建設業

              

建設業
建設業者の生き残り・勝ち残り策

  ■公共工事の減少

   公共工事は1999年度以降、一貫して減少傾向にあり、9年間で半分以下の水準
   にまで減少した。

   2008年度以降は景気刺激先としての予算追加等によりわずかに増加に転じまし
   たが、今後も大幅な回復は見込みにくい状況です。

   一般的に、地方の建設業者は公共工事依存度が高く、公共工事の減少は経営
   基盤を揺るがす大問題です。

   それに加えて、知名度のあるゼネコンとの競合になれば、受注を確保するため価
   格競争になり、ますます経営を悪化させるという悪循環に陥りかねない。

   しかし、社会資本を整備する役割を担う建設業者は、こうした難局を乗り越え、大
   きく成長することが求められます。
 
  □建設業者の生き残り・勝ち残るための視点

   前述したような厳しい環境下で、今後、建設業者が成長していくためには、以下の
   ような視点で経営を再検討することが必要でしょう。

    1.地域に密着した営業展開を強化すること

    2.他社より優れた特殊技術をもつこと

    3.正確な情報の収集で利益管理や営業管理を適切に行うこと

    4.機械設備の導入、労務管理の徹底などで効率経営に努力すること

    5.事業の多角化について、柔軟な考えで対処すること

   以下に、それぞれの視点についてポイントをあげていきます。

   1.地域密着の営業展開を強化

     地元業者では、地域密着型の営業が特に重要です。

       顧客の細かい要望に対し、柔軟な設計変更で応じるなど
       大手ゼネコンやハウスメーカーなどではできないことに丁寧に
       対応する

     ことが大切です。

     また、ちょっとしたクレームや質問に対してすぐ顧客の元に出向き対応すること
     や、施工現場を美しくすること、多様な商品の品揃えをすることなどでも、地元 
     顧客に地域密着のイメージをもってもらうことができます。

     このように、顧客に誠実な体制を整えることが、企業イメージをアップさせ、口
     コミで顧客を広げる有効な手段となるのです。

     地域密着型の営業を実践している建設会社のなかには、徹底した地域密着を
     実現するため、施工エリアを本社所在地から50キロメートル圏内に限定して
     いるところもある。

     その大きな理由として、クレームにスピード対応するためということがあげられ
     ます。

     50キロメートル程度だと、電話を受けてから1〜2時間ほどで駆け付けること
     が可能だからです。

     また、具体的に施工を始めた現場をモデルルーム・ショールームなどの営業
     拠点としているところもあります。

     そうした場合には、現場で目に触れやすい仮囲いやシート、看板は、周囲への
     影響を考えて、統一した美しいデザイン・マークを使用します。

     現場監督や職人にもマナー整理整頓の遵守を厳しく徹底します。

     現場の職人は、近所の住民に丁寧な応対をする、ゴミやたばこの吸い殻を持
     ち帰るなど、工事の騒音などで近所の住民に迷惑をかけて申し訳ないという
     気持ちを行動で示すようにします。

     こうした態度を取ることにより、工事現場の近所の住民からの評判もよくなりま
     す。

     工事現場の様子を見ていた近所の住民から信頼されて、工事を受注するとい
     うケースもあります。

   2.他社より優れた特殊技能をもつ

     技術力が他社と比較して高ければ、

       自社のウリを「技術力」として技能特化型企業となる

     ことが可能でしょう。

     さらに、技能者不足の現状や受注の効率化を考えると、生産性を高めることも
     重要な特殊技術といえる。

     具体的には、マニュアルを作成するなど、合理化手法を開発することで、熟練 
     した職人以外でも高度な製品を作ることが可能になるでしょう。

     こうしたことにより職人不足への対応だけでなく、コストダウンも可能になる。

     また、社員などからユニークなアイデアを募集し、それを思い切って採用する
     などの姿勢も必要です。

   3.正確な情報収集で利益管理や営業管理を適切に行う

     正確な情報を得るためには、現場の営業担当者に、

       報告書の提出を定着させることが必要です。

     特に営業活動においては、こうした報告によって営業担当者と上司が顧客に
     関する情報を共有することが可能なため、上司が営業担当者の悩みや営業
     方法について適切な指示を与えることができます。

