リスクマネジメント(危機管理)手法

        

          リスクマネジメント(危機管理)手法


  経営において、100万円の利益を出すことと、100万円の損失を未然に防ぐことは同じ
  価値を持ちます。

  リスクマネジメントの意味は広義に渡りますが、事業運営におけるリスクマネジメント(危
  機管理)手法の活用は経営にかかわるリスクから防衛することが目的となります。

  今一度、自社のリスク管理をチェックすることをおすすめします。


  中小企業の多数が売り上げを上げることだけに躍起となり、足元のリスクに対しては無頓
  着な傾向にあります。

  事業を運営していく上で、多種多様な危険があなたを待ち伏せ、そのリスクは複雑・多様
  化してきています。

  たとえば、工場が火災で焼失したとします。

  これにより、企業の生産活動は停止し、操業停止の危機というリスクにさらされます。

  また、規制緩和・消費者ニーズの多様化などの社会の動きそのものが、企業の利益に大
  きな影響を与えることもあります。

  すなわち、すべての企業はどんなに業績が順調に推移しているとしても、常に事業縮小や
  最悪の場合、倒産というリスクにさらされているのです。

  そして事業リスクにおける90%がヒトに関わるものであることも確かです。

  企業におけるリスクマネジメント(危機管理)について記載しておきます。こち

  リスクマネジメント(危機管理)対策では

    リスクマネジメント情報  各種マニュアルの紹介

    マニュアルの考え方・つくり方  会社を守る診断シート

  についてまとめました。


  企業が直面する5つのリスク j0386091150.jpg

  (1) 財産損失のリスク

   火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などにより
   生じる直接損害に関わるリスク(例えば、ショーウィン
   ドウの商品が盗難など)

  (2) 収入減少のリスク

   企業の売り上げや利益が減少するリスク(例えば、自
   社工場が罹災し、生産がストップや取引先の倒産など)

  (3) 賠償責任のリスク

   他人の権利を違法に侵害し、これにより損害を発生させ
   た結果、法律上の賠償責任を負うリスク(例えば、新製品
   の商品名が商標権侵害であるとの警告書が届くなど)

  (4) 人的損失のリスク

   経営者、重役、あるいはその他の従業員の死亡・事故・疾病・不
   健康・信用損失などのリスク(例えば、自動車事故により、キーパ
   ーソンが死亡など)。

  (5) ビジネスリスク

   新製品開発や海外進出などの営業戦略上のリスク、および株式
   投資・商品取引・為替操作・他社への融資などの資産運用上のリ
   スク(例えば、新規参入者の出現により、自社製品のマーケットシ
   ェアが低下など)。

  以上のようにさまざまなリスクが企業を取り巻いています。

  しかし、多くの企業ではこれらリスクに対して無防備であり、

   ● 経営者がリスクの存在を認識していない。

   ● リスクをコストとして認識していない(企業経営にとっては、100万円の利益を出す
     ことと、100万円の損失を未然に防ぐことは同じ価値を持っている)。

   ● 安全を人的依存にすりかえている(注意をすれば事故は起こらないなど)           

   ● 天災による被害、損失は人間の責任の範囲外の出来事という認識が強い。

     しかし実際には対策により被害、損失は防止、低減できる。
     天災は人災ととらえるべきである。

   ● 危機管理マニュアルの未整備(企業に内在するリスクの予見と分析がない。)

    ○経営者の判断ミスにおけるリスク(新規事業進出、事業規模拡大の失敗など)

    ○特許侵害、訴訟問題による損失

    ○経営者、管理責任者の事故や病気による企業のリスクなど

  こうしたリスクにかかわる意識や対応の欠如は、ひとたびリスクが発生した際には、企業
  の存続すら危ういものにします。

  こういった事態を防ぐためにも、リスクマネジメント(RM)が求められています。   

  会社を守るためにも、あなたの抱えるリスクを、部分管理から一元管理のできる専門家
  
に依頼することです。
    
  ■リスクマネジメントとは

   企業の諸活動に及ぶ悪影響を低減させるため、要因(リスク)を特定し、資産・活
   動・稼働力を保護するために必要な機能を、最少のコストで運営管理するプロセス
   で、経営管理手法の一つと定義される。

   「企業の諸活動に及ぶ悪影響」とは、「経営損失」そのものです。

   この要因となりうる不確実性が企業を取り巻くリスクそのものです。

   すなわち"経営損失をもたらす可能性を持つ不確実な要因"を総じて企業リスクと
   いいます。

  □リスクマネジメントの目的
   リスクマネジメントの目的は、企業を支える「資産・活動・稼働力」の保護であり、
   これがうまくいかない場合には、企業は倒産してしまう。

   よって企業リスクマネジメントの目的は、企業の倒産防止ということになる。

   まさに経営管理の重要部分を担っているといえるでしょう。

   近年、社会的責任を全うしなかったことに起因する企業イメージの低下や、企業を
   舞台とした不正義の発覚などが大きく取り上げられるようになった。

   いわゆる、社会的信用の失墜につながる『企業のポジションそのものに起因する
   リスク』の存在が大きくクローズアップされてきている。

   従来からの『企業の生産や販売・サービス活動から派生して発生するリスク』のみ
   を対象としていたのでは不十分になってきました。
    
  □「保険」と「保有」
 
  リスク対策にはリスクファイナンシング(保険)とリスクコントロールがあるが、リスク
   コントロールの多くは、法律や各種規格によって決められており、あまり自由度が
   ない(高度な対応策を導入することは可能だが、規制以下の対応はできない)。

   一方、リスクファイナンシングでは、保有(リスク保有:リスクによる損失を内部留保
   された資金等で賄う)と保険のバランスにより、コストとしての最適値が見つけられ
   ます。

   ●保険の効用
    ・巨額損失に対応できる担保力が確保される
    ・コストを平準化でき、税法上のメリットが享受できる
    ・事故処理を代行してもらえる
    ・資金負担に関わる無用の利害衝突・トラブルを回避できる
    ・各種付帯サービスを活用できる

     「保険」の活用は、確かに多くの場合、リスク対策コストを引き下げる最も有効な
    手段である。

    しかし、「保有」が必ずしも不利な手段というわけではない。

    「保有」には、次のような2形態があり、場合によっては有効な企業リスク対策と
    いえます。

   ●積極的保有(自家保険)
    リスクの存在を認識していても、保険会社等に任せるのではなく、自己資金等の
    積み立て(社内留保)によって、損失に備えること。少額損害が多発するような
    ケースや、企業としてその体力に比較して問題なく損金処理可能な損失しか発生
    し得ない場合など、保険より有利なリスク対策が可能な場合に使われる。

    米国で労災保険等保険料が高騰し、事故率の低い企業が自家保険に踏み切っ
    たケースや、国内の大手運輸業などの車両事故損害の自社保有が好例。

    当然のことだが、上記の保険のメリットは享受できない。

   ●消極的保有(無保険)
    不注意によってリスクの存在に気づかなかった。

    もしくは、保険料負担ができず、必要な保険をかけなかったこと等による損失の
    保有。

    これはリスクマネジメントの手段ではなく、単なる結果である。
   
  ■自社(店)を取り巻くリスク

   中小企業の多数が売り上げを上げることだけに躍起となり、足元のリスクに対して
   は無頓着な傾向にあり、危機管理に対する意識が希薄であることが見受けられ
   ます。

   『経営において、100万円の利益を出すことと、100万円の損失を未然に防ぐこと
   は同じ価値を持ちます。』

   企業経営には様々なリスクが発生します。
    ・労災:製造現場での事故、社用車による交通事故など
    ・盗難:現金、商品、オフィスの備品など
    ・社員の不正:横領、企業機密の漏えい、業務用PCへの不正ソフトインストー
     ルなど
    ・業務上の賠償問題:社用車による事故、製造物責任、環境汚染など
    ・雇用問題:サービス残業、不当解雇、不当な賃金格差など
    ・ネットワークの障害:ウィルスなどによるシステムダウン、サーバーへの不正
     進入など
    ・ハラスメント問題:セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど

   が挙げられます。

   上記のリスク対策として行われているのが、
    ・社員教育の徹底
    ・危機管理マニュアルの作成
    ・ITセキュリティの徹底
    ・管理者教育の徹底
    ・行動指針の作成
    ・緊急連絡網の整備
    ・与信管理の徹底

