家業的経営から企業経営のための経営体質強化

         

          経営体質の強化は家業的経営を企業経営に転換


  ■経営とは会社の体質(営業力を強化)すること

   □会社は10年で8割が倒産する
    人間同様、企業にも寿命があり、過去には企業30年説と言われていたが、今では
    その寿命も短くなり、新しく設立された会社の8割は10年以内に倒産するといわれ
    ています。

    景気の波や取引先とのアクシデントなどさまざまな問題をクリアして10年間会社を維
    持させることは、それ程大変なことなのです。

    これは現時点で存在する会社においても、まったく同様です。

    創業間もない頃に比べると業績は拡大しているかもしれませんが、業績が拡大して
    いる分だけ、多数のリスクを抱えているということもできます。

    また、経営環境は刻一刻と変化しており、極端な言い方をすれば、明日突然に、
    「会社の屋台骨を揺るがす大問題」が起こる可能性もあります。

    たとえば、顧客から急に取引を停止されてしまうかもしれませんし、強力なライバル
    会社が登場するかもしれません。

    また他社が画期的な新商品を開発し、自社商品がまったく売れなくなる可能性もあ
    るのです。

    経営はこういった不安要素とつねに隣り合わせにあります。

        成果を生み出すために「既存」の知識をいかに有効に適用
        するかを知るための知識こそが、「マネジメント」である。
                                    (P.F.ドラッカー)

   
   □小さな会社の社長は自分の「性格」に合った経営を行おう
    会社を経営していると、トップの人間性そのものが表面に出るものです。

    とくに小規模な会社の社長の場合は、その人の性格がストレートに経営のやり方や
    会社の雰囲気にあらわれてくるものです。

    もちろん、性格が悪いからといって、経営が悪くなり、儲からなくなるものでもありま
    せん。

    問題は、自分の短所を短所として理解し、それをどう処理していくかが重要なのです。

    長所と短所は表裏一体の関係にあるから、トップは、自分と正反対の性格をもった
    片腕をおいたほうがうまくいくケースが多い。

    その場合の条件は、絶対に人前で口論しないことです。

    性格が正反対だとやり方も違うから、意見の食い違いがしょっちゅう生じるだろうが、
    社員や取引先の前でそれをストレートに出してはいけない。
 
    なぜなら、お互いに立場があるから、引っ込みがつかず、どちらかが止めざるを得
    ないハメになってしまう。

    そうした場合は、会社のナンバー1とナンバー2の意見が食い違った時は、二人だ
    けで、それも「ゆったりとした時間」をもてる時に、じっくりと話し合うことです。

    二人とも、「儲けよう」「会社を成長させよう」という大前提となる目標は同じであ
    り、ただやり方が違うだけなのだから、話せば必ず理解し合えるはずです。

    基本的には企業経営は、一本調子では運営はできないもので、お互いに違う性格
    の者が、両輪のごとく、同じ目的に向かって会社経営をすることによって、儲かる方
    向へと進んでいくのです。

    小さな規模の会社の経営は、「労多くして、益少なし」で、
    思ったより儲からないものです。 

    儲かるどころか、四苦八苦で、もち出しが多
    く、毎年、毎期赤字の会社が多い。

    「経験は最良の教師である」という格言が 
    あるが、自分で経験していては、スピードも 
    遅いし、カネや時間がかかりすぎます。

    「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
    という言葉にもあるように、「愚者は自分の
    経験から学び、賢者は他人の経験から学ぶ
    という格言です。

    オーナー社長の中には、自己主張が強く他人の意見を聞かないといった人も多い。

    部下がせっかくいい意見をもっていても、あるいは他人からの良い意見があっても、
    聞き流してしまうことが多く、人の意見に耳を貸すことができないものです。

    これが大きな「時間とカネ」のムダ遣いとなり、儲からないパターンとなり、あげくの
    果ては最悪の事態に陥ってしまうのです。

    こういう意味からも、他人が経験してきた経営上の諸問題を謙虚に学んで、会社の
    経営に活かす(行動する)ベンチマーキングを強くお勧めします。

    他企業が経験したことがらから経営のやり方を学び、自分にマッチした独自の「経
    営の手法」をつくり出すことです。

    しかし、得た情報がよいと感じた場合でも、「後ろ向き」の考えが出てくるため、ほと
    んどの人が結局実行できないままになってしまうケースも多いのです。
   
  □学ぶ姿勢
   経営者の多くが、調べたり聞いたりした情報がよいと感じた場合でも、「後ろ向き」の
   考えが出てくるため、ほとんどの人は結局実行できないままになってしまうケースが
   多いのが実態です。

   そのためにも、以下の後ろ向きの考えを、頭から追い払わなければならなりません。

    1.「環境」が違うからムリだ。

    2.そんな「時間」がない。

    3.実行する「ヒト」がいない。

   この三つの後ろ向きの心をクリアしないかぎり、いくらよいことを聞いても、書籍を読ん
   でも「馬の耳に念仏」、何の役にも立たないことを知ってほしいのです。


   自分が「経営力」をどうつけるかは、経営をしているトップまたは、それに関係する人に
   とっては永遠のテーマとなります。

   トップ自身がこれからどんな会社にしたいか、そのためにどんな戦略を立てるかは
   重要だが、その机上の戦略は、およそ半年位で「尻切れトンボ」になるケースが多い
   のも確かです。

   なぜなら、理由は立案した考え方が、実行する本人の性格にマッチしていないから
   です。

   また、経営戦略は他人の受け売りだったり、また、他人が成功した例をソックリ真似た
   だけのものだからです。

   これを防止するには、戦略を立案する段階でトップの、または実行者の性格を、よく知っ
   ておかなければならず、自分の性格を見抜いたうえで戦略と計画を立てなければなら
   ないのです。

