営業マネジャーの指導力

              

営業マネジャーの指導力 

■営業活動の主な業務
 営業の基本は販売ですが、その成果を高めるためには、
  ・関係者との良好な関係構築など、商品を販売しやすい環境をつくり上げる
  ・つくり上げた環境を生かし、顧客に適切な提案をする
 ことなども不可欠です。

 これらの活動は数字には現れませんが、優れた営業担当者は、その重要性を十分に理解し、
 取り組んでいます。 
 営業は農作業に似た面があります。
 成約(収穫)を迎えるためには、田畑を耕し、種をまいて水をやらなければなりません。
 荒れた田畑の手入れをしなければ実りの秋は訪れないということです。

 顧客訪問から伝票作成などの事務作業まで営業活動の内容は多岐にわたりますが、ここ
 では大きく4つに分類して考えてみます。
 営業担当者の主な業務は、
  ◎訪問業務
   ・既存顧客に対する提案書作成、訪問やテレコール
   ・見込み客に対する提案書作成、訪問やテレコール 
    (移動、接待、食事会などの時間を含む)

  ◎事務業務
   ・見積書や営業報告書の作成などの事務作業
    (上司の承認待ちなどの手待ち時間を含む)

  ◎戦略業務
   ・営業計画の立案 
    (上司との調整、部下への指導を含む)
   ・顧客ニーズや競合先の状況把握
   ・製品やサービスの企画など 
    (製造など関連部門との調整)
   ・インターネットや人脈を使った情報収集

  ◎そのほかの業務
   ・クレーム処理など既存顧客のフォロー
   ・冠婚葬祭、ゴルフコンペなどへの出席

 営業活動の目的は自社の製品やサービス(以下「商品」)の販売です。
 そのために営業担当者はさまざまなことをしなければなりませんが、多くは訪問業務と
 事務業務に偏った活動をしています。
 この2つの業務は、営業担当者が「営業している(仕事をしている)」と実感しやすく、
 上司である営業マネジャーの評価も得やすいからです。 

 現実的にも、何らかの形で相手(既存顧客・見込み客・取引先)と接点をもたなければ
 商品を販売することはできないわけですから、訪問業務は非常に重要です。
 ただし、訪問業務で成果を上げるためには相応の準備が必要であり、相応の準備に当たる
 のが戦略業務とそのほかの業務になります。 

 戦略業務は、文字通り、営業戦略の立案にかかわる業務で、これが不十分だと訪問業務の
 成果は上がりません。
 例えば、特に用件がないにもかかわらず、約束なしで訪問したのでは相手も迷惑をします。

 たとえ、顔つなぎの訪問であったとしても何らかの土産話を用意することがポイントで、
 そのネタは戦略業務を通じて仕入れることができるのです。
 また、そのほかの業務は相手と良好な関係を構築するための業務で、適時、適切な距離感
 を保ちながら行います。 

 営業活動では、訪問業務、事務業務、戦略業務、そのほかの業務をバランスよく行う
 ことが基本となりますが、多くの営業担当者は実践できていません。
 部下である営業担当者を指導する営業マネジャーは、こうした問題を明らかにして改善
 していかなければなりません。

□営業マネジャーによる指導の基本スタンス
 1.実践による指導と留意点 
  コーチングが注目を集めているように、営業の現場でも、多くの営業マネジャーが部下
  である営業担当者の意見を十分に聞きながら指導をしています。
  確かにこれは重要なことですが、営業活動には、営業担当者の属人的な要素が多分に
  影響することを忘れてなりません。

  つまり、営業活動には“センス”が求められ、言葉よりも感覚で習得することが多く
  あります。
  営業マネジャーが熱心に言葉で伝えても、営業担当者が理解している部分は意外と少なく、
  教える側と教えられる側の認識に相違が生まれやすいのが現状です。

  そのため、営業マネジャーが部下である営業担当者を指導する際は、感覚が養われる
  実践を効果的に盛り込んでいかなければなりません。
  例えば、社内でロールプレイングを繰り返し行って、交渉などの雰囲気を体感して
  もらいます。

  そして、営業担当者がある程度のレベルに成長した段階で、本番の商談に同行させて
  みます。 
  中には、十分に訓練していない営業担当者を本番の商談に同行させ、メーンで話を
  させようとする営業マネジャーがいます。

  実践主義といえますが、この方法は時と場合を選ばなければなりません。
  例えば、「重要なクライアントとの大きな商談が最終局面に差し迫っている」「相手が
  こちらによい印象を持っていない」などの場合、経験の浅い営業担当者を前面に出し、
  相手に失礼な発言をしてしまうことがあれば、取り返しのつかない状況になりかねない
  のです。 

  いずれにしても、経験の浅い営業担当者を相手と対面させるにはそれなりのリスクが
  あります。
  そのため、営業担当者をメーンにするのは、営業マネジャーが全体の80%をコントロール
  できる商談に限定するとよいでしょう。

  「営業マネジャーが全体の80%をコントロールする」というのはイメージ的な表現
  ですが、例えば、
   ・相手と相性がよく、いつもこちらが商談を仕切っている
   ・交渉の結末に関する権限が営業マネジャーに委譲されている
  などのケースが該当します。

 2.繰り返しの体験とビジネスの基本の習得 
  営業活動の指導は、営業マネジャーがやってみせた後に、営業担当者に実践させる
  ことが重要です。
  また、交渉のテクニックなどを指導するよりも先に、ビジネスの基本的な仕組みを
  教えることが必要です。

  ビジネスの基本的な仕組みを理解していない営業担当者は、営業マネジャーや相手の
  発言の意味が分からないまま、“空返事”をしたりするからです。
  そのため、まずは「5分で分かる○○業界の仕組み」「○○年版 業界地図」などの書籍を
  営業担当者に読ませることから始めるとよいでしょう。

□営業担当者の行動にみられる問題点と改善策
 1.訪問活動に無駄がある 
  積極的に訪問活動をしている営業担当者は頑張っているようにみえますし、本人も
  「営業をしている(仕事をしている)」と実感しています。
  ただし、訪問活動の際に必ず生じる「移動時間」を考慮していない場合は問題です。
  訪問活動は効率的に行うことがポイントです。 

  以下は出張を含めた例です。
  AさんとBさんを比べれば、どちらが効率的であるかは明らかでしょう。
   【Aさん】 
    1日目:午前に大阪府の見込み客を訪問し、午後に愛知県の見込み客を訪問し、
        当日に東京都に戻る 
    2日目:午前に東京都の見込み客を2件訪問し、午後は事務業務などを行う 
    3日目:前に訪問した見込み客のフォローと次の訪問に備えた戦略業務を行う
   【Bさん】 
    1日目:午後に大阪府の見込み客を訪問し、当日に東京都に戻る
    2日目:午後に愛知県の見込み客を訪問し、当日に東京都に戻る
    3日目:午前と午後に東京都の見込み客を1件ずつ訪問した後、直帰する 

  1日の活動に占める移動時間の割合は意外と大きいものです。
  訪問先に向かう途中はそこそこの緊張感があるため、移動時間を商談時間と同じ「仕事」
  と考えている営業担当者がいます。
  しかし、実際は移動時間に大きな意味はありません。

  非効率な訪問活動は時間とコストの無駄にほかならないのです。 
  前述したAさんとBさんは極端な例にみえるかもしれませんが、これはわずか3日間の
  結果です。
  非効率な訪問活動が日々繰り返されることによって、現実にはAさんとBさん以上の
  大きな差が生じています。 

  営業マネジャーは、こうした訪問活動の無駄を営業担当者に理解させ、改善しなければ
  なりません。
  その際は、訪問件数、実際に費やしている時間、移動コストなどを一覧表にまとめ、
  客観的な数字として示すようにしましょう。

  なぜなら、上記のBさんでさえ「毎日、忙しく訪問している」と錯覚しているからです。 
  また、訪問活動の無駄をなくす第一歩は行動計画の立案です。
  初めのうちは、営業マネジャーが行動計画を作成し、ある程度の訪問パターンと移動の
  スピード感を営業担当者に体感させるとよいでしょう。

 2.訪問件数が伸びない 
  訪問活動の無駄をなくして時間的な余裕が出てくれば、訪問件数は増えるはずです。
  しかし、実際は従前と訪問件数が変わらない営業担当者が多くいます。
  営業担当者は、無意識のうちに与えられた時間を目いっぱい使って業務を遂行しようと
  するため、全体的にペースダウンして帳尻を合わせてしまうのです。

  これは、「業務量が減っても、残業が減らない」のと同じ現象です。
  こうした状況を改善するためには、営業マネジャーがペースメーカーとなって、全体の
  スピードをコントロールするよりほかありません。 
  また、営業マネジャーが日次ヒアリングを行うなどして、営業担当者の日々の業務
  遂行状況を管理することも効果的です。

  営業担当者は、営業マネジャーによい報告をするために、少しずつペースを上げてくる
  ことが期待できます。
  ただし、毎回、芳しくない報告しかできない営業担当者は、日次ヒアリングのたびに
  自信を失い、精神的な負荷を受けます。

  営業マネジャーは、こうした営業担当者をケアしなければなりません。
  訪問業務などに向かないようであれば、事務業務の専属として再配置するなどします。

 3.訪問先に偏りがある 
  営業担当者が訪問する相手には偏りがあります。
  営業担当者の気質によって違ってきますが、一般的な営業担当者は、自分が苦手な
  先を進んで訪問しないものです。

  また、営業担当者が、「あそこに訪問しても無駄だろう」と勝手に判断していることも
  あります。 
  しかし、営業担当者があまり訪問しない先が最も有力な見込み客であったというケースは
  珍しくありません。

  訪問先を営業担当者の裁量で決定させては問題です。
  営業マネジャーは月に数回は同行訪問し、見込み客の状況を適切に判断しなければ
  なりません。 
  また、同行訪問する都度、営業マネジャーは、自分が見込み客をどのように評価して
  いるのかを営業担当者に伝えるようにします。

  仮に、営業マネジャーが「有力な見込み客」と判断すれば、営業担当者は自分の見込み
  違いを改めて、当該先を有力な見込み客としてとらえるはずです。

 4.新規開拓をしない 
  営業活動は、新規顧客の開拓と既存顧客との取引継続に大別され、多くの営業担当者は
  新規開拓を好まない傾向があるようです。
  新規開拓とはいえ、過去にリレーションのない先を紹介または飛び込みで訪問するのは
  気が引けるものですし、成果も上がりにくいからです。

  とはいえ、新規開拓をしなければ、企業は既存顧客からの売り上げに頼ることになります。
  こうした取引がいつまでも継続するとは限らず、万一の際に、その代わりとなる顧客の
  見込みもなくなってしまいます。
  そのため、営業マネジャーは営業担当者に新規開拓を指示しなければなりません。
  最も重要なのは、小さな商いでもいいので、営業担当者に成功体験をさせることです。

  そこで、行動計画の中に新規獲得の件数を盛り込み、それについては必ず営業マネジャー
  が同行訪問します。 
  同時に、営業担当者が持つ飛び込み訪問の苦手意識を払拭(ふっしょく)するために、
  既存顧客を失うことは大きな損失だが、新規開拓では失うものはないので、たとえ
  門前払いをされても落ち込む必要はないなどのようにフォローするとよいでしょう。

 5.そもそも時間がない 
  営業活動以外の業務が多くて訪問業務などの時間が取りにくい、というのは中小企業で
  起こりがちな問題です。
  営業活動の時間が細切れになると、なかなか集中することができず、活動効率の低下は
  否めません。 

  そこで、営業マネジャーは各営業担当者の業務を把握した上で再分配し、営業活動に
  費やすことができる「まとまった時間」を確保するようにします。
  とはいえ、それには限界があります。
  状況が改善されないようであれば、営業マネジャーは上司に現状を報告し、業務遂行
  体制の見直しを相談しなければなりません。

 6.戦略業務の重要性を理解していない 
  情報収集に代表される戦略業務は、営業活動において非常に重要であるものの、その
  重要性をしっかりと理解できている営業担当者は意外と少ないのが現状です。
  多くの営業担当者は「戦略業務が販売に直結するわけではない」と考えているからです。 

  しかし、実際は、戦略業務によって必要な情報を収集・分析し、それに基づいて適切な
  手段を講じてきたからこそ、商品を販売することができます。
  営業マネジャーは、この点を営業担当者に指導しなければなりません。
  できるだけ分かりやすく伝えることがポイントなので、営業マネジャーの成功・失敗
  体験に基づいて指導するとよいでしょう。

□営業担当者の特徴に応じた指導 
 ここまで、営業マネジャーが部下である営業担当者を指導する際の一般的なポイントを
 紹介してきました。
 営業活動の指導は、営業担当者に実践を通じた成功や失敗を「体感」させることがポイント
 です。

 問題は何を「体感」してもらうかです。
 最終的には、訪問業務、事務業務、戦略業務、そのほかの業務をバランスよく行える
 営業担当者に育ってほしいものです。
 とはいえ、営業担当者によって適性や興味が違うので、同じ実践から「体感」するものに
 大きな差が生じます。

 ましてや、苦手な分野の実践を繰り返すことは営業担当者にとって苦痛ですし、指導も
 前に進みません。 
 指導の効率化と営業担当者のモチベーション維持を考えた場合、初めのうちは、営業
 担当者が理解・吸収しやすい分野の指導に力を注ぐのがよいでしょう。

 簡単な方法は、サッカーのフォワード(攻撃)とディフェンス(守備)のイメージで
 営業担当者を2つに分けることです。
 訪問活動など相手と話をすることに長けた営業担当者はフォワード(攻撃)、提案書
 など書類作成やファイリングに長けた営業担当者はディフェンス(守備)とし、それぞれの
 得意分野を伸ばしていくことを当面の指導目標とするのです。

