取り込み詐欺

取り込み詐欺
 

  ■取り込み詐欺とは

   1.取り込み詐欺

    取り込み詐欺とは、取引を装って商品を受け取り、その代金を踏み倒すという詐欺
    手法で、こうした業者は「パクリ屋」とも呼ばれています。

    取り込み詐欺は資金繰りが苦しくなったことによる計画倒産の可能性もありますが、
    プロのパクリ屋が全国を転々としながら取り込み詐欺を行うケースも多くあります。

    取り込み詐欺は、まず会社を設立、もしくは休眠会社を買い取り、もっともらしい事業
    を立ち上げます。

    狙いをつけた企業と数回の取引を繰り返し、その後大きな取引を持ちかけ、商品を
    受け取った後、代金を払わず行方をくらまします。

    そして、こうして手に入れた商品は、現金問屋などの「バッタ屋」などに流して換金
    します。

    (1)新規取引の場合の手口

      ①詐欺会社から電話をかけてきて、「〇〇の情報で知った」「インターネット
       で探した」など商品を知ったいきさつを語り、商品に興味があるのでカタロ
       グ等の資料を送るよう要請がある。
       先方からも会社案内が送られてくることが多い

      ②資料を送付すると担当者から電話がかかってきて商談がもちこまれる

      ③商品を送っても指定の期日に入金がない

      ④電話をしても、会社にいってもすでに連絡がとれなくなっている

    (2)数回通常取引を繰り返した後の手口

      ①怪しまれないように、少額の通常取引を数回繰り返す

      ②信用関係を結んだ後、大きな取引を持ちかける

      ③取引を断ると、このような大きな取引を棒に振ってもよいのかとあおる。
       現金取引を希望すると、経理の都合上今回は無理であるという

      ④振り込みがないため連絡をすると、連絡がとれなくなっている

      以前は数回少額の通常取引をして信用させた後、大きな取引で詐欺をする
      ことが多かったようです。

      しかし、最近ではインターネットで会社を検索しやすくなったことから、ター
      ゲットとなりそうな企業を数多くあたり、新規取引で詐欺をする一発勝負のケース
      が多くなっているようです。

      このほか、2〜3社ほどでグループを組み、「関連会社が倒産した」などといって、
      連鎖的に計画倒産させる手口も明らかになっています。

   2.取り込み詐欺にあいやすい商品

    取り込み詐欺にあいやすいのは、 

     日用雑貨や食料品、家電製品、衣料、商品券など流通性が高く、
     換金性の高い商品 

    です。

    これらを扱う企業はとくに注意が必要です。

  □取り込み詐欺にあわないために

   取り込み詐欺の被害にあわないようにするための完全な対策はありません。

   取り込み詐欺は、取引が発生する以上、いつの時代でも、どんなに注意していても
   発生する可能性があります。

   詐欺から身を守るためには、 

    商取引は自己責任であることを認識し、取引先の選定に十分に気を配る 

   必要があります。 

   具体的には、次のような点に注意しましょう。

   1.新親取引を始める前に

    新親取引を始める時には、 

     ・相手企業の商業登記を確認する

     ・信用調査会社を利用して、相手企業の業況などを確認する

     ・電話で怪しいと感じたら、相手事務所を訪問して自分の目で確かめる

     ・現金取引にする 

    など十分に調べ、慎重に対応します。

    事務所が存在しなければすぐに怪しいとわかります。

    しかし、近年の取り込み詐欺は巧妙で、様々な手口を使って信頼のできる企業
    のように装っています。

    そのため、1度の訪問で怪しいと見抜くことはなかなか難しくなっています。

    また、信用調査の報告書に「この会社は詐欺をします」と記載されている訳では
    ありません。

    新規取引先の会社案内や商業登記、信用調査報告書を見るとき、また、事務所訪問
    をするときには、何となくではなく、次のような点に注意してチェックしてみま
    しょう。

   【会社設立時期】

    取り込み詐欺を行う時はまず会社を設立するため、設立後間もない会社は要注意
    です。

    しかし、休眠会社を買い取ることもあるため、社歴が長いからといって安心はで
    きません。

    最近になって社名や住所を変更していたり、代表者や役員が入れ替わっている
    場合はとくに注意が必要です。

    もし、変更されていたら、閉鎖登記にまでさかのぼって確認する必要があります。
    (商業登記の見方については次項参照)

    また、信用調査会社による信用調査報告書には、代表者の倒産履歴や負債額なども
    記載されています。

    役員が倒産をくり返していたり、多額の負債を抱えたりしている場合は要注意です。

   【取扱商品】

    取り込み詐欺を行う業者は、事業目的があいまいな表記になっていることが多い
    ことも特徴です。

    これは扱う商品を広範囲にし、主力事業をわかりにくくしているのです。

    換金性の高い商品を多分野にわたり扱っている場合はとくに注意が必要です。

 

   【事務所訪問】

    直接会って商談を進める場合には、相手に来てもらうのではなく、相手事務所を訪問
    するのが基本です。

    会社情報の所在地に実在しない場合はもちろんのこと、訪問した時に何らかの理由
    をつけて喫茶店など外での商談に持ち込むのも危険です。

    大がかりなパクリ屋であれば、立派な事務所を構えていることが多いため、会社概要
    との相違がないかをよく確認します。

    細かいことですが、企業年数の割には文具などの備品類が新しい、従業員数の割
    には事務所内の商談スペースが多い、隅のほうにダンボールが積んであり事務所
    自体をいつでも閉鎖できそうな様子である、といった場合には注意します。

    また、信用を得るために本店を東京や大阪の大都市に設定したり、大手企業との
    取引を吹聴したりします。

    体裁のよい企業パンフレットがあったり、社員募集の求人を目のつくところに張り
    出したりして、会社が好調である気配をみせることもあります。

    また、訪問時に対応する経営者は、物腰がとても柔らかく、一見信頼できる人物に
    見えることが多いようです。

    こうしたことを総合的にみたうえで判断することが必要です。

   【商談

    パクリ屋は商品を流すだけで、「その企業のその商品」が欲しいわけではありません。

    そのため、商品知識が広いわけではなく、品質や色などにはこだわりません。

    また、商談を断ったとしても、あまり深追いはしてきません。

    商談を重ねることにより、パクリ屋であることが明らかにならないようにするため
    です。

    取り込み詐欺防止に効果的な商談は、「うちは取引先のチェックを厳重にしている」
    ということを示すことです。

    パクリ屋は、「この会社と取引したら詐欺がバレてしまうかもしれない」という気配を
    感じれば、それ以上接触してきません。

    商談の時に怪しいと感じたら、可能であれば受発注書など、取引実態があることを
    確認できる書類を見せてもらいましょう。

    たとえメールや電話の段階で怪しいと感じなくても、「取引にあたっては信用調査を
    します」、「取引開始から1年は現金取引のみとさせていただきます」といったことを
    表明して反応をみてみるとよいでしょう。

    パクリ屋であればその後の反応はまずありません。

   ◎取り込み詐欺を見破るポイント

    チェックポイントをまとめると以下のようになります

    □金社設立後間もない
    □本店が東京、大阪などにあり、事務所も立派である
    □事務所を訪問しようとすると、外の喫茶店などでの面会を希望する
    □大手企業との取引や、取引実績などを吹聴する
    □家電製品、商品券、食料品などの取引を主流としている
    □取引する商品の詳細に興味を示さず、あまり吟味しない
    □詳細をいわず、商品が早急に大量に必要であることを強調する
    □断ると深追いせず、あっきり引き下がる
    □最初の取引の頃は現金で支払い、その後、大量注文と手形決済になる など

   2.既存取引先は変化に注意

    取り込み詐欺は、相手先を安心させるために数回通常取引をしてから大がかり な
    詐欺を行うケースも多いため、

     今までとは違う注文数や取引条件は疑ってみる

    ことが必要です。

    プロのパクリ屋は最初のうち少量の商品を頻繁に注文して、現金決済や早期の
    振り込みを行い、信用させます。

    その後、商品を大量注文して取引を拡大しますが、資金の都合といって期間の長い
    手形決済に持ち込みます。

    また、お盆やお正月など長期休暇の前に大量注文をして、休暇前の商品到着を希望
    するなど取引を急かし、休み明けには連絡がとれなくなっているということもあり
    ます。

    数回の取引を重ねた既存取引先であっても、所在地や役員が頻繁に変わるなど
    些細な動きや、今までとは違った取引条件を提示する場合には要注意です。

  □商業登記はこう見る

   新規取引にあたっては、最低限、商業登記を確認しましょう。

   法人としての登記がなされていなかったり、住所地に事務所が存在していない企業と
   取引を始めるのは論外です。

   商業登記をチェックするときには、以下のような点に注意しましょう。

   1.商業登記の構成とチェックポイント

    商業登記には、

     本店住所、設立年月日、事業目的、株式数、資本金、役員の氏名

    が記載されています。

    登記簿謄本(登記事項証明書)には、現在事項証明書、履歴事項証明書、閉鎖事項
    証明書があります。

     ・閉鎖されていない登記事項の証明は「履歴事項証明書」
     ・現在効力がある登記事項の説明は「現在事項証明書」
     ・閉鎖された登記事項の証明は「閉鎖事項証明書」

    同一法務局内で登記内容を変更した場合は、下線をつけて抹消事項であることを
    示しています。(巻末見本参照)

