営業マニュアルの作成手順

セールスマニュアルの作成

セールスマニュアルの作成

  ■セールスマニュアルの目的 
   メーカー、商社を問わず、最近は新製品の開発が盛んになっています。
   製品のライフサイクルも短期化しており、いかにして最も効果的なセールスを
   行うかがいっそう重要になってきています。
   そのためにはセールス・マニュアルの整備が欠かせません。 
   セールス・マニュアルを作る目的は、作る会社、作る対象によってさまざま
   ですが、要約すれば次の通りです。

   1.セールス活動を促進するため 
    販売調査、販売計画、販売活動、納品、代金回収、販売記録、販売テクニック、
    クレーム処理、広告宣伝、販売事務処理基準など販売活動に関するすべてを
    示し、セールス活動を標準化、効率化して促進するために作成します。

   2.セールスパーソンの指導教育に役立たせるため 
    セールス・マニュアルは、セールス活動の経験により積み上げられたエッセンス
    がまとめられているので、新人のセールスパーソンはもとより、中堅セールス
    パーソンに対しても知識・技術情報などを的確に指導することができ、
    研修用テキストとしても使えます。

   3.販売促進ツールの一部とするため 
    セールス・マニュアルは、セールスパーソンの日常の活動に役立つとともに、
    マニュアル自体が企業秘密として支障のない場合には、取引先に対して自社の
    経営方針、経営理念を伝えられるうえ、価格表や商品紹介といったカタログの
    役割を果たします。
    この目的のためには、装丁、レイアウトなどに工夫する必要があります。

   4.販売管理規定の一部とするため 
    日常の業務処理の標準化を図って、その効率化に役立たせるとともに、
    業務の処理基準を明確に示し、セールス活動の逸脱やミスを防止する業務
    管理規程の一部として利用すれば、販売管理の徹底を図ることができます。

   5.ジョブローテーションなどをやりやすくするため 
    セールスマンに限らず、長期間同一業務に従事すると往々にしてマンネリに
    陥りやすく、そのため業務推進が停滞するケースがあります。
    そうした場合、配置転換はマンネリ化打破の一手段となり、しっかりした
    マニュアルがあればローテーションもスムーズに行うことができます。

  □セールスマニュアルの種類 
   セールスマニュアルをその内容によって分類すると次のようなものが挙げられます。

   1.セールス活動の順序からみると
    (1)販売調査・販売計画に関するマニュアル 
     これは、市場調査の企画・立案、実施の要領、得意先の選び方とその基準、
     得意先の信用調査の方法とその基準、販売予算管理の手続き、マーケット
     情報の収集とその分析方法などが内容となります。

    (2)訪問、受注応対に関するマニュアル これに含まれるものとして、
     セールスマンの商談心得、接客応対・電話応対マナー、顧客心理のつかみ方
     などがあります。

    (3)商品管理と配送に関するマニュアル 
     商品受け払い事務要領、品質維持のための管理基準、商品の梱包、包装の
     要領、商品の陳列の要領などです。

    (4)代金回収に関するマニュアル 
     集金事務要領、代金回収応対心得、貸し倒れ予防についての知識と発生
     した場合の法的処理の要領、特殊な回収手続き要領などです。

    (5)販売促進に関するマニュアル 
     販売促進のポイントと実施要領、広告宣伝業務の処理要領、代理店の販売
     促進要領などが含まれます。

   2.営業の職位別という観点からみると
    (1)営業部長、営業課長などの営業管理職を対象としたマニュアル
     これには、経営方針、販売方針と指示に関するもの、営業担当管理者の
     心得、部課員の教育訓練の要領、部課員の考課基準などが含まれます。

    (2)一般営業員を対象としたマニュアル 
     営業担当員の執務心得、営業事務の処理基準、販売に関する文書作成要領
     などが主体となります。

  □セールス・マニュアルの形式
   セールス・マニュアルは、前項のように、その作成目的によりさまざまなものが
   考えられます。

   セールスパーソンまたはセールス管理者の技術的な能力の向上に主目的がおかれる
   ため、テキスト風にまとめられたものが多いのですが、実際のセールスの場面は
   広範多岐にわたり、すべてがマニュアルどおりとはいきません。

   そこで、応用が利くように、できる限り規制・規定化することなく、変化する
   環境に適応しやすくする必要があります。 
   従って、セールスマニュアルはあくまでセールスパーソンのハンドブックあるいは
   ガイドブックとなるように心がけるべきです。

   情報化社会といわれる今日、いかにして読みやすく、親しみやすくするかを
   主眼として作成することが必要です。 

   読みやすくとは、難しい用語をできるだけ少なくし、話し言葉を使って書かれた
   ものであり、親しみやすくとは、文字だけでなく、絵や写真、マンガなどを使用
   して全体的な視覚に訴えるものです。

   また使いやすくするために、ルーズリーフ形式、カード形式、手帳形式、
   メモ形式、ビデオ形式を利用して作成します。

  □セールス・マニュアルの作成順序 
   セールス・マニュアルの作成順序は、
    1.方針・企画の確定
    2.材料・資料の収集 
    3.作文・編集
    4.印刷・配布
    5.サービスマニュアル使用状況の調査
   となります。 
   この順序に従って、留意する点を挙げると次の通りとなります。

   1.方針・企画の確定 
    セールスマニュアルを本格的に作成することは予想以上に手間がかかり、
    でき上がったセールスマニュアルの良否は、最初の段階においてしっかりと
    した方針が立てられているかどうかで決まります。
    方針を確定するに当たって明確にしておかなければならない事項は、次の
    ようなものです。

     (1)何を目的として作るか、セールス・マニュアルに何を期待するか
     (2)誰を対象として作成するか
     (3)どんな項目をどのような重点順序で取り上げるか
     (4)どのような編集方式を採用するのか
     (5)体裁は、どのようなものにするのか
     (6)作成は、どこが担当するのか 

    以上を骨子とした方針が定まったら、次は作成する担当者を選定します。
    セールス・マニュアルの作成には、専門的な知識と経験が要求されますし、
    表現能力の優劣も重要です。

    作成者は、企画担当の幹部、営業担当の幹部あるいは教育を担当する部門
    の幹部が中心となることが多く、これに技術関係者、ベテランのセールス
    パーソン、経理係員などの関係者が協力して作成します。
    このほかに、作成の準備段階においてあらかじめ十分に考慮すべきことは、
     (A)いつ作るか 
      新入社員の研修期間に合わせて作成するのか、展示会または季節
      的なキャンペーン用として作成するのかなどです。

     (B)どこで作成するか 
      マニュアルを作成する環境もマニュアルの質に影響するところ大です。 
      作成されたマニュアルがどこで使われるかも考慮する必要があります。

     (C)いくらかかるか 
      どれくらいの経費で作成できるのか。
      マニュアルは、金のかかったものがよいとは一概にいえないのです。
      必要なものを簡潔にまとめることが大切になります。

   2.材料・資料の収集 
    マニュアルを作成するうえで、同業または類似他社のマニュアル、セールス
    関係参考書、官庁、業界、社内の統計などを平素から心掛けて収集します。
    営業の職務内容を十分に調査、整理し、関係者の意見も取り入れ、同時に
    外部の専門家のアドバイスを得ることが、本当に使われるマニュアルを作り
    上げるために必要なのです。
    特に現場関係者の意見を取り入れ実情に合ったものを作成することが大切
    です。

