試用期間について

企業によって期間の定めに違いはあってもほとんどの企業は新入社員に対して試用期間を設けます。
そこで、試用期間についての留意点を考えてみたいと思います。
 
■試用期間とは
 試用期間とは、通常会社が社員を採用するにあたり、採用した社員がその会社の社員と
 して適格かどうかを判定するために設ける期間のことをいいます。
 会社はこの期間中に本採用するかどうかを決定します。
 この間は正社員と異なる労働条件にしてもかまいません。
 また、試用期間中の最低賃金は行政官庁の許可があれば適用除外になります。
 
□どのようにして試用期間を定めるか?
 試用期間は、就業規則や雇用契約書等で定める必要があります。
 その際、必ず試用期間の長さを決めておかなければいけません。
 長さについては法令上の制限はありませんが、一般的には 2~3 ヶ月程度、長くても 1 年
 程度までとされています(判例上)。
 
 また、試用期間中の社員に対して試用期間を短縮または延長することも可能ですが、延長
 する場合には、やはり就業規則等に延長の期間や延長する理由等も定めておく必要があります。
 
□本採用拒否について
 試用期間経過後、通常は正社員として本採用することになりますが、「社員として適格
 ではない」と判断した場合には、本採用を拒否ということになります。
 その際、しっかりとした理由を提示できるようにしておく必要があります。
 
 就業規則等に定めが無く理由がはっきり示せない場合には、退職ということになっても、
 その退職が無効になることもあります。
  ・勤務成績の不良、言動・協調性に問題がある
  ・業務に対して不適格と認められる
  ・経歴詐称 等
 
□試用期間満了と解雇
 試用期間中といっても、採用日から 14 日を経過してから本採用せず退職してもらう場合
 には、「解雇」と同じ扱いになります。
 従って、30 日以上前の予告か、解雇予告手当を支払わなければいけないのでご注意下さい。
 
 その解雇については、試用期間中の労働契約は「解約権留保付き労働契約」と解され、
 判例上、通常の解雇よりも広い範囲における解雇の自由が認められますが、「企業が採用
 決定後の調査結果、または試用期間中の勤務状態等により、当初知ることができず、また
 知ることが期待できないような事実を知るに至った場合に、その者を引き続き雇用して
 おくのが適当でないと判断することに合理的理由がある場合」に限られます。
 
□雇用保険、社会保険への加入等
 雇用保険、また厚生年金、健康保険への加入は、試用期間満了後に行う企業も見受けられる
 ことがありますが、それぞれの加入要件を満たす見込があれば、これらへの加入は初日
 から行う必要があります。
 
□初任基本給
 採用した社員には、いわゆる初任給が支払われます。
 その初任給は、職業安定所等の求人票に見込み額と記載されています。
 その見込み額については必ず支払わなくてはならないものでしょうか?
 
 労基法 15 条では、労働契約締結に際し、賃金・労働時間等の労働条件を労働者に明示
 しなさい、としています。
 したがって、会社は採用内定時に労働条件を明示しなければなりません。
 
 しかし、新規学卒者の場合は、実際に就労するまでにはかなりの時間があることが普通
 ですし、特に近年では、我国の経済情勢とあいまってその傾向が強くなっているので、
 初任給はどうしても見込み額にならざるを得ません。
 
 しかし、一方では求人票を見て応募してくる新規学卒者は、当然そこに記載された初任給を
 期待して入社してきますから、見込み額といえど求人票記載の賃金より、実際に支給される
 初任給が大幅に下回ってしまうことは、民法の信義誠実の原則からしても避けなければ
 ならないでしょう。
 
 裁判所は、その信義誠実の原則違反についての判断は、
 (1)会社側の経済分析の明白な誤りがあるか
 (2)誇大賃金表示等の社会的非難に値する事実があるか
 (3)事前に内定者に対して入社以前に事態の説明をしているか
 (4)確定額が見込み額より大幅に下回っているかどうか
 
 等が総合的に判断される、としました。
 中途採用者の場合は、裁判所は、求人広告を個別的な雇用契約の意思表示と見る事はできない、
 として雇用契約が成立したことを前提とする未払い賃金の請求は棄却しましたが、中途
 採用者の初任給の格付けを決定していたにもかかわらず、応募者に明示せず、求人広告
 および社内説明会において、新卒同年次定期採用者の平均的給与と同等の給与待遇を受ける
 と信じさせるような説明をし、それを信じて入社した者に精神的衝撃を与えたことを認め、
 このような説明は労基法に違反し、信義誠実の原則に反し、不法行為を構成するとして
 
□試用期間の長さ
 試用期間の長さについては、通常の会社では 3 ヶ月位を設定しています。
 しかし、会社によっては 1 年以上の長期の試用期間を定めているところもあります。
 しかし、あまりの長期間の試用期間はやはり、問題があります。
 
□試用期間の更新・延長
 試用期間の更新・延長は「使用契約を締結した際に予見しえなかったような事情により
 試用期間中に適格性の判断をなし得なかった」ためとか、「本採用を拒否できる事由がある
 場合にそれを猶予する」ためなど合理的理由がなければなりません。
 延長する期間については延長前に相当な期間が告知されていることが必要です。
 
□試用期間中の自己都合退職
 最初の欄においては会社側の都合によって解雇するときの注意点について記述しましたが、
 それとは逆のケースで、社員側からの申出による退職の場合はどうでしょうか。
 
 会社が、社員を採用するためには多くの金銭的、人的経費がかかります。
 その上、入社してからもたとえ即戦力を見込んで採用したとしてもその会社の社員として
 一応世間に通用させるために教育研修を行いここでも金銭と時間をかけます。
 
 最近では、入社 2,3 日で退職してしまうケースも珍しくありません。
 そうなると、この厳しい状況でギリギリの人数しか採用しない中小企業が普通ですから、
 また、最初から募集、試験、面接、選考、採用、教育研修というパターンを最初から
 行わなくてはなりません。
 
 事業主の中には「退職した社員に対して、損害賠償を請求したいくらいだ」、という
 人もいます。
 
□本採用の拒否
 最初の項においても記述したように試用期間中ないし期間後の本採用を拒否する場合、
 試用期間中の労働契約を「解約権留保付き労働契約」と解した場合は「企業が採用決定後の
 調査結果、または試用期間中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが
 期待できないような事実を知るに至った場合に、その者を引き続き雇用しておくのが適当
 でないと判断することに合理的理由がある場合」にのみ本採用を拒否することができます。
 
□手続
 1.労働保険関係
  社員を雇用した場合は、雇用保険被保険者資格取得届を所轄のハローワークに採用した
  月の翌月 10 日までに提出しなければなりません。
  そして、ハローワークから交付される「雇用保険被保険者証」と「雇用保険被保険者資格
  取得確認通知書」を確実に本人に渡さなければなりません。
 
  多くの会社では、この 2 つを預かっている形にしていますが、本来は本人が保管することに
  なっています。
 
 2.社会保険関係
  社員を採用してから 5 日以内に今のところは、所轄の年金事務所に「健康保険・厚生年金
  保険資格取得届」を提出します。

人材募集の方法と留意点

人材募集の方法と留意点

■募集成功のための基本条件 
 人材募集とは企業にとってもっとも重要な経営資源のひとつである「人」を強化していく
 ことであり、特に少数精鋭で勝負する中小企業おいては、その成否が企業の成長に大きな
 影響を与えます。
 成功のためには次のような点を十分に考慮して周到な準備進める必要があります。

 1.必要な人材像を明確にする 
  まずは「自社にとってどのような能力、技術、経験をもった人材が必要であるか」と
  いう人材像を明らかにすることが必要です。

  そのためにはマンパワー不足といった「現状で不足しでいる人材」だけではなく、
  中長期の経営戦略を踏まえた「将来的に必要になる人材についても考慮することが
  必要です。 

  どのような人材がいつまでに何人必要になるかを明確にすることが募集活動の出発点に
  なります。

  (1)現状で不足している人材 
   たとえば、退職者発生による欠員補充、業務量増大による人員拡充など、現時点
   での人材不足を解消するための人材を採用します。
   人材不足による機会損失が起こっていないか、新しい顧客ニーズに応えられる
   人材は育っているかなどをつねに確認しておく必要があります。

  (2)将来的に必要となる人材 
   たとえば、新規事業に進出する際には、社内の人材だけでは不足することが多い
   でしょう。
   新規事業遂行に必要な能力や経験を明らかにし、必要となる人材のイメージを固めます。 
   また、今後の事業拡大ペースに合わせた計面的な人材採用も不可欠です。
   その際には現場社員だけではなく、成長を支える本社社員やマネジメント層の充実にも
   留意しましょう。

 2.人材像を客観的に文章化する 
  必要な人材像が明らかになったら、それを応募者に理解してもらえるように客観的な
  文章にすることが大切です。

  社長や人事担当者の頭の中では「このような人が欲しい」というイメージができていた
  としても、求人情報によって自社のことを初めて知る応募者に対して、それを正確に
  伝えることはなかなか難しいものです。

  そして、両者のイメージのギャップが大きければ、会社の意図しない人たちばかりが
  大量に応募してくるという事態になりかねません。
  これは会社にとっても応募者にとっても好ましいことではありません。

  たとえば、「積極性のある人を求む」という場合でも、その解釈は人によって幅が
  あります。
  自社としてどのような積極性を求めるのかを行動レベルでできるだけ具体的に示すなど、
  イメージのギャップを小さくする工夫が必要です。
   ◎会社の意図と応募者の感じ方をできるだけ一致させる

  なお、応募条件を途中で変更する場合(募集当初は「経験不問」としていたのに、
  予想以上に経験者の応募があったため、条件を「経験者限定にするなど)については、
  変更内容を速やかに告知に反映させる必要があります。

 3.自社の特徴を明確にする 
  ターゲット層にぜひとも入社したいと感じてもらうためには、自社の特徴を明確にして、
  募集媒体で積極的にアピールすることが大切です。 
  次のようなアピールポイントのなかで、特に自社が自信をもっている部分、注力して
  いる部分について、できるだけ具体的に示すようにしましょう。

  (1)社長の想い
   ・経営に対するしっかりとした考え方をもっていること
   ・ビジョン実現に対する確固たる意志をもっていること
   ・社会全体や顧客に対して貢献したいと強く願っていること
   ・従業員により大きな幸せを与えたいと強く願っていること

  (2)事業内容
   ・会社成長に向けた明確な経営戦略があること
   ・自社が属している業界は大きな可能性をもっていること
   ・同業他社に負けない技術力・商品力があること
   ・新規事業への積極的な取り組み姿勢があること

  (3)自己実現
   ・従業員の成長への支援体制が充実していること
   ・実力のある者には社歴に関係なく重要な仕事・ポストを与えること
   ・公平・公正な人事考課制度があること
   ・従業員の希望に沿ったさまざまなキャリアプランを準備できること

  (4)働きやすさ
   ・従業員満足度に注力した経営を行っていること
   ・オープンな社風で新規入社者が溶け込みやすい社風であること
   ・ワークライフバランスを考えた労務環境を用意していること
   ・福利厚生の充実に向けた積極的な取り組みを行っていること

 4.採用計画を策定する 
  募集開始に当たっては選考方法なども含めて、あらかじめ詳細な採用計画を立てておく
  ことが大切です。 
  計画には次のような項目を盛り込む必要があります。

   ・採用目的と必要な人材像の確認
   ・募集開始から採用完了
   ・入社までのスケジュール
   ・どのような人材を採用するかという選考基準
   ・雇用形態(正社員、契約社員、パート・アルバイトなど)
   ・選考方法(書類選考、筆記試験、面接など)
   ・何人採用するかという採用枠
   ・採用業務体制(統括者、募集案内作成、応募者への連絡、面接者、決定権者、
    社長の役割など)
   ・募集媒体、募集費用・会社説明会概要

  なお、「若年者」、「中高年齢者」、「障害者」などを採用する場合については、
  さまざまな公的助成金制度を利用することができます。
  助成金を利用したい場合は、必要な条件や手続きなどについても確認しておきましょう。

□告知内容と告知方法の種類
 1.告知内容 
  告知内容については、ターゲット層の自社への理解を深め、また、応募への動機づけの
  ために、次のような点を工夫する必要があります。

   ・募集する職種、待遇、採用までの流れといった基本的な情報について網羅する
   ・自社が求めている人材像をできるだけ具体的に示して、ターゲットを絞り込む
   ・自社のアピールポイントについてわかりやすく丁寧に説明する
   ・入社することでターゲットにどのようなメリットがあるかを具体的に示す
    (成長できる、重要な仕事を任される、業績次第で高い給与が得られるなど)
   ・客観的な事実やデータを示すことで信頼度を増す(既存社員の日常的な仕事ぶり、
    キャリアアップの状況、優秀な社員の年収水準など)
   ・図表やキャッチコピーの工夫などで、インパクトをもたせる 

  なお、応募の段階で書類選考を行う場合は、必要な資料(履歴書・職務経歴書・課題
  作文など)、提出方法、提出期限、合否の通知方法などについても明記しておく必要が
  あります。

 2.告知方法 
  募集のための告知方法には、一般的に次のような方法があります。
  それぞれの告知方法の詳細については次項で解説します。

  (1)ハローワークへの登録
  (2)ジョブカフェへの登録
  (3)社員・知人からの紹介
  (4)就職支援サイトへの掲載
  (5)紙媒体への掲載(新聞、求人雑誌、フリーべ−パー、折り込みチラシなど)
  (6)自社ウェブサイトでの求人掲載 

  なお、いずれの告知方法をとるにせよ、応募を検討する人の多くはまずは自社のウェブ
  サイトを訪れ、事業内容などを確認しようとします。 
  自社のウェブサイトについて、「きちんと更新されているか」、「経営理念など社長
  メッセージは魅力的か」、「事業内容がわかりやすいか」、「実際に働くイメージが
  できるか」、「採用の問い合わせ先の記載はあるか」などの点を考慮し、必要に応じて
  改善しておくことが大切です。

□それぞれの告知方法の特徴
 1.ハローワークへの登録 
  中小企業が広く求人を行う際のもっとも一般的な手法です。 
  ハローワークを利用する場合は、事業所を管轄するハローワークに申し込みます。
  ハローワーク利用による紹介までの流れは次のとおりです。

  (1)事業所を管轄するハローワークの確認
  (2)事業所登録(初回のみ)
  (3)求人申込書の記入
  (4)求人情報の公開
  (5)ハローワークからの紹介連絡

  (1)事集所を管轄するハローワークの確認
   求人の申し込みは事業所を管轄するハローワークに行います。
    ◎全国ハローワークの所在案内 

  (2)事業所登録(初回のみ)
   初回利用時には事業所登録を行います。登録内容は求人票に共通して掲載されます。

   <事業所登録のおもな内容>
    ・事業所名、所在地、創業年、資本金などの基本情報
    ・社会保険や福利厚生制度
    ・事業内容
    ・会社の特徴

  (3)求人申込書の記入 
   求人申込書はフルタイムとパートタイムに分かれています。
   今回募集する仕事の内容、人材の条件や待遇などについて記載します。

   <求人申込書のおもな内容>
    ・雇用形態
    ・職種
    ・仕事の内容
    ・必要な経歴・資格など
    ・年齢制限
    ・就業時間
    ・休日等
    ・賃金形態、賃金、賞与
    ・求人条件にかかる特記事項
    ・ハローワークインターネットサービスへの情報公開(後述)

  (4)求人情報の公開 
   求人の有効期限は求人申込書を受理された日の翌々月の末日までですが、募集を
   引き続き行う場合には期間の延長も可能です。

  (5)ハローワークからの紹介連絡 
   応募者が出た場合は、ハローワークから事業所に連絡があります。
   その際に面接日などの調整を行います。 
   また、ハローワークを直接訪れる人に対してだけでなく、「ハローワークインター
   ネットサービス」に公開することによって、幅広く告知することも可能です。
   インターネットに公開する場合は、次のいずれかの方法を選択することができます。

    ①全金利用者に、事業所名などを含む求人情報を提供する
    ②ハローワーク求職登録者に限定して、事業所名などを含む求人情報を提供する
    ③インターネットに求人情報を掲載するが、事業所名などは提供しない

   ①のように広く公開する方法をとれば応募者が広く集められる半面、ターゲット層
   以外からの応募や問い合わせが集中する可能性があります。
   逆に③のように公開を限定すれば、応募はハローワークでの職業相談・紹介を受けた
   人に限られますが、よりターゲット層に近い人からの応募が期待できます。
   求める人材の質や募集の緊急度などに応じて、適切な公開方法を選択しましょう。

 2.ジョブカフェヘの登録 
  ジョブカフェとは、平成15年に国が策定した「若者自立・挑戦プラン」の中核的施策に
  位置づけられたもので、地域の実情に合った若者の能力向上と就職促進を図るため、
  若年者が雇用関連サービスを1カ所でまとめて受けられるようにしたワンストップ
  サービスセンターのことです。 
  ジョブカフェは全国にあり、企業と求職者のマッチングを行っています。サービス
  内容は各地域の特性によって異なります。
  まずは最寄りのジョブカフェに相談してみましょう。

   ◎全国のジョブカフェー覧

 3.社員・知人からの紹介 
  従業員や知人などに紹介を依頼し、縁故採用する方法です。
  対象は限られますが、応募者は紹介者がある程度知っている人ですので、一定の安心感が
  あります。
  また、応募者も紹介者を通じて自社の詳細な情報を理解していると考えられるため、
  採用後の長期定着も期待できます。

 4.就職支援サイトへの掲載 
  就職支援サイトとは、求人専門誌の出版社や人材バンクなどが運営している求人情報の
  ウェブサイトのことで、求人企業と就職希望者が集う出会いの場として活用されて
  います。

  求人企業は、採用条件や待遇などの情報をサイトに登録し、就撤希望者は、サイトに
  掲載されている求人情報を確認し、直接企業に応募します。
  サイトでは、就職希望者を集めるため、求人情報の検索や就職を希望する企業に一括
  してメールを送ることができる機能などを用意しています。

  掲載に一定の費用はかかりますが、実際に就琳活動をしている多くの人たちに自社の
  求人情報を見てもらえる可能性が高いというメリットがあります。

 5.紙媒体への掲載 
  代表的な紙媒体には、新聞、求人雑誌、フリーペーパー、折り込みチラシなどがあります。 
  新聞や求人雑誌には、「幅広い地域からの募集が可能である」、「業界紙(誌)に掲載
  することで業界関係者ヘアピールすることが可能になる」といったメリットがあります。 
  また、フリーペーパーや折り込みチラシには、地域密着型で掲載費用も比較的安いと
  いうメリットがあります。
  フリーペーパーは若年層に、折り込みチラシは主婦層への効果が高いといわれています。 
  それぞれの媒体の特性や費用対効果を十分に検討して自社の目的に合った媒体を選択
  することが大切です。

 6.自社ウェブサイトでの求人掲載 
  自社ウェブサイト上に求人ページを設け、開発者から広く応募者を募る方法です。
  スペース面の制限がなく、自社の事業内容や求める人材像などを自由に発信できます。 
  また、単に情報発信をするだけではなく、「インターネットを通じて応募を受け付ける」、
  「応募者からの質問に電子メールで答える」など、双方向性をいかした募集方法が
  工夫できます。 
  求人ページにおける一般的な項目には、次のようなものがあります。

   ・会社紹介(会社概要、事業案内など)
   ・募集要項・応募登録用紙(エントリーシート)
   ・FAQ(よくある質問とその答え)
   ・先輩社員からのメッセージ・問い合わせ先(電子メールに統一してもよい)

  ただし、この方法単独では、自社ウェブサイトを訪れた人しか対象にできず、集客力
  のあるホームページでなければ、多くの人からの応募は期待できません。 
  そのため、自社ウェブサイトの求人べ−ジの位置づけを、ハローワークなどで興味を
  もった人に対して、「より詳細な情報提供を行う場」、「相互の情報交換を行う場」と
  するなど、ほかの告知方法と組み合わせて活用することが好ましいでしょう。
 

会社説明会の実施

会社説明会の実施

■会社説明会の目的 
 会社説明会は、企業と学生の最初の出会いの場です。
 特に、積極的な広報活動や宣伝広告を行っていない会社にとっては、自社を認知して
 もらうための非常に重要な機会となります。

 一方、学生のほうでは主催企業に関心はあるものの、志望先にはいたっていない場合が
 少なくありません。
 ひとりでも多くの学生に業界や自社について理解してもらい、好感をもってもらうことが
 会社説明会の狙いです。

 それだけに、会社説明会の実施には慎重に取り組む必要があります。 
 会社説明会の目的は、大きく次の2つに分けられます。

  ・自社を理解してもらい、関心を高めること
  ・学生の一次選考を行うこと

 1.自社を理解してもらい、関心を高めること 
  以前の学生がもっていた「大企業=よい就職先」という意識が薄れてきた今、学生は
  企業の名前よりも、企業でどのように自分をいかせるかを重視しています。
  中小企業においても優秀な学生を採用することは十分に可能です。

  そして、自社の将来性や仕事のやりがいを示し、「この会社こそ自分の能力をいかす
  ことのできる企業である」という認識を与えるのが、会社説明会の最大の狙いです。 
  学生も、数ある会社のなかから喜んで会社説明会にやってくるわけですから、関心は
  あるはずです。

  そこで魅力的な会社説明会を開けば、学生により深い関心をもたせることができます。 
  学生はその会社がどのような考え方を基本に活動しているか、つまり事業を通じて
  社会にどのような貢献をしようとしているかといった会社のもつビジョンを重視して
  います。

  「自分自身の成長」と「企業のしっかりしたビジョン」の両方を望む学生にとって、
  もっとも理想的なのは、「ビジョンに共鳴できる会社で働き、その実現に向けて働く
  ことで自分の能力も高まる」という働き方です。 

  したがって、学生には自社のビジョンを理解してもらうと同時に、自社で活躍してもらう
  ことで、入社後の彼らの能力がどのように高まっていくか、それが彼らのビジネスパーソン
  としてのキャリアアップにどのようにつながるかといった、会社ではなく彼ら自身の
  キャリアに焦点をあてた話をすることも必要です。 

  また、大企業より中小企業を選ぼうとする学生の大部分は、自分が会社のなかで入社後
  できるだけ早い時期から重要な役割を果たすこと、つまり「やりがい」を期待しています。
  その期待を実現するための方向性を示すことが、彼らを引きつけるポイントになります。

  イメージしやすいように入社直後から入社2、3年後までに期待している役割などを伝える
  のも効果的です。

 2.学生の一次選考を行うこと 
  多くの会社説明会では説明終了後に筆記試験や小論文などで、参加者の一次選考を
  行っています。
  それは会社として「このような能力や考え方をもっている人に入社してほしい」という
  意思表示であり、「採用する側」、「応募する側」の最初の調整作業と位置づけられます。 

  その後の面接などの採用ステップを円滑に進めるために、一次選考の段階から自社の
  必要とする人材像を明確にしておくことが大切です。

□会社説明会の概要
 会社説明会はおおむね次のような流れで行われます。

  ・会社および業界説明(60分程度)
  ・質疑応答(30〜60分程度)
  ・一次選考(90〜120分程度)

 1.会社および業界説明 
  始めに自社の事業内容や入社後の仕事内容などについて詳しく説明します。
  説明は、「経営方針の説明(社長)」、「具体的な業務内容・やりがいなどの説明
  (社員)」、「人事制度の説明(人事部)」といった流れで行われるのが通常です。

  また、配布資料として会社案内や商品案内、パブリシティ(新聞などに自社が取り上げ
  られた記事)などを準備すると理解が深まります。

  (1)経営方針の説明 
   経営方針の説明については、社長が自分の思い(会社、社会、社員、仕事、人生など)
   についてじっくりと語りかけることが大切です。
   なぜなら会社のビジョンをもっとも熱く語り、企業戦略についても正確に話せる
   人物は社長自身だからです。 

   参加者にしても 「トップの話」こそもっとも聞きたい話であるはずです。
   参加者にとっては、社長を知ることはその会社全体の姿、会社の本当の姿を知る
   ことにもつながります。

   社長が自分の考える自社のビジョンや戦略を丁寧に語りかけることが、大切だと
   いえるでしょう。 
   社長の思いに共鳴した参加者は「この社長と一緒に働きたい」と強く感じ、入社
   動機は一層強まるでしょう。

   逆に共鳴できない参加者についてはこの段階で辞退してもらったほうがお互いの
   ためです。
   社長は「自社が求めている人材、求めていない人材」についてもはっきりと示す
   ようにしましょう。

   <社長による説明のポイント> 
    経営理念、ビジョン、経営戦略、事業内容、創業から現在までの経緯、会社や
    仕事に対する熱意、自社の強み、社員に対する考え方など

  (2)具体的な業務内容・やりがいなどの説明 
   社長の経営方針説明を踏まえて実際に現場で活躍している社員たちがより具体的な
   説明を行います。
   説明は、各部門のベテラン社員、若手社員など複数の社員が担当するのが効果的です。

   ベテラン社員は参加者の理解を深めるために事業の詳細や自身のこれまでのキャリア
   などを中心に、若手社員は参加者に親近感をもってもらうために若手ならではの
   体験談などを中心に説明します。 

   なお、一人ひとりの社員が個別に説明するだけではなく、複数の社員によるパネル
   ディスカッション形式で進めることも考えられます。

   <ベテラン社員による説明のポイント>
    業界動向、自部門の戦略、求めている人材像、自身の入社から現在までの仕事
    内容など

   <若手社員による説明のポイント> 
    現在の仕事内容・1日の時間の過ごし方、入社前にもっていたイメージと入社後
    の感想、仕事のやりがい、入社してよかったと感じること、自身のキャリア
    プラン、会社への思いなど

  (3)人事制度の説明 
   キャリアパス、人事考課、福利厚生など会社の人事制度全般について説明します。
   参加者に対して、「会社は社員を心から大切にしていること」、「頑張った社員は
   必ず評価されること」などについて説明し、入社に当たっての不安感の払拭や
   入社意欲の促進に努めます。

 2.質疑応答 
  参加者からの質問に対してはできるだけ丁寧に対応します。
  たとえば、経営戦略に関する質問に対しては社長自身が答えるなど、質問内容に応じて
  もっともふさわしい者が回答します。

  業界全体や自社が抱えている問題点など、マイナス情報についても誠実に回答する
  ことが大切です。
  表面だけ取り繕うような話をしても、参加者はそれを敏感に感じ取り不信感を抱きます。

  何もかもを伝える必要はありませんが、伝えるべきことは正直に伝えましょう。
  本音で話せば、相手も本音で応えてくれるものです。 

  また、「業界はこのような不安材料を抱えているが、我が社はこのような戦略でそれを
  克服し、一層の成長を狙っている」といった、具体的な企業戦略を語ることができれば、
  より参加者が関心をもってくれるでしょう。

 3.一次選考 
  一次選考の方法には専門業者が提供している適性検査や、会社が独自に作成する知識
  テスト、小論文や作文などがあります。
  選考の目的を明確にして適切な方法を選択しましょう。

  たとえば、業者作成の適性検査はビジネスパーソン全般についての基本的な資質を判定
  することを目的としています。
  これに対し会社が独自に問題を作成する場合は、業界に特化した専門知識を確認する
  ことができます。

  また、小論文においてはテーマ設定を工夫することによって、時事問題への関心度、
  論理的思考力、職業観などを問うことができます。 

  一次選考の結果の位置づけとしては、そのウエートによって、「一定以上の得点が面接
  試験へ進むための絶対条件」、「面接と併せた総合評価の一部」、「参考程度(極端に
  悪くない限りはOK)」などに分けられます。
  あらかじめ結果をどのように扱うかを明確にしておきましょう。

□準備段階のポイント
 1.日時の設定 
  開催日時を設定する際の留意点としては、
   ・学生が就職活動を始める時期とマッチしているか
   ・学生が参加しやすい時期か
   ・他社と比べて有利な時期であるか
  などがあげられます。 

