病院経営のための教育研修

         

病院経営のための教育研修

 ■最大コストは最大の資源
  病院経営にとって、設備や技術導入など、医療資源の効率的な運用はきわめて大切です。
  資源とは「人・物・金・(プラス情報)」。
  そして、経費の50%近くを占めるとされる人材(人的資源)の活用は病院経営の
  基本的な課題であり、特に人材を育成する教育研修は病院機能や医療の質向上に影響
  するだけに、どんな場合でも真撃に検討すべき課題です。
  ここでは、そうした医療資源の大きな要素である人材を活かす教育の問題について、
  その仕組みや取り組み方を検証します。

 □教育の前提となる意識改革の必要性 
  現場職員の研修を実践していく場合、単に豊富な研修メニューを整備するだけでは、
  言わば「絵に書いた餅」になってしまうことはしばしば経験されることです。 
  なぜなら、教育研修といえども、ある経営目標を達成していくための事業であり、
  そこには経営層から指導者層、現場職員に至るまで一貫した方針や共通理念が流れて
  いなければなりません。 
  すなわち、病院の経営ベクトルを再認識するという意識改革の中からプログラム
  されていないと、大きな効果は生まれないのです。 
  ここで、教育研修の具体的な仕組みを構築する前に、次のような病院経営の根本的な
  問題点を再評価し、職員、医療スタッフの参画意識を醸成しておくことが必要に
  なります。

  ◎経営理念や経営方針が末端にまで浸透しているか?  
   トップや管理職が病院の経営理念や経営方針を職員に開示しておかないと、
   現場職員と幹部職員との経営意識に乖離が存在し、職員間に将来に対する不安感
   がつきまとい、それが研修意欲を阻害してしまうことになります。
   これは、経営者と職員間の信頼性のありようを考えるうえでも、常に配慮して
   おくべき課題であると思われます。

  ◎指導者に職員の信頼を得て、やる気を起こさせる魅力があるか?  
   部門長クラスや職員教育を任されている管理職が、職員に信頼感を与える魅力を
   もっているか?   
   いくら教育研修の方法論に職員のやる気を起こさせるアイデアがあっても、
   指導者側に教育者としての強いモチベーションや意欲がなければ、職員のやる気は
   生まれません。  
   研修指導者は、そうした指導力によってのみ評価されるものです。

  ◎財務状況をはじめとするあらゆる経営情報が、現場へ開示されているか?  
   医療機関においても、IT技術を駆使した医療情報システムの整備が進展していますが、
   そうした診療情報や経営情報を、経営層から職員へブレイクダウンをしておかないと、
   職員の経営参加意識は高まりません。  
   そして、教育の現場においても職員の上部への信頼感は得られません。  
   経営部門は現場で発生する様々な情報を(たえそれがネガティプな情報であっても)
   適正に開示して、教育を受ける職員の立場を明確にすると共に、就業意識向上に
   役立てるようにする必要があります。

 □職員満足のための教育研修のあり方 
  表(教育研修の形式と評価方法)は、一般的な教育研修の形式と進め方を示しています。 
  これらの教育研修では、いずれも経営トップや理事会が承認し、具体的な成果目標
  のもとに職員にも認知された事業計画(予算化されたプロジェクト)として進め
  られなければならないことは言うまでもありません。 
  また、それぞれの研修において、研修対象や研修形式の多様性を理解し、それぞれを
  教育ニーズに沿ってプログラムしていくことや、適正な予算をどの研修に重きを
  置いて配分していくかなどを明確にしておかなければなりません。

 □教育研修の実施における注意点 
  教育とはそれ自体が目標ではありません。 
  それは、あくまで手段や方法であって、目的はその教育によって病院の健全な経営
  において何を実現するのかを明らかにすることです。 
  そこで、教育研修を実施していく場合、その前提となる「何のために研修が必要なのか」
  という教育ニーズを把握し、そのための最適な方法や手段を選んで前項のような
  研修バリエーションを展開していくべきでしょう。 
  教育ニーズを把握するには、以下のようなステップで現在の環境や目標を分析し、
  それをもとに教育ニーズを把握しておくことが求められます。

  @外部環境の変化を認識する  
   ここではまず取り組むべきは、医療資源の現状を把握し、地域経済の動
   向、地域医療の実態、病院の診療環境とスタッフの稼動状況などの現状
   認識から教育すべきテーマを開発します。

  A内部環境の変化を認識する  
   非営利組織であり、社会的貢献を義務付けられている医療機関では、一
   般の企業以上に、経営のための理念構築が必要です。   
   経営理念とは、日常行為における判断基準や行動規範の根拠となるもの
   で、中長期目標などの経営計画の前提ともなるものです。  
   こうした変わらない価値や理念をもとに、組織や体制の仕組み、財務体
   質の強みや弱みを分析し、その変化を明らかにしていく必要があります。

  B経営計画を明確にする 
   中期計画は、3年〜5年の比較的短期スパンの経営目標を設定するものです。
   そこには戦略的視点よりも、具体的な戦術や数値目標・到達レベルなど
   が示されます。
   長期計画は、地域医療圏の変化や医療制度の変革などに合わせ、医療環
   境の構造変化を捉らえて、10年以上の長期にわたる経営スケジュールを
   設定するものです。
   そうした計画(マニフェスト)を明らかにしておくことが必要です。

