企画書の書き方とテンプレート(基本構成シート)

         

     企画書は「説得から納得のコミュニケーション」ツール 


  ■企画書の目的

   企画書の目的は、「情報の送り手(企画立案者)が、受け手(クライアントや社内上司)
   に対し、情報やプランを正確かつ効果的に伝達し、その結果として送り手の意図する
   ように判断・意思決定してもらう『納得のコミュニケーション』のためのツールでです。

   決して自分の意見や事実を表現することが企画書の目的ではありません。

   そのためには、受け手にうまく意図を伝え、理解、納得してもらう必要があります。

   企画書を作成する際に重要なポイントは二つあります。

   一つは「論理的構成」を整えること、もう一つは「視覚的見やすさ」です。

   つまり企画の展開は、
    (1)現状分析・整理(今どうなっているかを知る)
    (2)問題の発見(何が問題なのかを知る)
    (3)解決策を模索(どうしたら良いかを発見する)
    (4)アイデア創出(アイデアをひねり出す)
    (5)実行具体策(具体的な施策、アクションプランなどを決める)

   このような構成に基づいて、エクセルなどで作成した各種グラフやフローチャートなど
   を、企画目的に合わせ、組み合わせて使うことが重要です。

   いくら良いアイデアを持っていても、企画の“見せ方”を知らなければ、上記五つの
   目的を果たすことはできない。

   企画書は通らなければ意味がありません。

   企画書とは、自分の企画を提案し、相手を納得させるためのものです。

   ですから、相手にとってわかりやすく、納得力のあるものでなければなりません。

   社内向けに企画を提案する場合なら、普段からコミュニケーションを取っている人に
   対して提案することも少なくないでしょうから、少々わかりにくい企画書であっても、
   企画は通るかもしれません。

   しかし、顧客や取引先など、社外向けに提案する企画の場合はどうでしょう。

   相手は自分のことをほとんど知らない、もしくは、まったく知らない相手が企画書を読む
   場合が多いことでしょう。

   ですから、自社だけでしか通用しないような用語を使ったり、あいまいな表現を使った
   りしてはなりません。

   企画書はだれにとってもわかりやすいものにしなければならないのです。

   そのためには、ポイントを個条書きで簡潔にまとめたり、図や写真を使ったり、といった
   工夫が必要ですが、それ以上に大切とも言えるのが企画書の書き方(構成)です。

