飲食業のパートアルバイトを戦力化

           

飲食業のパートアルバイトを戦力化

  ■パートアルバイトは正社員と同等の存在

   飲食業は他の業種と比較して従業員に占めるパートアルバイト(以下P/A)の比
   率が非常に高く、多くの飲食店にとってP/Aは欠かせない存在となっています。

   接客や調理など、店のほとんどの業務にP/Aは関わっています。

   お客様を直接もてなす機会も多く、その質の良し悪しは店の業績さえ左右しかね
   ません。

   こうしたことから、「飲食業は教育産業である」といわれることがあります。

   接客などにおいて従業員の質がサービスに大きく関係するため、そのP/Aのレ
   ベルを上げるためには人材教育が飲食店成功のカギとなるのです。

    P/Aの戦力化がその店のレベルを引き上げることを
    十分に認識し、そのための教育を行う

   ことが重要です。

   社長のなかには「せっかく採用したのにすぐ辞めてしまう」「無断で店を休む」 「遅 
   刻ばかりする」「やる気が感じられない」と思っている方も多いようですが、ではど
   うすればP/Aをその店の核となる存在に育成できるのでしょうか。

   それには、P/Aを単に一時的で補助的な存在と考えず、その能力に期待して教
   育に力を注ぐことです。

   そして、

    仕事の結果を評価し、次の目標を与えるようにすることによって、
    P/Aはやりがいを感じ、仕事の質も向上するでしょう。

   飲食店のP/Aは雇用形態が異なるだけで、接客サービスに求められることは正
   社員と同じです。

   これからの飲食店においてはP/Aを正社員と同等に教育する姿勢が求められます。

   では飲食店においてP/Aをきちんと教育し戦力化するには、どのようなステップ
   が必要となるのでしょうか。

   まずは、P/Aを含めた全従業員の作業レベルを均一にするための、業務の標準化
   (マニュアルの作成)が必要となります。

   次にそれにもとづいたP/A教育を行います。

   さらに技術面だけではなく、P/Aの精神面への働きかけ、具体的にはP/Aのや
   る気を引き出す仕組み作りが必要になります。

   以上のことが整備されてはじめて、P/Aの戦力化が実現するのです。

  マニュアルの重要性

   マニュアルとは「現場での各作業を標準化し単純化することにより、合理的、効率
   的な業務運営を行うための具体的な作業指示書」ということができます。

   従業員のレベルを均一にするためには、マニュアルを整備し、それに基づき教育
   を行うことが有効です。

   接客サービスに特色のある店としてお客様からの支持を集めている店のなかに
   は、「接客サービスの基礎」と「業務の心構え」といった2種類のマニュアルを作成
   し、新規従業員が店に出る前には、丸3日間もの研修を行っているところもあります。

