オーナー社長は裸の王様!?

          

           オーナー社長は裸の王様!?

   
  ■語ることからはじめる

   もし一人だけでできる仕事であるならば、組織はいらない。

   本来組織とは、一人ではできない仕事を多くの人達が協力してやろうという考えの下
   に生まれたものです。

   さらに組織は一人ひとりの力を協働させ、一人プラス一人を二人として考えるのでは
   なく、これを3にも4にもするというシナジー効果を期待するのが組織づくりの目的なの
   です。

   しかし現実では、組織とは名ばかりの集団(個人の集まり)と化している会社が少なく
   ありません。

   どのオーナー企業の社長も程度の差こそあれ、裸の王様になってしまうものです。

   それは、現場のリーダーが悪いからです。

   社内の腐食は現場から始まり、最終的に会社全体を蝕んでいきます。

   企業が腐る責任は、もちろん社長にあるのですが、腐るプロセスは、現場を軽視した
   社長ではわからないのです。

   職責が上に行けば行くほど現場から離れてしまいます。

   すべては現場に赴き、すべては現場で解決することです。

   社長は現場を認識しないまま、大きな判断をしなければならなくなってしまいます。

   社長は現場からの問題意識とヒントを常につかんでおく必要がある。

   そのためにも現場のリーダーと情報を共有し、信頼関係を構築して現場の認識不足に
   ある社長を支援してもらうことが大切です。

   腐食したリンゴ1個は、隣のリンゴにも伝わり、現場から音も立てずに崩れていくの
   です。

   そして、あるとき突然、会社全体(リンゴ箱)が一気に腐敗し、砕け散ってしまいます。

   腐ったリンゴの発生は、現場のリーダーから始まり、腐りかけたリンゴが復活するのも、
   すべて現場のリーダーであるということです。

   たった一人の勇気あるリンゴが、会社を救うことも多いのです。

   腐りかけたリンゴは、その状況を客観的な視野をもってトップに相談すべき責務が
   ある。

   自分が腐りはじめているとき、実は、隣のナシやミカンも腐りかけているのです。

   そのことを正面からトップに相談しやすい関係をつくることです。

   まず、現場のリーダーや社員と信頼関係を築か
   なければなりません。 オーナー経営者.gif

   そのためにも「語ることからはじめる」ことです。

   オーナー社長の中には、企業としての夢や目標は
   必要ないと考え、それらは大企業が掲げるものだ
   と思っている社長も多いことは確かです。

   ところが小さな会社ほど夢や目標が大切なので
   す。

   組織の信頼関係は、社長がもつ夢や考えから生
   まれてくるものだからです。

   社員にとって、夢を真剣に語れないリーダーは魅力
   がないのです。

   経営環境は厳しく、苦しいハングリーな状況だからこそ、社員に夢・ビジョンを語ること
   が重要です。

   ビジョンがなければ、時代的進化も価値観の進化もない。

   夢・ビジョンが今ひとつ明確でないなら、現場のリーダー達と一緒になって夢・ビジョン
   をつくることです。

   夢を考え、夢を描き、夢を語り、夢をビジョンにする、ビジョンを実現するための仕組を
   つくることが求められているのです。

   組織に、今を考え未来を見つめる習慣がなくなったら進化はありえません。 

   夢・ビジョンによって社員一人ひとりの考え方が変わり、行動が変わり、そして成果も
   変わる
ことは、成長企業の創業の歴史が物語っています。

   リーダーシップというのは、時代とともにその求められる要素が異なってきます。

   産業が未成熟な時代から成熟化され、閉塞感が漂う今の時代を迎え、新たな時代
   価値・事業価値を構築できるビジョン力をもった価値創造型リーダーの登場を期待
   するようになります。

   現場でのちょっとした非常識を大切にしてこそ、新たな常識を見つけることができるの
   です。

   常識とは自分の中にあるものだ。非常識とは、自分の中にないものです。

   だからこそ、常識×非常識は、自分だけではつくりにくく、どうしても自分自身は、どん
   どん常識的な発想、常識的な思考に陥ってしまうのです。

   「自分の中にある常識×他人の中にある非常識=革新」という公式を無理やりにでも
   自分の価値基準にはめ込まなければならないのです。

   組織を自由闊達な成長集団に変えるための一番の近道は、社長自身が変わること
   なのです。

   社長の成長は会社の成長であり、社長の考えは会社の理念でもあり、それだけに
   社長の影響力は大きいのです。

   会社は社長の器以上には大きくならないことを肝に銘じることです。

   まずは、日頃の発言から変えてみましょう。

   人を理解するためにはコミュニケーションが欠かせません。

   最近では、社員がトップの話を聴く機会が減っているようです。

   会社(店)がすぐに変わることは困難でしょうが、日々トップが社員に語りかけること
   で、最初はさざ波でも、しだいに大きなうねりとなって全員に共鳴していきます。

   これらのことは最終的にお客様にも伝わるものです。

   変化が激しく、過去の経験が役に立たない今日こそ社長は素直に社員の言葉に耳を
   傾け、自分の考えを伝えるべきです。

   それをすることによって衆知を集め、社員の心を掌握し、変革への第一歩を踏み出す
   ことができるのです。
   
  ■社長の思いを伝える

   自社の職場で、部下や周りの人と質の高い対話が実現できたら、どのようなことが
   期待できるでしょうか。

   まず、組織が一つにまとまり、一体感が出てきます。

   みんなが一体になって仕事に取り組めば、仕事は楽しくなります。

   苦しい状況を乗り越えることもできます。

   ですから、リーダーといわれる人たちは、組織の一体感をつくりあげるために、いろ
   いろな工夫や努力をしているはずです。

   対話は情報の共有を促進します。

   ITを使ったグループウエアで情報を提供することはできますが、これは一体感を生み
   出すまでには至らないものです。

   やはり、相手との直接の対話を通じて情報を共有すると同時に、情報の裏にある、
   奥深いところの思いを共有化しなければ、本当の意味での一体感は生まれません。

   多くの中小企業の従業員からは、

    ・「上が何を考えているかわからない」
    ・「組織が何を考えているかわからない」
    ・「隣の部署のボスが何を考えているかわからない」
    ・「現場にどんな問題が起こっているかわからない」
    ・「うちの課題は情報が共有化されていないことです」