 そして、ある程度のレベルに達したと営業マネジャーが認めた段階で、苦手分野にも
 チャレンジさせます。
 営業担当者は得意分野での成功体験によって、ある程度の自信を持っているはずなので、
 苦手分野にも前向きに取り組むことでしょう。
 その積み重ねによって、営業担当者は「営業にはフォワード(攻撃)とディフェンス(守備)
 の両方が必要である」ことに自ら気づくことでしょう。

営業プレイングマネジャーの心構え

                                     

営業プレイングマネジャーの心構え

■営業プレイングマネジャー
 営業プレイングマネジャーは、自ら第一線で営業活動を行うと同時に、チームをマネジ
 メントして組織全体の営業力強化を目指します。
 個人の営業目標の達成が業務の中心だった時と異なり、営業プレイングマネジャーは、
 営業部門の中核として活動しなければなりません。

 1.管理職になるということ
  “出世が何より”という時代は終わりを告げたように感じますが、管理職になることは、
  ビジネスパーソンにとって大きな喜びといえます。
  昇進は、これまでの企業への貢献が評価された一つの結果であり、賃金の上昇にも
  つながるからです。 

  中小企業の場合、組織がフラットで縦の指揮命令系統が厳格に整備されていないことが
  多く、マネジャーなどに昇進しても、同僚との接し方はこれまでと大きく変わらない
  かもしれません。
  しかし、部下を持つようになることは大きな変化で、自分の業務だけを進めるだけ
  ではなく、部下を育成するという管理職ならではの業務を担当することになります。

  人材育成は想像以上に困難な業務ですが、部下と良好な関係を築くことができれば、
  より効率的に業務を進めることが可能となります。
  また、昇進は対外的に大きな効果があります。
  例えば、営業担当者が顧客や取引先を訪問した際、上位の役職のほうが話を聞いて
  もらいやすくなります。
  顧客や取引先は、決定権の広い上位の役職者と取引したほうが有利と考えるためです。

 2.従来タイプからプレイングマネジャータイプの管理職へ
  今では企業が管理職に求める機能が変化してきました。
  例えば、これまでは戦略立案や人材育成が管理職の主な機能とされてきました。
  しかし、企業経営を取り巻く環境が急速に変化する現在、デスクにいて営業計画
  などの立案などを行い、部下に業務遂行の指示をするような従来タイプの管理職では
  企業に十分に貢献できなくなってきました。

  代わって求められるようになってきたのは、自ら第一線で活躍しつつ、部下の育成という
  管理職ならではの業務もこなすプレイングマネジャータイプの管理職です。
  企業は管理職に対し、実際に現場に出て顧客と接し、市場の生の声を聞いて実効性の
  高い営業計画の立案などを求めるようになったのです。

  もともと、中小企業の管理職は一般従業員と同じように第一線で働くことが多かった
  のですが、これはマンパワーが限られた中小企業の人材活用の特徴からくるものであり、
  企業がプレイングマネジャーというポジションの配置を意図的に行ったものではない
  でしょう。 

  しかし、現在、プレイングマネジャーというポジションは一般的になり、企業は管理職に
  対して、プレイングマネジャーとして機能することを明確に求めるようになりました。
  そのため、特に中小企業の管理職は、自分がプレイングマネジャーであることを認識
  して活動しなければならない状況になっています。
  ここでは、中小企業の営業部門のプレイングマネジャーに注目し、営業プレイング
  マネジャーの基本的な心構えについて考えていきます。

□「公」のポジションで活動すること
 営業プレイングマネジャーは、自ら第一線で営業活動を行うと同時に、チームをマネジメント
 して組織全体の営業力強化を目指します。
 個人の営業目標の達成が業務の中心だった時と異なり、営業プレイングマネジャーは、
 営業部門の中核として活動しなければなりません。

 1.企業が期待する2つの役割
  企業が営業プレイングマネジャーに求める機能は「営業力強化」と「人材育成」に
  大別されます。
  「営業力強化」とは、新規顧客の獲得などを指しますが、マネジャーである以上、
  単独プレーは好ましくありません。
  「人材育成(メンバーの指導)」にも力を注ぐことで組織全体の営業力の底上げを
  実現することが重要となります。
  理想は、人材育成によって営業力が強化され、その結果、営業成績が向上するといった
  状態です。

 2.「公」のポジションで活動すること
  営業プレイングマネジャーは、企業が自分に営業力強化と人材育成の2つの機能を期待
  していることを知っています。
  しかし、多くの営業プレイングマネジャーは、2つをバランスよくこなすことが
  できません。

  さらに、「ペースダウンしているわけではないのに、業務がたまってしまう」
  「自分の営業をしながらメンバーの面倒も見るなんて無理だ」などと考えもします。
  営業力強化と人材育成を両立できないのは、2つの機能を切り離して考えているから
  であり、一営業担当者であった時代の感覚が抜け切っていない証拠です。

  確かに、営業プレイングマネジャーは自ら第一線に立って営業活動を行いますが、
  それは一営業担当者としての活動ではありません。
  営業プレイングマネジャーは、企業の営業計画を理解したうえでチームの営業方針を
  決定し、メンバーと協力しながら戦略的に営業活動を進めなければなりません。

  また、上司とチームメンバーなどの間に入って物事を調整し、目標達成の前に立ち
  はだかる障害を取り除くことも必要です。
  営業プレイングマネジャーの活動は、一営業担当者としてのものではなく、企業の
  営業活動全体の推進役・旗振り役として、「公」のポジションで行われるものです。

  「公」のポジションで全体最適化を図ることが営業プレイングマネジャーの役割であると
  十分認識できるようになれば、営業力強化と人材育成を切り離して考えることはしなく
  なり、常に営業力強化と人材育成の両機能を視野に入れて行動できるようになって
  いきます。

□上下左右のバランスを取って営業の可能性を広げる
 ビジネスにはさまざまな関係者が存在し、こうした人たちと利害関係を調整していかな
 ければ、なかなか前に進めません。
 営業プレイングマネジャーは、営業活動をスムーズに進めるために、上司、他部門、
 メンバーなどさまざまな関係者の間に入ってバランスを取らなければなりません。

 1.何にでも合うサンドイッチの具 
  いわゆる中間管理職のことをサンドイッチの具に例えることがあります。
  これは、上司と部下の間にはさまれて窮屈そうにしている様子を冷やかした表現ですが、
  一方で、サンドイッチは具があるからおいしいということを忘れてはなりません。
  企業活動をスムーズに進めるためには、考え方や視点が違う人同士の潤滑油になれる
  ような存在が必要だということです。

  そして、営業活動の推進役・旗振り役である営業プレイングマネジャーにも、こうし
  た調整機能が求められます。
  営業活動には社内外を問わずさまざまな人が介在します。
  営業プレイングマネジャーは、誰と誰の間に入っても巧みにバランスが取れるような
  「何にでも合うサンドイッチの具」になる必要があります。

 2.上下左右のバランスを取って営業の可能性を広げること
  営業活動では「調整」や「根回し」が頻繁に行われます。
  これらは、進もうとする方向にある岩を撤去するような取り組みであり、営業活動を
  スムーズに進めるうえで不可欠な要素といえます。
  営業プレイングマネジャーが行う「調整」や「根回し」も、進もうとする方向にある
  障害を事前に克服する意味合いが強いのですが、これ以外にも、周囲との関係を良好に
  保ち、営業活動の可能性を広げるという狙いがあります。

  サービス、価格、納期などのバリエーションが多いほうが営業上好ましいことは明白
  です。
  また、ゴールが決まっている場合でも、そこにたどり着くまでの複数のルートを確保して
  おいたほうが安全です。

  そのため、営業プレイングマネジャーは、自ら現場に立って新たな顧客層やサービスの
  可能性を探ると同時に、取引先となりそうな企業を開拓し続けて、営業の可能性を
  広げていかなければなりません。
  また、取引先によって付き合いの密度(協業の回数など)が異なるのは仕方のないこと
  ですが、どのような取引先とも適度な距離をおいて付き合いを継続します。

  こうすることで、その取引先といつでも営業を再開できる関係を維持することができます。

□相乗効果を発揮するチームを目指す
 営業プレイングマネジャーは、チームを率いて営業活動を行い、実際に成果を上げなければ
 なりません。
 しかし、営業プレイングマネジャーのマネジメントがなければ、チームの意思統一は
 図れず、相乗効果が発揮されません。

 1.足し算によるチーム力の誤解
  営業プレイングマネジャーの中には、メンバー2人とチームを組めば、自分の力と
  合わせて、これまでの3倍の力が発揮できると考える人がいます。
  しかし、多くの場合、この考え方は正しくありません。
  チームの総合力は、単純に個々のメンバーが持つ業務遂行力の足し算で求められるもの
  ではありません。

  例えば、業務遂行能力が2.0の営業プレイングマネジャーと業務遂行能力が1.2の2人の
  メンバーがチームを結成したとします。
  この場合、各人の力を合わせるとチーム全体の業務遂行力は4.4(2.0+1.2+1.2)と
  なります。

  しかし、特にチーム結成当初は4.4の業務遂行力を発揮することは容易ではなく、実際は
  2.5程度にとどまるでしょう。
  結成当初のチームは結束力が弱く、足並みもそろっていません。
  皆の進もうとする方向はバラバラで、無意識のうちに互いの業務を邪魔しあってしまう
  ことがあります。

  たとえるならば、メンバーが腰にロープを巻いて、バラバラの方向に進もうとするような
  ものです(イメージは次ページの図の通り)。

 2.相乗効果を発揮するチームを目指すこと
  チームで業務を進めることの最大のメリットは相乗効果の発揮です。
  先の例でいうと、仮にチームの業務遂行能力が2.5から4.4(2.0+1.2+1.2)に
  高まっても、それがゴールではありません。
  4.4の業務遂行能力は、もともと営業プレイングマネジャーやメンバーが有している
  力が最高まで発揮された結果にすぎません。

  目標は、相乗効果によって各人がプラスアルファの能力を発揮できるチームづくりです。
  相乗効果が発揮されたチームの業務遂行能力は、4.4(2.0+1.2+1.2)にとどまらず、
  4.5(4.4+α)以上に高めることができます。
  営業プレイングマネジャーは、まずメンバーの特性と能力の把握から始めましょう。

  個々のメンバーには「モチベーションが高い、低い」「メンタルが強い、弱い」
  「コミュニケーション能力が高い、低い」などの特徴があります。
  こうした特徴を十分に把握したうえで適切にコミュニケーションを取り、和やかな
  雰囲気をチーム内に充満させていきます。

  働きやすい環境づくりは、人が能力を発揮するうえで非常に重要なポイントです。
  また、チームは共通の目標を持ち、同じ意識レベルで業務に取り組むようになった時に
  高い相乗効果を発揮します。
  そのため、営業プレイングマネジャーは、チームの明確な目標とそれを達成するための
  具体的な方法をメンバーに伝えることが大切です。

□シームレスな業務分配を実現する
 営業力強化と人材育成の両機能を発揮しなければならない営業プレイングマネジャーは
 多忙であり、業務遂行を見直さなければ時間不足に陥ります。
 「自分の業務」「メンバーの業務」といった枠組みを取り払い、チーム全体の適正配分を
 実現することがポイントです。

 1.慢性的な時間不足
  営業プレイングマネジャーは「公」のポジションで企業やチームのために活動します。
  一方で、担当顧客のフォローや新規開拓など、営業担当者時代の業務も引き続き行います。
  放っておくと業務量は増えるばかりで、「自分の見込み客に提出する提案書を明日までに
  仕上げなければならない。
  部下の書いた報告書も明日までに修正しなければならない。
  今日は徹夜だな」といったように、慢性的な時間不足に陥ってしまいます。

 2.シームレスな業務配分を実現すること
  慢性的な時間不足を回避するために、営業プレイングマネジャーは、チームの業務遂行
  体制を見直さなければなりません。
  その際のポイントは、「自分の業務」や「メンバーの業務」といった枠組みを取り払い、
  すべてを「チーム全体の業務」として認識することです。

  そのうえで、見積書の作成など本来は営業プレイングマネジャーが担当しなくてもよい
  業務をメンバーに割り振って効率化を図ります。
  具体的には、定期的に営業プレイングマネジャーとメンバーが担当している業務を
  リストアップして、難易度のランク付けをすることから始めます。

  その後、各メンバーの能力に見合った業務を割り振って最適化を図ります。
  なお、一度メンバーに業務を割り振った後は、営業プレイングマネジャーはメンバーを
  信じる姿勢を貫きましょう。しつこく進ちょく度合いを確認したりすると、メンバーは
  「マネジャーは自分を信頼していない」と感じ、チームの結束に悪影響を及ぼします。

□常に前向きに業務に取り組む
 営業プレイングマネジャーは、営業部門の中核であると同時に、営業活動の推進役・
 旗振り役です。
 そのため、常に前向きな姿勢で業務に向き合わなければなりません。
 そうした姿勢は、チームメンバーに安心感を与え、推進力と求心力を強めます。

 1.見失いがちなポジション
  新任の営業プレイングマネジャーは、営業計画や営業方針の立案、チームメンバーとの
  コミュニケーション、業務遂行体制の見直しなど忙しく業務をこなします。
  しかし、半年ほどたつと、一通りのことは終了するため、冷静に今の自分やチームの
  状態を見つめ直す余裕が出てきます。

  一方、営業活動はなかなか成果が上がるものではありません。
  業務は忙しいのに結果が出ない状況に直面した営業プレイングマネジャーは、自分の
  能力不足を疑い、ポジションを見失いがちになってしまいます。

