成果に結びつける営業の事前準備

            

成果に結びつける営業活動の事前準備

   
  ■営業活動の事前準備

   営業活動で最も重要なのは、「事前準備」です。

   商談に臨む前には、「ゴール=今回の商談の目的」を決め、「どのような流れで話を
   進めるか」という商談シナリオを準備しておく必要があります。

   商談シナリオの準備として、「商談相手(以下「相手」)の情報を収集する」「自社の
   商品・サービスについて説明できるようにする」「相手からの質問を想定し、それに
   対する回答を用意しておく」などを行います。

   初回訪問なのか最終提案なのかなど、商談の段階によって想定される商談シナリオ
   は異なりますが、営業トークの肝となるのは「相手にとってのメリットを伝える」こと
   で、「それを使うことが自社(自分)にはどのようなメリットがあるのか」を具体的に  
   イメージさせることです。

   実際の営業活動でやるべきこと、準備すべきものを具体的に解説します。

  □事前に準備すべきもの(商談ツール)
    1.資料
      営業活動で得意先を訪問する際に、相手を納得させる材料がないと何度 
      も訪問しなければならなくなります。

      そうすると成約までに時間がかかったり、場合によっては失注してしまっ
      たりすることもあり得ます。

      そのような事態を防ぐためにも、しっかりと資料を準備する必要があります。

      「自分が理解しているから良い」ではありません。

      資料を準備することで自らの理解を深め、さらに相手に見せて具体的なイ
      メージを持たせることが大事なのです。

        (1)技術的な説明や写真、イラストなどを入れた具体的な資料
         @スペック
          サイズ・性能・機能などの説明。

         Aデータ
          自社の実績や業界の動向、省庁や都道府県発表の数値など。

         B写真・イラスト
          数値的な説明だけでなく、見た目でイメージがつかめるようなもの。

        (2)自前で作成した手づくり感のある資料
          自社あるいは得意先の規模が小さく、全員の顔が見えるような会
          社との商談であれば、独自色や手づくり感をアピールすることで好
          感度アップを狙う。

          チラシであれば、見れば概要がつかめて担当者の思いが込められ
          たものを作成する。

    2.アプローチブック 
      資料を準備したのに、それを最大限有効に利用しなければ作成の労力がムダ
      になってしまう。

      効果的に使うためには、ストーリー性のある構成にすると説明が楽である。

      このアプローチブックは、初めから順番に説明すると、受注につながるストー
      リー展開となるように作成すると良いでしょう。

      会社によっては会社案内の冊子を作成していいるが、それに記載されていな
      い内容まで盛り込んだ独自の資料を作成します。

      具体的には、次の項目が必要である。
       (1)会社概要・沿革
         新規訪問あるいは得意先の担当者が代わった時などに、会社のプ 
         ロフィールを説明できるよう、会社の業績・代表者・歴史・所在地・取
         引先・取り扱い商品などを盛り込む。

       (2)環境(市場・業界)
         訪問先が置かれている環境がどのような状況なのか、新聞・雑誌な
         どの情報や1の資料のデータを使って説明する。

       (3)商品
         相手に勧めたい商品の特徴を説明する。特に、ライバル商品との比
         較表などを用いて、自社商品のメリットを納得させる内容にします。

       (4)価格表・支払い条件
         商品ごとの価格や支払い方法、納品形態、納期などの条件を入れて
         おく。

         この部分をしっかり盛り込むことによって、相手に「契約」を具体的に
         検討してもらえるようになります。

         人は「視覚」「聴覚」「言語」の中では、圧倒的に「視覚」からの情報
         頭に残ると言われています。

         この「視覚」を最大限に利用した商談を進めるには、アプローチブッ
         クのようなツールは非常に有効です。

         それに加えて、説明の仕方として「話し方」を工夫することも必要です。

    3.商品サンプル
      アプローチブックと併せて、商品を持参すれば説得力は増し、具体的な商談に
      なりやすい。

    4.レター 
      訪問後に礼状を送ると、相手の印象が深まる。また、訪問先が個人であれば、
      教えてもらったパーソナル情報(誕生日・結婚記念日など)に基づいてメモリ
      アルレターを送ると効果が高い。