   3.作文・編集 
    十分な材料、資料が集まったら、これを整理して編集する作業に入りますが、
    専門別、部門別に分業することが効率的です。
    文章、文体はつとめて簡潔なものとし、一般的でない外国語などの使用は
    できるだけ避け、口語体でまとめます。
    また、マンガなどを利用すると親しみやすい内容になるでしょう。

   4.印刷・配布
    体裁とか印刷の形式については、作成部数、作成予算、作成日数、使用目的
    などを考慮に入れたうえ、最適なものを選びます。
    セールスマニュアルには、営業戦略事項などが含まれるため、配布に当たっては
    一連番号を付して配布先を管理する必要があります。
    配布はテキストとして使用する場合を除き、必ずしも全員に対して行いません。

   5.セールスマニュアル使用状況の調査 
    作成されたマニュアルもその目的によって、長期間継続して使用されるもの、
    展示会などの一時期のみの使用で終わるものとがありますが、継続使用を目的
    として作成されたものは、原則として年一回は点検する必要があります。
    また、実際の使用、活用状況について適時調査を行い、必要に応じて改訂して
    いくことが長く使われるマニュアルにするポイントです。

  □セールスマニュアル作成上の留意点 
   セールスマニュアル作成上の留意点は、次の通りです。

   1.何でも分かる 
    セールスマニュアルは、セールスパーソンにとって常に身近に置くハンドブック
    辞書のようなものに作成されなければいけません。
    セールスパーソンに必要な法律、経済知識、業界の事情、ビジネスマン用語、
    マーケティング技術など分からないことはそのセールスマニュアルを開けば、
    何でもわかるというようにしておけばマニュアルに対する利用度と信頼度は
    高まります。

   2.販売促進用具として活用 
    商品などのセールスポイントや他社製品との比較テスト資料、応用使用例
    など、セールスツールとなれば活用されやすくなります。

   3.現代的なセンスで作成 
    市場は絶えず変化しており、特に最近の環境変化は激しくなっています。
    市場にマッチしないマニュアルは使用されなくなります。
    そのため、作成者のセンスを磨き、マーケットの事情に明るい人、若い世代
    の人を編集に加えて作成することが必要です。

   4.現場に密着した材料を多く集める 
    セールスの現場の新しい材料をできるだけ多く集めて、実態に合ったマニュアル
    を作成します。

   5.実際の使用効果を確かめる 
    利用価値があると信頼されるためには、実際に使用して効果を試してみる
    ことが大切です。

   6.最初からあまりレベルの高いものを望まない 
    教育効果の点からみて、多数の標準的セールスパーソンをレベルアップする
    ことのほうがより効果的です。
    最初から完璧を望んでも無理で、逐次改訂して、より完全なものに近づけて
    いく方が実際的です。


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営業マニュアルの作成手順

営業マニュアルの作成


  営業マニュアルとは、社員の場当たり的行動を無くし、より確実に営業活動が進められる
  ように工夫した営業の手順方法です。

  営業マニュアルの作成、活用は中小企業にとっての緊急課題です。
   
  ■営業力強化の仕組み

   「お客様にとって、あなたの会社の商品やサービスを購入することに何かメリットが
   ありますか?」。

   自社と他社との違いを明確にしたうえで、これを分かりやすく説明できるなら、あなたの
   会社の商品・サービスは、まず間違いなく競争力のある商品といえます。

   顧客にとって購入するメリットのある商品・サービスとは、顧客のニーズを満たし、
   企業、彼ら(彼女ら)の抱える不満や困ったことなどを解決する商品・サービスだから
   です。

   絶えず顧客の現場に赴いてそのニーズ、不満、困ったことを独自につかみ、かゆいところ
   に手が届く商品を開発する手法です。

   開発費用があまりかからず、しかも商品の独自性を発揮できるため、中小企業には最適
   です。

   例えば、
    ・ 自社商品、自社技術を他の市場に適用できないか、1つ1つしらみつぶしに当ては
      めて商品開発を行う

    ・ ライバル企業が開発した商品を若干改良して市場に出す

    ・ 顧客ニーズを独自につかみ、自社の固有技術でもって新たな商品開発を行う

    ・ 顧客ニーズを独自につかみ、顧客のかゆいところに手が届く商品を開発する
     また、目に見えない、形のない商品であれば、それを視覚化することです。

   目で見えるからこそ、信じられるのです。

   人は耳で聞いたことより、目で見たことのほうをずっと早く信じ込んでしまうのです。

   あなたの名刺は、身だしなみは、電話の応対は、約束時間の厳守は、言い訳をしていな
   いかを見直してみましょう。

   あなたの目に見える部分は、あなたが売ろうとする商品・サービスという目に見えない
   ものを、どう代弁しているでしょう?

   お客様の耳より、目を意識しよう。

   これらはサービスを視覚化しでくれるものです。

   あなたも買い物をする時、まずはよく見て確かめて買うはずです。

   だから、見込み客が目に見えない商品を買うのをためらうのも当然なのです。

   となれば、目に見えることにこだわるべきです。

   営業力強化はお客様が買いたいと思う仕組みをつくることです。
 
   しかし、顧客があなたの会社の商品やサービスを購入することによって、何のメリット
   があるのか明確に説明できる商品開発をしても、それで必ず商品は売れるでしょうか?

   答えは「NO」です。

   たとえ、お客様が「いい商品だ」と思っても、購入に至るまでには価格的な不安、購入後
   の実際の効果、商品の操作困難性など、いろいろな障害が存在するからです。

   「もしあなたがお客様であったら、自社の商品を買いたいと思うかどうか――」、この
   基準で売れる商品かどうかを判断します。

   これらの障害を取り除く仕組みを考えなければなりません。
 
   例えば、住宅を購入したいと思う場合、非常に高額な買物のため、どんな住宅を建てて
   くれるのかかなり不安になります。

   大手住宅メーカーであれば、モデルハウスを持っているので、それを見ればお客様は
   安心です。

   しかし、中小の工務店であれば、建築コストおよびその後の維持費がかかりすぎ、
   モデルハウスを持つことは通常採算が合いません。

   そのような会社から住宅を購入するには非常に不安があります。
 
   では、モデルハウスを持てない中小の工務店はどうすればいいのか、仕組みを考える
   必要があります。

   住宅購入後、1年以内であれば家も新しく、通常、室内も掃除が行き届き非常にきれい
   になっています。

   このような住宅にお客様を案内すればどうでしょうか。

   例えば、このような住宅の主婦に、ひとり案内すれば5,000円を支払うという契約を結べ
   ば、この不況下、快く引き受けてくれるケースが少なくないと思われます。

    家をきれいにしてお客様を迎え、しかも、家の自慢話までしてもらえれば宣伝効果は
   絶大です。

   高額なモデルハウスを建てるよりも、この方法のほうがはるかに安くつき、しかも効果が
   大きいとは思いませんか。 

   営業力を強化するためには、お客様が商品・サービスを購入する際の様々な障害を
   把握したうえで、それを取り除き、商品・サービスを購入しやすくする仕組みづくりを考
   えることがポイントになります。

  ■なぜ、営業プロセスをシステム化しないのか?

