〒422-8067 静岡県静岡市駿河区南町2-26-501
■あなたの勝てる場は
今の日本経済では、ほとんどの商品・サービスが飽和状態にあります。
こうした経営環境の中、自社の生き残りを図るためには、既存の商品・サービスを見直し、事業の
再構築(リストラクチャリング)を行わなければなりません。
事業の再構築に当たっては、まず自社の「勝てる場所」 がどこにあるのかを正しく認識したうえで、
その勝てる場所を自ら創造する必要があります。
次に求められるのは、コストダウンです。
「勝てる場所の創造」ができたからといって、いきなり攻めに転じても、会社はぜい肉をつけた
まま発進することになってしまいます。
社内にはいろいろな無駄が散在しているものです。
コストダウンをしっかり行って、無駄なぜい肉を落としてから、商品・サービスの強化、営業力の
強化といった攻めに転じなければなりません。
「勝てる場所の創造」と「コストダウン」ができたところで、いよいよ「商品・サービスの強化」と
「営業力の強化」に取り組みます。
ここでは、「勝てる場所の創造」で設定した自社が戦う土俵の上で、どのような商品・サービスを
開発し、それを販売に結び付けるかの検討が必要となります。
ここでは、上記の3つのステップのうち、最初の「勝てる場所の創造」について解説します。
□「勝てる場所」を具体的にイメージし、従業員で共有する
まず、「勝てる場所の創造」ですが、近年、業績不振を営業力の強化で乗り切ろうとする企業が
少なくありません。
しかし、いくら営業に力を入れたところで、従来と同じ商品のまま、同じやり方で、がむしゃらに
動き回っても、なかなか業績は回復しないものです。
こうした戦略なき営業力の強化では、いくらエネルギーを費やしても、その割に成果が上がらず、
徐々に社員の活力が低下していきます。
「いくら頑張っても結果は同じ」 という無気力感が社内に充満し、社員相互の不信感が増幅する
という事態を招きかねません。
それでは、どうすれば売り上げは向上するのか、難局を乗り切り業績を回復することができるのか。
自社が厳しい生存競争に勝ち抜くためには、 「自社の勝てる場」 を具体的にイメージすることが
大切です。
ここで必要なのは、外部環境と内部環境の分析を行うことです。
図による分析手法の流れを示しました。
まず、自社の現状を正確に把握しなければなりません。
そのために、内部環境(人材、財務、営業、生産など)分析と外部環境(市場動向、ライバル、
規制、ライフスタイルなど)分析を行います。
内部環境分析からは自社の「強み」 と「弱み」を明らかにし、外部環境分析から「伸びる機会」と
「脅威」を明らかにします。
そして、その分析から「勝てる場の創造」 を行いますが、戦略構築のポイントは、自社の「強み」
でもって「伸びる機会」に進出し、その際予想される「脅威」に備え「弱み」を克服することに
より、限られた経営資源を集中させることです。
さて、ここで例題です。
次のような特性をもった食品卸業者(取扱商品は食肉)があります。
あなたがその会社の社長なら、どのような「勝てる場」 を創造しますか。
【強 み】顧客提案力、販売企画力
【弱 み】主力商品が低粗利率の輸入肉
【伸びる機会】健康・自然ブーム、得意先である地域中小中堅スーパーの販売力の弱さ
【脅 威】大手スーパーの進出による得意先スーパーの衰退
「勝てる場」を考える場合、例えば、次のような着眼点を見出すことができます。
①まず、利益率の低い商品から粗利益の大きい付加価値商品に主力商品を転換しなければなり
ません。
そのためには輸入肉から国産の「こだわり肉」 へ転換することが必要です。
こだわりのポイントは「健康・自然」 、例えば、餌(無添加)と水(天然水)にこだわりを
持つ生産者を全国から厳選し、そこと直仕入契約を結びます。
②次に、得意先である地域中堅中小スーパーの営業力の弱さを補完できれば、価格競争に巻き
込まれる心配はなく、対得意先関係で主導権を握ることができます。
そのためには棚割提案、キャンペーン提案、レシピ提案などを積極的に行うことが大切です。
その結果、その売場が地元住民に支持され、業績アップにつながれば、「大手スーパーの進出に
よる得意先スーパーの衰退」という脅威も解消できます。
以上より、次のような「勝てる場」 を設定することができます。
【勝てる場】飼育方法にこだわった国内生産者からの直仕入と得意先スーパーの営業支援
また、この「勝てる場」 を実現するために必要な要因(成功要因) を検討すると、次のような
項目を挙げることができます。
【成功要因】
①飼育方法にこだわった国内生産者の選定と直仕入契約の締結
②得意先スーパーの営業支援
・棚割提案
・キャンペーン提案
・レシピ提案
繰り返しになりますが大切なのは、この「勝てる場」 を具体的にイメージし、従業員で共有
することです。
□重点実施項目は「バランススコアカード」で管理する
「勝てる場の創造」 を通じて成功要因を抽出できれば、それを年間の重点項目として実施します。
しかし、1年後に振り返って見ると、実施できている項目とほとんど何もできていない項目とが
あり、それぞれの実行度にはかなりのバラツキが生じていることに気づくでしょう。
このバラツキを解消するため、アメリカで開発された経営手法の一つに「バランススコアカード」
があります。
バランススコアカードとは、多面的に企業の業績を測るものさし(指標)の一覧表です。
このカードによる業績評価の仕組みでは、指標を従来型の「財務的視点」(売上高目標、
粗利益率目標など)だけではなく、「財務的視点」を実現するためにお客様に対して何をする
べきか――「顧客の視点」 、「顧客の視点」 を実現するために社内的に何をするべきか――
「社内ビジネスプロセスの視点」、さらに「社内ビジネスプロセスの視点」 を実現するために
従業員にどんな教育をしなければならないか――「学習と成長の視点」という指標を、多面的に
バランスよく抽出します。
例えば、先ほど食品卸業者の事例で、成功要因として「得意先スーパーの営業支援」 という
項目が抽出された場合のバランススコアカードは、表のようになります 。