    5.メリットを伝える営業トーク
      ポイントは、「数字を使うこと」「エピソードを交えること」です。

      「このサービスを使うと業務効率化とコスト削減が図れます」と説明するの 
      と、「このサービスを使うと、月間で約〇時間業務を短縮することができ、年
      間では約△%のコスト削減が実現できます」と説明するのとでは、説得力が
      違います。

      また、「実際にこのサービスを導入したあるお客様は、約△%のコスト削減 

      が実現でき、社内で表彰されたそうです」などのようにエピソードを交えるこ
      とで、相手は商品・サービスを導入するメリットを具体的にイメージしやすくな
      ります。

      さらに、相手に購入を促すメリットは、商品・サービスのメリットだけではあり
      ません。

      法人の場合、「自社と取引することのメリット」も重要なポイントとなります。

      それを分かりやすく伝えるためには、「業界最大手〇〇社に導入している」
      「△△地域ではシェアナンバーワンである」などのように、実績を例に出すと
      良いでしょう。

      このように、商品・サービスに関連する具体的な数字やエピソードを例に出
      すなどの「成果につながる営業トーク」のためには、日ごろから既存顧客に
      話を聞いたり、上司・同僚と話をして情報を蓄積するといった、日々の積み
      重ねが欠かせません。

  □チェックリスト
   一連の営業活動でやるべき行動(作業)のリスト(日付を入れられるようにしておく
   と良い)を作成します。

   そうすると活動の進捗状況がひと目で分かるため、受注の見込みの確認や判断も
   しやすくなります。

   チェックリストは、活動のモレやダブりなどのムダをなくすための有効なツールと
   なります。

   また、大掛かりなプロジェクトで仕事を進める場合は、業務ごとの担当者欄を設けて
   全体を把握できるようにすると、仕事を効率的に進めることが可能になる。

   ツールの準備が整ったら、具体的な訪問先を選定しなければならない。
    
  □アップセル・クロスセル
   業績を伸ばして目標を達成するためには、現状の取引先に加えて新規の取引先を
   開拓しなければならない。

   しかし、新規開拓はそう簡単にできるものではない。

   そこで既存の顧客、あるいは商品の中で業績を上げる余地がないかを見直す必要が
   ある。

   特に、継続して取引がある顧客、いわゆるルート営業は毎月の取引商品が決まっ
   ているため、それが当たり前になっていないかを見直す。

   つまり、自社の商品・顧客をあらためてチェックし、既存顧客に販売していない商品は
   ないか、既存商品を扱っている顧客で納入していない先はないかを洗い出す。

   このように、現状の取引先でプラスアルファを見込めるところはないかを、目で見える
   ように分析する必要があります。

   新規開拓はそう簡単にできるものではないと述べたが、既存顧客で取引のない商
   品、既存商品で取引がなかった顧客に新たに取引を開始するのも、ある意味で新規
   開拓ととらえることができます。

   以前は取引していたが今はなかったり、取引が減ってきたりしている先も含めて考え
   る必要がある。

  □具体的なアップセル、クロスセルの方法
   現状の顧客(取引口座があるものの、現在は取引がない休眠先も含む)を縦軸に、
   自社の商品(商品アイテム数が多すぎる場合は、商品分類で大分類・中分類・小分類
   のいずれか単位を決めて)を横軸に一覧表を作成する。

   一覧表を作成したら、それぞれの欄に取引の有無をチェックします。

   取引があれば金額を記入し、なければ分かりやすいように塗りつぶす。

   それを顧客ごと、商品ごとに見えるようにする。

   さらに現状だけでなく、推移が分かるようにします。

   取引状況の推移を見ることによって、「昨年まで取引があったのに、今年はない」「取引
   はあるが、年々減少している」「取引額は小さいが、毎年着実に増加している」などの
   傾向が分かる。

   傾向が分かれば、どの顧客に何を売るかというストーリーが描ける。

   そして販売ストーリーが描ければ、先述した商談ツールもより具体的に活かすことが
   できます。

   一覧表を作成して、どの顧客に何を売るのか(アプローチするのか)が決まれば、具体
   的な行動計画に落とし込み、実際の営業活動に移ります。

   その際には、訪問スケジュールの組み立てや商談ツールの準備に加えて、どの程度
   を上乗せするかの目標設定も必要となる。

   日常の顧客管理や商品の売れ行き動向などの情報をきちんと活かすことができれ
   ば、有効な方法として業績アップにつなげられるはずです。

   問題は中途半端に終わらせず、具体的な行動に至るまでしっかりと計画を立てて、
   その活動の結果も情報としてフィードバックできるようにすること。

   常にそれを繰り返し行うことで、より精度が高まり営業の質向上にもつながります。

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営業活動は事前の情報収集

          

