LLC(合同会社)とLLP(有限責任組合)について

            

LLC(合同会社)とLLP(有限責任組合)について   

  
  ■LLC(合同会社)

   平成18(2006年)年に施行された会社法によって、会社についての規定がそれまでの
   会社類型と大きく変わりました。

   もっとも大きく変わったのは、有限会社法が廃止され、有限会社という概念がなくなり、
   株式会社に一本化されたことです。

   これにより会社法施行後は、有限会社の新規設立はできなくなりました。

   会社法施行前に存在していた有限会社のうち、組織変更を行わなかった会社は、「特
   例有限会社」として存続し、従前のとおり有限会社の商号を用いています。

   特例有限会社は「有限会社」という名前はついていますが、会社法の下では正式には株
   式会社の一形態という扱いになっています。

   したがって会社法施行を境に「施行前の定義での有限会社」は消滅しました。

   代わって登場したのが、合同会社という形態です。

   合同会社とは、これまでも認められていた合名会社や合資会社とともに、会社法で新た
   に設立が認められた持分会社の一形態です。

   米国で普及しているLLC(Limited Liability Company)の日本版ともいわれています。

   日本でも会社法施行後、すでに数多くの合同会社が登場しています。

   従来からの持分会社では、合名会社は全員が無限責任社員、合資会社が無限責任社員と
   有限責任社員で構成されているのに対して、合同会社では持分会社ならではの自由な内部
   自治を確保しながら全員が有限責任社員である点が最大の特徴です。

   この結果、会社法施行後に設立できる会社法上の法人は、以下のとおりとなりました。

    ・株式会社会社設立.jpg

    ・合名会社

    ・合資会社

    ・合同会社

  □合同会社とは

   2006年5月の会社法の施行により、新しい会
   社組織類型として合同会社(日本版LLC)が新
   たに創設されました。

   この合同会社は、

    ・期間設計が柔軟化した組織である

    ・社員の責任が有限責任(出資額の限度で有限責任)である

    ・社員自らが会社の業務を行う

    ・社員は法人でもよい

   という点があります。

    *合同会社は、株式会社のような取締役の設置義務はなく、出資者である社員 
      が業務執行をし、法人が業務執行社員となることもできます。

      なお、業務執行社員が法人である場合には、その法人は自然人(注)を業務
      執行者として任命しなければなりません。

    注:法律上、人間は自然人とよばれ、さまざまな権利や義務が与えられています。
      一方会社は法人とよばれ、人間と同様の権利や義務が与えられています。

    *また、会計監査人の設置が強制されず、決算広告も義務づけられていません。

  □合同会社の特徴

   前述してきた通り、これまでの会社類型においては、株式会社か有限会社を選択すること
   で有限責任制を確保できるものの、これらの組織では組織内自治の自由度が確保できま
   せん。

   一方、合名・合資会社を選択することで組織内自治の自由度を確保できるものの、出資者
   の有限責任制が確保できません。

   つまり、いずれの会社類型においても、上記2つの特徴を併せ持つ会社組織をつくること
   ができませんでした。

   2006年5月に施行された会社法で新たに創設された合同会社では、社員の有限責任
   が確保され、会社の内部関係については組合的規律(原則として全員一致で定款の変
   更そのほかの会社のあり方が決定され、社員自らが会社の業務の執行に当たるという
   規律)の適用が認められています。

   なお、合同会社は会社類型の一つとして、会社法の中で規定されるものであるため、会社
   法上の規律に服することとなります(合名・合資会社とともに総称として持分会社と呼ば
   れ、共通に適用すべき規律については、同一の規定が適用されます)。

   また、法人格を有する会社組織という点から、法人課税が適用されます。

   合同会社は株式会社のような取締役の設置義務はなく、出資者である社員が業務執行
   をし、法人が業務執行社員となることもできる。

   なお、業務執行社員が法人である場合には、その法人は自然人(* 法律上、人間は自然人
   とよばれ、さまざまな権利や義務が与えられています。

   合資・合名会社との違いは、会社債務について

    ・合資・合名会社:無限責任を負う無限責任が必要である

    ・合同会社    :社員全員が出資額を限度とする有限責任社員である

   という点が大きく異なります。

  □合同会社の社員の責任

   1.社員の有限責任

    合同会社では、社員である出資者全員が有限責任であり、出資の範囲内でし
    か責任を負わないので、会社の債務について弁済責任を負いません。

    そのため、債権者保護を図ることが必要になり、次のことが整備されています。

     @剰余金の分配規制

     A出資財産の限定

     B全額払込主義の採用

     C情報開示

     D業務執行者の第三者責任など

   2.業務執行社員の責任

    合同会社の業務執行社員は、合同会社に対して、善管注意義務および忠実義
    務を負います。

    合同会社の業務執行社員だけではなく、それ以外の者でも、業務執行社員の
    合同会社に対する責任を追及する訴えを提起することができます。

    また、合同会社の業務執行社員の第三者に対する責任については、株式会社
    の取締役の第三者に対する責任と同様です。

   3.誤認行為の責任

    合同会社の有限責任社員が、その責任の限度を誤認させる行為をしたときは、
    その誤認に基づいて取引をした者に対して、その誤認させた責任の範囲内でそ
    の債務を弁済しなければなりません。

    合同会社の社員でない者が、自己を有限責任社員であると誤認させる行為をし
    たときは、その社員でない者は、その誤認に基づいて合同会社と取引をした者
    に対し、その誤認させた責任の範囲内でその合同会社の債務を弁済する責任
    を負います。

   4.業務執行社員の会社に対する損害賠償責任

    業務執行社員は、その任務を怠ったときは、合同会社に対し、連帯してこれに
    よって生じた損害を賠償する責任を負います。

  □合同会社の税務と会計

   1.合同会社の税務

    米国のL LCは構成員課税が適用されていますが、日本版LLCである合同会社
    は現在の税法では米国と異なります。

    日本の法人税法上では、法人格を有する合同会社は法人課税を受けることに
    なります。

    したがって、法人の課税所得に対して法人税などが課され、合同会社から出資
    者への利益の分配は、個人の場合は配当所得になり、法人の場合は受取配当
    金の益金不算入となります。

