提案制度の導入

          

提案制度の導入

 一般に従業員数が少ない中小企業は、規模が小さいため、人事異動の機会があまり多く
 ありません。
 そのため、いつの間にかマンネリズムや経験主義に侵されていることがあります。
 また、社員が高齢化するにつれてなんとなくムードが沈滞してくるケースも見られます。
 このような場合には、従業員と組織の活性化を図り、マンネリや沈滞ムードを打破して
 いくことが大切です。 
 従業員や組織の活性化にはいくつかの手法が考えられますが、ここでは、  「提案制度」
 による社内活性化施策について、その一般的な導入手順を解説します。

 □提案制度とその導入プロセス
  1.提案制度とは 
   提案制度とは、業務に関する改善提案や新しい企画などを社内に広く求め、新商品、
   新製品の開発や作業効率、生産性向上などに役立てるための方策の一つとして広く
   行われています。
   また、このような直接的な効果だけではなく、従業員からさまざまなアイデア等を
   募ることによって、経営への参画意識を高めるとともに、ボトムアップの経営を
   実現し、企業の組織活性化を図ることができるという効果も期待できます。
   こうした効果への期待から、最近では提案制度を導入する企業が増えています。

  2.導入までのプロセス 
   提案制度を導入する際は、実施日までのスケジュールを組み、一つひとつ段階を
   踏みながら準備を進めていくことが大切です。
   下は、提案制度を導入するまでの一般的なプロセスを示したものです。

    @担当者の決定
    Aスケジュールおよび制度概要の検討
    B詳細事項の決定
    C実施準備
    D従業員へのアナウンス

 □提案制度導入までのプロセス
  1.担当者の決定 
   最初にやるべきことは担当者(事務局)の決定です。
   そして、この担当者に、企画から準備・実施にいたる一連の作業に対して一定の権限
   と責任を付与することが大切です。
   担当者には、総務部門の部課長(場合によっては社長自身)などを選任したり、
   各部門の責任者から複数名選任しプロジェクトチームを編成してもよいでしょう。

  2.スケジュールおよび制度概要の検討
   選任された担当者は、準備しなければならない事項を整理し、実施予定日までの
   スケジュールを立てます。 
   次に、制度の概要を策定しますが、ここで大切なことは、提案制度の導入目的を
   改めて明らかにすることです。
   「何のために、何を主たる狙いとして導入するのか」を明らかにし、当初の目的に
   沿って設計することが大切なのです。 
   次いで、改善提案の実施期間や提出方法、また優秀提案者の表彰などについての案を
   検討します。
   例えば、提案の提出方法一つを取ってもいろいろなやり方があります。
   最も一般的(古典的)なのは、各職場に「提案箱」(目安箱)を設置する方法ですが、
   Faxによる方法も簡単で便利です。
   一方、パソコンネットワーク(イントラネット) など社内情報インフラが整備
   されている場合には、電子メールを活用した「提案」方法も考えられます。

  3.詳細事項の決定 
   制度概要についての検討が進んだら、具体的な詳細事項について決めます。
   例えば、「提案箱」方式を採用する場合には、「提案箱」の個数やデザイン、設置場所、
   回収の時期、回収担当者などについて決定しなければなりませんし、優秀提案者に
   表彰を行う場合には、賞品(賞金)の内容、表彰方法などについても決めて
   おかなければなりません。

  4.実施準備 
   制度内容が決定したら、いよいよ実施の準備です。
   まず、従業員から幅広い業務改善提案や新しい企画を受けるための「提案用紙」を
   作成しなければなりませんが、提案用紙には提案テーマおよび提案のポイント、
   提案の具体的内容などを記入する欄を設けます。
   フォーマットをあえて定めず、メモでもレポート用紙でも何でもよしとする方法も
   考えられますが、実施後の整理、集計、分析作業等を考慮すると、やはり、一定の
   用紙を準備しておく方がよいでしょう。 
   また、提出方法を提案箱方式とする場合には、必要個数の「提案箱」 も準備
   しなければなりません。

  5.従業員へのアナウンス 
   以上の準備が整ったら、提案制度の実施について従業員にアナウンスします。
   中小企業では、朝礼で発表するのが一番手っ取り早いでしょう。
   その他、各部門の責任者経由でアナウンスする方法や、社内電子メール(電子掲示板)
   を用いてアナウンスする方法も考えられます。
   このとき、質問窓口を設けて従業員からの質問に対応したり、表彰を行う場合には
   表彰内容を明示して従業員の制度への意識を高めるなど、質の高い改善提案が
   出されるように心がけたいものです。

 □提案制度の実施 
  提案制度は、従業員から自主的に提案が提出されてこそ意味があり、そのとき初めて
  組織活性化をはじめとする提案制度の目的も実現されます。
  したがって、従業員をいかに積極的に取り組ませるかが、最大のポイントとなりますが、
  以下の3点については特に注意して下さい。 

   (1)実施期間中、担当者(事務局) からの定期的な啓発を行うこと
    例えば、2週間ごとに提出状況をまとめ、優れた提案を発表するなど、
    事務局がまめに提案をチェックしている(制度がしっかりと運営されている)
    ことを従業員にわかるようにします。 
   (2)成功のバロメーターは“数”(提案件数)であることを徹底すること  
    提案制度では、初めからすばらしい提案ばかりが出るとは限りません。
    苦情や不満、要求などが含まれることもありますし、一般論や低レベルの提案が
    多いこともあります。
    しかし、提案制度で大切なことは“数” (提案件数)を競うことで、出された
    提案を評価するのは後のことです。
    「ゴミの山」の中に、いくつかの「宝」 が含まれているかもしれないといった
    視点が、成功の鍵となることに留意して下さい。 
   (3)優れた提案には(期間中でも)会社としてすぐに対応すること
    優れた提案に対しては、素早くレスポンス(対応)することが大切です。
    提出された改善提案をできる限り早く実行に移そうとする姿勢が、提案する
    従業員の意欲をアップさせます。

 表 彰(褒賞)
  提案制度で表彰(褒賞)は不可欠です。
  表彰に当たっては、提案件数と提案内容の両方について行います。
  その際、個人表彰と組織表彰の二本立てとするとよいでしょう。
  組織表彰を設けることによって、部や課をあげての参加が期待できるからです。 
  提案制度を社内運動化するためには、このうち、組織ごとの提案件数を重視する
  必要があります。
  一般に、組織(部とか課あるいはチームなど)の大きさは様々ですので、組織表彰の
  際には、組織ごとに「1人あたり件数」を算出します。
  個人表彰は提案件数と提案内容の両方を勘案します。 
  表彰の方法には、
   @朝礼の際や掲示板等で表彰者の氏名や組織名を発表して顕彰する
   A褒賞金を支給する
  などがあります。
  年間を通した最優秀提案などについては、経営方針発表会などフォーマルなイベント時
  に大々的に行うなどとしてもよいでしょう。
  いずれにしても、表彰者を社内報や掲示板に取り上げるなど、他の従業員が次回の
  改善提案の提出に意欲を燃やすような制度にすることが大切です。

 □継続的な取り組みにより組織活性化へつなげる 
  本当の意味で組織の活性化を図るには、提案制度を一回で終わらせるのではなく、
  継続的に実施することが大切です。
  そのためには、第1回目にどれだけイベント性を持たせて全社運動化し、盛り上げる
  ことができるかが重要となります。
  例えば、社内報や掲示板に、制度について大々的に取り上げたり、ポスターやチラシ
  を作成・配布したり、社長自らが折にふれて直接呼びかけるなど、制度を盛り上げる
  ようにすることが大切です。 
  また、回数を重ねていくうちにマンネリ化してしまわないよう、一回ごとにテーマを
  変えるなどの工夫も必要です。 
  そして、「ゴミの山」 の中にキラリと光る「宝」が少しでもあれば、生産性向上に
  大いにプラスとなることでしょう。

                        お問合せ・ご質問はこちら

                         メルマガ登録(無料)はこちらから


テレワークの概要と導入

                       

テレワークの概要と導入

  ■テレワークの概要
   1.SOHOとは 
    SOHO(ソーホー:Small Office Home Officeの略称)という言葉を耳に
    したことのある人は多いでしょう。
    SOHOは、コンピューターの普及などを背景に米国で生まれた就業形態です。
    インターネットや電子メールなどの通信インフラが整備されたことで、
    自宅やオフィスに居ながらにして商談し、納品することも可能となったために
    発展しました。
    SOHOの例として、
     ・自宅において請け負いの仕事をしているWebデザイナー
     ・自宅兼オフィスで業務を営む士業(中小企業診断士、社会保険
      労務士など)
    などを挙げることができます。
    近年は、日本でもSOHOが普及しており、一つのワークスタイルとして確立
    されています。 
    SOHOで働く人にとって問題となるのは、いかに安定した受注を獲得するか
    にあります。
    正式なオフィスを構えていないSOHOは、社会的信用を得ることが難しい
    からです。
    多くのSOHOでは、その補完策として一般企業よりも受注金額を低く設定
    しています。 
    発注額を抑えたい企業は、廉価なSOHOを積極的に利用したいと考えます。
    しかし、自社ニーズを満たすSOHOを見つけ出すのは大変ですし、どこまで
    信用してよいかも分かりません。
    そこで登場したのが、発注側の企業とSOHOの橋渡しとなるコーディネーター
    企業です。
    コーディネーター企業は複数のSOHOをネットワークしています。
    発注側の企業から依頼を受けると、依頼内容に適したSOHOを紹介することで
    ビジネスとしています。 
    通信インフラなどSOHOの絶対的条件が整い、さらにSOHOが安定して受注を
    受ける仕組みが整いつつある現在、SOHOはさらに増加していくといわれて
    います。

