営業活動の目的は問題解決(ソリューション)支援活動

        

ソリューション問題解決型)活動 


  社会構造や経済情勢、またテクノロジーやライフスタイルといった私たちを取り巻く環境
  の変化は、過去とは異なる考え方、価値観を生み出しています。

  これらに伴い、あなたの扱う商品・専門サービスに関してもお客様の意識や行動も大きく
  様変わりしているのです。

  お客様のニーズは多様化し、これまでとは違って購入に際しても、どんな商品・専門
  サービスを、どこから購入すべきかを、過去の取引き実績に関わりなく、お客様が自分
  の判断で決しようとしてきています。

  あなたが提供しようとする商品やサービスも多様化し、お客様の選別の余地はますます
  拡大されてきました。 

  一方、商品・専門サービスを提供する販売チャネルの多様化は、ますます競争激化、
  買い手市場を作り出し、真の顧客満足を提供した企業だけがお客様から選別される時代
  をもたらしました。

  このようないわゆる顧客主導マーケットにおけるあなたの目指す方向は、ただ一つ、
  顧客満足(CS)の実行、すなわち客様への満足の提供(顧客サービス)に集中する
  ことです。

  お客様とは、あなたにお金を払う人、すなわち顧客とその見込み客です。

      情報をもつものが力を持つ。
      こうして、今や最終消費者であろうと、企業であろうと、買い手に
      主導権が移行した。
      要するに、供給者であるメーカーは売り手であることをやめ、
      消費者のために買い手にならなければならなくなったという
      ことである。
      これはすでに起こっていることである。
                                  (P.F.ドラッカー)


  CSといっても何も難しいことではありません。

  それは、あなたにお金を払ってくれる人の求めていることに応えることです。

  ■ソリューション(問題解決提案型)営業 

   相手のニーズ・課題を想定し、提案していく営業スタイルをいいます。

   お客様が何を求めているのか、お客様のニーズ(問題、課題)を正しく把握してそれに
   する解決策を与える提案型活動がソリューション活動であり、提案型営業なのです。

   そしてそれこそが、あなたの行う活動(営業)に他なりません。 

   ここで求められているのはセールスマンではなく、あなたの扱う商品・専門サービスを
   キーとした暮らし(家計、健康)や企業が抱える問題解決の支援のできる営業マン
   なのです。

   セールスマンは、あらかじめ鞄に詰めておいた自分の商品・専門サービスを売るために
   歩き回ります。

   つまりセールスマンにとっては、まず商品ありき
   なのです。

   彼らは毎日商品に適合する人を探して回ります
   が、これは相当エネルギーを費やす作業です。コンサルタント.gif

   これに対して、問題の解決支援を核とした営業
   マン(コンサルタント)の動きはどのようなもので
   しょうか?

   彼らは悩める人をさがしますから、見込み客は
   いくらでも存在します。

   なぜならば誰でも、そしてどの企業も何かしら必
   ず解決すべき問題を抱えているからです。

   コンサルタントにとっての見込み客は、潜在、顕
   在を問わず、ニーズ(問題、悩み、不安、リスク)
   といったものを抱えているすべての人々や企業です。

   そしてコンサルタントはお客様の抱えている問題・課題(ニーズ)の解決策について助言
   や提案をしていきます。

   「問題解決支援活動」はすべての業界に当てはまるのではないでしょうか。

   あなたが扱う商品・サービスがお客様の生活や事業で抱える悩みや問題にどのように
   役立つのか。

   商品・サービス自体を前面に売るのではなく、あなたの扱う商品・サービスが手段と
   してどのように役立ち、導入後どのような変化・改善が可能になるのかです。

   お客様は商品・サービスそのものを求めているわけではありません。

   お客様が求めているのは「願望を満たすため」「問題を解決するため」の手段として
   あなたの商品・サービスを購入していることを知ることです。

   少子高齢化に伴う経済環境の悪化、マーケットの縮小などにより経営環境は厳しさを
   増すばかりです。

   同業他社との差別化だからといって、商品・サービスの優位性(特徴)を強調すること
   で、結果として価格競争に陥りかねません。

   このように、商品・サービスだけでは差別化ができないことは既にご承知のはずです。

  ■お客様にとっての利益

   このような環境下で、あなたが競合他社との差別化を図り勝ち残っていくには、お客様
   目線である『お客様にとっての利益(メリット)』を提案していくことに他なりません。