   どういう構成にするかによって、わかりやすさだけでなく、納得力も大きく変わってき
   ます。

   企画書を書きなれていない人にとって、企画書の構成というと「むずかしそうだ」とか
   「よくわからない」と思うかもしれません。

   企画書の構成は「こうでなければならない」という決まり切ったものがあるわけでは
   ありません。

   ですが、企画書に盛り込むべき項目はある程度のパターンがありますので、テンプレート
   (基本構成)は押さえておきましょう。  
    
  ■企画書作成のアイデアフォーマット
   効果的な企画が生まれるかどうかは、アイデア次第です。

   企画書の書き方をいくら学んでも、アイデアが生まれてこなければ、何もつくりあげるこ
   とはできません。

   思いついたアイデアをメモする習慣をつけておくことです。

   せっかくのアイデアを忘れないように、簡単なメモを残しておいて、あとでじっくりモノ
   になるアイデアかどうか、考えればよいのです。

   「アイデアフォーマット(5W2H)」は、そのように書き留めておいたアイデアを整
   理し、練り上げていくためのフォーマットです。

  □アイデアフォーマットの使い方
   1.仮称(タイトル)
     まず仮タイトルを考えます。

     コンセプトを一言であらわすような仮タイトルがつけられれば、企画の説得力が
     増し、頭の中を整理する効果もあります。

    2.WHAT
      企画の目的をまとめる。

      何のための企画なのかをはっきりさせる。

    3.WHY
      なぜその企画を実現する必要があるのか、その理由をまとめる。

      面白いアイデアが浮かんでも、それを実現する意味や必要性がなければなら
      ない。

      説得力ある企画をまとめるためには重要な項目なので、じっくり考える。

    4.WHO
      ここは2つの意味があり、「誰がやるのか」、実際に中心となって企画を実行す
      るのは誰か。

      次に、「誰が対象なのか」、これは「目的」ともリンクしているが、ここで企画の
      ターゲットをより明確にしておく。

      それぞれ、記入欄は分けていないが、分けて使っても、企画の内容によっては
      どちらかひとつの意味だけに絞ってもよいです。

    5.WHERE
      ここでは、場所について考えます。

      例えば、商品展示会の企画であれば、会場はどんなところにしたらよいかを考
      えて記入する。

      具体的な会場が思いつかない場合は、どんな会場がふさわしいか、条件をあ
      げておいてもよいです。

    6.WHEN
      ここでは、企画の日時、スケジュール、そしてタイミングを考える。

      特にタイミングは重要です。

      販促イベントや広告企画に限らず、「このタイミングでやらなければ効果が半
      減してしまう」という企画は多いものです。

    7.HOW
      どのように企画を実現するかを考える。

      他社や他の部門の協力が必要なら、どのように相手を動かすか、また、企画
      の実現効果を最大にするために、どんな要素をどのようにコーディネートする
      かを十分に検討する。

    8.HOW MUCH
      ここは予算です。当然、この時点では概算でかまいません。

      ただ、どの程度の投資でどれだけのリターンを得るのか、費用対効果を考え
      ること。

    9.インパクト!
      ここでは企画が実現したときのインパクト、つまり影響力や効果を考える。

      企画が実現した場合に、どんなことが起こるのか、その状況をできるだけ具体的
      にイメージする。

  ■企画書の書き方とテンプレート基本構成

   (1)表紙
     企画テーマ(タイトル)、作成者名、提出日
      などを書き込みます。

     タイトルはわかりやすくシンプルなものを
     考えることが重要です。

      ・一言集約すれば、何の企画なのか

      ・魅力的なタイトルか?

     タイトル次第で受け手の側印象は全然違
     うものになります。

     それだけに、タイトルの良し悪しも「通る
     企画書・提案書」づくりには重要な要素です。

   (2)まえがき
     挨拶文や企画立案のきっかけなどの「前置き」を書く。

   (3)目次
     読む人のために便利なように目次をつくります。

     企画書の全体構成がわかるので、読む人にとって企画内容を理解するた
     めの助けにもなります。

   (4)企画立案の背景
     なぜこの企画が必要なのかを説明します。

   (5)現状分析
     (4)を受けて、現状をどう分析、把握しているのかを説明します。

     例えば、会社が抱える問題点は何か、市場環境はどうか、といったことが
     考えられます。

   (6)基本構想
     (5)を受けて、企画の狙いは何か、何のための企画なのか、全体像を説明
     します。

   (7)企画コンセプト
     企画を売り込むための広告のようなものと考えてください。

     キャッチコピーやイメージ図などで、何のための企画なのかをシンプルに、
     できるだけ強力に印象づけます。

   (8)具体的内容
     具体的な実施内容をまとめます。

   (9)企画内容要約
     企画の全体像を再度まとめておきます。

     これをやるかやらないかで、企画の持つ説得力は大きく変わります。

   (10)クリアすべき課題
     企画を実現するために、クリアしなければならない課題、問題点があれば
     説明します。

   (11)スケジュール
     企画の実施スケジュール、予算等を簡潔に説明します。

   (12)添付資料
     企画内容の補足や裏付けになる記事やデータなどの資料をまとめます。

  □作成の際してのポイント
   企画書は目的性の高い文書であることから、以下の点に注意します。

   ○企画書作成の留意点
    (1)受け取るのは自分ではない。受け手が分かりやすいように書く。

    (2)企画書の目的を忘れず、視点を明確にした内容構成とする。

    (3)「内部用企画書」か「外部用企画書」かをハツキリさせる。

    (4)主語と述語が簡潔な文章で、分か
      りやすく書く。 企画書.gif

    (5)相手の疑問に応え、すべての因果
      関係をはっきりさせる。

    (6)不必要なことは、できる限り書かない。

    (7)専門用語の使用は避け、使う場合は
      注釈を入れる。

   ○受け手が理解しやすい企画書の基本構成
    (1)企画の背景(なぜこの企画が必要なのか)
    (2)企画のテーマ(一言集約すれば、何の企画なのか)
    (3)企画の全体(企画の全体像や個別企画とのつながりが分かる)
    (4)企画の前提(前提条件・制約条件を明確化しておく)
    (5)現状の分析(今どうなっているかという現状を分析、整理する)
    (6)あるべき姿(最後にどうなっていれば良いかを措く)
    (7)企画の目的(何を狙いとしているのか)
    (8)企画の目標(それはどの程度の状況で達成するのか)
    (9)企画の内容(どうしたら達成できるのかのやり方、方法)
    (10)企画の詳細(個別企画の詳細、アクションプラン)

