ビジネスマナーである接客態度、挨拶、電話対応は売上に直結

          

        ビジネスマナーはビジネスの基本 


  ビジネスマナーは社会人、組織人として身に付けなければならない基本動作です。

  ビジネスマナーである挨拶、接客態度(接遇)、電話対応は売上に直結します。 

  
  「人の評価は外見で判断するものではない」といわれます。

  確かに、相手の服装だけで人柄や能力、性格まで判断できません。

  相手のことを本当に知るには、時間をかけて話し合ったりすることが必要で、これは
  仕事でもプライベートでも同じことです。

  しかし、初めて会った時の服装や言葉遣いは相手に大きなインパクトを与えます。

  この時に相手は「あなたの人柄」を勝手に決定してしまうことも事実です。

  例えば、清潔感のある服装の人、明るくさわやかな挨拶ができる人、丁寧できれいな
  言葉遣いの人など、正しいビジネスマナーを身に付けた人と会った時、あなたは相手に
  どのような印象を持つでしょうか。

  ■清潔感のある身だしなみと正しい言葉遣いは社会人・組織人の基本

   ・あなたの服装や身だしなみに清潔感はありますか?

   ・あなたは場面に応じて挨拶を使い分けていますか?

   ・あなたは社会人・組織人としての正しい言葉遣いができますか?

   ・あなたは場面に応じたおじぎの使い分けができますか?

   ・あなたは会社の代表として正しい電話の応対ができますか?

  ■サービスマニュアル

   サービスがお客様をもてなすということであれば、対人関係に関する対応の仕方が基
   本になります。

   そういう意味では、マナー(礼儀作法)といってもいいかもしれません。

   しかし、これは社会人として求められる最低限の礼儀作法であり、顧客満足を求める
   サービスを行うのであれば、さらに徹底した訓練が必要となってきます。

   そのよりどころとなるものがマニュアルであり、自社(店)における接客の基本を
   きちんと記載しておかなければなりません。

   接客の基本はどんな会社(店)であっても似ているかもしれませんが、競合他社との
   差別化を図るためにも、他とは異なる特徴を打ち出す工夫が求められます。

   たとえば、子供と話す場合、子供の目線に合わせて話すことで、安心感を持た
   すことができることから、『子供と話す場合はしゃがんで話しかけるようにする』、
   といったことです。

   また、お客様からの電話を受け取るとき、「はい、○○でございます」と電話に出る
   のが普通ですが、「お電話ありがとうございます。○○社の△△でございます」
   とすることで、自社(店)に対するイメージも違ってきます。


   マニュアルは、基本的には誰がやっても同じ結果になることをめざしたものです。

   マニュアルは完成して終了ではなく、完成後がスタートとなります。

   社員全員が同じ品質を保てるようになるまで、定期の訓練(ロープレ)をしていき
   ます。

   お客様の支持を得るためには付加価値のある要素の提供が必要です。

   ・笑顔での対応、礼儀正しい対応

   ・清潔で感じのいい服装

   ・迅速で待たせない対応、てきぱきと処理する姿勢

   ・頼みやすい、すぐ電話に出て連絡が取れる対応

   ・わかりやすい説明の仕方

   ・お客様の言い分をよく聞く姿勢

   ・お客様の真の要求をきちんとつかめる技量

   ・サービスを行ううえでの十分な知識・技量を持ち合わせている

   ・かゆいところに手の届く配慮やサービス

   ・契約後のよいアフターサービス


   どうですか、貴社(店)ではできていますか?

   あなたがこの中でひとつでもできていないことがあれば、全員で見直しましょう。
  
   ここに記載のサービスができていれば鬼に金棒です。

   なにせ、お客様はあなたを“見た目で判断している”のですから。

 

挨拶 


  「見た目の大切さ」

  たかが「あいさつ」と思っていないでしょうか?