  C人材イメージを明らかにする 
   教育研修おいては、もっとも期待される職員イメージを具体的に明らか
   にしておく必要があります。
   それは、職員それぞれの職能と教育目標を一致させておくことにも繋が
   ります。
   たとえば、管理職研修においては本来の教育指導や職場環境の改善、リ
   スクマネジメントの遂行など、難易度や優先度の高い仕事に従事する職
   員としてイメージするべきです。
   勤怠管理や医薬品管理・備品管理など、いわゆる管理職の日常的で瑣末
   な仕事、たとえばシステム部門や事務部門に移管できるような仕事が真
   っ先にイメージされるようでは、管理者の育成は望むべくもありません。

  D成果配分や評価の基準を周知させておく 
   医療はこれまで医師が主体となって業務を掌握してきました。
   この状況はチーム医療が確立しつつある大きな医療機関では少しずつ改
   善されているようですが、まだまだ一般の医療機関では、チーム医療の
   アウトカムを基本とした成果配分が行われていないのが現状です。
   今後は職域や職制ごとの貢献度評価主義を導入することや、合理的な職
   能資格制度などを再構成するなどして、合目的なルールによって病院独
   自の成果配分の方法を、期待される人材イメージにおける教育の目標に
   組み入れていき、それを研修目的として周知させていくことが大切にな
   ります。

  E研修課題の発見とその優先付けを行う 
   上記の検証を実施したうえで、職員個々の目標達成状況を勘案し、それ
   ぞれの教育課題や教育ニーズを明確にするとともに、教育ニーズの優先
   度を判定していくことが可能になります。 
   教育ニーズの優先度については、重要性、緊急性、有効性、実現可能性
   の視点で、教育プログラムの課題や優先順位を考慮し、病院や施設の特
   性、教育予算・スタッフの実力などとの整合性を図りながら、実践して
   いくことが必要です。 
   病院の職員・医療スタッフは有資格者の集団であり、能力開発へのモチ
   べ−ションを常に持っている専門職です。
   しかし、明確な目標が示されないと日常業務に埋没し、士気が低下して
   しまうものでもあります。
   だからこそ、職員の能力開発のプロジェクトやキャリアプランが必要に
   なってくるのです。 
   それらのプランは中長期計画に基づき、病院機能に即した専門特化した
   スタッフ育成となるのか、ジェネラリストを養成して全体としての医療
   レベルに貢献していくのか、個々の病院の実現目標によって、導入の仕
   方が異なってきます。
   また、キャリアの評価システム(職能資格制度や職務基準制度の人事考
   課システムと連動した独自の貢献度評価システムなど)によるバックア
   ップも不可欠であり、さらには独自の能力開発プログラムとの連動も求
   められます。 
   職員に対する能力開発のカギは、病院に限らず社会のどこででも認めら
   れる能力とキャリアを自己啓発できる環境を、全ての職員に提供できる
   かにあります。
   それが最後には自院の医療の質を担保することにも繋がるのです。

 □研修の設計ポイント  
  教育研修の設計に関して、簡単にまとめると次のようになります。  
   @経営計画(経営ビジョン)と現実問題との差分(または帝離)を教育
    の導入ニーズとする。  
   A教育のテーマを、外部環境や内部環境そのものではなく、その変化か
    ら抽出する。   
   Bそうした課題に一気に取り組むのではなく、現実的な優先度を考慮し
    て徐々に実践する。  
   C研修後の個人評価は時間をおかず(鉄は熱いうちに打て)、再教育に
    つなげる。
    アダプテーションに問題があれば、研修プログラム自体の見直しも含
    めて再構築していく。  
   Dあくまで、職員のやる気を活かす魅力あるプログラムを指導者自身が
    発見し、組み立てる。  
   E外部の企画会社等が提供する研修プランはあくまで参考にとどめ、教
    育プログラムは、直接、現場の教育ニーズから組み立てる。

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歯科医院経営とマーケティング

           

歯科医院経営とマーケティング


  ■歯科医院の動向

   現在、歯科業界は構造不況業種の一つとされており、業界内の競争が年々激しさを増して
   います。

   歯科医師は毎年約2,000人近く増加し続けていますが、歯科医院の多くが個人事業主であり、
   定年による引退がないので歯科医院は増える一方です。 

   しかし日本の人口は減少傾向であることを考えると、患者数が増えるということは考え
   にくく、増え続ける歯科医師が患者を奪い合うという状態が今後も続くことになります。 

   2017年度の歯科医院の倒産数は20件で、前年度と比較して81.8%の増加となりました。 

   厚生労働省の調査によると、2017年時点では歯科医院の数は68,940件となっています。

   コンビニの店舗数は5万5322軒(日本フランチャイズチェーン協会調査17年12月末)で、
   コンビニの数より多い状況です。 

   平成28(2016)における全国の届出「歯科医師数」は104,533人で、「男」80,189人
   (総数の76.7%)、「女」24,344人(同23.3%)となっています。

