業務の改革改善

        

業務の改革改善


  改善とは短期の対策、改革とは長期の対策。

  ここでは改善について解説します。
   
  ■業務遂行のための優先順位の考え方

   業務改善や業務マニュアル作成において見落としがちなのが、この業務遂行の優先
   順位付けです。

   業務の優先順位付けは、日々多くの仕事をこなしていかなければならない社会人にとっ
   ては必須の能力です。

   優先順位付けの基本的な考え方を頭の中で“理解”しているだけではなく、日々、
   “実践”していかなければなりません。

   業務の優先順位付けで、往々にしてみられるのは、「自分のやりたい業務や、取り
   組みやい業務から進る」といったようなケースです。

   業務は会社のために遂行するものであり、会社がやってほしいと考えている業務と、
   自分がやりたい業務や取り組みやすい業務は必ずしも一致するわけではありません。

   従って、“自分本意の基準”ではなく、会社の視点に立って、業務の優先順位付けを
   行うようにしなければなりません。

   業務の優先付けを行う際の最も基本的な考え方は、業務の「緊急度」と「重要度」という
   2つの基準(業務の優先順位付け)に基づいて業務を整理するということです。

  □緊急度と重要度

   業務の優先順位付けマトリクスの中で、最も優先順位が高いのは「緊急度:高い、
   重要度:高い」の第1象限に該当する仕事です。

   次は、「緊急度:低い、重要度:高い」の第2象限、「緊急度:高い、重要度:低い」の
   第3象限と続き、最も優先順位が低い「緊急性:低い、重要性:低い」の第4象限に該当
   する業務となります。

   業務の優先順位付けを行う際に注意が必要なのは、「緊急度:高い、重要度:低い」と
   「緊急度:底い、重要度:高い」の業務の考え方です。

   業務に取り掛かる際には、緊急度の高い「緊急度:高い、重要度:低い」の業務から
   行わなければなりません。

   しかし、業務自体は「緊急度:低い、重要度:高い」のほうが重要なのです。

   多忙なときは、ともすると「緊急度:低い、重要度:高い」の業務は、長期にわたって
   後回しにしがちですが、重要性の高い業務ですので、しっかりとこなせるように注意して
   スケジュール管理を行わなければなりません。

   繁忙期などには、業務が立て込んで、忙しくなることもありますが、そうしたときに大切
   になるのが、「今、やらない業務を早めに決める」ということです。

   忙しいときには気持ちに余裕がなくなり、ミスを誘発する原因になってしまいます。

   また、責任感の強い人であれば、「なんとしても業務をこなさなければ」という意識か
   ら、無理をしてしまい、結果として心身の調子を崩してしまうことにもなりかねません。

   やらない業務を早めに決めることは、こうした事態に陥らないようにするために大切
   なのです。

   今やらない業務の判断基準は一概にはいえませんが、「緊急性:低い、重要性:低い」
   の業務は、少なくとも繁忙期が過ぎるまでは、やらない業務としたほうがよいでしょう。

   また、自分以外の人でもできる業務であれば、後に回すのではなく、ほかの人にお
   願いすることも検討しましょう。

   例えば、ルーチンワークなどは、ほかの人にお願いすることを検討すべきでしょう。

   なお、今、やらない業務を決める際には、自分勝手に決めるのではなく、必ず上司や
   当該業務に関係する人たちに報告・相談をするようにします。

  □担当する業務

   多忙なときでもミスなく業務をこなすために、今、やらない業務を決めることは大切に
   なります。

   その一方で、忘れてならないのは、自身の業務は、無意味に割り振られているわけ
   ではないということです。

   「この人なら、安心して業務を任せることができる」といった業務に対する信頼性、
   あるいは「これくらいの業務量はこなせるようになってほしい」「この業務を経験して、
   一回り成長してほしい」といった育成の観点など、各人が担当する業務には、単に
   仕事をこなすということ以上の意味合いが含まれています。

   ほかの人に業務をお願いするなどの対応をする際には、こうした点を十分に考慮する
   ことも忘れないようにしましょう。

  ■社内環境の整備

メガネとペン170.jpg   業務改善の中でもバックオフィス(事務部門)を収
   益に直結した部門にするためにも、早急に着手す
   べき重要課題です。

   そのためには、個人の裁量に任され「内務事務を
   勘と経験」でこなすやり方から業務を標準化した
   やり方に変えていく必要があります。

   事務部門チェックリストを活用し、自社(店)の事務
   部門の問題点を洗い出すことから始めます。

   収益を上げるには、

    ・組織のコミュニケーションを図る

    ・ムダ・ムラ・ムリを排除

    ・業務改善の基本となる5Sへの取り組みを実践

   そのためにも業務改善の方法と進め方を標準化し、特定の人だけでなく、全員でノウ
   ハウを共有できるようにします。

   営業部門はもとより、バックオフィス(事務部門)を収益に直結した部門にするため
   にも、社内環境の整備は早急に着手すべき重要課題です。

   収益を上げるための組織を改革するにはムリ・ムダ・ムラの排除にあります。

   改善する社内の業務は標準化(手順書)し、特定の人だけでなく、全員でノウハウを
   共有できるようにします。

   営業部門であれば、営業は大変だ、難しいと敬遠されがちだが、果たしてそうでしょ
   うか。

   そうではなく、社員全員が営業に関わる仕組みをつくり、組織を効率的・効果的に活か
   して利益をあげる仕組みをつくることです。

   一人の営業マンが川上から川下まで一顧客の面倒を全部見るプロセスをやめること
   です。

   事務部門であれば、役割を分担し誰に代わってもできる体制づくりが必要となります。

   プロセスを分割して分業化させたほうがトレーニングや仕事への慣れの観点から見て
   も効率が上がります。

   当然、一人が全てではなく一部だけを担当しているので、その人が欠けたときの影響
   も少なくなります。

   組織を強化するには「人に仕事を付ける」のではなく「仕事に人を付ける」ことで役割を
   分担し、業務を特定の人にだけ負担のかかるやり方から誰に代わってもできる
   『仕組み』の構築が必要となります。

   内務(事務)部門を収益に貢献する体制にするためには業務の標準化が欠かせま
   せん。

   業務の分業化により、社員一人ひとりが与えられたポジションで役割を担い、結果、
   組織力(チームパワー)により、ムリ・ムラ・ムダを排除することができるからです。

   うちの社員は能力がないと嘆いているトップもいるが、これは社員に能力がないの
   ではなく、社員に環境を与えていないことが原因なのです。

   社長自らがトップセールスマンとして毎日飛び回り、従業員には精神論を振りかざして
   いては、いつまでたっても人材は育たず、社内に仕組みもできません。
   
  □社内環境

   激変する経営環境の中で、トップ自らが過去の延長線上でのやり方・考え方をチェ
   ンジすることが、早急に着手すべき最重要課題ではないでしょうか。

   マンパワーに依存し、せっかくある組織がチーム力として生かされていないことで
   多くの弊害を生む結果となっています。

    営業:結果重視のマンパワー(精神論)営業により、営業社員のモチベーショ
        ン低下。

    社内環境:業務の多くを人力に任せることで、多くのムリ・ムダ・ムラが発生。

    経営リスク:日々の業務に追われ、気づいたときは最悪の事態。

   中小企業では、限られた現有資産を最大限に生かし、大企業以上に効率経営を
   実践していかなけれなりません。

   社内におけるさまざまな問題発生も、最小限に抑える対策を日常から講じておか
   なければ、最悪の事態を招きかねません。

   そのための第一歩が、

   「機械にできることは機械で、人にしか担えないことは人が担う」仕組みをつくること。

   しかし、現実はどうでしょう。

   機械にできることも人力に任せていることが、社内における問題発生の原因なの
   です。

   あなたの会社で起きるすべての問題は必然なのです。

   決して「運が悪かった」のではありません。

   これらの問題の多くは社内における教育(訓練)に原因があります。

   目先の売り上げにだけ目を向けず、中長期的に社員の品質アップを図ることが欠かせ
   ないのだが、教育制度の実態はさびしい限りである。

   中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

   この問題を解決しなければ、社内教育制度の構築は不可能です。

  □標準化(マニュアル)する業務例 

     ・業務(役割)分担

     ・業務マニュアル(ベーシックトーク、苦情対応CS

     ・チェックシート(与信管理、人事労務、基本動作、報連相、電話応対、苦情対応)

     ・教育訓練(ロープレの実施)

     ・データベースの構築

     ・ハガキの活用

     ・基本動作マニュアル

   限られた現有資産を有効活用することが求められています。

   優秀な人材の確保が困難な環境の中で、「誰が手がけても一定の品質」が保てる仕組み
   をつくらなくては、いつまでたっても収益を上げることはできません。

   □マニュアルとは 

    ・ 仕事の手順書

    ・ マニュアル ⇒ 指示書 ⇒ フローチャート

    ・ 人の数だけ決まり事がある

    ・ 業務遂行におけるマニュアルとは、業務をスムーズに指導させる「手順書」

    ・ 自社(店)の向かうべき共通の方向性

   組織として、トップから現場スタッフまで共通認識として目指すゴールを視野に入れ
   なくてはならない。

   □マニュアルの利点

    ・新人をプロフェショナルにする

    ・マニュアルは基礎を知り学ぶもの

    ・「言葉で伝える」から「文書で伝える」

   □マニュアルがないと

    ・業務も人事も基準がなくなる

    ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生

    ・教える側の考えが優先し、教えられる側にスキルのばらつきが生じる

    ・教える側の思い込みが大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる

    ・社員のスキルをはかる基準ができず、社員の評価が主観的になる

    ・会社の統一感、一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかるマンパワーに依
     存してしまう