     まずは、履歴事項証明書を確認

    します。

    ただし、本店移転で法務局の所轄が変わるとそれまでの登記は閉鎖され、移転先の
    法務局で新しい登記ができます。

    新しい登記事項証明書には移転前の変更事項が記載されていません。

    そのため、

     巻末の「登記記録に関する事項」を確認し、その会社が本店を移転して
     いれば、本店移転前の法務局で「閉鎖事項証明書」にさかのぼって確認

    することが必要です。

    【設立年月日】

     設立年月日の新しい会社は取引基盤が固まっていないため、取引には注意し
     なければなりませんが、設立が古くても休眠会社を買い取った可能性もあります。

    【社名】

     大手企業の名前の一部を利用して大手系列であるかのように見せかける紛ら
     わしい社名や、従業員が少ないのに「〇〇インターナショナル」などいかにも事
     業展開を手広くやっているかのような単語を使っている社名は注意しましょう。

    【事業目的】

     貴金属、農水産物、雑貨、医療品などの輸出入から販売、不動産の仲介や売
     買、リース事業など、事業範囲が無秩序に広く、どれが本業なのかわからない
     ような場合は典型的な取り込み詐欺企業といえるため、注意が必要です。

    【役員氏名と就任年月日】

     役員が大きく変っている場合は、注意が必要です。

   2.商業登記の取得方法

    登記事項証明書は、対象企業を所轄する法務局で入手できます。

    手数料は、1通1,000円です(取り寄せ部数や方法によって異なります)。

    最寄りの法務局と、相手方の所轄法務局の商業登記がコンピュータ処理されている
    場合は、登記情報交換システムにより、最寄の法務局で登記謄本(証明書)を取得
    することができます。 

    また、切手をはった返信用封筒を同封して、相手方の所轄法務局に郵送で申請する
    こともできます。

    インターネットでも、法務局の「インターネット登記情報提供サービス」に利用者登録
    をすれば、登記情報を有料で閲覧することができます。

    ◎インターネット登記情報提供サービス 

   3.見本

    法務局で商業登記簿の交付を申請する際の申請書見本です。

  □取り込み詐欺にあってしまったら

   詐欺にあったと感じたら、まずは直接相手先に出向きます。

   業者が逃げる前であれば、騒ぎを大きくしたくないという事情から代金を払う可能性が
   あります。

   連絡も付かず、事務所も閉まっており、

    取り込み詐欺と疑われる場合には、まず、警察に通報し、必要があれば
    告訴します。

   ただし、刑事事件として扱われるため詐欺にあった明確な証拠が必要になります。

   また、取引額がそれほど大きくないと、一企業で訴えても警察はなかなか本格的に
   動いてくれません。

   近隣に複数の被害者がいる場合には、団結して詐欺を立証することが大きなポイント
   になります。

   民事裁判で勝訴したとしても、詐欺グループはすでにお金を動かしていて被害額が
   戻ってくることはほとんどなく、裁判費用や手間、時間がかかるというデメリットが
   大きくなります。

    取り込み詐欺にあってしまうと、
    詐欺の被害額をとりもどすことはほとんど不可能

   と考えた方がよいでしょう。

    詐欺にあってから被害額回収のために時間や手間、多額の費用をかける
    よりも、2度と詐欺にあわないように今後の対策をたて、少しでも怪しい
    予兆がある場合にはそれを察知できるようにしておく

   ことが重要です。

    商取引においては、経営者自身の自己責任による経営判断が求められている

   ことを十分に認識し、日々の経営に取り組むことが大切です。

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リスクマネジメントの考え方

リスクマネジメントの考え方
 

  ■リスクマネジメントの考え方

   1.企業経営とリスク

    企業経営には、恒常的に発生する可能性があるごく小さなリスク(損失)から、発生の確率は
    きわめて低いものの、いったん生じると組織の存続が危ぶまれるほど重大なリスクまで、
    じつに多様なリスクが存在します。

    経営の本質は意思決定の連続であるといえますが、いかに合理的・科学的な経営を進めて
    いる企業であっても、すべてのリスクを完全に回避することは不可能です。

    しかし、発生する可能性があるリスクを正確に把握し、何らかの対応策をとっている企業と、
    リスクへの意識が欠如している企業とを比較すると、組織全体のリスク回避力や環境への
    適応力、成長力には大きな差が生じるものと思われます。

    リスクマネジメントとは、企業経営において発生すると判断されるリスクを予知し、的確な
    予防策を打ち出して事業活動を進め、もし損失が発生した場合にはそのロスの程度を
    可能な限り低めようとする管理手法を指します。

    経営におけるリスクは、(1)投機的リスク、(2)発展段階リスク、(3)倒産リスク、
    (4)純粋リスクの4つに分類することが可能です。

    「投機的リスク」は組織に損失と利益の両方をもたらす可能性のあるリスクであり、各種
    経営資源の獲得と配分などから発生するものが該当します。

    次に「発展段階リスク」は、企業が設立されて事業や組織の規模が拡大するにしたがって
    顕在化するリスクをいいます。

    たとえば組織の肥大化によりその活力が削がれ、経済的な損失が発生するようなケースが
    考えられます。

    「倒産リスク」は文字どおり企業経営が破綻するリスクを指していますが、これはもっとも
    打撃の大きいリスクであり、長期存続を使命とする企業にとって第一に回避しなければ
    ならないものです。

    さらに「純粋リスク」は、いったん発生すると組織に損失のみをもたらす類のリスクであり、
    具体的には自然災害や突発的な事故などがあります。

 

   2.リスクマネジメントの流れ

    経営におけるリスクは多種多様ですが、全リスクを同じような重みをもって管理していくのは
    合理的ではありません。

    つまり、

     リスクの発生確率とそれが発生したときの損失の大きさという2つの要素を
     尺度に、リスク管理に強弱をつけて対応策を検討する必要があります。

    たとえば、頻繁に発生することが予想されるが、損失はほとんど発生しないリスクを完全に
    制御しようとすると、その対応に費やしたコストが実際の効果を大きく上回ることも考えられ
    ます。

    また、こうした問題にとらわれた結果、発生する確率は非常に低いものの万一それが
    起こったときには経営危機に陥る可能性が高いと判断されるリスクへの対処が後回しに
    なってしまうならば、それは適切なリスクマネジメントの対極に位置する行動といわざるを
    得ません。

    まず、考えられるリスクの程度と発生確率という観点から、自社の経営状況を点検する
    ことが重要です。

    こうした作業をベースにし、実際にリスクマネジメントをどのような手順で進めるべきか、
    基本的な考え方を下図に示します。

    第1の段階では発生し得るリスクを予測し、その予防策を考えて実行します。

    この段階では社内にある過去のリスク情報を精査して、予防策を構造的に把握するように
    努めます。

    こうした作業を継続するなかで、リスクに対する従業員の意識が高められる効果も期待
    されます。 

    先にも述べたようにリスクへの予防を進めていても、企業経営には不可避的にリスクが
    発生します。

    それが第2の段階です。

    また、発生したリスクに対しては、科学的な観点からアプローチするのが有効で、これが
    第3段階であるリスクの分析になります。

    ここでは予防策があったにもかかわらず、なぜ組織内で損失が発生したのかを丁寧に
    考えていく作業が必要です。

    具体的には、考えられるすべての発生要因を列挙して構造的に分類します。

    最後の段階では、リスクの発生を抑える対応策を立案して実行します。

    換言すれば、このステップは仮説を検証する段階であるともいえます。

    つまり、リスクの分析結果から効果的な対応策を合理的に決定し、「おそらくこうした一連の
    対応策でリスクをこれだけ低減することが可能であろう」との仮説をたてた後に、仮説の
    妥当性がどの程度あるのかを確認する段階です。

    そして対応策への評価を行なったならば、また第1の段階に戻っていきます。

    こうしたプロセスを繰り返すなかで、企業が推進するリスクマネジメントの水準は徐々に
    高められていくのです。

   3.組織的なリスクマネジメントの実践へ

    効果的なリスクマネジメントを実践するには、基本原則が存在します。

    何よりも重要なのは、組織の負担能力の限界を超えるリスクを出さないようにすることで
    あるとされています。

    また、リスクの発生確率をつねに考える姿勢をもち続け、予防や従業員の教育への投資を
    惜しまないことも大切です。

    目先のコストばかりに関心をもってしまうと、将来の大きな損失発生を防げなくなる可能性が
    あるからです。

    中小企業では、経営者自身が中心となってリスクマネジメントを推進することが大切では
    ないでしょうか。

    つまり、「経営者=リスクマネージャー」との認識が求められるということです。

    そして

     経営者自身がこの問題に深く関与し、
     全従業員にリスクへの意識を浸透させなければなりません。

    そうした経営者の姿勢は、「組織的リスクマネジメント」の実現にもつながります。

    以上のような観点からリスクマネジメントを推進するのであれば、その企業はいわば社会的
    責任を遂行することにもなります。

    そしてすべての従業員がリスクへの意識を高めることで、組織全体のリスクへの感度が
    極めて高い水準にまで導かれたときに、業績面への確かな正の効果がもたらされるでしょう。

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スクマネジメント(危機管理)手法


  経営において、100万円の利益を出すことと、100万円の損失を未然に防ぐことは同じ
  価値を持ちます。

  リスクマネジメントの意味は広義に渡りますが、事業運営におけるリスクマネジメント(危
  機管理)手法の活用は経営にかかわるリスクから防衛することが目的となります。