  大学生の就職活動は3年生の4月から5月頃から始まり、4年生の4月頃には内定が出始め
  ます。
  最近では就職環境の悪化に伴い、4年生の夏以降も継続して就職活動に取り組んで
  いる学生も数多くいます。

  会社説明会の開催時期を考える際には、就職活動を行っている学生がどのような状況に
  おかれているかについても理解しておくことが大切です。 
  また、会社説明会は1回だけではなく、複数回に分けて実施することが有効です。

  小規模で分散して説明会を行うことで「学生のスケジュールの都合がつきやすい」、
  「会場の手配がしやすい」、「会社側の開催ノウハウが蓄積されていく」、
  「少人数の参加者で行うほうがより密度の濃いコミュニケーションが可能になる」と
  いったメリットがあります。 

  さらに自社単独で行うのではなく、商工会議所などの公的機関や民間の就職支援企業
  主催による「合同企業説明会」に参加する方法もあります。
  一定の制約は受けますが自社単独で行うよりも高い集客力が期待できます。
  利用する際には、早めの日程と参加の意思表明が大切です。

 2.会場の設定 
  会場に関しては、自社で行うか、外部会場を利用するかのどちらかになりますが、
  できるだけ自社で行うほうが望ましいでしょう。 
  会社説明会は、学生にとっては企業を知る貴重な場です。

  自社で行うと、会社説明の後に自社内を見学させて、より興味をもってもらうことも
  できます。 
  しかし、やむを得ず会場を借りる場合は、費用の問題や予約状況による会場確保の
  問題もあるため、早めに準備する必要があります。

 3.インターネットでの告知 
  近年では多くの企業が自社のウェブサイトをもっており、そのなかで自社の求人情報に
  ついても公開していることがほとんどです。 

  ウェブサイトを活用すれば、求人に関する専用のページを設けて、求めている人材像、
  具体的な仕事内容、自社の将来性、トップのメッセージなどを紹介することで、学生に
  直接訴えかけることができます。

  また、説明会スケジュールを公開して、ウェブサイト上から直接予約ができるような
  仕組みをつくることもできます。 
  ただし、知名度の低い企業の場合は、自社のウェブサイトにたどり着いてもらうこと
  自体が難しいようです。

  そのような場合は、求人情報サイトに自社の情報を掲載してもらうことで、学生の
  目に触れる確率が高まります。
  掲載には費用がかかりますが、効果的なアピール手段のひとつとして、検討してみる
  価債はあるでしょう。

□説明会当日のポイント
 1.運営面 
  多くの学生にとって会社説明会はその会社との初めての直接的な接点であり、説明会
  運営の巧拙が志望意欲に大きく影響します。
  十分な準備が行われずに不手際が目立てば、会社の管理能力にも疑問を抱かれることに
  なります。

  <運営面のチェックポイント>
   ・受付などスタッフの人数
   ・配置は適切か、笑顔で挨拶できているか
   ・会社の入り口に会場の案内図を掲示しているか
   ・配布物の準備は万全か
   ・司会者の話し方、態度、挨拶などは適切か
   ・プロジェクターなどの説明用機器や使用するパソコンのテストは行ったか
   ・会場の広さ、レイアウト、明るさ、音響、空許などは適切か
   ・進行役や説明者はリハーサルなどの準備を行っているか
   ・入り口やトイレなど学生の目につく部分は清潔に保たれているか
   ・職場見学を行う場合は整理・整頓は十分になされているか
   ・筆記試験を行う場合は十分な広さの机を準備しているか
   ・説明会の開始時刻、終了時刻は守られているか

 2.内容面 
  学生は説明会全体の内容や、それぞれの説明者の表現力・熱意などから会社の実力や
  姿勢を感じ取ります。
  「どのような内容について」、「どのような方法で」伝えたいのかについて十分に準備
  しておくことが大切です。

  <内容面のチェックポイント>
   ・時間配分も含めて適切なプログラムになっているか
   ・業界説明は学生でも理解できるようにわかりやすく工夫されているか
   ・ウェブサイトや会社案内でわかる範囲の説明に終始していないか
   ・参加者に意見を求めるなど、飽きさせない工夫がなされているか
   ・想定される質問については回答の準備をしているか
   ・自社に都合の悪い質問に対しても誠実に応えているか
   ・実際の社員の働き方が理解できる内容になっているか
   ・会社の経営理念や事業戦略などが理解できる内容になっているか
   ・わかりにくい業界用語、専門用語、社内用語などは使っていないか
   ・説明者によって経営理念や経営戦略の解釈にバラツキがないか
   ・参加者全員に対して何らかの有益な情報を与えたいという誠意をもっているか

中途採用を成功させる

中途採用を成功させる

■採用活動
 人材(労働力)の質・量を確保し、何代もの世代交代を実現するために採用活動は非常に
 重要です。
 企業の採用活動の内容はさまざまですが、通常は採用の対象になる人材によって「新卒採用」
 と「中途採用」に大別されます。

 大企業とは違い、多くの中小企業は毎年の新卒採用は行っていません。
 中小企業では、毎年新しい人材が必要になるほどの大量の退職者が生じたり、新規業務
 が生じるわけではないからです。

 その代わり、中小企業は業務拡大や欠員発生など人材拡充の必要が生じる都度、中途採用
 で即戦力を確保しています。 
 中小企業が中途採用を中心に行っているのは、新卒採用では人材を確保しにくいという
 理由もあります。

 特に新卒は、知名度の高い大企業を志望する傾向が強いものです。
 優秀な求職者には大企業も積極的にアプローチするため、これを中小企業が獲得するのは
 容易ではありません。

 このような理由から、中小企業は中途採用に頼らざるを得ない事情もあります。
 中途採用にはメリットとデメリットがありますが、中小企業にとって、中途採用は重要な
 取り組みです。
 以降では、中小企業が中途採用を実施する際の主な留意点を紹介します。

□中小企業が中途採用を実施する際の主な留意点
 1.募集方法 
  中途採用に限ったことではありませんが、中小企業が採用活動を実施する上で非常に
  重要となるのは、「多くの応募者を集め、能力を的確に判断する」ことです。
  「応募者は絞り込んだほうが効率的」と言う人もいます。

  しかし、もともとの応募者数が少なく、いざという時には初回から社長による面接が
  できるなど、柔軟性のある採用活動ができる中小企業は、さまざまな募集方法を活用
  して一人でも多くの応募者を集め、優秀な人材と出会うチャンスを広げたほうがよい
  でしょう。

  募集方法はさまざまですが、中小企業では求人情報サイトや人材紹介サービスを活用
  するケースが多くあります。
  求人情報サイトは、企業と応募者のマッチングを図るために求人・求職情報を蓄積した
  情報サイトであり、中小企業は全国の応募者に効率的に情報発信することができます。

  例えば、リクルートでは、中小企業向けの求人情報サイト「はたらいく」を運営して
  います。
  掲載料金は地域ごとに設定されています。

  リクルートによると、「応募者は職種や条件で検索して就職候補を探すため、一般の
  求人サイトでは、大企業に比べて条件が劣る中小企業は目立ちにくくなる。
  その点、『はたらいく』では、仕事観(「自分のペースで仕事ができる」など)でも
  就職先を検索できるようになっている。

  また、『はたらいく』では、掲載料に関係なく、ランダムに上位表示する企業を決める
  ようにしており、中小企業の求人情報も目立ちやすくなっている」とのことです。

 2.募集条件 
  応募者を募集する際の条件は、中途採用の目的によって異なります。
  例えば、中途採用の目的が「即戦力の獲得」の場合、中堅・中小企業が求める能力
  水準を明らかにして、それを具体的な募集条件として示します。

  例えば、「○○業界で営業経験3年以上」「経理職で実務経験3年以上」「○○の有資格者」
  などとなります。
  この条件を満たさない人材は原則として採用の対象外となります。 

  一方、中途採用の目的が人材不足への対応(労働力不足の解消)が目的の場合は、
  とにかく早期に人材を獲得することが重要なので、即戦力の獲得を目指すときよりも
  募集条件を引き下げるとよいでしょう。

  また、必要に応じてパート労働者や派遣労働者など、非正規雇用も検討するようにする
  とよいでしょう。 
  なお、募集条件として提示する賃金などの労働条件は慎重に決定しなればなりません。

  例えば、履歴書などから判断してある程度の能力を有する応募者でも、その人材が
  自社で活躍できるとは限らないので、初めから賃金をそれほど高額にすることは
  できません。

  一方、勤続年数などに連動する年功主義の賃金制度を導入している場合は、中途
  採用者の初任給が年齢や能力に照らして低くなる場合もあります。

  能力と賃金のバランスを取りながら労働条件を決定することが重要ですが、賃金を
  募集条件として明示することが難しい場合は、「月給25万円以上で、経験を優遇」
  「賃金支給額などは応相談」などと記載するとよいでしょう。

 3.面接 
  面接前の書類審査(履歴書や職務経歴書などの確認)で不採用にする応募者もいるかも
  しれませんが、実際に会って話をしてみないと分からないことのほうが多いものです。
  中小企業の場合は、できれば一度は面接のチャンスを与えてみるほうがよいでしょう。

  面接では、
   ・実務経験:具体的な実績と入社後の生かし方など
   ・就業姿勢:転職理由、志望理由、独立願望など
  などを確認します。 

  また、応募者が担当する予定の業務に従事している社員を面接官に加えると、応募者
  の能力と担当する業務のミスマッチが生じにくくなります。
  なお、面接時の応募者の言動を確認することは非常に重要であるものの、

   ・礼儀正しく活発なので、きっと仕事ができるだろう
   ・話が上手ではないので、能力が低いのではないか

  などの先入観を持つことは好ましくないことです。 
  そのほか、面接で確認するとよい主な事項は以下の通りです。

  (1)経歴 
    応募者の経歴は、職務経歴書で事前に一通り確認することができます。
    中でも重視するとよいのが、その職務に従事していた期間です。
    従事した期間が長いほど、職務に精通していると考えられます。

    数カ月しか従事していないにもかかわらず、「○○ができます」という応募者が
    いますが、その場合は、たずさわっていた業務の具体的な内容を面接で確認する
    ようにしましょう。

   (2)筆記試験 
    中小企業でも、筆記試験の一環として作文を取り入れているところが多く
    あります。
    作文という課題に対して、応募者は、  

     ・どのような結論にしようか?  
     ・自分の考えを、限られた時間で簡潔にまとめなければならない 
     ・誤字や脱字に注意しなければならない

    など、さまざまなことを考えなければなりません。
    最終的に作文という課題にどのように取り組むかによって、履歴書からは分から
    ない応募者の論理的思考力・分析力・集中力・注意力、そしてやる気などを知る
    ことができます。

   (3)保有資格 
    何らかの資格を取得している場合、その応募者が一定の能力、持続力、勤勉さ
    を備えていると考えられるので一定の評価ができます。
    また、面接の場では、その資格をどのように活用しているのかを確認することも
    大切です。

    「数年前に試験に合格したきり使っていない」といった単なる資格保有者の場合、
    その資格に関する知識はあまり期待できません。

   (4)学歴 
    学歴も応募者の能力を判断する一つの基準です。
    「高学歴イコール高スキル」というわけではありませんが、基礎学力を持って
    いることは重要です。

    また、高レベルな学校に入学するために継続して勉強したのであれば、その
    点は評価できます。

 4.入社後のフォロー 
  中小企業は、中途採用した人材が早期に企業になじめるようにサポートしなければ
  なりません。
  社員数が少ない中小企業では、中途採用者は目立つ存在です。

  既存の社員は、
   ・どんな人が入ってきたのか(性別、年齢、経歴など)
   ・賃金はどうなるのか(自分よりも上か下か)
   ・立場はどうなるのか(自分よりも上か下か)

  などと中途採用者を意識します。 
  中小企業は、中途採用者の入社によってチームワークが乱れることを避けなければ
  なりません。

  例えば、社長自らが中途採用者を紹介し、
   ・どんな分野で活躍してもらうつもりなのか
   ・立場的に、誰の部下になるのか
  を明確にし、中途採用者のポジションを既存の社員に伝えてしまうことも一つの方法
  です。

  また、社長が信頼する社員に「中途採用者が早く自社になじめるようにフォローする
  ように」と指示することも大切です。

  例えば、
   ・定期的に飲み会を開いて交流の場を持つ
   ・中途採用者に反感を持つ社員を個別に説得する
  などの役割を担ってもらうのです。 
  
  既存社員へのフォローと同時に、中途採用者に対しても自社のルールや特徴(業務の
  進め方や雰囲気など)に早期になじんでもらうようにすることも重要です。

□応募者にとって魅力的な企業であること 
 中小企業が応募者の中から採用する人材を決定するのと同じように、応募者も複数の
 候補の中から就職先を決定します。
 企業は、応募者にとって魅力的でなければなりません。

 応募者が企業に魅力を感じなければ、中小企業が入社をすすめても応じてくれない
 でしょう。
 そのため、例えば面接の場では、応募者の能力を判断するだけでなく、応募者に自社の
 魅力をアピールすることが不可欠です。

 応募者の興味は、
  ・企業ビジョン:将来性があるのか
  ・従事する業務:自分のやりたいことが実現するか
  ・労働条件  :前の企業との比較
 などです。

 採用担当者は応募者からの質問に対し、こうした点を明瞭に回答した上で、応募者に
 とって「自社で働くことが魅力的である」ことを伝えることが大切です。

採用戦略

採用戦略

■企業の採用戦略が変わる
 1.新卒の正社員採用 
  好況時、多くの企業は「新卒を正社員として採用すること」を基本としてきました。
  こうした傾向は大企業で顕著にみられました。
  大企業は将来の企業経営を担う幹部候補生を大量に採用し、さらなる成長に備えて
  いたのです。

  これは中小企業においても同様で、やはり、中小企業も景気好調時には多くの新卒を
  正社員として採用することに力を注いでいました。 
  とはいえ、これまで中小企業がイメージ通りの人材を確実に採用できていたわけでは
  ありません。

  なぜなら、大企業も中小企業もほぼ同時期に採用活動を行うため、求職する立場にある
  学生は、知名度が高く、経営が安定していると感じる大企業を第一志望にすることが
  多かったからです。

  そのため、少し厳しい表現になりますが、中小企業の多くは、大企業に就職することが
  できなかった学生から採用する人材を決定するといった状況にあったといえます。

 2.採用戦略が変わる 
  近年、前述した採用戦略(新卒の正社員採用)は大きく変わってきました。
  その主な理由は以下の通りです。

   →長引く不況により、企業の人材採用意欲が鈍化してきた
   →正社員の雇用負担を敬遠する企業が増えてきた
   →長い期間をかけて新卒を教育する余裕がなくなってきた
   →終身雇用体制が見直されてきた(労使関係がドライになってきた)

  ◎長引く不況により、企業の人材採用意欲が鈍化してきた 
   少数精鋭の時代にあって、企業は採用する人材を必要最低限に絞り込んでいます。
   好況時にあった“人材のストック”という考え方はなくなってきています。
  ◎正社員の雇用負担を敬遠する企業が増えてきた 
   詳細は後述しますが、企業が人材を採用する際の条件はさまざまです。正社員は、
   基本的に定年まで雇用が保障されている人材であり、正当な理由がなければ企業が
   一方的に解雇することはできません。

   また、正社員の雇用には、賃金、社会・労働保険料、福利厚生費、教育訓練費など
   多くの人件費がかかります。

  ◎長い期間をかけて新卒を教育する余裕がなくなってきた 
   社会人経験のない新卒を一人前の戦力とするには、長い時間をかけて教育訓練する
   ことが必要です。

   企業もこの点を十分に認識して採用しているのですが、経営を取り巻く環境の変化が
   急速な現在、長期の教育訓練によって戦力化するよりも、中途採用で即戦力を獲得
   することを選択する企業が増えてきました。

  ◎終身雇用体制が見直されてきた(労使関係がドライになってきた) 
   現在、終身雇用や年功序列といった日本的雇用慣行は大きく見直されてきています。
   その理由の一つは、労使関係がドライになってきていることです。

   例えば、企業は早期退職優遇制度の実施などにより、定年前の労働者と結んだ雇用
   契約を終了することが増えてきました。

   一方、労働者も自らの能力をより高く評価してくれる企業を見つけ、前向きに転職
   を検討するようになってきています。
   「一度入社したら定年まで雇用を保障する(一つの企業で勤め上げる)」と
   いった労使の意識は薄れてきているのです。

 3.中途採用による即戦力の獲得 
  以上の理由を背景に、今の労働市場には多くの人材(求職者)が流動しています。
  例えば、→就職浪人している人→早期退職優遇制度に応募した人→今よりも好条件の
  企業を探している人
  などです。

  こうした人の中には、即戦力としての活躍が期待できる優秀な人材も存在します。
  この現状を企業が見逃すはずもなく、中途採用で即戦力を獲得しようとする企業が増え
  てきているのです。 

  もちろん、企業が新卒を正社員として採用することを完全に止めたわけではありません。
  企業の活気を維持するためには、定期的に若い労働力を獲得することが不可欠ですし、
  同時に正社員は将来の企業経営を背負って立つかけがえのない存在であるからです。

  ただし、正社員として採用される人の人数は、パートなどとは対照的に減少傾向に
  あるのが実情です。

□企業が中途採用者を募集する際の主な方法 
 企業が中途採用する際の留意点を、募集、採用、雇用契約期間の決定、雇用条件の決定
 といった流れに沿って確認していきます。

 1.さまざまな募集方法 
  企業が中途採用者を募集する際には様々な方法があります。
  ここで、中途採用の募集方法としてはあまりなじみのない「紹介予定派遣」について
  簡単に説明します。 

  紹介予定派遣(厚生労働省)とは、99年の人材派遣法の改正により2000年12月から解禁
  された制度です。

  具体的には、当初は人材派遣の仕組みを利用して派遣労働者を受け入れ、派遣期間の
  終了後に、今度は有料職業紹介の仕組みを利用して派遣労働者を採用するといった仕組み
  です。

  紹介予定派遣を利用する企業は、はじめに人材派遣会にその旨を伝えて契約を交わします。 
  その後、企業は派遣期間中の派遣労働者の働きぶりを確認し、本当に自社に必要な人材
  であると判断すれば正式に採用することになります。

  もちろん、能力ミスマッチなどがある場合には、採用を拒むこともできます。 
  採用が決まった時点で、企業は人材派遣会社に手数料を支払います。
  手数料は、紹介前の派遣期間などによって異なりますが、アデコキャリアスタッフの場合、
  年収の10〜25%となります。

  ここでいう年収とは、企業が、採用する派遣労働者に支払う年間の賃金のことです。
  例えば、企業が、採用する派遣労働者の年収が400万円の場合、その10〜25%を人材
  派遣会社に支払います。 

  紹介予定派遣のメリットは、派遣期間中に派遣労働者の能力や人柄をチェックできる点
  です。
  学生のインターンシップに似たところがあり、企業は派遣労働者に実務を担当させながら、
  正式採用の有無を決定することができます。

 2.募集方法の選択 
  どのような方法を選択するかは、募集条件(職種、賃金など)、採用基準(能力、年齢
  など)、採用人数企業の採用体制(面接担当者の人数、経験など)などによって
  異なります。 

  企業が求人媒体を利用して直接的に募集をかける場合、コストは低く抑えることが
  できます。
  特に採用人数が多い場合などは好ましいといえるでしょう。

  しかし、インターネットの求人サイトに登録した場合などは、募集条件にもよりますが
  数百人のエントリーがあります。

  しかも、すべてのエントリー者が本気で入社を希望しているとは限らないため、企業側
  (採用担当者)には、「求職者の能力、人柄、入社意思の有無を見極める能力」が求め
  られます。

  そのため、企業の採用体制に不安がある場合には適さない方法といえます。
  また、賃金や労働時間などの募集条件に求職者が魅力を感じなかった場合、予定通りの
  応募者が集まらない可能性もあります。

  一方、人材ビジネスを利用する場合、ある程度のレベルをクリアした求職者を対象に
  採用活動を行えるため、玉石混合の応募者を選抜するといった実務は軽減されます。

  ただし、企業が直接的に募集をかける方法よりも多額のコストが発生するのが難点です。
  特に、前述した紹介予定派遣は、人材派遣と有料職業紹介の2つの仕組みを利用する
  ことになるため、最もコストがかかってしまいます。

 3.まずは、直接的に募集してみる 
  中途採用の経験がない場合、まずは企業が直接的に募集をかける方法を複数選択し、
  併用してみるのがよいでしょう。
  例えば、公共職業安定所とインターネットの求人サイトの二つを利用します。

  この方法なら多くの求職者を集めることができるでしょう。
  この方法で必ず企業が求める求職者を採用できるとは限りませんが、採用担当者は
  複数回にわたる面接を経験することで“採用担当者としてのセンス”を磨くことができ
  ます。 

  企業が直接的に募集をかける方法を試してみた後、人材ビジネスの利用を検討します。
  前述した通り、人材ビジネスを利用した場合、一定のレベルをクリアした人材の中から
  選抜できるので、採用に関する実務は、企業が直接的に募集をかける時よりも大幅に
  軽減されます。

  人材ビジネスの利用には少なからぬコストがかかるので、できれば十分に求職者を吟味
  したうえで採否を決定したいものです。
  その際、公共職業安定所などを通じて応募してきた求職者を面接した経験が生かされる
  のです。

□雇用契約の期間の検討
 1.雇用契約の期間は無期と有期に大別される 
  中途者採用をする際、企業は雇用契約の期間を決定しなければなりません。
  労働基準法(以下「労基法」)では、雇用契約の期間を
   ・無期労働契約:原則的に定年までの雇用が保障されている人
   ・有期労働契約:1年や3年など雇用期間に定めのある人
  に大別しています。 

  無期労働契約で採用されるのは基本的に正社員です。
  無期労働契約は、労働者の雇用が安定しているため、法律上で問題となることはあまり
  ありません。 

  一方、雇用契約の期間が限定され、労働者の雇用が安定していない有期労働契約の場合、
  その期間は労基法によって、以下のようなパターンに分類されています。

   パターン1:1年以内の契約(一般の労働力)
   パターン2:3年以内の契約(専門的な知識を持つ労働者、60歳以上の労働者)
   パターン3:一定の事業の完了に必要な期間 

  有期労働契約の期間は1年以内が基本ですが、専門的な知識を有する労働者を新たに
  雇用する場合、あるいは60歳以上の労働者を雇用する場合に3年以内の契約が可能と
  なっています。

  このほか、事業の完了に要する期間についても例外が認められています。
  例えば、建設工事の終了までに2年必要といった場合は、2年の契約を交わすことが
  可能となります。 

  こうした有期労働契約で企業に採用されるのは、契約社員、パート、アルバイトなど
  となります。

 2.有期労働契約に関する法改正 
  有期労働契約に関する重要な法改正が行われているので紹介します。 
  前述した通り、労基法では、有期労働契約の期間を

   パターン1:1年以内の契約(一般の労働力)
   パターン2:3年以内の契約(専門的な知識、60歳以上など)
   パターン3:一定の事業の完了に必要な期間

  といった3つのパターンに区分しています。
  このうち、パターン1と2が改正労基法によって見直されます。

  具体的には、
   パターン1:3年以内の契約(一般の労働力)
   パターン2:5年以内の契約(専門的な知識を持つ労働者、60歳以上の労働者)
  となり、パターン1と2で、それぞれ有期労働契約の期間が2年間延長されます。 

  改正労基法は2003年6月27日に成立し、7月4日に公布されています。
  施行は公布の日から起算して6カ月以内です。改正労基法の施行後は、例えば、5年
  契約の契約社員を活用することなどが可能となります。

 3.雇用契約の期間の検討 
  中途採用する際、雇用契約の期間を決定することは非常に大切です。
  企業は、あらかじめ正社員(無期労働契約)、契約社員・パート・アルバイト(有期
  労働契約)の特徴を確認しておきましょう。

□契約期間以外の雇用条件の検討
 1.基本的な考え方 
  雇用契約の期間と並行して検討しなければならないのが、賃金、労働時間、担当する
  業務などといった雇用条件です。

  これらを検討する際のポイントは、
   →中途採用者が担当する業務の難易度
   →中途採用者が担当する業務の継続期間
   →中途採用者に支払うことのできる賃金枠

  などとなります。
  基本的な考え方は下表の通りです。
  例えば、「非常に困難であるが、一定期間で終了する業務」を担当する人材を中途採用
  する際、正社員よりも契約社員のほうが適しているかもしれません。

  ただし、契約社員の場合、「契約期間が限られていること」と「専門的な知識が求め
  られること」から、月給は正社員よりも高くなる可能性があります。

 2.求職者の意向も検討する 
  ここまで紹介してきたのは、企業側からみた中途者採用のポイントです。
  企業が採用スタンスを明確にすることは非常に重要であるものの、忘れてならないのは、
  求職者の意向にも配慮することです。

  例えば、企業が「契約社員」の条件で採用したいと思っても、求職者は「正社員と
  して就職し、雇用を安定させたい」と考えているかもしれません。
  こうしたニーズの相違がある場合、能力や人柄は申し分なくても、実際に採用する
  ことは難しい場合があります。

  企業は、面接の場を利用して、求職者が求める雇用条件を確認しておくことが欠かせ
  ません。

□時間の経過とともに変化する段階的な労働契約 
 前述の通り、雇用契約の期間は、
  ・無期労働契約:原則的に定年までの雇用が保障されている人
  ・有期労働契約:1年や3年など雇用期間に定めのある人
 に大別されます。

 企業が当初から無期労働契約で中途採用する場合は問題ありません。 
 しかし、有期労働契約を繰り返す場合は、問題となることがあります。
 例えば、1年間の契約社員として採用し、その契約を複数回にわたって更新するような
 場合です。

 1年間の有期労働契約を3回連続で更新し、4回目は更新せずに雇い止め(契約期間の満了)
 にしようとしています。
 このようなケースは、1年間の有期労働契約の繰り返しではなく、連続した無期労働契約
 であるとみなされることがあります。

 通常、契約更新が2回続いた場合、労働者には「次回も契約を更新してくれるだろう」と
 いう契約更新期待権が発生するとされています。
 上図は、4回目に労働者の契約更新期待権を裏切っているため問題となるのです。 

 そのため、当初は1年程度の有期労働契約とし、契約期間中の働きぶりを判断して、次回に
 「同様に1年の有期労働契約とする」「無期労働契約とする」「契約を更新しない」などを
 判断しようとする企業がありますが、有期労働契約を繰り返すことは問題であり、その
 労働者と裁判などで争うこととなった場合、企業が不利になってしまいます。

 以上から、時間の経過とともに変化する段階的な労働契約としては、始めの1年間を契約
 社員として採用し、1度目の契約更新時期に「無期労働契約にする」か「雇い止めとする」
 かを決定するのがよいでしょう。 

 その契約社員は、次回の契約更新時に正社員(無期労働契約)となるよう、一生懸命業務に
 励むことでしょう。
 そういった意味で、「有期労働契約 ⇒ 無期労働契約」といった流れは有効といえる
 のです。 

 ただし、繰り返しになりますが、「有期労働契約 ⇒ 有期労働契約……」 は問題となる
 ことがあります。
 また同様に、「無期労働契約 ⇒ 有期労働契約」が、原則として不可能なことはいう
 までもありません。
 

パートタイマー採用の留意点

パートタイマー採用の留意点

■多様化する雇用形態
 企業はさまざまな方法で社員を雇用します。
 例えば、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどが代表例です。
 「どのような形で社員を雇用するか」を一般に雇用形態と呼びます。
 景気好調時のメーンの雇用形態は正社員でした。
 企業は「新卒を正社員として採用し、定年までの雇用を保障する」ことを採用戦略の基本
 としていたのです。
 この仕組みは、終身雇用、年功序列の人事システムと連動して、おおむねスムーズに機能
 してきました。
 しかし、近年は雇用形態の多様化が急速に進んでいます。

