売れる営業マンの基本スキル

         

売れる営業マンに必要なスキル 

  ■営業で成果を上げるコツとは?

   営業活動の中で営業マンであれば、多かれ少なかれそう思うことがあるでしょう。

   しかし、営業のノウハウには属人的な面が多くあり、顧客特性や商品・サービスによって
   効果的な手法は異なるなど、成果を上げるコツというのは一概には言えません。

   ただし、どのような営業であっても、考えなしに、場当たり的な対応をしていても成果は
   上がらないことだけは確かです。

   営業には必ず相手がいて、その相手が購買すると決めなければ成果は生まれません。

   営業マンは、相手をよくみて、その考えを知り、商品・サービスを購買したいと思うよう
   な提案をする必要があります。

   そのために営業マンに求められるのは、
    ・予測:ニーズを予測し、商談をシミュレー
         ションする

    ・質問:ニーズや要望などを聞き出す

    ・提案:Win-Winの提案を考え、分かりや
         すく伝える

   という3つの技術が必要です。

   これらは、営業活動であれば顧客特性や商品
   ・サービスを問わず必要となるスキルですが、
   法人営業では特に重要となります。

   法人営業では、「購買決定にかかわる人が複数にわたることが多い」「厳密に予算が
   定められている」ことが一般的です。

   営業マンは、「予測」「質問」「提案」を駆使しながら、こうした要因を見極めて、商談
   を進めていくことが求められます。

   3つのスキルは、営業活動のすべての場面で必要となりますが、特に、アプローチ
   するときには「予測する」、ヒアリングするときには「質問する」、プレゼンテーション
   するときには「提案する」が重要になります。

   以降では、売れる営業マンに求められる基本的な3つのスキル「予測」「質問」「提案」
   について紹介していきます。

   ただし、ここで注意すべき点は、以下に記載したスキルの習得を営業マン個人に期待
   したり、求めるのではなく、組織(会社)としての営業の仕組み(標準化されたトーク、
   ツール)を作成し、全員が活用することです。

   そうすることで、売れる営業マン同様に、そうでない営業マンも同程度の品質を保つこと
   が可能となります。

  □予測する
   1.予測とは
     予測するとは、顧客のニーズをあらかじめ予測し、「どのような商品・サービスを
     いくらで提案するか」という商談のゴールを事前に想定するスキルです。

     また、商談ごとに、「今回の商談の目的」「今回の商談で示される顧客のネガティブ
     な反応」などを事前にシミュレーションしておくことも予測力に含まれます。

     商談ごとに得た新たな情報を加味し、必要であれば想定したゴールを見直すことも
     大切です。

   2.事前の情報収集
     営業活動では、「とりあえずこの商品で売り込みを行ってみる」という、商品ありき
     の方法では計画的に成果を上げることはできません。

     あらかじめ、「顧客のニーズは何か?」ということを予測し、「顧客のニーズを満た
     すためにどのような自社の商品・サービスを提案するか?」ということを想定しな
     がら、商談を進めていかなければなりません。

     もちろん、相手に詳細な話を聞く前のアプローチ段階では正確なニーズを知るこ
     とはできません。

     ですから、アプローチ段階では、さまざまな情報源を利用して関連情報を収集した
     上で、過去の経験などを基に、顧客が持っているであろうニーズを、自分なりに予
     測する必要があります。

     また、アプローチ段階では難しいかもしれませんが、現在利用している競合製品
     (商品)やその利用状況、あるいは競合他社との商談状況についても情報収集し
     ておくとよいでしょう。

     現在利用している競合商品やその利用状況が分かれば、顧客が解決したいと考
     えている課題を知るためのヒントが見つかるかもしれません。

     また、競合他社が営業を行っている商品・サービスが分かればそこから顧客のニ
     ーズを推察し、自社のどの商品・サービスが訴求力があるかを予測する上で参考
     になります。

     こうした情報は自社内の上司や同僚などから情報収集したり、可能であれば顧客
     に聞いてみることも必要です。

   3.ロープレ(商談のシミュレーション)
     商談の前には、商談の流れをシミュレーションしておくことが大切です。

     その際のポイントは2点あります。
     (1)商談ごとの目的を設定する
       商談の前には、「今回の商談の目的」を決めておかなければなりません。

       例えば、「顧客のニーズを聞き、次回の自社の商品・サービスを提案するため
       のアポイントをもらう」「自社の商品・サービスの提案内容の評価を聞き、相
       手が不満に思っている点を明らかにして再提案する機会をもらう」といったよう
       にです。

       目的が決まったら、商談の流れを具体的にシミュレーションしていきます。

       シミュレーションするときには、「相手が知りたいと思うことは何か」を考えな
       がら進めることが大切です。

       また、シミュレーションすることで、「相手に確認しなければならない点」「伝
       えなければならない点」を想定することができます。

       こうした点は、抜けや漏れがないようにリストアップしておきます。

       なお、実際の商談の場でも、商談の目的を最初に明らかにし、相手と商談の目
       的を共有しておくことで、商談をスムーズに進めることができます。

       例えば、「今日は前回のご提案内容について、ご不明な点や改善すべき点を
       お伺いし、その上で、改めて次回、ご提案のスケジュールを詰めさせていただ
       きたいと思っています」といった形で、最初に話しておきます。

     (2)相手の「ネガティブな反応」を予測
       商談の流れをシミュレーションしていると、「これについて
       聞かれたらどうしようネガティブ.jpg?」という、顧客に対して説明しにく
       い質問、自分の権限では答えられない質問などが出てく 
       るものです。

       そうした点については事前に対応方法を検討しておかな
       ければなりません。

       また、商談の締めにさしかかっているなど商談の段階に
       よっては、特に大切なのが、相手が示すかもしれない
       「ネガティブな反応」を予測しておくことです。

       ネガティブな反応とは、不満・不安・心配などのことで、
       「それほどメリットがあると思えない」「活用シーンがピン
       と来ない」「価格が高い」といった例が挙げられます。