   2.テレワーク誕生 
    SOHOが注目されて久しい現在、企業もSOHOを導入するようになってきて
    います。 
    ただし、企業が導入するSOHOはこれまで説明したような「個人が自宅で
    仕事を請け負うスタイル」とは少し異なります。 
    企業が導入するSOHOは、社員を毎日のように本社に出社させずに、
     サテライトオフィス(分散型オフィス)や在宅で勤務をさせる就業の形態
    です。
    導入効果としては、
     ・社員の通勤時間の短縮、企業の交通費負担の圧縮
     ・顧客が密集する地域にサテライトオフィスを構えることによる
      効率的な営業活動
    などが期待されています。 
    大企業を中心に積極的にSOHOが導入されようになってからは、企業が導入
    するSOHOを特にテレワークと呼ぶようになりました。 
    テレワークとは、テレ「Tele:遠い」とワーク「Work:働く、仕事」とを
    組み合わせた造語です。
    日本テレワーク協会では、テレワークを
     情報通信手段を活用して、場所と時間とを自由に使った柔軟な働き方
    と定義しています。

   3.SOHOとテレワークの比較
    SOHOとテレワークについて説明しましたが、両者は明確な定義によって
    使い分けられているものではありません。
    2つの言葉はほぼ同義語と解釈されており、書籍や雑誌によって用語が違う
    程度なのが現状です。 
    最近では、テレワークという言葉の意味が広がってきており、
     テレワークという概念の中にSOHOを位置づける
    ようにもなってきています。 
    SOHOとテレワークでは異なる部分が多くあります。
    ここでは、SOHOとテレワークを使い分けるために「個人が導入するものを
    SOHO」、
    「企業が導入するものをテレワーク」とします。 
    以下では、企業が導入するテレワークについて紹介します。

  □企業がテレワークに注目する背景
   1.迫られるワークスタイル変化への対応
    社員の高齢化、人件費の肥大化など労働環境が激変する中、企業は徹底した
    効率化によるムダのない経営を目指しています。
    その一環として就業体系の見直しも進められています。 
    従来の就業形態は、「すべての社員が同じ職場で、同じ就業時間を労働する」
    というもので、全体のチームワークが取れやすいといった利点がありました。
    しかし、個人の抱える仕事が複雑化・多様化している現在、
     一律的な就業場所、就業時間では実情にそぐわないケース
    も出てきています。
    また、チームワークを重んじるあまり周囲の人間関係によるストレスで
    生産性が低下してしまうのも問題です。 
    こうした中、時間と場所にとらわれない自由な就業の形態としてテレワーク
    が注目されるようになりました。

   2.テレワークの導入で期待できる効果 
    テレワークを導入することで、企業、社員、社会に以下のようなメリットが
    生じます。

    ◎企業 
     サテライトオフィスや在宅勤務の枠を広げることは、社員の能力発揮、
     集中力向上をうながす効果があるとされています。
     これは、社員が長い通勤時間や対人関係ストレスから解放されるため
     です。
     少数精鋭の時代にあって各社員の生産性向上は企業にとって大きなプラス
     であり、通勤コストや移動コストの削減の面からも有効です。

    ◎社員 
     社員は長い通勤時間や人間関係によるストレスから解放されるため、
     長くて自由な時間を得ることができます。
     自宅と会社が遠い場合、朝早く出かけて夜遅く帰ることになります。
     これでは家族とのコミュニケーションを十分にとることができませんが、
     自宅に近い場所などを職場にすれば、この問題は解決できます。

    ◎社会 
     サテライトオフィスや在宅勤務の普及は朝夕の通勤ラッシュの緩和に
     寄与します。
     また、地方にサテライトオフィスを設置する場合、地域活性化にも効果
     があります。 

     現在、多くの企業がテレワークを実施しています。
     日本テレワーク協会の調べでは、2014年では企業に所属しながら週に
     8時間以上在宅勤務する「雇用型テレワーカー」は480万人に上ると
     されています。 
     テレワークを導入することで多くのメリットが期待できます。
     そのため、今後も多くの企業がテレワークの導入を検討するでしょう。
     しかし、テレワークの導入には多くの課題があることも事実です。
     以下では、
      ・サテライトオフィスの形態
      ・企業のテレワークの導入状況
      ・導入時の留意点
     について考えます。

  □サテライトオフィスの形態 
   テレワークの基盤となるのはサテライトオフィスです。(社)日本テレワーク
   協会では、サテライトオフィスの形態を次のように分類しています。
   テレワークを導入する企業は、その目的や対象業種・社員によってサテライト
   オフィスの形態を選択しています。

   ◎個人分散型オフィス 
    分散の主体は「社員個人」であり、サテライトオフィスとホームオフィス
    (在宅勤務)があります。
    個人分散型オフィスは最も一般的なテレワークの形態です。

   ◎自然共生型オフィス 
    分散の主体は「グループやチームまたは個人」となります。
    都会から離れ、豊かな自然の中で心身のリラックスを図り、創造性を高める
    ことを狙ったサテライトオフィスの形態です。
    リゾートオフィスとも呼ばれます。

   ◎機能分散型オフィス 
    分散の主体を「機能」とするものです。
    本社機能を都心郊外または地方に分散させ、効率良く業務を行うと同時に、
    震災やテロなどのリスクを回避します。
    また、オフィス設置地域とのより良い関係づくりも目指します。

  □テレワークの導入状況
   1.テレワークの導入状況 
    (社)日本テレワーク協会の資料から、企業のテレワーク導入状況を紹介
    します。
    調査では、テレワークを導入している企業、テレワークで勤務する社員を
    対象に行われたものです。 
    テレワークについて、「会社のルールとして認めている」「ルールはないが、
    裁量で実施」と回答した企業は全体で10.3%となっています。 
    企業規模別では中小企業が8.7%、大企業が13.8%、上場企業が14.0%と、
    企業規模の大きさに比例して実施率が高まる傾向があります。

   2.テレワークの実施部門 
    テレワークを導入している企業の約70.3%が一部部門についてだけテレワーク
    を認めています。
    職種によってはテレワークに適さないものもあることを考慮しているためです。 
    具体的なテレワークの導入部門としては
     技術の33.6%
    が最も高くなっています。
    次いで、営業の31.5%が高くなっています。 
    テレワークには、定型的な就業時間にとらわれず、ある程度自己完結が可能な
    業務が適しています。
    専門・技術職が実施部門の第1位となったのは、テレワークの導入による
    効率化の成果が測りやすいためでしょう。
     テレワーク実践活用テキストブック(総務省令和元年)
    また、テレワークの実施人数としては、
     ・中小企業では5人以下が41.4%
     ・大企業では50人以下が54.1%
    と最も高くなっています。
    企業はテレワークに適した職種を担当する社員の中から、自己管理がしっかり
    できるなどテレワークに適した社員を選んで適用しているようです。
     テレワーク人口実態調査 (国土交通省2018年)

   3.テレワークを実施する目的と効果(厚生労働省)
    テレワーク導入の目的としては、
     定型的業務の効率性(生産性)の向上56.1%
    となっています。
    勤務者の移動時間の短縮も48.5%と大きくなっています。 
    先に紹介した「テレワークの実施部門」では、第1位に営業・販売が挙げられ
    ています。
    テレワークの導入により、外回りの営業マンの移動時間を短縮し、営業の効率化
    を図ろうとする企業が多いことを示した結果といえるでしょう。 
    しかし、導入効果は企業の予定通りではないようです。
    テレワークの導入によって非常に高い効果を得られたのは
     「勤務者にゆとりと健康的な生活を与える」の52.0%
    となっています。

   4.テレワークのメリット 
    テレワーク導入によるメリットとしては、一般的には以下のようなものが
    挙げられます。

    (1)企業におけるメリット
     ◎生産性の向上 
      電話などで仕事が中断されることを回避できるようになります。
      これによって集中力向上が促され、より高い能力の発揮が期待で
      きます。
      また、モバイルワークによって移動中であっても顧客に対して適
      切な対応をすることが可能になるなど、総合的な生産性の向上が
      見込めます。

     ◎コストの低減 
      オフィス機能の縮小と最適配置による効率化が可能になります。
      在宅勤務やサテライトオフィスなどの設置によるテレワークは、
      都市部にオフィスを集中的に立地する場合と比較して、オフィス
      維持コスト、通勤コスト、営業先などへの移動コストを削減する
      ことができ、コスト面での効率化を実現します。

     ◎リスクマネジメントの強化 
      これまでひとつのオフィスに集中していた重要書類や人的資源を
      分散できます。
      これによって、災害時などに対するリスクマネジメントが結果的
      に強化されることになります。

     ◎人材の確保・人材の有効活用 
      子育て中の主婦など、仕事をする意志はありながら通勤できない
      という理由で就業を断念している人材を雇用することができます。
      こうした人たちに十分な能力があるならば、テレワークによる雇
      用は新たな戦力確保の手段となります。

    (2)従業員のメリット
     ◎自分を律する人材の育成 
      テレワークの導入が従業員にもたらす最大のメリットは、自分を
      律することのできるプロフェッショナルの養成効果が見込めると
      いう点にあります。
      テレワークではオフィスから物理的に離れて仕事をするため、会
      社による監視が行き届かなくなります。
      仕事のスケジュールや業務手順を自分で考えなくてはならない環
      境は、自己管理能力の向上を促進するでしょう。
      逆に、自己管理能力の欠如した従業員はそれがそのまま仕事の結
      果となって表われることとなります。

     ◎余暇の増大 
      テレワークで通勤時間が削減されることによって、相対的に「時
      間的ゆとり」が増加します。
      この自由時間を家族との団らんや趣味の充実、自己啓発などの時
      間にあてることができるようになります。
      また、睡眠時間の増加などは、結果として従業員の健康維持につ
      ながります。

     ◎雇用機会の増加 
      企業側のメリットと同様、テレワークは何らかの事情で通勤がで
      きない人にとって新たな雇用機会へとつながります。      

   5.テレワークのデメリット 
    テレワークのデメリットとしては、人間関係に関するものが多く挙げられる
    結果となっています。
    基本的には一人で仕事をするテレワークでは、人間関係の希薄さをどのように
    して埋め合わせるかも導入の際の課題といえます。
     ・上司・同僚などとのコミュニケーションが不足する
     ・孤独感や孤立感を感じる
     ・仕事の評価に不満がある
     ・家族に迷惑がかかる
     ・仕事の生産性が低くなる