□パートタイマーへの期待
 1.パートタイマーの定義 
  雇用形態(企業が労働者を雇用する際の条件)の一つに「パート」や「アルバイト」が
  あります。
  パートとアルバイトを明確に区別して使い分けることは少ないかもしれませんが、

  一般的には
   ・パート:家計援助などのために短時間働く形態で、主婦が典型
   ・アルバイト:ほかに本業がありながら短時間働く形態で、学生が典型
  といたった分類になります。 

  パートやアルバイトといった雇用形態は、正社員などと比べて雇用契約の期間が短い、
  賃金が安い(時給制がメーン)などの特長を持っています。
  ここでは、パートおよびアルバイトを「パートタイマー」と定義し、企業がパート
  タイマーを採用する際の留意点について紹介します。

  なお、パートタイマーについては「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」
  (以下「パートタイマー法」)で定義付けされています。

  【パートタイマー法第2条(定義)】 
   1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(当該事業所に
   雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に雇用される労働者に
   あっては、労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する労働者)
   に比し短い労働者。

 2.増加するパートタイマー 
  これまで、多くの企業は新卒を正社員として雇い入れて定年まで雇用することを採用
  計画の柱としてきました。
  しかし近年、こうした企業の採用方針は方向転換し始めています。

  従業員の長期雇用による負担を軽減したい企業にとって、雇用契約の期間が短く、
  賃金も廉価なパートタイマーは使いやすい労働力であり、実際、盛んに採用される
  ようになったのです。
  近年のパートタイマー数の推移(厚生労働省)グラフの通りです。

 3.パートタイマー活用 
  これまで、企業はパートタイマーを短期で廉価な労働力と位置付け、比較的単純で
  覚えやすい業務を担当させるのが通常でした。 
  しかし近年、企業のパート活用の姿勢が変化してきています。

  パートタイマーの中には、勤続年数が長く、業務の流れをよく知っている人材がいます。
  また、完全失業率の高止まりなど雇用環境が悪化する中で、社会人としての経験が
  豊かな人材がパートタイマーとして働くこともあります。

  こうした中、企業はパートタイマーのを単に“短期で廉価な労働力”として位置付ける
  のではなく、企業の真の戦力として育て上げることに取り組むようになってきました。

  具体的には、
   ・能力に応じて時給に差をつける
   ・正社員になるチャンスを与える
   ・店長として抜擢する
  などが行われています。 

  人件費が安いパートタイマーを計画的に教育して一人前の戦力に育て上げれば、企業の
  メリットはこれまで以上に大きなものとなります。
  また、パートタイマーを正社員や店長に抜擢した場合、賃金はパートタイマーの時
  よりも上がることになりますが、正社員などになるパートタイマーは企業が能力を認めた
  貴重な人材です。

  そうした人材を厚遇することは、能力・成果主義の視点からみても合理的といえる
  でしょう。

 4.パートタイマーに対する誤解 
  今後、パートタイマーをより有効に活用していこうという企業の動きはますます活発に
  なるでしょう。
  その一方で、パートタイマーの労働条件について誤解をしている企業が少なくない
  のも事実です。 

  例えば、
   ・パートタイマーには有給休暇を付与しなくてもよい
   ・パートタイマーはいつでも解雇できる
  などの誤認です。

  法律的にはパートタイマーにも有給休暇を付与しなければなりませんし、解雇には
  一定の手続きは必要です。
  つまり、パートタイマーと正社員で労働条件に大きな違いはないのです。

  パートタイマーをより有効に活用していくうえで、パートタイマーの労働条件などに
  関するルールを知ることは不可欠です。 
  以降では、企業がパートタイマーを雇い入れる際の留意点について、雇い入れ開始
  から解雇までの流れに沿って説明していきます。

□パートタイマー雇い入れの際の留意点
 1.パートタイマー雇い入れの検討 
  人件費が安く、スポットで利用できる労働力にはパートタイマー以外にも派遣社員
  などがあります。
  パートタイマーの活用を考える企業は、自社にとってパートタイマーが本当に適して
  いるのかを検討する必要があります。

  その際の具体的な検討事項は、「どんな能力を必要としているか」「雇用期間はどの
  程度か」「何人必要か」「賃金をどの程度支払うつもりか」などとなります。
  一般的にパートタイマー、派遣社員は類似した労働力と考えられていますが、それぞれ
  特徴があります。

  例えば、人件費はパートタイマーが最も安くなりますが、専門的な能力は期待できません。
  また雇用期間では、派遣社員などよりもパートタイマーの方が長くなることもあります。
  事業主はパートタイマーの特徴を十分に把握したうえで、パートタイマーの活用を
  決定しなければなりません。

  募集の際の留意点の一つは、99年4月に施行された改正男女雇用機会均等法に抵触
  しないように留意することです。
  例えば、「ウェイトレス募集」などのように性別を限定する募集はできません。
  この場合は「ホールスタッフ募集」とします。
  なお、一般的な求人誌への掲載料は、1回の掲載で5万円程度です。

 2.採用面接 
  応募者を面接します。
  面接の際は、応募者の能力や人柄、雰囲気をしっかりと見極めます。
  また、人事部門が応募者を面接するのと同様に、応募者も面接官や企業の雰囲気を
  比較しているので、日ごろから明るい雰囲気作りを心掛け、職場は清潔に保つことが
  大切です。

 3.雇用契約 
  面接や書類選考により採用する応募者を決定したら、労働契約を交わします。
  ここで注意が必要なのは、正社員を雇い入れる場合と同様に、「労働契約の期間」など
  一定の項目については書面で明示しなければならないということです。
  書面で明示する具体的な項目は以下の通りです。

  ◎労働条件の明示
   ・労働契約の期間
   ・就業の場所、従事する業務
   ・始業・終業の時間、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、
    労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換方法
   ・賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期 (退職手当、
    臨時に支払う賃金を除く)
   ・退職
   ・解雇の事由

  雇い入れ後のトラブルを未然に防ぐために、必要な事項は必ず書面で明示しましょう。
  パートタイマーの入れ替えが頻繁な事業所ではひな型を用意しておくと便利です。 
  また、雇入通知書は二通用意し、記名・捺印のうえ、労使双方が一通ずつ保管して
  おけば万全です。

 4.労働契約の期間 
  労働契約の期間は、労働基準法によって、
   (1)期間の定めのない契約(正社員など)
   (2)3年以内の期間を定める契約(公認会計士など一部例外については5年)
   (3)一定の事業が終了するまでの契約(工事現場などで工事が終了するまで)
  のように定められています。

  この規定はパートタイマーにも適用されます。 
  通常、パートタイマーとの契約は「1年以内の期間を定める契約」となるので、1年を
  超える労働契約を交わすことはできません。
  一般的には3カ月、6カ月などの期間で契約し、必要であれば更新していきます。

□雇い入れ後の各種労働条件
 1.社会保険そのほかの待遇について 
  社会保険(厚生年金保険など)や労働保険(雇用保険など)は、一定の要件に該当
  すれば強制加入となります。
  このことはパートタイマーでも同様です。
  以下に具体的な要件をみてみましょう。

  ◎厚生年金保険と健康保険 
   パートタイマーが次の2つの要件をいずれも満たす場合は、厚生年金保険と健康
   保険に加入しなければなりません。
    (1)1日または1週間の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上であること
    (2)1カ月の所定労働日数が、一般社員のおおむね4分の3以上であること

  ◎雇用保険 
   パートタイマーが次の3つの要件をいずれも満たす場合は、雇用保険に加入しな
   ければなりません。

    (1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること
    (2)1年以上引き続き雇用されることが見込まれること 

   以上の要件は雇用契約時の労働条件で決まるので、加入要件に該当する場合は
   必ず加入するようにします。 
   ただし、厚生年金保険、健康保険、雇用保険に加入するとパートタイマーも保険料
   を負担することになります。

   保険料負担を拒むパートタイマーは少なくありません。
   本人がどうしても各保険への加入を拒むようであれば、
    →各保険の重要性を説明し、被保険者になることを理解してもらう
    →雇用条件を調整し、被保険者に該当しないようにする
   などの対応をします。 

   労働条件が社会・労働保険は加入要件に該当すれば必ず加入しなければならいもの
   です。
   要件に該当するパートタイマーの加入手続きをしないと、企業が行政官庁から指導を
   受けることもあるので慎重な対応が必要です。 

   また今後、厚生年金保険と健康保険の加入要件が見直される可能性があります。
   そうなると現在未加入のパートタイマーの多くがこれらに加入することになり、
   企業の社会保険料の負担が増えることになります。

 2.有給休暇の取り扱い 
  パートタイマーに関する労働条件で、最も誤解が多いのはパートタイマーには有給休暇
  を付与しなくてもよいといった誤認です。
  しかし実際は、以下の要件を満たすパートタイマーには有給休暇を付与しなければ
  なりません。

   (1)雇い入れ後6カ月継続勤務している
   (2)その間の全労働日の8割以上出勤している 

  ただし、正社員とパートタイマーでは有給休暇の付与日数が異なります。まず、正社員
  に対する有給休暇の付与日数をみてみましょう。
  パートタイマーの有給休暇付与日数は正社員よりも少なく設定されています。

  これは、パートタイマーの労働時間が正社員に比べて短いため、そのバランスをとって
  いるのです。
  ただし、パートタイマーといえども、労働日数が多く、労働時間が長い場合は正社員と
  同様の有給休暇を付与することになります。

  もし、「1週間の所定労働時間が30時間以上で1年間の所定労働日数が216日を超える」
  など、以下の労働条件を越える場合は、正社員と同じ日数の有給休暇を付与する
  ことになります。

   (1)1週間の所定労働時間が30時間未満
   (2)1週間の所定労働日数が4日以下
   (3)週以外の期間によって所定労働時間を定めている労働者については1年間の 
  所定労働日数が216日以下

  それでは、パートタイマーの有給休暇は何日になるのでしょう。
  具体的な有給休暇の付与日数は(厚生労働省)表の通りです。

□そのほかの留意点
 1.退職金、賞与などの取り決め 
  多くの企業はパートタイマーをスポットの安価な労働力と認識しているため、必要
  以上に人件費をかけようとしません。
  退職金や賞与の支払いにもあまり前向きではないのが実情でしょう。

  この点に関して、パートタイマー法では就業の実態、通常の労働者との均衡などを
  考慮して定めるように努めるものとすると定めています。
  つまり、「パートタイマーに退職金や賞与を支払うか否かは個々の企業任せだが、
  できれば支払うことが望ましい」ということです。

  なお、賞与や退職金をパートタイマーにも支給する場合は、支給条件などを雇用契約
  締結時に知らせます。

 2.短時間雇用管理者の選任 
  常時10人以上のパートタイマーを雇用する事業所では、短時間雇用管理者を選任する
  ことが求められています。

  短時間雇用管理者は
   (1)パートタイマー法に定める事項やそのほかのパートタイマーの雇用管理の
     改善などに関する事項について事業主の指示に基づき必要な措置を検討、実施
   (2)パートタイマーの労働条件などに関し、パートタイマーの相談を受ける
  などを行います。

  正社員に関しては労働組合が労働条件を交渉しますし、企業のメンタルヘルスケアも
  進んでいます。
  しかし、パートタイマーに関してはこうした取り組みはあまり活発ではなく、労働
  組合も主に正社員の労働条件改善のために動きます。 

  そこで、短時間雇用管理者を選任することで、パートタイマーの適正な労働条件を
  確保することを目指しています。

 3.割り増し賃金 
  パートタイマーであっても、時間外労働、深夜労働(午後10時から午前5時までの間)、
  休日労働をした場合は割り増し賃金を支払わなければなりません。 
  割り増し賃金の率は以下の通りです。

   (1)時間外労働:25%以上増し
   (2)休日労働:35%以上増し
   (3)深夜労働:25%以上増し
   (4)休日に時間外労働した場合:35%以上増し
   (5)深夜に時間外労働した場合:50%以上
   (6)休日に深夜労働した場合:60%以上

 4.健康診断 
  労働安全衛生法に基づき、以下の健康診断を実施しなければなりません。
   (1)常時使用するパートタイマーに対して、雇い入れの際に行う健康診断および
   1年以内に1回の定期的に健康診断を行う
   (2)深夜業を含む業務への配置替えの際に行う健康診断および6カ月内ごとに1回、
    定期的に健康診断を行う
   (3)一定の有害な業務に常時従事するパートタイマーに対して、雇い入れまたは
    当該業務への配置替えの際およびその後定期的に行う特別の項目についての
    健康診断

□パートタイマーの退職、解雇の際の留意点
 1.「退職時の証明」の交付 
  事業主は、退職するパートタイマーが求めた場合は「退職時の証明の発行」を遅滞なく
  交付しなければなりません。
  退職時の証明には以下の項目が記載しますが、パートタイマーが望まない項目を記載
  することはできません。

   (1)労働契約の期間
   (2)業務の種類
   (3)その事業における地位
   (4)賃金または退職の事由(解雇の場合はその理由)

 2.解雇予告が適用除外される場合 
  パートタイマーを解雇する際は、基本的に正社員の場合と同様の手続きをとらなければ
  なりません。

  具体的には、解雇のための手続きとして
   (1)解雇予告期間の設定
   (2)解雇予告手当の支払い
  が必要であるということです。 

  解雇予告期間や解雇予告手当は、労働者が次の就職先を見つけるための準備期間です。
  また、解雇予告期間や解雇予告手当は合計で30日に達すればよいので、
   (1)解雇予告期間を30日設ける
   (2)解雇予告期間を15日設け、解雇予告手当を15日分支払う
   (3)解雇予告手当を30日分支払うなでのように設定できます。 
  ただし、パートタイマーなど雇用期間の短い労働者の解雇については若干の規制緩和
  があります。

  具体的には、下表の左項目に該当するパートタイマーは解雇予告などをせずに即時
  解雇することが可能です。
  しかし、雇用期間が長引き右項目に該当するようになった場合には、解雇予告など
  が必要になります。

 3.雇止め(労働契約の満了)と解雇 
  例えば、2カ月の雇用契約が終了したために辞めてもらうことは解雇ではなく「雇止め」
  (労働契約の満了)となります。
  従って、解雇予告期間などは必要ありません。 

  ただし、何度も繰り返し短期間で雇用されているパートタイマーには次も契約を更新
  してくれるだろうといった「期待権」が発生します。
  通常は、2回以上契約更新した場合に「期待権」が発生するといわれています。

  何度も契約更新しているベテランのパートタイマーを雇止めする時は、今回の契約が
  最後である(雇止めをする)ことを事前に知らせるなどの配慮が必要です。 
  雇止めに関して企業が注意したいのは、2004年の改正労基法の際に出された
  「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(以下「指針」)です。

  有期労働契約とは、6カ月、1年など雇用期間が限定されている労働契約の形態で、
  パートタイマーはまさに有期労働契約に当たります。
  指針は、あくまでも労働基準監督署などが企業を指導するうえでの判断基準であり、
  法的な拘束力は持ちません。

  しかし、有期労働契約を巡ってパートタイマーとトラブルになった時、企業が指針を
  順守していなければ行政指導を受けることは間違いないでしょう。
  そのため、以下に紹介する指針のポイントを確実に順守することが求められます。

       【有期労働契約に関する指針のポイント】
   1.企業は有期労働契約を締結する際に、当該契約終了時に契約更新の可能性の
     有無を労働者に明示しなければならない。
   2.1について有期労働契約の更新がある場合は、契約更新する場合と契約更新
     しない場合の判断の基 準を労働者に明示しなければならない。
     また、有期労働契約更新の判断基準を変更する場合には、当該契約を交わして
     いる労働者に速やかに明示しなければならない。
   3.1年以上引き続き雇用されており、かつ有期労働契約を締結する際に契約更新
     があると明示された 労働者との有期労働契約を更新しない場合には、当該
     契約満了の30日前までに「契約を更新しない 旨の予告」をしなければならない。
   4.3について、労働者が契約更新しない理由についての証明書を求めたときは、
     企業は遅滞なく交付しなければならない(労働者からの証明書の請求は、
     企業との労働契約が終了した後でも可能)。
   5.企業は、有期労働契約を1回以上更新し、かつ雇用の日から起算して1年を
     超えて継続して勤務して いる労働者との契約を更新する場合には、労働者
     の希望などを考慮して、できるだけ有期労働契約の 期間を長く設定する
     ように努めなければならない。
 

採用面接のチェックポイント

採用面接のチェックポイント

■面接の目的

 採用面接では、

  ・応募者の人物評価を行ない、職務への適否を判断する

  ・参加者全員に r入社したい」という気持ちを固めさせる

 といった点が大切です。

 とくに、後者では、応募者が少ない場合、入社させるよう動機づけをして「何としても
 この会社に入社したい」という気持ちにさせる必要があります。

 そのためには、

  ・社長自身が会社の将来のビジョンを語る

  ・自社の他社にない特長を応募者にアピールし、自社を好きにさせる

  ・応募者に「ぜひ貴方に来てほしい」と期待を込めた言葉を贈る

 といったことがポイントになります。

  面接は、たんに企業側が応募者の資質について評定するだけの場ではなく、
  企業と応募者の相互選択の場である

 ということを忘れてしまうと、企業側の一方的なアプローチになり、結果として応募者が
 自身のイメージに合わない会社と判断してしまう可能性があります。

 面接者は、応募者の応募動機や、自身が人生において実現したいこと、会社に期待する
 ことは何なのかを質問
しながら十分理解し、この会社に入るとそれらがどのように具現
 できるのかを丁寧に説明
していく必要があります。

□面接の形式

 面接には、大きく分けて、

 (1)個人面接

 (2)集団面接

 (3)集団討議

 の3つがあります。

  (1)個人面接

    a)目的

     ・一人ひとりに十分な時間をとって、最適な人材を確保することが目的と
      なります。

     ・応募者の仕事に対する考え方・性格的特徴・論理性などの特徴をじっくりと
      質問していくなかでつかんでいきます。

      そして、会社側の経営方針や人材教育に対する考え方を、相手の志向性に
      合わせて丁寧に伝え、相互理解を深めていきます。

    b)注意点

     ・採用する側の熱意が、採用の成否の鍵を握る場合が多いので、社長自ら
      応募者と語り合うことが重要です。

     ・応募者の緊張を解きほぐし、本人らしさが出せるように配慮します。

  (2)集団面接

    a)目的

     ・アルバイト等も含めて大量な人員確保が必要なとき、効率的に採用活動を
      行うことが目的です。  

     ・応募者の考え方・性格的特徴・論理性などの特徴を、ほかの応募者と直接
      比較す
ることにより、はっきりとつかむことが可能となります。

    b)注意点

     ・応募者のどういった特徴をつかみたいのか、その日的やポイントを明確に
      しておかないと、それぞれの特徴を十分につかみきれなくなってしまいます。

  (3)集団討議

    a)目的

     ・集団面接のときと同じです(集団面接だけでは、十分に特徴をつかみ
      きれないとき、またはさらに応募者を絞りこみたいときに用います)。

    b)注意点

     ・簡単に結論をまとめることができず、しかも、応募者にとって興味のもてる
      テーマを設定することが必要です。

      たとえば、新卒採用であるなら    

       「正しい仕事の仕方とは」

       「この企業の属する業界の10年後は、どのようになっていると思うか」

      といったテーマもよいでしょう。

□面接でのチェックポイント

 面接でのチェックポイントには、一般的なものとして

  (1)論理的思考力

  (2)表現力

  (3)積極性

  (4)協調性

  (5)情緒安定性

  (6)理解力

  (7)態度

 の7項目があります。

 それぞれの質問例とチェックポイントを次に示します。

 (1)論理的思考力、(2)表現力

   a)質問例

    ・「3分以内で自己PRをしてください」

    ・「手短に自己紹介をしてください」

    ・「あなたが他人に自慢できるものを何かあげてください」

   b)チエッグポイント

    ・決められた時間内に、簡潔に自分の意図することを伝えられるか

    ・相手の心をそらさず、上手に自分をプレゼンテーションできるか

    ・思っていることを十分に相手に伝えるだけの表現力があるか

    ・話題の展開が時系列的で内容は具体的か

 (3)積極性

   a)質問併

    ・「今までで一番楽しかったことは何ですか」

    ・「あなたの目標を話してください」

    ・「あなたは失敗したとき、どのように対処しますか」

   b)チェックポイント

    ・これといった目標がなく、毎日を何となく過ごしているタイプではないか

    ・ほかの人と比較して自分は能力的に劣っている、といったマイナス思考の
     タイプではないか

    ・意志力があり、つねに努力を持続させることのできるタイプか

 (4)協調性

   a)質問例

    ・「あなたは自分のことをどのようなタイプだと思っていますか」

    ・「あなたのことを友人はどのように言っていますか」

    ・「あなたの悩みを打ち明けることのできる友人はどのようなタイプの人ですか」

   b)チェックポイント

    ・周囲に好感がもたれるタイプかどうか

    ・友人に好かれているか

    ・周りの人間のことを考えているかどうか

 (5)情緒安定性

   a)質問例

    ・「あなたは、自分の短所を親友から指摘されたとき、どのように対処しますか」

    ・「あなたは喜怒哀楽を表情に出すタイプですか」

    ・「あなたに対して、友人が怒り出したら、どのように対処しますか

   b)チェックポイント

    ・他人との関係で、自分をコントロールしながら、相手の性格や状況に適した
     対応ができるか

    ・自分の感情をコントロールできるか

    ・どんな場面でも冷静な判断ができるか

 (6)理解力、(7)態度

   すべての面談の応答から、総合的に判断します。

□押さえておきたい質問事項

 論理的な思考力、表現力などについては、前述のような質問事項が一般的ですが、もうひとつ
 聞いておいたほうがよいことがあります。

 それは、「応募者が自分の人生においてどのようなビジョンをもっているか」という
 ことです。

 具体的には、「人生において、どのようなことを実現したいと思っているか、そのためには
 何をしようと思っているか」ということです。

 この質問に対する応答から、会社や仕事に対する考え方を含め非常に多くのことを知る
 ことができます。

 これは、その人材を採用し、活用していこうとする企業にとって、大変重要なポイントと
 なります。

 次に、前述の7項目についてチェックすべき視点をあげてみましょう。

 (1)論理的思考力

   話の筋道が論理的に流れているかで判断します。

 (2)表現力

   自分の考えを正しく 分か歩やす−く人に説卵でき愚かをみます。

   言葉遣いの適切さ、表現方法などから判断します。

 (3)積極性

   自ら進んで物事にあたり、つねに前向きな生き方ができるかどうかをみます。

 (4)協調性

   周囲と良好な関係を保ち、組織の一員としての行動がとれるかどうかをみます。

 (5)情緒安定性

   不測の事態に対してどのくらいの平衡を保っていられるかどうかをみます。

   不意に質問をされた場合などに、どのように応対するかで判断します。

 (6)理解力

   他人の話をスムーズに理解し、適切に応対できるかどうかをみます。

 (7)態度

   外見上の身だしなみや表情・動作だけでなく、応対に真摯な態度がみられるか
   とうかで判断します。

□その他の留意点

 面接を行なうにあたっての細かい準備としては、次の点に注意します。

 (1)個人ファイルを用意する

   面接前に応募者の個人ファイルを作成します。

   内容は、「履歴書」「適性検査結果」のほかに、面接での応対が記入できるシート
   を用意します。

 (2)交通費を用意する

   応募者には交通費を支給するのが一般的です。

   その際は、とくに個別に交通費を計算するよりは、一律いくら、と決めて支給
   する場合が多いようです。

 (3)机上プレートを用意する

   集団面接を行なうときはかならず、応募者‘面接者の名前が入った机上プレートを
   用意します。

 (4)採用の意思表示を行なう

   ・社長が面接した場合、採用の意思があるならばその場で採用する旨を伝え、
    次回の来社日程を確定します。

   ・面接者に採用の決定権がない場合は、いつまでに返事をするのかを応募者に
    伝える必要があります。

    採用の意思があるならば、早急に決裁をとりなるべく当日中に連絡し、次回
    の来社日程を確定します。

   ・採用意思がない場合は、書面で速やかに応募者に連絡することが必要です。

  このほか、面接者は面接前に応募者についての予備知識を得ておくことも必要です。

  それによって、面接時に共通の話題をもつことができるようになるからです。

  ただし、履歴書の内容だけで応募者の人物像についてイメージをもってしまうことは
  避けなくてはなり
ません。

  さらに、応募者の外見からも豊富な情報が得られます。

  採用面接という重要な場で身だしなみがきちんとしていないようでは、先行きが
  危ぶまれます。

  髪型や服装などについてのチェックリストを作成し、判断することも望まれます。

面接時の注意点

面接時の注意点

■「採用と人権」(東京都労働局)がモデルとしている面接時の質問
 どのようなことなら質問して良いのか例を挙げていきます。
  ・ 当社の第一印象は、どうでしたか。
  ・ 応募に際し、当社のことを調べてみましたか。
  ・ あなたが、当社へ就職を希望されたのはどんな理由からですか。
  ・ 当社は、どのようなものを製造(生産)しているか知っていますか。
  ・ 当社に対し、どんな感じ(イメージ)をもっていますか。
  ・ 自分の得意とする学科(科目)は、何ですか。
  ・ 自分のセールスポイントは、どんなところだと思いますか。
  ・ 初対面の人の顔を覚えるのは、得意な方ですか。それとも苦手ですか。
  ・ 企業等を訪問し、契約を取ったり、品物を販売するような場合、初めての人と
   話しをすることが苦になりませんか。
  ・ 仕事は、立って(座って)することが多くなりますが、大丈夫ですか。
  ・ あなたは、健康について常日頃から心がけていることはありますか。
  ・ 何か特技・資格がありますか。(特技・資格がある場合は、種類、習得(取得)
   時期などについて質問する。)
  ・ 仕事の関係で車を運転することがありますが、どの位のキャリアがありますか。
  ・ どんな仕事をしてみたいと思いますか。その理由は何ですか。
  ・ 過去にお勤めしていたようですが、どんなお仕事をしていたのですか。
  ・ 1 ヶ月に○時間位残業がありますが、よろしいですか。
  ・ 都内・都外の営業所へ転勤することがありますが、よろしいですか。
  ・ 当社は3交替制の勤務ですが、通勤の関係はどうですか。

□入社前に健康診断を実施する是非について
 入社前健診について規定する法律はありません。
 従って罰則もありません。
 したがって、実行すること自体に違法性はないと考えられます。

 ただし、労働局では、あまり認めたがらないので是非慎重に行ってください。
 また、入社前健診に不同意の人の場合についても考えください。
 さらに、不採用にした場合、個人情報保護法の観点からも注意が必要です。

□入社時の健康診断の注意点
 入社前の健康診断とは違い、入社時の健康診断は労働安全衛生で定められており、実施は
 事業主の義務となっています。
 しかし、「採用と人権」には入社時の健康診断について、2つの注意点を上げています。

 1.採用選考を目的とした画一的な健康診断を実施してはならない。

 2.雇入れ時健康診断は、労働者を雇入れた際における適正配置、入職後の健康管理に
  資するものであり、採用選考時に実施するものではない。

 この考え方でいくと、入社時の健康診断は、適正配置と健康管理に役立てるものであって、
 この結果次第で採否を決めてはならないとしています。
 前述した入社前の健康診断と矛盾するようですが、入社時の健康診断はあくまでも社員に
 なってから実施するもので、この場合は「採否の決定」という意味に捉えるのではなく、
 「解雇してはならない」と読み替えればいいでしょう。

□身元保証人について
 多くの会社で、入社時に身元保証書を要求しています。
 しかし、国では、身元保証に関し、保証人の義務、負担が過大にならないように
 <身元保証に関する法律>を制定しています。