   □マニュアルの作成のポイント

    ・利用目的を明確にする

    ・評価基準がはっきりしている

    ・誰が読んでも理解できる

    ・手順が具体的で体系的

    ・見直す

   マニュアルの整備は業務の改革・改善であり会社のノウハウです。
   
  ■業務改善の実施

   業務改善を実施している会社は多数あります。

   しかし、業務改善を進めることが困難になり、頓挫したりするケースが多数あります。

   業務改善は全社・部門一丸となって推進していかなくては継続は難しいでしょう。

   そして入念な準備が必要です。

    1.調査の計画

      本調査に入る前に、業務改善の『目的・目標』の設定、ヒアリングや関連資料の
      収集、現場サイドとのスケジュール調整などの十分な事前準備を行う。

      (1)改善の目的・目標確定

        業務改善を始めるに当たり先ず、改善の『目的・目標』を決める必要があり
        ます。

        『何を・どこまでの範囲で・どのような方法で・誰が・いつまでに・コスト
        は』などを明確にする。

        特にプロジェクトを組んで複数の人員で行う場合、各人の漠然としたイメージ
        だけでは思い思いに考え出し、進むにつれその差が拡大し、結果達成する前
        に空中分解してしまう可能性がある。

        そうならないためにも、業務改善の『目的・目標』を文字や図などにより明確
        にし、共通化させる。

        また、書き表すことで整理や理解度も増す。
     
      (2)事前準備

          業務改善には、現状調査のため現地での調査が不可欠だが、いきなり調査
        を始めてしまうと思いもよらない事態になり、時間や労力をムダにしてしまう
        場合がある。

        ◇事前準備項目

          ・経営層・調査対象部門長等とのヒアリング等による聞き取り

          ・資料収集(関連規程・組織図・人員構成・帳票等)

          ・必要に応じフローチャートの作成

          ・課題点や改善方法の想定(改善目標や改善範囲の設定)

          ・調査シュケジュールの作成(調整・通達)
       
    2.現状分析  

      現状業務がどのように行われているかを的確に把握し、調査の事前準備におい
      て想定した課題点や改善方法の検証、同業社の基準値などとの比較検討を行う。

      (1)現状分析とは

        現状分析とは、現状業務がどのように行われているかを的確に把握し、調
        査の事前準備において想定した課題点や改善方法の検証、同業他社の基準
        値などとの比較検討を行うこと。

        現状分析が効果的に行えるか否かは、前項(2)の『事前準備』の出来如何だ
        といえる。

        準備もせず、闇雲に現状分析を行ったとしても、課題点はなかなか発見でき
        ない。

        『現状分析をすれば何かあるだろう』というものではなく、十分な事前準備を
        してからの実施が必要です。

      (2)現場情報の選別

        現地でのヒアリング等により、対象業務の担当者から課題点やニーズの情報
        を得ることは、務改善において大変有効的な手段と言えます。

        なぜなら、その業務の課題点や改善方法は、日々その業務を行っている人

        が一番詳しいからです。
 
        ただし、これらの全てが有効な情報ではなく、中には個人的な不満や要望だ
        ったり、改善目標と関係のないものもあるので、全て鵜呑みにするのではな
        く、自身の目や耳で確認するなどの情報の選別が必要です。


    3.問題点の洗出し

      調査担当者、実際に業務を行っている担当者、現場責任者など、あらゆる角度
      から、現状業務における問題点や課題点を洗い出す。

      (1)問題点の具体化

        問題点は、具体的なものにしなければ解決はできない。

        例えば、『○○が多いまたは少ない』『△△が遅い』『□□が弱い』では、問
        題意識のレベルであり、問題の解決にはもっと掘り下げ、問題をより具体
        化しなければなかなか改善へと発展して行きません。

        例えば、『帳票書類の提出が遅い』では何を改善すべきなのか分らないので、
        『仮払精算書が特に遅い(What)』『A部門に遅れる人が多い(Who)』
        『Bさんが課長になった半年前から増えた(When)』『課長が居らず決裁が貰
        えない(Why)』『出張が連続し会社に戻れない(Why)』など、5W1Hを問い
        かけながら、問題を具体化する。

        このように問題を具体化すれば、原因がはっきり見えてくるようになり、改
        善策も立て易くなります。

        例えば『B課長が出張の時は、C課長代理が決裁者とする』など。
 
        問題点が抽象的であると、その改善策も『早くするように努力する』『早期
        提出の徹底』など抽象的になり、根本的な解決には近づけない。

      (2)問題点や改善策を見つける

        業務改善を行なおうと、業務の問題点や改善策のアイデアを考えても直ぐに
        は出てこないこともあるし、普段あまり関与していない部署の業務改善となる
        と、なお更良いアイデアなどは、なかなか浮かんでこない。

        逆に、多種多様な問題点や改善アイデアが有り過ぎても、解決すべき問題点
        があやふやになってしまうことがあるし、また多方面からさまざまな趣旨によ
        り出された改善策は、その取りまとめが大変困難になる。

        これらの課題を解決する手法には、さまざまなものがあるが、代表的なもの
        としては、ブレーンストーミング(BS法)やKJ(川喜田二郎)法があげられ
        る。

        これらは、現在でも多くの企業研修や勉強会で採用されている手法です。

        業務改善項目や改善策は、改善担当者が机の上の業務フローチャートや帳
        票を眺めているだけでは、なかなか見つからないし、聞き取り調査でも真の問
        題点が出てこない場合もあるので、必要に応じこれらの手法を使い改善対象
        部署の人達と共に、改善箇所や改善アイデアを考えるようにします。

    4.改善計画書の作成

      (1)改善策の立案

        業務の問題点やその原因が判明できたならば、当初設定した改善目的や目
        標の達成度、経営全体からのバランスなども考慮し、いくつかの改善案から
        最良なものを選択し、改善案を作成します。

        改善案の内容には、数人で行う小規模なものから、会社全体で行う大規模な
        もの、導入化の難易度が低いものや高いものなど、さまざまな案があります
        が、自分一人で行う改善案でない限り、改善にかかわる人に、その内容を理
        解してもらい協力してもらうことが不可欠となります。

        そのためにも改善案は、具体的にわかりやすくまとめる必要があります。

     (2)改善案の優先順位

        @廃止・排除

         無駄なもの・必要のないもの・いらないものは、廃止または排除する。

        A簡素化・標準化

         全体を廃止する訳にはいかないが、部分的に見直し簡略または集約する。

        B変換・取替

         今までのやり方から、全部若しくは部分的にやり方を替える。
     
        業務改善のため、多くのルールーや規程を新たに決め、それを運用する人
        に大きな負担を強いるのでは良い改善策とはいえません。

        一番良い改善策は、改善目的を達成し、なおかつ運用者の負担を軽減する
        方法です。 


      (3)改善計画書の作成ポイント

        改善案が決まったならば、更にスケジュールやコストなどを決め、より具体化
        させ『改善計画書』にまとめる。

         ・数値化できるものは数値化し、後に評価・確認ができるようにする

         ・誰でも理解し易いものにする(表や図なども必要に応じ用いる)

         ・改善による期待効果を示す

         ・改善作業が長期に渡る場合は、期間を区切り(月毎など)進捗度を明
          記する

      (4)実施推進担当の選出

        改善案の実施には、ただ案を実施部署に渡しただけでは、なかなか進みま
        せんので、それを引っ張ってゆく推進担当(部門)が必要となります。

        推進担当は、調査分析担当者がそのまま担当する場合が多いですが、調
        査分析には『業務知識や分析能力』が求められるのに対し、推進担当には改
        善案を実施部署に説明し実施への協力を得るという『プレゼン能力や交渉力』
        が求められます。

        更に難しい局面では、技術や能力よりも日頃の人間関係がものをいうケース
        も多々あるので、場合によっては、再編成若しくは人材の追加が必要となる
        かもしれません。

        また、推進担当があまり前面に出すぎると、『指示する側』と『やらされる
        側』という意識が生まれてしまい、失敗原因と成りえるので注意が必要です。

    5.改善案実施

      計画書に則って、実施対象部署と実施推進担当者とが協力し、業務改善を実施
      する。

      (1)試行期間

        いくら考え尽くされた改善案であっても、実際に導入してみると、予想もし
        なかった事態が起きる事は多々あります。

        導入後の修正は、修正情報や新旧帳票が複雑に入り組んでいることにより、
        導入した部署の人達を混乱させてしまう可能性があります。

        新たな制度を導入する場合は、いきなり広範囲(全社)で行ったり、多額のコ
        ストをかけてしまうのではなく、本格的採用の前に2〜3ヶ月程度の試行期間
        を設け、その期間に不具合が見つかったならば修正を行うようにします。

        このように、本格導入後には極力修正を少なくすることが、推進担当や実施
        部署の無駄な労力削減、改善意欲の向上につながり、次回の改善提案の際
        での、積極的な受け入れや改善協力を得るための下地となります。

        逆に、試行期間を設けず導入後に不具合が多発するようでは、推進担当は
        現場からの信頼性を失い、次回の改善提案では、過度な抵抗にあうように
        なるかもしれません。

      (2)大きな前進より確実な一歩

        改善案は実施されなければ意味がありません。

        どんなに素晴らしいアイデアでも実施されてこそで、実施されなければ『絵に
        描いた餅』です。

        しかしながら、現実的にはなかなか実施または進まないことも多々あります。

        実施されないアイデアで多いのが、『範囲が広い・コストが高い・多くの人員
        を要す』などの、大掛かりなものが多くあります。

        これらが確実に実施されれば、効果は大きく問題要因の根本的な解決へと
        つながりますが、実施されなければ問題解決は全く進まず、何もしていないの
        と同じ状態です。