  今一度、自社のリスク管理をチェックすることをおすすめします。


  中小企業の多数が売り上げを上げることだけに躍起となり、足元のリスクに対しては無頓
  着な傾向にあります。

  事業を運営していく上で、多種多様な危険があなたを待ち伏せ、そのリスクは複雑・多様
  化してきています。

  たとえば、工場が火災で焼失したとします。

  これにより、企業の生産活動は停止し、操業停止の危機というリスクにさらされます。

  また、規制緩和・消費者ニーズの多様化などの社会の動きそのものが、企業の利益に大
  きな影響を与えることもあります。

  すなわち、すべての企業はどんなに業績が順調に推移しているとしても、常に事業縮小や
  最悪の場合、倒産というリスクにさらされているのです。

  そして事業リスクにおける90%がヒトに関わるものであることも確かです。

  リスクマネジメント(危機管理)対策では

    リスクマネジメント情報  各種マニュアルの紹介

     マニュアルの考え方・つくり方  会社を守る診断シート 

   組織における危機管理強化(コンサルティング・セミナー・研修・講演)のご案内

  についてまとめました。


  企業が直面する5つのリスク

  (1) 財産損失のリスク

   火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などにより
   生じる直接損害に関わるリスク(例えば、ショーウィンドウの商品が盗難など)

  (2) 収入減少のリスク

   企業の売り上げや利益が減少するリスク(例えば、自
          社工場が罹災し、生産がストップや取引先の倒産など)

  (3) 賠償責任のリスク

   他人の権利を違法に侵害し、これにより損害を発生させた結果、法律上の賠償責任を
          負うリスク(例えば、新製品の商品名が商標権侵害であるとの警告書が届くなど)

  (4) 人的損失のリスク

   経営者、重役、あるいはその他の従業員の死亡・事故・疾病・不
   健康・信用損失などのリスク(例えば、自動車事故により、キーパ
   ーソンが死亡など)。

  (5) ビジネスリスク

   新製品開発や海外進出などの営業戦略上のリスク、および株式
   投資・商品取引・為替操作・他社への融資などの資産運用上のリ
   スク(例えば、新規参入者の出現により、自社製品のマーケットシ
   ェアが低下など)。

  以上のようにさまざまなリスクが企業を取り巻いています。

  しかし、多くの企業ではこれらリスクに対して無防備であり、

   ● 経営者がリスクの存在を認識していない。

   ● リスクをコストとして認識していない(企業経営にとっては、100万円の利益を出す
     ことと、100万円の損失を未然に防ぐことは同じ価値を持っている)。

   ● 安全を人的依存にすりかえている(注意をすれば事故は起こらないなど)           

   ● 天災による被害、損失は人間の責任の範囲外の出来事という認識が強い。

     しかし実際には対策により被害、損失は防止、低減できる。
     天災は人災ととらえるべきである。

   ● 危機管理マニュアルの未整備(企業に内在するリスクの予見と分析がない。)

    ○経営者の判断ミスにおけるリスク(新規事業進出、事業規模拡大の失敗など)

    ○特許侵害、訴訟問題による損失

    ○経営者、管理責任者の事故や病気による企業のリスクなど

  こうしたリスクにかかわる意識や対応の欠如は、ひとたびリスクが発生した際には、企業
  の存続すら危ういものにします。

  こういった事態を防ぐためにも、リスクマネジメント(RM)が求められています。   

  会社を守るためにも、あなたの抱えるリスクを、部分管理から一元管理のできる専門家
  
に依頼することです。
    
  ■リスクマネジメントとは

   企業の諸活動に及ぶ悪影響を低減させるため、要因(リスク)を特定し、資産・活
   動・稼働力を保護するために必要な機能を、最少のコストで運営管理するプロセス
   で、経営管理手法の一つと定義される。

   「企業の諸活動に及ぶ悪影響」とは、「経営損失」そのものです。

   この要因となりうる不確実性が企業を取り巻くリスクそのものです。

   すなわち"経営損失をもたらす可能性を持つ不確実な要因"を総じて企業リスクと
   いいます。

  □リスクマネジメントの目的

   リスクマネジメントの目的は、企業を支える「資産・活動・稼働力」の保護であり、
   これがうまくいかない場合には、企業は倒産してしまう。

   よって企業リスクマネジメントの目的は、企業の倒産防止ということになる。

   まさに経営管理の重要部分を担っているといえるでしょう。

   近年、社会的責任を全うしなかったことに起因する企業イメージの低下や、企業を
   舞台とした不正義の発覚などが大きく取り上げられるようになった。

   いわゆる、社会的信用の失墜につながる『企業のポジションそのものに起因する
   リスク』の存在が大きくクローズアップされてきている。

   従来からの『企業の生産や販売・サービス活動から派生して発生するリスク』のみ
   を対象としていたのでは不十分になってきました。
    
  □「保険」と「保有」

   リスク対策にはリスクファイナンシング(保険)とリスクコントロールがあるが、リスク
   コントロールの多くは、法律や各種規格によって決められており、あまり自由度が
   ない(高度な対応策を導入することは可能だが、規制以下の対応はできない)。

   一方、リスクファイナンシングでは、保有(リスク保有:リスクによる損失を内部留保
   された資金等で賄う)と保険のバランスにより、コストとしての最適値が見つけられ
   ます。

   ●保険の効用

    ・巨額損失に対応できる担保力が確保される

    ・コストを平準化でき、税法上のメリットが享受できる

    ・事故処理を代行してもらえる

    ・資金負担に関わる無用の利害衝突・トラブルを回避できる

    ・各種付帯サービスを活用できる

     「保険」の活用は、確かに多くの場合、リスク対策コストを引き下げる最も有効な
    手段である。

    しかし、「保有」が必ずしも不利な手段というわけではない。

    「保有」には、次のような2形態があり、場合によっては有効な企業リスク対策と
    いえます。

   ●積極的保有(自家保険)

    リスクの存在を認識していても、保険会社等に任せるのではなく、自己資金等の
    積み立て(社内留保)によって、損失に備えること。少額損害が多発するような
    ケースや、企業としてその体力に比較して問題なく損金処理可能な損失しか発生
    し得ない場合など、保険より有利なリスク対策が可能な場合に使われる。

    米国で労災保険等保険料が高騰し、事故率の低い企業が自家保険に踏み切っ
    たケースや、国内の大手運輸業などの車両事故損害の自社保有が好例。

    当然のことだが、上記の保険のメリットは享受できない。

   ●消極的保有(無保険)

    不注意によってリスクの存在に気づかなかった。

    もしくは、保険料負担ができず、必要な保険をかけなかったこと等による損失の
    保有。

    これはリスクマネジメントの手段ではなく、単なる結果である。
   
  ■自社(店)を取り巻くリスク

   中小企業の多数が売り上げを上げることだけに躍起となり、足元のリスクに対して
   は無頓着な傾向にあり、危機管理に対する意識が希薄であることが見受けられ
   ます。

   『経営において、100万円の利益を出すことと、100万円の損失を未然に防ぐこと
   は同じ価値を持ちます。』

   企業経営には様々なリスクが発生します。

    ・労災:製造現場での事故、社用車による交通事故など

    ・盗難:現金、商品、オフィスの備品など

    ・社員の不正:横領、企業機密の漏えい、業務用PCへの不正ソフトインストー
     ルなど

    ・業務上の賠償問題:社用車による事故、製造物責任、環境汚染など

    ・雇用問題:サービス残業、不当解雇、不当な賃金格差など

    ・ネットワークの障害:ウィルスなどによるシステムダウン、サーバーへの不正
     進入など

    ・ハラスメント問題:セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど

   が挙げられます。

   上記のリスク対策として行われているのが、

    ・社員教育の徹底

    ・危機管理マニュアルの作成

    ・ITセキュリティの徹底

    ・管理者教育の徹底

    ・行動指針の作成

    ・緊急連絡網の整備

    ・与信管理の徹底

   などです。

   企業を取り巻く環境にはさまざまなリスクがあり、発生する可能性も変化し続けて
   います。

   さらに、リスクは予期せぬときに突然危機に発展する可能性があり、予期せぬ危機
   は企業に大きなダメージを与えます。

   危機が発生する時期をあらかじめ予期することは非常に困難ですが、起こりうる
   可能性のあるリスクをあらかじめ予測し、それらの事態に即座に対応できる体制を
   整えることは可能です。

