社長が変われば会社は変わる

        

社長が変われば会社は変わる


  会社にとって利益より必要なものがあります。

  それは存続することであり、成長することです。

  そのためには『変化への対応』が欠かせません。

  そして、それを可能にするのは社長であるあなたしかいません。

  社長の「会社を変えなければならない」という決意には、当然会社を今よりもプラスの
  状態にもっていきたいという意味合いがあります。
   
  ■社長と経営者

   『「社長」は誰でもなれるが、「経営者」は誰でもできるわけではない』という言葉が
   あります。   

   多くの中小企業では、社長はトップ営業マンと言い換えてもいいのではないでしょうか。

   経営者は会社という組織を機能させていかなくてはなりません。

   会社を経営していくにはさまざまな問題が発生します。

   好景気の時代には名ばかり社長であってもやってこれたが、今は「経営者」でなけれ
   ば生き残り勝ち残れない時代の中にあります。

   
   この厳しい経済環境下で「経営者」が今、成すこととは何でしょう?

   このメルマガの経営指針にもあるように、

    (1)悪条件の中で改革推進できる者が真のリーダー(経営者)である。

    (2)改革とは、それを具体的に不動の決心、覚悟として確立しないと
       始まらない。

    (3)改革は、丹念に、一歩ずつ進め。本質的変化には時間がかかる。

    (4)まず自分が変われ、更に一歩変われ。

   この指針に基づいて考えてみましょう。


  ●経営していくための仕組みをつくる(個人の能力・勘・経験に頼らない)

   ○業務がマンパワーに頼らず、チームで機能するための手順書づくり

   ○社内の見える化を図り、ムリ・ムダ・ムラを排除

   ○営業を中心に他のすべての業務がリンクしている

   ○競合他社との違いを明確に打ち出すことがオンリー1への道
     (鶏口となるも牛後となるなかれ)

  ●営業に魔法の杖はない

   ○仮説→実証→検証を繰り返す
    過去には経営において「重厚長大」が主流でしたが、今求められる経営は   
    一歩一歩確実に「仮説→実証→検証を繰り返す」ことです。

   ○「売る」から「売れる」仕組みが欠かせない

    ・テクニックに頼らない。大多数のセンスのない人はスクリプト(台本)営業を実践

    ・収益の柱をもう1つ

    ・日報を「事後の報告書」から「営業活動計画書」として活用

    ・売る側の立場ではなく、「買う側の立場」で考える

    ・見た目は重要、5Sはもとよりハガキ、NL、会社案内は目に見える商
     品

    ・マーケット(商圏)は決して広げない(片道最大でも30分以内)

    ・場当たりな活動は百害あって一利なし

    ・紹介営業や富裕層向け営業は大切だが、まずは自社の体制作りが先決


   ●社内体制

    トップの仕事は、自身の任期をどこまでと考え、後継者を探し育成すること、 
    そして、マーケティング。

     ○役割分担を明確にする

     ○業務はシンプルに、特定の人に頼らず誰に代わってもできる体制作り

     ○会議朝礼、営業・内務業務の標準化、基本動作の徹底、これらを習得し体
       系化すれば自社のノウハウとなり、商品となる。

    常に考えなくてはならないことは、今自社(店)で実践していることが、どうしたら
    商品・サービスとして、お客様に提供したら喜んでもらえるかを考えることです。
    (このことが上記の収益の柱を作るヒントになります)

  □疲弊する教育体制   

   教育体制は今問題を抱えています。

   今まで世界に誇っていた電化製品やものづくり大国といわれている状況が変わろうと
   している。

   原因には熟練社員のノウハウの伝承や教育(訓練)の低下が挙げられる。

   目先の利益にのみに囚われ、自社にとって重要課題である教育が疎かになっている。

   教育の効果は時間がかかるのは言うまでもないことですが、だからといっておざなり
   にできないことは承知のはずです。 

   しかし実態は中小企業の多くで場当たりで無計画な教育が横行している。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

   この問題を解決しなければ、社内教育制度の内製化は不可能です。

      
  ■成功に必要なこと

   ビジネスの世界でもスポーツの世界でも成功を収めている人に共通することがあります。

   それは

   真似る」と「素直」です。

   最速で成功したければ成功している人を「真似る」のが一番の近道であり、それは
   あらゆる世界のあらゆる分野のあらゆる億万長者や成功者たちが証明してくれてい
   ます。

   カリスマ社長で有名な株式会社武蔵野の小山昇社長は著書(経営計画は1冊の手帳
   にまとめなさい)のなかで、『「他社からパクる」ことを決定する』があります。

   そこで小山社長は「真似こそ、最高の創造である」といっています。

    私は、自称「パクりの天才」です。「『株式会社武蔵野』の正式名称は、『株式会社盗
    品見本市』」と冗談めかして話すくらい、他社の真似ばかりしてきました。 

   多くの会社(店)が、自社(店)でゼロから物事を生み出そうとします。

   ですが、経験や実績が不足しているために、結局は途中で頓挫してしまい、諦め、
   やめてしまいます。

   だとしたら、すでにできあがっている物事を真似るほうが断然近道です。 

   独力で頑張って成果を出すことを目指すより、他社をまね成果を出すほうがいいと
   思いませんか。

   成功している企業に共通する点は「言われたことを素直に実行する」です。

   しかし、この言葉を行動に移す人はほんのわずかです。

   
   日本におけるイメージトレーニング研究・ 指導のパイオニアの西田文郎氏は、

    トップアスリートの特徴は、負けず嫌いであり、同時に素直であることです。
    負けず嫌いは、スポーツ選手にとって最も大切な素質です。
    けれど、選手が今以上に大きく伸びようとしたら、負けず嫌いだけでは十分ではあり
    ません。
    負けず嫌いの上に、“素直さ”がくっついた、「素直な負けず嫌い」であることが必要
    です。

   あるプロ野球監督も同じことを言っていました。

   「伸びる選手は言われたことを素直に実行する」です。

   しかし、今までにも言い尽くされてきましたが、「真似る」と「素直」を根気よく継続
   実行する人は100人中1人・・・1% と、言われています。

   言い換えると、「素直」に「真似る」を継続実行した人は100人に1人ということです。

   これが、100人中10人であれば成功の確率は低くなりますが、どの時代であっても
   この1%は普遍のようです。

   中小企業にとって前途は決して楽観できる環境ではありません。

   製造業ではメーカーの海外進出に伴って、零細下請けですら海外への進出を余儀
   なくされています。

   この厳しい環境の中で生き残り勝ち残っていくためにも競合他社(店)と同じことを
   していては勝ち目はありません。

   他社との徹底した違い(差別化)をアピールし、お客様から支持されることです。

   そのためにも、常に顧客視点(「私」ではなく、「あなた」)に立った施策を講じていく
   ことです。

   あなたが売っているのは商品というモノではありません。

   お客様の抱える悩み・問題の解決策を販売しているのです。

   その解決の手段としてあなたの商品・サービスがあることを忘れないでください。  

   どんな事業であっても「基本」は変わりません。 

   我流や場当たりなやり方からは何も生まれません。

   大切なことは「仕組みづくり」です。

   素直に真似ることから始めましょう。

   そして、あなたがやり続けた結果の先には成功という大きな果実が実っていることを
   信じてください。

   なぜなら、「人生は自分が思ったとおりにしかならない」からです。
   
  ■既往のシワ寄せ

   倒産の原因はさまざまあります。

   毎年1位は売上げ(販売)不振で、近年80%前後を推移している。

   その中で、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」による倒産があります。(中小企業庁HP)

   業績が実は危機的状況であるにもかかわらず、先代や過去の財産がこれを見えづらく
   し、限界に到達したとき、急激なスピードで倒産に至ります。

   まさに、「ゆでガエル」の状態だったことを示し、「なぜ倒産したのかわからない」状
   況と言えます。

   こうならないためには、平素から自社の状況を定量的に把握し、「この数値がこうなった
   ら危険」という経営指標を認識しておく必要があります。

   倒産原因の1位である販売不振は大多数の中小企業が抱える問題です。

   一時的に収益を上げることはそんなに大変ではない。

   それを継続していくことが重要であり、そうでなくては経営は成り立ちません。

   継続していくためには社長個人の力では限界があり、そのためには組織の総力
   欠かせない。

   しかし、その組織が本来の機能を果たしていないのが中小企業の現状ではないだろ
   うか。

   目先の売上にばかり目がいってしまい、会社が存続していくために欠かせない人材
   育成、ES・CS対策、組織体制の見直し(各業務の改善)などの重要課題を先延ばし
   にしていることです。

   これらをおざなりにしておくことは、継続した収益の確保はもちろんのこと、コンプラ
   不祥事、ハラスメントなどの問題を引き起こし、最悪の事態を招きかねません。

   今日まで何んの問題もなく経営してきたことは、“たまたま”だと理解すべきでしょう。

   目先の収益確保ばかりに目がいっていると足元をすくわれかねません。
   
  ■問題だらけの職場

   職場では、「売り上げが思ったほど伸びない」、「部下の仕事にミスが多い」、「顧客か
   らのクレームが増え始めた」、といった困ったことが出てくる。

   会社は、常にこのようなさまざまな問題に取り囲まれています。

   経営者、管理者の仕事は、日々、将来に向けて、さまざまな問題を解決していくこ
   とです。

   問題があるというのは、企業が生きている証拠であるともいえます。

   「自分の組織ではすべて順調に推移しているので、何も問題がない」、という社長、
   管理者がいれば、むしろ問題です。

   時代とともに、顧客の志向が変化してきているのに気付かず、従来通りのやり方を踏
   襲しているうちに、「いつの間にかお客の数が少なくなった」という事態に陥るかもしれ
   ません。