    業務執行社員である個人へは、役員給与(役員報酬や役員賞与)としての取り
    扱いとなり、受け取った社員(個人)側にとっては、給与所得となります。

    法人税などの課税については株式会社などと同様の扱いになります。

   2.合同会社の会計

    合同会社は次の財務諸表を作成しなければなりません。

     ・貸借対照表

     ・損益計算書

     ・社員持分変動計算書

    *合同会社は会計帳簿の閉鎖のときから10年間、その会計帳簿およびその事
      業に関する重要な資料を保管しなければなりません。

    *合同会社の債権者は上記の財務諸表を閲覧し、または謄写の請求をするこ
      とができます。

  ■日本版LLP

   海外では、創業や事業再編、産学連携の推進や研究開発・高度サービスなどの共同事業の
   振興のため、新たな事業体制度が整備されています。

   これらは、

    ・LLP(Limited Liability Partnership:有限責任組合)平成17年8月にスタート

    ・LLC(Limited Liability Company:有限責任会社)平成18年5月にスタート

   と呼ばれています。

   その特徴としては、

    ・出資者が出資額までしか責任を負わない(有限責任制)

    ・組織内部の取り決めを出資者が自由に行うことができる(内部自治原則)

   が挙げられます。

   また、税制面では
    ・LLPやLLCに課税されず出資者に課税され
     るため、二重課税されることがないLLPとLLC.jpg
     (構成員課税制度)

   ことが挙げられます。

   これら3つの特徴から海外ではこのLLPやLLC
   が活発に活用されています。

  □日本版LLPの特徴

   日本版LLPの特徴は次の3つです。

   (1)有限責任

     ・出資者全員に有限責任性を付与。LLPの
      出資者が、出資の範囲で責任を負う。

     ・債権者保護規定の整備。開示ルールや組合財産の保全など、債権者の保護に
      関する適切な処置を講じる。

   (2)内部自治原則

     ・内部組織の柔軟性。株主総会や取締役会などを設ける必要がなく、組合員間の
      合意でスムーズな事業運営が可能。

     ・柔軟な損益分配。出資比率ではなく、労務やノウハウの提供など事業への貢献
      度合に応じて損益分配が可能。

   (3)構成員課税制度

     ・出資者へ直接課税。LLPで利益が出た時に、法人課税されたうえにさらに出資者
      への配当課税が課される(二重課税)ことがない。

     ・LLPで損失が出た時に、一定の範囲内で組合員の持つほかの所得と通算が可能。

   特に、これまでの民法上の組合では認められない「出資者への有限責任制の付与」が可能
   となることが最大の特徴といえます。

   なお、日本版LLPは、民法組合を基礎としながら、これに出資者たる組合員全員の有限責任
   性を付与するものです。

   組合員は無限責任を負う民法組合と比べ、有限責任の分、負担するリスクは小さくなり
   ます。

   しかし一方で、この組合員の有限責任制によって、債権者は民法組合と比べ、逆に負担
   するリスクが大きくなります。

   そこで債権者など第三者を保護する観点から、この法律では、

    ・有限責任組合であることを対外的に明らかにする開示ルール(組合契約登記、名称
     の使用強制)

    ・債権者保護のための組合財産の保全(設立時の出資金の全額払込み規制、労務
     出資の禁止、組合財産の分配規制)

   など、必要な措置・規律が整備されています。

 

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NPO法人のメリット・デメリット

            

NPO法人のメリット・デメリット

  ■NPOとNPO法人

   NPOはNon−Profit Organizationの略称で、非営利組織と訳されます。

   つまり利潤追求や利益配分を行なわず、自主的・自発的に活動する、営利を目的としない
   組織・団体の総称です。

   ボランティア活動や個人の自発的な社会貢献活動などを行なっているボランティア団体、
   市民活動団体やNGO(Non−Governmental Organization)の略称で、非政府組織と
   訳されます。

   NPOの中でも、特に国際交流を中心に活動している団体をNGOと呼んでいます。

   ただし、通常、民間非営利組織といった場合に含まれることのある消費生活協同組合のよ
   うな共済組織や伝統的に存在する町内会などの地縁組織は含みません。

   NPOの活動分野は、社会福祉から環境保全、教育・文化までと幅広いものとなっていま
   す。

  □NPO法人の対象となる公益性のある活動(特定非営利活動)

   1998年12月にNPO法(特定非営利活動促進法)が施行された当初は、12分野が公益性
   のある活動として法人格の与えられる対象となっていました。

   しかし、2003年5月1日に改正NPO法が施行されると、新たに5分野が追加されることと
   なり、合計17分野において特定非営利活動が可能となります。

   (従来の対象である12分野)

    ・保健、医療または福祉の増進を図る活動

    ・社会教育の推進を図る活動

    ・まちづくりの推進を図る活動

    ・文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動NPO法人.jpg

    ・環境の保全を図る活動

    ・災害救援活動

    ・地域安全活動

    ・人権の擁護または平和の推進を図る活動

    ・国際協力の推進

    ・男女共同参画社会の形成促進活動

    ・子供の健全育成を図る活動

    ・以上の活動に対する助言、支援活動

   (2003年5月に追加された5分野)

    ・情報化社会の発展を図る活動

    ・科学技術の振興を図る活動

    ・経済活動の活性化を図る活動

    ・職業能力の開発または雇用機会の拡大を支援する活動

    ・消費者の保護を図る活動
            ※宗教活動や政治活動はNPO法の対象となりません。

  □NPO法人の要件

   NPO法により法人格を取得することが可能な団体は、上記に挙げた「特定非営利活動」
   を行なうことを主たる目的とした、次の要件を満たす団体です。

    ・営利を目的としないこと

    ・社員(総会で議決権を有する者)の資格の得喪に関して、不当な条件を付けない
     こと

    ・役員のうち報酬を受ける者は、役員総数の3分の1以下であること

    ・宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと

    ・特定の公職者(候補者を含む)または政党を推薦、支持、反対することを目的とす
     るものでないこと

    ・暴力団もしくはその構成員の統制の下にある団体でないこと

    ・10人以上の社員を有するものであること

  □法人格を得ることによるメリット・デメリット

   従来、わが国でボランティア団体などの非営利組織(株式会社や有限会社など、営利の
   獲得を目的とした団体以外の団体)が法人組織となるためには、民法上の社団法人あ
   るいは財団法人となるしか方法はありませんでした。

   しかし、民法上の法人となるためには、所轄庁からその団体が一定の「公益性」を備え、
   最低でも5000万円の基本財産を確保していることが求められ、また、同じような活動を
   行なっている団体がすでに存在する場合には、新たな参入者を認めないという傾向があ
   りました。