  初めて会った時の服装や言葉遣いは相手に大きな印象を与えます。

  この時に相手はあなたの人柄を勝手に決定してしまうのです。

  清潔感のある服装、明るくさわやかな挨拶をする人、丁寧な言葉遣いの人など、
  誰もが、安心感や信頼感を持つはずです。

  これが逆であったらどうでしょう。

  相手にマイナスイメージを与えこそすれ、好印象をもたれることは決してないはず
  です。

  ビジネスは相手に好感を持ってもらうことから始まります。

  社会人・組織人として挨拶は基本中の基本となります。

  明るく元気な挨拶は職場に活気を与え、良好な人間関係を築くための第一歩とな
  ります。

  <挨拶の基本>
   (1)名刺は相手より先に出しているか

   (2)電話対応の基本はできているか

   (3)声は明瞭か

  <あいさつの本質>
   (1)規律ある生活を送る原点

   (2)人間関係をつくり、人間的魅力創造の第一歩

   (3)職場のモラルを高め、意欲向上のシグナルである。
     そしてその心は“一期一会”の精神である。

   「語先後礼」という言葉があります。

   先に言葉(あいさつ)、後に礼をするという意味で、これが、もっとも丁寧だとされ
   ています。

   初めて会う人には、目をしっかり見てあいさつをしてから、そのあとで頭を下げた
   方がよいでしょう。

お辞儀A.jpg

   
   1.相手に好感を持たれる挨拶は                    

    1)大きな声で……………ハキハキ

    2)快活に…………………ニコニコ

    3)はつらつと……………イキイキ

    4)背筋を伸ばしたまま腰を折る…ビシッ

    5)相手の目を見て挨拶する……キビキビ

   具体的行動は、目礼、会釈、挨拶、最都礼等、T.P.Oによっても異なりますが、
   一般的に会釈5°、挨拶15〜30°、最敬礼45°と礼の角度があります。

   ○会釈
    出社時や退社時の挨拶とともに行い、社内や廊下などで、お客様や上司と
    すれ違う時などにも行います。

    男性はズボンの側面、女性は体のやや前に手をつけて、背筋を伸ばしたま
    ま、上体を15°ほど傾けます。

   ○敬礼
    地位の高い方に挨拶したり御礼をする時、来客を迎える時などに行います。

    男性も女性も、手は太ももあたりに置き、背筋を伸ばしたまま、上体を30
    度ほど傾けます。

  <ポイント>

   まず“気を付”の姿勢から入る。

   “よいオアシス”を活用する

     ◯よ ろしくお願いします。

     ◯い らっしゃいませ     15°

     ◯オ はようございます

     ◯ア りがとうございます。

     ◯シ つれい致します     30°

     ◯ス みません

   “言ってから礼をする”これが挨拶の基本となります。

   即ち「おはようございます」と言葉を投げかけ、その後に礼をするということです。

   この時“○字”の音がアクセントになるようにします。

  場面ごと挨拶例

 

                   電話対応 


  電話対応は面談と同じ態度で向かうのがマナー

  電話を受けるとき、「もしもし」と出る人がいます。

    「うん、うん」と返事したり、「ちょっと待ってくださいよ」などとふだんの受け答え
  のまま話す人もいます。

  話し終わると、受話器をガチャーンと放り出すように置く人がいますが、いずれも
  電話マナー失格です。 

  受話器をもって、お辞儀を繰り返す人がいます。まるで相手が、この場合はお得意
  様なり、目上の人ですが、その人が目の前にいて、直接話しているようにていね
  いなやりとりの仕方をするのです。

  受話器を置くときは、電話機にまでお辞儀をするようなポーズをとります。

  そんな格好を見て滑稽だと笑う人が多いでしょうね。お辞儀をしても相手に見えな
  いのだから意味がないというのでしょうが、そうでしょうか?