   戦略とトップの性格のミスマッチのために失敗することが多いのです。
 
   立案した戦略とトップの性格とがマッチしてはじめて、経営は継続的に稼働でき、成果が
   出るということを認識しなければならない。

   会社を経営するには、「戦略」が必要です。   

   戦略がまずければ、営業マンを何人投入してもなかなか売上げは上がりません。

   数字が上がらない時、営業マンの人数不足や質の悪さを嘆いて盛んにグチをこぼす
   小さな会社の社長がいるがその前に、トップの営業戦略が悪いのではないかと考える
   べきでしょう。

  □顧客層
   小さな会社の場合は、戦略とトップの性格のミスマッチのために失敗することが多い。

   立案した戦略とトップの性格とがマッチしてはじめて、経営は継続的に稼働でき、成果が
   出るということを認識しなければならない。

   自社のメインとなる客層を明確にしましょう。

    (1)大口顧客層を主要顧客とするのか、小口顧客層なのか?

    (2)薄利多売方法か、またはその逆の方法か?

    (3)直売方法か卸売方法か?

    (4)規模拡大戦略か、または内容充実戦略か?

    (5)メーカー側(つくり手)になるのか、または販社側(売り手)になるのか?

   
   トップ自身が、「自分の性格が会社の存亡を左右する」ということを強く認識すること
   です。

   組織の進歩を阻害する三つの要因
    
(出典:安岡正篤語録「経営者の心得と組織を動かすポイント」より)

    @良いことだと知りながら、それを実行することを怠ること。

    A絶好のチャンスであると知りながら、それを疑って決断がつかずに、いたずらに
     好機を見逃してしまうこと。

    B明らかに間違いであることを知りながら、それを改めることなく、現状を守り続け
     ること。

    この3点は、ともすれば現状を守るために眼をふさごうとするものです。

    これが中小企業の組織体質になっていて、改革を阻害する元凶になっているのです。

    しかし、この3点を逆にすれば、組織は飛躍することになります。

    それは良いことを率先して行なうこと、チャンスを的確にとらえること、間違いはすぐ
    に改めることです。

     @良いことを率先して行なうこと

     Aチャンスを的確にとらえること

     B間違いはすぐに改めること

    これを的確に実行できるかどうかが、経営者に問われているのです。

    厳しい環境下で生き残るためには「スピード」「変化への対応」がキーワードとなり
    ます。

    大組織と比較し、中小企業の強みはフットワークのよさのはずです。

    しかし、残念ながらこれらは生かされていません。

    組織改革は業務改革であり、営業力の強化を図るためです。

    限られた資産を最大限に生かすためにも仕組みづくりは欠かせません。

    
   □組織力の強化なしに会社の存続なし
    では、さまざまな問題を乗り越えて会社を存続させていくためにはどうすればよいの
    でしょうか。

    困難に耐えうるだけの企業体力をつけること、つまり、組織経営)力を強化すること
    にほかなりません。

    人間にたとえると、普通の人ならば死に直面するような重い病気にかかっても体力
    のある人はそれを乗り越えることができ、逆に弱っている人は風邪をひいただけで
    命取りになることさえあるというようなものです。

    今後も永続的に会社を存続させていこうと思うならば、今日よりも明日、明日より
    も明後日というように経営力を強化し、大きな問題が起こっても立ち直れるだけの企
    業体力をつけていくしかないのです。

    たとえ、今は何の問題もないようにみえても、それはたんに「運がいいだけ」かもしれ
    ません。

    1週間後、1ヶ月後には、現状の企業体力では到底耐えうることができないほど大き
    な問題が生じることも考えられるのです。

    今すぐにでも経営力を強化することを真剣に考えましょう。

    そのためには、まず、自社の経営のあり方を見直すことから始める必要があります。

    経営力強化の中で、人材育成は規模の小さい段階から最優先にやらなければなら
    ない。

    「ジンザイ」を「人罪」にするも「人財」にするも教育次第です。

    
    「売上げが上がらない」「人材がいない」「中間管理者がいない」「思ったように従業
    員が動かない」など大企業の悩みとは違った悩みをもっています。

    その悩みの原因は、小さな会社には、以下のような
    社員がかなりいるからだ。 人罪.gif

     @忙しくてそんなことはできない。

     A自分はそんな仕事をするために、この
      会社に入ったのではない。

     Bその仕事は自分の性格に合わないから
      いやだ。 

     C急に変われといわれても、変われるわけ
      がない。

     Dそれはわたしの担当ではない。

     Eその営業はコース外だからいやだ。

     F自分は雑用係ではない。

    すべて否定的で、できない理由をいくらでもみつけるのです。

    こういう人がいると、指示がスムーズに実行されないのは当然で、会社が少数精鋭
    化するどころか、お荷物的人間ばかりになり、儲かる会社になるわけがないのです。

    それこそ「人罪」の集まりと化してしまいます。

    一般的にいって、その従業員がその会社で「禄を食んでいる」限り、仕事に全力を
    つくすのは当然なのだ。

    最終責任はトップが負い、社員は目の前にある仕事に懸命に取り組むべきなのです。

    それがイヤなら、降りるべきなのである。

    ところがそういう人の場合、全力をつくすどころか、何をやるにも不満げな表情をみ
    せる。

    それはなぜか?

    本人の性格が悪いのか?  彼なり彼女なりは、これまでの人生、ずっとイヤ、イヤで
    きたのか?