営業活動の成否は事前の情報収集


  ■営業活動の成否は事前の情報収集

   営業活動においては、事前準備として「顕在情報収集」が非常に重要です。

   顧客に連絡したり訪問したりする際には、事前に顧客や競合他社などについて情報
   収集した上でニーズや状況などの仮説を立て、訴求力の高い提案ストーリーを組み
   立てることが成果を挙げる方法の一つだからです。

   しかし、「どのような情報を収集すればよいか迷う」「情報収集しても営業活動に生かす
   ことができていない」といった営業担当者の存在も少なくありません。

   この解決策としては、
    ・事前に収集する情報の項目を定型化する
    ・収集した情報を活用したトークパターンを覚えておく

   営業活動は個々の営業担当者のノウハウに頼る属人的な活動が多数見られますが、
   「顧客を訪問する際には、直近3年間の業績、ニュースリリース、関連する新聞記事を
   必ず確認する」「確認した情報に基づいて顧客のニーズをヒアリングする際は、この
   ように質問する」などなど定型化して身に付けることで、誰もが同じように情報収集する
   ことができるようになり、全社(組織)的な営業力強化につながります。

   また、情報収集を定型化することによって、営業活動の効率化を図れるというメリット
   もあります。

  営業活動に重要な「顕在情報」と「潜在情報」
   営業活動で活用する情報には、「顕在情報」と「潜在情報」があります。

   顕在情報は営業担当者が知っておくべき基礎的な情報、潜在情報は営業活動におい
   て、受注に大きく関連するポイントとなる情報を指します。

  
  □顕在情報を活用するためのポイント
   1.当事者の立場
     顕在情報とは、自社や競合他社のサービスの特徴、関係する法改正情報など
     を指します。

     「事前の情報収集の定型化」は、顕在情報を収集する際に効果的です。

     顕在情報の多くは、テレビ、日刊紙、業界誌、パンフレット、インターネットなど
     から容易に収集することができます。

     この顕在情報を有効に活用するためには“営業活動におけるトークに落とし込
     む必要があります。

     例えば、多くの営業担当者は自社と競合他社のサービスについて、品質、金
     額などの違いを知っているはずです。

     しかし、それはパンフレットなどに記載された内容を比較しているだけで、最も 
     重要な「当事者の立場」というエッセンスが欠けています。

     同じサービスであっても、顧客、競合他社、自社とでは評価が大きく異なりま
     す。

     よく、営業担当者が自分では万全だと思うトークを展開しても、顧客の反応が
     芳しくないことがありますが、それは、そのトークが顧客の立場に立って練られ
     たストーリーではないためです。

     このような点を踏まえ、営業担当者は、自社と競合他社のサービスを、少なく
     とも顧客の立場に立って比較した「情報マトリクス」を作成してみることです。

     こうすることで、自社サービスのポジショニング顧客ニーズをより鮮明にイ
     メージすることができます。

   2.情報マトリクスの活用例
     情報マトリクスを活用する際に重要なのは、どのように顧客へのトークにつな
     げるかという視点です。

     トークを考える際に常に念頭に置いておきたいキーワードは、“理由”です。

     実際のトークでは、「顧客にとっての具体的なメリット」「競合他社に対する自社
     の優位性」が分かるようにストーリーを組み立てることが重要です。

     ここでいう、顧客にとっての具体的なメリットとは、「なぜ顧客は、そのサービス
     を導入したほうがよいのか」という、“導入の理由”です。

     また、「競合他社に対する自社の優位性」とは、「なぜ顧客は、自社(のサービ
     ス)を選択したほうがよいのか」という、“選択の理由”です。

     こうした“導入”そして“選択”の“理由”が具体的で分かりやすいものであれば
     あるほど、顧客に対して訴求力が高まる可能性があるといえます。

  □潜在情報を収集するためのポイント
   1.潜在情報とは
     潜在情報とは、通常は表に出てこない、「顧客の本音」「競合他社の営業戦
     略」「自社従業員のモチベーション」などを指します。