   こういった店の接客レベルは、徹底したマニュアルによる教育によって保たれてい
   るのです。

   次に、具体的にマニュアル作成上の留意点について解説していきます。

   すでにマニュアルを整備している場合も、今一度、自店のマニュアルを見直して
   みてください。

   1.マニュアルは誰にでも理解できるもの

     マニュアルとはあくまで“現場”レベルで考案された実効性のあるものでなくて
     はなりません。

     いくら立派なマニュアルを作っても、現場の実態からかけ離れたものでは意味
     がありません。

     したがって、

      マニュアルを作る際には、
      現場の実務担当者が集まり、各作業の検討をし、もっとも良いやり方に
      決定します。

     各作業は新人P/Aでもできるように分かりやすい方法・手順・道具を選び簡
     素化した仕組みにすることが必要です。

     また、作業時間の目安が明らかなもの、たとえば清掃作業や仕込み作業など
     は各作業の適正時間(標準時問)も設定しておくとよいでしょう。

     このように現場担当者が作業を標準化したら、それをマニュアルとして整理し
     ます。

     マニュアルに記載する表現はできるだけ短くし、箇条書きを基本とします。

     そのうえで、絵や写真などを活用し、より分かりやすいように工夫することが必
     要です。

      いったんできあがったマニュアルは即全店に導入するのではなく、
      まず一部の店舗でテストを行ってみます。

     このテストは新人など教育をあまりしていないスタッフで行うようにします。

     新人スタッフでもマニュアルに沿って業務を進めることができなければ、マニュ
     アルとしての意味がないからです。

     そしてテスト段階でわかりにくい点、不備な点などがあればこれを改善し、マ
     ニュアルを完全なものとしていきます。

   2.マニュアルは人事考課にも役立つ

     P/Aはマニュアルによって自社の正しい作業手帳をマスターしていきます。

     基本的にマニュアルに定める以外の方法や手順は認められません。

     したがって、各P/Aがマニュアル通り作業を行っているかどうかをチェックし、
     その結果を人事考課に反映することも可能となります。

     マニュアルという基準を作ることで、店長はP/A各個人の能力を評価でき、そ
     の結果を時給や手当に反映させることができるのです。

     また、定期的に人事考課を行うことにより、P/A各個人の得意分野、不得意
     分野が明確となり、より現実的、具体的にトレーニングを行うことができるた
     め、店全体のレベルアップにもつながります。

     また、店長が人事考課の結果を受けて、マニュアルに基づき再度P/Aを指
     導・育成することもできます。

     したがって、

      マニュアルは指導育成のツールとしてだけでなく、
      人事考課のツールとしての役割も担っている

     わけです。

   3.マニュアルはつねに見直す

     マニュアルは、作成した時点における作業上の必要事項を網羅したものです。

     つまり、店の状態や社会環境などが変化すれば、そのマニュアルは陳腐化し
     てしまいます。

     たとえば、POSレジを導入すれば、伝票の処理作業が変わりますし、メニュー
     が変われば商品説明も変わります。

     また店もレベルアップしていかなければならないわけですから、それに合わせ
     たマニュアルのレベルアップも必要となるでしょう。

     現実には、マニュアル作成後、マニュアルの見直しが行われず、各項目が現
     場レベルとかけ離れてしまい、マニュアルが使われなくなってしまう店も少なく
     ないようです。

     これではマニュアルの意味がありません。

     マニュアルはつねに現状を踏まえた内容にリニューアルしていくことが必要な
     のです。

  □P/A教育の手順

   マニュアルができあがったら、次はそれをP/Aに教え込む仕組み作りが必要に
   なります。

   1.教育プログラムの作成とトレーナーの訓練

     マニュアルが整備されている大きなチェーン店でも、教育トレーニングがうまく
     実施できていないところがあります。

     この原因の大半は、トレーニングプログラムの整備不足とトレーナーが正しい
     トレーニング方法を知らないために起きています。

     こうならないためには、P/Aに対しどのような順番で、誰がどのように教える
     かを明確にする「教育プログラム」が必要です。

     教育プログラム作成にあたっては、マニュアル同様に現場でのミーティングを
     重ね、店長などがまとめ役となって作成することが大切です。

     また、実際に新人P/Aの指導にあたるトレーナーの教育も必要です。

     ロープレ(ロールプレイング)を行いどのようにP/Aを指導するのか、言葉や
     動作を確認することも大切です。
       
   2.オリエンテーション(企画)の実施

     新人P/Aが入店するとすぐトレーニングを実施しがちですが、その前に自店
     の経営理念や仕事の使命、会社の歴史、職場のルールなどを分かりやすく説
     明します。

