メンタルヘルスの不調は仕事が原因!?

               

職場のメンタルヘルス対策 


  近年、「メンタルヘルスの不調は仕事が原因だ」と考える労働者の増加に伴い、
  労災の請求だけでなく、民事訴訟に発展するケースも増えています。

  厚生労働省は、平成21年度における脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補
  償状況について発表しましたが、精神障害等に係る労災請求件数は前年比2割
  超の増加
となりました。

  今では職場のメンタルヘルス不調者の発生は他人事ではなく、その原因が業務上
  の理由となれば企業の安全配慮義務が問われ、損害賠償請求まで及ぶこともあり
  ます。

  平成19年の調査ですが、対策に取り組めていない事業所が約2/3あり42.2%の
  事業場が、その理由として取り組み方がわからないと回答していました。
  (労働者健康状況調査)


  そこで、メンタルヘルス対策の具体的推進事項として、厚生労働省が通達におい
  て示しているポイントを整理してみました。

  まずは、セルフチェックしてみましょう。

   @衛生委員会等での調査審議の徹底 メンタルヘルス.gif

     ・メンタルヘルス対策を審議する場が
      あるか

     ・その議事内容を労働者に周知徹底
      しているか

   A職場における実態の把握

     ・メンタルヘルス上の理由による休業者が
      いるか

     ・休業者がいる場合は人数を把握しているか

   B心の健康づくり計画の策定

     ・「心の健康づくり計画」という言葉を知っているか

     ・事業者がメンタルヘルス対策を積極的に推進する旨を表明しているか

   C職場内の体制の整備

     ・産業医がいるか(50人以上の事業場)

     ・職場にメンタルヘルスの推進担当者がいるか

   D教育研修の実施

     ・メンタルヘルスに関する研修会を開催したことがあるか

     ・管理監督者(上司その他の労働者を指揮命令する者)への教育研修
      を実施しているか

   E職場環境等の把握と改善

     ・職場環境に関するアンケートを実施しているか (作業内容、労働時
      間、仕事量、人間関係等)

   F不調者の早期発見と適切な対応の実施

     ・メンタルヘルス不調者の相談体制があるか

     ・メンタルヘルス不調者に対し、医療機関等につなぐ体制があるか

     ・長時間労働者に対し、面接指導を行う仕組みがあるか

   G職場復帰支援

     ・メンタルヘルス不調で休業した人の職場復帰支援プログラムがあるか

  メンタルヘルス対策は、企業の労務リスク対策であると同時に、企業の生産性の
  向上対策
でもあります。

  厚生労働省が設置した「メンタルヘルス対策支援センター」の次のような無料相談
  も活用して、対策の具体的な進め方を検討してみてはどうでしょう。

   ・職場のメンタルヘルス対策の取り組み方法

   ・不調な労働者の対応方法


  メンタルヘルス対策について詳細はこちら 

 

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事業場における治療と職業生活の両立支援

         

事業場における治療と職業生活の両立支援


  近年の医療技術の進歩で、かつては「不治の病」とされていたものが治療により生
  存率が向上し、「長く付き合う病気」に変化しています。

  たとえば労働者が「がん」や「脳卒中」などにかかった場合、通院をはじめとする治
  療と仕事の両立が可能であったとしても、会社の就業体制が整備されていなけれ 
  ば、仕事の継続はおろか、休職をしたところで復職は困難となってしまいます。

  この課題に対し厚生労働省は、会社において適切な就業上の措置を行いつつ、治
  療に対する配慮が行われるようにするための、ガイドラインを公表しました。

   1.留意点

     対象となる病気は、「がん、脳卒中、心疾患、肝炎、その他難病」で、反復・継
     続して治療することが必要なものです。

     仕事の繁忙等を理由に必要な就業上の措置や配慮を行わないことがあって
     はならず、労働者から支援を求める申し出があれば、会社は、仕事によって病
     気の悪化、再発、労働災害が生じないよう、治療に対する配慮を行うことが必
     要です。