        改善案がなかなか実施されない、若しくは進まない場合は、先ず出来るとこ
        ろから取り掛かることを考えましょう。

        改善は、必ずしも根本的な解決を求めるものではありません。むしろ確実に

        一歩一歩進み、小さな成果を積み重ねて行くことが改善で、大きな成果を出
        すことは『改革・革新』の領域です。

    改善では、『大きな前進より確実な一歩』という考えが重要です。

  ■業務改善は業務の可視(見える)化から

   業務改善の方法と進め方は業務の手順を標準(マニュアル)化し、特定の人だけでなく、
   全員でノウハウを共有できるようにします。

   業務改善は大きなコスト削減につながり、収益改善につながります。

   売り上げが増えたから人を採用する、売り上げが落ちたから人件費を削る、といった
   安直な対処法を繰り返していると、人は育たず、会社に仕組みができません。

   業務改善の手順を参考に自社での業務改善を早急に試みてください。

   業務改善を実施するときに考えなくてはならないことがあります。

   何のために改善するのかという目的を明確にすることです。

    ・CS向上のため

    ・労働時間を短縮して生産性を上げるため 

   以下に業務改善の手法(ポイント)について列記しておきます。

   各部門で行われている業務を詳しくみると、本来の目的が見失われ従来からの慣例だ
   けで行われていることが多数あり、部門レベルでの改善は部門責任者が中心になっ て、
   部下の業務内容を十分に把握したうえで進める必要があります。
   
  □業務改善はルーチンワークから

   業務の効率化やコストダウンを実現することのできる業務改善は、企業が常に取り組んで
   いかなければならない課題の一つです。

   しかし、業務改善といっても、どこから手をつけていいのか迷うこともあるでしょう。

   業務改善は、定期的なルーチンワークを対象に行うと効果的です。

   ルーチンワークとは、きまりきった日常の仕事、日常業務を指します。

   新しく始める業務や突発的な業務であれば、無駄のないよう、事前にしっかりと手順を考
   えます。

   しかし、ずっと続けているルーチンワークは、「こういうものだ」と思って、業務の進め
   方を改めて見直す機会もないままに繰り返している場合が多いものです。

   その結果、先輩などから教わった方法で業務を進め、それをまた後輩に教え、といった
   ように、長い間見直されないままその業務が続けられている可能性があります。

   また、「これまでずっとやっていたから」というだけの理由で、本人にも意味の分から
   ない業務を行っている場合もあります。

   状況が変われば、業務の進め方も変わって当然です。

   それを旧来のままの方法で進めていては、非効率になっていることもあります。

   こうした業務を見つけることが業務改善の第一歩です。

   ただし、業務改善は思いつきで行ってもうまくはいきません。

   「目についた無駄からとりあえず削減していく」のも一つの方法とはいえますが、それで
   は抜け・漏れが多く発生してしまいます。

   細かな部分にばかり目がいって、大きな無駄を見逃してしまう可能性もあります。

   業務改善に取り組む際には、体系立って行うことが必要です。

    ・なくせないか?
    ・一緒にできないか?
    ・順序の変更はできないか?
    ・単純化できないか?

   ○実施手順

     (1)改善チームの編成
         ↓
     (2)業務の棚卸し
         ↓
     (3)対象業務の選定
         ↓
     (4)業務フローの作成
         ↓
     (5)業務フローの見直し
         ↓
     (6)新しいフローで業務実施


   ○改善に取り組むべき業務のポイント

     ・ 1回にかかる時間が長い業務

     ・ 発生する頻度が高い業務

     ・ 関係する人数が多い業務

    こうした業務は総作業時間が長いため、業務改善が高い効果を発揮することが期
    待できます。

   ○業務フローを正確に作成するポイント
      ・ 従業員自身が意識していない点があることを覚えておく

     ・ ヒアリングだけでなく、実際の業務の様子を観察したり、
      体験したりすることでより正確を期す

    これは工程の抜け・漏れを防止するため。


   ○新しい業務フローを定着させるポイント

     ・ 業務フローの見直しは、従業員の意見を聞きながら行う

     ・ 業務フローの見直し後にも従業員に声をかける

    従業員が新しい業務フローに納得しやすくなり、従前の業務フローで業務を行うこ
    とを防止するためです。


    業務を複雑にすることは簡単だが、シンプルにすることは難しい。

    しかし、業務の複雑化はさまざまな問題発生を起こす要因となります。
   
  □部門ごとの改善ポイント

   同じ部門内のすべての社員について、誰がどのような仕事を担当し、どのくらいの時間を
   投入しているのかを把握します。

   これによって業務の重複によるムダや特定社員への業務の偏りなどの発生状況を確認し、
   改善します。

   また、各部門で行われている業務は、原則としてその部門が果たすべき役割に沿ったも
   のであるべきです。

   たとえば、製造部門の社員が顧客との属人的なつながりから例外的に営業フォローに回
   ることはあるかもしれません。

   しかし、それを日常的に行うことは組織としての役割に合致しません。

   本業である製造部門の社員としての役割を十分に果たせないばかりか、営業部門の社員
   の活動と整合性がとれなくなる可能性もあります。

   さらに各部門で行われている業務を詳しくみると、本来の目的が見失われ、従来からの慣
   例だけで行われていることもあります。

   たとえば、各種の報告書は、報告書作成自体が目的ではありません。

   その報告によって上司から適切なアドバイスがあるなど何らかの問題解決につながるこ
   とで初めて意味をもちます。

   ほとんど上司に読まれることなく放置されるだけの報告書(日報等)作成にかける時間は
   明らかにムダということになります。

   部門レベルでの改善は部門長が中心になって、部下の業務内容を十分に把握したうえ
   で進める必要があります。

    業務の重複によるムダは生じていないか

    特定社員への業務の偏りが大きすぎないか

    業務(役割)分担は明確になっているか

    業務手順は標準化・マニュアル化されているか

    その部門で行うのが適切な業務か、当該部門の役割に合致しているか

    それぞれの業務の目的と求められる成果は明確になっているか

    無意味な報告書(日報)作成や会議などが行われていないか

    繁忙期・閑散期などの季節変動を吸収する取り組みは行われているか

    各社員のスキル向上に向けた教育や訓練が組織的に行われているか

    上司の思いつきによる計画性のない指示・命令が頻発していないか

    ボトルネック(もっとも時間がかかる工程)改善のための取り組みは行われているか

    リードタイム(業務着手から完了までの時間)の適切な管理は行われているか

    上司は部下全員の労働時間について把握しているか

    恒常的に長時間労働を続けている社員はいないか

    上司は長時間労働している社員を「頑張っている」と単純に評価していないか

    メンタルヘルス面への配慮は十分に行われているか 

   個人レベルでの改善については、一つひとつの業務について「手順は適切か」、「各
   工程への投入時間は適切か」、「スケジューリングはきちんと行っているか」など正
   しい仕事の仕方について上司が指導していきます。

   上司によるこれらの指導は自社独自の業務マニュアルに沿って行うことがより効果的
   になります。

   また、自分が月単位、週単位でどの業務にどの程度の時間を使っているかという時間
   の有効活用度合い
についても考えさせます。

   たとえば、業務は「顧客訪問」など価値に直接つながる業務(主体業務)と「訪問準
   備」などの主体業務実施のための準備業務(付帯業務)に分けることができます。

   これらを区別し、主体業務比率を上げていくことも大切です。

   業務の生産性は個人のスキルに大きく左右されます。

   このことからも個人の能力に頼ったやり方から凡人でも能力のある人と同レベルに
   近い能力を発揮できる仕組みが必要となります。

   上司は各業務におけるマニュアルを基に各人に自分の伸ばすべきスキルを意識
   させ、向上に努めさせることが必要です。


  □個人レベルでの業務改善ポイント

    自分に正しい仕事の仕方が身についているかどうかをつねに意識しているか

    現在自分が抱えている業務について納期や
     期待される成果水準を把握しているか

    今後1カ月間のスケジューリングがきちん
     とできているか

    毎月、毎週、毎日の時間の使い方につ
     いて振り返りを行い、改善につなげているか

    自分の担当業務のすべてについて目的と
     求められる成果は明確になっているか

    自分が伸ばすべきスキルを意識しており、
     実際に向上に努めているか

    業務改善の方法と進め方の意義を理解して
     積極的に取り組む意志をもっているか

    上司の指示事項をそのまま遂行することのみに没頭していないか

    部門全体の役割を理解し、そのなかで自分の担当業務の価値について
     意識しているか

    残業代を得るために自ら残業時間を増やそうとしていないか

    生産性が低いとわかっていながら従来のやり方に固執していないか

    緊急度や重要度によって業務に優先順位をつけているか

    自分の能力、時間で対応できない業務について早めに上司に相談し
     ているか

    自分が業務で使っている時間が会社の経営資源であることを意識し、
     大切にしているか 

   これらを認識させるためにも人材育成、標準化の仕組みが欠かせません。
   
  ■業務の効率化

   「ムダ・ムラ・ムリ(三ムダラリ)の排除」「効率化」を考える場合、整理整頓や施設内
   のレイアウトなど、まず目に見えるモノに意識が向かいがちですが、仕事が「スムー
   ズに動いていない」と感じられたのなら、組織においてのムダがないかを再確認して
   みる必要があります。