   顧客への提案がことごとく受注失敗となるのは、「ライバルとの大きな価格差」にあっ
   たことに気付いていなかった、という怖さを私たちはいつも抱えています。
 
   管理者以上の立場になると、ふだんの仕事のなかから問題を発見して、素早く手を打って
   いかないと、会社の存続そのものが危うくなります。

  □職場、現状の点検

   社長、管理者自らが現場に出向き、自分自身の目で見て、点検するのが問題発見の基本
   となります。

   企業活動の最前線で起きている、不具合や問題点、担当者が困っていることなどから、
   問題を発見します。

   現場のちょっとした変化を見逃さず、部下の立場になって、その真意を「聴く」ことが肝
   要です。

   当初の目標・計画通りに業務が行われているか、基準・標準からの逸脱はないか、という
   観点で、自分が預かる職場の現状点検をするなかから、重要度・緊急性の高い問題があ
   ぶりだされます。

   社長、管理者自身が、本来あるべき「基準・標準」を頭に入れて、部下と一緒に現状を観
   て、それとのギャップを共有化するところから、問題が明らかになります。
   
  ■儲かる仕組み

   マスコミを活用して成功している中小企業は少なくありません。

   マスコミに取り上げられる中小企業の多くは自社でパブリシティ活動を行い、マス
   コミにプレスリリースしています。

   景気低迷の中、マスコミ(TV)では成功している企業の事例が多数報道されています。

   カンブリア宮殿、ガイアの夜明けなどを見ていて成功している企業に共通するのは「儲か
   る仕組み」ができていることです。

   それでは、「儲かる仕組み」をもつ企業に共通することとは何でしょう。

    ○競合他社と同じことをしていない

    ○自社の商圏を徹底して絞り込んでいる(距離、業種、性別、年齢 等々)

    ○お客様との距離(近い、接点が多い)

    ○お客様からの感謝・感動がある(自社・自店の強みを生かす)

    ○従業員の教育(訓練)が行き届いている

    ○従業員の笑顔(儲かっているから笑顔? 笑顔があるから儲かる?)

    ○サービス(かゆいところに手が届く、「これでもか」というくらいのお客様サービ
     ス)

    ○徹底したお客様目線(すばやい対応、マナー、身だしなみ)

    ○「ニーズ喚起」から「ウォンツ」への営業プロセス

   上記から見えてくるのは「お客様目線」「見た目(第一印象)」「おもてなしの心
   (Hospitality)」といった言葉ではないでしょうか。

   人は見た目が9割 (著者 竹内 一郎)でも、「会う回数が多いほど 好きになる」、「人は
   0.5秒で判断している」など。

   マーケットの規模に合わせたセールスが必要となります。

   小規模企業で、奥さんが専務という会社あれば、社長に好かれることはもちろん
   ですが、専務である奥さんに好印象を与え、好かれることです。

   これは個人のマーケットにおいても同じです。

   基本的な対策は「ハキハキした言動」「身だしなみ、笑顔」

   「たかが挨拶、されど挨拶」を忘れないことです。

   中堅規模の会社で各部門担当者がいる場合であれば、その担当者のメリットになる
   情報提供など。

   人は理屈では動かないことを理解しましょう。

   たったこれだけの行動が収益に大きく影響するのです。

   経済が右肩上がりの成長期には、我流(売る努力)であっても市場で通用した、幸せな
   時代でした。

   しかし、今の環境で今までのやり方を続けることは、羅針盤のない船で大海原を航海
   するようなものです。

   商売には原理・原則というものがあります。

   今、自社(店)のよい点は残し、羅針盤(仕組み)経営を導入することが船(会社)を
   安全に航海させるための絶対条件です。

   多くの経営者が売上げを伸ばすために、「売るための努力」を続け、経済環境が劇的
   に変化しても今までと何も変わっていない。

   ただ遮二無二がんばっているだけ。

   会社は組織です。

   自分ひとりでは限界があるから組織化したのです。

   せっかくの組織を十二分に活用せず、トップが、がんばれば、がんばるほど結果は悪
   くなるのです。

   トップが「やる」といったことをやっていたら、業績はいいし、やるべきことをやらず、
   やらなくていいことをやっているから業績が悪化するのです。

   商売に近道はありません。

   しかし、無駄な努力をしなくても、正しいやり方・努力の仕方はあります。
   
  ■経営者に求められる能力

   理想的な経営者の姿というのは、千差万別です。

   成功している経営者を評価するときに「あの人は強力なリーダーシップで社員を引っ張っ
   ていったから」や「あの人は社員のなかに自ら入っていって、共に努力する仲間のように
   接し会社を盛り立てたから」というタイプの人もいます。

   これは経営のスタイルの違いであり、一概にどのようなタイプが良いのかとはいえ
   ません。

   しかし、経営のスタイルは異なっても、成功した経営者には共通して備わっている
   能力があります。

   この能力が備わっていたからこそ、千差万別の経営スタイルのなかから、自社に最適なも
   のを選択することができ、それが会社(店)を成功へと導くことになるといえます。

   それでは、経営者に必要とされる能力とはどのような能力なのでしょうか。

    1.ビジョン策定

      社員を魅了する自社の経営ビジョンを明確にし、それを社員に浸透させ、全員に
      同じ目的意識をもたせることは経営者の極めて重要な役割です。

      単なる個々人の集まりであった集団を、同じ目的をもつ組織に変革することを意
      味します。

      同じ人数でも「組織」は「たんなる個人の集団」の何倍ものパワーを発揮します。

      経営ビジョンを明確にすることにより、企業経営実践のための強力な推進力とな
      る組織を構築することが可能です。

    2.人間的な魅力

      経営者は社内外において人を引きつける魅力が必要です。

      そのなかで人間的な魅力とは、経営者が今日まで培ってきた本質的な部分を指
      します。

      言い換えれば、過去の経験により築き上げられた資質で、勇気、忍耐力、明
      るさ、信頼感などがそれにあたります。

    3.コミュニケーション

      コミュニケーションカとは、自分が思っていることを客観的に認識し、それを相手
      の価値観、置かれている状況などに応じて適切に伝える能力と、反対に相手の
      メッセージを的確に読みとる能力のことです。

   
  ■会社を変える

   社長の「会社を変えなければならない」という決意には、当然会社を今よりもプラスの
   状態にもっていきたいという意味合いがあります。

   会社が危機的な状況に陥り、変わらなければ存続も危ういという切羽詰まった決意や、現
   状は順調だがさらに高い次元の目標を実現したいという前向きな決意など、さまざまな思
   いが込められているでしょう。

   会社を変えることは、変えること自体が目的では
   ありません。

   その結果として、社員や取引先など会社に関係
   している人たちにプラスの効果を与えることが
   本来の目的です。

   「会社を現状から変えたい」と思っている経
   営者の方は多いのではないでしょうか。

   「変えたい」と思っている理由は、会社が危機
   的な状況に陥り、変わらなければ存続も危う
   いという切羽詰まった決意や、社員のモラー
   ルが低かったり、現状は順調だがさらに高い
   次元の目標を実現したいという前向きな決意
   など、さまざまな思いが込められているでしょう。

   しかし、会社はなかなか変われないのが実情では
   ないでしょうか。

   会社を本気で変えるには、まず経営者が変わらなければなりません。

   なぜなら、会社は経営者であるあなたがすべてであり、会社は経営者の考える形にしか
   ならないからです。

   会社は人の集まりであり、社員は経営者の発言や行動を良く見ており、経営者の考えて
   いる方向に向かって行動します。

   社員の行動は、経営者の考えを体現しているといえるのです。

   会社を変革させ、風土を変え、業績を回復させ、会社を更に成長させていくためには経
   営者が変わらなくてはならないのです。

   まず、自ら変わることが大切なのです。

   自分だけ変わらずに社員に変化を要求しても社員は受け入れてくれませんし、会社も変
   わりません。

   自分が変わらなければ会社の業績も回復することはないでしょう。

   経営者が変わることが会社変革のスタートであり、すべてなのです。
   
  □変化への対応

     一昔前の営業会社であれば熱意と根性で、そこそこの収益アップは達成できたでしょう。

   しかし、販売チャネルの多様化も含め、お客様の情報収集能力も高まり、単に商品を
   “もの”として販売するといったやり方がすでに限界であることはあなたもご承知のはず
   です。

   今後ますます顧客情報の収集と活用を欠いた営業では通用しないということです。

   場当たりな勘ピュータ経営から仕組みのある体制にチェンジしなくてはなりません。

   顧客との接触が商品・サービスを売りつける時だけ、また、その時だけすばらしい笑顔
   や態度であっても顧客に見透かされるのが落ちです。

   お客様を単なる商品・サービスの販売先と思っていないだろうか?