   などです。

   企業を取り巻く環境にはさまざまなリスクがあり、発生する可能性も変化し続けて
   います。

   さらに、リスクは予期せぬときに突然危機に発展する可能性があり、予期せぬ危機
   は企業に大きなダメージを与えます。

   危機が発生する時期をあらかじめ予期することは非常に困難ですが、起こりうる
   可能性のあるリスクをあらかじめ予測し、それらの事態に即座に対応できる体制を
   整えることは可能です。

   危機を生み出すリスクの予測と対応体制の確立は危機管理の基本といえます。

   □企業を取り巻くさまざまなリスクと危機管理体制づくりのポイント
    ○経済的リスク
     ・金利、為替相場、株式相場など

    ○法的リスク
     ・知的財産権訴訟、環境保護関連法制度の強化、独占禁止法の強化

    ○人的損失リスク
     ・経営者や社員の死傷、重度疾病、ヘッドハンティング、若年社員の離職

    ○インフラ事故リスク
     ・電力や通信施設の事故、航空機、自動車事故の発生

    ○社内的リスク
     ・工場、事務所の火災や事故、設備機械の故障、取引先企業の倒産
     ・機密漏洩、社員犯罪、商品製造工程の不備、個人情報の漏洩


   危機管理は、システムではなく意識の在りかたにこそ、その本質があります。

   完璧なマニュアルを作ることが危機管理なのではなく、完璧なマニュアルで危機に
   対応しようという意識の高まりを行動に移すことこそが危機管理なのです。

   危機管理には、最初に始めなくてはいけないというものはなく、必ずやらなければ
   ならないものがあるわけでもありません。

   まずは、自社にとって重要だと思われることのうち、できることから一つずつ始めて
   いくことが大切といえるでしょう。

      自社のリスク管理体制がどのような状況かチェックしてみてください。

   小さなことからでもとにかく取り組みを始め、日常の業務としての危機管理を定着
   させることが、危機管理体制確立への第一歩です。

   「たら、れば」にならないためにも早急な対策を講じることです。
   
  ■リスク管理体制の構築

   中小企業などにおいては、経営トップのリスク管理に対する認識そのものがまだ
   甘いといわざるを得ません。

   不測の事態に備えるリスク管理では経営者のリーダーシップが重視されます。

   社外では、為替の変動、脅迫や誘拐といった犯罪、株主代表訴訟、PL(製造物
   責任)訴訟などに対応しなければなりません。

   また、社内にはセクハラ、労災、背任、横領、インサイダー取引などのリスクがあり
   ます。

   こうしたリスクを回避あるいは最小化するためには、迅速な意思決定と事前の緊急
   対応体制の整備が必要不可欠です。

   また、マスコミ対応に失敗し、リスクを拡大してしまうことのないような体制を整備
   することも重要なポイントです。

   リスク管理体制の構築に向けて、緊急事態発生時はもとより、平常時においても、
    → リスクの抽出・特定

    → リスクの評価・対策

    → リスク教育

    → リスクの管理・連絡体制

   などの緊急事態発生を予測・予防するリスクマネジメントを一層強化していく必要が
   あります。

  □リスクの管理
   企業活動からすべてのリスクを排除することはできません。

   そこで、企業を取り巻くリスクと上手につきあう、つまりリスクを適切に管理(マネ
   ジメント)する必要が出てきます。

   リスクの内容は各事業によって異なり、同じ事業でも時期や周囲の環境などによって
   異なってきます。

   従って、リスクを効果的にマネジメントしていくためには、まず部署ごとに想定される
   リスクを抽出し、認識・確認することが必要になります。

   最終的には、想定したリスクをできるだけ排除し、また実際にリスクが発生した際
   には被害を最小限に食い止めるためのリスク管理マニュアルを作成する必要が
   あります。

   企業がリスク管理体制を構築する際、特に留意すべきポイントは次の3点です。

   (1)経営トップが必ず関与する
     リスク管理は経営そのものです。

     企業が活動を行って行く中で、完全にリスクをなくすことはできません。

     まずは、経営トップがこのことを正しく理解し、自らが先頭に立ちトップダウ
     ンで進めることが肝心です。

   (2)組織としてノウハウを継承する
     阪神大震災の後、多くの企業でリスク管理マニュアルが作られましたが、当
     時その作成にかかわったプロジェクトのメンバーは、人事異動などで担当
     部門を離れてしまい、その後、マニュアルにメンテナンスが加えられること 
     はありませんでした。

     そのため、社員の大部分がマニュアルの存在は知っているものの、内容を
     見たことはない状況になってしまいました。

     実際には、マニュアルのメンテナンスやその教育徹底こそが重要なことで
     あり、当初の姿勢や体制を継承する仕組みが必要となります。

     そのためには、経営に近い部署の担当者がその任に当たり、企業規模に
     よっては専任部署を設置することが望まれます。

     この担当者や担当部署は、企業全体を見渡したリスク管理の構築を行い、
     日常的にはリスクの予防対策や社員への教育訓練を実施し、緊急事態に
     は経営トップの補佐として、リスク管理対策本部の中枢として活動すること
     が求められます。

   (3)一貫した体制構築と対応を行う
     リスク管理の最大の目的は、可能な限りリスク状態を排除することであり、
     もしも、リスク状態に陥ったとしても損害を極少に抑えることです。

     リスク状態に陥らないためには、重要なリスクに対して日常的な対応を疎か
     にしないことが最初に求められます。

     次に有事に備えての体制の構築です。

     しかし、日常の管理だけに目を向けすぎて、リスクの防止だけが強調されす
     ぎると、「これだけの日常管理をしているのだから、リスク的状況などは発
     生するはずがない」という過信につながり、実際にリスクが発生した場合、
     発生後の対策対応が不十分になることがあります。

     リスク管理は、日常のリスクマネジメント(事前対応策)への経営トップの関
     与と、それでも万一の事件・事故の発生があり得るとして、クライシスマネジ
     メント(事後対処策)への備えを行うことになります。

   まず最初に自社のリスク管理についてチェックしてみてください。

  □リスク管理体制の確立
   以下では、リスク管理体制を確立させる具体策について簡潔にまとめます。

   まず、リスク未然防止のための全社的潜在リスクの洗い出しの実施です。

   社内に潜在するリスク要因の多様さを認識させ、リスク意識を高めるとともに、防止
   策に取り組ませます。

   そのうえで、全社的なリスク管理対応能力を高める「リスク管理マニュアル」を作成
   しますが、社員のだれもが迅速で正しい判断と行動が取れるよう、「必要なこと」
   と「必要でないこと」を明確に示すことが重要です。

   幹部社員にはリスク管理の知識と意識を高める継続的な「リスク管理セミナー」
   を実施します。

   幹部社員のちょっとした判断ミス・連絡ミス・対応ミスが大きなリスクを招いてしまう
   ことを自覚させます。

   また、初期対応の判断ミス防止策としての継続的な「シミュレーショントレーニング」
   を実施し、どう判断し、どう行動すべきか、ケースごとに具体的に習得させます。

   さらには、経営トップのマスコミ対応を高める定期的な「メディアトレーニング」を実施
   し、マスコミ関係者への正しい応答の仕方を理解してもらいます。

   リスクマネジメント(事前対応策)で大切なことは、予測できる、あるいはその逆に
   予測できない事態が起きたときの対処法を考えておくことです。

   例えば、
    ・リスク管理マニュアルの整備
    ・全社的なコンセンサスの統一
    ・責任窓口の明確化

   など、リスクが発生しても対応できる体制をつくっておくことが必要となるのです。

   さらに、リスク管理マニュアル通りにうまく事が運ぶとは限らないので、マニュアルで
   想定できなかった事態が起きることも認識しておかなければならないでしょう。

   リスクマネジメントを効果的に実施するためには、

    → 従業員のリスクに対する感性が敏感となるよう教育・啓発を行う
    → 当初は小さな事故・事件と判断される場合も大事件に発展することもあるので、 
       事故発生の場合には、極力情報を収集し、重大性を意識して対応する

    → 事故が発生した場合、地元住民・行政・マスコミにすべてを隠さず情報公開
      するなどが求められます。

   リスクマネジメントを実効性あるものとするためには、適切な方法と頻度で評価・
   検証することも重要となります。

   また、社会情勢の変化や他社事例なども是正・改善のための有力な情報源となる。

   今では、大手監査法人が企業の社会的責任(CSR)の支援サービスが拡充されて
   いる。

   CSRは環境や法令順守、人権問題など幅広い分野を対象にしており、監査法人
   各社は企業の現状診断や社内のリスク管理体制づくりの支援なども行っています。

  □リスクコミュニケーション
   世の中のあらゆる事象には、利便性とともにリスクが含まれています。

   従って、そのリスクを回避するために、情報の所有者である行政や企業は、事象の
   持つ利便性とリスクを伝え、ともに対応を考える必要があります。

   このように、事象の持つポジティブな側面だけではなく、ネガティブな側面について
   の情報、それもリスクはリスクとして公正に伝え、関係者がともに考えることのでき
   るコミュニケーションのことをリスクコミュニケーションといいます。

