保険代理店の業務改革・改善の進め方

 

         専業代理店 業務の改善・改革の進め方 


  ■業務の改善・改革
   代理店にとって業務の改善・改革をしていくためには、従業員の教育・訓練が欠かせ
   ない。

   今までの場当たりな行動(勘、経験)から、すべての業務を決められた手順に沿って行う
   ことが、いかに重要であるについては当サイトを通して述べてきています。

   他業界と比較して、これだけ豊富な情報量、システムがありながら十分に機能して
   いないのが実態です。

   メーカーである保険会社からは多種多様な情報提供があるが、販社である代理店は
   それらを十分に咀嚼できておらず、活用できないのが実態ではないでしょうか。

   保険会社の情報量と質は他業界にとっても垂涎の的なのです。

   ただし、お客様への提供の仕方次第では宝にもなるし、ゴミにもなるのです。

   お客様の抱える問題・悩みに対して、保有する情報がどのように解決に役立つのか、
   その情報をどのように提供すれば相手から感謝・感動を得られるかを常に考えるべき
   です。

   そのためにも、シミュレーション(模擬訓練)であるロープレの定期開催は欠かせま
   せん。

   損保、生保代理店が生き残り勝ち残るためには業務の改善だけでは不足であり、
   業務の改革が必須となります。

   ドラッカーは言っています。
   「このスピード社会の中で、イノベーション(改革)が必要な保険業界が一番遅れている
   業界である」と。

  □教育の能率を上げるポイント
   (1)無理を要求しない。
     ・相手によって教える内容を変え、やるべきことを全部決めてしまう。

   (2)繰り返し教えない
     ・最初は説明をする次に遂行基準(伝票の扱い方、陳列のしかた)を見せる
     ・教えたことはすべて書き留める
     ・1年経つと教育マニュアルができる

   教育の原則は(目的をいう⇒手順をいう⇒理由を言う)
     ・「何のためにそれをやるか」という目的を明確にする
     ・「どういう順番でしていくか」を教える
     ・その理由を言う「なぜこういう手順でするのか」ということ
     ・自分でやって見せる
     ・させてみる
     ・後は文字(文章)を見よ

   経営改革の能率を上げるためには、まず組織から入らなければなりません。

   そのポイントは組織図をつくることです。

   組織図をつくらなければ従業員対策に入っても無理であり、組織図には権限が明記
   されなければなりません。

   それがなければ組織図をつくったことにはならないのです。

   それに権限が規定されていないからです。

   承認を経営者が行っている以上は、決定権は経営者が持っていることになります。

   承認とは決定であり、決定とは権利です。

   そして、権利とは義務であり責任であるのです。

   部下に権限を委譲するということは、決定権、つまり承認権を与えるということです。

   その代わり経営者は、結果を追求しなければならないのです。

   ここでは業務改革の進め方について解説します。

  □社(店)内の環境整備
   1.組織の考え方
    (1)役割分担表作成時に、『代理店の最優先事項は、営業を組織化する』を何度も
      繰り返し、確認する。

    (2)より攻撃的な営業を推進するには、Back−up 体制の確立が必須である。

    (3)そのサポーティングシステムを構築するには、内務関係部門の分業化が必須で
      ある。

   2.組織図のモデルを参照し、代理店は、営業を中心として機能させる
    (1)営業を核に、企画(テレマ)・損害サービス等の部門の配置

    (2)営業の標準化

    (3)管理営業の促進

    (4)情報収集カの強化が必須(ワークシート類の整備)

    (5)お客様との面談(接点)件数を飛躍約に増加させ、ヒジネスチャンスを拡大

    (6)新規(多種目化)営業を継続的に推進
      (「組繊は変化するもの」という認識で、硬直化しないで、柔軟に対応する)


   3.分業化と専門化
    一般的に、複雑多岐になると懸念されるのが分業化であるが、組織的に営業推進す
    るには、分業化による専門化は必須条件である。

    (1)営業を分業化する必要性
      a.営業社員が、より生産性の高い、内容のある仕事をするためには、必然的に、
        契約社員・パート社員の役割分担を導入することである。

      b.一般的な代理店の営業社員は、更改を営業の核にしているため、更改に追
        われ、生産性の高い、高効率的な営業ができていない。

      c.顧客の担当者変更はリスクを伴うと考えられ、在社年数が増すに従って顧客
        数、売上高は増加していく傾向にある。

        その結果、経験豊富な営業社員ですら、増収率・増収額共に鈍化し、業績の維
        持に貢献できても生産性の向上に繋がっていないのが現状です。

   4.タイムマネジメント
   
 「成功するために必要な条件」のうち、「目標設定」と同様に重要なファクターとして
    「行動管理」があります。

    目標を達成するための行動を限られた時間の中で実行していくことです。

    いつまでに、どれだけの行動をとっていくかは計画段階で非常に重要です。

    計画が明確になっていれば、中途での進捗状況の確認や修正が容易にできるから
    です。

    現実的な問題として、

    「限られた時間をいかに上手く使うか」が決め手になります。

    時間には限りがあります。一般的には、人間の行動は習慣によって規定されるので、
    常に優先順位を選別して行動する習慣が大切になります。

    目標を達成するために必要な行動を優先させることが、タイムマネジメントの目的
    です。

    そのためには、具体的に目に見える行動計画表が不可欠です。

    通常計画は長いものから1 年、6 ケ月、3 ケ月、1 ケ月、1 週間、そして、その日
    1 日の計画へ降ろしていくのが正しいやり方です。

    また、計画はグラフや数字で(行動計画表)として具体的に描きます。

    この計画表の重要なポイントは、「目標がハツキリしていること」「ムリ、ムダ、ムラ
    のないこと」「最低限度を決めていること」が明確になっていることです。

    さらに、「空き時間の使い方」も決めておくことが大切です。

    突然の予定変更やキャンセル等で、あらかじめ立てた予定が狂った時に、結果的に
    無駄な時間が発生してしまうからです。

    効率良く目標を達成していくためには、いかに不要な仕事を排除していくかをいつも
    考えておく事です。

    我々はどうしても日常行動の中では重要なことよりも緊急なことを優先させがちです。

    そのために、行動を起こす前に、もう一度その仕事を今する必要があるか否かを振
    り返ってみる必要があるのです。

    その結果、本来やらなければならない重要な仕事をないがしろにしていることがよく
    あるのです。

    「重要なこと」とは「目標を達成するために本来やるべきこと」です。

    「緊急なこと」とは「すぐに対応しなければならないこと」です。

     1.重要かつ緊急である

     2.重要だが緊急でない

     3.緊急だが重要でない 

     4.緊急でも重要でもない    

    判断の基準で大切なことは、重要性の高い仕事を優先させることです。

    その行動の結果として、目標の達成に近づくことができるからです。

    日々の行動管理の自己判断基準ポイントは、
     ・身体を動かす前に、頭を使い仕事の優先順位を決めること。
     ・今やる仕事が新規の開拓よりも重要なことかどうか、もう一度考えること。
     ・その行動が目標に合っているか否かをチェックすること。

    自分の行動を管理し、効果的な成果を上げていくためには、自分自身の価値を時間給  
    に置き換えて知っておく必要があるかと思います。

    大雑把な把握の仕方ですが、年間給与÷250(年間稼動日数)÷10(1 日当たりの
    労働時間) = 自分の時給と捉えてください。

    常にこの時給と今やる仕事内容とを比較し、考えてみることが大切です。

  □「増収」、「顧客満足」、「コンプライアンス
   損保・生保代理店業の多くが小規模体制で事業を展開しています。

   保険会社による手数料体系が頻繁に変わり、ポイント制度が年々厳しくなってきてきて
   おり、今後の代理店経営において、収益改善における対策は緊急課題といえます。

   代理店業という立場上、保険会社の施策に従わざるを得ない点もあります。

   代理店サイドとしては合併、大型代理店への委託型への参加などさまざまですが、
   ここでちょっと考えてみましょう。

   安易な行動はせっかくあなたが築いてきたものを元も子もなくしてしまいかねません。

   営業会社である代理店にとって、「増収」、「顧客満足」、「コンプライアンス」の大き
   く3点を確実にクリアした経営が必須条件であることは言うまでもありませんが、依然
   として減らない「苦情」が多数表面化していることも否めません。

   今後どのような体制にするにも、その場しのぎの行動は避けるべきです。

   限られた経営環境の中で、効率・効果的な経営を行うためにも「仕組み」をつくり
   ましょう。

  □業務の見える化
   改革の基本は組織(チーム)として事業展開していくために、すべての部門が見えなけれ
   ばなりません。

   見えないことで、ムダ・ムラ・ムリが発生し、さまざまな問題が起こってきます。

   特にコンプライアンスに関する問題が発生する原因は場当たり的な事業運営にあり
   ます。

   問題が発生するたびに、あたふたとするばかりで、その場しのぎの解決に終始して
   しまっています。

   せっかくの組織が何の効果も発揮できていません。

   業務を見える化するために最初にやるべきことは業務(役割)分担です。

   部門ごとに役割を分担することで、分業化を図ります。

   「誰に代わってもできる仕事」「特定の人にしかできない仕事」を明確にしていきます。

   そして、「特定の人にしかできない仕事」を減らしていき、仕事をシンプルにするこ
   とです。

   最終的に、特定(トップ)の人にしかできない仕事とは『経営とマーケティング』なの
   です。

   このように業務(役割)分担表の作成により業務全体が見えてきます。

   次にやることは部門ごとに業務手順書を作成します。

   今までの勘と経験に頼ったやり方から、手順書を作成することで個人の能力に頼らず、
   組織が同じ品質を保つことで、効率的で効果的な業務推進が可能となります。

   営業部門であれば、集客から顧客の固定化までの手順書を作成します。

   この中で、行動計画、セールスブック、セールストーク、チラシを作成し、これらに基
   づきロープレによって実践準備を行います。

   内務部門であれば、電話対応、事故受付対応、満期更改の流れ、異動・解約手続
   き、口座振替不能契約の管理、クレーム対応など、それぞれの手順書を作成し
   ます。

  顧客の見える化
   営業会社である法人代理店とって最重
   要課題である「顧客情報(データ)」の整
   備があります。

   契約者データではなく、顧客データです。
   
   顧客データさえあれば保険に限らず、何でも
   売れます。

   それだけ重要な顧客データを整備している損保、
   生保険代理店は数えるほどでしょう。

   なぜ、顧客データの整備が重要かと言えば、営業を
   「苦しくてつらい」ことから凡人営業マンでも増収でき
   るようになるからです。

   そして、データにより顧客との接点拡大を図ることで、苦情(クレーム)の減少にもつ
   ながります。

   営業センスのある人ばかりいればいいのですが、現実はそうではありません。

   ここで考えていただきたいのはどんなに見える化を図っても組織の根底にあるのは
   「理念」、「ビジョン」であり、「EC(従業員満足)」です。

   「見える化」の成否は「人(従業員)」であるということです。

  □代理店業務のシステム化
 
  システム化というとIT化を連想しがちであるが、「毎回同じ結果が出せるように組み
   立てた一連の手順」である。

   要はPCのほうが、紙ベースで管理するより、無駄を最少に抑えて最大の効率が
   得られます。

   サービスの質と多種目販売の量は、次の二つで決まる。
    ・システムの質
    ・スタッフの態度とその研修レベル

   業務手順がマニュアル化されたシンプルなものなので、マンパワーに頼らなくても、
   仕事の質が落ちない。

   つまり、システム化ができれば、会社はあなたのスキルに頼らなくても機能するよう
   になり、継続して収益を生むようになるのです。
   
  □業務の標準化
   
代理店の負担する業務・作業は日増しに複雑で煩雑化しています。

   これらの業務・作業を効率・効果的にこなしていかなければ、営業活動に占める割合は
   なかなか増えません。

   限られた労働時間・人材で、増収を図っていくためには無駄を省くしかないのです。

   あなたが日々行っている仕事にムリ・ムダ・ムラはないでしょうか?