1.「得意先スーパーの営業支援」 を通しての「財務的視点」 の戦略的目標として、
「スーパールートでの売上高向上」「スーパールートでの粗利率高向上」 を抽出する。
2.それを実現するための「顧客の視点」 は、「スーパーの取引件数アップ」と「取引
スーパーでのインストアシェアアップ」 。
3.この「顧客の視点」 の戦略的目標を実現するためには、「社内ビジネスプロセスの
視点」で「棚割提案」「キャンペーン提案」「レシピ提案」を実施する。
4.さらに、上記諸提案力をつけるためには、「学習と成長の視点」で「営業支援研修」を
実施する。
なお、表にあるようにバランススコアカードでは、戦略的目標を実現するために、戦略的業績
評価指標を設定します。
この指標は、事後的指標と事前的指標に分けられます。
事後的指標は、実行後にどんな目標が達成されているかという結果指標(例えば、目標売上高
達成率、取引件数など)で、従来型の目標指標と言えます。
もう一方の事前的指標は、事後的指標を達成するためには何をしなければならないかを指標に
したものです。
例えば、取引件数という事後的指標をクリアするためには、通常、新規訪問件数を増加させ
なければなりません。
そこで、事前的指標として新規訪問件数を選びます。
実際にバランススコアカードを運営していくためには、次の表のような
「バランススコアカード月次チェックシート」 を利用するとよいでしょう。
これにより毎月重点指標をチェックすることで、タイムリーで的確な経営戦略を実行していく
ことが可能となります。
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スクリプトを活用したセールスの基本 |
なぜなら、小規模な会社(店)にとって、営業マン個人の能力に頼った営業は継続した収益
営業に限らず、各業務の標準(マニュアル)化は必須であり、それが貴社(店)のノ 自社の優秀な営業マンのセールススキル(ノウハウ)、知識、情報を組織として共有化、 経験や勘、技術、ノウハウなどの知識である『暗黙知』は、これを文章にされていない 今まで、優秀な営業マンのノウハウや知識はその個人のセンスであり、感覚的なものと 「なぜ、うまくいったのか」の感覚的なものを他の凡人営業マンでもわかるようにスクリ わが国では、昔から「阿吽の呼吸」「暗黙の了解」といった、言葉や文章で表現できない これを会社が、優秀な営業マンのセールススキルの暗黙知部分を文章化・図表化・数 営業の標準化=スクリプト について解説します。
「ニーズ喚起」はセールスに欠かせない活動 人は現実の生活の中で目の前のやるべきことに この状況を打破しなければセールスは困難なものとなってしまいます。 お客様の感情に必要性を訴えなければなりません。 これは消費者が購買するまでの心理プロセス(消費者が商品の購入を決める心理的な このことを順を追って説明すると、 A:Attention まず“注意”を引く I:Interest “興味”を持たせる D:Desire ほしいという“欲求”を引き起こす M:Memory ”記憶“に残す A:Action “購入行動”を起こす 1.人、企業が抱える問題・悩みを提案する。 2.問題・悩みをお客様にあてはめる。 3.問題を放置すると、大きな問題に発展することを指摘する。 4.最も理想的な解決策を提示する。 5.動機づけてクロージングする。 「○○でお困りではございませんか?」「△△でお悩みではありませんか?」「××
「○○が発生したら大変なことになってしまいますよね」「△△になってしまった 「そのような悩みを解決できます。その解決策の一助として○○、□□がありま
「しかし、この商品・サービスは弊社の対応に限りがあります」と絞込みをかけ いつでも購入できるものではない限定感をアピールし、緊急性を演出します。
「今すぐでしたら、対応できます!」と次の行動を呼びかけます。 現場で対応することだ」と言います。 でも実際はどうでしょう。 準備も目的もなく訪問した所でほとんどうまくいきません。 だから何度も足を運ぶことになります。 そのためにはまず営業を標準化することが必要になります。 営業(セールス)の標準化=スクリプト(台本)。 最強のセールス手法です。 セールスを我流でやるのではなく、原理・原則に基づいて行うことのほうが間違いなく スクリプトは成果の上がっている営業マンのやり方を分析して作成します。 また、実際に多数のお客様を訪問しスクリプトに則り商談をし、その効果を検証します。 しかし、誰でも「決まったセリフを覚えてうまくいくの?」と考えます。 優秀な営業マンでなくても、彼らと同レベルの営業が可能となる。 ロープレなどにより繰り返し練習し、基本をマスターするこで、実践で勝利するのです。 スクリプトはセールスの「基本型」であり、凡人営業マンにとっての虎の巻となります。 スクリプトを覚える前に、是非押さえておきたい「セールスの基本(ポイント)」につ 1.断られることを気にしない お客様に断られることを気にしない(当たり前)と思うくらいの余裕を持ちましょう。 できるだけ多くのお客様に会うことが営業の 当然、多くのお客様に断られます。 重要なのは「なぜ失敗した(断られた)のか」 を考え、次に結びつけることです。 たくさん「断られること」は、「失敗に学ぶチ 断られてからが本当のセールスの始まりで 人はまず外見で他人を判断します。 だらしのない身なりのセールスマンに つまり、第一印象(見た目)の良し悪しでお客様の反応は大きく変わります。 服装・態度などの見た目は思った以上に大切なのです。 自信のある話し方はお客様に信頼感を与え、笑顔は安心感・親近感を与えます。 話し方や表情で商談は大きく変わります。 ロールプレイング(ロープレ)は営業マンのトレーニングのすべてです。 その中で話し方・表情もしっかり身につけましょう。 一言一句すべてをスムーズに再現できるまで練習します。 「大雑把に覚えた」では、本番で自信を持って話すことができません。 ロープレで完璧に再現できるようになれば、お客様の反応の「見え方」が劇的に変わり お客様の反応は一様ではないため、スクリプトではお客様の発言部分の記載を必要最 しかし、一方的に話し続けるだけではお客様も「うんざり」してしまいます。 