  電話の向こうにいる人には、その人のお辞儀する気持ちやたいへんにていねいな
  物腰が伝わらないでしょうか。

  電話の相手に集中している様子や気持ちの込めようがよく分かります。

  そのような人との電話のやりとりは、いつもとてもいい気分がします。

  ですから、電話の応対マナーの基本は、相手が目の前にいるのと同じていねい
  態度で応じることです。

  受話器にお辞儀にする態度を笑うことはできません。

  その上で、電話特有のマナーがあります。 

  例えば電話に出るときは「もしもし」とは受けないで「はい」で受けます。

  返事は「うん、うん」ではなく「はい」と返事します。

  「ちょっと待ってよ」ではなくて「少々お待ちいただけますか」です。

  話し終わったら、相手が切るのを確認してから、静かに受話器をもどします。

  これだけのマナーを守っても、ずいぶんといい印象を与えます。受話器の向こうの
  お互いの呼吸を計りながら、気持ちのいいやりとりをしたいものです。

  電話で落ち着いて話してみると分かることですが、電話のやりとりは神経を受話器
  集中するから、相手の気持ちがよく伝わります。

  ふだんの会話よりも、もっとていねいに話さないと失礼なことになりかねないのです。

  電話一本で、顧客をしっかりとつかむことができるし、電話の受け答えひとつで
  大事な取引先を無くすことにもなりかねません。

  相手が目の前にいると思って、電話にはていねいな気持ちで向かってください。


  電話では少しきどって話してちょうどいい

  電話をしたとき、相手企業のオペレーターに
  素晴らしい
応対をされると、それだけで気持
  ちがガラッと
明るくなります。

電話対応B.jpg  気がついたら自分も積極的な姿勢になってい
  る
ものです。

  ちょっとしたひと言で気分がよくなり、仕事に
  向かう姿勢まで違ってくるのですから不思議
  なものです。

  こんなやりとりが、いい応対です。

  電話をしますと、「はい。株式会社○○でござ
  います」と明るくスッキリと受けてくれます。

  なかには私の声を覚えている人がいて、向こうから「○○会社の△△様でいらっし
  いますね。いつもお世話になっております」とあいさつしてくれます。

  こう言われるとこちらもいい気分で「はい。お世話さまです。□□さんはいらっしゃ
  ますでしょうか」と同じようなリズムで返せます。

  すると「はい。□□でございますね。かしこまりました。少々お待ちくださいませ」の
  返事でしょう。やりとりがトントンと運びます。

  これが、ふだんはこんなていねいな会話はしません。

  「ございます」と言わないで「です」になり、「○○様でいらっしゃいますね」が
  「○○さんですね」、「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」が「分かりまし
  た。ちょっと待ってください」となります。

  それでも失礼ではないでしょう。

  マナー違反ではないが、気分はあまりよくなりません。

  ですから、電話での会話は、ふだんより少しばかり気取って話してちょうどいい
  のです。

  例えば、尋ねたいことがある場合にふだんなら「ちょっと教えてほしいのですが」
    「えーっと、どんなことでしょ」といったやりとりをするところが、電話となると気取
  る
わけですから、声まで、落ち着けて「恐れ入りますが、少々お教えいただきたい
  こ
とがございますが」となり、答えて「はい。どのようなご用件でございましょうか」
  と
なります。

  日ごろはとてもできそうにない言葉づかいでも、電話ならなんとなく使えるものです。

  思い切って使ってみることです。

  一度使えば慣れて、後はスラスラと気取ったやりとりができるでしょう。

  とくに電話は、だれが、どんな状況で受話器をとるのか予測がつかないものです。

  ですから、相手の気持ちを推し量るように、第一声からふだんよりていねいに、やさ

  しく切り出してください。

  電話のマナーは、人に接するときの思いやりのマナーそのものです。

 

               名刺交換 


  人と面会し、名刺を渡さねばならないことがわかっている場合、あらかじめワイシ
  ャツや背広のポケットなど、すぐに取り出せるところに名刺入れを入れておきまし
  ょう。

  また、相手が複数であることがわかっているなら、必要な分を用意しておきます。

  名刺を渡す段になって、他人の名刺で一杯になった名刺入れから、「さて、自分の
  名刺は」と取り出すのはよくありません。

  また、お尻のポケットから出したり、カバンの中をごそごそと授したりするのもみっ
  ともないことであり、同時に、名刺を捜している間、相手を待たせることになり、
  失礼にあたります。

  名刺は、いわば営業マンの顔であり、渡す瞬間が相手の心証を大きく左右する
  のです。

  その後のビジネスをスムーズに進めたいなら、
  まずそのことを肝に命じて、相手によい印象
  を与えたいものです。                     名刺B.jpg  

  名刺交換の順序に従うなら、先方の担当者と
  その(課長)がこちらにとってお客様であれば、
  当然ながらこちらから先に名刺を渡すことに
  なります。

  逆に、こちらがお客の立場であれば、
  先に名刺をいただいてもかまいません。

  しかし、立場はどうあれ、先方の担当者とその
  上司がすでに名刺を用意して待っている場合、
  名刺交換の順序は一応決まってはいるが、
  その場その場に適した状況判断が大切です。

  同時交換の方法は、まず名乗りながら自分の名刺を右手で出し、次に、相手の
  名刺を左手で軽く押さえます。

  相手がこちらの名刺を持ってくれたら、右手を相手の名刺に移動し、持ち替える
  か両手で丁寧に引き寄せる。

  よく、挨拶をする前にポケットからごそごそと名刺を取り出す人がいますが、これ
  はいけません。

  まず挨拶をしてから名刺を出す、または挨拶しながら名刺を出すのがマナーです。

  名刺を受け取ったら、軽く一礼して一度読んでみる。ちらっと見ただけですぐにし
  まい込むのは失礼にあたります。

  読んでみて、もし読みにくい文字があれば、「失礼ですが、何とお読みするのでし
  ょう?」と素直に聞いても、失礼ではありません。

  先方にとっても、間違った読み方をされるよりは、正しい読み方を聞いてもらった
  ほうがいいはずだからです。

  面談した時の記憶はおぼろげでも、名刺を見ていて思い出すことはありませんか。

  裏面に自分の紹介を文章で延々と述べている名刺です。控え目な文章ですが、
  とても好感がもてます。

  通常、裏を使うとしても、箇条書きの業務案内程度のものですが、名刺の裏面
  いっぱいに仕事に対する自分の思いが書いてあったらどうでしょうか。

  思わず読み込んでいるうちに、その方の人となりを感じます。

  「また会ってみようか」、と機会を探します。

  名刺はりっぱな営業マンなのです。

  名刺の表を見てください。

  ご自分の名前が一番大きくないですか。裏も表も会社のことばかりで、個人をわ
  かる情報がないのでは?