       商談の締めの段階でこうしたネガティブな反応を示してくれるとすれば、それは
       相手が本気で購買を検討してくれている可能性が高いとも考えられます。

       事前に対応を決めておくことで、成約に結びつきやすくなるかもしれません。

       ネガティブな反応を予測するには、営業経験豊富な上司や同僚を相手にロー
       ルプレイングをすると効果的です。

       実際の商談では、自分では考え付かないようなネガティブな反応を相手が示す
       ことがありますが、営業経験豊富な上司や同僚を相手役にロールプレイングを
       行うことによって、こうした点に対する準備不足を補うことができます。

       なお、ロールプレイングの相手役には、過去の経験を踏まえてできるだけ意地
       悪な顧客になってもらうと、よりきめの細かい準備をすることができます。
   
  □無意識の要因
   お客様から受け入れられる要素のうち95%が無意識の要因だといわれています。

   つまり、営業マンを好きだ、嫌いだ、信用できる、信用できない、のどれかを選んで
   いるのです。

   たった30秒で人の中身を知ることはできないはずですが、ただ、あの営業マンは嫌い
   だ、と無意識に判断しているのです。

   お客様から受け入れられるための条件として、以下のことを理解しておくといいで
   しょう。

   セールスにおいて、ほとんどの営業マンがお客様を説得しようとします。

   説得ではなく『質問する』です。

   売れる営業マンはそうでない営業マンの3倍質問をします。   

   多弁すぎる営業マンがいますが、お客様はあなたの商品やサービスについてすべて
   聞く必要はないんです。

   営業マンは皆、あまりにも自分たちの仕事に熱心で、お客様の気持ちを読むという
   ことを忘れて、どんどん売り込みモードに入ってしまうのです。

   そして、お客様をうんざりさせてしまいます。

   人は、自身のために行動するのですから、あなたが話すこと、あなたが伝えることは
   全て、彼らの立場に立って表現され、まとめられなければなりません。

   あなたは自身のセールスにおいて以下のことに気付いているでしょうか。
 
   ○理由について
    あなたは、お客様になぜこれを買うといいか、理由を言っていますか?

    ただ話し続けただけではないでしょうか。

    お客様にとって必要であること、欲しいものであること、買う理由を言っていなかっ
    たのです。

   ○金額について
    お客様が否定の言葉として、「高すぎる」と言うとき、そのうちの60%以上は本当
    にそう思ってはいないということです。

    そう言ったほうが、あなたとの話を早く終わらせられると知っているのです。

    この台詞を聞く場合、二つのことが起きています。

    お客様があなたに嘘をついているか、あなたがプレゼンテーションに失敗したか
    の、どちらかです。

   ○共通性について
    人は自分と共通する点があると親近感を覚えます。

    私達は自分とつながりのある人や、どこか似ていると感じる人を受け入れたいも
    のです。

    それはその人の意見であったり、ライフスタイルであったり、バックグラウンドであ
    ったりします。

    あなたが良く見えれば、それだけ信頼でき、賢い人だと思われ、お客様は自動的
    にあなたをより良い人だと思うのです。


    他国の例ですが、裁判所においても、醜い囚人のほうがきれいな囚人より、長い
    刑を言い渡されるそうです。

    10%:90%のルールでは、お客様に好かれていなかったら10%のチャンスしか
    なく、好かれていれば受け入れられるチャンスは90%です。

    以上のことをまとめると、問題はコミュニケーションに関するもので、その基本は
    「聞く」ということなのです。

    私達は自分達が聞きたいものだけを聞いたり、やりたいことだけやったりしています。

    その結果営業においても、本当に「聞く」ということを知りません。

    あなたは「言いたいことを言う」のではなく、お客様が「聞きたいことを言う」ので
    す。

    「聞きたいことを言う」、言い換えるなら、『質問する』と言っていいでしょう。

    セールストークはテクニックではありません。

    『的確な質問をし、聞く』が重要なのです。
   
  □質問する
   1.質問とは
     質問とは、商談を進める上で必要な情報を相手から聞き出すスキルです。

     法人営業では「ニーズ」「予算」「意思決定者の意向」「時期」「提供方法」など聞
     かなければならない事項や、聞いておいたほうが、より効果的に商談を進めること
     ができる事項があります。

     しかし、商談の進ちょく状況や顧客との信頼関係の深さなどにもよりますが、一
     般的にニーズや予算、意思決定者の意向は簡単に教えてくれるものではありません。

     そのため、質問に工夫をしながら、聞き出していかなければなりません。

   2.顧客からニーズを聞き出す
     言うまでもなく、営業に当たって顧客のニーズをつかむことは不可欠ですが、顧
     客のニーズを聞くことは簡単なことではありません。

     ニーズが知りたいからといって、唐突に「御社のニーズは何ですか?」と聞いて、
     相手が率直に答えてくれることはほとんどありません。 

     また、漠然とした問題意識を持ってはいるものの、相手自身が解決すべき課題な
     ど、真のニーズに気がついていないことも少なくありません。

     こうした相手に対して「ニーズを教えてください」と聞いても、「そんな大ざっぱ
     な質問をされてもどう答えていいか分からない」と相手を困らせてしまうだけです。

     そこで、ニーズを聞き出すためには、情報収集した客観的事実を交えながら、相
     手が答えやすいように、より具体的な質問をするということがポイントになります。

   3.相手から「予算」や「意思決定者の意向」を聞き出す
     法人の場合、厳格に予算が定められており、その予算内でなければ、どれほどよ
     い商品・サービスであっても購入してもらうことは容易ではありません。

     また、購入に関する意思決定には複数の人が関与することが一般的であり、相
     手の判断だけで購入を決定することはほとんどありません。

     そのため、営業マンとしては「予算はいくらか?」「意思決定にかかわっている人は
     誰で、その人はどのような意向か?」などの点はぜひとも知っておきたい情報です。