     また、工事現場において、使用した資材や人員数、工事の進捗状況などの実
     績を毎日データベースに入力し、情報共有を図ります。

     この各現場の実績に、当初の予算をつねに対比させることで、より緻密な利益
     管理が可能になります。

     さらに、各現場の最終費用実績を参考にすると、別の工事の必要経費が予想
     できるようになり、受注金額を決定する際に役立てることもできます。

   4.機械設備の導入、労務管理の徹底などで効率経営を強化

     効率的な経営を行うためには、職人などの人件費の適切な管理が不可欠で
     す。

       徹底した作業の標準化や資材の集中処理、営業体制の見直しなどで、
       効率的に職人を使うことにより、人件費を削減する

     ことが可能です。

     効率化のためには、まず徹底して部門内の作業を分解することが必要です。

     さらに、コストダウンのために、設計図から施工部材、施工動作、スケジュール
     管理、予算管理、施工道具まで分解し、経費削減の可能性を分析します。

     人件費の削減に当たっては、分解した作業ごとに要した時間を調査し、作業
     者にも納得してもらえる標準作業時間を設定することにより、適正な人件費を
     把握するようにします。

     給排水、電気、内装など、専門の職人による施工が必要な場合もありますが、
     単純で、施工道具も完備され、完全にマニュアル化されている工程は、アルバ
     イトを利用することも可能となる。

     作業時間が減少すると、貸金が減少する恐れがあるとしてマニュアル化に反
     対する職人がいても、標準作業時間を守ることでこれまで以上の数の現場に
     従事することができるなど、逆に貸金が増加するケースもあることなどを説明
     し、理解を求めましょう。

     そのほか、インターネットを活用すれば、FAXや宅配便などよりも安く迅速に、
     設計図面に関しての修正や確認などの情報を送達できます。

     最新である必要はありませんが、情報設備は積極的に導入を検討するように
     します。

   5.事業の多角化について、柔軟な考えで対処

     多角化については、

       自社の技術をいかせる関連部門への多角化が中心になります。

     もっとも多いのは、個人住宅分野への多角化です。

     個人住宅分野も大手ハウスメーカーなどが全国を営業エリアとしています。

     そのため、輸入住宅・省エネルギー住宅といった特徴ある住宅に特化するな
     ど、他社との差別化を図る必要がある。

     そのほか、建設廃棄物のリサイクル、現場ごとの利益管理システム作成など、
     従来、建設業者が課題として捉えている分野に注力し、多角化を図っている事
     例もあります。

     厳しい環境だからこそ、体に汗をかくだけではなく、頭に汗をかき、知恵を絞り
     だすことが重要なのです。

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中小工務店の勝ち残り策

                 

中小工務店をとりまく環境

  ■工務店をとりまく環境

   1.住宅着工数の推移

    平成9年度の住宅着工数は、平成8年度に見られた消費税率引き上げ前の駆
    け込み需要の反動、大企業倒産などによる将来の雇用、所得に関する不安な
    どから約134万戸(前年度比17.7%減)となっています。

    平成10年度の住宅着工数は、低金利が継続されたものの、景気の低迷および
    雇用や収入の先行き不安などにより、117万9536戸と前年度比12.1%のマイ
    ナスとなり、平成9年度とあわせて2年間で30%近くの大幅減少となりました。

    こうしたなか景気回復を図るため、住宅着工数を増加させようと住宅ローン減税
    制度が創設されました。

    住宅金融公庫の低金利政策とも相まって、平成11年に入ってから消費者の住
    宅建築・購入意欲は高まってきました。

    その結果、平成11年度は122万6207戸(前年度比4.0%増)と3年ぶりに増
    加しました。

    平成15年度の新設住宅着工戸数は117万3649戸で、前年度比では 2.5%
    増となり、4年ぶりの増加となりました。

    2019年度の住宅着工戸数が前年度比2.9%減の92万3400戸となる推計を
    発表した(建設経済研究所)。

    しかし、今後の住宅業界を中長期的(5〜10年)な視野で捉えると、その前途は
    決して明るい状況とはいえません。

    最近建てられた住宅は、「耐久性」が非常に重視されており、質が大幅に向上し
    ているため、今後は建て替え需要が減って、住宅着工数も減ることが予想され
    ています。