  個人を尊重するなら、もっと個人情報が必要です。それも文章で。


   「見る名刺から、読ませる名刺へ」
そんな工夫が必要かもしれません。肩書きや
  箇条書きで連想できないイメージが、お客様の心の中に出来上がる瞬間です。  

 

             訪問先でのマナー 


  (1) 訪問先企業の応接室に通されたとき
    応接室での席順は 原則的に次のとおりです。

    まず第一に長椅子がお客さま用。

      一般的な応接室には長椅子と一人用の肘掛け椅子が置かれているが、肘
    掛け椅子はその会社の人が座るものです。

    長椅子が上座ということではないので、上座に座るのは気が引けるなど考
    える必要はありません。                         訪問B.bmp

    長椅子が置いてあれば、そちらに座ります。

    椅子の形状で判断できなければ、ドアから
    遠いほうが上座ですが、まれにドアが二つ
    以上あって、来客用と社員用が別
    になっている部屋があるが、その場合は
    社員用のドアに向かって座るほうを来客
    用と判断します。

    また、トロフィーや壷などの置物や飾り物、よい
    景色などが見えるほうがお客さま用ということです。 

    座るべき椅子の判断ができたら、そのなかでの上座を判断します。

    よって部屋の雰囲気から総合的に判断することが大切です。 

  (2) 応接間ではなく仕事場に通されたとき
    部屋の奥まっているほうを客用席と考える。そして、ドアに近いほうを下座、

    遠いほうを上座と判断する。しかし、どこに座ればいいのか判断に窮したら、

    1) 案内者に聞くこと。「どちらに座ればよろしいでしょうか」と聞けば教えて
      くれる。

      聞くことは決して失礼ではありません。

    2) 座らずに立って待っている。とくに目上の人や大切なお客さまを待つ場
      合は、当然のように座っているよりも立ったまま待つほうがずっと紳士
      的である。

      その部屋に飾られている絵や置物などを鑑賞しながら待つのもいい。

      目的の人が入ってきたとき、お辞儀や名刺交換もスムーズにできる。

      実はこれが最も丁寧な方法。

  (3) 私宅を訪れる場合 
    職場の上司や普段お世話になっている人たちの私宅へ訪れる際のマナー
    を考えてみましょう。

    家に上がり、応接間や客間に案内されるときには、勝手知ったる間柄の場合、
    「どうぞ、応接間にお通りください」と言われることがある。

    このときは勝手に入ってもかまわないが、普通は、案内してくれる人より先を歩
    いてはい
けない。

    また、途中で案内の人に話しかけるのもよくない。これは取引先で応接室へ
    案内された場合も同様である。

    誰か同伴者がいるときは、二人が横に並んで歩くことは禁物である。

    同伴者と自分の関係を考えながら、一方が前、一方が後ろに前後して歩く。

    夫婦で訪れたときは、夫が先で妻がこれに従う。

    応接間が和室の場合は、床の間の前が上座で、次の座は向かって右、脇
    棚などの側。

    その次は向かって左、上座の隣の席。

    先方の主人は、主客の向かい側の席に座るのが原則となっている。

    脇棚がなく、そこが押入れになっていても、席の順序に変わりはない。

    最近は、床の間のない家も珍しくないが、その場合は、入口から遠いほうが
    上座で、近いほうが下座である。

    応接間へ通されたら、「どうぞ、あちらのほうへ」と、上座の席を勧められた
    ら、一応は下座に座り、座布団を勧められても、一礼だけして、主人が現わ
    れるのを待つ。

    座布団に座るのは、先方の主人との挨拶が済み、「どうぞ、お当てください」と
    言われてからにする。

    手土産があれば、挨拶が済んだときが出すタイミング。風呂敷から手土産を
    出して、いったん自分の正面に置き、向きを先方に変えてから差し出すのが
    エチケットである。

  どうですか? あなたは悪気がなくやっていても、相手は見ていますよ。

  どんなに上手なプレゼンをしても、些細なことが原因で競争相手に契約を持っ
  ていかれます。

 

