組織を活性化させるリーダーシップとリーダーの条件

         

リーダーシップとリーダーの条件と役割


  組織とは一人ではできない仕事を多くの人達が協力してやろうという考えの下に生まれた
  ものです。

  さらに組織は一人ひとりの力を協働させ、一人プラス一人を二人として考えるのではなく、
  これを3にも4にもするシナジー効果を発揮するのが、組織のあるべき姿なのです。

  そして、シナジー効果を正しく理解して組織力を発揮させるのがリーダーの力です。

  ■経営者にとってのリーダーとは
   経営者にとって、リーダーの条件・役割とは、自分の経営理念を理解し、その実現の
   ために高い能力をもって支援してくれる存在です。

   企業の規模や方針などによっては、経営者がすべてを掌握し、とくにリーダー(管理者)
   を置かない場合もありますが、企業の規模が拡大したり組織化が進んだりした際に、片
   腕となって組織運営を行い、企業の発展を共に目指してくれるリーダーの存在は大変心
   強く、大きな強みです。

   リーダーといっても、いくつかの段階に分かれますが、最終的には経営者の理念や考え、
   問題意識を共有し、その意向に沿った方向に組織を導くことができ、また経営者不在時
   には、経営者の代わりとして業務を遂行できるような人材であるべきです。

   リーダーとはその言葉だけからは、「成果を生み出すために部下たちを管理する」、
   つまりマネージャーとしての役割が強調されがちですが、当然ながら彼らはリーダーシ
   ップを発揮し、部下たちを強力に牽引するリーダーでもあります。

   このことを改めてリーダーたちに認識させる必要があります。

   リーダーは本来、経営者の分身として、与えられた組織の力を最大限に引き出し、業
   績をあげるためにリーダーシップを発揮させるべき存在です。

   部下たちを育てることが上手なリーダーは、まず
   部下が自分の力で成長するための仕組みを整
   えます。

   ここでいう仕組みとは、部下が自分の正しい
   努力の方向性を見極め、実際にそれを日々
   実践していくためのすべての仕組みを指しま
   す。

   部下のめざすべき姿を明らかにし、部下の成
   長の進捗を確認するための定期的な面談
   (シート)を設けるなども有効な仕組みといえ
   ます。 


  
  ■管理(営業マンの行動管理 労務管理 営業管理

   自社(店)は事業を通じて社会に対してどの
   ような価値を提供してゆくのか、といった経営者の事業に対する思いを従業員 
   が理解していなければ、お客様にも伝わりません。

   したがって、経営者は従業員に対して常に経営理念を語り続け、その理念に基づいて自ら
   が行動することが重要です。

    ・経営理念を従業員に語り続け、自らも行動し、従業員に分かってもらう
     → 経営理念の発信・共有

    ・経営理念を理解した従業員がお客様にそれを伝える
      → 経営理念の伝達

    ・お客様はサービスを通してその経営理念に共感する
      → お客様満足(CS)

   一方で、制度や仕組みの中で経営理念を共有していくことも有効な手段です。

   例えば、理念に整合する行動指針にしたがって業務を遂行したか、という項目を評価の
   一つにする方法です。

   中小企業の評価制度にも見られるやり方です。

   また、単純に評価項目にするだけでは十分ではありません。

   理念を浸透させるには、評価結果の処遇(賃金や昇格)への反映、面接によるフィー
   ドバックなどをきちんと行うなど、制度を適確に運用することが大事です。

   「誰」ではなく、効果を上げるための『手段』と、手段による『効果』を管理の対象と
   する考え方を目標管理の基本とします。

   「誰」を管理の対象にしてしまうと、個人の属人的な手段に管理がとどまり、組織全体の
   手段 ⇒ ノウハウとして共有できない恐れもあるからです。

   その『手段』で業務を遂行すれば誰でも『効果』を上げられる仕組みをつくり上げること
   は、特定の個人が属人的に短期的な売上を上げることよりも、組織にはるかに大きく貢
   献していると言えます。

   また、上司によるトップダウン型の管理ではなく、日々の定常的業務の中で『手段』の
   遂行を担う本人が自発的に修正・改善・遂行を繰り返す自己管理型の環境をつくること
   が大切です。

   したがって、上司であるリーダーとしての最大の役割は、
    (1)このような環境を創る

    (2)チェックやアドバイスで部下が採用している『手段』を改善する

    (3)その『手段』を組織としてのノウハウとして蓄積・共有・浸透してゆく

   以上のように、計画の進捗に関する事実(行動を実践した事実、効果が得られた事実)を
   チェックするという体制が必要です。

   ヒトを管理しようとすると、アラ探しや責任追及に目が向いてしまい、事業の推進力が削
   がれてしまうことが多いので、それぞれの役割を担うメンバーが自己管理のもとで業務を
   推進することです。

   営業会社の競争力は、営業担当者のレベルに依存するところが非常に大きいと言えます。

   営業担当者のノウハウを個人的なものとしてとどめておく限り、競争力は向上しません。


  ■組織全体のレベルアップを図る営業管理の仕組み

    (1)PLAN
     営業担当者の行動予定表(営業日報)を作成し、組織として共有します。

     長期計画ほど具体的な訪問予定は入れられませんが、重要なお客様○○社への拡
     販といった戦略的な項目や更改予定等予め長期的なスパンで分かるものが中心
     となります。

     短期であるほど具体的になります。(重点訪問先を入れる等)

    (2)DO
     営業日報が日常の情報収集のツールとなります。

     報告は口頭ベースで記録を残さない会社
     が大半ですが、組織的に営業力を高め
     ようとすれば、情報共有化には営業日報
     が重要となります。

     ここで得る情報は営業進捗情報等の「セ
     ールス情報」と営業戦略のベースともなる
     「マーケティング情報」の2通りがあります。

    (3)CHECK
     「マーケティング情報」は、お客様管理表
     (見込み客・顧客データベース)に蓄積し、
     メンバー全員が共有して営業戦略を検討
     するベースとします。

    (4)ACTION
     上の情報をベースに次の新たな打ち手を講じたり、現在のやり方の軌道修正を行
     い、次期計画に反映します。

   競争の時代に勝ち残り、お客様から選ばれるためには、お客様のニーズに的確にかつ
   迅速に対応し、専門性・個別性の高い企画提案が実施できる、安定した組織体制づく
   りが必要となります。