   今までのやり方を今日まで変えずにいるなら、今すぐ改善策を講じなければなりま
   せん。

   業務を改善していくためには、日々の労働時間における仕事の中身とかかる時間を
   知ることです。

   代理店の多くが、日々の仕事で手間・時間のかかることに、顧客からの電話と更改と
   答えています。

   それでは、このかかってくる電話の中身は何でしょう。

   それを2、3ヶ月をめどに統計を取ることです。

   最初にかかってくるであろう電話の内容を想定して表にします。

   全員が机にその表を置き、毎日かかってくる電話の内容をチェックし、その内容を集計し
   てどんな内容の電話が多いかを知ることです。
  
   <手順>  
    1.電話内容リストの作成

    2.内容の集計

    3.受け付けた電話内容の多い順にリストアップする

    4.効率化を図るための電話対応手順書(台本)の作成

    5.実際に使用しながら、変える部分は変えていく

    例えば、自動車(火災・障害・賠責・その他)保険に関する問い合わせに対しては、
   変更事由(住所、年齢条件、車両入れ替え、等々)ごとに対応トークを作成します。

   あなた・従業員が日常お客様からの電話で対応していることを文字に落とします。

   お客様からの電話内容の多くは同じ内容のことが多いはずです。

   それらの問い合わせに対して、場当たりな返答ではなく、決められた言葉で話すことが
   重要なのです。

   結果的に、聞き漏らし、言い忘れを防ぐことができるのです。

   このことを考えると、多くの業務・作業を標準化してトーク・手順書を事前に作成して
   おくとができるはずです。

   業務の標準化において大切なことは、すべての業務(営業、管理)を連動させること
   です。

   営業、品質管理、CSなどそれぞれを単独で作成するのではなく、業務一連の流れで
   作成していくことです。

   そうでなければ標準化の作成が目的となってしまう可能性が大であるからです。

   あなたが日々行っている各業務の流れを手順化し紙に落とし込んでいきます。

   その中で、ムリ・ムダといったことを排除していきます。

   手順書を作成・活用することで、仕事全体が「見える化」でき、仕事内容の流れがスムー
   ズになります。

    事例:更改作業を標準化する(内務スタッフと営業担当との連携が欠かせません)

       <内務スタッフ>              <営業担当>
    更改申込書の受付(満期の2ヶ月前)
       

    更改申込書の枚数チェック
       

    単価アップ、多種目販売のための        営業担当と連携
    案件のリストアップと計画の策定     
       

    満期契約一覧、案件リストを基に
    更改申込書を仕分け
       

    異動・事故チェック、保険料未記入       営業担当者に連絡
    のチェック、保険会社システムから
    異動・事故内容を確認
       
   
   「確認シート」セットの準備
       

   口座振替依頼書の準備
       

   満期2ヶ月前初旬に満期案内の作成        内務スタッフから連絡
   と送付(アポ取り)                    を受け、お客さま訪問 
                                  等の営業活動へ
                               (アクションプランの作成)
   
   上記を参考に、自社(店)に合った手順書を作成してみてください。

   担当者がいつも行っていることを紙に落としこんでください。

   仕事のすべてを標準化することが、さまざまな問題の発生を軽減することになります。

   業務手順を分かりやすくシンプルにすれば、マンパワーに頼らなくても、仕事の質が落ち
   ない。

   つまり、マニュアルができれば、従業員個人のスキルに頼らず、場当たりな行動を
   無くすことができるようになります。

   組織が正しく機能するようになり、継続して収益を生むようになる。

   決めたことを決められた通り、継続実行していくには無理があってはならない。

   そのためには、業務(作業)の手順を指示する手順書(マニュアル)が欠かせません。

   人は、言うべきことを完全に言うことができないものであり、さらにそれを繰り返し正確
   に再現することは、もっとむずかしくなっていきます。

   それに感情の起伏、たとえばその日の朝自宅を出てくるときの気分や、スタッフへの個人
   的な好き嫌いもそれぞれに違うから、完全な命令を口頭で出すことが不可能に近い
   のです。

   よって、業務を標準化するために、マニュアルという文書がわざわざ作られたのです。

   スタッフがより確実に、より楽な気分で仕事が進められるように工夫の限りを尽くした業
   務(作業)の標準化の方法が、マニュアルです。

   営業力強化、組織の活性化、人材育成は正しい業務のあり方が基本となります。

   業務改善は専業代理店にとって最優先に取り組まなくてはならない課題です。

    晴れ 業務改善の仕組み ご案内(コンサル・セミナー・研修・講演)

  □商品の可視化
   あなたの扱う商品は目に見えません。

   ですから、その商品を目に見える形にすることが必要です。

   車などであれば、スタイル、色、性能、メーカー、触る、試乗するなど購入に至るまでに
   見たり触ったりなど、ざまなことができます。

   代理店業として扱う商品を目に見える形にし、販売していくには決め事があります。

   そのためには、あなたの扱う商品は「保険」そのものではないことを理解することです。

   「保険(売り手側)」を主語としたセールスではなく、「お客様(購入側)」を主語とし
   た売り方です。

   「お客様」を主語にするということは、「保険ありき」の発想から、お客様の抱える問題
   の解決手段として、保険が効果的な役割を担うことを伝えることです。

   それも「お客様が欲しくなる」ようにです。

   これらの考えを基にセールストークを組み立てていきます。

   このことは営業に限らず、社内業務すべてが対象となります。

    1.電話の対応 2.モチベーション(基本動作) 3.礼状(ハガキ) 4.苦情対応  
    5.会議 6.業務手順、etc。
   
  □営業を中心とした組織体制
   
内勤スタッフが分業(役割分担)により機能的に営業をバックアップする営業支援体制、
   見込み客の発見から提案、成約、サンキュー・レター(コール)、その後のアフターフォ
   ローなど。

   すべてを営業マンに一任していたことを、効率的に分担して担当する仕組みをつくる
   ことです。

   新しい組織編成を取り入れ、顧客データベースを構築し、共有財産として誰もが使える
   ようなデータベース作成ルールを検討し、活用方法を決定します。

   データベースは会社(店)の貴重な資産であり、会社の貴重な財産として管理する仕組み
   をつくることが必要です。

   以前は「人」「モノ」「金」が経営の三要素と言われてきましたが、今では、それに
   「情報」が加わりました。

   ところがデータ(情報)は、あまり適切に管理されていないのが実情です。
   (多くが情報の重要性の認識に欠けている)

   営業活動状況、顧客からの相談や苦情データは、ほとんどの代理店が管理していない
   のではないでしょうか?

   上記仕組みの構築により、情報はしっかりと共有されるので、顧客は複数の営業スタッフ
   と接触しても、満足感を損ねるようなことにはなりません。

   顧客がチーム営業に接したときに、どのスタッフからも同品質な対応を得られるぐらい、
   機能が統合された組織であることが理想であり、目指すべきものなのです。

   「保険は人につく」といわれ、担当が代わると継続契約が困難となる場合がありますが、
   それは担当者の品質に原因があることが大です。

  □顧客との接点を強化
   
あなたにとって、中身の濃い顧客との面談時間の拡大こそが成約に繋がることだけは確
    かです。

   ただ、顧客との接点拡大は重要ですが、直接面談しなくても、お客様と継続して接触する
   場面をつくることです。

   営業体制を改革・改善するためのチェックポイントをまとめておきます。

    ・同業他店と同じやり方をしていないか(差別化商品・サービス)

    ・対象(マーケット)を絞っているか

    ・商品を得意なもの1〜2つに絞っているか

    ・行動計画は作っているか(常に5W1Hで作成)

    ・名刺、会社(代理店)案内、パンフ等は独自性があるか

    ・信頼性、親近感(見た目)を強調しているか

    ・基本動作(挨拶、身だしなみ、電話の応対)は実践されているか

    ・お客様への感謝の気持ちを行動に表しているか(サンキューレター・コール、
     情報紙等)

    ・あなたの本当の売りは人間関係であることを理解しているか

    ・競争相手は同業者ではなく、お客さんであると理解しているか

    ・あなたは自身が「何業」と理解しているか

    ・セールストークはあなたが言いたいことではなく、お客様が聞きたい、知りたい
     ことをメインに組み立てられているか

    ・行動の前の段取り八分を心がけているか

    ・出会い頭をないがしろにしていないか(フィーリングの重要性)

     ・業務(営業、内務)の手順は標準化されているか

    マーケティングを車に例えるならエンジンです。

   代理店経営をしていく中で心臓部となり、代理店業の成功も失敗も、すべてはマーケ
   ティング・スキルの良しあしにかかってくるのです。

   正しく活用すれば、代理店経営においてマーケティングは大きな利益を生んでくれる
   道具となります。

   理解しておかなければならないのは、あなたが開拓しようとしている市場に、最も適した
   商品やサービスが必要だということなんです。

   最高の商品やサービスの提供ではありません。

   あなたが提供するのはその市場に「最も適した商品やサービス」です。

   最高の商品やサービスが常に売れるとは限りません。

   いちばん売れるのは、そのマーケットの多数の買い手に最もアピールした商品やサー
   ビスです。

   そして、お客さんにアピールするかどうかは、商品そのものではなく、ほとんどマーケ
   ティング(お客様が感じた価値)次第なのです。

   そのためには売り手思考ではなく、買い手思考で考え行動することです。

   あなたの提供する商品(保険)はすでに市場に理解されているのだから、目標は顧客に、
   なぜあなたから買うべきかを教育するということになるのです。

   セールスで必要なのは自分の商品やサービスに焦点を当てるのではなく、お客様の
   ニーズ・ウォンツに焦点を当てることです。

   お客様が求めるのは、自分のニーズ・ウォンツに応えてくれるものであって、あなたの
   ニーズに応えるものではないのです。

   我々はみな、人を相手に商品やサービスを売っているはずです。

   意思決定をし、お金を使うのは人。

   だから、我々の仕事の本質はお客様の抱える「悩み」や「問題」の解決をお手伝いする
   問題解決業とも言えるのです。

   ですから、顧客の問題解決になることを考えればいいのです。

   営業会社(店)である保険代理店は、営業を中心とした組織体制の構築を図ります。

   組織が効果を発揮するための基本は人(社員)です。

   組織人としての基本動作の習得、ESのためのモチベーションアップが不可欠となり
   ます。

  <営業部門>

    見込み客(集客)から顧客の固定化までの営業プロセスをシステム化します。
   
    スタッフ個人の能力に頼ったやり方からチームによる営業力強化を図ります。

    営業プロセスをシンプルにすることで、普通の営業担当者でもできるやり方が必要
    なのです。

    ●見込み客を集める(集客)

     ○誰をどこから集めるのか

     ○切り口(ニーズ喚起=オファー)は何

     ○スクリプト(トーク)は

     ○集客方法は 

     ○見込み客のデータベース化は

     <ポイント>

      □ その切り口はお客様が価値(有益と)を感じてくれる内容か

      □ 扱い商品の売り込みはしない

      □ ここでは、あなたに興味関心を持ってもらう段階であること


    ●商品を購入してもらう

     ○礼状は

     ○新規顧客への接点は

     ○新規顧客への紹介依頼は

     ○新規顧客のデータは

    ●リピート(多種目販売)を行う

     ○多種目化のためのニーズ喚起は

     ○半自動的に顧客接点が保てる仕組み

     ○顧客アンケート(契約時、事故対応、マナー 等)の実施

     <ポイント>

      □ 満足度が高いほどリピート率は上がる

      □ 長期的に良好な人間関係を築くためのコミュニケーションをとる


   営業推進で効果的な営業手法について補追しておきます。

   JV(Joint Venture)をご存知ですか?

