伝達力の強化

           

伝達力の強化

 「ある顧客に提案してうまくいったから、ほかの顧客にも同じ提案をしてみたが、
 最初の顧客以外誰もいい反応を示さない」「新しい企画について社内でプレゼンをしたが、
 いまひとつ反応が悪い」「上司に新しい営業方法の提案をしていたが、途中で『もういい』
 と話を切られた」といった経験があるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。 
 自分は一生懸命に説明をしているのに聞いてくれないというのは、単に相手に聞く気が
 ないからなのでしょうか。

 確かにそうした場合もあるでしょう。
 しかし、それ以前に考えるべきなのは、「自分はきちんと相手が興味を持ってくれる
 ような説明をしているか」ということです。 
 それは、話がうまいということではありません。
 口下手でも、相手が興味を持つようなことを話していれば、相手はきちんと聞いて
 くれます。
 それはつまり、「相手が知りたいこと」をきちんと伝えるということです。 

 言葉にすると極めて当たり前のことですが、実際にはなかなか徹底できないものです。
 これは、若手はもちろん、経験を積んだビジネスパーソンであっても同様です。
 若手の場合は、経験不足から「相手が知りたいこと」が分からないということが多い
 のですが、経験を積んだビジネスパーソンの場合は、その経験からくる慣れのために
 「相手が知りたいこと」は何かを深く考えずに、「いつものパターン」で対応して
 しまうことがあります。 
 以降では、冒頭の食品メーカーの営業担当者を例に、「相手が知りたいこと」を伝える
 ための考え方を、改めてまとめていきます。

 ■「伝えたいこと」と「伝えるべきこと」の違いを理解する

  1.相手とのギャップを理解する 
   営業に限ったことではないが、人に何かを伝えようとするとき、気をつけなければ
   ならないのは、「自分が伝えたいこと」と「相手が知りたいこと」には、多くの
   場合ギャップがあるということです。
   冒頭の営業担当者が失敗したのはまさにこの点です。 
   営業担当者は、新商品の特徴であるパッケージの工夫について熱心に伝えようと
   しましたが、仕入れ担当者が知りたかったのは、その商品が店に利益をもたらすか
   どうかです。
   営業担当者はこのギャップに気づかずに「自分が伝えたいこと」ばかりを話して
   しまったために、仕入れ担当者に興味を持ってもらえなかったのです。

  2.「相手が知りたいこと」をきちんと考える 
   相手に何かを伝える際の基本は、「相手が知りたいこと」に答えられるような
   情報を伝えるということにあります。 
   しかし、初対面の相手に対するときなど、「相手が知りたいこと」が何なのか
   分からないこともあります。
   このような場合には、相手の立場であれば一般的に興味を抱くであろう事項を
   考えます。
   例えば、小売店の仕入れ担当者であれば、「商品の売れ行き」「価格などの取引条件」
   は気にするであろうと考えられます。 
   また、相手の立場や伝える内容にかかわらず多くの人が気にするであろう事項の
   組み合わせを自分なりのパターンとしてまとめておき、相手の情報がないときに
   使用するのもよいでしょう。
   例えば、「メリット」「デメリット」といったことは多くの人が気にする事項
   といえます。 
   ただし、これらはあくまで「相手が知りたいこと」が特定できないときの手段です。
   一般的に興味があるであろう情報を伝えて相手の反応を見ながら、その人が実際に
   どういった点に興味を持っているかを確認しながら修正していくことが重要です。
   そして、「相手が知りたいこと」が分かれば、それに答える情報をまとめることで、
   より効果的に物事を伝えられるようになります。

 □伝えるべき内容を整理する
  1.まずは方針を明確にする 
   以下では、伝えるべき内容を考える際の具体的な手順を説明します。
   まずすべきことは、「何のために誰に何を伝えるのか」ということを事前に明確に
   しておくことです。
   これは、相手に何かを伝えるに当たっての方針といえるものです。

   (1)何のために 
    人に何かを伝えるときには、何のために伝えるかという目的を明確にしておく
    必要があります。
    これは、目的によって伝えるべき内容が変わってくることがあるからです。 
    営業担当者の目的が「商品の特徴を知ってもらう」ことであれば、パッケージ
    の工夫について熱心に説明するのもよいかもしれません。
    しかし、営業担当者の目的は商品を知ってもらうだけではなく、小売店で
    商品を取り扱ってもらうことにあるはずです。
    それならば、仕入れ担当者が商品の購入を決定する際にどのようなポイントを
    重視しているかを把握し、まずはそのポイントに絞って説明を行ったほうが
    購入にいたる可能性が高いのは明白でしょう。 
    逆に、パッケージの工夫については、仕入れ担当者には詳細な説明をする必要は
    ないかもしれません。

   (2)誰に 
    誰に伝えるかが明確でなければ、「相手が知りたいこと」が何かも分
    かりません。 
    同じ商品を案内する場合でも、購買決定に当たって価格を重視する仕入れ
    担当者もいれば、商品の機能(ここでは食べやすさ)を重視する仕入れ担当者
    もいます。
    ほかにも、メーカーによる販売支援の有無、陳列のしやすさなど、人によって
    重視するポイントは違うはずです。 
    また、一般消費者に商品の説明をする場合であれば、仕入れ担当者に案内する
    のとは全く別の視点が必要になるでしょう。 
    このように、伝えるべき内容を決定する上で、誰に伝えるかをできるだけ
    明確にしておくことが重要です。

   (3)何を 
    (1).(2)を踏まえた上で、伝えるべきポイントを明確にします。 
    商品の小売店への導入を目的に、価格を重視する仕入れ担当者に案内をする
    のであれば、価格などの取引条件を中心に説明を組み立てることになる
    でしょう。
    当たり前のことのようですが、あえて明確に言葉にしておくことで、より強く
    意識することができ、気がつくと内容が「自分が伝えたいこと、伝えやすい
    こと」になっていた、ということを防ぐことができます。
    「何のために誰に何を伝えるのか」という方針は、できるだけ具体的に考えて
    おく必要があります。
    そうでなければ、方針があいまいになってしまい、ギャップが解消できない
    可能性があります。
    例えば、「営業のために小売店の仕入れ担当者に商品の特徴を伝える」では、
    具体的なことは何も分かりません。
    これでは営業担当者は、結局パッケージの工夫について説明をして帰ることに
    なるでしょう。 
    そうではなく、「○○スーパーに商品を導入してもらうために、価格を重視
    する担当の△△さんに、価格をはじめとした取引条件の優位性を中心に商品の
    説明をする」とすると、方針が明確になります。

