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・“報連相”を身に付ける
・伝達力の強化
・報連相を向上させる
・正しい報連相(ホウレンソウ)のやり方
■報連相はビジネスの基本
ビジネスの基本は「報連相(ほうれんそう)」だと言われます。
よく知られている通り、報連相とは「報告」「連絡」「相談」の頭の漢字をとった造語であり、
ビジネスにおけるコミュニケーションのほとんどが報連相であるといっても過言ではありません。
報連相によって、それを受ける相手は状況を確認・整理し、次の行動の判断に生かすことができます。
部下の報連相によって上司が状況を理解し、次の指示を出すことができれば理想的です。
こうしてスムーズに仕事が進んでいけばトラブルの発生は少なくなり、ひいては顧客や取引先との関係も
良好なものになるでしょう。
報連相が行われる主なシーンは図の通りです。
このように、報連相は日々のさまざまなビジネスシーンで当たり前のように行われていますが、適切な
報連相を実行することはそれほど簡単ではありません。
適切な報連相とは、
1.自分の目的や意図が相手に的確に伝わる
2.相手がそれに基づいて次の行動を判断できる
といった2つの条件を満たすものです。
これを行うためには、まず、図の報連相のイメージを確認する必要があるでしょう。
自分が伝えたいことと相手が知りたいことは必ずしも一致しないものです。
しかし、できるだけ相手の立場に立ちながら、自分が伝えたいことを整理・理解し、相手が
知りたいであろうことを想像し、峻別(しゅんべつ)した内容を報連相すれば、その内容は
相手が知りたいことに近いものとなるでしょう。
以降では、部下が上司に報連相をする場合に注目し、適切な報連相をするために必要な考え方や
テクニックについて紹介していきます。
□相手にとって必要な情報とは何か
1.あるメーカーの事例
次のような状況を想定してみましょう。
あるメーカーの営業課の社員が、取引先のA社から商品Xを受注しました。
しかし、A社に約束した納期前日になって、自社の工場から「生産ラインのトラブルで
納期より納品が2日遅れる」と連絡が入りました。
社員は、工場にどうにかならないのか掛け合ってみたものの、工場は「申し訳ありません。
どうしても2日遅れてしまいます」と、らちが明きません。
社員は状況を営業課長に報告し、指示を仰ごうとしました。
以降では、営業課長(以下「課長」)からみて「あまり適切とはいえない報告をしたNさん」と
「適切な報告をしたOさん」の事例を比較していきます。
◎あまり適切とはいえない報告をしたNさん
課長、A社に納品予定の商品Xですが、ラインでトラブルがあった関係で納品が2日遅れになって
しまうと工場が言ってきています。
どうにかならないのか掛け合ったのですが、工場の担当者は、申し訳ないの一点張りで。
A社には明日が納期なのですが・・・。
この報告を聞いた課長は「A社には何ロット納品予定なのか?」「君の担当以外も含めて、A社
以外で商品Xの納品予定はないのか?」「ほかの支社に、こちらに回せる在庫はないのか?」
「A社の担当者には連絡しているのか?」とトラブル解決に必要な質問をしましたが、Nさんは
すぐに答えられませんでした。
◎適切な報告をしたOさん
課長、先ほど工場から連絡があり、ラインでトラブルが発生し、商品Xの納品が2日遅れるとの
ことです。
商品Xは、私の担当ではA社に明日午前中に10ロット納品予定です。
ほかの取引先に商品Xの納品予定がないか、各担当者にも確認中で、あと1時間後には全員に
確認できる見込みです。
現在、商品Xの在庫は、○○支社に25ロット、××支社に15ロットあります。
私に回してもらえるか確認します。
工場からは、このトラブルは、ほかの商品には影響ないとのことです。
まだ対応が決まっていないため、A社にこの件は伝えていません。
この報告を聞いた課長は「分かった。各担当者に確認ができ次第、もう一度報告してほしい。
○○支社と××支社には、私から連絡する。
その結果次第では、A社に私から連絡する」と指示しました。
ここで、NさんとOさんの報告の違いを簡単に整理してみましょう。
NさんとOさんの報告には大きな違いがあります。
なぜ、このような違いが生じたのでしょう。
(1)視野
Nさん、Oさんともに「取引先に迷惑をかけたくない」と考えています。
そのために「状況を課長に報告して、指示を仰ぐ」ことが報連相の目的です。
ただし、NさんとOさんでは事態をとらえる視野の広さが違います。
Nさんは自分が担当する取引先Aのことしか考えられず、また事態を打開するためのアイデアも
ありません。
一方、Oさんの意識は取引先Aのことだけではなく、そのほかの取引先や商品にまで及んでいます。
ビジネスで何かトラブルがあったとき、その解決策を講じることは重要ですが、それと並行して行う
べきは連鎖トラブルの防止です。
Oさんはこれらの点についてもある程度とらえることができていたといえます。
(2)思考・行動
Nさんは、工場から連絡を受けたとき「とにかく状況を課長に伝えなければ。課長に伝えれば
何とかなるはずだ」と考え、そこで思考がほとんど停止してしまっています。
一方、Oさんは「課長はきっとA社以外の取引先への影響も気になるはずだ。それに、工場からは間に
合わないとして、ほかの支社に在庫がないか尋ねるはずだ」と仮説を立て、ほかの担当者への確認、
ほかの支社への在庫確認を行いました。
このように、NさんとOさんとでは「視野」「思考・行動」に違いがあります。
課長からみたNさんの報告は次の行動を決める上でほとんど役に立ちません。
一方、Oさんの報告は次の行動を絞り込むことができる適切なものになっています。
2.適切な報連相をするために心掛けること
適切な報連相をするため、すなわち、相手にとって必要な情報を伝えるためには、
・視野を広げること
・相手の立場になって、仮説を立てて考えること
が大切です。
上司は部下よりも広い視野を持っています。