   その原因に「組織構造」「役割分担」「コミュニケーション」の三つが挙げられます。

   1.組織構造上の問題

     会社の成長に伴って、抜本的に組織のあり方を見直すことなく、さまざまな部門を
     後づけで増やすといったツギハギだらけの会社が少なくありません。

     組織の改革・改善をおざなりにていると最悪の事態を招きかねません。

      ・業務の重複

      ・マンパワーに依存した体制

      ・業務が標準化されていない

      ・人材育成ができていない

      ・コンプライアンス、リスクマネジメント体制が構築できていない

      ・指揮命令系統と報告・連絡・相談系統が機能不全

      ・経営計画は画餅で、行動計画もなく、思いつきで行動

   2.役割分担が不明確

     同じ仕事に複数の人が関わったり、中堅社員が新入社員の指導ににかかりっき
     りになったり、誰にでもできる仕事に正社員が関わったりしています。

     役割分担は業務自体をルーチンワーク化し、誰に代わってもできることを目指し
     ます。

     言い換えれば、業務をシンプルにし、ルーチンワーク化することで組織を収益に直
     結した業務に集中させることを目的とします。

     組織における役割分担とは「人に仕事を付ける」から『仕事に人を付ける』ことで、
     業務の標準化を可能にするものです。

   3.コミュニケーションの悪さ

     経営におけるコミュニケーション不足に起因して発生する問題は多数あります。

     「社長の言いたいことが伝わらない」、「上司の指示が伝わらない」、「部門リーダ
     ーが部門全体を把握できていない」などさまざまです。

     コミュニケーションは自然に改善できるものではありません。

     原因を究明し、改善しない限り今後も問題が発生することは確実です。

     各社員はコミュニケーションを通じて自分の行動を決定したり、部下に指示を与え
     たりしています。

     全社員が結束して共通の目的に向かっていくためには、コミュニケーションの活性
     化(組織力強化)は経営上の生命線ともいえます。

  □改善の定着

   上記3点の改善のために日々の経営活動の中で、さまざまな改善を実施している企業は
   多いはずです。

   しかし、実態は毎日、いろいろな問題が発生し、その対処に追われているといった繰り返
   しです。

   「どこまでやってもキリがない…」「毎日、同じことの繰り返し」と感じている人も多い
   のではないでしょうか。

   改善とは、「悪いところを良い方向に改めること」である。すなわち、昨日までの仕事の
   やり方を変えることです。

   だが、改善を決心していったんやり方を変えたものの、「継続しない」「定着しない」
   という悩みを抱える会社は多いように感じます。

   「なぜ、改善が定着しないのだろうか?」

   それは、実施される改善の多くが、目先の問題解決のみに視点が置かれているからです。

   改善策が長期にわたって実施され、それが習慣となり、職場に定着するように考えられて
   いないため、定着しないのです。

   「業務管理」について再点検することをお勧めします。

  □習慣化のために欠かせない標準化

   改善したことを「習慣」として定着させるためには、だれもがすぐに理解して実行できる
   ようなものでなければならない。

   考えた人や作った人だけが理解しているような複雑で難解な改善案では、職場全体で
   実行できないし、すぐに形骸化してしまいます。
 
   このように「だれもが」「分かりやすく」「簡単に実行できる」形にするのが「標準化」
   である。

   その具体的な手法が、「5S」であり、「見える化」だ。

   標準化と言うと、型にはめられて融通が利かなくなるような印象を持つ人がいるようだ
   が、その反対である。

   標準化とは、変化に柔軟に対応するために行い、改善によってどんどん変化する業務を
   迅速に職場に定着させるために行うものです。

   よい方向に変化させた業務を素早くパターン化、ルール化して、職場全体の習慣として落
   とし込むことが、標準化の本質なのです。


  □標準化の手法「5S」

   「モノの置き場所や置き方を変える」「レイアウトを変える」「使用する道具を変える」
   などの改善に対しては、5Sによるアプローチが有効です。

   5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」のことであり、職場の効率化を行うためのマネジ
   メント手法。

   5Sの手法により、すべてのモノの存在意義、置き場所、置き方を明確にすることが、
   すなわち標準化。

   それによって、モノ自体やモノをどう使うのかといった先が見えるようなる。

   このように、すべてを5Sの考え方に沿って標準化していければ、簡単に職場全体にその
   改善を定着化させることができます。

   5S活動のよいところは、だれでも簡単に取り組める活動でありながら、効果が絶大な
   ところです。

   5S活動を単なる掃除のようにとらえている人もいるが、目に見えるモノの整理や整頓
   を超えて、取り組む人の意識を大きく変えていく力がある活動なのです。
 
   「社員の意識を変えたい」「気づき力を高めたい」という悩みを抱える経営者には効果
   的です。

  □標準化の手法「見える化」

   5Sによる標準化は、「目に見えるモノ」「実際に触れられるモノ」を対象とする。

   一方、「見える化」による標準化は、「目に見えないコト」を対象とします。

   見える化とは、「相手の意思にかかわらず、目に飛び込んでくる状態にすること」で
   あり、何を見えるようにするかは、企業の考え方次第である。

   改善を形骸化させずに定着化を図るには、変更した仕事を標準化する必要があります。

   その標準化の具体的手法として、5Sや見える化が有効なのです。

   ムダを省いて効率化を図り、これまで取りこぼしていた利益をしっかり回収したいという
   企業は、ぜひこうした取り組みを実施してください。 


                  小さな会社11の経営革新

   ・初めから大きなコストをかけず、小さな予算で始める(商売はバクチにあらず)

   ・収益の柱を複数持つ(卵を一つの皿に盛るな)

   ・「真似る」ことから始め、自社オリジナルの『仕組み』をつくる

   ・限られた人材を『人財』にするには基本動作習得を徹底する

   ・事業運営に「魔法の杖」はないと心得る

   ・「知っている」けど「やっていない」は知らないのと同じ

   ・成功や大きな報酬を手にするのは、実践者だけ(但し、実践は  “Just Do It!”)

   ・PC、TEL、FAXを営業の道具として活用する

   ・個人に頼ったマンパワーからチーム(組織)パワー

   ・穴の開いたバケツに水を入れない(経営において100万円の利益を出すことと、
     100万円の損失を未然に防ぐことは同じ価値を持っている)

   ・過去の延長線上でやっている限り、決して成果は得られない

   業務改善は経営の要。中小規模企業の多くが、掲載の課題を未解決のまま抱えて
   います。

   業務改善の方法と進め方については我流に頼ることなく、組織(チーム)全員の品質向

   上を図る上でも以下のコーナーをご活用ください。

    役割分担(業務の分業化・専門化)  社内会議のやり方   助成金活用 

    経営計画の策定  モチベーション(基本動作)アップ   コスト削減


   貴社の組織体制は健全に機能していますか?

    晴れ 業務改善のための強化策(コンサル・セミナー・研修・講演)のご案内

   

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ジョブカード制度

           

ジョブカード制度

  ■ジョブカード制度とは

   ジョブ・カード制度とは、職業能力を高める機会に恵まれなかった人(正規雇用を
   された経験の少ないフリーター、子育て終了後の女性、母子家庭の母親、新卒者
   など)(以下、対象者)の能力開発や安定雇用を支援する制度です。

   2008年(平成20年)4月から実施されたジョブカード制度は菅政権時に廃止と決
   まったが、その後一転存続といった経緯があった。

   ジョブカード制度が導入された背景には、労働力人口が減少するなかで、就職氷
   河期に非正規雇用されたフリーターなどについては、正規雇用をされたくても、職
   業能力を高める機会に恵まれず、非正規雇用からいつまでも抜け出せないという
   状況がありました。

   なお、「ジョブ・カード」は、

    「総括表」「職務経歴書」「学習歴・訓練度」「免許・資格取得」

    「キャリアシート」「評価シート」

   の書類をひとつのファイルとしてとりまとめたものの総称で、対象者は、ハロー
   ワークやジョブカフェなどで登録されたキャリア・コンサルタントによるキャリア・コ
   ンサルティングを受けながら、ジョブカードを作成します。

   対象者が、職業訓練を希望した場合には、企業における実習(OJT)と教育訓練
   施設などにおける座学(OFF−JT)を組み合わせた実践的な訓練を受講し、企業
   からの評価を受けたうえで、就職活動に臨みます。

  □企業における活用

   1.企業のメリットについて

     ジョブ・カード制度では、企業における実習(OJT)と教育訓練機関などにおけ
     る座学(OFF−JT)を組み合わせた訓練(以下、職業能力形成プログラム)を
     企業が計画し、(独)雇用・能力開発機構の認定を受けたうえで、訓練を実施し
     ます。

     企業がこの制度を活用することによって得られるメリットは、

      (1)人材ニーズに合った人材の育成・確保

      (2)専門家のアドバイスを受けながら訓練計画の策定や訓練の実施

      (3)助成制度の活用による訓練経費の負担の軽減

      (4)人材育成・能力開発に積極的な企業であることのPR

     などが可能になることです。

     企業が計画し実施できる訓練には、雇用型訓練(直接雇用して行う訓練)であ
     る「有期実習型訓練」と「実践型人材養成システム」があります。

     具体的には、会社が対象者を雇用し、職業能力形成プログラムを実施します。

     一方、対象者は、訓練を実施する会社の従業員となり、その間は貸金が支給
     されます。

     そして、訓練を実施した会社が対象者の能力評価を行い、評価シートを交付し
     ます。

     その後、対象者は、訓練を実施した企業で正規雇用、あるいは他の企業で正
     規雇用といった安定雇用への移行をめざすものです。

     人材育成のシステムが構築できていない会社にとっては、この制度を上手に
     活用することで、キャリア・コンサルタントなどの専門家の支援を受けながら仕
     事のノウハウやスキルを体系的に教えることのできる体制を整備することがで
     きます。

   2.有期実習型訓練について

     有期実習型訓練は、企業における実習(OJT)と、企業のニーズにマッチした
     教育訓練機関等における座学(OFF−JT)を組み合わせた実践的な訓練です。

     優秀な人材確保のため、新たに雇い入れて訓練を実施する場合(基本型)
     や、すでに雇用している自社内のパート・アルバイトなどの非正規雇用者に訓
     練を実施する場合(キャリア・アップ型)に活用できます。

   3.実践型人材養成システムについて

     実践型人材養成システムは、おもに新規学卒者に対して、職業能力形成プロ
     グラムを行うことにより、現場の中核人材を育成するものです。

     すでに企業で雇用しているパート・アルバイトなど(15歳以上40歳未満)の非
     正規雇用者を正規雇用者として転換する場合にも活用できます。

   4.評価シートの作成について

     訓練を実施する企業は、対象者に対して能力評価を行い、「評価シート」を交
     付します。

     能力評価実施の流れは次のとおりです。

     モデル評価シート、モデルカリキュラム、参考となる評価基準が、準備されて
     いるので、これらを上手に活用しながら実施することによって、自社に必要な
     能力評価体制を構築することができます。