 また、使用者は労働者に業務上不適切な事情等があったときや、労働者の任務を変更した
 場合などは速やかに身元保証人に通知することが義務付けられており、通知を受けた
 保証人は将来に向かって契約の解除権が認められています。

 裁判所は、身元保証人の損害賠償責任の有無及び賠償額の決定に当たって、使用者の過失
 の有無、身元保証をなすに至った事由、払った注意の程度、従業員の任務の変化等一切の
 事情を斟酌することとなっています、さらに保証期間も限定し、法の規程に反する身元
 保証人に不利益な特約はすべて無効としています。
 参考として<身元保証に関する法律>の口語訳を記載します。

 第1条(身元保証契約の存続期間)
   引受、保証その他どのような名称であっても、期間を定めずに被用者の行為によって
   使用者の受ける損害を賠償することを約束する身元保証契約は、その成立の日より
   三年間その効力を有する。
   但し、商工業見習者の身元保証契約については、五年とする。

 第 2 条(同前)
   身元保証契約の期間は、五年を超えることはできない。もしこれより長い期間を
   定めたときは、これを五年に短縮する。
 2 身元保証契約は、これを更新することができる。但し、その期間は、更新のときより
   五年を超えることはできない。
 第 3 条(使用者の通知義務)
   使用者は、左の場合においては、遅滞なく身元保証人に通知しなければならない。
   (1) 被用者に業務上不適任または不誠実な事跡があって、このために身元
      保証人の責任の問題を引き起こすおそれがあることを知ったとき。
   (2) 被用者の任務または任地を変更し、このために身元保証人の責任を加えて
      重くし、またはその監督を困難にするとき。
 第 4 条(保証人の契約解除権)
   身元保証人は、前条の通知を受けたときは、将来に向けて契約の解除をする
   ことができる。
   身元保証人自らが、前条第一号及び第二条の事実があることを知ったときも同じ
   である。
 第 5 条(保証責任の限度)
   裁判所は、身元保証人の損害賠償の責任及びその金額を定めるとき、被用者の
   監督に関する使用者の過失の有無、身元保証人が身元保証をするに至った事由
   及びそれをするときにした注意の程度、被用者の任務または身上の変化その他
   一切の事情をあれこれ照らし合わせて斟酌する。
 第 6 条(強行規定)
   本法の規定に反する特約で身元保証人に不利益なものは、すべてこれを無効とする。
 

中小企業に必要な人材

中小企業に必要な人材

■中小企業に必要な人材
 1.優秀な人材とは
  経営者にとって優秀な人材の獲得は重要なテーマの一つです。
  企業がイメージ通りの人材を計画通りに採用することは、これまで以上に難しくなって
  きます。
  一方、「どのような人材が優秀であるか」についての考え方は個々の経営者で異なり
  ますが、例えば以下のような資質を備えた人材は優秀であるといえるのではないで
  しょうか。

  ◎優秀な人材の考え方 
   ・線営者の意向を十分に理解し、それに基づいて行動するとができる 
   ・高度で専門的な知識や技能を有している
   ・情報収集力・分析力があり、上司などに適切な進言ができる 
   ・問題や課題に対して解決案を提案する企画力、プレゼン能力がある 
   ・実務経験が長く、豊富なノウハウを有している 

  優秀な人材は特別な存在といえる“人財(企業の財産)”です。
  人財は何ものにも代えがたい経営資源であり、どのような企業もその獲得に力を注いで
  います。

 2.優秀な人材の獲得は容易ではない 
  労働市場において、優秀な人材の価値は非常に高いのが現状です。
  一方、景気好調時ほどではないにせよ、求職者のブランド志向(大企業志向)はなくなって
  いません。
  同時に、求職者は自らにとって有利な賃金、福利厚生などの労働条件を提示する企業を
  求めています。
  少し厳しい表現ですが、中小企業が従来通りの採用活動、募集条件を継続したままの
  状態で、大企業と競いながら優秀な人材を獲得することは容易ではないといえるのです。
  そこで、ここでは、中小企業が優秀な人材を獲得する際について考えてみることにします。

□中小企業に必要な人材とは
 1.大企業と中小企業では優秀な人材像が異なる
  中小企業では、社長自らが現場に立って指揮を取りながら、すべての社員が団結して
  総力戦で経営に臨みます。
  そのため、社員一人ひとりが顧客と接する立場にあり、同時にさまざまな業務をこなし
  ます。
  こうした中小企業にこそ優秀な人材が欠かせないといえるかもしれません。

  ただし、ここで考えたいのは、
   大企業が求める優秀な人材と中小企業が求める優秀な人材には
   少なからず違いがある
  ということです。
  大企業が歓迎する優秀な人材像の一つに、
   ある特定分野において誰にも負けない専門性を有する人
  があります。

  例えば、研究室や商品開発室で手腕を振るう人材、人事制度改革に多くの実績を残して
  いる人材などが典型です。
  企業は部課が明確に分かれているため、企業が優秀な人材を、その能力が発揮できる
  場所に配属すれば、その人材は実際に成果を上げていきます。
  もちろん、中小企業にも特定分野で専門的な能力を発揮する人材は必要です。

  しかし、大企業と中小企業の社員で異なるのは、
   中小企業に入社した優秀な人材は、自分の得意分野以外の業務にも
   率先して取り組む必要がある
  ということです。
  前述したように、中小企業の経営は常に総力戦です。

  そのため、中小企業の社員には、特定分野で専門性を発揮するにとどまらず、
   多様な業務で平均点が取れ、問題点を素早く察知できるビジネス感覚の高さ
  も求められるのです。
  こうした人材を総合点で評価すると、実は大企業が必要とする人材よりも評点は高い
  かもしれません。

 2.中小企業に求められる人材 
  このように大企業と中小企業が求める優秀な人材像には少し違いがあります。
  中小企業が大企業以上の採用条件を提示して“完成された優秀な人材”を採用することは
  可能でしょう。
  しかし、それだけで「優秀な人材が採用できた!」と喜べるわけではありません。

  労働市場での価値が高い優秀な人材であっても、中小企業になじみやすい人材であるとは
  限らないのです。
  中小企業の社員にはバランス感覚の良さが強く求められます。
  特定分野で100点満点を取る人材は多くいます。

  しかし中小企業では、それ以上に、多様な業務で平均点を出す万能な社員の存在の
  ほうが重要となることがあります。 次項では、中小企業になじみやすい人材像を考えて
  みます。

  ◎どんな業務もこなすバランス感覚がある
   中小企業の社員は与えられた業務を確実にこなさなければなりません。
   全く携わったことのない業務でも、「それは自分の専門外です」は通用しません。
   100点満点でなくても構いません。
   与えられた業務を、短期間でそれなりの形にする能力が大切なのです。
   逆にこうした能力がなければ、日々新しい業務に取り組み続ける中小企業の“人財”
   とはなり得ません。

  ◎問題を発見し、早期に報告できる
   問題を発見して「何となく、これはおかしい」と感じるセンスが大切です。
   どんなに特定分野に強くても、「専門外なので、ほかの部課に任せておけばいい」と
   流してしまう人材は問題です。
   あらゆる問題をすべて自身で解決する能力までは必要なくても、問題を見つけ、
   早期に社長や上司に報告する姿勢は不可欠です。
   報告を受けた社長や上司は、皆で相談して善後策を検討すればよいのです。

 3.社長の誤解
  中小企業の社長の中には、
   「優秀な人材を獲得」するということは、大企業が優秀とする
   人材を獲得する
  ことであると考える人がいます。

  しかし、ここまで紹介してきたように、中小企業にとって理想的な人材とは、特定の
  分野で専門的な能力を発揮すると同時に、どんな業務もバランスよくこなす万能な存在
  となります。
  けれど、こうした人材は多く存在するものではありません。

  これが、中小企業が優秀な人材を獲得することは容易でないということの由縁です。
  それならば、優秀な人材の獲得に注力するばかりでなく、基本的なビジネススキルを持つ
  人材を多く求め、社員一人ひとりが企業活動を支えるような企業風土をつくり上げる
  ほうが重要といえます。

  大企業が採用するような、100点満点の能力を持った完成された人材ばかりを追い
  続ける必要はありません。
  どんなことでも平均点を取れる人材を採用し、その後の人材開発によって、
   →資格取得を奨励するなどして、特定分野の能力をさらに引き伸ばす 
   →さまざまな業務を体験させるなどしてバランス感覚を養う
  といった努力をすればよいのです。

  採用した人材の中に、社長の意向を十分に理解し、同じビジョンに向かって進もうと
  する人材がいれば、社長自らが将来の幹部候補生として教育することもできます。

□中小企業の採用活動
 1.現在の採用活動を振り返る
  現在、多くの中小企業は大企業的な採用活動を行っています。
  大企業の採用活動は、多くの応募者の中から、いかに効率的に優秀な人材を獲得する
  かに主眼をおいたものです。
  しかし、大企業とは応募者数や面接官の能力が異なる中小企業が大企業的採用活動を
  行ったとしても成果を上げることは困難です(大企業には人事部があり、活動などを
  専門に行っています)。
  ここで、中小企業が大企業的に行う採用の基本的な流れをみてみましょう。

  ◎履歴書の内容 
   履歴書の内容がどのように判断されるのかはおおむね以下の通りです。
    ・学歴:高学歴であるほど高ポイント。中退は好ましくない。 
    ・職歴:大手企業、有名会社ほど高ポイント。転職回数は少ないほど良い。
    ・資格:高度な資格を持っていると高ポイント。
    ・趣味、性格:面接時の話題程度。

  ◎適正検査など 
   応募者の知能・常識レベルを知るために行われます。 
    ・SPI:鶴亀算などにより、知能指数を知る。
    ・一般常識検査:時事的な経済用語から時の首相名など幅広く問われる。  
    ・適正検査:YG検査などにより、聴場への適正を知る。

  ◎面接 
   面接の場では以下のような質問がされます。
    ・志望動機:自社業務に魅力を感じていれば高ポイント。
     賃金や勤務地での志望は好ましくない。
    ・態度、風貌、口調など:最低限のマナーがあれば良し。
                面接官の好みで左右されやすい。 

  ◎採用の決定 
   履歴書の内容、面接時の応対を検討したうえで、面接官が 
    ・彼は物事をはっきりと話し、考え方がしっかりしている(ように見える)
    ・彼女は明るい表情で、運動をしていたから頑張り屋さんだ(と思う) 
    ・彼のキャリアはすごい。きっとわが社でもバリバリやってくれる(だろう)
   と感じれば、採用される(次の面接に呼ばれる)わけです。

 2.求める人材は獲得できたか
  以上のような採用活動で、求める人材を獲得できた中小企業は多くないはずです。
  前述の通り、大企業の採用活動は、効率的に優秀な人材を選別するためのものですが、
  そもそも応募者数が少ない中小企業が同じ方法を取っても成功するのは困難であり、
  せっかくの人材を落としてしまうことにもなりかねません。
  そして何より、採用活動の早期から社長が参加し、応募者を選考できる中小企業の
  強みが生かされていません。
  中小企業が求める人材を獲得するためには、現在の採用活動を見直す必要があるでしょう。
  例えば以下の通りです。

  ◎履歴書の見直し
   履歴書は、応募者の属性を知るための重要な書類です。
   履歴書の書き方にも大きな差が出てくるものです。
   けれども、履歴書から得られる情報に極端に傾倒するのは問題です。
   履歴書から学歴や資格は分かっても、職場でどのような働きをするかを判断する
   ことはできません。

   また、履歴書の情報はかなり優秀でも、実際に採用してみると、それが見掛け倒し
  であることなどは頻繁に起こるのです。
  このような反省は多くの企業で行われており、履歴書の提出をなくした大企業も
  あります。

  採用活動がシンプルな中小企業なら、履歴書の活用方法は広がるはずです。
  例えば、履歴書は採用のための応募シートと考え、そこからは、求職者の氏名、住所、
  連絡先などの情報を得るためのものとしてとらえます。
  その他、企業が本当に知りたい 前の企業ではどんな仕事に従事し、どんな成果を
  上げたのかなどの情報はリポート形式で別紙として提出させます。

  履歴書にも自己アピールの欄はありますが、スペースが小さいので十分ではありません。
  また、一つの事項を分かりやすく文書にまとめることは意外と難しく、リポートの
  内容、構成、誤字脱字などから履歴書からは分からない情報を得ることができます。
  このような方法を大企業が行おうとすれば、何百、何千といったリポートに目を
  通さなければならず、到底実現できるものではありません。
  けれど、応募者数が少ない中小企業ならば可能なのです。

  ◎適正検査の見直し
   多くの企業では、採用活動の一環としてSPIなどの適正検査を行います。
   これは、求職者の常識や知能のレベルを探り、人数を削るためのもので、落とす
   ための試験です。
   このような試験形態を改め、
    ・過去にあったクレームの実例を紹介し、どのように対処するかを問う  
    ・自社の販売数量を伸ばすためのアイデアを問う
   など、より実践的なものとしてみてはいかがでしょう。
   学歴や職歴は人並み、他の応募者と比べて目立たない存在であった応募者から
   優れたアイデアが出されることもあります。

  ◎面接の見直し
   応募者は、緊張して面接に臨みます。
   それは、面接は、自分が審査される場であると考えるからです。
   実際、面接官はさまざまな質問を投げかけながら、求職者を審査します。
   企業として、これから戦力となる人材を採用するのですから、審査という意味合い
   が強くなるのも当然です。

   けれども、多くの面接の場を見れば分かるように、あまりに審査的な色彩が強く、
   応募者が緊張していては、その人本来の姿を現すものではなくなっています。
   世間には、面接の上手な受け方などのマニュアル本が多数出版されており、そこでは、
   質問されたことだけに明確に答え、不利になるような余計なことは一切口にしない
   などと書かれています。

   実際、多くの応募者はマニュアル通りの受け答えをします。
   そうした求職者は何か物足りないなと感じるのはこうした理由からでしょう。
   そこで、面接に対する考え方を少し転換して、面接は、「企業と社員が互いの
   条件を提示し合って、両者にとって有効な契約を交わすことを判断する場」として
   みてはどうでしょう。

   もちろん、志望動機など必要最低限の質問は欠かせませんが、後はリラックスした
   雰囲気で面談を進めます。
   そうすれば、これまでの採用活動では見えてこなかった応募者の特徴に気づく
   はずです。

 3.採用活動の視点を転換する
  大企業と同じような採用活動を展開し、特定分野にだけ強みを発揮するような人材を
  採用する必要はありません。
  中小企業にとって必要なのは、バランス感覚に優れた人材です。
  しかし、現在の中小企業の採用活動は、多くの応募者の中から優秀な人材を選考する
  大企業的なものがほとんどです。

  そして、優秀な人材を求めるあまり、出身校や職歴、資格に目を奪われ、せっかくの
  応募者の適性を見落としてしまっているのです。
  中小企業が、本当に戦力となる人材を獲得したいのであれば、現在の採用活動を見直し、
  社長自らが応募者と接する時間を設け、また応募者にはさまざまな角度から課題を
  与えてみることが大切なのです。

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小さな会社の人材採用

小さな会社の人材採用

 ■小さな会社の人材採用
 □トップのための経営性格
  片腕には、自分と正反対の性格の人間を選ぶこと会社を経営していると、トップの
  人間性そのものが表面に出るものです。
  とくに小さな会社の社長の場合は、その人の性格がストレートに経営のやり方や
  会社の雰囲気にあらわれてくるのです。
  もちろん、性格が悪いからといって、経営が悪くなり、儲からなくなるものでも
  ありません。

  問題は、自分の短所を短所として理解し、それをどう処理していくかが重要なのです。
  長所と短所は通常裏表の関係にあるから、トップは、自分と正反対の性格をもった
  片腕をおいたほうがうまくいくケースが多い。
  その場合の条件は、絶対に人前で口論しないことです。

  性格が正反対だとやり方も違うから、意見の食い違いがしょっちゅう生じるでしょうが、
  社員や取引先の前でそれをストレートに出してはいけない。
  なぜなら、お互いに立場があるから、引っ込みがつかず、どちらかが止めざるを得ない
  ハメになってしまいます。

  そうした場合は、つまり会社のナンバー1とナンバー2の意見が食い違った時は、
  二人だけで、それも「ゆったりとした時間」をもてる時に、じっくりと話し合う
  ことです。
  二人とも、「儲けよう」「会社を成長させよう」という大前提となる目標は同じであり、
  ただやり方が違うだけだから、話せば必ず理解し合えるはずなのです。

  基本的には企業経営は、一本調子では運営できないものです。
  お互いに違う性格の者が、両輪のごとく、同じ目的に向かって会社経営をすること
  によって、会社は儲かる方向へと進んでいくのです。

 □自分と相性の合う人材を使う
  「イヤイヤ、ナイナイづくし」の社員小さな会社の社長には、いろいろな悩みが
  あります。
  「売上げが上がらない」「人材がいない」「中間管理者がいない」などと
  いうものですが、大きな会社の社長にはわからないのが、「思ったように従業員が
  動かない」という悩みです。

  中には人使いに疲れて、そのために意欲を失っているような社長もいるのです。
  小さな会社には、次のような「イヤ、イヤ、ナイ、ナイづくし」の社員がかなりいる
  からです。

   ①忙しくてそんなことはできナイ。
   ②自分はそんな仕事をするために、この会社に入ったのではナイ。
   ③その仕事は自分の性格に合わないからイヤだ。
   ④急に変われといわれても、変われるわけがナイ。
   ⑤それはわたしの担当ではナイ。
   ⑥その営業はコース外だからイヤだ。
   ⑦自分は雑用係ではナイ。

  すべて否定的で、できない理由をいくらでもみつけます。
  こういう人がいると、指示がスムーズに実行されないのは当然で、会社が少数精鋭化
  するどころか、お荷物的人間ばかりになり、儲かる会社になるわけがないのです。
  それこそ求める「人財」ではなく、「人罪」の集まりです。

  一般的にいって、その従業員がその会社で「禄を食んでいる」限り、仕事に全力を
  つくすのは当然なのです。
  最終責任はトップが負い、社員は目の前にある仕事に懸命に取り組むべきです。
  それがいやなら、降りるべきなのです。
  ところがそういう人の場合、全力をつくすどころか、何をやるにも不満げな表情を
  みせます。

  それはなぜか? 本人の性格が悪いのか?
  彼なり彼女なりは、これまでの人生、ずっとイヤ、イヤできたのか?
  そんなことはない。
  要するに彼、あるいは彼女は会社と、もっといえば社長との相性が悪いのです。
  いったん入った人間をそう簡単にやめさせることはできないし、本人もよほどのこと
  がなければやめるとは言いません。
  だから社長はよくよく心して、自分と相性のいい人間を採用しなければならない
  のです。

 □相性の悪い社員は、社長の意欲もなくしてしまう
  小さな会社の社長は、毎日一定数の社員としか付き合わない。
  その限られた人数の従業員との相性が悪ければ、楽しい日常業務などできるものでは
  ありません。
  毎日それこそいやな、神経をさかなでされるような気持ちで仕事をしなければならなく
  なるのです。

  小さな会社の場合は、社長の「やる気」と「意欲」で多くのことが改善されていきます。
  その社長の意欲をそぐような相性の悪い社員を採用すること自体、社長の大きな失敗
  なのです。
  いろいろな意見があり、いろいろな考え方があるのは当然です。
  しかし一つのチームとしての会社で仕事をするからには、心底、心から信頼できる
  人間同士の集まりにしたい。

  10人の会社でも、20人の会社でも、そういうチームは強力なのです。
  相性の合った人間同士の絆が強ければ強いほど、会社は強くなっていくのです。
  多くのビジネス書には、「いろいろな性格の人間を使いこなしていくのが、社長の
  仕事だ」と書いてあります。
  「いろんなタイプの人間がいたほうが、会社は伸びる」とも書いてある。
  正論です。

  人事異動が頻繁に行われる大企業であれば、その通りでしょう。
  しかし、固定したメンバーで永続的にやっていかなければならない小さな会社では、
  「その逆もまた真なり」なのです。
  相性が合う人間は、ツーと言えばカーという返事が返ってきます。
  長が忙しくて大事なことを失念している時には、それをフォローしてくれるのです。

  それが小さな会社の強みであり、よいところでもあります。
  だから社長は、「みんなにちゃんとボーナスを出したい」と思って頑張るのです。
  極言すれば、小さな会社の社長は、自分の性格をよくみて、相性が合わない
  「イヤ、イヤ」型の社員にはやめてもらったほうがいい。
  蛮勇ですが、そういう勇気も必要なのです。

  それがお互いのためなのです。
  もともと社長は、相性が合わない人間を使って気苦労するために会社を始めたわけでは
  ないはずです。
  そして、相性と能力の点からみて、一番ふさわしい人間を片腕にすることです。
  片腕となった人間は、トップを一生懸命に補佐してくれるでしょう。
  小さな会社の社長は、人の面でも、自分の性格に合った経営をしなければならないのです。

 □「相性が合う」と「イエスマン」は違う
  相性が合うか、性格が合うかを見分けるポイントは、次の3点である、
   ①返事がよいかどうか?
   ②明るい性格かどうか?
   ③素直に指示通り動くか? 逆に、指示すると必ず一口多いかどうか?

  以上の三つのことは、初対面ではなかなかつかみづらいでしょう。
  しかし、「返事がよいか」「明るい性格か」などといったことは第一印象が大切なので、
  採用の際にはこれらの点に注意して面接することを提案します。
  もっとも、「相性の合う人間の集団にせよ」というと、「それではイエスマンやゴマスリ
  人間を集めることになるのではないか」と非難する人がいるかもしれません。

  しかしそれは、違います。
  「自分と相性の合う人間」と「イエスマン、ゴマスリ人間」を区分するくらいの力量
  がない人間は、トップになるべきではないのです。
  小さな会社の場合は、よきにつけ悪しきにつけ、トップの考え方や性格で運営される
  のです。

  だからトップは、結果にすべての責任を負うことになるのです。
  方針や指示がよくても、その理解の仕方や、やり方が悪ければ、それもまたトップの
  責任なのです。
  だから小さな会社の社長は、自分の方針をよく理解して動く人を集めない限り、チーム
  としての会社組織はスムーズに稼働しなくなり、結局は儲からなくなってしまうのです。

  トップの指示をちゃんと理解して、心から活動してくれる実行部隊がいないと、
  その会社はバラバラで不平不満だらけの組織になり、やがて「死に体」の会社になって
  しまうのです。
  しかし、次のように、反論する人がいるでしょう。

  「それでも結局は、社長の意に添ったことしか言わないイエスマンばかりを集める
  ことになるのではないか。
  茶坊主ばかりをはべらせていたのでは、戦略を練るにもかたよった意見しか聞く耳を
  もたなくなり、ついには会社をダメにしてしまう」と。
  確かにこうした失敗例は、古今東西拾い上げればキリがありません。

  しかし、これも社長の選球眼の狂いから生じた結果なのです。
  本当に相性の良い人間は、社長の指示を素直に受け、社長の真意を理解し誠心誠意、
  実行します。
  そして社長の意に添った意見ではなく、社長の意を汲んだ自分の意見を述べるものです。
  こうした人材が集まった会社は、だめになるはずがありません。

  ところが、指示するといつも返事だけは威勢がよいのだが、実際は指示した上司や
  社長が見ていないところではサボリ上手で実行せず、報告するときはできなかった
  理由をとうとうと述べる社員がいます。
  こんな社員は口先上手、言いわけ上手だから、社長の喜びそうなことを言ってみせたり
  するが、心底そう感じているわけではないから行動が伴わない。

  こんな人間が社長の周りに集まれば会社はたちまちダメになります。
  だから正確に言えば、イエスマンが悪いのではなくて、イエスマンにも口先だけの
  「悪いイエスマン」と、社長と本当に相性の合う「良いイエスマン」の二通りがある
  ということです。
  小さな会社の社長は、良いイエスマンと悪いイエスマンの区別をしっかりとつけて、
  自分の意を汲んでくれる社員を集めなければならないのです。

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内定辞退者防止のためのフォロー

内定辞退者防止のためのフォロー

  ■内定者フォロー

   1.内定辞退 
    採用活動では、「内々定」や「内定」といった言葉が使われます。
    一般的に内々定と内定は同義語として用いられていますが、厳密には以下の
    ような違いがあります。
     ・内々定:企業が求職者に、内定を出すことを書面や口頭で約束する行為
     ・内 定:企業が内々定者に採用内定通知を出し、それに対して内々定者
          が内定承諾書(誓約書)を提出する行為 

    内々定は「内定を出すことの約束」という位置付けですが、通常、企業が内々定
    を出すのは4月以降、内定を出すのは10月以降となります。
    内々定から内定までに半年近くの期間があるのは、(社)日本経済団体連合会の
    倫理憲章によって「内定は10月1日まで出さない」という企業間のルールがあった
    からです。(2018年に就活ルールが廃止)
    さらに、内定から入社(4月)までの間にはさらに半年の期間があるため、
    結局、内々定者から入社までに1年近くの期間があることになります。 
    一方、この1年の期間(内々定から入社までの期間)は、企業の人事担当者
    にとって非常に大変な時期となります。
    その理由は、内々定を受けてから内定までの間に、内々定を辞退する求職者が
    少なくないからです。
    内々定の辞退を「内定辞退」といいますが、これは企業にとって好ましく
    ありません。
    採用活動には多くの時間・労力・コストがかかります。
    また、内々定を出す求職者は、企業が将来の活躍を期待して選抜した金の卵です。
    その金の卵が入社式を迎える前に脱落してしまう事態は時間・労力・コストの
    ムダにつながるだけではなく、企業の人材力低下につながるため、これを克服
    することは重大な経営課題といえます。

   2.内定者フォローの重要性 
    企業は内定辞退を回避するために、懇親会の開催などさまざまなフォローを
    行います。
    こうした、懇親会など内定辞退を防ぐための一連の取り組みを「内定者フォロー」
    といいます。
    今では、人事コンサルタントが企業向けに内定者フォローセミナーを開催する
    など内定者フォローが盛んにおこなわれています。
    その理由は以下の通りです。 
    2004年後半から、景気回復による企業業績の回復を背景に企業の人材過剰感
    が払しょくされ、これまで人材採用枠を抑制してきた企業が積極的な人材獲得
    に動き始めてきました。
    ただし、現在の企業の採用活動は量の獲得だけを目的としたものではなく、
    質の確保にも強くこだわっています。
    景気低迷時の採用活動から、企業は、厳しい選考基準を突破した優秀な人材
    こそが、自社の戦力になる“人財”に成長する可能性が高いと認識しているから
    です。
    つまり、実現できるか否かは別として、現在の企業の採用活動の一つのゴールは
    「優秀な人材の大量採用 = 人材の質量の確保」にあるのです。
    このような状況では、優秀な求職者は複数の企業から内々定を受ける一方で、
    全く内々定を受けることができない求職者が生じるといった偏りが出てきます。
    こうした偏りが内定者フォローの重要性を高めています。
    特に新卒の場合、社会に出て働いた経験がないため、社会人として働くこと
    について明確なイメージを持ちきれずにいます。
    こうした求職者が複数の企業から内々定を受けた場合、ぎりぎりの段階まで
    (内定を受ける直前まで)就職先を絞りきれず、複数の企業から内々定を受けた
    ままの状態になりがちです。
    一方、その求職者が実際に就職できるのは1社だけです。
    仮にその求職者が3社から内々定を受けていれば、最終的に2社は振られて
    しまうことになるのです。 
    以上をまとめると、ただでさえ企業間の人材獲得争いが激化していることに
    加え、人材の質へのこだわりが強まっているため優秀な求職者の獲得はこれまで
    以上に困難になっています。
    また、内定辞退のタイミングも先送りになりがちなので、内定が間近に迫った
    段階でも企業は安心できない状態なのです。 
    企業の人事担当者にとっては非常に厳しい状況ですが、この難局(人材採用難)
    を乗り切るための一つの取り組みとして内定者フォローがあります。
    以降では、内定辞退の理由や内定者フォローの具体的な取り組みについて紹介
    していきます。