   あなたのビジネスは顧客や顧客サービスであることを忘れてはいけません。

   近年、“システム化”といった言葉が頻繁に使われていますが、この言葉が独り歩きして
   いるように感じられます。

   まるで魔法の杖のような扱われ方をしているようですが、勘違いされている方も多いよう
   です。

   ご承知でしょうが、PCを駆使することがシステム化ではありません。

   PCは、より効率・効果的に収益アップを図るための営業や他の業務の道具です。

   勘と経験で行われている日常業務の多くは同じ繰り返しが多いはずです。

   これらのパターン化された業務を、誰に代わってもできるような形にすることです。

   そして、システム化に欠かせないのが組織です。

   システム化がもたらす最大のメリットは、チーム力による継続的な増収体制です。

   そこで重要なのが顧客です。

   お客様があなたを必要と感じ、いなくては困るといった環境をつくることです。

   いつもの繰り返しになりますが、「必要で、いなくては困る」をつくるために、あなた
   の存在感(価値)を高めなくてはなりません。

   そのために必要な、ただ1つのこと


                “顧客との接点拡大”です。

   そして、接点拡大に必要なツールであるファックス、HP、ニュースレター、ハガキ、
   メール、電話といった道具を活用します。

   あなたがやりやすい方法を選び、続けることです。

   始めるにあたり、あまり質を優先しないことです。

   そうでないと、行き詰まり続かないからです。
  
   最初は量を優先してください。

   最低1ヶ月に1回以上は発信してください。

   内容はあなた(会社)の近況、専門である自社の商品・サービスがいかにお客様のメリ
   ットになるか、について、お客様が知りたがっている裏話などを盛り込んだ内容等。

   中小企業にとって、景気回復の波はまだ見えてきません。
    
  □改善ではなく改革 

   物事をよくしていくためには「改善」と「改革」の2つのアプローチがあります。

   改善とは、基本的にはこれまでのルールを踏襲し、よい部分はより強化し、悪い部分は
   改めていくことです。

   多くの会社でも「職場ごとの業務改善活動」などは日常的に行われています。

   たとえば、「利益率を5%上げるために経費を見直す」といったレベルの活動がこれに
   あたります。

   一方、改革とはこれまでのルールをいったん無視して、めざすべき目標達成のための
   ルールを新たに構築していく方法です。

   当然、「職場ごと」という単位ではなく、全社的に取り組んでいくことになります。 

   たとえば「利益を3年間で10倍にする」という目標達成のためには改善レベルの活動の
   積み重ねでは対処できません。

   営業体制、商品構成、人事制度などあらゆる面から手を打っていかなければなりません。

   まさに「劇的な変化」が求められます。

   本当の意味で会社を変えていくためには、このように「改善レベル」ではなく、「改
   革レベル」の決意と実践が必要です。

   しかし、「会社を変えたい」と願っている社長のなかには、従来のルールからなかなか抜
   け出せない人もいます。

   まずは社長自身が「絶対に改革をやり遂げる」という強い決意をもつことが大切です。

  □取引先からの評価を高める

   会社を変えるということは、取引先に「あの会社は(よい方向に)変わった。

   安心して取引できる」と思わせることでもあります。

   さらに「ぜひともあの会社と取引したい」と思って
   もらえたら、大きな前進でしょう。

   逆の立場で考えてみましょう。

   自社の取引先をいくつか思い浮かべてみてく
   ださい。

   そのなかには「あの会社とは今後も取引を拡
   大していきたい」と思う会社もあれば、「でき
   ればもう付き合いたくない」と思う会社もある
   はずです。

   両社の違いはどこにあるのか、取引先の視点
   で考ええてみましょう。

    1.取引したい会社、したくない会社

      会社を変えるということは、取引先に「あの会社は(よい方向に)変わった。

      安心して取引できる」と思わせることでもあります。

      さらに「ぜひともあの会社と取引したい」と思ってもらえたら、大きな前進で
      しょう。

      ここで少し逆の立場で考えてみましょう。

      自社の取引先をいくつか思い浮かべてみてください。

      そのなかには「あの会社とは今後も取引を拡大していきたい」と思う会社もあ
      れば、「できればもう付き合いたくない」と思う会社もあるはずです。

      両社の違いはどこにあるのでしょうか。

    2.取引上の約束をきちんと守るか、守らないか

      まず考えられるのが、「取引上の約束をきちんと守るか、守らないか」というこ 
      とでしょう。

      納期、商品の品質、支払い条件などあらかじめ決めた約束を必ず実行してく 
      れる会社は安心できます。

      逆に「今月はこんなトラブルがあったから」など、何かにつけて条件変更を求
      めてくる会社は信頼できません。

      仮に先方に本当に大きなトラブルがあったとしても、本来的にはこちらには何
      の関係もないことです。

      トラブルを未然に防ぐ、あるいはトラブルが起こっても懸命に努力し、当初の
      約束守る取引先のほうが評価されて当然です。

    3.社長や社員の態度はどうか

      いくら約束を守ったとしても、先方の社長や社員の態度に問題があれば、取
      引先の評価は下がります。

      たとえば「先方社長に連絡を取りたいのに、いつ電話しても不在」、「折り返し
      の電話を頼んだのにまったく音沙汰がない」といった経験をおもちの人も多
      いでしょう。

      その際には「あの会社はいったいどうなっているんだ」と不快に感じたはず。

      先方社長に伝わっているのに電話をかけてこないのか、そもそも社長に伝言
      が伝わっていないのかはわかりませんが、いずれにせよ「管理体制に問題
      あり」の烙印は免れません。

      これ以外にも、「社長同士のアポにいつも先方が遅れてくる」、「日常的に接
      している営業マンの態度がぞんざい」、「クレームをいってもきちんと謝罪しな
      い」、「依頼した書類をいつまでたっても送ってこない」……などなど、社長や
      社員の態度は取引先としての評価に大きな影響を与えます。

   4.他の取引先にはないメリットがあるか

     ここまでは「取引上の約束をきちんと守る」、「社長や社員の態度に問題がな
     い」といったいわば当たり前レベルのことを紹介してきました。

     これらの“当たり前”を守ってくれる取引先はとりあえず信頼はできます。

     そしてこれに加え「他の取引先にはないメリットを与えてくれる」相手とは「取引
     してもよい」ではなく、「ぜひとも取引したい」と感じるでしょう。

     メリットのなかには、「同業他社に比べてコストパフォーマンスが優れている」、
     「支払い条件がよい」といった直接的なものもあれば、「社長の向上心が高く、
     話をしていてこちらも刺激される」、「最新の業界情報を教えてくれる」、「商売
     以外の話でも親身に相談に乗ってくれる」といった間接的なものもあるでしょ
     う。

     このように「だからこそあの会社と取引したい」という強い理由があれば、日常
     レベルで多少の不都合が生じても、取引先としての地位は簡単には崩れな
     い。

   5.変わったことをアピールする

     次に自社が取引先にどう映っているかを考えてみましょう。

     取引先にとって自社はぜひとも取引したいと思われているでしょうか。

     そして、そう思われるための要件を自社は本当に備えているでしょうか。

     もし、この点に不安があれば、まずはそこから変えていかねばなりません。

     また、ここで重要なのは、あくまで取引先の視点で考えることです。

     つまり会社を変えるという強い決意の下、さまざまな取り組みを行ったとして
     も、それが取引先にきちんと伝わっていなければ、相手は「あの会社は変わっ
     た」とは感じてくれないのです。

     取引先に自社が変わったことをアピールするためには、たとえば「弊社はお客
     様のためにこのように変わりました。

     その結果社員一人ひとりの行動もこのように改めました」といった文面をウェブ
     サイトや会社案内に載せたり、主要な取引先に社長名での書状を送るといっ
     た施策が有効です。

     「自社を変える」という社内改革そのものだけでなく、変わったことをきちんと伝
     えることも非常に大切なのです。

     さまざまな取り組みを行ったとしても、それが取引先にきちんと伝わっていな
     ければ、相手は「あの会社は変わった」とは感じてくれないのです。

     変わったことをきちんと伝えることも非常に大切なのです。

  □社員の改革意識を高める

   会社を変える目的はもちろん取引先のためだけではありません。

   社員が生き生きと働き、待遇や能力を向上させていくことも大きな目的です。

   社長がこのような決意をもって「変わる宣言」をしてもうまくいかないことが多いのは、
   おもに3つの点に理由があります。

   1.目的やメリットが社員に十分に伝わっていない

     社長は、社内でもっとも危機意識が高い人間です。

     したがって、誰よりも強く「変わらなければ」と考えています。

     しかし、残念ながらほとんどの社員はそのような高い危機意識をもっていませ
     ん。

     なかには「経営が苦しくなっても、上層部が何とかしてくれるだろう」という依存
     心の強い社員もいるでしょう。

     また、社長は社内でもっとも会社をよくしたいと思っている人間です。

     現状に甘えることなく、会社の業績、経営体質、社風などあらゆる点を高めて
     いきたいと常日頃から考えています。

     しかし、ここでも多くの場合、社員との間に温度差が生じています。

     「現状でも十分会社が回っているのだからこのままでよい。

     会社を変えるのは大変そうだし面倒だ」と感じている社員もなかにはいるかも
     しれません。

     冒頭でも述べましたが、

      社長が「我が社を変える」という決意をしたときには、
      何のために会社を変える必要があるのか(理由と目的)、
      そして変わった結果どのようなメリットがあるのかを社員たちに十分に
      理解させる

     ことがもっとも大切です。

     改革に失敗しているケースの多くが「変わるために何をする、あるいは何をし
     てはいけない」という手順のみが強調され、そもそもなぜ改革をするのかという
     ことを社員に十分に説明していない、あるいは説明はしているがうまく伝わっ
     ていないということが非常に多いのです。

     このような状態のなかでは、社員たちは改革のための苦労をたんなる苦痛に
     しか感じません。

     何のために改革するのか、改革の克にあるものは何かをわかっていないから
     です。

     社長はこの点を十分に留意し、ことあるごとに社員に説明し、また勇気づけて
     いかなければなりません。

   2.既得権益を守ろうとする古参社員の抵抗が大きい

     二代目社長が先代から会社を引き継ぎ、「さあこれから」と改革に取り組む際
     などに起こりやすいのがこのケースです。

     自分以外の役員たちは全員年上で、意見さえまともに聞いてくれないというこ
     ともあります。

     本来であれば、先代社長から引き継ぐ際にこの種の問題をクリアにしておくべ
     きですが、今さらそのようなことをいっても仕方ありません。

     この場合の対処法は、とにかく粘り強く古参社員たちを説得していくことです。

     自分が先代から引き継いだ会社をどのような会社にしたいのか、そのために
     はどのような改革が必要なのか、さらに古参社員たちにどのような役割を果た
     してほしいのかといったことを、情熱をもって話す以外ありません。