 2.常に前向きに業務に取り組むこと
  結局のところ、営業は数字が求められる活動で、結果が出なければ誰でも自信を失って
  しまいます。
  ある意味、これは仕方のないことです。
  一方、メンバーは営業プレイングマネジャーが自信を失っていることを敏感に感じ取り、
  不安に感じます。

  また、あまりに疲れた表情をしていれば、顧客や取引先にもよい印象を与えません。
  営業プレイングマネジャーは「公」のポジションで営業活動をする人であり、その機能が
  停滞すると、本人が考える以上にいろいろな弊害が出てくるものなのです。
  自分のポジションを見失ってしまった営業プレイングマネジャーは、気分を切り替えて
  「今の状況を楽しむ」くらいの気持ちを持ちましょう。

  一営業担当者であったころに、「自分なら、もっと違う営業方針を立てるのに」あるいは
  「もっといい提案内容があるのに」などと考えたことがあるのではないでしょうか。
  営業プレイングマネジャーとなったあなたは、チームの営業方針立案や提案内容の決定を
  一任されています。

  もし、営業の成果が上がらないのであれば、営業方針などを見直して、再度、チャレンジ
  すればよいのです。
  そして、常に前向きな営業プレイングマネジャーの姿はチームメンバーに安心感を与え、
  チーム全体の推進力(先に進む力)と求心力(結束する力)の源にもなるのです。

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チーム営業 プレイングマネジャーの役割

                                      

チーム営業 プレイングマネジャーの役割

■チームのあるべき姿
 営業プレイングマネジャーは、自ら第一線で営業活動を行うと同時に、チームをマネジメント
 して組織全体の営業力強化を目指します。
 個人の営業目標の達成が業務の中心だった時と異なり、営業プレイングマネジャーは、
 営業部門の中核として活動しなければなりません。

 1.信頼を感じる瞬間
  チームとは、一つの目的を達成するために結成された集団です。
  規律を守り、互いを信頼し、勝利のために迷うことなく前進し続けます。
  こうしたチームのあり方は野球でもラグビーでも同様です。
  そして、営業の現場において、営業プレイングマネジャーを中心に展開されるチームの
  営業活動も、こうしたサッカーのワンシーンと似ています。

 2.信頼に始まり信頼に終わる
  営業プレイングマネジャーは、自ら第一線で営業活動を行うと同時に、チームを
  マネジメントして組織全体の営業力強化を目指す存在です。
  その役どころをスポーツにたとえるならば、時にはキャプテンとしてフィールドに立ち、
  華麗なプレーで相手をほんろうするファンタジスタであり、また時にはベンチから
  冷静なさい配を振るう監督でもあります。

  そして、いずれの場合にもチーム内に強固な信頼関係を築いていかなければなりません。
  チーム戦の場合、一人ひとりの能力が高くても、格下のチームに敗れてしまうことが
  あります。
  一対一の局面では勝っているにもかかわらず試合に敗れてしまうのは、その時の格下
  チームが普段以上の実力を発揮していたからにほかなりません。

  チームが強い信頼関係に支えられて本当に一丸となった時、チームの力はメンバー一人
  ひとりの能力の合計を大きく超えるものとなるのです。
  ここでは、特に新任の営業プレイングマネジャーの参考となるよう、信頼関係に支えられ、
  互いの相乗効果によってプラスαの力を発揮できるようなチームづくりの考え方を紹介
  していきます。

□チーム力をマイナスからプラスαに引き上げる
 1.結成時はマイナスからのスタート 
  どのようなチームでも結成当初は未熟なものです。
  目標が十分に共有されていないばかりか、チームの規律(ルール)もないため足並みが
  そろいません。
  メンバーは互いの考え方や能力を理解していないため、気を遣いながら(あるいは、
  けん制し合いながら)行動することになります。

  その結果、自分が持っている能力のすべてを発揮することができなくなってしまいます。 
  こうした状況は、優秀な人材ばかりを集めたドリームチームを結成しても変わりません。
  ドリームチームの姿は、外部からは「さすがに優秀な人材が集まっているだけであって、
  素晴らしいチームだ」と映るかもしれません。

  しかし、これはドリームチームの内部で相乗効果が発揮されているからではありません。
  もともとドリームチームのメンバーの能力が高いため、素晴らしい活動をしている
  ように錯覚しているにすぎないのです。

 2.目指すべきは「信頼万全」相乗効果型チーム
  前述したような結成当初のチームを「視野散々」双方浪費型チームと名づけましょう。
  チームのリーダーである営業プレイングマネジャーは、「視野散々」双方浪費型チーム
  から早々に脱却し、「規律重視」指示絶対型チームへ、さらに「信頼万全」相乗効果型
  チームへと進化させていかなければなりません。

  そのイメージは表の通りです。
  以降では、チームを「信頼万全」相乗効果型チームへと進化させるための営業プレイング
 マネジャーの取り組みについて紹介していきます。

□「規律重視」指示絶対型チームへの進化
 1.戦力計算できるチームにする
  結成当初の「視野散々」双方浪費型チームは、いってしまえば学校のクラス替え直後の
  ような状態で、メンバーは互いの考え方や能力を計り切れずにいます。
  営業プレイングマネジャーも同様で、このチームでどこまでやれるのかを計算する
  ことができません。

  こうした状態では、営業プレイングマネジャーは数字に裏付けのある営業計画を立案する
  ことができず、企業全体の営業活動にも支障をきたします。
  そこで、リーダーとしての営業プレイングマネジャーの最初の仕事は、チームを早期に
  「規律重視」指示絶対型チームへと導き、チーム全体の戦力計算をすることです。

  これは着任初日から積極的に進めるべき取り組みで、数カ月のうちに終わらせましょう。
  「規律重視」指示絶対型チームへの進化は、ぐらぐらと頼りないチームの土台を固める
  ための基礎工事のようなもので、具体的な取り組みは「規律(ルール)の作成」と
  「面談(集団と個人)」の2つです。

 2.規律(ルール)の作成
  基礎工事の手始めに、しっかりとした土台づくりをします。
  土台となるのは規律(以下「ルール」)であり、そのイメージは次の通りです。 
  例えば、「視野散々」双方浪費型チームがサッカーの試合に挑んだ場合、パスを受けた
  右ミッドフィルダーが次にどのようなプレーをするのかは誰にも分かりません。

  それはチームのルールがないからです。この状態で、味方全員がここぞとばかりに
  攻め上がったらどうでしょうか。
  たまたまパスがつながればいいのですが、右ミッドフィルダーが相手にボールを奪われて
  しまっては一気に敵の反撃を受けることになってしまいます。

  これが「視野散々」双方浪費型チームの実情であり、とても試合に挑める状態では
  ありません。
  そこで、最低限、戦えるチームにするためにルールを定めます。
  例えば、パスを受けた右ミッドフィルダーは、必ず逆サイドにパスを出すことにする
  のです。

  このような単純なルールがあるだけでも、味方がムダな走りをすることはなく、反撃を
  受ける恐れも少なくなります。
  また、右ミッドフィルダーの仕事が逆サイドにパスを出すという明確なものなので、
  その精度を見ることで能力を知ることができます。

  つまり、チームの戦力計算が可能となるわけです。
  それでは、具体的に営業プレイングマネジャーはどのようなルールを定めればよい
  のでしょうか。

  その答えは簡単で、
   ・営業プレイングマネジャーがメンバーを管理しやすいルール
   ・営業プレイングマネジャー自身の営業スタイルを反映したルール
  ということになります(もちろん、企業全体の規律の範囲内であることが前提です)。

  チームのルールを定める目的は、「チームの戦力を計ること」「メンバーが業務の
  進め方に迷わないようにすること」の2点であり、この時点ではチームの結束力を高める
  たぐいのものではありません。
  そのため、メンバーの強い反感を受けない程度のものであれば営業プレイングマネジャー
  が一人で決めてよいのです。

  そして、一度決めたルールは、先の2つの目的を果たすまで変更してはいけません
  (業務遂行で障害が出ないことが前提です)。
  また、ルールを周知徹底し、必ず順守させるようにします。
  基礎工事の段階で例外を設けるのはよくないからです。

 3.面談の実施
  土台を固めた後は、理解という大黒柱を立てましょう。
  具体的には、メンバーとの集団・個別面談による相互理解です。
  前述したルールの作成と徹底は、チームの足並みを素早くそろえるうえで簡単な方法
  である半面、メンバーからの反論も出やすい両刃の剣です。

  そこで、メンバーとの面談によってコミュニケーションを深めつつ、ルールの重要性を
  説いて反対の意識を緩和していきます。
  面談は集団と個人を交互に繰り返して行います。
  この段階では、営業プレイングマネジャーと各メンバーはそれほど打ち解けていません。

  そのため、メンバーは着任早々にルールを定めて徹底している営業プレイングマネジャー
  の意図を十分に理解しておらず、意見は総花的なものが中心となります。 
  一方で、メンバーには集団面談の時に多くを話す「外弁慶」タイプ、逆に個人面談の
  時に多くを話す「内弁慶」タイプが存在します。

  どちらのタイプのメンバーでも、自分の意見を主張できるような環境を整えるために、
  面談は集団と個人を交互に繰り返すこととするのです。
  面談の場では、営業プレイングマネジャーは必要以上に多くのことを話すべきではない
  でしょう。

  チーム結成の目的や短期の営業計画など、所信表明は必要ですが、それは必要最低限に
  とどめ、後はメンバーに多くを話してもらいます。
  こうすることで、メンバーの業務に対するスタンスやチームへの思い入れなどを知る
  ことができるからです。

  着任当初の営業プレイングマネジャーは、企業全体の営業戦略の立案への参加、チームの
  営業方針の策定、チームのルール作りなど多忙となりますが、メンバーの理解は
  欠かせないことなので、多めに時間をとって対応します。
  必要であれば、業務時間外に宴会の場を設けることも一策です。

  なお、基礎工事(「規律(ルール)の作成」と「面談(集団と個人)」)の順番は
  どちらが先でも構いませんが、先にルールを作成するやり方のほうがよいでしょう。
  チーム内で共有できるものがない状態では、営業プレイングマネジャー自身が何を
  よりどころにメンバーと接してよいものか迷ってしまうことがあります。

  その点、チームのルールが定められた後ならば、それに対するメンバーの反応を観察
  しながら、それを切り口に話をすることができます。

□「信頼万全」相乗効果型チームへの進化
 1.道のりは険しい
  「視野散々」双方浪費型チームから「規律重視」指示絶対型チームへの進化は、比較的
  短期間で実現することができるでしょう。
  集団を統率するにはルールの徹底が最も早道だからです。
  一方、「規律重視」指示絶対型チームから「信頼万全」相乗効果型チームへの進化は
  容易ではなく、場合によっては「規律重視」指示絶対型チームのままで終わってしまう
  こともあります。

  「信頼万全」相乗効果型チームへの進化が難しいのは、メンバーからの信頼を得るために、
  営業プレイングマネジャー自身が変わらなければならないからです。

 2.自分では気付かない大きな誤解
  チームマネジメントは信頼に始まり、信頼に終わるといっても過言ではありません。
  そして、「信頼万全」相乗効果型チームとは、
   ・営業プレイングマネジャーとメンバーの信頼関係
   ・メンバーとメンバーの信頼関係
  に支えられたチームです。

  しかし、信頼関係の構築というものは、口で言うほど簡単ではなく、双方の思い込み
  も入りやすくなります。
  例えば、営業プレイングマネジャーに「あなたはメンバーを信頼していますか」と質問
  してみると、ほぼ全員が「もちろん、信頼しているに決まっている」と答えます。

  しかし、本当にそうでしょうか。
  信頼とは相手ありきのものです。
  「自分が信頼しているのだから、相手も信頼してくれているはず」と勝手に思い込んで
  いるだけの状態かもしれません。

  営業プレイングマネジャーは自分の視点や考え方で一つひとつの事柄を判断し、メンバー
  を信頼して指揮を執っているつもりです。
  しかし、メンバーの視点からみた場合、そうした営業プレイングマネジャーのさい配には
  必ずしも納得がいかず、自分は信頼されていないと感じることさえあります。

 3.「完全主義者」あるいは「臆病者」の自分と決別する 
  前述したような問題が生じてしまう理由の一つは、営業プレイングマネジャーが
  「完全主義者」あるいは「臆病者」であるからです。
  「完全主義者」は、自分の計画通りに物事が進まなければ納得がいきません。
  そのため、メンバーの創意工夫をほとんど取り入れずに、一つひとつの業務の進め方を
  自分の考え方で指示します。

  一方、「臆病者」は計画が遅れてしまうことを恐れ、業務の多くを自分で行おうと
  します。
  このような営業プレイングマネジャーの下では、メンバーはなかなか新しい業務を
  任せてもらえず、やる気はから回りするばかりです。

  その一方で、当の営業プレイングマネジャーにはメンバーを思いやる気持ちがあります。
  そのため、仮にプロジェクトが失敗に終わった場合は、「今回の失敗は自分の
  責任だ。君たちは本当によくやってくれた」などと話します。
  これはこれで、メンバーを気遣う素晴らしい姿勢といえますが、果たして、この
  言葉がどれだけメンバーのハートに響くかは疑問です。

  少し乱暴な言葉ですが、メンバーの立場からすると「結局、すべてをマネジャーが
  やって、勝手に自滅しただけじゃないか。
  よくやってくれたというけど、自分たちは指示された通りに細かな業務を行っただけ…」
  といった印象を受けます。

