの集客が期待
  できます。
  さらに、カタログ、インターネット販売の導入は顧客データベースの整備を促す
  きっかけとなり、より精微なマーケティング活動を実践していくうえでも、効果が
  見込めることになります。 

  なお、インターネットでの販売を成功させるためには、まずはたくさんの見込み客に
  自社サイトを閲覧してもらう必要があります。
  その手段として、すでに人気のあるサイトにバナー広告(関心をもったユーザーが
  クリックすると自社サイトにリンクする広告)を掲載したり、相互リンク(他社と協力
  して互いのホームページから相互にアクセスができるようにすること)を張ること
  などが考えられます。

□イベントの経費節減 〜共通編〜
 1.共同イベントを開催する
  イベントを企画する際は、関連業種とタイアップして開催することにより、集客力が
  高まるだけでなく、イベント開催費用も分担しあって低く抑えることができるでしょう。
  たとえば、住宅メーカーが自社のショールームを使用してイベントを企画する際には、
  住設機器や家具などに関する情報も提供できるようにします。

  つまり、広告宣伝にかける費用を住設メーカーや家具メーカーと分担することで、
  自社のみで開催するよりも経費を節減することができ、かつイベントへの参加率の向上
  も期待できるようになるのです。 
  また、会場を借りてイベントを開催する場合でも、複数の企業が集まれば1社当たりの
  賃料が軽減され、経費節減につながります。

 2.恒例となっているイベントを見直す 
  イベントは、業種を問わず重要な販促活動のひとつとなっていますが、恒例になって
  いるもののなかにはその有効性が十分に検証されないまま、何となく継続しているという
  ケースも考えられます。

  イベントの有効性について、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
  「○年間やっているから」というような理由だけで続けているものがある場合、何の
  ために開催するのかを再確認し、本当に必要なものかどうかを正確に判断することが
  必要です。

  目的が明確になれば何をすればいいのかはっきりするため、無駄なものを削除する
  ことができます。
  また、イベントを開催する必要性が認められないようであれば、思い切って中止して
  その分の経費を節減することが可能となります。

 3.手づくり感覚のイベントを心がける 
  イベントを企画・運営する際には、企画会社や代理店に依頼するケースが多くみられ
  ますが、企画料や手配代行料などのソフト料金は予想以上に高くつくものです。
  たしかに専門家に任せれば安心ですが、経費を節減するためには、企画会社に頼る
  部分を少なくし、できる限り自社で取り組むよう心がけることが必要です。 

  また、一部あるいは全部を専門業者に依頼する場合には、事前に複数の会社から、
  金額の内訳を細かく明記した見積書を提出させるようにして、その細目を検討します。
  曖昧な項目(たとえば、「コーディネート科」といったもの)があれば確認して再度
  見積書を提出させるなど、信頼できる業者を選ぶように心がける必要があります。

地代家賃の経費節減

                                   

地代家賃の経費節減

■地代家賃
 地代家賃とは、事業のために借りている事務所や工場の家賃や駐車場などの土地の使用
 料金などに関する費用です。
 一般的に地代家賃は高額になる傾向があるため、企業がコストダウンに取り組む際には
 真っ先に検討対象となる分野の一つといえます。  

 しかし、逆の見方をすると、地代家賃のコストダウン施策を検討する際にモレがあると、
 重要なコストダウンを実現する機会を失うことになります。  
 ここでは、地代家賃のコストダウンの具体策を紹介しますので、取り組みを行っていない
 企業はもちろんですが、既に取り組みを行っているという企業も今一度自社の取り組み
 を見直してみてください。

□自社に適した立地・オフィスの選定

 社屋、工場などの立地やオフィス環境は、自社の事業活動に大きな影響を与えます。

 したがって、オフィスビルを賃借する際には、経費節減という視点から賃料や更新料などの
 金額だけに注目するのではなく、自社の強みが十分に発揮されるオフィスを選定することも
 重要なポイントになります。

 以下にあげるような項目をきちんとチェックして選定したいものです。

 <立地>
  □ 社員の交通費や取引先への交通費がかさむような場所ではないか

 <駐車場>
  □ 十分な駐車能力があるか、オフィスに近い場所にあるか

 <使い勝手>
  □ 必要なスペースと適切な空間が確保できるか
  □ 効率的にデスクやキャビネットを配置することができるか

 <使用時間>
  □ 早朝、夜間などのオフィスの使用ができるか
  □ それが可能な場合、空調やエレべ−ターなどの稼働はどうか

 <管理体制>
  □ 警備体制やトイレ、清掃、廃棄物処理などの管理面は万全か

 <OA機器への対応>
  □ 自社が必要とする電気容量、インターネット接続環境に対応できるか

 <空調システム>
  □ 各室、各ブロアでコントロールすることができるか
  □ 換気は十分か

 <家賃・管理費>
  □ 家賃・管理費は自社の予算内か

 <オーナー>
  □ 理解があり話が通じやすいか

 <入居しているテナント>
  □ ほかにどんな会社(関連業種など)が入居しているか

 このように、自社に適した立地やオフィスを選定したうえで、家賃・地代などに関する
 経費を削減するためのアイデアを、次項よりご紹介していきます。

□賃料に関する経費節減

 1.グループで借り上げる

  グループ企業が数社ある場合、

   企業が一括して全フロアを借り上げ、子会社や関連企業が入居する

  ようにすれば、ひとつのビルにグループとしてまとまることになり、業務の効率が
  上がることが期待できます。

  また、貸主の側からみれば親企業との間の賃貸借契約だけで済み、個別の企業と契約を

  結ぶ手間が省けますので、割安な賃料設定を求めることも可能でしょう。

  つまり、グループ企業全体としてのコストダウンを図ることができるのです。

 2.社員の協力で付加使用量を節約する

  家賃や管理費は契約によって定額ですが、付加使用量の料金については、社員の協力に
  よって次のような節約が可能になります。

   ・オフィス内ゴミ処理清掃料  → 廃棄書類の発生の防止・抑制

   ・電気、ガス、水道の各使用料 → 省エネ・省資源運動の推進、時間外勤務の
                    削減

   ・駐車場使用料        → 役員等の電車通勤への切り替え

 3.ビル建て替え後の再入居時に注意する

  入居していたビルが建て替えられることになったら、

   建て替え後も新ビルに引き続き入居を希望する場合は、賃貸借予約契約を結んでおく

  ことが望まれます。

  というのも、新ビル完成後には、予約時よりも高額の賃料を要求されることがある

  からです。

  このとき、借主は「予約完結の意思表示」をすることで先に結んであった契約の成立が

  可能となり、貸借権が発生します。

  つまり、余分なコストが発生することを事前に防ぐ効果があるわけです。

 4.賃料設定時の心構え

  家賃・地代に関しては法律が密接に関連しています。

  賃料・家賃の交渉の際に適正な額を設定するには、確かな法律知識をもって、つねに
  冷静な対処を心掛けるようにします。

  賃料の値上げ請求があった場合は、法律上、一方の通知では成立しないため(双方の

  合意が必要)、値上げに応じたくなければその旨を通知し、そのうえで、貸主・借主
  双方が合意に達するよう協議・交渉をすることになります。

  なお、この賃料値上げ請求に対して貸主が同意せず、協議しても合意に達しない場合

  には、貸主は賃料を受け取らないこともあります。

  このような場合には家賃・地代を供託しておくことが必要です。

  貸主が受け取らないからといって、賃料を支払わない状態のままでいると、賃料

  不払いを理由に貸借契約が解除されてしまう可能性があるからです。

  逆に、これまでの賃料が土地・建物の価格、近隣の相場などと比較して著しく低く、
  値上げが必要と判断される場合には協議のうえ、双方が歩み寄ることが必要になります。

  増額についての協議がまとまらなければ、適正額の判断を裁判所に委ねる場合も

  あります。

  この際に妥当と思われる金額が提示されれば、貸主との信頼関係を保持するためにも
  請求に応じたいものです。

 5.勤務形態の変更などによりオフィスのスペースを削減する

  職種によって在宅勤務が可能なものは積極的に取り入れ、出社する社員を少なくする
  ことでオフィスを縮小させることができます。

  また、営業職などは直行・直帰体制にして、ひとり1台のデスクを排除し共有スペース
  のみ設置することも検討できます。

  また、コンピューターや情報通信ネットワークを充実させ、本社の機能の一部を家賃・

  地代の安い地方に分散し経費を抑えることも、多くの企業で採用されています。

  このように、勤務形態の変更や情報技術の導入により小さなオフィスを実現することで
  家賃経費を削減します。

□更新料、権利金などに関する経費節減

 1.更新料請求の拒否を換討する

  土地の場合、契約更新の際に地主が一方的に更新料を請求してきても、
  借主はそれに応じる義務はありません。

  しかし、地主との人間関係を考慮して話し合い、多少の更新料を支払うほうがよい
  場合もありますので、この場合にも双方協議して合意に達することが必要となります。

  いずれにしても、地主に対して書面で契約更新請求を行うようにします。

 2.法的知識を身につける

  更新料支払いの義務や権利金返還の有無、敷金の返還などに関する法的知識はしっかりと
  身につけておきたいものです。

  基本的なことを次に記しておきます。

  更新料…賃貸借契約のなかで支払いに関して明記されているときは、金額が特別に

      高額でない限り支払わなければなりません。支払わなくても更新はされ
      ますが、賃
料不払いと同様に契約解除の原因のひとつになりますので注意
      が必要です。

  権利金…借地の場合は、借地契約が終了しても返還されないものであり、更地価格の60
     〜90%が目安(普通借地権)といわれます。建物の場合は、「礼金」と呼ばれる 

     ことが多く、通常返還されることはありません。店舗の場合は高額の設定とな
     り、事務所ビルでは通常授受されていないようです。

  敷 金…賃貸借が終了すれば返還されるものですが、利息はつきません。「償却」の
      特約がない場合は、未払い債務がない限り全額返還されます。

 法的知識があるからといって、それが即経費節減に結びつくとは考えにくいかも

 しれません。

 しかし、知識が乏しいことにより、損をしたり、貸主との問でトラブルが発生したりなど、
 余分なコストが発生する可能性は高くなります。              

 そのため、十分な知識をもって、必要最小限のコストで土地や建物を借りることも、
 経費節減のひとつの方法といえるでしょう。

 

人件費に関する経費節減

                                 

人件費に関する経費節減

■勤務時間に関するアイデア
 1.時間厳守を徹底する 
  始業時間を過ぎても仕事に着手していなかったり、休憩時間を終了しでも業務を再開
  していない状態があれば、1日ではほんの数分であっても、積み重なれば大変な時間の
  ロスとなります。
  そのため、必ず決められた時間を守るよう呼びかける必要があります。

  たとえば、
   ・朝礼で繰り返し時間厳守の重要性を説き、時間に対する意識の変革を促す
   ・予鈴を鳴らしたり、ベルの音を大きくする
   ・時間になれば管理監督者が社員に声をかけるようにする
  などの方法が考えられます。

 2.時間外勤務を削減する 
  残業や休日出勤を規制することで、時間外勤務手当の節減を図ります。
  そのためには、日頃から日程の調整や、業務の改善を行って、特定の日に仕事が偏らない
  ように工夫することが必要です。

  業種や職種によっては、曜日や季節により仕事に繁閑の善が生じるため、フレックス
  タイム制や変形労働時間制を採用することもひとつの方法です。
  どうしても仕事が時間外におよぶ場合は、あらかじめ届け出ることを義務づけ、各自が
  勝手に残業することを認めないようにします。

  残業の上限時間を設定しておくのも効果的でしょう。
  また、「つきあい残業」が行われることのないようチェックすることも必要になります。

□業務の効率化に関するアイデア
 1.仕事の無駄を省く 
  日常の仕事をチェックし、無駄な仕事や必要以上の時間を要している仕事があれば、
   ・合理化する
   ・不必要な業務があれば廃止する
  方向で検討します。 

  仕事を整理・廃止することで人員に余裕ができれば、他の部署に振り分けることも
  できますし、翌年の採用を控えることもできるでしょう。
  その結果、人件費節減の効果が期待できます。

 2.業務のマニュアル化で人員の削減を図る 
  業務の形態を大別すると、定型業務と非定型業務に分けることができます。
  非定型業務は文字どおり「型にはまらない」複雑な業務である場合が多いため、予想
  以上に多くの処理時間を要します。

  そこで、複雑な業務をなるべく単純化しマニュアル化することで、業務効率の向上を
  図ることができます。
  具体的には業務の処理方法、手順を文書化することで定型業務化し、たとえ新人でも
  わずかな手ほどきで仕事ができるなど、能率向上をもたらすことになります。

 3.毎朝、時間を決めて社内清掃を行う 
  事務所や工場、食堂など社内の清掃を外部やパートタイマーに委託している場合が
  ありますが、これを各社員が手の空いた際に自発的に実施する体制に切り替えます。
  あるいは、毎朝、時間を決めて社内の清掃を全社的に行うようにします。

  このような活動は、外注費・人件費を抑えるだけにとどまらず、社員各自に無駄なゴミ
  を出さないような意識が醸成され、それが、「経費節減」といった社員の仕事に対する
  意識改革にも波及するといわれています。

 4.社内のキャッシュレス化を推進する 
  給与や各種支払いを銀行振込で行い、現金を動かさない工夫をします。
  振込手数料は企業負担となりますが、給与振込にした場合は、現金支給において発生
  する現金の管理、袋詰めや金額の確認の作業が大幅に軽減されることで担当部署の人件費
  節減効果が大きいと思われます。 
  また、社員への交通費や出張費などの各種支払いの際にも、現金の確認や管理にかかる
  経費を大幅に節減することができるでしょう。

 5.アウトソーシングの活用 
  経理・総務関係の業務のなかには、外部の専門家に委託できるものが多くあります。
  たとえば、経理などの記帳作業、社会保険に関する業務、会計伝票の発行、給与計算
  などがあげられます。

  これらの業務をアウトソーシングすることで、担当部署の人員を削減することが可能で
  あり、また、アウトソーシング費用を十分吸収できる(結果的にコストを節減できる)
  ものと考えられます。

  しかし、アウトソーシング費用のほうが高くなるケースも考えられるため、事前に
  アウトソーシングの導入がコスト削減に効果的かどうか、十分に検討する必要があります。

□人材の活用・削減に関するアイデア
 1.人員補充の仕方を見直す
  定年や自己都合などで退職する社員がいても、仕事をやりくりしたり、配置転換を工夫
  したりすることで、新規採用による人員の補充をできる限り避けるようにします。
  どうしても人員が足りないという場合には、パートタイマーやアルバイトでの補充が
  可能か検討します。

 2.派遣社員を活用する 
  一定期間のみ人材が必要になったという場合に、正社員を採用してしまうとその期間を
  過ぎても雇用し続けなければならなくなります。
  固定的に人件費を支払い、昇給も世間相場で行う必要があり、コストアップにつながり
  ます。

  そのため、一時的な人材不足の際には、必要な期間だけ労働力を確保することができる
  派遣社員を利用することで人件費を低く抑えるようにします。
  企業における派遣社員の活用は、今後ますます増加していくものと考えられます。

 3.高齢者の活用を考える 
  近年、国内において労働者全体の急速な高齢化が進み、慢性的な人材不足に悩んでいる
  中小企業にとっては、今まで以上に人材不足の問題が深刻になっているといえます。
  一方で、定年で会社を退職しても、まだまだ働きたいと考えている人が増えており、
  こうした働く意欲のある高齢者の採用に注目が集まっています。

  経験豊富でしかも高度な知鼓・技能を有する人は、たとえ高齢であろうとも有効に活用
  したいものです。 
  ただし、高齢による体力不足などで無理ができない場合は、時差出勤や短時間労働などに
  よって勤務時間を調整するといった配慮が必要です。

 4.他社への出向・転籍を実施する 
  余剰人員の削減対策として、関連会社や取引先などで人材不足に悩んでいる企業や部署が
  ある場合には、自社の余剰人員を出向または転籍させることも考えられます。
  人材の有効活用の観点からも、適切なところに適切な人員を配置することが大切です。

 5.外部の専門家を有効に活用する 
  外部の専門家といっても、弁護士や会計士、税理士、社会保険労務士などさまざま
  ですが、自社の状況に合致した形で外部の専門家を活用することで、効果的に人件費の
  節減が可能となります。

  たとえば、従業員数の多い会社においては、社会保険や給与計算などの業務量は膨大と
  なり、そのぶん従業員を確保しておく必要があります。
  これを社会保険労務士に任せることで、「従業員○名分の人件費が節約できる」といった
  ことも十分に考えられます。

  また、こうした外部の専門家は、その道のエキスパートでもあり、安心して仕事を
  任せることができるというメリットもあります。

 6.希望退職者制度を実施する
  人員削減策で出向・転籍できる関連会社などが見当たらない場合に、一方的な整理
  解雇発案施するよりも、希望退社者を募るほうがより健全な方法といえます。 
  その際には、退職金の優遇、再就職の斡旋などを条件とする必要があるため、一時的な
  コストアップは避けられません。
  しかし、余剰人員を抱えてしまうことを考えれば、長期的には人件費の節減につながって
  いきます。

□賃金・人事制度見直しに関するアイデア
 1.職能給制度、業績給制度を採用する 
  これまで日本的雇用慣行であった年功序列賃金制度だけでは、個人の能力や会社の
  業績とは無関係に決まった額の貸金が支給され、年々増加することはあっても減少する
  ことはありません。

  そのため、賃金の支払負担は大きくなる一方です。
  そこで、多くの企業では本人の能力や業績に応じて賃金を支給する職能給制度、業績
  給制度を採用しています。 

  職能給制度によって社員の能力に応じて職能給を支払い、さらに個人の業績や会社の
  業績に応じて業績給を支払うことによって、「できる社員」に多く報いる賃金制度が
  構築でき、また給与総額を会社業績に連動させた形で抑えることができます。 

  このような評価制度を導入する際には、社員全員が納得できるような、公平性、透明性
  を確保することが大切です。

 2.役職ポストを見直す 
  役職ポストのなかには、室長代理、部長付などのように社員のポスト不足に対応する
  ためのみに設置されたものも少なくありません。
  これらのポストでは、役割、義務、責任、職務権限などが曖昧なものになっており、
  組織構成の観点からも好ましいとはいえません。

  そのため、可能な限り、職務権限などが曖昧なポストを廃止して統一・統合を図り、
  役職手当などの管理職に対する賃金の見直しを行うことが求められます。

 3.年俸制の導入を検討する 
  近年では、管理職を中心に、年俸制の貸金体系を導入する企業が増えています。
  年俸制とは、管理職を中心に社員の意識向上を図るとともに、成果を上げた人材には
  多くの貸金を支給する一方、成績が思わしくなかった人材はそれ相応の資金にとどめる
  など、信賞必罰の理念で人件費の適正化を図るというものです。
  このため、年俸制を導入することで、結果として人件費が節減できるケースも考え
  られます。

管理費「事務管理・OA機器」を節減

          

管理費「事務管理・OA機器」を節減

■事務管理・OA機器にかかる費用の節減
 1.事務用品、文書などをフロア単位で管理する 
  通常1フロアにはいくつかの部課が配置され、それぞれが事務用品や文書の管理を
  行っていますが、事務用品や文書などの管理を「部課単位」から「フロア単位」に
  切り替えることで経費の節減を図ります。
  文書の回覧や保管などをフロア単位で行うことで、文書のコピー枚数が少なくなり、
  また、保管スペースの節約にもつながります。
  事務用品についても、不足している部課もあれば余っでいる部課もある、といった
  ことはなくなるでしょう。
  経費節減の効果に加えて、事務の効率化も期待できます。

 2.事務用品を再利用する 
  文書を廃棄する際には、書類のみを処分するようにし、ファイルはラベルを張り替えて
  再利用するようにします。 
  このように、ファイルに限らず、繰り返し使えるものは処分せず、何度も利用する
  ようにします。
  また、定期的に各自の机のなかで眠っている不用品を集めて、必要とする人に使って
  もらうようにすることも無駄を減らす方法のひとつです。

 3.書類の規格と作成部数を見直す
  各種の帳票類の規格を見直して、
   ・統一できるものはないか
   ・廃止しても差し支えないものはないか
   ・サイズを縮小できるものはないか
   ・各人への配布布から、1部を回覧する方法に変えられないか
  などをチェックもます。
  社内メールなどの活用により、ペーパーレス化しやすい環境になります。
  パソコンのサーバー上に共有フォルダを作成し、共有するデータを皆が閲覧できる
  ようにしたり、メールで配信したりすることで、書類を統廃合、縮小できるものが
  あれば、用紙代や印刷費の節減につながり、帳票の保管スペースの飾約にも効果が
  期待できます。

 4.報告書の内容と作成回数を見直す
  企業では、報告書や統計表などの作成が欠かせませんが、
   ・本当にその報告書、統計表は必要なものか
   ・もっと簡潔にまとめることができないか
  などを検討してみましょう。
  必要なものだけを要額よくまとめるようにすれば、用紙代や印刷費の節減に効果的です。 
  また、報告書や統計表などの提出回数についても見直しの余地があります。
  資料の利用目的を明確にして、本当に今の作成頻度で適当か、もっと長期的なスパンで
  作成することができないかを検討してみましょう。
  作成のために費やされていた時間の省力化にもつながります。

 5.使用しない書類を倉庫に保管する 
  過去の決算書類や契約書などのように一定期間保管しなければならないものの、
  ほとんど使用することのない重要書類などは、貸倉庫(トランクルーム)へ預けて、
  オフィススペースの効率活用に役立てます。 
  その際に、保管文書の区分・保管期間・保管方法を一覧表にまとめた保管文書目録を
  作成しておくと、倉庫から取り出したいときに簡単にみつけることができます。

 6.定期刊行物の購入を見直す 
  現在、定期的に購入している新聞や業界誌などのなかに、それほど必要ではないのに
  取り続けているものがないか、年に1度はチェックしたいものです。
  同じような内容の新聞や雑誌を複数購読していないか、断りきれずに付き合いで取って
  いるような定期刊行物はないかをチェックし、購入をストップして経費節減を図り
  ましょう。 
  また、媒体の種類によっては長期契約により、1部あたりの価格が大きく下がる場合も
  あります。
  今後も取り続けるものについては、発行元に確認してみましょう。

 7.裏紙を利用する 
  片面しか印刷されていない用紙を破棄していませんか。
  たしかに、重要書類や外部提出書類などへの利用は困難ですが、できる限り再利用を
  図りたいところです。
  こうした用紙は裏紙として用い(印刷されていない面を再利用する)、社内文書を
  コピーしたり、小さく切ってメモ用紙にするなど有効活用を図ります。 
  なお、機密に関するものなど、文書の種類や性質によっては再利用しないほうがよい
  ものもあるため、裏紙として再利用可能なものとそうでないものをきちんと区別する
  必要があります。
  また、使用するプリンターやコピー機によっては、裏紙の使用が故障の原因になることも
  あるため注意が必要です。

 8.OA機器などの節電を心掛ける 
  昼食休憩時や終業時など、あるいは業務の内容により使用していないOA機器などは、
  こまめに電源を切るようにします。 
  OA機器に限らず、会議室や給湯室、トイレなどの照明についても節電を図り、エアコン
  使用時も適切な温度設定を心掛けましょう。 
  また、無駄な残業をなくして節電を図ることも検討しましょう。
  効率的に業務をするための業務改善活動を実施することで、業務の生産性向上も同時に
  図ることができます。

 9.事務用品の上手な購入の仕方 
  他社と共同で、あるいは協同組合などの活用により事務用品の一括購入を行い、単位
  あたりの購入コストを削減しましょう。 
  また、仕入先についても1社に固定せず(取引先固定により仕入価格が低い場合を除く)、
  つねに2、3社から見積もりを取って比較・検討を行いましょう。 
  また、今では安い事務用品を注文した次の日までに送ってもらえるサービスもあります。
  このようなサービスを使う方法も考えられます。

 10.簡単な痛陰は自社で行う 
  終業後の掃除を業者に依頼している会社は多いようですが、デスクの上を拭いたり、
  床を掃いたり、屑かごの処理をするといったことは自社の労力でも十分賄えます。
  清掃会社に支払っている金額分を福利厚生費として利用すれば、従業員の協力も
  得られるのではないでしょうか。 
  また、従業員自らが掃除を行うことで、オフィスの整理・整頓に対する意識が養われる
  ことにもなります。

□交通費を節減する
 1.6カ月定期券を購入する 
  通勤定期券には、1カ月、3カ月、6カ月のものがありますが、期間が長くなるほど
  割引率が高くなるため、6カ月定期券の購入を呼び掛け、通勤手当の節減を図ります。
  あるいは、年に2回あらかじめ会社が6カ月定期券を一括購入して支給するようにすれば、
  社員の手間や事務処理を少なくすることも可能です。

 2.出張時の交通手段を見直す 
  出張時の交通手段やルートを見直すことによって経費の節減を図ります。
  インターネットでは、交通ルートのパターンを検索し、かかる時刻や旅費などを計算
  する無料ソフトも各種あります。
  出張の際のルート設計を効率的に行うことで、宿泊から日帰りに変更したり、新幹線を
  飛行機に変更するなどして、安いルートで出かけられる方法を考えましょう。
  また飛行機・新幹線は、季節によって価格が異なりますので、こまめにチェックする
  ことをおすすめします。

 3.格安チケット・各種割引制度を利用する 
  出張時には、金券ショップで格安チケットを購入したり、JRの各種割引制度(往復割引、
  回数券、新幹線エコノミー切符など)を利用するなどして、出張旅費をできるだけ節約
  するようにします。
  どの制度を利用すればより多くの節約が可能になるのか、つねに情報収集を行い、
  出張の状況に合わせて使い分けるようにしたいものです。
  飛行機を利用する際にも、格安航空、マイル制度を大いに活用しましょう。