   どれだけの中小企業が営業プロセスをシステム化しているのだろうか。

   せっかくあるPC、電話、FAXがまったく生かされず、10、20年前と変わらない熱意と
   根性といった精神論をかざした営業を、今も続けているところが多い。

   トップも自ら営業マンに「俺もやってきた。だからお前も」と叱咤激励しているのが現状
   ではないだろうか。

   こんなやり方を続ける限り、継続的な収益の拡大は見込めないと断言できる。

   狩猟型の刈り取り(説得)営業には限界があるのです。

   営業にはプロセスが欠かせません。

    1.集客(見込み客を集める)

    2.新規開拓

     3.顧客の固定化

      (1)単価アップ

      (2)顧客の流出防止

   お客を教育し、買う気(納得)にさせ、営業マンが刈り取るといった農耕型の循環営業の
   プロセスを構築していくことが急務ではないでしょうか。

  □なぜセールスにおいてマーケティングが重要なのか

    ・経営計画の目標数値に願望的要素が含まれ、画餅に帰してしまう

    ・組織に仕組みがないため、いつまでたってもマンパワーから脱却できない

    ・顧客情報、購入の成否要因などが営業マン個人から組織のノウハウとして構築で
     きない

    ・費用対効果が測定できない

    ・「機械でできることは機械で、人にしかできないことを人がやる」でなければ事業に
     はならない

    ・業務を標準(マニュアル)化しなければ、いつまでも特定の人に負担がかかってし
     まう

    ・役割分担ができておらず(各人の役割が不明確)、人材育成もできない

   以上からも中小企業の多くが弱点としている営業力を強化することはできません。

   中小企業にとって優秀な営業マンの獲得は困難を要します。
 
   また、優秀な営業マンはセンスによるところが多く、そのような営業マンの存在は限ら
   れています。

   そのためにも、凡人営業マンであっても優秀な営業マンと同程度の品質を保つための
   営業プロセスを標準化することをお勧めします。

   『営業の仕組み』づくりは今に始まったわけではない。

   しかしこの標準化を構築し、継続実行している中小企業は数えるほどしかありません。

   逆に大企業の方が業務の標準化は進んでいます。

   本来であれば中小企業の方が率先して導入すべきことなのですが・・・。

   その結果が今の状況になっている。

   システム化は「毎回同じ結果が出せるようにできた手順書」と言えるでしょう。

   今までの経験をもとにして、試行錯誤を重ねながら、入念な計画を立てた上でシステム
   化をすれば、無駄を最少に抑えて最大の効果が得られるでしょう。

   社員が自分たちで判断するシステムが出来上がれば、トップとして本来やるべき仕事を
   実行に移して、大きな利益をあげることができます。

   システム化によって、あなたにしかできなかった大切な仕事を別の人に任せることもでき
   るようになるし、システム化が研修、人材育成を容易にするのです。

   リピート販売に重要なのがカスタマーサービス。

   たとえば、レストランのような業種では、サービスが悪ければお客は来なくなり、すぐに
   つぶれてしまうでしょう。

   サービスの質とリピート販売の量は、次の二つで決まります。

    ・システムの質

    ・従業員の態度とその研修レベル

   システム化ができれば、会社はあなたのスキルに頼らなくても機能するようになり、
   大きな利益を生むようになるでしょう。

   アインシュタインも言っている。
   「同じことを繰り返しながら、違う結果を求めるのは精神異常者だけである」と。 

   過去のやり方・考え方を改め、今のやり方・考え方に変えていかない限り、決して違う
   成果・結果は望めません。

  ■優秀な営業マンの暗黙知』を『形式知』化する 

   優秀な営業マンの営業ノウハウ、知識を組織として共有化し、活用(ナレッジマネジメント
          しない手はありません。

   経験や勘、技術、ノウハウなどの知識(暗黙知)は、これを文章にされていない状態で
   営業マン個人がもっています。

   今まで、優秀な営業マンのノウハウや知識はその個人のセンスであり、感覚的なものと
   して捉えられてきました。

   「なぜ、うまくいったのか」の感覚的なものを他の凡人営業マンでもわかるようにすれば
   組織として独自のノウハウとなります。

   わが国では、昔から「阿吽の呼吸」「暗黙の了解」といった、言葉や文章で表現できない
   感覚的な意思の疎通が行われてきました。

   これを会社が、個々の社員の暗黙知を文章化・図表化・数式化などによって説明・
   表現できる知識(形式知化)として、組織で共有することです。

   そして、これがマニュアルとなるのです。

   営業マニュアルは、その会社における営業活動の基本、ノウハウであり、いわば教科
   書です。

   即ち、その会社の商品や、サービス、日常業務の管理等、標準的な知識や方法を
   文書化すること。  
   
  ■セールスマニュアルの作成

   セールス活動を標準化するためにも自社(店)に営業マニュアルの作成をお勧めします。

   規模が小さいほどマニュアルは必要になってきます。

   最近では新製品の開発が盛んになっており、製品(商品)のライフサイクルも短期化し、
   いかにして最も効果的なセールスを行うかがいっそう重要になってきています。

   そのためにはセールス・マニュアルの整備が欠かせません。

  □セールスマニュアルを作る目的

   作る会社、作る対象によってさまざまですが、要約すると

    1.セールス活動を促進するため

      販売調査、販売計画、販売活動、納品、代金回収、販売記録、販売テクニック、
      クレーム処理、広告宣伝、販売事務処理基準など販売活動に関するすべてを示
      し、セールス活動を標準化、効率化して促進するために作成する。

    2.営業マンの指導教育に役立たせるため

      セールスマニュアルは、セールス活動の経験により積み上げられたエッセンス

      がまとめられているので、新人の営業マンはもとより、中堅セールスマンに対し
      ても知識・技術情報などを的確に指導することができ、研修用テキストとしても使
      える。

    3.販売促進ツールの一部とするため

      セールスマニュアルは、営業マンの日常の活動に役立つとともに、マニュアル
      自体が企業秘密として支障のない場合には、取引先に対して自社の経営方針、
      経営理念を伝えられるうえ、価格表や商品紹介といったカタログの役割を果たし
      ます。

      この目的のためには、装丁、レイアウトなどに工夫する必要があります。

    4.販売管理規定の一部とするため

      日常の業務処理の標準化を図って、その効率化に役立たせるとともに、業務の
      処理基準を明確に示し、セールス活動の逸脱やミスを防止する業務管理規程の
      一部として利用すれば、販売管理の徹底を図ることができる。

    5.ジョブローテーションなどをやりやすくするため

      ジョブローテーションとは社員の能力開発のために、単一の業務ではなく、多
      くの業務を経験させるよう定期的に職務の異動を行うこと。

      営業マンに限らず、長期間同一業務に従事すると往々にしてマンネリに陥りや
      すく、そのため業務推進が停滞するケースがあります。

      そうした場合、配置転換はマンネリ化打破の一手段となり、しっかりしたマニュア
      ルがあればローテーションもスムーズに行うことができます。

  □セールス・マニュアルの種類

   セールス・マニュアルをその内容によって分類すると以下のようなものが挙げられる。

   1.セールス活動の順序からみると

     (1)販売調査・販売計画に関するマニュアル

       これは、市場調査の企画・立案、実施の要領、得意先の選び方とその基
       準、得意先の信用調査の方法とその基準、販売予算管理の手続き、マー
       ケット情報の収集とその分析方法などが内容となります。