  営業プレイングマネジャーに限らず、リーダーは計画通りに業務が進むよう監督し、
  何かあったらメンバーをかばって矢面に立たなければなりません。
  こうした姿勢は素晴らしいといえますが、信頼関係という前提が出来上がっていない
  状態では、こうした営業プレイングマネジャーの姿勢はメンバーからはこっけいに
  映るのかもしれません。

 4.自らもリスクテイクする
  営業プレイングマネジャーの立場からすると、メンバーに新しい業務を任せることは
  ある意味で冒険です。
  提案書の作成一つをとってみても、顧客に提出できる状態になるまでに長い時間が
  かかります。

  メンバーの後ろを通るたび進ちょく度合いを確認しますが、自分のイメージとかけ離れた
  画面が目に飛び込んできたら、内心はヒヤヒヤものです。
  このような気苦労をするくらいなら、自分で提案書を作成したほうが安全だと考える
  営業プレイングマネジャーが多いのは当然のことかもしれません。

  しかし、本気でメンバーとの信頼関係を深めたいと望むのならば、あるいはメンバーの
  能力向上を図りたいと望むのならば、難易度や重要度が高い業務を次々にメンバーに
  任せていかなければなりません。
  そして、一度任せたならば、最後までその姿勢を貫き、万一、納期遅れなどがあった
  場合には営業プレイングマネジャーがその責任を取るようにします。

  これが営業プレイングマネジャーのリスクテイクであり、こうした姿勢を示してはじめて、
  営業プレイングマネジャーの気持ちがメンバーに伝わるものなのです。
  新しい業務を任されたメンバーは、そのことを嬉しく思い、チームのため、自分の
  ために頑張ろうと思うでしょう。

  ただし、あまりに困難な業務を割り振られた場合、時間とともに緊張感が高まり、
  場合によっては「何から手を付けたらよいのか分からずパニックに陥ってしまう」ことも
  あるでしょう。

  メンバーがプレッシャーにつぶされてしまっては意味がないので、営業プレイング
  マネジャーは絶妙の“さじ加減”でほどよい難易度の業務をメンバーに割り振らなければ
  なりません。
  目安はメンバーが持つ能力の20〜50%増しです。
  つまり、100の力を持つメンバーなら、120〜150の業務がちょうどいいということです。

 5.メンバー同士の信頼を高める
  営業プレイングマネジャーが考えている以上に、メンバーは互いに意識し合っている
  ものです。
  チームの営業プレイングマネジャーへの信頼が高いほど、営業プレイングマネジャーの
  自分たちに対する信頼度の高さは一種のステータスとなり、「自分は○○さんより
  マネジャーに信頼されている」と優越感に浸ります。

  余談ですが、営業プレイングマネジャーが頼りなくてあまり信頼されていない場合は、
  メンバーは「自分たちが何とかしなければならない。一緒にがんばろう」と他意なく
  結束しやすいですから皮肉なものです。
  さて、「信頼万全」相乗効果型チームでは、営業プレイングマネジャーとメンバーの間に
  強固な信頼関係が生まれていなければなりません。

  そうなると、状況的にはメンバー間に営業プレイングマネジャーの信頼を得たいが
  ためのかっとうがあります。
  こうした状況で、不用意に特定のメンバーにだけ目をかけるのは得策ではないので
  注意しましょう。

  メンバー同士の信頼関係を深めるための具体的な方法としては、例えば、ある程度、
  メンバーの役割分担を決定する(権限を明確化する)ことにあります。
  各メンバーで得意分野が異なります。
  例えば、交渉が上手(人前で話すことが上手)なメンバーがいる一方で、人と話すのは
  あまり得意ではないものの、提案書など文書作成が得意なメンバーもいます。

  営業プレイングマネジャーは、各メンバーのこうした長所を発見し、業務ごとに、
  それが最も得意なメンバーを仮の責任者に指名します。
  そして、責任者の指揮のもとでメンバーが協力できるような体制を整えていきます。
  こうすることで、ある種の平等感がメンバーに生まれ、互いに協力し合う雰囲気が
  生まれていきます。

□相乗効果が発揮される瞬間
 チームの相乗効果はどのようなときに発揮されるのでしょうか。
 例えば、個々の営業担当者が自分のノルマ達成のために行動している状態であれば、
 営業担当者ベースで頑張りはしても、チーム全体の推進力は高まらないでしょう。 
 一方、例えばキャンペーンの最中で複数のチームが営業成績を競うような状態だったら
 どうでしょう。

 自分のチームは現在2位、あと5ポイント獲得できれば優勝することができます。
 この場合、メンバーである営業担当者は、自分の成績ではなく、チームの勝利を意識し、
 協力しながら活動することでしょう。
 電話の上手なAさんは社内でアポイントを取り続けます。

 また、外回りのBさんとCさんは営業エリアがかぶらないように効率的にアポイント先を
 訪問し、定期的に携帯電話で状況を確認し合うはずです。
 このとき、メンバーには、Bさん・Cさん「Aさんなら、必ずアポイントを取ってくれる」
 Aさん「Bさん、Cさんなら、必ず成約までこぎ着けてくれる」と信じ合っているのです。

 そして、見事5ポイントを獲得して優勝したならば、メンバーは手を取り合ってこう
 思うでしょう。
 「このチームにいてよかった。このチームなら勝てると信じていた」。
 これが相乗効果が発揮される瞬間であり、スポーツでは格下チームが大金星を上げる
 ときです。 

 チーム内の相乗効果は常に発揮されるものではありません。
 しかし、目的・利益・リスクを共有できているチームは、相乗効果を発揮しやすい状態に
 あるといえます。
 そのため、営業プレイングマネジャーは、言葉だけの所信表明に終わらずに、自らも
 リスクテイクするなどしていかなければならないのです。

 なお、信頼関係は意外ともろいものなので注意が必要です。
 営業プレイングマネジャーが「褒める、しかるの基準が明確ではない」「機嫌が悪いのか
 ストレス発散のようにメンバーをしかる」といった態度をみせれば、たちまちのうちに
 信頼関係は崩れ去ってしまうのです。

□プラスワンのエッセンス
 信頼関係は言葉や一時の行動で構築できるものではなく、毎日のちょっとしたことの
 積み重ねによって強まっていきます。
 ここでは、営業プレイングマネジャーが自分のチームを「信頼万全」相乗効果型チーム
 へと進化させるためのプラスワンのエッセンスを紹介します。
 次のようなことを意識し、日ごろの行動に生かしてみましょう。
 いずれも「信頼万全」相乗効果型チームへの進化に効果のあるものばかりです。

 1.誰のために教育するのか
  チームマネジメントあるいはメンバー教育は誰のために行うべきものなのでしょうか。
  リーダーである営業プレイングマネジャーは自分が気が付かないうちに自己中心的な
  考え方を持ちがちです。
  例えば、メンバーを教育する際、知らず知らずのうちに自分のコピーロボットを育て
  上げるような方針をとってしまうことがあります。

  「まずは自分が持っているものを吸収してもらう」というやり方は間違っていない
  でしょう。
  しかし、いつまでもそのままではいけません。
  チームマネジメントあるいはメンバー教育は、営業プレイングマネジャーの業務を軽減
  するためのものではなく、企業のため、あるいはメンバーのビジネスパーソンとしての
  キャリアアップのために行うものであることを忘れてはなりません。

 2.メンバーのキャリアデザインを意識しているか
  将棋の駒には動き方のルールがあります。
  例えば、「金」は前後左右と斜め前に進むことができますが、斜め後ろに動くことが
  できません。
  同様に、「銀」は前後と斜めに動くことができますが左右には進めません。
  チームもこれと似ています。

  メンバーそれぞれに得手不得手があり、互いに協力し合ってチームとして陣形を整えて
  いくものだからです。
  ただし、「金」や「銀」は単なる将棋の駒ですが、メンバーは意志を持っており、
  向上心があります。

  中には、斜め後ろに動けるようになりたい「金」や、斜めに一気に2マス動けるように
  なりたい「銀」がいるのです。
  メンバーの育成には大きく2つのステージがあります。
  一つは個々のメンバーが持っている強みをさらに強化していくことであり、もう一つは
  メンバーが弱みを克服するサポートをすることです。

  営業プレイングマネジャーは、初めにメンバーの強み(長所)を発見し、それを伸ばす
  ようにしましょう。
  これがチーム力を高める際の近道です。
  そして、メンバーの長所を伸ばすことに成功したら、次に弱みの克服を手助けします。

  長所の強調とは違い、短所を克服する際はメンバーは自分の多くをさらけ出さなければ
  ならず、辛い思いもするでしょう。
  しかし、ここを乗り切れば、メンバーは苦楽をともにした営業プレイングマネジャーを
  強く信頼するものです。

 3.忙しいと教育できないのか
  何かと忙しくて、とてもメンバーを教育している時間がないという営業プレイング
  マネジャーがいますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
  メンバー教育は学校教育とは全く別のものであり、指定のテキストやカリキュラムが
  あるわけではありません。

  日々、担当している業務こそがテキストであり、担当する業務の難易度が高まっていく
  過程がカリキュラムといえます。
  こうして考えると、忙しい時ほどメンバーを教育しやすいことが分かるでしょう。
  問題となるのは営業プレイングマネジャーの認識です。

  例えば、交渉術を学んでもらいたいメンバーに対して、「今日は重要な話にはならない
  はずなので、同行しなくてもいい」と考えるのか、「その場の空気を吸うだけでも
  得るものがある」と考えるのかの違いといえるかもしれません。
  もちろん、チーム全体の業務の進捗度合いを考慮しなければならず、毎回のように
  訪問先に同行させることが得策というわけではありません。

  ただし、重要な話をする可能性が少ない会談の場でも、メンバーからみれば十分な
  教育の機会になることが多くあることは意識しましょう。

 4.カリスマ性の発揮は難しいのか
  気が付くと、いつの間にかその人の話に聞き入ってしまうようなカリスマ性を持った
  人がいます。
  カリスマ性はリーダーに求められる重要な資質といえますが、残念なことに、これは
  努力によって備わるものではありません。

  一方、営業プレイングマネジャーは政治家ではありません。
  大勢の前で演説する必要も、多くの票を集める必要もありません。
  メンバーが「マネジャーはすごいな」という信頼を獲得すればよく、これが一種の
  カリスマ性です。

  このように考えれば話は簡単に思えてきます。
  もともと、営業プレイングマネジャーの業務は、ほかのどのメンバーよりも難易度が
  高いものばかりです。
  そうした業務をテキパキとこなす営業プレイングマネジャーの姿は、メンバーから
  みて「マネジャーにはかなわないな〜」と感動に値するものなのです。

  ですから、営業プレイングマネジャーは、大きな声で元気よくチームの指揮を執り
  ましょう。
  力強く自信にあふれたさい配は、メンバーの士気を多いに高めるものなのです。

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セールスマネジャーの仕事と役割

               

セールスマネジャーの役割

 営業の業務は、自社の商品やサービスを販売することです。
 そのために営業担当者は顧客と良好な人間関係を構築し、プレゼンテーションを行い、
 また取引条件や価格などについて交渉を行います。
 このように営業担当者が行う業務は多岐にわたります。
 そこでセールスマネジャーは、定期業務の効率化を図り、戦略業務に多くの時間をかける
 ように営業担当者を指導しなければなりません。

■セールスマネジャーの仕事と役割
 1.戦略的思考のできるマネジャー
  営業力を強化するための重要な方策の一つに、「戦略的な思考ができ、それを実践する
  セールスマネジャーの育成」があります。
  マネジャーの中には管理職であるにもかかわらず、適切な仕事の進め方や部下の育成
  法などが分からない人も見受けられます。
  このようなスキル不足のマネジャーは、営業担当者に間違った指示を与えがちで、
  ひいては業績の足を引っ張る原因ともなります。
  しかし、会社側は彼らに支援の手を差し伸べようとはしていません。
  逆に、高い目標を与えて、頑張れと大声を張り上げているのが現状ではないでしょうか。

 2.企業の求める管理職像
  企業の求めている管理職(マネジャー)とは、
   与えられた目標の達成が困難となる環境変化が起きた時、何とか
   知恵を絞り、創意工夫して目標を達成するか、目標に限りなく
   近づける人
  なのです。

  「景気が悪くて目標が達成できませんでした」「ライバル他社が安値攻勢をかけてきた
  ため目標が達成できませんでした」と言い訳をする人は真のマネジャーとはいえません。

 3.マネジメントの基準を考える
  マネジャーがその基本的な業務を進めるに当たってよく参考にされているものが
  「マネジメント基準」です。
  このマネジメント基準に基づいて、営業マネジャーの仕事と役割を明確にし、それを
  継続して実施させることが企業の戦略的マネジャー育成のスタートとなるのです。

  一般的なマネジメント基準を挙げますので、自社のマネジャーが実践できているか
  否かを確認してみてください。
   ・根拠のある目標設定 
   ・目標達成方法の決定 
   ・決めた通りに部下にやらせる 
   ・決めた通りにできたかどうか調べる
    (決めた通りにできていなければその原因を究明し、その対策を立
    案・実施する)

□根拠のある目標を設定する
 目標設定は以下のことを十分に踏まえたうえで行います。
  (1)自社の経営理念、経営方針、経営戦略など会社の考え方、会社の進むべき方向を
    管理者によく理解させ、同時にそれが打ち出された背景についてもよく理解
    させる
  (2)売上高増減要因分析を顧客管理、情報管理のデータを基に実施させ、この一年間
   の変化の方向を予測させる
  (3)自部門の方針と自部門の目標を作成させる
  (4)営業職員ごとに設定された目標の合計が、部門全体の目標との間にギャップが
   生じた時、それを埋める策を営業担当者ごとに作成させる