  2.具体的に何を伝えるか 
   「何のために誰に何を伝えるのか」という方針が定まったら、それに沿って
   具体的に伝えるべき内容を考えます。
   ここで大事なのが、相手の立場になって考えること、つまり、「相手の知りたいこと」
   は何かを考えるということです。 
   伝えるべき内容を考える際は、以下のようなステップで進めていきます。

    (1)自分の目的を、相手の立場で問いにする
    (2)「相手が知りたいこと」を問いの形で挙げる
    (3)問いに対する答え(=伝えるべきこと)を考える
    (4)答えを支える根拠となる情報をそろえる 
   なお、これらは図にしながら進めていくことで、自分が伝えようとしている
   内容が方針からずれていないか、伝えるべきことにモレがないかといったことが
   確認しやすくなります。

   (1)自分の目的を、相手の立場で問いにする 
    効果的に物事を伝えるためには、相手の立場で考えることが重要です。
    そこで、まずは自分の意見を相手の立場で検討するつもりで問いを立てます。
    自分が「商品を取り扱ってもらいたい」と考えているのならば、相手の立場に
    立った問いは「この商品を取り扱うべきか」となるでしょう。

   (2)「相手が知りたいこと」を問いの形で挙げる 
    (1)で問いを立てたら、次に、その問いについて是か非か判断するためには
    どういった点が気になるかを考えます。
    この「気になる点」が、「相手が知りたいこと」です。 
    「相手が知りたいこと」は、例えば「取引条件」などのように単語で表す
    のではなく、「利益はとれるか」など、具体的な問いの形で考えるとよい
    でしょう。
    問いの形にすることで、より相手の立場を意識して考えることができます。

   (3)問いに対する答え(=伝えるべきこと)を考える 
    具体的な問いができたら、その問いに対する答えを考えます。
    この問いに対する答えが、つまり「相手に伝えるべきこと」です。

   (4)答えを支える根拠となる情報をそろえる 
    (3)の答えは、「なんとなくそう思う」などというものでは意味がありません。
    説得力を持たせるためにも、答えは、「なぜそう言えるのか」というしっかり
    とした根拠で支えられている必要があります。 

  3.全体の見直し
   (2)で導き出した「相手に伝えるべきこと」に妥当性があるかどうかを確認する
   ために、(3)の答えが(2)の問いだけでなく、(1)の問いに答えられる内容になって
   いるかを確認します。
   (2)の問いは(1)の問いをより細かなレベルに落とし込んだものなので、(2)の問い
   に正しく答えられれば(1)の問いに答えることにもつながるはずです。
   もしも答えが(1)の問いに答えられる内容でない場合には、その答えは本来の目的
   達成にはつながらない、つまり「伝えるべきこと」ではないといえます。

   内容を確認する際には、以下のような手順で行います。
   まず、(1)の問いに対する回答を想定します(今回であれば、「取り扱うべきである」)。
   その後、その回答と(3)の答えを見比べて、上から下に対して「なぜ?」(下の情報が
   上の情報の理由になっているか)、下から上に対して「だから?」(下の情報から
   上の情報を導くことができるか)との問いかけが成り立つかどうかで確認します。 

   なお、この「なぜ?」「だから?」による確認は、(3)の答えだけでなく、
   (4)の情報が(3)の根拠として適切かどうかを確認する際にも使うことができます。
   上下の情報で相互に「なぜ?」「だから?」が無理なく成り立てば、その答えは
   正しいものであるといえるでしょう。

   逆に上下で「なぜ?」「だから?」が成り立たない、つながりがおかしいなどと
   感じるとしたら、その情報は答えになっていないということですから、見直す
   必要があります。 
   なお、この図の構造では通常、上の情報一つに対して、下の情報は複数出てきます。
   複数ある下の情報のそれぞれについて、上の情報と「なぜ?」「だから?」が
   成り立つかを確認するようにしましょう。

 □最後に 
  ここまでみてきたことは、当たり前のことであり、ビジネスパーソンであれば誰でも
  知っていることでしょう。
  特に、ここでは若手営業担当者の失敗を例に挙げ、初歩的な内容から説明をしているため、
  なおさらでしょう。 
  しかし、知っていることと実践できることとはまた別です。

  多くのビジネスパーソンは、冒頭の例であればどのように新商品を案内するべきか、
  すぐに思い浮かべることができるでしょう。
  これは、新商品を案内するときの「パターン」を持っているからです。
  ビジネスパーソンとして経験を積むと、「こういう説明をすれば提案が通りやすい」
  といったパターンが分かってきます。

  これは効率的に業務を進めるためにとても大事なことです。
  しかし、そのパターンを使うことに慣れてしまい、誰に対しても深く考えずに同じ
  パターンを使ってしまうことがあります。 
  「新商品の案内であればこの情報を伝える」「企画のプレゼンであればこの情報を伝える」
  と、誰に対しても同じ案内をするということでは、相手のことを考えた対応とは
  いえません。

  重要なのは、そこで「伝えるべきことは本当にそれでいいのか」を一度立ち止まって
  考えているかということです。 
  その場合、まず自分の頭の中にある「伝えるべき内容」を図に描き起こし、
  伝える相手のことを思い浮かべながら、「伝えるべきことは本当にそれでいいのか」を
  確認するようにします。

  なお、慣れてくれば図示しなくとも考えられるようになりますが、確認する習慣を
  つけるという意味でも、最初は図に描き起こしたほうがよいでしょう。
  改めて確認した結果、やはり伝えるべき内容は変わらない、ということもあるでしょう。
  結論が変わらないのであれば、この考えるという行為は無駄なことのように思える
  かもしれません。
  しかし、重要なのは、結論がどう変わったかではなく、きちんと相手に合わせて
  考えることができたか否かです。 
  この「相手に合わせて考える」という1ステップを入れるかどうかで、ビジネス
  パーソンとしての“伝える力”に大きな差が出るでしょう。