   平成28年届出歯科医師数を前回と比べると561人、0.5%増加している。

   また、人口10万対歯科医師数は82.4人で、前回に比べ0.6人増加している。 

   1日当たりの患者数は95年以降減少頼向にある一方、歯科医院数は増加しており、限定された
   マーケットの中で歯科医院が増加し、医院間の競争が激化している状況にあります。

   そのために、各医院では他院との差別化を図ることができるように、

    ・ターゲットとなる患者層の明確化

    ・自由診療の増大

   など、来院者の増加と診療単価アップのための対策に苦慮しています。

  □歯科医院経営のポイント

   歯科医院経常のポイントは、医業収入の拡大、維持という観点から次の2点が考えられます。

    1.患者の獲得と固定化

    2.診療単価の向上

   1.患者の獲得と固定化

    患者の獲得と固定化を図る場合、通常以下のステップに分けて対策が行なわれます。

     a.自院を知ってもらう

     b.再び自院に来院してもらう

     c.他の患者を紹介してもらう 

    a.自院を知ってもらう

     広く地域住民に自院が存在することを知らせると同時に自院に対する好ましいイメージを
     もたせ、来院を促すような広報活動を展開することが必要です。

     ただし、広告宣伝を行なう場合、医療法において、

      ・歯科医師であること

      ・診療科名

      ・名称、電話番号および所在地

      ・歯科医師の氏名 

      ・診療日と診療時間

      ・入院設備の有無

      ・紹介をすることができるほかの病院または診療所の名称

      ・診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報を提供することが
       できる旨

      ・その他厚生労働大臣の定める事項

     以外は広告をしてはならないことになっています(*)。

     したがって広告のみで、好ましいイメージをもってもらうような十分な告知活動を行なう
     ことは容易ではありません。

     そこで、 

      来院を促すために、

      イベントの開催(来院患者だけでなく、広く地域住民にアピールする
      イベント)や院内報の発行などを積極的に行なうことも検討きれた
      ほうがよいでしょう。 

      *歯科医院には直接の影響はあまりありませんが、このほかにも「療養型
        病床群の有無」についても広告できるとされています。 

    b.再び自院に来院してもらう

     一度来院した患者の転院を防ぎ、再来院を促すには、患者との間に良好なコミュニ
     ケーション関係を築く必要があります。

     そこで、 

      患者の立場に立った臨機応変の応対を行なうことで、
      患者の安心感と満足度を高めることができるよう、
      スタッフ教育に注力する必要があります。
      また、治療方針、治療手順に関して
      患者に十分納得してもらうように説明することを心がけるようにしましょう。 

     さらに、患者を維持・確保する方法として、リコールを積極的に行なうことも大切
     です。 

      リコールは、患者と継続的にコミュニケーションを図り、
      自院の固定患者となってもらうための有力な手段です。 

     具体的には、治療終了後にハガキを出すことにより、定期健診を促すことになります。

     定期健診が実現することで、歯科医院にとっては患者の固定化が可能となり、また患者に
     とっては虫歯を早期に治療できるというメリットが生じます。

    c.ほかの患者を紹介してもらう

     自院のことをほかの患者に紹介してもらえるまで、患者の固定化を進め、地域の患者は
     確実に自院に吸収するシステムを作り上げることがここでの狙いとなります。

 

      新規患者の大部分は、
      近隣の評判や友人・知人の紹介などによって、
      どの歯科医院に行くかを決めていると考えられますので、
      口コミでの評価を高めることが望まれます。 

     たとえば、自院の親派団体をつくり、そこに所属する患者を確実に自院に吸収するような
     仕組み作りを行なうことが考えられます。

     そのための有効な方法のひとつが、「おやつ教室」「歯周病の予防」「歯のかみあわせと
     健康」などをテーマにした「イベントの開催」です。

     具体的には以下に記すような団体を対象に実施することが考えられます。

      ・保育園、幼稚園、学校

      ・子供会、婦人会、老人会

      ・スポーツクラブ、カルチャーセンター

      ・病医院(一般医科)

      ・一般企業、金融機関

      ・理美容院、エステティックサロン

      ・経営者グループ(JC、ライオンズクラブなど)  

     ただし、「イベント開催」を行なう場合の留意点として、 

      アピールすべき医療技術サービスなどがなければ、
      単なる「客寄せ」として受け取られ、
      逆にイメージダウンとなるリスクがあるということが挙げられます。

   2.診療単価の向上

    競合関係が激化するなかで勝ち残り、収益を拡大していくには、前述した「患者の獲得と
    固定化」を進めると同時に診療単価をアップしていく方法が考えられます。

    診療単価を上げるひとつの方法として、自由診療を増やすことがありますが、この時に
    注意すべきなのは、「保険では診てくれない」という誤った認識を患者に与えないように
    配慮しなければならないという点です。

    そのためにも 

     「保険の枠内では十分な治療ができない」ということを
     患者の納得がいくまで十分に説明することが必要です。

  □歯科医療のマーケティング 

   ラーメン屋さんも天下のアマゾンもお客様がいなければ倒産してしまいます。

   今までは黙っていても患者(お客)さんが来てくれました。

   しかし、少子化・患者ニーズの多様化・医院の増加さらに2002年に予定される抜本的
   医療改革等、歯科医院経営は一般ビジネスと何ら変わらないれっきとしたサ−ビス業です。

   これからの歯科医療経営は大きな節目となり規制緩和が進み、自費治療分野にアメリカ資本
   の導入、国内企業の参入により低価格の自費診療の普及など生き残りをかけた戦国時代の
   到来は必至であります。

   グローバルスタンダードの流入に対応していくためには「ドクター中心の医療」から
   「患者中心の医療」というマーケティング力の強化が急務ではないでしょうか。 

   貴院では下記事項を理解し、対策を講じているでしょか?