   また、マネジャーは目標について
    →営業部門の方針は全社の方針に基づいた具体的なものになっているか
    →自部門の目標は事前に予測した変化の方向と合致した根拠のあるものに
     なっているか
   などをチェックしておくことが必要です。

   そして部下の営業担当者にも同じことをやらせてみるのです。
   具体的には、
    得意先別、商品別、エリア別に根拠のある目標を設定させ、
    その目標と設定した理由を目標設定表に記入させる
   のがよいでしょう。

□目標を達成するための具体的な方法を決定する
 どこの会社でも
  目標設定は行っていても、目標を達成するための具体的な方法を
  はっきり決めていない企業があまりにも多い
 といえます。
  事実マネジャーは、自部門の目標を営業担当者別に細分化し、全営業担当者に目標を
  与えはしますが、その達成方法については、営業担当者に任せ切りにしているといった
  ケースが多いのです。

  また営業担当者も、目標達成の方法が分からないからそれを実現できないといった
  ことになります。
  その結果、「売る」ことを忘れた営業担当者が増殖してしまうのです。
  目標達成のためには、それ相応の準備が必要で、その方法は全社的に活用できるもの
  でなければなりません。

  例えば日ごろから、
  (1)目標達成の具体的方法を決める
  (2)商品別、得意先別、エリア別に達成方法を決める
  (3)それらの達成方法を一覧表に書いておく
  (4)他部門との協力体制を整える
  (5)達成方法を基に月間訪問予定表を作成する
  といったことを行ってセールス活動をしている企業とそうでない企業では、結果
  において大きな違いが表れることは明白でしょう。

決定事項を忠実に実行させる
 1.決定事項の実践
  目標達成方法が決まったら、それを、営業担当者に決めた通りやらせるのがマネジャーの
  仕事です。
  現在の営業担当者は、上司の指示をあまり聞かない(上司は「これだけ売れ」とはいうが、
  どのように売るのかについて具体的な指示を与えていないことのほうが多く、部下が
  指示を聞いていないわけではないケースの方が多い)といわれており、そのことに
  慣れてしまった営業担当者にこの目標達成方法を決めた通りやらせることは、マネジャー
  にとって極めて困難な仕事となっています。

  しかしながら、この課題を解決せずに放置しておけば業績アップはなかなか実現
  されません。
  部下に決めた通りやらせるための基本は、
   ・正確な伝達をし、ヤル気になるムードづくり
   ・営業職員の能力を向上させる
   ・営業職員の意欲を向上させる
  の3つです。

 2.正しく伝達することが重要
  マネジャーは会社の戦略、目標およびそれを成功、達成に導くための方法を部下の
  営業担当者に正確に伝え、部下が「よし、やろう」という気になるようにしなければ
  なりません。
  このことは簡単なようで意外に難しく、現在のマネジャーを非常に悩ませています。
  最近の若い人は、上司から具体的に指示されたことはキチンとやる傾向にあることから、
  営業担当者がキチンとやらないのは、上司の指示方法に問題があると見てよいでしょう。

  部下が10人いれば10の考えがあり、上司がそれを考えずに画一的に伝達すると、
  その内容を正確に理解できない部下が何人かはいます。
  部下全員がマネジャーの伝達内容を正確に理解し、納得していなければ、マネジャーが
  部下に伝達したとはいえないのです。

  部下全員に正確に伝達事項を行うためには、
   (1)仕事の目的、目標とその理由を正確に伝える
   (2)的確な指示・指導・命令・助言を与える
     →部下の視覚に訴える方法を用いる
      (資料、写真、実物、ビデオ、スライド、電子手帳などを用いる)
     →部下の性格に合わせる方法を考える
     →与えた後、質問する
   (3)○○作戦、××運動も有効
   (4)内容を模造紙に書き、部屋に貼る
   (5)日頃からコミュニケーション技術を勉強しておく
  といった方法がよいでしょう。

  また、マネジャーは部下ひとりひとりの能力レベルを把握して、部下一人ひとりの
  特質に合わせた伝達方法を工夫する必要もあります。
  一度、試しに「効率よくやれ」と複数の部下に、同時に、指示してみましょう。
  部下の「効率」に対する解釈が全員違っていることに気がつくことでしょう。

 3.動機づけを行い意欲向上を図る
  目標達成方法を理解し、それをきっちりこなす能力を十分に持っているものの、
  何らかの原因で意欲をなくしている部下が時々いるものです。
  この部下の意欲をなんとかして向上させなければ部門目標達成が困難となるので、
  マネジャーは、ありとあらゆる手を駆使してこの課題の解決を図らなければなりません。

□決めた通りにできたかを調べる
 1.決定事項を実践しない組織は、業績は上がらない
  決めたことを決めた通りに実践することが、組織でいい仕事をするための第一の基本
  です。
  もし、決めた通りに部下がやっていなければ、マネジメントは崩壊します。

  例えば、野球の試合をしている両チームが9回まで無得点であり、一方のチームが
  無死ランナー3塁の場面を迎えた場合に、監督はランナーをホームに帰すべく、次打者に
  スクイズのサインを出しました。

  バッターは監督がスクイズのサインを出していることは知っていましたが、それを
  無視して打ってしまい、結果は空振り三振、ランナーは3塁と本塁間に挟まれアウト
  となったとしましょう。
  これではチーム(組織)の意味が全然ないことになります。

  営業部門ではこれによく似た現象が多く見られます。
  6人の営業部で2人は常に営業目標の1.5倍の数字を上げていますが、残り4人が
  営業目標の半分にも達しません。

  マネジャーは、出来ない4人については適切な指導をするものの、出来ない営業担当
  者
達は目標達成を最初からあきらめて、マネジャーの指導を受け入れません。
  これでは営業部は常に目標に到達しない部門、いわゆる業績の上がらない組織になって
  しまいます。

 2.決定事項を実践しているかどうかを確認する
  そこで、この段階では
   決めたことを決めた通りにできたかどうかを徹底的に調べることが必要
  になります。
  例えば、ある営業担当者が、一日の訪問件数を6軒A→B→C→D→E→F)と計画
  していました。

  ところが実績は4軒であったとすれば、決めた通り訪問していないことになります。
  また、6軒は訪問したのですが、計画とは順番が異なった場合も、決めた通り
  していないことになります。
  このように決めたことを決めた通りにできなければ、企業としての営業力強化は
  ままならないといえるでしょう。

  そこで、
   「部下が決めたことを決めた通りに行えたかどうか」をマネジャーが
   すぐに把握できるようにするために、決めたことと、実績とがはっきり
   するようなフォーマットを作成
  しておけば、チェックが容易なものとなります。

  この段階では計画と実績とのギャップの発見を主としていますが、ギャップはマイナス
  だけではなくプラスのギャップも発見することを留意しておくことも重要です。
  例えば、販売計画が2億円で実績が1億5000万円の場合は通常気をつけていますが、
  実績2億2000万円の場合はギャップと考えない人が多いのです。
  これもプラスのギャップと認識すべきです。

  このようなギャップのチェックの方法としては
   ・管理帳票を整備する
   ・目標達成状況、戦略推進状況について行動計画を含めてチェックする
  などが挙げられます。

□営業力アップのための販売管理システムを設計
 マネジャーの役割強化を通じて営業力強化のステップを説明してきましたが、これだけ
 では営業力強化は完全に実現できません。
 つまり、これまでのことを十分に盛り込んだ
販売管理システムを設計することが、
 企業として営業力強化を図る最後の詰め
となるのです。

 多くの企業では、この販売管理システムが不十分なままになっているか、十分なもの
 であっても、その運用方法に不備がみられるかのどちらかです。
 そのために営業担当者の仕事を複雑にしたり、本来の仕事をさせないようにしている
 といえます。

 販売管理システムは営業担当者の仕事を標準化して、営業担当者をロボットのように
 機械的に使うものではありません。
 営業担当者は、目標の設定から達成までの間に非常に多くの仕事をしなければならず、
 その仕事の処理に、無駄な時間が費やされると、業績を上げるために費やさなければ
 ならない時間が自然に少なくなるのです。

 つまり営業担当者が事務処理の仕事を楽に遂行できるような仕組みを作り、業績を上げる
 ための時間をいかに多く生み出せるようにするかが大切といえます。
  営業担当者の生産性向上は、いかに
   得意先での効率的な商談時間を増やすか
  にかかっています。

 そして、この商談時間を増やすためには
   営業担当者の社内時間、移動時間を思い切って縮減する
 以外に方法はないといえます。
 実際には、移動時間をゼロにすることはできませんから、社内時間をどう減少するかが、
 営業担当者生産性向上の最大ポイントとなってきます。

 そのことを念頭に置いた販売管理システムをつくらなければ、営業力強化はできないと
 考えるべきなのです。

 パソコンを有効に使うことにより、営業職員の社内時間を少なくすることも可能です。
 これが進んでくると、顧客が来店して商談する業種以外は、支店や営業所内での
 営業担当者の社内時間は必要最低限にまで少なくなり、
コンピューターと営業担当者
 一部の創造的なスタッフが企業の売上高を増やす中核
となるかもしれません。

 営業部門の人間は文字通り営業活動だけ、つまり
顧客を相手に頭を使った創造的な
 仕事だけ(提案書の作成、効果的なプレゼンテーション、根回し、人脈作りなど)
 をこなしていけばよいことになるのです。

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プレイングマネージャーに求められるスキル

         

プレイングマネージャーに求められるスキル 


  ■営業プレイングマネジャーに求められるスキル

   営業プレイングマネジャーには、「企画力」「交渉力」「管理力」「教育力」「学習力」
   「決断力」といった能力が求められます。

   企画力

    企画力とは「新商品や新サービスを思いつく発想力である」と思い込み、顧客 
    のニーズなどの裏付けもなしに「いい企画、画期的な企画、誰もが驚くような
    企画はないか……」と考えているだけでは、よい企画は生まれません。

   ○よい企画の条件

    1.「適切なタイミング」

      どんなに優れた商品の企画でも、顧客ニーズが一巡してしまった後に実
      現していたのでは遅すぎます。

    2.「新しい価値の提供」

      これまでにない価値を提供できる企画でなければ魅力がない。

    3.「実現可能なレベル」

      顧客にとって非常に有益なサービスであっても、実現可能な企画でなくて
      はならない。

    企画力を発揮するためには、下記の4点を日ごろの業務に取り組むことが基
    礎となる。

       (1)収集力

         収集力とは、業界動向、顧客や社内のニーズ、課題に関する適切な 
         情報を収集する力です。

         情報収集にぬかりがなければ、適切なタイミングで企画のシーズを
         つかむことができます。

       (2)想像力

         想像力とは、収集力の発揮によって集められた情報を生かし、顧客
         や自社に新たな価値を提供できるサービスなどを想像する力です。

       (3)具現力

         具現力とは、想像力の発揮によって営業プレイングマネジャーの頭 
         の中に出来上がったサービスなどを実現可能なレベルに落とし込む
         力です。

         この段階では、ニーズ、期間、コストなどを総合的に検討し、シビアに
         実現の可能性を探らなければなりません。

       (4)交渉力

         交渉とは、ある事柄について相手と取り決めをする行為であり、価格
         交渉などが典型例です。

         営業活動をスムーズに行うためには交渉を有利に進めることが一つ
         のポイントとなるため、交渉力は営業プレイングマネジャーに求めら
         れる重要な能力として位置付けられています。

         ただし、「交渉は勝負であり、交渉は勝つことがすべてである」との認
         識は正しくありません。

         交渉は「自社と相手にとっての最善の合意点を探る行為」です。

         利害が反する中で合意点を探り合う交渉では、提案、質問、理解、
         確認、調整などが繰り返されます。

         最終的な交渉の勝ち負けは、一連のプロセスから導き出された結果
         にすぎません。

         交渉は正しいプロセス(提案、質問、理解、確認、調整など)を経るこ 
         とが重要であり、そうすることで、交渉を有利に進められる可能性が
         高まるのです。

         正しいプロセスで交渉を進めるためには、「提案力」「把握力」「調整 
         力」を上手に発揮して、交渉の流れを正確につかみ続けることです。

         (1)提案力

           提案力とは、自社の考えを相手に正しく提案するための力です。

           交渉は相手があっての行為なので、自社の考えを相手に正しく理 
           解してもらわなければなりません。

           相手が理解しやすい提案を行うためには、相手の立場に立って 
           自社の提案内容を確認する行為が不可欠となります。

         (2)把握力

           把握力は2つの力から成り立ちます。

           @相手の提案内容を正しく把握する力

            相手の提案を正しく理解することができなければ、話は平行線
            のままです。

           A交渉のパワーバランスの変化を把握する力

            交渉のプロセスでは、自社が有利になったり不利になったりと
            パワーバランスが変化します。

            その変化をいち早く把握することは非常に重要です。

            例えば、自社が不利であることにいち早く気がつけば、一度交
            渉を打ち切って、次回に新しい提案をするなどの対策を講じる
            ことができるからです。

         (3)調整力

           調整力とは、自社と相手の提案内容を総合的に検討した上で、
           両者を最善の合意点に導く力です。

           その際のポイントは、具体的な数字を示しつつ、自社と相手を比
           較することです。

           例えば、「あなたは価格で○%得をします。

           一方、私は納期には○○日分の余裕があります」や「あなたも私も
           価格で○○%ずつ得をします」といった具合です。

           なお、自社の得だけを伝えた場合、相手は「一人勝ちしようとして
           いるのか?」と考えます。

           逆に、相手の得だけを伝えた場合、相手は「いい条件ばかり提示 
           してくるけど、腹の底では何を考えているのか分からない」と考え
           ることがあります。