店舗販売における接客力

          

店舗販売における接客力


  ■店舗販売における接客力を再考する

  □好感度アップの接客方法
   小売店を訪れるお客様には、経済性を追求する消費者としての一面と、安全で快
   適な生活環境を求める生活者としての一面があります。

   経済性を求めた場合、家計を中心に考えた消費行動をとることになる。

   経済性を求めた消費者としてのお客様は、地域の小売店の中から少しでも安い
   商品を購入しようという消費行動をとります。

   一方、生活者としての一面を考慮すると、経済性を求める消費者とは価値観が異
   なります。

   商品が安いかどうかだけではなく、商品は高くても、それにより生活が豊かにな
   る、快適になる、楽しいものであれば購入したくなるものです。

   特に価格を下げても商品が売れないという時には、消費者としての視点だけでは
   なく、生活者としての視点での品ぞろえや販売が重要になります。

   そして、生活の場面で利便性、快適性、必要性を気付かせるのです。

   実演販売を考えてみてください。

   単に売場に陳列しただけでは売れないようなものでも、使い方を実演することで
   飛ぶように売れることもあるのです。

   便利なものであっても、その便利さがお客様に伝わらなければ購入にはつながり
   ません。

   商品は、単に陳列しているだけでは、なかなか購入につながりません。

   商品メリットや利用方法の提案が必要です。

   気付きや発見を手助けするためにはPOPや販売スタッフによる説明が必要になり
   ます。

   特に接客を要する店舗では販売スタッフの育成は不可欠です。

   最低限、商品知識はしっかり身に付けていなければなりません。

   商品Aと商品Bの相違点、それぞれの長所や欠点を十分に把握しておかないと十
   分な商品説明はできません。

   また、例えば服飾関係の店であれば、単品を売るのではなくトータルファッション
   の提案を行うなど、それぞれの業種に合わせた販売技術が必要となる。

   こうした販売技術は、漫然と仕事をしていては身に付くものではありません。

   定期的に講習会や研修会を開くなどして、販売技術のレベルアップを図る必要が
   あります。

  □接客の基本

   1.接客サービスに不可欠な要素
     接客に携わる者にとって不可欠な要素として、態度、言葉遣い、身だしなみが
     挙げられます。

     親切で誠意があり礼儀正しい態度は、その人の人間性の評価につながりま
     す。

     言葉遣いは、その人の人格が判断されますので、正しい言葉遣いを身に付け
     る必要があります。

     常に清潔で、衛生的な身だしなみは、人に好感を与えます。

     態度、言葉遣い、身だしなみは第一印象で判断される事柄です。

     第一印象が好印象ならば、販売につながる可能性が高くなります。

     逆に第一印象が悪ければ、お客様は何も買わずにそのまま店を後にするかも
     しれません。

   2.態度
     (1)販売スタッフの心構え
       いいかげんな態度を取る人には誠意は感じられず、ぶっきらぼうな態度の
       人には親切心を感じられず、だらしない態度の人にはけじめや熱意を感じ
       ることはできないものです。

       このようなお客様の評価は、販売スタッフ個人に対する評価に止まらず、
       サービスやお店に対する評価になっていることを理解しなければならない。

       実際に接客を行う前に、接客に当たる心構えが大切です。

       接客とはお客様に気持ちよく買い物をしていただくためのサービスです。

       お客様に満足していただいて、はじめて販売につながるのです。

       お客様の立場に立てば、店は「売り場」ではなく「買い場」なのです。

       こうして考えると、販売スタッフの仕事とは、商品を「売る」ことではない。

       お客様が「買う」ための手伝いをすることです。

       主役はあくまでお客様であることを意識しておかねばなりません。

     (2)明るい声と笑顔
       明るい声と明るい笑顔ができますか。

       朝が弱くて、声が出ない、頭も働かないという人がいます。

       明るい笑顔が作れれば、自然と明るい声が出てきます。

       鏡の前で笑顔の練習をしましょう。

       また、開店前に発声練習をするのもよいでしょう。

       お客様によく聞こえる大きさの声が出ているでしょうか。

       小さい声でボソボソ話したのでは、よく聞こえません。

       しかし、むやみに大きな声やがなり声は、逆にストレスを感じさせ、人を遠
       ざけてします。

       話すスピードは、速すぎても遅すぎてもいけません。

       早口で話すと、落ち着かない印象を与え、追い立てられる感じがします。

       逆に、あまりにゆっくりだと、お客様を馬鹿にしているような印象を与えてし
       まうことがあります。

       声の大きさ、話すスピードは「お客様がストレスなく会話ができる」ことを心
       掛けましょう。

      (3)言葉遣い
       @接客の基本6用語
         ここでは、接客の基本動作、言語、表現方法をお客様が来店してから退
         店するまでで具体的に解説します。