    ・うちは最新の技術・設備があるから大丈夫?

    ・「患者」としてではなく「お客」として接しているか?

    ・中断患者の再来院の促進は?

    ・貴院の強みは?

    ・スタッフの育成は?

    ・ドクター中心の医療になっていないか?

    ・患者(お客様)とのコミュニケーション(信頼関係)は?

    ・患者の不満で一番多いのは何?

    ・「おまかせ医療」から「納得の医療」へ

    ・患者のための会報誌は?

    ・貴院の特典は?

    ・院長の意識改革からスタッフの意識改革

    ・貴院に対する患者の不満足は

    ・患者一人ひとりに親切丁寧な治療説明をしていますか

    ・患者(顧客)満足はまずスタッフ満足から

    ・貴院のファンはどれだけいますか

    ・乳児対策は

    ・母子の囲い込みは

    ・治療のアフターケアは

    ・「痒いところに手が届く」経営

    ・患者(顧客)を生涯顧客にしていくための患者教育は

    ・コストをかけずに中断患者の再来院を促進

    ・「歯の治療」から「歯のケア」(ホワイトニングによる白い歯)

    ・貴院でできるテレマーケティングによる増患戦略

    ・患者(顧客)情報のデータベース化がされているか?

    ・DM・インタ−ネット(ホームページ)を活用してますか

    ・診療日時の見直し

    ・往診・患者の会

    ・来院者へのアンケートの活用

    ・院内環境は

    ・治療過程・薬・治療費等の説明が丁寧ですか

    ・インフォームド・コンセント

  □繁盛院の実践具体策 

   繁盛院は患者をお客様と理解し接しています。

   一般のビジネスと同じように患者のニ−ズとウォンツを把握し実践するためのマー
   ケティング力を強化していかなければなりません。

   患者の不満で一番多いのは何かご存知だろうか。

   「何で一回の治療をチョコチョコやって何回も通院させるのか」お金儲けのためにやっている
   のではないかと思っている。

   この治療行為がなぜ必要なのかの説明不足からである。

   また、40代以上の患者は理解し納得しなければ治療を受けたくないないという人が多い。
   (言わないのは遠慮か、我慢してるだけ)

   赤ちゃんのいるお母さんが歯医者さんに来れない理由は、子育てが大変でという理由より、
   歯医者さんに迷惑がかかるという不安からである。

   このように歯科医院内の一人ひとりが患者の立場に成り代わってどうしたら喜ばれ、感謝
   されるかを院内のミーティングで徹底的に討議し、実践していくことが勝ち組みになる
   必須条件です。

  □「名医の条件」

   ある歯科医は治療に来た患者に必ず日曜日に電話をするそうです。

    「その後、歯の具合はいかがですか?」

   たったこれだけのことで、この歯科医院は予約で満杯です。

   技術や設備において、どの歯科医院も大差はありません。

   来院者を「患者」として捉えるのではなく、「お客様」として接することが差別化に繋がる
   事例です。

   残念ながら、私自身はそのような歯科医院に出会ったことはありませんが、もしもそのような
   対応をされたなら、私は一発でファンになります。

   更に、そこで良好な人間関係・信頼性が生まれれば、虫歯が完治していたとしても、たとえば
   歯のクリーニング、あるいはホワイトニングといった、スポットのニーズを顕在化できるかも
   しれません。

   当然、リピーターになるでしょうし、友人にも紹介しますよね。

   ぜひ、あなたも、組織として、このような「仕組み」づくりをしてみてください。

   貴院のサービスをいったん利用したら、二回目以降は、必ず他院ではなく、あなたから
   サービスを受けたくなるはずです。

 

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医療機関のコストダウン

               

 

医療機関のコストダウン

  ■医療機関におけるコストダウン

   病医院を取り巻く経営環境が厳しくなるなかで、

    ・より多くの患者を集めるために資金を投入して院内環境の整備を行なうこと

    ・無駄な経費を減らして効率的な運営を行なうこと

   が病医院に求められています。

   患者サービス向上が重要視されている現在、病医院においては、コストダウンと
   同時に、集患のためにサービスの質を高めることが必要になります。

   病医院のコストのなかで大きな割合を占める項目には、

    ・人件費

    ・材料費

    ・委託費

    ・減価償却費

   があります。

   患者1人あたりの医療従事者数を増加させれば提供できるサービスの質を上げ
   ることはできますが、たんに人員や業務量を増やすのでは人件費の負担が重くな
   るばかりです。