部下が上司に適切な報連相を行うためには、上司の視野の広さを意識しつつ、上司が求める
情報を上司の立場でイメージしてみることが求められます。
もちろん、上司の考えていることのすべてが部下に分かるわけではありません。
それでも部下は、自分が上司の立場だったとしたら「その情報がないと判断に困る」、もしくは
「その情報があれば判断しやすい」という情報をイメージしてみましょう。
視野を広げ、相手の立場になって仮説を立てて考えるようになるための第一歩は、
自分の担当する業務の全責任者になったつもりで本気で取り組む
ことです。
一つ一つの小さな仕事が有機的に結びついて大きな仕事になります。
また、販売会社であれば多くの顧客がいて、それぞれ取引年数、取引額などが異なります。
こうしたことを一つずつ明らかにしていくことでしか、上司の立場に立つことはできないでしょう。
自分に関連する仕事を徹底的に知ろうとすると、それまで気にも留めていなかったことが疑問に
感じられるようになります。
それを明らかにしていくことを繰り返すうちに、最初は断片的だった知識・情報が、線でつながり、
やがて、より広い視野から考えられるようになります。
その上で、自分が上司に必要だろうとイメージした情報と、実際に上司が必要とする情報の差を
埋めていくのが、適切な報連相ができるようになるための一つの道でしょう。
3.報連相の経験を積み重ねる
とはいえ、漫然と報連相の回数を重ねていては、いつまでたっても適切な報連相はできません。
例えば、自分が上司に報連相を行った場合、そのたびごとに振り返って次回に生かすことが
大切です。
前述の事例のNさんであれば、「君の担当以外も含めて、A社以外で商品Xの納品予定はないのか?」
など、課長から質問されたことをすべてメモにとり、なぜ、そのような質問がされたのか理由を
考えてみることが不可欠です。
また、報連相は日々のさまざまなビジネスシーンで当たり前のように行われています。
つまり、注意してみると、同僚が上司に報連相をしている様子や自分の上司がさらにその上司に
報連相をしている様子を観察することができます。
自分が当事者になったつもりになり、自分だったらどのように報連相をするのか、それに対して
上司はどのような質問をしてくるのかを観察し、報連相の経験を積み重ねていくとよいでしょう。
□どのようにすれば、情報を的確に伝えられるのか
報連相を適切に行うためには、相手に対して情報を的確に伝えることが不可欠です。
その際に押さえておくべきポイントは以下の通りです。
1.要点を整理してから伝える
報連相を行う前に、必ず自分が持っている情報を整理・理解しなければなりません。
そうすることで、支離滅裂な報連相はなくなりますし、重要な情報の抜けや漏れを防ぐことも
できます。
また、整理した要点については相手から質問をされることも想定することができるでしょう。
2.結論から先に、経緯説明は後に伝える
相手に何かを伝えるとき、事象や原因・理由などから始め、結論が最後になると、どうしても
話が長くなってしまい、受ける相手が「結局、何が言いたいのか分からない」ということに
なりがちです。
そのため、ビジネスでは物事の結論から伝え、その後に結論に至った理由や背景、今後の展望
などを伝えることが基本とされています。
身近なところでは新聞記事がこのような構成になっているので、参考にしてみるとよいでしょう。
3.事実と意見・推測を区別する
事実と意見・推測が混在していては、受ける相手に誤解を与えます。
事実は事実として伝えます。
事実に対する意見・推測を加えたい場合、「私見ですが」と断ることで事実と意見・推測を区別
します。
4.あいまいな表現は避ける
あいまいな表現は、受ける相手に誤解を与えるため、できるだけ使わないようにします。
特に気をつけたいのは「とても」「少し」「いっぱい」「かなり」といった形容詞です。
これらの表現は伝える側の主観にすぎません。
何かを伝えようとするときには、こうした形容詞は使わないことを心がけるべきでしょう。
数字を明示できる情報であれば「たくさんある」というのではなく、「1万個ある」といった
ように正確な数字を伝えるようにします。
なお、数字で表される情報は「いつ(納期)」「いくつ(ロット)」「いくら(価格)」と
いったように仕事にも直結するものが多いので、注意をして伝える必要があります。
5.伝えるタイミングを考慮する
相手が急いでいる様子のときなどは、伝える情報の緊急性・重要性と相手の状況を推察する
ことも大切です。
タイミングを見計らって「○○について報告があります。お時間よろしいですか?」といった
具合に、相手の都合を確認するとよいでしょう。
受ける相手が貴重な時間を割いていることを忘れてはなりません。
ただし、本当に緊急を要する場合は、相手の状況に関係なく、伝えるべきことを伝えなければ
なりません。
6.状況が変わったときは、中間報告を行う
ある業務をしているうちに、別の業務を頼まれるなど、状況が変わることは仕事につきものです。
状況が変わったときは、中間報告をして、その後の指示を仰ぐとよいでしょう。
中間報告によって、状況が変わってもそのまま業務を続け、結局時間を無駄にしてしまったという
事態を防ぐことができます。
7.指示を受けた本人に直接報告する
報告をする際は、指示を受けた本人に直接報告するのが原則です。例えば、課長が不在のとき、
課長のさらに上位である部長から指示を受けたとしたら、まず、課長には部長に指示を受けたこと、
次に指示の進ちょくを報告します。
指示が完了した場合、課長が「私から部長に伝える」といった場合を除いて、直接、指示をした
部長に報告をします。
8.ミスやトラブルなど悪い情報ほどすぐに伝える
ミスやトラブルなど悪い情報を報連相するのは勇気がいるものですが、放っておくと事態はますます
悪化するばかりです。
悪い情報こそ、早く正確に伝えることが肝要です。
自分一人で悩んだり、勝手な判断をすることは、取り返しのつかないことにもなりかねません。
9.ケースや相手によって伝える方法を選ぶ