   リスクコミュニケーションは関係者の参加を発展させながら、リスクの理解とリスク
   への対処の方法ついての双方向の交流を進めることでもあります。

   リスクコミュニケーションは、単に誰かがリスクについて教えたり、リスクが小さい
   ことを説得したりすることではありません。

   リスクコミュニケーションでは、科学技術や政策といった話だけでなく、人々が漠然
   と感じている不安や行政や企業に対する不信感も重要な情報となります。

   もちろん、その内容によって、人々の理解や安心感が高まることもありますが、
   時には、人々の不安が強まったりすることもあるでしょう。

   リスクコミュニケーションでは、どのような結果になるかではなく、意見交換の過程で
   どのような関係を作っていくかが重視されます。

   リスク情報の流れを整理すると、次の3つの形態に分けられます。
    (1)社内のリスクコミュニケーション

    (2)外部の関係者とのリスクコミュニケーション

    (3)消費者・顧客とのリスクコミュニケーション

   これらのリスクコミュニケーションは、平常時から心がけるべきコミュニケーション
   です。

   しかし、これらに加え、リコールや事故などのリスクの発生時には、マスコミなどの
   メディアとのコミュニケーションの不備が2次リスクを発生させたり、損害を必要以上
   に拡大させることがあります。

   マスコミなどのメディアは、企業の直接の利害関係者ではありませんが、社会の
   理解を得るための重要な関係者ととらえ、誠実な対応が望まれます。

   従って、リスクコミュニケーションを効率的かつ効果的に進めるために、経営トップ
   がリスクコミュニケーションを理解し、基本方針と責任体制を確立し、戦略的に取り
   組むことが重要です。

  ■中小企業にとっての事業継続計画(BCP)

   事業継続計画を作成しても機能させなければ絵に書いた餅に終わってしまう。

   コンサルタントに高額な料金を支払い、立派な計画書を策定して満足していないで
   しょうか?

   事業継続計画を日々の業務の中で生かす仕組みをつくらなくては、計画策定が
   目的化し、実態にそぐわない計画に終わってしまいかねません。

   中小企業にとってのBCPはシンプルでなくてはなりません。
   
  □小企業の事業継続計画(BCP)の取組状況    
   中小企業のBCP策定アンケートでは「BCP を作成・作成予定」と回答した企業は、
   11.3%にとどまった。

   業種別にみると、製造業のほうが「BCP を作成・作成予定」と回答した割合が高い
   (製造業14.9%、非製造業7.7%)。

   従業員規模別にみると、従業員数の多い企業ほど「BCP を作成・作成予定」の
   回答割合が高くなっており、従業員100 人以上の企業の34.0%は「BCP を作成
   ・作成予定」と回答している。

   このアンケート数字からもわかるように、従業員100人以下の中小企業ではBCP
   の作成がほとんど策定されていないことがわかります。

   BCP は通常「事業継続計画」と訳されるが、中小企業庁が策定した「中小企業
   BCP策定指針」によると、BCP は「緊急時企業存続計画または事業継続計画」
   と訳されている。

   これは中小企業にとって、震災により大きな被害を受けることは、単に事業が中断
   してしまうリスクがあるのではなく、企業の存続そのものが危ぶまれるリスクがある
   ことを意味しています。

   BCP 作成は、事業を継続するための課題が浮き彫りになり、平時においても経営
   力強化に役立つ計画を作成することが望まれます。

  □事業継続計画(BCP)
   1000年に一度の規模ともいわれる東北地方太平洋沖地震は、東北地方を中心に
   壊滅的な被害を与えました。

   多くの方が命を落とされ、ライフラインも各地で寸断されました。

   私たちはこのような想定外の災害に対して、万全な準備をしておくことは非常に
   困難です。

   しかし、だからこそ想定し得る範囲については、日頃からできるだけの対策を講じ
   ておくことが大切であるといえます。

   企業が緊急事態のなかでもその被害を最小限に抑え、早期復旧を図っていくため
   の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)について考えてみましょう。

   BCPとは、企業が自然災害、大火災、感染症などの緊急事態に遭遇した場合に
   おいて、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは
   早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続
   のための方法・手段などを取り決めておく計画のことです。

   BCPがあらかじめ策定されていないと、緊急時に「何から着手してよいかわから
   ない」、「指示・命令系統が途絶え、社内が大混乱する」という事態に陥りかねま
   せん。

   災害の発生直後には操業が完全にストップすることもあります。

   また、その後の回復のスピードが遅ければ、競合他社に顧客を奪われ、最悪廃業
   に追い込まれる可能性もあります。

   BCPは自社のみで完結するものではありません。

   大災害が発生した場合は、自社だけではなく仕入れ先・販売先などの取引先企業
   も大きな被害を受けます。

   たとえば、自社がBCPによって早期に操業体制を回復したとしても、重要部品の
   仕入れ先企業の操業が停止したままであれば、自社の製造ラインを動かすことは
   できません。

   同様に自社の製品の販売先企業が営業していなければ、納品不可能となり、在庫
   の山を築いてしまうことにもなりかねません。

   つまりBCPは自社だけではなく、川上・川下企業においても策定されている必要が
   あります。

   このような理由から、特に大手企業においては取引先企業にBCPの策定・充実を
   求める傾向が強まっています。

   これは素材調達から最終製品販売に至るサプライチェーン全体を通じて、BCP
   をより高いレベルで準備しておこうという狙いによるものです。

   今後は取引先との関係の維持・強化のためにBCP策定の重要度がますます高
   まっていくでしょう。

   BCPが単なるセレモニーで終わらせないためには自社に継続した訓練のための
   仕組みづくりを構築することです。   
   
  ■自社の地震対策

   最近日本各地で地震が多発している。

   「転ばぬ先の杖」として、緊急に対策を講じておくことをお勧めします。

   巨大地震は国内のどこでも、いつ起きてもおかしくない状況にあります。

   大地震に備えて、企業では日頃から、地震発生前の防災対策、地震発生時の対応
   策など、さまざまな角度から十分に対策をたてておくことが重要です。

   
  □日常の地震対策
   建物などは、日常の点検を組織的に行い、補強などの対策を施して、万一の大
   地震発生に備えておくことが重要です。

   自ら定期的に点検を行うとともに、より具体的な診断や補強などは専門家に依頼
   することも必要です。

   さらに、従業員の役割や非常用品に関する事前の準備も重要です。
   
   ●地震対策として
     ・建物
     ・ブロック塀

    ○設備・什器・備品
     ・照明器具
     ・空調機等の設備・装置

    ○情報システム
     ・バックアップ

    ○非常電源

    ○非常用物品の備蓄
     ・保護用具(ヘルメット、防災ずきん、軍手、スニーカー等)
     ・救急用品等
     ・水、食料、ラジオ、懐中電灯(電池の常備)
     ・防寒具、ろうそく、ライターやマッチ、携帯トイレ、笛

    ○医療体制
     ・従業員の血液型を登録しておく
     ・病院の連絡網を作成

    ○書類の保管
     ・フロッピーは定期的にバックアップをとる

    ○マニュアルの整備
     非常時の行動をマニュアル化しておく必要があります。

   東日本地震でも大きな津波が来たものの、災害マニュアル通りに行動して、全員が
   助かったという事例もあります。

   具体的に、災害マニュアルに記載すべき事項は
    ○避難場所、避難方法、避難経路、避難に関する指示系統

    ○緊急連絡網

    ○本店支店間の連絡体制

    ○火災、地震、津波、落雷、雪崩など災害別の対処法
     ・例:地震の場合は、すぐに机の下に潜る

    ○対策本部などの設置

    ○災害後の業務体制

    ○情報システム
     ・情報の分散化(管理サーバーの分散化)
     ・クラウドなどを利用した情報管理

   などです。


  事業継続計画(BCP)  
   2011年3月11日に発生した東日本大震災により、被災地はもちろんのこと、非
   被災地においてもサプライチェーンに組み込まれている他企業の事業停止、計画
   停電などの事業の継続を妨げる様々な事象が発生して、対応に苦心されている
   企業が多いことを見聞きします。