   「問題解決業」にとっての営業はコンサルティング営業です。

   お客様の抱える悩み、問題解決のお手伝いをすると考えればよいでしょう。

   それでは、人々や企業のニーズとはどういったことでしょう。

   例えば、対象が個人であれば介護、年金、医療、教育に関わる問題。

   事業所であれば売上げ(利益)、資金繰り、人事労務に関わる問題。

   このプロによる問題解決のための活動がコンサルタント活動、コンサルティング営業
   なのです。 

   大事なことは、はじめにマーケット・お客様ありき、そしてニーズ(問題、悩み)ありき
   ということです。

   コンサルタントはそれらのお客様の問題・悩みを解決するため、自分の持っている
   すべての商品、ノウハウ、サービス等を駆使して、最小のコストで最大かつ最適な
   プランをお客様に提供していきます。

   このようなコンサルティングセールスに必要な、要件や能力とはどのようなものでしょ
   うか?

   あなたが扱う商品・専門サービスに関する自社他社を含めた業務的知識や、周辺知識、
   マーケットやお客様に関する情報はもちろんですが、それ以外にもお客様との接点に
   おいては、少なくとも以下のことが実行できなくては
   なりません。

    1.お客様のニーズを的確に把握し分析する能力 コンサル.gif

    2.ニーズを満たす最小コストかつ最適な商品・専門
      サービスの選択とその企画力

    3.それをお客様にわかりやすく案内する能力

    4.契約の締結とその後のお客様の変化、問題に対
      応する能力

    5.万一の場合の迅速な対応、支援

   などです。

   これらが欠けることで、顧客に不満が生まれ、苦情へと発展していのです。

   私たちは日頃からお客様に接するとき、常にこれらのことを念頭に置いて活動をして
   いかなければならないことは言うまでもありません。

  ■営業活動

   これまでの営業活動はセールスに重点を置き、お客様を単なる売込み先と捉えてきま
   した。

   しかし、社会構造や経済情勢、ITの進化やライフスタイル等の変化により、お客様の
   ニーズも多様化し、より高度なサービスの提供が求められています。

   扱うものを単に売るだけでなく、「扱うものを通じて得られる、お客様の問題解決の効用
   を売る」ことができる企業(営業マン)が求められています。

   あなたの扱う商品・専門サービスの役割は手段としてのツールであり、お客様の課題を
   解決することが目的となります。

   問題解決の提案活動そのものがコンサルティング活動の中心であり、お客様の満足
   度は、その適、不適によって大きく変わってきます。

   100人の既存顧客には100種類のニーズが存在します。

   100人の見込み客も100のニーズを持っています。

   そして、それぞれのお客様には、あなたが提供すべき最適な解決方法があるはずです。

   こう考えていけば既存客からも、新規の見込み先からも、マーケットの見方を変える
   ことで、無限のマーケットが創造されてきます。

   お客様が求めているのは、自分の抱えている不安、問題、課題、リスク、・・・の解決の
   ための良き相談相手、プロとして自分のニーズを充足してくれるコンサルタントを求め
   ているのです。

 


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提案型営業とは

        

売り込み型営業から提案型営業

  経済成長の伸び悩み、ニーズの多様化、商品の類似化という状況のなかで、従来の
  営業手法だけでは物(モノ)が売れなくなっています。

  既に承知のように、自社の営業力強化のためには、今までのように自社の商品を
  販売するという「売り込み型営業」から、顧客の利益を重視した「提案型営業」にチェ
  ンジする必要があります。

  ■提案型営業とは

   「何(モノ)」ではなく「どんな(コト)を提案することです。

   営業活動の目的は、最終的には自社商品を購入してもらうことにあります。

   これはいつの時代も変わりありません。

   たとえば、事務機器メーカーの営業マンであれば、自社商品のパンフレットを持ち
   歩いて、「うちの商品はこのような機能を兼ね備えていますよ」と宣伝する売り込み
   型営業が一番手っ取り早いようにも思えます。