  ■プレイングマネジャーに求められる管理能力

   営業プレイングマネジャーは、会社全体の営業活動やチームの業務遂行の状況を
   管理しなければなりません。

   営業プレイングマネジャーの管理力が高ければ、プロジェクトはスムーズに進み
   ます。

   しかし、複数のプロジェクトを兼務し、社内外を問わずさまざまな関係者と協力し
   合う営業プレイングマネジャーが、一人ひとりの業務の進み具合を管理することは
   難しいのが現状です。

   そのため、営業プレイングマネジャーは、人単位ではなく、業務単位でプロジェクト
   を管理するようにします。

   とはいえ、小さな一つひとつの業務の内容、納期を細かく管理するわけではあり
   ません。

   プロジェクトの基点となるような重要な業務を見つけ、それを重点的に管理する
   のです。

   プロジェクトとは複数の業務の集合体であり、プロジェクトの完了は一つひとつの
   業務が終了した結果です。

   そして、プロジェクトを構成する個々の業務の中には、必ずポイントとなる重要な
   ものがあります。

   営業プレイングマネジャーは、プロジェクトを計画する段階でポイントとなる重要な
   業務を見つけ出し、その進捗度合いを重点的に管理していきます。

   ポイントとなる業務が計画通りであれば、全体の方向性が大きくズレてしまう危険性
   は低いからです。

   もちろん、ポイントとなる重要な業務は、それ以外の小さな業務が確実に終了しな
   ければクリアすることができませんが、そうした業務の管理については、メンバー
   にある程度の権限を委譲して任せたほうが効率的なこともあります。

   ポイントとなる業務を見つけ出すなど、効率的な管理を実現するためには、「計画」
   「委譲」「確認」を正しく発揮して、高い視点からプロジェクトを観察することです。

   1.計画

     計画は、プロジェクトの進行計画、チームの教育計画を立てることです。

     ポイントは、プロジェクトの始点から終点までをイメージし、必要なすべての
     業務をリストアップした上で、ポイントとなる重要な業務を見つけ出すことで
     す。

   2.委譲

     委譲は、プロジェクトを構成する業務の中から、メンバーに割り振る業務を
     決定し、その遂行を任せる力です。

     ポイントは、権限委譲したメンバーにプロジェクト全体の計画だけではなく、
     一つ一つの業務の意味や重要度を伝えることです。

     これは、メンバー教育の一環でもあります。

   3.確認

     確認力とは、一つ一つの業務が計画通りに進んでいるか(メンバーが指示
     通りに業務を遂行しているか)を確認する力です。

     ここでのポイントは、基点となる重要な業務の管理に力点を置くことです。

     小さな業務の確認については、納期10日前、5日前、3日前に進捗度合い 
     を確認する程度とし、後は権限委譲したメンバーに任せてみましょう。

  □教育力

   メンバーの教育は、営業プレイングマネジャーに求められる重要な能力です。

   教育によってメンバーの能力が高まれば、チームや企業の営業力が強化されます。

   一般的に、教育は相手の性格などに応じて教育スタイルを柔軟に見直すべきだと
   いわれています。

   確かにその通りで、気弱なメンバーに強い口調で指示を出すことは好ましくない
   場合があります。

   しかし、このポイントを押さえただけでは、営業活動に関する教育はスムーズにいか
   ないことがあります。

   なぜなら、営業活動には、本人には当然のことでも、他人からは理解が難しい 
   「なぜ?」がたくさんあるからです。

   例えば、交渉の場で、営業プレイングマネジャーが準備をしていた内容をすべて
   相手に提案しなかったとします。

   その理由は、営業プレイングマネジャーが「場の空気が停滞しているため、ここで
   提案をしても参加者の記憶に残りにくい。

   次回の交渉開始時に提案したほうがインパクトがある」と考えたからですが、これは
   営業プレイングマネジャー独自のスタイルです。

   同席したメンバーは、すべての提案をしない理由が理解できないため、営業プレイ
   ングマネジャーはメンバーに対して、「なぜ、すべての提案をしなかったのか?」
   を伝え、メンバーが自身の営業スタイルを確立するサポートをすることが重要です。

   メンバーにビジネスの「なぜ?」を理解してもらうためには、「理解力」「質問力」「伝
   達力」を発揮して、メンバーと真摯に向き合うことが不可欠です。

   しかし、社内の教育体制は今問題を抱えています。

   それは中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者・上司による育成能力の不足が挙げられます。

   厚生労働省「平成26年度能力開発基本調査」においても、全体の75.9%の事業所が
   「人材育成に問題がある」と回答しています。

   この問題を解決しなければ、教育制度の内製化は不可能です。

   1.理解力

     理解力とは、メンバーの性格や業務に対する考え方を知り、それを理解す
     る力です。

     教育は、営業プレイングマネジャーとメンバーのコミュニケーションが円滑で
     なければスムーズに進まないため、メンバーを理解することは教育の第一
     歩となります。

   2.質問力

     質問力は2つの力から成り立ちます。

     (1)メンバーが営業プレイングマネジャーに質問しやすい雰囲気を演出する
       力

     (2)営業プレイングマネジャーがメンバーに問いかける力
       ここでいう問いかけは、「相手に深く考えさせる」ような問いかけです。

       これを繰り返すことで、メンバーに深く考えさせて気づきを与えます。

   3.伝達力

     伝達力とは、営業プレイングマネジャーが無意識に行っている「なぜ?」の
     理由を整理して、分かりやすくメンバーに伝達する力です。

     無意識的な行動の理由を他人に伝えることは意外と難しいのですが、何度
     か繰り返しているうちに整理しやすくなっていくものです。

   この活動を通じて、営業プレイングマネジャー自身が自分の営業スタイルを再確
   認することができるため、自身の能力向上のきっかけにもなります。

  □学習力

   優秀な営業プレイングマネジャーは自己の能力向上に積極的で、自発的に書籍
   を読んだり、セミナーに参加したりしています。

   優秀な営業プレイングマネジャーは、さまざまなタイプのビジネスパーソンとの出
   会いを貴重な学習機会と考えているのです。

   ビジネスパーソンの中には、「この人は非常に優秀だ」と尊敬できる人がいます。

   そうした優秀なビジネスパーソンは、その時点で自分が有していない能力を発揮
   していたり、自分とは異なる考え方をしていたりするものです。

   そうしたものを積極的に吸収していくことは、営業プレイングマネジャーが成長して
   いくための近道です。

   なぜなら、同じミーティングに参加しているほかの優秀なビジネスパーソンの言動
   は、実際のビジネスシーンで起こっている“生”の体験であり、イメージしやすいと
   いうメリットがあるからです。

   優秀なビジネスパーソンが持つ能力を学習していくためには、「観察力」「模倣力」
   「吸収力」を発揮して、自分のスタイルに適したものを見極めていくことです。

   1.観察力

     観察力とは、優秀なビジネスパーソンの言動を自分と比較しながら観察す
     る力です。

     「自分に置き換えてみる」ことが非常に重要なポイントで、例えば、優秀なビ
     ジネスパーソンが第三者から質問を受けている場合は、その質問に対する
     自分の回答と優秀なビジネスパーソンの回答を比較してみます。

     そうすることで、自分と優秀なビジネスパーソンの違いが明らかになってい
     きます。

   2.模倣力

     模倣力とは、優秀なビジネスパーソンになりきる力です。

     初めは、優秀なビジネスパーソンの言動を模倣するだけでも効果がありま
     す。

     例えば、自分が早口で、優秀なビジネスパーソンはゆっくり話すタイプであ 
     ったとします。

     優秀なビジネスパーソンを模倣してゆっくりと話すように心がけてみると、意 
     外な効果が表れます。

     時速50キロと100キロでは、車の窓から見える視界が異なるように、話す 
     スピードを変えただけで、周囲の見え方が変化するものです。

     これまでは、緊張してしっかりと見極めることができなかった交渉相手の表
     情が確認できるようになったりします。

   3.吸収力

     吸収力とは、模倣した内容のうち、自分の営業スタイルに合うもの(理解し
     やすいもの)を自分の能力として吸収する力です。

     先の例でいうと、話すスピードを変えたことで交渉相手の表情が確認できる
     ようになったのであれば、その発言のスピードは自分に合っているというこ
     となので、積極的に吸収します。

  □決断力

   営業プレイングマネジャーは、日々、決断の連続です。

   その多くはあまり迷わない小さな決断ですが、中には上司に相談しなければ決めら
   れない大きな決断もあります。

   ビジネスの結果は決断の連続によって決まるもので、実は、小さな決断の連続に
   よって進む方向が絞り込まれています。

   細かなサービス仕様など小さな決断を間違え続けると、計画していた方向から少し
   ずつ遠ざかってしまうのです。

   このように、軽視されがちな小さな決断は本当は非常に重要で、一つ一つを正しく
   決断することが理想です。

   しかし、間違った決断を恐れるあまり、小さな決断を下すまでに必要以上の時間を
   かけたり、後回しにしたりするとスピード感が損なわれます。

   小さな決断を一度や二度間違えた程度では、軌道修正不能なところまで状況が
   悪化してしまう危険性は低いものです。

   小さな決断はできる限り迅速に下すようにしましょう。

   その際に間違った決断をしてしまったとしても、連続して間違いをしないために、
   1つの決断を下した後は、次の決断をする前に、必ず1つ前の決断が正しかった
   のかを確認するようにしましょう。

   少なくとも連続して決断を誤らないようにするためには、「洞察力」「先見力」「分析
   力」を発揮して、冷静かつ客観的に考えてみることです。

   1.洞察力

     洞察力とは、過去の事例、他社の事例などを加味した上で現状を把握する
     力です。

     この段階では、必要に応じてメンバーにヒアリングを行うなどして、多くの情
     報を収集します。

   2.先見力

     先見力とは、決断結果によって引き起こされる可能性のある未来の姿をイ
     メージする力です。

     未来の姿は、最高のシナリオと最悪のシナリオの両方を想定するようにし
     ます。

   3.分析力

     分析力とは、過去の事例、未来の姿を見通した上で、決断すべきか否かを
     分析する力です。

     決断とは「YES」か「NO」の二者択一と思われがちですが、「保留」という選
     択肢もあります。

   最悪のシナリオが容易に想定できてしまう場合、その決断は保留し、上司に相談
   するなどしましょう。

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営業マネージャーの仕事と役割

         

営業マネージャーの仕事と役割


  ■営業(セールス)マネージャーの果たす役割

   営業力を強化するための重要な方策の一つに、戦略的な思考ができ、それを実践す
   るセールスマネージャーの育成があります。

   マネージャーの中には管理職であるにもかかわらず、適切な仕事の進め方や部下の
   育成法などが分からない人も見受けられます。

   このようなスキル不足のマネージャーは、営業スタッフに間違った指示を与えがちで、
   ひいては業績の足を引っ張る原因ともなります。

   企業の求めている管理職とは、与えられた目標の達成が困難となる環境変化が起き
   た時、何とか知恵を絞り、創意工夫して目標を達成するか、目標に限りなく近づける
   人です。

   優秀な営業マンがマネージャーの立場に立ち、部下指導をする場合、往々にして自身の
   現役時代の経験と勘に頼ることが多く見られます。

   しかし、部下である営業マン育成において重要なことは、自身の成功体験を基にした指導
   を行わないことです。

   大企業と比べ中小企業では優秀な人材を採用できるチャンスは多くありません。

   ですから、業務を標準化しなくてはならないのです。

   限られた現有資産の中で効率・効果的な経営をしていくには、誰に代わっても業務が
   滞りなく動くことが求められます。

   結果しか求めない営業管理(図)をしていると、社員のモチベーションは下がり、組織
   内のコミュニケーションは希薄になります。

   会社は優秀な営業マンのスキルやノウハウを組織として共有化せずにいた結果、
   仕組みはなく、社員には精神論を唱え、叱咤激励しているだけです。

   これでは人材が育ちません。

   営業マネージャーに求められるスキル(仕事・役割)とは営業マンに精神論を説くので
   はなく、営業プロセス通りに活動しているかの管理です。

  営業プロセスを標準化 

   組織全体で効率的な営業活動を行うためには、営業のプロセスを標準化することが必要
   です。

   営業プロセスとは、見込み客の発見から新規顧客の固定客化に至るまでの一連の流れ
   のことを指します。

    a.見込み客の発見(リストアップ)

    b.見込み客とのアポ取り(電話、FAXによるアプローチ)

    c.見込み客との良好な人間関係作り(リレーションシップ

    d.見込み客の自社商品に対するニーズ発見・喚起

    e.見込み客のニーズにあった提案

    f.提案に対する見込み客のハードルの除去

    g.見込み客からの契約獲得

    h.代金の回収

    i.新規顧客の固定客化(ワンツーワン・マーケティング

  □営業は科学(営業数値を計測する)

   「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」場当たりな飛び込み営業をやめることです。

   営業プロセスを設定(標準化)することで、見込み客数やアポ獲得数など営業プロセスの
   段階ごとに数値で営業活動を捉えることができます。

   これは、経営計画における願望を含めた目標数値を達成可能な数値として捉えること
   ができます。

    ・アポ獲得率(アポ獲得数÷見込み客リストアップ数)

    ・人間関係構築率(人間関係構築数÷アポ獲得数)

    ・提案率(ニーズにあった提案を実施できた客数÷人間関係の構築数)

    ・契約獲得率(契約獲得数÷ニーズにあった提案を実施できた客数)