   危機を生み出すリスクの予測と対応体制の確立は危機管理の基本といえます。



   □企業を取り巻くさまざまなリスクと危機管理体制づくりのポイント

    ○経済的リスク

     ・金利、為替相場、株式相場など

    ○法的リスク

     ・知的財産権訴訟、環境保護関連法制度の強化、独占禁止法の強化

    ○人的損失リスク

     ・経営者や社員の死傷、重度疾病、ヘッドハンティング、若年社員の離職

    ○インフラ事故リスク

     ・電力や通信施設の事故、航空機、自動車事故の発生

    ○社内的リスク

     ・工場、事務所の火災や事故、設備機械の故障、取引先企業の倒産

     ・機密漏洩、社員犯罪、商品製造工程の不備、個人情報の漏洩


   危機管理は、システムではなく意識の在りかたにこそ、その本質があります。

   完璧なマニュアルを作ることが危機管理なのではなく、完璧なマニュアルで危機に
   対応しようという意識の高まりを行動に移すことこそが危機管理なのです。

   危機管理には、最初に始めなくてはいけないというものはなく、必ずやらなければ
   ならないものがあるわけでもありません。

   まずは、自社にとって重要だと思われることのうち、できることから一つずつ始めて
   いくことが大切といえるでしょう。

      自社のリスク管理体制がどのような状況かチェックしてみてください。

   小さなことからでもとにかく取り組みを始め、日常の業務としての危機管理を定着
   させることが、危機管理体制確立への第一歩です。

   「たら、れば」にならないためにも早急な対策を講じることです。
   
  ■リスク管理体制の構築

   中小企業などにおいては、経営トップのリスク管理に対する認識そのものがまだ
   甘いといわざるを得ません。

   不測の事態に備えるリスク管理では経営者のリーダーシップが重視されます。

   社外では、為替の変動、脅迫や誘拐といった犯罪、株主代表訴訟、PL(製造物
   責任)訴訟などに対応しなければなりません。

   また、社内にはセクハラ、労災、背任、横領、インサイダー取引などのリスクがあり
   ます。

   こうしたリスクを回避あるいは最小化するためには、迅速な意思決定と事前の緊急
   対応体制の整備が必要不可欠です。

   また、マスコミ対応に失敗し、リスクを拡大してしまうことのないような体制を整備
   することも重要なポイントです。

   リスク管理体制の構築に向けて、緊急事態発生時はもとより、平常時においても、
    → リスクの抽出・特定

    → リスクの評価・対策

    → リスク教育

    → リスクの管理・連絡体制

   などの緊急事態発生を予測・予防するリスクマネジメントを一層強化していく必要が
   あります。

  □リスクの管理

   企業活動からすべてのリスクを排除することはできません。

   そこで、企業を取り巻くリスクと上手につきあう、つまりリスクを適切に管理(マネ
   ジメント)する必要が出てきます。

   リスクの内容は各事業によって異なり、同じ事業でも時期や周囲の環境などによって
   異なってきます。

   従って、リスクを効果的にマネジメントしていくためには、まず部署ごとに想定される
   リスクを抽出し、認識・確認することが必要になります。

   最終的には、想定したリスクをできるだけ排除し、また実際にリスクが発生した際
   には被害を最小限に食い止めるためのリスク管理マニュアルを作成する必要が
   あります。

   企業がリスク管理体制を構築する際、特に留意すべきポイントは次の3点です。

   (1)経営トップが必ず関与する

     リスク管理は経営そのものです。

     企業が活動を行って行く中で、完全にリスクをなくすことはできません。

     まずは、経営トップがこのことを正しく理解し、自らが先頭に立ちトップダウ
     ンで進めることが肝心です。

   (2)組織としてノウハウを継承する

     阪神大震災の後、多くの企業でリスク管理マニュアルが作られましたが、当
     時その作成にかかわったプロジェクトのメンバーは、人事異動などで担当
     部門を離れてしまい、その後、マニュアルにメンテナンスが加えられること 
     はありませんでした。

     そのため、社員の大部分がマニュアルの存在は知っているものの、内容を
     見たことはない状況になってしまいました。

     実際には、マニュアルのメンテナンスやその教育徹底こそが重要なことで
     あり、当初の姿勢や体制を継承する仕組みが必要となります。

     そのためには、経営に近い部署の担当者がその任に当たり、企業規模に
     よっては専任部署を設置することが望まれます。

     この担当者や担当部署は、企業全体を見渡したリスク管理の構築を行い、
     日常的にはリスクの予防対策や社員への教育訓練を実施し、緊急事態に
     は経営トップの補佐として、リスク管理対策本部の中枢として活動すること
     が求められます。

   (3)一貫した体制構築と対応を行う

     リスク管理の最大の目的は、可能な限りリスク状態を排除することであり、
     もしも、リスク状態に陥ったとしても損害を極少に抑えることです。

     リスク状態に陥らないためには、重要なリスクに対して日常的な対応を疎か
     にしないことが最初に求められます。

     次に有事に備えての体制の構築です。

     しかし、日常の管理だけに目を向けすぎて、リスクの防止だけが強調されす
     ぎると、「これだけの日常管理をしているのだから、リスク的状況などは発
     生するはずがない」という過信につながり、実際にリスクが発生した場合、
     発生後の対策対応が不十分になることがあります。

     リスク管理は、日常のリスクマネジメント(事前対応策)への経営トップの関
     与と、それでも万一の事件・事故の発生があり得るとして、クライシスマネジ
     メント(事後対処策)への備えを行うことになります。

   まず最初に自社のリスク管理についてチェックしてみてください。

  □リスク管理体制の確立

   以下では、リスク管理体制を確立させる具体策について簡潔にまとめます。

   まず、リスク未然防止のための全社的潜在リスクの洗い出しの実施です。

   社内に潜在するリスク要因の多様さを認識させ、リスク意識を高めるとともに、防止
   策に取り組ませます。

   そのうえで、全社的なリスク管理対応能力を高める「リスク管理マニュアル」を作成
   しますが、社員のだれもが迅速で正しい判断と行動が取れるよう、「必要なこと」
   と「必要でないこと」を明確に示すことが重要です。

   幹部社員にはリスク管理の知識と意識を高める継続的な「リスク管理セミナー」
   を実施します。

   幹部社員のちょっとした判断ミス・連絡ミス・対応ミスが大きなリスクを招いてしまう
   ことを自覚させます。

   また、初期対応の判断ミス防止策としての継続的な「シミュレーショントレーニング」
   を実施し、どう判断し、どう行動すべきか、ケースごとに具体的に習得させます。

   さらには、経営トップのマスコミ対応を高める定期的な「メディアトレーニング」を実施
   し、マスコミ関係者への正しい応答の仕方を理解してもらいます。

   リスクマネジメント(事前対応策)で大切なことは、予測できる、あるいはその逆に
   予測できない事態が起きたときの対処法を考えておくことです。

   例えば、

    ・リスク管理マニュアルの整備

    ・全社的なコンセンサスの統一

    ・責任窓口の明確化

   など、リスクが発生しても対応できる体制をつくっておくことが必要となるのです。

   さらに、リスク管理マニュアル通りにうまく事が運ぶとは限らないので、マニュアルで
   想定できなかった事態が起きることも認識しておかなければならないでしょう。

   リスクマネジメントを効果的に実施するためには、

    → 従業員のリスクに対する感性が敏感となるよう教育・啓発を行う

    → 当初は小さな事故・事件と判断される場合も大事件に発展することもあるので、 
       事故発生の場合には、極力情報を収集し、重大性を意識して対応する

    → 事故が発生した場合、地元住民・行政・マスコミにすべてを隠さず情報公開
      するなどが求められます。

   リスクマネジメントを実効性あるものとするためには、適切な方法と頻度で評価・
   検証することも重要となります。

   また、社会情勢の変化や他社事例なども是正・改善のための有力な情報源となる。

   今では、大手監査法人が企業の社会的責任(CSR)の支援サービスが拡充されて
   いる。

   CSRは環境や法令順守、人権問題など幅広い分野を対象にしており、監査法人
   各社は企業の現状診断や社内のリスク管理体制づくりの支援なども行っています。

  □リスクコミュニケーション

   世の中のあらゆる事象には、利便性とともにリスクが含まれています。

   従って、そのリスクを回避するために、情報の所有者である行政や企業は、事象の
   持つ利便性とリスクを伝え、ともに対応を考える必要があります。

   このように、事象の持つポジティブな側面だけではなく、ネガティブな側面について
   の情報、それもリスクはリスクとして公正に伝え、関係者がともに考えることのでき
   るコミュニケーションのことをリスクコミュニケーションといいます。

   リスクコミュニケーションは関係者の参加を発展させながら、リスクの理解とリスク
   への対処の方法ついての双方向の交流を進めることでもあります。

   リスクコミュニケーションは、単に誰かがリスクについて教えたり、リスクが小さい
   ことを説得したりすることではありません。

   リスクコミュニケーションでは、科学技術や政策といった話だけでなく、人々が漠然
   と感じている不安や行政や企業に対する不信感も重要な情報となります。

   もちろん、その内容によって、人々の理解や安心感が高まることもありますが、
   時には、人々の不安が強まったりすることもあるでしょう。

   リスクコミュニケーションでは、どのような結果になるかではなく、意見交換の過程で
   どのような関係を作っていくかが重視されます。

   リスク情報の流れを整理すると、次の3つの形態に分けられます。

    (1)社内のリスクコミュニケーション

    (2)外部の関係者とのリスクコミュニケーション

    (3)消費者・顧客とのリスクコミュニケーション

   これらのリスクコミュニケーションは、平常時から心がけるべきコミュニケーション
   です。

   しかし、これらに加え、リコールや事故などのリスクの発生時には、マスコミなどの
   メディアとのコミュニケーションの不備が2次リスクを発生させたり、損害を必要以上
   に拡大させることがあります。

   マスコミなどのメディアは、企業の直接の利害関係者ではありませんが、社会の
   理解を得るための重要な関係者ととらえ、誠実な対応が望まれます。

   従って、リスクコミュニケーションを効率的かつ効果的に進めるために、経営トップ
   がリスクコミュニケーションを理解し、基本方針と責任体制を確立し、戦略的に取り
   組むことが重要です。

  ■中小企業にとっての事業継続計画(BCP)

   事業継続計画を作成しても機能させなければ絵に書いた餅に終わってしまう。

   コンサルタントに高額な料金を支払い、立派な計画書を策定して満足していないで
   しょうか?