    そんなことはない。
 
    要するに彼、あるいは彼女は会社と、もっといえば社長との相性が悪いのである。

    いったん入った人間をそう簡単にやめさせることはできないし、本人もよほどのことが
    なければやめるとはいわない。

    だから規模の小さいうちは社長はよくよく心して、自分と相性のいい人間を採用しな
    ければならないのです。 

    そして、
    相性の悪い社員は、社長の意欲をもそいでしまいます。

    規模の小さな会社の社長は、限られた人数の従業員との相性が悪ければ、楽しい
    日常業務などできるわけがないのです。

    毎日それこそイヤな、神経を逆なでされるような気持ちで仕事をしなければならなく
    なってしまいます。

    小さな規模の状況では、社長の「やる気」と「意欲」で多くのことが改善されていくの
    です。 

    その社長の意欲をそぐような相性の悪い社員を採用すること自体、社長の大きな
    失敗なのです。

    もともと社長は、相性が合わない人間を使って気苦労するために会社を始めたわけ
    ではないはずです。

    そして、相性と能力の点からみて、一番ふさわしい人間を片腕にすることです。

    片腕となった人間は、トップを一生懸命に補佐してくれるでしょうし、そのための
    リーダー(管理者)教育
も欠かせません。

    小さな会社の社長は、人の面でも、自分の性格に合った経営をしなければならない
    からです。

    限られたメンバーで事業を運営していかなければならない小さな会社では、相性が
    合わない上記の@〜Fに当てはまる社員にはやめてもらったほうがいい。

    独善的かもしれないが、そういう勇気も必要なのです。

    社長は、相性が合わない人間を使って気苦労するために会社を始めたわけではない
    はずです。

    そして、相性と能力の点からみて、一番ふさわしい人間を片腕にする。

    相性が合うか、性格が合うかを見分けるポイントは、

     @返事がよいかどうか?

     A明るい性格かどうか?

     B素直に指示通り動くか? 逆に、指示すると必ず一言多いかどうか? 

    「返事がよいか」「明るい性格か」などといったことは第一印象が大切なので、採用
    時にはこれらの点に注意して面接することを提案します。

    よきにつけ悪しきにつけ、トップの考え方や性格で運営されるのです。

    だからトップは、結果にすべての責任を負うことになる。

    トップの方針や指示がよくても、従業員の理解の仕方ややり方が悪ければ、それも
    またトップの責任です。

    だから社長は、自分の方針をよく理解して動く人を集めない限り、チームとしての
    組織はスムーズに稼働しなくなり、結局は儲からない会社になってしまいます。

   □「ええかっこしい」をせず、足場を見失わない
    つい、「ええかっこしい(カッコ良く見せようとする)」としてしまって、自分の会社
    の足場を見失ってしまうのです。

     1.売上高が多い

     2.資本金が多い

     3.社員の人数が多い

     4.社屋や設備が大きい

     5.販売地区が広く、営業所の数がたくさんある

    そして、社長がやってはならない「アイウエオ」では、

     ア:焦るな オーナー.gif

     イ:イライラするな

     ウ:倦むな(あきらめるな)

     エ:エエカッコするな

     オ:恐れるな

    肝に銘じてください。 

    
   □1人当たりの労働生産性
    小さな会社は、いったい何を「経営の基準」にすればいいのでしょう。

    会社がおかしくなる場合にはいくつかの要因がありますが、そのうち最も大きい要
    素は、働いている人員の生産性が悪化した時です。

    つまり一番問題になるのは、何人の人員で総粗利額を稼いだかということなのです。

    この総粗利額が、会社の総人件費と比較して所定の「労働分配率」より悪化してい
    る場合は、経営はジリ貧に悪化して、倒産という図式となってしまうのです。

    さらに、経営の重要な「基準」となるのは、企業に従事している人間が、1人当た
    り月間何十万円稼いでいるかということなのです。

    これが「労働生産性という基準」です。

     R:1名当たりの月間労働生産性

     A: 自社の月間粗利益額

     B: 自社の総社員数
       *パート、アルバイトは正社員と区別し、2名を1名と計算

           R=A÷B

        <参考>

         ○労働生産性(月間)の評価基準ランク

          優:100万円以上(儲かる)  良:81万円〜99万円(正常)

          可:61万円〜80万円(経営のボーダーライン)

          不可:60万円以下(問題あり)

         ○労働生産性分析シート

    多くの人数を使って、多くの売上高を上げることを考えるより1名当たりの粗利益
    が、月間80万円以上になる経営を心がけることです。

    たいていの中小企業は、粗利のうち約50%前後を労働分配率が占めており、労
    働生産性も1名当たり月額60万円前後のレベルであることです。

    こうした小さな会社では、社員を多面化し、有効活用しなければ、経営が成り立たな
    い時代なのです。


    労働生産性という経営指標は、売上や利益、売上高利益率、キャッシュフローに比
    べると、意識している企業が少ないという結果があるということです。

    一方で労働生産性を意識している企業は、意識していない企業に比べて売上高経
    常利益率が顕著に高い傾向が見られ、労働生産性の水準が相対的に高い企業で
    は、過去5年間の企業業績が好調だということです。   

    中小企業庁
    http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/zaimu_sihyou/070928_h17.1-12.html


   □売上げが増えても人を増やさない 
    「売上げが増えても、人を増やさずに経営できるなら、儲かるに決まっている」と、
    ほとんどの経営者は言うでしょう。

    確かにほとんどの場合、売上げや作業が多くなると、それに合わせて社員数も増え
    ていくものです。

    しかし、今の時代の経営の基準が、売上高や資本金、そして社員数や営業所の数を
    多くすることにあるため、トップの姿勢がどうしても拡大の方向に向きがちなのです。

    しかも売上げがジリ貧状態にある時ほど、継続性のある売上げかどうか確認もせず
    に営業社員を増やし、売上げをアップしようとする傾向が強い。

    「労働生産性」の数値をアップするには、売上高や粗利益率を増やすより、人員を
    減少・増員しないことです。

    労働生産性が少しでもアップする売上向上策ならば大いに結構だが、売上高が上
    がっても労働生産性が下がるような「策」ならば、やめたほうが得策だということ
    です。