     とはいえ、予算も意思決定者も顧客内部の情報であり、なかなか答えてもらえま
     せん。

     そこで大切になるのは、明確に答えてもらえなかったとしても、相手の答えから推
     測できるような質問を試してみることです。

     (1)予算についての質問
       上記と矛盾しますが、予算については、はっきりと「予算はどのくらいです
       か?」と聞いてしまうのも一策です。

       相手が本気で購買を検討している場合などは、予算を明確に答えてくれること
       があるからです。

       また、予算を聞くことによって、顧客の立場に立った提案をしようとしていると
       いうことを知ってもらうこともできるでしょう。

       予算について推測できるような質問としては、次のような例が考えられます。

       【例1】
         「以前、このサービスをおおよそ○万円ほどで販売したことがありま
         す・
    
         率直に言って、この金額は高いと思いますか、安いと思いますか?」

       高いか安いかを、「思いますか?」という言い方をしているので、明確な金額を
       聞かれるよりは相手が答えやすくなります。

       この質問に答えるとき、相手は、これまで見聞きしたことのある金額や、「こ
       のくらいだったら予算内でなんとかなる」という金額など、ある程度具体的
       な数字を思い浮かべながら答えるはずです。

       そのため、相手が高いと答えた場合には予算を上回っている恐れがあり、安
       いと答えた場合には予算を下回っていると推測することができます。

       また、相手と比較的ざっくばらんに話ができるようであれば、相手と自分とが分
       かる共通のものの金額に置き換えて質問してみるのもよいかもしれません。

       例えば、金額を「おおよそ○万円」ではなく、「△△様(相手)が以前購入され 
       たいと言っていた国産自動車を新車で購入したくらい」と言い換えるなどの
       方法が考えられます。

       【例2】
      
 「金額は次回ご提示させていただきますが、御社に最適な商品・サービス
       です
と、おおよそ△万円くらいかと考えておりますが、予算的にい かがで
       すか。もし、厳しいようでしたら、予算の範囲内でご提供できるような商品
       ・サービスを検討してきます」

       相手が「別にそれくらいで大丈夫」と答えた場合には、「△万円は予算内に収ま
       っているのだろう」、あるいは「改めて予算に計上するつもりがない、つまり、
       購買意欲は高くない」と、2通りに推測することができます。

       一方、相手が「少し見直してほしい」と答えた場合には、「△万円は予算を
       少し上回っているか、ギリギリ予算内くらいなのだろう」ということと同時に、
       「購買を本気で検討してくれている」と推測することもできます。

     (2)意思決定者の意向
       一般的に、法人営業では、直接話をする
       相手が最終的な購買決定権を持っている
       ことはまれで、最終的な意思決定者
       は、相手よりも役職が上の部門長など
       です。

       また、最終的な意思決定者は相手の 
       部門長であっても、その部門長は、実
       際のユーザー、費用について決裁権
       のある部門、品質について決裁権の
       ある部門の了承を得て決めるといった
       ように、多数の部門や、相手が意思決
       定に関与することも少なくありません。

       営業マンは、なるべく早い段階で、意思決定者か、意思決定者に対して「意思
       決定者が意見を重んじる人」と接点を持ち、意思決定者の意向を知ることも必
       要です。

       しかし、相手からすると、「自分が責任を持って担当している業務である」と
       いう意識があるため、商談の最終段階など重要な場面以外は、営業担当者と
       意思決定者などが直接会う機会を設ける必要性は感じていないのが一般的です。

       そのため、営業マンが意思決定者に直接会うことは容易ではありません。

       そうした場合は、意思決定者や「意思決定者が意見を重んじる人」、それらの
       人の持つ意向を推測できるような質問をしてみます。

       例えば、次のような質問が考えられます。

       【例1】
        「△△様(相手)が導入の最終決定をされる方にこのサービスをご説明さ
       れる
ときに資料が必要でしたら、弊社で準備させていただきます。どのよ
       うな資料が必要ですか?」

       他社商品・サービスとの比較、過去の販売実績、機能詳細、費用の詳細な内
       訳など、相手が必要な資料を具体的に答えてくれれば、意思決定者が何を考
       慮して意思決定するのかといったことを推測することができます。

       【例2】
       「導入の最終決定をされる方に、この商品・サービスをご説明されるとき、
       △
△様がご説明しにくい点や、もう少し詳しい情報が必要と思われる点は
       ありま
せんか?」

       こうした質問に対する相手の答えは、裏を返せば、「意思決定者に対してしっ
       かりと説明する必要があると相手が考えている点」です。

       そこから意思決定者が意思決定に際してどのようなことが知りたいかを推測す
       ることができます。

       相手との関係性が良好で比較的話がしやすいのであれば、直接的に「導入
       の最終決定をされる方にこの商品・サービスをご説明されるとき、ポイントとな
       る点はどこでしょうか?」と聞いて、意思決定者の意向を明らかにしてもよいで
       しょう。

  □提案する
   1.提案とは
     提案とは、顧客と自社、双方にメリットのある提案内容を考え、それを分かりやす
     く相手に伝えるスキルです。

     商品・サービスの機能や価格などを説明するだけではなく、顧客視点に立った顧
     客のメリット(価値)も含め、「どのような提案内容であれば顧客と自社の双方にメ
     リットがあるか」を考え、「どのように伝えれば分かりやすいか」を工夫することが
     求められます。

   2.Win-Winの提案内容
     提案内容は、「『予測する』で予測し、『質問する』で明らかにした顧客のニーズを
     満たす商品・サービス」である必要があります。