   などの声が聞こえてきます。

  □対話の場を設ける
   組織では、「隣の人が何をやっているのかまったくわからない」ということがよくあり
   ます。

   そして、お互いに根深い不信感を抱いていることもあるようです。

   対話の場が設けられなければ、お互いが推測と憶測と疑念に凝り固まり、不信感が
   さらに大きくなるでしょう。

   ですから、なおのこと対話が大事なのです。

   お互いがわかり合えば協力し合えるのです。

   しかし、不信感のかたまりでは、何か問題が起こったときに責任のなすりあいになっ
   てしまうかもしれません。

   質の高い対話でお互いがわかり合い、苦しさや厳しさが理解できたときに、人は支援
   の手を差し伸べることができるのです。

   そうなると、組織力は飛躍的に向上します。
 
   協力しないで足のひっぱり合いをしていると、組織力は小さなものになってしまいます。

   組織全体の力を最高かつ最大限にするには、その組織のメンバー一人ひとりがどれ
   だけ協力し合えるかにかかっているのです。

   チームワークの促進は、どこの企業でも大きな問題となっています。

   組織横断的に質の高い対話が実践できれば、協力し合える文化ができてきます。

   たとえば、営業部門と製造部門がお互いに本音で話し合えば、営業はいいかげんな
   発注はできなくなります。  

   逆に、製造部門でも、営業部門がいかに苦労しながら注文をとっているかがわかれば、
   注文に対して納期を間に合わせるように努力するという協力の姿勢が生まれます。


  □話を「聞く」ことで人材育成が促進される 
   上司が部下の話を聞くようになると、部下自身、ものごとをより深く考えなければなら
   なくなります。

   また、上司と話をすることによって、なんらかの「気づき」を得ることもできます。

   その対話が質の高いものであれば、そのまま人材育成につながるのです。

   人材を育成するうえで、いちばん大事なことは、経験のある先輩や上司と対話して
   いくことです。

   これが本当のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)であるといえます。

   しかし、OJTを含め社内の教育体制は今問題を抱えています。

   それは中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。   

   この問題を解決しなければ、教育制度の内製化は不可能です。
   
  ■ムダ

   「社員を定数化する」「儲かっても人が増えない体質をつくる」ということは、「簡単に
   人を入社させないこと」です。

   福利厚生面が完備していない小さな会社の場合は、けっこう人の出入りが多いもの
   です。

   大企業ならば「寄らば大樹の陰」で、いったん入社した社員はたいてい定年まで勤め
   ようとするが、小さな会社では、せっかく人を採用しても簡単にやめてしまいます。

   ここが問題なのです。

   新人が入社して3日、1ヵ月、半年在社してから退社した場合のロスを計算したことが
   ありますか。

   採用した人がやめた場合の損を計算してみると、

   月給25万円の人が3日で退社すれば、およそ5万円はドブへ捨てたことになるのです。

   ましてや1ヵ月ならばおよそ40万円、半年ならば240万円近くがムダな経費として
   使われたことになります。

   これでは新人が入社したために儲からなくなってしまうことになります。

   どうせやめることがわかっているならば、入社させないほうがよいのです。

   会社経営では、人のコストが一番高くことはご存じのはずです。

   人のコストを「入社させるコスト」、「在職中のコスト」そして「退職させるコスト」と
   3つに区分してみれば、よくわかるはずです。

   とにかく「人」については、カッコウのよさにとらわれず、今までと違う発想をする必要
   があります。

  □「なぜやめたか」を一覧表に
   「初めからやめることがわかっていれば、誰だって入社させないヨ。わからないから
   困っているのだ」と言うトップも多いでしょう。

   確かに、入社した人がある程度の期間在職し、効率的に働いてもらうことができれ
   ば、会社は十分にペイできたことになります。

   だから「人を増やさない」ことを念頭においたうえで、どうしても人を採用しなければ
   ならない場合には、何とかしてすぐにやめてしまわない工夫が必要になる。

   ここで、なぜ入社した人がすぐにやめるかを考えてみましょう。

   やめるにはやめるなりの理由があるはずで、その理由がわかれば1ヵ月後退職、半年
   後退職をくいとめることができます。

   そこで、過去に自社をやめた人の「やめた理由」を洗いざらい一覧表にすることをお勧
   めします。

   採用面談時に入社してもらいたい人に、その一覧表をもとにして会社の状態を説明を
   します。

   そうしておけば、入社してから、「なんだ、こんなこと聞いていなかった」とか「こんな
   雰囲気の会社だったのか」といってやめてしまうことも少なくなるはずです。

   せっかく入社させた新人社員が1ヵ月や半年でやめたのでは、大変なムダになります。

   これを防止するためにも、入社の面接の時に、自社の過去の社員が退社した理由を
   説明することをおすすめする。

   しかし、「せっかく募集しても、誰も入社してくれないのではないか」と心配する声も聞
   こえてきそうですが、せっかく入社しても、数ヵ月後に退社して、より多くのムダな経費
   が使われるよりは、まだそのほうがましです。

   規模が小さくなるほど、会社のトップの仕事は、単に社員の頭の数をそろえて配置
   することではないのです。

  □社員の効果・効率的活用
   中小企業の経営において一番重要視しなければならないのが、経営の「尺度」として
   の「労働生産性」と「労働分配率」

   それらが、自社でどれくらいの数値であるかを、まず最初に確認しなければなりません。

   ここで問題になるのは、これらの労働生産性や労働分配率の数値が、標準より悪い時
   で、売上規模と比較して、人員過多のケースが多い。

   たいていの中小企業は、粗利のうち約50%前後を労働分配率が占めており、労働生
   産性も1名当たり60万円前後でしょう。

   こうした会社では、社員を多機能型の人材にしなければ、経営が成り立たない時代
   なのです。

   しかし、余剰人員がいるように感じても、なかなか人員をカットできないのが現実だ。

   それならば、自社に在籍している社員をフル活用するしかないのです。

   大企業であれば、リストラと称して人員カットの戦術をとることもできるでしょうが、規
   模の小さな会社は、社員1人ひとりに、現業務との兼務で他の業務もやってもらう必要
   があります。