    さらに、少子化により住宅購入者が減少したり、高齢化によって同居する人が
    増えることなど、日本の人口構造の変化も住宅着工数の減少に拍車をかけるで
    しょう。

    高度成長期以降、日本の住宅供給の中心となってきたように見えるハウスメー
    カーですが、実は大手ハウスメーカー8社の国内シェアは21%程度にとどまっ
    ています。

    つまり日本全体で見ると、ハウスメーカーよりも特定の地域を中心に建築棟数
    を伸ばしているビルダーや、小規模ながらも地場に根付いている工務店が担っ
    ている割合の方が大きいのです。

   2.性能表示制度の導入

    性能表示制度とは、新築住宅の性能を統一的かつ客観的に示し、第三者が確
    認することで購入者が安心して住宅の取得ができるよう、平成12年4月から施
    行された住宅品質確保促進法に盛り込まれている制度です。

    この制度は、発注者などから申請があった住宅だけに適用されます。

    性能表示項目としては、構造性能、火災安全性能、耐久性能、維持管理容易
    性、温熱環境(省エネ)性能、空気環境性能、光損壊境性能、音環境性能、高齢
    者配慮(バリアフリー)性能の9項目になります。

    性能評価は、評価機関が図面段階、中間検査時、完了検査時の3段階で実施
    します。

    性能評価機関が図面段階で評価した性能を、施工で実現させるという性能契約
    を発注者と施工者が結び、中間検査時と完了検査時の評価で、施工者が図面
    通りに施工して契約通りの性能を実現したかどうか性能評価機関がチェックす
    るという流れになります。

    実際の性能表示の方法は、具体的な数値表示ではなく、基本的にランク表示と 
    なっています(数値表示されている性能表示項目もあります)。

    性能表示制度に関連して性能評価機関のほかに、性能表示制度が適用された
    住宅を巡るすべての紛争を処理する「住宅紛争審査会」が設置されました。

  □工務店が抱える問題

   工務店とは、地域密着の大工・職人集団で、年間数棟〜数十棟の規模で活動し
   ています。

   形態は規模によって様々ですが「商品」という概念を持たず、施主との対話によっ
   て一棟一棟オーダーメイドの家づくりをしている会社が多いようです。

   木造在来工法を中心とした伝統的な家づくりが得意である反面、土地探しやロー
   ンなど、建築以外の業務にはあまり積極的でないため、施主自らが不動産会社
   や金融機関に出向いたり、交渉したりする場合もあります。

   対策を考えていく前に、まず問題点を整理して考えてみましょう。

   1.人材の育成

    (財)建設業振興基金の調査によれば、労働生産性が低下している理由として、
    「技能者の高齢化が進行し、以前よりも仕事量をこなせなくなっているため」をあ
    げる企業が60%以上にものぼっており、若年技能者の育成が業界の大きな課
    題となっています。

    工務店に必要な技術者の育成には、短くても4〜5年、長ければ10年以上かか
    るともいわれていますので、現場を任せられるような人材の育成に、早急に取り 
    組むことが必要です。