   また、業務が効率・効果的に推進する意味でも、営業・内務の業務が適切に分担され、
   個々の時間を最大限に活用できるような体制の確保が望まれます。

   なお、個々の時間を最大限に活用できるような組織体制も大切ですが、個々の時間をう
   まく捻出するための「時間管理」も重要です。

 
  ■リーダーの時間管理 

   時間を捻出するということは、なにかをやらずにすませて、より価値の高い仕事のために
   時間を生み出すことです。

   そのためには、
    ア.仕事の優先順位をつける
    イ.計画を立てる
    ウ.計画どおり仕事をこなす
    エ.業務遂行にあたり工夫する
    オ.時間管理のチェックを怠らない

   といった、基本動作を習慣づけることが大事です。

   この基本動作をしっかり守りつつ、自分なりの方法で時間管理を行うことが望ましいと
   言えます。

   リーダーは部下育成のためにも時間管理術を身につけてください。


  ■リーダー(管理職)が果たすべき役割

   ・会社および自部門が抱えている問題を正しく理解する

   トップの立案した経営戦略にしたがって、部門の成長戦略を立案し、その実行計画を
    立てる

   部門目標の達成に向けて部下を動機づけ、リーダーシップを発揮し、自ら先頭に立っ
    て業務を遂行する

   部下たちが積極性をもって働くための雰囲気作り

   部下の能力を伸ばすための環境整備と提供

   人材の育っていない組織では、リーダーはプレイングマネージャーとして組織の稼ぎ頭
   となり、かつ、部下の育成やモチベーションの技術も持ち合わせていることが求められ
   ます。
   
  ■リーダーに必要な条件 

   ほとんどの社長は、自分自身のめざすべき姿、会社のめざすべき姿といったビジョン
   をもっています。

   それがあるからこそ仕事に前向きに取り組めるし、困難に直面しても簡単にくじけてしま
   うことがないのです。

   しかし、残念ながら多くのリーダー(管理職)は自分自身のビジョンをもっていません。

   自分の部門に課せられた目標は意識していま
   すが、それが自分のビジョン実現とどのように
   つながっているかということはまず考えていな
   いのです。

   会社のなかで当事者意識がもっとも高いの
   は、いうまでもなく社長です。

   とくにオーナー社長の場合は、会社が倒産す
   れば自分自身が何もかも失います。

   まさに正真正銘の当事者です。

   ギリギリの状況に追い込まれても決して諦め
   ずに、何とかそれを乗り切ったという経験を
   もつ社長は多いと思います。

   しかし残念ながら、この社長並みの当事者意識の高さを他の社員に求めることは、現実的
   には非常に難しいことです。

   彼らはたとえ目標が達成できずに大きな損失が出たとしても、自分自身が致命的なダメー
   ジを受けることはまずないことをわかっているからです。

   これはリーダー(管理職)クラスの社員でも同じことです。

   しかし、だからといってそれを放置すべきではありません。

   社員の当事者意識、とりわけリーダーの当事者意識をどれだけ高められるかということ
   は、会社経営にとっての生命線ともいえるくらいに重要な課題だからです。

   これらのことから、リーダとしての条件を満たすためにも、リーダー(管理者)の育成
   社長自らが指導する体制作りが重要となります。 


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リーダー(管理職)の条件

          

リーダー(管理職)の条件


  インターネットやSNSの発達により、誰でも多くの情報を得ることができるだけでなく、
  世界に向かって情報を発信することも可能になりました。

  また、そのような大量の情報の中で多種多様な価値観、働き方が見られるようになっ
  ています。

  このような時代において、組織のトップはもちろんですが、そのトップを支える
  リーダーである管理職(ミドルマネジメント:部長・課長)の存在が非常に重要に
  なってきています。

  これからの時代の管理職はどのような人物を選ぶべきか考えてみたいと思います。

  ■管理職(ミドルマネジメント)の重要性

   ミドルマネジメントは会社運営における指揮命令系統の中核的存在です。

   トップがいかに明確な指示を与えても、また、現場からいかに優れた提言が出てきて
   も、ミドルマネジメントが機能しなければ、情報の適切なブレイクダウン、ボトムアップ
   は実現しません。

   トップと現場の両方の視点をもちながら、一体感のある会社運営を推進していくのは、
   ほかならぬミドルマネジメント層なのです。

   また、ミドルマネジメントは、下位にあるロワーマネジメント(係長、主任)を機能
   させる責任も負っています。

   ロワーマネジメントの機能を発揮させることがミドルマネジメントの責任であると同様
   に、ミドルマネジメントの機能を発揮させるのはトップマネジメント(社長)の責任
   です。

   自社のミドルマネジメントが弱いと感じる場合には、ミドルマネジメント強化のために、
   これまで社長自身がどのような取り組みを行ってきたかを改めて確認する必要がある
   でしょう。

<マネジメントの3階層>   

  トップマネジメント ミドルマネジメント ロワーマネジメント
役職 社長 部長、課長 係長、主任
役割

戦略の策定・選択
・明示

 

戦術の策定・遂行、
戦略の提言

実践計画の策定・遂行、
戦術の提言


  □ミドルマネジメントの強化
   ミドルマネジメントを強化することによって、会社運営はどう変わるのか。

   1.社長の意思決定補佐
     具体的には次のような点について改善が期待できる。
      ・重要な意思決定を行う際に必要な情報をミドルマネジメント層から逐一入手
       できる
      ・全社の戦略について社長が思いつかない斬新な提案が期待できる
      ・現場で起こっている問題のなかで、社長が関与すべき重要な問題に関する
       情報をスピーディーに入手できる

   2.組織運営の改善
      ・社長方針の適切なブレイクダウンによって、全社一丸となった効果的な施
       策展開が可能となる。
      ・社長の考え方をミドルマネジメント層が共有することで、会社全体へのより
       正確・迅速な方針浸透が可能となる。
      ・ミドルマネジメント層の情報共有や意思統一によって、より強固でスムーズ  
       な部門間連携が実現する。
      ・ミドルマネジメント層がこれまでよりも一段高い視座をもつことで、会社経営  
       への当事者意識が高まる。
       会社変革の提言者・実践者としての役割遂行が期待できる。
      ・ミドルマネジメント層がさまざまなマネジメント手法を学ぶことで、担当してい
       る部門の運営が高度化する。

   3.人材育成のスピードアップ
      ・ロワーマネジメント層全体の効果的・効率的な育成が可能となる。
      ・ロワーマネジメント層のなかから、次代のミドルマネージャーを次々と輩出
       できる。
      ・マネジメントの学習と実践によって、ミドルマネージャー自身のさらなる成長
       が期待できる。
       動機づけを高めることで退職防止効果も期待できる。