   また、緊急の場合に備えてあらゆる備蓄品を整えておくようにすれば材料費がふ
   くらみ、過剰な在庫を抱えることになりかねません。

   近年では院内の一部業務を外部委託することで患者のアメニティーの充実と人
   員減を図っているところもみられますが、一方で委託費は増大することになります。

   このように、医療機関においてコストダウンの問題を考える場合には、

     その経費を使うことで、どの程度の収益増(患者獲得)につながるか
     という費用対効果のバランスを考えながら検討する必要があります。

  □業務改善によるコストダウン

   医療業は、収入に占める人件費の割合が高い労働集約型の産業です。

   したがって、残業手当やパートタイマーの給与の削減につながる業務の改善は、
   大きなコスト削減効果を期待できます。

   業務の改善を実現するためには、職員のミーティングの場で業務を見直し、次の
   ような視点から無駄を排除するための対策を検討していきます。

    ○不要業務の廃止・省略

     現在の業務の洗い出しを行ない、必要のない業務については、定例業務から
     はずす。 

     ただし、その業務が急に必要となったときは、いつでも要求に応じられるような
     体制だけは整えておく。

    ○簡素化

     定例業務をたえず見直し、短時間でできるよう、業務の簡素化を図る。

    ○OA化の推進

     各種業務にパソコンや一連の事務機器を活用しOA化を図る。

     また、そういった機器を使用して必要情報の共有化を図り連絡・打ち合わせの
     時間を短縮する。

    ○平準化

     1日、1カ月の業務計画を作成し、一時期に業務が集中しないよう、可能な限り
     平準化を行なう。

     どうしても業務が集中してしまう時期には相応の対策(パートの確保など)を検
     討する。

    ○統合化・集約化

     業務の重複がないよう、統合化・集約化を図る。

   ただ、注意しなければならないのは、

    あくまでも無駄な業務は排除するものの、
    患者へのサービスは向上させなければならないという点です。
    効率的に業務を行なうことで生じた時間を
    患者サービスのために振り分けることも大切です。

  ABC分析による在庫管理

   病医院において、人件費の次に医業費用に占める割合の高い項目が材料費、と
   くに医薬品費です。

   そこで、比較的容易に実施できる効果的な在庫管理手法として、ABC分析による
   在庫管理を紹介します。

   1.ABC分析の効果

    A B C分析による在庫管理は、

     ・比較的やりやすく、失敗することが少ない

     ・すでに導入している病医院も多く、効果が確認されている

     ・「小さな努力で大きな成果」を得ることが可能である

    と評価され、医薬品などの材料の在庫費用を圧縮することが可能になります。

    2.ABC分析の方法

     AB C分析の方法は、在庫品をA、B、Cの3つのグループに分け、それぞれに
     応じた管理を行なうことによって管理コストの低減を図るものです。

     具体的な導入の仕方を紹介します。

      (1)全医薬品について、「購入単価×購入数量」によって購入金額を算出する。

      (2)購入金額の多い順に、品目名と購入金額を並べた一覧表を作成する。

      (3)一覧表の上から順に購入金額を合算し、その額が総額の70%を超えた
        ところでやめて、そこまでの品目をAグループとする。

      (4)その次の品目から、上記と同様に合算し、その額が総額の20%になっ
        たところでやめ、そこまでをBグループとする。

      (5)残りの品目をCグループとする(A、B、C各グループの品目の割合は、通
        常、Aが10%、Bが20%、Cが70%程度になる)。

      (6)この分析が終わったら、ABC各グループごとの管理方式を定める。

         Aグループ…品目数は少量だが消費金額の高い医薬品のグループ。
                  Aグループの医薬品については、最低量にまで在庫を
                  圧縮すると同時に、在庫切れを起こさないよう、在庫
                  管理を徹底する。

         Bグループ…中程度の価格の常備医薬品がBグループに属する。
                 Bグループの医薬品については、適正な在庫量や
                 購入のタイミングなどを定めて管理を行なう。

         Cグループ…購入金額は低額だが属する品目数の多いグループ。
                 適正な在庫量の把握、期限切れ品の発生などには
                 留意する必要があるが、AグループやBグループに
                 比べ、 緩やかな管理を行なう。
                 大量購入による値引きを期待することができる。

     以上のことを実行すれば、無駄のない医薬品管理ができ、コストダウンにつな
     げることが可能になります。

  □その他のコストダウン策

   その他の日常業務におけるコストダウンの方法としては、次のようなものがあります。

    ○運搬・歩行のアクションロスをなくす

     ・運搬そのものをなくすよう検討する

     ・運搬業務を簡素化する

    ○パフォーマンスロスをなくす

     ・訓練・指導の徹底により職員の能力向上を図る

     ・誰にでもできる方法に変える

    ○単位別コストを把握する(1人1時間あたりの人件費・1平方メートルあたりの
     スペースコストなど)

    ○院内業務の外注化を検討する

     ・外部委託することで明らかに院内アメニティーが向上するものや人員
      削減につながる業務ほ外注化を検討する。
      その際には事前に費用対効果について十分に検討を行なう

     ・外部委託業者を選定する際には、ほかの病医院から情報を収集する、
      医療関連サービスマーク(*)取得業者を選ぶなど慎重な態度で臨む

      *医療関連サービスマーク

       在宅酸素供給装置(濃)保守点検サービス・滅菌消毒サービス・寝具類
       洗濯サー ビス・患者給食サービス・患者搬送サービス・院内清掃サー
       ビス・検体検査・医療用ガス供給設備保守点検サービスなどを営む
       業者のうち、ある一定の基準を満たしている事業者に対して医療関連
       サービス振興会が交付するマル適マーク