     (2)訪問、受注応対に関するマニュアル

       これに含まれるものとして、セールスマンの商談心得、接客応対・電話応対
       マナー、顧客心理のつかみ方などがあります。

     (3)商品管理と配送に関するマニュアル

       商品受け払い事務要領、品質維持のための管理基準、商品の梱包、包装
       の要領、商品の陳列の要領などです。

     (4)代金回収に関するマニュアル

       集金事務要領、代金回収応対心得、貸し倒れ予防についての知識と発生
       した場合の法的処理の要領、特殊な回収手続き要領などです。

     (5)販売促進に関するマニュアル

       販売促進のポイントと実施要領、広告宣伝業務の処理要領、代理店の販
       売促進要領などが含まれます。

   2.営業の職位別という観点からみると

     (1)営業部長、営業課長などの営業管理職を対象としたマニュアル

       これには、経営方針、販売方針と指示に関するもの、営業担当管理者の心
       得、部課員の教育訓練の要領、部課員の考課基準などが含まれます。

     (2)一般営業員を対象としたマニュアル

       営業担当員の執務心得、営業事務の処理基準、販売に関する文書作成要
       領などが主体となります。

  □セールス・マニュアルの形式

   セールス・マニュアルは、前項のように、その作成目的によりさまざまなものが考えら
   れます。

   営業マンまたは営業管理者の技術的な能力の向上に主目的がおかれるため、テキスト
   風にまとめられたものが多いのですが、実際のセールスの場面は広範多岐にわたり、
   すべてがマニュアル通りとはいきません。

   そこで、応用が利くように、できる限り規制・規定化することなく、変化する環境に適応
   しやすくする必要があります。
 
   従って、セールス・マニュアルはあくまで営業マンのハンドブック(アプローチブック)
   あるいはガイドブックとなるように心がけるべきです。

   情報化時代といわれる今日、いかにして読みやすく、親しみやすくするかを主眼として作
   成することが必要です。

   読みやすくとは、難しい用語をできるだけ少なくし、話し言葉を使って書かれたもので
   あり、親しみやすくとは、文字だけでなく、絵や写真、マンガなどを使用して全体的な
   視覚に訴えるものです。

   また使いやすくするために、ルーズリーフ形式、カード形式、手帳形式、メモ形式、
   ビデオ形式を利用して作成します。 

   営業活動を行う場合、多くが場当たり的な行動をとっています。

   中小企業にとって、営業業務を標準化していかなくては、いつまでたってもマンパワー
   から抜け出すことはできません。

   今日の糧を得ることも大切ですが、営業会社にとって自社(店)に「仕組み」をつくり、
   計画を作成し確実に実行することです。 

  □セールスマニュアルの作成手順

    1.方針・企画の確定

      セールスマニュアルを本格的に作成することは予想以上に手間がかかり、出来 
      上がったセールス・マニュアルの良否は、最初の段階においてしっかりとした方
      針が立てられているかどうかで決まります。

      方針を確定するに当たって明確にしておかなければならない事項は、次のよう
      なものです。
       (1)何を目的として作るか、セールスマニュアルに何を期待するか

       (2)誰を対象として作成するか

       (3)どんな項目をどのような重点順序で取り上げるか

       (4)どのような編集方式を採用するのか

       (5)体裁は、どのようなものにするのか

       (6)作成は、どこが担当するのか

      セールスマニュアルの作成には、専門的な知識と経験が要求されますし、表現
      能力の優劣も重要です。

      作成者は、企画担当の幹部、営業担当の幹部あるいは教育を担当する部門の
      幹部が中心となることが多く、これに技術関係者、ベテランの営業マン、経理係
      員などの関係者が協力して作成します。

      このほかに、作成の準備段階においてあらかじめ十分に考慮すべきことは、
       (A)いつ作るか

         新入社員の研修期間に合わせて作成するのか、展示会または季節的な
         キャンペーン用として作成するのか、などです。

       (B)どこで作成するか

          マニュアルを作成する環境もマニュアルの質に影響するところ大です。
          作成されたマニュアルがどこで使われるかも考慮する必要があります。

       (C)いくらかかるか

          どれくらいの経費で作成できるのか。

          マニュアルは、金のかかったものがよいとは一概にいえません。
          必要なものを簡潔にまとめることが大切になります。

    2.材料・資料の収集

      マニュアルを作成するうえで、同業または類似他社のマニュアル、セールス関係
      参考書、官庁、業界、社内の統計などを平素から心がけて収集します。

      営業の職務内容を十分に調査、整理し、関係者の意見も取り入れ、同時に外部
      の専門家のアドバイスを得ることが、本当に使われるマニュアルを作り上げるた
      めに必要なのです。

      特に現場関係者の意見を取り入れ実情に合ったものを作成することが大切です。

    3.作文・編集

      十分な材料、資料が集まったら、これを整理して編集する作業に入りますが、専
      門別、部門別に分業することが効率的です。

      文章、文体はつとめて簡潔なものとし、一般的でない外国語などの使用はでき
      るだけ避け、口語体でまとめます。

      また、マンガなどを利用すると親しみやすい内容になるでしょう。

    4.印刷・配布

      体裁とか印刷の形式については、作成部数、作成予算、作成日数、使用目的な
      どを考慮に入れたうえ、最適なものを選びます。

      セールス・マニュアルには、営業戦略事項などが含まれるため、配布に当たって
      は一連番号を付して配布先を管理する必要があります。

      配布はテキストとして使用する場合を除き、必ずしも全員に対して行いません。

    5.セールス・マニュアル使用状況の調査

      作成されたマニュアルもその目的によって、長期間継続して使用されるもの、展
      示会などの一時期のみの使用で終わるものとがありますが、継続使用を目的と
      して作成されたものは、原則として年一回は点検する必要があります。

      また、実際の使用、活用状況について適時調査を行い、必要に応じて改訂して
      いくことが長く使われるマニュアルのポイントです。

  □作成上の留意点

   (1)何でも分かる

     セールス・マニュアルは、セールスマンにとって常に身近に置くハンドブック(辞
     書)のようなものに作成されなければいけません。

     セールスマンに必要な法律、経済知識、業界の事情、ビジネスマン用語、マーケ
     ティング技術など分からないことはそのマニュアルを開けば、何でも分かるという
     ようにしておけばマニュアルに対する利用度と信頼度は高まります。