   しかし、このような手法はもはや通用しなくなっています。

   厳しい経営環境が続くなか、顧客は本当に必要な物しか買ってくれません。

   パンフレットを見るだけではその判断がつかないのです。

   そこで、最近の営業に必要不可欠となっているのが提案型営業です。

   提案型営業とは、顧客のもつ問題を見極めて、解決策を提案するという営業スタイ
   ルです。

   つまり、提案型営業において提案するのは、
   「自社商品」という“モノ”ではなく、問題の「解決
   策」となる“コト”になります。

   優先すべきは顧客の抱える問題の解決であ
   り、自社商品の提供はそのための手段に過
   ぎないという考え方です。

   事務機器の販売なら、まずはOA環境で顧客
   が困っている点やその原因を詳細に聞き出
   すことから始めます。

   また、顧客の事業内容全般を分析し、顧客に
   とってもっともメリットの大きいOAシステムを
   ともに考えるという姿勢も必要です。

   パンフレットなどで自社商品の説明をするのは、その後です。

   大切なのは、相手をうならせる「感動を呼ぶ提案」「理知的な提案」ができるかどう
   かです。

   商品の特徴をつぶさに検討して、どの特徴をどのようなセールストークに展開する
   か、気の利いた材料を揃えて、あらかじめシナリオ(セールスプログラム)を作成
   しておく必要があります。

  顧客との関係づくり 
   提案型営業の大きな特徴は、顧客との長期的な関係構築をめざすという点です。

   顧客との関係を、自社商品の販売のみを目的とした営業では、商品が売れれば、その顧客
   との関係は終了あるいは稀薄となってします。

   販売済みの顧客に対しては「手離れ」をよくして、新規顧客の開拓に注力していく
   というのが、売り込み型の基本的なスタンスです。

   一方、提案型営業は顧客との長期的な関係構築をめざします。

   最初の販売で顧客の問題を解決できたとしても、今後も問題は必ず発生し続け
   ます。

   このような問題を継続的に解決していくことで、顧客との関係はより強固になり、
   自社をなくてはならない存在と認めてもらうことができるのです。

   提案型営業においては、「手離れ」という発想はありません。

   また、顧客の抱える問題には、誰でもすぐにわかる顕在化している問題もあれば、
   顧客自身すら気づいていない潜在的な問題もあります。

   顧客が当たり前のように採用している業務設計のなかに、大きな問題が隠れて
   いることも多いものです。

   提案型営業は顧客の問題解決を対象にした営業活動ですから、顕在化している
   問題だけでなく、潜在的な問題解決にも踏み込んでいくことでビジネスチャンスは
   広がります。

   ただし、その際にいかにも表面的な提案しかできなければ、逆効果となってしまい
   ます。

   提案型営業を行うためには、営業マンには今までの売り込み型営業とは異なる
   レベルの問題解決能力が求められます。
   
  □顧客視点
   売り込み型営業では「自社商品が優れているから」、「自社の売上になるから」、
   「自分のノルマが達成できるから」といった「自分(自社)の都合」が出発点になって
   います。

   このような姿勢では顧客の心は動きません。

   一方、提案型営業では、「顧客の問題は何か」、「顧客の利便性は高まるか」、「顧
   客の予算感覚はどの辺りか」といった「顧客の都合」
   を出発点としますから、自分の都合の優先順位
   は下位に位置します。

   そして、このような姿勢を貫くことで顧客からの
   信頼感が得られ、結果として自社商品が売顧客視点1.jpg
   ることをめざします。

   回りくどいやり方のように思えますが、そうでな
   ければ商品は売れません。

   自社の利益はたんなる商品の対価として得ら
   れるのではなく、顧客の問題解決への対価と
   して得られることを理解しなければなりません。

   自社の営業マンの報告書(日報)や営業会議
   で話されている内容を、上記のような視点で
   確認することが欠かせません。

   顧客視点が全員に浸透していないままの報告や会議は、たんなる愚痴や言い訳に
   過ぎず、いくら繰り返しても成果にはつながりません。

   また、本当の意味での提案型営業は個々の営業マンの力だけでは実現しません。

   たとえば、顧客の問題解決に最適な手法を見つけたとしても、それに対応する自社
   商品のラインアップ(品揃え)がなければ売ることはできないのです。

   提案型営業の最前線で活躍するのは営業マンですが、設計・開発部門や製造部門
   も営業マンと一体となって、顧客の問題解決に必要な商品・製品を開発・製造する
   必要があります。