   事業継続計画を日々の業務の中で生かす仕組みをつくらなくては、計画策定が
   目的化し、実態にそぐわない計画に終わってしまいかねません。

   中小企業にとってのBCPはシンプルでなくてはなりません。
   
  □小企業の事業継続計画(BCP)の取組状況    

   中小企業のBCP策定アンケートでは「BCP を作成・作成予定」と回答した企業は、
   11.3%にとどまった。

   業種別にみると、製造業のほうが「BCP を作成・作成予定」と回答した割合が高い
   (製造業14.9%、非製造業7.7%)。

   従業員規模別にみると、従業員数の多い企業ほど「BCP を作成・作成予定」の
   回答割合が高くなっており、従業員100 人以上の企業の34.0%は「BCP を作成
   ・作成予定」と回答している。

   このアンケート数字からもわかるように、従業員100人以下の中小企業ではBCP
   の作成がほとんど策定されていないことがわかります。

   BCP は通常「事業継続計画」と訳されるが、中小企業庁が策定した「中小企業
   BCP策定指針」によると、BCP は「緊急時企業存続計画または事業継続計画」
   と訳されている。

   これは中小企業にとって、震災により大きな被害を受けることは、単に事業が中断
   してしまうリスクがあるのではなく、企業の存続そのものが危ぶまれるリスクがある
   ことを意味しています。

   BCP 作成は、事業を継続するための課題が浮き彫りになり、平時においても経営
   力強化に役立つ計画を作成することが望まれます。

  □事業継続計画(BCP)

   1000年に一度の規模ともいわれる東北地方太平洋沖地震は、東北地方を中心に
   壊滅的な被害を与えました。

   多くの方が命を落とされ、ライフラインも各地で寸断されました。

   私たちはこのような想定外の災害に対して、万全な準備をしておくことは非常に
   困難です。

   しかし、だからこそ想定し得る範囲については、日頃からできるだけの対策を講じ
   ておくことが大切であるといえます。

   企業が緊急事態のなかでもその被害を最小限に抑え、早期復旧を図っていくため
   の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)について考えてみましょう。

   BCPとは、企業が自然災害、大火災、感染症などの緊急事態に遭遇した場合に
   おいて、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは
   早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続
   のための方法・手段などを取り決めておく計画のことです。

   BCPがあらかじめ策定されていないと、緊急時に「何から着手してよいかわから
   ない」、「指示・命令系統が途絶え、社内が大混乱する」という事態に陥りかねま
   せん。

   災害の発生直後には操業が完全にストップすることもあります。

   また、その後の回復のスピードが遅ければ、競合他社に顧客を奪われ、最悪廃業
   に追い込まれる可能性もあります。

   BCPは自社のみで完結するものではありません。

   大災害が発生した場合は、自社だけではなく仕入れ先・販売先などの取引先企業
   も大きな被害を受けます。

   たとえば、自社がBCPによって早期に操業体制を回復したとしても、重要部品の
   仕入れ先企業の操業が停止したままであれば、自社の製造ラインを動かすことは
   できません。

   同様に自社の製品の販売先企業が営業していなければ、納品不可能となり、在庫
   の山を築いてしまうことにもなりかねません。

   つまりBCPは自社だけではなく、川上・川下企業においても策定されている必要が
   あります。

   このような理由から、特に大手企業においては取引先企業にBCPの策定・充実を
   求める傾向が強まっています。

   これは素材調達から最終製品販売に至るサプライチェーン全体を通じて、BCP
   をより高いレベルで準備しておこうという狙いによるものです。

   今後は取引先との関係の維持・強化のためにBCP策定の重要度がますます高
   まっていくでしょう。

   BCPが単なるセレモニーで終わらせないためには自社に継続した訓練のための
   仕組みづくりを構築することです。   
   
  ■自社の地震対策

   最近日本各地で地震が多発している。

   「転ばぬ先の杖」として、緊急に対策を講じておくことをお勧めします。

   巨大地震は国内のどこでも、いつ起きてもおかしくない状況にあります。

   大地震に備えて、企業では日頃から、地震発生前の防災対策、地震発生時の対応
   策など、さまざまな角度から十分に対策をたてておくことが重要です。

   
  □日常の地震対策

   建物などは、日常の点検を組織的に行い、補強などの対策を施して、万一の大
   地震発生に備えておくことが重要です。

   自ら定期的に点検を行うとともに、より具体的な診断や補強などは専門家に依頼
   することも必要です。

   さらに、従業員の役割や非常用品に関する事前の準備も重要です。
   
   ●地震対策として

     ・建物

     ・ブロック塀

    ○設備・什器・備品

     ・照明器具

     ・空調機等の設備・装置

    ○情報システム

     ・バックアップ

    ○非常電源

    ○非常用物品の備蓄

     ・保護用具(ヘルメット、防災ずきん、軍手、スニーカー等)

     ・救急用品等

     ・水、食料、ラジオ、懐中電灯(電池の常備)

     ・防寒具、ろうそく、ライターやマッチ、携帯トイレ、笛

    ○医療体制

     ・従業員の血液型を登録しておく

     ・病院の連絡網を作成

    ○書類の保管

     ・フロッピーは定期的にバックアップをとる

    ○マニュアルの整備

     非常時の行動をマニュアル化しておく必要があります。

   東日本地震でも大きな津波が来たものの、災害マニュアル通りに行動して、全員が
   助かったという事例もあります。

   具体的に、災害マニュアルに記載すべき事項は

    ○避難場所、避難方法、避難経路、避難に関する指示系統

    ○緊急連絡網

    ○本店支店間の連絡体制

    ○火災、地震、津波、落雷、雪崩など災害別の対処法

     ・例:地震の場合は、すぐに机の下に潜る

    ○対策本部などの設置

    ○災害後の業務体制

    ○情報システム

     ・情報の分散化(管理サーバーの分散化)

     ・クラウドなどを利用した情報管理

   などです。


  事業継続計画(BCP)  

   2011年3月11日に発生した東日本大震災により、被災地はもちろんのこと、非
   被災地においてもサプライチェーンに組み込まれている他企業の事業停止、計画
   停電などの事業の継続を妨げる様々な事象が発生して、対応に苦心されている
   企業が多いことを見聞きします。

   このような事態に備え、行政等より従来からBCP(Business Continuity Plan
   :事業継続計画)を策定しておくことが強く推奨されてきています。

   BCPとは、突然・偶発的に発生し、多大な被害や損失をもたらす自然災害、人為的
   ・社会政治的災害、環境災害などの緊急事態に際し、主要なビジネス機能を中断
   ・停止することなく、継続できるよう、事前に取り決めた事項や手順のことを言い
   ます。

   中小企業にとっては、防災対策の一環として事業継続計画(BCP)に取り組む際の
   最大の関心事は費用でしょう。

   人材や資金などの経営資源にも余裕がない中小企業では、「いつ発生するか分か
   らない事故や災害に対して大きな費用をかけることはできない」というのが本音
   かもしれません。

   しかし、知っておかなければならないのは、事前対応よりも事後対応のほうが費用
   が大きくなるということです。

   そして、事前のわずかな投資でリスクに備えることこそが重要なのです。

   「企業は人なり、リスクも人なり」といわれるように、事業運営におけるリスクを完
   全になくすことはできない。

   しかし組織におけるリスクを最小限に押させることは可能です。

   それは組織内のムリ・ムラ・ムダを排除し、業務をシンプルに標準化させることで
   す。

   業務改善は収益に直結した最優先課題です。

   この問題を先送りにすればするほど、経営リスクとして重くのしかかってきます。

   ですから、今やるしかないのです。

      業務改善の強化策(コンサルティング・セミナー・研修・講演)のご案内

 

  <参考資料>
    経団連 「企業の地震対策の手引き

    中小企業庁 「BCP策定運用指針
 

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リスクマネジメント

  ■自社を取り巻くリスクとは

   1.リスクとは何か
    企業は、つねにさまざまなリスクにさらされています。

    たとえば、工場が火災で焼失したとします。

    これにより、企業の生産活動は停止し、操業停止の危機というリスクにさらされ
    ます。

    また、規制緩和・消費者ニーズの多様化などの社会の動きそのものが、企業の利益
    に大きな影響を与えることもあります。

    すなわち、すべての企業は、どんなに業績が順調に推移しているとしても、つねに
    事業縮小や最悪の場合、倒産というリスクにさらされているのです。

   このように、

   「リスク」とは、損失の起こる不確実性のことをいいます。

   交通事故の発生を例にあげて考えてみましょう。

   ある交通事故は偶発的なもので、もし雨が降っていなかったら、あるいは体調不良で
   なかったら、起こらなかったかもしれません。

   体調不良という「損失生起要因(損失を起こす要因)」と雨が降っていたという「損失拡
   大要因(損失を大きくする要因)」によって、事故は引き起こされ、事故による損失(刑
   事上の責任、損害賠償、傷害医療費など)を生むのです。

   こうしたリスクの発生するメカニズムを図示すると以下のようになります。

 

    

   つまり、「リスク」とは、損失の生起要因・拡大要因があれば損失を生じる可能性が
   あり、しかも突発的に発生し、その大きさも甚大なものになりえる状態と理解すること
   ができます。

   2.リスクの種類と企業の対応

    企業が直面するリスクには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

    一般的には、次の5つに分類できます。 

    (1) 財産損失のリスク

      火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などによって、企業が所有してい
      る財産が損なわれるリスクのこと。