 4.出張の回数や人数を見直す 
  出張経費の節減には、交通費をいかに節約するかがポイントになりますが、出張
  そのものの必要性を見直すことも重要です。 
   ・不必要な出張がないかチェックする 
   ・3回出かけるところを2回で済ます方法がないか検討する
  などの見直しを行えば、あまり必要のない出張をなくすことも可能です。 
  また、1回の出張につき必要以上の人数を送り出していることがないかチェックし、
  必要不可欠の人数だけが出張するようにします。 
  電話会議やテレビ会議、Zoom等を導入する方法もあります。
  今まで、月に1度出張の際にしか打ち合わせができなかった取引先と、必要に応じて
  いつでも会議ができるようになり、経費が削減されただけでなく、コミュニケーションが
  より円滑になるケースも多いようです。

 5.宿泊先と割引契約をする 
  出張が特定地域に集中している場合、現地の宿泊先と割引契約を結ぶことで、宿泊料金
  の割引だけでなく、宿の手配も楽になります。
  ホテル側としても固定客の増加につながるため、積極的に応じる場合が多いようです。

□通信費を節減する
 1.短時間の電話使用を心掛ける 
  外部に電話する際は、短時間で要衝よく済ますことができるよう、 
   ・用件、話の要点、順序などをあらかじめ整理し、筆記用具を用意しておく 
   ・つねに原価意識をもち、通話時間短縮を心掛ける 
   ・電話番号をよく確認して、かけ間違いをなくす
  ようにします。
  電話機には、通話時間や通話料金が表示される機種もあるので、電話機を買い換える
  際に、このような機種を購入することを検討してはいかがでしょうか。

 2.電話の代わりに電子メールを利用する 
  電話の代わりに電子メールを利用することで、情報を過不足なく相手に伝えることが
  できると同時に、時間の節約、つまり通信費の節約も可能になります。
  たとえば、商品の注文や技術部門の仕様の打ち合わせなど、電話で伝える際には
  どうしても長電話になりがちですが、電子メールの利用で時間の飾約、経費節減が
  可能となり、伝達ミスの予防効果も期待できます。

 3.通信会社のサービス内容を定期的にチェックする 
  通倍会社間の競争は激化する一方であり、その結果、利用者の利便性を向上させる
  さまざまなサービスが充実してきています。 
  各社は、定額料金制度など利用形態に応じたさまざまなサービスを提供しています。
  こうしたサービスを定期的にチェックし、自社にとってより「お得」なプランを利用
  するように心掛けましょう。

 4.IP電話を活用する 
  今ではインターネット回線を活用したIP(Internet Protocol)電話が活用されています。
  あらかじめ双方のパソコンに通信の設定をする必要があるといった煩雑さはありますが、
  サービス提供会社によって違いがありますが、原則として通話料金が無料という大きな
  メリットがあります。
  またZoomなどを使えば、テレビ会議もできます。 
  社内連絡で長距離通話や海外通話などを頻繁に行っている会社では導入価値があります。

□福利厚生費を節減する
 1.イベントを見直す
  恒例として行われている忘年会や暑気ばらいなどの宴会、社員旅行を見直して、
   ・あまり費用を掛けずに実施できるよう企画を練り直す
   ・マンネリ化しているようであれば、思い切って中止する
  などして、レクリエーション費を節減します。 
  たとえば、利用する施設のランクを下げたり、比較的近い場所を社員旅行の目的地と
  して選んだり、社員のなかからイベント実行委員を募り、費用を掛けずに参加者全員が
  楽しめる企画を考えさせたりすることなどがあげられます。

 2.会員契約を解除する 
  会員契約をしているものの、従業員がほとんど利用していない施設(保養所、スポーツ
  クラブなど)がある場合には、解約をして契約料・年会費の支払いを節約するように
  します。
  ただし、解約する前に社内における利用状況についてアンケートを実施するなど、
  従業員の同意を求めることが望ましいといえます。

 3.不正な通勤費の支払いを撲滅する 
  本人の申告では電車利用になっているが、実際は自転車で通勤しているというケースも
  珍しくありません。
  再度、全社員の通勤方法についてアンケートを取るなど、不正な通勤費の支払いが
  行われていないかチェックします。

□車両費を節減する
 1.実態を把握する 
  車両委員会を設定し節減活動の統括を行います。
  まず車両1台につき、年間どれだけの費用が必要かを算出し、その金額を目安として
  節減効果のチェックをします。
  また車両の使用状況について、使用日、使用者、使用目的などを記載する 
  「車両管理ノート」を作成し、利用者の記入を義務づけます。そして一定期間ごとに
  各項目のチェックを行います。

 2.車は上手に購入する 
  車両購入の際には、(燃費なども含めて)できる限りコストパフォーマンスの高い車を
  選ぶことが重要です。
  また、下取りのことも考えて、人気車種を選ぶよう心掛けます。
  さらにオプション品は購入時に取り付けないようにします。
  というのも、取得税は取得価額に対してかかりますが、取得後に取り付ければ取得税は
  かからないことになるからです。

 3.レンタカーを活用する 
  前述のように、保険料や税金、駐車場代など車両の維持には相当の費用を要します。
  そのため、頻繁に車を使わないのであれば、その都度レンタカーを利用することも
  ひとつの手段です。
  レンタカーは用途に合った車を選択できるという利点もあります。
  また、レンタカー会社の会員になると割引価格で利用できるようになります。

 4.余分な荷物のチェックを行う 
  出車前に、車に積んである荷物が、本当に必要かどうかをチェックします。
  余分な荷物を積んで走ることは、燃費を悪化させます。
  細かいことですが、たとえば20キロの荷物を余分に積んで走ると、約2%も余分に
  燃費がかかるといわれています。

 5.割安なガソリンスタンドと契約する 
  車両を何台も保有している会社であれば、ガソリン価格についても気を配りたいものです。
  同じ地域のガソリンスタンドでも、立地状況(幹線道路沿いと幹線道路からやや離れた
  場所など)によっては、1リットルあたりで1〜2円は差が生じてきます。 
  また、カード会員として特定の(系列)ガソリンスタンドと契約することで、さらに
  割安な価格で利用することが可能となります。

給料の見直しと社会保険料の削減

                

給料の見直しと社会保険料の削減

 会社は基本給の他に諸手当を払っていますか?
 例えば、役職手当、通勤手当、住宅手当などです。
 この中の住宅手当の工夫により、社会保険料が削減できる場合があります。
 さて、それはどんな場合でしょうか。

 住宅手当は、毎月の基本給に上乗せする形で支払います。
 しかし、これを支払わず、賃貸借契約を下記の形式に変更します。

  社員個人の賃貸借契約 → 法人契約の借上社宅の契約

 例えば、社員Aさんが個人の契約で、家を借りているとします。
 Aさんは家賃が8万円で、基本給+住宅手当=34万5千円です。
 このうち、住宅手当が4万円です。
 この場合、Aさん個人の契約を法人契約に変更します。
 そして、Aさんの月収を基本給のみ30万5千円とします。

 すると、会社が家賃8万円を支払うことになります。
 そして、Aさんから家賃4万円を徴収することになります。
 結果、会社が負担しているお金は、下記のようになります。

 【変更前】
  ○会社の負担
   → Aさんに支払う住宅手当4万円、
  ○Aさんの負担
   → Aさんが支払う家賃8万円−住宅手当4万円=4万円

 【変更後】
  ○会社の負担
   → 会社が支払う家賃8万円−Aさんが負担する4万円=4万円
  ○Aさんの負担
   → 会社に支払う4万円

 つまり、動くお金の額は以前と同じです。
 しかし、この変更をすると、社会保険料が軽減されるのです。
 具体的には、このケースで年間5万6千円の負担が減ります。
 さらに、Aさんは所得税、住民税も軽減されることになります。
 結果、負担する家賃の額は以前と同じなのに、社会保険料の額は、【Aさんも】【会社も】
 減っているのです。

 詳しくは顧問税理士にご相談ください。

法人向け節税対策 W

                                 

法人向け節税対策 W

社内規定の整備に投資
 「規定を作る」というなんとなく堅苦しく感じますが、これは大きな誤解です。
 社内規定は会社を守るためのルールブックと言ってもいいでしょう。
 例えば「就業規則」という規定があります。
 これは給料体系、賞与、残業手当や有給休暇など会社で働くために必要な事柄を定めた
 ものです。

 一見会社が縛られる事柄ばかりのような感じがするかもしれませんが、実は就業規則が
 ないと「解雇」が出来ないのです。   
 「このようなときは解雇しますよ」という内容をあらかじめ就業規則に決めておかずに
 解雇すると「不当解雇」として従業員から訴えられる可能性があります。

 また「懲戒処分」のときも同じで、従業員に不始末があったときに減給や懲戒解雇などを
 しなければならないことがあるかもしれませんが、こういった処分も就業規則がないと
 できません。

 逆に「有給休暇」などは就業規則がなくても法律で決まっていますので与えなければ
 いけません。

 本屋で販売しているものをそのまま使うのはお勧めはできません。
 販売されているものは上場企業でも適用できそうなくらいの「従業員有利」な内容に
 なっていますので、そのまま使うと中小規模企業では水準が高すぎたりします。
 就業規則以外にも「三六協定」なども必要ですし、税務上は「慶弔規定」も整備して
 おきたいところです。

  *36協定(三六協定)
   この協定は労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36(サブロク)
   協定」といいます。

   労働時間は1日8時間、1週間40時間を超えて労働させることは禁止されており、
   この36協定が無いと、残業や休日出勤をさせること自体ができないのです。

   残業手当を払っても違法であり、36協定は「会社の規模を問わず」、必要な手続き
   です。

 確かに社内規定を整備するには社会保険労務士などに支払う経費が発生します。
 しかしこの費用も経費になりますし、また節税という枠を離れて考えても多くのメリットが
 あります。

 社員に働きやすい職場を提供するとともに、いざというときには会社も守るために社内
 規定はあるのです。

□別会社を設立
 新会社法の施行によって最低資本金制度がなくなり、新しく会社を作るのが簡単になり
 ました。
 別会社を設立するということは節税という側面以外にも経営上のリスクの分散にもなります。

 万一大きなトラブルによって会社が大損害を受けても、別会社があれば被害が波及する
 のを防ぐことができます。

 節税面のメリットは、
  1.資本金1億円以下の会社は、年間800万円までの所得について法人税の税率が
    軽減される

  2.資本金1億円以下の会社は、年間800万円までの所得について事業税の税率の
    軽減される 
  3.資本金1億円以下の会社は、交際費が年間400万円までであれば90%を経費にできる

  4.資本金1億円以下の会社は、30万円未満の消耗品が年間300万円まで一括で経費に
    できる

  5. 資本金1,000万円未満の会社は、設立第1期と第2期の消費税が免税になる
  6.新会社に役員や従業員を転籍させれば、元の会社で退職金を計上できる

  ただしなんでもかんでも新会社を設立すれば節税になるというわけではありません。
  新会社を作ることが常識的に考えて必要でないと税務署が認定すれば、否認されて
  しまうリスクがあるからです。

  また元の会社と新会社の間で取引を行うのであれば、社会常識に照らして妥当と
  認められる金額での取引しか認められません。

  経営上新会社を作って事業を分けたほうが運営しやすいというときに使う節税と
  考えるほうが良いでしょう。

小規模企業共済
 会社に利益が出そうなときは役員報酬を上げることが基本です。
 しかし、役員報酬を上げると個人の税金も増えます。
 そこで役立つのが、「小規模企業共済」、「社長自身の退職金の積み立て」ということです。
 払った掛け金は個人の税金を計算するときに所得から控除できます。

 年間最大84万円までなら全額控除できます(掛け金は月額最低1,000円〜70,000円
 まで選べるようになっています)

 一般の生命保険がいくら払っても5万円しか控除できないのと比べると、すごく有利です。
 そして将来自分が社長を辞めるときには「払った金額+α」が返ってくる。

 この返って来た金額は「退職金」として課税されるので税金が安くなります。
 例えば月額100万円=年間1,200万円の役員報酬を取っている社長が20年間払った例では、
 年間84万円の小規模企業共済に入れば個人にかかる税金は毎年約20万円安くなります。
 これが20年間続けば20万円×20年=400 万円。

 20年後に社長を辞めたときには約1,850万円が返ってくるのですが、この1,850万円に
 対する税金は約60万円。

 なんと400万円−60万円=360万円もの節税ができるのです!
 節税になるし老後の生活資金にもなるという、一石二鳥の節税です。

□中小企業倒産防止共済制度(以下経営セーフティ共済)
 顧客企業に情報として提供することもできます。
 もし顧客企業の得意先に多額の売掛金や受取手形があったりしたら大きなリスクとなります。
 最悪、連鎖倒産です。
 そこで得意先の倒産による連鎖倒産のリスク回避と節税を同時に達成することができる
 節税方法が「経営セーフティ共済」です。

 この制度は毎月一定の掛け金を払っていれば、得意先が万一倒産となったときに支払った
 金額の10倍(上限8,000万円)までのお金を貸してくれるという制度です。

 そしてこの掛け金は全額経費になり節税になるのですが、掛金を12か月以上納めていれば
 掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります
 (12か月未満は掛け捨てとなります)。

 そういった意味では、社外に積み立てをしているだけなにの経費になっていくという
 イメージです。
 掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択できます。
 掛金は掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができます。

 節税をしながら安心も買えるという良い節税です。
 不測の事態が発生してから慌てても後の祭りです。
 そうならないように事前に準備をしておくという面からも、「経営セーフティ共済」
 はお勧めです。

□健康診断
 健康診断の費用を経費にして節税する方法です。
 本来健康診断は個人が各自で受けるものなので経費にはなりません。
 しかし、会社全員で健康診断を受ければ福利厚生費として経費になります。
 特定の社員だけではダメです。

 もし役員だけとか特定の社員だけが健康診断を受けたなら給料として課税されてしまい
 ます。  
 ただし、一定年齢以上の人に限定することは出来ます。

 「社長と専務だけ健康診断を受ける」というのはダメですが、「35歳以上の人だけ全員
 受ける」というのはOKです。

 節税をしつつ社員の健康も守る。

□退職金プラン
 「解約返戻金」は会計上「収益」になります。
 そこで有効になってくるのが役員の退職金と2本立てで考えるプランです。
 解約返戻金が入ってきたら、同じ年に役員に退職してもらって「退職金」という経費を
 計上し、収益と相殺する。

 この組み合わせで解約返戻金をもらったときにも税金を取られないようにします。

 ここまでしてはじめて生命保険を使った節税が完成すると言っても良いでしょう。
 「退職金」に対しては税金が安いのはご承知のとおりです。
 1つ例を考えてみましょう。

 「ガン保険」に加入して年間50万円を支払い、20年後に社長を退職するタイミングで
 解約したとします。
 まず50万円の保険料が経費になれば法人税が約20万円節税できます。

 それが20年間で400万円の節税になり、50万円×20年=1,000万の解約返戻金が入って
 きたときに、同じ額の退職金を取ったとすれば退職金に対する税金約5万円だけが課税
 されることになります。

 その差額は395万円!

 さらにその間、保険の機能として安心も買えているのです。
 このように適切な生命保険が有効な節税になるかご理解いただけたかと思います。

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法人向け節税対策 V

                                 

法人向け節税対策 V

□中小企業にしか使えない4つの減税
 いくつかありますが、よく知られる4つの制度があります。  
 まずは、

 「1.投資促進税制」です。
 この制度は中小企業にもっと設備投資を行ってもらうために設けられた減税制度です。
 以下のどれかに当てはまることが条件になります。
  ・1台が 160 万円以上の機械を買った
  ・1台が 10 万円以上の機械をリースした
  ・1年間のパソコンやプリンターなどを買った金額の合計額が 120 万円以上に
    なった
  ・1年間のパソコンやプリンターなどをリースした金額の合計額が 160 万円以上に
         なった
  ・1年間のソフトウェアを買った金額の合計額が 70 万円以上になった
  ・1年間のソフトウェアをリースした金額の合計額が 100 万円以上になった
  ・ 3.5 トン以上の貨物自動車を買った

 このような条件に合うときは、法人税額を7%減額することことができます。
 又は購入しているときには、法人税額を 7 パーセント減額することに代えて通常よりも
 多くの減価償却費の計上を行うことが認められています。

 次に「2.情報基盤強化税制」
 ですが、 この規定は中小企業が会社の情報セキュリ ティを高めるために投資した場合
 には、 税金を少し安くしてあげようという制度です。
 具体的には
  ・OS
  ・OSがインストールされたサーバー
  ・データベース管理ソフトウェ ア
  ・上のデータベース管理ソフトウェ アを利用するための費用
 などを1年間で300万円以上購入するか、又は 420万円以上のリ ースをしたときに
 適用があります。
 このような条件に合うときは、法人税額を7%減額することができます。
 または購入しているときには、 法人税額を7パーセント減額することに代えて通常よりも
 多くの減価償却費の計上を行うことが認められています。 
 
 「3 .試験研究税制」ですが、
 この制度は企業が新製品を作るために支払った試験研究費がある場合などに適用があります。
 試験研究費には新製品を作るための費用には、材料費や人件費や外部に委託した費用などが
 含まれます。
 試験研究用資産を購入したときには減価償却した金額が試験研究費に含められます。

 この制度も法人税額を減税することが認められています。
 利益が出た時は将来の会社の成長のために投資をするチャンスです。
 思い切って投資をすることも必要なのではないでしょうか。   

 最後に「4.人材投資促進税制」です。
 事業の調子がいいときに、将来のためによい人材を雇用し、またその人材に教育して育て
 ていくことが必要不可欠になってきています。

 社員が仕事のために学校などに通った費用を会社が支払ってあげた場合は、経費になるだけ
 でなくプラスアルファで税額を一部控除してくれる制度です。

 この制度は1年前と2年前の社員教育に使った費用の平均額を、今年の教育訓練費が超える
 ことが前提になります。

 その場合には超えた金額の25%を税額から引くことができます。   
 ただしこの制度は役員やその親族に払う教育訓練費には適用されません。

 また教育訓練費の内容も趣味のスクール代などは認められず、あくまで会社の本業の
 ために通う学校代などに限られます。 

 あなたの会社あるいは顧客企業への情報提供に活用してみてください。

□将来の投資につながる節税について   
 <家賃を年払いして節税>
  「経費の1年分前払いによる節税」です。
  家賃や保険料、サーバー代、リース料、税理士の顧問料など毎月支払いが継続する
  ことが契約書で決まっている経費は、期末に翌1年分を前払いすることで全額を経費に
  できます。

  つまりその事業年度は2年分を経費にできるということです。 

  この節税の優れた点は事前準備が不要で、思い立ったときからすぐ実行に移しても
  間に合うことです。

  利益が出そうなことが期末ギリギリにわかっても、その段階から対応できる節税です。
   ○注意すべき2点
    1.実際にお金を支払わなければいけない。
     1年分の経費を前払いするので、大きな資金の流出になる。
    2.1年分前払いを毎年継続しなければいけない。  
     翌年は利益が出ていなかったり資金繰りが苦しかったりしても、同じ時期に
     1年分を前払いしないといけない。
     もし今年1年だけの利益ということがわかっているのであれば、十分に検討
     しないと翌年に苦しむことになります。

□車を買うなら中古の4 年落ち
 車などの固定資産と言われるものは一度に経費で落とせません。
 耐用年数と呼ばれる期間で経費に落としていくことになります。 
 これを「減価償却」と言います。

 新車の普通車であれば6 年間かけて経費になります。 

 こういった意味では節税のために新車を買ってもあまり効果がありません。

 しかし、中古の車は扱いが違います。
 もともと「6年」という法定耐用年数は国が設定したものです。
 そこで中古車には耐用年数の特例が認められているのです。  
 この特例を使った場合に一番節税に役立つのが「4 年落ち」の車です。

 4 年落ちの車ならば1 年で全額が経費になります! 
 ただし事業年度の中途で買えば、買った日から事業年度の終わりまでの月数分しか経費に
 ならないので、ギリギリで買った場合は節税効果は薄くなります。

 今期は絶対利益が残るとわかればすぐに買うのが得策です。

□カーナビなどは後から取り付ける
 「固定資産は法定耐用年数という期間で数年間かけて経費になる」ということす。
 つまり減価償却の対象になってしまうと、1年で経費にならないので節税にならない
 ということです。

 しかし、ちょっとした工夫で、減価償却の対象からはずれて、1年で経費にする方法が
 あります。

 今では車にカーナビがあるのは当たり前になっています。  
 カーナビは車の本体と一体となったものだと「減価償却」の対象になり、本体と合計
 した金額を6年で経費にしていくことになります。

 でも実は車の本体とは別の日にカーナビを買えば、30万円未満であれば一発で経費に
 落とすことが出来ます。

 これは減価償却の対象になるかならないかが「本体と一体とみなされるかどうか」で
 決まるからです。

 カーナビ以外では、事務所のクーラーなども対象となります。
 後から自分で取り付けることが出来るようなもので、常識的に考えて一体とみなさな
 くても良いものであれば、別の日に買ってみるのも良いかもしれません。

□消耗品を購入しておく
 利益が残って税金を取られるなら、必要になる事務用品やティッシュなどの消耗品を
 早めに購入しましょう。

 本来、税法では「使い始めた日」に経費になることになっています。
 つまり使っていないものは買っただけでは経費にならないのが原則です。

 でも継続的に使用する消耗品であれば購入した日に経費にしていいよという特例が
 認められているのです。

 毎年ティッシュが何箱残っているか数えるのは手間ですから。  
 だからと言ってあまりに非常識に大量に購入するのはダメです。

 毎年だいたい同じくらいの量が残っているのであれば税務署も認めましょうということに
 なります。

 ただし切手やハガキや商品券などは期末に残っているものは「貯蔵品」として経費から
 除かれますのでご注意ください。

 他にも必要ならば思い切ってパソコンなどを買うのも良いかもしれません。
 期末までにパソコンを買って箱から出して使い始めれば経費になります。

 何もしなければ利益の約40%の法人税が取られます。 
 そう考えると消耗品を10万円でも買えば税金が4万円安くなるので、全ての商品が40%
 引きで買えたようなものです。

 注意するのは、必要なものを買うということです。
 使わないものを買って、節税になったと喜んでいてもお金を捨てただけです。

□社員旅行を経費にして節税
 「社員旅行」を経費にするにはいくつか条件があります。
 まず金額ですが、福利厚生費と認めてくれる範囲として、だいたい1人10万円くらいが
 メドでしょう。

 旅行の日程は4泊5日以内で、参加する人数は社員の50%以上である必要もあります。  
 旅行に参加できなかった社員に穴埋めとして現金などを渡してはいけません。  
 もし渡してしまうと、給与として所得税が課税されてしまいます。

 社員旅行に行ったら旅館の玄関や観光名所で全体写真を撮っておくと、税務調査時の
 証拠になります。

□決算賞与を払って節税
 節税と従業員のモチベーションを同時に達成できる節税方法です。
 「決算賞与」として臨時の賞与を支給する方法です。
 この決算賞与を節税に使うためには以下の3つの条件を満たさなければいけません。
  1.事業年度度終了までに従業員全員に賞与の額を伝えること
  2.翌事業年度の最初の1ヶ月以内に支給すること
  3.決算賞与の額を未払金として経費に計上していること

 2の条件では、1ヶ月以内に支給できなければ経費に入れられないので要注意です。

□従業員社宅を使って節税
 従業員の社宅は節税にも使えます。
 この節税は従業員が今まで給料の中から支払っていた家賃を、今度は会社が支払うことで
 節税しようというものです。

 家賃分を上乗せで従業員に支払えばその分が経費になるのは当然ですが、仮に家賃分を
 減らしてもメリットがあります。

 なぜなら従業員からすれば家賃分は給料から減らされますが、その分所得税が安くなり、
 結果的には手元に残るお金が増えます。

 会社にとっても従業員さんにとっても嬉しい節税です。
 会社は権利金や礼金も支払うことになります。 

 権利金のうち一般的に「敷引き」や「礼金」と呼ばれる退去時に返ってこない金額に
 ついては60ヶ月で償却できます。

 ただしこの節税をするためには3つの条件をクリアしなければいけません。

  1.家賃の全額を会社が負担せず一部は従業員に負担してもらわなければいけない
   具体的な金額については本来は非常に複雑な計算を行うのですが、通常の家賃の
   50%を従業員に負担してもらい残りの50%は会社が支払って経費にするという
   ことです。

  2.「社宅は法人契約にしなければいけない」ということです。
   これは形式上、法人が社宅を借りてそれを従業員に貸し付けているということに
   しなければいけないからです。

   仮に会社契約になっていない賃貸マンションに住む従業員の家賃を補助するので
   あれば、福利厚生という意味合いでは同じです。

   しかし家賃補助の額を給料とみなされるため、所得税や住民税が課税されてしまい
   ます。

  3.当然家賃の振込は会社名義で行わなければいけません。

 これら3 点をクリアすれば税務上の「社宅」と認められます。

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法人向け節税対策 U

                  

法人向け節税対策 U

□来期に払う費用を今期に計上する

 この節税は、今期中に発生した費用ではあるものの、支払いをするのが翌期になる費用を、
 決算できっちりと経費として計上するというものです。 
 例えば、電話代など通信費、広告宣伝費、リース料、保険料、消耗品費などなどです。 

 まずは、人件費、つまり給料です。
 あなたの会社の給料の締め日は何日ですか?
 15日とか20日の会社なら、決算で未払給与として経費を計上することができます。
 例えば、9月決算で給与の締めが15日、毎月の従業員の給与の合計が300万円とします。

 それなら9月15日〜9月末までの給与は10月に支払うことになると思いますが、決算を
 する上では、それは9月の経費として計上することができます。

 つまり、300万円の半分、150万円も未払給与を計上できるわけです。
 もう1つ、社会保険料も未払計上して経費にすることができます。
 社会保険料は毎月末日に、通帳から引落しされていますよね?