  □ミドルマネジメント強化には
   ミドルマネジメント強化は、会社経営において極めて重要な課題です。

   また、社長にしか解決できない課題でもあります。

   次のような点について社長自らが率先して取り組むことが必要です。

    1.あるべきミドルマネージャー像を明確にする
      まずは、自社に必要なミドルマネージャー像を明確にします。

      「自社にとって」のミドルマネージャーのイメージを固める必要があります。

      具体的には次の3つの視点で考えるとわかりやすいでしょう。 

      (1)義務
        ミドルマネージャーが果たすべき義務を明確にします。
        たとえば、任せられた部門の業績目標達成はミドルマネージャーが果た
        すべき義務(職務)になります。

        また、部下の育成計画遂行も同様です。
        ミドルマネージャーの職に就いている以上、これだけはやってほしいとい
        う社長の考えを示します。

      (2)責任
       
 与えられた義務を果たせなかった場合に、その結果に対して責任を負う
        ことについても明確にします。
        たとえば、ミドルマネージャーが適切な指示を出していたとしても、結果と
        して部門目標が未達に終わった場合はミドルマネージャー自身が責任を
        負うことになります。

      (3)権限
        与えられた義務について責任をもって全うしてもらうためには、ミドルマ
        ネージャーに相応の権限も与えなければなりません。
        部下を自由に使う権限はその代表であり、一定の予算を与える必要もあ
        ります。

        このようにミドルマネージャーに対して、トップは何を期待し、どのような責
        任を求め、その全うのためにどのような権限を与えるのかを明示すること
        が必要です。
        なお、「義務」、「責任」、「権限」の3つの要素はつねにバランスが取れて
        いなければなりません。

    2.PDCA管理能力を高める
      PDCA(「計画:Plan」、「実施:Do」、「評価:Check」、「改善:Action」)
      とは、計画を立案して必要な施策を実施したうえで、定期的に進捗状況を
      評価し、問題点を改善していくという経営に不可欠な管理サイクルです。

      ミドルマネージャーは自分の担当する部門について、主体的にこのサイクル
      を回していなければなりません。

      また、このサイクルを回す能力(精度と対象範囲)を向上させることが、ミドル
      マネージャーとしての成長に直結します。

      通常、社長の経営管理上の関心は部門ごとの最終的な業績数字のみに向
      かいがちです。

      しかし、ミドルマネジメント強化の点からは、彼らがきちんとPDCAサイクルを
      回せているかどうかも確認し、指導する必要があります。

      ミドルマネージャーには業績数字だけではなく、PDCAのそれぞれのステップ
      について、何をどのように行っているのかを報告させるようにしましょう。

      また、ミドルマネージャーには自部門だけではなく、会社全体のPDCAサイク
      ルにも参加することが求められます。

      社長が直接にかかわるべき経営戦略上の重要事項を除いて、日常的な会   
      社運営のPDCAについては、できるだけミドルマネジメント層に任せていくよ
      うにします。

    3.ミドルマネージャー同士の連携を強化する
      ミドルマネージャー同士の連携を強化し、ミドルマネージャーの集団としてさ
      まざまな問題解決にあたらせることも大切です。

      自部門でなかなか対応できなかった問題について、他部門の力を借りたり、
      他部門と協力することで容易に解決の道が開けることもあります。

      また、全社的な問題についても、ミドルマネージャー同士が連携することで、
      より効果的な解決手法を見いだすこともできるでしょう。

      しかしながら、ミドルマネージャーは自部門の運営に精一杯で、他部門との
      連携にまでなかなか気が回らないものです。

      定期的な部門長会議の開催や、会社全体の問題を考える合宿を行うなど、 
      ミドルマネージャーの有機的な連携を促進する機会を増やすことが大切です。

    4.指揮命令系統を整備し遵守させる(マネジメントの3階層)
      会社の指示・命令は「トップマネジメント」⇒「ミドルマネジメント」⇒「ロワー
      マネジメント」⇒「全社員」の順に行われることが原則です。

      このような指揮命令系統のフレームについては、トップ自らが整備し、全社員
      に遵守させなければなりません。

      しかしながら、中小企業の場合は社員数も限られており、距離感も近いこと
      からトップからロワーマネジメント層や一般社員に直接指示が出されることが
      あります。

      逆にロワーマネジメント層や一般社員からトップに直接、相談が行くこともあ
      るでしょう。

      このような「中抜き」の指示・命令は、緊急事態やミドルマネージャー自身に
      問題がある場合など、例外的に必要なこともあります。

      しかし、それが常態化してしまうとミドルマネジメントに大きな支障が生じます。

      ミドルマネージャーにとっては自分の関与していないところでのやりとりにつ
      いては、マネジメントのしようがありません。

      また、一般社員は自分が承認を得たい事項について、組織的な手続きを経
      ずに社長に直接お願いしたほうが早いと考えてしまう可能性があります。

      これではミドルマネジメントの存在自体が否定されているようなものです。

      トップが指示を出す場合は、ミドルマネージャーを通すことが原則です。

      また、一般社員からトップに直接の承認依頼などがあった場合にも、なぜ本
      来のルール通りに行わないのかを確認することが必要です。

    5.十分な動機づけを行う
      ミドルマネジメントは、本来であれば楽しくて仕方のない仕事のはずです。

      多くの部下と予算を与えられ、それらを自分の裁量で動かして大きな仕事が
      できるのは社会人としての醍醐味です。

      しかしながら、実際には多くのミドルマネージャーが、トップとロワーの間で
      「上からは締め付けられ、下からは突き上げられる」と悩んでいます。

      せっかくこれまでの頑張りが認められて、ミドルマネージャーとしてのポジショ
      ンを得ているのに、その役割を果たせる喜びよりもストレスを強く感じてしまう
      のです。

      トップはミドルマネージャーに、彼らの仕事のやりがいについて繰り返し伝
      え、動機づけを行う必要があります。

      ミドルマネジメントの「やりがい」としては、次のようなことが考えられます。
       ・経営全体へ影響力を発揮できる
       ・自部門をあるべき方向に導き、成長させる
       ・部門全体で目標を達成する
       ・部門全体で顧客や地域に貢献できる
       ・部下を成長させる
       ・自分自身が管理者として成長できる

      ミドルマネージャーがいきいきと働くことは、彼ら自身のためだけではなく、そ
      の下のロワーマネージャー、一般社員にとっても「自分も早くポジションアップ
      したい」という動機づけにつながります。

      逆にミドルマネージャーが苦しんでいる姿しか見えなければ、「昇進しても大
      変なだけ」という沈滞ムードが支配してしまいます。

      これでは社員は育ちません。

      社長は、ミドルマネージャーに対して高い要求水準をもち続ける一方で、社
      長自身が彼らを育て、また、彼らが輝けるような環境を整備しなければなら
      ないのです。