   このような事態に備え、行政等より従来からBCP(Business Continuity Plan
   :事業継続計画)を策定しておくことが強く推奨されてきています。

   BCPとは、突然・偶発的に発生し、多大な被害や損失をもたらす自然災害、人為的
   ・社会政治的災害、環境災害などの緊急事態に際し、主要なビジネス機能を中断
   ・停止することなく、継続できるよう、事前に取り決めた事項や手順のことを言い
   ます。

   中小企業にとっては、防災対策の一環として事業継続計画(BCP)に取り組む際の
   最大の関心事は費用でしょう。

   人材や資金などの経営資源にも余裕がない中小企業では、「いつ発生するか分か
   らない事故や災害に対して大きな費用をかけることはできない」というのが本音
   かもしれません。

   しかし、知っておかなければならないのは、事前対応よりも事後対応のほうが費用
   が大きくなるということです。

   そして、事前のわずかな投資でリスクに備えることこそが重要なのです。

   「企業は人なり、リスクも人なり」といわれるように、事業運営におけるリスクを完
   全になくすことはできない。

   しかし組織におけるリスクを最小限に押させることは可能です。

   それは組織内のムリ・ムラ・ムダを排除し、業務をシンプルに標準化させることで
   す。

   業務改善は収益に直結した最優先課題です。

   この問題を先送りにすればするほど、経営リスクとして重くのしかかってきます。

   ですから、今やるしかないのです。

     晴れ 業務改善の強化策(コンサルティング・セミナー・研修・講演)のご案内

 

  <参考資料>
    経団連 「企業の地震対策の手引き

    中小企業庁 「BCP策定運用指針

 
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リスクマネジメント

 

リスクマネジメント

  ■自社を取り巻くリスクとは

   1.リスクとは何か
    企業は、つねにさまざまなリスクにさらされています。

    たとえば、工場が火災で焼失したとします。

    これにより、企業の生産活動は停止し、操業停止の危機というリスクにさらされ
    ます。

    また、規制緩和・消費者ニーズの多様化などの社会の動きそのものが、企業の利益
    に大きな影響を与えることもあります。

    すなわち、すべての企業は、どんなに業績が順調に推移しているとしても、つねに
    事業縮小や最悪の場合、倒産というリスクにさらされているのです。

   このように、
   「リスク」とは、損失の起こる不確実性のことをいいます。

   交通事故の発生を例にあげて考えてみましょう。

   ある交通事故は偶発的なもので、もし雨が降っていなかったら、あるいは体調不良で
   なかったら、起こらなかったかもしれません。

   体調不良という「損失生起要因(損失を起こす要因)」と雨が降っていたという「損失拡
   大要因(損失を大きくする要因)」によって、事故は引き起こされ、事故による損失(刑
   事上の責任、損害賠償、傷害医療費など)を生むのです。

   こうしたリスクの発生するメカニズムを図示すると以下のようになります。

 

    リスクマネジメントC.jpg

   つまり、「リスク」とは、損失の生起要因・拡大要因があれば損失を生じる可能性が
   あり、しかも突発的に発生し、その大きさも甚大なものになりえる状態と理解すること
   ができます。

   2.リスクの種類と企業の対応
    企業が直面するリスクには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

    一般的には、次の5つに分類できます。 

    (1) 財産損失のリスク
      火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などによって、企業が所有してい
      る財産が損なわれるリスクのこと。

    (2) 収入或少のリスク
      企業の売り上げや利益が減少するリスクのこと。たとえば取引先の倒産など。

    (3) 賠償責任のリスク
      企業が株主、従業員、消費者から賠償責任を問われるリスクのこと。たとえば、
      製造物責任や役員賠償責任を問われての訴訟など。

    (4) 人的規失のリスク
      経営者、重役、あるいはその他の従業員の死亡・事故・疾病・不健康・信用損
      失などのリスクのこと。

    (5) ビジネスリスク
      新製品開発や海外進出などの営業戦略上のリスク、および株式投資・商品取
      引・為替操作・他社への融資などの資産運用上のリスクのこと。

   以上のように多種多様なリスクが企業を取り巻いています。

   しかし、多くの企業ではこれらリスクに対して無防備であり次のような問題を抱えて
   います。

    ● 安全に対する意識が欠如している

    ● 安全に対する投資を軽視あるいは無視している

    ● 安全を人的依存にすりかえている(注意をすれば事故は起こらないなど)

    ● 天災による被害、損失は人間の責任の範囲外の出来事という認識が強い。

      しかし実際には対策により被害、損失は防止、低減できる。天災は人災ととら
      える
べきである

    ● 政治、経済、技術、社会の動きに連動した経営環境の変化におけるリスクが
      十分に評価、分析されていない

    ● 企業に内在するリスクの予見と分析がなされていない
     ・経営者の判断ミスにおけるリスク(新規事業進出、事業規模拡大の失敗な
      ど)

     ・特許侵害、訴訟問題による損失

     ・経営者、管理責任者の事故や病気による企業のリスクなど

   こうしたリスクにかかわる意識や対応の欠如は、ひとたびリスクが発生した際には、
   企業の存続すら危ういものにします。

   そういった事態を防ぐためにも、リスクマネジメントが求められてくるのです。 

  □リスクマネジメントの考え方
   リスクマネジメントとは、

    企業経営上発生するリスクについて、
 
   最小のコストでこれを防止したり適切な処理を行い、
    損失や被書を最小限にコントロールすることです。

   そして、リスクマネジメントの究極の目的は企業の倒産防止にあります。

   災害や事故あるいは突発的なリスクは現実のものとして、いつ襲ってくるかわかりま
   せん。

   そのようなリスクを完全に掌握することは不可能です。

   しかし、いったんリスクが発生してしまうと、「計画した利益が見込めなくなる」「臨時
   の費用が発生し資金喪失を生じる」「損害賠償などの損害の発生、物的・人的損失、
   信用の失墜」などその被害は計り知れないものがあるのです。

   そこで、これらに対するリスクマネジメントでは、

    ● リスクの発生そのものをできるだけ抑制する対策をとる

    ● それとともに、リスクが発生した場合でも企業経営に影響を与えない方策をと
      ることが基本的な考え方となります。

   今日では、リスクマネジメントは経営管理のひとつとしてとらえられています。

   しかし生産管理、販売管理、財務管理、労務管理などの経営管理は多くの企業で展開
   されているのに対して、リスクマネジメントについては少数の企業にとどまっているのが
   現状です。

   経営の安定化を考えれば、すべての企業にとって、こうした損失の極小化を図る管理も
   必要といえ、今では、重要な経営管理手法として定着しています。

  □リスクマネジメントの進め方
   リスクマネジメントは、次のようなl〜4のサイクルで行われます。

    <リスクマネジメントのプロセス>

       リスクマネジメントの進め方.jpg

   1.リスクの発見・確認
    まず、企業の内外に潜んでいるリスクの発見と確認を行います。これには、1章で記
    述した損失発生原因となる「損失生起要因・拡大要因は何か」という観点から潜在
    リスクを洗い出します。

    その際には、
     ● 固定観念や既成概念にとらわれない

     ● 組織内外のあらゆる情報を活用する

    といったことに注意を払います。

   リスクを発見する方法には次のものがあります。

    (1) フローチャートによる方法
     生産工程や各業務プロセスの各段階をフローチャート化し、各過程でどのような
     ことが起こりうるかを検討する。

   (2) チェックリストによる方法
 
    資産・負債・利益や生産・販売・財務・労務・法務・情報などのカテゴリーをカバー
     するチェックリストを作成し、潜在リスクを発見する。

   (3) 過去の損失記録による方法
     自社の過去の損失記録や他業界・他企業の損失実績といった経験データから現
     在のリスクを抽出する。

   (4) 実地調査よる方法
     文書だけではわからない情報を実際に見ることで認識する方法。工場内の危険
     物の有無や配置場所の確認、防災装置の配置などの検査などがこれにあたる。

   (5) 現場からの報告による方法
     第一線の担当者からリスクとなりそうなことを報告させ、情報収集する方法。

   (6) 各種情報源からリスクを確認する方法
     内部情報源(財務データ、契約書類)や外部情報源(実態調査表、専門機関紙、
     研究会など)など、既成の情報・データからリスクを確認する方法。