  □テレワーク導入における課題
   1.ハードの整備 
    テレワークでは、サテライトオフォスや在宅勤務が基本となります。
    この体制を整備するためには少なからず初期投資が必要で、特にサテライト
    オフィスの場合はオフィス建築費や機材導入費などコストがかさみます。 
    サテライトオフィスの使用頻度や対象社員数によって、必要な面積や機材の
    量・質は異なりますが、テレワーク導入企業は早期に予算を確保しなければ
    なりません。 
    また、テレワークの大きな目的は社員の生産性向上にあるため、設置する機材も
    社員の意見を反映したものが望ましいといえます。

   2.ソフトの整備 
    テレワーク導入で最も問題となるのはソフト面の整備です。
    一口にソフト面といってもその内容は多岐にわたり、例えば、「テレワーク
    導入に関する明確な規則を作成し、実践者以外にも周知徹底する」などの
    取り組みが重要となります。
    つまり、
     →テレワークの対象を明確にすること
     →テレワークで働く社員の評価基準を明確にすること
    などの基本的な事項から、「なぜ、その社員がテレワークの対象になるかを
    周知し、実践者以外の社員からも理解を得る」までのフォローが必要という
    ことです。 
    また、実際にテレワークで働く社員の中には、
     ・成果に対する不安を感じてオーバーワークになりがち
     ・孤独感を感じている
    などの傾向がみられます。
    こうした社員に安心感を与え、テレワークの最大のメリットたる労働生産性や
    業務効率の向上を実現するためのメンタルケアを行うことが大切です。

   3.新しい雇用関係を目指して 
    フレックスタイム制裁量労働制などにみられるように近年の就業体系の
    多様化は加速しています。
    これらは、
     →個々の社員の能力に期待し、生産性の向上を図るとともにコスト
      を圧縮する
     →自己の裁量で仕事量や時間を調節し、能力を最大限に引き出す
    といった点で共通しており、テレワークはそのさいたる例です。 
    こうした就業体制の多様化は、これまでの日本企業の慣習であった同一処遇
    の体制を抜本的に見直すものであり、業績アップに苦戦する企業が労働生産性
    や業務効率の向上を追求していることの現れです。 
    今後、能力・成果主義の流れも手伝ってテレワークを導入する企業は増加して
    いくでしょう。
    テレワーク導入に関する課題が解決されたとき、個人と会社との新しい雇用
    関係が成立していくことでしょう。

                   お問合せ・ご質問はこちら

                   メルマガ登録(無料)はこちらから


ビジネスプロセス・リエンジニアリング 〜BPR

                    

ビジネスプロセス・リエンジニアリング 〜 BPR

  ■ビジネスプロセス・リエンジニアリング(リエンジニアリング)

   リエンジニアリングは、米国の経営学者マイケル・ハマーの提唱で生まれた

    利益向上のための、業務プロセスの抜本的改革の考え方

   です。

   当時、リエンジニアリングの考え方は、抜本的な経営改善を望んでいた企業マインド
   に合致したこともあり、多くの企業で実施されました。

   しかし、リエンジニアリングの浸透とは裏腹に、リエンジニアリングを「人員の整理
   を行って、企業をスリム化することである」などと間違って解釈をする人が多い
   ことも事実です。 

   一般的にいわれているリエンジニアリングの概念は、

    経営改善や競争力強化のための、従来型の業務プロセスの再構築であり、
    米国企業の多くが実行し、成功を収めた改革例の共通項を理論化

   したものです。

   M.ハマーは、リエンジニアリングを

    コスト、品質、サービスなどの重大な企業経営の基準を効果的に改善するため
    に、根本的に業務(ビジネス)プロセスを考え直し、抜本的にデザインし直すことと

    定義付けています。

   ここでいう業務プロセスとは、例えばメーカーであれば、

    受注から代金徴収までの一連の活動

   を意味します。

   以下では、リエンジニアリングに対する理解を高め、効果的なリエンジニアリングを
   実践するための

    ・基本的な考え方

    ・導入方法

   などについて説明していきます。

  □リエンジニアリングの考え方

   1.顧客満足度の向上

    リエンジニアリングでは、

     顧客満足度の向上

    を重要視します。

    例えば、

     →顧客はなぜ自社の商品を買ってくれているのか

     →なぜ自社のサービスに対価を支払ってくれるのか

    を徹底的に追求し、考えられる問題点を解決していきます。

    こうすることによって、

     安定した経営を保つことができる

    と考えられるからです。

   2.コストの削減

    リエンジニアリングでは、顧客満足度の向上と並んで

     コストの削減

    も重要なテーマとなります。

    コストを削減するためには、必要であれば業務プロセスの抜本的な改革を行うことも
    求められます。

    注意すべき点は、コスト削減の副作用として、

     →品質の低下

     →顧客サービスの低下

    があってはならないことです。

    つまり、

     「顧客ニーズを満たすこと」と「コスト削減」は常に並行して行われる必要がある

    ということです。

   3.従来型業務プロセスの改革

    これまで行われてきた経営向上戦略の多くは、開発・生産・物流などの各部署を
    一つの単位としてきました。

    しかし、部署単位で行われる経営向上戦略は、

     企業にとって着手しやすい半面、必要以上の時間、人員、コストを求められる

    ことになります。

    リエンジニアリングでは、このような問題を解決するために、

     部署単位ではなく、企業全体の利益

    を常に優先し、従来の取り決めに縛られない柔軟な仕組みを目指します。

    慣習に縛られたままでは、

     大胆な発想も生まれず、コストダウンも不可能

    という立場から、企業全体の利益向上のために最適な業務プロセスを考えてい
    きます。

   4.業務時間の短縮

    リエンジニアリングにおける時間削減の考え方は、

     仕組みそのものを大胆な発想で作り替えること

    にあります。

    リエンジニアリングが「業務プロセスの抜本的改革」といわれる由縁がここに
    あります。

    例えば、「顧客からの注文書が関係部課をたらい回しにされ、発送した商品が注文
    商品と違っており、営業担当者がクレーム処理に走り回っているような企業」は数多く
    存在します。

    こうした体制は早急に見直す必要がありますが、部分的な改革では無駄が多く、
    業務全体の時間短縮には直結しないのです。

   5.リエンジニアリングの概念

    重要なのは、

     基本理念として、顧客満足度の向上がリエンジニアリング全体を貫いていること

    です。

    また、「基本的な考え方」と「期待される効果」は複合的な関係にあります。

    例えば、

     コストの削減が社員の業務拡大に直結するのではなく、すべての取り組みの結果
     として一つ一つの効果が期待

    されています。

    さらに、効果が表れた後にも継続して基本的な考え方を復習し、リエンジニアリング
    が永続的に企業に根付くことが理想です。継続的なリエンジニアリングへの取り組み
    は、時には企業の負担になることも考えられますが、企業経営者は強固な意思で推進
    していくことが大切です。