    要は、何名の人員で、どれだけの粗利額を稼いだかです。

    この点を、初心に戻って、大いに反省しなければならない。

    「労働生産性」で経営を成功に導くには、まず「企業は人の『数』ではなく、人の
    『質』である」ということを、しっかり認識することです。

    「従業員の数」から「従業員の質」へと発想を転換するためには、社内業務の標準化、
    人材育成により、誰に代わってもできる人材(財)に仕立て上げるのです。


   □増員させないようにするためには
    「労働生産性」をアップするには、売上高や粗利益率を増やすより、人員を減少させ
    たほうが手っとり早いことです。

    人を増やさないようにするためには、業務の全てを自社内でやろうとせず、作業部分
    は外注(アウトソーシング)することです。

    そして、社内の人員は日常業務をこなす作業集団でなく、粗利額を獲得する集団に
    改革すべきなのです。

    そのためにも、社員を定数化します。

    組織をチームと考え、野球やバレーボール、サッカーのように決められた人員を業務
    分担し、有効活用していくことが欠かせません。

    1.社長自身は何名の社員を使うのか? また自分が「何人の社員を使いこなせ
      るか」
を決める。
      (社員を定数に限定する)

    2.社内の作業量が増え、こなせない状態になった時、どの作業を外部に委託す
      ることができるかを考える。
      (社内の作業量がオーバーした場合、すぐに社員を増やすことを考えず、まず
      現在の社内で消化できるかどうかを工夫したうえで、次に外部への委託を考
      えて、最後に社員を新しく入れることを考える。)

    3.トップ自身が「自社の売りモノは何か?」を、常に箇条書きできるように、明確に
      させておく。
      (人の「質」が思うように向上しないのは、社内の人員を定数化していないか
      ら。)

    組織作りは規模の小さいうちにやることです。

    仕組みをつくっておくことで、規模の拡大に対処できるからです。


   □「売上げ志向」から、「粗利志向」の経営へ 
    「労多くして、益少なし」の世界から脱却するには、 「企業は人の『数』ではなく、
    の『質』
である」ということを、しっかり認識すべきです。

    「人の数」から「人の質」へと発想を転換して、社内の人員を「多面化」し、何でもで
    きる人材(財)に仕立て上げるのです。

    そのために欠かせないのが役割(業務)分担である。

    「人に仕事を付ける」から「仕事に人を付ける」ことで業務の標準化を図ることで可
    能となります。 

    その一方で、ワンパターンの作業(ルーチンワーク)などは、「他人の会社の機能」
    を活用して、他社にやってもらう(アウトソーシング)ことを考えます。

    例えば、配送業務等はルート化して運送会社にやってもらい、数が多いDMや郵送
    物の封筒詰めから発送まではDM会社、保管業務は営業倉庫会社にまかせるなど、
    社外の機能を利用することを考えましょう。

    さらに経理事務などは、パートさんに記帳だけしてもらい、あとは税理士に月1、2
    回来てもらってパソコン処理してもらえば、仮に経理の人が辞めた場合でも事務機
    能に支障を来たすことはないはずです。

    要は、何でもかんでも自社内でやろうとせず、いろいろな工夫をしなければならない
    ということ。  

    社内の人員は日常の作業をこなす集団でなく、利益を創出する集団にすべきなの
    です。

    何でもかんでも抱え込む企業は、当然、スピードが遅くなる。内部調整に縛られてい
    ては、原価率は全然下がりません。

    それどころか、内部調達、内製化のエネルギーが増えれば増えるほど、人件費の
    上昇からくる高コストの悪循環にはまってしまいます。

    身軽な企業、小さなフットワークのある企業に変身するために、ウトソーシングは
    不可欠
であるが、では、アウトソーシングをいかに戦略的に展開すればいいのでし
    ょう。

    アウトソーシングすることで、自社に得られることは、

     @変化に対応できる アウトソーシング.gif

     A変化を創造できる

     B生産性を飛躍的に上げる

     Cビジネスの質を高度化する

     D既存市場への深耕を図る

     E新規市場の開拓をする 

     F自分で考え、自立できる人材を輩出する

     G組織自体が目的志向の考える組織にする

     H「独創する企業」になる

    アウトソーシングは、その規模の大きさは別にして、将来の企業をとりまく環境を考
    えれば不可欠です。

    特に小さな企業であれば外部に業務を委託することで、内部の組織の高度化が実
    現されなければならないのです。

    小さな本社、小さな組織の集合体、プロの外部活用、リスクの分散・・・・・・。

    小さな会社、身軽な組織の企業が、新しい価値を創出するのです。 

 

  ■家業的経営から企業経営

   「家業」とは企業規模の大小だけで量るものではありません。

   たとえ社員が数名程度の小さな会社でも、会社として登記している以上その会社の経
   営者に求められるのは「企業経営」です。

   企業経営と個人事業主などの家業経営を比較する場合に、もっともわかりやすい違い
   はそれぞれ自身の収入に対する考え方です。 

    家業経営は自らが稼いで収入を得る

    企業経営は会社が稼いだお金のなかからその成果配分として給料を得る

   という考え方の違いです。 企業.JPG

   言い方をかえれば企業経営者は「自分が儲ける」た
   めではなく、「会社を儲けさせる」ために経営を行う必
   要があるのです。


  まず、経営者自身がこのような発想にもとづいた経営を
  行っているかを自問してみましょう。

  それが自社の経営の体質強化を検討する出発点となります。

  現在の自社の状況をチェックし、以前は気づかなかった問題点、
  つまり家業経営でよくみられる非効率な仕事の仕方や無気力な
  職場の雰囲気がみえてくるのではないでしょうか。