    (2) 収入或少のリスク

      企業の売り上げや利益が減少するリスクのこと。たとえば取引先の倒産など。

    (3) 賠償責任のリスク

      企業が株主、従業員、消費者から賠償責任を問われるリスクのこと。たとえば、
      製造物責任や役員賠償責任を問われての訴訟など。

    (4) 人的規失のリスク

      経営者、重役、あるいはその他の従業員の死亡・事故・疾病・不健康・信用損
      失などのリスクのこと。

    (5) ビジネスリスク

      新製品開発や海外進出などの営業戦略上のリスク、および株式投資・商品取
      引・為替操作・他社への融資などの資産運用上のリスクのこと。

   以上のように多種多様なリスクが企業を取り巻いています。

   しかし、多くの企業ではこれらリスクに対して無防備であり次のような問題を抱えて
   います。

    ● 安全に対する意識が欠如している

    ● 安全に対する投資を軽視あるいは無視している

    ● 安全を人的依存にすりかえている(注意をすれば事故は起こらないなど)

    ● 天災による被害、損失は人間の責任の範囲外の出来事という認識が強い。

      しかし実際には対策により被害、損失は防止、低減できる。天災は人災ととら
      える
べきである

    ● 政治、経済、技術、社会の動きに連動した経営環境の変化におけるリスクが
      十分に評価、分析されていない

    ● 企業に内在するリスクの予見と分析がなされていない
     ・経営者の判断ミスにおけるリスク(新規事業進出、事業規模拡大の失敗な
      ど)

     ・特許侵害、訴訟問題による損失

     ・経営者、管理責任者の事故や病気による企業のリスクなど

   こうしたリスクにかかわる意識や対応の欠如は、ひとたびリスクが発生した際には、
   企業の存続すら危ういものにします。

   そういった事態を防ぐためにも、リスクマネジメントが求められてくるのです。 

  □リスクマネジメントの考え方

   リスクマネジメントとは、

    企業経営上発生するリスクについて、
 
   最小のコストでこれを防止したり適切な処理を行い、
    損失や被書を最小限にコントロールすることです。

   そして、リスクマネジメントの究極の目的は企業の倒産防止にあります。

   災害や事故あるいは突発的なリスクは現実のものとして、いつ襲ってくるかわかりま
   せん。

   そのようなリスクを完全に掌握することは不可能です。

   しかし、いったんリスクが発生してしまうと、「計画した利益が見込めなくなる」「臨時
   の費用が発生し資金喪失を生じる」「損害賠償などの損害の発生、物的・人的損失、
   信用の失墜」などその被害は計り知れないものがあるのです。

   そこで、これらに対するリスクマネジメントでは、

    ● リスクの発生そのものをできるだけ抑制する対策をとる

    ● それとともに、リスクが発生した場合でも企業経営に影響を与えない方策をと
      ることが基本的な考え方となります。

   今日では、リスクマネジメントは経営管理のひとつとしてとらえられています。

   しかし生産管理、販売管理、財務管理、労務管理などの経営管理は多くの企業で展開
   されているのに対して、リスクマネジメントについては少数の企業にとどまっているのが
   現状です。

   経営の安定化を考えれば、すべての企業にとって、こうした損失の極小化を図る管理も
   必要といえ、今では、重要な経営管理手法として定着しています。

  □リスクマネジメントの進め方

   リスクマネジメントは、次のようなl〜4のサイクルで行われます。

    <リスクマネジメントのプロセス>

       

   1.リスクの発見・確認

    まず、企業の内外に潜んでいるリスクの発見と確認を行います。これには、1章で記
    述した損失発生原因となる「損失生起要因・拡大要因は何か」という観点から潜在
    リスクを洗い出します。

    その際には、

     ● 固定観念や既成概念にとらわれない

     ● 組織内外のあらゆる情報を活用する

    といったことに注意を払います。

   リスクを発見する方法には次のものがあります。

    (1) フローチャートによる方法

     生産工程や各業務プロセスの各段階をフローチャート化し、各過程でどのような
     ことが起こりうるかを検討する。

   (2) チェックリストによる方法

     資産・負債・利益や生産・販売・財務・労務・法務・情報などのカテゴリーをカバー
     するチェックリストを作成し、潜在リスクを発見する。

   (3) 過去の損失記録による方法

     自社の過去の損失記録や他業界・他企業の損失実績といった経験データから現
     在のリスクを抽出する。

   (4) 実地調査よる方法

     文書だけではわからない情報を実際に見ることで認識する方法。工場内の危険
     物の有無や配置場所の確認、防災装置の配置などの検査などがこれにあたる。

   (5) 現場からの報告による方法

     第一線の担当者からリスクとなりそうなことを報告させ、情報収集する方法。

   (6) 各種情報源からリスクを確認する方法

     内部情報源(財務データ、契約書類)や外部情報源(実態調査表、専門機関紙、
     研究会など)など、既成の情報・データからリスクを確認する方法。

   2.リスクの分析

    確認された潜在リスクを分析します。分析は、リスクの測定を行い測定値から影響度
    を評価します。リスクの測定では、

     ● 損失の発生頻度はどれくらいか(事故発生件数や発生確率)

     ● 損失の強度(損失額)の見込みはどのくらいになるか

    という2つの数億を割り出します。

    この2つの測定値の組み合せからリスクは次のようにA型〜D型に分類でき、それぞ
    れに合ったリスク処理を適用します。 

      

       

    A・C・D型のリスクは、各種リスク処理を通じて
    B型のリスクにシフトきせていくことが求められてきます。

   3.リスクの処理

    リスク処理が必要とされたA・C・D型のようなリスクに対し、リスクコントロール
    とリスクファイナンスの2つの処理技術(ツール)からアプローチします。これらの
    ツールを組み合せ、最小のコストで最大のリスク処理効果を得るような方法を検
    討していきます。

   

 

    (1) リスクコントロール(リスクの除去・軽減)

      リスクコントロールとは、発見・分析されたリスクを除去・軽減する対策を立てる
      ことです。

      事故発生前の対策に重点を置き、リスクをB型にできるだけ近づけようとする
      処理です。

      これには、リスクの「除去」と「軽減」があります。

      a.リスクの除去

       リスクの除去とは、リスクの発生源になるヒト・モノ・カネ・情報とのかかわり
       を断つこと、つまり危険を伴う活動を停止・断念することです。

       たとえば、可燃性の商品を置かないことで火災による潜在的損失を除去す
       ることや、製薬会社が製造物責任リスクを回避するために、ある医薬品の
       製造・販売から撤退することなどがあげられます。

       これが新規事業からの撤退であればリスクは除去されますが、同時に利益
       獲得のチャンスも失うことになります。

      b.リスクの軽減

       リスクの軽減は、損失の「予防」と「低減」の2つに分けることができます。

       ●損失の予防:損失の頻度を減少あるいは排除することを目的とする
                :損失発生原因に結びつく要因を減少させ、排除する

        <具体例>

         ・ 地震や火災予防のために建物を耐震、耐火構造にする

         ・ 盗難予防のために入退室管理や戸締まりを厳重にする

         ・ 品質管理、安全管理、従業員の教育・訓練(人のモラールの低下から
          生まれる損失生起要因・拡大要因の低減)をする

       ●損失の低減:損失の強度を減少させることを目的とする
                :損失生起要因・拡大要因の危険状態の排除が対象となる

        <具体例>

         ・ スプリンクラー、自動火災警報装置の設置、消火設備の充実

         ・ クレーム処理体制の整備(P L法や他の訴訟問題の防止策として)

         ・ 事故発生後の援助活動の策定

    (2) リスクファイナンス(リスクの保有・移転)

      リスクファイナンスとは、リスクコントロールの努力にもかかわらず発生してし
      まったリスクに対して、経営活動への影響を防ぐため、最小のコストで最大
      の効率をあげようとする対策のことです。

      この主なものとして、リスクの「保有」と「移転」があります。

      a.リスクの保有

       損失の発生に対し、自己の資金でそれを補填することです。

       積立金・引当金などの準備金の設定、利益の内部留保金などがあげられ
       ます。

      b.リスクの移転

       自社の損害を他者にカバーしてもらう方法です。たとえば、各種保険、共済や
       基金といったものがあります。

   4.リスク処理の成果の監視・評価

    リスク処理の実行に対して、最小のコストで最大のリスク回避という観点から、その
    成果を監視・評価します。

    もし、コストが予想以上に高い、あるいはリスク処理効果があがっていないなど
    の問題が発見されれば、リスク処理(リスクコントロールとリスクファイナンス)の
    方法を修正することになります。

    また、昨今のように経営環境の変化が著しく、つねに新しいリスクを背負わなけ
    ればならない状況においては、リスクマネジメントのサイクルのなかで、新しいリ
    スクに対処できる休制を見直していくことが必要です。

  □リスクマネジメントにおける留意点

   リスクマネジメントは、いつ、どのようなときに、どのような人が、それを進めて
   いくことになるのでしょうか。 

   以降では、5WIHの視点でリスクマネジメントの留意点を説明します。

    1.WHAT(目的は何か=目的の明確化)

      自社にとってリスクマネジメントを行う目的や必要性を明確にします。

    2.WHEN(いつ行うのか)

      リスクマネジメントの実行の時期は、必要に応じて、継続的に行うもの、定期
      的に行うもの、随時行うものなどがあります。

      <例> ・ 随時行うものとして新規事業進出や事業拡大を実行するとき

           ・ 定期的なものとして地震・火災の訓練

    3.WHERE(どこの部署で行うか=組織体制)