   2.環境整備

     治療と仕事の両立支援に取り組むに当たり、会社は、まず基本方針や具体的
     な対応方法、社内ルールを作成することになります。

     その上で当事者やその同僚となりうるすべての労働者に意識啓発をすること
     で、両立支援がより円滑に実施できるようなります。

     両立支援のための社内制度の例としては、傷病・病気休暇、短時間勤務、在
     宅勤務(テレワーク)、長期休業後の試し(慣らし)出勤などが考えられます。

      環境整備のための検討・実施事項(例)

       @ 労働者や管理職に対する研修などによる意識啓発

       A 労働者が安心して相談・申出を行える相談窓口を明確化

       B 時間単位の休暇制度、時差出勤制度などを検討・導入

       C 主治医に対して業務内容などを提供するための様式や、主治医から
          就業上の措置などに関する意見を求めるための様式を整備

       D 事業場ごとの衛生委員会等における調査審議

   3.治療と仕事の両立支援を行うに当たっての進め方

     厚生労働省のガイドラインでは、両立支援の進め方について次のような手順
     を示している。

     主治医からの情報をもとに、関係者間で情報共有や連携を図っていくことが重
     要となりますが、関係者には、主治医のほか、産業医、保健師等スタッフ、人
     事労務担当者、上司・同僚、労働組合、社会保険労務士などが挙げられま
     す。

     会社の就業規則を見てみると、治療が定期的に繰り返される疾病に対応でき
     るような、休職制度や休暇制度などが規定されていないものが見受けられま
     す。

     就業規則の傾向として、労務リスクに対応するために作成してきたものが多い
     ことと思われますが、労働者が安心して働けるように職場環境を整備し、離職
     率の低下などを実現させるためにも、「就労支援」という違った視点を取り入
     れ、今ある就業規則を見直してみることをお勧めします。

 

衛生委員会の設置

           

衛生委員会の設置が義務付け

  ■衛生委員会の設置

   昨今、労働局や労働基準監督署は労働者の健康障害防止に力を入れています。

   労働者の長時間労働による過労やメンタルヘルスといった健康上の問題に対して、
   事業場としてどのように取り組んでいくかが重要な課題となっています。

   これらの課題についての議論を行う場として、一定規模以上の事業場には衛生委員
   会の設置が労働安全衛生法により義務付けられています。

  □衛生委員会の設置が必要な事業場

   業種に関わらず、常時使用する労働者が50人以上の事業場では、衛生委員会の
   設置が義務付けられています。

    ※常時使用する労働者には、正社員以外にも、派遣矧動者、パートタイマーや
      アルバイトも含まれます。

    ※事業場ごとに設置する必要があります。

    ※労働者が50人未満で衛生委員会の設置義務が無い事業場でも、衛生に関
      する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けていなけれ
      ばなりません。

  □衛生委員会の開催頻度

   衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにしなければなりません。

  □衛生委員会の構成メンバー

   労働安全衛生法第18条2項では、衛生委員会の構成メンバーを次のとおり定めて
   います。

    @総括安全衛生管理者又は当該事業場において、その事業の実施を統括管理
     する者若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者(議長として1名)

    A衛生管理者のうらから事業者が指名した者(1名以上)

    B産業医のうちから事業者が指名した者(1名以上)

    C当該事業場の矧動者で、衛生に閲し経験を有する者のうらから事業者が指
     名した者(1名以上)

    ※上記@以外のメンバーの半数については、当該事業場の過半数労働組合   
      (労働組合が無い場合は、労働者の過半数代表者)の推薦に基づいて指名し
      なければなりません。

  □衛生委員会で調査審議する事項

   衛生委員会で調査審議すべき主な事項は次のとおりとなっています。

    @労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること

    A労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること

    B労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること

    C衛生に関する規程の作成に関すること

    D定期健康診断等の結果に対する対策の樹立に関すること

    E長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹

      立に関すること

    F労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること

  □その他衛生委員会に関すること

   【議事概要の周知義務】

    事業者は、衛生委員会の開催の都度、委員会における議事内容を労働者に周知
    しなければなりません。

   【記録の保存】

    事業者は衛生委員会における議事で重要なものに係る記録を作成し、これを3
    年間保存しなければなりません。

   労働局や労働基準監督署は労働者の健康障害防止に力を入れて取り組んでいます。

   2014年の5月に厚生労働省が策定した「平成25年度地方労働行政運営方針」の
   中の重点施策として、「労働者の安全と健康確保対策の推進」が盛り込まれています。