   その場合、特に、直接営業に関与していないルーチンワーク的な業務活動をしている
   社員に「他の業務」をやってもらう場合、営業に関する仕事に従事させるべきです。

   営業関連の業務をやらせることで、多機能型の人材化がいっそう早く進むからです。
 
   ただこの場合でも、彼らが現状を理解できるようしっかりと説明して、心から協力する
   気持ちをもたせなければなりません。

   あなたの会社の社員は何人前の人が多いだろうか。

   たいていの会社では「1人前の人」が多いだろうが、「半人前の人」が会社の中にたく
   さんいるとしたら、それは大変な問題です。

   何といっても、粗利の約50%は人件費なのだ。

   人件費はもちろん一定の枠があるので、「半人前の人」の頭数だけ多くいるような会社
   は、1人当たりの給与が低くなることは当然なのです。

   だからこそ、1人ひとりが1.5人前以上の人間になって初めて配分されるパイ(給与)
   も大きくなる。

   これが動かしようのない現実であることを、朝礼やミーティングでしつこく社員に教える
   ことです。

   社員の質のアップは、彼らの心からの理解がないとできません。

   
  ■会社の老化

   人が老いるのと同じように、すべての会社に老化は忍び寄る。

   旧態依然とした年功序列や硬直的な人事、社内のコミュニケーション不足。

   こうした事柄を放置すれば、気付かないうちに会社は、過去の成功体験にこだわり、
   現実の変化に無関心になっていってしまいます。 

   そのまま手をこまねいていると、会社は最悪の場合、倒産という「死」を迎える。

   それを避けるには、会社の老化を経営者が自覚し、その対策を打たなければならない
   のです。

   その打開策は組織のモチベーションアップであり、コミュニケーション力の強化です。

   これらを強化するには、社員一人ひとりが組織人としてやらなければならない行動で
   ある基本動作の習得です。

  □老化の兆候
   長引く不況、社会環境・産業構造の激変といった厳しい事業環境はどこも同じはず
   だが、企業の明暗は大きく分かれている。

   それは、経営者を含めた全社にまん延する「過去の成功体験への執着」と「無関心」
   です。

   1.過去の成功体験への執着
    過去へ執着することの怖さは、自分達ではそのことがなかなか分からないところ
    にあります。

    自覚症状が無いことが最大の特徴です。

    成功体験に固執して、自ら視野を狭めてしまうことです。

    過去にヒット商品を生み出した経験が忘れられず、二匹目のドジョウばかりを追
    うのです。

    過去の経営判断や既に動き出した計画、従来の仕事のやり方にこだわるあま
    り、軌道修正や撤退が遅れてしまいます。

    「手段」が、いつの間にか「目的」になってしまう。

    過去の成功体験に無意識にこだわり、それが邪魔になって問題点に気付かな
    い会社は少なくありません。

   2.会社を蝕む無関心
    倒産企業の多くは、経営環境や社内体制の問題点を正しく把握する能力が著し     
    く低下し、顧客ニーズに鈍感になる。

    社内の風通しが悪く、他部門との情報交換ができず、自己中心的な社員が増
    え、給料さえ貰えればあとは知らないといった、ぶらさがり意識も強くなっていき
    ます。

    こうした組織では、トップに正しい情報が集まらず、結局、意思決定を誤ってしま
    う。

    「無関心」の怖さは、増殖を始めると止まらなくなることです。

    社員の中には、不満やアイデアがあっても、「どうせ言ってもムダ」という心境に
    陥っている人達がいることです。

    放っておけば、その社員達は、自分で考えることをしなくなってしうことです。

    こうした環境が次第に広がり、経営者は“裸の王様”になってしまう。

    社員がモノを考えなくなる原因には、

     ・社長が、腰巾着のようなイエスマンや同族で会社幹部層を固めている弊害。

     ・不振企業は収益管理など基本的な体制が整っていない場合が多い。

     ・会社の情報が公開されないため、従業員達はそもそも何が問題なのかが分
      からない。

     ・従業員は、自分の会社という意識が持てないから、モチベーションが上がら
      ない。

  □老化の防止と若返り策
   まず社長が、社員と5〜6人ずつディスカッションして、会社を変えたいと考えている
   キーマンを探すことです。

   人間の世界と同様に、会社の老化も、手をこまぬいていると猛スピードで進むことを
   経営者が自覚し、自浄する仕組みを社内に持つことでしか、企業の活力を維持でき
   ない。

   そのためには、経営者は何をすべきか。

   従業員のためにどんな仕組みが必要なのか。   

   1.自分の提案で会社が変わる
     その実感が社員の参加意識を生み、会社の老化を防ぐ。

     従業員の改善提案は現場の叫びであり、まず聞いてあげることです。

     提案を採用すれば、自分が会社に貢献したと実感し、励みにしてくれる。

     そうやって会社に知恵を蓄積していきます。
    
   2.少数、独立採算のチームカンパニー制
     「チームカンパニー制」のチームリーダーは、「社長」として、他チームの社長達
     と業績を競わせ、生産性を大幅アップを可能にする。

     単に与えられた仕事をこなすという意識から、いろいろな業務ができることで、
     仕事が面白い、責任感、やりがいも増す。

   3.肩書き廃止
     縦割り組織へのこだわりを解消することで、自由な発想と鋭い感性が身につ
     く。
      (1)他の部署と密接に協力できる柔軟性ができる。

      (2)社員同士が知恵を出し合って、協力して働く体制ができる。
        ユニークな商品は、決してワンマンプレーからは生まれません。

      (3)業績で評価されるから、減点や失敗を恐れるようになる。
          他部署への協力や、縁の下の力持ち的な業務で頑張った社員を評価す
        るためには、上司だけでなく、同僚などからの評点も参考にする360度評
        価を採り入れることも必要でしょう。

     役職があると、人間はどうしても「俺の縄張りだ」として自分の担当部署に固
     執してしまい、縦割り意識が生じます。

     それが、組織の老化を招く。

     役職を廃止する代わりに、各部署には「責任者」を置く。

     これは恒久的な肩書きではなく、他部署に異動すれば外れるものです。

 


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              企業繁栄の三原則 


  企業は、中小零細企業から、大企業まで規模はさまざまです。

  しかし規模の大小にかかわらず、企業繁栄の原則はいろいろな考え方や捉え方がある
  と思いますが、次の三つが原則といっていいでしょう。

  ■企業繁栄の三原則

   1.社内の結束を堅くする
    社内の結束を堅くするということは、全社員が一体となって力を合わせることで
    す。

    一体感の強い会社ほど攻めにも守りにも強さを発揮します。

    どんな困難がふりかかってきても全社員が一枚岩となって当たれば、耐え忍ん
    で逆に跳ね返すことも可能です。

   2.変化に敏感で迅速な対応をする
    会社は環境の変化に適応することが生き残る道です。

    進化論で有名なダーウィンが「最後に生き残る者は、最も強い者ではなく、最も
    賢い者でもない。最も変化に対応した者である。」との名言を残していますが、こ
    れは企業の存続にも当てはまる大原則といえます。