   数値データを全社的に蓄積することで、「営業を科学的に捉える」環境が整うことに
   なります。

   つまり、最終的な営業成績の目標数値が決まれば、営業プロセスの段階ごとに必要な
   活動内容の目標数値を、確率係数から導き出すことができるのです。

   たとえば、「今期の営業日標は○○万円だから、提案書提示数は○件、人間関係構築数は
   ○件、見込み客リストアップ数は○件が必要」などというように、活動内容ごとにきちん
   と目標をもつことができるのです。

   こうした目標数値は、上司の勘や経験、思いつきから出た数値ではないために、営業
   担当者も納得して実行することができます。
   
  □営業計画の立案

   1.目標数値の設定

     営業目標については「対前年○%アップ」といった、けっして科学的とはいえない目
     標設定方法を採用している会社が少なくありません。

     しかし、前年プラス目標や気合だけの目標、たんなる希望目標は、正しい目標と
     はいえません。

     合理的な分析に基づいた目標数値を設定することが必要です。

     そして、部門の目標を担当者の目標にブレイクダウンする場合には、「こういう分
     析・検討を行った結果、あなたの目標数値はこうなっている」ということを明確に伝
     える必要があります。

   2.目標数値から活動内容の設計へ

     営業成績の目標数値を設定したら、次は目標数値を達成するために必要な活動
     内容を設計します。

     上記で述べたように、営業プロセスごとの数値に基づいて、営業成績の目標数値
     を、活動内容ごとの目標数値にブレイクダウンすることを意味します。

     もちろん、このブレイクダウンは部門全体だけでなく個々の営業担当者も行います。

     たとえば、ある営業会社のセールスマンは、毎月○○万円の契約を獲得するために
     は何件の契約が必要か、そのためには何人の顧客に面談し、何人の見込み客が
     必要か、といったことを活動内容を設計しているといいます。

   3.スケジューリング

     営業成績の目標設定、活動内容の設計、次は活動内容をスケジュールに落とし
     込むことになります。

     スケジューリングを行う段階では、営業マネージャーは部門の目標数値と個々の
     担当者の目標数値の合算が乖離しないように注意することが必要です。

     なお、活動内容のスケジューリングは1カ月を基本単位とし、状況に応じて1週間単
     位までブレイクダウンします。

  決定事項を忠実に実践

   目標達成方法が決まったら、それを、営業マンに決めた通り実践させるのがマネー
   ジャーの仕事です。

   マネージャーの役割は会社の戦略、目標およびそれを成功、達成に導くための方法を
   部下の営業マンに正確に伝え、部下の意欲を引き出さなければなりません。

   このことがマネージャーを非常に悩ませています。

   営業マンが、何かの原因で意欲をなくしている部下が時々いるものです。

   部門目標を達成するためには、この部下の意欲をなんとかして向上させなければなりま
   せん。

   マネージャーは、ありとあらゆる手を駆使してこの課題の解決を図らなければなりま
   せん。

   決めたことを決めた通りに実践することが、組織営業の第一の基本です。

   もし、決めた通り部下がやっていなければ、マネジメントは崩壊します。

   そこで、決めたことを決めた通りやったかどうかを徹底的に調べることが必要になり
   ます。

   部下が決めたことを決めた通りに行えたかどうかをマネージャーがすぐに把握できる
   ようにするために、決めたことと、実績とがはっきりするようなフォーマットを作成して
   おけば、この仕事が容易なものとなります。
   
  ■営業力アップのための販売管理システム

   マネージャーの役割強化だけでは営業力強化は完全に実現できません。

   多くの企業では、販売管理システムが不十分なままか、十分なものであっても、その運
   用方法に不備がみられるかのどちらかです。

   そのために営業スタッフの仕事を複雑にしたり、本来の仕事をさせないようにしていると
   いえます。

   販売管理システムは営業マンの仕事を標準化し、自社の営業ノウハウをマニュアル化
   るために欠かせません。

   営業マン個々が目標の設定から達成、顧客の維持管理までの営業プロセス全てを担うな
   ど、営業マンの役割以外の仕事に余分な時間が費やされているのが実態です。

   業績を上げるために費やさなければならない時間が自然に少なくなるのです。

   営業スタッフが事務処理の仕事を楽に遂行できるような仕組みを作り、業績を上げる
   ための時間を多く生み出せるようにすることが大切といえます。

   営業マンの生産性向上は、いかに得意先での効率的な商談時間を増やすかにかかっ
   ています。

   そして、この商談時間を増やすためには、営業マンの社内の滞留時間、移動時間を思い
   切って縮減する以外方法はないのです。

   実際には、移動時間をゼロにすることはできませんから、社内での滞留時間をどう短縮
   するかが、営業マンの生産性向上の最大のポイントとなってきます。

   そのことを念頭に置いた販売管理システムを導入しなければ、営業力強化はできないと
   考えるべきなのです。

   パソコンなどIT機器を有効に使い、営業マンの社内時間を少なくすることで、営業部門
   は、顧客を相手に頭を使った創造的な仕事に注力することができるのです。

  □SFA(Sales Force Automation)

   IT化といっても、必ずしも高度な技術を要するものではありません。

   コンピューターを利用して、さまざまな情報を蓄積・管理・運用することは、経理や財務
   といった数字を扱う業務だけに限られません。

   今では多くの会社がITを営業に活用しています。

   これまでなら、営業担当者が営業日報という形でノートに記入して、皆で回覧する程度
   でしか具体的な対策は取れませんでした。

   SFAは、こうした日々の営業によって得られたさまざまな情報やノウハウをコンピュー
   ターに蓄積し、簡単に皆で共有することができるシステムです。

   SFAは、個人の経験やカンに頼る部分が多い営業のノウハウを、パソコンや携帯情報端
   末などを利用してデータベース化し、情報をやり取りすることによって営業マン全員で
   共有し、かつ顧客サービスの向上などを図るものです。

   SFAでは営業担当者が営業の現場で入手した情報(顧客の名前や住所・業種・規模、
   顧客との接触履歴と商談の進捗状況など)をデータベースに送ります。

   これらの情報を蓄積することにより、さまざまな効果が得られます。

  □SFAの機能

   1.営業ノウハウの共有

     営業活動では「どのような相手に営業をかけるか」「この顧客にはどのような商品
     を提供するか」「納期はいつごろになるか」といった、各状況でさまざまな判断に迫
     られます。

     SFAでは営業マンが製品(商品)の情報や分析データ、他の営業担当者の過去の
     事例など、営業の各状況における判断に役立つさまざまな情報をデータベースか
     ら引き出すことによって、顧客に対して効果的、かつスピーディーに営業をかける
     ことができます。

   2.顧客情報の共有

     各営業担当者がデータベースに顧客情報を入力するよって、どの社員も自社すべ
     ての顧客についての情報を共有するためです。

     これにより、担当者以外でも顧客からの問い合せに迅速に対応できたり、営業部
     門から関連部門への作業依頼を円滑に行うことができます。

  □スケジュール管理

   営業の進捗状況や予定をデータベースに入力すると、SFAのソフトが営業の各段階の
   スケジュール設計を支援してくれるため、計画的に行動できます。

   営業担当者本人のスケジュールの管理が容易になるだけでなく、上司が営業マンの
   行動を把握できるため、営業の進捗状況に対する、より適切な指導を行うためです。

  □業務支援

   見積もりの計算や業務日報、各種経費の清算など、営業担当者が行う各種の事務手
   続きを支援する機能です。

   SFA導入により営業担当者はわずらわしいこれらの手続きを効率的に行うことができ、
   それだけ本来の業務である営業に時間を割くことができます。

  □SFAの営業部門以外への効果

   SFAは営業担当者レベルの業務を効率的・効果的に行うためだけのシステムではあり
   ません。

   SFAを他部門も含めた全社的な取り組みとして位置付けることによって、さらなる相乗
   効果も期待できます。

   特に現有資産に限りがある中小企業にとって、こうした相乗効果が得られることで、
   大きな成果を上げることができるのです。

  □営業担当者の見直し

   各営業マンは随時、スケジュールや販売目標、実績をデータベースに入力するため、
   上司は従来に比べて各営業担当者をきめ細かく管理することができます。

   例えば、上司は各営業担当者間の顧客量の偏りをなくしたり、逆に新入社員には重要
   度の低い顧客を担当させることなどが容易になります。

   こうして各営業担当者に対する顧客の配分を調整することによって、新規顧客獲得
   ための戦力を確保することが可能になります。

  □在庫管理システムとの連携

   営業部門と調達・生産部門の情報のやり取りがうまくいっていない状況では、余剰在庫
   を抱えたり、納期の遅延などの問題が発生します。

   しかし、各営業担当者がデータベースに蓄積した過去の販売実績を分析すれば、今後
   必要となる商品の数や種類の予測が立てやすくなります。

   また、営業担当者も、在庫や納期のリアルタイムな情報をデータベースから得ることに
   より、顧客へ間違いのない納期を伝えることができ、発注も即時に行うことができます。

   ただし、在庫管理などの基幹システムとのデータ連携には多くのコストがかかる場合が
   あります。

  □顧客ニーズの収集

   過去には、経営陣は各営業部門から上がってくる売上高や利益率などの数字を重視し、
   営業部門を管理してきました。

   しかし、商品やサービスを足で稼いだ時代であれば、こうした管理でも十分でしたが、
   右肩上がりの成長が終わった現在、顧客の生の声を収集することが経営戦略上欠かせ
   ません。

   しかし、多くの企業では「なぜ売れたのか、なぜ売れないか」という分析が不十分である
   ことは否めません。

   SFAを導入することで、各営業担当者が送る顧客のニーズや問い合わせ、クレームなど
   を参考にすることにより、経営陣は市場のトレンドを発見しやすくなり、経営方針策定の
   材料にすることができます。

   また、商品企画部門も、新商品開発に役立てることができます。
   
  □営業管理 

   日々、実践して業績を上げる活動に従事しているのは、現場の営業担当者です。

   この営業担当者が、現場でより効率的に成果に結びつけるために必要な2点は、
   まずは、「目標」「情報」「時間」「行動」など営業の管理についてです。

   次に、担当者のスキルをアップさせるための研修、すなわち「人材育成」「社員教
   育」についてである。
    
   ●日報の活用

    営業担当者が精一杯に頑張っていても、成果に結びつかなければ徒労に終
    わってしまいます。

    そうならないためには、営業活動を管理する必要があります。

    日々の活動を管理するツールとして、非常に有効なのが「日報」だ。

    日報を書く際に押さえておくべき目的と項目は、次の通りです。

     (1)情報の整理

       @見込み客のランクアップ・ダウン

        受注を取りたい(取れそうな)先の受注率が上がっているか、下がって
        いるかを確認。

       A顧客の業績や現状、今後の戦略などを踏まえた自社へのニーズ

        訪問した得意先は、業績が上昇傾向か下降傾向か、今後の方向性で
        自社に何を求めているか、どのように(どのような商品で)アプローチ
        すれば受注につながりやすいかを把握します。

     (2)上司への報告

       @その日の活動結果の状況報告

        (1)Aの内容を中心に、「どこに行って」「何を話したか」「どのような結
        果になったか」を報告する。

       A発生したネックの解決方法の相談

        「何に困っているか」「何ができない、分からないか」を相談する。

       B毎日の記録

        a.行動の記録
          5W2Hに基づき、備忘録として自分の行動を記録に残す。

        b.業績の記録
          その日の活動でどれだけの売上げや利益を生み出したかを記録
          する。

   ●ミーティングの実施

    現在の業績の進捗確認と不足分を埋めるためには、営業担当者の見込み
    情報を確認して共有化することが重要。

    そのために(営業担当者の行動について上司や他メンバーがアドバイスする 
    ために)定期的にミーティングを行います。

    ミーティングは月1回の全体会議や部門会議とは別に、チーム単位で行う方
    が良く、基本的には週1回程度のペースで実施することが望ましい。

    毎日の状況は日報で直接上司に報告します。

    その情報をメンバーと共有することで、チームとして目標達成への意識レベ
    ルの統一が図られるのです。  

   1.管理のポイント

     営業管理は目標数値に対する実績数値の進捗結果を追いかけるだけのものでは
     ありません。

     もちろん、営業の結果である実績数値が最重要であることに間違いはありません
     が、実績数値の源泉となる営業活動そのものを管理することも重要です。

     つまり、目標数値を達成するために必要な活動がきちんと実施されているかどう
     かを管理することが大切なのです。

     このように、実績数値ではなく営業活動段階で営業担当者を管理するためには、
     営業担当者の活動スケジュールの管理を行うことが求められます。

     具体的な方法としては、月間の目標を週単位、日単位にブレイクダウンし、その目
     標に応じた活動計画がスケジュリングされているかどうかを確認するのです。

     たとえば、月初に営業マネージャーが次のような項目について確認します。

      ・営業担当者ごとに当該月の目標数値

      ・当該月の目標数値に必要な見込み客がリストアップされているか

      ・見込み客への営業プロセス別アプローチ計画が適正な時間配分で
       計画されているか

      ・見込み客へのアプローチ計画が無理なく月間のスケジュールに落とし
       込まれているか

      ・月間スケジュールに基づいた週間スケジュールが策定されているか

   2.管理フォーマット
     営業管理を行うためには、適切な管理フォーマットを用意しておく必要があります。

     営業管理に欠かせない管理フォーマットは、

     ○スケジュール管理フォーマット 

      ・マンスリー(月間)

      ・ウイークリー(週間)

      ・デイリー(日)

     ○顧客管理 

      ・見込み客リスト(毎月の見込み客を一覧できる)

      ・顧客別営業プロセス管理シート(個々の顧客への
       アプローチ状況を把握する)