     このうち、競合他社の営業戦略は日刊紙などで紹介されることがありますが、
     日刊紙に紹介される内容は前述した顕在情報にしかならないともいえます。

     潜在情報は、顕在情報からさらに踏み込んだ情報であり、この場合は、競合
     他社の営業戦略について実際にそれを遂行する(競合他社の)営業担当者が
     どのように感じているのか、あるいは現場でどのような戦術を実行しているの
     かといった情報です。

     こうした情報を把握していれば、顧客へのアプローチ方法や提案内容がより
     的を射たものとなってきます。

     この潜在情報を収集するために欠かせないのが、社内外での人脈形成です。

     潜在情報の収集は、社内外とのコミュニケーションが重要になってくることや、 
     相手があって成り立っていることなどから、定型化するのが難しいものです。

     ただし、どこからどのような潜在情報を収集することができるのかという“情報
     源”や“収集可能な主な情報”などは、押さえておくとよいでしょう。

   2.社内からの潜在情報を収集
     社内から潜在情報を収集するためのポイントは、営業担当者を中心とした良
     好なコミュニケーションの実現にほかなりません。

     営業担当者は、自分一人が営業活動を取り仕切っていると考えがちですが、
     実際は異なります。

     自社の商品・サービスをセールスする際は、同じ営業部門の上司や部下のほ
     かに、製造・開発・企画などの他部門の従業員の協力が必要です。

     そこで、営業担当者はこうした協力者とコミュニケーションを取り、仕事の状況
     や本音を聞き出すことのできる良好な関係を構築することが重要となります。

     その際、営業担当者のほうからも、営業活動の進捗度合いや自分の本音を伝
     えることがポイントとして重要です。

     こうしたコミュニケーションの結果、営業担当者に社内の雰囲気やモチベー 
     ションなど、貴重な潜在情報が集まってくるようになります。

     営業活動では、とかく社外に目が向けられがちですが、前提は磐石な社内体
     制であり、それを把握する上で社内の潜在情報は非常に重要です。

     例えば、営業担当者が一生懸命に新規顧客を獲得しても、そのフォローを担
     当する従業員が不足する状態では、本来喜ぶべき新規顧客の獲得が、逆に
     不満の原因になってしまいます。

     その点、あらかじめ社内の潜在情報を収集していれば、営業担当者は、営業
     計画の修正、経営者への進言などによって、無用なトラブルを回避することが
     できるでしょう。

   3.社外の潜在情報を収集
     社外から潜在情報を収集する際の主な相手は、競合他社の営業担当者、顧
     客の取引先、顧客自身などです。 

     それぞれ付き合い方は異なりますが、特に競合他社の営業担当者と顧客の
     取引先から潜在情報を引き出すための基本は「ギブアンドテイク」といえます。

     相手から情報を引き出すばかりの関係は長続きしないので、こちらからも何ら
     かの情報を与えなければなりません。
     とはいえ、10の情報を教えてもらったお返しに10の情報を返す必要はありま
     せん。

     問題は情報の質です。

     こちらが10の顕在情報を与えても相手は退屈するだけかもしれません。

     一つだけでも、相手が求めている潜在情報を与えたほうが、相手からの感謝
     は大きいものです。

     また、その際、潜在情報のすべてを事細かに伝える必要はなく、本当に重要な
     部分は隠しておくことも必要です。

     潜在情報をめぐるギブアンドテイクの関係は、一種の交渉であるため、「ここま 
     では、相手から聞き出せる」、あるいは「ここまでは相手に伝えてもよい」といっ
     た交渉の線引きを持つ必要があります。

     この線引きができていないうちは、外部からの潜在情報の収集は行わないほ
     うが無難です。

  □潜在情報の情報源
   1.競合他社の営業担当者
     競合他社の営業担当者は、自分と類似したサービスを取り扱い、共通した悩 
     みを抱えているよき理解者であることが少なくありません。

     そうした意味で、競合他社の営業担当者は打ち解けやすい相手といえます。

     競合他社の営業担当者との関係構築は比較的簡単で、“はじめの一声”さえ
     かけることができれば、ある程度は打ち解けることができることもあります。

     問題は、「どこまで親密になるか」ということですが、やはり、一線を引いておい
     たほうが無難なことは間違いありません。

     営業担当者は情報交換のつもりでも、競合他社の営業担当者と仲良く話して
     いる姿を不審に感じる人も少なくないためです。

     ただし、一線を引いた関係であっても、競合他社の営業担当者から得られる情 
     報は非常に貴重です。

     例えば、「リテール用の商品を開発したが、一般家庭にまで販売先を増やした
     ことで訪問先が増え、十分に対応することが難しくなってきた」などの話を聞い
     たとします。