 いつの社会保険料が、月末に落ちていると思いますか?
 例えば、9月末に落ちた社会保険料は8月分、つまり前月分が引き落としになっているのです。
 ということは、8月決算の会社の場合、9月末に落ちる社会保険料を未払経費として計上
 することができます。

 社員が多い場合などは、意外と多額の経費が計上できます。
 また、例えば8月決算の会社で8月末日が土日祝日などで、翌9月1日に引落しされる場合
 があります。

 こんな場合には、9月1日に引き落とされた分と、9月末日に引き落とされた分の2か月分を
 きっちり未払計上できます。

 さらに、決算賞与などを払った会社は、その分の社会保険料も未払計上できます。
 ただし、未払計上できるのは、社会保険料のうち会社の負担分だけです。
 この未払金を計上するという節税は、簡単にできますので確実に実行してください。

□期末の大きな売上を合法的に翌期に計上する
 例えば3月決算の会社で、3月に予想以上に大きな売上が計上しないといけなくなったと
 し
ます。
 これを翌期に計上してしまうと、税務調査の際に完全に否認されます。
 しかし、1つ合法的に翌期に計上する方法があります。 
 それは、「決算期を変更してしまう」という手法です。

 この会社の場合ですと、3月に大きな売上があるということなので、2月決算に変更します。 
 そうすると、3月は翌期ということになりますから、その大きな売上は翌期に計上しても 
 誰にも文句を言われることはなくなります。

 これを実行する場合には、臨時株主総会を開いて定款の変更をすること、税務署等への
 決算期変更の届出をすることに注意が必要です。

 といっても、きちんと書面を残しておけばいいということですので、それほど難しいこと
 ではありません。

 突然決算期末に大きな売上が上がりそうな場合には、この方法を使ってみてはどうでしょう。
 ただし、未払計上できるのは、社会保険料のうち会社の負担分だけです。
 この未払金を計上するという節税は、簡単にできますので実行をお勧めします。


□在庫の「評価損」を計上
 在庫を多く抱えて商売をされている方は知っておいた方がいい節税方法です。
 会社が持っている在庫は基本的には、決算のときに評価損を計上することができません。 

 しかし、以下のような場合には評価損として経費にすることができます。

   1.災害等で著しく損傷したこと
   2.著しく陳腐化したこと
   3.破損や型崩れ、棚ざらし、品質変化によって通常の方法によって販売できない
     ようになったこと

   つまり、もう流行おくれで売れないような状態になった在庫は、そのままの金額で
   在庫計上せずに、評価損を計上できるということです。

   これは業種によってはとっても効果の大きな節税です。

   もちろん決算で評価損を計上した後に、その商品を通常の価格で販売していたり、
   客観的にもう通常価格では販売できないということを示せないと、評価損として
   認められない可能性がありますので、気をつけないといけません。

   破損とか棚ざらしの場合などには、写真をとって証拠として残しておくと一番
   効果的でしょう。

□有姿除却
 設備を使わなくなったのはもったいないけど、捨てるのにもお金がかかるのでとりあえず
 そのまま放置している場合の節税方法です。

 本来「除却」とは設備などは廃棄業者に引き取ってもらうことを言います。
 そのときにもらう廃棄証明を証拠に税務上は除却損を計上することが認められることに
 なるのです。

 ですが上の例のような場合には例外が認められているのです。 
 つまり、廃棄業者に持っていってもらったりはしないけど、今後使うことはないので
 税務的に除却してしまおうということです。

 この節税は会計上に残っている簿価を一発で経費に落とせますので、場合によっては
 大きな金額の節税になります。

 ただし、この方法はあくまで「使う見込みがない」場合に限りますので、本当に使って
 いない場合だけしかダメです。

 実際は使っているのに除却することは認められません。
 使う見込みがないということを実証する書類はしっかり保存しておかないと税務署が
 来たときに疑われることになりますのでご注意ください。

 ちなみに、これは設備だけではなくソフトウェアなどの場合にも使えます。
 特にキャッシュが流出するということなくできる節税ですので、一度台帳にあがって
 いる資産を見直してみてはどうでしょうか。


□自分の住んでいるマンションを社宅にする 
 自分の住んでいるマンションの家賃を会社の経費にすることができます。
 全額経費にはなりませんが「社宅にする」という方法を使えば、50%〜70%くらいを
 合法的に会社の経費とすることができます。 
 例えば毎月家賃を20万円払っている社長は、年間240万円を自分の役員報酬の中から払って
 いることになります。

 そのうち半分を経費にすることができ、税金が安くなりますから、実質的な家賃負担額は
 かなり減ります。 
 この節税を使う上で、最も重要な点は大家さんとの賃貸借契約を社長個人で結ぶのではなく、
 大家さんと会社の契約にするという点です。

 そして会社から直接大家さんに家賃を毎月支払い、そこに住む社長は家賃の負担金を
 会社に払うのです。 
 これをすることで、社長の自宅は税法上の社宅という扱いになります。
 ただし、広い社宅(床面積が木造で132u、木造以外で99uを超える場合)の場合は別の
 計算になります。 

 上記の例は賃貸の場合ですが、法人が住宅を購入して社長に貸すという方法もあります。 
 この場合も、社長が会社に払う家賃の計算方法が税法で定められているのですが、世間相場
 と比べるとかなり安い金額で済みますので、社宅を使った節税は効果的です。

□飲食代を交際費にせず、全額経費にする
 会議費で処理すれば全額経費として処理でき、交際費で処理すれば一部は経費として
 認められなくなるというのが大きな違いということになります。
 では、同じ飲食費でも交際費にしないで会議費にするにはどうすればいいでしょうか?
 それは1人当たりの飲食費の金額を5,000円以内に抑えるということになります。

 例えばお客さんと食事に行って3 人で14,000円だったら会議費でOK、16,000円なら
 交際費として処理しないといけないということです。

 ということは、人数によって交際費になったり会議費になったりするわけですから、
 ちゃんと領収書などにどこの誰といったのかというのを記載していないといけません。

 では、居酒屋やスナックのようなところでの飲食代にも5,000円基準は適用されるので
 しょうか?

 これも大丈夫です。
 そういう場所であっても、接待のための飲食であれば同じように1 人当たり5,000円と
 いう基準が適用されます。

 お店で料理やお酒を注文するときに「これ頼むと5,000円超えちゃうかなぁー」とか気に
 するのは微妙ですが、少しでも経費にしたい方は5,000円という数字を意識してみて
 ください。

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法人向け節税対策 T

           

法人向け節税対策 T

■節税と脱税は似て非なるもの 
 節税の方法は多岐に渡りますが、賢い節税方法を身に付けることが必要です。

□利益が出たといって、モノを購入する消費型の節税、消費しない節税
 1.消費しない節税
  役員報酬の金額を最適なところに設定する、旅費規程の作成、在庫の評価見直し、
  特別償却・税額控除、小規模企業共済への加入といった節税。
  この部分をちゃんとやるだけで、会社にとって大きな節税効果が図れます。

  例えば、
  (1)自身の役員報酬を月額30万円=年間360万円で、会社に1,000万円の利益が
   残っている場合
  (2)自分の役員報酬が月額100万円=年間1,200 万円で、会社には160万円の利益が
   残っている場合
   (扶養家族が妻と子供2 人、社会保険料は考慮しないと仮定します)

  (1)の場合には、法人税等が約292万円、個人の所得税と住民税の負担合計が約12万円で、
   合計304万円ほどが概算納税額になります。
   これに対して(2)の場合には、法人税等が約45万円、個人の所得税と住 民税の負担
   合計が約206万円で、合計251万円が概算納税額になります。

   (1)と(2)を比べると、これだけで、約53万円も納税額が違います!
   次に、奥さんを役員にすることで効果大です。
   上記の例の続きで考えていきます。
   (2)の場合で役員報酬を月額100万円としました。

   このとき、自分には奥さんがいて、仕事を一緒にしているとします。
   そのときは、自分一人で100万円を取るのではなく、奥さんと二人で分けて役員
   報酬を支給することによって、納税負担額が大きく変わってきます。

   (2)の場合の所得税・住民税の負担額は、約200万円でした。  
   これを、自分が60万円、奥さんが40万円の役員報酬にしたとします。
   二人の役員報酬を足すと、(2)の場合と同じ100万円です。 
   このときの二人合計の所得税・住民税は約130万円ほどになり、一人で100万円
   の場合と比べると70万円ほども負担が少なくなります。
   もちろん、奥さんが何も会社のことに関わっていない場合は、こういったことは
   難しいですが、業務に携わっている場合には、きっちり検討しましょう。 

   業務に従事する家族の方がいる場合には、所得を分散させることで、さらなる
   節税が図れます。
    次の例では、
    1)自分の役員報酬を200万円としている場合 
    2)事業を手伝っている奥さんと2 人の息子と4人で200万円の役員報酬と
      する場合  
      (自分70万円、奥さん50万円、息子A40万円、息子B40万円)

    1)の場合の所得税・住民税合計額は約700万円となります。
    2)の場合では、4人合計の所得税・住民税合計額は約300万円となり、
    1)の場合と比べると400万円も負担額が変わってきます。

    役員報酬の設定をシミュレーションをするだけで、これだけの効果が図れます。

□決算対策
 決算がこれからという会社にとって対策を講じる時期となりましたが、すでに承知の
 ことかもしれませんが、各種対策について掲載してみます。

  ○出張がある程度多い会社では、出張旅費の規程を作成することで、役員、従業員
   に対して出張手当(所得税等の課税対象にならない)を支給することができます。

  ○社員旅行を実施する予定がある場合、全社員の半数以上が参加し、4泊5日以内、
   1人あたりの金額が10万円程度の社員旅行であれば全額を経費として計上できます。

  ○交際費の内容を見直し、会議費で処理できる経費を交際費として処理していないか
   チェックし、打ち合わせの費用(会議費)として、1人5,000円まで計上できます。

  ○会社が金融機関等からの借入し、代表者が連帯保証人になっている場合代表者が
   保証料を支払っています。
   その保証料を会社からもらうことができます。
   保証料の目安は借入額の1%ですが、雑所得になるので確定申告が必要となります。

  ○自動車等の減価償却資産(中古の自動車等)を購入すると減価償却費を多く計上
   できます。
   中古資産の減価償却費を計算するための耐用年数は「(法定耐用年数一経過年数)
   +経過年数×20%」が一般的です。

  ○社長の自宅が社長の持ち家なら、会社が社長から自宅を買取り、役員社宅として
   賃貸できます。 
   その家の減価償却費、固定資産税、修繕費等を経費として計上できますが、その
   家の立地条件や広さに合わせて社長から賃料をもらわなければなりません。
   (社長が会社に自宅を売却すると、所得税等が発生する場合があります)

□旅費規程
 「出張日当」を支給することで節税が可能です。
 この出張日当を経費にするためには、まず「旅費規程」を作成します。
 旅費規程の中で、役員や従業員が出張に行った際に、日当を支給する旨の規定を設ける
 ことで、その出張日当を経費にすることができるのです。

 ポイントが2つあります。 
 1つは、この日当は社長のポケットマネーになるにもかかわらず、個人の所得扱いには
 なりません。
 つまり、お金をもらうのに税金がかからないのです。
 もう1つが、この日当は消費税の課税対象となることです。 
 会社で負担する消費税が安くなるのです。

 例えば、高額な役員報酬を取っている社長は所得税の税率は40%、住民税も合わせると
 50%を上回ります。
 その社長に、100万円給与を上乗せしたらその半分の50万円は税金でとられるということに
 なります。

 ところが、旅費日当は所得の扱いにならず税金がかからないので100 万円がまるまる
 自分の手元に残るのです。
 金額があまりに高額だと税務署に否認される可能性がありますが、1日2万円くらいまで
 なら特に問題はないとされています。

□決算が近くなれば広告宣伝費で節税
 期末が近づき利益が残ることが明らかになってきたとき、来期の売上に直結する経費として
 「広告宣伝費」があります。
 見込み客を獲得するための広告宣伝することも必要です。
 投資として効果的な広告宣伝費ですが、注意点が1つあります。

 今期の節税のために広告を出すならば、広告が掲載される「広告掲載日」は事業年度の
 終了の日までに雑誌が発売されていたり、広告が掲載されるというのが条件になって
 います。
 もし掲載日が来期にずれ込めば、来期の経費になってしまいます。  
 ですので、広告を出す前には掲載日がいつになるかを確認してから出稿するようにして
 ください。

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販売管理費の見直し

              

販売管理費の見直し

■販管費とは
 商品や製品を販売するために直接かかる費用(販売費)と会社全般の業務の管理活動にかかる
 費用(一般管理費)の合計額のことを指します。

□事業活動で発生するコスト
 コストダウンは、“目に見えやすいコスト”が削減の対象となりがちです。
 例えば、業務の効率アップのためのパソコン購入であっても、何十万円というまとまった
 コストの発生が目に見えるために先送りになるケースがあります。
 しかし、これは正しいコストダウンではなく、一時的なコストの回避策でしかありません。

 ましてや、パソコン購入による業務効率のアップも達成できず、企業の体制は旧態依然と
 したままです。
 正しいコストダウンにおいて、削減対象とすべきは「利益を生まない活動から生じる
 コスト」です。

 利益を生み出さない活動にはムダ、ムラ、ムリがあり、そこから生じるコストこそが問題
 なのです。
 削減対象となるコストを見極めるためには、財務諸表の一般管理費の推移を確認し、
 コストダウン推進委員会などが中心となってムダ、ムラ、ムリの調査を進めることが
 重要です。

 これには多くの時間や手間がかかりますが、正しいコストダウンを推進することを決定
 したのであれば、コストダウン推進委員長(企業経営者)の強力なリーダーシップのもとで
 進めていくことが欠かせません。

 ここでは、多岐にわたる販売費および一般管理費(販管費)のコストダウンに対する
 取り組み方法について紹介していきます。

販売費および一般管理費の科目の確認
 一口に販売費・一般管理費(以下「販管費」)といってもその対象となる科目は多岐に
 わたります。
 例えば、一般的に使用される経理上の仕訳科目の中で販管費に含まれるものは以下の通り
 です。

 【主な販管費の科目】
  役員報酬、給与手当、雑給、賞与、退職金、法廷福利費、福利厚生費、外注加工費、
  旅費・交通費、通信費、接待交際費、減価償却費、地代家賃、支払保険料、修繕費、
  水道・光熱費、消耗品費、租税公課、荷造運賃、事務用品費、広告宣伝費、支払
  手数料、諸会費、新聞図書費、貸倒引当金繰入、リース料、車両費、会議費、支払
  報酬、寄付金、賞与引当金繰入、貸倒損失、雑費

 ここでは、前半であらゆる販管費のコストダウンに取り組む際に共通する計画・実行に
 際しての基本的な留意点を紹介します。
 そして後半は、前半で紹介した留意点を踏まえながら、高いコストダウン効果が期待
 できる「地代家賃」と比較的コストダウンに取り組みやすい「会議費」「新聞図書費」
 「諸会費」の4つの科目について具体的なコストダウンに取り組む際の施策や基本的な
 考え方について紹介していきます。

販管費のコストダウンを計画・実行する際の基本的留意点
 販管費は上記のように多岐にわたります。
 実際に販管費のコストダウンに取り組む際には、個々の科目の特徴を考慮したうえで
 具体的な施策を立案・実行していく必要があります。
 しかし、その前に販管費のコストダウンに取り組む際に共通して必要となる考え方を
 理解しておく必要があります。
 ここでは、販管費のコストダウンに取り組む際の基本的な留意点について紹介していきます。

 1.計画を立案する際の基本的な視点
  (1)計画の立案・実行プロセスはPDCAサイクルに沿って行う
   販管費のコストダウンを実現していくプロセスは一般的な管理手法である「PDCA
   サイクル」に従って進めることが基本となります。
   すなわち、コストダウンへの取り組み対象となる販管費の特徴を考慮しながら以下の
   手順に沿って取り組みを進めていきます。

    ・PLan :現状を分析してコストダウン施策を立案する
    ・Do  :立案した計画を実行に移す
    ・Check :実行した計画の成果を測定したり、問題点などを分析する
    ・Action:更なる改善に向けての取り組みを進める

   そして、このPDCAサイクルを回しながら取り組みを継続していくことが販管費の
   コストダウンに際しては不可欠となります。

  (2)具体的な施策は、ムダ・ムラ・ムリの解消の視点から
   販管費のコストダウンに取り組む際に重要となるのは「どのような施策を具体的に
   立案するか」ということでしょう。
   多様な特徴を持つ販管費のコストダウン施策は、当然個々の特徴に応じたものと
   なります。

   しかし、そこには基本的な施策立案の視点があります。
   それは、「ムダ・ムラ・ムリ解消の方向性」です。
   すなわち、現状分析を通じてコストアップを招くムダ、あるいはムダが疑われる
   業務などの費用支出要因が見つかった場合、以下のプロセスで具体的なコストダウン
   施策を検討するのです。

   <販管費のコストダウン施策立案の方向性>
   a)費用支出要因となる業務活動などを「止める」
    最初に検討することは、対象となる業務活動などの費用の支出要因となる活動
    自体を止めることです。
    例えば、地代家賃の場合は「不動産物件の賃借を止める」こと、あるいは新聞
    図書費であれば「雑誌の購入を止める」などを検討するのです。
    「止める」ことは、コストが発生する要因を根本的になくしてしまうことであり、
    最もコストダウン効果が高い方法となります。

   b)費用支出要因となる業務活動などを「減らす」
    止めることのできない業務活動などについては、支出回数などを「減らす」ことを
    検討してください。
    例えば、毎週会議を行い、それにともない会議費を支出している場合を考えて
    みましょう。

    会議は重要な経営活動であり「止める」(ゼロにする)ことはできないかも
    しれません。
    しかし、毎週の会議を隔週に「減らす」ことによって会議開催にともなう支出
    費用を削減することができます。

   c)費用支出要因となる業務活動などを「変える」
    「止める」ことも「減らす」こともできない業務活動などについては、より
    コストの低い方法などに「変える」ことを検討します。
    例えば、地代家賃の場合は「より安い物件に借り換えを行う」、あるいは会議費
    の場合は「開催場所を、会場費のかかる外部の会場を借りるのではなく、自社の
    施設で行う」といったことが考えられます。
    この3つの視点をキーワードに基づいて検討することによって、具体的かつ
    効果的なコストダウン施策を立案することができます。

 2.施策実行におけるポイント
  ここでは、販管費のコストダウンに取り組む際の留意すべきポイントを紹介します。
  コストダウン施策を立案する際には、以下の点に注意してコストダウン施策への取り
  組みをより実効性の高いものとするようにしましょう。

  (1)実効性のある管理・分析する単位や頻度を設定する
   「コストダウンの実現」という成果を確実なものにするためには、その取り組みを
   詳細に管理・分析を行うことが理想的です。
   ただし、販管費のコストダウンに取り組む場合の管理手法には注意が必要です。
   販管費の特徴の一つとして多頻度で少額ずつ発生する科目が多いという点があります。

   このため、ただやみくもに管理単位を詳細に設定したり、取り組み状況の報告の
   頻度を多くしてしまうと、きめの細かい管理を行うことができるといったメリットが
   あるものの、必要以上に担当者の業務量を増加させてしまい、実行性がともなわない
   場合があるのです。

   このため、販管費のコストダウンに取り組む際には、実行性のともなう管理・分析
   方法を検討・採用する必要があります。
   最も顕著な例の一つは事務用品費です。事務用品費は、鉛筆・ボールペン・サイン
   ペン・消しゴム・付せん・ホチキスの針など消耗頻度が高くなります。

   このため、比較的従業員の多い企業では、毎日すべての品目の使用状況について
   管理することは困難な場合が少なくありません。
   このような場合は、
    ・個々の従業員の請求状況など費用発生要因を詳細に分析する「モデル調査期間」
     を1カ月程度設ける
    ・調査結果に基づいて課単位での月間目標金額枠などを設定する
    ・月間目標金額枠を超えた場合、早急に原因の再調査を行い改善策を立案・実行
     する
    ・月間目標金額枠を超えない場合は、半年から1年に1度程度で「モデル調査期間」
     を設定して、その調査結果に基づいて新たな月間目標金額を設定する
   といった管理・分析方法が現実的といえるでしょう。

   ここでは、事務用品費を例に挙げましたが、必ずしも事務用品費を上記のように
   管理すべきということではありません。
   繰り返しになりますが、ポイントは担当者に過度の負担を強いることなく、実効性の
   ある管理方法を検討するということにあります。

  (2)組織に定着させる仕組みを作る
   販管費の中には、事務管理費や水道・光熱費などの費用のように、一部の従業員
   だけが努力しただけではコストダウン効果が限定的な費用があります。
   このような科目のコストダウンを実現するためには、取り組みを一時的なものに
   終わらせることなく、社内に定着させることが必要です。

   そのためには、単に「コストダウンに取り組みましょう」と呼びかけるだけでは
   不十分です。
   そのポイントは、全従業員に継続的な取り組みを促すような「仕組みをつくること」
   にあります。

   具体的には、以下のような方法があります。
    ・成果を実感できるように支出額の推移をグラフにするなどして全従業員に
     公表する
    ・「社長賞争奪部門別コストダウン競争」など、楽しみながらも競争意識を
     刺激し、取り組みを促進するような企画をする
    ・経営トップや管理職などが率先して、コストダウン実現のための取り組みを
     実践している姿を示し、従業員のモチベーションを維持・高揚させる

  (3)見直しを「定例業務」とする
   旅費・交通費や水道・光熱費など使用量などに応じて支出額が変わるコストは、
   その支出額が常に変動することから月単位など、詳細に把握・管理する必要が
   あります。
   その一方で販管費には地代家賃などのように支出額が固定的なものがあります。

   固定的な販管費は一度見直しを行うだけでコストダウンを実現することができます。
   支出額が変動する販管費の場合は「前月の支出より○○円増加した」といった場合、
   比較的人の目に付きやすいのですが、固定的な支出額となる販管費は支出額がほぼ
   一定額となるため目立たないという特徴があります。

   このため、固定的な支出額となる販管費は支出が慣例化してしまい「見直しを
   行わない」ということになりがちです。
   このような問題を防止するためには、見直しの時期や担当者を明確にしたうえ、
   「定例業務化」とすることが有効です。

   例えば、地代家賃などは総務部門に管理責任者をおき、契約更新時に合わせて
   見直しをするとよいでしょう。
   また、担当者が変更になっても定例的な業務であることが分かるように
    ・業務引継ぎ書などに「定例業務」として明記しておく
    ・管理・分析結果などを書類などの形で残し、具体的な検討方法が分かるよう
     にしておく
   などといった工夫を行うことが必要です。

   販管費は多岐にわたりますが、ここで紹介したような基本的なポイントに留意
   しながら具体的な施策を検討し、適切なプロセスにしたがってコストダウンへの
   取り組みを進めていくことが効果的でしょう。

コストダウンの具体的施策
 ここでは、販管費の中から「地代家賃」「会議費」「新聞図書費」「諸会費」に関する
 具体的なコストダウンに関する施策を紹介します。

 1.地代家賃のコストダウン策
  地代家賃とは、事業のために借りている事務所や工場の家賃や駐車場などの土地の
  使用料金などに関する費用です。一般的に地代家賃は高額になる傾向があるため、
  企業がコストダウンに取り組む際には真っ先に検討対象となる分野の一つといえます。
  しかし、逆の見方をすると、地代家賃のコストダウン施策を検討する際にモレがあると、
  重要なコストダウンを実現する機会を失うことになります。
  ここでは、地代家賃のコストダウンの具体策を紹介しますので、取り組みを行って
  いない企業はもちろんですが、既に取り組みを行っているという企業も今一度自社の
  取り組みを見直してみてください。

  ◎不動産物件の利用を見直す
   不動産物件の利用を見直す方向性は、
    ・不動産物件の利用を止める
    ・不動産物件の立地・規模を見直し、より安価な物件に借り替える(変える)

  という2つが基本的な方向性となります。
  その際のポイントは以下の通りです。

   ポイント1:自社の戦略を確認する
    不動産物件などは一旦賃借されると、見直しを行う機会はそれほど多くありません。
    一方、企業を取り巻く経営環境は常に変化を続けており、それにともなって
    自社の経営戦略も変化を続けています。
    そのため、賃借している不動産物件が現在の経営活動とマッチしていない場合が
    みられます。

    例えば、以前は主要法人顧客が多いなどの理由から不動産物件を賃借して営業所を
    開設したものの、現在ではそれらの顧客の多くとは取引が停止してしまったにも
    かかわらず、営業店舗は賃借したままであるなどといったケースです。
    不動産物件の利用を見直す際には、現在利用している不動産物件の立地や規模
    などに引きずられることなく、戦略的な観点からゼロベースで検討することが
    必要となります。

   ポイント2:不動産物件の適正規模を把握する
    オフィス物件などの不動産物件の賃借料は、物件の築年数・立地・設備など
    さまざまな要因によって異なりますが、一般的に規模が小さいほど安価な賃貸料
    で借りることのできる可能性が高くなります。
    このため、不動産物件の利用を見直し、コストダウンを実現する際には、上記の
    ような自社の戦略的視点から検討すると同時に不動産物件の規模を見直すことが
    必要です。

    例えば、人員配置の見直しにともなって従来より大幅に人員数が減少している
    にもかかわらず、以前と同じ不動産物件を利用している場合は過剰に規模の
    大きい不動産物件を賃借している可能性が高いでしょう。

    また、整理整頓が行き届いておらず、過剰に広いスペースを利用している
    ケースもみられます。

    不動産物件の適正規模を検討する際には、デスクなどのじゅう器・備品の
    オフィス内のレイアウトの見直しや在庫などの整理整頓などを行ってみると
    よいでしょう。
    もし、過剰に広い不動産物件を賃借している場合は、規模の小さな物件への
    借り換えや近隣店舗と統合するなどの対応ができる場合があります。

    なお、既存の不動産物件から小規模物件に借り換える際には、レンタルオフィスの
    利用も検討したいものです。
    利用に適した業種や事業所規模は限定されますが、価格が安いうえ、コピー・
    FAX・プリンターなどのハード面、電話対応などの秘書サービスなどのソフト面の
    サービスも充実しているところが多くなっています。
    金額は立地やサービス内容などによってさまざまですので、通常の不動産物件の
    賃借とどちらが有利かは一概に比較はできませんが、物件借り換え時の選択肢
    として考慮しておくことが必要でしょう。