  □「コントロール型」から「自律共感型」の時代
   年功序列型の賃金制度が崩壊して久しいといわれますが、日本のマネジメントは上司
   が部下を過去の経験に基づいて「コントロール」するマネジメントが続いてきたといえ
   ます。

   コントロール型マネジメントは、大量生産、大量消費を前提とし、ノウハウを蓄積しなが
   ら会社が持続的成長を遂げる時代には適したものだったのです。

   この時代では「過去の成功モデル」が非常に重要だったからです。

   そのやり方をしっかりと身につけて応用していけば、これまでと同じような成功を得る
   可能性が高くなります。

   よって、新しく入った社員には、「うちの会社はこのようなやり方でやってきた」「この
   業界で成功するためには、このような売り方をしなければならない」「まずは、先輩の
   仕事を見て、まねしてやってみるのがいい。仕事の意味はそのうち分かる」といった
   教育をされることが多かったのです。

   「コントロール型マネジメント」では、一人ひとりの社員には情報も権限もあまり与え
   ずに、できるだけルールをつくって社員をコントロール(規制)していきます。

   組織として過去の成功モデルからはずれないように、慎重に意思決定をすることが
   求められるのです。

   しかし、先ほど述べたように、徐々に社会の多様化や国際化が進み、IT技術を活用
   した情報化とソーシャルメディアが発達することにより、そのようなマネジメントでは
   サービスや商品が進化するスピードについていけなくなるばかりか、消費者からの
   多種多様な要求にこたえることができなくなってきたのです。

   「多様化」「情報化」「スピード化」が進んだ現在では、現場スタッフ一人ひとりが
   自社の方向性ややるべきことを理解したうえで、より早く、それぞれの現場で判断
   することが求められるようになってきています。

   いちいち上司に確認していたのでは、判断が遅れ、チャンスを失うばかりかクレームに
   なってしまうのです。

   このような職場で管理職に求められるのは、「コントロール型マネジメント」ではなく、
   組織の理念や志を理解、共感し、同じ方向に向かって使命感をもって皆が自律的に
   行動できるようになる「自律・共感型マネジメント」の実践なのです。

   では、この「自律・共感型マネジメント」ができるこれからの管理職像とはどのような
   ものなのでしょうか。

  □非金銭的報酬
   まず、法的に「管理職」というものを確認しておきましょう。

   昨今の名ばかり管坤職の判例にもあるとおり労働基準法でいう「管理監督者」とは
   労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい
   ます。

   例えば部下の採用や解雇の権限をもち、自身の出勤時間や退勤時間は当然自分で
   決めることができなければなりません。

   管理職になって、得られるものは? という問いに対して、「給料が高くなる」と
   いうことが真っ先に思い浮かぶような人は、管理職としての適性に疑問を持たざ
   るをえません。

   当然ながら、管理職になれば、給与や手当は増えるでしょう。

   過去の判例でも、そのような待遇を求めていることは事実です。

   しかし、これからの時代に求められる「自律・共感型」の組織のリーダーは、金銭的
   報酬以上に、以下のような「非金銭的報酬」を感じることができなければ、役割を全う
   することば難しいでしょう。

    ・会社から、それまでの働き方、努力が認められ、これからも期待されていると
     いう承認の報酬

    ・より大きな権限、責任をもって仕事をやっていくことができる、やりがいという報
     酬

    ・職位が上がることによって、これまでに見ることができなかった世界を見ること 
     ができるようになるという相酬(例えば、これまで参加できなかった会議や会合
     にでることができたり、取引先のトップと直接話ができる機会が増えることもあ
     るでしょう)

    ・会社のトップや経営陣と、直接話や仕事をする機会が増え、自身のさらなる成
     長のチャンスを得るという報酬

   管理職になった人自身が、単に給与や待遇がよくなることを求めるのであれば、おそ
   らくすぐに「こんなにたいへんになって、これだけしか給料があがらないのであれば、
   割に合わない」と思って、モチベーションがさがってしまうでしょう。

   ついには、「残業代がでない」「責任が重過ぎる」「会社が十分な部下をつけて
   くれない」などの愚痴ばかりがでてきてしまうのです。

   非金銭的報酬を感じることのできない人は、会社の理念に共感し、その方向性にそっ
   て自律的に働くことなどできません。

   仮にスキルだけはあったとしても、いずれそのスキルを、会社が目指す方向とは逆の
   方向に使うことにすらなりかねないのです。

   「自律・共感型マネジメント」を実践していかなければいけないこれからの時代、今の
   会社・職場の中で非金銭的報酬を感じることができる、ということが管理職となるため
   の前提条件ということができるでしょう。

  □管理職への昇格とは「経営に参画させる」こと
   会社の経常的視点からみると、昇格させることは、社内の格付(等級)が上がり、責任
   と権限をより大きくすることを意味します(それに伴い、もちろん賃金も高くなり
   ます)。

   責任と権限が大きくなっていくとはつまり、「経常に参画させる」ことです。

   そのための評価は、賞与の支給時や毎年の昇給の評価とは違った視点をもって行わ
   なければなりません。

   一般的に、成果を出した者には賞与をたくさん支給し、仕事で能力をつけた者や発揮
   した者には昇給させたり手当を支給したりします。

   昇格には、一定の成果や能力を求めるのはもちろんですが、それ以上に会社の理念
   や方向性、やり方といったことを理解しているかどうかが重要になってくるのです。

   「昇進・昇格実態調査(2009年)」(リクルートマネジメントソリューションズ)
   において「昇進・昇格選考において期待し、求める要件」(部長クラス)は何かとい
   う問いに、多くの企業が挙げたのは、
    ・戦略的・革新的思考力
    ・目的達成に向けての実行力
    ・大局的な視野
    ・適切なリスクに挑戦する判断力

   これらの要件によって最終的に企業が求めているのは「組織が持続的に成長する
   ための新たな付加価値を創造し続ける」こと、つまり新たなビジネスを生み、成長を
   続けるということです。

   会社経営は、社長や役員だけが新たな事業を考えるだけでは成長できない時代に
   なってきています。

   すべての社員が自律的に新たなやり方を考え、管理職を中心に現場から新たな事業
   を生み出していくことが強く求められています。

   つまり今の管理職は、10年前であれば役員のみがやっていたような役割以上に創造
   的な役割を担わなければならない時代になっているのです。

  □管理職に求められる要件
   管理職が中心となって組織に付加価値を生み出すためには、具体的には管理職に
   どのようなことが求められるのか?