     そしていくら説得してもダメだと判断せざるを得ない状況になったら、一時金を
     上積みするなどして退職してもらうことも真剣に考える必要があります。

     会社の黎明期を支えてくれた古参社員には気の毒な気もしますが、会社は変
     わり続けなければ、存続することはできません。

     一定の段階で最後の決断をする必要があります。

     そして、このことは若手社員に社長の決意の固さを示すことにもなり、その後
     の改革に向けた原動力にもなるはずです。

    3.旗振り役のはずの社長自身がじつは変わっていない

      社内改革の旗振り役である社長は、当然ながら自分自身が率先して変わっ
      ていく必要があります。

      そして自分が変わったことを社員に言動ではっきりと示す必要があります。

      多くの場合「自分が100変わった」と思っていても、周囲には「やっと30くらい
      変わった」としか受け止められていないものです。

      特に社長が変わったと認めることで、自分が変わらないことの言い訳を失う
      社員は、些細なことを取り上げて「社長も変わっていないから」などと強調し
      がちです。

      社長の「我が社を変える」という決意は、それ以上に「自分自身を変える」と
      いう決意と一対でなければなりません。

  □会社を変えるためのステップ   

   1.まずは経営理念・中経の確認、見直しを行う

     ここまで述べてきた「会社を変える」ということは、会社のあり方そのものに影
     響を与えるものです。

     したがって会社の憲法ともいえる「経営理念」やその実現のための手引き書で
     ある「中期経営計画」(以下、中経)などとセットで考えることが大切です。

     「会社を変える」ことによって会社として最終的にめざすべき姿も変わるのであ
     れば、必要に応じて経営理念も修正しなければなりません。

     もちろん経営理念は簡単に修正すべきものではありませんが、会社改革の方
     向との整合性は保っておく必要があります。

     また、経営理念を修正するとなれば、当然中経も見直す必要が生じるでしょう。

     このように、会社を変えるための第一歩は経営理念や中経も含めて会社改革
     の必要性・方向性など社長自身の基本的な考え方をしっかりと固めることです。

   2.「改革宣言書」を作成する

     上記のような基本的な考え方がまとまったら、それを明文化する前に幹部陣
     や場合によっては若手の有志も集めた改革に向けた検討会を行うとよいで
     しょう。

     これが後の「社内改革推進委員会」の母体となります。

     そこでは社長の感じている危機感や具体的にどのように変わりたいのかを十
     分に説明します。

     また、経営理念などを修正する場合には、ここで社員たちの意見を十分に聞
     いておくことが大切です。

     さらに社員たちへの直接の影響や担ってほしい役割などについても認識を共  
     有しておきましょう。

     そして、全社員に向けて説明するための「改革宣言書」を作成します。

     宣言書には次のような内容を盛り込む必要があります。

      ・改革の決意をするに至った経緯、理由

      ・どのような姿をめざして改革するのか

      ・社長たちにどのようなメリットがあるのか

      ・取引先や世の中全般からの評価はどうなるのか

      ・実現に向けた大まかなスケジューリング(改革内容にもよるが1〜3年間程
       度)

      ・改革推進委員会を中心とした役割分担

   3.改革宣言をする

     宣言書が完成したら全社員を集めた場でそれを宣言します。

     その際にはたんに宣言書を読み上げるのではなく、社長自身が自分の胸中を
     熱く語りかけましょう。

     また、一方的に伝えるのではなく、社員からの意見にも耳を傾け認識を共有
     し、ともに会社を変えていく仲間としての連帯感を醸成することも大切です。

     また、状況によってはこの段階で宣言書を取引先や金融機関などに送付し
     て、自分たちの改革意欲をアピールすることも有効でしょう。

   4.実際の改革に取り組む

     宣言書に盛り込んだ大まかなスケジューリングを部署ごとの行動計画にまで
     落とし込み、実際に活動をスタートさせます。

     その際には、実際に改革がどの程度進んでいるかを把握するために、できる
     だけ目標を数値化しておくことが大切です。

     そして、改革推進委員会が定期的に全社の進捗状況をチェックし、全社員に
     状況を報告します。

     この際に忘れてはならないのが、社長自身の改革計画・進捗状況もオープン
     にして、社長の決意と実際の行動を全社員に知ってもらうことです。

     これによって多くの社員は「自分自身ももっと変わらなければ」という思いを強
     めますし、一部の改革に否定的な社員を言い訳のできない状況に追い込むこ
     ともできます。

     ここでもっともしてはいけないことは、改革に着手したもののいつの間にか活
     動が止まってしまい、進捗把握もされなくなる、といういわゆる「なし崩し」の状
     態になることです。

     予期せぬ事情によって途中で改革のスケジュール変更が余儀なくされたとし
     ても、最後まで粘り強く活動を行い、最後の「改革完了宣言」にまでつなげるこ
     とが大切です。

   5.改革完了宣言を行う

     苦労の末、改革が完了したと判断できたら改革完了宣言を行います。

     その際には「我が社は社員たちの努力によってこんなに素晴らしい会社になっ
     た」と改革できた点を全社員で確認し合い、同時に社員たちの労を最大限ねぎ
     らいましょう。

     このような改革を一度経験した社員は、会社との一体感、会社をよくしたいと
     いう思い、自分自身が変わることの大切さなど、どれをとっても意識が大きく向
     上しているはずです。

     さらなる会社への貢献や本人の成長に向けた期待の言葉を贈るとよいでしょ
     う。

     また、取引先に対しては前述のように「我が社は生まれ変わりました」というよ
     うな書状を送って積極的にアピールすることも有効です。

    あなたもすでにご存知かもしれませんが、仕出し弁当業で有名な「玉子屋」について
    掲載してみました。

   私も10年以上前から、この「玉子屋」の菅原社長(現会長)の社是を肝に銘じてきた
   一人です。

   「玉子屋」は昭和50年に設立された仕出し弁当業です。

   この会社はカンブリア宮殿でも取り上げられた、人材も理念もユニークで、コンビニ
   などの毎日のお弁当廃棄率が約2〜3%といわれる中、玉子屋では0.1%と、効率
   良く、無駄が無い、突出した会社です。

   あなた自身に当てはめ、噛み締めてみてください。

   社是「事業に失敗するコツ」

    1.旧来の方法が一番よいと信じていること

    2.もちはもち屋だとうぬぼれていること

    3.ひまがないといって本を読まぬこと

    4.どうにかなると考えていること

    5.稼ぐに追いつく貧乏なしとむやみやたらと骨を折ること

    6.良いものはだまっていても売れると安心していること失敗2.jpg

    7.高い給料は出せないといって人を安く使うこと

    8.支払いは延ばすほうが得だとなるべく支払わぬ工
      夫をすること

    9.機械は高いといって人を使うこと

        10.お客はわがまますぎると考えること

        11.商売人は人情は禁物だと考えること

        12.そんなことはできないと改善せぬこと


  ■変われない経営者のタイプ

  □認識不足

   一番多いタイプが、この「現状の認識不足」のタイプです。

   自社の状況を客観的に見ることができないので、会社や会社を取巻く状況が厳しくても
   現状を正しく認識できておらず、危機感もありません。

   当然、変わらなくてはならないとは思っていません。

   どうみても会社の業績が悪く、業界環境も明るい見通しではないのに、「当社の業績は決
   して悪くない。

   業界だって今後良くなるはずだ」と根拠もなく思っている経営者です。

  □勉強不足

   勉強不足の経営者は多いものです。

   例えば、損益計算書は理解できるが、貸借対照表が理解できず、実質債務超過なのに
   「黒字だから問題ないだろう」と言っていて、会社の状況を正確に捉えていなかったり
   するのです。

   そして、銀行の融資姿勢が厳しくなると銀行批判をしているのです。

   自社に原因があると感じず、資金繰りが厳しくなって急に慌てたりするタイプです。

   また、勉強不足のため業界の動向や顧客の嗜好の変化を感じとれずに、今までと同じ
   ことをやっていればいいと考えており、業績不振の原因を景気のせいにしている経営者
   です。

  □現状逃避

   業界環境や自社の収益状況が厳しいことは認識しているが、それを正面から認めて対応
   しようとしない経営者です。

   そのため、大きな改革をせずに自分の目先のことだけをして過ごしており、根本的な解決
   ができていないのです。

   忙しい、忙しいといいながら経営者が本来やらなければいけないことをしておらず、一
   社員と同じような仕事をしています。

   会社をどうしたいのか、自分や社員がどうなることを望んでいるのかなどの将来的な絵が
   描けないのです。

   特にオーナー会社では親子間の問題が起きているときに多く見られます。

   二代目経営者が創業者(父)の会長の考えに問題があるのに、会長に直言できず、変え
   ることから逃げて現状維持で良しとしているケースは多々見られます。

  □過去の成功体験の呪縛

   今までのやり方で成功してきたため、現状を変えることができないタイプです。

   今まではこれでうまくいっていたのだから、このままで大丈夫と思っていて、このまま
   がんばればなんとかなると考えています。

   自分ですべてをやらないと気が済まないタイプで、当然、人の言うことには耳を貸しま
   せんし、人に任せることができません。

   自分の会社の規模が小さく急成長の過程にあるときは良いのですが、一定以上の規模
   なったときには会社を運営しきれなくなります。

   当然、優秀な社員は残りませんし、人も育っていません。

   変わるということは非常に難しいものです。

   特に今までがんばってきた経営者などは過去を否定されるようでとても嫌がります。

   しかし、会社の業績を好転させたり、更なる発展
   をのぞむためには、会社が変わらなければな社長.jpg
   ないのです。

   そのために経営者が変わらなければなりません。
   
  ■知識を知恵に変える

   経営者の知識の豊富さに感服することが多々
   あります。

   そして、読書、セミナーへの参加といった知識
   欲が旺盛なのです。

   「目からウロコの内容だった」「大変参考になった」
   といったコメントを多数聞きます。

   しかし、残念なことがあります。

   それは、知識を知識として留めておくことです。

   教育や研修の機会に恵まれ、ビジネス書を読み漁っていながら、なぜ実際の経営を変え
   ることができないのでしょう。

   事業経営に知識を生かすには、知識を行動によって知恵に変えなくてはならない。

   これができないことで、教育や研修がその場限りの自己満足に終わってしまい、1ヶ月も
   すると元の自分に戻ってしまっているのです。
   
  □知識を実行に移せない

   ○言葉を行動と錯覚している
    問題点を話し合っただけで、仕事をこなした気になってしまい、これが知識を実行
    するための障壁になっている。

    何をすべきか議論する、行動計画を練る、データを収集し、分析する。

    これらは行動へのステップであるが、これだけでは足りないのです。

    計画を立てただけでは目標達成はできないのです。

    だれかがなんらかの行動を起こさなければならない。

    しかし、話し合うだけで、実際に行動したと錯覚するトップや責任者がなんと多い
    ことか!