何よりも大事なのはお客様の話を「聴く」ことであり、それによりお実様の本当の 5で述べたとおり、お客様の話をよく「聴く」ことは大事ですが、提案したかったの 常にスクリプトの流れを意識すれば、脱線してもスクリプトの流れに戻してクロージン 「私」というと個人の意見に受け取られますが、「私ども」と言うことによって組織の 「みなさんそのようにおっしゃっています」「○○さんも同じように考えておられま つまり第三者の影響力を使うことによって、お客様は「自分もそうしなければならない 人は二者択一で聞かれると、他の解答があってもどちらかを選んでしまうものです。 「○日の午前中と■日の午後ではどちらがよろしいでしょうか」「ご検討されるとした 有利な話ばかりでは警戒されてしまいます。 不利な情報も正しくきちんと伝えることでお客様に信頼されます。 「また断られるんじゃないだろうか」と暗い気持ちで訪問すると、その雰囲気はお客様 自信がなさそうで暗いセールスマンから商品を買いたいと思うお客様はいません。
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営業力向上計画 |
自社の業績アップのためには、「営業力を向上させ、商品販売を促進することが しかし、一口に営業力向上といっても、それを実現するために単に「営業担当者 ・直接的に営業担当者の能力を高める のはもちろん、それ以外にも、 ・市場状況の把握とそれに対応した営業の展開 ・商品を分析し、商品力の向上を図る というマーケテイング戦略が必要となるのです。 自社の営業力を向上させようと考えた場合、 まずは現在の自社の営業力を分析し、改善点を明確にする必要があります。 そこで営業力を、「市場対応力」「商品力」「営業部門力」といった3点から分析して 市場対応力とは文字どおり、自社の商品がどのような市場で強い(弱い)かを 簡単にいえば、自社の商品が市場でどのような位置を占めているかということ
・既存商品・既存市場の欄では、最近3カ年間の商品売上の増減傾向を ・既存商品・新規市場の欄では、競合相手の状況などを整理し、市場に ・未納商品とは商品化できているものの、その市場(顧客)には投入して ・新商品・既存市場の欄では、投入した新商品が市場に定着しているか ・新商品・新規市場の欄では、新商品を用いて、今後展開すべき新規 ・現在の自社の市場対応についての確認をすることが営業力を向上 ・自社の強みと弱みを、マーケテイング要素別に3年前と比較することで、 ・自社の得意要素と受注力強化要素は、自社の強みをいかし、弱みを 自社の市場について研究すると同時に、商品についても検討を加える必要が すべての商品には、ライフサイクルがあるので、 また、 ライフサイクルが偏ると会社の業績に大きな影響を与える可能性があるので、 ・全売上高の20%を超える、商品の柱を3本以上もつようにする ・それぞれの商品のライフサイクルの山と谷とが補い合うようにする ことに留意しましょう。 ・「導入期」には、商品のもっている機能・特性を消費者に認識してもらう。 ・「成長期」には、強力な競争相手が出現するので、それに対抗できる ・「成熟期」には、価格競争が激しくなるので、商品改良やコスト削減、 ・「衰退期」は、需要量が低下してきて弱い競争相手は淘汰され、競争が 営業力向上に直接つながる営業部門においては、 ・営業担当者の能力 ・営業担当者の管理体制 の2つの面から分析を行います。 営業担当者各人の能力を分析するには、チェックシートを用いて行うと効果的です。 営業担当者の管理体制面では、「上司が営業担当者の活動を十分に把握し、必 日報や週報などの報告をもとに、上司が営業担当者の活動を分析し、さらに効率 自社の営業力の分析結果をもとに、今後の目標と方向性を定め、それに沿って 計画全体の目標と、「市場対応力」、「商品力」など、それぞれの項目別の目標 目標は抽象的なものではなく、期限や数値目標などを含めた具休的なものに 目標達成のための、計画の方向性を定めます。 前項で分析した結果をもとに、 ・自社の弱点を補強する ・自社の優位性をさらに増強する という2つの方向性を考えます。 ・経営コンサルタントなど、第三者の冷静な意見を聞く ・競合他社との競争で自社が優位にたっている部分に注目する 計画の方向性が定まったら、その実現のための戦略を練ります。 具体的には、マーケテイング、販促計画、商品リニューアル、研修実施、新規 |
営業部門のボトルネック |
■営業部門の役割 営業の業務は、自社の商品やサービスを販売することです。 そのために営業担当者は顧客と良好な人間関係を構築し、プレゼンテーションを行い、 このように営業担当者が行う業務は多岐にわたります しかし今では、営業部門に課せられた役割は大きく変わった。 従来は自社の取扱商品やサービスを、とにかく多くの顧客に提案し、売上高の最 しかし現在では、自社と市場の接点に立つ部門として、ビジネスモデルを革新す 戦略の見直しに必要な情報を、正しく吸い上げ、社内に浸透させる機能も併せ持 こうした変革期に際して、求められる役割の変化を受け入れられず、もがき苦しむ 戦略そのものが誤っているのに、営業としての戦術・戦闘レベルにすべての責任 戦略のミスは、戦術ではカバーできない。 しかし、戦略が正しいか否かは戦術・戦闘の結果でしか判断できないのも事実な まずは、戦略・戦術・戦闘レベルの内容について紹介する。 ビジネスモデルという言葉は、1998年にアメリカで「ビジネスモデル特許」が その定義や解釈はさまざまですが、「誰に(Who)、何を(What)、どの 例えば、喫煙者だけを対象にした喫茶店のように、「Who」が異なるだけで また、インターネットを活用することで「How」が劇的に変化したケースなどが 世の中で賞賛されているビジネスモデルは、創業者のたぐいまれな先見の では、既存事業を持つ企業は、いつ、どんなタイミングでビジネスモデルを変 営業部門は、ここに深く関わるべきです。 ところが、実際には営業部門の意見は聞き入れられにくい。 例えば商品の改善案を出した場合、「売れない言い訳」としかとらえられない ビジネスモデルをシフトする際、営業部門は三つのジレンマを抱えるためだ。 (1)評価のジレンマ (2)組織のジレンマ (3)習慣のジレンマ これまでライバルと比較で、顧客に対してランニングコストの安さをアピー 今はモノが売れない時代であり、買い手が売り手よりも多くの情報を持って 環境が変われば、やり方も変わる。 ただ忙しくなるばかりで、一向に成果が上がらないことに疑問を持ちながら 成果を上げるために、営業が疲弊するのではなく、成果につながるからイキ 1.営業は現場 戦略の可否は戦術・戦闘の結果をもってしか判断できない。 しかし、戦略の可否を判断できるだけの営業力を持たないまま、「戦略が、どう 結論から言えば「誰に」「何を」売るかの戦略に従って、「どのように」売上げに どんな商品やサービスであっても、どのターゲットに売る場合でも、営業の本 いかに高度で複雑な営業プロセスであっても、一つひとつの仕事を分解してい 単純作業の積み重ねで「受注」というゴールにたどりつくのです。 ストーリーを持たない営業担当者は、偶然会った他人から、いきなり契約して 顧客に契約してもらうにはステップが必要である。 ◎「受注への階段」へのストーリー もし、持っていれば、「どのステップが弱いか」を把握しているだろうか? 図の網を掛けたステップ(興味・関心、見積依頼、契約)は顧客の意思であり、 営業担当者の役割は、顧客が無理なく次のステップに進むことを助けることで 営業担当者間や昨年との比較によって、どのステップが弱いのかを分析する では、数多く訪問しても、なかなか見積依頼を受けることができないケースに この場合、営業部門が実施すべき改善方法は2通り考えられる。 (1)ステップを足して営業のストーリーを見直す 例えば訪問と見積依頼の間に、「商品説明会」の新たなステップを足すこ 結果として訪問件数に対する見積依頼の件数が増えれば、新たなステッ (2)ボトルネックになるステップをブラッシュアップする また、目的に沿ったセールスツールが整備されているかも、十分に検討 商談の目的は常に、顧客をスムーズに次のステップへ進めることだ。 ところが、営業担当者が持っているツールは、初回訪問時に使用する会 現場の第一線で戦う営業担当者に場違いな武器しか与えずに、結果だ 1.営業の本質 新規面談から受注に至るプロセスにおいて、どこにボトルネックがあるかを分 この事実に対し、ベテラン営業職ほど反発する傾向にある。 営業は、お客さまがいて成り立つものだから、マニュアル通りには進まない。 しかし、場面ごとに、より適切な営業手法を型決めしておくことはできる。 この型決めが営業力向上の近道であり、より確実な方法へとブラッシュアップ それは、1回の商談における事前準備からアフターフォローまでのストーリー |
営業活動の基本ロジック |
■新規開拓の考え方と心構え 新規開拓の基本ロジックは、色々な販売手法構築に応用可能であり、また後で紹介 する各種販売手法のベースになっています。 基本ロジックに則って新規開拓を進めれば、効果・効率的な新規開拓が可能になる。 自ら販売戦略・戦術を考える際の羅針盤として、また各種販売手法の体系的な整理 として活用できます。 ・イニシャル&新規、 個人&法人、 バランス良く取り組む必要がある。 ・プロジェクト的な取り組みに、原則として全営業時間の 3 割を超え る時間を投入してはならない 。 ・先入観の排除。根拠のない判断はしない。それは自らの可能性を自ら 否定することになる。根拠のない話は否定するくらいの強いスタンスが必要。 ・原因作り=仕組み作りを大切にしましょう。 原因のない結果はない。 成果という結果を導くためには周到な原因作りが必要。 原因作りを大切にすれば結果は自然とついてくる。 ・但し、結果がでてくるまで一定の時間がかかる事を覚悟しておく必要がある。 ・隣の芝生は青く見えるかもしれないが、施策をころころ変えて成功することは 殆どない。施策を徹底することで改善点が見えてくる。 □新規開拓とは 新規開拓とは、『「どこに」「何を」「どのようにして」販売する?』かという ことです。 これが「行動プロセスの全体像」です。 新規開拓を効率・効果的に進めるには、「行動プロセスの全体像」を考えただけでは 不十分です。 成功事例を分析すると、これにもう一つの要素が絡んできます。 この要素=共通キーワードが「着眼点」です。 具体的には以下の通りです。 ・先入観の排除 ・新商品 ・新状況 ・新設事務所 ・調べる ・支払い能力 ・コスト節減 ・すき間 ・組織の活用 ・スピード ・執念 新規開拓の成功事例を客観的に分析すると、戦略的にせよ、結果的にせよ、着眼点を 念頭におきながら行動プロセスを進めていることがわかります。 例えば、ターゲットの選定に際し、利益が上がっているところと上がっていない ところ、あなたはどちらを選ぶか? 言うまでもなく前者でしょう。 ニーズがあっても、支払い能力がなければ、契約は成立しないからです。 ここから「ターゲットの選定←→支払い能力」というリンケージが出来てきます。 従って、新規開拓とは、着眼点と行動プロセスの合理的・現実的な組み合わせ、 もしくは着眼点を念頭に置きながら、合理的かつ現実的に行動プロセスを進める こと、と言うことが出来ます。 □新規開拓セールスの基本 「案件見込み客との会話が続かず、苦労する」「担当者と仲良くなるが、肝心の商談が 新規開拓を行う際の取り組み方には、次に挙げる三つの押さえるべき原理原則が ●「目的と手段」 ●「考え方」 ●「行動」 1.新規開拓の目的 (1)業績を補填する“守り”的発想 “守り”を意識した新規開拓とは、こうしたダウン分を見越して、「自然減の (2)顧客選別を推進するための“攻め”的発想 まず「顧客選別」の新規開拓を行うためには、新規顧客の取り込みに加 すなわち、自社が提供する商品・サービスの特徴やメリットについて、顧客 よって、まず「新規顧客数ありき」ではなく、社内で新規開拓の目的を、明確 一般的に新規取引とは、既存顧客に対する新規提案である「①」、または新規 この新規取引のうち、最も重要であるとされる「②」のケースについて、その考 まず、新規開拓に関する考え方として次の3点を押さえておきます。 (1)「良い客」を狙う (2)「良い接触」を得る (3)「良い提案」を行う 行動面は、各社の状況にもよるが「リピート受注・固定客づくり 」の流れは図 ①リストアップ ②見込み化 ③ランクアップ ④フォロー ⑤提案 「なぜ新規開拓をするのか」。 (1)新規の狙い先に対し、「会う(ご来店いただく)」ためには既存取引先と違 例えば、訪問目的として「ごあいさつ」や「新商品の案内」では、アポ(約束) 顧客志向であれば、「コストダウンに関して、お役に立てるのではとご連絡 また、自社の会社案内を一言集約できるか、相手に合わせた内容が可能 (2)必要なこと(こだわり)を「聞く」ためにも、工夫が必要。 例えば、想定できるセールストークとして、次のようなものが挙げられる。 ①相手の状況を引き出すために、まず相手が話しやすい内容から聞き出 ②自然にヒアリングするための工夫 ポイントは次の3点。 (1)確認を怠らない これは、提案の際に「前回確認した課題」の事前再確認が不足しているた 特に提案まで時間が経過した場合、ヒアリング内容がすでにピンボケに (2)「説得する」のではなく「納得させる」 そのためには「商品説明」をするのではなく、「効用説明」こそが必要にな 「自分が言いたいこと(商品)」ではなく、「相手が聞きたいこと(効用)」 (3)提案書は簡潔・明瞭・迅速に 言い換えれば、提案書を初めて見た人でも理解できるように、「趣旨・目的 また、提出までのスピードも速ければ速いほど価値を生む。 「速い=誠実・ヤル気がある」という評価につながりやすく、相手への印象 そのためには、次の3点がポイントとなります。 (1)値引きは「一時の利益」、品質は「長期の利益」 (2)ベストセラーよりロングセラー これによって、「ほかにない=オンリーワン」の要素を盛り込んだ自社提案 (3)業績づくりは「縁づくり」から 新規開拓ほど、自らの存在価値を賭けてセールスの醍醐味を味わえるも 「顧客の評価」は自己の「諦めない」努力によってのみ実を結ぶと信じて、 ①顧客にメリットを提供する 通常、担当者の変更は顧客からすれば「また一から当方の事情を説明す 「自社の存在価値(創業の精神)の再確認」 「メリットを提供しているか」 ②「後任担当者を認知してもらう」 後任担当者が顧客の「お役に立つ」ためには、いかに早い段階で“担当 ・後任担当者を立てる ・演出する ・“割り切り”の心を持つ 担当者の変更を、今まで表面化していなかった自社の「ネック」(=「不安」 そのためのポイントとして、次の2点がある。 ①「おかげさま」意識への変革を行え ②組織営業で臨め ●「真の顧客はだれか」…自社に貢献している顧客の特定 (1)真の顧客はだれか 業績責任者には、これらを向上させるマネジメントが求められるが、その際 ①なぜ売れたのか、売れなかったのか ②取引したい客はだれか 顧客政策は案外、独りよがりに行われがちで、思い込みや勘違いによるピ 「顧客のこだわり=自社の強み=ライバルの弱み」となるためにも、自社に 次に、ある飲食レストランでの活用事例を紹介する。 ①業績低迷の原因は何か ●店に対する苦情ベスト5(対象数500人、回答数276人:複数回答) ※女性からの苦情内訳…店員に対して(46%)、料理に対して この会社は当初、業績低迷の打開策として「メニューの開発強化」を計画 ②なぜ自社を利用するのか そこで、まず既存顧客からのリピート受注(既存客の深堀)に絞った取り組 そのために、次の3点を心掛けてくだい。 ①リピート受注を支える仕組みづくり ②顧客情報の管理 ③顧客が顧客を呼ぶ紹介運動の展開 |
営業活動の成否は事前の情報収集 |
営業活動においては、事前準備として「顕在情報収集」が非常に重要です。 顧客に連絡したり訪問したりする際には、事前に顧客や競合他社などについて情報 しかし、「どのような情報を収集すればよいか迷う」「情報収集しても営業活動に生かす この解決策としては、 ・事前に収集する情報の項目を定型化する ・収集した情報を活用したトークパターンを覚えておく 営業活動は個々の営業担当者のノウハウに頼る属人的な活動が多数見られますが、 また、情報収集を定型化することによって、営業活動の効率化を図れるというメリット 営業活動で活用する情報には、「顕在情報」と「潜在情報」があります。 顕在情報は営業担当者が知っておくべき基礎的な情報、潜在情報は営業活動におい 1.当事者の立場 顕在情報とは、自社や競合他社のサービスの特徴、関係する法改正情報など 「事前の情報収集の定型化」は、顕在情報を収集する際に効果的です。 顕在情報の多くは、テレビ、日刊紙、業界誌、パンフレット、インターネットなど この顕在情報を有効に活用するためには“営業活動におけるトークに落とし込 例えば、多くの営業担当者は自社と競合他社のサービスについて、品質、金 しかし、それはパンフレットなどに記載された内容を比較しているだけで、最も 同じサービスであっても、顧客、競合他社、自社とでは評価が大きく異なりま よく、営業担当者が自分では万全だと思うトークを展開しても、顧客の反応が このような点を踏まえ、営業担当者は、自社と競合他社のサービスを、少なく こうすることで、自社サービスのポジショニングや顧客ニーズをより鮮明にイ 情報マトリクスを活用する際に重要なのは、どのように顧客へのトークにつな トークを考える際に常に念頭に置いておきたいキーワードは、“理由”です。 実際のトークでは、「顧客にとっての具体的なメリット」「競合他社に対する自社 ここでいう、顧客にとっての具体的なメリットとは、「なぜ顧客は、そのサービス また、「競合他社に対する自社の優位性」とは、「なぜ顧客は、自社(のサービ こうした“導入”そして“選択”の“理由”が具体的で分かりやすいものであれば 1.潜在情報とは 潜在情報とは、通常は表に出てこない、「顧客の本音」「競合他社の営業戦 このうち、競合他社の営業戦略は日刊紙などで紹介されることがありますが、 潜在情報は、顕在情報からさらに踏み込んだ情報であり、この場合は、競合 こうした情報を把握していれば、顧客へのアプローチ方法や提案内容がより この潜在情報を収集するために欠かせないのが、社内外での人脈形成です。 