     これが新人にどこまで「動機付け」できるかのポイントとなります。

     このようにオリエンテーションは、P/Aのやる気を左右する重要なものですの
     で、できれば社長自ら、少なくとも店長が行う必要があります。

   3.マニュアルに沿ったOJT の実施

     具体的な作業のトレーニングは、マニュアルを使用してOJTで行います。

     トレーナーは新人P/A(トレーニー)に自己紹介し、これから行う作業の店内
     での位置づけや目的、具体的な作業の流れを説明します。

     次に、トレーナー自身が正しい作業のやり方の手本を示します。

     また、「なぜそのような手順で行うか」といった理由もマニュアルをもとに説明し
     ます。

     次に同じ作業をトレーニーにやらせてみます。

     そして、間違った箇所を具体的に手直しし、再度トレーニーに同じ作業をできる
     まで繰り返しやらせます。

      この段階で重要なことはマニュアル通りに正確に行うことです。
      スピードは慣れてくれば自然に身に付いてくるものですので、
      じっくり、ゆっくり教育する姿勢が求められます。

   4.P/Aの能力に見合った教育を

     P/Aにはそれぞれ能力差があります。

     マニュアルは最低基準を表したものですが、基準に達したらあとは各個人の
     能力に見合った教育が必要になります。

     このレベルになると、トレーナーはトレーニーと少し距離をとり、接客が終了し
     た時点などに、ワンポイントアドバイスを与える程度でよいでしょう。

     また、事例をもとに、トレーニーに解決策を考えさせることも効果があります。

   5.トレーナーの教育

     ベテランの従業員になると、マニュアルを無視したり、勝手にやり方を変えてし
     まうことも多いようです。

     そこでP/Aを教育するトレーナーには、ベテラン社員やベテランP/Aがあた
     るようにすると、この問題も解決されます。

     トレーナーになると、つねに基準を正しく繰り返し新人P/Aに教えなければな
     らないため、マニュアルに定められたサービスレベルや商品管理、店舗管理
     の基準を自分が守らなければならなくなるからです。

  □P/Aのやる気を引き出す仕組み作り

   以上、おもにP/Aを技術面から戦力化する視点についてみてきましたが、これら
   と同等に大切なこととして、

    P/Aを動機付けし、いかにやる気を引き出すか

   ということがあげられます。

   それにはまず、P/Aがどういった理由で働きたいと思ったのか、その志望動機を
   理解する必要があります。

   では、P/Aは働くことに何を求めているのでしょうか。

   まず第一に「お金」が考えられます。

   しかし、P/Aの時給を上げても、一時的にはやる気を見せるものの、しばらくたつ
   とやる気が感じられなくなった、という経験をお持ちの社長も多いのではないで
   しょうか。

   P/Aであっても、お金のためだけではなく、将来を見据えて働き「自分のステップ
   アップにつながる何かを得たい」と考えている場合も少なくありません。

   ですから、ただ単に時給を上げるのではなく、キャリアアップに従って時給も上が
   ることを明示し、P/Aのやる気を引き出すようにすることが重要です。

   仕事面からP/Aのやる気を引き出すには、仕事の内容を徐々に高度にしたり、
   多様な業務を経験させるなど、キャリアアップの仕組みを作り、P/A自身がス
   テップアップを実現できていると感じることができるようにします。

   キャリアアップの仕組みを作るときには貸金体系も連動させて作り、能力のある
   人や頑張った人が適切に評価されるようにすることも重要です。

   また、P/Aは職場を社会との接点として捉え、働く仲間達とふれあい、コミュニ
   ケーションを取ることで社会的欲求を満たしている場合も少なくありません。

   そのため、店としては明るく楽しい職場作りを目指す必要があります。

   たとえば、歓送迎会や忘年会などを開催するのもよいでしょう。

   その際の運営にP/Aから幹事を選出するとさらに仲間意識が高まり、職場に楽
   しい雰囲気が生まれます。

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パート・アルバイトの募集・面接と有効活用

         

パート・アルバイトの募集・面接と有効活用


  ■多様化する雇用形態

   企業はさまざまな方法で社員を雇用します。

   例えば、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどが代表例です。

   景気好調時のメインの雇用形態は正社員でした。

   企業は「新卒を正社員として採用し、定年までの雇用を保障する」ことを採用戦略の基本
   としていたのです。

   この仕組みは、終身雇用、年功序列の人事システムと連動して、おおむねスムーズに
   機能してきました。

   しかし、近年は雇用形態の多様化が急速に進み、企業は「担当させる業務の種類」
   「業務を遂行するために必要な能力」「社員に求める責任感」「社員に求める帰属意識」
   「企業が負担できる人件費」などを総合的に考えたうえで、適切な雇用形態を選択する
   ようになってきています。