  ◎地代家賃の交渉
   長期にわたって賃借している不動産物件の場合は、近年では賃借料相場が低下して
   いるにもかかわらず、慣例的にバブル経済期などの高い賃借料を支払い続けている
   場合があります。
   このような場合は、オーナーに賃借料の引き下げ交渉を行うことでコストダウンを
   実現することができます。

   ただし、引き下げ交渉に際しては「オーナーとの信頼関係を壊さないように交渉する」
   という点に留意しましょう。法人の場合は、個人と違って簡単に本社や事業所などを
   移転することはできません。
   このため、値下げ交渉が成功しても失敗しても双方の信頼関係を壊すことのない
   ように交渉を進める必要があるのです。

   最も悪い交渉例は、「自社の経営が厳しいから家賃を引き下げてください」など、
   自社の都合だけをオーナーに押し付けるようなアプローチです。
   これでは、「値下げしろ」「値下げしない」という感情的な水掛け論に陥り、
   結果として相互の信頼関係を壊してしまうだけです。

   相互の信頼関係を維持しながら値下げ交渉を行うためのポイントは
賃借料の引き下げ
   を交渉している理由を明確に説明すること
にあります。
   最も効果的な方法は、近隣の物件相場などの客観的な情報を基に交渉することです。
   一般的に、不動産物件などの賃借料は近隣の相場動向に影響を受ける傾向があります。

   このため、近隣の物件相場が自社の賃料より安いことが分かれば値下げ交渉を有利に
   進めることができます。
   例えば、「最近、この周辺に新しいオフィスビルが多く建設されています。
   このため、現在賃借しているような築10年を経過した物件の賃借料の相場は坪当たり
   ○○円に下がっています。

   それに比べてここの賃借料は△△円程度高いので、賃料の引き下げを検討して
   いただけないでしょうか」というような説明ができれば理想的です。
   このような理路整然とした交渉を行うためにも、近隣地域の不動産物件などの相場に
   関する動向には常に注意を払っておくことが必要です。

 2.会議費のコストダウン策
  会議費として計上される主な費用は、会議に関連して発生する会議室の使用料、資料
  作成費、茶菓・弁当代などです。 

  ◎「会議企画書」で会議の目的・内容をチェックする
   社内外の多くの人々がかかわっている企業活動において、会議は業務の方向性や
   進捗状況を確認したり、情報の共有化を図るなどさまざまな役割を果たす重要な
   活動の一つです。
   しかし、その一方で、業務上必要不可欠なものなのか疑問を感じざるを得ない
   会議が多いことも事実です。

   会議費のコストダウンを実現するために最初に取り組まなければならないのは、
   ムダな会議や打ち合わせをなくすことです。
   会議を行う場合には関連資料の作成、会場の手配などに携わる人たちの人件費が
   かかっています。

   また、会議の出席者が遠方から来る場合は旅費・交通費もかかっています。
   このため、ムダな会議や打ち合わせの削減は、会議費だけにとどまらず、さまざまな
   面からコストダウンの実現に効果があります。
   また、目的があいまいでムダな会議がみられるのと同様に、支出目的があいまいで
   ムダが潜みがちなものに会議にともなう飲食代があります。

   「昼休みを挟む会議にはとりあえず弁当を準備する」といったケースはよくみられる
   例でしょう。
   ムダな会議や、それにともなうムダなコストを削減するためには、最初に会議の
   目的や支出する費用などを明らかにすることです。

   そのためには、費用の支出をともなう会議や打ち合わせを対象に「会議企画書」を
   事前にコストダウン推進委員会に提出させることが有効です。
   「会議企画書」というと少し大げさですが、内容はそれほど複雑なものである
   必要はなく、おおむね以下の点を報告する形で十分です。

    <「会議企画書」の記載事項>
    ・会議の日時・場所
    ・会議の目的
    ・会議の出席者
    ・会議にともなう費用(旅費・交通費など会議費以外の費用を含む)

  ◎会議費削減のためのチェックポイント
   担当部署では、会議企画書にしたがって会議の妥当性を検討することになりますが、
   その際には特に以下のポイントに注意してチェックするとよいでしょう。

   ポイント1:ムダな会議を止める
    最初に行うことは、会議の目的をチェックして会議の必要性を検討することです。
    すなわち、ムダな会議の開催を中止するのです。
    この際に忘れてはならないのは、単にムダな会議を中止すべきか否かということを
    検討するだけでなく、よりコストのかからない代替手段を活用することができないか
    という視点から検討することです。
    例えば、会議の主要目的が情報の共有化を図るようなものであれば、通達などの
    書類や電子メール・電話などを使って関係者に情報を提供することで目的を達成
    できるでしょう。

   ポイント2:会議の参加者を検討する
    会議の出席者が適切かどうかを検討します。会議を行う際によく見られるのが
    「とりあえず出席してもらう」というケースです。
    例えば、「ほとんどの課長が参加しているから、会議の趣旨には直接関係ないが
    ○○課の課長にも参加してもらう」といったケースは珍しくありません。
    また、規模の小さな会社でも同様に「ついでだから全従業員を集めて会議を行う」
    といったケースは少なくないのではないでしょうか。

    このような傾向を防止するためには、会議の目的に照らし合わせて
     ・会議に出席して議論に参加してもらわなければならない人
     ・会議の検討・決定事項を知らせればよい人
    に分けて考える必要があります。

    前者が会議の出席者となり、後者については、会議終了後に会議の要旨や決定
    事項を文書で伝えればよいのです。
    また、「あの人を会議に参加させないと後でカドが立つ」といった場合には、
    事前に今回の会議の趣旨と会議終了後に会議の要旨や決定事項を報告する旨を
    伝えておけばよいでしょう。

    会議の出席者を絞り込むことは、コストダウンという以外にも重要な効果を上げる
    ことが期待できます。
    それは、会議の質の向上です。
    出席者の多い会議は、出席者に心理的なプレッシャーを与えるなどして議論を
    停滞させがちです。

    また、会議の趣旨を十分に理解していない人を出席させると、的外れな発言を
    するなど議論を不要に混乱させたり、時間がかかる原因となってしまいます。
    このような弊害を防止するためにも、会議への出席者については十分に吟味する
    必要があります。

   ポイント3:従業員の飲食費は自前とする
    社外の方を招いて会議や打ち合わせを行う場合には、お茶を出したり、昼食時
    には弁当を出すなど対外的に恥ずかしくない対応をする必要があります。
    このため、過剰な金額でない限りは飲食費の支出を承認する必要があるでしょう。
    しかし、従業員だけの会議の場合は異なります。

    自社がコストダウンに真剣に取り組んでいることを従業員は知っているわけ
    ですから、会議や打ち合わせに関連するあらゆるコストを徹底的に削減すべき
    です。
    このため、
昼食や飲み物は各自で用意してもらうなど飲食代の削減は不可欠です。

    金額的には、昼食とコーヒーなどの飲み物を社外から購入して準備すると、
    1人につき1セットでおおむね1500〜3000円はかかります。
    「この程度の金額だったら支出してもかまわないのでは・・・」と考える方がいるかも
    しれません。

    しかし、多くの従業員が集まる会議に際して、徹底してコストダウンに取り組む
    姿勢をみせることは、「会議費のコストダウンの実現」という実績もさること
    ながら、社内にコストダウンへ取り組みの重要性を改めて周知徹底するよい機会と
    なります。
    このため、「従業員に対する飲食費は、原則ゼロにする」といった強い姿勢で
    取り組むことが必要です。

 3.新聞図書費のコストダウン策
  新聞図書費は、文字通り企業で購入している新聞や雑誌などの書籍類にかかっている
  費用です。

  ◎新聞・雑誌などの購入を止める
   「企業経営に欠かすことのできない重要な情報源」として、数多くの新聞や経済関係
   の雑誌類などを定期購読している企業がみられます。
   しかし、実際には、限られた数種類の新聞や雑誌しか読まれていないといったケースは
   少なくありません。

   ですから、新聞図書費を削減するために最初に取り組むことは「現在、定期購読
   している新聞・雑誌は本当に読まれているのか」という点を知ることです。
   そして、全く読まれていない場合などは定期購読を止めることによってコスト削減を
   実現することができます。

   なお、読まれている新聞・雑誌の判断に迷う場合には、
社内へ告知せずに社内全員
   への閲覧をいったん停止してみる
ことが有効です。
   閲覧を停止した新聞・雑誌が従業員にとって重要な情報源として購読されている
   のであれば、閲覧を停止することによって「あの雑誌の今週号はまだ郵送されて
   いないの?」などの苦情や質問が寄せられるはずです。

   逆に、閲覧を停止していることに対して誰からも苦情・質問がないような新聞・
   雑誌であれば企業として定期購読する必要のないものといえます。
   経済関連の週刊誌であれば1年間の定期購読の場合、おおむね1誌で2万〜3万円
   程度の金額がかかります。
   また、新聞の場合は1カ月当たり 4000〜5000円程度の金額なので、購入数を1誌
   削減するごとにこれらの金額分のコストダウンすることができます。

  ◎購入部数を減らす
   同じ事業所内にもかかわらず、部課やフロア別などで同じ新聞・雑誌を複数定期
   購読しているケースがみられます。
   このような場合は、「1事業所に1冊」を目標に新聞・雑誌の定期購読部数を減らす
   工夫をしましょう。
   具体的には、新聞・雑誌の「閲覧コーナー」を事業所に1箇所設けて、1つの新聞・
   雑誌につき1部ずつ配置することが効果的です。

  ◎新聞の夕刊を止める
   少し細かい話になりますが、新聞の夕刊の定期購読をやめることでもコストダウンを
   実現することができます。
   新聞の朝刊や雑誌などは、朝早く出社して読む、あるいは昼休みに読むといった
   ことが一般的です。
   このため、夕方に配布される夕刊は当日中に読まれることはほとんどありません。

   そして、翌日になれば当日の朝刊があるため、前日の夕刊に目を通す人はほとんど
   いないでしょう。
   夕刊が不要であれば、定期購読を朝刊のみに変更することによって夕刊代を節約
   することができます。
   金額としては、おおむね1カ月1000円弱と大きな金額ではありませんが、見落とし
   がちなポイントなので注意する必要があるでしょう。

 4.諸会費のコストダウン策
  諸会費とは、業界団体、地元商工会議所、町内会などさまざまな団体などに対して支払う
  会費のことをいいます。

  ◎諸会費を見直す第一歩は「現状把握」
   販管費の中には、「長年の間、定例的に支払っている」という理由で、費用の
   支払目的や支払額などの見直しが行われることなく、ただ漫然と支出されがちな
   費用がいくつかみられます。
   諸会費はその典型的な例の一つです。

   また、会費が口座からの自動引き落としとなっていたり、会費請求が年1回だけ
   しかなかったりする場合が多いことも、諸会費の実態をつかみにくくしている
   要因となっています。

   このような特徴のある諸会費を見直す第一歩は、
「どの団体などに年間(月間)
   いくらの会費を支払っているか」
ということを明らかにすることです。
   まず、会費の領収書などを基に「団体名」「年会費」「入会している目的」などを
   一覧表にして現状を明らかにすることから取り組む必要があります。

  ◎諸会費見直しのポイント
   現状を把握した後は、作成した一覧表を基に、引き続き入会している必要があるのか
   どうかを検討します。
   検討する際には最初に入会している団体を
    ・事業に対して実質的なメリットがある(同業者団体など)
    ・事業に対して実質的なメリットが見込めない(親睦会的な団体など)
   に分類します。

   見直しの検討対象となるのは後者の事業に対して実質的なメリットの見込めない
   団体です。
   もちろん、事業に対して実質的なメリットのない団体であっても、町内会のように
   事実上退会することが困難な団体もあります。

   ただし、「事業に対して実質的なメリットのない団体だが、少額の会費だから
   取りあえず加入したままにしておこう」という姿勢ではいけません。
   団体に加入することによってかかる費用は会費だけではありません。

   例えば、団体主催による懇親会などへの出席費用や、会費とは別に寄付金や関連
   書籍の購入などを求められることもあります。
   諸会費のコストダウンに取り組む際にはこのような点も念頭に置きながら厳しく
   団体加入の要否を検討することが必要といえるでしょう。

販管費のコストダウン実現のための基本的な確認事項
 販管費のコストダウン実現のための基本的な確認事項

 【地代家賃のコストダウン】
  POINT1:不動産の利用を見直す
     ●自社の戦略に基づいた検討や利用している不動産の適正規模を把握して、
      不動産利用を「やめる」、あるいは立地や規模を見直して、より安価な
      物件の賃借へ「変える」ことができないか検討する。

  POINT2:地代家賃の交渉を行う
     ●引き続き賃借する必要のある不動産物件については、近隣物件の動向を
      把握したうえで、引き下げ余地はないか交渉する。

 【会議費のコストダウン】
  POINT1:ムダな会議を「止める」
     ●「会議企画書」から会議の目的を確認してムダな会議をやめる。
      その際には、書面による通知など「会議以外の代替手段で対応できないか」
      ということも忘れずに検討する。 

  POINT2:会議の出席者を検討する
     ●「会議における議論などに不可欠な人か」という視点から検討し、会議への
      出席者の妥当性を検討する。

  POINT3:従業員の飲食費は自費とする
     ●従業員に関する飲食費はすべて自費とする。

 【新聞図書費のコストダウン】
  POINT1:新聞・雑誌の購入をやめる
     ●情報源として役割の低いものや誰も読んでいないものは購入をやめる。

  POINT2:購入する新聞・雑誌は1事業所当たり1部とする
     ●閲覧コーナーを設置するなどして、購入する新聞・雑誌は1事業所当たり
      1部とする。

  POINT3:夕刊の購入をやめる
     ●一般的に夕刊は会社で読まれる機会は少ないので、新聞の購入は朝刊のみ
      とする。

 【諸会費のコストダウン】
  POINT1:事業に実質的なメリットのない団体などからは退会する
     ●事業に実質的なメリットがない親睦会的な団体などからは、退会する方向で
      検討を行う。

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コスト管理の手法

         

コスト管理の手法

  ■コストダウン
   コストダウンは企業経営における重要なテーマの一つといっても過言ではなく、
   実際、多くの企業が取り組んでいます。
   しかし、コストダウンには少なからぬ痛みがともなうため、いざ取り組もうという
   ときに「できるだけ、これまでの体制を維持したい」との弱気な発想をしてしまう
   ことがあります。
   ここで改めて考えたいのは、正しい考え方や手法で取り組まれたコストダウンは必ず
   生産性を高め、利益に結びつくということです。
   「何から着手してよいか分からない」と立ち止まっていては先に進みません。
   企業経営を取り巻く環境が厳しさを増している今だからこそ、正しいコストダウン
   に取り組むべきなのです。


  □コスト管理手法「ABC」
   現在、多くの企業がさまざまな取り組みによってコスト削減を進めています。
   企業が取り組んでいる主なコスト削減手法としては、
    →残業削減・パート化推進による人件費削減
    →コンピューター導入によるルーチンワークの省力化
    →100円ショップなどオフィス用品購入先の見直し
   などが挙げられますが、最近では、こうした従来型の手法によるコスト削減に
   行き詰まる企業がみられるようになりました。

   例えば、少数精鋭時代において個々の社員に求められる能力や知識は専門化・
   高度化しています。
   そのため、社員の就業形態を一律に管理して残業を削減することや、専門的な
   業務をパートに任せることが難しくなっています。 

   また、コンピューターの導入によって既に多くの業務が省力化されましたが、
   残されている業務は人の勘に頼る部分が大きく、自動化することが難しいのが
   実情です。 
   さらに、根本的な問題として「コスト構造そのものを見直さなければ大幅な
   コスト削減は達成できないのではないか?」との意識が企業に芽生え始めて
   きています。

   つまり、人件費、光熱費などのように項目ごとのコスト削減に取り組む前に、
    どのような活動に、どれだけのコストがかかっているのか
   を明確に把握したうえでコスト削減に取り組んでいこうという流れです。 
   こうした中で注目されるようになったのが
    「ABC(Activity-Based Costing=活動基準原価計算)」と
    呼ばれるコスト管理手法
   です。

   ABCの基本的な考え方は
    ざっくりとしたコスト管理ではなく、個々の業務内容を細かく把握し、
    それを遂行するために必要な人材、時間、コストを導き出すこと
   にあります。
   ABCを導入すれば、不透明だった業務単位のコストが数値として現れ、それを
   もとに効率的なコスト管理をすることができます。

   ABCは複雑な手法であるため、企業が単独で導入・実施することは難しく、
   専門のコンサルタントに相談するのが通常です。
   また、ABC導入の効果は即座に確認できるものではなく、場合によっては制度の
   見直し(業務区分の見直しなど)が必要になることもあります。

   このような理由から、「ABCに関心はあるが、実際の導入は見送っている」という
   企業が少なくありません。 
   しかし、個々の活動ごとのコストを知ったうえでコスト削減を進めることは
   非常に重要です。

   また、本格的なABCを導入しなくても、ABCの基本からコスト管理の考え方を
   学び、それを日ごろのコスト管理に応用していくことは可能です。 
   ここでは、ABCの基本的な考え方について紹介していきます。
   細かな一つ一つの活動に注目するABCには、企業がコスト削減を進めるうえでの
   ヒントが隠されているはずです。

  □「ABC」の基本的な考え方

   1.ABCの基本となる概念 
    ここでは、ABCの中で登場する基本的な用語を確認しておきましょう。
    なお、以下で紹介する用語の名称は一般的なものであり、別の表現がされる
    こともあります。

    ◎アクティビティ 
     企業で行われる業務の区分です。
     通常は、電話受け付け業務という大きな分類でコストを管理しますが、
     ABCでは電話待ち、電話応対、受注表作成などのようにさらに細かく
     分類します。

    ◎アクティビティ単価 
     個々の各アクティビティにアクティビティ単価を設定します。
     アクティビティ単価は、次に紹介するリソースとリソースドライバー
     によって求められるもので、
      受注表作成のアクティビティ単価は3000円
     といったように表されます。

    ◎アクティビティドライバー 
     アクティビティの発生回数などを表す単位です。
     具体的には、
      年に受注表を何枚作成したかと
     いうことです。
     アクティビティドライバーが多いほどコストは高くなります。

    ◎リソース(リソース単価) 
     アクティビティを遂行するために投入された企業資源です。
     具体的には、人件費、通信費などとなります。 
     また、各リソースについて「リソース単価」を求めます。
     具体的には、
      ・1分当たりの人件費
      ・1分当たりの通信費
     などとなります。
     人件費をリソース単価に変換する場合の1つの方法は、賃金、賞与、
     福利厚生などを年間の実労働時間で除すことです。
     こうすることで「1分当たり100円」などのリソース単価が導かれます。

    ◎リソースドライバー 
     リソースドライバーとは、
      アクティビティを1回遂行するために投入される、標準的なリソース
      の消費量を示す単位
     です。
     少し分かりにくい表現ですが、例えば
      受注表作成には30分かかる
     といったように算出されます。 

     リソースドライバーとリソース単価を乗じることでアクティビティ単価
     が求められます。
     これまで紹介した内容を基に1枚の受注表を作成する際のアクティビティ
     単価を求めると3000円になります(100円×30分)。

   2.ABCコストの算出とそこからの発見 
    先のリソースドライバーなどからABCコストを算出します。
    ABCコストはABCの基本となります。
    基本的な算出式は次の通りです。

     ・アクティビティ単価 = リソース単価 × リソースドライバー
     ・ABCコスト = アクティビティ単価 × アクティビティドライバー

    ABC単価からは、「業務を遂行するために必要な企業資源」「そこに発生
    するコスト」を知ることができます。

    業務当たりのコストを体系的かつ詳細に把握することができるため、
     どこに、どんな無駄があるのかが一目瞭然
    になります。 
    また、ABCコストを算出するためにリソース、リソースドライバーを調査
    します。

    ここにスポットを当てることで、コスト管理の方向性がより具体的になります。
    例えば、受注表作成に要するコストを削減したい場合、
     作業時間(リソースドライバー)をこれ以上短くすることはできな
     いので、人件費(リソース単価)を削減する
    といった方向性が確認されます。 

    実際にABCを導入する際は、 ABCコストはアクティビティ別、取引先別に
    算出するため、全体のバランスを取りながらコストを割り振っていくことも
    できます。
    例えば、
     「A社とB社はほぼ同規模の取引先なのに、A社に対するABCコスト
     がB社の2倍になっている。A社に関わるコストを見直さなければな
     らない」
    といった具合です。 

  □「ABC」の導入をめぐる問題点

   1. ABCの導入時のポイント 
    ABCを導入すれば、ABCコストという明確な数値を用いてコストを管理する
    ことができます。
    しかし、ABCは複雑な手法であるため、導入に失敗する企業も少なく
    ありません。 

    ABCの導入に失敗する企業に共通している点は
     ・導入の目的が曖昧である
     ・アクティビティを細かく分類しすぎている
     ・プロジェクトチームが編成されていない
     ・必要以上に時間をかけている
    などです。 

    ABCの対象となる範囲は無限に広がります。
    これまでの説明は電話業務を例にとったものですが、実際の企業活動は営業、
    販売、製造、販売など広範です。
    これらすべてを対象に、脱「どんぶり勘定」を目指すという漠然とした動機で
    ABCを導入しようとすると途中で挫折してしまうことがあります。
 
    従って、ABCの導入は導入目的を明確にしたうえで、目標達成のために必要な分
    野から着手することが大切です。
    例えば、「A社とB社はほぼ同規模の取引先なのに、A社に対するABCコスト
    がB社の2倍になっている状況の解決する」などの目標を掲げます。

    こうすることで、A社、B社との取り引きに必要な業務(アクティビティ)に
    絞ってABCを導入することができます。
    また、専属のプロジェクトチーム(メンバーはリーダー、分析担当者など)
    を編成し、短期に力強く推進していくことも重要です。
    プロジェクトチームは総務部、経理部、人事部、システム部などから人選
    します。

    ABC導入のコンサルティング会社によると業種や企業規模で異なるものの、
    最低でも3人のメンバーが必要としています。

   2.ABCから学ぶこと 
    ABCの導入は、プロジェクトチームの編成にはじまり、
     ・アクティビティの確定
     ・リソースドライバーとアクティビティドライバーの算出
     ・リソース単価の算出
     ・アクティビティ単価の算出
    と段階的に行われます。

    リソースドライバーの算出など各段階で専門的なノウハウも要求されるため、
    専門家のアドバイスを受けなければ成功は難しいかもしれません。
    しかし、ABCを複雑な制度と考え、導入をあきらめてしまうのは残念な
    ことです。

    アクティビティを何百種類にも分類した本格的なABCでなくとも、
    ABCの基本的な考え方から学べる点が多くあります。 
    ABCは、細かな業務単位ごとに必要なコストを算出し、それを管理するための
    手法です。

    企業がコスト削減を考えるとき、その前提条件は、
     ・どんな業務に、どの程度のコストがかかっているのか
     ・そのコストは適正であるか
    を明らかにすることで、ABCの原点はまさにそこにあります。 
    例えば、数社と取引のある企業の場合、売上高を優良顧客の指標としがち
    です。

    しかし、売り上げとコストの関係を調べてみると、必ずしも売上高の大小
    だけでは優良顧客の判断ができないことが分かります。
    こうしたことを明らかにするための手法がABCなのですが、何も複雑な制度
    を導入する必要はありません。

    各取引先ごとに発生している業務内容、担当している社員数、取引条件など
    基本的な事項を確認すれば意外な事実が明らかになるかもしれません。 
    80年代に米国で誕生したABCは、製造業や物流業に適したコスト管理手法と
    されてきました。

    しかし現在、金融業、小売業など幅広い業種でABCが導入されています。
    これは、「コスト削減に取り組みたいが、どこから着手してよいのか分からない」
    といった企業にとってABCが1つのヒントとなっているからではないでしょうか。

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段取り八分の仕事二分

         

段取り力は仕事力


  すべての仕事には目的があります。

  そして確実に、かつ短時間でその目的を達成するためには、実際の業務に取りかかる
  前に適切な段取りが不可欠です。

  しかし、社員のなかには段取りが苦手でいつも途中で業務手順の変更をせざるを得なく
  してしまう人や、まったくの段取りなしに動き出し、すぐに途方にくれてしまう人もいる
  のを見聞きします。

  段取りが上手な人は仕事が速いうえに、質も高いのが通常です。

  逆に段取りが苦手な人はそのいずれにも問題があるという結果になってしまいがちです。

  □段取り8分の仕事2分 

   仕事の事前準備の大切さを表す格言として、「段取り8分(ぶ)、仕事2分」があります。

   事前にきちんとした段取りさえしておけば、仕事の8割方は完了したということです。

   仕事に取りかかる前に、具体的に仕事を進める手順をきっちりと決めておけば、それ
   だけ仕事の質とスピードは上がります。

   もちろん実際に仕事に取りかかると予想外のことがたくさん起こります。

   途中で段取りを見直す必要もあるでしょうが、何の段取りもなしに仕事に取りかかるのは
   余りに非効率です。

   たとえば、家を建てるときは必ず設計図を書きます。

   そして必要な資材を準備し、工程表も作成したうえで、実際に家を建てる仕事に取り
   かかります。

   段取りを十分に行わずに仕事に着手することは、設計図なしで家を建てることと同じで、
   ありえないことです。

   段取りに使う時間は決して無駄、余分といったことではなく、その後の仕事をスムーズ
   に進めるための大切な準備プロセスなのです。

   段取りは「教える」のではなく「考えさせる」ことです。

   まずは部下に自分なりの段取りを考えさせる訓練が必要です。

   ロープレなどを通して、段取りの仕方そのものを身につけさせるのです。

   訓練を続けることで部下は段取りの大切さを実感します。

   また、営業マンとして「独り立ち」するためには、段取り力の習得が不可欠という認識を
   もたせることです。

   さらに自分自身で段取りするということは、与えられた仕事を自らが主体性をもって遂行
   することでもあります

   若手社員に対してはできるだけ早い時期から正しい段取りができるように訓練すること
   で、業務設計力だけではなく、自立心も高めることができます。

  □段取りの基本

   1.目的の明確化

     段取りの基本は自分がこれからやろうとしている仕事の目的をはっきりさせること
     です。

     目的が違えば必要な段取りはまったく異なるからです。

     たとえば、若手社員のA君とB君が自社の新製品を売り出すための販促企画書の
     作成を命じられたとしましょう。

     販促企画書作成の本来の目的は、「自社の新商品(製品)を売り出す」ことにあり
     ます。

     上司はそのための手段のひとつとして販促企画書作成を命じたに過ぎません。

     しかし、A君は目的そのものを「販促企画書を仕上げる」と捉え、B君は上司の意
     図通り「販売促進という目的達成のための手段として企画書を作成する」と捉えま
     した。