   (2)販売促進用具として活用

     商品などのセールスポイントや他社製品との比較テスト資料、応用使用例など、
     セールス・ツールとなれば活用されやすくなります。

   (3)現代的なセンスで作成

     市場は絶えず変化しており、特に最近の環境変化は激しくなっています。

     市場にマッチしないマニュアルは使用されなくなります。

     そのため、作成者のセンスを磨き、マーケットの事情に明るい人、若い世代の人を
     編集に加えて作成することが必要です。

   (4)現場に密着した材料を多く集める

     セールスの現場の新しい材料をできるだけ多く集めて、実態に合ったマニュアル
     を作成します。

   (5)実際の使用効果を確かめる

     利用価値があると信頼されるためには、実際に使用して効果を試してみることが
     大切です。

   (6)最初からあまりレベルの高いものを望まない

     教育効果の点からみて、多数の標準的セールスマンをレベルアップすることのほ
     うがより効果的です。

     最初から完璧を望んでも無理で、逐次改訂して、より完全なものに近づけていくほ
     うが実際的です。

  ■営業マニュアル作成の狙い

   1) 営業活動の基本を身につけさせる。

   2) 営業に関する基礎、知識、ノウハウ
     を短期間に効率よく体得させる。

   3) 行動に指針を与え迷いをなくす。

   4) 技術知識を一定レベルまで引き上げる。

   といった主な狙いがあります。  

  成功する営業マニュアルはその会社固有のノウハウとなります。

  従ってその作成方法は、業種、業態あるいは規模により異なってくるのは当然であり、
  会社の現状、方針や戦略に立脚して作成されるものです。

  マニュアルの内容は、会社の販売形態で大きく異なってくるので、形態合わせて作成する
  ことが肝要です。
   
  □営業マニュアルのブラッシュアップ

   マニュアルが出来上がっても、それがすべてではありません。

   たとえば好況時と不況時を考えても、営業の方法は変わってきます。

   時代とともに企業を取り巻く環境は変わり、売り方も変わっていき、あるときには
   有効であった方法が何年か後にはまったく通用しなくなるという可能性があり、マニ
   ュアルを絶対視するのは危険なこととなります。

   そこで、マニュアルを参考としながらも、つねによりよい営業方法を考えていくこと
   が欠かせません。 

   過去の成功事例にとらわれず、現在の営業体制に合わせて営業方法をアレンジ
   する必要があります。

   新たな営業方法はもちろん、既存の方法を発展させた場合も、その都度マニュア
   ルに組み入れるようにして、営業マニュアルのブラッシュアップをつねに心掛けます。

   以下に具体的事例を交えながら作成方法・手順、骨子となるべき細目を列記します。

   営業マニュアルは具体的に次の骨子で作成していきます。

   1.基本知識及び基本動作

   2.営業管理マニュアル

   3.営業トークマニュアル

 

1.基本知識及び基本動作 


  会社が営業マンに身につけてもらいたい基礎的知識並びに常識を踏まえた基本動作や
  社内ルールを明示します。

  (1) 基本知識

    ①わが社に於ける営業活動(販売の成り立ち)

    ②業界の動向と業界に占めるわが社の位置づけ

    ③商品知識…わが社の商品とは

    ④セールスマンシップ

    ⑤わが社セールスマンの役割と責任

    ⑥わが社セールスマンの条件 

    ⑦自己管理と自己啓発

  (2) 基本動作(12項目)

    ①服装・身だしなみ

    ②準 備

    ③挨 拶

    ④名 刺

    ⑤商談時のマナー

    ⑥電 話

    ⑦報告、連絡、相談

    ⑧営業・ミーティング  

   

 2.営業管理マニュアル 


  営業管理(図)マニュアルは以下の各管理項目を骨子としてまとめあげます。

    1) 目標管理

    2) 顧客管理

    3) 行動管理

    4) 情報管理

 

1) 目標管理(マニュアル)


  ●目標管理マニュアルとは

   ①目標の意義

    ア.達成できる適正なものであること。

    イ.改善向上目標が含まれていること(前年対比○%up)

    ウ.その目標に挑戦し、必ず達成するという執念をもつこと

   ②目標管理の方法

    第1……目標は細分化する。(目標の割りつけ)

          ア.時系列(月、週、日)

          イ.地域別(売場別)

          ウ.得意先別(顧客別)

          エ.商品別

          オ.販促別(キャンペーン別、催事別)

    第2……目標は計数化する。

          ア.金額面での計数化

          イ.数量面での計数化

    第3……目標を行動に直結させ、先行管理を行う。

          ア.行動計画の徹底(スケジュール化)

          イ.3ヶ月先行管理

    第4……残目標の明確化と中間チェック、フォローをすすめる。

          ア.あと○日で幾ら売らなければならないか

          イ.現在の未達分の必達方法の検討

    第5……目標と実績の差異分析し、対策を明確にする。

          ア.目標、実績、差異の把握

          イ.差異の原因分析

          ウ.差異対策

          エ.突破口づくり

          オ.基本動作の型決め 

 

 

2) 顧客管理(マニュアル) 


  これからの販売戦略のポイントは、いかに自社の顧客占拠率(シェア)を高めて行くかに
  あります。

  シェアとは顧客が企業に示した信頼と支持の行動値であり、シェア・アップ戦略とは、自社
  に対する支持率をいかに高めていくかの闘いです。

  いいかえれば、顧客の創造と育成を、どう推進するかにあるのです。

 

3) 行動管理(マニュアル) 


  行動管理は

   (1)行動管理の意義

    ①成果重視の仕事のやり方である。

    ②行動そのものの管理が目的ではなく、効果的管理により生み出される成果を質・量
     ともにアップすることが目的。

    ③自らがセルフコントロールしてゆくもの

   (2)行動管理のポイント

    ①行動管理の意義(ポイント)

    ②行動管理のポイント

     ア.時間を効率的に活用する。

     イ.目的、狙いを定めた販売活動をする。

     ウ.もてる力を重点集中する販売活動を
        する。 

    を主な骨子として組み立てていきます。

   

4) 情報管理(マニュアル) 


  情報管理は

   (1)情報管理の必要性

     ①情報化時代に生き抜く条件

     ②営業活動の展開に直結……(ダイレクト販売)

   (2)情報管理のポイント

     ①良質の情報が大量に収集され、整理、分類、加工、保管されていて、これが常時タ
      イムリーに必要な形態で提供できること。

     ②情報の伝達がスピーディーに、しかも正確に届くようにする。

     ③収集した情報をもとに新しい商品サービスの創造や、研究開発が行われている。

     ④情報からアイデアへの転換ができること。

     ⑤過去のデーター、知識、アイデアを常に改良して補正して蓄積されている。

   (3)営業マンに必要な情報

   (4)見込み客の選別と評価

  を主な骨子として組み立てていきます。

  営業活動を行う場合、多くの代理店が場当たり的な行動をとっています。

  小規模事業所が多数を占める代理店業にとって、営業業務を標準化していかなくては、
  いつまでたってもマンパワーから抜け出すことはできません。

  今日の糧を得ることも大切ですが、代理店を事業として運営していくには事業家として自社
  (店)に「仕組み」をつくり、計画を作成し確実に実行することです。

 

3.営業トークマニュアル 


  営業トークマニュアルは実際の商談の場に於ける話法の展開を明示するものです。

  具体的には、アプローチ → プレゼンテーション → 応酬話法 → クロージングの流れに
  沿って、それぞれの段階毎に話法の型決めを行います。

 

  <作成手順>

   ①インタビュー、営業同行による結果を基に商談の流れを書き抜く。

   ②購買心理の各段階に合わせて、話法の展開や態度・行動、ツールの活用等を見直し、
    加工、整理を図る。

   ③これを標準化し一覧表に作成する。

   ④一覧表に準じて、アプローチ、プレゼンテーション(応酬話法)、クロージングの
     各段階のマニュアルを作成する。 
    
  (1)アプローチマニュアル(アプローチブック
     アプローチについてはさまざまな方法がありますが、集客(見込み客開拓)時にいきなり  
     商品の話から切り出すことだけは避けましょう。

     今の経済環境では特にそうです。

     自身も含め、お客様は自分にメリットがないことには耳を傾けないということです。

     実際の商談の場に於ける話法の展開手順は、アプローチ→プレゼンテーション→応酬話法→
     クロージングの流れに沿って、それぞれの段階毎に話法の型決めをおこないます。