   具体的には、簡単な業務でも正社員に担当させる体制を見直し、パートやアルバイトに
   任せるようにしてきているのです。

   正社員とパート・アルバイトの人件費には大きな格差があります。

   個々のケースで異なるものの、正社員とパート・アルバイトの賃金は、社会・労働保険料
   (厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険)まで考慮すると2倍近い開き
   があります。

   雇用形態を正社員からパート・アルバイトに切り替えれば、人件費は半分程度にまで
   削減することも可能となるのです。

   あるいは、企業が同じ人件費を負担するつも
   りであれば正社員1人体制からパート・アル
   バイト2人体制に切り替え、より多くの労働力
   を確保することもできます。

  □これまでのパート・アルバイト活用
   多くの企業は、パート・アルバイトを廉価で短
   期の労働力として位置付けています。

   飲食店やガソリンスタンドのスタッフ、工場の
   作業員などが典型的な例です。

   企業は、比較的単純でマニュアル化しやすい
   業務をパート・アルバイトに任せていました。

   あまり責任の重くない業務をパート・アルバイトに担当させ、1〜2人の正社員がそれを
   監督することで人件費を削減していました。

   そのため、各企業におけるパート・アルバイトの処遇に大きな違いはありませんでした。

   業種、地域、勤務時間によっておおよその時給の相場は決まっていますし、パート・
   アルバイトが大幅に昇給することもありませんでした。

   企業は正社員とパート・アルバイトを大きく2つのグループに分け、各グループごとに
   全体管理をしていたのです。

   この方法は非常にシンプルで管理も容易でした。

  □パート・アルバイトにも個別管理が必要

   最近では正社員とパート・アルバイトの2大グループで社員を全体管理する体制は見直
   されています。

   その主な背景は次の通りです。

    ・雇用管理が多様化し、全体管理が難しくなってきた
    →個々の社員によって主要な労働条件に格差をつけることが増えたため

    ・パート・アルバイトの中にも正社員と同様の働きをする貴重な戦力がいる
    →雇用形態に関係なく、優秀な人材は企業の貴重な戦力

    ・雇用形態を問わず優秀な社員を手厚く処遇することで、戦力確保を目指す 
     企業が増えてきている
    →優秀な人材には、長く自社で貢献して欲しい

  □パートを取り巻く環境の変化

   企業がパートを活用する際の基本は短期で廉価な労働力ですが、最近は変化してき
   ている。

   流通業を中心にパートをより戦略的に活用し、優秀なパートの時給を引き上げたり、
   正社員に登用したりしています。

   こうした企業は、正社員の代行が務まるような優秀なパートが存在することに注目し、
   そうしたパートを正式に社員として雇用し、自社の戦力にしているのです。

   このような、企業におけるパート活用方法の変化の影響により、パートの募集条件にも
   目立った格差が生じています。

   パートを戦略的に活用しようとする企業が提示する時給は高く、中には子どもを持つ
   主婦のパートのために託児施設を準備する企業もあるほどです。

   通常、パートとして働くことを希望する人は、時給など募集条件が少しでも高い企業を
   就職先として選択しています。

   高い募集条件を提示する企業が出てきているということは、それだけパートを採用する
   ための競争が激化しているということです。

   こうした中で、企業が計画通りにパートを採用し、有効に活用していくためには、募集
   条件や募集方法を工夫することと同時に、採用後の活用体制も整える必要があり
   ます。