     また、法人営業の場合、「質問する」の項でも紹介した通り、予算や意思決定者の
     意向などを踏まえたものでなければなりません。

     このように、提案内容は、顧客の視点に立って考えることが大前提です。

     しかし、顧客の視点にだけ立てばよいということではなく、提案内容は、自社にと
     ってのメリットについても考えなければなりません。

     例えば、コスト面で自社が赤字になるような無理のある提案内容では、いくら顧客
     にとってよい提案であっても実現する可能性はありません。

     そこで考えるのは、顧客と自社の双方にメリットのあるWin-Winの提案内容です。

     提案内容の検討は、まずは顧客に焦点を当てて検討し、その後に自社の視点を
     加えて検討すると整理しやすいでしょう。

     顧客の視点からは、「ニーズ」「予算や意思決定者の意向」「スケジュールや提供
     方法など顧客の要望」などを検討する必要があります。

     また、自社の視点からは「利益」「将来性」「企業活動への影響力」などを検討しな
     ければなりません。

     顧客の視点、自社の視点のすべてを満すことができれば理想的ですが、そうでな
     ければ、今回の商談で優先すべき点は何かを考えてみるとよいでしょう。

     そのほか、その顧客に対して自社にとっての競合他社が存在する場合には、競
     合他社に対して品質や価格などの面から優位性があるかも考えなければなりま
     せん。

   3.分かりやすく伝える
     「自社の商品・サービスを活用することで顧客のニーズを満たすことができる」と
     いうことを相手に伝え、それを相手が納得して初めて成約に結びつきます。

     営業マンは、相手がそうした点を正しく理解できるよう、分かりやすく伝えなければ
     なりません。

     提案内容を伝えるときには、最初に、商品・サービスを活用することで期待できる
     効果を明示します。

     そうすることで相手は自社のニーズを再確認できると同時に、提案内容の方向性
     を理解しやすくなります。

     その上で、提案内容の詳細などを伝えていくことになります。

     その際には、以下の2点に注意します。
     (1)具体的に話す
       抽象的な説明よりも、具体性のある話のほうが理解しやすく、印象にも残りや
       すいものですし、相手が意思決定者をはじめとした他の人にも伝えやすくなり
       ます。

       例えば、  
       「大幅なコストダウンが見込めます」といった説明よりも、「現在よりも約○%
       ものコストダウン効果が期待できます」と、おおよそでもよいので数字を使っ
       たほうが分かりやすいでしょう。

       また、他社の成功事例も相手にとっては分かりやすく、実績のある提案内容と
       して信頼性のあるものとして受け止めてくれるでしょう。

     (2)相手と歩調を合わせる
       相手にうまく伝わっていない、相手が
       疑問に思うといった点は、相手が話
       を理解する上で阻害要因になります。

       話のポイントごとに相手に伝わってい
       るか(理解しているか)を確認し、うまく
       伝わっていない、あるいは疑問に思う
       部分があるようであれば、それを取り
       除きながら話を進めるように心掛けま
       す。

       また、説明などに際して、見落としがち
       なのが使用する用語です。自社の商品
       ・サービスに関する説明が中心となるた
       め、つい自社内でしか通じない用語や
       難解な専門用語を使ってしまいがちです。

       こうした用語は相手の理解を妨げる要因となるので、平易な用語にしたり、相
       手が使用している用語に置き換えたりする必要があります。

     上記のような方法で提案内容を相手に分かりやすく伝え、理解してもらった上で、
     最終的に「いかがでしょうか?」と提案内容の検討結果を聞きます。

     このとき、相手から「予測」の項で紹介したネガティブな反応(不満・不安・心配
     など)が返ってくることがあります。

     ニーズを十分に満たしていない、あるいは予算、意思決定者の意向、時期や提供方法
     などの要望に十分に応えられていないのかもしれません。

     もう一度「質問」を使って、相手がネガティブな反応を示した理由を聞き、場合に
     よっては提案内容を調整するなどして再度提案することになります。

     このように、提案内容を伝えることとニーズを聞き出すことを、必要に応じて繰り返
     しながらゴールを目指して進めていきます。

     商談を前に進めていくのも提案のうちです。

  □営業マンに求められる能力
   ここまで、法人営業において営業マンに求められる3つの基本的なスキル「予測」「質問」
   「提案」を紹介してきましたが、これらはあくまでも“基本的なスキル”でしかありま
   せん。

   売れる営業マンとなるためには、その他にも、例えば相手との距離感を縮め、信頼関
   係を築くためにコミュニケーションを図る「会話」や、要所要所で適切な判断をする
   「判断」なども大切です。

   営業は営業マンの持つ「総合力」が試される業務なのです。

   営業の現場では、最終的な購買決定の判断は相手が下します。

   そのため、時にはあなたがどれほど努力したと思っていても成果が上がらないことも
   あります。

   しかし、そこで「自分は営業に向いていない」と心が折れてしまわないことです。

   成果が上がらなかった理由を組織(組織営業)で考え、仮にあなたの商談プロセス
   改善点が見つかったなら、それを改善して次のチャンスに生かすことが大切です。

   そうした意味では、日々、チームで知識と思考の幅を広げて自身を成長させ、たとえ成果
   が上がらなかったとしても、次の営業機会につなげようとする、継続力こそが、売れる
   営業マンに求められる何よりも重要なスキルといえるでしょう。

   ですから、最初に述べたように、これらの総合的なスキルを営業マン個人に求める
   のではなく、組織として仕組みをつくることが求められます。 

   営業の標準化ができている中小企業がどれだけあるでしょうか。

   現有資産(ヒト・モノ・カネ・情報)が潤沢な大企業の営業体制と比べ、限られた資
   産を最大限に有効活用した体制強化が急務となります。

   限られた営業担当者を有効活用するためには、マンパワーに頼った営業は限界
   があります。

   『売りに弱い』といわれる中小企業にとって、営業をチームで実践していくことが今
   解決しなければならない課題です。

    晴れ 組織の営業力強化(コンサルティング・セミナー・研修・講演)のご案内 

 

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売れる営業

              