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報連相を向上させる

               

報連相を向上させる

  ■報連相にはさまざまなレベルがある

   会社運営において、十分な報連相(報告・連絡・相談)が不可欠であることはいうまでも
   ありません。

   朝礼などでその重要性を繰り返し説いている社長も多いでしょう。

   しかし、自社全体の報連相が本当にうまくいっているのか、さらにそのレベルを上げる
   ためにはどうすればよいかについて深く考えて実践している会社は意外と少ないのでは
   ないでしょうか。

   1.報連相レベル向上の方向性

    まず、報連相を構成する3つの要素について改めて考えてみましょう。

    報連相とは「報告」、「連絡」、「相談」の総称です。

    それぞれの定義については以下のように整理することができます。

     「報告」:通常の担当業務や特に指示された業務に対して、上司にその経過や 
     結果を告げること

     「連絡」:業務上知り得た圭要な事実や決定事項などについて関係者に伝える
     こと

     「相談」:迷った際に、上司の判断を仰いだりアドバイスをもらうこと

    報連相のなかでも、基本中の基本は部下が上司に行う「報告」であり、自社の報連相
    を考えるときにはこの部分の徹底から始める必要があります。

    まずは「報告する」という自発的なアクションが習慣化していないと、「連絡」や
    「相談」もうまくいきません。

    現場レベルでの日常的な報連相については、社長からは目が届きにくいところでは
    ありますが、会社全体の報連相の土台ともいえる部分であるため、現場の上司たちに
    任せきりにせず、ときには社長自らその実態を確認することも必要です。

    部下が上司に報告する場に立ち会ったり、報告書の提出状況や記載内容などもチェック
    してみましょう。

   2.報連相の3つのステップ

    一言で報連相といっても、そこにはたくさんのレベルがあります。

    とにかく目の前の仕事をこなすのに精一杯という新入社員に求められる報連相と、
    社長とともに会社の未来を切り開いていく立場にある幹部社員に期待する報連相とでは
    当然のことながら差があります。

    また、十分な経験を積んでいる既存業務を滞りなく回すための報連相と、未知の分野を
    切り開いていく新規事業関連業務で求められる報連相も異なるでしょう。

    社長の方々と話をしていると、「我が社は報連相が足りない」という方が多い一方で、
    「何から何まで指示を仰いできて困る」という方も少なからずいます。

    つまり報連相レベルの向上というのは、必ずしも報連相の「量」を多くしていくと 
    いうことではなく、場合によっては「質」の高い報連相に絞り込んでいくことでもあ
    ります。

    自社の報連相の状況を把握し、どのような「報告」、「連絡」、「相談」を実現した
    いのか、その方向性を明らかにすることが大切です。

    このように報連相にはさまざまなレベルがありますが、大きく分けると「逐一型報
    連相」、「自立型報連相」、「共創型報連相」3つのステップで考えることができます。

  □報連相3つのステップ

   ステップ1(逐一型報連相:細かいことも尋ねる、指示する)

   ステップ2(まずは自分で考える、考えさせる)

   ステップ3(他部門や全社への貢献を意識する)

   まず確認したいのが最低限のレベルである「逐一型」の報連相ができているかという
   ことです。

   (1)逐一型報連相(半人前)

     逐一型報連相とは、部下が細かい行動レベルまで上司に判断を仰ぎ、上司は逐一
     それに対して指示を与えていくやり方です。

     部下は自分の経験や知識不足から報連相なしではほとんど行動できない「半人前」
     であることを自覚し、上司もまたそのことを認識したうえで、報連相を行います。

     もっとも重要なのは「分からないままにやってしまう」ことを避けることであり、
     部下は少しでも疑問に感じたらすべて上司に報連相することが必要になります。

     一方、上司は部下からのたびたびの報連相に対して面倒がらずに対応しなければ
     なりません。

     上司としては「いちいちそんなことまで聞くな」といいたいところですが、教育の
     一環として我慢する以外ありません。

     逐一型報連相はおもに新入社員などが仕事の仕方を学ぶために習慣化すべきこと
     ですが、十分な能力を備えた中途社員であっても、入社当初は社内外の状況が
     よく分からないのでこれを徹底させる必要があります。

   (2)自立型報連相(一人前)

     仕事の仕方の基本を身につけ自社の業務についてもある程度の経験を積んで
     きたら、次のステップとして自立型報連相に進んでいくことになります。

     この段階では上司は部下を「一人前」として扱います。

     自立型報連相とはその名前のとおり、自分のなかである程度の判断基準をもち、
     報連相を主体的に使いこなしていくことです。

     自分で判断できる仕事であれば報連相を「承認手段」として使い、判断できない
     仕事であれば報連相を「アドバイスを得るための機会」として活用します。

     自立型報連相では上司への報連相の仕方も「状況はこうなっています。自分 
     としてはこうしたいと思いますがいかがでしょうか」というように、自分なりの提
     案を行うことが大切です。

     また、報連相を受ける側もたんに「どうしたらよいでしょうか」という相談をもち 
     かけてくる部下に対しては、すぐに具体的な指示を与えるのではなく、まずは
     「君はどのように思うのか」と考えさせることが必要になります。

     なお、自立型報連相ができる社員に対しては、ある程度仕事を任せていくことに
     なりますが、それは報連相の仕方も彼らの流儀に任せることではありません。

     むしろそれまで以上に上司の関心事を先取りしたスピーディーで質の高い報連相
     が求められます。

     中堅クラスの社員からは「上司は仕事を任せるといっておきながら、報連相しろと
     口やかましくいう」といった不満を聞くことがありますが、それがいかにピント外
     れなものであるかを分からせなければなりません。

   (3)共創型報連相(マネージャー、幹部)

     共創型報連相とは自立型報連相からさらに進み、自分が担当している業務だけ
     ではなく、自分の上司やほかの部門、全社的な改善までも視野に入れて報連相を
     行うことです。