  □自社商品を忘れる
   自社の商品を他社商品より多く売らなければならないというプレッシャーがないなら、
   提案は簡単で、楽しいものといえます。

   顧客のメリットを教えてあげるだけだから、どんな人にも必ず喜ばれます。

   ですが、若手営業マンの中には、提案型営業を単なる顧客奉仕と区別できない人
   が大勢います。

   「しかし、よい関係をつくれば……」と彼らは反論しますが、「よい関係はよい関係
   で、商売そのものとは違う」のです。

   逆に「しっかりした商売関係が最もよい関係」だというべきかもしれません。

   こう考えると、提案型営業のポイントは、自社商品(サービス)を受け入れる動機づ
   くりにあるという要素が明確になってきます。


  ■提案型営業の手順

   1.業界・顧客状況の把握
    提案型営業を行う会社が属している業界の特性や動向を把握します。

    顧客の問題を解決するための営業ですから、この部分がおろそかになって
    いると顧客と満足な話ができません。

    業界の商慣習・専門用語、業界がおかれている経営環境、技術動向、法規
    制、競合動向などを調べておきます。

    また、顧客の業績推移、事業内容、経営戦略組織体制、経営者プロフィー
    ルなどについても把握しておくことが必要です。

   2.顧客との信頼関係(リレーションシップ)の構築
    相手が本音を話してくれなければ提案型営業は成立しません。

    まずは自分がどのような姿勢で営業活動をしているかなどを丁寧に伝え、一
    定の信頼獲得をめざします。

    この段階では顧客から求められない限り、自社商品の詳細な説明などは控
    えたほうがよいでしょう。

    たんに商品を売り込むのではなく、顧客の問題解決への貢献を通じて、より
    よい関係を築いていきたいという誠実な姿勢を示すことです。

   3.問題のヒアリング・掘り下げ
    一定の信頼関係ができたら、顧客の問題についてヒアリングしていきます。

    ただし、相手がスラスラと問題を整理して話してくれることはまずありません。

    営業マンは事前に調べた情報から顧客の抱える問題について自分なりの仮
    説をもっておく必要があります。

    仮説に従って「この点はどうですか」という質問を繰り返すことで問題を掘り
    下げていきます。

    また、顕在化(目に見えている)された問題の背後には、その原因となってい
    る潜在化された本質的な問題があることが少なくありません。

    たとえば、利益低迷という問題の背後には、「社員のコスト意識の低減」「ム
    ダ・ムラ・ムリ」といった本質的問題があります。

    どこまで掘り下げて解決すべき本質的な問題をピンポイントで特定できるか
    が重要になります。

   4.課題の整理・選択
    特定した問題を解決するために取り組むべきこと(課題)を整理します。

    通常はひとつの問題に対して複数の解決策候補があげられます。

    たとえば、A、B、Cの3つの解決策候補があげられるとしたら、それぞれの解
    決策のために自社のどの商品が適しているかについて説明します。

    そして、それぞれの解決策について効果の度合い、実現可能性、必要なコス
    ト・手間などの観点から評価を行い、実際に取り組むべき課題を決定します。

    この段階においても営業マンはどの課題に
    取り組むべきかあらかじめ仮説を立ててお
    く必要があります。提案型営業1.gif

    そして、顧客との対話のなかで、顧客が自分
    の意思で課題を選択するような流れをつくり
    ます。

    ここで大切なのは、実際には自社商品のなか
    でもっともグレード(価格)が低い商品でも問
    題を解決できるとわかっていながら、利幅を
    増やすために高グレード商品を勧めるような
    姿勢は取ってはならないということです。

    顧客の利益よりも自社の利益を優先させたの
    では、提案型営業の意味はありません。

    今回に限っては高い商品が売れたとしても、長期的な関係強化は期待できない
    でしょう。

   5.具体的な商品提案
    自社商品の導入を含む企画・提案書を作成します。

    ここまでの段階で顧客との十分な話し合いができているはずですから、提案
    書は顧客とともに問題解決を図っていくための「共同計画書」という意味合い
    になります。