   3.コンプライアンス(法令遵守)経営を推進する
    今の時代、法令を守らない会社は、社会から厳しい糾弾を受け、最悪の事態を
    招きかねません。  

    名門の繊維会社が破綻し、公認会計士が粉飾決算に手を貸していたケース
    は、正にコンプライアンス経営をないがしろにしたケースです。

   したがって、以上述べた三つの原則は、企業繁栄の基本原則です。

   この三点を具体的な施策に転換して会社の中で実践することで、会社は継続的
   に繁栄することができます。
   
  □企業繁栄のための5つの施策づくり
   好業績を上げている会社は傍目でも活気が伺えます。

   会社を繁栄させるためには、骨組みが必要になります。

   この骨組みをきちんと築き上げないと、どんな施策も活きません。

   1.未来のビジョンの明示
    心ある社員は、自分が働いている会社の将来に強い関心を持っています。

    将来的な夢を持てない会社だと、若い社員
    は転職を考え、中高年社員はあきらめムー
    ドで活力が出ません。

    会社は将来こういう方向に進んでこうなる
    んだというビジョンがあれば、それなりの
    動機づけになります。

    しかし、それだけではダメで、大切なのは 
    ビジョンの実現に向かって会社が動いて
    いるという実感を社員が肌で感じることです。

    中小企業の場合、ビジョンがなくても儲かっ
    ている会社はいくらでもあります。

    社長に商才があれば、社長一人の働きで儲けることができますが、残念ながら
    一代で繁栄は終わりということになりがちです。

    次の社長に商才があれば別ですが、そうでなければアッという間に衰退してし
    まいます。

    ビジョンを明示して、みんなでその実現に努力し、業績を上げるほうが、長い目
    で見れば競争力は強いといえます。

   2.待遇改善目標の打出し
    社員の待遇をどうするかは、経営の根幹に関わる問題です。

    コストの中で金額が一番かかるのは人件費です。

    一方、社員にとっても待遇問題は一番の関心事です。

    家族を養い豊かで潤いのある生活を築くには、何といっても先立つものが必要
    です。

    会社としては、総人件費は低く、一人当たりの人件費は高くという二律背反の 
    命題に挑戦してこれを克服しないとコストを下げ、社員のモチベーションを上げ
    ることはできません。

    待遇改善は、業務の改善や合理化なしでは実現できません。

    一人当たりの人件費を高くすることは、当然のことながら一人当たりの生産 
    
を高めることでもあり、ムダを徹底的に省くことでもあるのです。

    このように業務の標準化を徹底的に進めなければ待遇改善は難しいという課
    題が見えてきます。

    また、業務の徹底した標準化があってこそ、何がムダで、何がムラで、何がム
    リかということが見えてきます。

    この“三ムダラリ”を断ち切ることがスタートです。

    ですから待遇改善は、徹底した業務の標準化を推進することに繋がるのです。

    会社は利益を上げなければ何もできません。

    利益がでれば、給与を上げることも、賞与を多く出すことも可能です。

    まずは標準化を進め、ムダを徹底的に除くことが利益を生み出すポイントです。

   3.社長と幹部のリーダーシップ力の向上
    社長や幹部が自らのリーダーシップ力向上のため努力していれば、自然とそ
    れが社員に伝わるものです。

    リーダーシップ力とは、複数の人からなる集団を一定の方向に引っ張っていく
    力です。

    リーダーシップ力向上によって全社員のベクトルを合わせ、トータルパワーを
    最大に限りなく近づけることが可能となります。

    リーダーシップ力の中身は何かを考えてみると、
    社長と幹部のリーダーシップ力に強く求められ
    る点は、

      (1) 意思決定のスピードアップ

      (2) 強い信念を持って仕事に取組む

      (3) 部下の働きに対する公平な評価

      (4) 明確な指示や方向性を伝える

      (5) 面倒見がよいこと 

      (6) 部下の意見を聞く耳を持っている

      (7) 率先垂範を自ら実践する

    この7点の実践に努力することで、リーダー
    シップ力は必ず向上します。

    リーダーシップ力は、上司と部下の信頼関係が堅いほど発揮しやすくなるからで
    す。

   4.社内コミュニケーションの徹底
    風通しのいい組織、すなわちコミュニケーションが行き届いている会社ほど一
    体感が強く、意思決定も迅速に行われます。