   1.より経営的な高い視点で、組織全体を見渡せる能力
     昇格することは「より経営に参画していくことだ」。

     役職が上がるにつれ、重要な情報が伝えられ、より高い視点からの責任を 
     もった判断が必要になってきます。

     自分や、自分のチームといった狭い空間ではなく、会社全体、業界全体、日本
     全体への影轡を考えた判断が必要となり、また、今日、明日、1週間後といっ
     た短いスパンではなく、1年後、5年後、10年後といった長いスパンでの判断
     が必要となってくるのです。

     それには、当然責任も伴います。

     ステージが上がった人にとって、最初のうちは相当プレッシャーを感じることで
     しょう。

     しかし、このプレッシャーに打ち勝っていかなければ、経営者のパートナーとも
     いうべき管理職として力を発揮していくことはできません。

     逆にまったくプレッシャーを感じないという人は、自分の視点が上がっていない
     という可能性が高いといえる。

     また、自分がより高い視点になるために、余裕をもてる時間をつくりだすという
     ことも重要です。

     常に一般社員と同じく、現場の仕事に追われているようでは、高い視点で物事
     を考えることなどできないからです。

   2.仕事のプロになり、常に仕事と結びつけた思考が必要
     プロとアマの違いは、そのまま管理職と一般職との違いということになるので
     すが、仕事のプロは1日のうち8時間(会社にいる時間)だけ仕事のことを考え
     るのではなく、常に仕事のことを考えている状態の人のことをいいます。

     いい意味で仕事とプライベートが融合した生活を求められるのです。

     これは決して、24時間仕事をしているといっているのではありません。

     家にいるとき、電車に乗っているとき、遊んでいるときであっても、常に仕事に
     関連したアンテナが立っており、日常の生活の中でも自分の仕事に有益な情
     報があれば、すぐさまそれをキャッチすることができるのが、本当の仕事のプ
     ロであり、経営的感覚なのです。

     これは、一朝一夕で、意識してできるものではありません。

     本当に、その仕事に没頭し、その仕事に誇りをもって接することができるように
     なって、はじめてそのような状態になるといえるのです。

   3.経営者と同じ志をもち、その志に共感できるようにならなければいけない
     これが最も重要な点です。

     組織には多様な個性や考え方が必要ですが、その組織として何を目指してい
     るのか、という点が共有されていなければ、決して強い組織にはなれません。

     真に「経営者と一体になる」ということは、「志」の部分で一体となることです。

     そうなっていなければ、継続的にその組織を経営者と一緒になって動かしてい
     くことはできないのです。

     管理職になる社員は、経常者の志をしっかりと理解し、その志に沿った行動が
     でき、そして、その志を「自分の言葉」で後輩や部下に伝えていかなければな
     らないのです。

     そのような管理職がいることで組織全体が一体となり、各現場でトップと同じ判
     断ができるようになり、スピード感をもって、各現場で高い付加価値の商品や
     サービスを生み出していくことができるようになるのです。

 

リーダー(管理者、幹部)の育成

        

         経営者によるリーダー(管理者)の育成 


  経営者にとって、リーダーとは、自分の経営理念を理解し、与えられた組織の力を最大限
  に引き出し、その実現のために支援してくれる右腕となる存在です。

  管理者(リーダー)の役割

   ・会社および自部門が抱えている問題を正しく理解する

   ・トップの立案した経営戦略にしたがって、部門の成長戦略を立案し、その実行計画
    を立て、業績目標を達成

   ・部門目標の達成に向けて部下を動機づけ(新人・若手の人材育成)、自ら先頭に
    立って業務を遂行する

   ・新たな仕事のやり方、提案の仕方など業務改革を推進

   ・しっかりトップを補佐し、リーダーシップを発揮し、社員の模範となる人物になる

   以上の行動をすべて行う必要があります。

  リーダーの存在は経営者の理念や考え、気持ちを十分理解し、その意向に沿った方向に
  組織を導くことができ、また経営者のいないときには、経営者の代わりとして業務を遂行
  できることです。

  人材教育のなかで管理者教育に注力する企業が増えている背景には、リーダーのスキル
  アップ(リーダーシップ)が企業自体の活力の増大に大きく結びつき、管理者次第で会社
  は成長もすれば衰退もするのです。


  ■リーダー(管理者)育成・指導がうまくいかない

   ・経営者が管理者に「指導したこと」が行動にどのように活かせるかが明確でない。

   ・管理者に対して、どれだけ具体的な指導ができるか考えていない。

   ・経営者の管理者指導のフォロー(指導後の実施過程)不足

   ・経営者が管理者に「考えさせる」ことをていない

   ここで、自身を含め管理者(経営幹部)のマネジメント能力を点検し、欠けている部分を
   強化する必要があります。

  ■右腕(幹部)を育てる

   人材の確保・育成は会社において重要な経営課題の一つですが、中でも経営者にとっ
   て切実な課題の一つは、経営者にも意見するような身近な相談相手、あるいは名参謀
   として経営者を支える人材の育成です。