   そのため、小さな団体が法人格を取得することは大変難しい状況にあったといえます。

   しかし、NPO法の施行により、10人以上の正社員が存在し、活動目的がNPO法に定め
   る内容に合致していれば、特に資産を必要とせず、書類審査のみで「法人格」を得るこ
   とができるようになりました。

  □法人格の取得で得られるメリット

   ・団体として、団体名であらゆる取引を行なうことが可能

    法人格がない団体の場合、なにかの取引を行なう際には、代表者個人の名前か、
    あるいは構成員全員の名前で行なわねばなりませんでした。

    しかし、法人格が認められれば、団体名で土地や重などの資産をもったり、事務所
    を借りたり、銀行口座を開設したり、備品などの売買行為を行なったりすることがで
    きます。

   ・組織としての永続性が増す

    団体の名前で資産をもったり、取引が行なえるようになることは、組織としての活動
    が構成員の変更などによる影響を受けなくなることを意味します。
    すなわち、従来必要であった資産の引き継ぎなどがなくなり、代表者の権限委譲が
    行ないやすくなるのです。
    したがって、組織としての永続性は増すことになります。  

   ・組織としての社会的信用力が増す

    法人格を取得することで、単なる個人の集合である組織と異なり、ある日突然、活動

    を停止してしまうという危険性が少ないとみなされます。
    このことは、他団体や金融機関との取引を開始するにあたって信用を獲得すること
    ができます。

  □法人格の取得で発生するデメリット

   ・外部報告義務が発生する

    NPO法人は、毎年度終了後3カ月以内に、事業報告書、財産目録、収支計算書
    および役員と10人以上の社員についての住所氏名を所轄庁に提出するとともに
    事務所に備え置き、利害関係人に閲覧させなければなりません。

   ・現在のところ税制上のメリットは特に得られない

    民法上の社団法人や財団法人の収益事業に対しては一般の営利法人(株式会社

    など)よりも低率の法人税が課せられますが、NPO法人に対しては、この時例の適
    用が見送られたため、収益事業に対する課税は、通常の営利法人と同様に課せら
    れます。

   ・課税所得が800万円超   30.0%

   ・課税所得が800万円以下  22.0% 

   また、地方税の均等割課税は、収益事業を行なっていなくとも課せられます(自治体
   によっては、地方税を減免しているところもあります)。

   ・新たな費用が発生する  

    団体名の印鑑や、団体名入りの各種文書類などの備品類や、法人設立活動のため
    の諸費用など新たな費用が生発します。

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公益法人 財団・社団の設立

             

公益法人 財団・社団の設立

  これまでは財団や社団を設立する場合には主務官庁の許可を受けなければなりま
  せんでした。
  しかし、平成20年12月の改正法施行により、株式会社の設立と同様に登記だ
  けで財団や社団が設立できるようになりました。   

    ※一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

  ■公益法人と一般社団・財団

   公益法人と言えば、過去にテレビ等で事業仕分けの様子が報道されていました
   が、あまり馴染みがない存在でした。

   「公益」事業以外の事業は行ってはいけない法人だろうとか、税金も優遇されてい
   るだろうとか、一般には関係が薄い法人と思われていました。

   しかし、法改正によって、従来のような不特定多数の者の利益を追求する「いわ
   ゆる公益」事業でなく、会員メンバーの利益を追求する「共益」事業あるいは「収
   益」事業であっても、余剰金の分配を目的としない社団と財団については設立が
   できるようになりました。

   例えば、親睦会や同業者団体のような団体でも、会員制のセミナー事業や交流
   会でも、社団法人として設立するということも可能になりました。

  □公益目的の社団法人・財団法人の概要

   法人には下記の表のようにいくつかの種類がありますが、その法人を構成するも
   のが人か財産かによって 次のように分類されます。

    ・人によって構成される ……社団法人

    ・財産によって構成される……財団法人

   社団法人は、一定の組織を持つ人の集合体であり、構成員の増減変更に関わり
   なく存在し、社会関係において一個の単体として認められたものをいいます。

   一方、財団法人は、一定の目的に捧げられた財産の集合体であり、一定の規則
   により管理され、社会生活上、権利義務の独立した主体として認められたものを
   いいます。

   公益法人とは、祭祀、宗教、慈善、学術、技芸その他の公益に関する事業を目的
   とする民法上の法人のことです。

   その特徴は営利を目的とせず、社会全般の不特定多数の人々の利益を積極的
   に追求し、事業活動を行うと いうもので、その設立にあたっては事業を所管する
   主務官庁の許可が必要です。

   一般の営利法人(株式会社、有限会社など)の設立は届出制であり、この点が公
   益法人との大きな違いの1つといえます。

   以下では、公益法人のうち、特別法による定めのない一般的な公益社団法人、
   公益財団法人についてご説明します。

  □社団法人とは

   社団法人は、なにかの目的のための「人の集まり」による活動に対する法人格の
   ことで、社員が2名以上で設立できます。

   会員組織を形成し会員からの会費を財源にして社会貢献活動を行ったり、会員
   間の交流活動を行うことを事業の目的としています。

  □財団法人とは

   財団法人は、設立者が特定の目的のための財産を拠出する「財産の集まり」に
   対する法人格であり、設立時に300万円以上の資金が必要です。

   一般財団の設立の場合も、一般社団と同様に事業目的に公益性がなく、特定の
   団体のみの利益を追求する法人でも設立できます。

   個人や法人の資産を贈与(出資)して財団法人を設立することも検討しやすくなり
   ました。

  □社団法人・財団法人設立のための手続き

   公益法人の設立が許可されるまでには様々な準備が必要であり、主務官庁に相
   談を始めてから設立するま でには約1年を要することになります。

   設立準備の主な段階は以下の通りです。

    a.任意団体としての活動(ある程度の実績を積むために2、3年の活動期間
      を経ることが望ましい)

    b.会員募集、寄付確認、設立構想などの準備

    c.主務官庁への設立構想の相談、協議

    d.主務官庁の内諾

    e.定款・寄付行為・設立代表者決定のための設立総会の開催

    f.省令に基づいた書類作成

    g.主務官庁への設立許可申請書類の提出

    h.設立許可の受諾

   <設立相談の際の準備>

    設立にあたっては主務官庁と十分に話し合う必要がありますが、設立の相談の
    際には、設立しようとする 法人の全貌がわかるような書類を準備するとよいで
    しょう。