      リスクマネジメントは全社的・統合的に取り組む必要があります。そのためには、
      次のような組織体制が望まれます。

       ・ 経営者がトップマネジメントの立場からリスクマネジメントに関与する

       ・ 総務・人事・経理・法務・生産などの各部門の責任の範囲内でリスクマネ
        ジメントを行う

       ・ 全社横断的なリスクマネジメントの部署またはプロジェクトを設置する。

        そこには権限をもったリスクマネジャーを置く

    4.WHICH(どちらを優先するか)

      安全性と必要コストのどちらを優先するかを検討します。

      一般的には、安全性を追求すればそれだけコストはかかり、軽視すれば損
      失額が膨らみます。

      そこで、予想損失額とコストの「均衡点」を割り出し、その分のコストをかける
      リスクマネジメントが理想的です。

    5.WHO(誰がやるのか)

      「リスクマネジメントは誰が実行するか」ということについては、推進の責任者で
      ある「リスクマネジャー」を中心に全社員が行います。場合によっては、経営者
      自身がリスクマネジャーとなり、リスクマネジメントの推進役を果たします。

      また、コンサルタントなどの外部専門家のサポートも検討します。

    6.HOW to(どのように成功させるか)

      これまで述べてきたことのまとめになりますが、リスクマネジメントをどのように
      成功させるかは、

       ・ マネジメントサイクルのなかで正しい進め方・適切な手法で行う

       ・ トップダウンによる全社的なリスクマネジメントを行う

      ということが必要になります。  

   企業におけるリスクの8割以上が人に関わる問題(企業は人なり、リスクも人なり)

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ヒューマンエラーの原因と対策
 

  ■ヒューマンエラー

   近年、運輸機関における大事故や、金融機関におけるシステム障害や誤発注、医療
   機関における医療過誤などが社会的な問題となっています。

   これらの事故は、さまざまな要因がそれぞれ複雑に影響し合って発生しています。

   しかし、その根底には、ヒューマンエラー(人間の誤認識や誤動作によって引き起こさ
   れるミス)が存在しています。

   このように、ヒューマンエラーによる事故はさまざまな分野で起こり得ます。

   企業の社会責任が重要視されている昨今、これらの事故は、「信頼の失墜」を招く
   ばかりではなく、「顧客の安全性の損失」「多額の賠償責任の発生」など、取り返しの
   つかない大きな損害を顧客や企業に与える恐れがあります。

   また近年では、企業における機械化・IT化の進展により、一人の人間の作業により
   生じる影響力は、従来に比べて非常に大きくなりました。

   これにともない、ヒューマンエラーによって引き起こされる事故および損害の規模も
   増大しています。

   こうした背景から、企業にはヒューマンエラーに対する適切な対応が求められている
   のです。

  □ヒューマンエラー発生の原因

   1.必ず発生するヒューマンエラー

     ヒューマンエラーへの対応を検討する上で、常に念頭に置かなくてはならない 
     のは、ヒューマンエラーは必ず発生するということです。

     もちろん、「ヒューマンエラーを起こさない」という意識を持ち、また、さまざまな
     防止対策を講じることにより、ヒューマンエラーの発生をある程度防止すること
     は可能です。

     しかし、人間は必ず何らかのミスを犯すため、ヒューマンエラーの発生を完全
     に防ぐことは不可能です。問題とされるべきは、ヒューマンエラーそのものでは 
     なく、ヒューマンエラーによって引き起こされる事故および損害への対応です。

     ヒューマンエラーへの対応としては、

      (1)ヒューマンエラーの発生の芽をつみとる

      (2)ヒューマンエラーが発生した場合、迅速に検知する

      (3)ヒューマンエラーによる事故が発生した場合、迅速に対応する

     という、ヒューマンエラーの発生を想定した対策を講じることこそが重要なのです。

   2.ヒューマンエラーの発生

     人間の情報処理のプロセスとエラーは

     (1)人間の情報処理のプロセス

        ①入力のプロセス(情報を自身の中に取り込むプロセス)

        ②媒介のプロセス(取り込んだ情報を判断するプロセス)

        ③出力のプロセス(判断に基づいて行動を決定、実行する 

       の3つに大別することができます。

       ヒューマンエラーは、このいずれのプロセスにおいても発生する可能性が
       あります。

       以下に、それぞれのプロセスにおけるヒューマンエラーについて具体的に
       説明します。

       ①入力エラー

         情報を入力するプロセスで発生するエラーです。「見落とし」「見間違い」
         「聞き間違い」などにより、情報を正しく知覚・認知できないことをいいま
         す。

         例として、

          ・操作中の機器が異常発生を知らせる警告を表示していたにもかかわ
           らずそれを見落とし、事故を発生させてしまった

          ・設計図中の寸法の数字を見間違えたため、欠陥住宅を建築してし
           まった

          ・顧客の見積もり依頼に関する仕様を聞き間違えたため、規格に沿わ
           ない仕様の見積書を作成してしまった

         などが考えられます。

       ②媒介エラー

         情報を媒介するプロセスで発生するエラーです。「誤った知識」「経験へ
         の依存」「思い込み」などにより、情報を正しく判断・決定できないことを
         いいます。

         例としては、

          ・新入社員が、商品に関する誤った知識のため、不当に低い見積価格
           を顧客に提示してしまった

          ・電車のベテラン運転士が、自身の経験を過信するあまり機器の危険
           表示を軽視し、事故を起こしてしまった

          ・「あまり重要ではないだろう」という思い込みにより、顧客からのク
           レームを放置し、結果としてさらに大きなクレームを発生させてしまっ
           た

         などが考えられます。

       ③出力エラー

         判断によって決定された行動を出力するプロセスで発生するエラー。

         ○「やり忘れ」

          「やり間違い」「勘違い」などにより、計画通りに正しく実行できない
          ことをいう。

         例としては、

          ・顧客に依頼されていた調査を行うことを忘れてしまった

          ・自動車の運転で、ブレーキとアクセルを誤って操作してしまった

          ・パッケージがいつも使用している薬剤と似ていたので、中身を確認せ 
           ずに別の薬剤を患者に使用してしまった

         などが考えられます。

       なお、各プロセスにおける一つひとつのエラーが軽微なものであっても、一
       連の情報処理のプロセスの中でそれらが連鎖することにより、より大きな事
       故を発生させる恐れがあります。

  □ヒューマンエラーへの対応・対策

   ヒューマンエラーへの対応を検討するには、ヒューマンエラーに関する情報を収集し、
   詳しく分析する必要があります。

   1.ヒューマンエラーへの対応の検討プロセス

     (1)情報収集

       ・過去の事例の情報

       ・ユーザーからの報告に基づく情報

       ・社内からの報告に基づく情報

       ・自主的な調査から得られた情報

     (2)分析

       ・当該ヒューマンエラーの要素、要因について検証する。

       ・当該ヒューマンエラーが、どのような事故につながったか(または、つなが
        ると考えられるか)について検証する。

     (3)対策の決定

       ・分析に基づき、ヒューマンエラー防止対策を決定する。

       ・ヒューマンエラー防止対策に関するガイドライン、チェックリストを作成。

     まず、ヒューマンエラーに関する情報を収集します。

     上記の通り、ヒューマンエラーにはさまざまな種類があります。

     また、複数のヒューマンエラーが相互に関係することにより、さらに新たなエ
     ラーを発生させるケースもあります。

     こうしたことを判別するために、できるだけ多くの情報(事例)を集めることが重
     要となります。

     加えて、ヒューマンエラーには至らなかったものの、それにつながる可能性が
     あった事例についても収集します。

     建設業界や医療業界では、これらを「ヒヤリ・ハット(エラーを起こしそうになっ
     た)事例」として関係者全員で情報を共有しています。

     これらは、ヒューマンエラーを「芽」の段階でつみとるための非常に重要な情報
     です。

     次に、これらのヒューマンエラーに関する情報を分析します。

     ヒューマンエラーは、発生するプロセスやその要素、要因により大きく異なります。

     従って、分析においては、そのヒューマンエラーが、情報処理の「どの時点で」 
     「どのような理由により」発生したのかを詳細に検証し、エラーを発生させた本
     質を突きとめることが重要です。

     それぞれのヒューマンエラーを分析によってタイプ別に分類し、各タイプの特
     性を勘案して対策を決定します。

   2.ヒューマンエラーへの対応

     (1)ヒューマンエラー発生の防止

        前述の通り、ヒューマンエラーは「必ず発生するもの」です。

        しかし、さまざまな防止対策を講じることによって、ある程度発生を防止す  
        ることが可能です。

        次に、各プロセスにおけるヒューマンエラー防止対策を説明します。

        ①入力エラー

          入力エラーは、情報を正しく知覚、認知できないエラーです。
          従って、入力エラーへの対応では、情報が正しく入力されているかどうか
          の確認が重要となります。

          具体的な防止対策としては、

           ・見落としを防ぐために、機器や周辺状況について指差し確認などを
            行う

           ・見間違いを防ぐために、細かい数字や大量の数字などについて
            は、複数の担当者の間で読み合わせを行う

           ・聞き間違いを防ぐために、情報は文書化して伝達する
            (やむを得ず口頭により伝達する場合は、必ず復唱を行う)