  まずは、自社の家業経営的な部分を一つひとつ改善していきましょう。

   <家業的経営の特徴チェック>
    □経営目的があいまいで、公私混同(特に経費において)している

    □将来に対する計画性がなく、思いつきで行動している経営計画

    □経営者と社員の間、あるいは社員間の役割分担が不明確である業務分担

    □指揮命令系統と報告・連絡・相談系統が機能的に定められていない基本動作

    □外部環境の変化に無頓着である情報収集

    □責任の所在が不明確である権限の委譲

    □社員が無気力で、会社に貢献する意欲・意識が乏しいモチベーションコミュニ
    ケーション

    □売り上げなど事業にかかわる数値に無頓着

    □経営において悪い結果が出ても原因を追究せず、周囲に責任を転嫁している

    □改革を恐れ、変化への対応を拒否している

   このような家業的経営の特徴が自社の経営にあてはまるようであるならば、その原因
   を見極め、確実にそれを解決していく必要があります。

   しかしながら、長年にわたって染みついた家業経営的体質を改善していくのは、そうた
   やすいことではありません。

   経営者自身が自らの責任を強く認識し、会社をそして社員を変えていかねばならない
   のです。

   しかしながら、叱咤激励するだけでは社員は動いてくれません。

   企業経営を実践していくためには、家業経営時代よりも一段高い経営能力が要求され
   ます。

   経営者には、会社(店)を改革していくと同時に、自らの経営能力を向上させていく
   ことが求められているのです。

   経済環境が上向きなときにはアマチュア経営者でも儲けることができました。

   しかし、現在の厳しい経済環境から自社を守り、存続させるには本物(プロ)の経営者
   が必要です。

   現状に留まらず、変化に対応する経営力が求められています。

  ■成長段階によって変わる社長の役割

   たとえば、社員数人程度の会社の経営者に尊敬する「大企業の経営者」がいて、その
   人から経営の手法を学んだとしても、その手法をそのまま自社にあてはめて実践する
   ことは不可能な場合が多いでしょう。

   企業は、それぞれ規模も成長度合いも異なるため、経営者に求められる役割もそ
   れぞれの段階で異なります。

   社員数人で経営している会社には、その規模にあった経営者の役割があり、その会社
   が成長し、社員数が増えればまた異なる経営者の役割が求められるようになるのです。

   □会社の成長度合いに応じた経営者の役割の変化

    1.創業間もない時期
     経営者がすべての業務の中心となり、意思決定を行います。自らが先頭に立って
     走り回り営業活動を行わなければなりません。

     したがって、この段階で求められる経営者の役割は実務的な知識と営業力が中心
     になります。

     トップは、外に出て営業活動や情報収集をする機会が多く、留守がちになります。

     だから本気で協力しようとしない、トップがいない時には手を抜くような社員がいる
     場合は、いくらよい戦略をたてても、「絵に描いたモチ」になってしまいます。

     彼らを本気にさせるために、社長はしばしばイヤなことも言わなければならないが、
     それが小さな会社の社長の仕事なのです。

     この規模と従業員30人以下の会社の社長は、営業を、営業マンだけに頼って
     てはダメです。

     社長業の半分は外回りだと考えましょう。

     トップが外回りをすることで、次の5つのメリットを得ることができるのです。

      1.担当者の営業活動の評判を聞くことができる。

      2.自社に対する苦情や注文を聞くことができる。

      3.同業・他社の情報を聞くことができる。

      4.商品開発のタネが情報収集できる。

      5.顧客との人間関係ができるため担当者が突然退社しても困らない。

     この中でも、「担当者から突然の退社があっても困らない」の5番目のメリットの
     意味は大きい。

     トップの外回りは、リスク管理の面からも大変重要な活動なのです。

     「備えあれば憂いなし」

     社長は、時間をつくって、大いに外回りをしよう。

     小さな会社の社長は、時間をかけてでも顧客のネットワークづくに、全力をつ
     くすべきなのです。

     短期間で、しかも手っとり早くできるヒット商品開発に力を入れることも重要だが、
     後々まで継続して生き続ける販売のシステムづくりを、時間をかけてでも構築し
     たほうが会社にとっては得策であることを、よく理解していただきたい。

     規模の小さな会社は「弱点を直そう」と考えるより「長所を伸ばす」方向に徹底す
     ることです。

     この段階では、会社に対する将来の夢と実現するための強い情熱があれば、社
     内的な制度が十分に整っていなくとも仕方のないことかもしれません。 

    2.社員数が10人程度の段階
     会社の規模が拡大していくにつれ、次第に会社全体のすべての状況を把握する
     ことが困難になってきます。

     今まではすべて自分で行っていた意思決定も、ある程度は部下に任せる必要が生
     じ、そのためには経営者の権限の一部を委譲できる管理職クラスの人間を育成
     しなければなりません。

     また、社員の数が増えるにつれて、社内体制も従来の仲間同士という意識では統
     制がとれなくなるため、組織としての機能を強化することが必要になります。

     経営者は、営業の第一線で活躍することだけでなく、管理職の育成や組織の活性
     化といった内部体制の整備にも力を注がなくてはなりません。

    3.社員数が数十人程度の段階
     社員数が数十人以上になってくると、経営者のなすべき業務は加速度的に増加し、
     社員一人ひとりの状況を把握することが大変困難になってきます。

     このような段階に入ったら、経営者は求心力を維持するために、組織体制の構築
     をより一層強化しなければなりません。

     また、創業当時は社員数も少なく十分に意思の疎通が図られていたのに対し、
     この段階では自分の考えを全社員に正確に理解させることが大変難しくなります。

     そのため、自社の経営ビジョンをわかりやすくかつ何度も社員に訴えていく必要
     
があります。

     さらに異なる価値観をもつたくさんの社員の仕事の仕方や意識を会社としてひと
     つにまとめていくために、行動方針の明文化を行うとともに、自社にとって好ましい
     企業文化を構築していくことが重要になってくるのです。