  □応募者獲得のための取り組み 
   中小企業の中には、
    →会社説明会の案内を出しても予定通りに応募者が集まらない
    →参加している求職者の反応が鈍い(本気で就職したいのか分からない)
   といった問題が生じているところがあります。
   こうした問題が起こる理由の一つに、求職者の「大手志向」があります。 
   一般的に求職者(新卒の場合)は就職に際して「夢を実現できる企業」「楽しく
   働ける企業」を求める傾向があるといわれますが、一方で「安定志向」や
   「ブランド志向」も持っています。
   「夢を実現したいが、安定は重要」という考えは、一見、矛盾するように思い
   ますが、結論はシンプルで、求職者は「経営が安定し、ブランド力も高い大手
   企業で、自分の夢を実現させながら楽しく働きたい」と考えているのです(これは
   あくまでも一般的な例であり、当初から自分の進みたい業界、従事したい業種を
   現実的なレベルに落とし込んでイメージしている求職者もいます)。
   このように考えている求職者は、就職活動に際して、はじめに相手(企業)の
   規模や事業内容をイメージしやすい大手企業への就職を検討します。
   また、厳しい表現ですが、中小企業の会社説明会には就職活動の練習として参加
   することも少なくありません。 
   このような状況で、中堅・中小企業が多くの応募者を集めるためには、会社
   説明会の開催などといった従来からの取り組みだけではなく、
    →インターネットを使った求職情報の受付
    →就職情報サイトへの登録
   などにも取り組むことが重要となってきます。
   また、賃金などの労働条件を引き上げることも一つの方法です。
   同業他社よりも高い初任給を提示することは、求職者に対する大きなセールス
   ポイントとなります。

  □人事担当者の役割が重要となる

   1.内定者の人事担当者に対する強い信頼 
    中小企業が内定者(正確には内々定を受けた者。以下同様)フォローに取り
    組むうえで、非常に重要な役割を果たすのが人事担当者です。 
    内定者にとって、何度も顔を合わせ、緊張した場面でも笑顔で話しかけて
    くれた人事担当者は、最も身近で頼れる存在なのです。
    また、人事担当者に対する内定者の信頼は、企業が考えている以上に重要な
    ものです。
    人事担当者がカリスマ性のある魅力な人物であれば、内定者は人事担当者の
    魅力を企業の魅力に置き換えて意識し、就職の意思を強めるものです。
    逆に、人事担当者に魅力がない場合、ほかの企業の人事担当者に引き抜かれて
    しまう恐れもあります。
    実際、ほかの企業の優秀な人事担当者のアプローチによって内定者を引き
    抜かれてしまうケースは少なくありません。 
    今では、人事コンサルタントなどが内定者フォローのセミナーを開催している
    ので、そうした場に人事担当者を参加させることも検討するとよいでしょう。

   2.内定ブルーを見逃さない 
    人事担当者は定期的に内定者と連絡を取りながら、コミュニケーションを深めて
    いくことが重要です。
    その際の連絡手段は電話やメールなどを利用して、内定者が質問などをしやすい
    状況をつくり上げることがポイントです。
    企業の中には、懇親会開催の連絡をするためのWebサイトや内定者同士が
    コミュニケーションを取るためのブログを立ち上げているところもあります。 
    また、人事担当者が内定者とコミュニケーションを取る際に、特に留意
    しなければならないのが、いわゆる「内定ブルー」です。
    内定ブルーとは、結婚を控えたカップルに起こるマリッジブルーと似たような
    もので、内定者が
     →本当にこの企業に就職してよいものだろうか
     →私は社会人として、本当にやっていけるのだろうか
    などと考え、ふさぎ込んでしまう状態を示します。
    人事担当者は、内定者の内定ブルーをいち早く察知し、そのフォローを
    しなければなりません。 
    内定ブルーの代表的な兆候としては、
     →内々定前後で、声の大きさが大きく変わった
     →内々定前後で、服装が大きく変わった(ホワイトシャツからカラー
      シャツなど)
     →内々定前後で、髪型が大きく変わった(短髪から長髪など)
     →内々定後に、あまり目を合わせなくなった
     →内々定後に、連絡が途絶えがちになった
    などが挙げられます。 
    人事担当者は内定ブルーとなった内定者をフォローしなければなりませんが、
    基本は対面による面談です。
    内定ブルーの根底には「社会に出て働くことが不安」があるため、これを
    払しょくできるようにアプローチすることがポイントとなるのです。
    なお、内定ブルーへの対応というと難しく感じますが、要は新人から相談を
    受ける先輩従業員のようなイメージです。

  □内定者フォローの具体的な取り組み 
   内定者フォローの具体的な取り組みにはさまざまなものがあります。
   
   1.定期連絡
    ・実施時期:4月〜翌年3月(入社式まで) 
     人事担当者による定期的な連絡は内定者フォローの基本となります。
     内定者とのコミュニケーションを深めるだけではなく、内定ブルーを
     察知するうえでも非常に重要となります。

   2.社内報の送付
    ・実施時期:5月〜翌年3月(入社式まで) 
     社内報などの定期発行物を内定者に送付します。
     これによって企業の近況を内定者に伝えることができます。 
     企業の中には、社内報に内定者紹介コーナーを設け、そこに掲載す
     る自己PR文などの執筆を依頼しているところもあります。

   3.社内見学の実施
    ・実施時期:内定の前。
     内定者の夏期休暇中など 企業が内定者に伝える情報は、事業内
     容、業績、社風などを、内定者が理解しやすいように分かりやすく
     まとめたものです。
     一方、こうした情報と現実には少なからぬギャップがあります。
     文書になった事業内容は理解しても、それだけでは現場の状況はイ
     メージできないものなのです。 
     こうしたギャップを早期に解消するために、早い段階で社内見学な
     どを実施します。
     実際の現場を体感して初めて、内定者は自分が就職しようとしてい
     る企業の状況を理解することができます。

   4.懇親会の開催
    ・実施時期:社内見学の後で、内定の前。内定者の夏期休暇中など
     懇親会は内定者フォローとしては一般的な取り組みで、食事会など
     が開催されます。
     堅苦しい雰囲気のものではなく、雑談などしながら互いに親ぼくを
     深めることが狙いです。 
     企業からの懇親会への参加者は、人事担当者のほかに、内定者と年
     齢の近い若手従業員も参加して和やかな雰囲気をつくり出します。
     また、企業経営者が参加して「企業として内定者を歓迎している」
     という姿勢を示すことも重要ですが、企業経営者が参加すると、ど
     うしても緊張した場となってしまうので、しばらくした後、退席す
     るなどの配慮が必要かもしれません。 
     また、人事担当者は、懇親会の前に実施した「社内見学」の感想を
     内定者に聞いてみましょう。
     反応が鈍かったり、社内見学にあまり印象を抱いていないようであ
     れば内定ブルーかもしれません。
     慎重にフォローしていきましょう。

   5.課題の提出
    ・実施時期:内定の前。社内見学や懇親会とは別の月 
     内定者に近況報告やリポート(テーマは「1年、3年、5年後の私」
     など)といった課題を出し、提出してもらいます。
     課題に対する取り組み姿勢から、内定者の就職に対する意思の強さ
     を測ることができるでしょう。 
     また、内定者が複数の場合には(複数を採用する予定の場合に
     は)、グループで共同して課題に取り組んでもらうことも一策で
     す。
     何か一つのことを一緒に取り組むことによって内定者同士のコミュ
     ニケーションが深まるからです。
     人材紹介や人材派遣などを行うインテリジェンス(現パーソルキャ
     リア㈱)では、内定者を4〜5名のグループに分け、1人予算1万円
     で自己紹介ビデオを製作するといった課題を出しています。 
     なお、この段階の課題は比較的軽めのものとし、内定者にあまり負
     担がかからないように配慮するこが好ましいといえます。
     あまりに大変な課題では、内定者が臆してしまうことがあるからです。

   6.通信教育の実施
    ・実施時期:内定の後  
     内定後は、人材開発も視野に入れた内定者フォローを行います。
     その代表的な例が通信教育で、一般的なビジネスマナーやエクセル
     の基本操作などが学習テーマとなります。
     近年は、e-ラーニングによる入社前の通信教育を行う企業も増えて
     きています。

   7.入社前研修の実施
    ・実施時期:内定の後。内定者の学業に支障をきたさない時期 
     入社前研修は、内定者を集めて社会人としての心構えやビジネスマ
     ナーなどを教育するもので、1泊程度で実施する企業もあります。
     入社前研修の方針は企業によって異なります。
     勝手な飲食を禁止するなど厳しい規律の中で行われるもの、夜に人
     事担当者を交えた宴会を催すなど和気あいあいと行われるものなど
     があります。 
     いずれにしても、一定の時間、企業の定めたルールで行動してもら
     うことにより、内定者に社会人として働くことの自覚を持ってもら
     うことが主な狙いとなっています。
     また、入社前研修は基本的に全内定者が参加することになるため、
     ここで同期の結束も強まっていきます。

   8.福利厚生の利用
    ・実施時期:内定の後 内定者フォローの新たな取り組みとして注目
     を集めているのが「福利厚生の利用」です。
     これは、福利厚生代行の大手であるリロクラブが2006年1月〜3月
     にかけて「内定者倶楽部」の名称で提供したもので、リロクラブと
     提携している企業の内定者が、宿泊施設の利用などといった福利厚
     生サービスを利用することができるサービスです(費用は企業が支
     払う)。
     リロクラブにヒアリングした結果、「内定者福利厚生倶楽部」に対する反響
     は大きく、現在では契約社数10800社、会員数690万となっています。

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中途採用者の面接

中途採用者の面接

  ■面接時のチェックポイントを確認
   1.概要
    ここでは中小企業が中途採用を通じて、即戦力として期待できる人材を採用
    する際に、面接においてチェックすべき基本的なポイントを紹介します。

   2.中途採用者に求める人材像と評価基準 
    面接を含む採用活動には採用担当者をはじめ、所属部署の責任者、最終面接を
    行う社長や役員など複数の人が関わるのが一般的である。
    また、求める人材によって採用活動の方法なども異なる。
    従って、採用活動の実施に当たっては、最初に中途採用者に求める人材像や、
    そのために必要となる評価基準を明確にするとともに、関係者間の認識を統一
     しておかなければならない。 
     中途採用者の基本的な評価要素および評価基準は下表の通りである

    【中途採用者の基本的な評価要素および評価基準】

     評価要素           主な評価基準
      基礎能力      コミュニケーション力、判断力、理解力、指導力など  
      知識・経験     資格、専門知識、特殊技術、実務経験 
      熱意       モチベーション
      性格       向上心、責任感、積極性、協調性

    評価要素は、社会人として不可欠な「基礎能力」、即戦力として活躍する
    ために期待される「知識・経験」、入社後の仕事に取り組む姿勢などに影響を
    与える「熱意」や「性格」の4つとなる。
    これら4つの評価要素に関する評価基準や、その重要度などは、各企業ごと、
    あるいは募集職種によって異なるため、これらの点については採用活動の都度、
    検討する必要がある。

   3.面接におけるチェックポイント
    面接では、事前に検討した評価基準に従って応募者を評価することが基本と
    なる。
    ただし、書類審査や試験など応募者を評価する方法はいくつかあるが、直接、
    応募者から話を聞くことができる機会は面接だけとなる。
    そのため、面接では、応募者と面談しなければ評価できない点、評価しにくい
    点を中心に確認する必要がある。 
    そうした点でいえば、面接において特に注意して確認しておく必要があるのは
     ・職務経歴書の記載内容の事実確認
     ・熱意の有無
     ・社風と応募者の人柄とのマッチング
    という3点になるだろう。

    (1)職務経歴書の記載内容の事実確認 
      履歴書や職務経歴書には、自分をよくみせるような過大な表現や
      紛らわしい表現で実績やスキルなどが記載されていることがある。
      そのため、特に職務経歴書については、記載内容を鵜呑みにせずに、
      その内容を面接で確認しなければならない。

    (2)熱意の有無 
      入社後も高いモチベーションを維持し、長く会社に貢献してくれる人材
      を選ぶ上では、会社に対する思い入れや、募集職種に対する熱意の有無
      が大切となる。
      しかし、実際には、すべての応募者が必ずしも思い入れや熱意を持って
      いるわけではない。
      会社としては、こうした応募者の中から本当に熱意を持った人材を探し
      出す必要がある。

    (3)社風と応募者の人柄とのマッチング 
      採用した人材が早期退職に至ることなく存分に実力を発揮するためには、
      人間関係を含めて社風や所属部署の雰囲気などになじむことのできる人柄
      でなければならない。
      人柄については、直接話をしなければ評価しにくい点が多いため、
      面接では大切なチェックポイントとなる。 
      また、これら3点を適切に評価するためには面接だけではなく採用活動全
      体を通じて、
       応募者の本当の姿を知る
      ように心がける必要がある。
      面接という特殊な場のコミュニケーションだけでは、応募者の本当の姿
      を知ることは難しいため、常にこうした意識を持ちながら、応募者と
      接することが重要である。 
      以降では、面接における3つのポイントをチェックする方法や留意点を
      紹介した後に、応募者の本当の姿を知る上で効果的な面接手法などを
      みていく。

  □3つのポイントをチェックする
   1.「職務経歴書の記載内容」のチェック方法
    職務経歴書については、記載されている内容を一通り確認する必要はあるが、
    過大な表現や紛らわしい表現が含まれやすい実績やスキルに関しては、特に
    注意して確認しなければならない。
    その際には、
     ・数字など、客観的かつ具体的な内容
     ・成功談や失敗談などのエピソード
    を聞くとよいだろう。 
    実績やスキルの基本的なチェック方法は数字で回答してもらうことである。
    数字であれば曖昧な回答はできないし、会社も客観的に評価できる。
    例えば、「営業所内で営業成績トップ」という記載であれば、「トップを
    取った回数」「販売件数および金額」「営業所の規模(営業担当者の数)」
    などの質問をするとよい。 
    また、「新規事業の企画・立ち上げに参加し、事業育成に貢献した」など、
    数字でチェックすることが難しい場合には、例えば「リーダーを務めていた
    かなど、チーム内での担当業務とその地位」「担当業務における具体的な成果」
    など、具体的な回答を求める質問をするとよい。 
    そうした質問に加えて、成功談、失敗談や困った出来事、印象的な出来事など、
    当時のエピソードを聞いてみるのも参考になる。
    通常、エピソードは自分の視点から語られる。
    例えば、「プロジェクトチームに参加したが、チームワークが悪かった」と
    いうことであれば、リーダーであった人は「メンバーの融和を図り、
    プロジェクトを予定通りに進めるために苦労した」というリーダーとしての
    視点からの話になるが、1メンバーであった人は「仲の良くないメンバーが
    いて雰囲気が悪くて大変だった」というような個人的な話になってしまう
    ことが多いものである。
    そのため、エピソードを聞くことで、応募者の本当の立場や担当業務などを
    知るための手掛かりを得ることができる。

   2.「熱意の有無」のチェック方法 
    会社に対する思い入れや、募集職種に対する熱意の有無は、志望動機、
    入社後の目標、応募者本人のキャリアに対する目標やビジョンなどを聞く
    ことによってチェックすることが一般的であろう。
    これらの質問の中では、特に「入社後にしたいこと」や「入社後の目標」に
    対する回答に注目するとよい。
    ただし、これらは面接では頻繁に出てくる質問なので、応募者は自分なりの
    回答を事前に準備している。
    そのため、ただ質問するだけでは熱意の有無をチェックすることはできない。
    熱意をチェックする上で大切なのは、具体性のある回答ができる質問を
    することである。 
    一口に「面接に対する事前準備」といっても、熱意の有無によって、事前準備
    の内容や質はまったく異なる。
    熱意のある応募者であれば、インターネットなどを利用しながら経営方針や
    主な取り扱い商品といった会社のことだけでなく、競合他社・業界のことを
    調べたり、そうした情報をもとに「入社したら、こんなことをしてみたい」
    「この分野では、自分の経験を生かして会社に貢献できるのではないか」
    といったことなどを、時間をかけて真剣に考えるものである。
    一方、熱意がない応募者は、熱意のある応募者ほど事前準備に時間も
    かけないし、深くも考えない。 
    こうした点を確認するには、「弊社の主力商品を知っていますか」「弊社の
    属する業界の動向について知っていることを教えてください」といった質問を
    するのも悪くはない。
    なぜなら「入社後にしたいこと」や「入社後の目標」に具体的に回答する
    ためには、主力商品や業界動向をはじめ、さまざまな点を勘案しなければ
    ならない。
    従って、事前準備の内容や質、すなわち熱意の有無が最も顕著にあらわれる
    のは、前述の質問に対する回答なのである。 
    もし、「御社に貢献できるようにがんばりたい」といった具体性に乏しい
    回答が返ってきた場合、「では、具体的にどのように仕事を進めていこうと
    考えていますか」といった、より具体的な回答を求めるような質問をすると
    よいだろう。
    熱意のある応募者であればそうした質問にもスムーズに回答できるものだ。
    また、仮にスムーズに回答できなくても、調べた情報などを基に、その場で
    具体性のある回答をするだろう。
    なお、ここでは回答の有効性・妥当性を考慮する必要はあまりない。
    いくら熱意を持っていても、入社前に入手できる情報には限りがあるため、
    勘違いや事実誤認があったり、有効性・妥当性に欠ける回答となることは
    やむを得ない。
    大切なことは、応募者が自社に入社したいという熱意があるか、面接に
    当たっての事前準備をきちんと行って面接に臨んだかを知ることである。

   3.「社風と応募者の人柄とのマッチング」のチェック方法
    人柄のチェックには、性格・適性検査などを利用している会社もあるだろうが、
    ここでは面接を通じて人柄を評価する際のポイントを紹介する。会社や所属
    部門などにフィットした人柄をチェックする際には、「会社・職場・職種
    などの方針に対する納得度・共感度をみる」「応募者の人柄を探る」という
    2点に注意するとよいだろう。
    また、人柄に対する評価は、評価する人によって分かれやすいので
    「応募者の人柄を多面的に評価する」という点にも気をつける必要がある。

   (1)会社・職場・職種などの方針などに対する納得度・共感度をみる 
     面接では、会社や職場の方針や目標、入社後の具体的な業務内容や
     育成方針、入社後のキャリアパスなど、求人情報に掲載していない
     詳細な情報について説明することになるだろう。 応募者からする
     と、これらの情報は面接で初めて聞くので、素の反応が目や口元な
     ど表情に表れやすい。
     「私が考えていた通りでした」といった肯定的な言葉を口にした応
     募者であっても、本心では納得度や共感度の低い場合は、戸惑って
     いる様子が見てとれるだろう。

   (2)応募者の人柄を探る 
     人柄を知るためには、後述する面接手法の活用を検討してもよい
     が、応募者の回答について「なぜ、そのような回答をしたのか」と
     いう理由を聞くことも大切だろう。
     例えば、仕事上の印象的なエピソードを聞く場合であれば、エピソ
     ードを聞いた後に「なぜ、そのエピソードが印象に残っているので
     すか」といった質問をするのである。
     この「なぜ」に対する回答には、応募者の考え方や価値基準などが
     表れる。
     例えば、「トラブルに対処するため、部署全員で徹夜で作業した」
     という経験を印象に残っているエピソードとして挙げたとしよう。
     同じエピソードでも、それを選ぶ理由は人それぞれで、「休憩する
     暇もなく、夜通しの作業でとにかく大変だったから」と辛さを強調
     した若干後ろ向きな印象を受ける回答をする人もいるだろうし、
     「苦労をともにしたことで、部署の結束が一層強くなったから」
     と、辛かったことでも前向きに考える人もいるものである。 
     こうした回答から、応募者の人柄を知ることができるだろう。

   (3)応募者の人柄を多面的に評価する 
     人柄に対する評価は、評価する人によって異なることが多い。
     また、会社に合う人柄かどうかを判断するためには、募集職種の特
     色、会社の風土や所属部署の雰囲気、あるいは配属先の上司の人柄
     (上司との相性など)といった点も考慮する必要がある。
     こうした点を勘案すると、人柄を評価する際には、面接には複数の
     人が同席し、多面的に評価することが望ましい。
     特に、配属予定先の上司には、必ず一度は面接に同席してもらうよ
     うにしたい。
     配属予定先の上司は、採用した場合にはその応募者と最も接する機
     会の多い人であり、部署の雰囲気も肌で知っている人である。
     そうした人に、実際に応募者に会ってもらい人柄を評価してもらう
     ことは、会社や所属部署に合った人材を選ぶ上では大切となる。 
     

  □応募者の本当の姿
   1.面接手法の活用を検討 
    面接において応募者の本当の姿をより深く知るためには、「面接手法」と
    呼ばれるテクニックを試してみるのも一案である。
    面接手法として最も有名なものの一つに圧迫面接がある。
    圧迫面接とは、「あなたのような考え方の人は、弊社には向いていませんね」
   「今の話の内容、意味が全然わかりませんね」といったような意地悪な質問、
    相手を怒らせるような質問をして、理性的な回答をしにくい状況を作り出し、
    応募者の素の反応をみるという手法である。 
    ただし、応募者の立場からいえば、圧迫面接は非常に不愉快なものである。
    そのため、会社に対して失望感を抱かせ、いざ採用しようと思ったら入社を
    断られてしまうといったリスクも潜んでいるので、圧迫面接を実施する際
    には注意する必要がある。 
    また、最近では行動面接という手法が用いられることもある。
    行動面接とは、過去の経験などについて「どのような状況で」「何を担当し」
    「どのように行動し」「どのような結果を導いたか」ということを聞き、
    応募者の行動や思考などの特性(コンピテンシー)を評価する手法である。
    例えば、「今までで最も苦労した業務は何でしたか」といった質問をし、
    「5年前に参加したプロジェクト」と回答したら、「そのプロジェクトでは
    何を担当しましたか」「どのような点に苦労したのですか」「その問題を
    解決するために何をしましたか」といったように、当時の行動や思考などを
    詳細に聞き出し、そこから応募者の特性を評価するのである。 
    特に、大手企業では、募集する職種などに適した人材の行動・態度・判断
    基準といった特性を事前に明確にした上で、行動面接を行う場合もある
    (コンピテンシー面接)。
    こうした面接は、中小企業が独力で行うには難しい点もあるが、応募者の
    本当の姿を知る上では効果的な面接方法の一つといえるだろう。

   2.「雑談」に本当の姿が現れる 
    面接以外の雑談などには、応募者の本当の姿が現れやすいので、そうした
    場面での応募者の様子についても注意深くみる必要がある。
    特に、面接終了後の応募者の様子に注目することが大切になる。
    もちろん、応募者は「会社の人と会っている間は、すべてが評価対象とされて
    いる」ということを認識している。
    しかし、数十分にもわたる面接は、応募者にかなりの緊張を強いる。
    その反動もあり、面接官が手元の資料を閉じ、笑顔をみせながら「ありがとう
    ございました。今日の面接はこれで終了です」というと、応募者の緊張も
    解けて本当の姿を現しやすくなる。 
    「面接中はおとなしかったのに、終了後は積極的に雑談に応じる人」や
    「『うかがい忘れたのですが』といって、給与額、残業の有無や有給休暇の
    消化状況、自己啓発への支援の有無といった、自分の就業環境に関して
    事細かに質問する人」など、面接中には気が付かなかった応募者の本当の姿
    を垣間みることができる場合がある。 
    採用に関して、「採用してみたら、実は希望する人材とは違っていた」
    といった苦い経験をしたことのある会社は少なくないだろう。
    こうした失敗は、採用する会社にとってはもちろん、採用された応募者に
    とっても決してよい結果とはならない。
    従って、採用活動においては、「会社・応募者ともによい結果につながる
    採用活動を行う」という意識を持つことが最も大切といえるだろう。

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採用計画の立て方(面接・面談から採用までの流れ) 


  求職者は、就職先として検討している企業のさまざまな情報を収集して比較します。

  最も比較されやすいのは、知名度や賃金などですが、働くことに“夢”を持っている若
  手の中には、「ビジョン」や「働きやすさ」を最重要視する人がいます。

  求職者は、例えば、企業経営者のビジョン、従業員に対する姿勢などに共感した
  時に「この企業で働きたい」と感じるものです。

  そのため、社内の雰囲気を撮影した写真、既存従業員の新人時代の体験記などを
  紹介すると、求職者はその企業に親近感を持ちやすくなります。

  また、働きやすい社風といった形のないものは、従業員数が少ない中小企業が訴え
  たほうが臨場感があり、求職者に伝わりやすい面があります。

  この点が採用活動において中小企業が大企業に勝ることができる一つのポイント
  といえます。

  ■採用計画

   従業員の採用の捉え方には2通りあります。

    (1) 既存業務に対する人的資源の補充

    (2) 新規ビジネス獲得のための人的投資

   しかし、人的資源の補充も、新規ビジネス開拓の時間を創り出すための手段であるため、
   サービスの拡大や充実等を目的とした営業に対する投資であることは共通しています。

   但し、こうした「投資」であるとの認識を持つか否かは、その後の人材の育成、活用に
   大きな差となって表れます。

   従業員の採用は「投資」です。

   投資である以上、回収(サービスの拡大充実を通した収入の増大)を目的とすべき
   です。

   その目的に沿って人材を有効に活用出来る体制を整えます。

   営業会社であれば、人材に負うところが非常に大きいため、従業員の採用・育成には
   充分な配慮が必要です。

   さらに、求める業務分野に精通した人材の採用となれば困難を極めることになります。

   採用後は、一定の育成期間を経て戦力とすることを前提とした採用計画を策定すべき
   です。

   従業員の採用は顧客満足の向上・充実が目的であり、以下のような点に留意します。

   くれぐれも顧客サービスが低下してしまった、と言う事態を招くことのないように注意し
   ます。

    ・初期教育を必ず行う

    ・常に育成を心掛ける

    ・知識・技術・情報を必ず従業員間で共有化する

    ・トップの経営方針が従業員に充分に伝わり、また共有化されている

   従業員を増員する場合、新入社員に仕事を委譲し、中堅社員には新たな仕事を担わ
   せる仕組みを組織内に作り上げることも組織の活性化、効率化には有効です。

   少子化の進行による労働力人口の減少や経済環境の悪化など、どの時代にあっても、
   中小企業における人材獲得は厳しいものがあります。   

   従業員を募集しても、応募者が少ない、よい人が来ないなど、なかなかうまくいかない
   ことが多くあります。

   応募自体が少ない理由には次のようなものがあげられます。

    ①応募しようにも何の会社だかわからない

    ②給料が安い

    ③保険がない、または加入できるかわからない

    ④時間が厳しい、合わない

    ⑤応募条件が厳しい(年齢、経験、資格)

    ⑥時期が悪い(大手と重なった、お盆、GW、年末年始)

    ⑦募集の方法を間違えた(主婦を狙ったのにハローワークで募集など)

   給料や時間などは調整のしようがないでしょうが、少なくとも①のようなことが無いよ
   うにしなければなりません。

   募集要項や、自社HPなどを工夫して応募者にわかってもらう努力は必要でしょう。

   しかし、採用不調の要因を環境や条件のせいばかりにしてはいられません。

   大企業のように、最初から優秀な人材を求めるのではなく、採用後の育成・教育によっ
   自社の求める人材に育てていくべきでしょう。

   中小企業の採用や育成に見られる感情論、精神論に偏ったやり方を見直すべきです。

   採用後の教育体制づくりは中小企業にとって緊急課題です。

   しかし、社内の教育体制は今問題を抱えています。

   それは中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

   この問題を解決しなければ、教育制度の内製化は不可能です。

   
   採用計画の立て方は採用から育成・教育までのプロセスを標準化させることです。

   プロセスの標準化の有無で、人材は“人罪”にも“人財”にもなるのです。

   せっかく採用した人材を生かすも殺すもトップの責任なのです。

   そのためにも、自社独自の仕組みをを講じなければなりません。

   ここでは、限られた採用枠の人材を人財にしていくために、面接・面談から採用までの
   流れ(採用計画)について見ていきましょう。 

   採用計画の立て方(人材採用の基本プロセス)