報連相の方法は、大きく書面によるものと口頭によるものとに分けられます。
伝える情報の緊急性・重要性に応じて、書面と口頭のどちらが良いのか判断をします。
仮に書面で行う場合も、電子メールを送信することで済ませて構わないのか、印刷した文書を手渡し
したほうが良いのか考慮することも大切です。
10.一人で何とかしようとする前に報連相をする
当初「一人で2時間もあればできる」と思っていた業務が、実際にやり始めたら「全くはかどらない。
このままでは時間に間に合いそうにない」という事態は起こるものです。
こうしたときに、一人で何とかしようとしがちですが、その結果、時間を守れなかったり、ミスが
多く質の低い仕上がりになってしまってはいけません。
こうした場合は、間に合いそうにないと分かったときにすぐに報連相をすることです。
そうすれば、ほかの人の手を借りたり、スケジュールを再調整したりといった修正も可能でしょう。
□報連相のポイント
これまでの内容を踏まえ、報連相のチェック項目を紹介します。
報連相に関する主なチェック項目は表の通りです。
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伝達力の強化 |
「ある顧客に提案してうまくいったから、ほかの顧客にも同じ提案をしてみたが、 最初の顧客以外誰もいい反応を示さない」「新しい企画について社内でプレゼンをしたが、 いまひとつ反応が悪い」「上司に新しい営業方法の提案をしていたが、途中で『もういい』 と話を切られた」といった経験があるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。 自分は一生懸命に説明をしているのに聞いてくれないというのは、単に相手に聞く気が ないからなのでしょうか。 確かにそうした場合もあるでしょう。 しかし、それ以前に考えるべきなのは、「自分はきちんと相手が興味を持ってくれる ような説明をしているか」ということです。 それは、話がうまいということではありません。 口下手でも、相手が興味を持つようなことを話していれば、相手はきちんと聞いて くれます。 それはつまり、「相手が知りたいこと」をきちんと伝えるということです。 言葉にすると極めて当たり前のことですが、実際にはなかなか徹底できないものです。 これは、若手はもちろん、経験を積んだビジネスパーソンであっても同様です。 若手の場合は、経験不足から「相手が知りたいこと」が分からないということが多い のですが、経験を積んだビジネスパーソンの場合は、その経験からくる慣れのために 「相手が知りたいこと」は何かを深く考えずに、「いつものパターン」で対応して しまうことがあります。 以降では、冒頭の食品メーカーの営業担当者を例に、「相手が知りたいこと」を伝える ための考え方を、改めてまとめていきます。 ■「伝えたいこと」と「伝えるべきこと」の違いを理解する 1.相手とのギャップを理解する 営業に限ったことではないが、人に何かを伝えようとするとき、気をつけなければ ならないのは、「自分が伝えたいこと」と「相手が知りたいこと」には、多くの 場合ギャップがあるということです。 冒頭の営業担当者が失敗したのはまさにこの点です。 営業担当者は、新商品の特徴であるパッケージの工夫について熱心に伝えようと しましたが、仕入れ担当者が知りたかったのは、その商品が店に利益をもたらすか どうかです。 営業担当者はこのギャップに気づかずに「自分が伝えたいこと」ばかりを話して しまったために、仕入れ担当者に興味を持ってもらえなかったのです。 2.「相手が知りたいこと」をきちんと考える 相手に何かを伝える際の基本は、「相手が知りたいこと」に答えられるような 情報を伝えるということにあります。 しかし、初対面の相手に対するときなど、「相手が知りたいこと」が何なのか 分からないこともあります。 このような場合には、相手の立場であれば一般的に興味を抱くであろう事項を 考えます。 例えば、小売店の仕入れ担当者であれば、「商品の売れ行き」「価格などの取引条件」 は気にするであろうと考えられます。 また、相手の立場や伝える内容にかかわらず多くの人が気にするであろう事項の 組み合わせを自分なりのパターンとしてまとめておき、相手の情報がないときに 使用するのもよいでしょう。 例えば、「メリット」「デメリット」といったことは多くの人が気にする事項 といえます。 ただし、これらはあくまで「相手が知りたいこと」が特定できないときの手段です。 一般的に興味があるであろう情報を伝えて相手の反応を見ながら、その人が実際に どういった点に興味を持っているかを確認しながら修正していくことが重要です。 そして、「相手が知りたいこと」が分かれば、それに答える情報をまとめることで、 より効果的に物事を伝えられるようになります。 □伝えるべき内容を整理する 1.まずは方針を明確にする 以下では、伝えるべき内容を考える際の具体的な手順を説明します。 まずすべきことは、「何のために誰に何を伝えるのか」ということを事前に明確に しておくことです。 これは、相手に何かを伝えるに当たっての方針といえるものです。 (1)何のために 人に何かを伝えるときには、何のために伝えるかという目的を明確にしておく 必要があります。 これは、目的によって伝えるべき内容が変わってくることがあるからです。 営業担当者の目的が「商品の特徴を知ってもらう」ことであれば、パッケージ の工夫について熱心に説明するのもよいかもしれません。 しかし、営業担当者の目的は商品を知ってもらうだけではなく、小売店で 商品を取り扱ってもらうことにあるはずです。 それならば、仕入れ担当者が商品の購入を決定する際にどのようなポイントを 重視しているかを把握し、まずはそのポイントに絞って説明を行ったほうが 購入にいたる可能性が高いのは明白でしょう。 逆に、パッケージの工夫については、仕入れ担当者には詳細な説明をする必要は ないかもしれません。 (2)誰に 誰に伝えるかが明確でなければ、「相手が知りたいこと」が何かも分 かりません。 