    たとえば、アフターサービスは、たんなる商品のメンテナンスではなく、導入し
    てもらった自社商品を顧客の問題解決に役立てるためのサービス全般を請
    け負うという位置づけになります。

   6.さらなる関係強化
    顧客の問題解決を「共同計画書」に沿ってサポートします。

    顧客の当面の問題解決を見届けることが、今回の提案型営業のとりあえず
    のゴールとなります。

    また、新たに発生する問題、顧客がまだ気づいていない潜在的な問題などに
    ついても、ともに解決策を考えていきます。

    直接的には自社商品の販売につながらないような問題であっても、親身にな
    って一緒に考えて解決策を探ることで、関係を一層強化していきます。

    このような取り組みを継続していくことにより、顧客にとって不可欠な存在とし
    ての地位を固めることができるのです。

  □敵を知り己を知らば百戦危うからず
   提案型営業は以下の6つの要素をまず知って、その後一つ一つ納得させて行く
   ことと理解すれば、毎回の営業訪問も意味のあるものに変わっていくでしょう。    
    1.対象は売りたいものにどれほど関心を持っているか

    2.対象の本当の興味はどちらを向いているのか

    3.購入の障害となるものは何か

    4.対象は他の何と比較対照して意思決定するか

    5.どんなメリットを示せばのって来るか

    6.意思決定に追い詰めることができるか

  ■実践のためのポイント
   提案型営業実践のためには個々の営業マンの意識改革・スキルアップが不可欠
   ですが、それだけでは十分ではありません。

   個々の営業マン・営業部門のみならず全部門が一丸となって、提案型営業対応
   組織に転換していくことが求められます。

  営業部門の見直し 
   自社の営業を売り込み型から提案型に転換することを営業部門のメンバーが理解
   して、日々の行動にどのように反映させていくべきかを共通認識する必要があり
   ます。

   提案型営業で売るのは「モノ(商品)」ではなく、「コト(問題の解決策)」であり、目
   的は「目先の商品版売」ではなく、顧客との「長期的な関係強化」です。

   売るもの、ゴールが違えば当然ながら営業の進め方もまったく違ってきます。

   対象企業の抱えている問題の理解、問題の掘り下げ、
   顧客と共同での問題解決などは売り込み型営業では
   あまり経験がなかったことでしょう。聞く力1.jpg

   営業マンは情報集力、ヒアリング能力(聴く力)、問題解
   決能力などを大きく向上させる必要があります。

   また、営業部門全体としての提案型営業の体制づくりとし
   て、
    ・教育プログラムの作成

    ・営業の標準化(提案型営業マニュアル)の作成

    ・各ステップに応じたチェックシートの作成

    ・営業活動に対する指導(営業同行行動管理

    ・お客様の抱える問題についてのデータベース化

    ・問題解決成功事例・失敗事例のデータベース化

    ・営業マンの評価方法の見直し(顧客との「関係強化の度合い」を評価するなど)

   など、営業全般のマネジメントに対する改善が求められます。

  □全社レベルで提案型営業を推進
   提案型営業では「自分(自社)」ではなく、「顧客」をすべての出発点にする必要が
   あります。

   そのためには営業部門だけではなく、すべての部門が顧客の立場で考えること、
   会社全体が顧客の利益のために有機的・機動的に動けることなどが大切になり
   ます。

   たとえば、製造部門がどんなに「高品質」であると自負する商品を作っていたとし
   ても、その商品がほとんどの顧客の問題解決に役立たないのであれば、自己満足
   でしかありません。

   また、仕入れ方法に無駄があり、顧客が「割高」と感じるような提示の仕方しかでき

   なければ商品は売れません。

   まずは社長自らが提案型営業の重要性や自社ならでは提案型営業のあり方など
   を、全社員にきちんと説明し、次のような改革を行うことを宣言します。

    ・すべての部門が「自部門優先」から「顧客優先」に発想を変える

    ・各部門における顧客優先の定義を明確にする

    ・各部門が提案型営業における自部門の役割を認識する

    ・営業部門以外でも顧客情報の収集を行う 

 

販売は科学

          