     アプローチは販売の第一段階である。

     自分自身、自社を正しく伝え顧客を正しく把握し、そのニーズを適確に把えること
     を主目的とします。

      ①自己紹介(会社紹介) ― 自信を持って

      ②前置き       ― 落ちつきと誠意をもって

      ③問いかけ      ― おだやかに、気楽に

       ※この段階でのポイントは、プレゼンテーション、クロージングの段階で何に
         ポイントを置いて話をすべきか、又どういう抵抗があり得るかを予め予測
        
する事です。

         現状で認識を誤ると打つべき手を誤るのと同様となってしまいます。

         何を聴取すべきか、その質問内容に充分意を払う必要があります。

     アプローチの場面で、初めてあなたの話を聞くときのお客さまの気持ちは、保険に
     対してマイナスのイメージを持っている場合が多いと考えられます。

     「売り込まれるんじゃないか?」「説得させられるんじゃないか」・・・。

     アプローチの目的は、まずお客さまが持っていると思われる売り込みに対する
     マイナスの気持ちを、プラスの気持ちに引き上げることです。

     アプローチのポイントは、お客さまの気持ちを引き上げ、アプローチを成功させる
     ためには、お客さまの心理的側面に沿って進める必要があります。

     その際の考え方として、「安全の確保」→「同意できる内容の話」→「期待をもって
     次へつなぐ」という3つの段階でアプローチのストーリーを進める方法が考えられ
     ます。

     この流れによって、お客さまにアプローチすることで、「自分の保障について考えて
     みよう」という気持ちにさせ、ヒアリングに進む承諾を得ることができれば、アプロ
     ーチは成功といえます。

     お客さまの気持ちがプラスの状態になっていないにもかかわらず、パンフレットや
     設計書を使って、無理に商品を購入してもらおうとしても、お客さまは真剣に考え
     る気持ちになっていないので、どこかで拒否反応が出てくることになります。 

  (2)プレゼンテーションマニュアル 

    販売の第二ステップは(商品)内容を具体的に説明する段階です。

    プレゼンテーションの重要な点は、顧客に「欲求」を起させることで、商品の明確な
    説明のみでなく、その商品が顧客にどういうメリット(利益)を提供するかも説明し
    ます。

    ①プレゼンテーションの狙い

     ア.明確でなければならない…………誤解のないように

     イ.完璧に説明し得ねばならない……最高の満足をどう満たすか

     ウ.顧客の利益を一番に考えていることを相手に感じ取って頂く。

     エ.顧客の心の中からライバルを忘れさせる……顧客の一番の問題点を解決する
       には、これ以外にないという点を立証する。

    プレゼンテーションの標準化手順

     ア.営業同行等の調査に基づき、現実の商談の流れを表にまとめる。

     イ.当該商品及びサービスに関する情報を集め、セーリングポイント表を作成
       する。

     ウ.表に基づき、セーリングポイントの文を作成。

     エ.購買心理の各段階(興味→連想→欲求→比較・検討)に合わせて話法の
        展開を考える。

    その中に上記セーリングポイントを入れ込む。

   プレゼンテーションで大事なことは、それが単なる「主張」に終わってはいけないという
   ことです。

   確かな裏付けとしての客観的データ写真、自分の言葉を立証するための道具を最大
   限に活用することです。

   それが、プレゼンテーションの成否に深く関与しているのです。


  (3)クロージングマニュアル 

    クロージングは、提案を採用するかしないか、お客さまに決めていただくことです。

    つまり、売り手がお客さまに決断のきっかけを提供するステップとなります。 

    営業の最終目的は、お客様に商品・サービスを購入してもらうことにあります。

    従って営業のあらゆる行動はこの最後の目的に集中しなければならないのです。

    顧客が購入決意を促すことがクロージングのポイントとなります。

    ○クロージング話法のパターン化手順

     ①クロージングに入る段階のタイミングを明示する。  

      例
       <セールス側>

        ・お客のニーズにぴったり合うセールスポイントを提供したとき。

        ・他社にはない最も強力なセールスポイントを説明したとき。

        ・反論をうまく克服できたとき。

        ・デモをしたとき

       <顧客側>

        ・価格、納期、支払条件などについて質問があったとき。

        ・「もっと詳しく知りたい」と申し出があったとき。

        ・前に置いてある製品やサンプルを取り上げて見入ったとき。

        ・確認質問にお客がよくうなずき出したとき。

        ・お客がセールスマンの言葉を繰り返したとき。

        ・周囲の人に声をかけたとき。

        ・両者のフィーリングがピッタリと合ったと思えたとき。

     以上はクロージングのチャンス例ですが、これらは、販売形態を問わず共通したも
     のです。

     但し、営業内容により、クロージングチャンスのタイミングがやや異なる場合がある
     ので、固有のタイミング例を掲げる様にします。

     ②クロージング話法の型決めを行う

      以下に示す4つのクロージング法を応用してその会社独自のクロージング話法の
      型決めを行う。

      (ア) 二者択一法 

        「Aになさいますか、それともBになさいますか。」の二者択一質問法。二つ
        並べて質問されると、よほどの支障がない限り二者択一するもの。

        <例>

         ○数量…「50ダースそれとも100ダース?」(多少多めに!)

         ○納期…「月末と月初はどちらがよろしいですか」 

          「配達は来週の月曜からにしましょうか。それとも火曜からにしましょう
          か」

         ○機種…「機能面からAサイズ、経済性からBサイズといえますが、どち
               らになさいますか」

      (イ) 経験提案法 

        セールスマンが自分の経験を生かしてクロージングする方法。

        日頃の信頼関係が醸成されていればいるほど提案しやすい。

        <例>

         ○「私の経験ですと」…を前置きして提案する。

         ○「お宅様の立地条件を考えますと月々50ダースはかたいと思います
          ので、とりあえず50ダースおもちしましょう。」

         ○「この機種は部屋のコーナーに設置しますとよろしいと存じますのでド
          アと窓の間ではいかがですか。」

      (ウ) 比較法 

        意志決定の遅い客に早く決定を促す為に、競争他社に先がけてお客の意志決
        定に役立つ資料や情報提供し比較させる方法。

        <例>

         ◯営マ「いろいろお話しして参りましたが、私どものシステムの導入に際
          して、何かご不満な点がございますか」

         ◯お客「価格がね、在庫も心配だなあ。納期遅れはない の?」

         ◯営マ「わかりました。ご心配はこの二点でございますね。」

          (紙にきれいに書いて提示)

          「ごらん下さい、私共のシステムにより考えられるメリットは10点でござ
          います。」

          「是非来週寄らして頂きますのでご検討の程よろしくお願いします。」

 

   アプローチやプレゼンがうまくいっていない場合、クロージングの段階で挽回しようと
   してもなかなか成功しません。

   お客さまが提案を採用されるかどうかは、アプローチからプレゼンの段階でおおよ
   そ決定されています。

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営業マニュアル.gif
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同行営業2.gif
同行営業2.gif