   ○起承転結
    起承転結の「起」に当たる(1)は、特に「なぜ企画が必要なのか」、そして「この企画
    を実施しなければ、どのような不都合が生じるのか」、「なぜ今でないとダメなのか」
    など、受け手の頭の中を整理してそれをニーズやウォンツに変え、いま企画を実行
    すべきという必然性を合理的にセットアップしなければなりません。

    「承」は、どのような企画なのかについて5W3Hを使って分かりやすく示し、それによ
    ってどのような効果・成果が得られるのかを明示します。

    「転」は、企画のメリットとデメリットを比較して、その企画を実施しなかった場合の
    損失やライバル商品との比較を記します。

    他社での実施事例や意思決定を促す補足資料、サンプルデータなども有効です。

    最後の「結」には企画の進め方やスケジュール、予算などを記載します。

    結びの言葉として、企画書を提出させていただいたことへのお礼、または総まとめが
    入っても良いでしょう。

    流れで見れば、「起」の段階で受け手の不信感を払拭し、興味を引き付け、ニーズを
    喚起する。

    そして「承」で受け手の願望(こうなれば素晴らしい)を刺激し、企画を実施すること
    により享受できるメリットや夢を膨らませます。

    さらに「転」で質、量、価格などについて他社との比較を行い、事例で安心してもらい
    ます。

    そして「結」で受け手側の情報整理を行い、確信へと導きます。

  □効果的な企画手法
   企画書は視覚媒体であり、「分かりやすく」「見やすく」することが成否を分けます。

   いくら良い内容でも、文字ばかりの企画書では読む気がしないものです。

   「メラビアンの法則」によると、人の第一印象は、
    (1)見た目(外見)   55%
    (2)話し方(声)     38%
    (3)話の内容(言葉)  7%

   という順で決まるといわれています。

   いかに「ビジュアル」が大切かということです。
 
   また、モノクロよりもカラー、静止画よりも動画、の方が訴求力は増します。

   パワーポイントがプレゼンテーションの主役であるゆえんでしょう。

   しかし、モノクロよりもカラーの方がセンスを問われるのは事実であり、モノクロ時代に
   は必要なかった色の知識も、昨今のビジネスマンには不可欠です。

  ■企画全体について

  □伝えたいメッセージが明確に伝わる構成か?
   言いたいこと(=聞きたいこと)を効果的に伝えるためには、文章全体に一貫性と説得
   力を持たせなければなりません。

   文章に使う一語一句、表現の工夫も大切な要素ですが、その前に文章の流れ
   (ストーリー)自体が重要な要素となります。

   そのような構成上の流れは、一般的に起承転結がよいと言われますが、少ない文字
   量でより効率的に必要な情報を相手に伝達しようとするには、まず、結論や結果を先に
   述べてしまったほうが、構成上メリハリがつくことや最初から読み手に関心を惹きつける
   点などで効果的です。

   なぜならば、人が集中して聞いてくれる時間は、いいところ15分くらいだと言われている
   からです。

  □記述の言葉は分かりやすいか?
   企画書で重要なポイントの一つは、「分かりやすさ」です。

   企画書において分かりやすさを実現するには、一つには、平易な言葉を使うなどの
   言葉の分かり易さがあります。

   また、短く要領よくまとめるなどの文章の構成上の分かり易さがあります。

   難解な文章にならぬよう、また、文章はなるべく短くして、伝えたい内容を要領よく
   まとめることが大切です。

  □相手先の立場や要望に沿った企画・提案か?
   その企画・提案が通るかどうかは、ひとえに「受け手」の心を動かせるかどうかにかかっ
   ています。

   「受け手」の心を動かすためには、当然以下の基本事項が前提となります。

   すなわち、

    ・相手が望んでいる内容か(困っていることの解決案を提示しているか)

    ・相手の会社・組織にとってプラスになる内容か

   「企画自体の面白さ」はもちろん、大切なことですが、まずはこの基本をおさえておく
   ことが大切です。

   その点で言えば、あなたは相手の現状(症状)に対して処方箋を出すことが求められて
   いるのです。

  □魅力的なタイトルか?
   タイトル次第で受け手の側印象は全違うものになります。

   それだけに、タイトルの良し悪しも「通る企画書」づくりには重要な要素です。

   タイトルで相手の関心を惹きつけるのに2つの方法があります。

   一つは、タイトル自体に工夫を凝らす方法です。

   例えば、乗用芝刈り機のネーミング「芝耕作」、靴下「通勤快足」など、商品自体の企画
   とその魅力もさることながら、タイトルで成功した例と言えます。

   二つ目は、標準的なタイトルですが、サブタイトルで関心を引く方法です。

   例えば、「販促企画のご提案」「資産運用安心プランのご提案」など、いかにも他にあり
   そうなタイトルで、それ自体は関心を引くのに効果がないように思われます。

   しかし、ここに「従来コスト50%削減の新提案」や「20年後、お金の心配がない生活
   へのステップ」など、先方のメリットを具体的にサブタイトル(サブキャッチ)に入れ
   ると、自ずと興味・関心を引く企画書・提案書
   になります。

  □データに裏打ちされた内容か?