  □パート・アルバイトの定着率を高める

   CS(顧客満足)という言葉が強く意識されるきっかけとなったのは、1990年に出版された
   『真実の瞬間』(ヤン カールソン著)が有名です。

   スカンジナビアン航空の事例をCS活動として
   紹介しているこの本のタイトルにすべてが込
   められています。

   サービス業(すべての営業会社)はお客様と
   直に接するビジネスです。

   お客様と接するわずかな“瞬間”がその会社
   (店)に対する印象を形成し、満足度に大き
   く影響します。

   だから「真実の瞬間」というタイトルにインパ
   クトがあるのです。

   では、サービス業において「真実の瞬間」に
   お客様に接しているのはどんな人でしょう。

   小売店、飲食店、GSなどの場合、パート・
   アルバイトであることが多いはずです。

   つまりサービス業において、会社企業(店舗)の価値はパート・アルバイトの質によって
   評価されるといっても過言ではありません。

  □採用活動を始める前に、辞めさせないことを考える

   サービス業のコスト構造の中で、人件費が大きなウエイトを占めることはいうまでもあり
   ません。

   パート・アルバイトが辞めずに長く勤務することが、人件費コストの低減につながり
   ます。

   新人を雇うことは、募集にかかわるコストはもちろん、訓練・教育の時間(パート・アル
   バイトと教える社員の時間給)がかかり、仕事に不慣れな新人の生産性は高くありま
   せん。

   それに対し、仕事に熟練したパート・アルバイトが辞めずに長く勤務していれば、採用・
   訓練・教育関連のコストは発生しませんし、熟練者は、新人より多くの仕事をこなせる
   し、ミス も少なく、生産性が高くなります。

   いくら新人をとっても、なかなか定着しないという状況であれば、原因を探り、その問題
   (新人の離職防止)をまず解決する必要があります。

  □パート・アルバイトの定着率を高める確認事項

    ・時間給や待遇(交通費など)は近隣の相場に合っているかを同業種の会社(店)の
     募集要項と比較する

    ・給与の支払いに間違いや遅延はないか

    ・勤務をする上での店舗のルール(特に遅刻・欠勤)は守られているか

    ・仕事の割り当てに不公平感がないか

    ・パート・アルバイト間での対立や、悪口・陰口などが目立たないか

    ・定期的にミーティングを行い、円滑な職場環境が維持できているか

  ■パートを募集する際の各種条件設定

  □ポイントは募集条件

   パートの採用活動で重要なのは、短期間で必要な人数のパートを確実に採用すること
   です。

   これを実現するためのポイントは、他社よりも有利な募集条件を提示することです。

   多くの場合、応募者(求職者)はパートとして働く就職先の事業内容や将来性よりも、
   時給や労働時間など当面の労働条件を重視するためです。

   個々の応募者によって異なるものの、パートとして働く就職先を選ぶ際に重視される
   主な条件は次の通りである。

   1.「時給」は相場を意識して決定

     応募者が最も重視する募集条件は時給。

     パートの時給には地域や業種による相場があり、応募者もそれをよく知っている。

     応募者は「○○地域で、○○として働くなら時給○○円は欲しい」と考えている。

     従って、募集条件が応募者が希望する水準に達していない会社(店)にはなかな
     か応募者は集まらないのが実態です。

     逆に、相場を上回る時給を提示すれば多くの応募者を集めることができるでしょう。

     相場に上乗せする金額は数十円で問題ありません。

     時間単位で働くパートは、ある意味で賃金に非常にシビアです。

     例えば、時給900円と時給950円では1時間働いても50円しか変わらないが、パー
     トにとっては大きな魅力となります。

   2.「勤務場所」で不利な場合は、ほかの条件でカバー

     応募者がパートとして働く就職先を見つける際、勤務場所は非常に重要な条件と
     なる。

     主婦であれば「家から近い」、学生であれば「通学途中にある」ことが基本となり、
     これが満たされない場合は、最初から就職先の候補とはならないのです。

     そのため、駅から近いなど交通の便がよい場所に立地する企業は有利となります。

     逆に、駅から遠いなど通勤に不便な場所に立地する企業は不利となるが、この問
     題を根本的に解決することはできないため、「時給を上げる」「マイカー通勤を認め
     る」などほかの募集条件でカバーすることになります。