     この場合、A君の関心は「上司から指示された仕様通りに作成すること」のみなの
     に対して、B君はその販促企画書を使って、誰をどう説得するかという点にまで踏
     み込んで考えます。

     上司から指示された以外のデータを使うアイデアを思いつくこともあるでしょう。

     できあがってくる企画書の価値は自ずと違うはずです。

     社員には、自分が行っている仕事の本来の目的についてつねに考えさせることが
     大切です。

   2.2つの目標

     目標には大きく2つの目標があります。

     「行動目標」と「状況目標」です。

     本来的な目的である「状況目標」を達成するために、当面目指すべき成果が「行
     動目標」になります。

     前述の例でいえば、販促企画書作成が「行動目標」です。

     これは、「状況目標」のために、何をすべきか、具体的な行動で目標を立てること
     を言います。

     行動目標とはその名前のとおり、販促企画書をとにかく仕上げるという「行動」そ
     のものについての目標です。

     一方「状況目標」とは、行動目標が達成された結果、どのような状態になっている
     べきかという目標です。

     たとえば、販促企画書作成の状況目標としては、「上司の承認を得ている」、
     「企画会議で承認されて、具体的な行動に移る準備ができている」、「プロジェクト
     メンバー全員に情報が共有され、同意を得ている」といったことが考えられます。

     状況目標の達成は行動目標の達成よりも優先されます。

     膨大な販促企画書を書き上げて、行動目標を達成したとしても、それによって状況
     が進展しないのであれば、まったく意味がありません。

     状況目標は最終的なゴールで、そこへ向かっていくための具体的な目標が行動目
     標といえます。

     言い方を変えれば、行動目標は、状況目標を達成するための「やるべき事項リス
     ト」ということになります。

     段取りが苦手な人は「行動目標」と「状況目標」を混同してしまいます。

     2つの目標の違いを明確に認識させましょう。

   3.既存のノウハウを活用

     適切な段取りのためには、過去のノウハウを活用することです。

     「やるべき事項リスト(To Doリスト)」である行動目標をもう一度確認すると、そ
     の社員がゼロから始めなくてはならない仕事はほとんどないことが普通です。

     前述の例をとれば、販促企画書の作成にしろ、小売店への説明会にしろ、過去に
     誰かが同様のことを行っているはずです。

     先輩や同僚社員に声をかければ、過去に似たような業務をした人がいることも多
     いでしょう。

     これを利用しない手はありません。

     たとえ直接的に再利用できる資料がなくても、過去の経験から効率的に業務を行
     う方法についてアドバイスを受けられるかもしれません。

     あらかじめベテラン社員のノウハウをマニュアル化しておくことで、効率はさらに高
     まります。

     そして、どうしてもその社員自身がやらなければならない行動目標を並べて、「自
     分でやるべき事項リスト」を作成します。

     次にそれをどのような手順で、いつまでに行うかというスケジューリングを行って、
     段取りは完了します。

  □段取り力のレベルアップ

   1.標準化によるステップアップ

     段取りが習慣化していくと、「これまでよりもさらに短時間で効率的に成果にたどり
     着けないか」という意識が生まれてきます。

     たとえば、営業マンは、今営業をかけているAという顧客だけに目が行きがちです。

     適切な段取りを行って営業に成功したとしても、状況のまったく違う次のBという顧
     客に対しては、またゼロから段取りを考えなければなりません。

     これではいつまでたっても営業活動は効率的になりません。

     ではどうすればよいかというと、営業活動を標準化させ、凡人営業マンであっても
     優秀な家業マンと同程度の品質にすることで、「誰にでも売れるスタイル」に変えて
     いく、つまり仕組みを使った営業に変えていくのです。

     そして、仕組みをつくるとは、仕事をできるだけマニュアル(標準)化することで
     す。

     その際にはプロセス化とパターン化という考え方が重要になります

   2.集客から新規顧客獲得までのプロセスを標準(パターン)化
     営業活動を「集客(見込み客の開拓)」、「見込み客のニーズ把握」、「見込み客の
     信頼獲得」、「具体的提案」、「受注」といった具合なプロセスに分けて考えること
     です。

     そして、それぞれのプロセスを通過するために必要な条件を設定します。

     たとえば、どういう状態になったら見込み客の信頼を獲得したといえるのかについ
     てのチェック表を作成します。

     このチェック表が埋まれば具体的提案に進んでよいというわけです。

     次にパターン化ですが、これは顧客のタイプごとにいくつかの営業活動パターンを
     用意することです。

     たとえば、先方企業の社内手続きがネックになって、なかなか話が進まないとい

     うことがあり、先方が社内稟議を通しやすいような資料を作成して乗り切ったとし

     ます。

     おそらくこのようなパターンは今後もあるはずです。

     パターンごとにどうやって成功したかをきちんと記録し整理すること、つまり自分の
     活動記録を「データべ−ス化」していくことによって今後同様のパターンが発生した
     場合には即座に応用が利くことになるわけです。

     なお、ここでは営業活動を例にしましたが、会議などすべての仕事にはプロセスと
     パターンがあります。

     この考え方を用いれば仕事の効率は確実にアップします。

   3.自分にとっての段取りの「要(かなめ)」に力点を置く

     段取りにおいては目的達成までのプロセスのなかでもっとも難しそうな業務、
     つまり成果実現のための「要」を見極めることも大切です。

     これは一般論ではなく、現時点での自分自身の能力に当てはめて考えます。

     たとえば、「営業でもっとも重要なのはクロージングである」とよくいわれます。

     一般論としてはこれが「要」です。

     しかし、実際には、「第一印象をよくすることが苦手だが、いったん信頼してもらえ
     れば後はスムーズに進む」という営業マンもいるはずです。

     この営業マンにとっての「要」は「第一印象をよくすること」ということになりま
     す。

     このように自分自身の能力も考慮しながら「要」を設定することによって、もっとも
     力を入れるべきポイントがみえてきます。

     この点については、長期的な取り組み(改革)と短期的な取り組み(改善)に分けて
     考えます。

     「第一印象がよくない」営業マンであれば、本質的には話し方や態度などの改善で
     本当に印象をよくすることが「要」ですが、目の前の成果を出すためには、第一印
     象がよくないことを承知のうえで、「とにかくたくさんの飛び込み営業をする」と
     いう確率論の力を借りることも重要な「要」となります。

     また、クロージングが苦手な場合も、その能力を高めることが本当の「要」ですが、
     短期的には「クロージングは上司に任せる」と割り切れば、いかに多くの見込み客
     をよい状態で上司に引き継ぐかなどが当面の「要」ということになります。

     本来であれば自分の弱点を本質的に改善していくほうが好ましいですが、短期的
     な成果創出のためには、弱点を踏まえたうえでの段取りが必要な場合もあります。

     この状況の見極め自体も段取り力のひとつといえるのです。

   4.中堅、ベテラン社員の段取りをマニュアル化

     ベテラン社員は過去の経験の蓄積から、ほとんどの仕事について自分の頭のな
     かで段取りしています。

     そのなかにはベテラン社員本人は「当たり前」と感じていても、若手社員からみれ
     ば「すごい」と思えるノウハウが隠されていることがあります。

     このノウハウをマニュアル化して、積極的に共有していきます。

     ベテラン社員が実践しているステップとパターンを「見える化」するのです。

     マニュアル化は若手社員のためだけではなく、ベテラン社員が自分自身の仕事の
     仕方を振り返って改善するきっかけにもなります。

     ベテラン社員が長年の経験のなかで培ってきた「勘」などの文字化しにくい部分で
     ある暗黙知についても、具体的に記載(形式知化)することが大切です。

     マニュアルに盛り込むべき事項としては、

      ・業務全体の目的・概要

      ・目的達成までの基本ステップ

      ・各ステップの概要(行動目標・状態目標のチェックポイント)

      ・想定される問題と解決方法

      ・成功事例、失敗事例の要因分析

     があげられます。

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時間管理は業務管理の基本

        

時間管理(タイムマネジメント)は業務改善の基本

  ■時間管理

   時間管理の大切さは新入社員のときからいわれることですが、新入社員など社会人
   経験の少ない頃には、時間管理の本当の大切さ、難しさを実感できる機会は意外と
   少ないものです。

   上司や周囲の人は、社会人経験の少ない人でも、就業時間内に無理なくこなせる
   ように、業務量を少なくして、比較的簡単で定形的な業務を中心に担当させるなど
   配慮しているところが多いでしょう。

   また、社会人経験の少ない人の時間管理には、多くの上司が常にきめ細かに指示して
   います。

   そのため、自分自身が時間管理に注意を払わなくても、問題が発生することはほとんど
   ありません。

   しかし、中堅社員になると、こうした状況は徐々に変わってきます。

   担当業務は自分で考えなければならないものが増え、次第に難易度が高まると同時に
   業務量も増加します。

   また、突発的な仕事も多くなってきます。

   上司も、「一人前なのだから」と、時間管理を本人に任せるようになってきます。

   そのため、中堅社員になるに従って、時間管理
   ができる人、できない人の差がはっきりし時間管理.jpgてくる
   ようになります。

   時間管理が苦手な人の中には、書籍やセミナ
   ーなどで、時間管理に関するさまざまな考え方
   や手法を学び、実践している人もいるかもしれ
   ません。

   しかし、時間管理が苦手な人は、実はそうした
   手法以前の部分に問題があることも少なくない
   ようです。 

   会社にとって時間管理の徹底業務改善の基本となります。

  □時間管理を上手に行う基本的なポイント

   1.業務時間を正しく算出する

     時間管理を上手に行うための第一歩は、業務時間を、ある程度正確に算出する
     ことができるようになることです。

     算出時間と実際の業務時間がかい離しがちな人で多いのは、「自分の能力」を
     把握できていないケースです。

     「ゴール」と「具体的なプロセス」は業務の依頼者や上司など周囲の人に確認する
     ことができますが、「自分の能力」に関しては、周囲の人はなかなか正直に話して
     くれないものです。

     また、自分で把握しようとしても、自分自身のことですから、客観的な評価が難し
     い面があるようです。

     自分の能力は、厳しく評価することが基本です。

     仮に過大評価してしまうと、実際の業務時間が算出時間を大幅にオーバーしてし
     まうことになります。

     すると、当該業務に遅れが生じることはもちろんですが、その遅れは玉突き的にほ
     かの業務の予定も狂わせてしまいます。

     こうした“ムリ”を防ぐためにも、自分の能力である使い方を厳しく評価することが
     大切になるのです。

     算出時間と実際の業務時間がかい離しがちな人は、作業後に双方の時間の差と
     その原因を把握し、次回の改善に生かすということを繰り返して、算出時間の精度
     を高める必要があります。

   2.「自分の期限」を決める

     業務の期限は、日時が明確に決まっているもの、
     「今週中」といった、おおよその時間管理3.jpg期限のみ決まって
     いるものなど、各業務によって異なります。

     しかし、どのような期限のある業務であれ、自分で  
     「自分の期限」を決めなければなりません。

     例えば、業務の依頼者が「今月の20日まで」という
     期限を指定してきたとしても、それは相手が自分
     の都合などに基づいて決めた「相手の期限」です。

     この相手の期限を、漠然と自分の期限としている
     ようでは時間管理はできません。

     自分の時間管理を行うためには、他の業務との兼  
     ね合い、その業務を遂行するために確保できる時
     間やその日時、予備日などを勘案して、「17日の
     15時までに完了させる」といったように、自分の期
     限を決めなければなりません。

     また、できるだけ決めた期限は上司に伝えるようにしましょう。

     そうすることで期限を厳守しようという意識も強くなりますし、仮に時間に余裕があ
     っても、その業務を後回しにしたり、だらだらと時間を費やすことがなくなり、有効
     に時間を使うことができるようになります。

   3.時間と業務を工夫する

     業務には、短時間でこなせるものや、ある程度時間をかけなければできないもの
     があります。

     一方、日々のスケジュールは、顧客とのアポイント、社内会議など、時間の調整が
     難しいものもあって、まとまった時間を確保できないというのが実情でしょう。

     そこで大切になるのが、時間と業務を工夫して「確保できる時間と遂行する業務を
     フィットさせる」ことです。

     例えば、15分間の「細切れ時間」に企画書の内容を検討しても、アイデアを出す時
     間すらないでしょう。

     そして、次に業務に取りかかるときには、また、最初からスタートしなければなりま
     せん。

     それでは大切な15分間をムダにしたも同然です。

     この場合、15分間で完結する業務、またはキリのよいところまで進められる業務
     を行うことが原則です。

     また、長時間を要する業務は、1つの業務を区切りのよい単位に分解して、時間を
     確保しやすくすることも大切です。

     例えば、8時間かかる企画書の作成業務を「企画案の検討」(4時間)と「企画書の
     作成」(4時間)に分解すれば、8時間確保できなくても、4時間を2日確保できれば、
     この業務を完了することができます。

     時間管理を上手に行うためには、こうした時間と
     業務の工夫ができなければなり時間管理2.jpgません。 

  時間管理にはさまざまな方法があり、どの方法が適し
  ているかは人によって異なります。

  そのため、将来的には自分に合った時間管理の方法
  を身につける必要があります。

  時間管理がうまくいかないと感じている人は、まずはこ
  こで紹介した点を実践することからはじめることをお薦
  めします。 

  時間管理によるコストダウン 

   時間管理は業務改善の基本となり、時間管理の徹底
   は、残業代の削減と同時に生産性の向上をもたらす、
   企業にとって効果的なコストダウンといえるでしょう。

 

 

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コストダウンを考える

           

コストダウンを考える


  ■コストダウンとは

   企業の業績が下がると、利益を上げる即効薬として「コストを下げろ、コストを削減
   しろ」の大合唱が起こるものです。

   しかし、かけ声だけのコストダウン活動では、大きな成果を期待することはできま
   せん。

   コストダウン活動に取り組むためには、より組織的に、より科学的にねばり強い活
   動を展開していかなければなりません。

    1.コストダウンとは何か 

      企業は利益を上げなければ存続していくことができません。

      利益は「売上−コスト」で計算され、利益を確保しようと企業は売上拡大に奔
      走します。

      しかし、売上があまり上がりそうにないならば、残された道は経費削減(コス
      トダウン)に取り組む以外にはありません。

      このように、コストダウンとは、全社的な総費用(トータルコスト)をターゲット
      にしてその低減を図り、利益を上げることを意味します。

      売上拡大のための方策と同様に、自社の主要課題としてコストダウンに取り
      組む必要があるのです。

    2.コストダウンを行う意義

      今日企業がコストダウン活動を進める意義として、環境変化に適応し競合他
      社との競争優位を確保するという戦略的な観点から、次の3つをあげること
      ができます。

      (1)顧客の価格引き下げ要求への対応

        顧客の価格引き下げ要求に応えつつ、一定の利益を確保し続けるため
        には、継続的なコストダウン活動が必要になる。

      (2)事業分野の整理・統合と重点商品へのシフト化

        目まぐるしく変化する顧客ニーズに対応するためには、不採算製品(分
        野)を整理・統合し、売れる分野や製品に重点を移し、最適な経営資源の
        配分を行う必要があります。

        そこで、不採算分野において再度コストダウン活動を実施し、利益が上が
        らない原因を追及することで、整理・統合に関する意思決定の材料としま
        す。

        逆に、コストダウン活動の展開により、不採算部門に再生の可能性が生
        まれることもあります。

      (3)競合他社に対する差別化商品・サービスの創出

        今日の企業間競争では、たんに価格による差別化を進める戦略には限
        界があります。

        そこで、競合他社と比べて優位な機能をもたせ、それに付随したサービス
        を新たに創出する必要があります。

        そのためには、「コストをかける部分」と「コストダウンを図る部分」とを明
        確にし、各製品に対するコストのかけ方を変えていくことが必要になる。

      このように最近の経営環境を考えると、コストダウン活動を従来にも増して強
      力に進めることが求められています。

    3.コストダウンの成果が上がらない理由

      コストダウン活動に取り組んでいるものの、なかなか成果が上がらないケー
      スも多いものです。

      この理由として次のようなことが考えられます。

       ・経営トップ、部門責任者の理解不足

       ・コストに対する認識の甘さと管理手法の欠如

       ・コストダウン技術の不足

       ・コストダウン技術を適用する範囲とタイミングのミスマッチ

       ・無計画で場当たり的な展開

       ・各部門間の協力体制の不備

       ・責任者の不在と目標設定のあいまいさ

       ・継続的な活動への意欲不足

      これらの問題点を最小限に抑え、コストダウンの成果を確実に出していくた
      めには、コストダウンに対する適切な考え方をもったうえで計画的に進め、つ
      ねに結果をチェックし、それを次のコストダウンにつなげていく必要がある。

  □正しいコストダウンを実現するためには

    ・コストダウン計画をゼロベースから策定し、

    ・その際は、各部門の実情に合わせてコストダウンの対象を決定し、

    ・さらには、各部門におけるコストダウンの負荷の均一化を図る

   ことが基本となります。

   しかしこれだけでは十分ではなく、
    ・全社的なマネジメント体制を整備する一方で、
    ・部門にまたがるコストダウン計画の策定、管理を行い、
    ・コストダウンの実施により偶発的に生じるトラブルなどには適切に対応する
   などが求められます。

   さらに、中長期にわたるマネジメントも欠かすことはできません。

   コストダウンの成果を1年間といった短期間で求めると、無謀なコストダウンをしが
   ちです。

   短期間のコストダウンであっても(短期間のコストダウンだからこそ)成果が上が
   れば、その期の損益計算書には反映されます。

   しかし、次年度にコストアップを招いてしまっては意味がありません。

   成果の反動が生ずるような無謀なコストダウンを防止する意味でも、中長期にわ 
   たるマネジメントが必要です。

  □コストダウンの考え方

   1.コストの考え方

     コストダウンについて考える前に、まずはコストの考え方について確認する必
     要があります。

      コストとは、ある目的を達成する(成果を得る)ために消費された価値、つま
      り、必要になった財貨および用役を貨幣の単位で計算したものである

     と定義できます。

     普段我々は、コストは「かかってしまうもの」と思いがちです。

     しかし、この考え方から、成果を得るためには「いかに最適なコストをかける
     か」という発想に切り替えることが大切です。

     つまり、コストに関する基本的な考え方として
      「コストはかかるもの」ではなく、「コストはかけるもの」
     という視点が必要です。

     そして、「どのような方法、どのようなシステム」を採用するかでコストの大き
     さが異なってきます。

     このようにコストを科学的に分析し、どうしたらもっとも経済的になるかを明確
     にしていくことが、コストダウンを考えるうえで大切なポイントとなります。

     以上のような観点から、コストコントロールとコストリダクションという2つのアプ
     ローチ方法があげられます。

   2.コストコントロール(原価維持活動)

     コストコントロールとは、業務の現実コストに対し、

      ・材料に無駄はないか

      ・人員に無駄はないか

      ・設備に無駄はないか

      ・エネルギーに無駄はないか

     などのコスト統制での無駄の排除によって、コストを低減していくことです。

     コストコントロールでは、従業員に与えられた仕事が計画どおりに遂行できる
     かどうかが問題になります。

     たとえば、

      ・計画(標準)が立てられているか、その計画は適当か

      ・計画(標準)は知らされているか、その知らせ方は適当か

      ・実績は計算されているか、その計算方法は適当か

      ・標準と実績の差を把握しているか、その差のつかみ方は適当か

      ・差を埋める行動はとられているか、その行動は適当か

     といったことが具体的な活動になります。

     計画どおりに仕事が進まないと、計画した標準コストと実質(現実)のコストと
     の間に差が生じます。

     そこで、いくらで作れると計画した標準コストと実質コストとの差、つまり実質ロ
     スをなくすことがコストコントロールの目標になります。

     そして、その差を埋めるためにコストダウン活動を実行することになるのです。

   3.コストリダクション(原価低減活動)

     コストリダクションとは、いわゆる標準コストを引き下げることを意味します。

     現在の標準または予算として決められているコストの大きさは、現在実施して
     いる方法やシステムによって確定されたものです。

     したがって、より経済的な方法やシステムに改善することができれば、現在用
     いられている標準や予算そのものを引き下げることが可能です。

     この活動では、現在の製造方法や販売方法、あるいは管理方法などを変えて
     もよいから、より安価にかつ迅速にできる方法やシステムがないかといった視
     点で考えます。

     つまり、現在もし、最善の方法・システムをとっていないがために、標準コスト
     が高く設定されていたり、機会ロスが生じているのであれば、これを削減する
     活動です。

     この改善のポイントは、現在の標準コストよりさらに低い目標コストを設定する
     ことからはじまります。

   4.コストダウンの考え方(コストコントロールとコストリダクション

     コストダウンを考えるときには、

      実質ロスをなくすためのコストコントロールと、機会ロスを
      排除しようとするコストリダクションとを完全に分けて検討する

     必要があります。

     コストコントロールは、標準(コスト)を正しく決め、標準を守らせ、守られている
     ことを確認する管理のことです。

     一方コストリダクションは、現在の標準コストを決めている要素・要因を見直し
     て、その製品の機能は何であるかを明確にし、その機能を果たすために投入
     している資源を組み替えたり、簡素化したりして改善活動を行っていく管理の
     ことです。 

     このように前者の「標準を守らせるための管理」と後者の「標準を変えるため
     の管理」は、まったく違った管理技術となります。

     したがって、これらを峻別して実施しなければ的確なコストダウンを実現するこ
     とはできません。

     また、2つのコストダウン活動が実施される部門も異なります。

     コストコントロールは、製造部門などの現場(ライン)を中心に実施され、あらか
     じめ設定された標準コストを維持するために、日々の生産活動などを行う。

     これらの活動を通じ、実質コストが標準コストと一致しはじめると、コストリダク
     ションにおいて、標準コストそのものを引き下げる活動を実施することになる。

     コストリダクションは、設計や企画部門(スタッフ)で実施され、目標コストの設
     定からはじまります。

     これらの部門では、標準コストをこの目標コストに近づけるため、製品や工程
     の再設計や新しい方法を生み出すことになります。

     コストダウン活動の基本的な考え方は、

      「コストコントロール → コストリダクション → コストコントロール → コスト
      リダクション」

     という形で、それぞれが適切な部門・タイミングで実行され、

      「実質ロス削減 → 機会ロス排除 → 実質ロス削減 → 機会ロス排除」
     が交互に繰り返されて、大幅なコスト ダウンが図られていくというものです。

  □コストダウンの進め方

   1.コストの体系
     具体的にコストダウンを進めるときに、コスト要素についても理解する必要が
         あります。

     コストを分解すると、

      ・製品を作るという目的を達成するために消費した価値を製造コスト

      ・それを販売する目的で使った価値をマーケテイングコスト(販売コスト)

      ・それを販売し商品を流通させるために消費した価値を物流コスト

      ・さらにこれら製造・販売・物流を効率よく行うために消費した価値を
       管理コスト

     とすることができます。

     さらにコストを費目別に分類すると次のようになります。

     また、これらのコスト以外にも、

      ・機会コスト:取引チャンスを逃すことなどにより発生するコスト

      ・時間コスト:時間をかけすぎてしまうことにより発生するコスト

      ・クレームコスト:顧客からのクレーム対応により発生するコスト

     といった顕在化しにくい目に見えないコストについても、場合によっては認識す
     る必要があります。

   2.コストダウンの手順

     コストダウン活動は、どのような手順で実施していけばよいのでしょうか。

     一般的には次のような手順により、コストダウンの目標を立て、必要部門・担
     当者が責任をもって実行していくことになります。

      <STEP 1>:製品別・部門別・費目別のコスト構成をつかむ

       コスト構成を明らかにすることで、どのようなコストがかかっているかを
       把握します。
       また、これによりコスト意識を担当者に自覚てもらうこともできます。

      <STEP 2>:コスト構成からコスト削減のターゲットを絞る 

       どのコストに削減のターゲットを絞ればよいか検討します。
       このとき、コスト項目のなかの金額の高いもの、コストが最近上昇して
       いるものなどを重点管理項目とします。

      <STEP 3>:コスト要因を分析する

       重点管理コストに対して、コスト発生の要因を分析します。 
       また、どのコストが低減可能で、コストダウンに効果的なのか考えます。

      <STEP 4>:2つのコストダウンの手法でアプローチする

       分析したコスト要因について、「□コストダウンの考え方」で述べた
       コストコントロールとコストリダクションの2つの手法で、どのように
       アプローチしたらよいのかを検討します。

      <STEP 5>:コストダウンの目標を設定する

       アプローチ方法を確定したら、具体的なコストダウンの目標を設定し、
       担当者に割り振り、いつまでに、どのように、どれだけコストダウンを
       図るのかを明示します。