販売は科学


  ■「販売は科学」の時代

   これからの販売は精神論だけでは立ち行かないことはすでに承知のことです。

   理論的な販売、データベースに基づいた販売、つまり、「販売は科学」が必要な時代
   に入りました。

   「販売は科学」とは何か、一言で表現すると「データに基づいて販売する」ということ
   である。

   つまり、販売は科学であることは、

    @常にデータでお客様の情報を管理
    A常にデータで計画をつくる
    B常にデータで行動プロセスを管理
    C常にデータでスキルを把握
    D常にデータで結果を確認
    E常にデータで分析、フォロー
    F常にデータで重要管理項目を明確にする  etc.

   このように、常にデータをベースに、お客様に充分満足のいくセールス活動をすると
   いうことである。

   データを大事にし、データで「思考、反省、決断、行動」するのが販売は科学である
   所以なのです。

   経営レベルで考えると、「創客=顧客創造」「販売力強化」「セールスのやる気」等の
   概念的なものを数値化することは大変難しい。

   しかし、こうしたものをデータで捉えて、経営に活かすことも広義の「販売は科学」と
   考えていただきたい。

  □「販売は科学」の骨子
   「販売は科学」の狙いは、販売力を強化することにある。

   「販売力=セールス力」の概念は、次の方程式で表わされる。

   【仮説】 販売力=量×質×やる気
   とすれば、販売力の強化はこの方程式を科学的に解き、「量」の増大と「質」と「やる
   気」をいかに高めることができるか、を解明することによって可能となる。

   1.行動量(有効面談時間)の増大
     「量」とは行動量のこと。
     行動量(例えば訪問件数、訪問時間、ニューコール件数等)の中で最も業績に
     影響を及ぼす行動量は、お客様と直接商談する時間「有効面談時間」である。

     データでも有効面談時間の長いセールスパーソンは良い成果を上げている。

     その有効面談時間増大のためには、@業務改善とA効率的プロセス販売

     (1)業務改善で有効面談を増やす
       「販売は科学」の最大のボトルネックは、実際、セールスの有効面談時間
       が少ないことである。
       ある事務機器販売のテリトリーセールスの調査によると、
       一日の平均的時間の使われ方の事例では、

       「一日平均行動時間と時間比率」(1 日8 時間実働換算)
        @有効面談時間    55 分(11.4%)
        Aユーザー接点時間1時間25 分(17.7%)
        B移動時間 1時間10 分(14.6%)
        Cデスクワーク時間1時間10 分(27.1%)
        D集合・研修時間 1時間(12.5%)
        Eグレーワーク他 1時間12 分(16.7%)

       もちろん、業種、業態によってかなりの違いはあるだろう。
       ぜひ一度、自社のセールスパーソンの行動調査、分析を実施してみましょ
       う。

       この調査では、

        @有効面談時間はわずか「55 分」、一日実働行動時間の「11.4%」である。
         「えっ?」と思われるかもしれないが、それが実態であろう。

        Aお客様との接点時間(故障、クレーム対応、商品配達等)を加えてもお 
         客様を訪問している時間は「2 時間20 分」で、一日セールス活動の
         (29.1%)と意外に少ない。

       一方、
        B移動時間とCデスクワーク時間は多い。
         特に最近は提案書作成に時間がかかる傾向にあり、セールスパーソン 
         の業務作業時間が多すぎる。
         問題の多い移動時間と合わせてなんと「41.7%」にもなる。
         これには抜本的な改善策が必要である。

         例えば、
          @セールスパーソンの仕事の分業、業務委託
          A社内にセールス支援グループの設置
          Bセールスパーソンの情報武装化(IT 化)
          Cセールスの業務の機械化
          D移動時間短縮のための、直行直帰、ユーザーテリトリー制度等の見
            直し
          E無駄な業務、伝票、書類の廃止
          Fセールスパーソンからの自主的改善提案

         等の施策を、できるものから実施していただきたい。
         セールスパーソンにもっと有効面談時間を与える必要がある。
         有効面談時間「55 分」を「120分」に増やすことによって、セールスパー
         ソンの生産性は間違いなく20%以上はアップする。
         最近ではパソコンが導入され、ややもするとパソコンに向かっていれ
         ば、仕事をしているように見えるが要注意!それで商品が売れるわけ
         がない。