    そういう企業風土を創り上げることが重要です。

    そのためには次の5点に留意して企業風土を改善していくという強い意思が
    必要になります。
      (1)本音で話し合える雰囲気づくり

      (2)会社の現況を社員にこまめに伝える

      (3)アフター5の活動を活発化する

      (4)懇談会、研修会の計画的開催

      (5)管理職の意識改革

    本音で自由に話し合えるというのが、コミュニケーションを徹底する一番のポ
    イントです。

    トップ自らがそういう雰囲気づくりに努力しないと難しいでしょう。

    会社の現況もこまめにオープンにすることが大切です。

    それによって社員は自分達が働いている会社の情報を共有できる訳です。

    アフター5のコミュニケーションも大変重要です。

    IT技術の進歩とパソコンの普及により、メールでのコミュニケーションが増えて
    います。

    人と人との関係が希薄になっている中、フェイス・トゥー・フェイスのコミュニケ
    ーションがますます重要になっています。

    一杯飲んでの触れ合いがコミュニケーションをより深くします。

    職場懇談会や研修会を計画的に開催することもコミュニケーションを深めるた
    めに必要です。

    同じ職場の人や他の職場の人の考え・意見に触れて、啓発される機会が増
    え、参加者の成長を促進します。

    社内コミュニケーションの徹底に最も必要なのは、管理職がその気になって気
    配りをすることです。

    コミュニケーションの悪いのは自分達の責任という意識を持つことが必要です。

   5.改善・改革運動の推進
    人は共通の体験をすることにより、強い連帯感を持ちます。

    共通の体験には遊びや趣味やスポーツ等々いろいろなケースがありますが、
    仕事に関する共通体験が連帯感を強める一番のポイントのようです。

    苦労して一緒に仕事を成功に導いたという喜びが、誇りにも強い連帯感にも
    なます。

    その一番効果的な手法が、全社員を巻き込んでの改善・改革運動の推進です。

    まず、全社員にこの運動の目的や狙いを徹底する必要があります。

    なぜこんな運動を展開するのか、改善や改革によりコストを下げて効率を上げ
    ることが目的であり、狙いであるということです。

    次に統一テーマを決め、全社員を5〜7人ぐらいの小グループに分け、グルー
    プリーダーを決めます。

    そして、事務局を任命し、その役割をきちんと定めることです。

    運動の期間と予算を検討し、各グループに計画を立案させ、発表会を開催しま
    す。

    ここまでが実践前の手続きで、これが終了したら実践に入ります。

    通常一年くらいの期間で一つのテーマを追求するケースが多いと思います。

    準備と計画立案に1、2ヵ月はかかるでしょうから、実践の期間は10ヵ月強く
    らいになります。

    期間が終了したら成果の検証と表彰をして1サイクルとなります。

    要は全社員を巻き込んで小さな発見、小さな改善の積み上げをするということ
    です。

    これにより、メンバー間の連帯感を強め、改善努力という成果体験を共有し、さ
    らに一体感を高め、業績向上に繋げるというシナリオです。

    動機づけとは常に何らかの刺激を与えることです。

    この運動を通じ全社員に活を入れることができれば成功ということになります。
     

                 社長の役割 


  □理念に基づいた改革
   理想のない企業、使命感をもたない経営は永続しません。

   迷ったら原点に戻り、途方にくれたら初志に立ち返ることです。

   戻るべき原点や返るべき基点をもつ企業は強い。

   「革新」とは、新しいことをすることではありません。

   目的に合った正しい手段を選択し実行することです。

  □経営の「基本と原理原則」を学び体得する
   業績を上げるためにこそ「基本と原理原則」がある。

   一時的な成功ではなく、永続的な成功を目標にするためには正しく現状を認識する
   ことです。

    ・今までのたいていの成功は「たまたま」である
    ・自社(店)が提供している価値は必ず劣化、陳腐化する
    ・ルールは変わる

   そして、
    ・過信しないこと
    ・学び続けること
    ・行動し続けること

  □経営は「三現主義」
   理想を掲げて、現実を直視し、現場に密着し、
   現品を手にとって革新を進めるところから
   社長の率先垂範は生まれる。

  □「ヒトづくり」は自分づくり
   「ヒト育て」を怠ればそのツケは必ず返ってくる。

   企業の成長は、社員というヒトの成長の総和で
   ある。

   「ヒトを育てる」ことは社長の最大任務です。

   その人材育成の基本であり、組織人としてやら
   なければならない行動が基本動作12項目です。

   基本動作の訓練次第で組織の体質強化、売上
   げアップに大きく左右します。


  □話し上手よりも聞き上手
   社員との触れ合いの場を持ち、社員の声に耳を傾ける。

   社員は意見を聞いてもらうだけで、「大切にされている」と感じるものです。

   「話すよりも聞く」のがコミュニケーションの極意

   「話し上手よりも聞き上手」が社長の心得。

   人間関係は誤解から崩れる。

   「誤解→不平→不満→不信感→トラブル」へと発展し、人間関係は崩壊するものです。

  □健康管理は自己管理
   自己管理ができない人物に企業経営などできる訳がない。

  □記憶よりも記録
   記憶よりも記録によるデータ主義。

   経営判断能力は事実を通して真実を知ることであり、その為には記憶よりも記録に
   よるデータ分析

  □創業の精神
   創業期を忘れず、創業精神を大切にする

   「ヒトなし、モノなし、カネもない、実績がないから信用もない。」ないないづくしの創
   業経営には創業の精神という素晴らしい財産があります。

   残念なことですが、そのことに気づかない経営者も少なくありません。。

   熱意、創意、誠意の結晶が創業精神であり、創業精神を大切にする企業は繁栄し、
   粗末にする企業は粗末な末路を辿るのです。

  □社長の存在価値
   社長の存在価値は業績によって評価されます。

   業績には数字で表現できる業績と数字では表現できない業績があります。

   さらに、目先の業績と将来につながる将来業績の2つがあります。

   数字で表現可能な業績は、売上高、利益、生産性。

   数字では表現できない業績は、イメージ、信用力、ブランド力

   利益は企業存続のコストであり、顧客満足、社会貢献のバロメーターだと理解できれ
   ば最高です。

   利益の概念が変われば経営方式はが変わります。

   固定費+(予想)利益÷限界利益=存続分岐点と変わる。

   さらに、これまでの売上高は満足普及高、生産性は満足貢献度と表現を変えることは
   立派な意識革新、経営革新です。

   意識を変え、経営方式を変える。その結果で業績が変わる。

   社長はその牽引車です。

 

              オーナー社長の経営情報 


  中小企業のBCP(事業継続計画)策定は緊急課題

  2011年3月11日に発生した東日本大震災により、被災地はもちろんのこと、非被災地
  においてもサプライチェーンに組み込まれている他企業の事業停止、計画停電などの
  事業の継続を妨げる様々な事象が発生して、対応に苦心されている企業が多いことを
  見聞きします。

  このような事態に備え、行政等より従来からBCP(Business Continuity Plan:事業
  継続計画)を策定しておくことが強く推奨されてきています。

  実際にこの度の大震災に際しては、BCPを策定していた企業では、「BCPが機能した」
  との声を多数耳にしています。

  また、報道等でも「BCPを策定していたことにより速やかな復旧を遂げた」事例が報じら
  れていますが、中小規模の企業では、BCPの策定状況は13%程度に留まっており、
  「策定予定なし(17%)」、あるいは「BCPを知らない(49%)」とする企業が多いことも
  確かです。

                            BCPについての詳細はこちら



  
与信管理
   
とりわけ中小企業における与信管理の重要性は高まる一方です。

   継続的な企業間取引において、現金決済はまれで多くの場合は掛け売りが中心と
   なっています。

   取引先に対して売上債権の支払を一定期間猶予することを「信用を与える(与信)」
   と表現します。

   そして、この信用を与える間の売上債権を管理することを「与信管理」といいます。

   与信管理の業務の流れを大きく示すと次のようになります。

   新規取引先候補選考 ⇒ 新規信用調査 ⇒ 与信限度設定 or 取引可否判断 ⇒ 
   
取引先との正式交渉 ⇒ 取引開始 ⇒ 継続信用調査 ⇒ 与信枠増減 or 取引可否
   判断 ⇒ 取引継続 or 撤退


   複雑多様化している企業経営リスクの中で「動的リスク」の代表格ともいえる「与信
   リスク」は、売掛債権規模で205兆円にも達しています。

   大企業ではなく、資本金1億円未満の中小企業の企業資産を見てみると、
   (1)土地が81兆円 (2)現金預金が81兆円 
   (3)受取手形売掛債権が78兆円となってい
   ます。

   企業資産の1/3を売掛債権が占めています。
   (財務省:平成14年度法人企業統計年報より)

   自社の与信管理をチェックしてみてください。
   与信管理チェックシート

   取引先訪問時チェックリスト 

 


 社長! この売掛債権に対してどのような
       リスクヘッジをしていますか?