売れる営業


  ■KDDやGNP

   あなたは買い手側から「これ高いから、もっと安くならない」と言われたら、どのように
   答えますか。

   どのように打開(応酬)するかについて、今でも多くがKDDやGNPで対応するよう
   です。

   KDDとは「勘・度胸・出たとこ勝負」、GNPは「義理・人情・プレゼント」のことを言
   います。

   相当のベテランセールスでも、このスタイルが多いようです。

   プロのセールスパーソンとしては、完壁な答えを用意しておかねばなりません。

   そして相手をうまく説得し、買ってもらうことです。

   客の断り文句や反論にうまく対応して、クローズまで持っていく技術を身につけねば
   なりません。

   誰でも値段を下げれば簡単に売れます。

   価格を下げずに、適正な利潤を確保して売るのが腕のみせどころです。

  □価格に対する断り文句
   買い手側の断り文句のなかでも「そんなお金がない」、「ウチには必要ない」、「商品が
   気に入らない」などがあります。

   中でも特に、セールスパーソンがぶつかる最大の壁と言えるのは、価格に関する断り
   文句でしょう。

   見積書を見せたら、お客様は当然のように「高いね」という断り文句を言ってきます。

   しかし、ここで重要なのは、「高いね」という言葉の真に隠れているお客様の心理
   です。

   「高いね」という断り文句は、本当にお金がなくて高いと思っているのか、それともただ
   断る理由として言っているだけなのかという、お客様の言葉の真に隠れている本音を
   知る必要があるのです。

   では、本音を見抜くために、ここで価格に関する、よくある断り文句を見てみましょう。

   ◎価格に対する断り文句
     ・「お金がないんで」
     ・「高いね、もっとまけてよ」
     ・「他社のほうが安いから」
     ・「余裕がないんだよ」
     ・「ランニングコスト(経費)がかかりすぎるから」
     ・「○○円以下なら考えるけど、○○円しか予算がないんだ」
     ・「もっと安ければ考えるよ」

    大体この7つくらいではないでしょうか。

    共通するのは、「お金がない」ということです。

    ところで、「お金がない」、あるいは「高い」とはどういう意味なのでしょうか。

    「高い」と言う根拠は絶対の事実ではなく、今の時点のお客様の意見、お客様の
    見方でしかありません。

    しかも、買い手は値下げさせようと意図的に嘘をつく可能性もあります。

    アメリカの伝説のセールスマンと言われたフランク・ベトガー(著:私はどうして販
    売外交に成功したか)は次のように言っています。

    「お客様の断りの62%はウソである」、真実の断りは38%にすぎないと断言して
    いる。

    実に、断りの半分以上はウソだと言っているのです。

    一方、お客様は今の時点で、あなたの商品やサービスのよさをわかっていない 
    ために、「高い」と言っているのかもしれません。

    まけさせようとして「高い」と言っているのでしょう。

    ということは、セールスパーソンは辛抱強く会社、商品、サービスのよさをお客様に
    伝え続けなければなりません。

    そして、よさをわかってもらう必要があります。

    お客様の言う「高いね」の意味は、

     @その商品は値段ほどの価値がない 
     A他社と比べて高い 
     Bその値段では払いきれない

    というものです。

    つまり、そのときの感覚で言っているにすぎないのです。

    絶対的に高いという意味ではないのです。

    この商品と全く同じ品質のものを、同じ条件で日本中の他の業者から見積もりを
    出させて比較して、「君のところが一番高い」と言うのであれば、これは本当に高
    いことになるかもしれません。

    しかし、日本中の業者から見積もりを取ることなどしていないでしょうし、ただ
    フィーリングで高いとコメントをしているのです。

    つまり、高いとは、お客様の主観的な判断にすぎません。

    しかし、お客様から、「高い、まけろ」と言われると、セールスパーソンは絶対的
    に高いものだと思い込んでしまいます。

    値段を下げれば誰でも簡単に売れますが、これではいけません。

    適正価格で売るのがセールスパーソンの使命であり、価格を下げずに売り込む
    のが、プロの力の見せどころです。

    そこで、セールスパーソンであるあなたは、こうしたお客様との価格交渉を効率
    的に進めるために、断り文句に対する答えを事前に考え、準備しておく必要が
    あります。

  □お客様の真のニーズ
   価格はお客様のニーズが決める。

   ですから、セールスパーソンは根気よく、商品やサービスがお客様のニーズを満たす
   ということを説明し、納得してもらわなければなりません。

   成功するまで(お客様が納得し、購入に至るまで)、違うやり方で(訪問したり、
   メールを出したり、時にはパンフレットや業界情報を持参するなどして)、やり続け
   る(決してあきらめないで、何度でも行う)ことです。

   そこで、お客様の真のニーズは何か、ということになります。

   一般的に、価格、性能、品質、経済性、簡便さ、耐久性、納期、デザイン、色、サイズ
   などがニーズとされています。

   別の言葉でいえば、お客様の“主要関心事”ということになりますが、果たして本当の
   ニーズでしょうか。

   ニーズには2種類あります。

   1つはこの主要関心事であり、表面に現れている理性的な分野についての(顕在)
   ニーズです。

   もう1つは、感情的な部分のニーズです。

   人間は感情の動物と言われています。

   感情的な満足感を求めているのです。

   自己の幸せ、達成感、相手からの評価、名声、出世、仕事上の成功などのニーズ
   です。

   つまり、お客様の求めている感情的(潜在的)ニーズである購買動機は、このよう
    な精神的な満足のことです。

   では、どうすればお客様のニーズを知ることができるのでしょうか?