   3.費目ごとのコストダウン

     具体的なコストダウンは、各製品、各部門、各費目別に実行されます。

     それでは、各費目コストについてどのような視点でコストダウンを考えたらよい
     のでしょうか。

     以下に各費目のコストダウン例をあげていきます。

      (1)材料費のコストダウン

        製造現場などで発生する材料費は、材料の消費量に単価を掛けたもの
        で計算されます。

        したがって材料費のコストダウンには、その要素である消費量か単価の
        低減を図る必要があり、次のような対策が考えられます。

        <材料消費量の削減策例>

         ・製品設計段階で部品点数の削減を検討しているか

         ・生産ロットは適切か・過剰な品質(部品の品質が要求性能を
          上回るなど)になっていないか

         ・適切な検収をしているか

        <単価の引き下げ策例>

         ・購買市場の調査に基づく購入先選定は適切か

         ・大量仕入れ、一括購入を検討しているか

         ・支払い条件は適切か

      (2)労務費・製造経費のコストダウン

        製品の生産過程において工場などで支出されるおもな費用は、現場で働
        く従業員の人件費と、工具やエネルギーなどの製造経費。

        これらのコストダウンを進めるには、作業の無駄を省くことと、作業の改善
        を図ることの2つの観点から次のような対策が考えられます。

        <作業の無駄の排除例>

         ・原材料の不足などによる手待ちの削減

         ・道具や設備の故障、トラブルの削減

         ・予定変更の多発の削減

        <作業の改善例>

         ・新設備導入による作業の自動化

         ・作業研究による作業の標準化

         ・工程の短縮や組み合わせによる簡素化

      (3)販売費のコストダウン

        販売費のコストダウンを図るには、マーケティングの基本的な考え方を理
        解する必要があります。

        つまり、顧客のニーズをつかみ、そのニーズを満足させるためにどのよう
        な製品・サービスを、どのような時期・場所で、どのような方法および価格
        帯で提供していけばよいのかという自社に適したマーケティング活動を行
        う必要があります。

        たとえば、高齢者向け製品の販売を考える場合にインターネットを広告媒
        体として活用しても、高齢者のインターネット利用率を考えるとあまり大き
        な効果を期待することはできません。

        そこで、インターネットによる広告が、果たして自社のターゲットに適した
        方法なのかを検討し(実質ロスの削減)、より効果的な広告媒体を模索す
        る(機会ロスの排除)のです。

      (4)管理費のコストダウン

        管理費は、人事、経理、総務などのスタッフ部門で発生する給与や経費
        がおもなものになります。

        ここで発生する費用は、直接売上の拡大に貢献するものではありません
        が、企業を効率よく運営していくには見直す必要のあるコストです。

        しかし日本では、生産現場での合理化は比較的進んでいるものの、これ
        らスタッフ部門を中心とした間接部門(オフィス等)の合理化はあまり進ん
        でいないのが実態のようです。

        したがって、事務の適正化や余剰人員の再配置などを進め、スタッフ部
        門の最適な規模と業務内容を維持することが管理費のコストダウンの主
        眼となります。

   4.トータルコストダウンの仕組みをつくる

     企業のあらゆる活動にはコストがかかります。

     コストダウンを検討するとき、これまで述べてきたように費目ごと、部門ごとに
     直接焦点をあてて改善策を練っていきますが、これも全社的な調整のなかで
     進めなくてはなりません。

     部門同士が敵対関係になると、たとえば、「売れればよいということでどんどん
     値下げする販売部門があるから、我々製造部門のコストダウンも水の泡に 
     なってしまう」という状況になりかねません。

     自部門の利益が他部門の損失にならないようにするためには、

      ・他部門の利益は自部門の利益

      ・他部門の損失は自部門の損失

     といった全社的なトータルコストダウンの仕組みが必要になる。

     トータルコストダウンの仕組みづくりには、強力なトップマネジメントに基づくプ
     ロジェクトチームを結成し、実行していくことが有効になります。

     具体的には次のような手順を踏んでいくことになります。

      <STEP 1>:トップによる組織の革新の提示

       ・利益確保におけるトータルコストダウンの必要性を全社員に徹底

      <STEP 2>:プロジェクトチームの発足

       ・プロジェクトの企画

       ・プロジェクト・マネージャーの任命

       ・各部門のメンバーで構成されるプロジェクトの発足

       ・各部門、各職場のコストダウン目標の設定

      <STEP 3>:トータルコストダウン活動の実行

       ・プロジェクトチーム主導の全社的な活動の実施

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出張手当の見直し

             

出張手当の見直し

  ■出張手当

   社員が支社に出向いたり、遠方の会社へ商談に赴いたりと、企業活動をするうえで出張は
   不可欠です。

   出張旅費規定に基づいて交通費や宿泊費、出張手当を支給している会社は多いと思いますが、
   定期的に規定の見直しを行っている会社は少ないようです。

   企業活動のあらゆる場面においてコスト削減が求められるなか、出張旅費も例外では
   ありません。

   過去の出張を検証し、無駄はないか、変更したほうがよい点はないかといった視点から出張
   旅費規定を見直してみましょう。

   1.出張手当とは

    社員が出張をした際、移動にかかった交通費や宿泊費とは別に、出張手当(日当)を支給
    している会社も多いと思います。

    そもそも出張手当とはどういうものなのでしょうか?

    移動距離や出張日数にもよりますが、出張には交通費、宿泊費、食事代、その他必要経費
    がかかります。

    出張手当とは、

     ・交通費、宿泊費以外の費用の全部または一部の補填

     ・出張に伴う精神的・肉体的疲労に対する慰労

     ・みなし労働における時間外手当の代わり

    などの意味合いで支給される手当です。

    税法上は給与として扱われず、社会通念上妥当な範囲に限って非課税とされています。

   2.出張旅費規定の必要性

    出張先や目的によって移動手段や出張日数もまちまちですが、出張に関して一定のルールを
    設けておかないと、そのつど個別に判断しなくてはならなくなり対応が煩雑になります。

    そこで、効率的に事務管理をするために必要となるのが出張旅費規定です。

    出張旅費規定に定める内容は、

     ・対象となる出張の定義と範囲

     ・会社が負担する旅費(交通費、宿泊費)の取り扱い

     ・出張手当の有無

    などですが、それと同時に「出張旅費精算書」などの社内書式も整備し、速やかに精算できる
    体制づくりも不可欠です。

    なお、税務調査において出張旅費が調査対象となることがありますが(カラ出張や不当に
    高額な出張旅費を支給していないかなどを調査)、その場合、出張旅費規定はもちろん、
    出張命令書、出張報告書、旅費精算書なども厳しくチェックされますので、きちんと運用・
    管理することが重要です。

    出張手当については、出張先(移動距離)、出張日数、出張する者の職位などによって
    支給基準を定めるのが一般的ですが、給与とみなされ課税されないようにするためには、
    次の点に注意して金額を設定する必要があります。

     ・役員および社員のすべてを通じて適正なバランスが保たれている
      基準によって計算されたものであること

     ・同業種、同規模の他社と比べて相当と認められる金額であること
                           (所得税基本通達9−3:要約)

   3.労働法からみた出張

    出張とは、業務命令(出張命令)によって労働する場所を一時的に変更し、命じられた場所で
    命じられた業務を行う行為をいいます。

    基本的には事業場外での労働なので、事業場外労働のみなし労働時間制が適用されます。

    つまり、所定労働時間または通常必要とされる時間労働したものとみなします。

    出張中の移動時間については、原則として会社や上司の指揮命令が及ばず、日常の
    通勤時間と同じと考えられるため、労働時間とはみなされません。

    よって、所定休日に出発する出張も時間外労働、休日労働にはなりません(その日の宿泊は、
    業務に対応するためのものなので、宿泊費は会社の負担となります)。

    ただし、以下のような拘束性がある場合には、移動時間が労働時間とみなされる場合も
    あります。

     ・重要書類や商品、機材を運搬している場合

     ・会社に立ち寄ることを命じられている場合

     ・移動そのものを業務としている場合

    なお、出張途中の災害については、労災保険が適用されます。

  □出張旅費規定の見直し

   出張手当を見直すということは、すなわち出張旅費規定を見直すということです。

   その際に注意しなくてはならないのが、出張手当の見直しが社員にとって不利益変更に
   あたらないかどうかです。

   ただし、不利益変更であったとしても、その変更に合理的な必要性がある場合(会社の財務
   状況の改善など)や、与える影響が少なく保護に値しないような場合は変更可能です。

   しかし、出張手当の見直しで出張コストを下げることができたとしても、社員が出張に対して
   不満をもち、出張での成果に影響が出てしまうようでは本末転倒です。

   コスト削減を考慮しつつも、いかにして社員のモチベーションを下げないようにするかを念頭に
   おきながら、出張旅費規定を見直しましょう。

   前項のポイント(出張手当の支給基準、みなし労働時間制の適用など)を踏まえて、実際の規定
   を例に、変更する際の注意点と条文案をみていきす。

   1.出張手当の見直し

    (1)注意点 

      @出張手当を減額するのはOK

       出張手当の減額は、社員にとっては不利益変更にあたりますが、
       合理的な必要性が認められ、かつ影響が少ない場合には、可能です。
       ただし、出張手当の本来の目的(時間外手当の代替的意味合い)も
       考慮し、世間相場を保った減額にとどめるようにします。
       なお、トラブル防止のためにも、減額に際しては社員への十分な説明と
       周知徹底を行うようにします。

      A出張手当を廃止するのはNG

       出張手当には時間外手当の代わりという意味合いもあるため、ほかに
       善後策を講じずに廃止をすることは、社員に対する一方的な不利益変更
       となります。

    (2)条文案

   2.日帰り出張の見直し

    出張先が遠距離であっても、新幹線や飛行機をうまく使えば、日帰りも不可能では
    ありません。

    日帰り出張のルールを見直すことで、宿泊費を削減することができます。

    (1)注意点

      @日帰り出張の範囲を追加するのはOK
        一般的に日帰りが可能な距離であれば追加も可能です。
        業務内容によって日帰りが困難になることも想定し、例外を設けて
        おくようにしましょう。

      A出張手当を廃止するのはNG
        出張手当には時間外手当の代わりという意味合いもあるため、ほかに
        善後策を講じずに廃止をすることは、社員に対する一方的な不利益
        変更となります。

    (2)条文案 

   3.宿泊費の見直し

    宿泊費の定額支給には、支給額が機械的に決まって事務効率がよいというメリットが
    ありますが、宿泊費を高めに設定している場合、実際の宿泊料金よりも多く支給している
    といったケースもみられます。

    コスト削減の観点から、宿泊費の実費支給を検討してみます。

    (1)注意点

      宿泊費を定額支給から実費支給にするのはOK

      実費支給にする場合には、上限金額を定めておくようにします(世間相場を参考に
      設定)。

      ただし、お盆などの時期には、宿泊料金が割高になったり、満室などの理由からホテルを
      変更せざるを得なくなったりすることもあるので、例外を設けておくようにしましょう。

      なお、トラブル防止のためにも、変更に際しては社員への十分な説明と周知徹底を行う
      ようにします。

    (2)条文案

  □出張そのものを見直してみる

   出張旅費規定を見直すとともに、出張そのものを見直してみることも重要です。

   出張にかかるコストを下げることができたとしても、無駄な出張や無理な出張が恒常的に
   行われているとすれば、生産性の向上にはつながりません。

    ・必要のない出張が慣習的に行われていないか

    ・出張の内容に無駄はないか
     (1人でも十分な出張を複数人でしていないか、適切な移動手段であるかなど)

    ・社員の健康を考慮せずに無理な行程の出張を命じていないか

    ・1回の出張で効率をさらに高めることはできないか

   など、費用対効果の観点から過去の出張を検証し、不要な出張の削減にもつなげて
   いきましょう。

   なお、出張の前と後に次のようなプロセスを組み入れ、運用を徹底するだけでも、出張に対する
   社員の意識が向上し、生産性がより高まることが期待できます。

   1.出張の事前準備を万全に行う

    生産性や仕事のクオリティーを高めるためには、出張の事前準備を万全に行うことが
    重要です。

    まずは、出張の目的を明確にし、出張先の打ち合わせで行うべきこと、出すべき結論を事前に
    まとめておきます。

    交渉における質疑応答も想定して、必要と思われるものはすべて準備をしてから出張する
    ようにします。

    そうすれば、出張先での打ち合わせが予定より短時間で終わり、さらに別の商談をする時間
    が生まれるかもしれません。

    出張の事前準備が不十分で、再度、日をあけずに出張しなければならない事態にでもなれば、
    それは時間と出張費と人件費の無駄遣いです。

    出張前の準備を徹底するよう働きかけましょう。

   2.速やかに出張報告書を提出させる

    出張でやり取りした内容は、社内の関係者には必ず知っておいてもらわなくてはなり
    ませんし、社内の関係者は先方の反応がどういったものであったのかを理解しておく
    必要があります。

    その際、出張報告書がしっかりと機能していれば、たとえ他部署の人が同じ出張先に
    出向いたとしても、先方の要望に的確に応えることができ、また、先方が難色を示して
    いるポイントでの交渉においても慌てることなく対応することができます。

    出張報告書の仕組みを見直し、出張後1日以内に提出するような体制づくりを整備
    しましょう。

    出張の多い部門および社員は社内でもある程度限定されるため、前述の検証はそうした
    部門を中心に進めるのがよいと考えられますが、実際に出張旅費を管理するのは管理
    部門です。

    コスト削減という視点から、管理部門の協力は不可欠です。

    管理部門は、出張旅費規定の見直しだけでなく、交通費や宿泊費のコスト削減案(割引
    チケットの購入、ホテルや旅行代理店との値引き交渉など)も積極的に提案しつつ、出張の
    多い部門との調整を図りながら、自社にとって最適な出張の形を確立していくことが
    大切です。

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交際費等の基礎と課税措置

           

交際費等の基礎と課税措置への対応策

  ■交際費等に該当する費用

   「冗費」、「濫費」として社会的に批判を受けがちな交際費等は、税法では原則とし
   て課税されることになっており、税金を含めた実質の負担はかなり大きいものに
   なっています。

   交際費等はほかの費用との区分が難しいため、本来ほかの費用に計上すべきも
   のまで交際費等として計上されている場合があります。

   このような費用をきちんと交際費等と区別して、課税されないようにすることが、
   税金対策になります。

   まず、交際費等とは何かについて説明します。

   交際費等とは、

    得意先や仕入先、その他事業に関係ある者(※)に対して
    接待、慰安、贈答などの行為をするために支出する費用

   を指します。

   ※「その他事業に関係ある者」には、取引関係のある者だけでなく、その法人の
     役員、従業員、株主も含まれます。 

   交際費等に含まれる費用をあげてみます。

    ・来客を接待するための飲食費、手みやげ代

    ・取引先への餞別、見舞金、お祝いなど

    ・ゴルフの接待など、取引先との親睦費用

    ・取引先の担当者に対して、取引の謝礼として支払う金品

    ・会社の創立記念などの行事での交通費、宴会費、記念品代

    ・中元や歳暮の贈答費用

    ・特約店会議などに伴う宴会費

    ・得意先に対して景品付き販売を行った場合の景品費用

    ・得意先開拓や、特約店・代理店となるための運動費用

    ・新規出店に際し、周辺の商店や住民の同意を得るための運動費用

   もっとも、これらのすべてが交際費等に該当するわけではありません。

   たとえば、「会社の創立記念などの行事での費用」は、飲食などに係る費用が通
   常社内で行う場合と同程度で、社員のみを対象として行われた場合は、「福利厚
   生費」として扱われます。

   また、このほかにも交際費等に含まれないケースがあります。

   ほかの費用との区分について、詳しくは『交際費等とほかの費用との区分』の項
   で説明します。

  □交際費等への課税措置

   交際費等は、会社の事業活動に必要な経費支出です。

   しかし、「冗費」、「濫費」というイメージが強いことからもわかるように、飲食や遊
   興に使われることが多いため、法人税の計算では、原則として、支出した全額を
   必要経費として損金に算入できないと定められています。

   したがって、交際費等を支出した場合、その支出額に対して法人税等が課される
   ことになります。

   ただし、

    資本金または出資の額が1億円以下の中小企業については、政策的
    理由から、例外として、一定限度までの交際費等の支出については、
    損金に算入できる

   とされています。

   なお、支出した交際費等のうち、相手先の名前を明らかにしないもの(いわゆる使
   途秘匿金)については、特別な課税(その支出額の40%相当額を法人税に加算)
   が行われます。

   法人税等の実質税率は約30%ですから、資本金または出資の額が1億円超の
   企業において、100万円の交際費等の支出は実質的には130万円の負担となり
   ます。

   ただし、個人事業では、支出したことが取引の記録として残っており、業務の遂行
   上直接必要であったことが認められる交際費等は、全額を必要経費に算入する
   ことが認められています。

   また、交際費等とは別に、1人当たり5000円以下の飲食費(役職員の間の飲食
   費を除く)については、損金算入が認められます。

    経済産業省(P25)

     交際費課税の特例措置は、2018年度税制改正により、適用期限を
     2020年3月末まで延長 

   詳しい要件等は次項で説明します。

  □1人当たり5000円以下の飲食費

   1.1人当たり5000円以下の飲食費であるかどうかの判定

     交際費等の範囲から除かれる飲食費は、次の算式で計算した1人当たりの金
     額が5000円以下の費用が対象となります。

     個々の得意先が飲食店等においてそれぞれどの程度の飲食等を実際に行っ
     たかどうかにかかわらず、単純に当該飲食等に参加した人数で除して計算し
     た金額で判定することになります。

   2.1人当たりの飲食費が5000円を超えた場合

     交際費等の範囲から除かれる飲食費は、1人当たりの金額が5000円以下の
     費用それ自体が対象となることから、1人当たりの金額が5000円を超える費
     用については、その費用のうちその超える部分だけが交際費等に該当するも
     のではなく、その費用のすべてが交際費等に該当することになります。

     1人当たりの飲食費のうち5000円相当額を控除するというような方式ではあ
     りません。

   3.飲食等が複数にわたって行われた場合

     1次会と2次会など連続した飲食等の行為が行われた場合においても、それ
     ぞれの行為が単独で行われていると認められるとき(たとえば、まったく別の
     業態の飲食店等を利用しているときなど)には、それぞれの行為に係る飲食
     費ごとに1人当たり5000円以下かどうかの判定を行って差し支えありません。

     しかしながら、それら連続する飲食等が一体の行為であると認められるとき 
     (たとえば、実質的に同一の飲食店等で行われた飲食等であるにもかかわら
     ず、その飲食等のために要する費用として支出する金額を分割して支払って
     いると認められるときなど)には、その行為の全体に係る飲食費を基礎として1
     人当たり5000円以下であるかどうかの判定を行うことになります。

   4.「支出する金額」に係る消費税等の額の取り扱い

     飲食費が1人当たり5000円以下であるかどうかは、その飲食費を支出した法
     人の適用している税抜経理方式または税込経理方式に応じ、その適用方式
     により算定した金額に基づいて判定します。

     したがって、その「飲食等のために要する費用として支出する金額」に係る消
     費税等の額については、税込経理方式を適用している場合には当該支出す
     る金額に含まれ、税抜経理方式を適用している場合には当該支出する金額に
     含まれないこととなります。

   5.会議に際して、1人当たり5000円超の飲食費が生じた場合

     会議に際して、1人当たり5000円超の飲食費が生じた場合、交際費に該当す
     るものとして取り扱われるのでしょうか。

     交際費等に該当していた飲食費(社内飲食費を除きます)のうち1人当たり
     5000円以下のものを、一定の要件のもとで一律に交際費等の範囲から除外
     しています。

     したがって、従来から交際費等に該当しないとされている会議費等(会議に関
     連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要す
     る費用など)については、1人当たり5000円超のものであっても、その費用が
     通常要する費用として認められるものである限りにおいて、交際費等に該当し
     ないものとされます。

   6.保存書類への記載事項

     交際費等の範囲から1人当たり5000円以下の飲食費を除外する要件として、

      飲食等のために要する費用について「の飲食等に参加した得意先、
      仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびの関係」
      を記載する

     必要があります。

     これは、社内飲食費でないことを明らかにするためのものであり、飲食等を
     行った相手方である社外の得意先等に関する事項を、「○○会社・□□部、
     △△△△(氏名)、卸売先」というようにして記載する必要があります。

     なお、氏名の一部または全部が相当の理由があることにより明らかでないとき
     には、記載を省略して差し支えありません。

     したがって、通常の経理処理等に当たって把握していると思われる自己の役
     員や従業員等の氏名等まで記載を求めているものではない。

     では、一定の書類の保存要件としての記載事項について、注意すべき点には
     どのようなものがあるのでしょうか。

     記載に当たっては、原則として、相手方の名称や氏名のすべてが必要となり
     ますが、相手方の氏名について、その一部が不明の場合や多数参加したよう
     な場合には、その参加者が真正である限りにおいて、「○○会社・□□部、
     △△△△(氏名)部長ほか10名、卸売先」という表示であっても差し支えありま
     せん。

     また、その保存書類の様式は法定されているものではないので、記載事項を
     欠くものでなければ、適宜の様式で作成してよいとされます。

  □交際費等とほかの費用との区分

   交際費等には、さまざまな隣接費用があります。

   これまで交際費等として支出してきた経費を適切な隣接費用にすることで、税金
   対策ができます。

   隣接費用と交際費等との区分をみてみましょう。

   1.福利厚生費

     自社の従業員(親族を含む)に対して、慶弔禍福の際に、一定の基準にした 
     がって祝金や見舞金を支給する場合は、福利厚生費として取り扱われます。

     しかし、社外の者に対してこれらの金品を支出する場合は、次のように取り扱
     われることになります。

     (1)得意先など、社外の者に対して支出する場合

       得意先など、社外の事業関係者に対して支出する祝金・見舞金は、交際費
       等として取り扱われます。

       したがって、得意先の役員の葬儀に際して香典・花輪を供与した場合、そ
       の費用は交際費等とされます。

       なかには、「香典は、得意先ではなくその役員の親族に渡しているのに、な
       ぜ交際費等になるのだろう」と思う人もいることでしょう。

       しかし、税務上、その香典などの支出は、取引関係があったために支出し
       たとみなされるのです。

       ただし、

        事業上の関係ではなく、自社役員の個人的な関係から見舞金などが
        支払われた場合には、その役員に対する給与(賞与)とみなされます。

     (2)下請企業の従業員に対して支出する場合

       特約店のセールスマン(またはその親族など)の慶弔禍福や自社の工場な
       どにおいて、

        下請企業の従業員が業務の遂行に関連して災害を受けた場合
        などに、自社の従業員に準じて支払う見舞金などは、福利厚生費   

       として取り扱われます。

       また、一般的に福利厚生費と考えられている費用には、実際には交際費等
       に該当するものもあります。

       次のように、全社員が対象となっていなかったり、社外の人間が対象となっ
       ている場合、特別にお金をかけている行事などは、福利厚生費でなく、交
       際費等になるので注意が必要です。

        ・会社の行事で、社員だけでなく得意先も併せて招待した場合

        ・社員旅行であっても、「通常要する費用」以上のお金をかけた場合

        ・「役員だけ」など、特定の社員だけで新年会などを行った場合

   2.寄付金など

     その法人にとって功績の大きい役員が死亡した場合には、法人が主催して社
     葬を執り行うのが通例となっています。

     しかし、税務上、

      社葬費用が単純に損金とされるのは、死亡した役員の経歴、地位、
      法人の規模、そのほかの事情からみて、社葬を行うことが相当と
      認められる場合

     に限られています。

     もし、役員の死亡に際し、法人が社葬を行うことが妥当でないと判断された場
     合には、法人から遺族に対して贈与が行われたものとみなされ、寄付金に区
     分されることになります。

     この場合、遺族もその法人の役員であるならば、役員に対する給与(賞与)と
     されることになります。

     一方、利益を供与された遺族の側は、法人から贈与を受けたとみなされ、一
     時所得(または役員賞与)となります。

   3.旅費交通費

     (1)接待のための付随費用の範囲

       接待のために要した費用(交際費等)のうち、飲食費のほかに、得意先を
       送るためのタクシー代などの交通費や、店に支払うチップなども交際費等
       に含まれます。

       また、出張旅費が交際費等とみなされる場合もあります。

       たとえば、得意先などを温泉地に招待して接待する場合、社員が温泉地ま
       で出かけることになります。

       このような場合、税務上の交際費等の取り扱いから考えて、

        得意先を接待するためだけに出張するとみなされた場合、
        その出張旅費は交際費等に該当する

       ことになります。

       このようなケースに該当する場合は、海外旅行であっても、渡航旅費や
       宿泊費が同様に交際費等として取り扱われます。

     (2)祝賀会などに出席する場合の交通費

       法人の役員などが祝賀会に出席する場合、持参する祝金は交際費等に該
       当します。

       しかし旅費などについては、出席者は接待を受ける立場であることから、一
       般の業務と同様に、旅費交通費として取り扱い、交際費等には当たらない
       とされています。

   4.会議費

     得意先との商談の後、打ち上げと称して会食などを行う場合、

      通常会議を行う場所で、昼食程度の飲食物を供与する場合は会議費

     とされ、「昼食程度」の範囲を超える部分は交際費等となります。

     「昼食程度」の範囲は、おおむね1人当たり3000円程度といわれています。

     なお、アルコールが提供された食事は昼食として認められないというわけでは
     ありません。

     ビール1本程度ならば、会議費として認められます。

     また、旅行や観劇などに招待し、併せて新製品の説明などの会議を開催した
     場合は、会議に通常要する費用を会議費とすることができます。

   5.販売促進費

     ここでは、販売促進費と交際費等を区分するポイントを4つあげます。

      @売上高、売掛金の回収高に比例して(または売り上げの一定額ごとに)、
       得意先に金銭や事業用資産、少額物品(※)を供与する場合は、その
       費用を売上割戻として販売促進費に含めることができます。

      A売上割戻を上記で定めた形で支払わず、高額な物品を供与、または
       旅行等に招待する場合は、売上割戻と同様の基準で計算されていても、
       交際費等として取り扱われます。

      B商品券など、引換商品の種類が特定されていない物品を供与する
       場合は、購入単価が3000円以下であっても交際費等となります。

      C得意先に対する売上割戻として計算されたものであっても、その額を
       支払わずに積み立て、積立金が一定額に達したときに得意先を旅行
       等に招待する場合は、その招待等を行った事業年度の交際費等と
       なります。

      ※事業用資産とは、得意先で棚卸資産(または固定資産)として販売(使用)する
        ことが明らかな物品を指します。また、少額物品とは、その購入単価がおおむ
        ね3000円以下である物品を指します。