         初めに「接客の基本6用語」をしっかりマスターしましょう。
          いらっしゃいませ
          かしこまりました
          お待たせいたしました(少々お待ちくださいませ)
          申し訳ございません(申し訳ございませんでした)
          恐れ入ります(恐れ入りますが…)
          ありがとうございます(ありがとうございました)

         これらの言葉は必要とされる場面で自然と出なければ、意味がありませ 
         ん。

         開店前のミーティングの時に、毎回、発声練習のつもりで大きな声で練
         習をするといいでしょう。

       A適切な敬語
         敬語には、丁寧語、尊敬語、謙譲語があり、丁寧語の場合、語尾に、

         ………です(でした)
         ………します(しました)

         とすれば丁寧語になるので簡単ですが、慣れないと使い分けが難しい
         のが、尊敬語と謙譲語です。

         簡単に説明すると、
         尊敬語は相手に敬意を払う表現、謙譲語は自分をへりくだって使う
         表現です。

         よく使われる敬語を一覧にすると表のようになります。
         なお、尊敬語と謙譲語を使用するときには丁寧語を合わせて使用する
         のが一般的なので、表ではそれぞれ丁寧語を合わせた表現にしていま
         す。

         以上が日常会話で使用頻度の高い言葉ですが、そのほかの言葉の場
         合、

           尊敬語では「○○られる」「お○○になる」
           謙譲語では「お○○する」
         とします。

         敬語をマスターするには、頭で理解するだけでは不十分です。

         考えながら話すのでは会話にならないので、お客様に対しても失礼にな
         ります。

         (3)の@「接客の基本6用語」の発声練習を行うことは敬語の練習にも
         なります。

         また、敬語とは少し違いますが、聞き手に上品な印象を与えるために使
         う言葉として美化語があります。

         美化語とは、名詞の前に「お」や「ご」を付けて、
           お菓子、お茶、お金
         などのようにすることです。

         次の2つを比べてみてください。
           「この菓子は茶に合いますね」
           「このお菓子はお茶に合いますね」

         いかがでしょうか。

         「お」を付けたほうが自然だと思いませんか?

         <「お」や「ご」を付けていい場合>
          相手のものごとを表す時(尊敬語「お・・・になる」から)
            例:お体、お召し物、御尊顔、御芳名など

          動作が相手に及ぶ時(謙譲語「お・・・する」から)
            例:お願い、おじゃま、ご案内、ご迷惑など

          慣用が固定した言葉(多くの人が使っている)
            例:お節、お新香、お風呂、お酒、ご飯、ごちそうなど

       B分かりやすい言葉
         お客様と話をする時には、分かりやすい言葉を使うよう心掛けねばなり
         ません。

         例えば、近年カタカナ語が使われる機会が増えています。

         カタカナ語も定着すれば、それなしではそのものごとの説明は難しいも
         のですが、まだ定着するに至っていないカタカナ語をむやみに使うのは
         控えたほうがいいでしょう。

       また、業界や自店でのみ通用する略語や通称なども、お客様と話している
       時に使ってはいけません。

       お客様の知らない用語を多用することは、お客様を不快な気持ちにさせて
       しまいます。

       お客様に気持ちよく買い物をしてもらうためには、お客様の反応をみなが
       ら、別の言葉に置き換えるなどの心遣いが大切です。

     (4)身だしなみ
       接客には、清潔感ある身だしなみが不可欠です。

       当たり前のことですが、お客様に不快な印象を与えない身だしなみを心掛
       けます。

       特に、飲食物を扱う店であれば、清潔感がないことは致命的です。

       また、服飾関係の店であれば、清潔感に加えて、センスも大切です。

       お客様に不快感を与えないため、最低限、以下のことに気を付けましょう。
        ・清潔感のある髪型ですか
        ・ヒゲはきちんと剃っていますか
        ・化粧は適度なものですか
        ・爪の手入れはできていますか
        ・服装はきちんとしていますか
        ・口臭予防はできていますか

     (5)その他
       態度、言葉遣い、身だしなみといった、第一印象で判断される事柄以外に、
       販売スタッフにとって欠かすことのできないものが商品知識です。