     一見、何気ない会話に思えますが、これは競合他社の営業の現場の本音で
     す。

     あらかじめ競合他社の営業戦略などをテレビ、業界誌などから顕在情報として
     収集していれば、なおさら使いやすい潜在情報となり得ます。

   2.顧客の取引先
     顧客の取引先は競合他社の営業担当者と並ぶ貴重な情報源です。

     特に、同じ顧客に類似したサービスを導入していて、なおかつ直接的に競合し
     ない取引先は理想的といえます。

     こうした取引先は、顧客の担当部署が自社と同じであるケースが多く、場合に
     よっては、顧客の窓口担当者も同じかもしれません。

     顧客は直接的に競合しないサービスについては比較的よく話します。

     例えば、営業担当者が世間話からの流れで上手に誘導すれば、取引先の
     サービスに対する評価を聞き出すことができます。

     ただし、これとは逆に、取引先も顧客から自社サービスの評価を聞き出すこと
     ができるので注意が必要です。

     顧客の取引先から、自社サービスに対する顧客の評価を聞き出せる関係にな
     れば理想的です。

     例えば、顧客の取引先から「顧客は、あなたのところの商品の○○を評価してい
     るが、□□には改善の余地があると感じている。

     また、最近は競合他社が営業に来ているらしい…」といった顧客の本音を教え
     てもらうことなどが考えられます。

     このような潜在情報があれば、次の提案方針を決めるのに役立つでしょう。

   3.顧客
     本来、潜在情報は顧客などから直接収集することが最も大切です。

     顧客としても、自分が導入しているサービスを今よりも良いものにしたいため、 
     営業担当者が質問しさえすれば、少なからず潜在情報を提供してくれるでしょ
     う。

     しかし、多くの営業担当者は顧客になかなか質問をしません。

     それは、顧客がサービス改善のために伝えてくれる潜在情報を、自社サービ
     スに対する不満だと誤解して臆病になっているからです。

     営業の本質は、顧客にとってメリットのあるサービスを提供することで満足して 
     もらう一方で、自社は適正な収益を受け取り、互いにメリットを享受できる関係 
     を築き上げることだといえます。

     顧客への質問を通じて潜在情報を聞き出すことは、そのための第一歩です。

     顧客に積極的に質問し、潜在情報を収集するように努めることです。

     顧客も、よく質問してきて、顧客の話に基づいてさまざまな提案をしてくる営業
     担当者を見て「自社のことをよく考えてくれている」と感じるでしょう。

     質問をすることは、結果として顧客との関係深耕化につながるといえます。

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顧客のニーズを満たす提案方法

          

顧客のニーズを満たす提案方法

  ■「商品のメリット」と「お客様にとってのメリット」

   法人営業を対象に、営業担当者が顧客に対して、顧客のニーズを満たす提案方法
   として、「顧客に分かりやすくメリットを伝える」ために実践しておかなければならない
   事前準備についての方法を解説します。

  □営業担当者と顧客の間のギャップ
   1.営業担当者と顧客の間のギャップ
     営業活動は、漫然とやっていてもなかなか成果は上がりません。

     成果を上げるためには、営業担当者が「売る技術」を磨かなければならない。

     「売る技術」には、「顧客の潜在化しているニーズを予測する」「顧客からニーズを
     ヒアリングする」「分かりやすい提案資料を作成する」などさまざまな能力が含まれ
     ます。

     多くの営業担当者は、「売る技術」の一つに、「顧客にメリットを分かりやすく伝え
     る」ことが含まれており、それが大切であることは知っているはずです。

     しかし、いざ顧客と面談する場面になると、営業担当者は自社の商品がいかに
     優れているかということばかりを説明してしまい、顧客にとって「どのようなメリッ
     トがあるか」をうまく伝えられていないケースが少なくありません。

     この場合、「営業担当者が伝えていること」と「顧客が知りたいこと」の間にはギャ
     ップが生じています。

     簡単に言うと、営業担当者は「その商品は何か」といった商品の特長を伝えようと
     しており、顧客は「その商品で自分(自社)はどのような得をするか」を知りたいと
     思っています。