    1.人材採用の目的

    2.採用計画を立てる

    3.面接の準備と評価項目

    4.面談の実施 〜 採用可否の決定

    5.採用時における必要事項・書類

 

  1.人材採用の目的 


  採用に際しては、「何のためにどのような人材を採用するのか」といった採用の目的を
  明確
にすることがスタートとなります。

   □今回募集する役職、職種、業務内容、部門(内務専任スタッフ、企画、総務、管理
    職等)は明確になっているか

   □なぜ、そのポジションに人材が必要なのか

   □どんなタイプの人材がふさわしいのか

 

  2.採用計画を立てる 


  採用の目的が明確になったら、具体的な募集活動を始めるための採用計画書を立てま
  しょう。

  どんな人材が必要なのか、具体的なアウトラインを描きます。

  採用計画を立てるには、以下の項目が基本となります。

  次ステップの採用ルートの決定までを含め、各項目について内容が決定したら、計画
  シートにまとめます。

  紙に落とすことで、求める人材がより明確になるはずです。 

   □採用計画策定における8つの基本項目

    ・営業・内務など何を強化するか

    ・何名採用するか

    ・いつまでに必要か

    ・採用する人材にどんな能力を求めるか

    ・雇用か派遣か、パートかフルタイムか

    ・給与・待遇はどのようにするか

    ・募集コストをどれだけかけるか

    ・採用ルート・採用方法はどうするか

 

  3.面接(評価項目と準備) 


  ■面接の目的

   採用面接では、応募者の人物評価を行ない、職務への適否を判断し、募集者に「入社し
   たい」という気持ちを固めさせるといった点が大切です。

   とくに、応募者が少ない場合、入社させるよう動機づけをして「何としてもこの会社に
   入社したい」という気持ちにさせる必要があります。

   そのためには、社長自身が会社の将来のビジョンを語り、自社の他社にない特長を応募
   者にアピールし、応募者に自社を好きにさせる期待を込めた言葉を贈ることがポイント
   になります。 

   このように、面接は単に会社側が応募者の資質について評定するだけの場ではなく、
   会社と応募者の相互選択の場でもあるのです。

   このことを理解していないと、企業側の一方的なアプローチになり、結果として応募者が
   自身のイメージに合わない会社と判断してしまう可能性があります。

   面接者は、応募者の応募動機や、自身が人生において実現したいこと、会社に期待
   することば何なのかを質問しながら十分理解し、この会社に入るとそれらがどのように
   具現できるのかを丁寧に説明していく必要があります。

   面接では、担当する面接者の個人の価値判断や好み等、主観がつきものです。

   確かに採用する際には、いわゆる「会社との相性」が大きなポイントにはありますが、
   客観的な評価項目も設ける必要があります。

   評価項目は求める職務ごとに、重視する評価項目を挙げ、「面談内容確認シート」を
   作成します。

   これを基に面接を実施することによって、面接者の主観だけに頼らない評価を行うこ
   とが可能となります。

   面接を行う場所は、事務所内の会議室や応接室が一般的です。

   この時注意したいのが、応募者のプライバシーを守ることです。

   面接中は、面接者以外の従業員の出入りをしないよう注意しましょう。

   面接者は複数で行うことをお勧めします。

   応募者をリラックスさせるためにも、大人数での面接は避けるべきですが、複数の目に
    よる評価が可能となり、結果的に採用基準のぶれをなくすことに有効です。

   必要に応じ求める職務の現従業員を交えることにより、評価の幅を広げるとともに現従
   業員の納得感を生み出すことにもつながります。

   短時間で応募者の能力を見極めることは簡単ではありません。

   限られた時間の中で聞きたいポイントが聞けなかったということがないように、面談内容
   確認シートの内容をしっかりと事前に確認しておきます。

   これに応募者の答えを書き込み、面接時の態度や表情も記入します。

   面接での注意点は、応募者の本籍や家族の職業など、差別に繋がることや、宗教や支
   持政党など個人の人権に関わるようなこと、プライバシーに関することは質問してはい
   けません。

  □面接時のポイント

    ・面談前に再度採用計画を基に、何のために、どんな人を採用したいのか明確にし
     ておきましょう。 

    ・応募者のプライバシーが守れる面談場所が大前提ですが、自社への理解を深め
     てもらうためにも自社で行うのが望ましいでしょう。

    ・面談時間は長くても1時間程度としましょう。

    ・面接は常に笑顔を心がけましょう。面接は応募者に自分の会社を売込む作業でも
     あります。

     応募者は顧客であることを忘れずに。

    ・いきなり難しい質問はせず、面接者自身から名乗り、わざわざ来社してくれた応募
     者に感謝の意を述べましょう。

    ・面接での質問・アンケートは、応募者の回答が「ハイ/イイエ」で終わらない質問
     にしましょう。

    ・「今までに上げた成果」等を聞く際には、「具体的にどのような行動をしたのか」、
     「なぜそのように行動したのか」「何が問題で、どう解決したのか」など一歩踏
     み込んだ形の質問をしましょう。
  
  ■中途採用者の募集と面接

   多くの中小企業は毎年の新卒採用は行っていません。

   中小企業では、毎年新しい人材が必要になるほどの大量の退職者が生じたり、新規業
   務が生じるわけではないからです。

   その代わり、中小企業は業務拡大や欠員発生など人材拡充の必要が生じる都度、
   中途採用で即戦力を確保しています。

   中途採用にはメリットとデメリットがありますが、中小企業にとって、中途採用は重要な
   取り組みです。

  □中途採用のメリット・デメリット

   ・中途採用者は、ある程度ビジネスパーソンとしての経験を有しており、即戦力として
    期待できる。
    業界経験者ともなれば、即戦力としての期待も高まる。

   ・インターネットの就職情報サイトや人材紹介会社への登録者(求職者)が多く、新
    卒採用に比べて応募者を集めやすい。

   ・ある程度のキャリアを持ち、自分のやり方に自信を持っている中途採用者に、企
    業のやり方を一から教えるのは困難なことがある。

   ・中途採用者を新卒と同じように処遇することは難しいため、賃金などの労働条件を
    ある程度、厚遇しなければならない。

  □募集方法

   中途採用に限ったことではありませんが、中小企業が採用活動を実施する上で非常に
   重要となるのは、「多くの応募者を集め、能力を的確に判断する」ことです。

   「応募者は絞り込んだほうが効率的」と言う人もいますが、もともとの応募者数が少な
   く、いざという時には初回から経営者による面接ができるなど、柔軟性のある採用活動が
   できる中小企業は、さまざまな募集方法を活用して一人でも多くの応募者を集め、
   優秀な人材と出会うチャンスを広げます。
   
  □主な募集方法と特徴

    ・求人情報サイト(転職サイト)
     人材の募集方法の中心で、中途採用のための「転職サイト」も多数存在する。

    ・人材紹介サービス
     人材紹介会社が企業のニーズを考慮した人材を紹介してくれる「有料人材紹介」
     サービス。

    ・ハローワーク
     日本最大の求職・求人情報を有している。

    ・トライアル雇用事業
     企業がハローワークから紹介された対象労働者を試行的に雇用し、その後に正式
     雇用の有無を決定できる制度で助成金制度もある。

    ・紹介予定派遣
     企業が派遣労働者として受け入れ、その派遣期間(最長6カ月)の終了後に、正
     式に雇用するかを決定する仕組み。

    ・求人情報誌や新聞広告
     求人情報誌や新聞広告に求人案内を掲載する従来からの方法で、近年はフリーペ
     ーパーの利用が増えてきている。

    ・合同会社説明会
     同規模・同業種などの企業が集まって行う会社説明会。対面でコミュニケーション
     が取れる。

   現在の雇用情勢をみると、求職者にとっては依然として厳しい状況が続いており、
   わずかな採用枠に応募者が殺到するケースもみられる反面、小規模企業では募集した
   が応募者が集まらないといったことも少なくないことも事実です。

   しかし、全体的には会社側からみるとこうした状況は、優秀で即戦力となる人材など、
   期待する人材を獲得しやすい状況であるといえるでしょう。

   多数の応募者がいても、会社がしっかりと人材を評価する目を持たなければ必要な人を
   選考することはできません。

  □募集条件

   応募者を募集する際の条件は、中途採用の目的によって異なります。

   例えば、中途採用の目的が「即戦力の獲得」の場合、中堅・中小企業が求める能力水準
   を明らかにして、それを具体的な募集条件として示します。

   例えば、「○○業界で営業経験3年以上」「経理職で実務経験3年以上」「○○の有資格
   者」などとなります。

   この条件を満たさない人材は原則として採用の対象外となります。
 
   一方、中途採用の目的が人材不足への対応(労働力不足の解消)が目的の場合は、
   とにかく早期に人材を獲得することなので、即戦力の獲得を目指すときよりも募集条件を
   引き下げるとよいでしょう。

   また、必要に応じてパートや派遣など、非正規雇用も検討するようにするとよいでし
   ょう。

   なお、募集条件として提示する賃金などの労働条件は慎重に決定しなればなりません。

   例えば、履歴書などから判断してある程度の能力を有する応募者でも、その人材が
   自社で活躍できるとは限らないので、初めから賃金をそれほど高額にすることはでき
   ません。

   一方、勤続年数などに連動する年功主義の賃金制度を導入している場合は、中途採
   用者の初任給が年齢や能力に照らして低くなる場合もあります。

   能力と賃金のバランスを取りながら労働条件を決定することが重要ですが、賃金を募集
   条件として明示することが難しい場合は、例えば「月給25万円以上で、経験を優遇」
   「賃金支給額などは応相談」などと記載するとよいでしょう。

  □中途採用者に求める人材像と評価基準

   面接を含む採用活動には採用担当者をはじめ、所属部署の責任者、最終面接を行う
   社長や役員など複数の人が関わるのが一般的です。

   また、求める人材によって採用活動の方法なども異なります。

   従って、採用活動の実施に当たっては、最初に中途採用者に求める人材像や、その
   ために必要となる評価基準を明確にするとともに、関係者間の認識を統一しておかなけ
   ればなりません。
 
   中途採用者の基本的な評価要素および評価基準は、

    ・基礎能力:コミュニケーション力、判断力、理解力、指導力など

    ・知識・経験:資格、専門知識、特殊技術、実務経験

    ・熱意:モチベーション

    ・性格:向上心、責任感、積極性、協調性

  □面接

   面接前の書類審査(履歴書や職務経歴書などの確認)で不採用にする応募者もいるかも
   しれませんが、実際に会って話をしてみないと分からないことのほうが多いものです。

   中小企業の場合は、できれば一度は面接のチャンスを与えてみるほうがよいでしょう。

   面接では、

    ・実務経験:具体的な実績と入社後の生かし方など

    ・就業姿勢:転職理由、志望理由、独立願望など

   などを確認します。
 
   また、応募者が担当する予定の業務に従事している社員を面接官に加えると、応募者
   の能力と担当する業務のミスマッチが生じにくくなります。

   なお、面接時の応募者の言動を確認することは非常に重要であるものの、

    ・礼儀正しく活発なので、きっと仕事ができるだろう

    ・話が上手ではないので、能力が低いのではないか

   などの先入観を持つことは好ましくないことです。
 
   そのほか、面接で確認するとよい主な事項は

    1.経歴

     応募者の経歴は、職務経歴書で事前に一通り確認することができます。
     中でも重視するとよいのが、その職務に従事していた期間です。
     従事した期間が長いほど、職務に精通していると考えられます。

     数カ月しか従事していないにもかかわらず、「○○ができます」という応募者がいま
     すが、その場合は、たずさわっていた業務の具体的な内容を面接で確認するよう
     にしましょう。

    2.筆記試験

     中小企業でも、筆記試験の一環として作文を取り入れているところが多くあります。

     作文という課題に対して、応募者は、

      ・どのような結論にしようか?

      ・自分の考えを、限られた時間で簡潔にまとめなければならない

      ・誤字や脱字に注意しなければならない

     など、さまざまなことを考えなければなりません。

     最終的に作文という課題にどのように取り組むかによって、履歴書からは分から
     ない応募者の論理的思考力・分析力・集中力・注意力、そしてやる気などを知るこ
     とができます。

    3.保有資格

     何らかの資格を取得している場合、その応募者が一定の能力、持続力、勤勉さを

     備えていると考えられるので一定の評価ができます。

     また、面接の場では、その資格をどのように活用しているのかを確認することも大
     切です。

     「数年前に試験に合格したきり使っていない」といった単なる資格保有者の場合、
     その資格に関する知識はあまり期待できません。

    4.学歴

     学歴も応募者の能力を判断する一つの基準です。

     「高学歴イコール高スキル」というわけではありませんが、基礎学力を持っている
     ことは重要です。

     また、高レベルな学校に入学するために継続して勉強したのであれば、その点は
     評価できます。

  □面接におけるチェックポイント

   面接では、事前に検討した評価基準に従って応募者を評価することが基本となるが、
   書類審査や試験など応募者を評価する方法はいくつかあるが、直接、応募者から話を聞
   くことができる機会は面接だけとなります。

   そのため、面接では、応募者と面談しなければ評価できない点、評価しにくい点を中心に
   確認する必要があります。

  □面接において特に注意して確認しておくこと

   1.職務経歴書の記載内容の事実確認

     履歴書や職務経歴書には、自分をよくみせるような過大な表現や紛らわしい表現
     で実績やスキルなどが記載されていることがあるので、特に職務経歴書について
     は、記載内容を鵜呑みにせずに、その内容を面接で確認します。

      (1)期待する職種経験・実務経験があるか

      (2)どのような役割や職務に従事したのか

      (3)実績などを数値(金額・件数など)で確認したか

      (4)担当業務の内容を具体的に把握したか

      (5)得意(不得意)な業務は何か

   2.熱意の有無

     入社後も高いモチベーションを維持し、長く会社に貢献してくれる人材を選ぶ上で

     は、会社に対する思い入れや、募集職種に対する熱意の有無が大切となるが、
     実際には、すべての応募者が必ずしも思い入れや熱意を持っているわけではあり
     ません。

     会社としては、こうした応募者の中から本当に熱意を持った人材を探し出す必要が
     あるのです。

      (1)志望動機は具体的か

      (2)入社後の目標や入社後にしたいことは具体的か

      (3)自分のキャリアにおける目標やビジョンは明確か

      (4)商品やサービス、経営方針など、自社について理解しているか

      (5)競合他社や業界動向について理解しているか

    3.社風と応募者の人柄とのマッチング

     採用した人材が早期退職に至ることなく存分に実力を発揮するためには、人間関

     係を含めて社風や所属部署の雰囲気などになじむことのできる人柄でなければな
     りません。

     人柄については、直接話をしなければ評価しにくい点が多いため、面接では大切
     なチェックポイントとなります。

      (1)性格や考え方は会社・職場・職種(以下「自社など」)に適しているか

      (2)服装や話し方など全般的雰囲気は自社などに適しているか

      (3)自社などの方針に対して納得し、共感しているか

      (4)職種の業務内容に対して納得しているか

     これら3点を適切に評価するためには面接だけではなく採用活動全体を通じて、
     応募者の本当の姿を知るように心がける必要があります。

     面接という特殊な場のコミュニケーションだけでは、応募者の本当の姿を知ること
     は難しいため、常にこうした意識を持ちながら、応募者と接することが重要です。

     採用に関して、「採用してみたら、実は希望する人材とは違っていた」といった苦い
     経験をしたことのある会社は少なくないでしょう。

     こうした失敗は、採用する会社にとってはもちろん、採用された応募者にとっても
     決してよい結果とはならない。

     従って、採用活動においては、「会社・応募者ともによい結果につながる採用活動
     を行う」という意識を持つことが最も大切といえるでしょう。

     中小企業の場合、定期的に新卒者を採用している、というところは少ないで
     しょう。

     多くの会社では、事業の新規展開を行うときや、欠員が出た場合の補充として、
     即戦力として期待できる中途採用者を求めることになります。
 
     また、新聞の募集広告欄や転職情報誌をみると、中途採用のマーケットは確実に
     拡大しており、人事戦略の一環として積極的に中途採用を行う会社も多くなって
     います。

     それと同時に、転職に対するイメージも大きく変わってきていて、特に若い世代に
     とっては定年までひとつの会社に勤めるということが、あまり価値をもたなくなっ
     てきているのも事実です。

     世間的に評価の高い大企業に就職しても、あっさりと転職してしまう若い社員も
     少なくないようです。

     中小企業にとって、有能な人材を獲得するチャンスがやってきたといえるかもしれ
     ません。

     新卒者であれば、実務経験がゼロの状態から自社で教育していくことになります
     が、中途採用者の場合、面接の際に、前職でのキャリアをすばやく見抜き、自社が
     求めている人材かどうかを判定しなければなりません。

     たとえば、どんな業種のどんな職種で何年働いていて、どのような専門能力をもっ
     ているのか、また前職場ではどの程度貢献していたのか、といったことをできる
     だけ具体的に把握しなければなりません。

     もちろん、応募者のほうも前職での経験から、自分にどんな専門能力があって、
     どんな仕事ができるのか、といったことは、ある程度わかっているはずです。

     しかし、短い面接時間のなかで、応募者のキャリアをうまく引き出さなくてはなりま
     せん。

     「氏名、生年月日」「退職の理由」「志望動機」「前職の職務内容」「即戦力となる
     実務能力」「第一印象その他」などの項目が記載された面接シートを準備しておき
     ましょう。

     そして、中途採用者を即戦力として活用するためには実践的育成が欠かせません。

     

  4.面接・面談の実施 〜 採用可否の決定 

   
  ●採用面接の基本

   面接試験のおもな目的は応募者と直接に話をすることで、共に働く人材としてふさわ
   しいかどうかを見極めることです。

   履歴書や職務経歴書の記載事項の確認ではなく、その真意を聞くことが大切です。

   そのためにはたんに「イエス・ノー」で答えられる質問ではなく、「なぜそのように思う
   のか」、「目標達成のためにどのような行動をとったのか」など掘り下げて質問すること
   が必要です。

   また、面接試験を応募者の側からみると、会社の考え方や実態などを直接確認する
   ための最後の機会と捉えることができます。

   聞かれた質問には誠意をもって真実を答えるようにしましょう。

   どの企業にも強み・弱みはあります。

   弱みについて質問を受けた際にはそれを認め、今後どのように改善しようとしている
   かといった姿勢を示すことも大切です。
 
   面接は、たんに会社側が応募者の資質について評価するだけの場ではなく、会社と
   応募者の相互理解の場でもあります。

   このため最終面接についてはできるだけ社長自身が行い、応募者と直接に腹を割っ
   た対話をすることが求められるでしょう。

   会社の説明不足や応募者の過度な期待などのコミュニケーションギャップによって、
   応募者が入社後すぐに退職してしまうのは双方にとって不幸なことです。

  ○十分な準備

   面接を行う際には、提出された資料から、これまでの略歴(どのような業界に何年いた
   のか、転職回数は何回かなど)、仕事に対する考え方、自社への志望動機などについ
   てある程度イメージをもって臨みましょう。

   特に確認したい事項がある場合には事前に質問項目を考えておきます。

   面接官の選定にあたっては受け入れ予定部門の部門長などが行うことが多いよう
   ですが、たとえば、応募者に特筆すべき能力がある場合などは、その能力を適正に
   評価できる面接官も同席させるなどの配慮が必要です。

   また、会社案内や商品案内、人事制度の案内、パブリシティ(新聞などに自社が取り  
   上げられた記事)を準備するなど、応募者が自社を理解しやすくするための配慮も
   必要です。

  ○面接の進め方

   面接とは、会社側が一方的に応募者を選考する場ではありません。

   「面接をしてやっている」といった高圧的な態度や失礼な言葉遣いは、応募者の心証
   を悪くするだけではなく、会社全体の評判を落とすことにもなります。

   面接官も挨拶や敬語を忘れず、謙虚な姿勢で臨みます。

  ○面談のポイント

   応募者の現時点の適性だけでなく、成長可能性も見極めることが必要です。

   面談は、貴社自身も応募者から見られているということを意識しましょう。

  ○面接の進め方

   1.挨拶(双方)

     応募者が面接室に入室して挨拶したら、面接官もいったん立ち上がって挨拶し、
     部署名と氏名など簡単な自己紹介をしてから始めましょう。

     次に今回の応募自体に対する礼を述べ、今日の面接の段取り(会社説明5分、
     自己紹介・自己PR10分、質疑応答15分など)を伝えます。

     応募者に本来の自分を表現してもらうためには、過度な緊張を取り除き、リラック
     スした雰囲気をつくり出すことが重要になります。

     面接会場は落ち着ける場所を選んで、いすやテーブルのレイアウトも応募者に圧
     迫感を与えないように工夫しましょう。

   2.会社説明(面接官)

     まずは面接官が次のような点について説明します。

     面接全体のペース、雰囲気をつくる大切な部分ですので、ゆっくりとした丁寧な話
     し方を心掛けましょう。

     応募者から質問があった場合はその都度答えて、疑問点を残さないようにします。

     <会社説明のポイント>

      ・会社概要、事業内容、組織編成

      ・経営理念

      ・創業から現在までの経緯

      ・強み、アピールポイント

      ・「人財」に対する考え方

      ・将来ビジョン

      ・今回の採用活動の目的

      ・今回の採用で求めている人材像

   3.自己紹介、自己PR(応募者)

     応募者には次の点について、自己紹介、自己PRをしてもらいます。全体的な話し
     方、落ち着き度合い、話のまとめ方などを確認するために、まずは質問を挟まず
     に応募者に最後まで話をさせましょう。

     <自己紹介、自己PRのポイント>

      ・自己紹介

      ・志望動機

      ・前職の業務内容と成果

      ・特技、資格

      ・人柄、性格、周囲からどのような人と思われているか

      ・その他自己PR

      ・前職の退職理由(在職中の場合はなぜ転職したいのか)

      ・希望する職種

      ・希望する待遇(勤務可能時間や勤務地が限定されている場合はきちんと説明
       させる)

   4.応募者への質問と応答(双方)

     面接官は応募者が話したことに対する事実確認に終わるのではなく、その背景に
     ある真意に迫る必要があります。さまざまな角度から質問を行い、応募者にでき
     るだけたくさん話をさせましょう。

     <質問する際の基本姿勢>

      ・面接官の側から会話を深めたり、広げたりする姿勢をみせる

      ・相手の理解度を確認しながら話を進める

      ・相手の長所を引き出すように心掛ける

      ・社内用語など相手が理解できない言葉は使わない

      ・相手の諸に適度な相づちを入れる

      ・応募者の話を遮らない

   5.応募者からの質問と応答(双方)

     応募者からの質問に対しては誠意をもって真実を答えるようにしましょう。

     どの企業にも強み・弱みはあります。

     弱みについて質問を受けた際にはそれを認め、今後どのように改善しようとして
     いるかといった姿勢を示すことも大切です。

     また、自社の強み、働きがい、職場の雰囲気のよさなどのアピールポイントについ
     ては積極的に説明しましょう。
      
     特に自社のキャリアパスについては詳しく説明しておきます。

     キャリアパスとは社員が成長の度合いに応じてどのようにステップアップしていく
     かという道筋を示すものです。

     応募者はそれによって5年先、10年先といった長期的な視点で自分をイメージす
     ることができます。

     また、きちんとしたキャリアパスを設定していることによって、会社への安心感や信
     頼感を増すことができます。

     既存の幹部社員たちが入社後どのようなキャリアを経てきたかなどを説明すると
     わかりやすいでしょう。

     特に面接段階で「ぜひ採用したい」と思える応募者については、キャリアパスの説
     明を十分に行っておきましょう。

     最後に応募者に疑問点が残っていないことを確認し、合否通知の方法やその時期
     などを伝え、面接を終えます。

  ○タブーな質問

   <思想・信条・宗教・支持政党>

    ・家の宗教は何ですか?

    ・政党はどこを支持していますか?

    ・新聞は何を読んでいますか?

   <家族の状況等>

    ・本籍地はどちらですか?

    ・ご両親それぞれの出身地はどちらですか?

    ・ご家族の職業は何ですか?

    ・お父さんはどのような役職に就いておられますか?

   <性差別(女性への質問として)>

    ・結婚や出産の後も働き続けますか? 

    ・何年ぐらい働くつもりですか?

    ・内務職を希望しないのですか?(営業職志望の場合) 

  ○現職(前職)の年収について

   ・現職(前職)の年収の確認については、直近の源泉徴収票を応募時の必要提出物
    とすることがベターです。

   ・本人の申告だけで対応することは、「適正な処遇」という観点の他、「給料が前職よ
    り格段に安くなっても構わない」という人は前職において何らか金銭トラブルがあった
    可能性もあり、リスクが高いとの観点からです。

   ・配偶者控除の範囲内でという人以外は、安いよりは高い方がよいのが普通ですので、
    最低限、最終採用前には提出を求め、面談時の申告金額とあまりに大きく違いがあ
    るような場合は、人物的に採用を見送ったほうがよいかもしれません。

  ○パソコンスキル

   ・一定のパソコンスキルを求める場合は、簡単な実践テストを実施することも有効です。

   ・Word、Excelであれば、求めるレベルに応じた文書や表のサンプルを用意しておき、
    同じ文書や表を実際に打ってもらうといったテストを行うことも有効です。
   
  ●面接の見直し

   応募者は、緊張して面接に臨みます。

   それは、面接は、自分が審査される場であると考えるからです。

   実際、面接官はさまざまな質問を投げかけながら、求職者を審査します。

   企業として、これから戦力となる人材を採用するのですから、審査という意味合いが
   強くなるのも当然です。

   けれども、多くの面接の場を見れば分かるように、あまりに審査的な色彩が強く、
   応募者が緊張していては、その人本来の姿を現すものではなくなっています。

   世間には、面接の上手な受け方などのマニュアル本が多数出版されており、そこ
   では、質問されたことだけに明確に答え、不利になるような余計なことは一切口に
   しないなどと書かれています。

   そうした求職者は何か物足りないなと感じるのはこうした理由からでしょう。

   そこで、面接に対する考え方を少し転換して、面接は、「企業と社員が互いの条件
   を提示し合って、両者にとって有効な契約を交わすことを判断する場」としてみては
   どうでしょう。

   もちろん、志望動機など必要最低限の質問は欠かせませんが、後はリラックスした
   雰囲気で面談を進めます。

   そうすれば、これまでの採用活動では見えてこなかった応募者の特徴に気づくはず
   です。

   こんな時代だからこそ中小企業で腕を磨きたいという学生もいます。しかしどうし
   ても二の足を踏んでしまう学生が多いのは、先にも書いた「中小企業は労働環境が
   悪いというレッテルが貼られている」というのも要因の一つでしょう。

 

  5.採用時の必要事項・書類 


  ●賃金の決め方   

   中小企業にとって、採用の際に一番先に頭に浮かぶのが「給料をいくら支払えばよいか」
   ということだと思います。

   難しいことですが、基本的な決め方は「目安」「支払余力」を参考に決めていきます。

   支払う給与を検討する場合に注意が必要なのが、給与額そのものだけで検討しないと
   いうことです。

   実際の人件費には以下のような費用が加味されます。

    ①残業代

    ②採用費用

    ③社会保険料

    ④教育費用

    ⑤有給休暇の貸金

    ⑥賞与

    ⑦退職金

   このように、実際の会社負担額は、給与の1.5倍から2倍ほどになります。

   ここをよく試算しておかないと、予算不足になり、残業代未払いなどのケースに陥る可能
   性大です。

   中小企業の場合は中途採用が多くなります。

   そのため、賃金表の作成はあまりお勧めできません。

   役職や職種ごとの貸金療目安は必要ですが多くの場合、人員不足のために緊急で採用
   するしかない状況で金額を決めたり、縁故採用のため他の従業員とバランスの取れな
   い金額での採用を余儀なくされる場合が多いからです。

   このような場合には、長期的に他の従業員とのバランスをとる必要がありますが、とりあ

   えずは、賞与で調整していくことになります。

   場合によっては、給与は少し低めにして賞与を多くし、年間給与額で採用するというや
   り方が実態に合っている場合もあるので、柔軟に対応していくことをお勧めします。

  ●健康診断について

   従業員を採用してみたら、その人が病気を抱えていたということがあります。

   履歴書の欄には「健康状態 良好」となっていたが、実際には病気を持っていたという
   ことです。

   正規従業員として雇い入れた後に、辞めてくれとも言いにくく、だからと言って戦力にな
   りえない人材を今後どう処遇すれば良いのか、会社は扱いに困ることになります。

   近年、うつ病などの精神的病が急増しています。

   採用前(選考段階)健康状態を厳重チェックしましょう。

   実際にあった事例では、

   採用した従業員が入社当初それなりに勤務していたが、試用期間の3ヶ月が過ぎると、
   休みがちになりました。

   そして、入社半年頃になった時から、毎日休むようになってしまったのです。

   そこで、会社は従業員に医師の診断書を持ってくるように指示しところ、診断書には
   「ウツ病のため療養を要す」と記載されていたのです。

   この診断書を見た会社は従業員に解雇を予告しました。

   その従業員は「労働基準法違反だ。36協定も出さずに時間外労働をさせている。

   私はこの会社の長時間労働が原因でウツ病になったので、私を解雇するなら、会社を
   訴えます!」

         社長! どうします!?