     自分の行動結果や新たに知り得た情報、さらにそこから導いた分析結果などを
     報連相の相手に投げかけて、これまでにない新しい価値を共に生み出していきます。

     特に経営幹部には共創型報連相を行うための姿勢と能力は不可欠です。

     経営幹部が報連相する相手はおもに社長です。

     彼らが社長と同様の危機意識・問題意識をつねにもっていなければ十分な共創型
     報連相はできません。

     また、社長の現在の最大の関心事や悩みなどについても把握しておく必要が
     あります。

     報連相をより高いレベルにしていくためには、共創型報連相ができる幹部をで
     きるだけ多く育てることが大切です。

     そのためには社長は、自社の経営理念や戦略、社長の信条などについて、幹部
     社員に繰り返し説明しておくことが必要です。

  □報連相レベル向上のための3つの視点

   社長が自社の報連相について語るとき、力点が置かれているのは「報連相をする側」
   についてです。

   つまり自社の報連相がうまくいっているかどうかについて、メッセージの発信側がそれを
   きちんと行っているかどうかで判断することが多いのです。

   もちろんこのこと自体は非常に重要です。

   まずメッセージが発せられなければ何も始まりません。

   ただし、報連相レベルを向上させるためには、これ以外にも「報連相される側」、
   「報連相のための仕組みやルール」の視点からも考えることが必要です。

   1.報連相する側(メッセージの発信者)

    第1の視点は「報連相する側」についてです。

    社員のなかには報連相の大切さは頭では理解できていても、実際の行動に十分に
    結びついていない人もいるでしょう。

    彼らには報連相する側の原則について徹底して教え込むことが大切です。

    ◎報告する側の5原則

     ・報連相はそれ自体が仕事であり、義務である

     ・報連相が不足している人は上司や同僚からの信頼を得られない。
      社内ポジションもあがらない

     ・仮に報連相なしに大きな成果を上げたとしても、それは結果オーライの
      暴走でしかない

     ・「こんなことまで報連相する必要はない」という勝手な基準をもたない

     ・報告なしは虚偽報告と同じである

     そして考え方を教え込むだけではなく、実際に習慣化させるために「何について、
     いつまでに、どのように報告する」という「型にはめるための指導」も必要です。

     また、報連相を徹底することは、上司や会社のためだけではなく、部下自身の仕事
     の幅が広がり、能力向上にもつながるということを理解させることも大切です。

     それによって「やらされる報連相」から「自主的な報連相」へと意識を変えていく
     ことが期待できます。

   2.報連相される側(メッセージの受信者)

    第2の視点は「報連相をされる側」についてです。

    つまり上司が部下の報連相をきちんと受け止めて、適切な指示やアドバイスを行って
    いるかということです。

    これは大きく分けて「部下が報連相しやすい環境をつくっているか」という準備段
    階と、実際に報連相があった際の対応段階に分けて考えることができます。

    たとえば、部下が相談をしたいと思っているときに、「上司はいつも不在、電話も
    メールもつながらない」ということが頻発しているようでは、いくら部下が努力をし
    ても報連相自体を行うことができません。

    また、やっとのことで上司をつかまえて報連相を行えたとしても、上司が部下の
    メッセージを傾聴する姿勢や、正しく内容を理解し判断する能力を備えていないと
    報連相の目的は達成できません。

    そしてひとたび「この上司に報連相しても仕方がない」と思われたら、いくら指導
    しても部下は報連相してこないでしょう。

    さらに上司は部下との日常的な報連相だけではなく、部下の報連相能力向上に
    ついても自分の仕事であることを認識しなければなりません。

    ◎報告される側の5原則

     ・自分から働きかけない限り部下からの報連相はないと認識する

     ・部下からの報連相にはイエスかノーで明確に答える。
      即断できない場合でも期限を伝える

     ・成果を上げていても報連相しない部下は厳しく指導する

     ・「仕事」は任せても、報連相は任せない

     ・部下の能力に合わせた指導(逐一型、自立型、共創型)を行う

   3.報連相のルールと仕組みづくり

    第3の視点は「報連相のためのルールと仕組みがあるか」についてです。

    たとえば、日報を提出することを義務づけている会社は多いと思いますが、記載すべき
    内容や提出期限、提出方法(メール、紙ベースなど)がきちんと守られているケース
    は少ないようです。

    なかにはいくら催促しても日報を提出しない部下に対して、いつの間にか放置して
    しまうということもあります。

    また、全社的に統一すべきルールだけではなく、部門の状況に応じて特別に必要な
    報連相を設定することも必要です。

    さらに緊急事態が起こったときには、迅速に社長に情報が伝わる仕組みづくりも不可欠
    といえるでしょう。

    ◎ルールと仕組みづくりの5原則

     ・報連相のモレなど「うっかりミス」や人為的な「隠蔽」を防止できるように
      設計する

     ・より効率的な報連相が実現できるように項目やフォーマットを工夫する

     ・悪いことほどすぐに伝わるようにする

     ・報連相の内容に合わせて対面、電話、メールなどの手段を設定する

     ・ルール破りには厳しい姿勢で臨む、放置はほかの社員へも悪影響を与える

 

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報連相(ホウレンソウ)の方法と重要性

                        

報告・連絡・相談「報連相」の方法と重要性


   組織の規模にかかわらず、報連相が不可欠であることはいうまでもありません。

   朝礼などでその重要性を繰り返し説いている経営者の方も多いでしょう。

   報連相とは「報告」、「連絡」、「相談」の総称です。

   「報告」:通常の担当業務や特に指示された業務に対して、上司にその経過や結果
         を告げること

   「連絡」:業務上知り得た重要な事実や決定事項などについて関係者に伝えること

   「相談」:迷った際に、上司の判断を仰いだリアドバイスをもらうこと

   報連相のなかでも、基本中の基本は部下が上司に行う「報告」であり、自社の
   報連相を考えるときにはこの部分の徹底から始める必要があります。

   まずは「報告する」という自発的なアクションが習慣化していないと、「連絡」や
   「相談」もうまくいきません。

  ■報連相はビジネスの基本

   ビジネスの基本は「報連相(ほうれんそう)」だと言われます。

   すでに御承知の通り、報連相とは「報告」「連絡」「相談」の頭の漢字をとった
   造語であり、ビジネスにおけるコミュニケーションのほとんどが報連相である
   といっても過言ではありません。