    設立許可の審査には、「法人の公益性」「法人の団体性」「法人の永続性」が問
    題となりますので、これ らを説明できる資料が必要になります。

    参考までに準備しておくとよいと考えられる書類の例を以下に紹介します。

   <相談の際に準備する書類例>

    ・設立趣意書     ……設立の意義、目的、事業、資金などについて記述

    ・目的、事業      ……定款案または寄付行為案、事業計画書

    ・資産          ……財産目録

    ・収支予算、決算   ……収支決算は既に活動している団体のもの

    ・その他        ……事業の範囲、事務所の所在地、社員名簿
                    (社団法人の場合)、役員構成    

    ・既に活動している団体の場合は、上記に関する書類及び規約など
  
  □一般社団、財団のメリット・デメリット

   一般法人と比べ、次のようなメリット・デメリットがあります。

   <メリット>

    @設立時の官公庁の許認可は不要であり、設立後も監督を受けない

    A社員は2名以上で設立できる。(社団)

    B設立時に出資金が不要(拠出金ゼロで設立可)(社団)

   <デメリット>

    @社員や設立者に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を付与できない

    A設立にあたって7名(理事3名、評議員3名、監事1名)は必要となる。(財団)

    B「非営利が徹底されている」要件を満たす場合のみ税制上の優遇措置を
     受けられる。

    C収益事業の利益に対しては、基本的に課税される。

  設立における主務官庁

   公益法人の設立許可に関わる主務官庁とは、公益法人の目的、事業を主管する
   国の行政機関をいいます。

   どこの主務官庁が担当するかは表をご参照ください。

   また、事業内容によっては2つ以上の行政機関におよぶ場合もありますので注意
   が必要です。

   平成20年の改正以後、社団法人や財団法人の形態での設立がしやすくなったと
   いう反面、メリットを享受するためには設立後の法人の維持、運営についても十
   分に理解しなければなりません。

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株式会社設立の手続き

                  

株式会社設立の手続き

  おさらいの意味も含め、起業家の方にも法人設立の際の参考にしてください。

  ■有限会社が廃止され、合同会社が登場

   平成18年に施行された会社法によって、会社についての規定が商法から分離す
   るとともに、それまでの会社類型が大きく変わりました。

   もっとも大きく変わったのは、有限会社法が廃止され、有限会社という概念がなく
   なり、株式会社に一本化されたことです。

   これにより会社法施行後は、有限会社の新規設立はできなくなりました。

   会社法施行前に存在していた有限会社のうち、組織変更を行わなかった会社
   は、「特例有限会社」として存続し、従前のとおり有限会社の商号を用いています  
   (会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律3条)。

   特例有限会社は「有限会社」という名前はついていますが、会社法の下では正式
   には株式会社の一形態という扱いになっています。

   したがって会社法施行を境に「施行前の定義での有限会社」は消滅しました。

   代わって登場したのが、合同会社という形態です。

   合同会社とは、これまでも認められていた合名会社や合資会社とともに、会社法
   で新たに設立が認められた持分会社の一形態です。

   米国で普及しているLLC(Limited Liability Company)の日本版ともいわれて
   います。

   日本でも会社法施行後、すでに数多くの合同会社が登場しています。

   従来からの持分会社では、合名会社は全員が無限責任社員、合資会社が無限
   責任社員と有限責任社員で構成されているのに対して、合同会社では持分会社
   ならではの自由な内部自治を確保しながら全員が有限責任社員である点が最大
   の特徴です。

   この結果、会社法施行後に設立できる会社法上の法人は、以下のとおりとなりま
   した。

   ◎会社法に基づき設立可能な法人形態

    ・株式会社

    ・合名会社

    ・合資会社

    ・合同会社

   ここでは、代表例である株式会社について、設立のために必要な手続きについて
   解説します。

  □会社法による株式会社設立の要件緩和

   まずは会社法の施行によって、株式会社の設立要件がどのように変わったのか
   を整理しておきましょう。

   さまざまな規制が従来の有限会社なみに、場合によってはそれ以下に緩和され
   ています。

  □株式会社設立の手順

   株式会社の設立は以下の流れで行います。

   なお、この流れは株式の全部を発起人が現金で引き受ける「現金出資による発
   起設立」を想定しています。

   このほかにも発起人以外にも出資を募る「募集設立」や「金銭以外の現物出資も
   含む設立」もありますが、この場合は下記よりも若干複雑な流れとなります。

   株式会社設立の流れ

        @発起人の決定 → A基本事項の決定 → B定款の作成 → C定款の認証
       → D出資金の払い込み → E取締役・監査役の調査 → F代表取締役の選定
       → G設立登記申請 → H諸官庁への届出

   以下、この流れに沿って説明します。

   1.発起人の決定

    発起人は、会社設立までのさまざまな手続きを進めていく中心的人物です。

    人数は1名以上いればよく、上限はありません。

    定款に署名し、1株以上の出資が必要となります。

    基本的には、代表取締役就任予定者が務めるのが普通でしょう。

   2.基本事項の決定

    会社の目的、社名、事業内容、本店所在地、資本金の額、役員構成、決算期な
    どの会社の基本的な事項を決定します。

    ここで決定されたことが次に作成する定款の土台となります。

   3.定款の作成

    定款とは、会社の憲法とも呼べるもので、会社の活動はすべてこの定款に基づ
    いて行われます。

    定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」と会社で任意に定
    める「相対的記載事項」、「任意的記載事項」があります。

    絶対的記載事項の項目がひとつでも抜けていたり、違法であれば、定款そのも
    のが無効となります。

    絶対的記載事項は以下のとおりです。

    (1)目的

      何の事業を行うのかという会社の目的をまず定める必要があります。

      なお、目的の書き方(表現の仕方)には一定のルールがあります。

      たとえば「情報サービス」といった抽象的な表現は認められません。

      必ず「コンピューターのソフトウェア開発」といった具合に業種を限定すること
      が必要です。

      また、会社は定款で定めた事業以外を行うことができません。

      そこで前述の例のような場合、下記のような記述にして業務の範囲を広げて
      おくのが一般的です。

       例:コンピューターのソフトウェア開発

         前号に付帯する一切の業務

    (2)商号

      商号のつけ方にも、抹式会社という文字を社名の前か後に入れることといっ
      た一定のルールがあります。

      前掲の「目的」の表現の仕方とあわせて、登記所の担当者と事前に相談して
      おいたほうがよいでしょう。

    (3)本店の所在地

      本店所在地としては、最小行政区画(市区町村)までの記載で構いません    
      (たとえば「東京都新宿区」など)。

    (4)設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

      会社法施行前は「会社の設立に際して発行する株式の総数」という絶対的
      記載事項がありましたが、これが「設立に際して出資される価額またはその
      最低額」に変更されました。