潜在情報の収集は、社内外とのコミュニケーションが重要になってくることや、 ただし、どこからどのような潜在情報を収集することができるのかという“情報 社内から潜在情報を収集するためのポイントは、営業担当者を中心とした良 営業担当者は、自分一人が営業活動を取り仕切っていると考えがちですが、 自社の商品・サービスをセールスする際は、同じ営業部門の上司や部下のほ そこで、営業担当者はこうした協力者とコミュニケーションを取り、仕事の状況 その際、営業担当者のほうからも、営業活動の進捗度合いや自分の本音を伝 こうしたコミュニケーションの結果、営業担当者に社内の雰囲気やモチベー 営業活動では、とかく社外に目が向けられがちですが、前提は磐石な社内体 例えば、営業担当者が一生懸命に新規顧客を獲得しても、そのフォローを担 その点、あらかじめ社内の潜在情報を収集していれば、営業担当者は、営業 社外から潜在情報を収集する際の主な相手は、競合他社の営業担当者、顧 それぞれ付き合い方は異なりますが、特に競合他社の営業担当者と顧客の 相手から情報を引き出すばかりの関係は長続きしないので、こちらからも何ら 問題は情報の質です。 こちらが10の顕在情報を与えても相手は退屈するだけかもしれません。 一つだけでも、相手が求めている潜在情報を与えたほうが、相手からの感謝 また、その際、潜在情報のすべてを事細かに伝える必要はなく、本当に重要な 潜在情報をめぐるギブアンドテイクの関係は、一種の交渉であるため、「ここま この線引きができていないうちは、外部からの潜在情報の収集は行わないほ 1.競合他社の営業担当者 競合他社の営業担当者は、自分と類似したサービスを取り扱い、共通した悩 そうした意味で、競合他社の営業担当者は打ち解けやすい相手といえます。 競合他社の営業担当者との関係構築は比較的簡単で、“はじめの一声”さえ 問題は、「どこまで親密になるか」ということですが、やはり、一線を引いておい 営業担当者は情報交換のつもりでも、競合他社の営業担当者と仲良く話して ただし、一線を引いた関係であっても、競合他社の営業担当者から得られる情 例えば、「リテール用の商品を開発したが、一般家庭にまで販売先を増やした 一見、何気ない会話に思えますが、これは競合他社の営業の現場の本音で あらかじめ競合他社の営業戦略などをテレビ、業界誌などから顕在情報として 顧客の取引先は競合他社の営業担当者と並ぶ貴重な情報源です。 特に、同じ顧客に類似したサービスを導入していて、なおかつ直接的に競合し こうした取引先は、顧客の担当部署が自社と同じであるケースが多く、場合に 顧客は直接的に競合しないサービスについては比較的よく話します。 例えば、営業担当者が世間話からの流れで上手に誘導すれば、取引先の ただし、これとは逆に、取引先も顧客から自社サービスの評価を聞き出すこと 顧客の取引先から、自社サービスに対する顧客の評価を聞き出せる関係にな 例えば、顧客の取引先から「顧客は、あなたのところの商品の○○を評価してい また、最近は競合他社が営業に来ているらしい…」といった顧客の本音を教え このような潜在情報があれば、次の提案方針を決めるのに役立つでしょう。 本来、潜在情報は顧客などから直接収集することが最も大切です。 顧客としても、自分が導入しているサービスを今よりも良いものにしたいため、 しかし、多くの営業担当者は顧客になかなか質問をしません。 それは、顧客がサービス改善のために伝えてくれる潜在情報を、自社サービ 営業の本質は、顧客にとってメリットのあるサービスを提供することで満足して 顧客への質問を通じて潜在情報を聞き出すことは、そのための第一歩です。 顧客に積極的に質問し、潜在情報を収集するように努めることです。 顧客も、よく質問してきて、顧客の話に基づいてさまざまな提案をしてくる営業 質問をすることは、結果として顧客との関係深耕化につながるといえます。 |
顧客のニーズを満たす提案方法 |
■「商品のメリット」と「お客様にとってのメリット」 法人営業を対象に、営業担当者が顧客に対して、顧客のニーズを満たす提案方法 1.営業担当者と顧客の間のギャップ 営業活動は、漫然とやっていてもなかなか成果は上がりません。 成果を上げるためには、営業担当者が「売る技術」を磨かなければならない。 「売る技術」には、「顧客の潜在化しているニーズを予測する」「顧客からニーズを 多くの営業担当者は、「売る技術」の一つに、「顧客にメリットを分かりやすく伝え しかし、いざ顧客と面談する場面になると、営業担当者は自社の商品がいかに この場合、「営業担当者が伝えていること」と「顧客が知りたいこと」の間にはギャ 簡単に言うと、営業担当者は「その商品は何か」といった商品の特長を伝えようと こうしたギャップは、営業担当者が次のような状況のために生じます。 ・顧客目線に立っていない ・「顧客の本当のニーズ」が理解できていない ・自分の中で商品のメリットが明らかになっていない ・「顧客に提供できるメリット」が整理できていない 営業担当者は「自社の商品にはどのようなメリット(特長)があるか」を伝えてお ●営業担当者 商品の特長を伝えている ・優れた点が分かれば購入してくれる。 ・この商品は○○にこだわっている。 ・今までこの方法で売れていた。 「どのような得をするか」を知りたい ・何ができるのか? ・どのような良いことがあるのか? ・自分(自社)に必要な理由は? 当たり前のことだが、営業活動で最も重要なのは、「顧客のニーズに応えること」 そこで顧客のニーズを知るために、営業活動においては、顧客の状況について その上で、「自分たちが、顧客のニーズに対してどのように応えることができるか」 たとえニーズが明らかになっていても、営業担当者の案内する商品が「自分(自 そこで、営業活動においては、次の2つがポイントとなります。 1.顧客ニーズの把握 2.自社の商品や自社との取引によるメリットの提示 「顧客のニーズの把握」は営業の基本であり、顧客からのヒアリングが大切で 考え方を学んだだけで、自社の取り扱っている商品を掘り下げなければ、営業の 自社やその商品のことは自分たちが一番よく知っているはずです。 