   それは聞くことです。

   答えはお客様が持っているわけですから、聞けばよいのです。

   優秀なセールスパーソンは聞き上手、質問上手なのです。

   あなたはセールスパーソンとして、徹底的に聞き役になり、お客様の2つのニーズを
   確かめ、あなたの商品やサービスを買うことによって、これらのニーズが満たされ、
   満足が得られることを強調するのです。

  □価格交渉を進めるためのステップ

   1.プラン(Plan)
     交渉の前に計画を立てる。

     よく「段取り八分(事前準備)」と言われるように、事前に周到な計画を立てて
     交渉にあたるべきです。

     「経験からいって、まあ何とかなるだろう」「あとは現場対応で何とかします」で
     はいけない。

     お客様との交渉を甘く見てはいけません。

     交渉の場は真剣勝負です。

     相手も自らの生活をかけて交渉にあたるのですから、こちらとしてもいい加減
     な対応はできません。

     しっかりとした交渉プランを立て、十分な準備をして交渉にあたってください。

     例えば、お客様の断り文句に対する応酬話法を事前に用意し、ロープレなど
     で普段から練習しておくことです。

     そうすることによって自信を持って事にあたることができます。

     仮に想定していなかった断り文句が返ってきたとしても、応用力を利かせて何
     とか乗り切ることができます。

     セールスパーソンとして、お客様と価格交渉を始める第一歩は「計画を立て
     る」「事前準備をする」ということです。

     このことは、しっかりと頭の中に入れておいてください。

   2.エンカウンター(Encounter)
     よい人間関係がなければ交渉はうまくいきません。

     当事者同士が出会い、交渉の雰囲気作りを行い、よりよい人間関係を作り上
     げるということです。

     私たちは知らない人とどんなによい条件でも取り引きしたくないのです。

     つまり、価格交渉に先立つよい人間関係作り、雰囲気作り、これがとても重要
     なのです。

   3.アグリーメント(Agreement):折衝して合意する
     ここからが交渉スタートです。

     話し合い、軌道修正、譲歩、妥協といった具体的な交渉のテクニックを駆使す
     るわけです。

     事前に練習してきた応酬話法を使って、お客様の断り文句を受け、話し合いを 
     進めるのです。

   4.リレーションシップ(Relationship)
     セールスパーソンの仕事は、事前に計画を立て、お客とのよい関係を構築し、
     そして交渉に臨んで価格を決定する、それだけではありません。

     交渉後の実行、契約の履行、相互のよい関係の持続も大変重要な仕事です。

     「その後、エアコンの調子はいかがですか?」「今度新しい洗濯機が発売にな
     りました。買い換えはいかがですか?」

     こうしてお客様のアフターフォローを行い、次の交渉に備えます。

     価格交渉は、4つのステップを永続的に繰り返していくことを言います。

  □値上げ交渉を上手に進める
   最後に、長く営業活動をしていると、モノを売り込む、という活動だけでなく、納入価格
   を上げていただくという、いわゆる「値上げ交渉」も必要なときがあります。

   セールスパーソンにとって、お客様に値上げをお願いする仕事ほど骨の折れることは
   ありません。

   できれば避けたいと思う、とても厳しい交渉です。

   そこで、スムーズな値上げを実現するためには、相手に納得してもらえるだけの 
   「大義名分」が必要となります。

   例えば、原油高、通貨高による原料高、全般的な人件費の高騰、海外でのストライキ
   など、こうした理由なら、取引先も理解を示してくれる可能性が高いのです。

   「前年から続いている円安によって、わが社の生産コストは10%も上昇してしま
   いました。生産性の向上や、経費の削減、賃金のカットなど、考えられるあらゆる
   手段を講じて対処してきましたが、コスト上昇分をすべて補うことはできていない
   のが現状です。
   かといって、商品の品質を落とすことはできません。それこそお客様にご迷惑をお
   かけすることになります」と言って、円安に対するこれまでの取り組みを説明しま
   す。そして、値上げのお願いをするのです。「そこで、ご相談です。わが社もこれま
   で以上の経営努力を行っていく覚悟ですが、それだけではこの難局を乗り切るこ
   とができません。ぜひ、御社には5%の値上げにご協力いただけませんでしょう
   か」。取引の打ち切りを恐れてビクビクするより、「事業を安定して続けるために
   は、値上げは必要」と自信を持って切り出すことが得策です。

   大義名分があれば、必ず成功するわけではありません。

   相手にとっても、値上げに応じることは自社の大事な利益を減らすことにつながるから
   です。

   値上げ交渉を有利に進めるためには、事前準備を重ねることです。

   その準備の1つとして、綿密な想定問答を用意し、交渉の模様を実際にシミュレー
   ションすることです。

   そうすることで、交換条件を持ちかけるチャンスがやってきます。

   交換条件というのは、保証期間の延長や分割払いに応じるなど、金銭以外のサー
   ビスを提供することです。

   買い手は、値上げ要求だけでは受け入れにくいものですが、有利な交換条件が提示
   されれば、値上げを了承する大義名分になります。

   上司や社長に説明しやすくなるからです。

   「先方が値上げをしたいと言ってきたので、受けました」では、相手の言いなりに
   なった印象しか与えませんが、一方、「値上げはやむをえないと思います。

   ただし、交渉を重ね、保証期間を1年間延長させました」と言えるような交換条件を
   出せば、交渉が円滑に進みやすいでしょう。

   このように、相手から納得を得られるのがポイントですが、交換条件として提供できる
   新たなメリットとしては、以下を使ってアプローチるとよいでしょう。

    ・Quality(品質)
     基本は、値上げと同時に品質向上を打ち出すことです。
     製品のモデルチェンジを実施し、性能をアップしたり、新規機能を追加したりし 
     ます。
     サービス提供の場合は、新たなメニューを加えてもよいでしょう。

    ・Service(サービス)
     モデルチェンジが難しい場合はサポート・サービスの向上を考えます。
     製品を売るだけでなく、使い方を丁寧に教える窓口を用意するのもよいでしょ
     う。

    ・Condition(条件)
     それも難しい場合は、条件面で相手に譲歩することを考えます。
     代金の分割払いを認めたり、通常より短期間で納めたりすることがこれにあた
     ります。

    ・Sales Person(営業担当者)
     最後は、担当者同士の知恵比べになります。普段はセールスに同行しない開
     発担当者に新機能のメリットを詳しく説明してもらうなど、それまでと違う深み
     のある情報をプラスして相手の納得感を引き出すのも効果的です。

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しゃべらない営業

          

しゃべらない営業


  しゃべらないで売る“技術”