   この点からも衛生委員会が非常に重要であるということが言えます。

  □労働安全衛生法改正のポイント

   1.化学物質管理のあり方の見直し

     特別規則の対象とされていない化学物質のうち、一定のリスクがあるもの等に
     ついて、事業者に危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)を義務付
     け。

   2.ストレスチェック制度の義務化

    (1)平成26年6月に労働安全衛生法の改正が可決し、平成27年12月から、5
      0名以上の企業において、従業員全員へのストレスチェックが義務となりま
      す。

      労働者の心理的な負担の程度を把握するため、医師、保健師等によるスト
      レスチェックの実施を事業者に義務付け。

      従業員50人未満の事業者については、当分の間努力義務。

    (2)ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、検査結果を通知された労 

      働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見
      を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適
      切な就業上の措置を講じなければならないこととする。

   3.受動喫煙防止対策の推進

     受動喫煙防止のため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずる
     ことを努力義務とする規定を設ける。

   4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応

     厚生労働大臣が企業単位での改善計画を作成させ、改善を図らせる仕組み
     を創設。(計画作成指示等に従わない企業に対しては大臣が勧告する。それ
     にも従わない企業については、名称を公表する。)

   5.外国に立地する検査機関等への対応

     国際的な動向を踏まえ、ボイラー等特に危険性が高い機械を製造等する際に
     受けなければならないこととされている検査等を行う機関のうち、外国に立地
     するものについても登録を受けられることとする。

   6.規制・届出の見直し等

    (1)建設物又は機械等の新設等を行う場合の事前の計画の届出の廃止。

    (2)特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務付けられている

      電動ファン付き呼吸用保護具を型式検定、譲渡制限の対象に追加。

  □施行期日

   施行期日は

    1.は2年を超えない範囲内において政令で定める日

    2.は1年6月を超えない範囲内において政令で定める日

    3.、4.、5.は1年を超えない範囲内において政令で定める日

    6.は6月を超えない範囲内において政令で定める日

                       (参考:厚生労働省

   安全衛生法は、守らなくても罰則などはありません。

   しかし、「安全配慮義務」を怠っていた場合、何か揉め事が起こったとき、民法などを
   根拠に、社員に訴えられてしまう可能性があるのです。

  □安全配慮義務

   会社が社員の心身の安全を確保しなければいけない義務のことです。

   身体の安全はもちろん、心の健康面まで、企業は確保しなければいけません。  

 

介護の両立支援制度の見直し

         

介護の両立支援制度の見直し

  ■介護の両立支援制度の見直し

   高齢化社会が急速に進展する中、介護保険制度における要介護者または要支
   援者は平成25年度末で584万人(平成25年度介護保険事業状況報告(年報))
   となっており、会社などで働きながら介護をしている方は約240万人、介護・看護
   のために離職した方は年間約10万人(共に平成24 年就業構造基本調査)と
   なっています。

   そのような中、平成27年9月に安倍総理が表明した『新・三本の矢』の第三の矢
   「安心につながる社会保障」では、介護離職者ゼロが掲げられており、平成27年
   12月21日には労働政策審議会により育児介護休業法改正に向けた建議が行
   われるなど、介護離職の防止に話題が集まっています。

   ここでは、仕事と介護の両立支援制度の見直しについて概要をご紹介します。

  □介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備

   介護に関する両立支援制度については、いつまで続くか分からないという介護の
   予見性の低さや、個々の事情の多様性などに対応できる内容に見直す必要があ
   ります。

   また、介護が必要な家族を抱える労働者が一人で 介護を支えると、結果として
   離職につながりかねないことから、介護サービス等を十分に活用できるようにす
   る必要があります。