しかし、自社の商品や自社との取引が顧客にとってどのようなメリットがあるかに 次に「顧客にもたらすメリット」について、営業担当者が、自分たちの取り扱って (1)ステップ1(商品の特性を明らかにする) 商品の持つ特性を明らかにします。 特性とは、「優れた性質や特徴」を指します。 商品には「売り」にできるような優れた性質や特徴があるはずです。 商品の特性は、「競合他社の商品に比べて優位性(強み)がある」という視 その際には以下のような項目で検討してみるとよいでしょう。 ・「性能」「技術(専門性)」「実績」「納期」 ・「見た目(スタイルやデザインなど)」 ・「価格」「サービス(アフターサービスなど)」など 特性を明らかにするときには、具体的な数字を用いるなど、優位点やほか また、数字を使うときには、その根拠を明らかにしておくことが必要です。 次に、明らかにした商品の特性を顧客にとってのメリットに変えてみます。 その際には、「御社では△△(ニーズ)ということでしたら、この商品は 特性をメリットに変える際のポイントは、「売り上げ拡大」「コスト削減」 顧客のニーズはさまざまですが、法人営業の場合、「売り上げ拡大」「コスト 言い換えると、この3つのいずれかが顧客の「購買決定要因」となります。 そこで、特性をメリットに変えるときは、3つの「購買決定要因」につなげるこ ただし、中には3つの「購買決定要因」に直接つなげていくものも出てきま 例えば、パソコンを例に挙げると、「商品の特性」では、「見た目」という項目 メリット楽に持ち運びができる」というものが考えられますが、こ このように、「購買決定要因」である「売り上げ拡大」「コスト削減」「リスク 例えば「性能」「技術」「納期」「価格」が「購買決定要因」につながりやすい 営業担当者が顧客に説明すべきもう一つのメリットとして、「自社との取引」が 整理する方法は「商品がもたらすメリット」の場合と同様で、「競合他社に比べ その際には、「人材」「実績」「ネットワーク」といった項目で自社の特性を明ら 特性をメリットに変えるときには、「信頼性」「ビジネスチャンス」のほか、「自分 顧客から見ると、自分(自社)に関連することをよく知っている企業には、「信頼 これまで、営業担当者が自分たちの取り扱っている商品や企業(自社)につい ただし、営業活動は、常に伝える相手がいることを忘れてはなりません。 メリットを伝えるときも、相手の立場(役職・職種・年齢など)や考え方などを考 それと同時に、自分なりに整理した商品の特性とメリットについては、社内で共 こうした活動を繰り返していくことが営業の成果、ひいては新たなビジネスチャ 顧客のニーズを無視して、自分の話したいことだけを雄弁に語る“我流トー ・常に顧客に関する情報を収集している ・営業に関する情報を収集できる社内人脈を持っている ・同業界に2社以上の顧客を持ち、偏りなく情報を収集できるように ・同業他社(場合によっては自社の競合)の営業担当者から情報を ・自社商品の特性を熟知し、それを「売り上げ拡大」「コスト削減」 ・自社の強み(取引実績、ネットワークなど)を熟知し、顧客にきちんと ・「高いですね」と言われたときの切り返しトークを持っている ・営業前は、必ずロールプレイングをするか、営業シナリオをつくり、 ・営業後はすぐに訪問結果をまとめ、次に生かすようにしている 最後に、客先では決して焦らないことです。 「高いですね」「お力にはなれないと思いますが」などと言われた瞬間に焦ってしま これでは営業失格です。 価格などの条件に注文をつけたり、一歩引いた発言をするのは、顧客の常とう手 「まあ、そうおっしゃらずに。今日は良いご提案ができると思うので、15分だけお そのためには事前準備が必要であり、重点的に準備すべきなのが、ここで紹介し |
■営業活動の事前準備
営業活動で最も重要なのは、「事前準備」です。
商談に臨む前には、「ゴール=今回の商談の目的」を決め、「どのような流れで話を進めるか」
という商談シナリオを準備しておく必要があります。
商談シナリオの準備として、「商談相手(以下「相手」)の情報を収集する」「自社の商品・
サービスについて説明できるようにする」「相手からの質問を想定し、それに対する回答を用意
しておく」などを行います。
初回訪問なのか最終提案なのかなど、商談の段階によって想定される商談シナリオは異なりますが、
営業トークの肝となるのは「相手にとってのメリットを伝える」ことで、「それを使うことが
自社(自分)にはどのようなメリットがあるのか」を具体的にイメージさせることです。
実際の営業活動でやるべきこと、準備すべきものを具体的に解説します。
□事前に準備すべきもの(商談ツール)
1.資料
営業活動で得意先を訪問する際に、相手を納得させる材料がないと何度も訪問しなければなら
なくなります。
そうすると成約までに時間がかかったり、場合によっては失注してしまったりすることもあり
得ます。
そのような事態を防ぐためにも、しっかりと資料を準備する必要があります。
「自分が理解しているから良い」ではありません。
資料を準備することで自らの理解を深め、さらに相手に見せて具体的なイメージを持たせる
ことが大事なのです。
(1)技術的な説明や写真、イラストなどを入れた具体的な資料
①スペック
サイズ・性能・機能などの説明。
②データ
自社の実績や業界の動向、省庁や都道府県発表の数値など。
③写真・イラスト
数値的な説明だけでなく、見た目でイメージがつかめるようなもの。
(2)自前で作成した手づくり感のある資料
自社あるいは得意先の規模が小さく、全員の顔が見えるような会社との商談であれば、
独自色や手づくり感をアピールすることで好感度アップを狙う。
チラシであれば、見れば概要がつかめて担当者の思いが込められたものを作成する。
2.アプローチブック
資料を準備したのに、それを最大限有効に利用しなければ作成の労力がムダになってしまう。
効果的に使うためには、ストーリー性のある構成にすると説明が楽である。
このアプローチブックは、初めから順番に説明すると、受注につながるストーリー展開となる
ように作成すると良いでしょう。
会社によっては会社案内の冊子を作成していいるが、それに記載されていない内容まで盛り