   JVといえば、建築業界などにおいて、一つの工事を施工する際に複数の企業が共同で
   工事を受注し施工するための組織を思い出します。

   ここでのJVはそんな大それたことではなく、あなたの得意分野をお客様(見込み客)や
   顧客へ提供することです。

   例えば、

    ○顧客の商品パンフやチラシを満期案内等を郵送するときに同封してあげる
     :切手代をだしてもらう(切手料金の分担)

    ○顧客の対象マーケットへの営業協力
     :顧客企業主催のセミナー開催でRMをテーマに講師を引き受ける

    ○自社(店)で発行しているニュースレター、情報紙を顧客に活用してもらう

    ○顧客が展示会を開催するのであれば、あなたが支援できることがないか聞く

   保険代理店の仕事は顧客の抱える問題や営業で支援できることを、提案することです。

   自社(店)で解決できないようなテーマであれば専門家を紹介するコーディネータの
   役割でもいいのです。 

   振り返ってみて、あなたは顧客に対して収益に見合うサービスを提供してきましたか?

   もう一度営業について考えてみることが必要ではないでしょうか。


   <内務事務部門>  

    各内務部門の仕事は常に営業部門とリンクさせた体制にすることです。

    このことはとても重要です。

    営業、内務がそれぞればらばらに仕事をしていては組織ではありません。

    全部門が一体となって活動することでチーム力の強化となります。

    顧客訪問は情報収集や多種目販売を推進する上でチャンスです。

    無計画な訪問は大きな機会損失となります。

    ●訪問前に、訪問事由を内務スタッフと打ち合わせ、訪問ツールを準備

     ○事故処理終了間際であれば、顧客にアンケート(事故対応満足度)に答えて
      もらう。

     ○途中であれば、経過報告をする

     ○満期更改時であれば、多種目販売推進のためのニーズ喚起資料を営業担
      当に渡す。

     ○不在用ハガキ(名刺よりはがき)を営業担当に渡しておく。

     ○苦情の対応であれば我流で、その場しのぎのやり方では、後々大きな問題 
      になりかねません。

      事務担当者と打ち合わせ、対応マニュアルに沿って、手順どおりに進めてい
      きます。


   損保、生保代理店という立場にあるあなたにとって、顧客とのコミュニケーションは大き
   な武器となります。

   事務担当者とお客様との接点の多くは電話によるものです。

   電話対応は会社(店)の窓であり、対応次第で大きな信頼を勝ち得ます。

   何度も繰り返すようですが見た目」が大切です。

   成果をあげるための仕組みづくりや人材育成は、毎日一つ一つ実践を積み重ね、
   習慣化するまで、反復することです。

 

   ●内務業務マニュアル

    小規模組織が多数を占める代理店業とって、内務事務を間接部門と捉えるのではな
    く、収益を上げる部門に変えていくことは緊急課題です。

    営業部門を中心に内務部門がどのように関与していくかを念頭に置いた組織作りを
    していくか。

    要は、事務部門を単独で考えず営業のサポート部門として位置づける必要があり
    ます。

    しかし、内務事務の仕事量は増すばかりで、現実には困難を要するのが実態といっ
    たところでしょう。

    これを解決していくには、個人の裁量に任され「内務事務を勘と経験」でこなすやり
    方から業務を標準化したやり方に変えていかなければなりません。

    そのためにも、事務部門チェックリストを活用し、自社(店)の事務部門の問題点を洗
    い出すことから始めます。


   ●内務事務マニュアル作成のポイント

    ○繰り返し発生し、さまざまなパターンがある

    ○事務処理システムを利用することが多く、
     操作要領を知る必要がある

    ○内務の各部門(更改、移動・解約、連絡不
     能、クレーム対応、集金契約、口座振替
     不能契約、事故対応、etc)がどのように
     営業に関わっていくかを明確にする

    ○その業務は本当に必要か

    ○もっと他に必要なものはないか

    ○どの業務に一番時間をかけているか

    ○誰に代わってもできる仕事と専門性を有する仕事が明確か


   上記ポイントを基に各部門の業務ごとに手順と業務要領の解説で作成していきます。  

   事例を挙げて考えて見ましょう。

   参考事例として、週1回ほどの法人向けには有益情報の提供、個人向けには最低月1回
   のニュースレターの配布をするといったベース(下地)作りがあれば効果的です。


   満期更改のマニュアルを作成する場合を見てみましょう。

    ●満期更改活動の準備         

     <内務事務従事者>

      ・更改申込書の受付

      ・更改申込書の仕訳、チェック(確認シート)

      ・口座振替依頼書(前年口座振替ではない契約分)

      ・直近の異動    

      ・事故のチェック

      ・満期案件リストから契約内容を確認

      ・更改申込書に反映していない場合は再作成

      ・更改申込書に必要項目を補記

      ・見積書作成

      ・満期案内

      ・送付

      ・電話対応

     <営業担当者>

      ・月次予算の策定

      ・多種目販売、単価アップ先リスト作成(ニーズ喚起チラシ、
       販売種目)

      ・活動計画(月間行動予定表)の策定

      ・引受基準チェック

      ・保険料ブランクのチェック

      ・満期案件リスト(契約内容)により顧客から情報を収集


  各保険会社により内容に多少の違いはありますが、これらの項目それぞれのマニュ
  アルを作成していきます。

  事務システムについては、操作画面の一つひとつに解説していきます。

  システムというひとつの操作画面での項目別の設定方法や手順を解説するというイメー
  ジです。

  業務手順の解説とともに、どのタイミングでどのような画面が表示されるかが分かるよう
  にします。

  普段あなた(会社)がやっている業務の流れを文書化することです。

  ベテラン中堅社員がやっていることを新人やパート社員でもできるようにすることです。

  作成に当たり、完璧を求めないことです。

  使いながら変更・訂正していきましょう。

  内務スタッフと営業担当者との連携は欠かせません。

  マニュアルは随時更新されるものですから、更新日時を明確に記載しなくてはなりません。

  マニュアルは作成が目的ではなく、使用することです。

  ここでは詳細は割愛させていただきます。すべてを掲載するには膨大な内容量となって
  しまいます。

  使用当初は今までやってきた勘と経験が邪魔をし、面倒で業務の進行が遅れがちになる
  かもしれませんが、経験不足の社員やパートでもできることを中堅社員がやっていては
  中堅社員が更改要員と化し、いつまでたってもあなた(会社)にノウハウの構築はでき
  ません。
   
  ■業務改善

   本来、代理店にとって業務の改革・改善は最優先課題であるはずだが、後回しになって
   いるのが実態ではないだろうか。

   正しい業務プロセスは言うまでもなく多くの効果を生み出します。

   既に過去の感と経験だけに頼ったやり方を変えていなくてはならないのですが、まだで
   あるなら最優先に着手することをお勧めします。

  □特定の人に依存しない仕組みをつくる

   1.仕事の洗い出し
    (1)出社〜退社までのすべての仕事

    (2)自身の仕事がなにか、その仕事の意味を考慮し、誰でもできる部分はどこ
      か、特定の人でなければ対応できない部分はどこなのかを分析

    (3)特定の人の仕事をそぎ落とし、特定の人に頼る部分を小さくしていく
      高度な仕事とそうでない仕事を分け、低いスキルで仕事を遂行できるように
      なるためには、何が必要か・どんなスキルをつめばよいかを検討

   2.仕事の優先順位を考える
       (1)リーダーにしかできない仕事               第1位

       (2)リーダーがやっている・求められる仕事        第2位

       (3)部下に任せられるがリーダーがやっている仕事   第3位

       (4)部下に任せられる仕事                  第4位


  □組織・チームを動かす力
   1.仕事には必ず手順がある

   2.マニュアル ⇒ 指示書(手順書) ⇒ フローチャート

   3.人の数だけ決まり事がある

   4.業務遂行におけるマニュアルとは、業務をスムーズに指導させる「手順書」

   5.あなたの向かうべき共通の方向性

     組織として、トップから現場スタッフまで共通認識として目指すゴールを視野に入れ
     なくてはならない。

      会社組織の大きな方向性を示す        
            ↓
      ミッション・リーダーの思いを言葉として掲げる
            ↓
      その方向性を分かりやすく目標として掲げる (長・中期計画で向かう方向性
      を示す)    

            ↓
      全体から部門ごとに目標をサイズダウンさせ、部門にあったものにする
            ↓
      部門での目標設定を具体化し、アクションプランまでをつくる
            ↓
      現場への指示・命令は行動レベルまで落とし込む

   6.新人をプロフェショナルにする
     ・マニュアルは基礎を知り学ぶもの
     ・「言葉で伝える」から「文書で伝える」

   7.端的に手順を伝え、誰もが同じような品質を保てることがマニュアルの最重
     要ポ
イント

   8.マニュアルがないと、業務も人事も基準がなくなる
     ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生
     ・教える側の考えが優先し、教えられる側にスキルのばらつきが生じる
     ・教える側の思い込みが大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる
     ・社員のスキルをはかる基準ができず、社員の評価が主観的になる
     ・会社の統一感・一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかるマンパワー
      に依存

   業務改善の最終目的は収益に直結した時間の確保にあります。

   代理店の多くが日常業務に忙殺され、営業時間の確保がままならないといった状況にあ
   ります。

   もちろん、業務改善は、ムリ・ムダ・ムラといった問題の改善にあります。

   場当たりな経営から脱却するためにも、早急に対応してみてください。

  □組織図と役割分担

   1.役割分担を明確にした組織図をつくる

   2.任せる業務範囲や内容がまとまり、スムーズに仕事を任せられる

   3.仕事の範囲を事前に設定し、役割分担を決めておく

   4.役割分担ができることで、新たなスタッフはその日のうちに業務をこなせる

   5.役割分担により引継ぎがスムーズにできる

   6.リーダーの役割
    (1)ビジョンやミッションを理解し、噛み砕いて伝え広める
      ・ 経営トップの描くビジョンをメンバーに理解させ、行動させる。
         「なぜ、その仕事をするのか?」 「なぜ、その仕事を進めなければならな
        いか?」
      ・ メンバーが「自分の仕事にプライド」を感じるよう、「仕事に将来」を感じるよ
        うにしていく。

    (2)組織のやる気を引出す
      標準化されたサービスの提供を行い、品質が保証されたあと、社員一人ひと
      りの個性が出たサービスを提供。

    (3)職場風土(文化)のマネジメント
      基本動作の習得により組織人としての基本を徹底する。

    やっていることが知っていることのすべて(「わかる」と「できる」は大きな違い)