     なお、モデル評価シート、モデルカリキュラムについては厚生労働省のウェブ 
     サイトを、参考となる基準(職業能力評価基準)については中央職業能力開発
     協会のウェブサイトをご参照ください。

      モデル評価シート モデルカリキュラム(厚生労働省)

      中央職業能力開発協会/職業能力評価基準とは 

  □その他の支援策の活用

   1.助成金の活用

     ジョブ・カード制度による「有期実習型訓練」、「実践型人材養成システム」など
     の訓練を行う企業にとって、助成制度を利用することができるのもメリットのひ
     とつです。

     (1)キャリア形成促進助成金

       企業が、対象者にOJTやOFF−JTを行うことに対する助成、訓練にかかっ
       た経費の一部や対象者に支払う貸金に対して助成が受けられます。

       ※なお、下記は、有期実習型訓練の場合です。実践型人材養成システム
         の場合は、内容や上限時間が異なります。

     (2)若年者等正規雇用化特別奨励金

       有期実習型訓練修了者(訓練開始日現在の満年齢が25歳以上40歳未満
       の者に限る)を、訓練開始日の翌日より、訓練を修了した日から起算して3
       カ月以内に正規雇用した事業主が対象となります。

       ただし、すでに雇用しているパートタイマーなどの非正規雇用者を対象と
       し、正規雇用する場合(キャリア・アップ型)には、対象とはなりません。

         中小企業:100万円

           大企業:50万円          

          ※奨励金は、3回に分けて支給されます。

   2.ジョブ・カードセンターの活用  

     ジョブ・カード制度の普及を推進するため、日本商工会議所に「ジョブ・カードセ
     ンター」が設置され、全国47都道府県においては、都道府県庁所在地の商工
     会議所等に「地域ジョブ・カードセンター」が設置されています。

     さらに、各都道府県内においては、地域ジョブ・カードセンターの拠点として「サ
     ポートセンター」が設置されています。

     ジョブ・カードセンターやサポートセンターでは、ジョブ・カード制度による訓練を
     実施しようとする企業に対して、モデル評価シート、モデルカリキュラムに関す
     る説明会や、評価シート、訓練カリキュラムの策定に関する個別相談などを
     行っています。

     また、より専門的な助言・指導が必要な場合には、相談内容に応じ、(独)雇
     用・能力開発機構等の専門機関への取り次ぎを行っています。

     これらの機関を上手に活用することで、企業は、ニーズに合致した人材の育成
     や確保を実現できます。

      【参考】ジョブ・カード制度の概要

 

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社内提案制度

          

社内提案制度

  ■社内提案制度の概要

   厳しい経営環境が続くなか、会社の維持・成長に向けての社員一丸となった取り
   組みがこれまで以上に重要になってきています。

   社内提案制度はそのための有効な施策であり、すでに導入済みの中小企業もた
   くさんあります。

   しかし、導入当初は活発な提案があったものの、次第に社員の関心も薄れ、制度
   自体が形骸化しているといったことも多いようです。

   ここでは、社内提案制度を成功させるためのポイントについて紹介します。

   1.目的

     社内提案制度は社員から会社の業績向上や業務改善などに向けた提案を広
     く募集する制度です。

     社長や経常幹部が気づかない現場独自の発想や、若手ならではのユニーク
     な視点など、社内にいるすべての「人財」の英知を使って経営力を高めていこ
     うとする活動です。

     社内提案制度の目的を整理すると、

     <社内提案制度のおもな目的>

      ・会社業績への直接的な貢献(売上拡大・経費削減など)

      ・社員の経営参画意識の向上、一体感の醸成

      ・社員の問題解決意識・問題解決能力の向上

      ・社員のやる気、自立心の向上

     つまり、社内提案制度導入によって「直接的な業績貢献」のアイデアを得るだ
     けではなく、そのプロセスを通じて社員のさまざまな意識や行動を変えていくと
     いう効果も狙えるのです。

     たとえば、電気代節約のために「オフィスをエリアごとに区切ってこまめに照明
     を消す」というアイデアも、それが「社長指示」である場合と「社員からの提案」
     である場合は、その後の実践度合いに大きな差が出ることは容易に想像がつ
     きます。

     社員は自分たちからの提案だからこそ、「きちんとルールを守ろう」、「もっと節
     約できないか」といった意識が高まっていくのです。

   2.提案の種類

     社内提案制度で募集する内容としては、

     <提案内容のおもな種類>

      ・新規事業進出

      ・新商品開発

      ・社内制度改革

      ・顧客満足度向上

      ・現場レベルでの業務プロセスの改善(工数削減、品質向上、
       作業安全性向上など)

      ・経費削減

      ・社長のやる気や能力向上

      ・その他、全社の経営向上に役立つと思われる提案全般

     また、提案のレベルにも種類があります。

     たとえば、新規事業進出であれば、「こんな事業は有望なのではないか」と
     いった「思いつきレベル」のものから、実現までのステップやシミュレーションな
     ども含めた「事業プラン」までさまざまです。

     制度を活発化させるためには提案のためのハードルは低くしておき、より緻密
     なプランを提案した者についてはそれにふさわしい丁寧な評価を行うというス
     タンスが好ましいでしょう。

     なお、提案制度開始直後などには制度の主旨についての周知不足などから、
     たんなる要望(休日を増やして欲しい、福利厚生を充実して欲しいなど)が寄
     せられることがあります。

     これらに対しては頭ごなしに「提案拒否」するのではなく、「その要望を実現す
     るためにはどうすればよいのか、君にも考えて欲しい」といった、要望を提案に
     変えていくための指導も求められます。

   3.提案の単位

     提案の単位は「個人」と「グループ」の両方が考えられます。

     個人については正社員だけではなくパートやアルバイトなどからも募集するこ
     とで提案の幅が広がります。

     また、グループでの提案を奨励することで社員同士の連帯感を増す効果も期
     待できます。

     グループのなかに必ず他部門のメンバーを入れることで斬新なアイデア創出
     につなげることに成功しているケースもあります。

     <提案の単位>

      ・個人(パート・アルバイト含む)

      ・部門ごと(原則として部門全員が参加、リーダーは当該部門の
       上長とは限らない)

      ・部門内の有志(部門内の有志が参加)

      ・部門の枠を超えた有志(全社的な発想、斬新な発想が期待できる)

     なお、協力会社と密接に業務を行っている会社では、協力会社から自社への
     改善提案を受け付けているケースもあります。

     提案実現によって双方のコストダウンなどを図ろうという狙いです。

   4.提案の期間

     提案期間には「通年募集型」と募集期間を定めた「キャンペーン型」があります。

     幅広いテーマを通年で募集し、特定のテーマについてはキャンペーン型で集
     中的にアイデアを集めるといった方法が考えられます。

     なお、通年募集型にする場合でも、最低でも1カ月単位程度で周期をつくり、
     「○月提案分」として、集計・評価・発表を行うことが必要になります。

     提案した社員は自分の提案が会社にどのように受け止められているのかを気
     にしています。

     できるだけ短い周期でそれに答えることで社員のさらなる提案意欲は高まります。

     提案をしてくれた社員に対しては、受付後直ちに「あなたの提案は確かに受け
     付けた、評価結果発表は何月何日に行う」という通知をすることが必要でしょう。

     また、提案のなかには費用や準備が不要ですぐにでも始められるアイデアも
     あるはずです。

     これらのアイデアを長期間寝かせないためにも迅速な対応が求められます。
 
   5.提案の提出先

     提案の提出は大規模な会社であれば総務部門などが一括して受け付けて、
     予備評価後社長に渡すということもありますが、中小企業では社長自らがす
     べての提案を受け付けることが好ましいでしょう。

     「自分の提案に対して社長はどう思うのか」ということは社員にとって非常に気
     になるところです。

     社長自身が真っ先にすべての提案に目を通すとはっきり示すことで、社員の
     提案意欲も高まります。

     前述のように、提案のなかにはたんなる「要望」や「苦情」に近いレベルのもの
     が含まれていることもあります。

     提案制度の主旨からはこれらへの対応に社長の時間を割くことは非効率です。

     しかし、「要望」や「苦情」は社長が日頃聞けない「社員の生の声」でもあります。

     「提案」には値しないとしても、これらに社長自身が目を通すことで現場の状況
     や個々の提案者の気持ちを理解することにつながります。

     また、全社のためになる前向きな内容でありながら、直属の上長にとっては自
     分のマネジメントを否定されたように感じる「耳の痛い」内容もあるでしょう。

     社員が遠慮して提案をやめてしまわないためにも、上長が部下に提案内容に
     関する偏った圧力をかけてしまわないためにも、提案の提出先は少なくとも直
     属の上長は避けたほうがよいでしょう。

  □評価方法

   社員から集まった提案については次のようなステップで評価するとよいでしょう。

   なお、すべての提案に社長自身が目を通すことが重要ですが、予備評価の要件
   をクリアしているかどうかのチェックは担当部長などに任せても構いません。

   1.予備評価

     内容が「提案」としてふさわしいものかどうかを判断します。

     稚拙な内容であっても提案者の前向きな姿勢が感じられるものについては本
     評価の対象とします。

     予備評価の段階で外すべき提案としては次のようなものがあります。

     <予感評価の段階で外すべき基準>

      ・個人に対する批判

      ・公序良俗に反する内容

      ・匿名による提案

      ・要望のみで改善のための具体策がない提案

      ・過去にまったく同じ内容の提案があった提案(環境変化
       などで提案の意味合いが変わっている場合は検討可)