   いくら優れた経営者であっても、一人でこなせることには限界があります。

   また、一人で決断を下すときに迷いが生じることもあるでしょう。

   そうした時に、経営者に近い視点で、経営を考え、実践できる幹部が身近にいるか否か
   で、意思決定の質やスピードに大きな違いが出てきます。

   経営者としては、こうした頼りになる右腕を育成したいところです。

   その際には注意すべきポイントがあります。

   右腕には、相応の高い能力が求められるため、誰もがなれるというものではありません。

   従って、右腕育成の際には、まずは、右腕となる素養を持つ人材の選抜から始めなけれ
   ばなりません。

  □トップが幹部に期待すること
   ・業績目標を達成してほしい

   ・しっかりトップを補佐してほしい

   ・新たな仕事のやり方、提案の仕方など業務改革をしてほしい

   ・若手社員の育成をしてほしい

   ・社員の手本となる人物になってほしい

  □幹部候補は選抜する
   幹部候補には、相応の高い能力が求められるため、誰もがなれるというものではありま
   せん。

   従って、幹部育成の際には、まずは、幹部となる素養を持つ人材の選抜から始めます。

   実績だけではなく、以下のような能力を重視して選抜することです。

    ・知識力
     ビジネスに関する知識に加え、社会・経済・文化などの幅広い知識

    ・理論的思考力
     物事や事象を理論的に把握・説明できる能力

    ・統率力
     部下をまとめ、率いることができる能力

    ・コミュニケーション力 
     社内外の人たちと良好な関係を構築する能力

    ・調整力
     利害の異なる関係者間の意見を調整し、まとめる能力

    ・行動力・実現力
     自ら動き、周囲を巻き込みながら目標を達成できる能力

  □幹部に理解、実践させるポイント
   (1)経営理念、目的について
     ・企業の経営目的を確立している

     ・わが社は一体何を売っているのか

   (2)目標について
     ・短期、中期の目標設定能力

   (3)方針について
     ・目標達成のための方向付け能力

   (4)組織について
     ・目標達成のための手段である

   (5)計画について
     ・計画立案能力と先行管理の理解、運用能力

   (6)スケジュールについて
     ・PDCA(Plan ⇒ Do ⇒ Chack ⇒ Action)を基本に策定

   (7)実行について
     ・決めたことを実行し、確実に実行させる厳しさが必要
     ・実行のための体質作り

   (8)成果
     ・原因・経過(過程)・結果をステップで管理、コントロールする
     ・頑張った者が報われる仕組みづくり

   選抜した幹部候補を、幹部へと育成する際のポイントは、経営者自身が育成を行うこ
   とです。

   幹部となるためには、能力の向上も必要ですが、何より大切なことは経営に関する哲学

   や思考パターンなどを経営者と共有することです。

   そのためには、経営者が、幹部候補を直接育成していかなければなりません。

   幹部は一朝一夕に育成できるものではない。

   多忙な経営者にとっては、時には右腕の育成が負担に感じられることがあるかもしれ
   ません。

   しかし、頼りになる右腕は、経営者の陰から会社を支える大切な人材であることを心に
   留めて、根気強く取り組むようにしましょう。

  ■教育・育成のポイント

   1.経営者自身が教育する

     管理者教育においてもっとも大切なことは、経営者自らが管理者と共に自社の
     存在する価値や将来的な経営戦略を語り合い、また、経営者が管理者各人に
     対し、「期待像を示す」ことが必要です。
リーダー2.gif
    2.管理者教育・育成の方針

     (1)自社の進むべき方向性

     (2)将来の自社の組織図と、そのなかに占め
       る各管理者の位置

     (3)各管理者に将来果たしてもらいたい役割

     (4)現在の各管理者の能力・行動

   以上の点を明確にし、そのうえで「期待像」と「現状」のギャップを埋めるためにどの
   ような教育を行うべきかを考える必要があります。

   人材の育っていない組織では、管理者はプレイングマネージャーとして組織の稼ぎ頭
   となり、かつ、部下の育成やモチベーションの能力・技術も持ち合わせていることが求
   められます。


  ■教育・育成の手順

   (1)現状の問題点

   (2)問題解決の自社独自の基本的な考え方

   (3)商品政策と顧客に対する考え方と具体的にやるべきこと

   (4)ローコスト経営に対する考え方と具体的にやるべきこと

   (5)自社の目標を具体的に示す

   (6)自社の基本的な考え方を示す

   (7)自社の目標が達成された具体的イメージを示す

   (8)自社目標達成のための必要な機能を示す

  教育内容としては、「実務に直結した即効性のあるもの」と、「幹部の役割を全うするた
  めに必要な基礎能力を身につけるもの」の両面で組み立てることが必要になります。 

  □実践的な幹部教育の体系化
   企業にとって最も重要な場所は現場であり、企業の業績に大きく影響するまさに生命線
   であるのです。

   この現場をいかに円滑に運営できるかが企業の競争力そのものであるといえます。

   したがって、その運営責任者である幹部の育成は、経営者の主要業務なのです。

   よく「人財」という言葉を目にするが、「人材」が「人財」にかわるには、人件費に見
   合うだけの付加価値を生み出していなくてはならない。

   幹部が人件費に見合うだけの付加価値を生み出していなければ、人はコストアップの
   要因になってしまいます。

   企業にとって一番の生命線である現場の運営に関わる幹部がこの条件をクリアし、
   競争力を向上させることができるようにするために、教育体系を構築し「人財育成を
   図っていく」、つまり「幹部が勝手に育つ」教育から「幹部を意図的に育てる」教育に
   転換する必要があるのです。

   「幹部が実務に活かせる教育」を構築していくことが最重要です。

   このことを実現させるための教育内容としては、「実務に直結した即効性のあるもの」
   と、「幹部の役割を全うするために必要な基礎能力を身につけるもの」の両面で組み
   立てることが必要になります。


  □自社独自の教育体系を構築
   まず、「うわべだけの教育」、「教育のための教育」を社内から一掃します。

   業務に必要な知識・技術を習得させ「職務遂行能力を向上させ結果がだせる実務に即
   した教育」を行うこと。

   そのためには、「教え教わる風土実現」のために全社的な運動にもっていくことです。

   中途半端にやっては、効果は薄くなるだけです。

   会社も、幹部もバックボーンがとおっていないと成長しません。

   理念、方針があっても実践されていなければないのと同じ。

   あらためて企業も、幹部もバックボーンの点検、確立をすることが必要です。

   そして、育てる側から自社のバックボーンをベースに、幹部が果たすべき機能を基に、
   個人別の啓発目標を出してもらい、目標管理制度に組み込んで四半期チェックをする
   仕組みが必要です。

  □教育体系構築のための対策
   1.階層別幹部の基本像をモデル化
     幹部に求められている能力を明確にします。

     経営理念、会社方針、中長期ビジョン、現場からのニーズと基本モデル幹部像
     をリンクさせる。

     例えば幹部は、「自分が具体的な処理や作業を行うのではなく、自分の考えを
     部下の行動を通じて実現する」という役割を担っています。

     個人的な業務遂行能力よりも、部下全員を方向づけ、目標を達成するにはどん
     なやり方をとったら効果的かという構想力やコミュニケーション能力、あるいは影
     響力といった能力が重視されます。

     人材の流動化がさらに進む現状を考えると、中途採用者に対して、経験やキャ
     リアに応じて育成を図るときに必要なものとして、その根拠となるような基本モデ
     ル幹部像を設定することが有効です。

   2.人事制度と教育制度をリンク
     「いつまでに」「どのような業務を」「どのレベルまでできるようになったら」「給
     料はどうなるのか」を人事制度に照らして示し、その人事制度と企業教育制度
     をリンクさせる。

   3.幹部教育責任者(トレーニングコーチ)を育成
     幹部教育に関しては、特に自社の経営者に代わるトレーニングコーチを育成し
     ます。

     トレーニングコーチの条件は、
     (1)現場の幹部以上に現場を知っている人
       現場のことを知らない人が幹部を教育できるわけはない。

       知らない人がやれば「評論家育成教育」になり、中途半端な知識は現場を混
       乱させるだけ。

       社是、社訓、経営理念、会社方針を社内で一番理解している人、原理・原則
       を重んじる人、公明正大な人、困難に挑戦する人、変化を歓迎する人、能動
       的に仕事に取り組み自ら仕事をつくりだせる人、真にプロを目指す人こそ幹
       部教育責任者にふさわしい。