   7.業務フローのマニュアル化
    (1)利用目的が明確 → 「誰のために」「何のために」

    (2)評価基準が明確 → ゴールをきちんと提示

    (3)誰が読んでも理解できる → 普遍的であること

    (4)一つ一つの手順が具体的で、体系的にまとまっている → マニュアル作成
      の核

    (5)見直してみる

   8.業務フローの手順書(マニュアル)と人事評価
     人事評価とは一般的に、
      ・賞与を決めるため
      ・昇給を決める人事異動の材料
      ・社員の序列付ける
      ・人事異動の指標

     ですが、本来人事評価の主旨は「どのようにしたら社員が働きやすい環境をつ
     くるか」です。

     単に「上げる、下げる」といった単純評価ではなく、なぜ、「賞与が下がったの
     か」の理由が必要であり、「どうすれば改善できるか」までの解決策を提示でき
     ることです。

     評価に感情を介入させず、客観的に指導事項を伝えることが評価の基本とな
     ります。

     小規模の事業所が大多数を占める専業代理店にとって業務改善は最優先課
     題となります。

     ぜひ、貴店の業務改善の参考にしてください。

      晴れ 業務改善の仕組み ご案内(コンサル・セミナー・研修・講演)

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代理店の業務マニュアル

          

業務マニュアル


  業務マニュアル

   業務手順を分かりやすくシンプルにすれば、マンパワーに頼らなくても、仕事の質
   が落ちない。

   つまり、マニュアルができれば、スタッフ個人のスキルに頼らず、行き当たりばっ
   たりの行動を無くすことができる。

   それは正しく組織が機能するようになり、継続して収益を生むことを意味する。

   マニュアルは、
    @スペシャリゼーション(差別化)
    Aシンプリフィケーション(単純化)
    Bスタンダーディゼーション(標準化)の3点が条件となる。

   決めたことを決められた通り、継続実行していくには無理があってはならない。

   どうしたら途中で断念せず続けられ、どうしたら効果があがるのか。

   マニュアル作成は、
    1) 苦労して作り 
    2) 何度も試してみて 
    3) 修正を続けるしか方法がない。

   継続して増収するには、収益を確保するための仕組みとなる業務マニュアルを作
   成しなければならない。

   誰がやっても、同じ結果がでてくるというシステムは、本人やスタッフがストレスを
   感じることなく、効率的・効果的に仕事を行える労働環境を整備することでもあ
   る。

   業務のシステム化はマクドナルドに見ることができる。

   マクドナルドは、どの店にいっても対応も味も変わらない。

   しかも、その均一なサービスを提供している担い手は、アルバイトの社員。

   つまりマニュアル化により、業務をシステム化することで、経験の少ないスタッフで
   も十分仕事ができるようにしている。

   スタッフを雇うと、トップ自らが直接掛かりきりで指導するといった場面が多い。

   または、時間がたてば自然に仕事を覚えて、自分の代わりになってもらえるだろう
   と期待している。

   だが現実には、いつになっても仕事を覚えない。

   少しでも込み入った話になると対応できず、すぐに質問しにくる。

   結果、説明するよりは、自分でやった方が早いので、自分でやってしまう。

   よってスタッフは、いつまでも仕事を覚えないという悪循環にはまる。

   スタッフが育たないことを、当人の能力のせいであると、決め付けてしまっている。

   そうではない。

   仕事を覚えないのは、スタッフの能力が原因なのではなく、覚えさせる機会(環
   境)を与えていなかっただけである。

   そのためには、業務(作業)の手順を指示する書類(マニュアル)がなくてはならな
   い。

   営業であれば、担当者の役割は手順どおりに営業活動をすることが仕事となる。

   人は、言うべきことを完全に言うことができないものであり、さらにそれを繰り返し
   正確に再現することは、もっとむずかしくなっていく。

   それに感情の起伏、たとえばその日の朝自宅を出てくるときの気分や、スタッフへ
   の個人的な好き嫌いもそれぞれに違うから、完全な指示・命令を口頭で出すこと
   が不可能に近い。

   よって、業務を標準化するために、マニュアルという文書がわざわざ作られたので
   ある。

   スタッフがより確実に、より楽な気分で仕事が進められるように工夫の限りを尽く
   した業務(作業)の標準化の方法が、マニュアルなのである。

   だから、このマニュアルを重視する経営を、「従業員をマニュアルでしばる非人間
   的経営システムだ」と批評することは、大きな間違いである。

   正しい業務(作業)のあり方は、口頭ではなく、文書のみでしか表現できないものな
   のです。

   マニュアルは、一定の段階までの絶対的な条件・方法を示すもので、そのあとは
   マニュアルの範囲内でいくらでも能力は向上させていける。

   また、マニュアルは、果たすべき役割を具体的に明示するもの。

   よって、そこに書かれたことを完全に遂行できるかどうかは、本人の業務遂行能
   力の程度を示すバロメータにもなる。

   正しいマニュアルがあれば、毎日が訓練ということになる。

   しかもそのマニュアルをこなすごとに収益(増収)が上がっていくのだから、やりが
   いがある。
  
   営業活動が体力とストレスのかかるものであってはならない。

   仕組み通りに行動することで、継続した増収を図っていかない限り、保険代理業
   が単なる生活の糧の家業で終わってしまうことは明白である。

   多くの代理店の活動は、
    1) 「売る」 2) 「儲ける」 3) 「肉体的・精神的疲労」 4) 「もっと努力する」 
     5) 「がんばる」

    で、同じ無駄、失敗を繰り返している。

   しかし、自店のマニュアルに沿ったスタッフの活動は、
    1) 「売れる」 2) 「儲かる」 3) 「精神的喜び」 4) 方法・やり方を変える 
    5) 知らベ・考え直す 

   の仕組みに則った営業活動なのである。

   代理店は正しい営業活動をしていくためのマニュアルの整備が必要不可欠です。

   マニュアルの作成手順は、
    1. 洗い出し(仕事の全てを書き出す)
    2. 分析(あなたがやっている、業務・作業を紙に落とし、何が無駄か? 
       優先順位は? 人がやらずに、機械でできることは? 等を全て書き込む)
    3.実験(よりよいマニュアルを作るにはやってみる。実験と検証の繰り返し)

   代理店の機能はマニュアルに則って動くべきです。

   ただしここで注意すべき点は、業務の標準化・業務マニュアルの作成の前にやら
   なくてはならないことがあります。

   業務が改善されていない状態で、どんなに素晴らしいマニュアルを作成しても意
   味がありません。

   まず始めることは業務改善です。

     晴れ 業務改善の仕組み ご案内(コンサル・セミナー・研修・講演)

 

   □マニュアルの種類
    1. 電話基本対応 2. セールストーク(提案商品ごと) 3. モチベーション(基本
      動作) 4. 経営計画 5. 礼状(ハガキ)  6. アンケート 7. 苦情対応 
    8. 会議・ミーティング 9. 電話による保険業務対応

   1.電話基本対応マニュアル
     お客様は代理店の声色一つで我々を見抜く。
     心のこもった声はそのまま代理店の信用を築くバロメーターとなる。
     迅速・細心・正確であることこそ決め手となる。

   2.セールス・トークマニュアル
     大切なのは、相手をうならせる「感動を呼ぶ提案」「理知的な提案」が
     できるかどうかである。

     商品の特徴をつぶさに検討して、どの特徴をどのようなセールストークに展開
     するか、提案内容ごとにあらかじめシナリオ(セールスプログラム)を作成して
     おく。

     トークは必ずスクリプトに基づきすすめる。

     なぜなら、@喋りすぎたり、A本題からずれてしまわないため
     B基本滞在時間15分を厳守するため。

     御用聞き営業からマーケティング営業に変えていくためには、面談プロセスを
     一枚の表にきちんと整理し、頭の中に叩き込んでおかなくてはならない。

     面談プロセスなしに、ストーリーのあるセールストークを作ることはできない。

     複数のセールストークを整理し、用意しておかないと、セールス時点で顧客に
     かれるままに答えてしまう受動的な営業に終わってしまう。

     いまや損金参入といった便益や価格だけでは、顧客の加入意欲を呼び起こす
     ことは難しい。

     ブランドイメージやサービスといったパフォーマンスを、より具体的に強く訴え
     かけていく必要がある。

   3.モチベーションマニュアル
     三感(感心・感謝・感動)を得るために、代理店側がどんな一生懸命やったつも
     りでも、残念ながらそれを評価するのは、第三者であるお客様である。

     お客様は元来、「わがまま」な存在であり、決して代理店の思い通りになるとは
     限らない。  

     だからといって自分を抑えて、店の方針、考えを曲げてでもお客さんの言う通
     りものごとをやったのでは、他の多くの代理店と何ら変わらない。

     利用していただいたお客様を「財産」と考え、お客さんに感謝するだけでは足り
     ず、感謝される、喜ばれることが肝要。

     あなたは、「感謝される代理店、喜ばれる代理店」となることである。

     そのためには、プロとしての態度こそが基本となる。

     次の7点(基本動作マニュアル)を代理店がプロ・コンサルタントとして徹底し
     ていく。

      @基本姿勢 A身嗜しなみ B挨拶 C朝礼・終礼 
      D指示・命令 E報告・連絡F整理・整頓

   4.経営計画(行動計画)マニュアル
     代理店にとっての最優先活動は収益に直結した内容のものである。

     明日の行動計画は前日の終業までに作成。

     これを繰り返すことで、自店の無理・無駄を排除し計画に則った活動を習慣化
     することが可能となります。

   5.礼状(ハガキ)マニュアル
     多くの代理店は筆不精で、とにかく文字を書かない、あるいはすすんで書こう
     としない。

     ということは、書くだけで差がつく。

     ライバルが敬遠するのを尻目にどんどんハガキを書けば、それだけで目立
     つ。  

     しかも競争倍率は下がる一方。

     お客様との接触拡大・顧客流出防止策の有力な武器の一つである。

     その武器を、おっくうがらずに継続していくためにはシンプルなお手本が必要
     となる。

   6.顧客アンケート
     アンケートは顧客が紙などに記入する作業が必要となる。

     このため、アンケートは顧客が煩わしいと感じないように、簡単な選択式など
     にする必要がある。

     必要情報の収集には欠かせない。

   7.苦情対応
     「苦情」というと、できれば避けてとおりたいと思いがちです。

     できれば苦情は無いほうがよいし、万が一苦情を受けてしまった時はなるべく
     上手にお客様をなだめて機嫌を直してもらい、それで一安心と思っている人も
     多い。

     しかしよく考えてみると、苦情はお客様からの不満の意志表示であり、言い換
     えれば「こうして欲しい」というお客様からの忠告・ニーズの表現なのではない
     でしょうか。

     苦情は「発生したこと」よりも「いかに対処したか」が問題。

     苦情は「誰が起こしたか」ということよりも「何故起こったか」を追求して再発防
     止に努めるとともに、「適切に対応できたか」が重要となるのです。

   8.会議マニュアル
     あなたにとっての会議は「議を決定する」ことである。

     よって、会議前に決められたテーマについて次のことを義務付けることです。

     決められた時間を厳守するためにも決められた通り進行しなければならない。
      (1)趣旨 
        始める前に十分な準備時間をかけ、意見が反映される内容にまとめる
      (2)テーマが明確
        参加者全員の意見が公開される(1人か少数常連のみの発言に終始しな
        い)
      (3)最後の結論が簡単明瞭になること
      (4)条件
        @事前にテーマと関係資料が参加者に届いていること
        A2分前に着席終了を厳守
        B時間を最初に決めて、終了期限を守ること
        C次に議題の提案理由と結論の範掲(程度)を明示する
        D討論のスピーチは1人1回1分間を原則とし、それを何回も繰り返す
        E途中してはならないこと
         ・退序・中座
         ・電話取次ぎ
         ・雑 談
         ・脱 線
         ・茶坊主的発言