     なお、予備評価で外した場合でも、なぜそのようになったのかの理由を提案者
     にフィードバックする必要があります。

     特に「要望」や「過去の同一提案」の場合などについては、どのようにすれば
     「提案」として認められるのかを指導して次回捏案に向けた動機づけを図るこ
     とが大切です。

   2.本評価

     予備評価を通過した提案について本評価を行います。

     本評価対象となった提案は件数としてカウントし、すべて報奨の対象とします。

     本評価は社長だけではなく、役員クラス、部長クラスで構成した「評価委員会」
     でさまざまな角度から議論します。

     本評価では提案の効果や必要となる費用など、複数の視点で各項目ごとに3
     段階程度にポイントをつけて、合計点数によって最終的な評価をします。

     ◎本評価の評価基準例

      @効果性

       提案が実現した場合の効果を評価します。

       売上増・経費削減など直接的な効果の他、業務効率性アップ
       や社員のやる気向上なども効果として扱います。

       効果が大きいものは高い評価になり、効果が小さいものは
       低い評価になります。

       なお、効果性は評価のなかでもっとも重視すべき基準であり、
       ほかの評価項目よりも高い配点を与えます。

       ○「効果性」のポイント例

      A適用範用

       提案を適用できる範囲を評価します。

       全社で適用できるものなど適用範囲が広いものは高い評価
       になり、限定部門や狭い職種にしか適用できないものは低い
       評価になります。


      B準備期開

       提案開始までに必要な準備期間を評価します。

       ほとんど準備なしで始められるものは高い評価になり、さまざま
       な段取りや業務設計の見直しが必要になるなど準備期間が長い
       ものは低い評価になります。


      C必要資金

       提案実現に必要な初期投資やランニングコストを評価します。

       効果性との兼ね合いもありますが、現在の社内の資金状態に
       照らし合わせて、少ない資金で対応が可能であれば高い評価
       になり、多大な資金が必要なものは低い評価になります。

      D難易度

       提案実現のために必要な新技術の難易度や、熟練者だけでは
       なく誰でも一定のトレーニングを積むことによって対応可能か
       などを評価します。

       難易度が低ければ高い評価になり、難易度が高ければ低い
       評価になります。


      E提案実施による悪影響

       提案実現によって他部門やほかの業務にマイナス面が生じない
       かどうかを評価します。

       まったく悪影響がない(簡単な対応で回避できる)場合は高い
       評価になり、避けがたい相応のマイナスが生じる場合は低い
       評価になります。

      F独創性

       着想や手法の独創性を評価します。

       これまでにない独創的な提案は高い評価になり、過去の延長
       線上の提案は低い評価になります。

      G現在の瀬発との防係

       提案内容が提案者の現在の職務に直接関連しているかを評価
       します。

       関連が低い内容であれば職責以外にも広い視野があることを
       認め高い評価となり、関連が高ければ本来の職責遂行の一環
       とみなし低い評価になります。


  □報奨方法

   1.報奨制度

     提案者に対してはその労をねぎらうとともに次回の提案につなげるために報
     奨を行います。

     報奨制度としては次のようなものが考えられます。

     (1)月間(年間)最優秀提案賞

       当月度の提案のなかで本評価のポイントがもっとも高かった提案に最優秀
       賞を与え、2位、3位についても優秀賞として評価します。

       さらに、年間を通じてもっともポイントの高かった提案は年間最優秀賞とし
       て評価します。

     (2)月間(年間)最多提案賞

       本審査に進んだ提案はすべて1件としてカウントし、誰がもっとも多くの提
       案をしたかの「量」を評価します。

       提案内容は稚拙であっても、前向きな姿勢を評価するものです。

       同様に年間を通じてもっとも提案件数の多かった者は年間最多提案賞とし
       て評価します。

     (3)業績貢献賞

       提案内容が実現され、顕著な効果が生じた場合に、その度合いに応じて報
       奨を与えます。

       提案者だけではなく、提案実践に中心的な役割を果たしたメンバーもあわ
       せて評価します。

   2.報奨内容

     提案制度の報奨内容としては次のようなものが考えられます。

     (1)金一封支給

       評価ポイントの合計によって金賞、銀賞、銅賞などのランクをつけて、それ
       ぞれ数千〜数万円程度の金一封を支給します。

       年間最優秀賞にはさらに高額な賞金を支給することも考えられます。

       また、「提案と認められれば、ポイントに関係なく1件につき500円」というよ
       うに最低支給基準を設けておくことも有効です。

     (2)人事考課上の加点

       優れた提案や数多くの握案をした者に対しては、人事考課において加点評
       価を行います。

       社員にはあらかじめそのような扱いをすることを周知させておきます。

     (3)賞状やトロフィーなどの授与

       朝礼など全社員の集まる場において、社長自らがねぎらいの言葉とともに
       賞状やトロフィーなどを授与します。

     (4)事業推進者として抜擢

       新規事業などで特に優れた提案があり、提案者が自らその事業の立ち上
       げを希望し、かつ本人の資質も認められる場合には、「社内起業」として提
       案者を新規事業推進責任者として抜擢することも考えられます。

       提案者には開発予算や必要な人材などを与え、事業推進にあたらせます。

  □提案制度を活性化するために

   提案制度を導入当初だけの一時的な盛り上がりに終わらせずに、確実に社内に
   定着・活性化させていくためには次のような点に留意する必要があります。

   1.提案に対して迅速かつ丁寧に対応する

     社員が提案を行っても、それが長期間放置されていれば、やる気は急速に失
     われてしまいます。

     提案制度導入に際しては、評価方法、結果発表日などのルールを告知して、
     ルールどおりに運用していくことが絶対条件です。

     また、結果発表で終わらせずに、採用された提案を実際にどのように実現して
     いくかという計画をはっきりと示すことも重要です。

     なお、ピント外れのような提案をしてくる社員に対しても、少なくとも前向きでま
     じめな提案であれば、次回に向けて丁寧な指導をする必要があります。

     自分の提案に対して「バカにされた」という印象を受けた社員は二度と提案を
     してこなくなります。

   2.ハードルを下げる

     社員に気軽に提案してもらえるように、提案のためのハードルを下げることも
     有効です。

     たとえば提案書のフォーマットは「提案事項」、「提案理由」、「期待効果」の3項 
     目だけの記入で済むようにしておけば、社員の負担は軽くなります。

     より緻密な提案をしたい社員に対しては添付資料などでそれを説明してもらう
     ようにする。

     また、特別なフォーマットを用意しなくても、日報や週報などに「提案欄」を設け
     て、前述の3項目を記入してもらう方法もあります。

     さらに紙ベースだけではなく、社内メールに提案のための専用アドレスを設定
     して、気軽に投稿できるようにする方法も考えられます。

   3.提案ガイドを作成する

     特に制度導入当初には社員が提案にあたってどのような心構えで臨んで、具
     体的にどのように提案すればよいかのガイドを作成して配布する。

     ガイドには以下のような内容を分かりやすく記載します。

     <提案ガイドの内容>

      ・提案制度導入に至った背景

      ・制度導入で期待している効果

      ・提案の締め日、提出方法、提案の種類、評価方法、報奨などに
       関するルール

      ・提案書の記入例

 

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業務改善の考え方と方法

         

業務改善の考え方と方法


  ■業務改善の成否は部門長(リーダー)次第

   業務改善とは仕事の仕方を現在よりも好ましい方法に変えていくこと。

   多くの会社ではさまざまなテーマで業務改善への取り組みが行われていますが、
   活動が途中で頓挫したり、一時的な効果にとどまっているケースもみられます。

   要因の一つに部門長(リーダー)の改善のためのノウハウやスキルが備わってい
   ないことがあげられます。

   業務改善の成否は部門長(リーダー)にかかっているといっても過言ではない。

   多くが改善の仕組みづくりが目的化し、仕組みを動かすリーダーの教育ができて
   いません。

   どんなに素晴らしい仕組み(ハード)をつくっても、それを動かす人(ソフト)の教育
   ができていなければ、仕組みという箱ものづくりだけで終わってしまう。

   業務改善の仕組みづくりは手段であり、目的は仕事の仕方を現在よりも好ましい
   方法に変えていくことです。

   業務改善に着手する前に、部門長(リーダー)の品質を向上させることが重要とな
   ります。

   1.業務改善の考え方 (成果/労力=生産性)
     会社におけるすべての業務は何らかの目的にしたがって成果を生むために行
     われています。

     その生産性を上げるために行うのが業務改善です。

     上記の式からもわかるように、生産性を上げるためには、「分子の成果を増や
     す」、または「分母の労力を減らす」ことが必要になります。

     もちろん2つを同時に行うことができれば、生産性は飛躍的に上がります。

     業務改善を検討する際には両方向からのアプローチが効果的です。

     このように生産性向上のための基本的な考え方は、「適切な成果」のために
     「適切な労力」を投下していくことです。

   2.適切な成果
     企業活動の原則は顧客にとっての新たな価値を生み出すことにより、自社の
     収益を確保していくことです。

     そのために必要な製造や販売を行うことや、それらの活動を統制していくため
     の管理活動は適切な成果に向けた活動と捉えることができます。

     以上を整理して「適切な成果」とは何かについて考えてみると、それは次の条
     件のいずれかを満たしていることになります。

      ・顧客にとっての新たな価値を生み出していること(直接的成果)
      ・顧客価値創出のための自社組織運営に役立っていること(間接的成果) 

     全社の業務の棚卸しをすると多くの場合、上記の条件に当てはまらない「意味
     不明」の業務が見つかります。

     たとえば、「顧客ニーズの変化に対応できていない商品開発や販売活動」はそ
     の代表例です。

     これらについては、いくら手順を見直しても成果に結びつくことはありませんか
     ら、業務そのものをやめてしまうことを検討します。

   3.適切な労力
     「適切な労力」実現について考えてみると、そのためには、「3ムダラリ(ムダ・
     ムラ・ムリ)」をなくすことが基本となります。

      ムダ:成果に結びつかない余分な労力が使われている状態
      ムラ:ムダとムリが混在して起こっている状態
      ムリ:一部の工程や人間に過度の負担がかかっている状態