     こうしたギャップは、営業担当者が次のような状況のために生じます。
      ・顧客目線に立っていない
      ・「顧客の本当のニーズ」が理解できていない
      ・自分の中で商品のメリットが明らかになっていない
      ・「顧客に提供できるメリット」が整理できていない

   2.「営業担当者の思い」と「顧客の気持ち」
     営業担当者は「自社の商品にはどのようなメリット(特長)があるか」を伝えてお
     り、説明を聞く側の顧客は「自社にとってどのような得(メリット)があるのか」を
     知りたがっている。

      ●営業担当者
       商品の特長を伝えている
        ・優れた点が分かれば購入してくれる。
        ・この商品は○○にこだわっている。
        ・今までこの方法で売れていた。

      ●聞いている顧客の気持ち
       「どのような得をするか」を知りたい
        ・何ができるのか?
        ・どのような良いことがあるのか?
        ・自分(自社)に必要な理由は?

   3.分かっているつもりで分かっていない「メリット」
     当たり前のことだが、営業活動で最も重要なのは、「顧客のニーズに応えること」
     です。

     そこで顧客のニーズを知るために、営業活動においては、顧客の状況について
     事前に情報収集したり、顧客にヒアリングすることが重要になります。

     その上で、「自分たちが、顧客のニーズに対してどのように応えることができるか」
     について、顧客に分かりやすく伝えることが大切です。

     たとえニーズが明らかになっていても、営業担当者の案内する商品が「自分(自
     社)を満たす」ということを、顧客が理解してくれなければ、購入してもらうことは
     難しいからです。

     そこで、営業活動においては、次の2つがポイントとなります。
      1.顧客ニーズの把握
      2.自社の商品や自社との取引によるメリットの提示

     「顧客のニーズの把握」は営業の基本であり、顧客からのヒアリングが大切で
     す。

     自分たちの取り扱っている商品について掘り下げて整理しなければなりません。

     考え方を学んだだけで、自社の取り扱っている商品を掘り下げなければ、営業の
     現場で実践することはできないからです。

     自社やその商品のことは自分たちが一番よく知っているはずです。

     しかし、自社の商品や自社との取引が顧客にとってどのようなメリットがあるかに
     ついては、「実はちゃんと整理できていない」ことが少なくありません。

     次に「顧客にもたらすメリット」について、営業担当者が、自分たちの取り扱って
     いる商品や、自社にまで落とし込んで整理するための方法を紹介します。

   4.商品のメリット(特性)を整理する
     (1)ステップ1(商品の特性を明らかにする)
       商品の持つ特性を明らかにします。

       特性とは、「優れた性質や特徴」を指します。

       商品には「売り」にできるような優れた性質や特徴があるはずです。

       商品の特性は、「競合他社の商品に比べて優位性(強み)がある」という視 
       点を中心に考えます。

       その際には以下のような項目で検討してみるとよいでしょう。
        ・「性能」「技術(専門性)」「実績」「納期」
        ・「見た目(スタイルやデザインなど)」
        ・「価格」「サービス(アフターサービスなど)」など

       特性を明らかにするときには、具体的な数字を用いるなど、優位点やほか 
       との差異が貝体的に分かるような言葉を使います。

       また、数字を使うときには、その根拠を明らかにしておくことが必要です。

     (2)ステップ2(商品の特性を顧客にとってのメリットに変える)
       次に、明らかにした商品の特性を顧客にとってのメリットに変えてみます。

       その際には、「御社では△△(ニーズ)ということでしたら、この商品は
       ○○(特性)なので、□□というメリットがあります」のように、「ニーズ、特
       性、メリット」を一連のストーリーとして伝えられるようにします。

       特性をメリットに変える際のポイントは、「売り上げ拡大」「コスト削減」
       「リスク回避」のいずれかにつながるかどうかという視点で考えるという
       ことです。

       顧客のニーズはさまざまですが、法人営業の場合、「売り上げ拡大」「コスト
       削減」「リスク回避(資金繰り、人)」のいずれかに集約できます。

       言い換えると、この3つのいずれかが顧客の「購買決定要因」となります。

       そこで、特性をメリットに変えるときは、3つの「購買決定要因」につなげるこ
       とを意識すると、顧客にメリットを理解してもらいやすいのです。

       ただし、中には3つの「購買決定要因」に直接つなげていくものも出てきま 
       す。

       例えば、パソコンを例に挙げると、「商品の特性」では、「見た目」という項目
       の特性は、「従来の機種より薄い」となります。

       メリット楽に持ち運びができる」というものが考えられますが、こ 
       こから「売り上げ拡大」「コスト削減」「リスク回避」のいずれかを連想する顧
       客は少ないでしょう。