   リスクヘッジのための一手段 

   リスケジュール(リスケ) 

   

リスケには「借り換え」と「返済額の繰延」

があります。

   「借り換え」は複数の長期借入金を一本化し、返済額を減少を依頼するものです。

   ここでは「返済額の繰延」について解説してみます。

   リスケについての解説に出てくる各種シート(サンプル)を添付しておきます。


  <リスケに必要な書類(サンプル)>
借入金の返済条件変更依頼書

中期経営計画書

収支計画表

金融機関別借入残高推移表

暫定返済の実行通知書

固定費削減一覧

資金繰り表

   返済が困難になった時には、金融機関に借入条件の変更(減額)をすることも一

   考です。
   (資金繰り表は「いつ資金不足になるか」を知るためで、資金調達を考える上で

   も前段階からの準備のために欠かせません) 

   厳しい経営環境を反映し、ここ数年、企業の倒産件数は高水準で推移しています。


       オーナー社長の知っておきたい経営の基本

  
   組織の編成と運営

   財務について 

   評価・資格・職位について

   先行管理 
   目標達成には目標数値と達成数値の差異を無くすことで、先行管理は売上達成 
   のため差異(差額)管理といえるのです。 

  オーナー社長の保険講座

  社長の退職金について

  社長の年金対策

  社長! こんな時どうします?

 
  社長! 自社の車両管理を再度見直してください 

   建設業界の危険管理  
  建設投資の減少により、受注量の減少や建設業者の供給過剰といった問題が生じ
  るなど、経営環境が悪化しています。

  今、建設業者求められるのは公正で透明性の高い入札・契約制度のもとで、「より
  良い、より安い」社会資本を整備できるよう、技術と経営両面での競争力の向上に
  努めることです。  

  
   経営事項審査
  工事不足は深刻化しており、建設業者の統廃合も活発化している中、「選ばれる企
  業」となる事が生き残りをかけた最重要課題といえます。

  「選ばれる企業」の指標となるものが経営事項審査であり、建設業者はこの評点を
  軽視することは出来ず、経営事項審査の評点を上げる事が重要な「生き残り策」と
  なっている。

 

経営は戦略的思考で

            

経営は戦略的思考で

  ■戦略的思考を利用する

   1.戦略的思考
     会社の社長や経営幹部の仕事は何でしょうか。

     おそらく「会社を経営すること」という答えが返ってくることでしょう。

     では、「経営する」こととはどのようなことでしょうか。

     社長業の本来の中身はどのような業務なのでしょうか。

     自分は営業が得意だからと営業活動に専念している社長や、管理することが
     得意だからと社員の細かい経費管理まで行なうことに時間を費やす社長など
     も見受けられます。

     しかし、本来の社長業は、会社の理念や経営方針を決定して、それを全社員
     で実行していく体制を作り上げること、会社の事業展開を検討して、将来に向
     けてどのような会社を作り上げるかを考える業務であるはずです。

     会社の経営上の目的を効率的に達成するために役立つのが、戦略的思考で
     す。

     「考えるヒント」という感覚で戦略的思考を積極的に利用していくことが、社長
     業の遂行に役立ちます。

     戦略的思考とは、具体的にはどのようなものでしょうか。

     たとえば、次の質問について考えてみてください。

     「現在おかれている会社の環境について考え、その状況を箇条書きで示してく
     ださい」

     この質問にどのように取り組まれるでしょうか。

     周囲の人に意見を聞くという方法もありますし、思いつくままに数えあげるとい
     う方法もあるでしょう。

     もちろん、そのような方法が役に立たないということではありません。

     いろいろな人に意見を聞くことで思わぬ発見があることもあります。

     他人の客観的な分析が、自分では気づかなかった環境について指摘を与えて
     くれることもあるでしょう。

     思いついたままに数えあげることで、無意識に感じていたことが意識に表われ
     てくることもあります。

     しかし、こうした方法は整理された方法ではなく、行き当たりばったりの方法に
     なってしまいがちで、整理された分析は行なわれにくくなります。

     経営環境の分析を行なう場合の戦略的思考のひとつに、自社を取り巻く環境
     を会社の内部環境(人、モノ、カネ、情報など)と外部環境(競合状況、社会状
     況、法律、政治、文化、流行など)に分けて、内部環境の強みと弱み、自社に
     とって有利な外部環境、不利な外部環境を分析する方法が挙げられます。

     この方法を知っているだけでも、先ほどの質問に対して答えを整理することが
     できるでしょう。

     他の例を挙げてみます。

     「お客さまに提供する新しい価値をもった事業を考えてください」という場合、ど
     のように考えるでしょうか。

     これにも戦略的思考方法があります。

     いくつかの方法が提示されていますが、たとえば、「価値を創造する3つの思
     考方法」とでもいうべき方法があります。

     ひとつは、現在ある製品でお客さまが満足していない点に注目する方法です
     (既存の事業をベースに不満足に注目する視点)。

     たとえばソニーの「VAIO」は、パソコンにもデザイン性がほしいという消貴著の
     意見に注目して、デザイン性に重点をおいたパソコンとして開発されました。

     2つ目の視点は、これまで実現できなかった価値を従来の方法と違う手法で実
     現する視点です(新たなビジネスモデルの構築)。

     たとえばパソコンメーカーのデルは、いらないものはほしくない、自分の望むス
     ペックのパソコンがほしいという消費者に、インターネットを通じて顧客の求め
     るスペックのパソコンを直販するという新しいビジネスモデルを構築し、急成長
     を遂げました。

     3つ目の視点は、まったく新しい、価値を創造する方法です(新たな価値蝕造)。

     たとえば宅急便は、国鉄時代には利用者が駅まで荷物を運んでいた荷物輸
     送に、翌日配送で、しかも近くの集配拠点に持ち込めば配達するというまった
     く新しいシステムを作り上げ、新しい価値を創造しました。