     会議の最後には、議題の結論が示されることになる。

   クレーム対応マニュアル
   多くの場合、クレーム処理は電話の受け付けから始まる。

   クレーム処理は初動が重要であるため、クレームを受けた電話担当者は、相手
   の怒りを静めて正確な状況を聞き出すことに徹しなければならない。

   また、自分の権限外のことについて顧客と勝手な約束や「なんとかします」などの
   曖昧な返事を避けるためにも対応マニュアルは欠かせない。

   行動計画マニュアル
   行動計画を立案するのは「目標を達成するため」である。

   自身の行動を効率的に管理し、目標を達成するためのツール。

   計画を立て、その計画と実際の行動のズレを確認し、絶えず計画を修正していく
   ことで、より効率的な営業活動につながる。

   多くの代理店が計画倒になってしまうのは、計画作成に時間を取られてしまうこと
   に原因がある。

 

代理店経営に必要不可欠なこと

           

代理店経営に必要不可欠なこと T

  ■代理店の経営に必要不可欠なこと

   場当たりな経営から、羅針盤経営を着実に根付かせるためには、トップ自らが『事 
   業経営とは』を理解し、根気よく従業員に啓蒙していかなければならない。

   1.経営計画の策定手順
     ビジョンから中期・年度計画までの計画プロセスは、経営管理のサイクル(PD
     CA)の出発点になる基本的事項です。

     個々の箱の中身は、流れの中で相互に整合性をもって検討されなくてはなら
     ないため、実態は、“行きつ戻りつ”で検討されます。

      @ビジョンをつくって計画に落とし込まれていない
      A数値計画だけがあって戦略やビジョンの裏付けがない

     現状の延長線上に引き伸ばした計画をよく見受けられるが、いずれにしても、
     いわゆる画に描いた餅であったり、組織メンバーを動機付けるものでないた
     め、実効性に乏しいものとなってしまっている。

     計画作りにあたっては、下に挙げた第一から第三までを上下の隔てなく自由
     に発言する場作りに努める。

       第一段階 どういう代理店にしたいか?

       第二段階 今どんな状態か?
              なにが起こりそうか?
              競争相手はどういうことをしそうか?

       第三段階 ではなにをしなければならないか?

     ●ポイント
      1.なにを存在意義と感じるのか、どんな代理店になりたいのか、
        という理念やビジョンを基に方針・目標を定める

      2.現状分析により成り行きの今後の姿を想定し、目標とのギャップを
        明らかにする

      3.ギャップを埋めるための戦略を構築し、具体化・スケジュール化
        して計画を作る

  □理念・ビジョン・行動指針     
   経営計画作りの最初にくるものが経営理念、ビジョン、行動指針であり、それぞれ
   の考え方は、上記に示したとおりです。

   これらは、経営活動を推進する原動力であると同時に活動を律する制約要因でも
   あります。

   大組織においては、経営スタッフが中心になって策定し、トップの声明として発表
   されるケースがありますが、組織規模の小さい代理店においては、従業員を巻き
   込んで策定する方が、より効果的に浸透させる効果が期待できます。

   とくに合併のケースにおいては、これまで別の道を歩んできたトップが一緒に事業
   をやっていくことになるので、本音で語り合える雰囲気を作りながら、上記3つの
   枠組みに沿って十分議論することが不可欠です。

   議論される中で、それを実現化するための打ち手がいくつか見えてくる場合が多
   く、これらの情報は後のステップに出てくる戦略案として吸収し、改めて検討して
   いくことになります。

   ●ポイント
    1.全員が共有すべき最も基本的な考え・思い、という点は共通している
    2.なんのために事業を行うのかということを明示するのが経営理念であり、
      あるべき自店の特徴を掲げるのがビジョン
    3.行動指針は価値観や優先順位を規定するもので、判断や行動に迷った
      ときの助けとなる道標ともいえる

  □経営方針・目標設定

   1.経営方針の決め方
     今後の経営の方向性を端的に表す経営方針は、経営責任を担うトップマネジ
     メントが定め、メンバー全員に浸透させるのが一般的です。

     しかし代理店の実務においては、トップから一方的に示達するというマネジメ
     ントスタイルが馴染まないこともありますので、コミュニケーションを十分に取っ
     て全員が納得して業務に邁進できる環境作りを心がけてください。

     なお、丁寧なサービスや迅速な対応といったことを行動指針等に掲げる代理
     店であっても、財務上の制約等により、一時的にはコストダウンを優先して利
     益を確保するという方針のもとにサービスレベルの引き下げを余儀なくされる
     ことも現実にはあり得ます。

     このようなケースでは、自店を特徴づけるような核となるサービスについては
     水準を堅持し、周辺の付帯的なサービスを大胆に切り落とすことでコストダウ
     ンを実現する、などといった工夫が求められます。

     ●ポイント
      1.理念やビジョンを実現するために自店が進むべき方向を指し示すのが
        経営方針
      2.通常は、社長が方針を定め、取締役会の承認を経て全社に伝えられ、
        共有される
      3.積極的な成長路線を歩むのか、堅実に利益確保に努めるのか、
        といったレベルで語られることもある

   2.目標設定の際に留意すべき点
     代理店に限らず、「売上10%アップ」、「新規開拓300件」など、結果として目
     指すべき数値目標だけを掲げるケースがよく見受けられます。

     このような目標は掛け声としては威勢良く響きますが、単なるスローガンに留
     まってしまうことも少なくないようです。

     結果としての数値目標を示すだけでは、振り返る段になって、「110%達成、よ
     くやった!」とか「達成率95%、次はもっと頑張ろう!」といった精神論めいた
     評価・総括を招きがちで、組織力の強化にはなかなかつながりません。

     ゴールに向かって着実に歩みを進め、組織全体の業務遂行力を持続的に高
     めていくためには、「どうやって」に相当する手段を、「なにを、どうする」に相当
     する目的と合わせて考えることが効果的です。

     上記の例では、売上を6千万円から9千万円に50%増加させるという目的に
     向けて、
      @お客様の増加
      Aお客様一人あたりの契約増
      B契約あたりの手数料単価アップ
     といった手段を組み合わせるという形で目標を設定しています。

     また「手数料単価を高める」と言ってもそこに留まるのではなく、より具体的に
     「特約付帯率を高める」、さらには「付帯率アップのための専用リーフレットを作
     る」というように実際の行動をイメージできるように目標を展開しています。

     手段をサブゴールに読み替えることで具体的な施策レベルまで目標を展開す
     ることが容易になり、実現性・達成可能性を高めることができるのです。

  □経営環境分析

   1.自店の強みや弱みを把握
     「比較優位性」を例えば1〜5段階にレベル分けし、「重要性」をA、B、Cの3段
     階にします。

     極端な例で説明すると、比較優位性が一番低い「1」で、かつ重要性が一番高
     い「A」であるテーマは「弱み」と考えられます。

     一方で、比較優位性が「5」で、かつ重要度が「A」であれば、そのテーマは代
     理店にとって「強み」となります。

     このように、競合他社との比較による相対評価と自店における絶対評価をうま
     く組み合わせる方法は、特定のテーマに対する強みや弱みを整理する上で有
     効です。

     ●ポイント
      1.自店の商品知識、周辺知識、社内体制など、強みや弱みについて
        重要なテーマを決める
      2.各テーマについて競合先に対する自店の優位性や自店が優先して
        強化しようと考えるレベルについて整理する
      3.各テーマについて比較優位性や重要性を把握しながら強みや弱みを
        整理して、今後の強化策や改善策を検討する

   2.ビジネスチャンス
     自店のビジネスを取り巻く外部環境分析を行うことで、機会と脅威を見出すこ
     とができます。

     多くの場合、自店にとっての機会や脅威は競合相手にとっても同様に機会・脅
     威となり得るので、戦略を検討する段階では、ただ単にビジネスチャンスがあ
     るからといって飛びついたり、リスクが大きいからといって撤退を決めるのでは
     なく、自店の強みや弱みと考え合わせることが大事になります。

     また、ある外部環境条件が変化するときには、それにつれて他の条件にも影
     響が及ぶことがあるので注意が必要です。

     たとえば、ある地域への人口流入が増えれば新規参入を促進し、景気低迷が
     長引けば消費者は価格に敏感になる、といった関係です。

     貴重なビジネスチャンスを逃さずモノにしていくためには、情報収集のアンテナ
     を張り巡らすとともに、外部環境の変化が自店のビジネスにどのような影響を
     もたらすのかということを考える習慣が重要でしょう。

     マクロ環境の把握について言えば、新聞や雑誌、インターネットなど日常的に
     接するメディアの情報に気を配ることが基本になります。

     地域の情報については、商工会やロータリーなど地域のさまざまな集まりに積
     極的に参加することで、活きた情報に手早く接することができます。

     業界情報や商品情報などについては、商工名鑑や法人会名簿、組合名簿をう
     まく使うなどして効率的に情報収集を行ってください。

     ●ポイント
      1.自店のビジネスに影響を及ぼす外部環境の変化を把握・整理する。
      2.ビジネスチャンス(機会)だけに着目するのではなく、留意点(脅威)に
        ついても、同時に確認すべき日常的に接する情報を自店のビジネスに
        関連付けて考える習慣が大事。

   3.「強み・弱み」と「機会・脅威」の分析をいかに活かすか
     自店が今後いかにビジネスを展開していくかという成長戦略を考えるための材
     料として、自店の「強み・弱み」と市場の「機会・脅威」に関する分析を役立てま
     す。

     市場に魅力的なビジネスチャンスがあって、そこで自店の強みを発揮できそう
     な場合、その機会を捉えた積極策によってビジネスを飛躍的に伸ばせる可能
     性があります。

     チャンスがあったとしても、それを活かす資源や能力の面で競争相手より劣っ
     ている場合、他店に決定的な差をつけられてしまわぬように弱みを克服する
     取組が必要とされるかもしれません。

     市場全体が縮小するなど一般的には脅威だと考えられる環境下にあっても、
     競争を勝ち抜いていけるだけの強みを持った代理店にとっては、他店との違
     いを訴求してシェア向上を図ることが可能になります。

     市場に厳しい脅威があり、それが自店の競争上の弱みと結びついてしまうとき
     は厳しい意思決定を迫られます。

     その脅威が一過性のものであったり、弱みを短期的に克服できるとすれば、コ
     ストダウン等で逆境をしのぐという選択になるでしょう。

     地域産業の衰退など脅威が長期的なもので、当該産業向けの営業ノウハウ
     が他店より劣ってしまうといった場合などは、勝ち目のある領域に経営資源を
     振り向ける必要があるので、その事業領域から撤退することが得策ということ
     もあり得ます。

     ●ポイント
      1.自店の強みを活かした成長戦略を描くために役立てる機会を逃さぬ
        ように補強すべきポイントを明確化する。
      2.事業領域の選択と経営資源の集中を実現するための検討材料とする。

  □経営戦略

   1.経営戦略について
     経営学の用語には軍事用語と共通するもの、そこから出典したものが少なくあ
     りません。
      (例:リクルート=新兵募集、ロジスティクス(物流)=兵站、など)