          などが考えられます。

        ②媒介エラー

          媒介エラーは、情報が正しく判断されないエラーです。
          誤った判断は、誤った知識および判断基準の不統一によって行われ
          ます。
          従って、媒介エラーへの対応では、正しい判断を行うための正しい知
          識の教育、および判断基準の統一が重要となります。

          具体的な防止対策としては、

           ・機器の操作や業務内容についての正しい知識を教育する

           ・判断基準を統一し(マニュアル作成など)、この基準に基づいて判
            断を行う

           ・上司によるチェックなど、複数のチェックポイントを設定すること
            により、判断の妥当性を多面的に検討する

          などが考えられます。

        ③出力エラー

          出力エラーは、行動が実行されない、もしくは行動が正しく実行されな
          いエラーです。
          従って、出力エラーへの対応では、行動が正しく実行されているかどう
          かの確認が重要となります。

          具体的な防止対策としては、

           ・ToDoリスト(やるべき事柄をまとめたリスト)などを作成し、動作の
            もれを防ぐ

           ・落ち着いて、一つずつ作業や操作を行う

           ・作業、操作に際しては、目視などによる確認を行う 

          などが考えられます。

          なお、出力エラーは、無意識の行動において発生しやすい特性をもっ
          ています。
          このため、無意識の行動に一定の制約を加えたり負担を軽減すること 
          も効果的です。
          出力エラーの防止対策の一例は下表の通りです。

     (2)ヒューマンエラーの検知

       ヒューマンエラー防止対策によってもヒューマンエラーを防ぐことができな
       かった場合を想定し、それを検知するための対策を検討します。

       ヒューマンエラーの検知では、
        ・確認の機会を多く設け、目標と行為のズレを少なくする

       ことが重要となります。

       従って、具体的な対策としては、

        ・エラーを発見しやすい仕組みをつくる

        ・チェックリストを作成する

        ・複数の担当者によりダブルチェックを行う

       などが考えられます。

    (3)ヒューマンエラーによる事故への対応

      ヒューマンエラーを防ぐことができず、またそれを検知することができずに事
      故が発生した場合を想定し、これに備えるための対策を検討します。

      ヒューマンエラーによる事故への対応では、

       ・事故による損害の拡大を防ぐ

      ことが重要となります。

      従って、具体的な対策としては、

       ・高所からの転落を想定して、安全ネットなどを張る

       ・伝票処理ミスや検品漏れによる目減りを想定して、ロス予算を計上する

       ・自社の製品により食中毒が発生した場合を想定して、迅速に被害者に対
        応するためのマニュアルを作成する

      などが考えられます。

      このように、ヒューマンエラーへの対応では、

       エラー発生の防止⇒発生したエラーの検知⇒発生した事故への対応

      という3つが、それぞれ適正に機能することが重要です。

  □防止対策の運用上の留意点

   過去に発生したヒューマンエラーによる事故を検証してみると、「決められた手順通り
   に防止対策を実行しなかったため、ヒューマンエラーの発生防止や検知ができず、
   事故による損害を拡大させてしまった」という事例が少なくありません。

   これらの多くは、

    ・指差し確認が面倒だったので、「安全と思われる」作業の確認を省略した

    ・システム上、エラーの警告が出たが、「問題ないと判断して」作業を続けた

    ・自分で「念入りに確認をした」ので、ダブルチェックをしなかった

   といった担当者の主観的な判断により、防止対策がしっかりと実行されなかったことに
   起因しています。

   防止対策は、さまざまなプロセスに客観的なチェックポイントを設置することでエラー
   の発生を防ぎ、またそれを検知することを目的としています。

   このため、担当者の主観的な判断によってこれらのチェックポイントを排除してしまっ
   ては、防止対策としての機能が全く失われてしまうこととなります。 

   従って、防止対策を運用する際に最も重要なのは、

    ・いかなる場合でも、防止対策で定められている原則・ルールを順守し、実行さ 
     せる

   ことです。

   このためには、

    ・社内に「ヒューマンエラー防止対策委員会」といったチェック機関を設置し、
     決定した原則・ルールが順守、実行されているかを定期的に確認する

   などの施策が有効です。

   ただし、防止対策が実行されていたとしても、それが事実上形骸化していては意味が
   ありません。

   例えば、ある機器の操作を行う際に指差し確認が義務付けられているとします。

   このような場合、長い期間を経るにともない防止対策が形骸化してしまい、結果として
   「表面上では指差し確認を実行していても、実質的には、確認者はただ無意識に指を
   差しているだけで確認していない」ということになってしまう恐れがあります。

   このため、各人に、

    ・その行動によって、どのようなヒューマンエラーが起き得るか

    ・そのヒューマンエラーによって、どのような損害が起き得るか

   ということを十分に理解させ、防止対策を実行する重要性を認識させることが必要
   です。

   このためには、

    ・社内の各部署で発生した「ヒヤリ・ハット事例」について検証する「ヒヤリ・ハット 
     意見交換会」を定期的に開催するなどして、ヒューマンエラーについての啓発
     活動を行う

   などの施策が有効です。

   ヒューマンエラーは、もちろん発生させないに越したことはありません。

   しかし、その発生を完全に防ぐことができない以上、「ヒューマンエラーにともなう 
   リスクを、いかに少なくするか」という考え方を持つことが重要だといえます。

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リスクアセスメント


  ■リスクアセスメント手法

   リスクアセスメントとは職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、
   低減するための手法です。

   労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針では、 「危険性又は有害性等の調査
   及びその結果に基づき講ずる措置」の実施、 いわゆるリスクアセスメント等の実施が
   明記されていますが、2006年(平成18年)4月1日以降、その実施が労働安全衛生法
   第28条の2により努力義務化されました。

   また、その具体的な進め方については、同条第2項に基づき、「危険性又は有害性等
   の調査等に関する指針」が公表されています。

  □なぜリスクアセスメントが必要か

   (1)従来の労働災害防止対策は、発生した労働災害の原因を調査し、類似災害
     の再発防止対策を確立し、各職場に徹底していくという手法が基本でした。

     しかし、災害が発生していない職場であっても潜在的な危険性や有害性は存
     在しており、 これが放置されると、いつかは労働災害が発生する可能性があ
     りました。 

   (2)技術の進展等により、多種多様な機械設備や化学物質等が生産現場で用い
     られるようになり、その危険性や有害性が多様化してきました。

     これからの安全衛生対策は、自主的に職場の潜在的な危険性や有害性を見 
     つけ出し、 事前に的確な対策を講ずることが不可欠であり、これに応えたの
     が職場のリスクアセスメントです。

      リスクアセスメントのハンドブック(経済産業省)

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再保険とキャプティブ

 
  ■再保険とキャプティブ

  □再保険の仕組み
   契約者→代理店→元受け保険会社→再保険会社

   保険会社は再保険を出再することによってリスクの移転(分散)をはかる巨大リス
   クの軽減ができる一方、事故が起らなければ割り戻しの利益を上げることができる。

    ・事故があった場合、元受け保険会社が契約者へ保険金を支払う。
     再保険会社が元受け保険会社に再保険金を支払う。
     損害率が低いときには保険会社が利益を受ける。

    ・安く保険が買える(海外と日本の保険料との格差が大きい)

    ・割り戻し(まとめて再保に出すことによって、優良契約に対する割り戻しがあ
     る)

    ・リスクは再保険会社に移転されるので元受会社のリスクは小さい

    ・物件に応じてそれぞれの専門的な引き受け会社にリスクを配分する

  □キャプティブ保険会社
   キャプティブ=親会社の保険を専属で扱う保険子会社。

   企業が自社の保険契約を専属で引き受けることを目的に企業自らが設立する保険
   子会社。
   (商社など船舶、物産のリスク引き受けの保険会社、これが一般の保険会社と
   いう形態を取っていった)

   現在、欧米の大企業の80%がキャプティブを保有しているといわれる。
   (世界で約4000社、米国2000社、英国500社、日本80社)

   米国では1980年代の保険危機(製造物賠償責任保険の訴訟の増大、保険会社
   の引き受け拒否や保険料の高騰によって増加。

  □キャプティブの種類
   設立の形態によってピュアキャプティブ、レンタキャプティブの2種に分類。

   親会社が自社の契約を専門に引き受け→ピュア(設立時に億単位の資金が
   必要)

   設立しているキャプティブの部屋を借りる→レンタ(低コストでピュアと同じメリッ
   トが得られる)

  □利用者から見た分類
    ・シングルペアレントキャプティブ:単独企業が自分の為に作る。
    ・アソシエイションキャプティブ→同業団体が集まって設立。
    ・エージェンシーキャプティブ→代理店が主に利用する設立。
    ・グループキャプティブ→幾つかの企業・代理店が共同で設立。

  □レンタキャプティブ
   キャプティブは別の会社が設立。

   あるいはすでに設立している保険子会社の部屋を借りるという方式。
    ・自ら設立の必要がないので、低コストで参加可能。

     海外子会社の管理も不用。

     従って、中小企業・小規模企業も使える仕組みとなっている

  キャプティブの仕組み 
   企業(代理店)→保険会社(元受け)→キャプティブ(レンタ)→再保険
   (保険会社からレンタに再保険を出再という形となる)

    ・レンタは一部リスクを保有(通常自分の保有資産の範囲)し、それ以外は
     再保険に。

    ・再保険同様、保険料の価格差収益、無事故割り戻し収益がレンタに還元さ
     れ、企業(代理店・契約者に)に還元される仕組み。

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静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。

対応エリア
静岡・愛知県内、東京周辺

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