   2.経営基盤

    中小の工務店が苦戦するなか、大手住宅メーカーのシェアは年々増加しています。

    大手住宅メーカーが伸びている要因としては、次の3つがあげられます。

     (1)低価格住宅の実現

     (2)商品力の向上

     (3)PR力と営業力

    (1)低価格住宅の実現

      大手住宅メーカーは、

       ・住宅の規格化

       ・大量生産

       ・独自工法の開発

       ・合理的な工法による工期短縮

      などにより、高い生産性と価格の低廉化を実現しています。

    (2)商品力の向上

      消費者のニーズは、価格やデザインなどに対してだけでなく、

       ・高齢者に対応したバリアフリー、アレルギーなどの心配のない健康住宅

       ・高断熱、高気密、太陽エネルギーを利用した省エネルギー住宅

       ・耐震構造、高耐久性住宅

      など住宅の質にいたるまで、多様化してきています。

      こうした消費者のニーズに対応するため、大手住宅メーカーでは積極的な商
      品研究・商品開発を進めています。

      そのため、最近では半年〜1年ごとに新機能や性能を向上させた新商品を
      販売している住宅メーカーも見られます。

    (3)PR力と営業力

      大手住宅メーカーでは営業においても、ニーズ調査を行なったり、自社独自
      の規格化住宅を生みだし、莫大な広告費をかけ宣伝を大々的に行ない、展
      示用の住宅を建設し、常駐の営業担当者を配置するなど「攻め」の営業を行
      なっています。

      大手住宅メーカーは以上のような経営で、着実に知名度をアップさせ、消費
      者に安心を与え、信頼を得ています。

      一方、中小の工務店は、

       ・従来の慣習や工法を続けているため、生産性の向上やコストダウンが
        難しい

       ・商品開発を行なえる人材や費用に制限がある

       ・受注は口コミに頼る「待ち」の営業がほとんどである

      というのが実情で、厳しい経営環境のなか、受注が伸び悩んでいるのが現
      状といえます。

  □工務店の生き残り策

   生き残れる工務店としての大前提は、消費者に何十年も満足してもらえる設計・
   間取りを提案し、そうした住宅を建てられることです。

   その上で地域の工務店が生き残るためには、地域に深く根を下ろした、

    地域密着型の経営をすること

   が必要だと考えられます。

   ここでは、こうした経営を実践するために、中小規模の工務店が取り組むべき対
   策を考えてみます。

   1.自社の存在をアピール

    住宅展示場や専門の営業担当者を配置できない工務店では、他の方法で自社
    の存在を周辺地域の消費者にアピールする必要があります。

     そのひとつとして、周辺地域に配布するチラシを工夫することが考えられます。

    消費者が住宅に関して知りたい情報は、価格と性能のバランスです。

    こうしたことから、チラシには、

     ・設備の内容やその効果を詳しく説明し、割安感をもたせる

     ・高級感のある設備、付加価値の高い設備(太陽光発電など)といった
      自社の住宅の特徴を表す機能を前面に打ち出す(取り扱っている商品
      が複数ある場合には複数種のチラシを作成する)

    などの工夫をして、消費者に分かりやすくアピールする必要があるでしょう。

    こうすることで、チラシを見てすぐ価格と性能のバランスが分かるため、チラシの
    効果が上がると思われます。

    また、チラシ以外にも自社の存在をアピールする方法はあります。

    施工現場周辺の住民に対して、

     ・着工時には心を込めた挨拶文とともにタオルを配布する

     ・完成時には騒音や粉塵などで迷惑をかけたお詫びに大工が包丁
      研ぎ・まな板削りサービスを行なう

     ・工事完了後には、ゴミを出した責任を果たすため現場周辺の掃除と
      ドブ掃除を行なうといった活動を展開している工務店があります。

     ・現場工事期間中、向こう三軒両隣と言う言葉もあるように、1日の
      現場が終了したら掃除をして帰る

     ・現場の後片付け、使用中の木材にはビニールシートをかけておく

     ・タバコは近隣の目につかないきまった場所で吸う

    こうしたことで周辺住民に自社の存在をアピールできます。

    さらに、こうした活動を見て、良いイメージをもった周辺の住民から受注できるこ
    ともあります。

   2.現場見学会の実施

    地域の人々から信頼を得るためには、自社の施工技術・施工能力を実際に見
    せることも必要でしょう。

     自社が手がけている建築中の物件の現場で、現場見学会を開催し、
     消費者に公開することにより、建材や工法を実際に見てもらえます。

    とくに上棟時に現場見学会を開催することで、普段はなかなか見ることができな
    い木造住宅の構造などを見てもらいます。

    このときに、自社住宅の構造の特徴・安全性・性能などを分かりやすい資料にま
    とめて来場者に配布するとともに、設計や構造に詳しい担当者に説明させること
    で一層効果が高まります。