     (2)実行力のある人
       いつも現場で効果の確認を行い次の手が即打て、さらに全社にとってどうか
       ということを考えることができ、全社的な影響力のある人、幹部自身以上の
       教育責任者を育てようという情熱のある人こそ幹部教育責任者にふさわしい。

       しかし何より重要なのは、「実行力のある人」です。

       幹部教育で結果の出ていないほとんどの企業では「人に職務を与え、職務に
       人を割り振っていない」といった役割分担ができていません。

       幹部教育ができないのは経営者の責任であり、現場での教育が実行できて
       いないのも経営者の責任です。

  □トレーニングコーチ指導の仕組み
   「自社独自の幹部教育」を構築し、業績に直結した結果の出せるものにすることで、自
   社独自のノウハウが蓄積できるのです。

   「実務に活かせる幹部教育」を行うには、日常的に現場での教育が行われるようにし、
   「お互いが教え、教えられ成長していくことが最高の教育だという社風」を作り上げるこ
   とです。

   どんな会社にも、各分野に関して秀でた幹部が必ずいるはずです。

   それぞれの得意分野でトレーニングコーチとして他の幹部を指導することは、最も簡単
   で最も結果がだせることです。

   「教育実施の運用上の柔軟性や計画倒れを無くす」、「トレーニングコーチ自身の業務を
   再認識」するためにも社内トレーニングコーチの育成は急務となります。

   1.教えやすい仕組みをつくり、教えるための技術を身につけさせる
     教えやすい仕組みづくりとして、
      ・自社のオリジナルテキスト、指導マニュアル等を作成する。

   2.教え方の指導としては、
      ・集合教育、ロールプレイング等による指導をを行う。

   今後「市場環境の変化」に対応するのと同様に、「自社の幹部教育ニーズの変化」に対
   応することは、非常に難しくなってくるでしょう。

   刻々と変化する自社の幹部教育ニーズに対応していくには、なるべく早く結論を出して、
   即実行することです。

   うまくいかなかったら次の手を速やかに打つことです。

   「何もしないのは一番のリスクであること」、また「変化するのが当然」だと経営者自身
   が行動で示し、全幹部に徹底的に認識させ実行させることです。

   「結果の出せない教育責任者」と「結果をだせる教育責任者」との違いは、スピードと実
   行力と、何より「なにがなんでも出来るまでやりぬく徹底力」とそのための仕組みづくり
   にあるのです。

 

プレイングマネージャー(リーダー)によるマネジメント体制の強化

         

プレイングマネージャーによるマネジメント体制の強化

  ■自己のマネジメント体系を確立

   マネジャーは、概ねプレイングマネージャーです。

   自ら実務を担当しながら、マネジメントもやらねばならない。

   マネジメントのコツを知ることによって多忙な中で的確な管理が可能となる。

   現状では次のような問題点を抱えている。
    ○目標が達成しているために営業パーソンの気がゆるみ、厳しさを求める営業
     体質がむしばまれている。

    ○全体的に営業マネジメントがおろそかになり、ミスやクレーム、モレの要因が見
     えない所で増殖している。

    ○営業マネジャーが目先に追われ、自部門のマネジメントが出来ていない。
     そのため将来に向けての種まきや、マーケティング戦略構築が不足している。

    ○入社1〜2年のセールスパーソンに対する営業活動の厳しさについての指導
     が不足し、ベテランセールスパーソンに対しては、次のレベルアップ教育が不
     足している。

   こうしたことを改善するためには、営業幹部が今一度、謙虚に自己の役割を認識、
   どちらかといえば苦手なマネジメントを克服していくことが肝要であり、自己のマネジ
   メント体系を確立する必要があります。

   特に、自部門の営業活動に不可欠なマネジメントを書き出し、それを体系化すること
   である。

   例えば顧客管理行動管理、計数管理等は充実させなければ、営業活動そのものや
   生産性追求そのものが不可能となります。

   そのためには、以下の着眼で取り組むことです。
   (1)例外処理
     限られた時間の中で、アレもコレもは出来ない。
     そのためには例外処理の技術を高めること。
     標準や目標・計画に対して「良い、悪い」の例外を摘出し、特に「悪い=問題
     点」について処理をしていく。
     また、クレームやトラブルなどについては「すぐに現地現場へ飛ぶ」などの基本
     や定石を日頃から訓練しておくことが大切です。

   (2)重点集中処理
     マネジメントは、ただ漫然とやっていては時間のムダやロスが発生する。
     大切なことは「今何が大切か」の価値判断基準をもちながら、時間そのものを
     切って使うことである。
     あるセールスマネージャーは、自分のマネジメント業務を毎月、毎週、毎日、
     午前、午後と体系化と時間的割りつけを行い、集中的に処置している。

     例えば、毎朝出社(始業前約1時間)した時の手順は、
      本日の部下の行動予定の再確認 → 前夜チェックしたセールス日報の再確
      認 → 上司への報告事項や他部門への連絡事項の再確認  など、前日退出
      時の確認業務で次週や次月の計画づくりなどを処置している。
      そのために成り行きマネジメントではなく、十分に練られたマネジメントとなっ
      ており成果を高めている。

   (3)スピード処理
     マネジメントの内容は定型業務だけではなく、判断業務がある。
     その1つに上司・部下や他部門からの決裁要請や意思決定項目がある。
     そのためには、価値判断力に加えてスピード処理力が求められる。
     ある会社ではこのような判断業務の処理基準として48時間以内処理を徹底
     し、その間に返事がない時は「決裁了承」というルールをつくり、スピード処理
     が行われている。
     その他にも「今日の仕事は今日中に処置し明日に残さない」といった当然のこ
     とも、スピード処理という点で確認しておきたい。

   (4)情報の先行管理
     業績先行管理だけでなく、マネジメントそのものを先行管理で処置していく。
     例えば与信限度管理や回収管理などに加えて販促企画や社内行事、会議や
     研修会など常々先行処置することにより、成果を大ならしめる内容も多い。
     その意味で情報の先行管理は今後ますます大切になると考えられます。