   説得力を持たせるためには、自らの主張の
   裏づけとなる情報があることが前提となり
   ます。いわゆる「データ」です。

  □効果予測は入っているか?

   採用される企画書・提案書を作成するための
   最後のポイントは、提案した業務を実施し
   た場合の効果に触れているかということです。

   これが聞き手の重要な判断材料となります。

   その効果の出し方については、

    ・予想売上げなどの経済的効果を示す。

    ・同様の事例があればその数値を参考にする。

    ・同様の事例がない場合は、比較的似た分野のものから推定する。


   企画書は作成したら終わりではありません。

   次に控えているのが、作成した企画書をプレゼンすることです。

   どんなにすばらしい企画書であってもプレゼンの良し悪しで成否が決まりますので、
   参考にしてみてください。 

 

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企画力の向上

         

企画力の向上


  ■企画力を高める方法

  □企画とは
   ビジネスのさまざまな場面で「企画」という言葉が頻繁に使われます。

   ほとんどの社長も部下に対して、「○○に対する企画を出すように」といった指示を出し
   た経験があるでしょう。

   ここでは、企画についての考え方、企画力を高めるための方法について解説します。

   1.「アイデア」と「企画」の違い
     ビジネスにおける企画とは、明確な目的をもってその実現のための道筋をつける
     ことです。

     企画と同じように使われる言葉に「アイデア」がありますが、アイデアは目的実現の
     ための「発想、思いつき」であり、そのままでは企画とはいえません。

     アイデアを具現化するための現実的なストーリーが企画ということになります。

     たとえば、新商品開発の企画においては、「こんな商品があったら面白いな」と
     いうアイデアだけではなく、「その商品が売れる見込みはどの程度か」、「どのくら
     いの開発費がかかるか」、「どのような体制で進めるか」といった検討も求められ
     ます。

     つまり、企画段階では実際にそれを行う
     べきかどうかを判断するための論理性が
     備わっていることが不可欠なのです。

     部下に指示を出す際には、「アイデア」と
     「企画」という言葉を使い分けて、部下に
     その定義の違いを理解させるとともに、指
     示を出す側の期待水準がアイデアレベル
     なのか、企画段階まで求めているのかを
     伝える必要があります。

   2.「企画lと「計画」の違い
     企画はその実現性や妥当性が十分に吟味
     され、採用されれば実際の行動レベルに向けた「計画」策定に移ることになります。

     計画では実行に向けた具体的な段取りやスケジュールなどの詳細さが求められ
     ます。

     企画とは思いつきレベルのアイデアよりは具体的・論理的でありながらも、あくま
     で「青写真」の段階であり、その後の計画策定に向けた意思決定材料と捉えるこ
     とができます。

     このように企画とは思いっきであるアイデアと計画の中間にあるものです。

     企画の土台となるのは斬新なアイデアであり、そのアイデアを優れた企画にまと
     めることで、やるかやらないかの意思決定を経て、より具体的な計画につなげてい
     くものです。

  □企画力を高めるために
   1.企画の要件を確認する
     前述のように企画はそれを実行するかどうかが判断できるものでなければなりま
     せん。

     そのため企画立案の際には、次のような「6W2H」について十分に検討し、明
     らかにする必要があります。
     (1)Why(なぜ)
       ・なぜ必要なのか
       ・どんな問題を解決しようとしているのか
       ・それによって誰がどのような効果を得るのか