   2.リスクの分析
    確認された潜在リスクを分析します。分析は、リスクの測定を行い測定値から影響度
    を評価します。リスクの測定では、

     ● 損失の発生頻度はどれくらいか(事故発生件数や発生確率)

     ● 損失の強度(損失額)の見込みはどのくらいになるか

    という2つの数億を割り出します。

    この2つの測定値の組み合せからリスクは次のようにA型〜D型に分類でき、それぞ
    れに合ったリスク処理を適用します。 

       リスク処理.jpg

      リスク処理2.jpg 

    A・C・D型のリスクは、各種リスク処理を通じて
    B型のリスクにシフトきせていくことが求められてきます。

   3.リスクの処理
    リスク処理が必要とされたA・C・D型のようなリスクに対し、リスクコントロール
    とリスクファイナンスの2つの処理技術(ツール)からアプローチします。これらの
    ツールを組み合せ、最小のコストで最大のリスク処理効果を得るような方法を検
    討していきます。

   リスコン.jpg

 

    (1) リスクコントロール(リスクの除去・軽減)
      リスクコントロールとは、発見・分析されたリスクを除去・軽減する対策を立てる
      ことです。

      事故発生前の対策に重点を置き、リスクをB型にできるだけ近づけようとする
      処理です。

      これには、リスクの「除去」と「軽減」があります。

      a.リスクの除去
       リスクの除去とは、リスクの発生源になるヒト・モノ・カネ・情報とのかかわり
       を断つこと、つまり危険を伴う活動を停止・断念することです。

       たとえば、可燃性の商品を置かないことで火災による潜在的損失を除去す
       ることや、製薬会社が製造物責任リスクを回避するために、ある医薬品の
       製造・販売から撤退することなどがあげられます。

       これが新規事業からの撤退であればリスクは除去されますが、同時に利益
       獲得のチャンスも失うことになります。

      b.リスクの軽減
       リスクの軽減は、損失の「予防」と「低減」の2つに分けることができます。

       ●損失の予防:損失の頻度を減少あるいは排除することを目的とする
                :損失発生原因に結びつく要因を減少させ、排除する

        <具体例>
         ・ 地震や火災予防のために建物を耐震、耐火構造にする
         ・ 盗難予防のために入退室管理や戸締まりを厳重にする
         ・ 品質管理、安全管理、従業員の教育・訓練(人のモラールの低下から
          生まれる損失生起要因・拡大要因の低減)をする

       ●損失の低減:損失の強度を減少させることを目的とする
                :損失生起要因・拡大要因の危険状態の排除が対象となる

        <具体例>
         ・ スプリンクラー、自動火災警報装置の設置、消火設備の充実
         ・ クレーム処理体制の整備(P L法や他の訴訟問題の防止策として)
         ・ 事故発生後の援助活動の策定

    (2) リスクファイナンス(リスクの保有・移転)
      リスクファイナンスとは、リスクコントロールの努力にもかかわらず発生してし
      まったリスクに対して、経営活動への影響を防ぐため、最小のコストで最大
      の効率をあげようとする対策のことです。

      この主なものとして、リスクの「保有」と「移転」があります。

      a.リスクの保有
       損失の発生に対し、自己の資金でそれを補填することです。

       積立金・引当金などの準備金の設定、利益の内部留保金などがあげられ
       ます。

      b.リスクの移転
       自社の損害を他者にカバーしてもらう方法です。たとえば、各種保険、共済や
       基金といったものがあります。

   4.リスク処理の成果の監視・評価
    リスク処理の実行に対して、最小のコストで最大のリスク回避という観点から、その
    成果を監視・評価します。

    もし、コストが予想以上に高い、あるいはリスク処理効果があがっていないなど
    の問題が発見されれば、リスク処理(リスクコントロールとリスクファイナンス)の
    方法を修正することになります。

    また、昨今のように経営環境の変化が著しく、つねに新しいリスクを背負わなけ
    ればならない状況においては、リスクマネジメントのサイクルのなかで、新しいリ
    スクに対処できる休制を見直していくことが必要です。

  □リスクマネジメントにおける留意点
   リスクマネジメントは、いつ、どのようなときに、どのような人が、それを進めて
   いくことになるのでしょうか。 

   以降では、5WIHの視点でリスクマネジメントの留意点を説明します。

    1.WHAT(目的は何か=目的の明確化)
      自社にとってリスクマネジメントを行う目的や必要性を明確にします。

    2.WHEN(いつ行うのか)
      リスクマネジメントの実行の時期は、必要に応じて、継続的に行うもの、定期
      的に行うもの、随時行うものなどがあります。

      <例> ・ 随時行うものとして新規事業進出や事業拡大を実行するとき
           ・ 定期的なものとして地震・火災の訓練

    3.WHERE(どこの部署で行うか=組織体制)
      リスクマネジメントは全社的・統合的に取り組む必要があります。そのためには、
      次のような組織体制が望まれます。

       ・ 経営者がトップマネジメントの立場からリスクマネジメントに関与する
       ・ 総務・人事・経理・法務・生産などの各部門の責任の範囲内でリスクマネ
        ジメントを行う
       ・ 全社横断的なリスクマネジメントの部署またはプロジェクトを設置する。

        そこには権限をもったリスクマネジャーを置く

    4.WHICH(どちらを優先するか)
      安全性と必要コストのどちらを優先するかを検討します。

      一般的には、安全性を追求すればそれだけコストはかかり、軽視すれば損
      失額が膨らみます。

      そこで、予想損失額とコストの「均衡点」を割り出し、その分のコストをかける
      リスクマネジメントが理想的です。

    5.WHO(誰がやるのか)
      「リスクマネジメントは誰が実行するか」ということについては、推進の責任者で
      ある「リスクマネジャー」を中心に全社員が行います。場合によっては、経営者
      自身がリスクマネジャーとなり、リスクマネジメントの推進役を果たします。

      また、コンサルタントなどの外部専門家のサポートも検討します。

    6.HOW to(どのように成功させるか)
      これまで述べてきたことのまとめになりますが、リスクマネジメントをどのように
      成功させるかは、
       ・ マネジメントサイクルのなかで正しい進め方・適切な手法で行う
       ・ トップダウンによる全社的なリスクマネジメントを行う

      ということが必要になります。  

   企業におけるリスクの8割以上が人に関わる問題(企業は人なり、リスクも人なり)

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ヒューマンエラーの原因と対策

             

ヒューマンエラーの原因と対策

  ■ヒューマンエラー

   近年、運輸機関における大事故や、金融機関におけるシステム障害や誤発注、医療
   機関における医療過誤などが社会的な問題となっています。

   これらの事故は、さまざまな要因がそれぞれ複雑に影響し合って発生しています。

   しかし、その根底には、ヒューマンエラー(人間の誤認識や誤動作によって引き起こさ
   れるミス)が存在しています。

   このように、ヒューマンエラーによる事故はさまざまな分野で起こり得ます。

   企業の社会責任が重要視されている昨今、これらの事故は、「信頼の失墜」を招く
   ばかりではなく、「顧客の安全性の損失」「多額の賠償責任の発生」など、取り返しの
   つかない大きな損害を顧客や企業に与える恐れがあります。

   また近年では、企業における機械化・IT化の進展により、一人の人間の作業により
   生じる影響力は、従来に比べて非常に大きくなりました。

   これにともない、ヒューマンエラーによって引き起こされる事故および損害の規模も
   増大しています。

   こうした背景から、企業にはヒューマンエラーに対する適切な対応が求められている
   のです。

  □ヒューマンエラー発生の原因
   1.必ず発生するヒューマンエラー
     ヒューマンエラーへの対応を検討する上で、常に念頭に置かなくてはならない 
     のは、ヒューマンエラーは必ず発生するということです。

     もちろん、「ヒューマンエラーを起こさない」という意識を持ち、また、さまざまな
     防止対策を講じることにより、ヒューマンエラーの発生をある程度防止すること
     は可能です。

     しかし、人間は必ず何らかのミスを犯すため、ヒューマンエラーの発生を完全
     に防ぐことは不可能です。問題とされるべきは、ヒューマンエラーそのものでは 
     なく、ヒューマンエラーによって引き起こされる事故および損害への対応です。

     ヒューマンエラーへの対応としては、
      (1)ヒューマンエラーの発生の芽をつみとる
      (2)ヒューマンエラーが発生した場合、迅速に検知する
      (3)ヒューマンエラーによる事故が発生した場合、迅速に対応する