同じ商品を案内する場合でも、購買決定に当たって価格を重視する仕入れ 担当者もいれば、商品の機能(ここでは食べやすさ)を重視する仕入れ担当者 もいます。 ほかにも、メーカーによる販売支援の有無、陳列のしやすさなど、人によって 重視するポイントは違うはずです。 また、一般消費者に商品の説明をする場合であれば、仕入れ担当者に案内する のとは全く別の視点が必要になるでしょう。 このように、伝えるべき内容を決定する上で、誰に伝えるかをできるだけ 明確にしておくことが重要です。 (3)何を (1).(2)を踏まえた上で、伝えるべきポイントを明確にします。 商品の小売店への導入を目的に、価格を重視する仕入れ担当者に案内をする のであれば、価格などの取引条件を中心に説明を組み立てることになる でしょう。 当たり前のことのようですが、あえて明確に言葉にしておくことで、より強く 意識することができ、気がつくと内容が「自分が伝えたいこと、伝えやすい こと」になっていた、ということを防ぐことができます。 「何のために誰に何を伝えるのか」という方針は、できるだけ具体的に考えて おく必要があります。 そうでなければ、方針があいまいになってしまい、ギャップが解消できない 可能性があります。 例えば、「営業のために小売店の仕入れ担当者に商品の特徴を伝える」では、 具体的なことは何も分かりません。 これでは営業担当者は、結局パッケージの工夫について説明をして帰ることに なるでしょう。 そうではなく、「○○スーパーに商品を導入してもらうために、価格を重視 する担当の△△さんに、価格をはじめとした取引条件の優位性を中心に商品の 説明をする」とすると、方針が明確になります。 2.具体的に何を伝えるか 「何のために誰に何を伝えるのか」という方針が定まったら、それに沿って 具体的に伝えるべき内容を考えます。 ここで大事なのが、相手の立場になって考えること、つまり、「相手の知りたいこと」 は何かを考えるということです。 伝えるべき内容を考える際は、以下のようなステップで進めていきます。 (1)自分の目的を、相手の立場で問いにする (2)「相手が知りたいこと」を問いの形で挙げる (3)問いに対する答え(=伝えるべきこと)を考える (4)答えを支える根拠となる情報をそろえる なお、これらは図にしながら進めていくことで、自分が伝えようとしている 内容が方針からずれていないか、伝えるべきことにモレがないかといったことが 確認しやすくなります。 (1)自分の目的を、相手の立場で問いにする 効果的に物事を伝えるためには、相手の立場で考えることが重要です。 そこで、まずは自分の意見を相手の立場で検討するつもりで問いを立てます。 自分が「商品を取り扱ってもらいたい」と考えているのならば、相手の立場に 立った問いは「この商品を取り扱うべきか」となるでしょう。 (2)「相手が知りたいこと」を問いの形で挙げる (1)で問いを立てたら、次に、その問いについて是か非か判断するためには どういった点が気になるかを考えます。 この「気になる点」が、「相手が知りたいこと」です。 「相手が知りたいこと」は、例えば「取引条件」などのように単語で表す のではなく、「利益はとれるか」など、具体的な問いの形で考えるとよい でしょう。 問いの形にすることで、より相手の立場を意識して考えることができます。 (3)問いに対する答え(=伝えるべきこと)を考える 具体的な問いができたら、その問いに対する答えを考えます。 この問いに対する答えが、つまり「相手に伝えるべきこと」です。 (4)答えを支える根拠となる情報をそろえる (3)の答えは、「なんとなくそう思う」などというものでは意味がありません。 説得力を持たせるためにも、答えは、「なぜそう言えるのか」というしっかり とした根拠で支えられている必要があります。 3.全体の見直し (2)で導き出した「相手に伝えるべきこと」に妥当性があるかどうかを確認する ために、(3)の答えが(2)の問いだけでなく、(1)の問いに答えられる内容になって いるかを確認します。 (2)の問いは(1)の問いをより細かなレベルに落とし込んだものなので、(2)の問い に正しく答えられれば(1)の問いに答えることにもつながるはずです。 もしも答えが(1)の問いに答えられる内容でない場合には、その答えは本来の目的 達成にはつながらない、つまり「伝えるべきこと」ではないといえます。 内容を確認する際には、以下のような手順で行います。 まず、(1)の問いに対する回答を想定します(今回であれば、「取り扱うべきである」)。 その後、その回答と(3)の答えを見比べて、上から下に対して「なぜ?」(下の情報が 上の情報の理由になっているか)、下から上に対して「だから?」(下の情報から 上の情報を導くことができるか)との問いかけが成り立つかどうかで確認します。 なお、この「なぜ?」「だから?」による確認は、(3)の答えだけでなく、 (4)の情報が(3)の根拠として適切かどうかを確認する際にも使うことができます。 上下の情報で相互に「なぜ?」「だから?」が無理なく成り立てば、その答えは 正しいものであるといえるでしょう。 逆に上下で「なぜ?」「だから?」が成り立たない、つながりがおかしいなどと 感じるとしたら、その情報は答えになっていないということですから、見直す 必要があります。 なお、この図の構造では通常、上の情報一つに対して、下の情報は複数出てきます。 複数ある下の情報のそれぞれについて、上の情報と「なぜ?」「だから?」が 成り立つかを確認するようにしましょう。 □最後に ここまでみてきたことは、当たり前のことであり、ビジネスパーソンであれば誰でも 知っていることでしょう。 特に、ここでは若手営業担当者の失敗を例に挙げ、初歩的な内容から説明をしているため、 なおさらでしょう。 しかし、知っていることと実践できることとはまた別です。 多くのビジネスパーソンは、冒頭の例であればどのように新商品を案内するべきか、 すぐに思い浮かべることができるでしょう。 