     (2)What(何を)
       ・何をしようとするのか
       ・やることの範囲はどこまでか

     (3)Who(誰が)
       ・誰が行うのか
       ・どのような体制で行うのか
       ・どのくらいの工数、スキルが必要になるのか

     (4)Whom(誰に)
       ・誰に対して働きかけるのか
       ・最終的にどのような顧客層をターゲットとしているのか

     (5)When(いつ)
       ・いつから開始し、いつまでに完了するのか

     (6)Where(どこで)
       ・どの場所で行うのか

     (7)How(どのように)
       ・どのような方法で行うのか
       ・完了までどのようなステップで行うのか

     (8)How much(いくら)
       ・どのくらいの予算がかかるのか
       ・得られる効果に対して妥当な予算か

   2.企画書にまとめる
     頭の中で考えるだけではなく、実際の企画書としてまとめる経験を積むことで、企
     画力も次第に高まります。

     また、企画はほとんどの場合、相手を説得するために行いますので、相手に理解
     してもらうためのわかりやすい企画書を作成すること自体が企画能力の一部とい
     えます。

     特に顧客に対してプレゼンテーションを行う場合は企画書の装丁などの見栄えも
     重要になります。 

     一般的に企画書は次のような目次で構成されます。

     (1)はじめに
       企画について興味をもってもらうための「つかみ」の部分です。

       企画全体の概要とともに、特に強調したい部分、企画実現による効果など 
       について簡潔に説明します。

       また、相手がもっとも関心をもっていると思われるキーワードを組み込むこ 
       とで、期待感を高めることも効果的です。

     (2)企画背景
       なぜ今回の企画を思いついたのか、
       なぜそれが必要と思ったのかなどに
       ついて説明します。

       企画の背景にある問題意識を明確に
       する部分です。

       たとえば、自社の顧客数が減少してい
       る場合には、自社商品が世の中のニ
       ーズの変化に対応できていないこと、
       販売体制が硬直化していること、後
       発の競合企業が急速に台頭している
       ことなどが企画背景として考えられます。

     (3)企画目的
       この企画によってどのような目的を達成したいのかを説明します。

       顧客数拡大の企画であれば、たんに顧客数をどの水準まで上げるかだけでは
       なく、そのプロセスによって、顧客ニーズの収集力や商品開発力を向上させる
       ことなどが企画目的として考えられます。

     (4)現状分析
       現状について、できるだけ客観的なデータを使って分析します。

       競合企業に顧客を奪われているのであれば、自社の顧客数がどの程度減少
       しているのか、特にどの商品の顧客数が減少しているのか、どの価格帯の商
       品販売数が減少しているのか、競合企業の顧客獲得状況はどうかなどについ
       て分析する必要があります。

       また、顧客数の減少などの定量(数値)的なデータだけではなく、アンケートに
       よる顧客のコメントなど定性的なデータ分析も有効です。

       これらの分析によって自社が抱えている問題点をできるだけ深く、論理的に掘
       り下げます。

     (5)仮説
       現状分析を踏まえて仮説を立てます。(仮説とは「証明されてはいないが、恐
       らくこうだろう」という考え方のこと)

       たとえば、競合企業が顧客数を増やしているのは、顧客ニーズを徹底的に分
       析しているからではないか、その土台となっているのは営業マンの情報感度の
       高さではないかなどの仮説が考えられます。

       この場合は自社の業界以外でも顧客ニーズ分析に注力し、成功している企業
       の事例などを交えることで説得力は増します。

       そして、自社の営業マンの情報感度は成功企業に比べてどのような点が劣っ
       ているのかを比較し、どのような点を改善すれば顧客数拡大につながるのかと
       いった方向性を打ち出します。

     (6)企画内容
       仮説によって導かれた方向性を実現するために、具体的にいつまでに何をす
       べきかという企画全体の内容を説明します。

       これは(3)の企画目的をブレイクダウンしたものでもあります。

       目的達成のために必要なさまざまな施策、責任部門、実現までのステップ、ス
       ケジューリング、必要工数、必要資金などを明確にします。

       関係する部門やメンバーから理解を得るための配慮も求められます。

       企画全体の設計図となる部分であり、それぞれの施策がどのように進行し、
       どのように連動していくのかについてわかりやすく説明する必要があります。

     (7)期待成果
       企画実行によって具体的にどのような成果を得られるかを説明します。

       顧客数拡大の企画であれば、それによってどれだけの売上増につながるのか、
       その効果は長期的にどの程度維持できるのかなどの説明が必要です。

       また、費用対効果、投入工数対効果の面においても今回の企画が十分に合理
       的であることを示すことが必要です。

     (8)想定される問題と解決策
       企画実行に当たってはあらかじめ想定される問題があります。

       たとえば、新しいことにチャレンジする際、既存業務のための工数(作業に従事
       する人間の数×かかる時間)をどのように確保するかという問題が想定されます。