     経営体質の強化には業務の改革・改善が不可欠です。

     創業から今日に至るまで、事業運営を我流でおこなってきて積もった垢を、今
     こそ洗い流すことを考えてみてはどうですか。

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若手社員の定着率向上

         

若手社員の定着率向上

  ■若手社員の就業意識
   高齢化の進展が著しい現代社会において、若手社員は貴重な戦力です。

   しかし、若者の転職志向はますます高まっており、せっかく育ってきた頃に会社を
   辞めてしまう人材に頭を悩ます企業は少なくありません。

   若者の就業意識は変化しており、20歳代から30歳代前半のビジネスマンはキャ
   リアアップのための転職に抵抗を感じていないようです。

   また、会社に左右されず、スペシャリストとして通用する能力を身につけたいと考
   えている人も増加しています。

   一般的に、転職を考えるときの理由は、
    ・現在の仕事の内容、職場環境、給与や待遇などに不満があるため
    ・自分のキャリアプラン、ライフプランに沿ってステップアップを図るため
   という2つのどちらかだといえます。

   自分の将来像を模索中であり、自分の未知の可能性に賭けるだけの時間も意欲
   もある若者に、転職傾向がみられるのは当然のことです。

   そうした人材を引きつけ、留まらせ、戦力化していこうと考えるならば、仕事の内
   容、職場環境、評価、将来性など、さまざまな点で会社に魅力を感じさせるような
   取り組みが必要となります。

   そこで、若手社長の定着化を実現するためには、
    ・魅力的な人事制度づくりなど、若手社員を引きつける施策の具体化
    ・若手社員を指導する管理者に対する教育
   についての検討が必要となります。

  □若手社員を引きつけるための会社の施策
   定着率を向上させるための会社としての方策には、大きく分けて、
    ・会社への帰属意識の向上
    ・賃金、福利厚生といった処遇の改善
   があると考えられます。

   これらを実践する方策としては次のような事項が考えられます。

   ただし、こうした施策は、どれかを行えばよいというものではなく、すべてを複合的
   に行うことが大切です。

   1.経営ビジョンの明確化
     経営者が自社の成長と高収益化に向けた明確なビジョンと戦略を保有
     しているか

     経営ビジョンの具体的な表現方法としては、「戦略的な経営計画」を提示する
     とよいでしょう。

     できれば、「将来上場を考えている」といった具体的な項目なども盛り込みたい
     ところです。

     それができなくても、中長期の会社の経営目標を、
      ・取扱商品の構成
      ・進出事業分野
      ・販売先の構成
      ・社内管理の充実
     といった視点で明示することは、各個人の目標設定も容易になるため、大変意
     義があるといえます。

   2.会社と社員の成長をオーバーラップさせる
     会社の発展と社長の成長をオーバーラップさせ、
     若手社員の将来の夢を実現させることのできる企業であること

     社員にとって会社の成長は、その会社に魅力を感じる大きな要素です。

     しかし、たんに成長しているだけでは十分ではありません。

     会社の成長にしたがって自分も成長し、重要なポジションを得ることが具体的
     にイメージできなければ、社員は高い意欲をもつことはできません。

     中小企業に人材が定着しない理由のひとつに、「自分の将来像が描けない」と
     いうことがあげられる。

     この会社に自分がいた場合、「自分は将来どういった役職に就き、給料はどれ
     くらいで、会社にとって自分はどういった存在になっているのか」というものが
     みえてこないのです。

     これでは社員のモラール(士気)は低下してしまいます。

     そこで、先の経営計画の作成時に留意する点として、将来(5年後や10年後)
     の「事業ビジョン」を明示し、自社では将来、
      ・どのような能力が必要となるのか
      ・どのような人材が必要となるのか
      ・どのような仕事ができるのか
     といったことが考えられるようにし、個々人のキャリアプランやライフプランとの
     すり合わせができるようにしておくことが必要です。

   3.経営者とのコミュニケーション機会の確保
     経営者とのコミュニケーションが比較的容易で、
     役員室にも気軽に相談に行けるような風土が定着していること

     もうひとつ重要な視点として、「社員に経営者の考えや理念を理解させる機会
     をつくる」ということがあります。

     社員の多くは、「自分にとって意義のある仕事に取り組みたい」という考えを
     もっています。

     そこで、入社した社員が若いうちから意欲的に仕事に取り組み、定着してくれ
     るようにするためにも、「経営者や経営幹部自ら、社員に対しての動機づけを
     行う」ことが大切になる。

     経営者や幹部社員が、折に触れて自社で働く意義について話す機会を設ける
     ことによって、次のような効果が期待できます。

      (1)経営者側
        ・経営理念を社員に浸透させる場となる
        ・社員が抱いている不満を知ることができる
        ・実際の職場の現状を知ることができる

      (2)社員側
        ・会社の現状や方向性について、経営者自らの話が聞ける
        ・経営者の人間性を理解し、親しみをもつことができる
        ・自分をアピールできる場があることによって、会社での
         存在意義を感じることができる

   4.自社に合った人材の採用
     自社に必要な人材像が具体化しており、それに合わせた採用活動を
     行っていること

     人材の定着率が低い原因のひとつとして考えられるのが、採用時のミスマッチ
     です。

     人材を採用するにあたっては、自社でどのような能力、技術、経験をもった人
     材が必要であるか、また、その人材に社内でどのように働いてほしいのかとい
     うことまで具体化することが大切です。

     「能力があって、仕事ができて、バリバリと働いてくれる人」「我が社の将来を
     担ってくれるような、一流大卒の若い人材」といった人物像を描いても、それで
     は必要な人材を明確にしたことにはならない。