       このように、「購買決定要因」である「売り上げ拡大」「コスト削減」「リスク
       回避」に直接つなげにくいメリットは、「購買決定要因」につながるメリット
       を顧客に伝えた後で、「購買決定を後押しするカード」として使うとよいで
       しょう。

       例えば「性能」「技術」「納期」「価格」が「購買決定要因」につながりやすい
       メリットということになります。

   5.「自社が顧客にもたらすメリット」も同様に整理しておく
     営業担当者が顧客に説明すべきもう一つのメリットとして、「自社との取引」が 
     提供できるメリット、つまり、「自社が顧客にもたらすメリット」も整理しておきま
     す。

     整理する方法は「商品がもたらすメリット」の場合と同様で、「競合他社に比べ 
     て優位性がある」という視点を中心に考えます。

     その際には、「人材」「実績」「ネットワーク」といった項目で自社の特性を明ら
     かにし、それをメリットに変えてみます。

     特性をメリットに変えるときには、「信頼性」「ビジネスチャンス」のほか、「自分 
     たちにないものを補完してくれる」という「補完性」につながるように変えてみま 
     す。

     顧客から見ると、自分(自社)に関連することをよく知っている企業には、「信頼
     性」「ビジネスチャンス」「補完性」などのメリットを感じやすい傾向にあります。

   6.相手(顧客)ありきを忘れない
     これまで、営業担当者が自分たちの取り扱っている商品や企業(自社)につい
     て、顧客のニーズを満たすようなメリットを分かりやすく伝えることができるよう
     に整理する方法を紹介してきました。

     ただし、営業活動は、常に伝える相手がいることを忘れてはなりません。

     メリットを伝えるときも、相手の立場(役職・職種・年齢など)や考え方などを考
     慮した上で、伝え方を工夫しなければならないのです。

     それと同時に、自分なりに整理した商品の特性とメリットについては、社内で共 
     有したり実際の営業の現場で顧客から聞いた感想やリアクションなどを踏ま
     え、常に組織として見直していくことが大切です。

     こうした活動を繰り返していくことが営業の成果、ひいては新たなビジネスチャ
     ンスの獲得につながっていくのです。

   7.顧客にもたらすメリットをシートで整理

   8.”我流トーク”をしないための心構え
     顧客のニーズを無視して、自分の話したいことだけを雄弁に語る“我流トー
     ク”をしないために、営業担当者は次のことを常に心掛けましょう。
      ・常に顧客に関する情報を収集している  
      ・営業に関する情報を収集できる社内人脈を持っている
      ・同業界に2社以上の顧客を持ち、偏りなく情報を収集できるように
       している
      ・同業他社(場合によっては自社の競合)の営業担当者から情報を
       収集できるようにしている
      ・自社商品の特性を熟知し、それを「売り上げ拡大」「コスト削減」
       「リスク回避」の切り口で、顧客のメリットに変換することができる
      ・自社の強み(取引実績、ネットワークなど)を熟知し、顧客にきちんと
       説明できる
      ・「高いですね」と言われたときの切り返しトークを持っている
      ・営業前は、必ずロールプレイングをするか、営業シナリオをつくり、
       「自分の営業トークが顧客のメリットにつながるか」を検証している
      ・営業後はすぐに訪問結果をまとめ、次に生かすようにしている

   最後に、客先では決して焦らないことです。

   「高いですね」「お力にはなれないと思いますが」などと言われた瞬間に焦ってしま
   い、いきなり値下げプランを提示したり、脈なしと判断して帰ってしまう営業担当者
   がいます。

   これでは営業失格です。

   価格などの条件に注文をつけたり、一歩引いた発言をするのは、顧客の常とう手
   段です。

   「まあ、そうおっしゃらずに。今日は良いご提案ができると思うので、15分だけお
   時間をください」などといったように、冷静に切り返せるようになりたいものです。

   そのためには事前準備が必要であり、重点的に準備すべきなのが、ここで紹介し
   てきた「顧客のメリット」を中心に考える営業トークなのです。

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