  営業は、明るくてしゃべりがうまくて根性があって押しの強い人が向いている。

  どこでどう教わって来たのかはわかりませんが、とかく営業というと一般的にそんなイメ
  ージが持たれてきました。

  ■時代は変わったが営業スタイルは変わらない
   高度経済成長期やバブル期など、これまで日本はいくつかの好景気を経験してきま
   した。

   ところが、近年では長い不況が続いていて、回復の兆しすら見えない状態です。

   そんなときに、かつての好況時にやっていた営業スタイルをそのまま使っても、成果に
   結びつかないというのは、薄々気づいているはずです。

   その理由には、以下のようなものがあります。

    @欲しいものが減っている
     カラーテレビの次はエアコンで、その次は電子レンジ……。

     かつては、新しい家電をひとつひとつ買い足していくというのが、多くの家庭の
     夢でした。欲しいモノがたくさんあった時代です。
     ところが、今ではもうほとんどそろっているのが現状です。
     あとは故障したときの買い替え需要だけ。
     ニーズがないところに売るというのが、現在の営業の主流です。

    Aインターネットの普及
     かつては商品説明をいかに上手にできるかというのが、売れるポイントでした
     が、今ではインターネットがそれを代行してくれます。
     ほかにも、事例紹介やお客様の声など、かつては営業担当者が持参していた
     ものをネットがやってくれています。
     一瞬にして営業の役割が大きく変わったのです。

    B営業手法の飽和状態
     かつては有効だった営業テクニックも時間が経つに連れて陳腐化します。
     どんどん新しい手法が開発されるにつれて、お客様も鍛えられてきます。
     結果としてお客様は、営業が来たとわかると瞬時に警戒してガードを上げるよ
     うになり、だまされたくない心理が強くなってきたのです。

   このように営業をとりまく環境が変わり、お客様のニーズや心理も変わってきている
   なかで、相変わらず昔ながらの営業スタイルを続けていては、売れないのは明白
   です。

   それは、現場の営業担当者が一番感じていることでしょう。

   しかし、それでもかたくなに、かつて自分がやっていた営業を部下に強制している上司
   のなんと多いことか。

   上司から言われたセールス手法がお客様には通じない。

   そんな板ばさみで悩んでいる営業担当者はかわいそうです。

  □初対面の人に笑顔で接していないか
   ところで、あなたが街を歩いていて、見ず知らずの人が親しげに近づいてきたらどう
   しますか? 

   警戒するか、無視して通り過ぎるでしょう。

   その理由は、だまされて何か売りつけられるのではないかと思うからです。

   このように普段の生活では、にこやかに近づいてくる営業を避けるのに、自分が営業
   する場面では同じように笑顔で接していないだろうか。

   もちろん、既存の相手に対してはいいのです。

   初対面の相手にも笑顔で行くから断られるのです。

   多くの人が勘違いをしているのですが、新規のアポ取りや飛び込み営業というのは、
   お客様になるような相手を探している状態です。

   つまり、営業ではなくリサーチの段階なのです。

   そこで営業っぽく接してしまうと、相手は当然ながら警戒して、逆に正確なリサーチが
   できなくなります。

   話をする前からシャットアウトされてしまうと、もうそれ以上何もできません。

   ですから初対面の相手に対しては、営業色を一切消さなければならないのです。

   営業が苦手な担当者に多くみられる行動が、まわりと同じように明るく元気なふうを
   装ってお客様のところへ行くことです。

   それが営業だと思っていたからです。

   そして、当然のように門前払いをされ続けているのです。

   そこで開き直って、内気で大人しい素の性格のまま行動してみてください。

   苦手な笑顔も封印しましましょう。

   するとお客様はそれまでの対応とうって変わって、ごく普通に接してくれるようになる
   でしょう。

   相手が受け入れてくれて、なおかつあなたもラクなスタイルにるので、一石二鳥です。

   営業スマイルという言葉があります。

   かつては「親しみやすさ」を伝えるためのものでした。

   しかし、現在では「うさんくさい」と思われて警戒されるのがオチです。

   それではいくら上手に商品説明ができたとしても、聞いてもくれません。

   とくに近年は、巧妙な詐欺なども横行しており、ちょっとでも怪しいと思う相手にはすぐ
   に心のシャッターを閉めてしまう傾向にあります。

   どんなに自分では正直だと思っていても、相手にはそれが通じません。

   だとしたら、最初から怪しまれるような接し方をしないほうがいいのです。

   営業だからいつでもどこでも笑顔でいなければいけないという時代は、もう終わった
   のです。

  相手にしゃべらせる
   営業側がしゃべらないということは、裏を返せば相手側がしゃべっているということ
   です。

   お客様は自身がしゃべるほどに警戒心を解き、心を開いてくれます。

   つまり営業がしゃべらないということは、相手の心のシャッターを開くための行為でも
   あるのです。

   営業は最初から仕事の話をせずに、まずは世間話から始めなさい、とよく言われます。

   いわゆる雑談をして場を和ませようという意味です。

   ここで勘違いしている人が多いのが、面白い話をすればいいと思っている傾向があり
   ます。

   営業担当者が一生懸命にネタを披露して、お客様を笑わせるのが雑談だと思って
   いないだろうか? 

   それでは効果はありません。

   営業の場面での有効な雑談とは、相手にしゃべらせることなのです。

   営業担当者はできるだけ聞き役にまわって、相手が主になって会話をするのが理想
   です。

   可笑しいときには声を出して一緒に笑い、まじめな話のときには神妙な顔で黙って
   うなずく。

   そこには営業スマイルや相手を持ち上げる感じなどありません。

   だからこそ、相手も本気で話してくれるのです。

   そうして相手の気持ちを和らげてから、徐々に仕事に関する質問、つまりヒアリングを
   していくと、本音で答えてくれやすくなるのです。

   この相手が本音で答えてくれるということが、次の商品説明に不可欠な要素になり
   ます。

  □お客さまは「商品説明」を求めていない
   さて、どうして営業はついつい「しやべり」を重視しがちなのかというと、それは商品
   説明にあります。

   かつては営業の仕事のメインと言えば、商品を説明することにありました。

   お客様の知らない情報を伝えるので、相手もきちんと聞いてくれたものです。

   ところが、インターネットの出現によって、お客様は知りたいことを何でも手軽に調べる
   ことができる世の中になりました。

   当然ながら、いままで営業担当者が説明してきたことも、すべてネット上に公開されて
   います。

   つまりお客様がすでに知っている可能性があるのです。

   知っているかどうかもわからない相手に対して、丸暗記してきた商品説明をしゃべると
   どうなるでしょう? 