     確たる採用計画をもってこそ、それが実現できるのだということを十分に理解
     しなくてはなりません。

   5.教育・育成プログラムの完備
     人材育成プログラムが完備されており、それによって十分な
     教育・育成が受けられること

     いくら経営計画に夢のある話が盛り込まれ、将来自分が就けるかもしれない
     「ポジション」が明確になっていたとしても、そこへ到達するための能力向上の
     方法が明確になっていなければ、単に「絵に描いた餅」です。

     「勝手に成長してくれ」というのではなく、会社がめざす方向へ、会社が求める
     能力を身につけてもらうためには、教育システムの充実、教育マニュアルの作
     成など、各人が成長する環境を整備することが必要不可欠です。

     一般的に行われている教育施策としては、
      ・OJT(職場内での教育体制)の整備
      ・能力開発の自己申告制度や外部教育機関利用時の支援制度の整備
      ・上司によるカウンセリングの場の設定
     などがあります。

     自社に合った方法を検討してみましょう。

   6.やる気を出させ、理解を得られる人事制度の整備
     若手社員に対しても「仕事」と「責任」に見合う「地位」や「給与」が
     与えられるという、「やる気」を出させ「理解」を得られる人事制度が
     設定されていること

     日本の大企業において普及している人事制度に「職能資格制度」があります。

     この制度は、ある程度の年功的な要素を残しつつも能力主義を取り入れてい
     ることから、「緩やかな能力主義制度」として、日本の企業風土とマッチし、多く
     の大企業で定着してきました。

     職能資格制度は、基本的に「仕事をする能力に応じて賃金が支払われる」とい
     うスタンスをもっているため、若手社員でも能力が高ければ、ある程度、相応
     の処遇を受けることができるように設計されています。

     こうした制度は、仕事の習得が早く、やる気のある若手社員へのインセンティ
     ブとして有効に働くことでしょう。

     このほかにも、業績の差によって給与に差をつけて、社員のやる気を高め理
     解を得るための「業績給」や「歩合給」といった賃金制度の検討も必要です。

  □若手社員を指導する管理者の育成
   前述した、社員が転職を考える理由にあげられる「現在の仕事の内容、職場環
   境、給与や待遇などに不満があるため」のなかで、給与に関することを除くと、管
   理者の仕事の与え方、職場管理の仕方、管理者自身の活性化度(管理職に値す
   る仕事ぶりであるか)や魅力度(将来目標としたいか)が与える影響が大きいとい
   えます。

   すなわち、若手社員は、
    ・やりがいが感じられるような仕事を望んでいる
    ・業務を信頼して任されたいと望んでいる
   ため、この2つを充足させてくれる管理者のもとでなければ、仕事そのものに充実
   感を得ることができないのです。

   そのため、管理者クラスの能力の強化は若手社員の定着化に大きなウエートを
   占めています。

   そこで、若手社員の定着化を図るためには、とくに管理者の、
    ・業務設計力の強化
    ・職場管理力の強化
    ・リーダーシップの強化
   に重点を置いた教育を実施する必要があります。

   さらに、優れた管理者のもとで充実した毎日を送っていると、若手社員も「この人
   の能力を少しでも吸収しよう」という気持ちになってきます。

   若手社員が優秀であればあるほど、彼らは勤めている会社が「自分にキャリアを
   つけさせてくれるところかどうか」という観点で評価します。

   したがって、管理者が一見厳しく部下を扱っているようにみえる組織ほど定着率
   がよいというのはよくあることなのです。

   このほか、管理者が若手社員に接する際に注意すべき点として、以下の項目が
   あげられます。
    ・会社のマイナス面だけでなくプラス面も見出すことができるように、
     本人の「ものの考え方」を変えること
    ・若手社員との「コミュニケーション」の機会を増やすこと
    ・若手社員でも仕事の場を「コントロール」し、自分で仕事をしている、
     という感覚をもてるようにすること
    ・若手社員に対し、仕事面、生活面において「指導」すること
    ・若手社員がスムーズに仕事に向かえるように、「メンタルケア」、
     「モチべ−ト」を行うこと

   これらを達成するためには、各個人の意識や能力の向上に期待するばかりでは
   なく、それを支援し、さらに発展させていくための会社側の姿勢が明確であること
   が必要不可欠だといえるでしょう。

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CI コーポレートアイデンティティ

         

CI  コーポレートアイデンティティ

  ■第一印象はイメージで決まる

   企業を訪れた際に、受付の応対が親切であったり、立派なオフィスを構えている場合、
   相手企業のことを十分に知らなくても良い印象をもつことがあります。

   このように、人はつい第一印象(見た目)で物事を判断してしまうものです。

   言い換えれば、判断すべき材料がない場合は、目に見える部分で判断するしかない
   わけです。

   つまり、よほど知名度の高い会社であれば別ですが、そうでない会社が相手に好印象
   をもってもらうためには、第一印象をよくすることが重要なポイントとなってくるので 
   す。

   社名は実際の事業内容とは関係のないところでも影響を与えるものです。

   このように企業イメージとは、その企業に関わる人々にさまざまな影響を与える重要な
   ものなのです。

  □CIとは
  
 CI(コーポレートアイデンティティ)とは、一般的には、

    企業の進むべき方向を再確認し、これに向けて企業体質や社員の意識、
    また社外における認識を革新・統一していこうとする活動

   と定義できます。

   CIの考え方は

    自社がどのような会社なのかを表現し、かつ、
    その表現したものが好印象として相手に受け入れられること

   であり、そのために行なう活動をCI活動といいます。

   CI活動は、経営理念戦略の策定から新しい社章のデザイン、対外的な広報活動
   など、広範囲にわたります。

  □CI導入の目的
   CIを導入する理由は、
    ・事業の多角化によって、現在の社名を変更する必然性がでてきた
    ・社長交代をきっかけに、新しいやり方を社内外にアピールする必要があった
    ・社員が安定志向で組織に活力がなく、大きく組織風土や経営体質を変えなけ
     ればならなかった
   など、その企業によってさまざまです。