    ○医療機器などの使用状況を確認する

     ・現在、院内にある医療機器が有効に利用されているかどうかを再度確認
      して無駄な機器をなくすようにする。
      あるいは有益な活用法を考える

     ・新たな医療機器を購入する際には、投資額に見合うだけの効果を十分に
      検討してから行なう(リースにする際にも同様の検討が必要)

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選ばれる医療機関の気配り接遇マナー

             

選ばれる医療機関の気配り接遇マナー

  医療機関に対する患者の不満の原因はさまざまです。

  大別すると、医療そのものに対する不満、人的サービスに対する不満、次に、施設
  アメニティなどの物的サービスに対する不満、などに分けられます。

  また、患者が病院を選ぶ判断基準には、以下のようなものがあります。

   患者が病医院を選ぶ判断基準

    @家から近く交通が便利(通院アクセス)

    A医療設備が良い

    B医療技術(医師の能力)が良い

    C医師や看護師が親切

    D地域での評判が良い

    E清潔な施設環境

    F信頼できる(話をよく聞く、よく説明する)

    G待ち時間が少ない

    H治療費が安い

    I救急体制が完備

    J駐車スペースが広い

    K食事がおいしい

  これは、都市圏の大病院を対象にアンケート調査を実施したものですが、ここでは
  通院アクセスの問題は別として、医療設備や技術への関心、待ち時間の問題と同
  程度に、応対や接遇に関するもの、つまり、病医院スタッフが親切で、話をよく聞い
  てくれることに対して高い関心を示していることがわかります。

  要するに、患者さんと多く接触する医師やスタッフの対応の仕方そのものが、病院
  選びの大きなファクターとなっているわけで、病院スタッフの患者さんに対する接遇
  の良し悪しは、医療サービス業としての病院経営のあり方として、重要なテーマで
  もあるわけです。