     (2)効率的プロセス販売で業績向上
       製造も工程があるのと同様、販売にも工程がある。プロセスを明確にし、プ 
       ロセスに必要なツール、スキル、事例等での指導を徹底して行うマネ
       ジャーの指導が重要である。

       プロセスを無視した販売には限界がある。

       プロセス別にマネジャーとセールスパーソンがお客様に対する、しっかりと
       したレビューができるようになる必要がある。
       (レビューとはどのようにお客様にアプローチするか、問題を把握してくる
       か、提案するか、攻める・フォローするか等、商談進捗のストーリーをつくる
       こと。)

       例えば、ある商品のセールスプロセス管理項目として、
       @ 事業計画、A顧客情報管理、B商品認知活動の推進、Cターゲット 
       ユーザーのリストアップ、D耕客活動、E問題把握、F提案書作成、提案、
       Gデモ実施、H契約書作成、I導入実施、Jフォロー活動、K次の計画へ
       の反映等

       がある。

       こうした管理項目を自分達の職務に合ったプロセスにしっかり組立て、レ
       ビューを行い、行動すれば素晴らしい業績向上が実現できるため、マネ
       ジャーの腕の見せどころである。

       なお、忘れてはいけないデータ管理項目は有効面談時間、訪問件数、有
       効訪問回数である。

       このプロセス販売によって、

        「訪問目的の明確化⇒商談内容の質の向上⇒お客様への説得力強化⇒
        有効面談時間の増大⇒高い業績達成」

       というサクセスストーリーがデータではっきりと出てくる。

       この事務機器販売会社の事例では、訪問回数3 倍、有効面談時間2.5
       倍、業績(粗利益)6 倍の素晴らしい実績を上げたグループがあった。

       「業務改善向上」と「効率的プロセス販売」策は確実に行動量そのものを増
       大させるだけでなく、有効面談時間の増大を計り、それがセールスの販売
       力強化となり、業績向上へとつながったのです。

       「販売は科学」である第一出発点でもある。

   2.「質」の向上、販売スキルのレベルアップ
     販売力に影響を及ぼす「質」は知識とスキルである。

     やはり十分な知識とスキルがないと、「量」が増えても成果は上がらない。

     従来、これをデータで把握することは困難であった。

     しかし、最近は新しい手法によって解決されつつある。

     それにより、セールスパーソンの役割別スキルが明確になり、本人の強みと弱
     みが明らかになる。

     これがセールスパーソン教育のポイントでもあります。

     事例としての方法は、販売スキルを、
      @知識・業務系スキル(テクニカルスキル)と、A営業系スキル(ヒューマンス
       キル)に大別し、ある商品の専門セールススキルを次のように捉えた。

      @知識・業務系スキル
       市場動向、業界動向、自社方針(戦略)、他社方針(戦略)、顧客情報、商
       品知識、顧客業務、システム知識、パソコン活用、販売ツール、etc.

      A営業系スキル
       人間関係スキル、コミュニケーション能力、文書構成、プレゼンテーション、
       交渉スキル、状況分析、問題解決能力、シナリオ作成、リーダーシップ、マ
       ネジメント、etc.

     スキルは個人によってかなり差があることにマネジャーも本人も気づくでしょう。

     大事なのは自分の「力」のバランスシートで自分の力を再認識し、刺激として、
     勉強・努力することです。

     前出の専任セールスパーソンのスキルアップのため、
      @知識・業務教育カリキュラム、A営業スキル教育カリキュラム
     を作って実践教育を試みてください。

     個人別にスキルデータをグラフ化し、個々の育成の成果が一目で把握できる
     仕組を作り、さらにその実践教育の成果が販売活動にどのように活かされ、業 
     績向上に寄与したかを事例発表し、評価し合う。