     以上のことを冒頭で述べた生産性を示す式の分母と分子に当てはめると、次
     のような改善の方向性が明らかになります。

   4.各階層で業務改善に取り組む
     また、業務改善は社員一人ひとりの個人レベルから会社全体レベルまでさま
     ざまな階層で考える必要があります。

     社員一人ひとりがいくら努力して生産性を向上しても、個人レベルの積み上げ
     だけでは効果は限定的です。

     逆に全社で掲げた業務改善計画が個人レベルまで適切にブレイクダウンされ
     ていなければ、計画は画餅に帰してしまいます。 

     全社、部門全体、個人がそれぞれのレベルで、互いに整合性のとれた業務改
     善活動を行うことが大切です。

     このように自社の業務改善を検討する際には、
      ・成果の拡大と労力(投入時間)の削減を同時に行うにはどうすればよいか
      ・全社レベルから個人レベルまで一体となった活動を行うにはどうすればよ
       いか

     という視点をつねにもち続けておく必要があります。

   5.社長による動機づけが必要
     業務改善活動は通常の業務にプラスする形で行われますので、特に活動の
     成果がまだ出ていない取り組み当初は社員にとって負担感は大きくなります。

     社員の積極性を促すには、会社としての活動の重要性だけではなく、活動の
     成果が社員一人ひとりに与えるメリット(労働時間短縮・能力向上など)につい
     ても説明して、十分な動機づけを行う必要があります。

  □全社レベルでの改善

   1.組織構造の改善
     全社レベルでのもっとも重要な「成果」とは、全社経営計画の実現に他なりま
     せん。

     自社の経営計画実現のために必要な事業プロセスを明確にし、そのプロセス
     に応じた最適な組織構造に変えていくことが必要です。

     業種業態によって違いはあるが、たとえば、製造業の標準的な事業プロセス
     は次の図のように整理することができます。

     これらのプロセスを踏まえて自社の組織に過不足がないかを確認します。

     たとえば、製造業のなかには、上記図の@〜Bの上流工程実現のための組
     織は充実しているが、CDの下流工程やEの管理工程実現のための組織が
     適正に配置されていないことが多くあります。

     その結果、高品質の製品を作ることができても、「顧客の購買促進や満足度向
     上につながらない」、「全社の事業プロセスが円滑にコントロールできない」と
     いった事態を招いているケースもみられます。

     次のような視点で全社の組織構造について確認してみましょう。

     <組織構造改善のポイント>
       ・事業プロセスに必要な組織が抜けていないか
       ・事業プロセスには関係のない組織が存在していないか
       ・同じプロセスを実現するための組織が重複していないか
       ・特定部門の肥大などバランスを欠いた組織編成になっていないか
       ・全般を管理する組織(総務、経理、人事、経営企画など)はあるか
       ・事業戦略面で特に重要な組織は十分に機能しているか
       ・それぞれの部門長には適切な権限と責任が与えられているか

   2.労働時間の短縮
     業務改善の大きな狙いのひとつは、生産性を上げて労働時間を短縮すること
     です。

     しかし、全社的に「長時間労働が当たり前」、「長時間労働した者が評価され
     る」という雰囲気があれば、改善は進みません。

     社長は自社の労働時間の実態や残業に対する社員の意識などを把握して、
     短縮に向けた仕組みづくりや雰囲気づくりを進める必要があります。

     また、業務改善によって残業代が大幅に削減できた場合は、その山部を原資
     として社員に賞与のなかで還元するなどの施策も求められるでしょう。

     <労働時間短縮のポイント>
       ・社長自身が長時間労働を推奨するような発言をしていないか
       ・長時間労働が評価される組織風土はないか
       ・全社の総労働時間、残業時間、所定労働時間の水準は適正か
       ・部門ごとの総労働時間に大きなバラツキはないか
       ・総人件費に占める残業代の割合が高すぎないか
       ・変形労働時間制やみなし労働時間制などの導入によるメリットはないか    
       ・サービス残業(賃金の不払い残業)は発生していないか

  □部門レベルでの改善
   同じ部門内のすべての社員について、誰がどのような仕事を担当し、どのくらい
   の時間を投入しているのかを把握します。

   これによって業務の重複によるムダや特定社員への業務の偏りなどの発生状況
   を確認し、改善します。

   また、各部門で行われている業務は、原則としてその部門が果たすべき役割に
   沿ったものであるべきです。

   たとえば、製造部門の社員が顧客との属人的なつながりから例外的に営業フォ
   ローに回ることはあるかもしれません。

   しかし、それを日常的に行うことは組織としての役割に合致しません。

   直接部門である製造部門の社員としての役割を十分に果たせないばかりか、営
   業部門の社員の活動と整合性がとれなくなる可能性もあります。

   さらに各部門で行われている業務を詳しくみると、本来の目的が見失われ従来か
   らの慣例だけで行われていることもあります。

   たとえば、各種の報告書は、報告書作成自体が目的ではありません。

   その報告によって上司から適切なアドバイスがあるなど何らかの問題解決につな
   がることで初めて意味をもちます。

   ほとんど上司に読まれることなく放置されるだけの報告書作成にかける時間は明
   らかにムダということになります。

   部門レベルでの改善はリーダー(部門長)が中心になって、部下の業務内容を十
   分に把握したうえで進める必要があります。

   <改善のポイント>
     ・業務の重複によるムダは生じていないか
     ・特定社員への業務の偏りが大きすぎないか
     ・社員の経験や能力に応じた業務分担になっているか
     ・業務手順は標準化・マニュアル化されているか
     ・その部門で行うのが適切な業務か、当該部門の役割に合敦しているか
     ・それぞれの業務の目的と求められる成果は明確になっているか
     ・無意味な報告書作成や会議などが行われていないか
     ・繁忙期・閑散期などの季節変動を吸収する取り組みは行われているか
     ・各社員のスキル向上に向けた教育や訓練が組織的に行われているか
     ・上司の思いつきによる計画性のない指示が頻発していないか
     ・ボトルネック(もっとも時間がかかる工程)改善のための取り組みは行われて
      いるか
     ・リードタイム(業務着手から完了までの時間)の適切な管理は行われている
      か
     ・上司は部下全員の労働時間について把握しているか
     ・恒常的に長時間労働を続けている社員はいないか
     ・上司は長時間労働している社員を「頑張っている」と単純に評価していない
      か
     ・メンタルヘルス面への配慮は十分に行われているか

  □個人レベルでの改善
   個人レベルの改善では、まず、個人ごとに自分が担当している業務についてすべ
   て列挙させたうえで、それぞれの業務の目的や求められる成果を確認することか
   ら始めます。

   その際に単純に「上司からの指示に従うこと」を目的とせず、その業務がもつ本来
   的な価値について考えさせます。

   そして、一つひとつの業務について「手順は適切か」、「各工程への投入時間は適
   切か」、「スケジューリングはきちんと行っているか」など正しい仕事の仕方につい
   て上司が指導していきます。

   また、自分が月単位、週単位でどの業務にどの程度の時間を使っているかという
   時間の有効活用度合いについても考えさせます。

   たとえば、業務は「顧客訪問」など価値に直接つながる業務(主体業務)と「訪問
   準備」などの主体業務実施のための準備業務(付帯業務)に分けることができま
   す。

   これらを区別し、主体業務比率を上げていくことも大切です。 

   さらに、業務の生産性は個人のスキルに大きく左右されます。各人に自分の伸ば
   すべきスキルを意識させ、向上に努めさせることが必要です。

   <改善のポイント>
     ・自分に正しい仕事の仕方が身についているかどうかをつねに意識している
      か
     ・現在自分が抱えている業務について納期や期待される成果水準を把握して
      いるか
     ・今後1カ月間のスケジューリングがきちんとできているか
     ・毎月、毎週、毎日の時間の使い方について振り返りを行い、改善につなげて
      いるか
     ・自分の担当業務のすべてについて目的と求められる成果は明確になってい
      るか
     ・自分が伸ばすべきスキルを意識しており、実際に向上に努めているか
     ・業務改善の意義を理解して積極的に取り組む意志をもっているか
     ・上司の指示事項をそのまま遂行することのみに没頭していないか
     ・部門全体の役割を理解し、そのなかで自分の担当業務の価値について意識
      しているか
     ・残業代を得るために自ら残業時間を増やそうとしていないか
     ・生産性が低いとわかっていながら従来のやり方に固執していないか
     ・緊急度や重要度によって業務に優先順位をつけているか
     ・自分の能力・工数で対応できない業務について早めに上司に相談している
      か
     ・自分が業務で使っている時間が会社の経営資源であることを意識し、大切に
      しているか

   初めに書いたように「業務改善は今までの業務のムダ・ムラ・ムリを排除し、仕事
   の仕方を現在よりも好ましい方法に変えていくこと」といいました。

   しかし残念なことは、
    ・改善を実践指導するリーダーのスキル不足
    ・目的と手段

   などによって、とん挫してしまうことを多数見聞きします。

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業務改善の手順

           

業務改善の手順


  業務改善は業務の可視(見える)化を可能にし、社内のムリ、ムダ、ムラを排除し、
  収益アップに貢献します。ただ闇雲な業務改善ではなく、手順に沿った改善が必要
  となります。

  業務改善に着手する前にやっておくことがあります。

  業務棚卸表(業務の洗い出し)です。

  各業務担当者それぞれが日常行っているすべての仕事を書き出します。

  担当業務棚卸表による業務棚卸に当たって、メンバー全員が仕事の効率化
  ・省力による営業余力の創出と意識改革ついて認識する必要があります。


  ■業務改善手順書づくり 

   1.特定の人に依存しない仕組みをつくる

    (1)仕事の洗い出し

      @出社〜退社までのすべての仕事(カギの開閉まで)