    さらに、完成後の物件の室内を公開することによって、実際の住宅をイメージし
    やすくなります。

    こうした見学会は、自社の物件に対する信頼感をアップさせるとともに、消費者
    の住宅購入の意識を高めることができるため、営業にはきわめて有効な手段と
    なります。

   3.人材の育成

    工務店が生き残っていくためには、会社を支える人材が重要です。

    そのため、

     質の高い住宅を建てられる人材を育成することも生き残りの鍵といえます。

    とくに、大手住宅メーカーのような規格化された住宅ではなく、技能者(職人)の
    技術を前面に出すような住宅を販売している工務店では、職人の育成は積極的
    に行なう必要があります。

    ある工務店では、

     ・新卒者を6〜7名採用し、現場中心に徹底的に技能の教育を実施する

     ・仕事の成果に応じて正当な報酬を与える

     ・現場に職人個人の顔写真・名前入り看板を立てて、責任とプライドをもたせる

    などの手法で、若年層の技能者育成を図っています。

    また、自社以外で育成する方法も考えられます。

    その場合は外部機関を活用することになります。

    各都道府県の工務店関係の組織で研修を実施していることもありますが、
    財)国際技能振興財団でも、1週間程度の期間で、大工、左官工の人材育成
    を目指した合宿研修を開催しています。

    左官や大工技術の講義と実習が中心の研修で、参加料は宿泊費、食費、実習
    費込みで1人5万円程度です。

   4.アフターフォローを徹底する

    大手住宅メーカーではなかなか手を出しにくい修繕などを丁寧に行なうことで、
    信頼を得ることができるでしょう。

    具体的な手法として考えられるのは徹底したアフターフォローです。

    定期的なアフターフォローは確実な受注につながります。

    たとえば、建築後2年目以降、半年ごとに無料点検・診断を行なうことや、パート
    を雇ってアフターフォローの電話をかけるだけでも効果はあります。

    また、地域の工務店であれば、ちょっとしたクレームや質問に対してもすぐ顧客
    のもとに出向き対応することも可能でしょう。

    こうした顧客に親切な体制を整えることが、企業イメージをアップさせ、口コミで
    顧客を広げる有効な手段となるのです。

   5.FC加盟

    新しい工法を採用したり、省エネルギー住宅や健康住宅などの住宅を開発する
    ことは、工務店にとってはなかなか難しいものです。

    しかし、FCでは特徴的な工法や住宅を開発していることが多いため、

     FCへ加盟すれば、

     効率的に新しい技術やコストダウンのノウハウを取り入れることができます。

    加盟には、加盟金やロイヤルティーが必要になりますが、

     ・商品充実(特徴的な住宅・工法を採用することができる)

     ・営業力強化(本部のもつ販売ノウハウを吸収できるとともに、直接、
      販売の協力を得られることもある)

     ・施工合理化(FCの規格化住宅はプレカット、工場組立が基本であり、
      熟練した施工技術が求められないことが多いため、工期の短縮と職人
      の確保が容易になる)

     ・資材購入費のコストダウン(本部の大量仕入れにより、資材が低価格で
      手に入り、住宅の低価格化に対応できる)

    などのメリットがあります。

   6.性能表示制度への取り組み

    大手住宅メーカーとの性能の差を明らかにするため、前述の工務店をとりまく環
    境にある性能表示制度に積極的に取り組むことも考えられます。

    性能表示制度が適用された住宅は、性能評価書というお墨付きと、紛争処理の
    アフターサービスが付きますので、公的な保証が付いた商品だといえます。

    法律では、住宅性能表示は発注者などから申請があった住宅だけに適用され
    るものですが、

     大手住宅メーカーとの品質の違いをわかりやすく消安着に説明できるうえに、
     法的に品質が認められ他のエ務店と差別化できるといったメリットもあるので、
     積極的に取り組むことを検討したほうが良い