営業マニュアルの作成手順

接客マニュアルの重要性
 

  ■接客力の見直し

   小売店を訪れるお客様には、経済性を追求する消費者としての一面と、安全で快
   適な生活環境を求める生活者としての一面があります。

   お客様が経済性を求めた場合、お客様は家計を中心に考え、地域の小売店の中
   から少しでも安い商品を購入しようとするでしょう。

   一方、生活者としての一面を考慮すると、経済性を求める消費者とは価値観が異
   なります。

   商品の価格だけではなく、多少高価でも、それにより生活が豊かになる、快適に
   なる、楽しくなるものであれば、そこに価値を求めて購入するのです。

   価格を下げても商品が売れないというときには、消費者としての視点だけではな
   く、生活者としての視点での品ぞろえや販売が重要になります。

   その際には、生活の場面を想定して、商品の利便性、快適性、必要性を検討して
   みましょう。

   例えば、実演販売を考えてみてください。

   単に売場に陳列しただけでは売れないようなものでも、使い方を実演することで
   かなり売れるものです。

   便利なものであっても、その便利さがお客様に伝わらなければ購入にはつながり
   ません。

   商品は、単に陳列しているだけでは、なかなか購入につながらないため、商品メ
   リットや利用方法の提案が必要です。

   気付きや発見を手助けするためにはPOPや販売スタッフによる説明が必要になり
   ます。

   特に接客を要する店舗では販売スタッフの育成は不可欠です。

   最低限、商品知識はしっかり身に付けていなければなりません。

   商品Aと商品Bの相違点、それぞれの長所や欠点を十分に把握しておかないと十
   分な商品説明はできません。

   また、例えば服飾関係の店であれば、単品を売るのではなくトータルファッション
   の提案を行うなど、それぞれの業種に合わせた販売技術が必要となります。

   こうした販売技術は、漫然と仕事をしていては身に付くものではありません。

   定期的に講習会や研修会を開くなどして、販売技術のレベルアップを図る必要が
   あります。

   ここでは、販売店において最も基本的なサービスといえる「接客」について改めて
   考えてみます。

  □接客マニュアルの重要性

   1.接客マニュアルとは
     販売スタッフによって、接客内容が大きく変わってしまうのではサービスの質
     が安定しません。

     たとえ接客内容に差が生じたにしても、すべての販売スタッフが、一定以上の
     サービスの提供ができなければなりません。

     接客マニュアル(以下「マニュアル」)は、接客の基本的なルールを統一し、一
     定以上の接客サービスの質を維持するために不可欠です。

     マニュアルについて考える際に、注意しておきたいことはマニュアルの役割で
     す。

     「マニュアルを実践していれば商品は売れるはずだ」と考える人もいるかもしれ
     ませんが、それは違います。

     マニュアルは、商品を売るためのノウハウを示したものではありません。

     販売スタッフの目的が商品を売ることにあるとすると、目的を達成するために
     はマニュアルだけでは不十分であるといえます。

     もちろん、マニュアルに意味がないといっているわけではありません。

     マニュアルをつくり、それを販売スタッフに徹底させることは非常に重要で、意
     味のあることです。

     なぜなら、マニュアルは、お客様を不快にさせないために、販売スタッフが最
     低限取るべき行動を示したものだからです。

     「マニュアルを実践すれば商品が売れる」というわけではありませんが、「マ
     ニュアルを実践できていないと商品は売れない」のです。

   2.マニュアルは各社異なるもの
     「最低限取るべき行動」というと、業種や業態を問わず同じようなものだと考え
     てしまいます。

     しかし、実際には業種や業態によってマニュアルは異なります。

     また、業種や業態が同じであっても、企業によってマニュアルは異なります。

     これは企業によって、「最低限取るべき行動とは何か」という考え方が異なる
     からです。

     例えば、お客様の入店時を例にみてみましょう。

     お客様の入店時には、販売スタッフは「いらっしゃいませ」と声を掛けるのが当
     然のように思えます。

     しかし、ある販売店では、マニュアルに「いらっしゃいませ」という言葉は存在し
     ません。

     これは、お客様にとって店内はいつでも自由に出入りできる空間であるという
     考えによります。

     「いらっしゃいませ」という言葉は「待ってました」とばかりに待ち構えている様
     子が伝わります。

     お客様が身構えるのを防ぐために、「いらっしゃいませ」という言葉は使わず、
     「どうぞご自由にご覧くださいませ」と声を掛けます。

     また、飲食店などでは、お客様に対して「いらっしゃいませ」でなく「お帰りなさ
     いませ」と声を掛ける店もあります。

     これは、お客様には自分の家であるかのようにくつろいでもらいたい、という考
     えによります。

     このように、「いらっしゃいませ」と声を掛けるのが当然と思われがちな入店時
     でさえ、店によって対応が異なっているのです。

     「周囲の店がそうしているから自店もそうする」のではなく、自店のコンセプトに
     適した接客方法を考えなければいけません。

   3.マニュアルは徹底しなければ意味がない

     マニュアルは、販売スタッフに徹底されなければ意味がありません。

     例えば、コンビニエンスストアで800円の買い物をして1000円を払ったとしま
     す。

     その際、
       「1000円からお預かりします」
     という言葉を耳にすることがよくある。

     しかし、実際には
       「1000円をお預かりします」
     とするのが正しい日本語です。

     大手コンビニエンスストアのマニュアルには「○○円からお預かりします」という
     言葉はないそうです。

     それにもかかわらず、「1000円からお預かりします」という言葉がよく使われ
     るのはどういうことでしょうか。

     仮に、
       「1000円から頂戴します」
     とした場合はどうでしょう。

     この場合
       「(1000円をお預かりします。そして、この)1000円から(800円分の
       代金を)頂戴します。(200円のお返しになりますが、少々お待ちください)」
     と、言葉が省略されていることが分かります。

     百貨店などと違ってコンビニエンスストアではスピードが優先されます。

     しかし、スピードが優先される接客の中で、「少しでも手厚いサービスを提供す
     るには、どうしたらよいか」と考えたときに、おのずと口をついて出たのが、   
     「1000円から頂戴します」という言葉だったのではないでしょうか。

     これを聞いたほかのスタッフが、「なんという気の利いた表現だろうか。マニュ 
     アルにはない素敵な表現ではないか」と思い、その表現をまねしたのでしょう。

     しかし、いつの間にか「1000円から頂戴します」と「1000円をお預かりします」
     が一緒になってしまい、「1000円からお預かりします」という意味の分からな
     い言葉になってしまったのです。   

     こんなことなら、マニュアル通りに「1000円をお預かりします」と言ったほうが
     ずっと気が利いています。

  □事前に決めておくべき接客のルール

   1.マニュアルに記すべき項目とは

     前述のように、マニュアルはお客様を不快にさせないために、販売スタッフが
     最低限取るべき行動を示したものです。

     では、お客様を不快にさせないために、マニュアルに記されるべき項目には、
     どのようなものがあるのでしょうか。

     服装や話し方、電話応対の仕方など、実にさまざまな項目が考えられますが、
     ここでは、「第一印象」をポイントに考えてみます。

     第一印象が人間関係に与える影響は非常に大きなものであることは、周知の
     通りです。

     長期的な人間関係であれば、第一印象が悪くても、挽回する機会はあります。

     しかし、小売店の接客では「お客様と接している時間があまり長くない」「販売
     スタッフに悪印象を抱いたお客様は次から別の店を利用する可能性が高い」
     など、挽回の機会がほとんど与えられません。