     という、ヒューマンエラーの発生を想定した対策を講じることこそが重要なのです。

   2.ヒューマンエラーの発生
     人間の情報処理のプロセスとエラーは

     (1)人間の情報処理のプロセス
        @入力のプロセス(情報を自身の中に取り込むプロセス)
        A媒介のプロセス(取り込んだ情報を判断するプロセス)
        B出力のプロセス(判断に基づいて行動を決定、実行する 

       の3つに大別することができます。

       ヒューマンエラーは、このいずれのプロセスにおいても発生する可能性が
       あります。

       以下に、それぞれのプロセスにおけるヒューマンエラーについて具体的に
       説明します。

       @入力エラー
         情報を入力するプロセスで発生するエラーです。「見落とし」「見間違い」
         「聞き間違い」などにより、情報を正しく知覚・認知できないことをいいま
         す。
         例として、
          ・操作中の機器が異常発生を知らせる警告を表示していたにもかかわ
           らずそれを見落とし、事故を発生させてしまった
          ・設計図中の寸法の数字を見間違えたため、欠陥住宅を建築してし
           まった
          ・顧客の見積もり依頼に関する仕様を聞き間違えたため、規格に沿わ
           ない仕様の見積書を作成してしまった

         などが考えられます。

       A媒介エラー
         情報を媒介するプロセスで発生するエラーです。「誤った知識」「経験へ
         の依存」「思い込み」などにより、情報を正しく判断・決定できないことを
         いいます。

         例としては、
          ・新入社員が、商品に関する誤った知識のため、不当に低い見積価格
           を顧客に提示してしまった
          ・電車のベテラン運転士が、自身の経験を過信するあまり機器の危険
           表示を軽視し、事故を起こしてしまった
          ・「あまり重要ではないだろう」という思い込みにより、顧客からのク
           レームを放置し、結果としてさらに大きなクレームを発生させてしまっ
           た

         などが考えられます。

       B出力エラー
         判断によって決定された行動を出力するプロセスで発生するエラー。

         ○「やり忘れ」
          「やり間違い」「勘違い」などにより、計画通りに正しく実行できない
          ことをいう。

         例としては、
          ・顧客に依頼されていた調査を行うことを忘れてしまった
          ・自動車の運転で、ブレーキとアクセルを誤って操作してしまった
          ・パッケージがいつも使用している薬剤と似ていたので、中身を確認せ 
           ずに別の薬剤を患者に使用してしまった

         などが考えられます。

       なお、各プロセスにおける一つひとつのエラーが軽微なものであっても、一
       連の情報処理のプロセスの中でそれらが連鎖することにより、より大きな事
       故を発生させる恐れがあります。

  □ヒューマンエラーへの対応・対策
   ヒューマンエラーへの対応を検討するには、ヒューマンエラーに関する情報を収集し、
   詳しく分析する必要があります。

   1.ヒューマンエラーへの対応の検討プロセス
     (1)情報収集
       ・過去の事例の情報
       ・ユーザーからの報告に基づく情報
       ・社内からの報告に基づく情報
       ・自主的な調査から得られた情報

     (2)分析
       ・当該ヒューマンエラーの要素、要因について検証する。
       ・当該ヒューマンエラーが、どのような事故につながったか(または、つなが
        ると考えられるか)について検証する。

     (3)対策の決定
       ・分析に基づき、ヒューマンエラー防止対策を決定する。
       ・ヒューマンエラー防止対策に関するガイドライン、チェックリストを作成。

     まず、ヒューマンエラーに関する情報を収集します。

     上記の通り、ヒューマンエラーにはさまざまな種類があります。

     また、複数のヒューマンエラーが相互に関係することにより、さらに新たなエ
     ラーを発生させるケースもあります。

     こうしたことを判別するために、できるだけ多くの情報(事例)を集めることが重
     要となります。

     加えて、ヒューマンエラーには至らなかったものの、それにつながる可能性が
     あった事例についても収集します。

     建設業界や医療業界では、これらを「ヒヤリ・ハット(エラーを起こしそうになっ
     た)事例」として関係者全員で情報を共有しています。

     これらは、ヒューマンエラーを「芽」の段階でつみとるための非常に重要な情報
     です。

     次に、これらのヒューマンエラーに関する情報を分析します。

     ヒューマンエラーは、発生するプロセスやその要素、要因により大きく異なります。

     従って、分析においては、そのヒューマンエラーが、情報処理の「どの時点で」 
     「どのような理由により」発生したのかを詳細に検証し、エラーを発生させた本
     質を突きとめることが重要です。

     それぞれのヒューマンエラーを分析によってタイプ別に分類し、各タイプの特
     性を勘案して対策を決定します。

   2.ヒューマンエラーへの対応
     (1)ヒューマンエラー発生の防止
        前述の通り、ヒューマンエラーは「必ず発生するもの」です。

        しかし、さまざまな防止対策を講じることによって、ある程度発生を防止す  
        ることが可能です。

        次に、各プロセスにおけるヒューマンエラー防止対策を説明します。

        @入力エラー
          入力エラーは、情報を正しく知覚、認知できないエラーです。             
          従って、入力エラーへの対応では、情報が正しく入力されているかどう
          かの確認が重要となります。

          具体的な防止対策としては、
           ・見落としを防ぐために、機器や周辺状況について指差し確認などを
            行う
           ・見間違いを防ぐために、細かい数字や大量の数字などについて
            は、複数の担当者の間で読み合わせを行う
           ・聞き間違いを防ぐために、情報は文書化して伝達する
            (やむを得ず口頭により伝達する場合は、必ず復唱を行う)

          などが考えられます。
        A媒介エラー
          媒介エラーは、情報が正しく判断されないエラーです。
          誤った判断は、誤った知識および判断基準の不統一によって行われ
          ます。
          従って、媒介エラーへの対応では、正しい判断を行うための正しい知
          識の教育、および判断基準の統一が重要となります。

          具体的な防止対策としては、
           ・機器の操作や業務内容についての正しい知識を教育する
           ・判断基準を統一し(マニュアル作成など)、この基準に基づいて判
            断を行う
           ・上司によるチェックなど、複数のチェックポイントを設定すること
            により、判断の妥当性を多面的に検討する

          などが考えられます。

        B出力エラー
          出力エラーは、行動が実行されない、もしくは行動が正しく実行されな
          いエラーです。
          従って、出力エラーへの対応では、行動が正しく実行されているかどう
          かの確認が重要となります。

          具体的な防止対策としては、
           ・ToDoリスト(やるべき事柄をまとめたリスト)などを作成し、動作の
            もれを防ぐ
           ・落ち着いて、一つずつ作業や操作を行う
           ・作業、操作に際しては、目視などによる確認を行う 

          などが考えられます。
          なお、出力エラーは、無意識の行動において発生しやすい特性をもっ
          ています。
          このため、無意識の行動に一定の制約を加えたり負担を軽減すること 
          も効果的です。
          出力エラーの防止対策の一例は下表の通りです。

     (2)ヒューマンエラーの検知
       ヒューマンエラー防止対策によってもヒューマンエラーを防ぐことができな
       かった場合を想定し、それを検知するための対策を検討します。

       ヒューマンエラーの検知では、
        ・確認の機会を多く設け、目標と行為のズレを少なくする

       ことが重要となります。

       従って、具体的な対策としては、
        ・エラーを発見しやすい仕組みをつくる
        ・チェックリストを作成する
        ・複数の担当者によりダブルチェックを行う

       などが考えられます。

    (3)ヒューマンエラーによる事故への対応
      ヒューマンエラーを防ぐことができず、またそれを検知することができずに事
      故が発生した場合を想定し、これに備えるための対策を検討します。

      ヒューマンエラーによる事故への対応では、
       ・事故による損害の拡大を防ぐ

      ことが重要となります。

      従って、具体的な対策としては、
       ・高所からの転落を想定して、安全ネットなどを張る
       ・伝票処理ミスや検品漏れによる目減りを想定して、ロス予算を計上する
       ・自社の製品により食中毒が発生した場合を想定して、迅速に被害者に対
        応するためのマニュアルを作成する

      などが考えられます。

      このように、ヒューマンエラーへの対応では、

       エラー発生の防止⇒発生したエラーの検知⇒発生した事故への対応

      という3つが、それぞれ適正に機能することが重要です。

  □防止対策の運用上の留意点
   過去に発生したヒューマンエラーによる事故を検証してみると、「決められた手順通り
   に防止対策を実行しなかったため、ヒューマンエラーの発生防止や検知ができず、
   事故による損害を拡大させてしまった」という事例が少なくありません。