   報連相によって、それを受ける相手は状況を確認・整理し、次の行動の判断
   に生かすことができます。

   部下の報連相によって上司が状況を理解し、次の指示を出すことができれ
   ば理想的です。

   こうしてスムーズに仕事が進んでいけばトラブルの発生は少なくなり、ひい
   ては顧客や取引先との関係も良好なものになるでしょう。

   報連相が行われる主なシーンとしては、    

    ○部下 → 上司
     部下が業務の進ちょく状況を報告したり、今後の業務の進め方
     などについて相談するケースなど。

    ○上司 → 部下
     情報共有や人材育成の観点から、部下に知っておいてもらいたい
     情報を伝えるケースなど。

    ○同僚 → 同僚
     最近の業務に関する情報交換や上司には話しにくい相談事など。

    ○自社 → 顧客
     納品期限の調整や顧客の同業他社の動向に関する情報提供など。

    ○自社 → 取引先
     プロジェクトを協力して行う場合の一連の連絡事項や役割分担に
     関する相談など
   
  □ミスを隠す従業員への対策

   業務の複雑・煩雑化が増してくると、仕事のミスなどの自分の評価に不利になる
   ことを隠す社員がでてきます。

   このような状況をなくすにはどのように対応すればいいでしょうか?

   組織で仕事を行なう場合、情報を共有しなければなりません。

   そこで、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)がとても重要になります。

   ただし、ミスを上司に報告することは心理的に嫌なものです。

   結果として、被害が拡大した状況で発覚するということもあります。

   ですから、悪い情報ほど「早く」報告し、損害を最小限に食い止めなければなり
   ません。

   自分の評価を気にするあまりにミスを隠すのは、自分を「一時的に」守るために
   組織を犠牲にしているのです。

   結果としては、自分すら守れていないのです。

   この報連相ができていない会社(店)は多く、社内の連絡体制の流れが悪い会社
   もたくさんあります。

   この場合、いきなり当人を叱責しても効果はありません。

   大切なことは次の2つです。

    ○報連相の形式を整える

     ・状況に応じた報告書の流れを作る。

     ・報連相を個人の意識に頼りすぎない。

     ・誰が行なっても同じになるオペレーション(標準化)を組む。

    ○コミュニケーションを密にする

     ・上司と部下の関係が何でも言える関係を築く。

     ・関係ができていても、言いにくいことは言いにくいもの。

  □社内規程

   就業規則には「情報の共有」、「報告、連絡、相談の徹底」を記載します。

    (サンプル)

     第○条

     欠勤、遅刻、早退及び休暇の連絡等の届出事項、並びにその他職務に
     関連するすべての事項について、従業員は、報連相(日常的に行うべき
     報告、連絡、相談並びにあいさつ、合図等をいう。)を徹底しなければな
     らない。

     これに違反した場合は、懲戒処分を行うことがある。


   ことあるごとに日常業務の中で、「報連相の大切さ」「情報を隠す危険性」につい
   ても伝えることが重要です。

   日常的に伝えること、小さなミスがあったときに伝えることが重要です。

   情報を隠した結果、大きな損害が発生することもあります。

   この場合、会社は本人に対して「一定の処分」を科すことができます。

   これについても就業規則に記載しないといけません。

   就業規則の整備が必要ない代理店にとっても同様に規程の作成をお勧めします。

   具体的には次のように記載すればいいでしょう。

    (サンプル) 

     第○条 

     従業員が次の各号のいずれかに該当するときは、情状に応じ、
     けん責、減給又は出勤停止とする。
 
      ・過失により会社に損害を与えたとき

      ・虚偽の申告、届出を行ったとき

      ・重大な報告を疎かにした、又は虚偽の報告を行ったとき


   処分をすることが目的ではありませんが、情報共有の重要性を認識してもらう
   ためにも、罰則を設けることは重要です。

   実際に処分を行なうかどうかは別問題であり、あくまでも、意識をもって欲しい
   ための形式を整えるためです。

   また、上司が部下をかばい、これにより被害が拡大することもあります。

   これでは上司として「不適格」であり、場合によっては、降格することも考えま
   しょう。

   また、上司自身が情報を隠したり、チェックを漏らしたりしたため、会社の損害が
   大きくなった例もあります。

   場合によっては、懲戒解雇もやむを得ないケースもあります。


   情報の共有は組織の核となります。

   報連相の重要性を社員に意識させ、仕組み(運営の形式を整え、運用し、
   改善を繰り返す)づくりが重要です。
   
  ■部下のための報連相

     報連相は日々のさまざまなビジネスシーンで当たり前のように行われていますが、
   適切な報連相を実行することはそれほど簡単ではありません。

   適切な報連相とは、

    1.自分の目的や意図が相手に的確に伝わる

    2.相手がそれに基づいて次の行動を判断できる

   といった2つの条件を満たすものです。

   自分が伝えたいことと相手が知りたいことは必ずしも一致しないものです。

   しかし、できるだけ相手の立場に立ちながら、自分が伝えたいことを整理・理解し、
   相手が知りたいであろうことを想像し、峻別した内容を報連相すれば、その内容は
   相手が知りたいことに近いものとなるでしょう。

   適切な報連相をする(相手にとって必要な情報を伝える)ためには、

    ・視野を広げること

    ・相手の立場になって、仮説を立てて考えること

   が大切です。

   上司は部下よりも広い視野を持っています。

   部下が上司に適切な報連相を行うためには、上司の視野の広さを意識しつつ、
   上司が求める情報を上司の立場でイメージしてみることが求められます。

   もちろん、上司の考えていることのすべてが部下に分かるわけではありません。

   それでも部下は、自分が上司の立場だったとしたら「その情報がないと判断に
   困る」、もしくは「その情報があれば判断しやすい」という情報をイメージしてみま
   しょう。