  □リエンジニアリング成功の決め手

   1.強固な改革意識

    リエンジニアリングを成功させるための重要なポイントとして、

     改革を推進する強固な意思

    が挙げられます。

    例えば、従来のシステム開発理論は、

     事務処理能力の限界を高性能コンピューターで解決する

    というものでした。

    しかし、この発想では順次高性能コンピューターを購入することが必要となり、コスト
    削減に大きな効果はないといえます。

    リエンジニアリングでは、このような従来型業務プロセスを抜本的に改革し、永続的
    に企業全体の利益向上を目指します。

    多少、初期投資額が膨らんでも、推進する価値はあるでしょう。

    以下に、業務プロセスの改革によって納期短縮に成功した企業事例を紹介します。

    ◎従来型の仕組みの改革事例

     A社の生産業務は、

      1.顧客からの注文に応じて開発部門が設計をする

      2.生産部門は開発部門からの要請に従って生産計画を立てる

      3.開発部門は下請け企業に部品の発注をする

     の3つのプロセスから成り立っています。

     顧客への製品提供サイクルは90日程度です。

     A社の製品はオーダーメイドのため、

      顧客から設計段階で頻繁な仕様変更の依頼

     があります、

     また、コスト削減のため、

      生産部門から仕様変更の依頼

     もあります。

     こうした顧客や生産部門からの仕様変更要請は、下請け企業への発注を遅らせる
     原因になります。

     最終的には、コスト面を重視し生産側の仕様で顧客と折り合いをつけて作業に
     取りかかるのですが、各部門間の調整に大きな無駄を感じます。

     そこで、A社が行った具体的な改革は、

      開発部門を中心に生産部門と下請け企業をオンラインで結ぶこと

     です。

     この改革により、生産部門は開発の途中段階から的確なチェックが可能となり、
     開発部門と生産部門の無駄なやりとりの削減を実現しました。

     また、

     下請け企業も同じ情報を入手できるため、次に自社が引き受ける仕事を
     把握し、十分な準備をすること

    ができます。

    結果としてA社は、製品提供サイクルを20日に短縮することができました。

   2.組織の簡素化

    強固な改革意識とならぶ重要なポイントに

     組織の簡素化

    があります。

    企業経営者は、

     組織を複雑にすることは、業務の重複を招く恐れがあり、
     無駄なコストが発生する危険性がある

    という事実を認識しなければなりません。

    そして、生産性向上のためには不必要に細分化された業務プロセスを大胆に
    見直していくことが大切です。

    リエンジニアリングでは、業務を必要最低限に抑えるために

     →組織の簡素化による業務の迅速化

     →個人の業務領域や裁量権の拡大

    を行います。

    組織の簡素化により少ない人員での業務が可能になるため、ここに

     リストラの必要性

    が生じます。

    リストラ推進による余剰人員の解雇には悪いイメージが付きまとい、企業
    がリエンジニアリングに踏み切ることを躊躇させます。

    しかし、企業側は強固な意思を持って取り組む姿勢が求められます。

   3.権限委譲

    リエンジニアリングを成功させるためには、

     思い切った権限委譲

    も必要になります。

    権限委譲により、各社員の業務が多様化するため、

     さまざまな面から人材を育成すること

    が可能になるでしょう。

    柔軟な思考を備えた社員は企業の大きな財産になります。

    同時に、自主裁量権が拡大するため各社員は業務に対する責任感を向上させます。

    権限委譲を進めるためのポイントは

     1.トップの経営方針を十分に浸透させ、価値観の統一を図る

     2.情報の開示範囲を拡大する

     3.情報利用のトレーニングを実施する

    などです。

    このポイントの中で最も重要なのは、

     企業経営者の意思の徹底周知

    です。

    企業経営者の意思が周知徹底されていない状態での権限委譲は、単なる放任主義
    に過ぎないともいえます。

    また、企業経営者の意思が隅々まで行き届いていないと、企業の末端で何らかの
    不祥事が起こる危険性も高まります。

  □リエンジニアリング導入の手引き

   1.顧客を第一に考える

    リエンジニアリングを導入するための統一的なルールはあるません。

    守らなければならないのは、

     顧客満足度の向上

    という企業意思がリエンジニアリング全体を貫いているということです。

    M.ハマーは、リエンジニアリングを導入する際の着眼点として

     1.どのプロセスが最も深刻な機能障害を抱えているか

     2.どのプロセスが最も顧客への影響が強いか

     3.どのプロセスが最もリエンジニアリングに成功しそうか

    を挙げています。

    どのポイントを最重要視すべきなのかは個々の企業で異なります。

    自社の状況を改めて確認し、リエンジニアリングの導入を行うことが大切です。

   2.リエンジニアリング導入時の分析ツール

    リエンジニアリングを推進する方法は、個々の企業のアイデアによって自由に行われる
    べきでしょう。

    以下に、主な方法を紹介します。

    ◎ベンチマーキング

     ベンチマーキングとは、先進企業が「どんなプロセスで」「どんな成果を上げて 
     いるか」を研究し、参考にしていこうというものです。

     比較対象にする企業は、必ずしも同業他社である必要はなく、異業種の優れた
     パフォーマンスも積極的に参考にします。

    ◎業務フローチャート

     業務フローチャートとは、業務のプロセスをチャートで示し、コストなどを具体的
     に測定するものです。職務調査表などを利用して、改革前と改革後の違いを
     定量的に測定します。

     実際にリエンジニアリングを導入する際の手順は、企業の風土や外部のコン
     サルタントへの依頼の有無で若干異なります。

     基本的には

      1.基本的方向性の決定

      2.現状分析

      3.改善案の決定・実行

      4.継続的改善作業への移行

     といった手順となります。

  □リエンジニアリングの効果を持続するために

   リエンジニアリングに成功した企業は、余分な組織が削除されると同時に階層や役職
   (肩書き)も少なくなるため、

    非常にフラットな組織

   を実現することができます。

   フラットな組織では、各社員の意識がほぼ横一線の状況にあるため、

    各社員の競争意識を促すこと

   が可能です。

   また、業務範囲の拡大によって各社員の

    仕事に対する責任感を強めること

   もできます。

   リエンジニアリングの導入に成功した企業では、顧客満足度の向上やコストの削減
   ばかりでなく、社員のモチベーションを高めることも実現してます。

   企業は社員に現われるプラス効果を継続するために、従来の年功序列の人事体制を
   見直し、能力主義、成果主義に移行するなどして、社員のモチベーションを高い位置で
   維持させるように取り組むことが重要です。

   また、リエンジニアリングを推進してきた過程をデータベースにまとめ、

    いつでもアクセスできる体制を構築

   していくことも大切です。

   一時リエンジニアリングの導入に成功したとしても、そのままの状態では刻々と変化
   する経営環境に柔軟に対応しきれなくなっていきます。

   これまで蓄積してきたノウハウを利用して、定期的なメンテナンスを行うことが必要と
   なってくるのです。

   こうした企業の変貌は、M.ハマーの

    リエンジニアリングとは「最初からやり直すこと」

   という言葉にも表れているます。

   また、M.ハマーは

    リエンジニアリングは「常に継続して行わなければならない」

   ともしています。

   リエンジニアリングが一時的なカンフル剤として終わらないよう、

    毎日の業務の中に浸透させる努力

   も必要だといえるのです。

                   お問合せ・ご質問こちら

                   メルマガ登録(無料)はこちらから


業務の改革改善

        

業務の改革改善


  改善とは短期の対策、改革とは長期の対策。

  ここでは改善について解説します。
   
  ■業務遂行のための優先順位の考え方

   業務改善や業務マニュアル作成において見落としがちなのが、この業務遂行の優先
   順位付けです。

   業務の優先順位付けは、日々多くの仕事をこなしていかなければならない社会人にとっ
   ては必須の能力です。

   優先順位付けの基本的な考え方を頭の中で“理解”しているだけではなく、日々、
   “実践”していかなければなりません。

   業務の優先順位付けで、往々にしてみられるのは、「自分のやりたい業務や、取り
   組みやい業務から進る」といったようなケースです。

   業務は会社のために遂行するものであり、会社がやってほしいと考えている業務と、
   自分がやりたい業務や取り組みやすい業務は必ずしも一致するわけではありません。

   従って、“自分本意の基準”ではなく、会社の視点に立って、業務の優先順位付けを
   行うようにしなければなりません。

   業務の優先付けを行う際の最も基本的な考え方は、業務の「緊急度」と「重要度」という
   2つの基準(業務の優先順位付け)に基づいて業務を整理するということです。

  □緊急度と重要度

   業務の優先順位付けマトリクスの中で、最も優先順位が高いのは「緊急度:高い、
   重要度:高い」の第1象限に該当する仕事です。

   次は、「緊急度:低い、重要度:高い」の第2象限、「緊急度:高い、重要度:低い」の
   第3象限と続き、最も優先順位が低い「緊急性:低い、重要性:低い」の第4象限に該当
   する業務となります。

   業務の優先順位付けを行う際に注意が必要なのは、「緊急度:高い、重要度:低い」と
   「緊急度:底い、重要度:高い」の業務の考え方です。

   業務に取り掛かる際には、緊急度の高い「緊急度:高い、重要度:低い」の業務から
   行わなければなりません。

   しかし、業務自体は「緊急度:低い、重要度:高い」のほうが重要なのです。

   多忙なときは、ともすると「緊急度:低い、重要度:高い」の業務は、長期にわたって
   後回しにしがちですが、重要性の高い業務ですので、しっかりとこなせるように注意して
   スケジュール管理を行わなければなりません。

   繁忙期などには、業務が立て込んで、忙しくなることもありますが、そうしたときに大切
   になるのが、「今、やらない業務を早めに決める」ということです。

   忙しいときには気持ちに余裕がなくなり、ミスを誘発する原因になってしまいます。

   また、責任感の強い人であれば、「なんとしても業務をこなさなければ」という意識か
   ら、無理をしてしまい、結果として心身の調子を崩してしまうことにもなりかねません。

   やらない業務を早めに決めることは、こうした事態に陥らないようにするために大切
   なのです。

   今やらない業務の判断基準は一概にはいえませんが、「緊急性:低い、重要性:低い」
   の業務は、少なくとも繁忙期が過ぎるまでは、やらない業務としたほうがよいでしょう。

   また、自分以外の人でもできる業務であれば、後に回すのではなく、ほかの人にお
   願いすることも検討しましょう。

   例えば、ルーチンワークなどは、ほかの人にお願いすることを検討すべきでしょう。

   なお、今、やらない業務を決める際には、自分勝手に決めるのではなく、必ず上司や
   当該業務に関係する人たちに報告・相談をするようにします。

  □担当する業務

   多忙なときでもミスなく業務をこなすために、今、やらない業務を決めることは大切に
   なります。

   その一方で、忘れてならないのは、自身の業務は、無意味に割り振られているわけ
   ではないということです。

   「この人なら、安心して業務を任せることができる」といった業務に対する信頼性、
   あるいは「これくらいの業務量はこなせるようになってほしい」「この業務を経験して、
   一回り成長してほしい」といった育成の観点など、各人が担当する業務には、単に
   仕事をこなすということ以上の意味合いが含まれています。

   ほかの人に業務をお願いするなどの対応をする際には、こうした点を十分に考慮する
   ことも忘れないようにしましょう。

  社内の環境整備

メガネとペン170.jpg   業務改善の中でもバックオフィス(事務部門)を収
   益に直結した部門にするためにも、早急に着手す
   べき重要課題です。

   そのためには、個人の裁量に任され「内務事務を
   勘と経験」でこなすやり方から業務を標準化した
   やり方に変えていく必要があります。

   自社(店)の事務部門の問題点を洗い出すことから
   始めましょう。

   収益を上げるには、

    ・組織のコミュニケーションを図る

    ・ムダ・ムラ・ムリを排除

    ・業務改善の基本となる5Sへの取り組みを実践

   そのためにも業務改善の方法と進め方を標準化し、特定の人だけでなく、全員でノウ
   ハウを共有できるようにします。

   営業部門はもとより、バックオフィス(事務部門)を収益に直結した部門にするため
   にも、社内環境の整備は早急に着手すべき重要課題です。

   収益を上げるための組織を改革するにはムリ・ムダ・ムラの排除にあります。

   改善する社内の業務は標準化(手順書)し、特定の人だけでなく、全員でノウハウを
   共有できるようにします。

   営業部門であれば、営業は大変だ、難しいと敬遠されがちだが、果たしてそうでしょ
   うか。

   そうではなく、社員全員が営業に関わる仕組みをつくり、組織を効率的・効果的に活か
   して利益をあげる仕組みをつくることです。

   一人の営業マンが川上から川下まで一顧客の面倒を全部見るプロセスをやめること
   です。

   事務部門であれば、役割を分担し誰に代わってもできる体制づくりが必要となります。

   プロセスを分割して分業化させたほうがトレーニングや仕事への慣れの観点から見て
   も効率が上がります。

   当然、一人が全てではなく一部だけを担当しているので、その人が欠けたときの影響
   も少なくなります。

   組織を強化するには「人に仕事を付ける」のではなく「仕事に人を付ける」ことで役割を
   分担し、業務を特定の人にだけ負担のかかるやり方から誰に代わってもできる
   『仕組み』の構築が必要となります。