込んだ独自の資料を作成します。
具体的には、次の項目が必要である。
(1)会社概要・沿革
新規訪問あるいは得意先の担当者が代わった時などに、会社のプロフィールを説明できる
よう、会社の業績・代表者・歴史・所在地・取引先・取り扱い商品などを盛り込む。
(2)環境(市場・業界)
訪問先が置かれている環境がどのような状況なのか、新聞・雑誌などの情報や1の資料の
データを使って説明する。
(3)商品
相手に勧めたい商品の特徴を説明する。特に、ライバル商品との比較表などを用いて、自社
商品のメリットを納得させる内容にします。
(4)価格表・支払い条件
商品ごとの価格や支払い方法、納品形態、納期などの条件を入れておく。
この部分をしっかり盛り込むことによって、相手に「契約」を具体的に検討してもらえる
ようになります。
人は「視覚」「聴覚」「言語」の中では、圧倒的に「視覚」からの情報が頭に残ると言われ
ています。
この「視覚」を最大限に利用した商談を進めるには、アプローチブックのようなツールは
非常に有効です。
それに加えて、説明の仕方として「話し方」を工夫することも必要です。
3.商品サンプル
アプローチブックと併せて、商品を持参すれば説得力は増し、具体的な商談になりやすい。
4.レター
訪問後に礼状を送ると、相手の印象が深まる。また、訪問先が個人であれば、教えてもらった
パーソナル情報(誕生日・結婚記念日など)に基づいてメモリアルレターを送ると効果が高い。
5.メリットを伝える営業トーク
ポイントは、「数字を使うこと」「エピソードを交えること」です。
「このサービスを使うと業務効率化とコスト削減が図れます」と説明するのと、「この
サービスを使うと、月間で約〇時間業務を短縮することができ、年間では約△%のコスト削減が
実現できます」と説明するのとでは、説得力が違います。
また、「実際にこのサービスを導入したあるお客様は、約△%のコスト削減が実現でき、社内で
表彰されたそうです」などのようにエピソードを交えることで、相手は商品・サービスを導入
するメリットを具体的にイメージしやすくなります。
さらに、相手に購入を促すメリットは、商品・サービスのメリットだけではありません。
法人の場合、「自社と取引することのメリット」も重要なポイントとなります。
それを分かりやすく伝えるためには、「業界最大手〇〇社に導入している」「△△地域では
シェアナンバーワンである」などのように、実績を例に出すと良いでしょう。
このように、商品・サービスに関連する具体的な数字やエピソードを例に出すなどの「成果に
つながる営業トーク」のためには、日ごろから既存顧客に話を聞いたり、上司・同僚と話をして
情報を蓄積するといった、日々の積み重ねが欠かせません。
□チェックリスト
一連の営業活動でやるべき行動(作業)のリスト(日付を入れられるようにしておくと良い)を
作成します。
そうすると活動の進捗状況がひと目で分かるため、受注の見込みの確認や判断もしやすくなります。
チェックリストは、活動のモレやダブりなどのムダをなくすための有効なツールとなります。
また、大掛かりなプロジェクトで仕事を進める場合は、業務ごとの担当者欄を設けて全体を把握
できるようにすると、仕事を効率的に進めることが可能になる。
ツールの準備が整ったら、具体的な訪問先を選定しなければならない。
□アップセル・クロスセル
業績を伸ばして目標を達成するためには、現状の取引先に加えて新規の取引先を開拓しなければ
ならない。
しかし、新規開拓はそう簡単にできるものではない。
そこで既存の顧客、あるいは商品の中で業績を上げる余地がないかを見直す必要がある。
特に、継続して取引がある顧客、いわゆるルート営業は毎月の取引商品が決まっているため、
それが当たり前になっていないかを見直す。
つまり、自社の商品・顧客をあらためてチェックし、既存顧客に販売していない商品はないか、
既存商品を扱っている顧客で納入していない先はないかを洗い出す。
このように、現状の取引先でプラスアルファを見込めるところはないかを、目で見えるように分析
する必要があります。
新規開拓はそう簡単にできるものではないと述べたが、既存顧客で取引のない商品、既存商品で
取引がなかった顧客に新たに取引を開始するのも、ある意味で新規開拓ととらえることができます。
以前は取引していたが今はなかったり、取引が減ってきたりしている先も含めて考える必要がある。
□具体的なアップセル、クロスセルの方法
現状の顧客(取引口座があるものの、現在は取引がない休眠先も含む)を縦軸に、自社の商品
(商品アイテム数が多すぎる場合は、商品分類で大分類・中分類・小分類のいずれか単位を決めて)
を横軸に一覧表を作成する。
一覧表を作成したら、それぞれの欄に取引の有無をチェックします。
取引があれば金額を記入し、なければ分かりやすいように塗りつぶす。
それを顧客ごと、商品ごとに見えるようにする。
さらに現状だけでなく、推移が分かるようにします。
取引状況の推移を見ることによって、「昨年まで取引があったのに、今年はない」「取引はあるが、
年々減少している」「取引額は小さいが、毎年着実に増加している」などの傾向が分かる。
傾向が分かれば、どの顧客に何を売るかというストーリーが描ける。
そして販売ストーリーが描ければ、先述した商談ツールもより具体的に活かすことができます。
一覧表を作成して、どの顧客に何を売るのか(アプローチするのか)が決まれば、具体的な行動計画
に落とし込み、実際の営業活動に移ります。
その際には、訪問スケジュールの組み立てや商談ツールの準備に加えて、どの程度を上乗せするかの
目標設定も必要となる。
日常の顧客管理や商品の売れ行き動向などの情報をきちんと活かすことができれば、有効な方法と
して業績アップにつなげられるはずです。
問題は中途半端に終わらせず、具体的な行動に至るまでしっかりと計画を立てて、その活動の結果も
情報としてフィードバックできるようにすること。
常にそれを繰り返し行うことで、より精度が高まり営業の質向上にもつながります。
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