      これは、設立時に出資される額と設立に際して発行する株式総数は実際に
      は関連性がないので、設立時の発行株式数を定めるより設立時の出資額を
      直接定めたほうがわかりやすいという理由によるものです。

    (5)発起人の氏名または名称および住所

      発起人の氏名または名称と住所を記載します。

      前述のように、代表取締役に就任予定の者が発起人になるのが普通です。

      なお、会社法施行前に絶対的記載事項であった、「会社が発行する株式の
      総数(授権株式数)」、「公告の方法」は絶対的記載事項から外れています。

      「会社が発行する株式の総数」については、会社法では、定款作成後に発起
      人全員の同意によって株式の割当方法を定めることを認めていることから、
      授権株式数についても、当初の定款に記載せずに、株式引受後設立前に発
      起人全員の同意(発起設立の場合)、または創立総会の決議(募集設立の
      場合)により、定めることもできるとされています。

      「公告の方法」については任意的記載事項になったので、定款に記載するか
      どうかは自由ですが、その定めがない場合は官報による公告となります。

   4.定款の認証

    定款の記載事項に間違いはないか、法令の強行規定や公序良俗、会社の基本
    原則に違反しないかなどをチェックし、間違いのない定款であることを公証して
    もらう必要があります。

    これが公証人による定款の認証です。

    公証人とは、法務大臣に任命された公証人役場に所属する公務員です。

    公証人は法律事務の専門家であり、定款の認証は彼らの役目のひとつです。

    公証人役場は、設立登記を受ける法務局や地方法務局の管内に数箇所あり、
    その管内であればよいことになっています。

    なお、定款の認証にあたっては、全発起人の印鑑証明書が必要です。

    また収入印紙代4万円と、公証人手数料5万円が必要になります。

    なお、電子定款を利用した場合は、このうち収入印紙代4万円はかかりません。

    ただし、そのためには高額な専用のソフトが必要になります。

    自分でそのソフトを購入するのは現実的ではありませんので、弁護士・行政書
    士等に電子定款作成を依頼するのがよいでしょう。

    通常は収入印紙代よりも安い手数料で作成してもらえます。

   5.出資金の払い込み

    発起人は引き受けた株数に相当する金額を、銀行などの金融機関に払い込み
    ます。

    入金を確認した金融機関は、抹式払込金保管証明書を発行してくれます。

    募集設立の場合は、登記申請の際にはこの証明書が必要になりますが、発起
     設立の場合には証明書は不要であり、残高証明書で払い込みの証
    明ができます。

    出資金を払い込む際には、次の書類を払込取扱金融機関へ提出することが必
    要です。

     ・認証済みの定款のコピー

     ・印鑑証明書(発起人の印鑑証明書)

     ・株式払込事務取扱委託書(金融機関にある)

     ・株式引受人名簿

     ・発起人規約(発起人会議事録または発起人決定書)

    申請にあたっては株式払込事務取扱委託手数料(手数料は各金融機関で異な
    るが出資金の0.25%程度)が必要になります。

   6.取締役、監査役の調査

    出資金の払い込みが実際にあったか否かを取締役、監査役が調査します。

    なお、調査報告書は登記申請の際に必要になります。

   7.代表取締役の選定

    設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には設立時取締役
    の過半数によって代表取締役の選定を行わなければなりません。

    また、定款に「本店所在地の詳細住所」がなければ、これも決めなければいけません。

     ・代表取締役の選出

     ・本店の所在地の町名・地番の決定(定款で最小行政区画の場合)

    なお、取締役会開催後、速やかに決定事項を記載した議事録を作成します。

   8.設立登記申請

    設立登記は取締役会で選出された代表取締役が、本店所在地を管轄する登記
    所に申請します。

    申請は、原則として取締役・監査役の調査から2週間以内に行います。

    設立登記に必要になるのは、以下の書類です。

     ・設立登記申請書

     ・定款(謄本)

     ・登録免許税納付台紙

     ・払込金の残高証明書(募集設立の場合は株式払込金保管証明書)

     ・取締役・監査役の選任決議書

     ・取締役・監査役の就任承諾書

     ・取締役・監査役の調査報告書

     ・取締役会議事録

     ・取締役の印鑑証明書

     ・会社を代表する取締役の印鑑届書

     ・OCR用申請用紙または登記用紙と同一の用紙
      (最近ではOCR用申請用紙を使うほうが一般的です)

   9.諸官庁への届出

    登記の完了をもって会社の設立となりますが、その後直ちに税務署などへ提出
    すべき書類があります。

    そこで、提出が必要なおもな書類を表にまとめました。

    なお、すべての必要書類を明記することはできません。

    業種などによっても必要な書類は異なる場合がありますので詳細に関しては、
    直接、各官庁へお問い合わせください。

   詳しくは税理士、司法書士、行政書士にご相談ください。

   なお会社設立の登記手続きを代行できるのは司法書士で、税理士・行政書士は
   定款などの書類作成です。

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事業協同組合のメリットと設立の方法

           