   (5)バランス感覚
     例外処置や重点処理だけにこだわると、その範疇に入らないものを見失う。
     ある会社では「重点得意先管理」あるいは「重点訪問」として型決めしていた 
     が、重点以外の得意先情報が遅れ、ライバルに負けた例もある。
     また、技術が得意(製造出身)なセールスマネジャーは得意分野中心のマネジ 
     メントになりやすく、不得意分野にスキ間が出来る。
     その意味で、マネジャーは全社的視野とマネジメント項目についてのバランス
     感覚が大切です。
     以上の各項をマネジメント(PDCAサイクル)で善循環で回転させることが、
     セールスマネジャー自身の能力向上につながるのです。

  □業務の優先順位を明確にする
   どの会社でも十分な人員を抱えているわけではない。

   一人二役主義でなければ成り立たないのが現実です。

   そのために、これら会社の第一線のマネジャーは月次業績を必達することは当然の
   役割として、加えて未来経営のための戦略プロジェクトに参加したり、新設事業部門に
   出向したり、あるいは海外での仕入れルート開発、販路開発にも出張したりで、1人で
   数役を背負いながら頑張っている。

   しかしその半面、彼らの悲鳴も聞こえてくる。

   例えば業務が複雑化、多元化して、何から着手すればよいのか、どのようにプロジェ
   クトを軌道に乗せるのか、日常のルーチンワークはどのように処理をすればよいのか
   などに困っているためである。

   しかし管理者は抱える問題を解決し、業務を遂行しなければならない。

   そのために、日頃から業務に対する処理基準を明確にしておくことが肝要となります。

   1.業務の優先度と重要度の明確化
     業務には判断業務と定型業務があるが、その両者を問わず、優先度と重要度 
     が混在している。

     例えば極めて重要な経営課題であるが、今日明日中に解決せねばならない 
     内容ではないとか、反対に全社的な重要問題ではないが、即時解決を図らね
     ばならない問題とかである。

     管理者はそのために、頭の中で、あるいはマトリクスで業務を常に整理してお
     くことです。

     例えばある会社で、従来のサービス業務を別会社として独立させたとします。

     そのために経営幹部がやらねばならない(整理しなければならない)業務は数
     多く発生するはずである。

     その課題を幹部全員で取り組み、その業務体系図を作成する。

     そして、それらの重要度と緊急度を分析し、時系列的に優先順位(着手順位) 
     を明確にし、第一線マネジャーに通達する(例えば新会社の経営理念は1年 
     以内にボトムアップで創るとか、業務管理システムは1カ月以内に完備すると
     かである)。

   2.価値判断基準の明確化
     この場合に重要なポイントが、重要度と緊急度を決定する判断根拠または判
     断ものさし(基準)である。 

     その基準となるポイントは、次のものがある。
      (1)会社の基本理念と基本方針
      (2)トップの意図する内容(目的)と期待水準
      (3)実践する場合の担当者や部下の能力
      (4)手段方法の難易度や必要経費
      (5)他部門の協力度合い
      (6)以上を総合して全社レベルで判断する
        (場合によっては自部門の利害を超えねばならない場合があることを銘 
         記)。

     さらに以上の流れで各業務を位置づけした場合も、思い違い、思い込み、錯
     覚、勘違いなども存在するから、上司には報・連・相・打で再点検するとか、メ
     ンバーで検討するとかで、軌道を修正することが大切です。

   3.行動の迅速化・即行動化
     いずれにしても急ぐ内容については、即着手し一気に取り組むこと。

     タイムスケジュール表などを作成し、進行チェックすれば見落としも少なくなり、
     より効率的に推進できるようになります。

     その意味で、幹部とはタイムコントローラーと言えるのではないでしょうか。

  □失敗に学ぶ
   受注競争激化に伴い、今まで以上に営業力の高度化が求められています。

   しかしながら、現実には従来からのやり方の延長線上にある会社が多い。

   その理由としては、
   ○営業部門全体が目先の目標に追われ、勘や精神論の営業となっており、第一
    線部隊としての戦略志向が不足している。

   ○組織力の営業体制になっておらず、個人の営業力に依存していることで販売技
    術の向上が不十分である。

   ○営業マネジャーのマネジメント力が弱く、日常業務を通じてのノウハウの蓄積が
    弱いなどが指摘できる。

   しかし、これからの営業に求められることは的確な現状認識と分析力によるノウハウ
   の蓄積と活用にあります。

   特に今必要なことは、営業活動上の勝敗の分析を行い、その中から今後に活かす
   着眼を創りあげることです。

   (1)敗因を分析する
      営業活動は1回ごとの商談において勝ったか、敗けたかであり、これはルー 
      ト営業や飛び込み営業においても本質は変わらない。
      しかし営業パーソンの常として、敗け戦(いくさ)はどうしても隠してしまう。
      その結果、なぜ敗れたかが不明となり、同じあやまちを犯すことが多い。
      そのためには敗因の分析を継続的に行うことが大切であり、それを活かすこ
      とである。

      たとえば、ルートセールスであれば、
       @なぜ、目標が未達であったのか
       Aなぜ、インストアシェアが伸びないか
       Bなぜ、新製品が売れないのか
       Cなぜ、ライバルにやられたのか

      などの分析が必要となる。

      また、受注型セールスであれば、
       @なぜ、この物件が取れなかったのか
       Aなぜ、ライバルが勝ったのか
       B自分自身の営業活動に悔いはないか、あるとすれば、それは何か

      などを分析する。

   (2)敗因から学び実戦する
      長い道のりで勝つには失敗や敗因に学ぶ姿勢が大切です。
      ある観光サービス業の会社では、営業会議で固定客のうち「昨年取り引きが
      あって今年取り引きのない企業」については分析していたが、なぜ取り引き
      がなかったのか、中断しているのか、についての突っ込んだ討議が欠けてい
      た。

      そして毎月同じような大口顧客の昨年対比変動があり、その反省も不足して
      いたため、その理由や要因分析を「敗戦分析表」で実施しようとしている。

   (3)勝因分析も併せて行う
      大切となるのは受注の決定要因である。
      売り込みには、すべてライバルが存在します。
      そして、そのライバルを食って成功した要因も必ずある。
      それは何かを明らかにすることにより次の作戦が練れるのです。
      自社が勝った要因は、品質・技術・価格・納期・サービス・システム・人間関係
      などのうち、どれなのか。
      それを、さらに伸ばすにはどうするのか、を全員が認識することである。
      「受注決定要因分析表」で主要物件を分析し、さらに営業パーソンだけの自
      己申告に加えてマネジャーが成約のお礼をかねて訪問、決定要因認識の誤 
      り、営業パーソン自身の思い違いがないか、などを確認し、さらにその精度を
      高めていきます。