   内務(事務)部門を収益に貢献する体制にするためには業務の標準化が欠かせま
   せん。

   業務の分業化により、社員一人ひとりが与えられたポジションで役割を担い、結果、
   組織力(チームパワー)により、ムリ・ムラ・ムダを排除することができるからです。

   うちの社員は能力がないと嘆いているトップもいるが、これは社員に能力がないの
   ではなく、社員に環境を与えていないことが原因なのです。

   社長自らがトップセールスマンとして毎日飛び回り、従業員には精神論を振りかざして
   いては、いつまでたっても人材は育たず、社内に仕組みもできません。
   
  □社内環境

   激変する経営環境の中で、トップ自らが過去の延長線上でのやり方・考え方をチェ
   ンジすることが、早急に着手すべき最重要課題ではないでしょうか。

   マンパワーに依存し、せっかくある組織がチーム力として生かされていないことで
   多くの弊害を生む結果となっています。

    営業:結果重視のマンパワー(精神論)営業により、営業社員のモチベーショ
        ン低下。

    社内環境:業務の多くを人力に任せることで、多くのムリ・ムダ・ムラが発生。

    経営リスク:日々の業務に追われ、気づいたときは最悪の事態。

   中小企業では、限られた現有資産を最大限に生かし、大企業以上に効率経営を
   実践していかなけれなりません。

   社内におけるさまざまな問題発生も、最小限に抑える対策を日常から講じておか
   なければ、最悪の事態を招きかねません。

   そのための第一歩が、

   「機械にできることは機械で、人にしか担えないことは人が担う」仕組みをつくること。

   しかし、現実はどうでしょう。

   機械にできることも人力に任せていることが、社内における問題発生の原因なの
   です。

   あなたの会社で起きるすべての問題は必然なのです。

   決して「運が悪かった」のではありません。

   これらの問題の多くは社内における教育(訓練)に原因があります。

   目先の売り上げにだけ目を向けず、中長期的に社員の品質アップを図ることが欠かせ
   ないのだが、教育制度の実態はさびしい限りである。

   中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

   この問題を解決しなければ、社内教育制度の構築は不可能です。

                         組織力強化マニュアルについてはこちら

  □標準化(マニュアル)する業務例 

     ・業務(役割)分担

     ・業務マニュアル(ベーシックトーク、苦情対応CS

     ・チェックシート(与信管理、人事労務、基本動作、報連相、電話応対、苦情対応)

     ・教育訓練(ロープレの実施)

     ・データベースの構築

     ・ハガキの活用

     ・基本動作マニュアル

   限られた現有資産を有効活用することが求められています。

   優秀な人材の確保が困難な環境の中で、「誰が手がけても一定の品質」が保てる仕組み
   をつくらなくては、いつまでたっても収益を上げることはできません。

   □マニュアルとは 

    ・ 仕事の手順書

    ・ マニュアル ⇒ 指示書 ⇒ フローチャート

    ・ 人の数だけ決まり事がある

    ・ 業務遂行におけるマニュアルとは、業務をスムーズに指導させる「手順書」

    ・ 自社(店)の向かうべき共通の方向性

   組織として、トップから現場スタッフまで共通認識として目指すゴールを視野に入れ
   なくてはならない。

   □マニュアルの利点

    ・新人をプロフェショナルにする

    ・マニュアルは基礎を知り学ぶもの

    ・「言葉で伝える」から「文書で伝える」

   □マニュアルがないと

    ・業務も人事も基準がなくなる

    ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生

    ・教える側の考えが優先し、教えられる側にスキルのばらつきが生じる

    ・教える側の思い込みが大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる

    ・社員のスキルをはかる基準ができず、社員の評価が主観的になる

    ・会社の統一感、一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかるマンパワーに依
     存してしまう

   □マニュアルの作成のポイント

    ・利用目的を明確にする

    ・評価基準がはっきりしている

    ・誰が読んでも理解できる

    ・手順が具体的で体系的

    ・見直す

   マニュアルの整備は業務の改革・改善であり会社のノウハウです。
   
  ■業務改善の実施

   業務改善を実施している会社は多数あります。

   しかし、業務改善を進めることが困難になり、頓挫したりするケースが多数あります。

   業務改善は全社・部門一丸となって推進していかなくては継続は難しいでしょう。

   そして入念な準備が必要です。

    1.調査の計画

      本調査に入る前に、業務改善の『目的・目標』の設定、ヒアリングや関連資料の
      収集、現場サイドとのスケジュール調整などの十分な事前準備を行う。

      (1)改善の目的・目標確定

        業務改善を始めるに当たり先ず、改善の『目的・目標』を決める必要があり
        ます。

        『何を・どこまでの範囲で・どのような方法で・誰が・いつまでに・コスト
        は』などを明確にする。

        特にプロジェクトを組んで複数の人員で行う場合、各人の漠然としたイメージ
        だけでは思い思いに考え出し、進むにつれその差が拡大し、結果達成する前
        に空中分解してしまう可能性がある。

        そうならないためにも、業務改善の『目的・目標』を文字や図などにより明確
        にし、共通化させる。

        また、書き表すことで整理や理解度も増す。
     
      (2)事前準備

          業務改善には、現状調査のため現地での調査が不可欠だが、いきなり調査
        を始めてしまうと思いもよらない事態になり、時間や労力をムダにしてしまう
        場合がある。

        ◇事前準備項目

          ・経営層・調査対象部門長等とのヒアリング等による聞き取り

          ・資料収集(関連規程・組織図・人員構成・帳票等)

          ・必要に応じフローチャートの作成

          ・課題点や改善方法の想定(改善目標や改善範囲の設定)

          ・調査シュケジュールの作成(調整・通達)
       
    2.現状分析  

      現状業務がどのように行われているかを的確に把握し、調査の事前準備におい
      て想定した課題点や改善方法の検証、同業社の基準値などとの比較検討を行う。

      (1)現状分析とは

        現状分析とは、現状業務がどのように行われているかを的確に把握し、調
        査の事前準備において想定した課題点や改善方法の検証、同業他社の基準
        値などとの比較検討を行うこと。

        現状分析が効果的に行えるか否かは、前項(2)の『事前準備』の出来如何だ
        といえる。

        準備もせず、闇雲に現状分析を行ったとしても、課題点はなかなか発見でき
        ない。

        『現状分析をすれば何かあるだろう』というものではなく、十分な事前準備を
        してからの実施が必要です。

      (2)現場情報の選別

        現地でのヒアリング等により、対象業務の担当者から課題点やニーズの情報
        を得ることは、務改善において大変有効的な手段と言えます。

        なぜなら、その業務の課題点や改善方法は、日々その業務を行っている人

        が一番詳しいからです。
 
        ただし、これらの全てが有効な情報ではなく、中には個人的な不満や要望だ
        ったり、改善目標と関係のないものもあるので、全て鵜呑みにするのではな
        く、自身の目や耳で確認するなどの情報の選別が必要です。


    3.問題点の洗出し

      調査担当者、実際に業務を行っている担当者、現場責任者など、あらゆる角度
      から、現状業務における問題点や課題点を洗い出す。

      (1)問題点の具体化

        問題点は、具体的なものにしなければ解決はできない。

        例えば、『○○が多いまたは少ない』『△△が遅い』『□□が弱い』では、問
        題意識のレベルであり、問題の解決にはもっと掘り下げ、問題をより具体
        化しなければなかなか改善へと発展して行きません。

        例えば、『帳票書類の提出が遅い』では何を改善すべきなのか分らないので、
        『仮払精算書が特に遅い(What)』『A部門に遅れる人が多い(Who)』
        『Bさんが課長になった半年前から増えた(When)』『課長が居らず決裁が貰
        えない(Why)』『出張が連続し会社に戻れない(Why)』など、5W1Hを問い
        かけながら、問題を具体化する。

        このように問題を具体化すれば、原因がはっきり見えてくるようになり、改
        善策も立て易くなります。

        例えば『B課長が出張の時は、C課長代理が決裁者とする』など。
 
        問題点が抽象的であると、その改善策も『早くするように努力する』『早期
        提出の徹底』など抽象的になり、根本的な解決には近づけない。


      (2)問題点や改善策を見つける

        業務改善を行なおうと、業務の問題点や改善策のアイデアを考えても直ぐに
        は出てこないこともあるし、普段あまり関与していない部署の業務改善となる
        と、なお更良いアイデアなどは、なかなか浮かんでこない。

        逆に、多種多様な問題点や改善アイデアが有り過ぎても、解決すべき問題点
        があやふやになってしまうことがあるし、また多方面からさまざまな趣旨によ
        り出された改善策は、その取りまとめが大変困難になる。

        これらの課題を解決する手法には、さまざまなものがあるが、代表的なもの
        としては、ブレーンストーミング(BS法)やKJ(川喜田二郎)法があげられ
        る。

        これらは、現在でも多くの企業研修や勉強会で採用されている手法です。

        業務改善項目や改善策は、改善担当者が机の上の業務フローチャートや帳
        票を眺めているだけでは、なかなか見つからないし、聞き取り調査でも真の問
        題点が出てこない場合もあるので、必要に応じこれらの手法を使い改善対象
        部署の人達と共に、改善箇所や改善アイデアを考えるようにします。
      
    4.改善計画書の作成

      (1)改善策の立案

        業務の問題点やその原因が判明できたならば、当初設定した改善目的や目
        標の達成度、経営全体からのバランスなども考慮し、いくつかの改善案から
        最良なものを選択し、改善案を作成します。