     データによる「気づき」教育はセールスパーソンの「質」の向上に、いかに役立
     つかを実感できるはずです。

     「販売は科学」である第二の出発点でもある。

  □「やる気(モチベーション)」の高揚
   セールスパーソンの中には、明らかに行動量が多く、スキルが高くても業績の上
   がらない人がいる。

   それは「やる気」に原因があると思います。

   「やる気」の要因を高めることが業績向上に大きく寄与する。

  □業績向上のための提言
   @人事考課制度は成果主義にする
    人事考課は「成果主義にすべきである」と考え、「成果に見合った考課」と自ら認
    めているセールスパーソンほど、高い業績を出している。業績にリンクした報酬 
    (表彰)、納得のいく人事制度、正しい評価を強く望んでいる。

   A自信をつけさせる働きかけをする(自己信頼感)
    自己信頼感とは、「自分の言動に対する自信」、つまり「周囲から認められてい 
    る」と自己認知している人ほど業績が高い。

    一人ひとりが自分の存在感をお互いに認め合い、自信をつけさせてくれる、働き 
    かけをする職場環境づくりが大切であることを示している。

   B チームワークを良くする
    「情報の共有化」「何でも言い合える職場」「成功事例や失敗事例の情報が還流
    している職場」ほど高い業績者が出る。

    単なる仲良し集団ではなく、積極的な自己主張、話し合い、励まし合いが自由闊
    達に行われる個性豊かな人間集団に「勢い」を感じる。

   Cスキルに対する自信を徹底的につける
    「営業に求められる交渉力、折衝力の販売スキルに対する自信」が高いセール
    スパーソンほど、業績が高い。

   D自己裁量の余地を広げる
    自己裁量とは「自分で自主的に進めることができる」という職場環境のこと。

    「自己裁量の幅が広い」と認知しているセールスパーソンほど、力を発揮し、高
    い成果を上げている。

    予算の立て方、行動計画、販売方法等への上からの一方的な押しつけは、まっ
    たく「やる気」をなくさせている。

    権限の委譲を多くするマネジャーの下にいる人ほど、高い業績を上げているの
    である。

   Eプラス思考を醸成する
    「楽観的に物事を捉える気持ちや意識」の高い、プラス思考の高い人ほど、高い
    業績を上げている。

    “なんとかなるさ”的なものではなく、「自分にはできる」「物事は必ずうまくいく」と
    いう前向きな意識の醸成が大事である。

    リーダーが悲観的、皮相的な見方に基づいた言動ばかりしないことだ。

    部下が落ち込んでいる時に上司の励ましの一言が、彼の人生を大きく変える事
    があるのです。

   F自己効力感を高める
    自己効力感とは「人の役に立っているという気持ちや意識」を意味し、その意識
    が高い人ほど、業績の高いことが検証されている。

    「お客様のためなら最大限の努力を惜しまない」「仕事を通して社会に貢献して
    いる」という使命感を忘れてはいけないことを示している。

    この様にやる気の要因は、@モチベーション、Aコミュニケーション、B教育
    Cパーソナリティ(個々人の特性)等によって培われているといえます。

    つまり、やる気の高揚による業績向上は、個人の特性を把握し、職場の特性を
    知り、7 つの視点(要因)を参考にして指導し、教育するリーダー、マネジャーの
    双肩にかかっているといえる。

    データでやる気を科学する!!これが「販売は科学」の第三の出発点でもある。

    この様に「データに基づいて販売」する科学する販売(知の販売)は、セールス
    の「量」の増大と「質」の向上と「やる気」の高揚をはかり、顧客の創造、業績拡
    大に大きく貢献することになるのです。

  □「データ」「情報」「やる気」のセールス
   販売の真の目的は顧客を集める「創客」です。

   結果である売上、利益(業績)は、端的に言えばセールスの「マインド」「知識」「技術
   (スキル)」の高さによって決まるということです。

   だからこそ、色々な「データを駆使」して指導し、教育するリーダーシップ、マネジメント
   が大事なのです。

   既に述べたように、明らかに「気づき」のデータ等がセールスの「意識」を変え、自己
   コントロール型の積極的な「行動」へと変える。

   この
    『意識が変われば行動が変わる。行動が変われば成果が変わる。成果が変わ
    れば感動が変わる。感動が変われば人生が変わる』

   その「意識の変化」「心の変化」がお客様の心を打つのです。

   販売とは単に「物を売る、サービスを売る」ということだけでなく、お客様の心を「どう
   捉えるか、動かすか」「どのように説得するか、満足していただくか」という、奥深さを
   意味しています。