   視野を広げ、相手の立場になって仮説を立てて考えるようになるための第一歩は、
   自分の担当する業務の全責任者になったつもりで本気で取り組むことです。

   一つ一つの小さな仕事が結びついて大きな仕事になります。

   また、販売会社であれば多くの顧客がいて、それぞれ取引年数、取引額などが
   異なります。

   こうしたことを一つずつ明らかにしていくことでしか、上司の立場に立って考える
   ことはできないでしょう。
 
   自分に関連する仕事を徹底的に知ろうとすると、それまで気にも留めていなかった
   ことが疑問に感じられるようになります。

   それを明らかにしていくことを繰り返すうちに、最初は断片的だった知識・情報が、
   線でつながり、やがて、より広い視野から考えられるようになります。

   その上で、自分が上司に必要だろうとイメージした情報と、実際に上司が必要と
   する情報の差を埋めていくのが、適切な報連相ができるようになるための一つ
   の道でしょう。

   □報連相の経験を積み重ねる

   漫然と報連相の回数を重ねていては、いつまでたっても適切な報連相はで
   きません。

   報連相は日々のさまざまなビジネスシーンで当たり前のように行われていま
   す。

   つまり、注意してみると、同僚が上司に報連相をしている様子や自分の上司
   がさらにその上司に報連相をしている様子を観察することができます。

   自分が当事者になったつもりになり、自分だったらどのように報連相をする
   のか、それに対して上司はどのような質問をしてくるのかを観察し、報連相
   の経験を積み重ねていくことです。

  □情報を的確に伝えられるには

   報連相を適切に行うためには、相手に対して情報を的確に伝えることが不可欠
   です。

   その際に押さえておくべきポイントは

   1.要点を整理してから伝える

     報連相を行う前に、必ず自分が持っている情報を整理・理解しなければ
     なりません。

     そうすることで、支離滅裂な報連相はなくなりますし、重要な情報の抜け
     や漏れを防ぐこともできます。

     また、整理した要点については相手から質問をされることも想定すること
     ができるでしょう。

   2.結論から先に、経緯説明は後に伝える

     相手に何かを伝えるとき、事象や原因・理由などから始め、結論が最後
     になると、どうしても話が長くなってしまい、受ける相手が「結局、何が言
     いたいのか分からない」ということになりがちです。

     そのため、ビジネスでは物事の結論から伝え、その後に結論に至った理
     由や背景、今後の展望などを伝えることが基本とされています。

     身近なところでは新聞記事がこのような構成になっているので、参考にし
     てみるとよいでしょう。

   3.事実と意見・推測を区別する

     事実と意見・推測が混在していては、受ける相手に誤解を与えます。

     事実は事実として伝えます。

     事実に対する意見・推測を加えたい場合、「私見ですが」と断ることで事
     実と意見・推測を区別します。

   4.あいまいな表現は避ける

     あいまいな表現は、受ける相手に誤解を与えるため、できるだけ使わな
     いようにします。

     特に気をつけたいのは「とても」「少し」「いっぱい」「かなり」といった形容
     詞です。

     これらの表現は伝える側の主観にすぎません。

     何かを伝えようとするときには、こうした形容詞は使わないことを心がけ
     るべきでしょう。

     数字を明示できる情報であれば「たくさんある」というのではなく、「1万個
     ある」といったように正確な数字を伝えるようにします。

     なお、数字で表される情報は「いつ(納期)」「いくつ(ロット)」「いくら
     (価格)」といったように仕事にも直結するものが多いので、注意をして伝
     える必要があります。

   5.伝えるタイミングを考慮する

     相手が急いでいる様子のときなどは、伝える情報の緊急性・重要性と相
     手の状況を推察することも大切です。

     タイミングを見計らって「○○について報告があります。お時間よろしいで
     すか?」といった具合に、相手の都合を確認するとよいでしょう。

     受ける相手が貴重な時間を割いていることを忘れてはなりません。

     ただし、本当に緊急を要する場合は、相手の状況に関係なく、伝えるべ
     きことを伝えなければなりません。

   6.状況が変わったときは、中間報告を行う

     ある業務をしているうちに、別の業務を頼まれるなど、状況が変わること
     は仕事につきものです。

     状況が変わったときは、中間報告をして、その後の指示を仰ぐとよい。

     中間報告によって、状況が変わってもそのまま業務を続け、結局時間を
     無駄にしてしまったという事態を防ぐことができます。

   7.指示を受けた本人に直接報告する

     報告をする際は、指示を受けた本人に直接報告するのが原則です。

     例えば、課長が不在のとき、課長のさらに上位である部長から指示を受
     けたとしたら、まず、課長には部長に指示を受けたこと、次に指示の進
     ちょくを報告します。

     指示が完了した場合、課長が「私から部長に伝える」といった場合を除い
     て、直接、指示をした部長に報告をします。

   8.ミスやトラブルなど悪い情報ほどすぐに伝える

     ミスやトラブルなど悪い情報を報連相するのは勇気がいるものですが、
     放っておくと事態はますます悪化するばかりです。

     悪い情報こそ、早く正確に伝えることが肝要です。

     自分一人で悩んだり、勝手な判断をすることは、取り返しのつかないこと
     にもなりかねない。

   9.ケースや相手によって伝える方法を選ぶ

     報連相の方法は、大きく書面によるものと口頭によるものとに分けられ
     る。

     伝える情報の緊急性・重要性に応じて、書面と口頭のどちらが良いのか
     判断をします。

     仮に書面で行う場合も、電子メールを送信することで済ませて構わない
     のか、印刷した文書を手渡ししたほうが良いのか考慮することも大切で
     す。

  10.一人で何とかしようとする前に報連相をする

     当初「一人で2時間もあればできる」と思っていた業務が、実際にやり始
     めたら「全くはかどらない。このままでは時間に間に合いそうにない」とい
     う事態は起こるものです。