   いずれにしても、気をつけなければならないのは、CIそのものが目的ではなく、「CI
   は手段に過ぎない」ということを、きちんと認識することです。

   コンサルタントに費用を支払い、CIという経営手法を導入したというだけで、「わが社は
   何を実現したいのか」というCIの目的を鮮明に認識していなければ、どんなに時間と
   お金をかけても、CIは失敗に終わってしまいます。

  □CI活動のプロセス
   一般的には、社名を変更するだけでも「CI」という言葉を使いますが、ここではCI活動
   の流れに沿って説明します。

    S T E P1:「企業環境」「会社の歴史や創業の精神」「経営者の意図」から企業
           理念を構築する

    S T E P2:打ち出したい企業理念に基づいた経営戦略や確立したい企業文化
           の方向性SI(ストラテジー・アイデンティティ)を策定する

    S T E P3:S T E P2で策定されたSIをもとに社名、ロゴマークといった象徴と
           なるものVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)やSIを言葉で表現した
           MI(マインド・アイデンティティ)を決定する

    S T E P4:「象徴」や「スローガン」を掲げて企業理念の内外への浸透活動BI 
           (ビヘイビア・アイデンティティ)を実施する

    S T E P5:社内への浸透活動の一環として、戦略を実現するための組織の改
           革、制度の見直しなどを行なう

   ●CI活動で使われる基本的な用語の定義

   ○SI(ストラテジー・アイデンティティ)の確立
    企業理念、社是、社訓などから、経営戦略や企業文化などの企業精神面の方
    向性を確立すること。CI活動のもっとも根幹になるもの。

   ○VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)の確立
    確立されたSIをシンボルマーク、コーポレートカラー、社名のロゴタイプ、店舗、
    商品パッケージ、印刷物などの視覚化されたもので表現すること。

   ○MI(マインド・アイデンティティ)の確立
    確立されたSIを、社内外に向けたスローガンとして、言語的に表現したもの。

   ○BI(ビへイビア・アイデンティティ)の確立
    企業理念や企業戦略を社内外に浸透させるべくさまざまな活動を行なうこと。あ
    るいは、企業活動のすべてを理念や戦略に沿った形で実施すること。

  □どのような準備が必要か
   CIの準備活動としては、

   (1)CI準備委員会の設置
     将来的にはCI委員会となってプロジェクトの最高意思決定機関となります。
     通常、委員長には社長がなります。
     準備委員会のメンバーは、常務会と同じ顔ぶれになることが多いようです。
     準備委員会が中心になって、以下の準備活動を行ないます。

   (2)打ち出したい経営ビジョンや戦略の検討、フレームワーク作り
     実際のCI活動に入ってからは、現状の調査や分析をしたうえで、新しい経営
     理念やスローガンを打ち出していくわけですが、その根本になる「これからどう
     いうビジョンをもって会社を運営していきたいか」ということを検討し、CIの目的
     を明らかにします。
     そのうえで、これから取り組んでいくCI活動のフレームワーク(大枠)を決定し
     ます。

   (3)計画策定
     スケジュールと予算を決定します。

   (4)CI実行委員会およびCI事務局の組織化
     CIを実際に推進していく「CI実行委員会」と、CI活動全体を管理・運営していく  
     「CI事務局」を組織化し、社内体制作りを行ないます。

   (5)社内外への啓蒙活動
     「今日からCIを始めます」とCI宣言をしてもすぐスタートできるものではありま 
     せん。
     コミュニケーションツールとしての社内報や、お客様向け小冊子の発行を始め 
     たり、QCサークルにみられるようなグループ活動を習慣化したり、といった準  
     備をしておくことはCIの導入をスムーズにします。

  □費用と期間について
   CIを導入するに当たって、どのくらいの費用と期間を要するかについては、
   その企業がCIによって何を成し遂げたいのか、その目的や取り組み方によって大き
   な差が出ます。

   たとえば、企業イメージを刷新するために「社屋を立て直そう」ということになれば何十
   億とかかりますし、ある企業では「社員による手作りのCI」ということで、マークも社内
   公募したものをもとに、仕上げだけデザイナーに頼むといった方法で100万円しか
   かからなかった、という例もあります。

   大規模なCIの場合は、マーケットリサーチや社名・ロゴマークの制作といった開発費
   だけで3〜5億円、実際に広告宣伝したり、看板などをすべて取り替えたりといった
   運用となるとさらに費用がかかります。

   企画会社や広告代理店、デザイン会社のなかには、「3〜6カ月で調査・分析から社名
   やマークの制作、CIマニュアルの作成までを行なう」といった、300万〜500万円の
   CIのパッケージ商品を作っているところもあります。

   こうした専門会社の商品をうまく使うのも、ひとつの有効な方法です。

   ただし、専門会社にまかせっきりでは失敗します。

   あくまで社内の人間が主体的に行なうべきです。

   計画の段階から専門会社をどこまで使うか明確にしておくほうがよいでしょう。

   期間にしても調査に1年、新しい理念や社名やマーク作成に1年、社内外への定着
   活動に3年ぐらいかける企業もあれば、1年間ですべてやってしまう企業もあります。

   そして、短期間で実施できるかどうかは、経営幹部層がCIにどれだけ時間をさくこと
   ができるかということにかかってきます。

   いずれにしてもCIは、理念構築やデザイン開発、対外発表などで終わる一過性の
   ものではありません。

   構築した理念が社員全員の意識に浸透し、日常の態度や行動に結び付くまで、また、
   対外的にも新しいイメージが認識され、定着するまで、息の長い活動が必要なのです。

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