事業協同組合のメリットと設立の方法

  ■事業協同組合とは

   1.目的

    中小企業経営の近代化・合理化と取引条件の改善を図ることを目的としています。

   2.設立

    組合員資格(*1)を持つ4人以上の中小事業者が発起人となって設立します。

    なお、1組合員の出資限度は全出資金額の25/100(*2)です。

     *1組合員となれる者は、組合の地区内で事業を営む小規模事業者
       (いわゆる中小企業者)です。

     *2 合併・脱退があった場合の出資限度は35/100とされています。

   3.組合員の義務・権利

    各組合員は有限責任を負います。

    また、組合には自由に加盟・脱退できます。

    組合員は平等な立場にあり、出資額にかかわらず、1人1票の議決権を持ちます。

   4.運営

    組合では、組合員の事業を支援する共同事業を行います。

    事業の配当は、利用分量に応じて組合員に配分されます。

    また員外利用(組合員以外の利用)は、組合員の脱退などにより組合事業の利
    用率が減少するなど、一定の条件のもとにおいてのみ認められます。

  □組合設立のメリット1 ― 共同事業 ―

   事業協同組合では様々な共同事業を実施していますが、共同での事業展開に
   は、次のようなメリットがあります。

   ○共同生産・加工事業

       …設備を組合で導入し、組合員が必要とするものを生産または加工し、
         完成物を組合員が引き取る事業

       <メリット>

        原価の引き下げ、規格の統一、設備の効率利用、品質の向上が実現される。

   ○共同購買事業

     …組合が資材などをまとめて購入し、必要とする縦合員に供給する事業

     <メリット>

      ロットが大きくなるため仕入先への交渉力が強くなり、仕入価格の引き下げ、
      決済条件の変更など取引条件の改善が実現される。

   ○共同販売事業

     …組合員が生産したものを組合が一括して販売する事業

    <メリット>

     販売の効率化による販売コストの節減や、新親開拓による販路の拡大が実現
     される。

   ○共同受注事業

     …組合で受注した仕事を椒合員に発注し、組合員から納品された商品を
       組合 が一括して受注先に納品する事業

    <メリット>

     大口受注先の開拓など販路の拡大や、取引条件の改善が実現される。

     この他にも、債務保証事業、事業資金の貸付、福利厚生事業など、組合員の
     事業に関するものであれば、他の法律で制限されていない限りは実施できます。

  □組合設立のメリット2 ― 金融・税制 ―

   次の制度の内容などの詳細に関しては、最寄りの都道府県中小企業支援相談窓
   口、あるいは各団体へ直接お問い合わせください。

   1.金融の助成処置

    事業協同組合は、次のような助成措置を受けることができます。

    ○中小企業総合事業団の高度化資金融資

     組合が共同施設などを設置する場合、都道府県を通じて中小企業総合事業
     団から融資を受けることができます。

     対象事業は、組合の共同施設、工場および店舗の集団化、事業所および倉
     庫の共同利用などで、必要設備資金の80%(場合によっては90%)が融資さ
     れます。

    ○商工中金の融資 

     商工中金に出資している組合と組合員は、運転資金、設備資金、転貸資金
     (組合が借りてから、組合員に貸し出す)の融資を受けることができます。

    ○信用保証協会の保証

     組合に対して、信用保証協会が債務の保証を行います。

     このため、金融機関から融資を受けるだけの信用力、担保力がない組合で
     も、保証料を支払って融資を受けることができます。

   2.税制の特別措置

    事業協同組合は、次のような税制の特別措置を受けることができます。

    ○法人税の特別措置

     ・法人税率が軽減される

     ・組合の所得のうち、利用分量配当(組合事業の利用分量に応じて、
      組合員に配当した額)は損金に算入される

     ・組合の所得の全部または一部を留保した場合、留保所得の一定割合を
      一定の条件の下で損金に算入できる

    ○印紙税の非課税処置

    ○地方税の特別措置

     ・事業税、事業所税が軽減される

     ・組合が所有、使用する事務所と倉庫については、固定資産税が免除される

  □組合を設立するには

   組合を設立するための手順は、次のようになります。

   (1)組合員資格を持つ中小事業者4人以上が設立発起人となる

   (2)各都道府県にある中小企業団休中央会の設立指導を受けながら、組合の基
     本となる定款・事業計画・収支予算・設立趣意書などを作成する

   (3)創立総会の開催公告を2週間前までに出す

   (4)創立総会で設立の議決をする

   (5)行政庁から設立認可をもらう

   (6)出資金の払込み、設立の登記をする
   
   <相談先>

    ・全国中小企業団体中央会
     住所 中央区新川1-26-19 全中・全味ビル
     電話 03−3523−4901

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事業協同組合の合併

          

事業協同組合の合併

  ■事業協同組合同士の合併手順

   1.合併の手順

     各種協同組合同士の合併手順は、「中小企業等協同組合法」に定められてい
     ます。

     事業協同組合(以下組合とします)同士の合併までの手順は以下の通りにな
     ります。

     (1)まずは計画の段階で、所轄の中小企業団体中央会に相談するのが一般
       的です
       (中小企業団体中央会とは「中小企業等共同組合法」に基づく公的
        機関で、既に認可を受けている組合が会員となっている組織です。
        各都道府県に設置されています)。

     (2)組合が合併するには、組合員の半数以上が出席する総会で、その議決権

       の3分の2以上の多数による議決を経なければなりません。

     (3)合併により新しく組合を設立する場合には、各組合それぞれが総会におい

       て組合員のうちから設立委員を選任します。

       そして、設立委員が共同で定款の作成や役員の選任などの必要な行為を
       行います。

     (4)組合は債権者に対して、異議があれば一定の期間内(30日以上に設定す

       る必要があります)にこれを述べるべき旨を公告しなければなりません。

       債権者が異議を述べたときは、組合は弁済し、もしくは相当の担保を供し、
       またはその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社もしくは信
       託業務を営む銀行に相当の財産を信託しなければなりません。

     (5)行政庁の許可を受けなければ、合併の効力は生じません。

       ただし実際には、いきなり許可申請するのではなく、行政庁と組合が事前
       協議を行なうことになります。

       また、次に該当する場合は許可を受けることができません。

        @設立の手順または定款、事業計画の内容が法令に違反するとき
        A事業を行うために必要な経営的基礎を欠くなどその目的を達成
         することが著しく困難であると認められたとき

     (6)合併後存続または成立する組合(以下、合併組合)が、その主たる事務所

       の所在地において登記することによって、合併の効力が生じます。

       主たる事務所の所在地においては2週間以内に、従たる事務所の所在地
       においては3週間以内に、合併後存続する組合については変更の登記、
       合併によって消滅する組合(以下、被合併組合)については解散の登記、
       合併によって設立する組合については設立の登記をしなければならない。

       以上の手続きにより合併組合は、被合併組合の権利義務(その組合が行
       う事業に関し、行政庁の許可、その他の処分に基づいて有する権利義務を
       含む)を承継することができます。

   2.相談窓口

     行政庁から合併の許可を受けるためには、新規に組合を設立する場合と同
     様、しっかりとした事業計画を立てることが必要です。

     そのため、事前に中小企業団体中央会に相談し、指導を受けることが欠かせ
     ません。

     中小企業団体中央会は組合運営上の問題(法律、会計、税務、事業の運営、
     管理など)の相談に常時応じるとともに、直接に組合を巡回して相談を受けて
     います。

     また、組合が特別な問題を抱え、その解決のために特に専門的な知識を必要
     とするような場合には、弁護士、公認会計士、税理士、技術士、中小企業診断
     士などの専門家を派遣して指導を行う個別専門指導事業も実施しています。