   これ以前の問題として、中小企業が労働安全衛生規則第43条において「雇入れ時の
   健康診断」
を義務付けています。

   だが、現実の中小企業の多くがこの雇入れ時の健康診断を実施していないのです。

   企業側は、リスク管理の一貫として、健康診断を「内定後」「雇入れ時」だけではなく
   「選考段階」においてから実施すべきです。


  ●入社時に取り付けるもの(雛形)   

   ○給与振込依頼書

   ○労働契約書2部(1部は本人控え)

   ○身元保証書(保証人1〜2名、印鑑証明添付) 注1

   ○法令遵守に関する誓約書および個人情報の取扱いに関する誓約書兼同意書

   ○私有車使用届

   ○私有車使用誓約書 

   ○身上書 

   ○健康保険・厚生年金保険 被扶養者資格取 
    得届

   ○健康保険被扶養者(異動)届

   ○雇用保険被保険者資格取得届

   ○給与取得者の扶養控除等(異動)申告書

   ○届書(年金手帳、基礎年金番号通知書、
    雇用保険者証添付)

   ○源泉徴収票(前職が給与所得者の場合)

      ※なお、個人情報保護の観点より、受領した書類は施錠管理等、厳正な
         管理を行う必要があります。
  

        (注1)身元保証人について

          多くの会社で、入社時に身元保証書を要求しています。

          しかし、国では、身元保証に関し、保証人の義務、負担が過大になら
          ないように<身元保証に関する法律>を制定しています。

          また、使用者は労働者に業務上不適切な事情等があったときや、労
          働者の任務を変更した場合などは速やかに身元保証人に通知するこ
          とが義務付けられており、通知を受けた保証人は将来に向かって契約
          の解除権が認められています。

          裁判所は、身元保証人の損害賠償責任の有無及び賠償額の決定に当
          たって、使用者の過失の有無、身元保証をなすに至った事由、払った
          注意の程度、従業員の任務の変化等一切の事情を斟酌することとな
          っています。

          さらに保証期間も限定し、法の規程に反する身元保証人に不利益な特
          約はすべて無効としています。
   
  ●身元保証書の作成

   採用時の身元保証書の取り付けの有無については賛否があります。

   身元保証契約とは、従業員の行為が原因で企業が被った損害について、本人に賠償能
   力がない場合に、第三者である身元保証人に賠償請求することを目的としたものです。

   身元保証契約は、労働契約の付随的な特約として労働契約締結の際に身元保証人と
   事業主との間で結びます。


  ○身元保証に関する法律

   同法は、身元保証契約の有効期間、身元保証人の責任の範囲、そして従業員の 
   任務や任地の変更を身元保証人に通知する義務などについて規定しています。

     1.身元保証契約の有効期限

       身元保証契約の有効期間は、その期間を定める場合には5年間を限度とし、
       また期間を定めない場合にはその契約は3年間で終了することとしています。

     2.身元保証人の責任の範囲

       同法は、万一損害を賠償してもらう事件が発生したときには、身元保証人にその
       全責任を負わせるのではなく、身元保証人の責任範囲を判断するとしています。

        (1)従業員の監督に関する事業主の過失の有無

        (2)身元保証人が身元保証を引き受けるに至った事由

        (3)身元保証人が身元保証を引き受ける際に払った注意の程度

        (4)従業員の任務または身上の変化

     3.身元保証人への通知義務

       使用者は、*従業員に業務上不適任または不誠実な行為があり、これにより
       身元保証人に責任が生じる恐れがあるとき、*従業員の任務や任地を変更し
       たことにより、身元保証人の責任の重さが倍加するときや従業員の監督が困
       難になったときには、身元保証人にこれらを通知しなければならないこととさ
       れています。

 

   人間関係の希薄さは「雇用契約書」「身元保証書」「守秘義務契約書」といった書類が表
   しています。

   どんなにシステマティックな対策を講じても、これらの問題に関わるのは「人」であるこ

   とを認識し、従業員教育(ESも含め)の継続が欠かせません。

 

   ●採用取り消しを伝える文書不採用通知書)  

   不採用者に対してもその旨を早めに連絡することが必要です。

   不誠実な対応は応募者に対して失礼であるばかりではなく、口コミなどで会社全体の
   評判を落とすことになりかねません。

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パート・アルバイトの募集・面接と有効活用


  ■多様化する雇用形態

   企業はさまざまな方法で社員を雇用します。

   例えば、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどが代表例です。

   景気好調時のメインの雇用形態は正社員でした。

   企業は「新卒を正社員として採用し、定年までの雇用を保障する」ことを採用戦略の基本
   としていたのです。

   この仕組みは、終身雇用、年功序列の人事システムと連動して、おおむねスムーズに
   機能してきました。

   しかし、近年は雇用形態の多様化が急速に進み、企業は「担当させる業務の種類」
   「業務を遂行するために必要な能力」「社員に求める責任感」「社員に求める帰属意識」
   「企業が負担できる人件費」などを総合的に考えたうえで、適切な雇用形態を選択する
   ようになってきています。

   具体的には、簡単な業務でも正社員に担当させる体制を見直し、パートやアルバイトに
   任せるようにしてきているのです。

   正社員とパート・アルバイトの人件費には大きな格差があります。

   個々のケースで異なるものの、正社員とパート・アルバイトの賃金は、社会・労働保険料
   (厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険)まで考慮すると2倍近い開き
   があります。

   雇用形態を正社員からパート・アルバイトに切り替えれば、人件費は半分程度にまで
   削減することも可能となるのです。

   あるいは、企業が同じ人件費を負担するつも
   りであれば正社員1人体制からパート・アル
   バイト2人体制に切り替え、より多くの労働力
   を確保することもできます。

  □これまでのパート・アルバイト活用
   多くの企業は、パート・アルバイトを廉価で短
   期の労働力として位置付けています。

   飲食店やガソリンスタンドのスタッフ、工場の
   作業員などが典型的な例です。

   企業は、比較的単純でマニュアル化しやすい
   業務をパート・アルバイトに任せていました。

   あまり責任の重くない業務をパート・アルバイトに担当させ、1〜2人の正社員がそれを
   監督することで人件費を削減していました。

   そのため、各企業におけるパート・アルバイトの処遇に大きな違いはありませんでした。

   業種、地域、勤務時間によっておおよその時給の相場は決まっていますし、パート・
   アルバイトが大幅に昇給することもありませんでした。

   企業は正社員とパート・アルバイトを大きく2つのグループに分け、各グループごとに
   全体管理をしていたのです。

   この方法は非常にシンプルで管理も容易でした。

  □パート・アルバイトにも個別管理が必要

   最近では正社員とパート・アルバイトの2大グループで社員を全体管理する体制は見直
   されています。

   その主な背景は次の通りです。

    ・雇用管理が多様化し、全体管理が難しくなってきた
    →個々の社員によって主要な労働条件に格差をつけることが増えたため

    ・パート・アルバイトの中にも正社員と同様の働きをする貴重な戦力がいる
    →雇用形態に関係なく、優秀な人材は企業の貴重な戦力

    ・雇用形態を問わず優秀な社員を手厚く処遇することで、戦力確保を目指す 
     企業が増えてきている
    →優秀な人材には、長く自社で貢献して欲しい

  □パートを取り巻く環境の変化

   企業がパートを活用する際の基本は短期で廉価な労働力ですが、最近は変化してき
   ている。

   流通業を中心にパートをより戦略的に活用し、優秀なパートの時給を引き上げたり、
   正社員に登用したりしています。

   こうした企業は、正社員の代行が務まるような優秀なパートが存在することに注目し、
   そうしたパートを正式に社員として雇用し、自社の戦力にしているのです。

   このような、企業におけるパート活用方法の変化の影響により、パートの募集条件にも
   目立った格差が生じています。

   パートを戦略的に活用しようとする企業が提示する時給は高く、中には子どもを持つ
   主婦のパートのために託児施設を準備する企業もあるほどです。

   通常、パートとして働くことを希望する人は、時給など募集条件が少しでも高い企業を
   就職先として選択しています。

   高い募集条件を提示する企業が出てきているということは、それだけパートを採用する
   ための競争が激化しているということです。

   こうした中で、企業が計画通りにパートを採用し、有効に活用していくためには、募集
   条件や募集方法を工夫することと同時に、採用後の活用体制も整える必要があり
   ます。

  □パート・アルバイトの定着率を高める

   CS(顧客満足)という言葉が強く意識されるきっかけとなったのは、1990年に出版された
   『真実の瞬間』(ヤン カールソン著)が有名です。

   スカンジナビアン航空の事例をCS活動として
   紹介しているこの本のタイトルにすべてが込
   められています。

   サービス業(すべての営業会社)はお客様と
   直に接するビジネスです。

   お客様と接するわずかな“瞬間”がその会社
   (店)に対する印象を形成し、満足度に大き
   く影響します。

   だから「真実の瞬間」というタイトルにインパ
   クトがあるのです。

   では、サービス業において「真実の瞬間」に
   お客様に接しているのはどんな人でしょう。

   小売店、飲食店、GSなどの場合、パート・
   アルバイトであることが多いはずです。

   つまりサービス業において、会社企業(店舗)の価値はパート・アルバイトの質によって
   評価されるといっても過言ではありません。

  □採用活動を始める前に、辞めさせないことを考える

   サービス業のコスト構造の中で、人件費が大きなウエイトを占めることはいうまでもあり
   ません。

   パート・アルバイトが辞めずに長く勤務することが、人件費コストの低減につながり
   ます。

   新人を雇うことは、募集にかかわるコストはもちろん、訓練・教育の時間(パート・アル
   バイトと教える社員の時間給)がかかり、仕事に不慣れな新人の生産性は高くありま
   せん。

   それに対し、仕事に熟練したパート・アルバイトが辞めずに長く勤務していれば、採用・
   訓練・教育関連のコストは発生しませんし、熟練者は、新人より多くの仕事をこなせる
   し、ミス も少なく、生産性が高くなります。

   いくら新人をとっても、なかなか定着しないという状況であれば、原因を探り、その問題
   (新人の離職防止)をまず解決する必要があります。

  □パート・アルバイトの定着率を高める確認事項

    ・時間給や待遇(交通費など)は近隣の相場に合っているかを同業種の会社(店)の
     募集要項と比較する

    ・給与の支払いに間違いや遅延はないか

    ・勤務をする上での店舗のルール(特に遅刻・欠勤)は守られているか

    ・仕事の割り当てに不公平感がないか

    ・パート・アルバイト間での対立や、悪口・陰口などが目立たないか

    ・定期的にミーティングを行い、円滑な職場環境が維持できているか

  ■パートを募集する際の各種条件設定

  □ポイントは募集条件

   パートの採用活動で重要なのは、短期間で必要な人数のパートを確実に採用すること
   です。

   これを実現するためのポイントは、他社よりも有利な募集条件を提示することです。

   多くの場合、応募者(求職者)はパートとして働く就職先の事業内容や将来性よりも、
   時給や労働時間など当面の労働条件を重視するためです。

   個々の応募者によって異なるものの、パートとして働く就職先を選ぶ際に重視される
   主な条件は次の通りである。

   1.「時給」は相場を意識して決定

     応募者が最も重視する募集条件は時給。

     パートの時給には地域や業種による相場があり、応募者もそれをよく知っている。

     応募者は「○○地域で、○○として働くなら時給○○円は欲しい」と考えている。

     従って、募集条件が応募者が希望する水準に達していない会社(店)にはなかな
     か応募者は集まらないのが実態です。

     逆に、相場を上回る時給を提示すれば多くの応募者を集めることができるでしょう。

     相場に上乗せする金額は数十円で問題ありません。

     時間単位で働くパートは、ある意味で賃金に非常にシビアです。

     例えば、時給900円と時給950円では1時間働いても50円しか変わらないが、パー
     トにとっては大きな魅力となります。

   2.「勤務場所」で不利な場合は、ほかの条件でカバー

     応募者がパートとして働く就職先を見つける際、勤務場所は非常に重要な条件と
     なる。

     主婦であれば「家から近い」、学生であれば「通学途中にある」ことが基本となり、
     これが満たされない場合は、最初から就職先の候補とはならないのです。

     そのため、駅から近いなど交通の便がよい場所に立地する企業は有利となります。

     逆に、駅から遠いなど通勤に不便な場所に立地する企業は不利となるが、この問
     題を根本的に解決することはできないため、「時給を上げる」「マイカー通勤を認め
     る」などほかの募集条件でカバーすることになります。

     マイカー通勤を認める場合は、一定のガソリン代を交通費として支給するなどの条
     件が効果的です。

   3.シフト(労働日・労働時間)」に柔軟性を持たせる

     シフト(労働日・労働時間)を柔軟に組み、自分の好きな時間に働くことができる点
     は、パートという雇用形態の大きな魅力である。例えば、子どもを保育園に預けて
     いる間だけ働きたい主婦にとって、シフト
     が柔軟なパートは実に好ましい雇用形態
     といえます。

     こうした応募者のニーズを満たすため、企
     業は柔軟にシフトが組めるような体制を整
     えることが重要となります。

     そのための一つの方法は、労働時間を短
     く設定してシフトを組むことです。

     例えば、パートの労働力が必要な時間が
     12時間である場合は、6時間の2交代制
     ではなく、4時間の3交代制にするとよい。

     こうすることで、シフトを柔軟に組むことが
     可能になる。

     また、1回当たりの労働時間を短くすると、
     パートが欠勤した場合のフォローが楽になるというメリットもあります。

   4.最後の決め手は「職場の雰囲気」

     時給、就業場所、シフトがほぼ同水準の企業が複数あって甲乙が付け難い場合、
     応募者は職場の雰囲気によってパートとして働く就職先を選択することが多い。

     同じような募集条件なら「働きやすそうな職場を選ぶ」のは当然のことだといえる
     し、多少時給が低くても、雰囲気を重視してパートとして働く就職先を選ぶ応募者
     も少なくありません。

     自社(店)が応募者に職場の雰囲気をうまく伝えることは容易ではないが、応募者
     から問い合わせの電話があった時や面接の場などを利用して、「働きやすい職場」
     であることをアピールするとよいでしょう。

  □最適な募集時期 

   1年の中でパート・アルバイトの応募が多い時期と、少ない時期があります。

   また、企業・店舗側でも、採用が多い時期と少ない時期があります。

   当然ですが、会社(店)側の求人が少なく、パート・アルバイトの応募者が多い時期に
   採用活動をした方が、質の良い人材を採用できる可能性が高くなります。

   景気の動向や、近隣に大型店舗が出店するなどの特情にも左右されます。

   年間を見通して、既存のパート・アルバイトの動向も把握しつつ、効率の良い採用計画を
   立てましょう。

  面接のための準備

   効果のある面接を行うためには、しっかりとした準備が必要です。

   日々の業務ををこなしながら、面接の時間を確保するのですから、効率の良さも求め
   られます。

   まずはターゲットを絞る必要があります。

   何曜日の何時から何時まで働ける人が必要なのか、どんな職種を求めているのか、
   どんな属性(学生・フリーター・主婦)の人を求めているのかなどをあらかじめ考えて
   おきます。

   店舗の要望に対して、まったく的外れな応募者と面接しても、時間の無駄になるだけ
   です。

   応募は電話で受け付けることが多いと思いますが、その段階で最低限の条件を示して、
   面接者を絞っておく方がいいでしょう。

   例えば、日本語があまりできない外国人を採用するつもりがないのであれば、断った
   方が効率的ですし、希望勤務時間帯が会社(店)で求めている曜日、時間帯とまった
   く合わない応募者なども、断った方が無駄な面接をせずに済みます。

   応募の電話は必ずしも責任者だけが受け付けるわけではないので、他のスタッフでも受
   けられるように準備をしておきます。

  □面接のために準備すること

   1.電話で断る応募者の条件を整理しておく。

   2.店長が面接できる日時を指定しておき、店舗側の条件と合う
     応募者の面接日時を確定する。

   3.応募者の氏名、連絡先、属性、希望勤務時間帯などをメモする
     ためのノートなどを用意する。

   4.面接時に履歴書を持ってくるように伝える。

  □面接に目的を持つ

   採用基準を明確にし、面接で聞き出す情報を整理し、すぐに辞めないパート・アルバイト
   を選別することによって、無駄なコストを避けることができるようになります。 

   このように面接のやり方次第で効果に違いが出ます。

  □採用基準の基本「身だしなみ・言葉づかい

   パート・アルバイトがお客様との接点を持つことが多いサービス業では、どんな人材を
   採用するかは、自社(店)のイメージに重大な影響を与えることになります。

   身だしなみや言葉づかいなどは、採用基準の基本です。

   きちんとしたルールを作っておき、その基準に応募者が達しているかどうか、達していな
   いのであれば、直すことを採用の条件として提示することが大切です。

   身だしなみについては、髪形、髪の色、仕事中のアクセサリー着用の制限、男性はヒゲ、
   女性は化粧の濃さなどの要素があります。

   業態にもよりますが、食べ物を扱う商売であれば清潔感のある髪形が求められますし、
   幅広い層のお客様が利用する店であれば、過度に着色された髪色などは避けるべき
   です。

   アクセサリーや化粧も、まったくNGということ
   にはならないと思いますが、仕事に適した節
   度は必要です。

   「おしゃれ」と「身だしなみ」は違います。

   基本となる考え方は誰のためにするのかとい
   うことにあります。

   「身だしなみ」は相手のためにするものです。

   仕事をする上で必要な身だしなみは、お客様
   に不快感を与えず、店舗のイメージに合うも
   のである必要があります。

   採用してしまってからでは遅いのです。

   言葉づかいも大切です。

   普段使っている言葉は接客中に出てしまうものです。

   面接では応募者もある程度構えていますから、普段のままの言葉づかいが出ることは
   ありません。

   気になるような言葉づかいであれば、初期の研修段階で少しきつめに注意します。

   身だしなみや言葉づかいは、最初が肝心です。

   採用して、仕事に慣れてから修正するのは苦労します。

   面接の段階からすでに研修を始めているようなつもりで対応することで、その後の研修
   がスムーズに進みます。

  ■ルールを整備する

   採用基準に達しているかどうかを判定し、さらに会社(店)の要求に合わせられるかどう
   か条件提示をすることが面接のポイントとなります。

   その前提は、ルール、基準を整備することです。

   身だしなみや、言葉づかい、挨拶、シフトを守ることなど、ルールが整備され、既存の
   パート・アルバイトにも守らせていることが大前提になります。

  □採用基準、ルールを明確にしておく

   ・身だしなみ・店舗のルールに合っている、もしくは、注意したことが直せる人

   ・言葉づかい・敬語、丁寧語が自然と使える人

   ・シフト・店舗が必要とする時間帯に勤務できる人

   ・日常の生活の状況から、無理なく勤務可能と想定できる人

   ・勤務可能な曜日・時間が固定できる人

   ・急な用事などで欠勤の可能性が少ない人(小さなお子さんがいる、別な
    仕事と掛け持ちをしている、就職活動中の学生などは、急な欠勤をしやすい)

   ・年末年始や大型連休など、アルバイトが集まらない時に働ける人

   ・勤務期間・職種にもよるが、極力、長い期間働ける人

   ・勤務日数・週3回以上は働ける人(勤務日数が少なすぎると、仕事に熟練
    しない)

   ・通勤・通勤時間が短い人

   ・学生の場合、家と学校の間に店舗がある人(通勤の負担がない)

   ・動機・働く動機が明確な人(給与の使い道がはっきりしている)

  ■面接を実施する際のポイント

  □面接時の基本姿勢

   応募者が集まったら、いよいよ面接となります。

   面接では、企業が応募者の能力ややる気を見極めているのと同様に、応募者も職場の
   雰囲気を敏感に探っています。

   そのため、明るく気持ちのよい態度で面接に臨み、「働きやすそうな職場」というイメー
   ジを与えることがポイントとなる。

   その際、担当する面接者にも留意するとよいでしょう。
   例えば、応募者が若者の場合は、面接者も若手の正社員としたほうが場の雰囲気が
   和みやすくなります。
    
  ■パート・アルバイトを活用するためのポイント

   1.教育による早期戦力化

      基本的な教育の進め方は正社員もパートも変わりません。

      明確な目標を設定し、その達成に向けて必要な教育を施していきます。

      ただし、パートは労働契約の期間が短いため、教育に長い時間をかけることが
      できません。

      そのため、パートの教育では、短期間で戦力化することがポイントとなる。

      パートを短期間で戦力化するためには、まず正社員の中から教育担当者を選任

      する必要があります。

      これにより、パートの指揮命令系統が整えられます。

      また、正社員が業務のすべてを教育することは効率的ではないため、基本的な
      業務の進め方などはあらかじめマニュアル化しておき、これを使いながら教育す
      ることをお勧めします。

      また、正社員向けの研修にパートを参加させることも一策です。

      これにより、企業が正社員やパートなど雇用形態によって区別せずに人材教育
      に力を注いでいる姿勢を示すことができ、パートは「会社(店)の一員としての自
      覚」を持つようになります。

    2.円滑なコミュニケーションの実現

      会社(店)への帰属意識が低いパートは、「何かあったら、いつ辞めても構わ
      ない」と考えがちです。

      実際、コミュニケーション不和などの悩みを抱えると、無断欠勤したり、突然に退
      職したりするパートもいます。

      パートが無断欠勤したりするとシフトに穴が開き、企業はほかのパートを投入す
      るなどしてフォローしなければなりません。

      また、無断欠勤などをするまでには至らなくても、悩みを抱えたまま働かれては
      業務にミスが生じかねません。

      そのため、正社員とパート、あるいはパート間の円滑なコミュニケーションを実現
      することは、パートを有効活用するうえで非常に重要であり、これを実現するた
      めのポイントは、「パートを自社(店)の一員として受け入れる雰囲気」を醸成
      することです。   

      例えば、正社員とパートの円滑なコミュニケーションを実現するために、正社員の
      ほうから「お疲れさま」とパートに声をかけ
      るようにしてみる。

      この簡単な一言だけでも効果は大きいも
      のです。

      また、パート間のコミュニケーション不和
      は不平等感から生まれることが多いの
      です。

      例えば、「私より○○さんのほうが、正社
      員に頼りにされている」といったことがき
      っかけで人間関係に問題が生じるのです。

      こうしたつまらないことでコミュニケーショ
      ン不和が生じないよう、正社員はどのパート
      に対しても平等に接するように心がける必
      要があります。

    3.人事制度の整備による不満の解消

      パートの中には、正社員の代行が務まるほど優秀な人材がいるものです。

      優秀なパートの存在は自社(店)にとって非常に頼もしいが、当のパートは「正
      社員と同じ仕事をしているのに賃金が低い」ことに強い不満を持っていることが
      あります。

      こうしたパートの不満を解消するための取り組みとしては、パートへの能力給の
      適用、正社員への登用などが効果的となるでしょう。

      パートは、自らの能力を高く評価してくれることに感謝し、それまで以上に積極的
      に業務に励むようになります。

      なお、こうした制度を構築する際は、必ず就業規則などに定めることが必要です。

      また、面接の時点で、能力給が適用されたり、正社員に登用される可能性があ
      ることを応募者に伝えるとよいでしょう。

      こうすることで、応募者はますますやる気を高め、中には正式雇用を望む者も出

      てくるでしょう。

    4.「パート活用度診断サイト」からの情報収集

      (財)21世紀職業財団は「パート活用度診断サイト」を運営している。

      このWebサイトでは、自社のパートの活用状況や他社の事例をチェックできる
      だけではなく、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(通称:パート
      タイマー法)」など、パートを活用する際に把握しなければならない法令や指針を

      紹介しています。

      「パート活用度診断サイト」は登録制のWebサイトですが、登録は無料なので、
      こうしたWebサイトから情報を収集してみるのもよいでしょう。

 

 

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高齢者の有効活用

高齢者の有効活用

  ■高齢者活用の事例

   少子高齢化による若年層の労働力不足が明らかとなっている現在、これからの人 
   材活用を考えるうえで、

   高齢者の活用を検討することは、企業の重要な経営課題のひとつです。

   まず、高齢者の活用例として2つのパターンをみてみましょう。

   1.分社化によるリストラの一環として、ベテランのノウハウを引き続き活用

    (1)雇用形態

      別会社を設立し、定年退職者を再雇用

    (2)業務内容

      ①自社社員の育成・指導にあたる講師を担当

       教育会社を設立し、定年退職者を雇用。 
       これまでの実務経験のなかで蓄積されたノウハウを基に後進の
       育成・指導にあたらせる

       例)元経理担当 ⇒ 子会社経営のための実務指導

         元技術者   ⇒ 設備稼働の効率化指導

      ②在職時と同様の業務を別会社で引き続き実施

       CAD/CAMなど、技術情報分野のサービス子会社を設立。
       自社で定年を迎えたエンジニアを採用し、在職時と同様の業務に
       従事させる

    (3)ポイント

      これは、自社の一部門を独在させる形で別会社をつくり、自社の賃金体系や
      キャリアプランとはかかわりのない形で高齢者の能力を発挿させる場を設けた
      ものです。

      高齢者の側には、

       ・引き続き雇用機会が与えられる

       ・過去に蓄積したノウハウ、知識をいかすことができる

      というメリットがあり、企業側には、

       ・長年投資・育成してきた人材の能力を無駄にせず、引き続き活用できる

       ・従来の人事制度の枠を外し、人材を低コストで雇用することができる

      というメリットがあります。

      企業のリストラというと人員削減に傾きがちですが、このパターンは高齢者の
      活用と業務の効率化を両立させる方向を模索するものといえるでしょう。

   2.再雇用者には能力主義の人事制度を設ける

    (1)雇用形態

      契約社員制度による退職者の再雇用

    (2)業務内容

      原則として本人の希望により、職場を選ばせる

       ・1年契約で希望者を再雇用。その際、各人の能力・適性を一から
        再評価し、それに基づいて待遇を決定する(契約更新は2回まで)

       ・新年俸=定年時の年俸×再雇用時の査定による評価指数−在職老齢
        厚生年金分(※)