        改善案の内容には、数人で行う小規模なものから、会社全体で行う大規模な
        もの、導入化の難易度が低いものや高いものなど、さまざまな案があります
        が、自分一人で行う改善案でない限り、改善にかかわる人に、その内容を理
        解してもらい協力してもらうことが不可欠となります。

        そのためにも改善案は、具体的にわかりやすくまとめる必要があります。

     (2)改善案の優先順位

        @廃止・排除

         無駄なもの・必要のないもの・いらないものは、廃止または排除する。

        A簡素化・標準化

         全体を廃止する訳にはいかないが、部分的に見直し簡略または集約する。

        B変換・取替

         今までのやり方から、全部若しくは部分的にやり方を替える。
     
        業務改善のため、多くのルールーや規程を新たに決め、それを運用する人
        に大きな負担を強いるのでは良い改善策とはいえません。

        一番良い改善策は、改善目的を達成し、なおかつ運用者の負担を軽減する
        方法です。 


      (3)改善計画書の作成ポイント

        改善案が決まったならば、更にスケジュールやコストなどを決め、より具体化
        させ『改善計画書』にまとめる。

         ・数値化できるものは数値化し、後に評価・確認ができるようにする

         ・誰でも理解し易いものにする(表や図なども必要に応じ用いる)

         ・改善による期待効果を示す

         ・改善作業が長期に渡る場合は、期間を区切り(月毎など)進捗度を明
          記する

      (4)実施推進担当の選出

        改善案の実施には、ただ案を実施部署に渡しただけでは、なかなか進みま
        せんので、それを引っ張ってゆく推進担当(部門)が必要となります。

        推進担当は、調査分析担当者がそのまま担当する場合が多いですが、調
        査分析には『業務知識や分析能力』が求められるのに対し、推進担当には改
        善案を実施部署に説明し実施への協力を得るという『プレゼン能力や交渉力』
        が求められます。

        更に難しい局面では、技術や能力よりも日頃の人間関係がものをいうケース
        も多々あるので、場合によっては、再編成若しくは人材の追加が必要となる
        かもしれません。

        また、推進担当があまり前面に出すぎると、『指示する側』と『やらされる
        側』という意識が生まれてしまい、失敗原因と成りえるので注意が必要です。

    5.改善案実施

      計画書に則って、実施対象部署と実施推進担当者とが協力し、業務改善を実施
      する。

      (1)試行期間

        いくら考え尽くされた改善案であっても、実際に導入してみると、予想もし
        なかった事態が起きる事は多々あります。

        導入後の修正は、修正情報や新旧帳票が複雑に入り組んでいることにより、
        導入した部署の人達を混乱させてしまう可能性があります。

        新たな制度を導入する場合は、いきなり広範囲(全社)で行ったり、多額のコ
        ストをかけてしまうのではなく、本格的採用の前に2〜3ヶ月程度の試行期間
        を設け、その期間に不具合が見つかったならば修正を行うようにします。

        このように、本格導入後には極力修正を少なくすることが、推進担当や実施
        部署の無駄な労力削減、改善意欲の向上につながり、次回の改善提案の際
        での、積極的な受け入れや改善協力を得るための下地となります。

        逆に、試行期間を設けず導入後に不具合が多発するようでは、推進担当は
        現場からの信頼性を失い、次回の改善提案では、過度な抵抗にあうように
        なるかもしれません。

      (2)大きな前進より確実な一歩

        改善案は実施されなければ意味がありません。

        どんなに素晴らしいアイデアでも実施されてこそで、実施されなければ『絵に
        描いた餅』です。

        しかしながら、現実的にはなかなか実施または進まないことも多々あります。

        実施されないアイデアで多いのが、『範囲が広い・コストが高い・多くの人員
        を要す』などの、大掛かりなものが多くあります。

        これらが確実に実施されれば、効果は大きく問題要因の根本的な解決へと
        つながりますが、実施されなければ問題解決は全く進まず、何もしていないの
        と同じ状態です。

        改善案がなかなか実施されない、若しくは進まない場合は、先ず出来るとこ
        ろから取り掛かることを考えましょう。

        改善は、必ずしも根本的な解決を求めるものではありません。むしろ確実に

        一歩一歩進み、小さな成果を積み重ねて行くことが改善で、大きな成果を出
        すことは『改革・革新』の領域です。

    改善では、『大きな前進より確実な一歩』という考えが重要です。

  ■業務改善は業務の可視(見える)化から

   業務改善の方法と進め方は業務の手順を標準(マニュアル)化し、特定の人だけでなく、
   全員でノウハウを共有できるようにします。

   業務改善は大きなコスト削減につながり、収益改善につながります。

   売り上げが増えたから人を採用する、売り上げが落ちたから人件費を削る、といった
   安直な対処法を繰り返していると、人は育たず、会社に仕組みができません。

   業務改善の手順を参考に自社での業務改善を早急に試みてください。

   業務改善を実施するときに考えなくてはならないことがあります。

   何のために改善するのかという目的を明確にすることです。

    ・CS向上のため

    ・労働時間を短縮して生産性を上げるため 

   以下に業務改善の手法(ポイント)について列記しておきます。

   各部門で行われている業務を詳しくみると、本来の目的が見失われ従来からの慣例だ
   けで行われていることが多数あり、部門レベルでの改善は部門責任者が中心になっ て、
   部下の業務内容を十分に把握したうえで進める必要があります。
   
  □業務改善はルーチンワークから

   業務の効率化やコストダウンを実現することのできる業務改善は、企業が常に取り組んで
   いかなければならない課題の一つです。

   しかし、業務改善といっても、どこから手をつけていいのか迷うこともあるでしょう。

   業務改善は、定期的なルーチンワークを対象に行うと効果的です。

   ルーチンワークとは、きまりきった日常の仕事、日常業務を指します。

   新しく始める業務や突発的な業務であれば、無駄のないよう、事前にしっかりと手順を考
   えます。

   しかし、ずっと続けているルーチンワークは、「こういうものだ」と思って、業務の進め
   方を改めて見直す機会もないままに繰り返している場合が多いものです。

   その結果、先輩などから教わった方法で業務を進め、それをまた後輩に教え、といった
   ように、長い間見直されないままその業務が続けられている可能性があります。

   また、「これまでずっとやっていたから」というだけの理由で、本人にも意味の分から
   ない業務を行っている場合もあります。

   状況が変われば、業務の進め方も変わって当然です。

   それを旧来のままの方法で進めていては、非効率になっていることもあります。

   こうした業務を見つけることが業務改善の第一歩です。

   ただし、業務改善は思いつきで行ってもうまくはいきません。

   「目についた無駄からとりあえず削減していく」のも一つの方法とはいえますが、それで
   は抜け・漏れが多く発生してしまいます。

   細かな部分にばかり目がいって、大きな無駄を見逃してしまう可能性もあります。

   業務改善に取り組む際には、体系立って行うことが必要です。

    ・なくせないか?

    ・一緒にできないか?

    ・順序の変更はできないか?

    ・単純化できないか?

   ○実施手順

     (1)改善チームの編成
         ↓
     (2)業務の棚卸し
         ↓
     (3)対象業務の選定
         ↓
     (4)業務フローの作成
         ↓
     (5)業務フローの見直し
         ↓
     (6)新しいフローで業務実施


   ○改善に取り組むべき業務のポイント

     ・ 1回にかかる時間が長い業務

     ・ 発生する頻度が高い業務

     ・ 関係する人数が多い業務

    こうした業務は総作業時間が長いため、業務改善が高い効果を発揮することが期
    待できます。

   ○業務フローを正確に作成するポイント

    ・ 従業員自身が意識していない点があることを覚えておく

    ・ ヒアリングだけでなく、実際の業務の様子を観察したり、
      体験したりすることでより正確を期す

    これは工程の抜け・漏れを防止するため。


   ○新しい業務フローを定着させるポイント

     ・ 業務フローの見直しは、従業員の意見を聞きながら行う

     ・ 業務フローの見直し後にも従業員に声をかける

    従業員が新しい業務フローに納得しやすくなり、従前の業務フローで業務を行うこ
    とを防止するためです。


    業務を複雑にすることは簡単だが、シンプルにすることは難しい。

    しかし、業務の複雑化はさまざまな問題発生を起こす要因となります。
   
  部門ごとの改善ポイント

   同じ部門内のすべての社員について、誰がどのような仕事を担当し、どのくらいの時間を
   投入しているのかを把握します。

   これによって業務の重複によるムダや特定社員への業務の偏りなどの発生状況を確認し、
   改善します。

   また、各部門で行われている業務は、原則としてその部門が果たすべき役割に沿ったも
   のであるべきです。

   たとえば、製造部門の社員が顧客との属人的なつながりから例外的に営業フォローに回
   ることはあるかもしれません。

   しかし、それを日常的に行うことは組織としての役割に合致しません。

   本業である製造部門の社員としての役割を十分に果たせないばかりか、営業部門の社員
   の活動と整合性がとれなくなる可能性もあります。

   さらに各部門で行われている業務を詳しくみると、本来の目的が見失われ、従来からの慣
   例だけで行われていることもあります。

   たとえば、各種の報告書は、報告書作成自体が目的ではありません。

   その報告によって上司から適切なアドバイスがあるなど何らかの問題解決につながるこ
   とで初めて意味をもちます。

   ほとんど上司に読まれることなく放置されるだけの報告書(日報等)作成にかける時間は
   明らかにムダということになります。

   部門レベルでの改善は部門長が中心になって、部下の業務内容を十分に把握したうえ
   で進める必要があります。

    業務の重複によるムダは生じていないか

    特定社員への業務の偏りが大きすぎないか

    業務(役割)分担は明確になっているか

    業務手順は標準化・マニュアル化されているか

    その部門で行うのが適切な業務か、当該部門の役割に合致しているか

    それぞれの業務の目的と求められる成果は明確になっているか

    無意味な報告書(日報)作成や会議などが行われていないか

    繁忙期・閑散期などの季節変動を吸収する取り組みは行われているか

    各社員のスキル向上に向けた教育や訓練が組織的に行われているか

    上司の思いつきによる計画性のない指示・命令が頻発していないか

    ボトルネック(もっとも時間がかかる工程)改善のための取り組みは行われているか

    リードタイム(業務着手から完了までの時間)の適切な管理は行われているか

    上司は部下全員の労働時間について把握しているか

    恒常的に長時間労働を続けている社員はいないか

    上司は長時間労働している社員を「頑張っている」と単純に評価していないか

    メンタルヘルス面への配慮は十分に行われているか 

   個人レベルでの改善については、一つひとつの業務について「手順は適切か」、「各
   工程への投入時間は適切か」、「スケジューリングはきちんと行っているか」など正
   しい仕事の仕方について上司が指導していきます。