     こうしたときに、一人で何とかしようとしがちですが、その結果、時間を守
     れなかったり、ミスが多く質の低い仕上がりになってしまってはならない。

     こうした場合は、間に合いそうにないと分かったときにすぐに報連相をす
     ること。

     そうすれば、ほかの人の手を借りたり、スケジュールを再調整したりと
     いった修正も可能でしょう。

    
  ■報連相の重要性

   ビジネスの基本は「報連相(ホウレンソウ)」だと言われます。

   ご存知の通り、報連相とは「報告」「連絡」「相談」であり、ビジネスにおけるコミ
   ュニケーションのほとんどが報連相であるといっても過言ではありません。

   報連相によって、それを受ける相手は状況を確認・整理し、次の行動の判断に
   生かすことができます。

   部下の報連相によって上司が状況を理解し、次の指示を出すことができれば
   理想的です。

   こうしてスムーズに仕事が進んでいけばトラブルの発生は少なくなり、ひいては
   顧客や取引先との関係も良好なものになります。


  □正しい報告(報連相)の仕方

   いかなる業務も「報告」によって完了します。

   報告はひとつの業務の終わりの行動であり、「終わり」をきちんと行わなければ、
   いくら一生懸命に遂行した業務でも無駄になりかねません。

   報連相のポイントは

    ・報連相チェックシート  
   
  □報連相のルールと仕組み

   ・報連相のモレなど「うっかりミス」や人為的な「隠蔽」を防止できるように設
    計する

   ・より効率的な報連相が実現できるように項目やフォーマットを工夫する

   ・悪いことほどすぐに伝わるようにする

   ・報連相の内容に合わせて対面、電話、メールなどの手段を設定する

   ・ルール破りには厳しい姿勢で臨む、放置はほかの社員へも悪影書を与える


  「ルールと仕組みづくり」のチェックリスト

    ・日報、週報などの定期報告のルールがあるか

    ・ルールどおりにきちんと報告がなされているか

    ・クレームなど緊急報告事項の基準があるか

    ・緊急時に直接の上司に報告できない場合の代替案のルールがあるか

    ・緊急度の判断は部下に任せっぱなしになっていないか

    ・社内メールの工夫など、効率的な情報伝達の仕組みがあるか

    ・適切な報連相が会社を成長させるという共通認識があるか

    ・社長の具体的な行動基準となる倫理規定があるか

    ・部門間で互いに改善点を指摘したり、助け合えるオープンな雰囲気があるか

    ・報連相の土台となる良好な人間関係が構築されているか

    ・報連相への関心が薄く、自分だけの仕事をすればよいとする雰囲気がないか

    ・組織人としての常識を社員に任せきりにしていないか


   報連相のなかでも、基本中の基本は部下が上司に行う「報告」であり、自社の
   報連相を考えるときにはこの部分の徹底から始める必要があります。

   まずは「報告する」という自発的なアクションが習慣化していないと、「連絡」や
   「相談」もうまくいきません。

   現場レベルでの日常的な報連相については、経営者からは目が届きにくいとこ
   ろではありますが、会社全体の報連相の土台ともいえる部分なので、現場の
   上司たちに任せきりにせず、ときには経営者自らその実態を確認することも必要
   です。

  ■報連相の目的は会社を強くすること

   社内において「報連相(ホウレンソウ)の方法を理解し、重要性を認識することで
   多くのメリットをもたらしてくれます。

   報連相の目的は会社を強くし、結果として営業力の強化に繋がるのです。

   したがって、報連相の不備は業務の停滞、顧客からのクレーム(苦情)という形
   になって表れます。

   仕事魔は報告魔と言われるように、良い仕事をしている時は必ず報告が次から
   次に入るものです。

   「ホウレンソウが会社を強くする」という本も出版されたくらい、会社に於いては
   この報告・連絡・相談が信頼のコミュニケーションパイプそのものなのです。

   物事はすべて、始めと終りのケジメをつけることが大切です。

   相手の現状の考え方を知り、価値意識、目的意識の深い理解から、“真の
   チーム力”
が創造できます。

   報連相(ホウレンソウ)は、身体に例えるならば、神経組織的な役割を持ち、
   全ての義務が共通目標に集約されなければ、まとまった“チーム力”とはなりま
   せん。

   報連相を徹底することは、上司や会社のためだけではなく、自身の仕事の幅が
   広がり、能力向上にもつながるということを理解させることです。

   さらに言えば、報連相はそれ自体が仕事であり、義務であることを徹底させること
   です。

   そうでなければ「受動的な報連相」から「能動的な報連相」へと意識を変えること
   は
できません。


   『報連相』は組織人として正しく身につけなければならない行動であり、

   基本動作12項目の一つです。

  ■報連相の方法とポイント

   現場レベルでの日常的な報連相については、経営者からは目が届きにくいとこ
   ろではありますが、会社全体の報連相の土台ともいえる部分であるため、現場の
   上司たちに任せきりにせず、ときには経営者自らその実態を確認することも必要
   です。

   部下が上司に報告する場に立ち会ったり、報告書の提出状況や記載内容など
   もチェックしてみましょう。

   経営者が自社の報連相について語るとき、力点が置かれているのは「報連相を
   する側」についてです。

   つまり自社の報連相がうまくいっているかどうかについて、メッセージの発信側が
   それをきちんと行っているかどうかで判断することが多いのです。

   もちろんこのこと自体は非常に重要です。

   まずメッセージが発せられなければ何も始まりません。
  
   ただし、報連相レベルを向上させるためには、これ以外にも「報連相される側」、
   「報連相のための仕組みやルール」の視点からも考えることが必要です。

  □報連相する側(メッセージの発信者)