     それらの中で、もっとも広く使われるのが「戦略」という言葉かもしれません。

     堅苦しい表現で文字面も穏やかなものではないので、つい敬遠したくなってし
     まうような言葉ですが、ビジネス上も有用な概念なので広く用いられているの
     でしょう。

     目的を定め、それをいかに実現するかというシナリオを考えることが、戦略的
     思考の特徴だと言えるかもしれません。

     目的が定まらなければ、それを実現しようなどという発想は生まれず、現状延
     長線上の成り行きに身を委ねることになってしまいます。

     ゴールに向かう道筋を常に考えることが、戦略的思考を身に付けるための近
     道と言えるかもしれない。

     経営戦略を立てるには、どこで戦うのか(成長戦略)、いかに戦うのか(競争戦
     略)、機能間・階層間の戦略をいかにうまく結びつけて具体化するか(戦略の
     連鎖)、といった3つのステップで考えることが効果的です。

     またさらに言えば、理屈を重んじる、事実から目を背けない、過去の成功に安
     住しない、物事を柔軟に考える、といった態度が、戦略立案者に求められま
     す。

     ●ポイント
      1.ビジネスの拡大を図るにあたり、「なにを、だれに」提供するかという
        点に着目して成長の軸足を定める。
      2.自店ならではの魅力をいかにお客様に訴求するかという点に着目
        して「勝ちパターン」を固める。
      3.全体の成長戦略・競争戦略を踏まえて、より具体的なレベルに
        ブレークダウンする

   2.今後注力する市場の決め方
     成長戦略の立案に際して「あれも、これも」と総花的に列挙して、多くのテーマ
     の中に重要課題が埋没して結局どれもうまく進まない、というケースが保険代
     理業に限らず多くの企業で見られます。

     新規開拓するマーケットに新しい商品・サービスを提供しようとした場合、成功
     確率が低くなってしまうので一般的には勧められません。

     確固としたお客様の基盤を持っている代理店であれば、損保だけの取引だっ
     たお客様に生保や年金、投信などのクロスセリングを試みるなどの事業展開
     が無理のない成長戦略だと想定されます。

     逆に、お客様の数は少ないけれども特定の商品・サービスに関してとくに詳し
     いノウハウを持っているという代理店であれば、その強みを活かしてお客様の
     裾野を広げるのが当面の課題となります。

     そして、もっとも基本的なもので、まず第一に検討されるべきものは、現有市場
     深耕戦略だといえます。

     自店の主力マーケットに従来からの得意な商品を浸透させるものであり、市場
     が飽和状態にある場合などを除けば、低リスクで事業拡大を狙えます。

     隣の芝生は青く見えるので、営業エリアを広げたり、新しい商品に目を奪われ
     てしまうこともよくありますが、着実に足場固めをした上で次の展開を考えるの
     が正攻法だと言える。

     ●ポイント
      1.既存商品・サービス or 新規商品・サービス、既存市場 or 新規市場、
        の二つの軸で成長戦略を考える
      2.既存市場が成熟している場合、損保だけのお客様に生保や年金、
        投信等のクロスセリングを試る展開が現実的
      3.特定の商品・サービスに関して特に詳しいノウハウを持っている
        場合は、お客様の裾野を広げる展開が望ましい

   3.今後注力する市場での戦い方
     数多ある代理店の中からお客様に自店を選んでいただくためには、他店とは
     違う自店の魅力を訴求し、納得していただかなければならない。

     さもなければ、たまたま取れた契約は不安定なものとなり、些細なことで失い
     かねない。

     一般に競争優位のポイントは、
      @コスト競争力
      A商品・サービスの差異化
     の二つだと言われます。

     保険業界では代理店のコスト競争力をそのまま商品価格に反映させることは
     できないので、価格に敏感なお客様に対しては、保証内容を必要最小限のも
     のに絞った提案をするなどといった企画力が重要になります。

     このように考えると、代理店が厳しい競争を勝ち抜いていくためには、商品企
     画力・設計力を含めたサービス提供力について独自の価値を構築しなければ
     ならないことがご理解いただけるでしょう。

     どのようなサービスに高い満足を感じるかということは個々のお客様によって
     異なり、すべての潜在的なお客様に最大限のサービスを提供することはコスト
     制約上きわめて困難です。

     ターゲットを絞って自店の特長を打ち出すことが有効な差異化につながる。

     手厚い補償を重視する人、低額の保険料を重視する人、万一のときの親身な
     対応を重視する人、日頃から気軽に相談できる関係を重視する人といった具
     合に、お客様にはさまざまな価値観があります。

     自店の経営理念や行動指針に合致したサービス提供力を備え、適切なお客
     様の層にその魅力を伝えられれば、持続的に高い支持を得られるはずです。

     ●ポイント
      1.お客様に自店を選んでいただくには、自店ならではのサービスによる
        差異化が重要
      2.サービス内容で他代理店に差をつけるためにはなにをすべきかという
        観点で考える
      3.ターゲットとするお客様の層により求めるサービス内容が異なることに
        留意すべき

   4.具体的な戦略の決め方
     代理店の事業特性上、営業ノウハウやお客様や競合などのマーケティング情
     報を基にどのように営業のやり方を考えるか、といった営業戦略が最大の関
     心事となるでしょう。

     営業戦略を上位に置き、人事、情報、財務等に関する戦略を、営業戦略を支
     えるインフラ整備を担うものとして捉えると考えやすいでしょう。

     人的、物的、金銭的経営資源をどのように調達し、いかに配置し、有効に活用
     するための仕組みをどのようにつくるか、が基本的考え方です。

     成果主義を強めて処遇にメリハリをつける、などの施策は、「カネ」という資源
     を優秀な「ヒト」という資源に配分し、その結果、モチベーション向上による売上
     拡大が図れれば、インフラとしての財務と人事の戦略が営業戦略と相互にうま
     く結び付いている例と言えます。

     ●ポイント
      1.最も重要な戦略は営業戦略だと言える
      2.営業戦略を実現させるために、「人事」、「情報」、「財務」などの
        インフラに関わる戦略も必要
      3.具体的な戦略は個別に考えるのではなく、相互をうまく結びつけて
        具体化することが重要

 

代理店経営に不可欠なこと

           

保険代理店に必要不可欠なこと U


  □経営計画の具体的な立て方

   1.中期経営計画の必要性と策定手順
     どんなに素晴らしい経営戦略を練り上げたとしても、それで満足してしまっては
     意味がありません。

     その戦略に沿って実際の行動に移し、目的を達成してこそ、それまでの分析
     や施策が報われるのです。

     建築に例えれば、完成後のイメージを表す完成予想図が経営目標に相当し、
     建物の基本設計にあたるのが経営戦略であり、詳細な施工図や工程表が経
     営計画だと言ってよいかもしれません。

     ある代理店では、年度毎に経営計画書をまとめています。

     そこには、経営理念やビジョンが掲げられているほか、今後数年間の数値計
     画と具体的な行動計画が記載され、より詳細な年度計画に展開されている。

     数値目標を例示すれば、「初年度代手3,000万円、経常利益200万円、継続
     率95%」といった具合で、行動計画には「一般種目50万円以上のAランクの
     お客様には社長が月1回、部長が月2回の定期訪問を行う」といったレベルで
     記載されています。

     ところで、専業代理店で中期経営計画という場合、「中期」とは3年間を目安に
     考えればよいでしょう。

     なお、2年後、3年後の事業環境を現時点で確実に予測することは不可能で
     す。

     したがって、環境変化について当初から幾つかのシナリオを想定したり、1年
     経過時点など途中段階で必要に応じた修正を行います。

     ●ポイント
      1.戦略を具体化、スケジュール化して実現可能性を高めるために必要
      2.行動計画の策定にあたっては、実効性が高く、確実に進捗をチェック
        できる形にすることを心がける
      3.行動計画の実施にともなって発生する費用や投資、そこから得るべき
        成果について計数計画に反映させる

   2.実効性の高い行動計画を立てる際の留意点
     景気低迷が続く状況下では、業績見通しや利益目標の下方修正を当たり前の
     ように繰り返してしまう例がかなり見受けられます。

     予期できないような事業環境の変化にともなう下方修正であれば止むを得な
     いと言えるでしょうが、当初の見込みが甘すぎたり、計画が十分に練れていな
     いといったケースも少なくないようです。

     計画に実効性を持たせるためには、計画の実施に携わるメンバーが具体的に
     なにをすべきか理解していることと、適切な進捗管理によって施策の確認・見
     直しを繰り返すことが重要です。

     「活きた計画」を立てるためには、
      @明確なゴールを見据え(創出価値)
      Aゴールに至る道筋を描く(取組施策)
      Bその道を進むために用いる道具や材料を明確化(投入資源)
      Cゴール到達までの道のりに時間軸を割り当てる(スケジュール)
      Dだれが先頭に立って進むのかを決める(役割分担)
     以上のことが重要です。

     いきなり中長期の計画を立てるのは難しいという場合は、身近な日常業務に
     ついて上記のポイントに沿って整理してみると良いかもしれません。

     繰り返し大過なく実践できている仕事であれば、多くの場合は意識していない
     としても、これらのポイントを押さえた成功パターンができているものです。

     ●ポイント
      計画が「画に描いた餅」になってしまわぬよう、下記の諸点について
      明確に定める
      1.投入資源(インプット)と創出価値(アウトプット)、スケジュールを明確
        にすることで、計数計画との整合性を保てる
      2.具体的で進捗管理しやすい計画とすれば、この枠組みを人事管理上
        の目標管理と一体化できる

   3.年度経営計画(予算)を立てる際の留意点
     予算を立てるときは、前年実績などをベースにして増し分を加減すると考えが
     うまく整理できます。

     ただし前年実績をベースにするとしても、同じことを単純に繰り返したのではジ
     リ貧に陥ってしまうのが普通です。

     時間の経過による収益力の目減り分をどうやって補い、上積みを築いていく
     か、ということがポイントになります。

     この点に着目して具体的な行動計画を作ることができれば、それが計数的な
     予算とリンクします。

     ●ポイント
      1.中期経営計画と整合性のとれる年度計画(予算)とすること
      2.放置すれば目減りする売上見込額と成長に向けた施策の効果を
        考慮した売上予算とすること
      3.過去のコスト構造と新たな取組にともなうコストを考慮した経費予算
        とすること

   4.売上予算の考え方
     売上を単純に分解すると、
      @お客様の数
      Aお客様一人あたり契約数
      B1契約あたり手数料単価
     の3つを掛け合わせたものとして捉えることができます。

     単純な更改業務を繰り返した場合、継続ロストでお客様の数が減少し、等級
     アップで単価が低下してしまうので、年々売上は減少することになってしまう。

     当然、目減り分を補い、さらなる事業拡大を目指して、新規開拓やクロスセ
     ル、アップセルのための営業活動を展開することになります。

     売上予算を組むときには、それらの取組からどの程度の成果を獲得するの
     か、という点について見積もることが求められます。

     さまざまな取組を実践して、その成果について確認していくことによって、売上
     アップに効果的な施策についてのノウハウ蓄積が進み、業績向上と合わせて
     売上予算の精度向上が図られます。

     ●ポイント
      1.旧来どおりの活動の繰り返しでは、通常は前期の売上を維持できない
      2.持続的に成長していくためには、上積みを生み出すための狙いを
        定めた施策が必要
      3.新規開拓・クロスセル・アップセルを表す3つの軸を使うと、取組施策と
        リンクした売上予算を考えやすい