   6.広告宣伝費

     ここでは、広告宣伝費と交際費等を区別するポイントを3つあげます。

      @宣伝を目的として、不特定多数の一般消費者を対象に金品を交付
       する場合は、広告宣伝費とされます。これに対し、取引先など特定の
       者に対して、おもに贈答、謝礼の目的で金品を交付する場合は、交際
       費等として取り扱われます。

      A得意先などに対する贈答であっても、カレンダー、手帳、扇子、うちわ、
       小額の金券(クオカードなど)を贈答するために通常要する費用は少額
       広告宣伝費となり、交際費等には該当しません。

      B得意先など、特定の者に対して景品付き販売を行う場合、その景品
       費用は原則として交際費等となります。ただし、その景品などの物品が
       少額物品や事業用資産に該当し、かつ、その物品の種類、金額などを
       交付する側で確認できる場合には、広告宣伝費(景品費)として取り扱う
       ことができます。

  □交際費等の削減例

   ここでは、交際費等を隣接費用に転換させた事例を3つ紹介します。

    例1:広告主伝費に転換

       A社は、毎年取引先を観劇や旅行に招待していたが、今年から広告宣伝用
       の自動車を交付することにした。その結果、交際費等から広告宣伝費に転
       換され、交際費等としては課税されなかった。

       車体の大部分に一定の色彩を塗装して、広告宣伝を目的としていることが
       明らかな自動車を贈与した場合、その広告宣伝用自動車の取得費用を繰
       延資産に計上したうえで、一定期間(その資産の法定耐用年数の7割、た
       だし最長5年)内に全額を償却することができます。

       たとえば、ある電器メーカーが自社のステレオの宣伝を車に表示し、その
       車を取引のある会社に贈与した場合、「自社製品(ステレオ)を宣伝してい
       る」ということになります。

    例2:売上割戻に転換

       B杜は、得意先に商品券を配布していたが、今年から売上割戻規定にした
       がって、金銭を交付することにした。その結果、交際費等から売上割戻に
       転換され、全額を損金に算入することができるようになった。

       製造業者または卸売業者が、その販売した商品などの販売業者に対し、そ
       の売上高もしくは売掛金の回収高に比例して、または、売上高の一定額ご
       とに支出する金銭や事業用資産の価額は、交際費等として取り扱わないこ
       とになっています。

        ・売上高もしくは売掛金の回収高に比例して、または売上高の一定額
         ごとに支出する金銭は、売上割戻とする

        ・販売量に応じて、一定の割増率により支給する商品は、その販売した
         商品を含めたところで販売したものとする

       なお、売上割戻は営業地域の特殊性や協力度合を加味して支給すること
       もできますが、明確な基準がない場合には、交際費等とされることになります。

       したがって、恣意的でないことを立証するために、「売上割戻規定」を作成
       しておく必要があるでしょう。

    例3:旅費交通費、会議費に転換

       C社は、毎年取引先を温泉旅行に招待していたが、今年から、特定の取引
       先の社長をC社の相談役として受け入れ、温泉旅行ではなく、相談役会議
       を開催することにした。その結果、これまで交際費等として処理していた経
       費支出の一部が旅費交通費、会議費に転換され、損金に算入することが
       できるようになった。

       ある得意先の社長を日本各地から熱海に呼び寄せ、宴会を開催したとします。

       通常ならば、これに要した一切の費用は、交際費等に該当することになり
       ます。

       しかし、その得意先の社長が自社の相談役であったらどうでしょうか。

       熱海に集まった主たる目的が、宴会ではなく相談役会議にあるとすれば、
       相談役を呼ぶための航空券代やホテル代は旅費交通費として処理するこ
       とができます。

       この場合、相談役会議が会議としての実態を備えていることはもちろん、相
       談役に就任してもらうことに相当の理由があることが前提となります。

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リースの基礎

            

リースの基礎

  ■リースの仕組み

   1.リースとは

    法律で「リース」を定義しているものはありませんが、

    一般にリースとは、

     企業が機械設備を導入しようとする際に、
     リース会社が代わって機械設備を購入し、その企業に対して比較的
     長期間、賃貸すること

    とされています。

    具体的には、リース会社が金融機関からの借入をはじめとする長期資金の調
    達を行い、その資金を基に必要とする企業に代わって機械・設備(リース物件)
    を購入し、一定のリース料によりその企業に長期間賃貸することです。

    たとえば、パソコンや冷蔵庫といった物件を導入する場合、直接お金の融資を
    受けるのではなく、リース会社にユーザーが指定した物件を購入してもらい、そ
    れを賃貸する形になります。

    したがって、その物件の所有権はリース会社にあり、リースを受けた企業の
    「物」ではありません。

    こうしたことから、リースは別名「物融」とも呼ばれ、「物」を介さない場合はリース
    の対象とはなりません。

    リースと混同しやすいものに、レンタルや割賦販売がありますが、その違いは以
    下のようになります。

    【レンタルとの違い】

     レンタルは、レンタカーやベビー用品、観葉植物など、不特定多数の人が使え
     る物件が対象となります。
     ユーザーはレンタル会社の在庫のなかから物件を選択します。
     短期間の賃貸借で、物件の保守・修繕義務はレンタル会社が負います。

    【割賦販売との違い】

     割賦販売とはいわゆる分割払い(クレジット)での販売のことで、代金を一定期
     間に分割して支払う販売形態です。
     割賦販売は支払い形態が違うだけで通常の売買契約と同じです。
     物件はユーザーの資産となり減価償却しますが、割賦料金を完済するまで所
     有権は留保されます。

   2.リース契約の手順

    一般にリース契約は次の手順で行われます。

     @ユーザーはメーカーやディーラーと、導入する物件の機種・価格・仕入れ
       条件・仕様・納期などについて打ち合わせをします。

     Aユーザーはリース会社とリース期間やリース料などのリース条件を話し
       合います。
       条件が決定した後、ユーザーはリース会社に正式にリースを申し込み
       ます。

     Bリース会社はユーザーから提出された事業報告書(決算書)を基に信用
       調査を行った後、リース契約を締結します。

     Cリース会社はメーカー・ディーラーと売買契約を締結し、物件を発注します。

     Dユーザーにメーカー・ディーラーから物件が納入されます。

     Eユーザーは納入物件の検品後、リース会社に物件受領書を渡します。
       この日がリース開始日(検収日)となり、その後毎月のリース料の支払い
       が発生します。

     Fリース会社はメーカー・ディーラーに物件代金を支払います。

     Gリース会社は検収日から物件を資産として計上します。
       保険料、税金なども毎年リース会社が支払います。

                             基本的なリース契約スキーム

     <リースに適した物件>

      ・技術革新や陳腐化のスピードが速い物件…コンピューター、OA機器など

      ・購入価格が高い物件…航空機や船舶など

      ・管理事務に手間がかかる物件…自動車など

     <リースに適さない物件>

      ・売買扱いになる物件…建築物など

      ・陳腐化しない物件…工具・備品など

      ・短期間しか使用しない物件…土木建築機械など

     リース期間の満了後は、ユーザーの希望により、

      ・リース会社が物件を引き取る

      ・再リースする

     のいずれかの方法をとります。

   3.リースの種類

    また、リースの種類には、大別して次の3つがあります。

    (1)ファイナンスリース

      リース料総額がリース物件の取得価額および諸費用のおおむね全額を回収
      するようになっており、中途解約が禁止されている契約です。

      現在、リースの9割以上がファイナンスリースといわれています。

      あらゆる機械設備がその対象物件となりますが、税務上、リースの対象とは
      ならない場合もあります。

    (2)オペレーティングリース(オペリース)

      リース期間がユーザーの使用期間に応じて設定されるため、同物件対象の
      ファイナンスリース契約よりリース期間が短くなります。

      リース料も物件の残価が見込まれるため低廉化が図れます。

      また、契約によっては中途解約が可能です。

      対象物件は、中途解約やリース期間終了時でも一定の価値があり、リース
      会社が容易に別のユーザーに再リースすることが可能か、または中古市場
      が整っている比較的汎用性の高い物件となります。

      日本ではオペリースの残高が大きい業種の中で目立つのは不動産業だ。

      中でもサブリース(大家さんが管理会社に部屋を賃貸し、管理会社が賃借し
      た部屋を第三者にあたる入居者に貸す事)を手掛ける企業の残高が大きい。

      日本会計基準で簿外になっている設備や不動産などのオペレーティングリー
      ス(オペリース)は資産計上されずに会計処理が簡単だった。

      会計基準の変更により貸借対照表に計上される見通しになった。

      「オフバランスのメリットが薄まり、企業の設備投資意欲が弱まるのでは」と
      の声もある。

      またリース料は税務上、損金算入できるメリットもあった。

      すべてのリースが企業の資産とみなされる。

      オペリースも例外ではなくなる。

      資産であれば減価償却が必要で、元本と利息は分けて計算する。

      経費処理に比べると煩雑だ。

      日本でもルールの国際化を進めなければ、投資家から日本の財務諸表の信
      頼性を疑う声が出かねないとの懸念が出ていた。

                         出典:日本経済新聞(2019/3/7)

    (3)サービスリース

      上記リースにサービス機能を付加したものです。

      このなかでもリース物件の修繕・保守管理のメンテナンスサービスをリース
      会社が提供するものをメンテナンスリースといい、自動車リースが典型的です。

  □リース料について

   1.リース料の算定

    リース料は、一般に

     ・物件取得価格

     ・残存価格(残価)

     ・金利コスト

     ・租税公課を含む各種経費

     ・リース会社の利益

    の5要素から構成されます。

    リース料の算出は一般に次のように計算されます。

    なお、契約されたリース料はリース期間中は変更されません。

     リース料の算定.bmp

    金利は各社の経営方針に沿って設定されています。

    また、通常は、戦略上の理由や取引先の信用度によって1件ごとに金利を調整
    しています。

    たとえば、財務内容の良好な上場企業で今後も継続して引き合いが見込める
    先の場合は、金利を低くしてリース料を下げることが多くなっています。

    反対にリース期間中の収益が安定して見込めないベンチャー企業などは、貸し
    倒れリスクを考慮して金利を高く設定します。

    このように同じ物件であっても契約先の財務内容や、リース会社の与信の考え
    方によってリース料が変わるため、リースに定価はないといわれています。

   2.リース料率

    月リース料はリース料率で表示することがあります。

    リース料率とは、物件総額に対しユーザーが1カ月に支払うリース料の割合です。

    たとえば、物件価格100万円につき月リース料が1万9000円の場合、月リース
    料率は1.9%となります。

  □リースのメリット

   ここでは、ユーザーにとっての一般的なリース導入のメリットをまとめています。

   (1)借入金であれば、ユーザーは借入枠や担保の設定状況により100%の融資
     は得られないことが多いのですが、リースを利用することによって、100%の
     借り入れをした場合と同じ効果が得られます。

   (2)借入金や自己資金で機械設備を購入すれば、投下した資金の回収は法定耐
     用年数が終了するまでは不可能であり、その間、資金を固定しなければなりま
     せん。

     しかし、リースを利用すれば、月々わずかなリース料を負担するだけで、残っ
     た資金をより有利な投資や研究開発費などに回すことができます。

     ユーザーは資金の固定化を防ぐことができると同時に、資金運用を図ることが
     可能となります。

   (3)リースした機械設備はリース会社の資産であるため、ユーザーはそれらを固
     定資産として計上する必要がありません。

     そのため、たとえ高額な設備を導入しても流動比率、固定比率などの財務比
     率が悪化することはありません(ただし、平成20年4月1日以降開始する事業
     年度からは、リース物件とこれに係る債務をリース資産およびリース債務とし
     て計上することが義務づけられたことから、このメリットはなくなりました)。

   (4)技術革新の目ざましい今日、機械設備のサイクルは短くなる一方ですが、
     リースなら将来の陳腐化を十分考慮して、経済的・物理的耐用年数に見合っ
     たリース期間を選ぶことができます。

     ユーザーはつねに業界をリードする新鋭機械設備を利用できます。

   (5)リースを利用すれば、機械設備導入にともなう資金調達、固定資産税や保険
     料の支払い、資産処分など、わずらわしい事務負担を大幅に削減できます。

   (6)税法上、毎月のリース料は全額会社の経費として処理できます。

   (7)契約期間中のリース料は物価の上昇などに関係なく一定であるため、ユー
     ザーはインフレや月々の支払い増加に対する不安から解放されます。

     なお、リース料は個々のケースで異なるため、リースと購入のどちらで導入し
     たほうが得かは一概にいえません。

     リース会社に経済比較表を提示してもらって、比較検討します。

     経済比較表とは、物件のリースと購入の純資金流出や節税効果を検証したも
     のです。

     導入する機械、設備の見積書をメーカーやディーラーから入手した後、リース
     会社にリース料金の見積もりと経済比較表を出してもらうよう依頼するとよい
     でしょう。

     リースより購入するほうがよいのは、数量がそれほど多くなく、低価格の機器
     などを現金で購入できる場合やその設備を長期間使用する場合です。

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仕事のムダ

           

仕事のムダ(マネジメント ロス)


  ■仕事におけるムダ

   コロナ禍、規模の大小を問わず、売上げの急減が世界中の企業を襲っている。

   こうした状況において、企業人がまず考えなければならないことは、徹底的に
   ムダを排除し、コストを低減させることであろう。

   モノがなかなか売れない時代にあっては、利益を外部にのみ求めるのではなく、
   自社内をあらためて見直すことが必要である。

   今を当たり前と思って仕事をしていないか?

   人が仕事をしている姿をよく観察してみると、現場や事務所に関係なく、その場に
   ある設備や器具などのモノに大きく影響されていることに気づくだろう。

   例えば、棚が作業場から遠い場所に置いてあり、わざわざそこまで部品や書類を
   取りに行く。

   しかし、よく考えてみると、その棚の場所は必ずしもそこでなければならない理由
   はなく、なぜそこにあるのか、だれにも分からないといったケースも多い。

   あなたの職場でも、こんな経験はないだろうか?

   知らず知らずのうちに、昔から変わっていない職場のレイアウトに合わせて、仕事
   の流れを組み立てていないだろうか?

   そして、そのレイアウトが最適かどうかを疑うことなく、ひたすら一生懸命に仕事を
   していないだろうか? 

   言うまでもなく、仕事の目的は「一生懸命にする」ことではなく、「効率的に成果を
   上げる」ことにある。

  □利益の追求
   企業の利益はどこから生まれるのか? 

   利益の源泉は、次の四つしかない

    1.販売数量を増やす(売上げアップ)
    2.販売単価をより高くする(粗利益率アップ)
    3.少ない資産で、より大きい効果を出す(遊休資産の活用・縮小・
      回収のスピードアップ・在庫の削減による資産回転率アップ)
    4.より少ない人員で、ムダな経費を抑える(コストダウン)

   現在の経済環境下では、価格や数量を伸ばす(売上げを伸ばす)ことは簡単では
   ない。

   なぜなら、どんなに優れたマーケッターをもってしても、自社ではコントロールのし
   ようがない外部環境を相手にしなければならないからです。

   自社の努力だけではどうにもならない部分がある。

   これに対して、経費を減らす、資産の回転率を上げるなどのコストダウンは、自ら
   の決断で成果を上げることができるのです。

   内部の努力だけで確実に獲得できる利益なのである。

   つまり、やるか、やらないかだけである。

   現在の経済環境において、この「コストダウン利益」を志向しないのは愚かなこと
   と言ってもよい。

   例えば、トヨタの思想も「コストダウンは無限」である。

   自らの決意と努力だけで獲得できるコストダウン利益は、どこまでも追求できるの
   です。

  □仕事におけるムダ(マネジメント ロス)
   「仕事におけるムダとは何か?」を考えたことがあるだろうか?

   ムダが見えなければ、業務の効率化もコストダウンも始まりません。

   「ムダ取り」「効率化」を考える場合、整理整頓や施設内のレイアウトなど、まず目
   に見えるモノに意識が向かいがちですが、実はモノとモノをつないでいるのは、マ
   ネジメントやコミュニケーションなのです。

   仕事が「スムーズに動いていない」と感じられたのなら、マネジメント上のムダがな
   いかを再確認してみる必要があります。

   「仕事におけるムダとは何か?」を考えたことがあるだろうか?

   ムダが見えなければ、業務の効率化もコストダウンも始まりません。

   企業における日常の仕事は、「付加価値業務」「非付加価値業務」「ムダ」の三つ
   に区分することができます。

    (1)付加価値業務
      正味の仕事であり、やればやるほど直接的な利益を生み出す。
      製造現場であれば、部品や製品を作るために材料などに手を加えて加工度
      を高めることであり、営業部門であれば顧客との商談、店舗販売であれば接
      客や店頭での実演などがこれにあたる。

    (2)非付加価値業務
      正味の仕事に付帯した仕事であり、やらなければならない仕事ではあるもの
      の、それ自体は何ら利益を生まない。

      モノの運搬や準備作業、検査、書類の作成、会議などがここに含まれる。

    (3)ムダ
      必要性のない全くのムダな仕事である。

      次の仕事を待っている手待ち(指示待ち)、ただ見ているだけの監視、モノを
      探す、積み替える、ただ歩く、ムダ話などがこれに当てはまる。

  □狭義のムダと広義のムダ
   狭義のムダと言えば、前述した「ムダ」だけになるが、広義で言えばこれに「非付
   加価値業務」も含まれる。

   ムダがたくさんあるのは、雑巾がびしょ濡れの状態であり、絞れば簡単にムダを
   なくせる。

   ここからさらに非付加価値業務を見直し、改善していくことが乾いた雑巾を紋る努
   力と言える。

   多くの企業の雑巾は、まだ簡単に絞れるびしょ濡れ状態ではないだろうか。

   社内で普段行われている仕事は、本当に付加価値を生んでいるだろうか。

   自社の利益に貢献しているだろうか。

   そうした視点であらためて身の回りの業務を見ていただきたい。

   そして聖域を設けず、業務の見直しや改善に取り組まなければならない。

   また、目の前の業務だけでなく、組織の構成自体にムダはないかと考える視点も
   必要である。

   例えば、付加価値業務と非付加価値業務という観点で組織を見れば、いわゆる
   管理部門は、その全体が非付加価値部門と言える。

   管理部門で行われる業務の良し悪しを議論する以前に、基本的にその業務全体
   が付加価値を生まないものであると認識しなければならない。

   「役人は常に部下の増加を望むが、競争相手を持つことは望まない」 「役人は相
   互の利益のために仕事を作り出す」(パーキンソンの法則)と言う。

   管理を行うということは、それを行う人と時間が必要であるということだ。

   その視点がないままに、管理項目を増やすのは避けなければならない。

   ましてや管理のための組織を設置することが、大きな固定費の増大となることを
   認識しなければならない。

   大きなムダをなくすためには、組織の効率性を見直すところから考えねばならな
   い場合もあります。

   ムダの排除も大きなところから考えなければならないのである。

   組織のムダ、マネジメントのムダ、そして日常業務のムダがある。

   いかにムダと非付加価値業務を減らして、付加価値業務の比率を高めるか。

   このことを組織、マネジメント、日常業務の各段階で追求することが経営改善であ
   り、ムダの排除なのです。

   その先に生産性向上とコストダウンがあり、利益の獲得がある。

  ムダな時間をなくす
   私たちは日々の仕事の中で、何に時間を費やしているだろうか?

   人間に与えられた時間は、等しく24時間である。

   しかしながら、「タイムイズマネー」とも言われる時間は貴重な経営資源であるに
   もかかわらず、その認識に欠けており、時間を浪費している職場が非常に多いよ
   うに感じる。

   時間の浪費は工数の浪費であり、「人件費の浪費」となる。

   的を射た問題解決のためには、的確な現状認識が不可欠であることは言うまでも
   ない。

   ムダ取り、業務改善においても、“取りあえずやってみようけでは、成果という目的
   地に到着できる確率は低くなる。

   日常業務の時間分析を行い、どんなムダにどれくらいの時間を費やしているか
   を、まずは知らなければならない。

  □改善の定着化

   1.改善定着のカギは習慣化
     日々の経営活動の中で、さまざまな改善を実施している企業は多い。

     毎日、いろいろな問題が発生し、その対処に追われている。

     しかしながら、「どこまでやってもキリがない…」「毎日、同じことの繰り返し」と
     感じている人も多いのではないだろうか。

     改善とは、「悪いところを良い方向に改めること」である。

     すなわち、昨日までの仕事のやり方を変えることだ。

     しかし、改善を決心していったんやり方を変えたものの、「継続しない」「定着し
     ない」という悩みを抱える会社は多いように感じる。

     なぜ、改善が定着しないのだろうか? 

     それは、実施される改善の多くが、当面の問題解決のみに視点が置かれてい
     るからである。

     改善策が長期にわたって実施され、それが習慣となり、職場に定着するように
     考えられていないため、定着しないのだ。

   2.習慣化のための標準化
     改善したことを「習慣」として定着させるためには、だれもがすぐに理解して実
     行できるようなものでなければならない。

     考えた人だけしか理解できない改善案では、職場全体で実行できないし、すぐ
     に形骸化してしまう。

     このように「だれもが」「分かりやすく」「簡単に実行できる」形にするのが「標準
     化」である。

     その具体的な手法が、「5S」であり、「見える化」なのです。

     標準化と言うと、型にはめられて融通が利かなくなるような印象を持つ人がい
     るようだが、その反対である。

     標準化とは、変化に柔軟に対応するために行い、改善によってどんどん変化
     する業務を迅速に職場に定着させるために行うものです。

     よい方向に変化させた業務を素早くパターン化・ルール化(マニュアル)して、
     職場全体の習慣として落とし込むことが、標準化の本質です。

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時間管理によるコストダウン

              

時間管理によるコストダウンで生産性を向上


  ■時間管理によるコストダウン

   会社が取り組むコストダウンの方向性はさまざまです。

   近年では、景気低迷を背景として、残業の削減によってコストダウンを図る会社が
   多くなっています。

   そして、「残業代ゼロ」法案が閣議決定(2015年4月)された。

   ここで改めて注意したいのは、「残業の削減によるコストダウンは、生産性の向上に
   つながる取り組みでなければならない」という点です。

   「とにかく残業を減らしてくれ」という号令の下、やみくもに残業を減らした結果、やら
   なければならなかった業務が後回しになるなど業務に支障をきたすようでは、生産性
   の向上につながる取り組みとはいえない。

   そこで、重要となるのが「時間管理」の考え方です。

   全社的に時間管理を徹底することで「業務のムダ」をなくすなど業務効率化を図り、
   これまで業務に費やしてきた時間を短縮すれば、残業の削減、ひいては生産性の
   向上が実現できます。

   時間管理の徹底は、残業代の削減と同時に生産性の向上をもたらす、企業にとって
   効果的なコストダウンといえるでしょう。

   時間管理を徹底することでコストダウンを実現し、さらには生産性を向上させる手法に
   ついて考えてみましょう。

  □時間管理の考え方

   時間管理とはどのようなものであり、それがどのようにコストダウンに結びついていく
   かを整理してみます。

   生産現場における時間管理とは、もっとも効率的な作業内容を追求し、経常数値として
   取り扱えるレベルに定量化し、それを管理することです。

   身近な事例で時間管理を考えてみましょう。

   例えば、ある企業が新しいOA機器を導入するとします。

   100万円と50万円のどちらかの機器を導入する場合、「うちの会社は規模が小さい
   から、安い50万円のほうでよい」とすることは、一見当たり前のように思えるかもしれ
   ません。

   しかし、それは正しい選択のようにみえて実はそうではないこともあるのです。

   かといって単純に、値段の高い機器を導入すればよいということでもありません。

   包括的なコストダウンに立脚して考えた場合、機器導入に際しては、どちらの機器を
   導入すれば作業の効率化が図れるかに視点を置く必要がある。

   100万円の機器は、すべての従業員のコンピューターとネットワーク化され、印刷する
   原稿を自動で振り分けることができます。

   一方、50万円の機器は印刷した原稿を従業員の誰かが整理し、振り分けまでしない
   と、100万円の機器によるものと同品質になりません。

   従業員の生産性を向上させるのがどちらの機器であるかは一目瞭然です。

   この場合、50万円の投資を惜しむことで、その従業員がほかに振り分けられるであろう
   時間を奪ってしまうことになりかねません。

   この余分な時間が積み重なることで、会社全体の生産性を大きく低下させるかもしれ
   ないのです。

   ここで挙げた100万円と50万円のOA機器の話は非常に簡素化した事例ですが、
   身近にあるこのような事例こそ改善できる時間管理の一つといえるでしょう。

   つまり、時間管理とはまさに工夫、短縮、能率であり、それがコストダウンにつながる
   ということです。

  □意識改革から始める時間管理の徹底

   時間管理は社長と従業員の距離が近く、意思疎通が図りやすい中小企業が取り組み
   やすいコストダウンの一つです。

   時間管理を徹底することで、はっきりと効果が現れるのは残業にかかるコストの減少
   です。

   残業には「業務が過剰である」という理由よりも、「業務の効率が悪い」「従業員の意識
   に問題がある」ケースのほうが多いのです。

   業務の効率が悪くて発生する残業は、業務の手順を見直すことで大幅に改善します。

   また、従業員の間には「残業は美徳で、残業することが当たり前」という意識がある
   など従業員の意識に問題がある場合は、意識改革から取り組む必要があります。

   例えば、社長が日ごろから時間管理の大切さを口にすることで幹部社員にも時間管理
   の大切さが浸透し ひいては各従業員が業務時間中の時間の使い方を工夫するよう
   になります。

   これだけでも残業の削減につながるはずです。

   社長の中には、「我が社は実際に残業があったとしても一定枠以上の残業代を支給
   しなくてもよいのだから、従業員には残業をさせたほうが得である」と考える人がい
   ます。

   社長がこうした考え方では、残業に対する従業員の意識に変化は起きません。

   このままでは、企業は永続的に一定枠までの残業代を支給し続けなければならず、
   残業にともない発生する電気代などの光熱費の負担も減少しません。

   従業員の意識改革を行い、時間管理を徹底させる場合には、まず、社長自身が「時間
   管理の徹底で、絶対に残業を削減する」という意識を持って取り組む必要があります。