  病医院を訪れる患者さんは、他の業種とは異なり、サービスを享受する消費者とし
  てのお客様ではありません。

  あえて言うなら、不安や迷い、苦痛や悩みを抱え、やむを得ずに訪れてきた弱者です。

  昨今、言われている医療サービスにおける「患者=顧客主義」については、あくま
  でその一面を表しているに過ぎません。

  つまり、医療機関での接遇は、患者さんが一種の弱者であることを認識して、思い
  やりや労わりの心を持ち、きめ細かな気配りを前提として成立しなければなりません。

  すなわち、医療機関での接遇とは、気配りに始まり、気配りに終わるといっても過言 
  ではありません。

  ■接遇や応対のあり方とは

   前述の通り、患者さんへの接遇マナーは、医療機関という特殊性を考慮しても、
   患者サービスの原点と言えるものです。

   次に、その基本的なポイントを挙げてみます。

   1.望ましい接遇マナーあり方

    (1)相手の立場に立って、話を良く聞く。治療への橋渡しをする意味で、相手の 
      話の腰を折ったり、誘導したりしないこと。

    (2)誰にでも平等に共通の応対を心がける。それが結果的に相手に安心感を
      与えることになる。

    (3)敬語はほどほどにする。あまりにもいんぎんな態度は患者さんの気持ちを
      硬化させることになりかねない。

    (4)いつでも変わらない平静な態度を保つ。スタッフの態度が急変すると患者
      さんの不安が増す。

   2.キーワードは3つのS

    (1)いつも笑顔を絶やさない応対「Smile」を絶やさない

    (2)動作は機敏にテキパキと応対する「Speedy」に行動

    (3)いつも誠実な応対を保つ「Sincerity」を心のなかに

  □接遇マナーにおける気配りの具体例

   医療機関では、患者さん以外にも、ご家族や親戚、見舞い客、さらには仕事上の
   関係者など、さまざまな人々が来院し、そこで職員との接触が繰り返されます。

   接遇マナーにおいても、ちょっとした気配りで、コミュニケーションが円滑になります。

   その事情は、医療の現場においても変わりません。

   ここでは、各部門や診療現場における気配りのある接遇のあり方を具体的に列
   挙してみます。

   1.受付での対応

    (1)来院された方には全てこちらから先に声をかけるようにする。

      患者さんのプライバシーを守るため、質問は口頭で行わず問診表を使って行う。

    (2)受付に手間取る場合は、放置しないで事前にその事情を伝えて、了解して
      いただく。

      その後で患者さんを呼ぶときには「お待たせしました」の一声をかける。

    (3)職員同士の私語は慎む。

   2.待合室での対応

    (1)患者さんへの目配りを忘れず、常に一声かけるなどして、患者さんの気持ち
      をやわらげるように努める。

    (2)診察の順番間違いは極力なくし、起こったときは素直に謝罪する。

    (3)待合室の備品(新聞、雑誌等)は整理し、テレビなどの音量にも配慮する。

    (4)待合室は禁煙(又は分煙)とする。

   3.診察室での対応

    (1)医師や看護師は自らの氏名を名乗ってから、診察に入ることを基本とする。

    (2)長時間お待ちになった患者さんだけでなく、全ての方に「お待たせしました」
      の挨拶が必要。

    (3)インフォームドコンセントは判りやすく、できるだけ専門用語は使わないよう
      に、できれば図表などを活用して説明する。

    (4)患者さんへの支持は命令するのではなく、患者さんの自己決定を促すよう
      にしていく。

    (5)スタッフ同士の私語は、診療に関わる事柄以外は一切禁止する。

    (6)説明するときは必ず患者さんの顔と向き合い、患者さんの心の状態も観察
      するようにする。

   4.検査室での対応

    (1)検査に来られた患者さんには、事前に検査の内容を説明し、不安を除くよう
      に努める

    (2)採血や侵襲のある検査の場合などは、手順や苦痛の程度を詳しく説明しておく

    (3)検査が終わった患者さんの状態を観察し、介助が必要な場合は適切に付き
      添い等を手配する。

   5.会計部門での対応

    (1)医療費明細や領収書を必ず発行し、質問があれば丁寧に説明する。

    (2)診療報酬制度が変わったときや、自己負担が変わったときは、その内容を
      その場で説明する。

    (3)「お待たせしました」「お大事に」などの挨拶の基本動作は、ひとりひとりに徹
      底しておくこと。

   6.その他

    (1)院内表示はわかりやすく、色分けなどして、数ヶ所に表示する。

    (2)病院の入り口付近に総合案内を必ず設けておく。

    (3)掲示物等は患者さんの目線の位置に配置し、文字もできるだけ大きくしておく。

    (4)薬袋や診察券などは、用途や診療部門に応じて色分けするなどして、使い
      やすくなるように配慮する。

   上記のような工夫や気配りは、接遇以前の配慮でもあります。

   しかし、患者さんは職員の態度や応対だけでなく、来院して診察を受け、帰るまで 
   のすべての印象から、その病医院の接遇のあり方を判断するわけです。

   経営者は教育だけでなく、医療環境全てが接遇の良さに繋がることを充分に理解
   する必要があります。

  □接遇教育のポイント(良いスタッフの資質や条件)

   最後に接遇マナーの向上を図っていく上で、スタッフに求められる条件(資質)を
   まとめておきます。

   これは、接遇教育を行っていくための目標設定と能力判定の評価項目としても大
   切なポイントでもあります。

   職員やスタッフの接遇の良さは、その場しのぎであってはなりません。

   そのためには継続的な教育研修の徹底により、人材育成を図っていく必要があります。

   その指針として、以下のような活動が日常的に実践されていることが重要になります。

    @接遇マニュアル等により、院内コミュニケーション・スキルの共有化を
      図っていく。

    A定期的な教育研修のなかで、接遇や患者対応の問題も改めて評価し、
      再検討していく。

    B上司や指導者が身をもって規範となり、患者対応の基本動作を周知
      させていく。

    C 接遇や患者対応のよい職員への評価(顕彰規定や査定基準)を明確
      にして、職員の意識を啓発していく。

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介護老人保健施設の経営

                              

介護老人保健施設の経営


  ■介護老人保健施設の概要

   1.介護老人保健施設の制度

    老人保健施設(現・介護老人保健施設)はもともと、昭和61年3月の老人保健 
    法の改正により制度化された事業です。

    平成12年度から介護保険制度が導入され、介護保険法によって「介護老人保
    健施設」と位置づけられました。

    つまり介護保険施設の1サービスとして、特別養護老人ホーム等との利用者獲
    得競争を強いられるようになったのです。

    このような背景から、介護老人保健施設の経営状況はますます厳しくなるものと
    予想されています。

    こうした変化に対応するため、個々の施設は利用者の視点に立った質の高い
    サービスを目指し、外部に対してもそれをアピールしていくことが課題となると考
    えられます。

   2.介護老人保健施設のサービス内容 

    介護老人保健施設のサービス内容としては、おもに次のような事項が挙げられます。

    こうしたサービスを提供するために、介護老人保健施設開設にあたっては、設
    備構造や人員配置について基準が定められています。

    <サービス内容>

     ◎入所サービス

      ・離床期または歩行期のリハビリテーション

      ・日常生活活動訓練

      ・体位交換、清拭、食事の世話、入浴の看護・介護サービス

      ・比較的安定した病状に対する診察・投薬・注射・検査・処置等の医療サービス

      ・理髪等個人的な世話、教養娯楽のための催し等の日常生活サービス

     ◎在宅サービス

      ・短期入所療養介護
       看護・介護を行なっている家族の病気、休養等のさまざまな理由により
       家庭における看護・介護の機能が低下した場合に介護が必要な高齢者
       を短期間受け入れ、必要な看護や介護を行なう。

      ・通所リハビリテーション
       昼間の一定時間、介護が必要な高齢者を受け入れ、入浴・食事や
       リハビリテーション、生活訓練を行なう。

  □介護老人保健施設の経営実態

   厚生労働省の「平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、平成
   29年10月の介護老人保健施設の総数は4,322施設であり、年々増加しています。