   以上から、介護休業や柔軟な働き方の制度を様々に組み合わせて対応できる制
   度構築の方向性として次の6 つが挙げられています。

      (1)介護休業の分割取得

        現行の介護休業制度は一つの病気やけがなどの症状につき、原則1 回
        のみ(通算93 日以内)しか休みを取る事ができないため、見通しが立ち
        にくい介護において状況の変化に対応できずに、継続就業することが難
        しくなるケースが多くありました。

        そのため、今後は介護開始から終了までの間に要介護者の状態が大きく
        変化した場合や、病院への入退院、介護施設間の移動などの際に、介護
        の体制を構築するための休業として、弾力的に介護休業を活用できるよ
        うに最大3 回まで分割取得できるようにすることが適当であるとしてい
        る。

      (2)介護休暇(年5 日)の取得単位の柔軟化

        介護休暇の取得単位については、介護保険関係の手続きやケアマネー
        ジャーとの打ち合わせ、通院等丸一日休暇を取得する必要がない場面も
        想定されるため、半日単位での取得を可能とすることが適当であるとして
        います。

      (3)介護のための所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)

        現行では、何らかの理由で介護休業を取らない労働者に対し、就業しつ
        つ家族の介護を容易にするための措置ですが、今後は、日常的な介護
        のニーズに対応するために、介護休業と合わせて93 日とされている現
        状から独立させ、利用開始から3 年の間で2 回以上の申出を可能とする
        ことが適当であるとしています。

      (4)介護のための所定外労働の免除

        日常的な介護のニーズに対応する目的で、所定外労働の免除と組み合
        わせて利用できる介護サービスを活用するために、介護に係る所定外労
        働の免除を法律上に位置づけると共に、介護終了までの期間について請
        求できる権利とすることが適当であるとしています。

      (5)介護休業等の対象家族の範囲の拡大

        現行では、祖父母、兄弟姉妹及び孫は同居かつ扶養していることが条件
        でしたが、昨今の世帯構造の変化を鑑み、その要件を外すことが適当と
        しています。

      (6)仕事と介護の両立に向けた情報提供

        仕事と介護の両立を円滑に図るためには、労働者が両立支援制度や介
        護保険制度の仕組み等について十分に情報を得ている事が必要である
        ため、行政の情報の周知、相談や支援の充実を図ると共に、企業におけ
        る両立支援制度の利用等に関する周知や相談窓口の設置等の取組を支
        援することが適当であるとしています。

  □介護は社会全体で   

   介護は家族だけでなく社会全体で支えるものであることから、企業は介護が必要
   な家族を抱える労働者に対して、社会保障制度を十分に活用できるように柔軟な
   働き方を選択できる制度による支援を行うことが求められています。

   それにより、家族の介護が必要な時期に離職することなく働き続けることで、労働
   者個々の希望の実現や将来に対する安心につながると共に、企業としても安定
   的な労働力の確保にもつながっていくので、法改正を待たずとも検討されてみて
   はどうでしょうか。

 

健康診断の種類と概要

         

職場の健康診断
  

  労働安全衛生法では、労働者の「健康の保持増進のための措置」として健康診断を
  実施することを事業者に義務づけています。

  法第66条による、事業者が実施しなければいけない健康診断の種類と概要を説明
  します。

  また、法第66条に付随する健康診断に関するその他の規定等(第66条の2から
  第66条の8)も見て行きます。

  □健康診断の種類

   1.一般健康診断

     (1)雇入時の健康診断(安衛則第43条)

       常時使用する労働者を雇入れる時に行うもの

     (2)定期健康診断(安衛則第44条)

       1年以内ごとに1回、定期に、行うもの

     (3)特定業務従事者の健康診断(安衛則第45条)

       特定業務に常時従事する労働者に、配置替え時および6ヶ月ごとに1
       回、定期に、行うもの

     (4)海外派遣労働者の健康診断(安衛則第条45の2)

       労働者を海外に6ヶ月以上派遣する場合、および海外に6ヶ月以上派
       遣した労働者を国内の業務に就かせるときに行うもの

     (5)結核健康診断(安衛則第46条)

       結核の発病のおそれがあると診断された労働者に対して行うもの

     (6)給食従業員の検便(安衛則第47条)

       給食の業務に従事する労働者に対し、雇入れの際または当該業務に
       配置替えの際に行うもの


   2.特殊健康診断

     (7)特別項目の健康診断(安衛法第66条第2項)