       また、過去に同様の企画を行って失敗したことがある場合は、失敗した要因を
       分析して今回はそれをいかに除去するかという方策も求められます。

       このように想定される問題についてあらかじめ明確にしておき、具体的な解決
       策を提示することで企画の信頼性が高まります。

  アイデアの創出方法 
   素晴らしい企画の土台にあるのは斬新なアイデアです。

   アイデア創出のためには次のようなことがポイントになります。
   1.つねに幅広い問題意識をもっておく
     アイデアとは現状改善や新しい価値創出を行うための着想です。

     したがって、現状について何ら問題を感じていない人は、アイデアを生むための動
     機がありません。

     すべての会社には経営戦略から日常業務までさまざまなレベルでの問題があり
     ます。

     また、製造部、販売部など部門ごとの問題もあります。

     たとえば、自分の周囲にだけしか問題意識をもっていない社員は、その限定され
     た範囲でのアイデアしか湧いてきません。

     社員には常日頃から自分の担当業務はもちろん、できるだけ広い視野で、部門全
     体・会社全体に対する問題意識をもたせることが大切です。

   2.関心外の情報にも目を向ける
     日頃から情報収集に熱心な人でも、その範囲は自分の関心事が中心でしょう。

     たとえば、自社が属している業界については業界紙や専門雑誌などで情報収集し
     ていても、業界外のことについてはほとんど目を向けていないことも多いものです。

     しかし、斬新なアイデアのネタは業界外の思わぬ所に多数存在しています。

     業界内ではこれまで慣習上あり得なかった他業種の販促手法などが、ヒントにな
     ることも多いものです。

     また、情報収集の対象はビジネス分野だけには限りません。

     ファッションの流行、テレビのバラエティ番組、インターネットの趣味サイトなど、
     自分には「公私とも興味がない」と思えるような情報にもできるだけ接することを
     心掛けましょう。

     たとえば、テレビのチャンネルを変えるときに、好みの局をダイレクトに選ぶのでは
     なく、ひとつずつ上げ下げをすることで、見るつもりのなかった意外な情報に接す
     ることができるかもしれません。

   3.思いついたことはすぐにメモする
     少しでも面白いと感じたことはメモしておく
     ことが大切です。

     情報を受け取ったときには「なるほど」と
     感じても、放っておけば普通はどんどん忘
     れてしまいます。

     すべてを記録するのは大変ですが、メモ
     程度なら気軽に始められるでしょう。

     メモには後から読み返したときに記憶を 
     手繰れるように、キーワードやなぜ自分が
     面白いと感じたかなどを記入していきます。

     これを続けることで自分のネタ帳として活用
     することができます。

   4.視点を変えて発想する
     斬新なアイデアを生み出すためには、通常とは違う角度から物事を考えることも
     役に立ちます。

     世の中全体、業界内、社内などの常識や先入観をいったん取り払って自由に発想
     してみるのです。

     そのための視点としてよく使われるのが「オズボーンのチェックリスト」(ブレーン
     ストーミングの考案者として有名なA・F・オズボーンによるアイデア発想技法と呼ば
     れる次の9つの視点)です。

     (1)転用する
        ・そのままで新しい使い道はないか
        ・改善、改良して他の使い道はないか  など
         例)売れ残りのお中元ギフトセットの中身をバラで販売する

     (2)応用する
        ・何か真似できないか
        ・似たものから応用できないか  など
         例)他社の成功事例から成功要因を学び、自社事業に適用する

     (3)変更する
        ・見た目や機能などを変更したらどうか
        ・意味、色、動き、型などを変更できないか  など
         例)商品のパッケージをわかりやすいものに変える

     (4)拡大する
        ・大きくできないか、
        ・時間を拡大できないか  など
         例)商品の仕入れ頻度を落としてコストを削減する

     (5)縮小する
        ・小さく、分割できないか、
        ・軽く、低く、短く、薄くできないか  など
         例)野菜を食べきりサイズに小さくカットして販売する

     (6)代用する
        ・他の人に使えないか
        ・他のもので代用できないか  など
         例)エネルギーをガソリンから風力に代える

     (7)置き換える
        ・原因と結果を入れ替える
        ・順番、時間、要素を入れ替えられないか  など
         例)製造工程を入れ替えることでリードタイムを圧縮する

     (8)逆転する
        ・常識とは逆の価値を生み出せないか
        ・上下を逆に、後ろ向きにしてみたらどうか  など
         例)価格が高いことを訴求材料にする