   3.合併における税務

     税法において組合の合併は、一般事業会社の合併と同様に扱われています。

     被合併組合について清算所得課税が発生したり、合併組合に合併差益金に
     対する課税が発生する場合があります。

     合併差益金とは、合併組合が被合併組合から承継した純資産の受入価額
     が、被合併組合の出資者に対して交付した出資金額、合併交付金額の合計
     額を超える場合の超過額のことをいいます。

     この合併差益金は、

      (1)合併減資益金部分

      (2)資本積立金部分

      (3)利益積立金部分

      (4)資産評価益部分

     からなります。

     法人税法では、上記合併差益の中で益金に算入するのは、(4)の「資産評価
     益部分」とされています(法人税法27条、同法施行令26条)。

     詳しくは専門家に相談して、合併条件に関して慎重に決定することが必要。

  □事業協同組合と株式会社の合併

   1.法的に合併は不可能

     全国中小企業団体中央会によれば、協同組合と株式会社の合併は「中小企
     業等協同組合法」に定められておらず、協同組合と株式会社の合併は現在の
     ところ不可能です。

     もちろん協同組合を株式会社化すれば合併は可能となりますが、協同組合を
     存続させたい場合は、該当する株式会社を存続させて協力体制を組む以外に
     方法はありません。

   2.組合から会社への組織変更

     組合から会社に組織変更する場合、従来はいったん組合を解散して新規に会
     社を設立するしかありませんでした。

     この場合、組合員は持ち分返還による清算所得に対して課税されます。

     しかし、2000年3月に施行された「中小企業団体の組織に関する法律の一部
     を改正する法律」により、組合(事業協同組合および企業組合、協業組合に限
     る)は総会の合意があれば、そのまま有限会社または株式会社へ組織変更で
     きるようになりました。

     この法改正により組織変更の手続きが容易になり、事業活動が停止すること
     もなく、また大きなコスト負担なしに組合を会社化することができます。

     組合を会社化すれば、共同研究開発の成果を事業化したり、順調に発展した
     共同事業を組合員以外にも拡大し、さらなる事業発展を目指すことができる。

     しかし、その一方で、組合としての税制の優遇が受けられなくなるなどのデメ
     リットもあり、組織変更する場合にはその必要性を十分に検討する必要があり
     ます。

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匿名組合

              

古くて新しい匿名組合

  ■匿名組合の仕組み

   「匿名組合」という不思議な仕組みがあります。

   この仕組みは、源をたどれば、10世紀のイタリアの地中海沿岸都市の海上貿易
   における「コムメンダ(comenda)」契約にあります。

   この仕組みは、時と場所を隔てて、わが国の商法においても古くから法制度化さ
   れていましたが、長らくは活発に使われていたとはいえませんでした。

   しかし、近年、さまざまな場面で活用されるようになっています。

   匿名組合とは、当事者の一方(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業のために
   出資をなし、その営業より生じる利益の分配を受けることを約束する契約形態を
   いう。

   たとえば、バブル崩壊後の不良債権を金融機関が処理するにあたって利用され、
   近年では、投資ファンドが多数の投資家から資金を集めて運用する投資スキー
   ムにおいても使われています。

   ここでは、この「匿名組合」の仕組みを説明します。

   1.匿名組合の意義と機能

    (1)沿革

      匿名組合の起源であるコムメンダ契約は、本国にとどまる資本家が企業家
      である船長に、金銭、商品、船舶を委託し、企業家が海外貿易で利益をあ
      げ、帰国後に本国で委託者である資本家と利益を分配するという内容のも
      のでした。

      冒険的な航海から組織的な貿易への発展、貿易のみならず多様な企業へ
      の援用により、コムメンダ契約は展開していきました。

      やがて、資本家と企業家の両者が共同事業者として対外的にあらわれる形
      態と、企業家のみが対外的にあらわれ資本家は表にあらわれない形態とに
      分化して、前者は合資会社に、後者が匿名組合へと、それぞれ発展しました。

    (2)意義

      わが国の商法に規定された匿名組合は、当事者の一方(匿名組合員)が相
      手方(営業者)のために出資をなし、相手方がその営業から生ずる利益を分
      配すべきことを約する契約です。

      匿名組合は、あくまで有償双務の契約の法形式をとりますが、経済的には共
      同企業組織を形成する仕組みです。

      そして、匿名組合は、実質的には、営業者と匿名組合員の共同企業ですが、
      この契約は両当事者の内部的な契約にすぎないので、対外的には、営業者
      の個人企業としてあらわれ、営業者のみが営業の主体となります。

      匿名組合は、2当事者間の契約です。

      同一営業者に対して複数の出資者たる匿名組合員が存在する場合は、その
      匿名組合員の数だけ、匿名組合契約が存在していることになります。

      匿名組合契約と類似の制度として、源を同じくする合資会社があります。

      したがって、平成17年改正前は、匿名組合の規定は商法会社編の合資会
      社に関する規定を準用していましたが、同年の会社法制定を受けた改正商
      法は、その準用部分が匿名組合に合わせて新たに書き下ろされ、規定の明
      確化が図られました。

匿名組合2.bmp
   (3)近年の利用方法

      バブル崩壊後の不良債権を金融機関が
      処理するにあたり、匿名組合形式が利用されました。

      すなわち、新たに設立された特定目的会社(SPC)を営業者とし、機関投資
      家を匿名組合員として、匿名組合契約が締結され、金融機関は関連企業の
      有する多額の不良債権を小口化し波動化することができました。

      この特定目的会社は、平成10年の「特定目的会社による特定資産の流動
      化に関する法律」により新しい社団法人として法制化され、同法は平成12年
      に改正されて「資産流動化に関する法律」と改称されています。

      近年では、投資ファンドが多数の投資家から資金を集めて運用する投資ス
      キームにおいても、匿名組合が使われてきました。

      商品ファンドや上記の債権流動化にあたって、匿名組合の機能が見直され
      ましたが、匿名組合は、本来的には多数の投資者を集めるための仕組みで
      はなく、匿名組合を利用した投資スキームにより、旧来の証券取引法の諸規
      定が潜脱(法令等による規制を、法令で禁止されている方法“以外”の方法
      により免れること。)されるという問題点がありました。

      そこで、証券取引法の改正と改称による金融商品取引法では、ファンドの持
      分(集団投資スキーム持分)は、民法上の組合、匿名組合、投資事業有限責
      任組合、有限責任事業組合といった法形式を問わず、組成が国内か海外か
      を問わず有価証券とみなされ、有価証券取引規制、たとえば不公正取引の
      禁止などが、ファンド持分に適用されることになりました。