   上司によるこれらの指導は自社独自の業務マニュアルに沿って行うことがより効果的
   になります。

   また、自分が月単位、週単位でどの業務にどの程度の時間を使っているかという時間
   の有効活用度合い
についても考えさせます。

   たとえば、業務は「顧客訪問」など価値に直接つながる業務(主体業務)と「訪問準
   備」などの主体業務実施のための準備業務(付帯業務)に分けることができます。

   これらを区別し、主体業務比率を上げていくことも大切です。

   業務の生産性は個人のスキルに大きく左右されます。

   このことからも個人の能力に頼ったやり方から凡人でも能力のある人と同レベルに
   近い能力を発揮できる仕組みが必要となります。

   上司は各業務におけるマニュアルを基に各人に自分の伸ばすべきスキルを意識
   させ、向上に努めさせることが必要です。


  □個人レベルでの業務改善ポイント

    自分に正しい仕事の仕方が身についているかどうかをつねに意識しているか

    現在自分が抱えている業務について納期や
     期待される成果水準を把握しているか

    今後1カ月間のスケジューリングがきちん
     とできているか

    毎月、毎週、毎日の時間の使い方につ
     いて振り返りを行い、改善につなげているか

    自分の担当業務のすべてについて目的と
     求められる成果は明確になっているか

    自分が伸ばすべきスキルを意識しており、
     実際に向上に努めているか

    業務改善の方法と進め方の意義を理解して
     積極的に取り組む意志をもっているか

    上司の指示事項をそのまま遂行することのみに没頭していないか

    部門全体の役割を理解し、そのなかで自分の担当業務の価値について
     意識しているか

    残業代を得るために自ら残業時間を増やそうとしていないか

    生産性が低いとわかっていながら従来のやり方に固執していないか

    緊急度や重要度によって業務に優先順位をつけているか

    自分の能力、時間で対応できない業務について早めに上司に相談し
     ているか

    自分が業務で使っている時間が会社の経営資源であることを意識し、
     大切にしているか 

   これらを認識させるためにも人材育成、標準化の仕組みが欠かせません。
   
  ■業務の効率化

   「ムダ・ムラ・ムリ(三ムダラリ)の排除」「効率化」を考える場合、整理整頓や施設内
   のレイアウトなど、まず目に見えるモノに意識が向かいがちですが、仕事が「スムー
   ズに動いていない」と感じられたのなら、組織においてのムダがないかを再確認して
   みる必要があります。

   その原因に「組織構造」「役割分担」「コミュニケーション」の三つが挙げられます。

   1.組織構造上の問題

     会社の成長に伴って、抜本的に組織のあり方を見直すことなく、さまざまな部門を
     後づけで増やすといったツギハギだらけの会社が少なくありません。

     組織の改革・改善をおざなりにていると最悪の事態を招きかねません。

      ・業務の重複

      ・マンパワーに依存した体制

      ・業務が標準化されていない

      ・人材育成ができていない

      ・コンプライアンス、リスクマネジメント体制が構築できていない

      ・指揮命令系統と報告・連絡・相談系統が機能不全

      ・経営計画は画餅で、行動計画もなく、思いつきで行動

   2.役割分担が不明確

     同じ仕事に複数の人が関わったり、中堅社員が新入社員の指導ににかかりっき
     りになったり、誰にでもできる仕事に正社員が関わったりしています。

     役割分担は業務自体をルーチンワーク化し、誰に代わってもできることを目指し
     ます。

     言い換えれば、業務をシンプルにし、ルーチンワーク化することで組織を収益に直
     結した業務に集中させることを目的とします。

     組織における役割分担とは「人に仕事を付ける」から『仕事に人を付ける』ことで、
     業務の標準化を可能にするものです。

   3.コミュニケーションの悪さ

     経営におけるコミュニケーション不足に起因して発生する問題は多数あります。

     「社長の言いたいことが伝わらない」、「上司の指示が伝わらない」、「部門リーダ
     ーが部門全体を把握できていない」などさまざまです。

     コミュニケーションは自然に改善できるものではありません。

     原因を究明し、改善しない限り今後も問題が発生することは確実です。

     各社員はコミュニケーションを通じて自分の行動を決定したり、部下に指示を与え
     たりしています。

     全社員が結束して共通の目的に向かっていくためには、コミュニケーションの活性
     化(組織力強化)は経営上の生命線ともいえます。

  □改善の定着

   上記3点の改善のために日々の経営活動の中で、さまざまな改善を実施している企業は
   多いはずです。

   しかし、実態は毎日、いろいろな問題が発生し、その対処に追われているといった繰り返
   しです。

   「どこまでやってもキリがない…」「毎日、同じことの繰り返し」と感じている人も多い
   のではないでしょうか。

   改善とは、「悪いところを良い方向に改めること」である。すなわち、昨日までの仕事の
   やり方を変えることです。

   だが、改善を決心していったんやり方を変えたものの、「継続しない」「定着しない」
   という悩みを抱える会社は多いように感じます。

   「なぜ、改善が定着しないのだろうか?」

   それは、実施される改善の多くが、目先の問題解決のみに視点が置かれているからです。

   改善策が長期にわたって実施され、それが習慣となり、職場に定着するように考えられて
   いないため、定着しないのです。

   業務管理について再点検することをお勧めします。

  □習慣化のために欠かせない標準化

   改善したことを「習慣」として定着させるためには、だれもがすぐに理解して実行できる
   ようなものでなければならない。

   考えた人や作った人だけが理解しているような複雑で難解な改善案では、職場全体で
   実行できないし、すぐに形骸化してしまいます。
 
   このように「だれもが」「分かりやすく」「簡単に実行できる」形にするのが「標準化」
   である。

   その具体的な手法が、「5S」であり、「見える化」だ。

   標準化と言うと、型にはめられて融通が利かなくなるような印象を持つ人がいるようだ
   が、その反対である。

   標準化とは、変化に柔軟に対応するために行い、改善によってどんどん変化する業務を
   迅速に職場に定着させるために行うものです。

   よい方向に変化させた業務を素早くパターン化、ルール化して、職場全体の習慣として落
   とし込むことが、標準化の本質なのです。


  □標準化の手法「5S」

   「モノの置き場所や置き方を変える」「レイアウトを変える」「使用する道具を変える」
   などの改善に対しては、5Sによるアプローチが有効です。

   5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」のことであり、職場の効率化を行うためのマネジ
   メント手法。

   5Sの手法により、すべてのモノの存在意義、置き場所、置き方を明確にすることが、
   すなわち標準化。

   それによって、モノ自体やモノをどう使うのかといった先が見えるようなる。

   このように、すべてを5Sの考え方に沿って標準化していければ、簡単に職場全体にその
   改善を定着化させることができます。

   5S活動のよいところは、だれでも簡単に取り組める活動でありながら、効果が絶大な
   ところです。

   5S活動を単なる掃除のようにとらえている人もいるが、目に見えるモノの整理や整頓
   を超えて、取り組む人の意識を大きく変えていく力がある活動なのです。
 
   「社員の意識を変えたい」「気づき力を高めたい」という悩みを抱える経営者には効果
   的です。

  □標準化の手法「見える化」

   5Sによる標準化は、「目に見えるモノ」「実際に触れられるモノ」を対象とする。

   一方、「見える化」による標準化は、「目に見えないコト」を対象とします。

   見える化とは、「相手の意思にかかわらず、目に飛び込んでくる状態にすること」で
   あり、何を見えるようにするかは、企業の考え方次第である。

   改善を形骸化させずに定着化を図るには、変更した仕事を標準化する必要があります。

   その標準化の具体的手法として、5Sや見える化が有効なのです。

   ムダを省いて効率化を図り、これまで取りこぼしていた利益をしっかり回収したいという
   企業は、ぜひこうした取り組みを実施してください。 


                  小さな会社11の経営革新

   ・初めから大きなコストをかけず、小さな予算で始める(商売はバクチにあらず)

   ・収益の柱を複数持つ(卵を一つの皿に盛るな)

   ・「真似る」ことから始め、自社オリジナルの『仕組み』をつくる

   ・限られた人材を『人財』にするには基本動作習得を徹底する

   ・事業運営に「魔法の杖」はないと心得る

   ・「知っている」けど「やっていない」は知らないのと同じ

   ・成功や大きな報酬を手にするのは、実践者だけ(但し、実践は  “Just Do It!”)

   ・PC、TEL、FAXを営業の道具として活用する

   ・個人に頼ったマンパワーからチーム(組織)パワー

   ・穴の開いたバケツに水を入れない(経営において100万円の利益を出すことと、
     100万円の損失を未然に防ぐことは同じ価値を持っている)

   ・過去の延長線上でやっている限り、決して成果は得られない

   業務改善は経営の要。中小規模企業の多くが、掲載の課題を未解決のまま抱えて
   います。

   業務改善の方法と進め方については我流に頼ることなく、組織(チーム)全員の品質向

   上を図る上でも以下のコーナーをご活用ください。

    役割分担(業務の分業化・専門化)  社内会議のやり方   助成金活用 

    経営計画の策定  モチベーション(基本動作)アップ   コスト削減


   貴社の組織体制は健全に機能していますか?