       商品知識が不十分では販売スタッフとして失格です。

       お客様に各商品の特徴、利点などの説明ができ、用途に合わせた商品の
       選択などができるようでなければなりません。

       説明書やパンフレットを読んだり、実際に使用してみたり、ほかの販売ス
       タッフの意見や感想を聞いてみたりして、知識を身に付ける必要がある。

       また、商品以外にも、同商品を取り巻く業界動向などを業界紙や専門誌、
       仕入先の担当者などから情報収集しておくと、お客様への説明の内容に広
       がりが出てきます。

       また、商品知識は十分にあっても、それをうまく説明することができなけれ
       ば、せっかくの知識は生かされず、無駄に終わってしまいます。

       販売スタッフ同士で、商品説明のロールプレイングをするなど、一度、言葉
       にしておくと本番の接客で言葉がスムーズに出てくるものです。

  □好感度アップの接客方法

   1.褒め言葉
     コミュニケーションが円滑に行うために、相手を褒めることは重要です。

      「素敵なバッグですね」「ロングコートがお似合いですね」「背が高くて
      スタイルもよろしいので、どんな洋服でもお似合いになりますね」

     何かにこだわりを持っている人に対しては、帽子、眼鏡、時計、靴、バッグな
     ど、こだわりの商品を「素敵ですね」と素直に表現します。

     こだわりのモノを褒められて気を悪くする人は少ないものです。

     価値観の共有は親近感を抱かせるものです。

     また、お子様連れのお客様には、
      「かわいい赤ちゃんですね。女の子ですか」
     と、子どもを褒めることもよいでしょう。

     なお、赤ちゃんは、見た目で男の子か女の子か判断するのは難しいもので
     す。

     男の子かなと思っても、女の子としたほうが無難です。

     仮に男の子であっても「あまりにかわいいので女の子かと思いました」と続ける
     ことができるからです。

     こうした会話を通じて少しでも心を開いてくれれば、お客様の求めている商品
     のイメージや使用目的などを聞けて、それに合った商品の提供または提案に
     つながります。

     ただし、形だけの褒め言葉は危険です。

     褒め言葉は、コミュニケーションを円滑にするために必要ですが、本当の褒め
     言葉でないと、なかなか通用しません。

     どこがどのようによいのかが明確でないのに、褒め言葉を使ってはいけない。

     「素敵なバッグですね」というのは簡単ですが、「どこが?」「何が?」と問い返
     されたら困るようではいけません。

     うわべだけの褒め言葉は相手に簡単に分かってしまいます。

   2.肯定的な表現を心掛ける
     話は極力肯定的な表現をすると好印象を与えます。

     お客様から、
       「この商品でもっと大きいLLサイズとかXLサイズはありますか」
     という質問を受けたとします。

     この商品はMサイズとLサイズだけで、LLサイズやXLサイズはありません。

     この場合、
       「あいにく、こちらの商品はLLサイズやXLサイズはございません」
     とするよりも、
       「あいにく、こちらの商品はMサイズとLサイズだけの展開となっております」
     としたほうが、柔らかい印象を与えます。

     日本語は英語などの外国語に比べて、ストレートな表現を避けるケースが多
     いものです。

     ほかの商品で希望にそったサイズの商品があれば、続けて、
       「あちらの商品ですと大きいサイズもございますが、ご覧になりますか」
     と、代替商品の提案につなげます。

   3.短所は先に長所は後に
     次の2つを比べてみてください。
       「A氏は努力家なのだが、たまに失敗をする」
       「B氏はたまに失敗はするが、努力家である」
     どちらも同じ内容の言葉が並んでいるのですが、聞き手の印象は大きく異なり
     ます。

     A氏は「努力家」という好評価を得ているが、「たまに失敗をする」ということで、
     その評価を帳消しにするようにマイナス面が強調されます。

     一方、B氏は「たまに失敗をする」というマイナス評価を打ち消すほどの「努力
     家」であるといった印象を与えます。

     これは、後で聞いた情報のほうが、最初に聞いた情報よりも記憶に残りやすい
     ためです。

     これを接客の場面で考えてみると、お客様から、
       「A商品はちょっと高いですね」
     と言われた時に、
       「A商品は機能性が高いため、値段が若干高くなっています」
     とするか、
       「確かにA商品は値段が若干高いのですが、それ以上に機能性が
       高くなっています」
     とするかでお客様への伝わり方が大きく異なります。

     また、
       「A商品の値段が高いのは、機能性が高いからでして、それを考えると、
       値段がそれほど高いというわけではありません」
     とした場合はどうでしょうか。