    もちろん、初めに言葉がなければ行動は起こせません。

    組織は言葉がなければ、知識やノウハウを共有できず、活性化できません。

    企業が行動を起こすためにも、

    まず目標を設定(Plan)し、それを具体的な行動計画に落とし込む。

    そして、行動を指揮・命令(Do)する。

    途中で成果を測定・評価(Check)する。

    必要に応じて修正を加える(Action)

    計画を練り、実行し、チェックし、修正していく(PDCA)、一連のサイクルが終わっ
    たら、反省点を踏まえて再計画へのプロセスへ入り、次期も新たなPDCAサイクルを
    進める。

    今ではPDCAサイクルは当たり前に見聞きしますが、言葉だけ知っていても実行に
    移さなければ、知らないに等しいのです。


   ○やらない理由を見つける
    「やらない理由を見つける」だけで、「なぜできないのか」から「どうすれば実行でき
    るか」への転換を図らない。

     知識を行動に移せる組織とそうでない組織には、どんな違いがあるだろうか?

    限られた企業にだけ、優秀な人材がそろっていたのだろうか? 

    そうではありません。

    違いは組織の文化であり、日常の経営にあるのです。

    知識を生み出し、伝え、それに基づいて行動することを高く評価する組織体制があ
    り、それを実践する仕組みがあるのです。

    記憶・経験に頼らず、きちんと考える組織にするには、三つの方法があります。

     1.既存の組織のままで過去のやり方・考えをやめる

     2.新しい組織をつくる  

     3.初めからむだなルールや、形式的なやり方をつくらず、過去の勘と経験に頼
       った行動を許さない組織をつくる

    ○いいかげんな評価方法をやめる
     ・上司は悪い知らせを伝えた人を評価し、各種報酬を与える。

     ・行動して成功しなかったことではなく、行動しないことが深刻な失敗であり、
      行動しなかったことを罰するべきです。

     ・リーダーも率先して自分の失敗を語り、失敗から学んだことを話す。

     ・オープンなコミュニケーションを奨励する。

    ○無意味な評価システム
     ・問題を生む評価
     ・目先の利益を追う
     ・複雑すぎる
     ・結果ばかりを重視してプロセスを評価対象にしない

    ○知識を行動に変える評価方法
     ・全体を見渡す評価であり、組織活動は相互に依存し合っているので、個々
      の評価はしない。

     ・プロセスの過程や、結果に至る活動を評価してあげることで知識が深まり、
      そこから得た情報が、組織としてのノウハウとなる。結果だけの査定からは 
      何も生まれない。

     ・自社のビジョンを反映した評価であること。
      各社(店)それぞれ文化が違うように、評価もそれぞれに違って当然である。  

      価値観を守っているか、採用された人材は定着しているか、協調して仕事をし
      ているか、などを評価。

  ■経営者が変わる

  □自社の状況を客観的に観る

   まず、自社の置かれている状況を客観視することが重要です。

   自分の思い入れや過去の慣習から離れて、一歩退いて観ることが重要です。

   自社を取巻く状況と自社の強み弱みを客観視して、自社を冷静に評価しましょう。

   そうすることによって、これからどうすればよいか、どうしていくべきかが見えてき
   ます。

  □周りの意見を素直に聞く

   自社を評価する時に、周りの評価を聞くことが重要です。

   社員は経営者に対して正直な意見は言えないものです。

   社員に直接聞くよりも、自分の家族や友人に素直な感想を聞いたり、仕事関係以外の
   経営者の話を聞いたりするのが良いでしょう。

   耳の痛い話をしてくれる人の存在が必要です。

  □目標を明確にする

   自分がどうありたいか、どうなりたいのかを明確にし、それを実現する為の目標を短期
   ・中期で設定します。

   目標を達成するために今何をしなければいけないかをじっくりと考え、明確にします。

  □自分の小さな行動を変える

   まず、自分の行動を変えてみましょう。

   自分の行動を変えることにより意識も変わってくるのです。

   大きなことからでなく小さなことから変えましょう。

   散歩を始めたり、日記をつけたり、自宅での行動や家族との対話を変えるなど、今まで
   の習慣を変えててみてはどうでしょうか。

   些細なことから変えていくことにより、変わることへの抵抗が少なくなり意識も変わって
    くるでしょう。

  □変わることを宣言する

   自分で変わることや会社を変えることを宣言しましょう。

   自分や会社をどのように変えるかを明確に示すのです。

   宣言することにより逃げられなくなり、自分を追い込むことができます。  

   そうなると変わらざるを得なくなります。

   現状を変えたいと感じていたり、変えようとしているのであれば、まず経営者自身が変わ
   ることです。

   経営者が変われば会社は大きく変わるでしょう。

   会社が生き残っていき、発展していくためには、市場の変化にいかに適応させることが
   できるかにかかっています。

   そのためには、経営者が市場の変化を敏感に感じ取り、会社の強みを市場に適応させ
   ていかなければなりません。

   特に業績の低迷している会社や急激に成長した会社では、市場の変化に対応できてい
   なかったり、経営者が今までの考えから抜け切れないで成長が止まっている場合が多い
   のです。

   今では経営者が変わることが、会社が生き残る条件ともなっています。

   変わることは勇気が必要です。

   しかし、変わらないリスクよりも変わるリスクの方が低いのです。

   どうしても自分(経営者)が変われないのであれば、「経営者を代わる」ことも必要
   となるでしょう。

   それが会社の将来のためになることは確かです。

   しかし、経営者を代わることは現実的ではないでしょう。

   あなた(経営者)が変わるしかないのです。

  □社長が変われば会社は変わる

   ・変化し続けないと会社は生き残れない

   ・変わるリスクは意外と低い

   ・勇気を持って自ら変わろう

   ・変われなければ“代わる”しかない

   ・あなたが変われば会社は変わる


   会社はなかなか変われないのが実情ではないでしょうか。

   会社を本気で変えるには、まず社長であるあなたが変わらなければなりません。

   なぜなら、会社は社長がすべてであり、会社は社長の考える形にしかならないから
   です。

   会社は人の集まりであり、社員はあなたの発言や行動を良く見ており、社長の考えて
   いる方向に向かって行動します。

   社員の行動は、あなたの考えを体現しているといえるのです。

   会社を変革させ、風土を変え、業績を回復させ、会社を更に成長させていくためには
   社長が変わらなくてはならないのです。

   まず、あなたが変わることが大切なのです。

   自分は変わろうとせず、社員にだけ変化を要求しても社員は受け入れてくれません
   し、会社も変わりません。

   自分が変わらなければ会社の業績も回復することはないのです。

   変化を恐れずに変わるチャンスは今しかありません。

   あなたが変われば会社も変わるのです。

   会社はあなた(経営者)しだいです。

 

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環境変化に対応するための分析手法

           

環境変化に対応するための分析手法

  ■SWOT分析

   1.環境分析の項目

     企業などの環境分析手法のひとつにSWOT(スウォット)分析があります。

     SWOT分析では企業を取り巻く環境を2つの視点から分析していきます。

     つまり、

      ヒト、モノ、カネ、情報に代表される、会社のなかにある経営資源
      (=これを内部環境と呼びます)

      経済、法律、政治、文化、自然などの、会社の外から会社を取り
      巻いている社会環境(=これを外部環境と呼びます)

     の2つの視点から分析するのです。

     一般的には、内部環境の分析で限られた人材、資金、商品力、情報量につい
     てそれをいかに効率的に利用する(どこに重点的に資汲を投入する)かを明ら
     かにします。

     内部環境となる対象は、

      「ヒト」は経営者、従業員などの人的資源

      「モノ」は自社の扱う商品、原材料、不動産、生産設備、機械などの資源です
      が、商品力が大きな柱です。

      「カネ」は資金調達力、自己資金、内部で積み立てた過去からの利益など

      「情報」は、ホームページでの情報収集、システム機器の導入を行っている
      か、顧客情報、競合状況、市場状況などをしっかりと把握しているかなどが

     重要です。

     一方、外部環境となる対象には、たとえば、人口動向(人口の減少・増加、男
     女比率、年齢層の分布、学歴、人種構成など)、経済(景気状況、金利水準、
     為替水準、公共投資金額、所得水準など)、政治(政府、法律、自治体など)、
     自然(環境、天候、天然資源、大気など)、文化(流行、価値観、ライフ・スタイ
     ルなど)、技術(先端技術動向、コンピュータ技術など)といった、自分の力では
     どうしようもない社会環境(統制不可能な外部環境)があります。

     また、お客様(購買決定者は誰か、購買するプロセス、購買に影響をおよぼす
     ものなど)、供給者(仕入業者、原材料の仕入先など)、仲介業者(卸、代理店
     など)、競合企業(自社の直接の競合企業、将来競合となる可能性のある企業
     など)、利害関係者(株主の意向、金融機関、債権者、官庁、マスコミなど)と
     いった、ある程度統制可能な外部環境もあります。