     マイカー通勤を認める場合は、一定のガソリン代を交通費として支給するなどの条
     件が効果的です。

   3.シフト(労働日・労働時間)」に柔軟性を持たせる

     シフト(労働日・労働時間)を柔軟に組み、自分の好きな時間に働くことができる点
     は、パートという雇用形態の大きな魅力である。例えば、子どもを保育園に預けて
     いる間だけ働きたい主婦にとって、シフト
     が柔軟なパートは実に好ましい雇用形態
     といえます。

     こうした応募者のニーズを満たすため、企
     業は柔軟にシフトが組めるような体制を整
     えることが重要となります。

     そのための一つの方法は、労働時間を短
     く設定してシフトを組むことです。

     例えば、パートの労働力が必要な時間が
     12時間である場合は、6時間の2交代制
     ではなく、4時間の3交代制にするとよい。

     こうすることで、シフトを柔軟に組むことが
     可能になる。

     また、1回当たりの労働時間を短くすると、
     パートが欠勤した場合のフォローが楽になるというメリットもあります。

   4.最後の決め手は「職場の雰囲気」

     時給、就業場所、シフトがほぼ同水準の企業が複数あって甲乙が付け難い場合、
     応募者は職場の雰囲気によってパートとして働く就職先を選択することが多い。

     同じような募集条件なら「働きやすそうな職場を選ぶ」のは当然のことだといえる
     し、多少時給が低くても、雰囲気を重視してパートとして働く就職先を選ぶ応募者
     も少なくありません。

     自社(店)が応募者に職場の雰囲気をうまく伝えることは容易ではないが、応募者
     から問い合わせの電話があった時や面接の場などを利用して、「働きやすい職場」
     であることをアピールするとよいでしょう。

  □最適な募集時期 

   1年の中でパート・アルバイトの応募が多い時期と、少ない時期があります。

   また、企業・店舗側でも、採用が多い時期と少ない時期があります。

   当然ですが、会社(店)側の求人が少なく、パート・アルバイトの応募者が多い時期に
   採用活動をした方が、質の良い人材を採用できる可能性が高くなります。

   景気の動向や、近隣に大型店舗が出店するなどの特情にも左右されます。

   年間を見通して、既存のパート・アルバイトの動向も把握しつつ、効率の良い採用計画を
   立てましょう。

  面接のための準備

   効果のある面接を行うためには、しっかりとした準備が必要です。

   日々の業務ををこなしながら、面接の時間を確保するのですから、効率の良さも求め
   られます。

   まずはターゲットを絞る必要があります。

   何曜日の何時から何時まで働ける人が必要なのか、どんな職種を求めているのか、
   どんな属性(学生・フリーター・主婦)の人を求めているのかなどをあらかじめ考えて
   おきます。

   店舗の要望に対して、まったく的外れな応募者と面接しても、時間の無駄になるだけ
   です。

   応募は電話で受け付けることが多いと思いますが、その段階で最低限の条件を示して、
   面接者を絞っておく方がいいでしょう。

   例えば、日本語があまりできない外国人を採用するつもりがないのであれば、断った
   方が効率的ですし、希望勤務時間帯が会社(店)で求めている曜日、時間帯とまった
   く合わない応募者なども、断った方が無駄な面接をせずに済みます。