これは、新商品を案内するときの「パターン」を持っているからです。 ビジネスパーソンとして経験を積むと、「こういう説明をすれば提案が通りやすい」 といったパターンが分かってきます。 これは効率的に業務を進めるためにとても大事なことです。 しかし、そのパターンを使うことに慣れてしまい、誰に対しても深く考えずに同じ パターンを使ってしまうことがあります。 「新商品の案内であればこの情報を伝える」「企画のプレゼンであればこの情報を伝える」 と、誰に対しても同じ案内をするということでは、相手のことを考えた対応とは いえません。 重要なのは、そこで「伝えるべきことは本当にそれでいいのか」を一度立ち止まって 考えているかということです。 その場合、まず自分の頭の中にある「伝えるべき内容」を図に描き起こし、 伝える相手のことを思い浮かべながら、「伝えるべきことは本当にそれでいいのか」を 確認するようにします。 なお、慣れてくれば図示しなくとも考えられるようになりますが、確認する習慣を つけるという意味でも、最初は図に描き起こしたほうがよいでしょう。 改めて確認した結果、やはり伝えるべき内容は変わらない、ということもあるでしょう。 結論が変わらないのであれば、この考えるという行為は無駄なことのように思える かもしれません。 しかし、重要なのは、結論がどう変わったかではなく、きちんと相手に合わせて 考えることができたか否かです。 この「相手に合わせて考える」という1ステップを入れるかどうかで、ビジネス パーソンとしての“伝える力”に大きな差が出るでしょう。 お問合せ・ご質問はこちら メルマガ登録(無料)はこちらから |
報連相を向上させる |
■報連相にはさまざまなレベルがある 会社運営において、十分な報連相(報告・連絡・相談)が不可欠であることはいうまでも 朝礼などでその重要性を繰り返し説いている社長も多いでしょう。 しかし、自社全体の報連相が本当にうまくいっているのか、さらにそのレベルを上げる まず、報連相を構成する3つの要素について改めて考えてみましょう。 報連相とは「報告」、「連絡」、「相談」の総称です。 それぞれの定義については以下のように整理することができます。 「報告」:通常の担当業務や特に指示された業務に対して、上司にその経過や 「連絡」:業務上知り得た圭要な事実や決定事項などについて関係者に伝える 「相談」:迷った際に、上司の判断を仰いだりアドバイスをもらうこと まずは「報告する」という自発的なアクションが習慣化していないと、「連絡」や 現場レベルでの日常的な報連相については、社長からは目が届きにくいところでは 部下が上司に報告する場に立ち会ったり、報告書の提出状況や記載内容などもチェック 一言で報連相といっても、そこにはたくさんのレベルがあります。 とにかく目の前の仕事をこなすのに精一杯という新入社員に求められる報連相と、 また、十分な経験を積んでいる既存業務を滞りなく回すための報連相と、未知の分野を 社長の方々と話をしていると、「我が社は報連相が足りない」という方が多い一方で、 つまり報連相レベルの向上というのは、必ずしも報連相の「量」を多くしていくと 自社の報連相の状況を把握し、どのような「報告」、「連絡」、「相談」を実現した このように報連相にはさまざまなレベルがありますが、大きく分けると「逐一型報 ステップ1(逐一型報連相:細かいことも尋ねる、指示する) ステップ2(まずは自分で考える、考えさせる) ステップ3(他部門や全社への貢献を意識する) まず確認したいのが最低限のレベルである「逐一型」の報連相ができているかという 逐一型報連相とは、部下が細かい行動レベルまで上司に判断を仰ぎ、上司は逐一 部下は自分の経験や知識不足から報連相なしではほとんど行動できない「半人前」 もっとも重要なのは「分からないままにやってしまう」ことを避けることであり、 一方、上司は部下からのたびたびの報連相に対して面倒がらずに対応しなければ 上司としては「いちいちそんなことまで聞くな」といいたいところですが、教育の 逐一型報連相はおもに新入社員などが仕事の仕方を学ぶために習慣化すべきこと 仕事の仕方の基本を身につけ自社の業務についてもある程度の経験を積んで この段階では上司は部下を「一人前」として扱います。 自立型報連相とはその名前のとおり、自分のなかである程度の判断基準をもち、 自分で判断できる仕事であれば報連相を「承認手段」として使い、判断できない 自立型報連相では上司への報連相の仕方も「状況はこうなっています。自分 また、報連相を受ける側もたんに「どうしたらよいでしょうか」という相談をもち なお、自立型報連相ができる社員に対しては、ある程度仕事を任せていくことに むしろそれまで以上に上司の関心事を先取りしたスピーディーで質の高い報連相 中堅クラスの社員からは「上司は仕事を任せるといっておきながら、報連相しろと 共創型報連相とは自立型報連相からさらに進み、自分が担当している業務だけ 自分の行動結果や新たに知り得た情報、さらにそこから導いた分析結果などを 特に経営幹部には共創型報連相を行うための姿勢と能力は不可欠です。 経営幹部が報連相する相手はおもに社長です。 彼らが社長と同様の危機意識・問題意識をつねにもっていなければ十分な共創型 また、社長の現在の最大の関心事や悩みなどについても把握しておく必要が 報連相をより高いレベルにしていくためには、共創型報連相ができる幹部をで そのためには社長は、自社の経営理念や戦略、社長の信条などについて、幹部 社長が自社の報連相について語るとき、力点が置かれているのは「報連相をする側」 つまり自社の報連相がうまくいっているかどうかについて、メッセージの発信側がそれを もちろんこのこと自体は非常に重要です。 まずメッセージが発せられなければ何も始まりません。 ただし、報連相レベルを向上させるためには、これ以外にも「報連相される側」、 第1の視点は「報連相する側」についてです。 社員のなかには報連相の大切さは頭では理解できていても、実際の行動に十分に 彼らには報連相する側の原則について徹底して教え込むことが大切です。 ・報連相はそれ自体が仕事であり、義務である ・報連相が不足している人は上司や同僚からの信頼を得られない。 ・仮に報連相なしに大きな成果を上げたとしても、それは結果オーライの ・「こんなことまで報連相する必要はない」という勝手な基準をもたない ・報告なしは虚偽報告と同じである また、報連相を徹底することは、上司や会社のためだけではなく、部下自身の仕事 それによって「やらされる報連相」から「自主的な報連相」へと意識を変えていく 第2の視点は「報連相をされる側」についてです。 つまり上司が部下の報連相をきちんと受け止めて、適切な指示やアドバイスを行って これは大きく分けて「部下が報連相しやすい環境をつくっているか」という準備段 たとえば、部下が相談をしたいと思っているときに、「上司はいつも不在、電話も また、やっとのことで上司をつかまえて報連相を行えたとしても、上司が部下の そしてひとたび「この上司に報連相しても仕方がない」と思われたら、いくら指導 さらに上司は部下との日常的な報連相だけではなく、部下の報連相能力向上に ・自分から働きかけない限り部下からの報連相はないと認識する ・部下からの報連相にはイエスかノーで明確に答える。 ・成果を上げていても報連相しない部下は厳しく指導する ・「仕事」は任せても、報連相は任せない ・部下の能力に合わせた指導(逐一型、自立型、共創型)を行う 第3の視点は「報連相のためのルールと仕組みがあるか」についてです。 たとえば、日報を提出することを義務づけている会社は多いと思いますが、記載すべき なかにはいくら催促しても日報を提出しない部下に対して、いつの間にか放置して また、全社的に統一すべきルールだけではなく、部門の状況に応じて特別に必要な さらに緊急事態が起こったときには、迅速に社長に情報が伝わる仕組みづくりも不可欠 ・報連相のモレなど「うっかりミス」や人為的な「隠蔽」を防止できるように ・より効率的な報連相が実現できるように項目やフォーマットを工夫する ・悪いことほどすぐに伝わるようにする ・報連相の内容に合わせて対面、電話、メールなどの手段を設定する ・ルール破りには厳しい姿勢で臨む、放置はほかの社員へも悪影響を与える お問合せ・ご質問はこちら メルマガ登録(無料)はこちらから
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報告・連絡・相談「報連相」の方法と重要性 |
朝礼などでその重要性を繰り返し説いている経営者の方も多いでしょう。 報連相とは「報告」、「連絡」、「相談」の総称です。 「連絡」:業務上知り得た重要な事実や決定事項などについて関係者に伝えること 「相談」:迷った際に、上司の判断を仰いだリアドバイスをもらうこと まずは「報告する」という自発的なアクションが習慣化していないと、「連絡」や ビジネスの基本は「報連相(ほうれんそう)」だと言われます。 すでに御承知の通り、報連相とは「報告」「連絡」「相談」の頭の漢字をとった 報連相によって、それを受ける相手は状況を確認・整理し、次の行動の判断 部下の報連相によって上司が状況を理解し、次の指示を出すことができれ こうしてスムーズに仕事が進んでいけばトラブルの発生は少なくなり、ひい 報連相が行われる主なシーンとしては、 ○部下 → 上司 ○上司 → 部下 ○同僚 → 同僚 ○自社 → 顧客 ○自社 → 取引先 業務の複雑・煩雑化が増してくると、仕事のミスなどの自分の評価に不利になる このような状況をなくすにはどのように対応すればいいでしょうか? 組織で仕事を行なう場合、情報を共有しなければなりません。 そこで、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)がとても重要になります。 ただし、ミスを上司に報告することは心理的に嫌なものです。 結果として、被害が拡大した状況で発覚するということもあります。 自分の評価を気にするあまりにミスを隠すのは、自分を「一時的に」守るために 結果としては、自分すら守れていないのです。 この報連相ができていない会社(店)は多く、社内の連絡体制の流れが悪い会社 この場合、いきなり当人を叱責しても効果はありません。 ○報連相の形式を整える ・状況に応じた報告書の流れを作る。 ・報連相を個人の意識に頼りすぎない。 ・誰が行なっても同じになるオペレーション(標準化)を組む。 ○コミュニケーションを密にする ・上司と部下の関係が何でも言える関係を築く。 ・関係ができていても、言いにくいことは言いにくいもの。 就業規則には「情報の共有」、「報告、連絡、相談の徹底」を記載します。 (サンプル) 第○条 欠勤、遅刻、早退及び休暇の連絡等の届出事項、並びにその他職務に これに違反した場合は、懲戒処分を行うことがある。
日常的に伝えること、小さなミスがあったときに伝えることが重要です。 情報を隠した結果、大きな損害が発生することもあります。 この場合、会社は本人に対して「一定の処分」を科すことができます。 これについても就業規則に記載しないといけません。 従業員が10人以下だからといって、就業規則の整備が必要ない会社も規程の作成を 具体的には次のように記載すればいいでしょう。 (サンプル) 第○条 従業員が次の各号のいずれかに該当するときは、情状に応じ、 ・虚偽の申告、届出を行ったとき ・重大な報告を疎かにした、又は虚偽の報告を行ったとき
実際に処分を行なうかどうかは別問題であり、あくまでも、意識をもって欲しい また、上司が部下をかばい、これにより被害が拡大することもあります。 これでは上司として「不適格」であり、場合によっては、降格することも考えま また、上司自身が情報を隠したり、チェックを漏らしたりしたため、会社の損害が 場合によっては、懲戒解雇もやむを得ないケースもあります。