     (9)統合する
        ・組み合わせたらどうか
        ・つなぎ合わせたらどうか  など
         例)携帯電話にカメラ機能を組み込む

     これらの視点については自分自身で考えるだけではなく、ポジション、経験、専
     門性などが異なる人が集まってブレーンストーミングを行うことで、より多くのより
     質の高いアイデア創出が可能になるでしょう。

 

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企画立案フロー

         

企画立案フロー

  ■企画立案フローの目的

   企画を立てるには大きく3段階があります。

   第1段階は「背景、目的の明確化」、そして第2段階は「情報収集、分析」、第3段階は
   「立案」です。

   それぞれについて具体的に見てみます。

   1.第1段階
     まず第1段階ですが、ここでは「何のための企画なのか」「なぜこの企画が必要な
     のか」を明確にします。

     例えば、取引先に企画を出してほしいと依頼された場合、
      (1)その依頼がされた理由

      (2)依頼の細かい内容

      (3)提供された関連情報、d.企画の対象となる層、などをヒアリングし、まとめて
        おきます。

     特に、(1)の「企画依頼の理由」については、企画を依頼した人と、依頼を決定し
     た人とは違う場合があるので、必ず決定者の意図を確認するようにしてください。

     そうでないと、相手の意図に沿った企画を立てることは難しいからです。

     企画のタイトルはできればこの第1段階でつけておきます。

     企画の背景や目的をしっかり理解できていれば、わかりやすく、簡潔なタイトルを
     つけることができるはずです。

    2.第2段階
      企画の背景、目的が明確になったら、次は企画立案のための情報収集を行い
      ます。

      情報収集の目的は現状把握と分析です。

      現状を把握することで、企画の目的との間にあるクリアしなければならないハー
      ドルがはっきり見えてきます。

      情報源としては、新聞や雑誌、専門誌の記事があります。

      業界動向や市場環境など企画のバックグラウンドとなる情報はここから集めるこ
      とができます。

      さらに、企画依頼者からの情報も重要です。

      依頼を受けたときに聞いた情報がすべてとは限りません。

      時間の許す限り、何度でも足を運んで話を聞くことです。

      そして、同業他社からの情報も有益なものが多いので、できるだけ直接会う機
      会をつくって話を聞きだしましょう。

      また、消費者、ユーザーの声を直接聞く方法として、アンケートやグループインタ
      ビューもあります。

      さらにインターネットを忘れてはいけません。

      新聞や雑誌のデータベース、信用情報機関などの企業情報だけでなく、個人運
      営のページなどでも匿名でかなり詳しい業界情報などが入手できる場合があり
      ます。

      ただし、個人運営ページの情報は不確かなものも多いので注意しなければなり
      ません。

    3.第3段階
      ここでは、いよいよ具体的な企画の立案です。

      まず、この企画で何を実現するのかという目標を設定します。

      第1段階で把握した企画の目的と第2段階で把握した現状を照らし合わせて、
      具体的なゴールを考えましょう。

      そしてその目標を達成するためにクリアしなければならない問題点や課題は何
      かを考え、その問題を解決するための具体的な方法、手順を考えるのです。

      ではどのように問題解決の方法、手順を考えればよいでしょうか。

      まず「こうやればいいのではないか」という仮説を立てるのです。

      そして、その仮説に対して検証を行います。企画者が発案した方法を採れば問
      題が解決できるという論理的な裏付けを提示します。

      これができなければ企画ではなく、単なる思いつきやアイデアのレベルにとどま
      ってしまいます。

      企画立案には、以上のようなステップがありますが、このステップをまとめたもの
      がこの企画立案フローテンプレートです。

      このテンプレートでは、第1段階から第3段階までを1枚にまとめてありますが、
      必要に応じて第1段階だけのテンプレート、第3段階だけのテンプレートといった
      ようにアレンジして使ってみてください。

  企画立案フローテンプレートの使い方
   1.企画依頼の背景・理由および企画の目的
     なぜこの企画が依頼されたのか、またその目的はなんなのかを記入します。

   2.現状をどう把握すべきか
     企画に関連した情報収集を行い、現状を把握・分析します。

     収集した情報は、このテンプレートに書き込むのではなく、別にメモなどを作って
     まとめます。

   3.この企画の目標(ゴール)は?
     1.、2.を受けて、企画のゴールを設定します。

   4.何が問題点、課題点なのか?
     3.で設定した目標を実現するためには、どんなハードルをクリアしなければなら
     ないのかを挙げます。

   5.課題をクリアするための仮説と検証
     「こうすればクリアできる」という仮説と、その論理的裏付け(〜だからクリアで
     きる)を考えます。

   6.企画概要
     5.の仮説と検証をもとに、企画の概要を決定します。企画の概要とは、簡単に
     いえば具体的に何をいつ実施するのか、ということです。

     大まかな内容をまず決定して、予算や具体的なスケジュールなどの詳細を順次
     決定していきます。

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販売促進企画

        