     そのため、小売店の接客において、第一印象でお客様を不快にさせるというこ
     とは、店にとって非常に大きなマイナスとなります。

     このことを理解した上で、第一印象でお客様を不快にさせないために考えるべ
     きことを、清潔感、話し方、態度という視点からみていきます。

   2.清潔感の維持

     第一印象と聞いて、まず思い浮かべるのは外見のことでしょう。

     販売スタッフは、常に清潔であるよう気を付けておかねばなりません。

     髪の毛、爪、化粧、鼻毛、ヒゲ、服装などの身だしなみを整えます。

     事前に、洋服にはアイロンがかかっているか、靴は磨いてあるか、爪の手入れ
     はできているかをチェックします。

     髪や顔の部分は鏡に向かって身だしなみと笑顔のチェックをします。

     また、空腹のとき、口内が渇いているとき、疲れているとき、ストレスを感じてい
     るときなどは口臭が発生するケースがあります。

     その口臭を知らずに接客するとお客様に不快な思いをさせる恐れがある。

     この場合、接近した接客は禁物です。

     口臭のチェックなど嫌なものですが、口臭は自分では分からないものです。

     お客様に不快な思いをさせないようにするには、販売スタッフ同士でチェックを
     行うことが必要です。

     しかし、生理的な状況はなかなか指摘しにくいものです。

     そのため、一定時間ごとに販売スタッフ同士で口臭のチェックタイムを設ける
     など、チェックをルール化することで販売スタッフ同士がお互いにチェックしや
     すい環境をつくるべきです。

     特別なことをする必要はありません。

     販売スタッフ同士が近づき、
       「定期チェックお願いします」「はい、OKです」
     というようにするだけです。

     もし、問題がある場合には、
       「後でもう一度お願いします」
     とすれば、お客様に不審に思われることもありません。

   3.話し方

     (1)言葉遣い

       言葉遣いも、販売スタッフの印象に大きな影響を与えます。

       お客様と話すときに敬語でないなど、不適切な言葉遣いは、お客様を「ば
       かにしている」ともとらえられかねません。

       言葉は、直接話しているお客様はもちろん、周囲のお客様にも聞こえるた
       め、適切な言葉遣いが必要です。

       接客を行う者が忘れてはならない言葉として、「接客の基本6用語」と呼ば
       れるものがあります(企業の考えによって表現が異なることがあります)。

         1.いらっしゃいませ

         2.かしこまりました

         3.お待たせいたしました(少々お待ちくださいませ)

         4.申し訳ございません(申し訳ございませんでした)

         5.恐れ入ります(恐れ入りますが…)

         6.ありがとうございます(ありがとうございました)

     (2)販売スタッフ同士の会話

       お客様に対して敬語を使うことは当然ですが、販売スタッフ同士の会話で
       あっても敬語を徹底します。

       販売スタッフ同士の呼び方も、「山田」「鈴木」などと呼び捨てにしたり、「山
       ちゃん」「鈴木ちゃん」などとすると耳障りです。

       「山田さん」「鈴木さん」と呼ぶようにしましょう。

       また、店内でお客様に聞かせたくない言葉を使うとき(「トイレに行ってきま
       す」「お昼に行ってきます」など)は、販売スタッフ同士で使う隠語を決めて
       おくと便利です。

       <隠語の例>

        ・トイレ………1分、1時、1番、点検など

        ・休憩…………2分、2時、2番、事務所など

        ・食事…………3分、3時、3番、電池交換など

       お客様に聞かせたくないからといって、小さな声でひそひそ話をすることは
       よいことではありません。

       お客様が「何か悪口でも言っているのではないか」と誤解するかもしれない
       からです。

   4.販売スタッフの態度

     (1)お客様がいないときの態度

       人は人を呼びます。

       店内にお客様がいると、ほかのお客様も入りやすいものです。

       逆に、販売スタッフがお客様の来店を待っている様子が見えては、お客様
       は店に入りにくいものです。

       店内にお客様がいないときには、
        ・陳列棚の整理整頓、商品の補充

        ・ディスプレイのチェック、変更

        ・伝票や書類の整理

       などをします。

       くれぐれも、「腕組みをする」「壁にもたれかかる」「髪の毛をいじる」
       「販売スタッフ同士で私語をする」など、手持ちぶさたな様子をお客様に
       見せてはいけません。

       特に、食品を扱う売場では、髪や顔を手で触れるのは厳禁です。

     (2)お客様との接し方

       お客様の中には、リピーターとなって何度も店に通ってくれる人もいます。

       そうしたお客様とは、何度も顔を合わせているうちに親しくなっていくことも
       あるでしょう。

       しかし、どんなに親しくなっても、販売スタッフは「お客様の買い物をお手伝
       いする立場にある」ということを忘れてはいけません。

       お客様と親しくなるのは悪いことではありませんが、友達に対するようなな
       れなれしい接し方はよくありません。

       また、店に友人や家族の者が来た場合にも、ほかのお客様と同様に敬語
       で接する必要があります。

       よそよそしいと思われるかもしれませんが、売場ではほかのお客様の目も
       あります。

       お客様に対してなれなれしい態度をとっている場面をほかのお客様に見ら
       れては、「この店は客に対して敬意を払っていない」ともとられかねません。

       同様に、上得意のお客様が来店した場合でも、ほかのお客様の前であか
       らさまに接客態度を変えてはいけません。

       「この店は客を差別している」と、ほかのお客様に不快な思いをさせること
       になってしまいます。

     (3)接客の順番(接客中の電話)

       接客は一人ひとり順番に行う必要があります。

       接客の途中でほかのお客様から「すみません」と声を掛けられることがあり
       ますが、この場合、今対応しているお客様の接客を優先し、ほかのお客様
       には、「はい、次にお伺いいたしますので、少々お待ちいただけますでしょう
       か」と声を掛けます。

       もし、別の販売スタッフがすぐに戻ってくるのが分かっている場合、「別の者
       がすぐに参りますので、少々お待ちいただけますでしょうか」と声を掛けま
       す。

       接客中に店の電話が鳴った場合、接客を優先すべきですが、電話のコー
       ル音が響くと、うるさいし、落ち着きません。

       そこで「誠に恐縮ではございますが、電話が鳴っております。

       すぐに戻りますので、少々お待ちいただけますでしょうか」とお客様の了解
       を得てから電話に出ます。

       電話は手短に済ませるようにします。

       長くなるような場合、折り返し電話をする旨を伝えて、すぐにお客様のところ
       へ戻ります。

       例えば、お客様からの電話の場合、「その件につきましてはお調べして、折
       り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」といったように対応しま
       す。

       お客様に対して「ほかのお客様の接客中です」などと言ってはいけません。

       また、お客様以外の場合「今、立て込んでいますので、後ほどご連絡いたし
       ます」と伝えます。

       接客中などと言わなくても、「立て込んでいる」と言えば接客中で、手が離
       せない状況であることが伝わります。

   5.基本が大切

     ここまでみてきた項目は、本当に基本的なことばかりです。

     「基本的なことだから、わざわざマニュアル化するまでもない」と思う人もいる 
     かもしれません。

     しかし、基本的であるからこそ、販売スタッフがこれらを怠った場合、お客様は
     不快に感じるのです。

     そして、お客様に不快感を抱かせてしまっては、そのお客様の商品購入の可
     能性は大きく低下します。

     マニュアルは販売機会を失わないためにあるのだということを理解し、ここに
     挙げた項目を参考に、自社のマニュアルについて、もう一度考えてみましょう。


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