     以上の3つの視点が、新しい事業を考える場合の戦略的思考の手段・ヒントと
     なります。

     こうした戦略的思考方法は、今ではさまざまな経営関連の書籍などで紹介さ
     れています。

     自らの解決すべき問題意識を明確にして、それを解決する戦略的思考の方法
     を見つけ出し、それを活用していきます。

   2.戦略的思考を経営戦略に活用
     戦略的思考は、経営戦略のさまざまなステップで活用することができ、社長の
     強い見方となってくれるはずです。

     会社の経営戦略は、環境分析から始まって、自社が力を入れるべき事業を決
     定する成長戦略、成長させる事業に対してどのように限りある経営資源を配
     分していくかを明確にする経営資源配分に関する戦略、各事業で競合他社と
     どのように戦っていくのかを考える競争戦略などの段階があり、それぞれの戦
     略レベルに応じた戦略的思考があります。

     それぞれの段階でどのような戦略的思考が利用できるのかを整理してみま
     しょう。

     最初の段階は、環境分析の段階です。

     この段階の戦略的思考の手段としては、前述した自社を取り巻く環境を内部
     環境と外部環境に分けて分析する方法のほか、顧客、自社、競合の3つの視
     点で分析を行なう「3C分析」(Customer、Company、Competitor分析)な
     どの方法が代表的です。

     環境分析を経て、自社が成長していくために取り組む事業や製品を考える成
     長戦略の段階では、製品と市場の2つを軸にしたマトリクスで分析を行なう「製
     品・市場マトリクス」が代表的な戦略的思考の方法です。

     自社の成長事業・製品が決定された後は、自社のもつ経常資源をいかに有効
     に利用していくかを考える戦略が必要になります。

     これに関しては、大企業が多角化を進めるうえで、自社の経常資源をどのよう
     に投資するかを考えるために、いくつかのフレームワークが提示されている。

     有名なものは、市場成長率と自社の相対的市場占有率という2つの軸を利用
     して、どのポジションにある事業に力を入れるべきか、どの事業を中止するべ
     きかなどを検討するプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の手法があ
     ります。

     そして、選択した事業・製品で、

      いかに競合他社と競争していくかを考える競争戦略においても、
      いくつかの戦略的思考があります。

     次項では、競争戦略における戦略的思考について解説します。

  □中小企業にとっての競争戦略
   競争戦略に関する戦略的思考には古くからいくつかの方法がありますが、よく利
   用される戦略的思考として、「ポーターの3つの競争戦略」や「市場地位別の競争
   戦略」が挙げられます。

   1.ポーターの3つの競争戦略
     競合他社と比べで自社がどのような強みと弱みをもつかを分析し、コスト面と
     差別化面の2点に注目し、どのような特徴を打ち出していくべきかを考えてい
     きます。

     競合他社に対して、競争優位のタイプ(コスト優位を重視するのか、製品や
     サービスの差別化を重視するのか)、競争戦略のターゲットの広さ(競争優位
     を実現するために、広い業界全体をターゲットにするのか、狭い特定分野を
     ターゲットにするのか)という2つの軸で競争戦略を考えます。

     その結果、

      競争戦略は、「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中化戦略」
      の3パターン(基本戦略)に整理することができます。

     集中化戦略については、さらに「コスト集中」と「差別化集中」に区分することが
     できます。

     大企業の場合、コスト・リーダーシップ戦略(たとえばマクドナルド)か、差別化
     戦略(たとえばソニー)をとることができますが、これらはいずれも経営資源の
     限られた中小企業のとるべき戦略ではありません。

     中小企業のとるべき戦略は、ターゲットを絞った集中化戦略です。

     競合他社と比べて、いかにターゲットを絞るかを戦略の基本に据えるべきで
     す。

     たとえば、本物志向のシャツ作りにこだわり注目を集めているメーカーズシャ
     ツ鎌倉(「天然物」の生地にこだわり、極細糸の80番以上の双糸を使った密度
     の高いステッチで縫製され、天然の高瀬貝使用のボタンなど、特徴あるシャツ
     を提供している)や、天然素材の手作りハンドバッグにこだわり、1998年に日
     本経営品質賞(中小部門)を受賞したイピザ(旧・吉田オリジナル)などの事例
     が参考になります。

   2.市場地位別の競争戦略
     これはF.コトラーの競争戦略で、自社の市場における地位や、競合他社との
     関係に注目した競争戦略です。

     この考え方では、

      企業はその市場地位によって、
      リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4つに類型化きれます。
      その類型に応じて、それぞれのとるべき競争戦略を決定していきます。

      (1)リーダー
        リーダーの競争戦略にはいくつかのパターンがありますが、
        第一には、市場シェアの維持と周辺需要の拡大が挙げられます。

        市場内で最大のシェアをもっているという立場がリーダーの強みですか
        ら、この立場を維持しながら市場全体を拡大することを戦略の目標とす
        る。

        周辺市場の拡大によるパイの広がりは、シェアの大きいリーダーにとって
        は優位な展開をもたらします。

        たとえば、市場が日本だけである製品で中国市場への進出も可能になれ
        ば、周辺市場の拡大という視点から、リーダーにとっても中国市場への進
        出は魅力ある戦略になります。

        また、

         非価格競争もリーダーにとって重要です。

        リーダーが価格競争を行なってしまうと市場全体の価格低下につながる
        ため、リーダーにとって価格競争は避けなければなりません。

        したがって、リーダーは新製品の開発やブランドの確立、積極的な広告宣
        伝など、非価格競争で競合企業と戦っていきます。

        第二に、リーダーのとる戦略に、同質化競争という考え方があります。

        リーダー以外の企業が新たな製品を市場に投入したときに、これを模倣
        して同じような製品を市場に投入します。

        こうなると、差別化された製品が同質化され、市場のリーダーにとって有
        利な状況となります。

        たとえば、コーヒー会社が自動販売機向けの缶コーヒーを発売したのに
        対して、飲料メーカーが同じような缶コーヒーを発売し、自動販売機の数
        や従来の販売ルートの強みを活かして、結局は缶コーヒーのシェアをおさ
        えてしまった例や、発泡酒の発売で後発であったビール市場のリーダー
        が、同質の製品を発売してシェアを拡大した例などが挙げられます。

      (2)チャレンジャー
        チャレンジャーは、市場でリーダーと競争できる力をもっている2位、3位
        の企業であり、トップ企業であるリーダーに戦いを挑んでいる挑戦者。