報連相の重要性を社員に意識させ、仕組み(運営の形式を整え、運用し、 報連相は日々のさまざまなビジネスシーンで当たり前のように行われていますが、 適切な報連相とは、 1.自分の目的や意図が相手に的確に伝わる 2.相手がそれに基づいて次の行動を判断できる といった2つの条件を満たすものです。 しかし、できるだけ相手の立場に立ちながら、自分が伝えたいことを整理・理解し、 適切な報連相をする(相手にとって必要な情報を伝える)ためには、 ・視野を広げること ・相手の立場になって、仮説を立てて考えること が大切です。 部下が上司に適切な報連相を行うためには、上司の視野の広さを意識しつつ、 もちろん、上司の考えていることのすべてが部下に分かるわけではありません。 それでも部下は、自分が上司の立場だったとしたら「その情報がないと判断に 一つ一つの小さな仕事が結びついて大きな仕事になります。 また、販売会社であれば多くの顧客がいて、それぞれ取引年数、取引額などが こうしたことを一つずつ明らかにしていくことでしか、上司の立場に立って考える それを明らかにしていくことを繰り返すうちに、最初は断片的だった知識・情報が、 その上で、自分が上司に必要だろうとイメージした情報と、実際に上司が必要と 漫然と報連相の回数を重ねていては、いつまでたっても適切な報連相はで 報連相は日々のさまざまなビジネスシーンで当たり前のように行われていま つまり、注意してみると、同僚が上司に報連相をしている様子や自分の上司 自分が当事者になったつもりになり、自分だったらどのように報連相をする 報連相を適切に行うためには、相手に対して情報を的確に伝えることが不可欠 その際に押さえておくべきポイントは 1.要点を整理してから伝える 報連相を行う前に、必ず自分が持っている情報を整理・理解しなければ そうすることで、支離滅裂な報連相はなくなりますし、重要な情報の抜け また、整理した要点については相手から質問をされることも想定すること 相手に何かを伝えるとき、事象や原因・理由などから始め、結論が最後 そのため、ビジネスでは物事の結論から伝え、その後に結論に至った理 身近なところでは新聞記事がこのような構成になっているので、参考にし 事実と意見・推測が混在していては、受ける相手に誤解を与えます。 事実は事実として伝えます。 事実に対する意見・推測を加えたい場合、「私見ですが」と断ることで事 あいまいな表現は、受ける相手に誤解を与えるため、できるだけ使わな 特に気をつけたいのは「とても」「少し」「いっぱい」「かなり」といった形容 これらの表現は伝える側の主観にすぎません。 何かを伝えようとするときには、こうした形容詞は使わないことを心がけ 数字を明示できる情報であれば「たくさんある」というのではなく、「1万個 なお、数字で表される情報は「いつ(納期)」「いくつ(ロット)」「いくら 相手が急いでいる様子のときなどは、伝える情報の緊急性・重要性と相 タイミングを見計らって「○○について報告があります。お時間よろしいで 受ける相手が貴重な時間を割いていることを忘れてはなりません。 ただし、本当に緊急を要する場合は、相手の状況に関係なく、伝えるべ ある業務をしているうちに、別の業務を頼まれるなど、状況が変わること 状況が変わったときは、中間報告をして、その後の指示を仰ぐとよい。 中間報告によって、状況が変わってもそのまま業務を続け、結局時間を 報告をする際は、指示を受けた本人に直接報告するのが原則です。 例えば、課長が不在のとき、課長のさらに上位である部長から指示を受 指示が完了した場合、課長が「私から部長に伝える」といった場合を除い ミスやトラブルなど悪い情報を報連相するのは勇気がいるものですが、 悪い情報こそ、早く正確に伝えることが肝要です。 自分一人で悩んだり、勝手な判断をすることは、取り返しのつかないこと 報連相の方法は、大きく書面によるものと口頭によるものとに分けられ 伝える情報の緊急性・重要性に応じて、書面と口頭のどちらが良いのか 仮に書面で行う場合も、電子メールを送信することで済ませて構わない 当初「一人で2時間もあればできる」と思っていた業務が、実際にやり始 こうしたときに、一人で何とかしようとしがちですが、その結果、時間を守 こうした場合は、間に合いそうにないと分かったときにすぐに報連相をす そうすれば、ほかの人の手を借りたり、スケジュールを再調整したりと ビジネスの基本は「報連相(ホウレンソウ)」だと言われます。 ご存知の通り、報連相とは「報告」「連絡」「相談」であり、ビジネスにおけるコミ 報連相によって、それを受ける相手は状況を確認・整理し、次の行動の判断に 部下の報連相によって上司が状況を理解し、次の指示を出すことができれば
いかなる業務も「報告」によって完了します。 報告はひとつの業務の終わりの行動であり、「終わり」をきちんと行わなければ、 ・報連相チェックシート ・報連相のモレなど「うっかりミス」や人為的な「隠蔽」を防止できるように設 ・より効率的な報連相が実現できるように項目やフォーマットを工夫する ・悪いことほどすぐに伝わるようにする ・報連相の内容に合わせて対面、電話、メールなどの手段を設定する ・ルール破りには厳しい姿勢で臨む、放置はほかの社員へも悪影書を与える ・日報、週報などの定期報告のルールがあるか ・ルールどおりにきちんと報告がなされているか ・クレームなど緊急報告事項の基準があるか ・緊急時に直接の上司に報告できない場合の代替案のルールがあるか ・緊急度の判断は部下に任せっぱなしになっていないか ・社内メールの工夫など、効率的な情報伝達の仕組みがあるか ・適切な報連相が会社を成長させるという共通認識があるか ・社長の具体的な行動基準となる倫理規定があるか ・部門間で互いに改善点を指摘したり、助け合えるオープンな雰囲気があるか ・報連相の土台となる良好な人間関係が構築されているか ・報連相への関心が薄く、自分だけの仕事をすればよいとする雰囲気がないか ・組織人としての常識を社員に任せきりにしていないか