   5.経費予算の立て方
     経費予算を考える際のベースとなるのは、多くの場合、過去の実績値です。

     継続的に事業を営んでいて過去数年のコスト構造が安定的であったならば、 
     経費予算を考えるには、売上に連動して増減する変動費と、売上水準に関わ
     らず一定額が発生する固定費とに分けて捉えると良いでしょう。

     費用を固定費と変動費に分別して捉えることができれば、売上水準が変わっ
     た場合に利益がどのように増減するかということを把握できるので、マネジメン
     トの質を高めることができます。

     予算編成とは、別の角度から見れば、自店のコスト構造を設計することだとも
     いえます。

     事業規模の拡大が約束されているような状況下では変動費率を引き下げて固
     定費型のコスト構造とした方が利益拡大という点で有利ですが、売上減少リス
     クを無視し得ない状況では、固定費を切り下げた方が業績安定化が図れる。

     専業代理店では最大の費用項目は人件費となるが、持続的かつ安定的に黒
     字を計上している代理店では、概ね、人件費60%(経営上は50〜55%)、物
     件費30%、営業利益10%といった比率でコントロールできているケースが多
     いようです。

     ●ポイント
      1.現状の自店のコスト構造を把握し、固定費と変動費を区分する
      2.行動計画との関連を踏まえ、意図的に追加する費用や人事・購買
        施策の変更効果などを織り込んで予算化する
      3.業績を安定させるためには、人件費を含めて固定費の水準を引き
        下げ、変動費化を進めることが効果的

  □経営管理の体系図

   1.計画の実現化
     小さなPDCAサイクルの積み上げで大きな計画を実現することが基本です。

     PDCAサイクルの基本的な流れは、
      計画・目標を設定し(P)、
      目標を達成するための手段で職務を遂行し(D)、
      その手段が適切になされたか、効果があったかどうかを点検し(C)、
      必要に応じてその手段を修正・改善する(A)

     目標を達成するために行うこと(手段)を下位の目標と読み替えてより具体的
     な手段へとブレークダウンすると、実現性が高まります。

     ●ポイント
      1.計画を実現するための基本動作は、Plan(計画・目標)⇒Do(手段)
        ⇒Check(点検)⇒Action(修正)を繰り返すこと
      2.目標を達成するために行うこと(手段)を下位の目標と読み替えて、
        より具体的な手段へとブレークダウンする
      3.上司によるトップダウンの管理ではなく、各自の自発的管理がしやすい
        環境づくりを心がける

  □経営管理の要素

   1.経営理念の共有と浸透を図る
     自店は事業を通じて社会に対してどのような価値を提供してゆくのか、といっ
     た経営者の事業に対する思いを従業員が理解していなければ、お客様にも伝
     わりません。

     したがって、経営者は従業員に対して常に経営理念を語り続け、その理念に
     基づいて自らが行動することが大事です。

      ○経営理念を従業員に語り続け、自らも行動し、従業員に分かってもらう
       →経営理念の発信・共有

      ○経営理念が分かった従業員がお客様にそれを伝える
       →経営理念の伝達

      ○お客様はサービスを通してその経営理念に共感する
       →お客様満足(CS)

     一方で、制度や仕組みの中で経営理念を共有していくことも有効な手段です。

     例えば、理念に整合する行動指針にしたがって業務を遂行したか、という項目
     を評価の一つにする方法です。

     中小企業の評価制度にも見られるやり方です。

     また、単純に評価項目にするだけでは十分ではありません。

     理念を浸透させるには、評価結果の処遇(賃金や昇格)への反映、面接による
     フィードバックなどをきちんと行うなど、制度を適確に運用することが大事。

     ●ポイント
      1.一番大切なことは経営者自らが経営理念に基づいて有言実行すること
      2.その経営理念は、従業員に分かりやすく明確であること
      3.社訓などの媒体を活用したり、理念に基づく行動を評価するなど制度
        に取り入れる工夫も有効

   2.計画を実現するための管理手法
     「誰」ではなく、効果を上げるための『手段』と、手段による『効果』を管理の対
     象とする考え方を目標管理の基本とする。

     「誰」を管理の対象にしてしまうと、個人の属人的な手段に管理がとどまり、組
     織全体の手段⇒ノウハウとして共有できない恐れもあるからです。

     その『手段』で業務を遂行すれば誰でも『効果』を上げられる仕組みを創り上げ
     ることは、特定の個人が属人的に短期的な売上を上げることよりも、組織には
     るかに大きく貢献していると言えます。

     また、上司によるトップダウン型の管理ではなく、日々の定常的業務の中で
     『手段』の遂行を担う本人が自発的に修正・改善・遂行を繰り返す自己管理型
     の環境を創ることが大切です。

     したがって、上司の管理者としての最大の役割は、
      (1)このような環境を創ること
      (2)チェックやアドバイスで採用している『手段』を改善するだけではない
      (3)その『手段』を組織としてのノウハウとして蓄積・共有・浸透していく

     ●ポイント
      1.計画進捗に関する事実(行動を実践した事実、効果が得られた事実)
        をチェックするという姿勢が大事
      2.ヒトを管理しようとすると、アラ探しや責任追及に目が向いてしまい、
        事業の推進力が削がれてしまうことが多い
      3.それぞれの役割を担うメンバーが自己管理のもとで業務を推進する
        ことが望ましい

   3.具体的な営業管理の方法
     代理店の競争力は、営業担当者のレベルに依存するところが非常に大きいと
     言えます。

     営業担当者のノウハウを個人的な能力としてとどめておく限り、代理店の競争
     力は向上しません。

     組織全体のレベルアップにつながる営業管理の仕組みが必要となります。
     @PLAN:
       営業担当者の行動予定表を作成し、組織として共有します。
      長期計画ほど具体的な訪問予定は入れられませんが、重要なお客様
      ○○社への拡販といった戦略的な項目や更改予定等予め長期的なスパン
      で分かるものが中心となります。
      短期であるほど具体的になります。(重点訪問先を入れる等)

     ADO:
       営業日報が日常の情報収集のツールとなります。
      報告は口頭ベースで記録を残さない代理店が大半ですが、組織的に
      営業力を高めようとすれば、情報共有化ツールとして営業日報は重要と
      なります。
      ここで得る情報は営業進捗情報等の「セールス情報」と営業戦略のベース
      ともなる「マーケティング情報」の2通りがあります。
     BCHECK:
      「マーケティング情報」は、お客様管理表(お客様データベース)に蓄積し、
      メンバー全員が共有して代理店としての営業戦略を検討するベースとする。
     CACTION:
      上の情報をベースに次の新たな打ち手を講じたり、現在のやり方の軌道
      修正を行い、次期計画に反映します。

     ●ポイント
      1.個人の情報やノウハウを組織としての情報・ノウハウへ
      2.Plan(行動予定)⇒Do(営業)⇒Check(お客様管理)⇒Action(次の
        作戦)が営業管理の基本動作
      3.営業日報から得られるマーケティング情報(お客様・競合・商品・価格
        等)を組織としての営業戦略の素材に

   4.業務分担の進め方
     競争の時代に勝ち残り、お客様から選ばれる代理店になるためには、お客様
     のニーズに的確にかつ迅速に対応し、専門性・個別性の高い企画提案が実施
     できる、安定した組織体制づくりが必要となります。

     また、生損保併売を効率的に推進する意味でも、外勤者・内勤者の業務が適
     切に分担され、個々の時間を最大限に活用できるような体制の確保が望まれ
     ます。

     なお、個々の時間を最大限に活用できるような組織体制も大切ですが、個々
     の時間をうまく捻出するための「時間管理」も重要です。

     時間を捻出するということは、なにかをやらずにすませてより価値の高い仕事
     のために時間を生み出すことです。

     そのためには、
      @仕事の優先順位をつけること
      A計画を立てること
      B計画どおり仕事をこなすこと
      C業務遂行にあたり工夫すること
     といった基本動作を習慣づけることが大事です。

     この基本動作をしっかり守りつつ、自分なりのテクニックで時間管理を行うこと
     が望ましいと言えます。

     ●ポイント
      1.組織の拡大に伴い、機能ごとに業務を切り分けて分業体制を構築
        できれば、各人の業務効率の向上が期待できる
      2.各人の得意な部分をうまく組み合わせて補完的な関係を作れれば、
        組織全体のレベルアップが図れる
      3.業務をマニュアル化し、特定の人だけでなく、全員でノウハウを共有
        できるようにしておく

 

業務のシステム化

         

業務のシステム化

  ■業務のシステム化

   Work smarter, not harder.
   (首から下を使って働くのではなく、首から上を使って働こう)

   なぜシステム(マニュアル)化をしなければならないのか?

   顧客を獲得した後、その顧客をサポートしていく強固な組織体制を持つためには、 
   業務のシステム化が必須です。
    
   システム化を行うことによって、小数の限られた組織であっても収益を確保できる体制
   にすることができるのです。

   また社員がストレスを感じることなく、効率的に仕事ができる労働環境が整えられます。

   売上が伸びると、人を採用することで各人の業務が滅って余裕がでてくると考えがち
   ですが、実際は逆で、社員数に比例して、業務は複雑化し、仕事量が増えるという状況
   に陥るのです。

   その結果、売上は伸びるが社員の忙しさは変わらず、収益率は悪くなる一方です。

   マニュアル化 = 業務のシステム化です。

   つまり、誰に代わっても同じ結果をだせるシステムをつくることです。

   業務システム化の典型はマクドナルドに見ることができます。

   マクドナルドは、どの店にいっても対応も味も変わらない。

   しかもその均一なサービスを提供している担い手は、アルバイトの社員です。

   つまりマニュアルを通して業務をシステム化することにより、経験の少ない社員を使っ
   ても十分な仕事ができるようにしているのです。

   このように誰でもできるシステムを作ってしまえば、組織が柔軟に拡大できるから、
   急速な成長にも対応できることになります。

   多くの会社は日々の業務に追われ、マニュアルを作ったり、研修をする時間をとる
   ことができません。

   結果、「仕事は自分で覚えるものだ」といって、新人をほったらかしにしてしまいがち
   です。

   自分で覚えないような人間は「だめなのだ」と考えがちになるのです。

   業務システムなど一切作らず社員に対して、時間がたてば自然に仕事を覚えて、自分の
   代わりになってもらえるだろうと期待するのです。

   しかし現実には、いつになってもトップ・幹部の望むような「人財」になりません。

   少しでも込み入った内容になると、対応できず、すぐに質問してくるので、説明するより
   は自分でやった方が早いので、自分でやってしまう。

   結果的に社員はいつまでも仕事を覚えないという悪循環にはまってしまいます。

   「仕事ができる、できない」は社員当人の能力であると片付けられ、評価されてしまって
   います。

   仕事を覚えないのは、社員の能力のせいではなく、覚えさせる機会を与えていなかった
   のです。

   代理店の多くが、毎週1 回、業務の改革・改善ミーティングと称し、現在の務の問題点
   と解決策を、全員で議論しています。

   すると「日々の営業成績を璧にはろう!」「営業レポートの作成を自動化しよう!」 
   「日報の記載を紙から、コンピュータで見られるようにしよう」と様々な改善策が社
   員から出されます。