    でしょう。

   7.ボランティア活動

    ボランティア活動を通じて地域に密着することで、地域にある住宅需要の掘り起
    こしのきっかけとなり、自社の受注につなげることが可能になります。

     住宅需要を掘り起こす方法として考えられるのは、
     長期間にわたって行なう周辺地域住民を対象としたボランティア活動です。

    こうした活動で、知名度が上昇し、地域からの信頼を得られ、住宅の増改築・建
    て替え・新築に関する情報を得られるようになるでしょう。

    工務店で簡単にできるのが、子供の夏休み期間を利用して行なう「親子木工教
    室」です。

    これは、小中学生の夏休みの工作の宿題に、親と一緒に協力しようというもの
    です。

    こうした活動で、15年以上経ってから、当時中学生だった子供から受注を請け
    負った工務店もあります。

    実際に行なう場合、小中学校の校門や近隣でチラシを配ったり、暑中お見舞い
    と合わせて紹介することで集客を図ることが考えられます。

    また、ボランティアの一環として、一人暮らしの老人宅に小規模な修理を行なう
    ために大工を1日無料で派遣している工務店もあります。

   8.ウェブ集客

    インターネットでの集客は地元密着の中小企業にこそチャンスがあります。

    住宅市場は、景気の上向きトレンドに加え、翌2019年の消費増税を控えている
    こともあり、久々に活発化することが期待されます。

    ここ数年は商談の長期化・商談の先送り傾向が見られた一次取得層が動き始
    めることも考えられ、これまで以上に集客・営業の仕掛けが求められる1年にな
    るでしょう。

    住まいづくりの検討をスタートし、情報収集を行っている段階の一次取得層を捉
    えるためには、ネットでの自社PRは避けて通れない問題です。

    ビルダー・工務店のネット集客は、他業界に比べて大きく遅れをとっている時代
    が長かったのですが、ここ1〜2年ほどでようやく、本腰を入れて取り組む会社
    が増えてきました。

    しかし一方で、いまだネット活用に消極的な会社が少なくないことも事実です。

    特に、地域密着型の中小ビルダー・工務店では、今でも「うちの会社は小さいか
    ら」「うちの会社は限られた地域でやっているから」という理由で、ネット集客に力
    を入れないケースが、まだまだ多いようです。