   2.SWOT分析の4つの枠

     環境について内部環境、外部環境の2つの視点からとらえた後、内部環境に 
     ついては、

     自社の「強み」(Strength)と「弱み」(Weakness)の2つに整理していきます。

     一方、外部環境についても、

     「機会」(Opportunity)と「脅威」(Threat)の2つに整理していきます。

     SWOT分析とは、この4つの頭文字をとった呼び方です。

     内部環境の「強み」とは、先に分析した自社の経営資源でまさに「強い」ところ
     がどこにあるのかをみつけます。

     「弱み」は自社の経営資源の「弱い」ところです。

     外部環境の「機会」とは、自社にとって有利なビジネス上のチャンスや魅力的
     な環境変化です。

     たとえば、女性の社会進出は、持ち帰りの総菜店や半調理製品の市場にとっ    
     ては「機会」となります(百貨店の地下食料品売り場、いわゆるデパ地下の盛
     況を思い浮かべてください)。

     「機会」は追い風となる環境変化ととらえてください(SWOTのOは「追い風」の
     Oと覚えてください)。

     一方、「脅威」とは外部環境の変化によって自社の事業が「手痛い逆風」となる
     事態です。

     外部環境の望ましくない変化によって会社の業績や経営に手痛い状況を与え
     る要因を指します(SWOTのTは「手痛い逆風」のTと覚えてください)。

     たとえば、先ほどの女性の社会進出は夜7時までしか営業していない商店街
     の精肉店にとっては脅威となります。

     以上の4つの枠で分析する方法がSWOT分析です。

     具体的に例をみていきましょう、

     A社はスナック菓子を製造販売するメーカーです。

     A社の経営体質を分析するために経営幹部から課長層までにインタビューを
     行い、自社のSWOT分析を行いました。

     さらに販売先、仕入先、外注業者にもインタビューを行い、その情報を基にさら
     に詳しいSWOT分析を行った結果、以下のような意見がまとまりました。

     これらのどれがA社のS、W、O、Tであるかを考えてみます。

      1.A社はスナック菓子の新商品開発力は高く、月に2アイテムの
        新製品を発売している。

      2.スナック菓子のマーケティングは、顧客の年齢層を意識した商品
        開発がされておらず年齢層別にターゲットを絞った製品開発を
        すれば事業拡大の可能性がある。

      3.A社の営業は代理店のフォロー中心で御用聞き要素が高く提案力
        に欠ける。

      4.スナック菓子の主要市場である児童の人口が減少して市場全体
        が縮小している。

      5.旧来からの強固な代理店ルートを確立している。

      6.創立者の社長が75歳と高齢であり、意思決定に時間がかかる。

      7.海外への輸出(とくにアジア市場)が前年比10%以上の伸びで
        好調である。

      8.競合他社も多く、価格競争が激化している。

     強みと機会は区分しにくいところがあるかもしれないが、まずは自分の感覚を
     重視して分類してみてください。

     実際にSWOT分析を行うときには、たとえば、5〜6人ぐらいのメンバーで
     SWOTの各項目ごとに1人5〜10項目をあげていき(これで30〜60項目は出
     てきます)、それを整理しながらまとめ上げていく方法が一般的です。

     この方法をとると、参加者の共同作業意識が高まり、SWOT分析の客観性も
     高まります。

     A社のSWOT分析例(8つの分析)はどのようになりましたか? 

   3.SWOT分析

     SWOT分析では、これは必ず「強み」だ、これは必ず「弱み」だということはあり
     ません。

     一般に「強み」と「弱み」は背中合わせであることが多くあります。

     たとえば、全国ネットの強力な修理体制を敷いているメーカーにとって、この修
     理体制は一般には「強み」ですが、過剰なサービスを提供しているとするとコス
     ト面から考えて「弱み」となる場合もあります。

     また、3年前に強みであったからといってそれが現在も強みであるかどうかわ
     かりません。

     たとえば、焼肉店で「和牛」を売り物にしていた場合、その高級感が「強み」で
     あったでしょうが、狂牛病という「手痛い逆風」によって「和牛」が「弱み」になっ
     てしまった時期もあったのではないでしょうか。

     「強み」にも「弱み」にもなる項目については両者に分類しておくことです。

     無理やりどちらかに絞ることは重要な観点を捨ててしまう可能性があるので避
     けましょう。

     また、「追い風」「逆風」は時代の流れ(たとえばトレンドの変化、新しい法律が
     施行されたなど)で変わっていきますので、定期的に見直すことも必要になり
     ます。

     まさにその見直しが環境変化に対応するコツとなります。

   4.SWOT分析から導く戦略

     さて、SWOT分析で4つの枠それぞれに項目が記入したら、次に、このSWOT
     分析表から、 

      ・自社の「強み」をどのようにいかして「追い風」に乗っていく方法があるか

      ・自社の「弱み」を、「追い風」を利用して克服できないか

      ・自社の「手痛い逆風」を「強み」を利用していかに克服するか

     を検討していきます。

     A社の例でみていきましょう。

     まず自社の「強み」をいかし「追い風」に乗っていく戦略です。

     「強み」のなかに「商品開発力がある」という項目があるので、これをいかし「追
     い風」のなかの「年齢別にターゲットを絞った商品開発の可能性」を利用します。

     すると、商品開発力をいかして年齢別のターゲットを絞った商品を開発すると
     いう戦略が浮かんできます。

     さらに、自社の「弱み」を克服する戦略としては、「御用聞き」的な営業を克服
     するため海外市場の拡大を利用して海外に提案営業を行える営業力の強化
     という戦略が見えてきます。

     「手痛い逆風」を克服するためには、たとえば「競争激化」に対応するため商品
     開発力をいかした新商品を高価格で発売する戦略が考えられます。

  □SWOT分析のヒント

   1.内部環境分析の視点

     SWOT分析の一般的なやり方は前項で説明しました。

     実際、自社でSWOT分析を行う際には、あまり堅苦しく考えずに行ったほうが
     よい結果が出ますが、ここでは、内部環境、外部環境について具体的にどの
     ような視点からとらえていけばよいのかを、より具体的にみていきます。

     まずは、内部環境についてです。

     先ほど内部環境はヒト、モノ、カネ、情報がその対象であると述べたが、どのよ
     うな点に注目していけばよいのでしょうか。

     (1)ヒトを分析する視点

       まずはヒトです。

       人的資源ですから経営者、従業員が対象となります。

       経営者の経営知識、経験、従業員の商品知識(たとえば、酒販店の従業員
       に日本酒やワインに対する商品知識がある、青果店が珍しい野菜の調理
       法を知っている、といったことは重要な強みです。

       自社の商品だけでなく業界の動向に詳しい、商品をコーディネートできる力
       がある、などもあげられます)。

       メーカーであれば熟練した技術力、あるいは最新鋭の機械を使うためのノ
       ウハウ、自社商品の商品知識などがヒトを分析する視点となります。

       また、あの従業員は「声が大きくいつも元気だ」「人柄が明るい」といった項
       目も対象にしていきます。

     (2)モノを分析する視点

       次はモノです。

       自社の商品は他社と比べてどこが優れているのか、どこが見劣りするの
       か、それを分析していきます。

       たとえば、食品関係では、自社で生産する食肉はその生産地、飼料まで情
       報を把握している、生産者から直接仕入れており生産者の顔がみえる、な
       どが強みになります。

       自社にしかない商品、あるいは自店にしかない商品(=たとえばプライべー
       トブランド)も強みにつながります。

       自分たちのモノ(製品、商品、サービス)はどこにこだわっているのかが基
       本的な「強み」につながりますし、こだわりが足りない部分、競合他社に負
       ける部分が「弱み」となります。

     (3)カネを分析する視点
       カネは、簡単に考えれば資金があるかないかですが、そればかりではあり
       ません。

       担保力のある資産をもっているか否か、借金できる力があるか、さらには、
       資金計画を作成しているか、キャッシュフロー計算書を作成しているか、経
       営目標を数値化しているか。

       また、事業計画書、中期経営計画があるかといった経営管理能力も視点
       のひとつとなります。

       不動産などの「担保」で資金調達するだけではなく「事業計画」がきちんと
       作成されているかといった将来性も重要な融資条件となっているためです。

     (4)情報を分析する視点

       内部環境の最後は情報です。

       情報の分析となるとシステム導入の状況やインターネットを利用したeコ
       マースの実施状況などが注目されます。

       もちろんこれらの項目が視点の中心になりますが、たとえば、顧客情報を
       もっているか、業界情報を注意して入手しているか、自社の売上の関連指
       標(たとえば、住宅産業にとっての新規住宅着工件数など自社の売上に影
       響をおよぼす指標)がわかっているか、といった基本的な部分も重要です。

       たとえば、顧客リストが100人分あり、そのお客様ごとの購入費目、金額、
       業務内容、今後の成長方向、購買のキーパーソン、今後の提案方向など
       がしっかりと把握されていることは、大きな強みとなります。

       内部環境に関しては、上記のような視点で分析していけばよいでしょう。

       繰り返しになりますが、あまり堅苦しく考えずに実施してみましょう。

   2.外部環境分析の視点

     次に、外部環境分析の視点をみていきましょう。

     ただし、外部環境は業界、時代によって大きく変わっていきますのでこんな視
     点があるという例をあげてみます。

     (1)業界の状況

       自社の属する業界の状況を分析する視点として、構造(Structure)、成果
       (Performance)、環境(Environment)、運営(Conduct)の4点があげ
       られます(それぞれの英語の頭文字をとってSPECという呼び方をします)。

       ●構造
        その業界の企業数、マーケットシェア、参入障壁(その業界に参入
        しようとするとき、たとえば行政の免許がいるなど参入しにくくして
        いるもの)などの「対象業界」の分析を行います。

        次に、原材料供給者の業界での影響力や力関係、お客様との取引
        上の力関係、現在は競合ではないが競合になりそうな参入可能性
        の高い企業の有無、直接には競合品でないが代替品となる商品の
        4つに関する「関連業界」の分析を行います。

       ●成果

        市場規模、市場成長率、利益率、製品別市場規模などの「活動成果」
        とその市場の平均企業の総資産、従業員数、従業員の平均年齢など
        の「投入資源」の2点を分析します。

       ●環境

        ここでは、「社会トレンド」(先端技術の動向、産業構造の変化、国際
        状況、為替状況、人口動態など)および「社会規制」(法律、法改正
        の動向、環境対策、行政指導など)について分析を行っていきます。

       ●運営

        ここでは、どのような仕組みでそのビジネスが成り立っているかを
        分析します。

        その業界で「勝ち残るためのキーポイント」を分析します。

        たとえば、医薬品業界は研究開発がキーポイントですし、シャンプー
        や歯磨きのようなトイレタリー商品は広告宣伝力がポイントです。

        さらに「業界独自のルール」(契約形態、支払サイト、価格の決め方など)
        を分析します。

     (2)トレンド

       次に、外部環境での続行を押さえる視点を考えてみましょう。

       時代とともに移り変わるものですが、昨今の特徴として以下のような視点が
       あります。

       ●女性の社会進出

        女性が職業をもち、家庭にこもることが減ってきています。

        この減少があなたの会社の事業に影響を与えていませんか? 