     機能性の高さを強調していますが、この場合、お客様の意見を否定することに
     なります。

     高いか安いかはお客様が判断すべきことであり、お客様の判断を否定するよ
     うな発言は失礼です。

     セールストークは、理屈や議論でお客様を説き伏せるというものではない。

     お客様の意見や価値観を尊重しつつ、別の視点による利点を伝えるためのも
     のです。

     従って、このような場合は、
       「確かに高いかもしれません。しかし、それ以上に使い勝手がよくなってい
       ます。従来の商品では不可能でしたが、○○までできるようになったのです」
     といった表現にすべきです。

   4.聞き上手になる
     話し上手であるよりも、聞き上手であることが重要です。

     多く話すことがよい接客なのではありません。

     一方的に話すだけではコミュニケーションではありません。

     聞き上手になるための基本は、お客様の話に適切に相づちを打ったり、お客
     様の話を復唱したりすることです。

     相づちを入れたり復唱したりすることで、お客様の話をしっかり聞いているとい 
     う姿勢をみせることができ、聞き間違いや勘違いを防ぐこともできるのです。

     また、適切に質問をすることも聞き上手になるためには重要です。

     例えば、
       「セーターを探しているんだが…」
       「はい、セーターでございますね。襟の形はどのようなものがよろしい
       でしょうか」
       「クルーネックがいいね」
       「はい、クルーネックでございますね。色はどのような色がよろしい
       でしょうか」
       「赤かな」
       「はい、赤でございますね。クルーネックの赤いセーターですと、
       こちらの商品はいかがでしょうか。素材はカシミヤ100%で、発色が
       美しく、軽く、柔らかで、とても暖かいんですよ」
     と復唱に加えて、さらに質問を重ねることで、明確なニーズを引き出すことがで
     きます。

  □接客の実際
   お客様が入っていなくて、販売スタッフが暇そうに来店客を待っているような店は
   入りにくいものです。

   販売スタッフは、ディスプレーの変更や商品の並べ替えなどをして、常に動いてい
   たほうがお客様は入店しやすいものです。

   作業をしながらも、店内や入口への注意を欠かさず、お客様の入店と同時に、 
   「いらっしゃいませ。どうぞ、ご自由にご覧くださいませ」といった言葉をかけます。

   しかし、そこですぐにお客様の近くに寄って行ってはいけません。

   入店時から買いたい商品が決まっているお客様であればそれでもよいかもしれま
   せんが、そうしたお客様はあまり多くはありません。

   多くのお客様は「とりあえず商品を見て、気に入ったものがあれば買おう」と考え
   ているのです。

   そうしたお客様に対して入店と同時に販売スタッフが近寄って行ったら、お客様は
   「必要のないものを買わされるのではないか」と警戒心を抱き、早々に店から立ち
   去ってしまう可能性があります。

   販売スタッフは、お客様の入店後しばらくは作業を続けながら、タイミングをみて
   作業を中断し、お客様にアプローチの声をかけます。

   しかし、「何をお探しですか」と聞いたところで、明確な回答を得られるとは限りま
   せん。

   こうした場合、「はい」か「いいえ」で答えられる、答えやすい質問から始めることが
   有効です。
     「○○をお探しですか」
     「こういった○○はいかがですか」
   などと、答えやすい質問を繰り返しているうちに、お客様の中でも漠然としていた
   ニーズがより明確になっていくケースが多いものです。

   なお、購入の意思決定はお客様がするものです。

   お客様が満足して、その商品を購入することが、何よりも大切です。

   お客様が迷っている時に結果を急ぎすぎてはいけません。

   迷っているお客様に対して販売スタッフが商品をお勧めし、そのまま購入に至れ
   ば、接客は成功したかのようにみえます。

   しかし、お客様が実は迷っていながら販売スタッフに押し切られる形で商品を購
   入し、購入後に商品に対して何か不満が見つかった場合、お客様の不満は商品
   自体に対する不満ではなく、「商品を売りつけた」販売スタッフや店に対する不満
   となります。

   店に対して不満を抱いたお客様は、二度と来店してくれないかもしれません。

   それだけでなく、店に対して不満を抱いたお客様は、知人に対して「あの店に行く 
   と商品を無理やり売りつけられる」と、店の悪口を言うかもしれません。

   そうした悪口を聞いた人たちは、果たしてその後店にやってくるでしょうか。

   おそらく来店は期待できないでしょう。

   商品を一つ販売するために、リピーターになってくれたかもしれないお客様を逃
   し、また潜在的なお客様も失ってしまったのです。

   お客様が商品に対して不満や不安がある場合、それを取り除かなければなりま
   せん。

   前述の通り、販売スタッフの仕事とは、商品を「売る」ことではなく、お客様が「買
   う」ための手伝いをすることです。

   すぐには商品の販売につながらなかったとしても、お客様に満足を提供し、再び
   来店してもらうことが、本当の「接客力」なのです。