   社員のなかには報連相の大切さは頭では理解できていても、実際の行動に十分
   結びついていない人もいるでしょう。

   彼らには報連相する側の原則について徹底して教え込むことが大切です。

   ・報連相はそれ自体が仕事であり、義務である

   ・報連相が不足している人は上司や同僚からの信頼を得られない。
    社内ポジションもあがらない

   ・仮に報連相なしに大きな成果を上げたとしても、それは結果オーライの暴走で
    しかない

   ・「こんなことまで報連相する必要はない」という勝手な基準をもたない

   ・報告なしは虚偽報告と同じである

   考え方を教え込むだけではなく、実際に習慣化させるために「何について、いつ
   までに、どのように報告する」という「型にはめるための指導」も必要です。

   また、報連相を徹底することは、上司や会社のためだけではなく、部下自身の仕事
   の幅が広がり、能力向上にもつながるということを理解させることも大切です。

   それによって「やらされる報連相」から「自主的な報連相」へと意識を変えていく
   ことが期待できます。

  □報連相する側のチェック

   ・こまめな報告は義務だとの認識があるか

   ・仕事は報告まで済ませて完了という認識があるか

   ・上司不在などの報告しにくい環境でも、報告のためのあらゆる努力をしているか

   ・悪い状況こそ早めに報告しているか

   ・客観的事実と自分の考えを区別しているか

   ・「結果」→「経過」→「自分の考え」の順で報告しているか

   ・自分の担当業務とは直接関係なくても組織全体にとって有益な情報は自主的
    に連絡している

   ・タイムリーに報告し、上司に不安を与えない

  □報連相される側(メッセージの受信者)

   上司が部下の報連相をきちんと受け止めて、適切な指示やアドバイスを行っ
   ているかです。

   上司が部下のメッセージを傾聴する姿勢や、正しく内容を理解し判断する能力を
   備えていないと報連相の目的は達成できません。

   そして、ひとたび「この上司に報連相しても仕方がない」と思われたら、いくら指導
   しても部下は報連相してこないでしょう。

   さらに上司は部下との日常的な報連相だけではなく、部下の報連相能力向上について
   も自分の仕事であることを認識しなければなりません。

  □報連相される側のチェック

   ・自分のスケジュールや連絡先を公開して、部下からの報連相を受けやすくし
    ているか

   ・いつまでにどのように報告せよと指示しているか

   ・部下からの報連相を受ける時間を大切にしているか

   ・どのような事項が報告されるべきか、あらかじめ把握しているか

   ・自分の理解度が十分かどうかを部下に確認する

   ・相談を受ける際もできるだけ部下に考えさせる

   ・自分の裁量を超える場合には上司にも報告する

   ・悪い状況の報告であっても、勇気をもって報告した部下を認める

   ・自分の管理責任が問われる報告であっても、上司に報告する

   ・日頃から報連相の仕方を部下に指導している

    ■報連相の種類

   報連相は手段により、文書と口頭に大別されますが、目的に合わせて選ぶこと。

   (1)文書による場合

     @正確さを必要とする時

     A保存する必要がある時

     B文書で報告を命ぜられている時

     C定期報告(日報・週報・月報

   (2)口頭による場合

     @急を要する時

     A内容が軽いものの時

     B日常業務の事前報告の時

     C文書報告の事前報告の時

     D業務上のミスを起こした時

     E長期を要する業務の経過報告の時

  ■報連相の方法

   (1)報連相の基本は、受ける立場を考えて簡潔かつ要領よく5W2H(3H)
          に従って伝える

   (2)具体的パターンは、 ホウレンソウ画像.jpg

      まず、結果・結論から
          

      次に、経過・内容

          

     そして、意見・対策を述べる

  ■報連相はいつするのか

   (1)終了時の報連相(結果→経過→
      内容→対策の順序で)

      @指示・命令を受けたことを終了
        したら、直ちに報告・連絡する

      A会議・出張等から戻った時

      B時間がたち過ぎた報告は無意味である

   (2)中間時の報連相

     仕事が長期に及んだ時、見通しがついた時、中間時点の進行状況と終
     了までの見通しを知らせる

   (3)異常時の報連相 

     予想しなかったこと、異常が発生した時、直ちにする

   (4)事前の報連相(クレーム処理は、イの一番に行動せよ) 
     ことを起こす時、何かを始める時にする

   (5)事後の報連相 
     慣例的なもので、届け出等に用いる

  ■報連相の準備

   (1)「なに」を「だれ」に報告するのか。

   (2)報連相の筋道と要点を決める。

   (3)口頭でよいか、報告書にするか。

   (4)必要であれば実物、図書、資料を準備。

   (5)実例を調べる。

   (6)報連相する「とき」と「こころ」を考える。

   (7)口頭での場合は、必ず報・連・相する相手の都合を聞き、アポイントを
      取る。


  ■どんな場合に報・連・相するか

   (1)仕事が終了したら直ちにする。(時間がたち過ぎた報告は無意味であ
      る)

   (2)ことを起こす時、何かを始める時にする。

   (3)特別な事(予想外、異常が発生)が起こって、状況が著しく変化した時。

   (4)仕事が予定より長引くとき。

   (5)結果の見通しが付いたとき。

   (6)会議、打ち合わせ、出張から帰った時。

   (7)長期に渡る仕事の場合は中間で。

  ■報告書を必要とするとき

   (1)複雑な内容のとき。

相談.jpg

     (2)数字が必要なとき。

     (3)記録を残す必要があるとき。

     (4)関係先(社内・外)に報告するとき。

  ■報連相の仕方

     (1)命令した人へ。

     (2)結果 → 経過 → 内容 → 対策の順に。

     (3)事実を正しく、要点を強調して。

     (4)簡単、明確、具体的に。

     (5)報連相を受ける立場に立って。

     (6)情報、資料の出所を明示する。

  ■口頭・電話による報連相

   (1)報告する前に相手の都合を確かめて。

   (2)相手が立っている場合は立って行う。

   (3)くずれた態度、言葉づかいをしない。

   (4)落ち着いて要点を報告する。

   (5)相手の理解度を確かめながら行う。

   (6)特に電話報告は、先に資料をFAX してから。

  ■「報連相」内容のまとめ方

   □5W3Hでまとめる

     (1) When (いつ)

     (2) Who (誰が)

     (3) Where (どこで)

     (4) What (何を)

     (5) Why (なぜ)

     (6) How to (どのように)

    (7) How much (いくらで)

     (8) How many (いくつ)

  報告のない仕事は、終わりのない仕事と同じです。

  「報連相」はよいケジメに欠かせません。
   
  自社に「報連相の仕組み」を根付かせるには、日々のチェックを怠らないことです。

 

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