        たとえば、働く女性を意識し深夜まで営業している託児所にとっては
        「追い風」ですし、夕食の負担を楽にするため総菜の利用が増え総菜
        業界にとっても「追い風」ですが、夕方7時には店を閉めてしまう商店
        街の食品店には「手痛い逆風」です。

       ●国際化

        親会社の中国への生産移管、低価格商品の輸入、情報・流行の国際
        化、海外旅行の日常化、外国人労働者の増加など、国際化もさまざま
        です。

        外国人労働者の増加により特定国の物産を扱っている商店にとって
        「追い風」となることが考えられます。

        中国からの低価格化など「手痛い逆風」が吹き荒れていますが、「中国
        市場」という「追い風」も考えられます。

       ●高齢化

        日本は世界有数の高齢化社会です。

        健康産業や看護・介護産業成長の基盤です。

        他業界においても高齢化社会は何らかの影響をおよぼしている
        はずです。

        たとえば、建築業界においてはバリアフリー化工事が標準化の
        現象が見られます。

       ●少子化

        子どもの数が絶対的に減少しているなか、学校経営は厳しい「手痛い
        逆風」にあります。

        大学の全入可能な時代に備え、生き残りのための差別化を図って
        います。

        一方、子どもの絶対数は減少していますが少子化ゆえに大切にされ
        親、祖父母の6人が子どもにお金を使うことから「6ポケット」といわれ
        る傾向があり、これを「追い風」にしている会社もあります。

       ●余暇時間の増加

        週休2日制、振替休日制度などで余暇時間は確実に増加しています。

        旅行や趣味に費やす時間が増えるなか、消費にも変化が起きています。

        あなたの会社にどのような影響をおよぼしているかを分析していき
        ましょう。

       ●価値観の多様化

        消費者、生活者の価値観が多様化し、大量生産型の製品だけでは
        満足しない層が現れています。

        自分だけという自己表現を満足させる工夫が必要になってきています。

        消費者の多様な要求にどのように応えていくのかも大切な分析の視点
        です。

        ほかに、SPECの分析と重なりますが、景気動向、法律の改正や新法の
        施行、環境問題、政治動向などを視点として分析していきます。

   3.SWOT分析の実例

     SWOT分析の方法については理解できたことと思います。

     SWOT分析でのキーポイントは自社の「強み」が何であるかをしっかりとつか
     むことです。

     どのような例があるかをみていきましょう。

     (1)蜂蜜店

       もともと東京都世田谷区で養蜂業を営んでいた経営者が蜂蜜および菓子
       の販売をしている商店です。

       この店の「強み」はなんといっても蜂蜜に関する専門的な商品知識です。

       花別のオリジナル蜂蜜が30種類あり、それぞれの特徴や説明を記載した
       パンフレットが用意されています。

       たとえば、紅茶に入れるならミカンの蜂蜜、シナモントーストに合うのはそば
       の蜂蜜だそうです。

       養蜂業を営んでいたからこそ知り得た蜂蜜の情報がこの店の「強み」です。

       「弱み」としては土地柄から店舗の規模が限られる、賃貸料が高いなどが
       予想されます。

       一方、外部環境では「追い風」として健康ブームがあります。

       健康志向の女性客が砂糖を使わない蜂蜜入りの菓子に注目しています。

       「手痛い逆風」としては、ほかの健康食品店舗の進出などがあげられます。

       健康ブームという「追い風」を利用して自己の強みを活かす経営スタイルが
       見えてきます。

     (2)食肉店

       食の安全が注目されるなか自社のブランド牛を使用した商品開発に力を入
       れています。

       静岡県の朝霧高原で飼育した「朝霧放牧豚」や「朝霧牛」を使用した特産肉
       を販売し、生産地、飼料などの情報を把握しています。

       ハム、ソーセージなどの自社オリジナル商品の開発も行っています。

       この会社の「強み」は自社育成の安全な食品の提供です。

       食の安全に対する「手痛い逆風」となりかねない動きを「追い風」に転換し
       ています。

       自社のオリジナル商品という「強み」を活かし肉製品の安全性を明確にす
       ることで食品に対する安全性を求める消費者の要望という「追い風」に乗る
       ことができました。

       もちろん安全性が話題になる前から少々高くても品質のよいおいしい食肉
       がほしいという消費者のニーズに対応していることが基本的な「強み」と
       なっています。

     (3)酒販店

       酒の楽しみを提供することができるという「強み」を核にして経営を行ってい
       ます。

       酒販免許の規制が緩和されるという一般酒販店にとって「手痛い逆風」が
       吹く環境下、この東京郊外の酒販店はお客さまに説明が必要な日本酒や
       ワインの知識を「強み」として活用するとともに酒文化を提供することが酒
       屋の生き残り戦略であると環境を読み取り、酒を売るだけでなく、ロシア民
       謡を聴きながらウオッカを楽しむ会や、フランス料理をワインとともに楽しむ
       イベントを、地元の固定客に提供しています。

       自社の「強み」としてしっかりとした顧客リストを作成していたことも成功の
       一因です。

       お酒を飲むだけでなく関連の文化や楽しい時間を過ごしたいという消費者
       の価値観の多様性と時間消費型サービスの要望という「追い風」をうまく利
       用しています。

     (4)化粧ブラシメーカー

       広島県の熊野地方は書道用毛筆の生産地で有名な地域です。

       この広島県に毛筆の製造技術をいかし、女性が化粧をするとき、たとえば
       アイシャドーなどを引くときに使う化粧用ブラシの製造で世界のトップに立っ
       ている企業があります。

       歴史ある毛筆の製造技術を「強み」として活かし、毛筆需要の減少という
       「手痛い逆風」が予想される状況でそれを克服し新たな製品開発に成功し
       た事例です。

       自社の製品、技術が流行から遅れたと嘆くだけでなく、自社の技術の「強
       み」を明確にして環境変化のなかの「追い風」を探すことも大切です。

     (5)ゴーグルメーカー

       目を守る技術に自社の「強み」をみつけ発展している会社が、スキーゴー
       グル市場で50%のシェアをもつ大阪のゴーグルメーカーです。

       もともとこの会社は眼鏡レンズ加工の会社であり、防塵眼鏡、保護眼鏡な
       ど「目を守る」技術で伸びてきた会社でしたが、一般用を狙い自社の「強
       み」をいかしてスポーツ分野へ進出し、スキーゴーグルで高い評価を受け
       ました。

       しかし「手痛い逆風」も吹いてきます。

       それは、スキーブームの衰退です。

       スキー人口は減り、市場規模は半分以下に縮小しました。

       そのような環境を抜け出す戦略は「強み」である 「目を守る」技術を利用し
       た新たなスポーツ分野への進出でした。

       水泳用のゴーグルや野球で使用するゴーグルなどの新商品展開を行い、
       水泳用ゴーグルで60%のシェアを占めるまでに成長しています。

       自社の「強み」をしっかりと押さえて「手痛い逆風」に対応している企業の戦
       略がみえてきます。

  □SWOT分析で会社を強くする

   SWOT分析でわかることは自社の置かれている環境に対してどのように立ち向
   かうのかということですが、環境を分析するだけでは不十分です。

   SWOT分析を利用して会社を強くするためには、以下のフローに示されるような
   手順が必要です。

   自社の内部環境の強み、弱みを知り、外部環境の追い風と手痛い逆風」を分析し
   た後、これらの情報を利用して「自社の強みを利用して追い風に乗る方法」を中
   心に、どのような戦略がとれるかを検討していきます。

   その際に考えるヒントとなるのが上図のフローにある自社の事業額域、事業ドメイ
   ンという考え方です。

   自分のもっている資源には限りがありますから、すべてのお客様を相手に営業す
   ることは事実上困難です。

   自社の戦う領域を明確にすることが重要です。

   その領域のことを事業ドメインと呼びます。

   事業ドメインを的確に設定することが、強い会社になるための重要な方法です。

   ドメインを決定する際には次の3つのことを明確にしていきます。

   第一は「誰に」、すなわちお客さまです。

   あなたの会社のお客様はどのような特徴をもっていますか? 