      A自身の仕事がなにか、その仕事の意味を考慮し、誰でもできる部分は
       どこか、特定の人でなければ対応できない部分はどこなのかを分析

      B特定の人の仕事をそぎ落とし、特定の人に頼る部分を小さくしていく

       ・高度な仕事とそうでない仕事を分け、低いスキルで仕事を遂行できる
        ようになるためには、何が必要か・どんなスキルをつめばよいかを検討

    (2)仕事の優先順位を考える

      @トップ・部門責任者でなければできない仕事 (第1位)

      Aトップ・部門責任者がやっている・求められる仕事 (第2位)

      B部下に任せられるがトップ・部門責任者がやっている仕事 (第3位)

      Cトップ・部門責任者でなくても部下に任せられる仕事 (第4位)

   2.組織(チーム)力

    各業務には手順があります。

    業務改善の目的はムダ・ムラ・ムリを排除し、業務全体をシンプルにすることで、
    誰に代わっても一定の品質が保てることを目指すものです。

    そのためには、「言葉で伝える」から「文書で伝える」手順書 (マニュアル)が
    必要となります。

    優秀な社員の業務を手順書に落とし込むことで、業務の推進を勘と経験に頼る
    ことなく、全員が同品質のレベルを保つことができます。

    組織力は「人に仕事を担わせる」のではなく「仕事に人を担わせる」が基本とな
    ります。(これが業務の役割分担の考えとなります)

    手順書は新人でも経験豊富な社員と同レベルの知識を共有するための基礎
    となるものです。 
    
   3.業務手順(フロー)書の作成
    ●間違ったマニュアル
     マニュアルとは、作業命令の完全な表現であり、やるべき職務について、具
     体的に内容を示したものです。

     それは同時に、本人の職務遂行能力、技術的な段階(あるいは水準)を示す
     バロメーターでもあるのです。

     マニュアルが作業命令の完全な表現であるということは、言い換えるなら、
     作業の手順を指示する文書ということなのです。

     多くのマニュアルの内容は道徳的・抽象的表現が多すぎます。

      ○「ねばならない」ではなく「する」と表現されます。

      ○「・・・してはならい」、「・・・に注意する」、「・・・に配慮する」、
       「・・・に気をくばる」、「・・・をチェックする」などは抽象的で
       どうすればいいのか本人には理解できません。

       よって、気くばりであるとか、気遣いを交える言葉は、マニュアルとしては
       正しくありません。

       マニュアルは決して漠然と確認ることでも注意することでもないからです。

      ○道徳的表現
       たとえば「早く」、「きちんと」、「ていねいに」、「きれいに」、「でき
       るだけ」といった表現。

    ●正しいマニュアルの条件
     (1)だれにでもわかること
       それには手順を示すこと、さらに事例をあげること。

       特に大事なことは反対のまずい事例もあげることです。

     (2)他の表現(解釈)ができないこと
       文章で表現するよりも数字で、数字よりも図で示すことです。

       そうすれば、他の方法がなくなってしまうからです。

       (3)他にやりようのない決め方
  
     文書はつねに「する」と表現する。

       抽象的であいまいな表現は使わない。

       (4)数字は少なくすること
   
    数字がたくさん書いてあると、わかりにくくなる。

       標準や、目安や、最大や、最小や、目標の数字は記入します。

     (5)文書フォームの統一
  
     マニュアルを書いた文書の形(文体)、活字の大きさ、色、厚さ、材質は統
       一する。

     (6)綴込み式であること
  
     マニュアルの内容は修正されていくものだから、1ページごとに交換可能で
       あること。

       修正した場合は1ページごとに取り換え、内容が変更されるときには、変更
       したページが綴じ込まれるのと引換えに、変更前のページを回収する。

     (7)現場でテストずみであること
  
     マニュアルは実際に現場でテストされたあとでなければ、流してはいけない。
       テストせずにマニュアル化される不完全なものになってしまう。

      (8)すべての作業について作ること
  
     作成するためにも、業務(役割)分担表を作成することで作成が作りやすく
       なる。

      (9)保管方法と周期的修正義務が明示されていること
  
     だれがどのように保管するのか、だれがいつどのように修正提案をするの
       かは、制度として成文化されていなければならない。

    (10)チェック・リストでフォローされること
  
     これはマニュアルが実行に移された段階において、はたしてマニュアルど  
       おりに実行されているのか、実行されていないとすればマニュアルのどこに 
       欠陥があるのか、さらにマニュアルどおりにやることによって、プラスの効
       果ばかりが出ているのか、もしもマイナスの効果も合わせて出てきたり、も 
       ともとマイナス効果しか出ないマニュアルであったとするならば、そのどこを
       どのように修正すればよいのかを調べあげるためです。

       したがって、このチェック・リストを作ること、そのチェック・リストでチェ
       ックすることは、担当者の本来の職務として、あらかじめ規定されなければ
       ならないのです。

  □業務手順書が無ければ
   ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生

   ・教える側の考えが優先し、教わる側にスキルのばらつきが生じる

   ・教える側の主観が大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる

   ・社員のスキルを計る基準ができず、社員の評価が客観性を失う

   ・会社の統一感・一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかるマン
    パワーに依存してしまう

  □手順書における表現の原則
   ・誰にでもわかる(特別な経験がなくても)

   ・他にやりようがない決め方である 

   ・数字は少なくする 

   ・内容は修正されていくので用紙は綴り込み(バインダー)式にする

   ・文書(用語)、フォームは統一されている 

   ・内容は必ずテスト済みである

   ・各部門すべての業務について作成する

   ・保管方法、定期的な修正(誰が、いつ)義務を明示する 

   ・手順書どおりに実行されているかの有無をチェック・リストでフォローする

  □社内作成物(規程)との連動
   ・就業規則、人事評価と連動していること 

   ・経営計画と連動していること

   業務のマニュアル化は、限られた現有資産を最大限に活用していくためにも欠かせない
   課題です。

   マニュアル作成は自社にとってのノウハウとなります。

   すでにマニュアルが整備されている企業のマニュアルを拝見させていただくと、それら
   のほとんどが「マニュアルらしきもの」であって、マニュアルではありません。

   理由は、

    ○言葉で説明しなければわからない

    ○内容が抽象的

    ○担当者にしか分からない

   といったことが挙げられます。

   マニュアルは苦労して作成し、修正し、つくりあげるしか方法はありません。 

 

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業務の商品化

         

業務の商品化

  ■業務を商品化する

   日常行われている業務は日々進化していますか?

   昨日より今日、業務の改善は収益に直結しています。

   勘と経験を頼りにした業務進行からは何も生まれません。

   毎日必ずやらなければならない仕事なら、「どうしたらもっと楽(シンプル)にできない
   だろうか」、「どう行動したら顧客が喜んでくれるだろうか」、「どうしたら従業員の
   負担を減らせるだろうか」など日々疑問を持って仕事に取り組まなくては進化は
   ありません。

   忙しい中身を精査し、体に汗をかくだけでなく、脳みそに汗をかくことも欠かせません。

   
   兜髄野はダスキンの代理店業務をメインにする中小企業です。

   全国各地の中小企業経営者がセミナーや勉強会(実践塾)に参加し、経営者からは
   カリスマ社長と呼ばれている。

   その兜髄野が今では仕組みづくりのコンサルティングが商品となっています。

   自社の業務改善を徹底したことで、各業界の社長が教えを請う、そのことが商品と
   なり、小山社長は著書『「儲かる仕組み」をつくりなさい』で、「わが社のセミナー
   に参加した社長は、大きく二つのタイプに分かれます」と言っています。

   ほとんど自社を変えられなかった社長と、どんどん良くすることのできた社長とです。

   前者の社長はこんなふうに考えます。

   「武蔵野だからこそできたのだ」「小山社長だから実現した」と。

   これは大きな誤解です。

   田舎の中小企業であるわが社には、入社したときから優秀だった社員など、私を含め
   て誰ひとりいません。

   ひたすら自社を改善する仕組みをつくり、改善し続けたからこそ増収・増益を達成でき
   たのです。(小山社長談)

   この書籍は中小企業の業務改善に大いに参考になると思います。

   自社の業務で「面倒で大変だ」と思ったことを、「もっとシンプルで楽にできるよう
   にしたい」ことが業務改善に繋がったのです。

   社内業務において電話対応、基本動作、会議、朝礼、クレーム対応、業務手順書、
   セールス・スクリプト、アプローチブックなどによって業務全体を改善することで、顧客
   や紹介によって顧客から依頼されるのです。

   このことが結果として本業に繋がります。

   武蔵野においても、自社の業務を改善しようと始めたことが結果的に商品となった
   のです。

   しかし、商品化するといっても必ずしも有料である必要はありません。
  
   あなたの本来の商品を売るための武器・ツールにすることでもいいのです。

   あなたも自社(店)で競合他社がまねのできない強みを1つでいいですから持ってくだ
   さい。

   その武器(強み)がいかに効果的かが分かるはずです。

   その分野で成功した人で最初から何の問題もなかった人などいません。

   参考にするものもなく、チャンスもなく、自分たち以外に競う相手もいない状況を乗り
   越えてきているのです。

   上手くいかないで、失敗する人たちには主に2つの理由があります。

    1.必要な情報を、手に入れる、探す、求める、買うということをしようとしていな
      い。

    2.せっかく良いアイデアを手に入れても、実行に移さない。

   成功を収めている人たちは、情報の価値を知っていて、常に情報に興味を持ち、情報
   を得ようとしています。

   アンテナを広げ、価値ある情報を入手したら実行に移しましょう。今すぐ!

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