        チャレンジャーの目的も市場シェアの拡大です。

        リーダーの弱みをついたり、自社よりシェアの小さいフォロワーのシェアを
        奪い取ったりする戦略をとります。

        チャレンジャーの基本戦時は、リーダーが真似できない戦略の構築です。

        たとえば、販売チャネルでリーダーとの差別化に成功した例として挙げら
        れるのが、インターネットを利用した直接取引の充実です。

        一般的に、リーダーである企業は販売店契約や販売会社の設立などで
        確固とした販売チャネルを確立していますが、これらのチャネルを大切に
        維持するためには、インターネット取引のような、従来のチャネル構成員
        から批判を招きかねない方法はとりにくくなります。

        チャレンジャーのインターネット・チャネルの構築は、リーダーが真似しに
        くい革新的な方法となりえたのです。

      (3)フォロワー
        フォロワーは、リーダーと争う経営資源のない立場の企業であり、基本的
        な戦略はリーダーやチャレンジャーの模倣です。

        自らは製品や市場の開発に取り組まず、

         リーダーの開発した製品を模倣し、
         経済性を重視しながら後発ならではのメリットを活用し、
         低コストを武器に生存利益の確保を日額に行動します。

        いわば「コバンザメ戦法」ですが、自社の経常資源の制約から、合理的な
        選択の戦略になり得ます。

      (4)ニッチャー
        ニッチャーは、リーダーやチャレンジャーと競合しない特別な領域で、独
        自の地位を築こうとしている企業です。

        細分化した特定の部分市場(セグメント)に特化し、

         その分野の専門企業として、特定顧客をターゲットに、
         一般よりは高価格を維持しながら利益を確保していく戦略です。
         ニッチャーの競争戦略は、中小企業にとって最も適した戦略といえる。

        たとえば、市場に数%程度しかない国産大豆のみ使用した豆菓子のメー
        カー、各地の日本酒に特化した日本酒専門店、アイルランド産のセーター
        であるアランセーターを中心とした品揃えの洋品店、花別の蜂蜜とその紹
        介パンフレットを作成して健康志向で人気の蜂蜜店など、元気のある中
        小企業のとっている戦略です。

        「ポーターの3つの競争戦略」と「市場地位別の競争戦略」を比べてみる
        と、リーダーの戦略はコスト・リーダーシップ戦略に、チャレンジャーの戦
        略は差別化戦略に、そしてニッチャーの戦略は集中化戦略に近いことが
        わかる。

        いずれの戦略をとるにしても、

         自社の競争する領域を明確に定めて集中化できるかどうかが、
         中小企業にとっては重要といえるでしょう。
         競争戦略の決め手は、
         いかに集中できるか、いかに必要でないものを切り捨てられるか、
         にあるのです。

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外部専門家の有効活用

          

外部専門家の有効活用

  ■専門家の採用はコストか投資か

   税理士をたんなる自社の経理(記帳代行)としてしか活用していない
   社労士は法令改正時や給与計算時のみに利用

   中小企業にとって外部専門家、出入りの業者、を自社のビジネスにどのように活
   用できるかを考える必要がある。

   業種・業態のボーダーレス化によりビジネスの垣根が取り払われ、異業種による
   参入が盛んになっている。

   ここで、経営者であるあなたは外部専門家の採用をコストと捉えるか投資と捉え
   るかによって大きく違ってくる。

   彼ら専門家や出入りの異業種業者を自社のビジネスとどのように関連付け、マッ
   チングさせるかを考えることが今まで以上に重要となる。

   あなたの扱い商品やサービスに付加価値を付けることで、たんなるモノとしての
   商品やサービスをどのように競合他社と差別化させるか。

   いかにパッケージ(ブランド)化させるかが重要となります。

   モノがあふれ、単なるコモディティー商品として販売していては、最終的には価格
   競争に陥ってしまう。

   考え・やり方を変えることで同じマーケットであっても違うマーケットとして捉えるこ
   とができます。

   そのためには、単なる「モノ売り」をやめ、「コトを売る」に変えることです。

   「コトを売る」発想は自社のブランド構築に欠かせないキーワードとなります。

   過去の延長線上のやり方でやっていては、頑張れば頑張るほど、ムダなエネル
   ギーを使ってしまいます。

   そして、利益が少なくなって、歯止めのない赤字体質が定着してしまうのです。

   ただ単にモノを売ろうとするだけでは同業他社と同じ。

   製造業であろうと建設業であろうと全てはサービス業なのです。

  □『モノづくり』から『コトづくり』
   我が国はものづくりでは世界NO1と言われています。

   しかし、現実ではそのNO1のものづくりが瀕死の状態です。

   いいものを作れば売れると信じてきました。

   その結果は家電製品を見てみても明白です。

   国内のトップメーカーは韓国に後塵を拝している。

   日本製品はガラパゴス化と言われ、マニアックな製品に力を注いでいるように感
   じる。

   マーケットを絞り込んでの製品づくりであればいいのですが…。

   今日に至るまで、つくったものをそのまま売るという行為を繰り返してきました。

   時代の変化に対応した売り方やお客様の買い方も考えずにです。

   そして、売れない理由を景気や価格のせいにする。

   あなたも自社の商品やサービスが永遠に売れるとは思っていないはずです。

   特にIT化の急激な発展により商品の寿命がどんどん短くなってきていることはい
   まさら言うことでもありません。

   会社にとって重要なことは売上や利益を上げることではありません。

   会社を存続させ、成長させることです。

   そして、会社が存在し続けるためには儲けなければならないのです。

   大企業と違い資金や人材に限りがある中小企業が売上を上げるには、自社だけ
   で戦うことはますます困難になってきます。

   これらの問題を解決するためには、社外の専門家や異業種の協力が必要になっ
   てきます。

   しかし、提携や協業が単にモノとしての商品を増やすためだけの目的であっては
   ならない。

   大切なことは、異業種間の協業目的は付加価値である「コト」を創造するため。

   売れている商品やサービスにはストーリーがあります。

   そのストーリーが、まだ購入していない時点で「よさそうだ」「これを買えば今抱え
   る問題を解決できそうだ」「これを購入すれば私の望んでいる体験ができそうだ」
   といった感情を抱き、購入の引き金を引くのです。

   多くのビジネスマッチングに関するサイトや異業種交流会などが脚光を浴びてい
   ます。

   マスコミ報道では、『モノづくり大国』といった言葉が多数使われているが、モノづく
   りではなく『コトづくり企業』を目指すことです。

   日々の糧を得るために体に汗を流すことも大切ですが、脳ミソに汗を流すことが
   より重要であり、それがトップとしての経営における優先課題の一つなのです。

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