   年齢、男女別、所得区分、趣味などをキーとして自社のお客様を明確にしていき
   ます。

   生産財メーカーにおいても、たとえば、自社のお客様が自治体である、売上10億
   円以下の建設会社である、関東地区で特殊な加工ができる業者である、といった
   区分でお客様を明確にしていきます。

   第二は「何を」です。

   そのお客様にどのような製品、サービス、技術を提供するのかを明確にします。

   コーヒーとともにゆったりと過ごす時間を提供する、鉄よりも軽く強い加工ができる
   プラスチック素材を提供する、情報に関する問題の解決を提供する、クリーンで安
   価なエネルギーを供給するなど、自社が社会に、お客様に提供するモノ・サービ
   スを定義していきます。

   第三は「どのように」です。

   ここでは他社とどのように差別化した方法で提供するのかを明確にしていきます。

   同じハンバーガーを提供するにしても、提供するまでの時間(スピード)を一番大
   切にして他社と差別化する方法もありますし、時間はかかっても味を一番重視す
   る差別化もあります。

   以上の3点から事業ドメインを明確に決めていきます。

   そのうえで、マーケティング・ミックスを検討します。

   一般にメーカーは「製品」「価格」「販売ルート(チャネル)」「広告宣伝」について、
   小売業やサービス業は「商品の品揃え」「価格」「サービス」「店舗」について、事業
   コンセプトにあった具体的な内容を決めていきます。

   このとき大切なのは一貫性です。

   ハイクラスなお客さまを事業ドメインで設定したのに、具体的な製品は品質よりコ
   スト重視の製品であっては、一貫性がとれません。

   たとえば高所得層をターゲットとした化粧品であれば、「製品」はその機能、たとえ
   ば保水性やお肌をつやつやにするといった機能性とブランドイメージを重視したも
   のが考えられます。

   高級感のある容器に入れ、パッケージのデザインや梱包にも気を配ります。

   「価格」は高価格とし、高級百貨店などの限られた「販売チャネル」で販売していき
   ます。

   「広告宣伝」も、たとえば高額商品の購買者をリストアップし高級感をアピールした
   案内状を送付します。

    このように、事業コンセプトを意識し、

    統一的な、一貫性のあるマーケティング・ミックスをとることで、

    あなたの会社がお客様に何を訴えたいのかが示されます。

   他社と差別化して自社の特徴を明確にする方法がここにあります。

   SWOT分析から始まり、事業コンセプトを明確にして具体的な戦略を組むことが、
   会社を強くするコツです。

   会社を強くするために、まず第一歩として社員を巻き込んでSWOT分析を実施し
   てください。

   そこであげられた項目のなかに重要なヒントと「気づき」が含まれているはずです。

 

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組織は年を重ねるごとに劣化する

         

組織は年を重ねるごとに劣化する

  ■自社の知識・ノウハウを伝承させる

   小規模な会社(組織)ほど劣化が早い。

   なぜなら日々の糧を得ることだけに目が行ってしまい、組織は個人の集団となっ
   てしまっているからです。

   組織を永続的に維持し、拡大していくためにはマンパワーに頼った経営を続けて
   いくわけにはいかないのです。

   小規模な組織体制だからこそチーム力で戦っていかなければならないのです。

   そのためには業務の標準化が欠かせません。

   劣化は少しづつ目に見えないスピードで組織を侵食していきます。

   そして組織のほころびが目に見えるようになった時には、最悪の事態を招きかね
   ない。

  □知識を見える化する

   技術を途切れず伝承させることは容易だが、創業時の理念、ビジョンはトップが
   代わるごとに薄まり、創業時の想いはたんなるお題目と化してしまう。

   企業30年説といわれるように、企業の歴史を振り返って見れば一目瞭然である。

   想いは情緒的であることで技術と比較しても長くは維持できない。

   そのためにも社員がもっている「暗黙知」のままのノウハウ、スキルを「形式知」化
   させ、組織で共有化することです。

   「暗黙知」とは経験や勘に基づく知識、「形式知」とは文章や図表、数式などによっ
   て説明・表現できる知識を言い、暗黙知を形式知化することで技術として伝承でき
   るのです。

   この抽象的な知識である「暗黙知」を見える(形式知)化する必要がある。

   それによって形式知化された知識は途切れることなく伝承することができます。

   この課題を解決しなければ、いつまでたっても勘と経験に基づいた経営に終始し
   てしまう。

   結果、いつまでたっても社長のがんばりに頼るしかないのです。

   しかし社長が頑張れば頑張るほど組織は形骸化され、赤字体質に陥ってしまい
   ます。

   組織を劣化させないためにもトップ自らが率先して業務改革を推進していくことで
   す。

   そして会社を後継者に任せられる体制整備が必要となります。

  後継者育成

   自分が社長として会社を成長させていく部分を経営人生の前半部分とすれば、経
   営人生の後半部分とは、

     安心して経営を任せることができる優秀な後継者を育成することです。

   後継者の育成は経営課題と同様に、できるだけ早い時期から緻密かつ適切な計
   画性をもって成し遂げなければならない重要な責務である、という強い認識をもつ
   ことが大切です。

   後継者育成にあたっては、可能な限り早いうちに後継者を決定し、育成を始める
   ことが大切です。

   早いうちに後継者を決めておくことで、

    ・後継者として指名された人物に自覚が生まれ、行動の変革をもたらすことがで
     きる

    ・従業員に、後継者に対する統一した見解をもたせることができる

    ・実際の後継者教育を早くから始めることができる

    ・相続対策を早くから始めることができる

   などのメリットが生じます。

   後継者を決めるのが退陣直前になった場合、

    ・後継者に経営者としての十分な心構えができていない

    ・経営に必要とされる知識が身についていない

    ・古参社員からの賛同を得られない

   という状況が生じかねません。

   また、後継者不在のままで、現社長に不測の事態が発生した場合には、重要な
   意思決定が滞り、会社存続の危機に直面する可能性もあります。

  □後継者に必要な資質

   経営者の役割は、「会社の将来的なビジョンを描き、適切な戦略を策定し、戦略
   実行のために組織を効率的に動かすこと」にあります。

   後継者がその役割を果たすための「洞察力・先見性」、「統率力」を高めていくた
   めには、
    ・経営全般に関する広範な知識

    ・豊富な実務経験

    ・ビジョン実現への情熱

   の3つの要素の習得が必要不可欠になるのです。

  □後継者育成のポイント

   1.経営全般に関する広範な知識を習得させる

     熱意と努力だけで企業経営を成功に導くことはできません。

     経営者として経営全般に関する広範 な知識が必要になってきます。

     特に顧客ニーズが細分化し、かつ変化のスピードが増す現在では、マーケティ
     ングに関する知識を習得することは不可欠となっています。

   2.豊富な実務経験を積ませる

     後継者に実務経験を積ませるためには、自社で採用して行う方法と、一定期
     間他社に勤めさせる方法があります。

     (1)自社で経験を積ませる

       後継者を自社で育てる場合のおもな狙いは、
        ・早くから自社の経営全般にかかわらせ、その勘所を学ばせる

        ・従業員に次期経営者として認知させる

       点にあります。

       なかには我が子が中学生、高校生の頃から、アルバイトなどの形で自社の
       事業に触れさせ、徐々に後継者としての自覚をもたせたり、従業員の間に
       馴染ませようとしたりする社長もいると聞きます。

       ◎社内で経験させるべき業務例

         ・子会社の社長業務

         ・現業部門の部門長業務(複数部門を経験させる)

         ・経理部門の部門長業務、決算書作成などの陣頭指揮

         ・新規事業の立ち上げと推進(不幸にして失敗した場合は撤退処理
          までやらせる)

         ・外部からのクレーム対応 

         ・従業員からの相談対応

         ・各種経営計画策定の陣頭指揮

         ・社内会議体系の整備と運営

         ・主要取引先との交渉

     (2)他社に勤務させる

       特に社会人経験のない実子を将来的に後継者として指名する場合には、 
       現社長の威光がまったく利かない他社で一定期間修行を積ませることで、 
       精神的なタフさを鍛えることも有効でしょう。

       最初から自社に入社させて教育する場合に比べて、目が届きにくいという
       デメリットもありますが、社会人のスタート段階であえて「他人の飯を食わせ
       る」ことは本人にとって貴重な経験になるはずです。

       また、他社に一定期間勤務することで、

        ・自社ではつくれないような外部の人脈がつくれる

        ・異なった分野の体験を通じて見識が広まる

       といったメリットもあります。


   3.ビジョン実現への情熱を喚起する

     (1)経営にかける情熱を現経営者自身が伝える

       後継者に現在の事業に対する使命感を身につけさせるためには、現経営
       者自身が、その事薫にかける思い入れや使命感、あるいは将来の夢を直
       接語りかける方法がもっとも効果的です。

       その際、伝えるべき内容としては、

        ・自社を将来どのような企業に成長させたいかという明確なビジョン

        ・後継者に対する信頼感

        ・事業の面白さや自社を大切にしてほしいという思い入れ

       従業員や得意先、株主に対して、ひいては社会全体に対して、確固たる使
       命感や情熱をもって経営に取り組める人物でなければ、トップとして自社を
       存続・発展させる重責に耐えることはできません。

     (2)経営理念を十分に理解させる

       後継者には自社の経営理念を確実に理解させる必要があります。

       経営理念は「自分たちはこうありたい」、「社会に対してこのような貢献をし
       たい」といった会社の存続意義を示すものであり、この認識に現経営者と
       後継者の間に少しでもズレがあると、事業承継後に会社が現経営者の意
       図しない方向に進んでしまう可能性が高くなります。

       経営理念にはそれを策定した現経営者の信条、人生観などが色濃く反映
       されています。

       特に「創業の経緯、当時の時代背景」、「事業や従業員に対する社長の思
       い」、「これまで直面した危機とそれを乗り越えられた理由」、「理念実現の
       ために自分が日頃から気をつけていたこと」などについては詳しく説明すべ
       きでしょう。

       さらに経営理念はひとつの考え方として理解してもらうだけではなく、後継
       者にそれを事業運営における唯一無二の価値基準として実践してもらう必
       要があります。

 

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