       政令や通達で定める有害な業務に従事する労働者及び、過去に有害な  
       業務に従事し現在も使用する労働者に行うもの。

     (8)歯科医師による健康診断(安衛法第66条第3項)

       歯またはその支持組織に有害なガス等を発散する業務に常時従事する
       労働者に行うもの

     (9)臨時の健康診断(安衛法第66条第4項)

       労働者の健康を保持する必要がある認める場合に、都道府県労働局
       長が事業者に対し指示して行わせるもの

   3.その他の健康診断

     (10)労働者指定の健康診断(法第66条第5項但書)

        事業者が行う健康診断の替わりに、労働者が独自に健康診断を行
        い、その健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出するもの

     (11)自発的健康診断(法第66条の2)

        労働者の自主的判断で受診するもの

   4.健康診断実施後の措置

     ○ 健康診断の結果の記録(安衛法第66条の3)

     ○ 健康診断結果の報告(安衛則第52条)

     ○ 医師等からの意見聴取(安衛法第66条の4)

     ○ 就業上の措置(安衛法第66条の5)

     ○ 健康診断の結果の通知(安衛法第66条の6)

     ○ 保健指導等(安衛法第66条の7、8)

 

ストレスチェック制度

          

ストレスチェック制度

  厚生労働省が発表した平成25 年「脳・心臓疾患と精神疾患の労災補償状況」によ
  ると、精神障害による労災請求件数は1,409 件と前年度より152 件増加して過 
  去最高を記録するなど、近年高い水準で推移しています。

  こうした背景を元に心理的な負担の程度を把握するための検査及びその結果に基
  づく面接指導の実施を事業主に義務付ける「ストレスチェック制度」(2015.12.1よ
    り施行)が設けられました。

  施行後は、常時50 人以上の労働者を使用する事業場は、毎年1 回定期的に検 
  査を実施した上で、所轄監督署に実施状況を報告することが義務となります(50
  人未満の事業所に関しては当分の間努力義務)。

  また、ストレスチェック制度の実施についての規程を定め、これをあらかじめ労働者 
  に対して周知しておく必要があります。

  ストレスチェック制度の基本的な考え方

   メンタルヘルスケアは取組の段階ごとに以下の予防に分けることができます。

    ・一次予防:ストレスへの気づき・対処・支援・メンタルヘルス不調となることの未
            然防止

    ・二次予防:メンタルヘルス不調の早期発見、早期対処

    ・三次予防:メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援

   今回のストレスチェック制度は一次予防を目的としたものとなっていますが、二次
   予防、三次予防も含めたメンタルヘルスケアの総合的な取組の中にストレス 
   チェック制度を位置づけ、実施していくことが望ましいでしょう。

  □ストレスチェック制度実施前の事前準備流れ

   事業者は事前に制度に関する基本方針を表明した上で、衛生委員会を設置し、
   円滑に制度を進めるために次のような項目を調査審議することとなります。

  □ストレスチェック制度の留意点

   ・ストレスチェックは医師や保健師などが実施し、検査結果は直接労働者に通知
    されます。

    事業者は実施者から各労働者の受検の有無を確認し、本人の同意の上で検査
    結果を取得することとなります。

   ・事業者は実施者に対して結果を一定規模の集団ごとに集計・分析させ、結果を
    勘案して職場環境の改善をすることが必要です(努力義務)。

   ・取得した検査結果に関しては5 年間保存しなければならず、情報管理体制を整
    えておく必要があります。

   ・ストレスチェック実施後に高ストレスなど一定の結果を受けた労働者が面接の申
    出をしてきた場合、事業者は医師などによる面接指導を実施する必要がありま
    す。

    相談窓口などを設けておくことが望まれます。

   ・面接指導実施後は遅滞なく面接指導者から意見を聴取し、場合によっては就業
    制限・休業など、就業上の必要な措置をとらなければなりません。

    また、本制度と合わせて、日頃から労働者の心のフォローができる職場環境の 
    整備を心がけて、まず一次予防が有効に機能するようにしていきましょう。