    しかし、ネット集客は、実は地域密着型の中小企業にこそチャンスがあります。

    多額の広告費用を投じなくても、適切な投資と工夫によって、大きな集客効果を
    得るチャンスがあるからです。  

  □企業事例

   以下に、自社独自の戦略で差別化を図っている企業を紹介します。

   <事例1試住可能なモデルハウスをオープン>

    群馬県のAホームでは、

    実際に宿泊体験できるユニークなモデルハウスを開設しています。

    家の天井や壁、床下など内部に空気を循環させることで断熱性、放熱性を高め
    るという特徴をもつ住宅について、宿泊体験を通じて理解してもらうのが狙いです。

    家具やシーツ類、照明器具のほか、1泊分の食料や浴室の用意など生活に必
    要な設備を用意し、家を建てようとする顧客向けに無料サービスとしています。

    運営の担当者は、

     ・運営は順調で、宿泊客の契約率は5割を軽く超える

     ・特徴ある住宅であれば、体験型のモデルハウスは効果的だろう

    と話をしています。

   <事例2 囲い込みと深耕戦略の営業で顧客満足度ナンバーワンを目指す>

    岡山県のB社では

    4つの倶楽部を設立して、最客の囲い込みと深耕を図ろうとしています。

    この倶楽部は、継続的・定期的に人と情報交換できる場として位置づけられて
    います。

     1つ目の倶楽部は、地元の不動産業者20社以上を組織化しているものです。

     不動産業着からお客様を紹介してもらうことを狙っています。

     2つ目は、弁護士や税理士、公認会計士、行政書士、司法書士などの専門家
     10名を組織化しているものです。

     専門家の知識を活用して地主などに対するコンサルティングを行なうことで、
     他社と差別化を図っています。

     3つ目は、地域の地主の方に、税務相談、健康問題など日常的な問題を気軽
     に相談できる場を提供するものです。

     親身になって相談に応じることで、建て替え時などに特命で発注してもらうこと
     を目指しています。

     長い時間をかけることで、財産管理を任せてくれるようになった地主の方もい
     ます。

     4つ目は、健康をキーワードにさまざまな情報を提供することで、周辺地域の
     人々を組織化しています。

     無料セミナーを開催するなどして、定期的に地域の人々と交流の場をもち、知
     名度を上げるとともに、ファンづくりをすることが狙いです。

     B社では、こうした取り組みで、顧客満足度ナンバーワン企業を目指すことに
     より、他社との差別化を図り、受注を拡大を目指しています。

   <事例3 1km圏内を営業エリアとする>

    東京のC工務店では、

    半径500m〜1km市内を営業エリアとし、地域に密着した活動を行なっています。

    建てる住宅も高気密高断熱の住宅を供給できるFCに加盟して、その住宅一本
    に絞っています。

    地域に密着するために、具体的には以下のような施策を講じています。

     ・工事着工時に、周辺住民に迷惑をかけることをお詫びするとともに
      お詫びの品をもって挨拶する

     ・構造見学会(上棟時)、完成見学会(完成時)を行ない、住宅の特徴と
      設計意図を簡単な冊子にまとめて来場者に配布する

     ・現場の近隣住民に1日無料工事券(材料費などの実費だけで簡単な
      工事などを大工が無料で行なう)を配布する

     ・住まいのトラブルを防ぐチェックポイント、ユニークな住まい方、趣味の
      教室のお知らせなどを紹介した地域のミニコミ誌を月1回発行している

     ・顧客から連絡があった場合には、直ちに社長が電話を入れる

    こうした活動を何年も続けてきたことで、顧客や近隣居住者の信頼を得ており、
    受注は増加しています。

   <事例4 木と職人にこだわり、地域にも密着>

    岩手県のD工務店では、

     こだわりをもった住宅を販売するとともに、地域にも積極的に貢献しています。

    D工務店の住宅では、地元で育った木を住宅に使用しています。

    地元の木は地域の気候風土にあっており、その土地で使うとたいへん長持ちす
    るからです。

    工期についても、木材などを乾燥させることを大事にしているため、最低でも4カ
    月を確保しています。

    また、25人の大工職人を雇用し、さらに自社で大工を育てています。

    自社大工でなければ、自社の経営理念を理解し、丁寧できめ細かい仕事をする
    ことは難しいと考えているからです。

    新卒を採用した場合には、地元の職業訓練校で基本的な知識を学ばせ、その
    後自社で先輩大工によって現場で本格的な教育を行なうことで、人材を育成し
    ています。

    さらに、小学校の改修などには積極的に大工を派遣するなど、地元へのボラン
    ティア活動にも積極的です。

    子供たちに大工仕事を経験してもらうことも狙っており、小学校の改修工事で
    は、簡単な工事の場合は子供たちにクギの打ち方やペンキの塗り方を教えています。

    その他、自社で施工した住宅を掲載したカレンダーを作成して顧客に配布して
    います。

    D工務店では、このようなこだわりをもった住宅と、地域住民や顧客とのつなが
    りで安定した受注を確保しているのです。

   ご覧頂いたように、うちは製造業だからとか特殊な業界だからといった考えを捨て
   ることです。

   全ての業界はサービス業と心得るべきです。

   そして、異業種にこそあなたの会社に有益な多くのヒントがあることを忘れないで
   ください。

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建設業の安全管理

              