   しかし、決して実行できていないでいます。

   その理由を考えると、まず忙しいということである。

   関係する社員のスケジュールを合わせ、打ち合わせをするだけでも難しい状況です。

   さらに中長期にわたる業務改善は計画が必要になるので、計画を作成するのに時間
   がかかる。

   計画はできたが、計画を進めるためには常にチェック・コントロールするコーチが必要
   になってきます。

   「業務を改善しよう!」と声をあげるまではいいのだが、ほぽ100%実行できない。

   結局、効果が上がらないので、業務改革ミーティング自体、尻すぽみになり中止に
   なってしまうのです。

   簡単なものでいいから、仕事のやり方を明確に伝えていくマニュアルがあれば、短期
   間で仕事を覚えるようにできます。

   簡易マニュアルを作ることによって、考えもしなかったメリットを得ることができます。

    1.研修時間が短くても、効率的に商品を覚える。
    2.「仕事の品質」が「人の品質」によってあまり左右されなくなる。
    3.現状が明確化されるので、問題点を改善させることがスムーズである。
    4.「役割分担」* ができることで、トップ・幹部はより考える仕事に集中できるよ
      うになる。
    5.役割分担の確立により無理なく増員ができる。
            * 役割分担:「人に仕事を付ける」から「仕事に人を付ける」やり方

   完璧を目指したマニュアルづくりはムダです。

   マニュアルというのは、完璧である必要はありません。

   要するに、仕事の内容を明確化して、第三者でも仕事の流れを短時間に把握できる
   ようにすることが目的です。

   業務のシステム化に終着点はありません。

   事業を営む限り、常に改善し続けていくものです。

 

小規模組織の戦略

         

小規模組織の戦略


  ■小規模組織の戦略

   代理店業の多くは小規模な組織です。

   その小さな組織で勝ち残っていくためには、大規模な企業と同じやり方をやっていては
   勝ち残っていくことは困難です。

   しかし、現実には多くの代理店が規模の大きな代理店と同じやり方をやっているの
   です。

   ランチェスターの法則をご存知でしょうか?

   元々第二次大戦における米国の上陸作戦などの戦略として使われましたが、その後
   経営管理やマーケティング戦略に応用されることになりました。

   そして、強者の戦略としてより弱者の戦略として、この法則は生かされていったよう
   です。

   それでは、弱者の戦略を自店に導入していくためのポイントを列記してみます。

    1.営業エリアを狭くする(地域一番を目指す)
      営業エリアを広げれば市場が大きくなり、見込み客が増えると考えがちです
      が、移動時間や日々の社内業務を加えると、収益を上げるための時間はま
      すます減ります。

    2.売る相手を絞る
      相手が法人と個人では営業のやり方も違ってきます。

      法人の場合、業種・従業員数・エリアで絞ってやってみることをお勧めします。
      業種を絞り、その業界を調べることを続けることで、その業界に関して専門家
      になることもできます。

      客層を絞らず「誰にでも売る」は強者のやり方です。

    3.お客様との接点拡大
      顧客や見込み客と年間10から12回以上、コンタクトをとる。

      バースデーカード、季節ごとの挨拶カード、礼状、絵はがき、ニュースレター、
      創立祝い、経営情報、等々。

      コミュニケーションを頻繁にとることは、とても、とても大切なのです。

      一回だけの接触では、最小限の効果しか得られません。

      しかし、接触を繰り返せば、その接触回数以上のプラスの効果が得られます。

    3.注目を集める
      名刺、会社案内、パンフレットすべての媒体で、あなたが注目される工夫を
      凝らすことが必要です。

      商品を売り込むのではなく、あなた(会社)を売り込むことです。

      そして、お客様にあなたの価値を実感してもらい、無くては困る存在であるこ
      とをアピールすることです。

      顧客が移り気である理由は、あなたよりも他社のほうが自分に注意を払って
      くれるからに過ぎないのです。

    4.計測する
      送信先の会社データ(情報)を収集し、データの精度を上げていく。

      送信した件数、見込み客の獲得件数などの営業におけるコスト、効果が明
      確化する。


   収益を上げている代理店に共通するひとつに商圏を絞っていることが挙げられます。

   効率・効果を考えても、「絞り込む」営業を実践していく必要があります。

保険代理店にとってのシステムとは

           

保険代理店にとってのシステムとは


  ■システムとは

   システムとは「ひとりでにそうなってしまう仕組み」です。

   個人が特別な努力や配慮や留意、あるいは注意をしなくても、いつの間にかあるべき
   結果が出るような慣習やしきたりのことである。

   それは裏返せば、適切で有効な標準化ができることである。

   トップセールスマンではない営業パーソンにとって、凡人でもできる営業の仕組みを
   築くことが結果的にトップセールスマンへ近づくことであり、組織化代理店の目指す
   仕組みでもあるのです。

   会社(店)が事前に見込み客開拓をすることで、アプローチする訪問先は決まって
   おり、買い手も訪問動機を既に承知した環境が出来上がった状態である。

   訪問時には、買い手は興味関心を持っており、売り手である代理店(営業担当者)は
   セールスマニュアルに沿って質問し、購入するかどうかの見極めをし、クロージングに
   持っていくだけでいいのです。

   会社(店)は、「顧客」「見込み客」「顧客の流出防止策」「顧客との接触拡大策」
   「顧客への情報提供」「顧客の会員化推進」「ユニバーサル(全地域一律)サービ
   スの提供」等を営業担当者に提供し、バックアップ(顧客とのより良いリレーショ
   ン・シップのための環境づくり)をしていく。

   営業担当者は集中して収益に直結した営業(契約締結)に専念できる。

  □ビジョン・ミッション(使命感)の共有
   会社(店)はスタッフ全員に機会あるごとに仕組みの全体像を示し、ビジョンを伝えて
   おかなければならない。

   常にビジョンや目的や夢を全員で共有することが必要不可欠である。

    ・全スタッフが制度(仕組み)の役割を認識し、継続実行していく。
    ・制度環境をよりよいものにするための改善・改革に全スタッフで協力体制を築
     く。
    ・会社(店)は、やりがいと満足を全員で分かち合い、ビジョンを達成できれば全
     員が報われることを示す。
    ・会社(店)は、全員のやる気を引き出し、率先して、全員が進んで責任を引き受
     ける空気をつくりだす。
    ・ストレスや仕事の負担を一部に集中させない。
    ・楽しい雰囲気作りをして、成功への途上で出てくる苦しさを楽しめるようにす
     る。
    ・たとえ小さなことでも成功を祝福し、優れた業績には報いる。

   組織の柱とも言うべき理念、ビジョン、ミッションをないがしろにはできない。

   事業経営を継続していくには共有する指標がなくてはならない。

   全員が御旗の元に、何のためにこの仕事をしているのかといった明確な支えが必要
   なのです。

   ビジョンを、現実的かつ純粋な気持ちで、わかりやすく伝え、共有しなければいけ
   ません。

   そして達成可能であることです。

   到達できないような目標では、いっときやる気になってもすぐ冷めてしまう。

   目標(目的)達成のために、継続実行していくには現実的かつ魅力的な、現在よりも
   望ましい結果が期待できる未来像を全員で描き共有していく必要があるのです。

   そのことを、会議の席等で繰り返し認識しあう。

   代理店業に限らず、商売は人対人の関係であり、どんなに素晴らしいシステマ
   ティックな仕組みであっても、仏作って、魂入れずになってしまっては、組織が無機質
   で、用を足さない器だけになってしまう。

   そのためにも、達成可能な夢を、全員で共有してこそ理想的な組織化された代理店の
   構築が可能となるのです。

   皆カネだけのために働いているわけではない。

   社会貢献という使命を担うといった思いを共有し続けることで、組織の歴史を創造して
   いくのです。

  □達成可能な経営計画の策定
   羅針盤のない船(行き当たりばったり)で航行できるはずがない。

   経営計画書は、計画的に経営を推進し、目標とする成果を収めるためのもの。

   その計画は達成可能な計画か。

   単なる願望的数字の羅列ではなく、その目標を達成するためのアクションプランが
   具体的に明示されていなければならない。

   「計画無きところに実行なし、実行無きところに成果なし」である。

   そして、計画の進捗状況を随時チェック・コントロールし「決められたことを決められた
   通り実行するための仕組み」のもとで目標に向かう。

   経営計画を確立することにより、場当り経営からの脱却を図り、計画経営がより達成
   可能な計画となるのです。

   最重要課である経営計画の作成は、目標数値となる根拠となる数値を出さなければ
   ならない。

   例えば、前年度対比2、5倍の増収を図るためには、当然、営業活動自体も2、5倍に
   しなければならないわけだが、多くの代理店の発想は、営業活動を単に2、5倍が
   んばるといったことに等しいものなのです。

   このことからも代理店の行動がいかに無計画であるかがよく分かる。

   また、計画を立てても、計画自体が途中で頓挫しているのが現状である。

   経営計画は、組織が、その夢に向かって、計画的に経営を推進し、目標とする成果を
   収めるためのものです。

   単なる願望的数字の羅列ではなく、その目標を達成するためのアクションプランが
   具体的に明示されていなければならない。

   長期経営計画(5年)、中期経営計画(3年)、短期経営計画(1年)に区分して立てて
   いく。

   長期経営計画(5年)、中期経営計画(3年)は失敗とムダの確率をなくし、進むべき
   道を見失わないためのものです。

   代理店が、保険を事業と認識するのには欠くことができない。

   期間計画 (1年)は月・週・日の行動計画の実行により、達成可能となる。

   経営計画の作成には2〜3ヶ月の期間を要するが、多くの代理店が計画作成に1週間
   やそこらで仕上げていることを見聞きする。

   計画作成で困難を極めるのは、目標数値となる根拠となる数値をだすことである。

   例えば、前年度が1000万増収で、本年度は前年度の2.5倍2500万の増収目標計画
   であれば、営業活動自体も2.5倍にしなければならない。

   去年と同じことをしていて、売上が2.5倍になるというのは、奇跡が起らない限り
   ありえない。

   目標達成のためには営業として、様々な事項を決定していかなければならない。

   前年対比2.5売の目標を達成するには、新規顧客(口座)をどれだけ獲得しなければ
   ならないか。

   上記の新規顧客数を獲得するため、@見込客がどれほどいなければならないか
   Aどの商品で見込客を獲得するかB見込客をどのように集めてくるのか(既存顧
   客の紹介から何件、広告宣伝から何件、DMから何件)そして、@既存客からど
   れだけの増収を得られるのかAどの新商品を導入するのかB商品毎の増収目
   標はどうするのかCキャンペーンを何回すればいいのか をより具体的に行動計
   画に落とし込まなければならない。

   この計画作成こそ、代理店が目標達成に向け、何を、どのようにしなければといった
   明確な行動が目に見えるようになる。

   あとは計画どおり、もくもくと行動をすることができることになる。

   行動を確実に行うことにより、計画が実現に近づく。

  □アライアンス
   保険商品に大きな差異のない状況で、同業他店との差別化を図っていくには専門家
   とのアライアンスが欠かせない。

   専門家との提携は保険を契約するための手段だけではなく、その問題・悩みを解決
   していく過程で複数のビジネスを発生させるためのものです。

   彼らとの提携は、保険ビジネスをより幅広いもの(リスクマネジメント)にかえるも
   のです。

   士業、FP、工務店、整備工場等とはきちんとした契約書を交わし、お互いが対等
   な立場で、より良い関係を築く。

   彼らには、我々の仕事に協力してもらい、我々も彼らの仕事に協力していく態勢を
   築く。

   要は、お互いに相手分野の営業マンになってもらうことです。

   アライアンスを組むことで、お互いが成長・繁栄することを理解してもらうことです。