  □残業時間削減の取り組み

   残業を前提とした業務の進め方では生産性は向上しません。

   社長が時間管理を徹底させることで、幹部社員、従業員が時間の使い方を工夫する
   ようになり、そしてその工夫が生産性の向上につながるのです。

   そのために大切なのは、社長が「時間管理を徹底することで残業を廃止する」と宣言
   することです。

   この「残業廃止宣言」を行うと、営業部門の部門長が「うちの部門から残業をなくす
   ことは不可能です」と言ってくるかもしれません。

   そのほかの部門からもこうした意見が寄せられることもあるでしょう。

   確かに季節的要因などから業務過剰となり、止むを得ず残業が発生する部門がある
   かもしれません。

   しかし、残業をなくすことが不可能だという部門長の意識を経営者が戒めないと、自社
   が持つ残業体質は改善しません。

   仮に、止むを得ず残業が発生するのであれば「残業時間のすべてに対して残業手当
   を支給する」というルールを徹底させます。

   その上で、残業手当を含まない人件費に対する残業手当の比率を部門ごとに算出し、
   競わせましょう。

   あるいは、残業手当全額支給を前提に部門における年間残業費用に一定の枠を設け
   ましょう。

   止むを得ず残業をしなければならない従業員がいる場合は、残業申請書を提出させ
   るのも一案です。

   残業申請書の提出は残業当日の終業時間3時間前まで、申請書の内容確認は必ず
   直属の上司が行うこととします。

   上司は、重要度が高く緊急性が認められる事項以外は原則として残業は認めない
   ようにします。

   申請書の内容を直属の上司が確認することで、部下が行っている業務の内容・難易
   度・進ちょく度合いを正確に把握できるようになります。

   部下の業務の進め方に問題点があれば、それを修正する絶好の機会が到来したと
   いえるのです。

   時間管理は、工夫、短縮、能率を上げること(が直接コストダウンにつながる)そのもの
   なのです。

   そのためには、
    ・時間管理徹底の体質改善に対して、経営陣が明確な方向付けできるか
    ・従業員一人ひとりに時間に対して高い意識を持たせられるか
    ・従業員の能率を上げるためには、自社としてどのような施策が考えられるか
    ・自社の事務、作業の工程に工夫や短縮の余地はないか

   など、徹底的にとらえなおすことがまず時間管理の第一歩といえ、それに対しての
   取りみを行うことが、結果として企業全体の時間管理を有効なものとするのです。

     組織の焦点を合わせ、戦略を定め、実行し、目標とすべき成果を明らかにす
     る人間が必要である。
     このマネジメントには、大きな力が付与される。
     しかし、知識組織におけるマネジメントの仕事は、指揮命令ではない。
     方向付けである。
                          (ドラッカー名言集「経営の哲学」)

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広告宣伝費を見直す

               

広告宣伝費を見直す


  ■企業活動で発生するコスト

   コストダウンは、“目に見えやすいコスト”が削減の対象となりがちです。

   例えば、業務の効率アップのためのパソコン購入であっても、何十万というまとまった
   コストの発生が目に見えるために先送りになるケースがあります。

   しかし、これは正しいコストダウンではなく、一時的なコストの回避策でしかありま
   せん。

   ましてや、パソコン購入による業務効率のアップも達成できず、企業の体制は旧態
   依然としたままです。

   正しいコストダウンにおいて、削減対象とすべきは「利益を生まない活動から生じる
   コスト」です。

   利益を生み出さない活動にはムダ、ムラ、ムリがあり、そこから生じるコストこそが問題
   なのです。

   削減対象となるコストを見極めるためには、財務諸表の一般管理費の推移を確認し、
   コストダウン推進委員会などが中心となってムダ、ムラ、ムリの調査を進めることが
   重要です。

   これには多くの時間や手間がかかりますが、正しいコストダウンを推進することを決定
   したのであれば、コストダウン推進委員長(社長)の強力なリーダーシップのもとで進め
   ていくことが欠かせません。

   会社のすべての活動は連続的に関係し合っています。

   そのため、特定分野のコストを削減した結果、他分野に悪影響を及ぼす危険性もある
   ため、コストダウンを推進した後も、全体的な視野でコスト発生状況を確認し、フォロー
   を続けていくことが欠かせません。

  □広告宣伝費を見直すための基本

   1.広告宣伝費の「正しいコストダウン」

     広告宣伝費を見直し正しい方法で削減するために、改めて「広告宣伝」という
     ものに対する認識を明らかにしておきましょう。

     (1)広告宣伝に対する認識

       広告宣伝は、自社にとって「利益を生み出す」ための戦略の一つであって、
       広告宣伝を行うことで会社の利益を圧迫することがあってはならない。

       上記の認識は、広告宣伝方法を見直したり、広告宣伝費を削減するうえで
       の基本認識となります。

       また、自社における正しいコストダウンとは、ただ単純にコストを○%削減す
       ればいいというようなものではありません。

       広告宣伝費を見直す際には、以下のようなコストダウンに対する基本認識
       を心に刻み込んでおく必要があります。

     (2)コストダウンに対する認識

       正しいコストダウンとは、自社の生産性を高め、利益を向上させるものでな
       ければならない。  

       つまり、コストダウンをしなければならないからといって、広告宣伝費をむや
       みに削減することで、広告宣伝の質が悪くなり製品やサービスの認知度が
       低下し、結果的に企業の売り上げや利益を減少させたりすることがあって
       はならないのです。

       広告宣伝費の正しいコストダウンとは、自社の広告宣伝を見直し、ムダ、ム
       ラ、ムリを発見し、それを正すことによって自社の利益を向上させるような
       最適な広告宣伝を実現することなのです。

   2.広告宣伝を見直す

     ・あなたの会社は今どのような広告宣伝を行っていますか?

     ・その広告宣伝は自社にとって本当に必要ですか?

     ・その広告宣伝は自社の利益にとって本当に適正ですか?

     広告宣伝費の見直しを検討する際、この「自社の広告宣伝に対する内なる問
     いかけ」が大きな第一歩となります。

     会社はさまざまな方法で製品やサービスの広告宣伝を行います。

     顧客に直接アピールする機会となる広告宣伝は、会社にとって重要な戦略の
     一つです。

     しかし、ただ単純に広告宣伝を行えば製品やサービスが売れるというわけで
     はありません。

     広告宣伝方法が的外れなものであったり、明確な目的がなく「なんとなく」行っ
     ているものであれば、その広告宣伝は自社の利益に貢献するどころか、ムダ
     な広告宣伝費を発生させ、事業活動の足を引っ張ることとなるでしょう。

     このような製品の売り上げ増に結びつかないような誤った広告宣伝から発生
     する広告宣伝費は、利益を生まない活動から生じるコストそのものです。

     例えば、ターゲットを「静岡県下の法人」に絞った販売戦略を立案しているコ
     ピー機製造メーカーA社がいたとします。

     A社が以下のような広告宣伝を行っていたとしたら、果たしてそれはA社にとっ
     て「正しい広告宣伝」といえるでしょうか?

      両面フルカラー高速コピー機を若手お笑いタレントを起用し、コント形式での
      全国放送の10代向け深夜のラジオ広告のみで広告宣伝している

     顧客ターゲットが「静岡県下の法人」であるにもかかわらず、上記のような広告  
     宣伝をしていたのでは顧客に対する訴求力があるとはとても思えません。

     まず第一に、選択している媒体がラジオであっていいのかどうかが非常に疑
     問です。

     なぜなら、コピー機の「両面フルカラー」「高速」といった性能や外観を言葉の 
     説明のみで正確に伝えるのは非常に困難なためです。

     さらに、販売拠点が東北地方なのであれば地域限定の広告宣伝のほうがより  
     訴求力があるかもしれません。

     また、地域限定のほうが全国ネットに比べてよりコストを削減することができる
     でしょう。

     起用するタレントや、「コント形式」などの広告の企画も見直す必要があるかも
     しれません。

     このように、自社の販売戦略と方向性が異なる広告宣伝を行っているなら、そ
     もそも広告宣伝の意味を成さないと言わざるを得ません。

     従って、その広告宣伝のために発生するコストは「ムダ」であり、見直す必要が
     あります。

     このムダなコストを削減し、自社にとって利益をもたらす「正しい広告宣伝」を
     実現することが必要です。

     このように、広告宣伝費の正しいコストダウンでは、広告宣伝の妥当性を見直
     すことが重要で、これにより、自社にとって利益を生まない広告宣伝を、利益を
     生み出すような正しい広告宣伝へと導いてくれるのです。

  □広告宣伝を見直すための基本的な考え方

   これまでみてきたように、広告宣伝費のコストダウンには「自社の広告宣伝の妥当性
   の見直し」が欠かせません。

   これを行わず、ただむやみに広告宣伝費を削減してはならないのです。

   では、どのようにして「自社の広告宣伝の妥当性の見直し」を行ったらよいのでしょう
   か?

   ここでは、自社の広告宣伝の妥当性の見直しの基本的な考え方をみてみます。

   1.広告宣伝を見直す際の確認事項

     広告宣伝を見直す際に忘れてならないのは、

      ・広告宣伝は、会社の売り上げを伸ばし、利益を向上させる

      ・広告宣伝は、それ以外の要素と組み合わさって成り立っている

     ということです。

     広告宣伝は、会社の利益を向上させるための戦略の一つです。

      ・利益を増加させるために自社は何をしたらよいのか

     という、会社の方向性や

      ・自社は「何を」「だれに」「いくらで」「どんな手段で」「どれくらい」 
       売りたいのかという販売の計画などと関係し合っています。

       広告宣伝の見直しを行い妥当性を検討するためには、まず、自社の方向
       性を確認しておくことが大前提となります。

     そのうえで、

      ・どんな製品を(販売したい製品を知る)

      ・誰に対して (販売したいターゲットを知る)

      ・どんな風に (販売の方法を知る)

     などの基本的な事項を明確にしておく必要があります。

     自社の方向性の確認や、それに基づく基本的事項を明確に把握しておかなけ

     れば、先に紹介したコピー機製造メーカーA社のように、的外れな広告宣伝を
     行うことになってしまいます。

     A社は、

      ・どんな製品を →両面フルカラー高速コピー機を

      ・だれに対して →静岡県下の法人に対して

      ・どんな風に  →家電量販店での店頭販売や通信販売で

     というように、基本的事項を明確にしておけば、それに即した広告宣伝を検討
     し実行することができたでしょう。

   2.プロモーション活動のバランスを検討する

     広告宣伝を見直す場合、販売促進など、広告宣伝以外のプロモーション活動 
     とのバランスの取れた組み合わせを考える必要があります。

     プロモーション活動には、主に次の4種類の基本的な手法があります。

      広告宣伝:有料の媒体を利用することによるメッセージの提示

      人的販売:人による、あるいは人と人との接触による販売活動

      販売促進:クーポン券発行など、購買意欲を高めるためのあらゆる活動
      パブリシティ:自社の情報が媒体に掲載されるための広報活動

     現実的には、企業は、上記の4つの手法を組み合わせて、広告宣伝のほか、

     人的販売や販売促進といったプロモーション活動を行うはずです。

     例えば、ドラッグチェーンなどでは、テレビ広告や雑誌広告、店内のPOP広告
     に加え、店頭での販売員の呼び込みなどによる人的販売、クーポン券やサー
     ビスカードの発行などの販売促進など、広告宣伝のほかの手法を組み合わせ 
     てプロモーション活動を行っています。

     会社は、先に確認した基本的事項「何を」「だれに」「どんな風に」に基づいて、

     4つの手法を適正なバランスで組み合わせることを検討しなければなりませ
     ん。

     どの手法を選択してどのように組み合わせればよいのか、あるいはどの手法
     に注力するのかを考える必要があるのです。

     その結果、広告宣伝にあまり重きを置かず、販促活動や人的販売に注力した 

     ほうがよいのであれば、それによって広告宣伝費が削減され、その余剰分の
     コストをサービスデーの開催や販売員の提案力の向上に力を注ぐなど、ほか  
     のプロモーション活動に転用することも可能になるのです。

     これまでみてきたように、「広告宣伝は企業の方向性などを反映した企業戦略 

     の一環である」ため、広告宣伝費の見直しを行う場合、「広告宣伝部門では広
     告宣伝費を今期○%削減する」といった目標を立てることがあったとしても、実
     際には、広告宣伝部門内だけで広告宣伝費の見直しを完結させることは非常
     に困難なケースが多いでしょう。

     大元になる自社の方向性を確認し、それに基づいて製品開発部門、営業部

     門、販売部門などと連携しながら、プロモーション活動のバランスの取れた組
     み合わせを検討する必要があるでしょう。

  広告宣伝費を見直すためのフローチャート
   これまで、広告宣伝費を見直す基本認識をみてきました。この基本認識に基づいて
   広告宣伝費を見直す流れを確認してみましょう。
   広告宣伝費を見直すには、
   まず第一に企業の方向性およびそれに基づくプロモーション活動の検討・把握
   必要です。

   それを踏まえたうえで広告宣伝費を見直すことになります。

   ポイントは、広告宣伝費の見直し手順が「3ステップサイクル」になっているという
   ことです。

   第1〜第3までのステップに沿った実行は、決して一度実行してしまえば終わりという
   わけではありません。

   サイクル形式で繰り返し行われるべき取り組みなのです。

   1.第1ステップ〜広告宣伝におけるムダ、ムラ、ムリの発見〜
    第1ステップでは、自社の広告宣伝の現状や広告宣伝媒体の種類を把握すること
    などによって、自社の広告宣伝におけるムダ、ムラ、ムリを発見します。

    この第1ステップでのポイントは以下の3視点からの「現状の把握と分析」です。

     (1)自己分析:自社企業の広告宣伝に関する現状を把握
     (2)広告分析:媒体の種類を把握するなど広告宣伝そのものの現状を把握
     (3)周辺分析:競合他社の広告宣伝の現状を把握

    広告宣伝費の見直しに当たって、まず、自社企業の行っている現状の広告宣伝費、
    広告ターゲット、広告している製品などを把握しておく必要があります。

    現状を明確に把握することによって、これまで当たり前のように行われてきた
    広告宣伝のムダ、ムラ、ムリを発見することができるかもしれません。

    広告分析で行うのは、「広告宣伝にはどのような種類があって、その価格帯は

    どうなっているのか」などの「広告宣伝そのものの把握と分析」です。

    自社企業の広告宣伝におけるムダ、ムラ、ムリを発見するためには、自社企業の
    現状の広告宣伝と比較できるようにするために、広告宣伝とはどのようなもので、
    どのような種類の媒体があり、どのような種類の方法があるのかを把握しておく
    必要があります。

    また、自社の広告宣伝を取り巻く環境を分析することも非常に重要となります。

    これが周辺分析です。

    まず競合他社の行っている広告宣伝や、広告宣伝のトレンドを把握・分析し、
    自社企業の現状の広告宣伝と比較します。
    このように、3視点からの把握と分析の結果を組み合わせて、あるいは比較して
    ムダ、ムラ、ムリを発見し、広告宣伝計画の見直しへと進むのです。

   2.第2ステップ〜ムダ、ムラ、ムリの発見に基づく広告宣伝の見直し〜

    第1ステップのムダ、ムラ、ムリの発見に基づき、第2ステップでは広告宣伝
    そのものを見直して改善し、その改善案を実行していきます。ムダ、ムラ、ムリを
    正し、「正しい広告宣伝の実行」ができるよう、自社企業の広告宣伝に利用する
    媒体や広告ターゲット、広告宣伝の方法、そして広告宣伝費などを適正なものに
    するのです。

    これにより、自社の広告宣伝が、ムダ、ムラ、ムリを回避した正しい広告宣伝、
    つまり、

     ・訴求力がある
     ・利益につながる
     ・ムダなコストが発生しない
     ・自社企業の方向性に合致している

    の4つの項目を満たす広告宣伝に近づくことができます。

   3.第3ステップ〜広告宣伝の効果を常に測定〜
    第3ステップでは、「正しい広告宣伝の実行の結果のチェック」を行います。

    広告宣伝の見直しに基づいて、改善策を実行した後は、常にその効果を測定し、
    改善策が適正であったかどうか、利益に貢献しているかどうかをチェックする
    ことが非常に重要です。

    効果をチェックする方法としては、例えば、アンケートなどの定量的調査や、
    インタビューなどの定性的調査の両方を組み合わせた広告効果測定を行ったり、
    自社売り上げに占める広告宣伝費の割合を、正しい広告宣伝を行う前と後で比較
    してみるなどの方法があります。

    広告測定には手間もコストもかかりますが、「正しい広告宣伝のサイクル」に則って、
    効果測定から再び「広告宣伝におけるムダ、ムラ、ムリの発見」へと移行し、
    より理想的な広告宣伝計画の見直しを行うためには、広告効果測定は欠かせない
    のです。

    広告宣伝費の見直しには、以上の3ステップサイクルを絶え間なく循環させ、
    常に「正しい広告宣伝」を模索し続けることが大切です。
    広告宣伝費における「正しいコストダウン」には「ゴール」はありません。

    継続的に、しかもひたすら勝つこと(企業の利益を増加させること)を目標に
    行われる戦略、つまり「ノーゴールで勝つための戦略」なのです。

  広告宣伝を行わないという考え方
   これまで、広告宣伝費の正しいコストダウンを行うための基本認識として、広告宣伝を
   見直す際の考え方やステップをみてきました。
   広告宣伝を見直すには、まず、企業の方向性を確認しましょう。そのうえで、「何を」
   「誰に」「どんな風に」「いくらで」「どれくらい」などの自社の販売の計画を
   明確にし、それに基づいて4つのプロモーション活動のバランスの取れた組み合わせを
   考える必要があります。

   なぜなら、これを行うことこそが、広告宣伝におけるムダ、ムラ、ムリの発見に

   つながるものであり、発見されたムダ、ムラ、ムリを正して生産性を高めるのが、
   正しいコストダウンといえるのです。
   ここで注目したいのは、プロモーション活動のバランスを検討した結果、
「広告宣伝
   を行わない」という選択肢も存在する
ということです。

   例えば完全地域密着型のケーキ店で重点的に行うプロモーション戦略は、テレビ
   広告や雑誌などの広告宣伝を行うよりも、訪れてくれる地域の顧客に対して接客
   によってコミュニケーションを深めるような「人的販売」が効果的でしょう。

   その人的販売に加え、地域顧客に対してクーポン券を発行したり、サービスデーを
   設けるなどの「販売促進」を行えばより効果は上がるでしょう。

   全国紙の雑誌に毎月何十万の広告宣伝費をかけてケーキの広告を掲載するより、

   はるかに廉価でケーキの売り上げを増加させることができるでしょう。

   このように自社企業の方向性やプロモーション活動を検討した結果、「広告宣伝を
   行うことは適正ではない」という結論が出た場合には、
広告宣伝そのものをカット
   してしまう勇気も必要です。

   広告宣伝を行い、適正ではないプロモーション活動を展開することは、企業にとって
   「ムダそのもの」です。

   生産性を高め、利益を向上させるためには、前述したケーキ店のように、
   「広告宣伝をやめること」を断行しなければならないケースもあるでしょう。

   あくまでも、企業が広告宣伝の見直しを行う目的は、利益を生まない活動から生じる

   コストを削減し、生産性を高め、利益を向上させるような正しいコストダウンを
   実現する
ということであるのを、忘れてはなりません。

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社会保険料の削減は大きなコスト軽減

           

社会保険料の削減方法


  法人税は収益によって変化し、赤字になれば払わなくても済みます。

  しかし、社会保険料の場合、社員に賃金を払う以上、企業は必ず負担しなければなりま
  せん。

  節税というと、法人税の節税だけに目が行きがちですが、社会保険料の負担率は、法人
  と個人の負担分を合わせると給与支給額の25 〜27%にもなります。 

  社会保険料は以下のような支払い方法の見直しによって削減できます。

   ・賞与の支払い方を変更する

   ・住宅手当の支払いを工夫する

   ・従業員の雇用の際に、「2ヶ月以内の有期雇用契約を利用して採用する」

   ・常勤役員を非常勤役員にする

   ・退職者は月末の前日にする

   ・高齢役員の報酬額を減額する

   ・定期昇給の時期を4月から7月に変更する

   ・通勤手当の支払い方法を変える

   ・親族を非常勤役員(従業員)にする

  社会保険料の削減は企業にとって大きなコスト軽減になります。

  たとえば、

  ○ 通勤手当の支払い方法を変える 

   もし、通勤費を1ヶ月定期の金額で支給していたら、6ヶ月定期の金額支給に変
   更する。

   定期代は社会保険料に影響してきます。

      6ヶ月定期を購入し、その金額を6で割り、1ヶ月分の金額を計算する。

      6ヶ月定期の金額÷6=1ヶ月定期の金額

      給与に加算する金額は6で割った1ヶ月定期の金額になります。
     (6ヶ月定期購入の方が1ヶ月定期購入より割引になる)

     ただし、社会保険料の負担が変わらない場合もあるが、一度計算してみる価値
   はあります。

  ○ 住宅手当の支払いを工夫する 

   住宅手当を毎月の基本給に上乗せする形で支払っているのをやめて、賃貸借
   契約を下記の形式に変更します。

        社員個人の賃貸借契約 → 法人契約の借上社宅の契約

   これにより、この社員の所得税、住民税も軽減されることになります。

   負担する家賃の額は以前と同じで、社会保険料の額は、社員も会社も減ること
   になります。

  ○ 親族を非常勤役員(従業員)にしている 

   親族を非常勤役員(従業員)にしている場合、以下の条件のいずれか1つを満
   たせば社会保険に加入する義務がありません。

    ・1日の労働時間が6時間未満

    ・1週間の勤務日数が4日未満

    ・1ヶ月の勤務日数が16日未満

   以上のようにちょっとした工夫で余分なお金を払わず、コスト削減が可能と
   なります。 

   他にも、

    ・従業員の退社日を末日より1日早める

    ・昇給月を7月にする

    ・通勤費の支払い方法を工夫する

    ・借り上げ社宅制度を導入する

    ・従業員の給与を年棒制にする

   賃金台帳の記載方法を変えるだけであっても、中小企業の多くがこのような削

   減方法を実行に移そうとしません。

   「めんどう」、「たいしたコスト削減にはならない」といった考えを持っています。

   社会保険料は利益と関係なく、赤字でも負担しなければらない制度です。

   この改訂を大きなチャンスと捕らえ、専門家とWin Win の関係を保ち、マー
   ケット開拓を推進することをお勧めします。

                         労務を切り口とした保険営業

                詳しくは、顧問の税理士、社労士にご確認ください。

   私もあなたも含め、人は自分にメリットのあることにしか反応(興味・関心)を
   示しません。

   無風状態でお客様にニーズ喚起しても反応は薄いでしょう。

   しかし、上記のように、法令、税、社会環境などの変化はチャンスなのです。


   保険に限らず、全ての商品・サービスを高確率で成約する秘訣は売れてい
   る人(会社)を真似ることです。

   彼らに共通するのは、商品・サービスそのものを売っているのではなく、その
   商品・サービスがお客様にもたらすメリット(利益)を販売しているのです。

   変化を見逃さないでください。

 

▼▼お問合せ・コンサルティング依頼▼▼

 

節税対策・コスト削減で浮いたお金は利益

           

節税対策とコスト削減案


  社内における節税対策やコスト削減案にはさまざまあります。

   法人における節税対策の効果は利益となって表れます。

  節税対策その1 

  旅費規程を作って節税しよう

  節税対策その2

  小規模企業共済に加入して節税しよう

  節税対策その3

  中小企業倒産防止共済に加入して節税しよう 

   節税対策その4

   短期の前払費用

  節税対策その5

  社会保険料の削減  

 

経費削減.gif

  企業の多くがコスト削減というと、まず手がけ
  るのが固定費である人件費です。

  人の採用目的を明確にしなければ、収益
  が落ちたから人を減らす・給与を削減といっ
  た安易な発想になってしまいます。

  コスト削減案その1  

  大企業と違い資金に限りがある中小企業に
  とって一人の人材を採用するにも即戦力と
  なってもらわなくてはなりません。

  業務対策のコーナーでも記載しましたが、
  業務改善こそが大きなコスト削減につな
  がります。

  余分なお金のない中小企業こそ、徹底した
  業務改善が必要なのです。

  コスト削減案その2

  あなたは企業防衛のためにさまざまな保険に加入していると思います。
  複雑・多様化するリスクに対し、企業が保険を抜きに安心してに事業継続していくこ
  とは不可能な時代になってしまいました。

  過去の『水と安全はタダ』であった時代は、昔話になってしまったのです。
  ところが、その企業保険の加入状況があまりにずさんであることに、あなたは気づい
  ていません。

  なぜでしょう?

  「複雑だから」「面倒だから」「忙しいから」といった理由だけで、対策を先延ばし
  にしていないでしょうか。

  今まで、リスクマネジメントの観点から中小企業1427社にかかわり、損害保険や
  生命保険を適正に付保しているところは、現状皆無に近い状態です。

  なぜなら、企業に対して正しいリスクマネジメント提案のできる専門家(保険代理店)
  がほとんど存在していないからです。

  経営者に掛けている生命保険料がナント最大で1/10に削減に見直しできた事例
  も多数の企業でありましました。

  企業リスクを保険という一部分からしか見ることができず、業種によっては起こりえ
  ないリスクに保険をかけていたり、リスクに対する補償が重複していたりといった
  状況です。

  経営者側も、「安くなればいい」といった安易なコストの軽減目的で保険加入した結
  果、「軽減になっていない」、といった笑えない話も数多く見られます。

  企業にかける保険料の削減とは、単に保険料を安くするということではなく自社の
  抱えるリスクに対し、最適な補償内容を最小のコストで付保することです。 

  現在、企業の抱えるリスクはますます複雑化・多様化してきています。

  企業のリスクに対し、保険で対応できることをすべてを保険だけで手当てすることが
  コスト高を拡大させるのです。

  リスク対策イコール保険ではなく、リスクマネジメント(事故を起こさない・最小限に抑
  える)対策を講じることが重要です。

  たとえば、企業が加入している保険は事業計画書・就業規則と連動していることが
  重要です。  

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