   これらの多くは、
    ・指差し確認が面倒だったので、「安全と思われる」作業の確認を省略した
    ・システム上、エラーの警告が出たが、「問題ないと判断して」作業を続けた
    ・自分で「念入りに確認をした」ので、ダブルチェックをしなかった

   といった担当者の主観的な判断により、防止対策がしっかりと実行されなかったことに
   起因しています。

   防止対策は、さまざまなプロセスに客観的なチェックポイントを設置することでエラー
   の発生を防ぎ、またそれを検知することを目的としています。

   このため、担当者の主観的な判断によってこれらのチェックポイントを排除してしまっ
   ては、防止対策としての機能が全く失われてしまうこととなります。 

   従って、防止対策を運用する際に最も重要なのは、

    ・いかなる場合でも、防止対策で定められている原則・ルールを順守し、実行さ 
     せる

   ことです。

   このためには、
    ・社内に「ヒューマンエラー防止対策委員会」といったチェック機関を設置し、
     決定した原則・ルールが順守、実行されているかを定期的に確認する

   などの施策が有効です。

   ただし、防止対策が実行されていたとしても、それが事実上形骸化していては意味が
   ありません。

   例えば、ある機器の操作を行う際に指差し確認が義務付けられているとします。

   このような場合、長い期間を経るにともない防止対策が形骸化してしまい、結果として
   「表面上では指差し確認を実行していても、実質的には、確認者はただ無意識に指を
   差しているだけで確認していない」ということになってしまう恐れがあります。

   このため、各人に、
    ・その行動によって、どのようなヒューマンエラーが起き得るか
    ・そのヒューマンエラーによって、どのような損害が起き得るか

   ということを十分に理解させ、防止対策を実行する重要性を認識させることが必要
   です。

   このためには、
    ・社内の各部署で発生した「ヒヤリ・ハット事例」について検証する「ヒヤリ・ハット 
     意見交換会」を定期的に開催するなどして、ヒューマンエラーについての啓発
     活動を行う

   などの施策が有効です。

   ヒューマンエラーは、もちろん発生させないに越したことはありません。

   しかし、その発生を完全に防ぐことができない以上、「ヒューマンエラーにともなう 
   リスクを、いかに少なくするか」という考え方を持つことが重要だといえます。

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会社経営における社内倫理

          

会社経営における社内倫理


  ■社内倫理(コンプライアンス)と会社経営

   個人情報の漏えい、ハラスメント、サービス残業など企業の不祥事が後を絶ちません。

   社会全体がモラルの低下に陥っている。

   社内倫理とは、社内における「行動の規範となる原理」のことです。

   社内(企業)倫理はコンプライアンス(法令遵守)の訳語として用いられる時もあり
   ます。

   社内における原理ですので、当然それは各企業独自のものとなります。

   社内倫理は、規定として明文化されているケースや、不文律として社内に浸透して
   いるケースなどがありますが、自社にあったスタイルであれば形式は問いません。

   もっとも重要なのは、自社の倫理をそれを定める背景となった理由や考え方とともに、
   社員全員に周知徹底きせるという点です。

   どうしてその行為が許されないことなのかを全員に知らせ、例外の取り扱いや許容
   範囲について説明しなければなりません。

   今「社内倫理」が重要視されている。

   現代社会における企業経営を考えた場合、
    ・情報化社会への対応
    ・企業に対する消費者のイメージ
   などが、より重要になってきますが、これらは、社員の考え方や行動に大きく左右され
   るという点で「社内倫理」と密接な関係にあります。

   したがって、社員に自社の倫理を定着させることは、現代の会社経営において非常に
   重要な意味をもっているといえます。

  □社内倫理を考える視点
   1.金銭に関する社内倫理
     金銭に関わる倫理は、企業にとってもっとも重要であるとともに備わっている
     べき基本的なものです。

     横領などの問題が表面化する前に「服務規律」や「権限規定」を明確に定め、
     徹底することです。

     特に横領は、強盗や窃盗などのように他人が所持しているものを奪うのでは
     なく、すでに自分が所持している現金などを使ってしまうという行為ですので、
     ちょっとした出来心から非常に発生しやすい犯罪といえます。

     それだけに、部下に金銭を扱わせる場合には上司の注意が必要となります。

     また、横領とまではいかなくても、その一歩手前ともいえる行為はどの企業で
     も決して珍しいことではありません。

     たとえば、「会社の備品を持ち帰り私物化する」、「会社で私用電話をかける」
     など、どんな少額のことであっても、会社の所有物を無断で私物化するなどの
     行為は問題です。

     こうしたことに対応するためには、
      ・金銭倫理に反した場合には、断固とした対応をとることを就業規則に明記
       する
      ・文房具など公私混同しやすいものについては、これも会社の所有物である
       という認識を周知させるとともに備品管理をきちんと行う
      ・出金を伴う事項に関しては、必ず領収書をベースにして対応する

     などの対策が必要でしょう。

   2.情報に関する社内倫理
     情報の取り扱いに関わる倫理の欠如は、インサイダー取引(企業の内部関連
     者が未公開情報を利用して行う株式の不公正取引)といった大きな事件につ
     ながる可能性もあります。

     たとえば「会社のコンピュータソフトをコピーして私用に使う」といったことはよく
     見受けられるのではないでしょうか。

     このようなこと自体が、著作権上許されないのは当然ですが、これを放置して
     おくと、重要情報の社外流出といった事態をも引き起こしかねません。

     この問題に対しては、
      ・文書の破棄、保管方法
      ・社内情報の取り扱い
     といった点についてルールを定めることが有効です。

     情報の取り扱いに関して最低限必要と思われるルールの視点を列挙します。
      ・文書やCD−ROMなどのメディアの廃棄方法に関するルール
      ・文書やCD−ROMなどのメディアの保管方法に関するルール
      ・対外秘文書の配布、保管、破棄に関するルール
      ・社内情報の社外持ち出しに関するルール
      ・退職時の機密保持に関するルール
      ・営業活動などで収集した顧客などの個人情報の扱いに関するルール
      ・インターネットに接続しているパソコンからの情報流出防止に関するルール

   3.男女関係に関する社内倫理
     男女関係に関する問題は、組織風土に大きな影響を与えることになりますの
     で、明確な対処をするべきです。

     問題とされるのは、
      ・セクシャルハラスメント
      ・不倫
     が主なものでしょう。

     男女問題への対処は、各会社でそれぞれ異なるでしょうが、会社としての問題
     への取り組み姿勢が、今後、その組織の男女問題に関する意識形成に大きな
     影響を与えるのだということを理解する必要があります。

      ・「セクハラ」には明快に対処
       「セクハラ」は、その存在が対外的に知られると人材確保の面からも不利に
       なる。
       全社的な問題として捉えた予防策が不可欠

      ・「不倫」については、敢然と対処する
       深刻な事態に至る前に適切な対応策を打つことが必要である

   4.上司・部下の関係に関する社内倫理
     ここ数年で注目されるようになった問題に「パワーハラスメント(パワハラ)」が
     あります。

     これは上司がその役職を利用して、部下に理不尽な心理的圧力をかけたり、
     嫌がらせをすることです。

     前述のセクハラは男女間の問題ですが、パワハラは同性間でも起こります。

     たとえば、客観的にみて実行不可能な業務を部下に与え、できないことを理由
     に激しく叱責したり、逆に一切仕事を与えずに職場での居心地を悪くするなど
     のケースが考えられます。

     パワハラを受け続けた部下は、それに耐えきれずに退職に追い込まれること
     もあり、後にそれがもとで、会社が訴えられるといった可能性もあります。

     上司が「部下を成長させるために厳しく指導している」というつもりでも、それが
     度を超せば、パワハラにつながります。

     パワハラを防ぐためには、幹部陣に部下の指導に関する会社としての考え方
     を理解させるとともに、パワハラを受けていると認識した部下が、経営者など
     に直接相談できる仕組みを作っておくことが有効です。