        ※ 高齢者の賃金を決定する場合は、本人の年金受給額への影響を
         考慮する必要があります。

    (3)ポイント

      ベテランのノウハウ・知識を最大限に発揮させながら、待遇は再雇用を機に
      見直すというもので、前節のパターン同様、一種のリストラ効果が期待できま
      す(ただし、別会社は用意せず、元の職場に迎える点が異なる)。

      なお、このパターンを採用する場合には、「退職者が再雇用を希望すれば会
      社は拒まない」ことを前提とし、かつ再雇用時の査定は、定年に先立つ過去
      数年間の活動を対象とすることで、定年前の社員が「高く評価してもらえるよ
      うな力をつけよう」と考える動機づけの効果も期待できるでしょう。

      上記は中規模以上の企業を想定した高齢者活用のパターンですが、現在で
      は中小企業においても、経験や能力をもちながら退職せざるを得なかった高
      齢者を積極的に受け入れることで、事業の拡大を図る例は増えています。

      特に製造業では、操作の簡便な機械を採用して高齢の技術者でも無理なく
      働ける環境を整えるといった工夫をしています。

  □高齢者を雇用するときの注意点

   1.業務の再設計

    高齢者の資質を若年者と比較すると、一般的に次のような特徴があげられます。

    <長所>

     ・高いプロ意識と、仕事に対する根気強さ・丁寧さ

     ・経験の深さとそこから培われた洞察力・判断力

    <短所>

     ・仕事のスピードや持続力の低下

     ・反射神経や筋力など、運動能力の全般的な低下

    高齢者を若年者と同じ作業環境においたり、全く同等の作業をさせるのでは、
    彼らの資質をいかすことはできません。

    そこで一般的には、

     ・採光・通風・騒音・振動・気温などの面で職場の環境を見直す

     ・作業スピードや勤務時間の長さを調整する

     ・作業していて疲労を感じやすいことはないか調べ、高齢者の体力や
      体格に合った設備などを導入する

     ・“ミス”や“ポカ”を防止できるような作業方法・手順を検討する

     ・若年者とチームを組ませることで、互いの欠点を補ったり、よい
      影響を与え合って土気を向上させるようにする

    といった点に配慮した業務の再設計が求められます。

    もちろん、職務内容自体も高齢者がそのキャリアをいかし、かつ後進の育成に
    好影響を与えられるものとする必要があるでしょう。

    高齢者にとって働きやすい環境をつくることは、若年者にも、より快適な環境を
    与えることになり、総合的に社員の満足度を高めることにつながります。

   2.賃金の設定

    高齢者の場合は子どもの養育義務から解放されているケースが多く、生活給と
    いう観点から考えると、賃金はさほど高く設定しなくてもよいといえます。

    また、能力給という捉え方をするにしても、職務遂行能力は限界まで来ると成長
    が止まるか、減退するとの見方から、勤続年数に応じて際限なく給与が上昇す 
    るような賃金カーブは見直される傾向にあります。

    このため、定年直前くらいから、

     ・賃金カーブの伸びを鈍化させる

     ・賃金水準をいったん大幅に引き下げて、以後ベア程度の昇給しか行わない

     ・賃金を据え置く

    という措置をとる企業が増えてきています。

    定年退職者の再雇用や、新規に高齢者を採用する場合も、同様に過去の給与
    額の5〜8割程度に引き下げるという設定が一般的です。

    これらの方式は、すでにある程度社会的な認知を得ているものであるため、お
    おむねこの慣例に従い、自社の現状に見合った給与を定めていけばよいでしょう。

    その際には、次の2点に注意する必要があります。

     ・過去に経験のある職種の場合、高齢者のキャリアやそこで培われた
      ノウハウをいかそうとするのであれば、現在の能力や過去の業績を
      評価していることを待遇で示す

      ⇒採用時・再雇用時には公正な評価を行い、能力に応じて給与を設定する。

       未経験の場合は年齢で一律に賃金を設定する

     ・年金の受給額に配慮して勤務時間や月々の賃金支給額を調整する

      ⇒高齢者を採用する場合、勤務時間や賃金によって年金の支給率が
       変わることがあるため、その兼ね合いを考えて勤務時間や賃金の
       月額を調整する

    年金の受給額に配慮して月々の賃金支給額を調整する場合など、年金の受給
    額を高くするために賃金の設定を低くしすぎると、高齢者本人が仕事にプライド
    をもてなくなることも考えられます。

    高齢者によかれと考えたことが逆効果になっては意味がありません。

    賃金など、待遇を決定する場合には、十分に本人と相談することが望ましいでしょう。

    なお、高齢者は自分の人生プランをもっていることが多いものです。

    勤務時間や業務の内容、賃金は、各人の能力や希望に合わせて弾力的に決め
    ていくことが理想的です。

    高齢者の活用を機に、人事制度の複線化、弾力化を図ってみてはいかがでしょうか。

  □助成金の活用

   平成25年4月までに、65歳まで雇用を確保する制度を導入することが義務づけ
   られました。

   定年を65歳末満に定めている企業は、次のいずれかを選ばなくてはなりません。

    ・定年の引き上げ   ……定年60歳を段階的に65歳に延長していく(下表参照)

    ・継続雇用制度の導入……希望に応じて定年後も引き続き雇用する制度

    ・定年制の廃止    ……定年制度をなくす(労働契約期間に終わりがない状態)

     *平成25年4月以降は、65歳までの雇用を確保しなくてはなりません

   これらの制度を新たに導入するに当たり、活用したいのが「中小企業定年引上げ
   等奨励金」です。(平成28年4月1日で新規受付を停止しました)

   「65歳(または70歳)以上への定年の引き上げ」、「希望者全員を65歳(または
   70歳)以上まで継続雇用する制度の導入」、「定年制の廃止」のいずれか、また
   は併用して導入をした中小企業に対して一定額が支給されるというものです。

   65歳超雇用推進助成金(※1)のうち、「高年齢者雇用環境整備支援コース」につ
   いては、平成31年3月29日をもって申請受付を終了し、平成31年4月1日から
   「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」の申請受付を開始。

                                65歳超雇用推進助成金

   助成金の窓口

   (独)高齢・障害者雇用支援機構

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中小企業の人材確保

  ■中小企業でも人材は確保できる

   「中小企業には人が集まらない」といわれますが、これは本当に根拠があるので

   しょうか。

   たしかに、求職者にとって中小企業よりも大企業のほうがゆとりや安定を与えてく

   れるように感じられるのかもしれません。

   名の知られた大企業は一見魅力的です。

   しかし、実際のところ、大企業への就職を希望する理由の多くが「名前を知ってい

   る」「何となく聞こえがよい」「待遇が良さそうだから」といった漠然としたものです。

   大企業に就職した人がゆとりや安定を手に入れ、中小企業に就職した人はそれ

   を手に入れられないのかというと必ずしもそうではありません。 

   つまり、求職者はあくまでも外から見た企業のイメージしか知り得ないわけですか

   ら、中小企業であっても自社の経営方針、事業内容、将来の展望、待遇等をきち

   んと説明し、

    ・大企業と変わりのないこと

    ・大企業よりも使っていること

    ・大企業に劣る点があるならば、それを補うために努力していること

   等をアピールすることができれば、健秀な人材確傷は十分に可能です。

   綿密な採用戦略のもとに採用活動を進めていけば、優秀な人材を採用することに

   企業の親模は決定的な要因とはなりません。

   人材確保がうまくいかないのならばその原因をつきとめ、対応策を講じ、その時

   点で最良の人材の確保に努めることが大切です。

  □人材確保に必要なこと

   前項で述べたように、優秀な人材確保には企業規模ばかりが成功要因となるわ

   けではありません。

   もちろん、大企業志向等さまざまな厳しい問題はありますが、これは人材確保を

   阻む直接の原因ではないのです。

   そこで、満足のいく人材確保のために取り組んでいくべきことを、考えていくことに

   しましょう。

   1.長期ビジョンの上に成り立った採用計画

     人手不足時代には競って採用に奔走し、不況となると減量経営のために人員

     削減に頭を悩ます、というような場当たり的な雇用管理を行なっていては、中

     長期的視野に立った本当に必要な人材の確保はできません。

     こうした対応を続けていては、企業イメージが低下し、有能な人材から敬遠さ

     れることにもなりかねません。

     たとえば、「良い人材がいない」「人材が欲しいのだが、なかなか採れない」と

     悩むばかりで、欲しい人材のイメージを明確にしていなかったとします。

     これでは、募集広告にも「こういう人が欲しい」とはっきり打ち出すことができな

     いので、インパクトの弱い広告になってしまいます。

     また、こうした状態では説明会でも「どのような人に、どのように活躍してほし

     いか」ということを説明することもできず、ひととおりの会社説明で終わってしま

     います。

     これでは人材が確保できなくても無理はないのです。

     人材を採用するにあたっては、

      どのような能力、技術、経験をもった人材が必要であるか、

      また、その人材に社内でどのように働いてほしいのか

     ということまで具体化することが大切です。

     ただし、「能力があって、仕事ができて、バリバリと働いてくれる人」「我が社の

     将来を担ってくれるような、一流大卒の若い人材」といった人物像を描いても、

     それでは必要な人材を明確にしたことにはなりません。

     人材確保は

      「経営目標を達成するため」に

      「本当に必要な人材」を

      「必要なだけ採用する」

     ことが目的です。

     確たる採用計画をもってこそ、それが実現できるのだということを十分に理解

     しなくてはなりません。

   2.現在の雇用環境を把握する

     人材確保にあたっては、雇用環境の把握も重要です。

     その時々の経済動向、労働市場の動向、雇用慣行の変化、就労意識の変化

     等によって、求職者の数も意識も大きく変わります。

     企業としても、採用可能な人材や人数が変わるわけですから、対応の仕方も

     変わらざるを得なくなります。

     たとえば、労働市場の動向をとらえる指標として、有効求人倍率があります。

     これは、職業安定所に届け出された求人数を求職者数で割った数値です。

     この数値が1を割り込めば求職活動が難しくなっていることを、また1を超えて

     いれば求人活動が難しくなっていることをあらわします。

     日々変化する雇用環境に柔軟に対応するためには、現状を常に把握しておく

     ことが大切です。

     「先を読む」のは大変難しいことですが、最低限「現状を把握する」よう努めた

     いものです。

   3.どのような人材にも柔軟に対応する

     中小企業は大企業と比べ、知名度の低さもさることながら、給与・福利厚生・

     社内体制の整備等さまざまな面において見劣りのする点が多いため、募集・

     採用する人材について柔軟に考えなければなりません。

     たとえば、次のようなことが挙げられます。

     1)学歴にこだわらず、能力を評価する

      中小企業が人材を確保するためには、学歴や出身校にはあまり固執しない

      ほうがよいでしょう。

      逆に埋もれている人材を発掘するくらいの気持ちでいたほうが、有能な人材

      を確保しやすいといえます。

      学歴や出身校を表面に出すことよりも、実力主義・能力主義を唱えていくこと

      で、社員のモチベーションを喚起することにもつながります。

     2)女性を活用する

      男女雇用機会均等法の改正によって、募集・採用の際の男女の差別が禁止

      されていますが、未だ女性のほうが就職が難しいのが現状です。

      高い能力をもちながらも就職できずにいる女性は多く、同じ賃金であれば、

      男性よりも女性のほうが優秀な人材を得やすいということも考えられます。

      女性は結婚・出産等のハードルがあり「あてにならない」と思われがちです

      が、女性でもキャリア志向で一生働こうと考える人が大勢います。

      子育てに関する制度等を整備することにより、優秀な女性を獲得できる可能

      性が高まるといえるでしょう。

     3)高齢者を活用する

      定年を迎えて仕事から離れても、働く意欲をもつ高齢者は少なくありません。

      そのなかには、長年の経験から高い技術や能力をもつ優秀な人材も含まれ

      ています。

      これらの高齢者の活用も、早急に考えていかなければなりません。

      少子高齢化の進む我が国では、今後ますます若手の労働力不足が深刻化

      するため、高齢者の活用はどの企業でも重要な課題となるといわれています。

      すでに、定年延長や再雇用制度、嘱託社員制度等で高齢者を採用し、効果

      を上げている企業も多数あります。

      さまざまな人材の有効活用は社会的要請でもあります。

      多様な人材活用への道を積極的に開いていくことは、自社のイメージアップ

      にもつながり、人材確保をさらに容易なものへと導いていくことでしょう。

   4.採用体制の強化

    採用の基本はできるだけ多くの応募者を集め、

    そのなかから優秀な人材を採用することです。

    これは、まず人が集まらなくては、そのなかから本当に必要な人材を選別でき

    ないからです。

    では、どのような取り組み方をすればよいでしょうか。

     1)トップの率先した取り組み

      採用を人事担当者に任せきりにしてはいないでしょうか?

      実務面ではそれでよくても、表に出るところでは社長が積極的に採用のため

      に働きましょう。

      たとえば、大学の就職部に求人を依頼する場合、社長自らが訪問するのと

      人事担当者が訪問するのとでは、先方の対応が異なります。

      また、会社説明会の際に、人事担当者が淡々と会社概要を話すのと、社長

      が自ら会社の歴史、現状、将来のビジョンを熱意を込めて語るのとでは、応

      募者の受ける印象は大きく異なります。

     2)優秀な人事スタッフの配置

      優秀な人材を得るには、優秀な人事スタッフが必要です。

      人事部門は営業等と違って利益を生む部署ではありません。

      このため、優秀な人材を配置することには抵抗があるかもしれませんが、優

      秀な人材を確保したいと思うのであれば、採用を担当する人事担当者には

      優秀な人材を配置する必要があります。

      なぜなら、効果的かつ効率的な採用戦略を立て、それを実行することは、そ

      うした任務を担うだけの優秀な能力をもった人材でなければできないからです。

      また、人事担当者は応募者がはじめて接する社内の人間でもあります。

      その人事担当者に「高い能力」や「魅力」あるいは「自社に対する意欲」が感

      じられなければ、応募者は失望を感じてしまうことでしょう。

      つけ加えるならば、優秀な人事スタッフでなくては応募者の能力を見極める

      ことができないということもいえます。

      以上のことから考えると、人事担当者には次のような資質が求められます。

       ・プレゼンテーションができる

       ・社内情報、特に営業や生産の現場情報、社員の情報に精通している

       ・社内での信望が厚く、影響力がある

       ・会社を代表しているという意識を強くもっている

       ・社長自身も信頼し、仕事を任せられる人間である

      また、新規学卒者への配慮として、人事スタッフに若手社員を入れることも大

      切です。

      入社して日が浅いことから、「応募者の気持ちを理解しやすい」「企業に対す

      る新鮮で率直な感想を伝えられる」「応募者に親近感を抱かせられる」といっ

      た効果が期待できます。

     3)コミュニケーションツールの整備

      多くの応募者を集める手段として、入社案内等のコミュニケーションツールが

      あります。

      このツールを効果的に使うことによって、自社をアピールし、他社との差別化

      を図ることができます。

      人材を確保するにあたって、「企業はアピールすべき『商品』」と捉えることが

      必要です。

      自社PRは、自社製品の売り込みと同じ気概で臨みます。

      最近ではインターネットのホームページや、ビデオ・CD-ROM等を使う企業

      も見受けられますが、どのような形にせよ、奇抜さで目を引くのではなく、企

      業の特色や魅力がしっかりと表現されている情報源であることが肝心です。

 

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募集・採用時に禁止されている間接差別

  ■募集・採用時に禁止されている間接差別

   ある中小企業(創業30年、従業員約100人)では、創業から現在までは東京にある
   本社のみで業務を行っており、支店展開等の計画は
今のところありませんが、創業
   当初から総合職の新規採用に関しては、全国転勤が
可能であることを要件として
   募集をしています。

   このような募集要件を掲げて採用を行うことに法的な問題はあるのでしょうか。

   男女雇用機会均等法では、コース別雇用管理における「総合職」の募集または採用
   に当たって、合理的な理由がなく転勤要件を設けることは「間接差別」として禁止され
   ています。

   事例の会社においては、長期間にわたって転勤の実態がないにもかかわらず、全国
   転勤ができることを募集要件にしているため、間接差別に該当し男女雇用機会均等
   法違反となる可能性があります。

  □男女雇用機会均等法とは

   近年、女性の就業意識の高まりなどを背景に女性労働者が増加しています。

   総務省の労働力調査では、2013年平均で15歳〜64歳女性の就業率は
   62.4%と前年に比べ1.7ポイント上昇し、過去最高の比率となっています。

   男女雇用機会均等法は、職場における男女の均等取り扱いを規定し、女性が差別を
   受けずに、家庭と仕事が両立できるよう作られた法律で、1986年4月に施行されて
   から改正を重ね現在に至ってる。

   具体的には、事業主は男女労働者を、募集・採用、昇進等において性別を理由に
   差別することや、婚姻・妊娠・出産を理由として女性労働者に不利益な取り扱いを
   することを禁止しています。

   また、事業主は職場におけるセクシャルハラスメントをなくすため、雇用管理上必要
   な対策をとらなければならないとも規定されております。

   男女雇用機会均等法に違反した場合は、国から雇用管理を是正するよう指導され、
   是正されない場合は企業名公表の対象となる場合があります。

  □男女雇用機会均等法における間接差別とは

   募集・採用や昇進等の場面において、会社は性別を理由に差別することのみを注意
   すれば良いわけではありません。

   男女雇用機会均等法では、たとえ性別以外の要件でも、業務上必要な筋力以上の
   筋力を求めることや、不合理な転勤要件などで、労働者の募集・採用、昇進等に差を
   付ける「間接差別」を禁止しています。

   厚生労働省令では以下の3つのケースが間接差別にあたり禁止されていますが、
   これ以外にも間接差別に該当する可能性のあるケースは、裁判において違法と判断
   される場合があります。

  □男女雇用機会均等法で禁止されている間接差別

   ①労働者の募集または採に当たって、労働者の、体重または体力を要件と
    すること。
    (例)荷物を運搬する業務を内容とする職務について、その業務を行うため
       に必要な筋以上の筋があることを要件とする場合。

   ②すべての労働者の募集・採用、昇進、職種の変更に当たって、転居を伴う
    転勤に応じることができることを要件とすること。(平成26年7月1日施行※)
     ※平成26年6月30日までは、総合職の労働者の募集・採用に当たって、
       合理的な理由なく、転勤要件を設けることが、間接差別として禁止
       されれていた。
       (例)広域にわたり展開する支店等はあるが、期間にわたり、転居を
          伴う転勤の実態がほとんどない場合。

   ③労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること。
    (例)昇進の際に、その職務をう上で異なる支店の経験が特に必要とは
       認められないにもかかわらず、異なる支店における勤務経験を必要と
       する場合。

   長年会社の慣例として行われている採用や昇進の基準が、実は男女雇用機会均等
   法に違反しているということもありますので、この機会に一度会社内の基準を確認
   することをお勧めします。

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中小企業が求める人材採用活動

■中小企業が求める人材像

   1.優秀な人材とは?

     経営者なら誰でも優秀な人材を獲得したいと考えています。

     どのような人材を「優秀」であると評価するかは経営者の考え方によって異な 
     ります。

     例えば次のような人材を獲得したいとは優秀であるといえるでしょう。
      ・経営者の考えを理解し、それに基づいて行動することができる

      ・シーン(場面)に応じて自分が取るべき言動を適切に選択できる

      ・“自分なりの芯”を持ちつつ、周囲と柔軟に調和することができる

      ・勤勉であり、誰の意見にも素直に耳を傾けることができる

      ・チャレンジ精神があり、ポジティブに物事を考えることができる

      ・高度で専門的な知識や技能を有している

     多くの中小企業の社長がこうした人材を獲得したいと考えるため、採用活動は
     困難になります。

     加えて、近年は応募者の安定志向が強く、事業内容や仕事のやりがいはもち
     ろんですが、それ以上に「経営が健全で倒産の懸念が少ない」「賃金など労働
     条件が良い」「ワーク・ライフ・バランスなど福利厚生が充実している」を重視す
     る傾向があります。

     そうなると、知名度のある大企業に応募が一層集中するようになるため、中小
     企業の採用活動はより厳しいものになってきます。

     ただし、大企業と中小企業では、優秀な人材像に少し違いがあるのも事実で
     しょう。

     中小企業はその違いを見極めながら、大企業とは違った視点で応募者を評価
     し、中小企業ならではの採用活動を展開することで「自社にとって優秀な人
     材」を獲得できるようになるかもしれません。

   2.中小企業が求める人材

     大企業が考えている優秀な人材像の一つに、特定分野において力を発揮する
     スペシャリストがいます。

     例えば、研究開発部門で手腕を振るう人材、人事制度改革に多くの実績を残
     している人材などが該当するでしょう。

     大企業は部署が細かく分かれており、それぞれの役割分担が明確です。

     その役割をスペシャリストとしてこなすことができる人材が求められます。

     一方、中小企業では、社長自らが先頭に立って現場の指揮を執りながら、全
     ての社員が団結して総力戦で経営に臨みます。

     中小企業の社員は常に顧客と接する立場にあると同時に、幅広い業務を担当
     しなければならず、柔軟な考え方が求められます。

     大企業のスペシャリストに対して、中小企業ではゼネラリストが重用される傾
     向があります。

     もちろん中小企業にもスペシャリストは必要ですが、特定分野が100 点で他
     の分野が10 点よりも、全ての分野で65 点を取れる人材の方が中小企業に
     は適している面があります。

   3.中小企業の視点

     採用できる人数が少ない中小企業は、自社にとって優秀な人材像を明確にし
     て採用活動を進めます。

     しかし、それに当てはまる1 0 0 点満点の応募者と出会える確率は高くありま
     せん。

     そこで、中小企業は、採用基準のハードルを少し下げ、入社後の人材教育
     よる成長の期待値も考慮して採用することを心掛けてみましょう。

     特に、“売り手市場”で採用活動が難しくなっている現在は、入社時の能力に
     ついては多少の妥協は必要でしょう。

     こうして採用した人材の中には、社長の意向を十分に理解し、同じ目的に向
     かって進もうとする人材がいるかもしれません。

     そうした人材は、社長自らが将来の幹部候補生として特別な教育をすることも
     できます。

     以下では、中小企業が現在の採用活動を見直すための具体的な取り組みを
     紹介していきます。

  □多くの中小企業が行っている採用活動

   1.中小企業と大企業の採用活動

     多くの中小企業は、大企業と同じような採用活動を行っています。

     具体的には、「多くの応募者を集め、その中から効率的に優秀な人材(の卵)
     を発見して獲得する」といったものです。

     しかし、大企業と中小企業の状況は異なります。

     大企業には人事部があり、採用活動を専門に行う社員がいますが、多くの中
     小企業にそのような者はおらず、ある程度の役職者が臨時の採用担当者にな
     ります。

     中小企業には、限られた人員・時間・コストで、より効率的な採用活動を行うこ
     とが求められます。

     中小企業が大企業と同じように行っている採用活動の基本的な流れを見てみ
     ます。

   2.履歴書の内容

     履歴書から判断する内容はおおむね次の通りです。

      ・学歴:高学歴であるほど高ポイント。中退は好ましくない

      ・職歴:具体的な成果が多いほど高ポイント。転職回数は少ないほどよい

      ・資格:高度な資格を持っていると高ポイント

      ・性格:「元気がある」「謙虚である」などの場合は高ポイント

   3.適性検査など

     応募者の適性を把握するために、次のような検査を行います。

      ・ビジネスの一般常識:時事的なトピックスを経済や文化など幅広い分野で
       問う

      ・適性検査:基礎的な読解力、計算力などを測る

   4.面接

     面接の場では次のような質問をします。

      ・志望動機:自社業務に魅力を感じていれば高ポイント

      ・態度、口調など:正しい言葉遣いで、適切な受け答えができれば高ポイント

      ・風貌:清潔感のある風貌であれば高ポイント

   5.採用の決定

     履歴書の内容、面接時の応対を考慮した上で面接官が以下のように評価した 
     応募者は、次のステップ(二次面接、採用)に進んでもらいます。

      ・考え方が論理的で、それを分かりやすく相手に伝えられる

      ・性格が明るく、資格も取得しているので勤勉なのだろう

      ・職務経歴が素晴らしく、きっとわが社でも活躍してくれるだろう

      ・自社のことをしっかり研究し、実際に働く姿をイメージできている

  □中小企業が行う採用活動のポイント

   大企業と中小企業では、集められる応募者数、採用人数、採用活動に割り当てら
   れる経営資源などが異なります。

   大企業と同じような採用活動を続けるよりも、早い段階から経営者が参加して応 
   募者と対話するなど、中小企業ならではのフットワークの軽さを生かすとよいで
   しょう。

   中小企業が行う採用活動のポイントは次の通りです。

   1.履歴書の見直し:リポートを提出してもらう

     履歴書は、応募者の学歴や属性(中途採用の場合は職務経歴)を知るための
     重要な書類です。

     また、履歴書の書き方で応募者の几帳面さや誠実さなどを、ある程度、読み
     取ることもできます。

     しかし、履歴書から得られる情報を重視し過ぎるのは問題です。

     履歴書から学歴や資格は分かっても、働くことに対する意識や性格は分かり
     ません。

     履歴書の内容は優秀でも、実際に採用してみると期待外れだった、といった
     ケースは少なくありません。

     今では、履歴書の提出を求めない企業もあるほどです。

     そこで、中小企業は履歴書を採用のための応募シートと考え、応募者の氏
     名、住所、連絡先などの情報を収集します。

     その他、応募者の志望動機、入社後の活躍イメージなどはリポートの形式で
     提出してもらいます。

     履歴書にも自己PR の欄はありますが、スペースが小さいので十分ではありま
     せん。

     また、1つの事項を分かりやすく文書にまとめることは意外と難しいものです。

     リポートの内容、構成、誤字脱字などから、履歴書からは分からない応募者の
     論理的思考力・分析力・集中力・注意力などを知ることができます。

     このような方法を大企業が行おうとした場合、採用担当者は大量のリポートを 
     読まなければならず、負担になります。

     一方、応募者数がそれほど多くない中小企業であれば十分に実現可能でしょう。

   2.適性検査の見直し:より実践的な質問をしてみる

     文章読解力や計算力などの基礎的な学力、発想の柔軟さなどを把握するため
     に、SPI などの適性検査を行っている企業が少なくありません。

     これは良い取り組みですが、他社と差異化を図りつつ、より実践的にするため
     に、次のような質問をしてみるとよいでしょう。

      ・過去にあったクレームの実例を紹介し、どのように対処するか?

      ・自社製品の販売数量を伸ばすためには、どのような方法があるか?

     学歴や職歴が目立たない存在だった応募者から、優れたアイデアが出される
     こともあります。

     この他、入社意欲の高さを知るために、業界動向や入社後の就業イメージな
     どを質問してみるのもよいでしょう。

   3.面接の見直し:交渉の場として実践する

     形式的な質問を繰り返すだけの面接だと、応募者は杓子定規な受け答えをす
     るだけで、なかなか“本当の姿”が見えてきません。

     そこで、面接に対する考え方を少し変えて、面接は会社と応募者が互いの条
     件を提示し合って、両者にとって有益か否かを判断する場ととらえ、リラックス
     した雰囲気の中で、次のようなことを話し合ってみるのもよいでしょう。

      ・中小企業は応募者に何を約束できるのか?

      ・応募者は、入社後にどのように貢献できるのか?

  □採用活動に対する意識転換

   中小企業は、大企業と同じような採用活動を展開し、スペシャリストの採用に注力する
   必要はありません。

   中小企業に必要なのは、バランス感覚に優れた人材(ゼネラリスト)といえます。

   優秀な人材を獲得するために、中小企業は現在の採用活動を見直し、社長自ら
   が応募者と対話する時間を設け、また応募者にはさまざまな角度から課題を与え
   てみるとよいでしょう。

   また、本当に優秀だと思える人材に出会えた場合は、選考活動を省略してでも、
   社長自ら入社を促す柔軟性が必要です。

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静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
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