   応募の電話は必ずしも責任者だけが受け付けるわけではないので、他のスタッフでも受
   けられるように準備をしておきます。

  □面接のために準備すること

   1.電話で断る応募者の条件を整理しておく。

   2.店長が面接できる日時を指定しておき、店舗側の条件と合う
     応募者の面接日時を確定する。

   3.応募者の氏名、連絡先、属性、希望勤務時間帯などをメモする
     ためのノートなどを用意する。

   4.面接時に履歴書を持ってくるように伝える。

  □面接に目的を持つ

   採用基準を明確にし、面接で聞き出す情報を整理し、すぐに辞めないパート・アルバイト
   を選別することによって、無駄なコストを避けることができるようになります。 

   このように面接のやり方次第で効果に違いが出ます。

  □採用基準の基本「身だしなみ・言葉づかい

   パート・アルバイトがお客様との接点を持つことが多いサービス業では、どんな人材を
   採用するかは、自社(店)のイメージに重大な影響を与えることになります。

   身だしなみや言葉づかいなどは、採用基準の基本です。

   きちんとしたルールを作っておき、その基準に応募者が達しているかどうか、達していな
   いのであれば、直すことを採用の条件として提示することが大切です。

   身だしなみについては、髪形、髪の色、仕事中のアクセサリー着用の制限、男性はヒゲ、
   女性は化粧の濃さなどの要素があります。

   業態にもよりますが、食べ物を扱う商売であれば清潔感のある髪形が求められますし、
   幅広い層のお客様が利用する店であれば、過度に着色された髪色などは避けるべき
   です。

   アクセサリーや化粧も、まったくNGということ
   にはならないと思いますが、仕事に適した節
   度は必要です。

   「おしゃれ」と「身だしなみ」は違います。

   基本となる考え方は誰のためにするのかとい
   うことにあります。

   「身だしなみ」は相手のためにするものです。

   仕事をする上で必要な身だしなみは、お客様
   に不快感を与えず、店舗のイメージに合うも
   のである必要があります。

   採用してしまってからでは遅いのです。

   言葉づかいも大切です。

   普段使っている言葉は接客中に出てしまうものです。

   面接では応募者もある程度構えていますから、普段のままの言葉づかいが出ることは
   ありません。

   気になるような言葉づかいであれば、初期の研修段階で少しきつめに注意します。

   身だしなみや言葉づかいは、最初が肝心です。

   採用して、仕事に慣れてから修正するのは苦労します。

   面接の段階からすでに研修を始めているようなつもりで対応することで、その後の研修
   がスムーズに進みます。

  ■ルールを整備する

   採用基準に達しているかどうかを判定し、さらに会社(店)の要求に合わせられるかどう
   か条件提示をすることが面接のポイントとなります。

   その前提は、ルール、基準を整備することです。

   身だしなみや、言葉づかい、挨拶、シフトを守ることなど、ルールが整備され、既存の
   パート・アルバイトにも守らせていることが大前提になります。

  □採用基準、ルールを明確にしておく

   ・身だしなみ・店舗のルールに合っている、もしくは、注意したことが直せる人

   ・言葉づかい・敬語、丁寧語が自然と使える人

   ・シフト・店舗が必要とする時間帯に勤務できる人

   ・日常の生活の状況から、無理なく勤務可能と想定できる人

   ・勤務可能な曜日・時間が固定できる人

   ・急な用事などで欠勤の可能性が少ない人(小さなお子さんがいる、別な
    仕事と掛け持ちをしている、就職活動中の学生などは、急な欠勤をしやすい)

   ・年末年始や大型連休など、アルバイトが集まらない時に働ける人

   ・勤務期間・職種にもよるが、極力、長い期間働ける人

   ・勤務日数・週3回以上は働ける人(勤務日数が少なすぎると、仕事に熟練
    しない)

   ・通勤・通勤時間が短い人

   ・学生の場合、家と学校の間に店舗がある人(通勤の負担がない)

   ・動機・働く動機が明確な人(給与の使い道がはっきりしている)