  □社内倫理を定着させる
   社内倫理の定着には、社員に周知徹底するほか、経営者や幹部がまず行動すること
   によって規範となることが重要です。

   社員に「私用電話を禁止する」とした場合、経営者自身が決して社内で私用電話を
   してはいけません。

   経営者が私用電話をしているなら社員に対して禁じるわけにはいきませんし、禁じた
   ところで守らないでしょう。

   また、禁止事項を設けた場合には、例外や許容範囲についても明確に定めることが
   必要です。

   たとえば、「私用電話を禁じるなら社内に公衆電話を設置する」「私用外出を禁じる
   なら外出規定を作る」などです。

   もちろん、「許す範囲」を同時に決めることも重要です。

   そして、そのうえで断固とした態度で臨むことが必要です。

   それは、罰則を設けるという意味ではなく、そういった倫理とその重要性について繰り
   返し説明するとともに、明確な態度で注意をすることです。

   そうした徹底が社内倫理を確固としたものにしていくことでしょう。

   いずれにしても、社員に定着するにはかなりの時間がかかるものとして、気長に取り
   組むことが必要です。

  社内倫理チェックリスト(参考例)
   常識だと思われていることも、あらためてチェックしてみると完全でなかったり、抜けが
   あるということも案外あるものです。

   もう一度、基本的なところから「社内倫理」をチェックし、問題があると思われる項目に
   ついては、根本的に見直す必要があります。

   自社の倫理について検討し、独自のチェックリストを作成することをおすすめします。

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リスクアセスメント

         

リスクアセスメント


  ■リスクアセスメント手法

   リスクアセスメントとは職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、
   低減するための手法です。

   労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針では、 「危険性又は有害性等の調査
   及びその結果に基づき講ずる措置」の実施、 いわゆるリスクアセスメント等の実施が
   明記されていますが、2006年(平成18年)4月1日以降、その実施が労働安全衛生法
   第28条の2により努力義務化されました。

   また、その具体的な進め方については、同条第2項に基づき、「危険性又は有害性等
   の調査等に関する指針」が公表されています。

  □なぜリスクアセスメントが必要か
   (1)従来の労働災害防止対策は、発生した労働災害の原因を調査し、類似災害
     の再発防止対策を確立し、各職場に徹底していくという手法が基本でした。

     しかし、災害が発生していない職場であっても潜在的な危険性や有害性は存
     在しており、 これが放置されると、いつかは労働災害が発生する可能性があ
     りました。 

   (2)技術の進展等により、多種多様な機械設備や化学物質等が生産現場で用い
     られるようになり、その危険性や有害性が多様化してきました。

     これからの安全衛生対策は、自主的に職場の潜在的な危険性や有害性を見 
     つけ出し、 事前に的確な対策を講ずることが不可欠であり、これに応えたの
     が職場のリスクアセスメントです。

      リスクアセスメントのハンドブック(経済産業省)

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大地震発生時の対応

            

大地震発生時の対応


  □屋外にいるときに地震が発生したときの対応
   
屋外を散策中などに、大きな地震が発生したら、カバンなどで頭部を保護しつつ、身を
   低くしながら揺れが納まるのを待ちます。

   近くにビルがある時は、落下物を避けるため、屋外や近くの公園、空地などに避難し
   ましょう。

   また、ブロック塀や石垣、自動販売機などは倒壊する危険性があるため、近寄らない
   ようにしましょう。

   山間部やがけに近い場所、急傾斜地などでは、地震によるがけ崩れ等によって危険
   が差し迫った場合、避難勧告が発令されます。

   各自治体の広報やマスコミの情報に注意しましょう。

   ただし、地震発生後、以下のような兆候が見られたらすぐに避難します。

   いずれにしても危険な場所から離れて、安全な場所に避難するように心掛けることが
   大切です。

   ●がけ崩れの発生する兆候例
    ・水抜き穴から濁り水が出始める
    ・小石がパラパラと落ちている
    ・がけに亀裂が生じている
    ・水が湧き出てくる
    ・地面にひび割れが生じている
    ・隆起・陥没が生じている

   ●地下街
    パニックを起こして出口に殺到すると非常に危険です。

    とにかく落ち着いて行動しましょう。

    万が一、停電になっても、出入口や非常口への誘導灯が点灯するので、係員の
    指示に従って行動しましょう。

   ●海岸付近
    海岸付近は、大きな地震が発生した場合、津波が発生する危険性があります。

    以下の「津波から身を守る避難のポイント」に沿って、適切な行動をとりましょう。

   ○津波から身を守る避難のポイント(危険が迫ったら)
     ・グラッときたら、すぐ避難
      強い揺れ(震度4以上)、または、弱くても長くゆっくりとした揺れを感じたら、 
      情報を聞くより先にまず避難。

     また、地震を感じなくても、警報や注意報を耳にしたら、すぐに避難してくださ
     い。   

     ・一刻も早く、高いところへ津波は凄まじい速さで陸上を駆け登り、家や車をさ
      らっていきます。

     危険が迫ったら、とにかく一分一秒でも早く、高いところ(避難ビルや高台など)
     に避難してください。

     ・素人判断はしない
      津波の前に潮が引くなどとよく言われますが、前触れなしにいきなり大きな
      波が来る場合もあります。

      過去の経験則を過信して「まだ大丈夫」などと判断するのは危険です。

     ・避難先で、正しい情報を得る
      安全な場所に避難できたら、ラジオやテレビなどで津波情報を聞きましょう。

     災害の後にはデマが広まりがちですが、惑わされないこと。

     正しい情報を得た上で、次の行動に移ってください。
      ・危険が去るまで、決して海に近づかない

     津波は繰り返し襲ってくるので、警報や注意報が解除されるまでは、決して海 
     岸に近づかないでください。

     荷物を取りに戻るのは、大変危険です。

   非常持出袋は、家を出て避難するときに、当面の生活に最低必要と思われる品物を
   入れて、あらかじめ用意しておきます。

   災害発生時には、避難のための持ち物を準備している余裕がないこともあるため、
   日頃から準備しておきましょう。
   ●保管場所
    非常持出袋は、災害発生時にすぐに持ち出せるように、リュックサックなどに入
    れて、いつも目に付く手に取りやすい場所に置いておきましょう。

    また、持ち出せないときのために非常持出袋を2つ用意して、1つは屋内に、も 
    う1つは屋外の物置、車の中などに置いておけば準備万端です。

   ●持出品
    救援物資が届くまでの数日間を自活するためのものとして、以下のものを中心 
    に、最低3日分程度の非常食、水、生活用品を持出品として用意しておきましょ
    う。

    また、赤ちゃんや年配の方、体の不自由な方がいる場合は、家族の状況に応じ
    て準備しましょう。

    一度に持って運べる重さは、男性で15kg、女性で10kg程度と言われています
    ので、無理にたくさん持ち出す必要はありません。

    状況にもよりますが、不足しているものがあれば、避難場所から自宅に取りに
    戻ることもできます。

     ・飲料水
     ・食料(カンパン、インスタントラーメン、缶詰・缶切りなど)
     ・携帯ラジオ ・懐中電灯(予備の電池も)
     ・防災頭巾 ・ヘルメット ・ロウソク ・ライター
     ・ナイフ ・医薬品(傷薬、常備薬)
     ・貴重品(保険証券、印鑑、通帳)
     ・その他(軍手、下着、タオル、毛布) など

   ●その他
    長期的な避難生活も視野に入れて、以下のものを日頃から備えておくとよいで
    しょう。

    □食料:缶切りのいらない缶詰、レトルト食品やお米などがあると重宝します。
    □カセット式コンロとガスポンベ:ガスの復旧には時間がかかるため、ガスポンベ
     を何本か買い置きしておくと、料理をすることも可能です。
    □大きなポリタンク:飲料水用に、また給水対応用としても使用できます。
    □厚手の業務用ゴミ袋:ポリタンクの代用にも、ゴミを入れることができるので衛
     生面でも有効です。
    □濾過機と飲み水衛生剤:汚れた水を濾過機で濾した後、薬剤を数滴落とすと
     飲料水になります。
    □新聞紙:包んだり、敷いたり、防寒にも使えます。
    □下着:洗濯ができないときのために揃えておきましょう。
    □洗面用具:水のいらないドライシャンプーとボディ洗浄剤。
     不衛生にしておくと病気になりやすく、気分も滅入ります。
     特に暑い夏は必要。
    □紙皿、紙コップ、ウェットティッシュ:水道が使えないときのために、重宝します。
    □ラップ:洗い物に水が使えない場合、紙皿などに敷いて使うことができます。
    □アイマスク、耳栓:避難所では、多くの人がいるので寝るときのために。
    □ペットフード:ペットの食料は自分で確保しておく覚悟が必要です。
    □笛:大きな声が出せないとき、建物の中に閉じ込められたときなどには、笛で
     合図する。

   お年寄りのいる家庭では是非用意しておきましょう。

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