   3.営業管理項目 

     営業管理には4つの項目があります。

      (1)目標管理

      (2)顧客管理

      (3)行動管理

      (4)情報管理

  □評価システム

   ○評価の方法

     まず、評価のサイクルについて考えてみます。

     人事考課は1年に1度といった会社が多いようですが、営業部門の場合、目標管
     理制度の一部として評価システムを活用することが多いため、1年に2回以上実施
     するのがよいでしょう。

     そうすることで、「今年はダメだ」「前半の貯金があるから後半は少し手を抜い
     ても…」といったあきらめや手抜きを防ぐことができます。

     また、評価の内容について「営業部門の評価は結果数値だけを評価すればよ
     い」という声を聞くこともありますが、それほど単純なものではありません。

     事務部門に比べ、客観的に評価しやすいといわれる営業部門ですが、担当地区
     や担当顧客、担当商品などによって難易度に差があり、営業担当者間で不公平が
     生じることもしばしばです。

     また、目標管理制度を導入している場合には、対目標達成率といった観点を盛り
     込むことも必要になります。

     さらに、今後の活動に向けてモチべ−ションを維持するために本人の努力度を加
     味することも必要でしょう。

     自社にあった複数の評価項目を設定し、それぞれについて複数の評価要素の視
     点から評価を決定することが必要です。

  □部下の能力向上策

   1.能力向上策(営業力向上計画

     営業担当者の能力の向上策には、おもに自己啓発・off−JT・OJTの3つがあげら
     れます。

     営業担当者が自ら行う自己啓発の方法としては「営業関連の書籍を読む」という
     ものが圧倒的に多くなっています。

     それ以外にも自己啓発としては「話し方教室に通う」「営業に関する通信教育を受
     講する」「営業ツール作成のためにパソコン教室に通う」などがあります。

     また、off−JTとしては、会社が行う営業担当者研修が代表的なものとしてあげら
     れます。

     これは、新人営業担当者研修・2年目研修など節目節目に実施されることが多く
     なっています。

     とくに営業マネージャーに関連するのは、最後にあげたOJTです。

     OJTとは、日常の営業活動を通じて上司や先輩が部下を直接指導するというもの
     です。

     OJTの具体例には、

      ・同行指導方式(一緒に顧客のところを訪問する)

      ・営業レビュー方式(営業活動報告後にアドバイスを行う)

      ・相互アドバイス方式(営業会議の場などで)

     などがあります。

     しかし、人材育成をOJTだけに頼るわけにはいきません。

     社内の教育体制は今問題を抱えています。

     それは中小企業の多くが場当たりで無計画な教育の横行です。

     その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

     この問題を解決しなければ、社内教育制度の内製化は不可能です。

     
   2.営業レビューのポイント

     営業担当者の能力向上策としては、実際に上司が現場で営業方法を指導できる
     同行営業指導の効果がもっとも高いといわれています。

     しかし、組織全体の効率面から考えるとつねに上司が同行指導を行うことは不可
     能です。

     そこで、OJTにおいてもっとも用いられることが多いのが営業レビュー方式です。

     営業レビュー方式は、ロールプレイングを組み合わせるなど、実施方法によって
     は同行指導に近い効果をあげることができます。

     営業レビュー実施のポイントは、

      ・営業プロセスに応じたアドバイスを行う

      ・できなかった原因を部下自身に考えさせる

     つまり、なぜ営業プロセスの段階を進むことができなかったのか、その間題を明確
     にして解決策を部下自身に発見させるコーチングの発想が必要となります。

     そのため、指導する上司は部下である営業担当者の活動を十分把握しておくこ
     とが必要です。

     つまり、どの顧客に、どういう営業アプローチを行い、現在どの営業プロセスにあ
     るのかを理解していなければならないのです。

     こうしたきめの細かい営業レビューを行うためには、どの顧客を訪問した、いくら
     売れた、という単純な日報では対応できません。

     つまり、営業レビュー方式を効果的にするためには、営業活動の内容を記述でき
     る自社にあった営業活動管理が必要となります。

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プレイングマネージャーによる部下のマネジメント

         

プレイングマネージャーと部下へのマネジメント

  ■プレイングマネージャー

   プレイングマネージャーとは、野球などのスポーツを例にとると、選手兼監督の立場に
   ある人を指し、企業においては自ら現場で活躍し、部下の育成という管理職としての業務
   も、こなす立場にあります。

   近年では中小企業において管理職に求める機能が変化してきました。

   例えば、これまでは戦略立案人材育成が管理職の主な機能とされてきました。

   しかし、企業経営を取り巻く環境が急速に変化する現在、デスクにいて営業計画などの
   立案などを行い、部下に業務遂行の指示をするような従来タイプの管理職では企業に
   十分に貢献できなくなってきました。

   中小企業の場合、限られた人員で多くの業務をこなさなければならないため、自然と
   管理職は自ら第一線で活躍しつつ、部下の育成という管理職としての業務もこなす
   「プレイングマネジャー」であることが求められます。

   企業は管理職に対し、実際に現場に出て顧客と接し、市場の生の声を聞いて実効性の
   高い営業計画の立案などを求めるようになったのです。

   営業プレイングマネジャーは、自ら第一線で営業活動を行うと同時に、チームをマネジメ
   ントして組織全体の営業力強化を目指します。

   営業プレイングマネジャーに求める機能は「営業力強化」と「人材育成」に大別され
   ます。
 
   「営業力強化」は、新規顧客の獲得などを指しますが、マネジャーである以上、単独
   プレーは好ましくありません。

   「人材育成(メンバーの指導)」にも力を注ぐことで組織全体の営業力の底上げを実現
   することが重要となります。

   理想は、人材育成によって営業力が強化され、その結果、営業成績が向上するといった
   状態です。

   しかし、社内の教育体制は今問題を抱えています。

   それは中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

   厚生労働省「平成26年度能力開発基本調査」においても、全体の75.9%の事業所が
   「人材育成に問題がある」と回答しています。

   この問題を解決しなければ、社内教育制度の内製化は不可能です。

   多くの管理職は「プレー」つまり、自分の業務をこなすだけで手一杯になってしまい、
   部下のマネジメントがおろそかになってしまっているのが現状ではないでしょうか。

   例えば、経験の浅い若手にある仕事を任せたのはいいけれど、上司が自分の仕事に
   追われてしまい、完全にほったらかしにされてしまっ
   ているような状況になったことはないでしょうか。

   OJTは有効な社員教育の方法ですが、ただ
   仕事を与えてほったらかしにしているだけ
   ではOJTとは言えません。

   ほったらかしにされた社員は成長するどころ
   か、逆にやる気を失ってしまうでしょう。

   上司にとって大切なのは、部下をしっかり見
   て、積極的にコミュニケーションを取ること。

   例えば、「最近の若い社員は飲みに誘っても
   嫌がる」という言葉をよく聞きますが、それは
   若い社員の「つきあいが悪い」のではないのです。

   確かにお酒は「飲みにケーション」といわれ、
   コミュニケーションを円滑にするひとつの道具ですが、
   それに頼らなければ部下とコミュニケーションが取れないとしたら問題です。

   お酒を飲みに行くのが好きな部下もいれば、そうではない部下もいます。

   上司は部下のことをよく見て、理解して、部下ひとりひとりに合ったコミュニケーション
   の方法をとらなければならないのです。

   これはコーチングの考え方でもあります。

   しかし、部下とコミュニケーションを取るのが上手な管理職ばかりではありません。

   そこで、意識的にコミュニケーションの場をつくってしまうためのツールが「部下面談記
   録シート」です。

   月に一度、ふた月に一度でもいいので、このシートを使って部下と面談をします。

  部下面談記録シート

   1.面談のテーマ

    できれば事前に、面談で話す内容を決めておきます。

    話す内容については部下にも知らせておくことで、密度の濃い話をすることができ
    ます。

    もちろん、面談を始めてから話す内容が変わってしまってもかまいません。

    無理に「今日はこの話をすると決めたのだから」とこだわってしまうと、部下と自然な
    会話をすることはできないので、部下の反応に合わせて話の内容を変えていくこと
    も必要です。

   2.面談でわかったこと

    面談を始めたばかりの頃は、まず、部下が
    どんな考えをもっていて、どんな人間なのか
    を理解するように努めます。

    相手がどんな人間なのかわからなければ、
    相手に合った指導はできません。

    部下に心を開いてもらうためのポイントは、
    まず自分をさらけだすことです。

    自分はこんな人間だということを素直に示して、
    部下からの信頼を得られることができてはじめて、
    部下は本音を語ってくれるのです。

    また同時に、部下がどんな問題を抱えているのか、そして部下は何を望んでいるの
    かといったことも聞き出してください。

    仕事の能力を高めたいと思っている部下もいますし、もっと評価してほしいと思っ
    ている部下もいます。

    「いいところを見つけて褒めてほしい」と思っている部下を「おまえはためだ」と厳し
    く叱責しても何の効果もありません。

    そうした部下の望みを知らなければ、効果的な指導はできないのです。

    ここでのポイントは、まず部下が答えやすい質問から始めることです。

    仕事の話でなくてもよいでしょう。

    多くの場合、上司は自分が聞きたいことを、自分が聞きやすい質問で聞いています。

    つまり、「この部下ならどんな質問の仕方をしたら答えてくれるだろうか」という
    ちょっとした気遣いがないために、部下の心を閉ざさせてしまっているのです。

    一人ひとりの部下に合った話し方をするよう、常に心がけてください。

   3.どう指示、指導したか

     2.でわかったことに対して、どう対応したのかを記入しておきます。

     できれば、部下が自分の言葉や態度にどういう反応を示したのかも記録しておく
     とよいでしょう。

     この積み重ねによって、「この部下にはこういう方法」という部下一人ひとりにとっ
     てベストの指導方法がわかってきます。

   4.フォローすべきポイント

     指示、指導したことについて、ほったらかしにしないこと。

     きちっとフォローし、部下を見守ることが大切です。

     面談が終わった後に、どういうフォローが必要なのかを記入しておきます。

  □プレイングマネジャーの営業管理 

   営業管理は実績数値の結果を追いかけるだけのものではありません。

   もちろん、営業の結果である実績数値が最重要であることに間違いはありませんが、
   実績数値の源泉となる営業活動そのものを管理することも重要です。

   つまり、目標数値を達成するために必要な活動がきちんと実施されているかどうかを
   管理する(行動管理)ことがプレイングマネージャーの役割です。
   
  □行動管理を実施する上での要点

    (1)指示・命令項目を決める。

    (2)担当者へ具体的な指示・命令をする。

    (3)中間、終了時の報告・連絡を励行させ、報告機会を与える。

    (4)指示・命令は期限、ポイントを明確にする。

    (5)記録する、記録させる。

    (6)現場への指示・命令内容を点検する。

    (7)結果を評価し、ケジメをつける。

    (8)中間報告などの対策内容を重点に具体的に詰める。

    (9)判断を下し、再指示、再命令を出す。

    (10)指示・命令の記録ノートをつくる。

    (11)出来ない理由を聞きすぎないこと。

    (12)決定事項の進度チェックで、行動をチェック・コントロールする。

   実績数値ではなく営業活動段階で営業担当者を管理するためには、営業担当者の活動
   スケジュールの管理を行うことが求められます。

   具体的な方法としては、月間の目標を週単位、日単位にブレイクダウンし、その目標
   に応じた活動計画がスケジュール化されているかどうかを確認するのです。

   たとえば、営業管理では、

    ・営業担当者ごとに当該月の目標金額を確認

    ・当該月の目標金額に必要な見込み客がリストアップされているか
     どうか

    ・見込み客への営業プロセス別アプローチ計画が適正な時間配分で
     計画されているかどうか

    ・見込み客へのアプローチ計画が無理なく月間のスケジュールに落と
     し込まれているかどうか

    ・月間スケジュールに基づいた週間スケジュールが策定されているかどうか

   行動管理においては、「何を」行動管理するのか
   の目的を明確にします。

    ・業績の進度チェック・コントロール

    ・決定事項(指示・連絡)の実施状況

    ・顧客先・見込み客先訪問

    ・営業同行による指導・育成

    ・会議並びに上司への報告

  見込み客評価 

   営業マンによる見込み客評価に対する営業   
   方針を決定します。

   単に営業方針を決定するだけではマネジャー
   としての役割を果たしたとはいえません。

   見込み客評価は、営業マンの実力をつけるいい機会です。

   「情報収集をしっかりしているか」「評価選定の基準は適正か」など、部下の「お客を見
   る目」をしっかりと評価、育成します。

  □行動の定型化(標準化)

   成果は行動の積み重ねであるが、その行動が思いつきであったり、衝動的であったり、
   また他因するものに振りまわされるものであってはならない。

   特に、「やらねばならない事」と「やったほうが良い事」については、『やらざるを得な
   いシステム』をもって習慣化することが大切であり、行動の標準化は組織強化のため
   にも優先課題となります。

    1.行動の定型化

     (1)やらねばならない業務は何かを明確にする。(定型業務は何か)

     (2)その目的は何か。(目標の設定)

     (3)そのための期間、期限、頻度は

     (4)月間週間毎日の計画は

     (5)実行、実施状況はどうか

     これらのことを基準に社内業務を管理していきます。

    2.業務命令・指示・連絡の日常チェック(業務処理メモ

     企業においては、数多くの課題が山積されています。

     その一つひとつを確実に、適正に処置して行くことが大切であり、特にプレイング
     マネージャーとしては、最後まで完遂させて行くことが必要条件となります。

   面談を通して、部下には「自分のことを聞いてもらえた、理解してもらえた」という
   満足
を与え、やる気を引き出すことができます。

   そして、上司は管理職として必要なコミュニケーション能力を養うことができます。

 

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