   2.匿名組合契約の効力

    (1)内部関係

      匿名組合員は、契約に定めた出資の義務を負います。

      この出資は、金銭その他の財産出資に限られます。

      匿名組合員の出資はすべて営業者の財産に帰属します。

      匿名組合員は、営業に関与してその業務を執行する権利義務を有しません
      が、営業者の営業および財産の状況を検査し、また、重要な事由があるとき
      は、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務および財産の状況を検
      査することができます。

      なお、ここに、業務執行権を有しない社員の業務財産状況調査につき裁判
      所の許可を不要とした持分会社に関する改正との相違が生じています(持分
      会社の社員は原則として業務執行権を有しますが、匿名組合員は原則とし 
      て業務執行権を有しないとの制度上の差異が根拠として指摘されます。

                                        出所:web六法全書

      匿名組合員は営業者に対し、その営業から生じた利益の分配を請求する権
      利を有します。

      出資が損失によって減少したときは、その損失をてん補した後でなければ、
      匿名組合員は、利益の配当を請求することができません。

    (2)対外関係

      対外的には、匿名組合員は、営業に関与する権限を有せず、また営業者の
      行為につき、第三者に対して権利義務を有しません。

      しかし、匿名組合員がその氏・氏名を営業者の商号中に用い、またはその商
      号を営業者の商号として用いることを許諾したときは、その使用以後に生じ
      た債務については、営業者と連帯して責任を負います。

      ただし、第三者が悪意の場合には、匿名組合員は責任を負う必要はありま
      せん(通説)。

   3.匿名組合の終了

     匿名組合は、契約の一般終了原因のほか、次の特有の原因により終了します。

     すなわち、匿名組合契約をもってその存続期間を定めなかったとき、またはあ
     る当事者の終身間存続すべきことを定めたときは、各当事者は6カ月前の予
     告をもって営業年度の終わりに解約することができ、やむをえない事由がある
     ときは、各当事者はいつでも解約することができます。

     また、組合の目的たる事業が成功し、またはその成功が不能となった場合、営
     業者が死亡し、または後見開始の審判を受けた場合、営業者または匿名組合
     員が破産手続開始の決定を受けた場合には、匿名組合は当然終了します。

     なお、匿名組合が終了したときは、営業者は匿名組合員にその出資の価額を
     返還しなければなりません。

     ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足ります。

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事業協同組合

           

事業協同組合

事業協同組合の存在意義

  ■事業協同組合の特長

   中小企業の組合の種類は多数存在しますが、実際はその8割が事業協同組合。

   事業協同組合は、営利法人と公益法人の中間に位置する法人だといわれ、組合 
   員の利益、業界の利益を最優先にしますが、利益を上げることを禁止されている
   わけでもなく、法人税等の優遇措置まで受けられます。

   事業協同組合の事業として福利厚生、事務代行、教育情報が大きくとりあげられ
   ているように、事業協同組合はこれらの事業を本業としているため、傷害保険、・
   生命保険等について、当然強い関心を抱きますし、事務の軽減や防災等にも必
   ず興味を示す訳です。

   事業協同組合が福利厚生を主要事業としている理由は、組合が中小企業によっ
   て組織されているため、会員の従業員の福利厚生を大企業並に高めていくこと
   が、会員の利益になると考えているからです。

  □協同組合の存在意義 

   今組合の存在意義が問われています。

   少子高齢化に伴う会員の事業廃止、組合にメリットを感じない、会費だけ取られて
   いるといったネガティブな意見が多数を占めています。

   本来であれば組合の活性化や組合活用のためには会員による積極参加が欠か
   せないのだが、残念なことに会員側の多くは求めるだけであって、活性化のため 
   にどうしたらよいかを本気で考える会員は少ないようです。

   そのようななか、「うちの組合では、何をしたら良いのだろうか?」と思う事業協同
   組合の理事長もいるかと思います。

   多くの組合では、新規に加盟する組合員がいない一方で既存の組合員が脱退す
   ることにより、組合員数の減少が少なくありません。

   このままでは、将来的な組合の存続について懸念する声も多数上がっているの 
   が実態です。

   一般的に脆弱と言われる中小企業の経営基盤を相互に助け合うために、各種の
   組合制度が設けられ一定の役割を発揮してきました。

   組合を設立することにより、資金調達や共同購入による取引条件の改善や、技術
   水準の向上のための取り組み、マーケティングに関するノウハウの共有など、 
   個々の企業では成しえなかった成果を挙げる事例が多く見られてきました。

   かつて、組合設立の際は明確な目的に向かって活発な活動が行われていたもの
   の、現在は様々な事情から活動が低迷している組合が多くなってきたことも事実
   です。

   これは、当初の目的がすでに達成されてしまったケースや、環境変化とともに事
   業内容が組合員にとって魅力的でなくなってしまったケースなど、組合事業そのも
   のによる理由からこのような状況に至っているようです。

   一方、組合員の方々にお聞きしてみると、個々の会社では様々な分野で経営課
   題は山積しています。

   その中には、同業者と協力することで解決の方向性が見えるようなことや、他社と
   共同事業(購入)とすることで大幅にコストが低減されることなど、本来、組合とし
   て取り組むことが可能な課題も見受けられます。

   では、何故、このような課題が組合で取り上げられないのでしょうか?

   事情は組合によって異なりますが、情報共有が出来ていないことや、新たな課題
   に対応できる人材がいないなど、組合のリーダーシップにかかわる問題点は共通
   しているようです。

   また、経営者の集まりでもある組合(の理事会)では、一般の会社のように経営
   トップ(理事長)が強いリーダーシップを発揮しづらい環境でもあります。

   このように組合が新たな課題に取り組む際には、組合員から現状の課題を調査
   して、組合員の意向に基づいて新たに事業を組み立てして、利害を調整しながら
   事業を運営していく、という組合のブレーンのような存在が必要です。

   「今、組合に何をしてもらいたいのか?」を組合員に問いながら、「組合は何をす
   べきなのか?」と「どのようにすればよいのか?」を考えることによって、組合の存
   在意義は変わってくるでしょう。

   組合として魅力ある組合にするための対策として、

    ・会員が魅力、メリットを感じるには

    ・組合参画意識の向上策

    ・会員事業所の収益アップ対策

   会員が魅力・メリットを感じる、そのような組合改革が欠かせません。

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