  □開設の基準

   1.開設者の基準

    介護老人保健施設は営利を目的としない施設であることから、設置・運営主体
    は市町村、社会福祉法人、医療法人等となっています。

    詳細については次のとおりです。

    【開設者】

     ・国

     ・地方公共団体

     ・医療法人

     ・社会福祉法人

     ・その他厚生労働大臣が定めている者

      日本赤十字社、厚生(医療)農業協同組合連合会、健康保険範合及び
      健康保険組合連合会、共済組合、国民健康保険組合及び国民健康
      保険団休連合会、厚生労働大臣が介護老人保健施設の開設者として
      適当であると認定した団体

     また、開設する際のおもな留意点としては、

      ・都道府県知事の許可を受けて開設すること

      ・一般的に営利目的のために開設する場合は許可が与えられないこと

      ・設置運営基準等に違反した場合は改善命令、必要に応じては許可の
       取り消し等の行政処分を受けること

      ・許可の取り消しに関しては、都道府県医療審議会の意見を聴くことに
       なっていること

     等が挙げられます。

   2.施設および設備に関する基準

    介護老人保健施設の開設にあたり、その規模に関する定めはありませんが、各
    地域の要介護老人の数・特別養護老人ホームの入所定員・病院の病床数等を
    踏まえて、その地域に見込まれる需要を考慮した親模にする必要があります。

    【施設および設備】

     ・療養室

      イ.療養室の定員は、4人以下とすること。

      ロ.入所者1人当たりの床面積は、8平方メートル以上とすること。

      ハ.地階に設けてはならないこと。

      ニ.1以上の出入口を避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して
         設けること。

      ホ.寝台又はこれに代わる設備を備えること。

      ヘ.入所者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。

      ト.ナース・コールを設けること。

     ・診察室

     ・機能訓練室

      1平方メートルに入所定員数を乗じて得た面積以上の面積を有し、
      必要な器械・器具を備えること。

     ・談話室

      入所者同士や入所者とその家族が談話を楽しめる広さを有すること。

     ・食堂

      2平方メートルに入所定員数を乗じて得た面積以上の面積を有すること。

     ・浴室

      イ.身体の不自由な老が入浴するのに適したものとすること。

      ロ.ー般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別
        浴槽を設けること。

     ・レクリエーション・ルーム

      レクリエーションを行なうために十分な広さを有し、必要な設備を備えること。

     ・洗面所

      療養室のある階ごとに設けること。

     ・便所

      イ.療養室のある階ごとに設けること。

      ロ.ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、身体の不自由な
        者が使用するのに適したものとすること。

      ハ.常夜灯を設けること。

     ・サービス・ステーション

     ・調理室

     ・洗濯室又は洗濯場

     ・汚物処理室

    【構造設備の基準】

     ・介護老人保健施設の建物は、建築基準法に競走する耐火建築物と
      すること。

      ただし、療養室その他の入所者の療養生活に充てられる施設を2階
      以上の階及び地階のいずれにも設けていない建物の場合、準耐火
      建築物とすることができる。

     ・療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレ
      ベーターをそれぞれ1以上設けること。

     ・療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難
      階段を2以上設けること。

     ・階段には、手すりを設けること。

     ・廊下の構造は、次のとおりとすること。

      イ.幅は、1.8メートル以上とすること。ただし、申廊下の幅は、2.7メートル
        以上とすること。

      ロ.手すりを設けること。

      ハ.常夜灯を設けること。

     ・入所者に対する介護保健施設サービスの提供を適切に行なうために
      必要な設備を備えること。

     ・消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。

   3.スタッフ基準

    介護老人保健施設のスタッフ基準は、利用者の定員数により異なってきます。

    定員数が100人の場合、次のような職員配置を求められます。

    【従業者の員数】

     介護老人保健施設に置くべき医師、看護師、介護支援専門員及び介護その
     他の業務に従事する従業者の員数は、次のとおりとする。

     ・医師

      1人

     ・薬剤師

      介護老人保健施設の実情に応じた適当数

     ・看護職員(看護師、准看護師)又は介護職員

      34人(看護職員10人、介護職員24人)

     ・支援相談員

      1人

     ・理学療法士又は作業療法士

      1人

     ・栄養士

      1人以上

     ・介護支援専門員

      1人以上

     ・調理員、事務員その他の従業者

      介護老人保健施設の実情に応じた適当数

   4.緊急措置に備えて

    介護老人保健施設は、自施設で対応しきれない場合を想定して、

     ・入所者の病状の急変に対応可能な病院(協力病院)を1つ以上選定する

     ・歯科医療に対応できる病医院を定める

    ことが必要とされています。

   5.地域との連携

    開設者の基準の際にも述べたように、介護老人保健施設は開設地の都道府県
    知事の許 可および介護老人保健施設としての指定が必要となります。

    これは、各都道府県における「介護保険事業支援計画」に基づいた施設設置計
    画があるためです。

    したがって、許可を受けるためにも

    都道府県との事前相談で綿密に協議を重ね、指導にしたがって計画を進めるこ
    とがポイントとなります。

    さらに、開設予定地域の高齢者に対する福祉状況を把握するために、

     医師会、社会福祉協議会、近隣の特別養護老人ホーム等の高齢者の
     福祉施設等と連携することで互いの役割分担や協力体制を構築して
     おき、地域全体で効率的な施設の利用及び利用者の適切な受け入れ
     ・送り出しを図っていけるようにする

    ことも重要となります。

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