建設業の安全管理


  ■建設業と安全管理

   建設業はほかの産業と比べて、以下のような特殊要因を抱えているといえます。

    ・自然条件の影響を受けやすい屋外での作業が多い

    ・高所作業や擬削作業などの危険な作業が多く、墜落・転落などが起きる
     確率が高い

    ・工事ごとに作業内容が異なる

    ・複数の下請企業・協力企業に属する作業者による混在作業となることが
     多い

   このため、災害の発生する割合が高くなっているといわれています。

   特に、実際に現場で作業をしている作業者を多く抱えている中小建設業者では、
   労働災害が多くなっています。

   これは、中小建設業者では人材・資金・技術などが不足し、安全管理体制が十分
   でない企業が多いためです。

   しかし、事故を起こしてからでは取り返しはつきません。

   中小建設業者といっても、工事現場における安全管理を自主的に行う必要性は
   高くなっています。

  □安全管理の考え方

   安全管理は、作業者個人個人の自主的な行動がなければ効果がありません。

   しかし、それと同時に、監督者(経営者)がつねに安全に気を配る必要があります。

   そのためには、大きな視野をもって全体の安全管理の状況を見渡し、一人ひとり
   が安全確保のために努力しているかどうかをきちんと把握していなければならない。

   まずは、基本的な安全管理ができているかどうかの全体的なチェックポイントを紹
   介するので、自社(社長自身)の安全管理の浸透度合いを把握してください。

   次項に具体的な安全管理のための取り組み、施策を紹介します。

  □現場における安全管理

   安全管理においてもっとも重要なのは、

    基本的なことを、いかに忠実に手を抜くことなく遂行するか

   ということです。

   チェックシートを作成して、定期的なチェックを行うことをお勧めします。

  □危険予知(KY)活動

   危険予知(KY)活動は昭和49年に日本で独自にはじまり、以来国内の労働災害
   減少に大きく貢献してきました。

   社員が集まって世間話をするような気軽さで実践でき、しかも自分の知らなかっ
   た危険を明確にできる安全教育であるといえます。

   具体的には、

    その日の作業を始める前に、作業するグループ全体でミーティングを行う

   ことにより進めます。

   ミーティングで話し合う内容は、

    (1)その日の作美から予沸される危険

    (2)予沸される危険に対する対策

    (3)対策に基づいた安全な作業方法

   といったものです。

   KY活動のなかでのミーティングが通常のミーティングと違うところは、雑談の延長
   のような感覚で行われるところにあります。

   つまり、形式ばった通常のミーティングにおいては、つい「まあいいか」と思ってし
   まいがちな些細なことについても、KY活動のミーティングでは気軽に話し合うこと
   ができるのです。

   また、KY活動のミーティングのなかで話題になったことは、その都度シートに記入
   していくことが望ましい。

   このようにしてKY活動を行うことにより、必要なことを漏らすことなく、また、堅苦し
   くない感覚で危険予知を行うことができます。

   また、KY活動の前に「安全ミーティング」と呼ばれるミーティングを行う会社もあります。

   安全ミーティングでは、その日の作業を行う前に関係作業者全員が集まって、当
   日の作業内容、作業方法・手順、人員配置などの指示・調整を行います。

   作業者の意誠・責任感を高めるためにも、ミーティングの際に、作業員が具体的
   に体験した危険を、その場の状況などとあわせて報告させることが必要でしょう。

   このことで、KY活動の効果をより高めることができるでしょう。

  □健康管理

   どんなに工事現場の安全管理を厳重に行っても、作業者の体調がすぐれなけれ
   ば事故を起こしやすいものです。

   作業者の健康管理も安全確保の大きな要素といえます。

   (1)基本的な生活態度のチェック項目

     ○作業者は進んで健康診断を受けているか

     ○手洗い、うがいを励行しているか

     ○ 飲み過ぎ、食べ過ぎをしていないか

     □夜更かしばかりしていないか

   (2)健康保持増進機関

     健康保持増進のための具体的指導は、事業場内に専門スタッフを確保するよ
     うなことが困難な場合には、一定の基準を満たして認定を受けた、以下のよう
     な外部の機関を利用して推進することができます。

      ◎労働者健康保持増進サービス機関

      ◎労働者健康保持増進指導機関

       上記機関の詳細については「中央労働災害防止協会」のホームページで
       ご確認ください。

        中央労働災害防止協会 

   (3)企業で行いたい健康保持増進活動

     ◎健康測定……生活状況調査、医学的検査、運動機能検査からなる

     ◎運動指導……運動によって健康的な生活習慣を確立するために行う

     ◎メンタルヘルスケア
            ……健康測定の結果、メンタルヘルスケアを受けることが望ましい 
               場合や、本人からの希望があった場合に、援助や指導を行う

     ◎栄養指導……食生活の偏りからくる問題の解決のための指導を行う

     ◎保健指導……健康上の問題を予防、コントロールする方法の指導を行う

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