まずは「報告する」という自発的なアクションが習慣化していないと、「連絡」や 現場レベルでの日常的な報連相については、経営者からは目が届きにくいとこ 社内において「報連相(ホウレンソウ)の方法を理解し、重要性を認識することで 報連相の目的は会社を強くし、結果として営業力の強化に繋がるのです。 したがって、報連相の不備は業務の停滞、顧客からのクレーム(苦情)という形 「ホウレンソウが会社を強くする」という本も出版されたくらい、会社に於いては 物事はすべて、始めと終りのケジメをつけることが大切です。 相手の現状の考え方を知り、価値意識、目的意識の深い理解から、“真の 報連相を徹底することは、上司や会社のためだけではなく、自身の仕事の幅が さらに言えば、報連相はそれ自体が仕事であり、義務であることを徹底させること そうでなければ「受動的な報連相」から「能動的な報連相」へと意識を変えること
基本動作12項目の一つです。 現場レベルでの日常的な報連相については、経営者からは目が届きにくいとこ 部下が上司に報告する場に立ち会ったり、報告書の提出状況や記載内容など つまり自社の報連相がうまくいっているかどうかについて、メッセージの発信側が もちろんこのこと自体は非常に重要です。 まずメッセージが発せられなければ何も始まりません。 社員のなかには報連相の大切さは頭では理解できていても、実際の行動に十分 彼らには報連相する側の原則について徹底して教え込むことが大切です。 ・報連相が不足している人は上司や同僚からの信頼を得られない。 ・仮に報連相なしに大きな成果を上げたとしても、それは結果オーライの暴走で ・「こんなことまで報連相する必要はない」という勝手な基準をもたない ・報告なしは虚偽報告と同じである また、報連相を徹底することは、上司や会社のためだけではなく、部下自身の仕事 それによって「やらされる報連相」から「自主的な報連相」へと意識を変えていく ・こまめな報告は義務だとの認識があるか ・仕事は報告まで済ませて完了という認識があるか ・上司不在などの報告しにくい環境でも、報告のためのあらゆる努力をしているか ・悪い状況こそ早めに報告しているか ・客観的事実と自分の考えを区別しているか ・「結果」→「経過」→「自分の考え」の順で報告しているか ・自分の担当業務とは直接関係なくても組織全体にとって有益な情報は自主的 ・タイムリーに報告し、上司に不安を与えない 上司が部下の報連相をきちんと受け止めて、適切な指示やアドバイスを行っ 上司が部下のメッセージを傾聴する姿勢や、正しく内容を理解し判断する能力を そして、ひとたび「この上司に報連相しても仕方がない」と思われたら、いくら指導 さらに上司は部下との日常的な報連相だけではなく、部下の報連相能力向上について ・自分のスケジュールや連絡先を公開して、部下からの報連相を受けやすくし ・いつまでにどのように報告せよと指示しているか ・部下からの報連相を受ける時間を大切にしているか ・どのような事項が報告されるべきか、あらかじめ把握しているか ・自分の理解度が十分かどうかを部下に確認する ・相談を受ける際もできるだけ部下に考えさせる ・自分の裁量を超える場合には上司にも報告する ・悪い状況の報告であっても、勇気をもって報告した部下を認める ・自分の管理責任が問われる報告であっても、上司に報告する ・日頃から報連相の仕方を部下に指導している 報連相は手段により、文書と口頭に大別されますが、目的に合わせて選ぶこと。 (1)文書による場合 ①正確さを必要とする時 ②保存する必要がある時 ③文書で報告を命ぜられている時 ④定期報告(日報・週報・月報) ①急を要する時 ②内容が軽いものの時 ③日常業務の事前報告の時 ④文書報告の事前報告の時 ⑤業務上のミスを起こした時 ⑥長期を要する業務の経過報告の時 (1)報連相の基本は、受ける立場を考えて簡潔かつ要領よく5W2H(3H) まず、結果・結論から 次に、経過・内容 ↓ そして、意見・対策を述べる (1)終了時の報連相(結果→経過→ ①指示・命令を受けたことを終了 ②会議・出張等から戻った時 ③時間がたち過ぎた報告は無意味である 仕事が長期に及んだ時、見通しがついた時、中間時点の進行状況と終 予想しなかったこと、異常が発生した時、直ちにする (1)「なに」を「だれ」に報告するのか。 (2)報連相の筋道と要点を決める。 (3)口頭でよいか、報告書にするか。 (4)必要であれば実物、図書、資料を準備。 (5)実例を調べる。 (6)報連相する「とき」と「こころ」を考える。 (7)口頭での場合は、必ず報・連・相する相手の都合を聞き、アポイントを
(1)仕事が終了したら直ちにする。(時間がたち過ぎた報告は無意味であ (2)ことを起こす時、何かを始める時にする。 (3)特別な事(予想外、異常が発生)が起こって、状況が著しく変化した時。 (4)仕事が予定より長引くとき。 (5)結果の見通しが付いたとき。 (6)会議、打ち合わせ、出張から帰った時。 (7)長期に渡る仕事の場合は中間で。 (1)複雑な内容のとき。 (2)数字が必要なとき。 (3)記録を残す必要があるとき。 (4)関係先(社内・外)に報告するとき。 (1)命令した人へ。 (2)結果 → 経過 → 内容 → 対策の順に。 (3)事実を正しく、要点を強調して。 (4)簡単、明確、具体的に。 (5)報連相を受ける立場に立って。 (6)情報、資料の出所を明示する。 (1)報告する前に相手の都合を確かめて。 (2)相手が立っている場合は立って行う。 (3)くずれた態度、言葉づかいをしない。 (4)落ち着いて要点を報告する。 (5)相手の理解度を確かめながら行う。 (6)特に電話報告は、先に資料をFAX してから。
□5W3Hでまとめる (1) When (いつ) (2) Who (誰が) (3) Where (どこで) (4) What (何を) (5) Why (なぜ) (6) How to (どのように) (7) How much (いくらで) (8) How many (いくつ) 「報連相」はよいケジメに欠かせません。
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