販売促進企画

  ■販売促進企画

   製造業であっても、販売業であっても、商品が売れなければ儲けることはできません
   から、販売促進活動は重要な意味を持っています。

   商品の販売促進活動、つまり販売支援策をまとめた企画が販売促進企画(以下、
   販促企画)です。

   その中身は展示即売会などのイベントや、キャンペーンセール、売り場づくりなど、
   多岐に渡ります。

   とはいえ、販売促進活動をやったからといって、それがすぐに売上に結びつくわけでは
   ありません。

   売れない時代に、各社が手を変え品を変え、顧客に商品を売り込もうとしのぎを削っ
   ています。

   顧客にアピールして買う気にさせるには、どれだけ他社と違うユニークなアイデアを
   出せるかどうかがポイントとなるでしょう。

   当然、予算も人も限りがありますから、その制約の範囲内で実現可能な企画である
   ことが前提であるのは言うまでもありません。

   販促企画を成功させるには、いくつかのポイントについて考える必要があります。

   まずひとつめは「目的を明確にすること」です。

   何のための販促企画なのか、単純に売上を確保するためか、顧客との関係を深める
   ためか、それとも新規顧客を呼び込むためなのか、その目的がはっきりすれば、企画
   の方向性も固まるでしょう。

   次に「十分に準備期間を持つこと」です。

   目的が決まればターゲットとすべき顧客も明確になります。

   逆にターゲットが明確にならなければ、訴求力の高い販促企画を考えることはでき
   ません。

   また、いくら販促企画を行っても、肝心の顧客に情報が届いてなければ意味があり
   ません。

   イベントをやったはいいが、お客が来なかったというのでは話になりません。

   見込み客をリストアップし、案内状や直接訪問といった方法で情報を提供しておく必要
   があります。

   そして、「実施後のフォロー」です。

   例えば、イベントをやって場合を考えてみましょう。

   会場にお客を集めただけで満足してはいけません。

   当日の成約率はどのくらいだったのか、新規の顧客はどれだけ来場してくれたのか、
   イベントの成果を把握、分析します。

   そのうえで、新規顧客には直接訪問して営業活動を行うなど、その後の活動につなげ
   ることです。

   販促企画を成功させるには、これらのポイントを企画立案段階から考慮しておかなけ
   ればなりません。

   
  □販売促進企画テンプレートの使い方
   1.企画タイトル
     企画にタイトルをつけましょう。

     イベントを行うのであれば、イベント名を記入します。

   2.企画趣旨
     何のための企画なのか、なぜこの時期にやるのか、など5W1Hを押さえてまとめ
     ることがポイントです。

   3.実施内容
     企画趣旨を受けて、具体的にどんなことをやるのかをまとめます。

   4.対象顧客、実施日等
     実施内容について、さらに細かい事項を決定します。

   5.対象商品と売上目標
     どの商品を扱うのか、そして、この販促企画によってどれだけの売上を確保する
     のかをまとめます。

     複数の商品を扱う場合は、大雑把に全体でいくらの売上、というのではなく、各
     商品ごとの売上目標を積み上げて、最終的な売上目標を立てましょう。

   6.実施予算
     企画にかける予算はいくらで、どの部門がどれだけ負担するのかを決めます。

     費用対効果を十分に検討しましょう。

     企画をやることばかり考えていると、「企画実行のコストはこれだけだから、売上は
     これだけなければならない」と、コストありきの決定をしてしまうことがあります。

     それでは本末転倒です。

     企画を実現することが目的ではないのです。

   7.目標成約件数、目標集客数
     売上目標だけでなく、成約件数、集客数の目標も立てておきます。

     顧客との関係づくりを考えるうえでは、売上の数字よりも、むしろ成約件数、集客数
     のほうが重要な意味を持ちます。

   8.事前打ち合わせ事項
     企画を実施する前に決定しておくべき事項をまとめます。

     例えばイベントであれば、会場はどこでどのようにセッティングするのか、必要な
     機材は何か、といったことがあげられます。

   この「販売促進企画シート」で効果的な販促企画を立案してみてください。

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