  ■面接を実施する際のポイント

  □面接時の基本姿勢

   応募者が集まったら、いよいよ面接となります。

   面接では、企業が応募者の能力ややる気を見極めているのと同様に、応募者も職場の
   雰囲気を敏感に探っています。

   そのため、明るく気持ちのよい態度で面接に臨み、「働きやすそうな職場」というイメー
   ジを与えることがポイントとなる。

   その際、担当する面接者にも留意するとよいでしょう。
   例えば、応募者が若者の場合は、面接者も若手の正社員としたほうが場の雰囲気が
   和みやすくなります。
    
  ■パート・アルバイトを活用するためのポイント

   1.教育による早期戦力化

      基本的な教育の進め方は正社員もパートも変わりません。

      明確な目標を設定し、その達成に向けて必要な教育を施していきます。

      ただし、パートは労働契約の期間が短いため、教育に長い時間をかけることが
      できません。

      そのため、パートの教育では、短期間で戦力化することがポイントとなる。

      パートを短期間で戦力化するためには、まず正社員の中から教育担当者を選任

      する必要があります。

      これにより、パートの指揮命令系統が整えられます。

      また、正社員が業務のすべてを教育することは効率的ではないため、基本的な
      業務の進め方などはあらかじめマニュアル化しておき、これを使いながら教育す
      ることをお勧めします。

      また、正社員向けの研修にパートを参加させることも一策です。

      これにより、企業が正社員やパートなど雇用形態によって区別せずに人材教育
      に力を注いでいる姿勢を示すことができ、パートは「会社(店)の一員としての自
      覚」を持つようになります。

    2.円滑なコミュニケーションの実現

      会社(店)への帰属意識が低いパートは、「何かあったら、いつ辞めても構わ
      ない」と考えがちです。

      実際、コミュニケーション不和などの悩みを抱えると、無断欠勤したり、突然に退
      職したりするパートもいます。

      パートが無断欠勤したりするとシフトに穴が開き、企業はほかのパートを投入す
      るなどしてフォローしなければなりません。

      また、無断欠勤などをするまでには至らなくても、悩みを抱えたまま働かれては
      業務にミスが生じかねません。

      そのため、正社員とパート、あるいはパート間の円滑なコミュニケーションを実現
      することは、パートを有効活用するうえで非常に重要であり、これを実現するた
      めのポイントは、「パートを自社(店)の一員として受け入れる雰囲気」を醸成
      することです。   

      例えば、正社員とパートの円滑なコミュニケーションを実現するために、正社員の
      ほうから「お疲れさま」とパートに声をかけ
      るようにしてみる。

      この簡単な一言だけでも効果は大きいも
      のです。

      また、パート間のコミュニケーション不和
      は不平等感から生まれることが多いの
      です。

      例えば、「私より○○さんのほうが、正社
      員に頼りにされている」といったことがき
      っかけで人間関係に問題が生じるのです。

      こうしたつまらないことでコミュニケーショ
      ン不和が生じないよう、正社員はどのパート
      に対しても平等に接するように心がける必
      要があります。

    3.人事制度の整備による不満の解消

      パートの中には、正社員の代行が務まるほど優秀な人材がいるものです。

      優秀なパートの存在は自社(店)にとって非常に頼もしいが、当のパートは「正
      社員と同じ仕事をしているのに賃金が低い」ことに強い不満を持っていることが
      あります。

      こうしたパートの不満を解消するための取り組みとしては、パートへの能力給の
      適用、正社員への登用などが効果的となるでしょう。

      パートは、自らの能力を高く評価してくれることに感謝し、それまで以上に積極的
      に業務に励むようになります。

      なお、こうした制度を構築する際は、必ず就業規則などに定めることが必要です。

      また、面接の時点で、能力給が適用されたり、正社員に登用される可能性があ
      ることを応募者に伝えるとよいでしょう。

      こうすることで、応募者はますますやる気を高め、中には正式雇用を望む者も出

      てくるでしょう。

    4.「パート活用度診断サイト」からの情報収集

      (財)21世紀職業財団は「パート活用度診断サイト」を運営している。

      このWebサイトでは、自社のパートの活用状況や他社の事例をチェックできる
      だけではなく、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(通称:パート
      タイマー法)」など、パートを活用する際に把握しなければならない法令や指針を

      紹介しています。

      「パート活用度診断サイト」は登録制のWebサイトですが、登録は無料なので、
      こうしたWebサイトから情報を収集してみるのもよいでしょう。

 

 

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