   もし相手がすでに知っていたとしたら、それはとても失礼なことになります。

   そして説明を続けるにしたがって、相手はどんどん不機嫌になっていきます。

   それはそうですよね。

   自分が知っていることをわざわざ説明されたら、誰でも気分が良くありません。

   最悪は怒り出してしまいます。

   これからの商品説明は、もう憶えた知識をそのまましゃべるという従来の手法では
   通用しません。

   言い換えるなら、お客様は決して商品説明を求めてはいないのです。

   なぜならちょっと調べればわかることなのですから。

   では営業はなにをすればいいのでしょうか。

   それは、「目の前のお客様専用の説明」です。

   相手の知識と興味の度合いを知ったうえで、お客様にピッタリの説明をすることなの
   です。

   商品について詳しい人には、そもそも説明する必要もありませんし、全く知らない人
   には一から説明したほうがいいでしょう。

   このように相手に合わせて説明を変えることが重要なのです。

   ホームページに載っている情報は、不特定多数の人に対して説明するものです。

   興味がある人はそれをすでに見ている可能性があります。

   それに対して営業担当者は、目の前の相手に特化した説明をすればいいのです。

   相手に特化すればするほど、お客様はどんどん引き込まれていきます。

   自分のことをよくわかってくれる営業担当者に対して、信頼を寄せ始めます。

   そうなれば、ライバル他社よりも大きくリードすることができるのです。

   もちろんそのためには、事前のヒアリングが必須であることもわかります。

   いずれにしても、商品説明を上手にしゃべることだけを念頭に置いたトレーニングは
   無意味だといえるでしょう。

   営業はできるだけ「しゃべらない」ほうが良い結果がでるのです。

  □営業担当者の声よりも相手に響くものとは?
   私はセミナーなどで最後に伝えていることがあります。

   それは、「営業の言葉は軽い」ということです。

   都合の良いことばかり言う営業のセリフは、ほとんど信じてもらえていないと思って
   おくべきなのです。

   相手が聞いているからわかってもらえたと思ったら大間違い。

   お客様は一応聞いているように見せかけて、じつは他のことを考えていたりするの
   です。

   これは営業の言葉は鵜のみにしないという、現代人の防衛本能のようなもので
   しょう。

   営業担当者はその現実を、まずは受け入れなければなりません。

   ではどうすればいいのか?

   いままで口で伝えていたことを、別のもので伝えればいいのです。

   例えば、「この商品は耐久性に優れています」と伝えたいときは、「こちらをご覧くだ
   さい」とだけ言って、そっとデータを差し出だす。

   「これは女性に人気の商品です」と口で言う代わりに、アンケート結果を見せる。

   このように、言いたいことをグッとこらえて別のもので伝えるように心がけてみてく
   ださい。

   相手の反応が明らかに違ってくるのがわかるはずです。

   他にも、新聞記事や公共の資料など、自社で作成したものではないものも有効です。

   そのなかでもっとも効果的なのは、ずばり現物です。

   商品そのものを見せることができるのなら、それに越したことはありません。

   どんなに「手触りがいいですよ」と力説するよりも、黙って現物を触ってもらったほうが
   わかりやすいのです。

   もちろん、これは私のようなロベタな営業担当者にとっても有効でした。

   何しろしゃべらないで済むのですから。

   しゃべって伝えることが苦手な人は、同じことを何かに置き換えて考えるクセをつけ
   ましょう。

   営業という仕事は、「売れる」というゴールに向かう道筋が何通りもある職業です。

    なにもまわりの人と同じことをしなければいけないルールはありません。

   自分に一番合ったスタイルでゴールにたどり着くのがベストなのです。

   営業担当者は自分の言葉の軽さを自覚するのと同時に、何か別の伝え方がないかを
   常に考えて実行しましょう。

   自分の言葉で伝えるときは、すでに相手に信頼を与えてからです。

  □営業は、しゃべらないほうが「売れる」
   こうして考えてみると、現在の営業スタイルというのは、かつての営業像とは反対に、
   落ち着いていて誠実で頁面目なタイプが求められているというのがわかるでしょう。

   景気の良い時代には、営業の手法も進化してきましたが、不況の時代には、逆にお客
   様の対応法がより進化しているのです。

   うるさい営業をどうやって断るか? 

   “居留守”も、営業から逃れる手法として当たり前のように使われてきました。

    営業がだまそうとしているのなら、客側もウソで応戦しなければならない。

   そんなゆがんだ関係がずっと続いてきたのです。

   しかし、もうそろそろ正常なビジネスに戻したいと思いませんか?

   人を疑ったり、腹の中を探り合ったりするようなやり取りは、健全とはいえません。

   それはお客様も望んでいることなのです。

   「しゃべらない」ということ自体は、テクニックでもなんでもありません。

   相手の話をじっくりと聞き、それに基づいて適確な提案をし、資料やデータで納得して
   もらう。

   そのためには営業の不要なしゃべりをやめたほうがいい。

   営業担当者とお客様という関係ではなく、人と人とのコミュニケーションを重視した結果
   が「しゃべらない」なのです。

   そして本当に信頼できる人からのアドバイスを求めています。

   お客様にとっての信頼できる人物になる方法こそが、「しゃべらない営業の技術」なの
   です。

    これからの時代に合った営業スタイルを確立するためにも、ぜひ自社の営業体制の
   見直しをしてみてください。

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