    晴れ 業務改善のための強化策(コンサル・セミナー・研修・講演)のご案内

 

                         お問合せ・ご質問こちら 

                         メルマガ登録(無料)はこちらから 

 

業務改善は最優先課題

          

業務改善は最優先課題

  ■業務改善における認識不足

   弊社HPにも業務改善について記事掲載しているが、多くの中小企業ではこの
   テーマについてあまり重要視していないように感じる。

   中小企業だからこそ今の業務のやり方を改善し、限られた人材で収益アップを図っ
   ていかなければならない。

   今までのやり方・考えを変えていかなければ、いずれ衰退の一途をたどるしかない。

   それをトップや幹部は十分認識しなくてはならない。

   待ったなしの最優先課題なのです。

   「そのうちやる」「今までこのやり方でやってきてウマくいっている」「なんとかなる」…。

   このような考えをお持ちの経営陣が多いのではないでしょうか。

   会社経営は儲けることも大事だが、一番重要なのは潰さないことなのです。

   綱渡りのような経営をいつまで続けるつもりですか?

   業務改善のプロセスは決して難しいものではありません。

   難しいのは継続することです。

   しかし、やらなくてはならないのです。

   現有資産を有効活用していくには、今までの個人に依存したやり方では限界があります。

   会社は組織でありチームであることから、仕事も当然チームでおこなうはずです。

   しかし、現実には多くの中小企業がマンパワー依存から脱却できず、その結果が
   「ブラック企業化」へと向かってしまうのです。

   当時イトーヨーカドーの取締役であった鈴木敏文名誉顧問は、イトーヨーカ堂出店
   を進めて行くために地元の商店街などに「共存共栄」を説明して回ったそうだ。

   「当時、中小小売店の不振の原因は、生産性の問題であり、大型店との競争の結
   果ではないと考えて、規模の大小にかかわらず生産性を上げて人手を確保し、き
   め細かくニーズに対応していけば必ず成長の道が拓かれ、大型店と中小小売店の
   共存共栄は可能だと説得し続けていました。

   しかし、いくら言葉で言っても生産性の上がる中小小売店経営の実例がどこにもな
   いので、商店街の方々の納得を得るのは困難でした」(「セブン-イレブンの歴史」より)

    出典:現代ビジネス

   この問題がセブンイレブン設立において、加盟店への業務の標準(マニュアル)化
   を徹底したのだろう。

   今でもマニュアル化を否定する人もいるが、少子化や社会環境の変化に対応して
   いくためにも業務の標準(マニュアル)化は最優先課題です。

   セブンイレブンはドミナント出店によるブランド強化と合理性を追求した物流システ
   ムを構築こうした成果を上げることができたのも、いち早くマニュアル化を進めて
   加盟店を徹底的に管理してきたからだ。

   「最初の3カ月は本部の人間が入り、徹底的に指導する」(コンビニ関係者)

   セブンイレブンの例にもあるように、どの時代にあっても業務のマニュアル化が必
   須であることは確かです。  

   しかしどんなに素晴らしいビジネスモデルであっても、時間の経過とともに陳腐化し
   てくるという事例が、今のコンビニ業界で起きているといえます。

   マニュアルも定期的に環境の変化ににあわせて変えていくことを怠れば、今回のよ
   うに加盟店と本部におけるような問題が発生するのです。

                           お問合せ・ご質問こちら

                            メルマガ登録(無料)はこちらから

 

業務の改革改善

          

改善ではなく改革

  ■改善と改革

   業務改革は、

    業務の根本的な問題点を深く考えて、抜本的に対策するアプローチ手法

    業務改善は、企業の業績を良くするためのアプローチ手法

   業務の改革・改善を一言集約すると、

    改善は短期の対策

    改革は長期の対策

  □業務の改革改善がなぜ必要か

   中小企業において業務の改革改善が最優先課題であることはいうまでもありま
   せん。

   業務改善の目的の一つは、『いかに労働時間を短縮して生産性を上げるか』です。

   そのための手段として業務を改革改善(標準化)してマニュアル化します。

  □組織の改革・改善は形から入る

   組織においては人の数だけ決まり事がある。

   多くの会社が組織の改革改善に取り組んでいるでしょうが、日常業務をこなすこと
   ばかり集中しすぎると、業務本来の意味がわからなくなってしまう。

   すると、「完成図」がわからなくなり、「自分は何のために働いているのだろう?」と
   考えるようになり、モチベーションの低下につながります。

  業務の標準化

   最初に行う標準化は、

   ルーティンワークの洗い出し → 行動する時間の設定 → 同じ時間に行動する →

   意識しなくなるまで行動を継続する → 習慣化し、自動化(マニュアル化)する

   業務遂行におけるマニュアルとは、業務をスムーズに指導させる「手順書」である。

   ここで重要なことは改革改善するための型決めをすることです。

   その型に改革・改善すべきことがらを入れていくことです。

   そのほうが標準化のための決めごとが簡素化され、作成がスピーディーに進む
   からです。

   多くの組織で改革改善がおこなわれているが、作成自体が目的化されてしまい、
   習慣化するまでに至らず、とん挫したり、導入はしたけれど運用されないといった
   ことが起きてしまうのです。

   原因を集約すると、

    ・改革改善を実践指導するリーダーのスキル不足

    ・目的と手段の履き違え

    ・改革や改善のための議論だけが目的化されてしまっている

    ・標準化されたフォーム(型決め)ができていない

    ・改革や改善のためのマニュアルが文章だけに偏りチェックシート、
     フローチャート図、など目に見える形で構成されていない

    ・改革改善のためのプロセス(手順)が明確でない

    ・役割(業務)分担が不明確

  マニュアルの作成

   標準化ができあがったらマニュアル作成に進みます。

   マニュアルがないと、

    ・業務も人事も基準がなくなる

    ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生

    ・教える側の考えが優先し、教えられる側にスキルのばらつきが生じる

    ・教える側の思い込みが大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる

    ・社員のスキルをはかる基準ができず、社員の評価が主観的になる

    ・会社の統一感・一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかる
     マンパワーに依存してしまう

  □業務フローをマニュアル化する必要性

    (1)利用目的が明確 → 「誰のために」「何のために」

    (2)評価基準が明確 → ゴールをきちんと提示

    (3)誰が読んでも理解できる → 普遍的であること

    (4)一つひとつの手順が具体的で、体系的にまとまっている → マニュアル
          作成の核

    (5)見直してみる

   業務改善のために業務を標準化し、それをマニュアルとして整備している会社の
   マニュアルを拝見すると、それらのほとんどが「マニュアルらしきもの」であって、
   マニュアルとはいえないものを多数見受けます。

   理由は、

    ・言葉で説明しなければわからない

    ・内容が抽象的

    ・担当者にしか分からない

   といったことが挙げられます。

  □改革の必要がない会社は、ほとんどない

   「組織を変える」(以下「組織変革」)ことは、企業が永続していくためには常に直
   面する問題です。

   企業を取り巻く外部環境の変化や企業自身の内部経営資源の変化といった要
   因、あるいは新規事業進出・既存事業撤退などさまざまな要因が、企業に常に新
   しい組織像を求めてきます。

   しかし、その一方で既存事業を行うために完成された組織を変えることは非常に
   困難を伴う取り組みです。

   組織改革が難しい理由は、「組織には変わることを拒むという性質がある」ためです。

    (1)組織改革の必要性(現状のままでいることは許されない理由など)を
      理解させる

    (2)組織改革を通じて実現する新たな組織像や、そのためにどのように
      変わる必要があるかという具体的な方向性を示す

    (3)組織改革の成果を実感させる

  □組織を十二分に生かすために

   人が改革を拒む姿勢は、組織改革によって自身が悪影響を受けることが明らか
   な場合やどのような影響を被るのか不透明な場合だけではなく、しばしば自身に
   とってメリットの大きい結果が予想される場合においてさえみられる強力なものです。

   従って、個人レベルでの改革を行う場合には「分かっている『はずだ』」という思い
   込みは捨てて、「常に、組織改革の必要性や、新たな組織像を熱意を持って語り
   続ける」といったような姿勢が必要となるのです。

   実際に組織が直面する問題は非常に多岐にわたり、その状況も複雑です。

   そのため、問題の表面的な部分だけをとらえて施策を講じても、十分な効果を得
   ることが難しい場合が少なくありません。

   従って、問題を解決するための施策を検討・実施する際には、まず最初にこうした
   組織上の問題の特徴をしっかりと念頭に置いた上で、慎重に問題の原因を整理・
   分析するように心がけることが重要といえるでしょう。

   組織を十二分に生かしきれている会社は多くありません。

   会社経営における組織の重要性については言うまでもなく、ほとんどの社長は
   「限られた人員のなかで組織力を最大限に高めたい」と感じているはずです。

   組織力とは、「日々の活動のなかで確実に成果を作り出し、組織自身を成長させ
   る力」といっていいでしょう。

   組織とは単なる個人の集合体ではなく、メンバー全員のベクトルが一致し、トッ
   プ、部門リーダー、社員それぞれが自己の役割を明確にし、率先垂範していく集
   合体といえます。 

  □改善ではなく改革 

   物事をよくしていくためには「改善」と「改革」の2つのアプローチがあります。

   改善とは、基本的にはこれまでのルールを踏襲し、よい部分はより強化し、悪い
   部分は改めていくことです。

   多くの会社でも「職場ごとの業務改善活動」などは日常的に行われています。

   たとえば、「利益率を5%上げるために経費を見直す」といったレベルの活動がこ
   れにあたります。

   一方、改革とはこれまでのルールをいったん無視して、めざすべき目標達成のた
   めのルールを新たに構築していく方法です。

   当然、「職場ごと」という単位ではなく、全社的に取り組んでいくことになります。 

   たとえば「利益を3年間で10倍にする」という目標達成のためには改善レベルの
   活動の積み重ねでは対処できません。

   営業体制、商品構成、人事制度などあらゆる面から手を打っていかなければなり
   ません。

   まさに「劇的な変化」が求められます。

   本当の意味で会社を変えていくためには、このように「改善レベル」ではなく、「改
   革レベル」の決意と実践が必要です。

   しかし、「会社を変えたい」と願っている社長のなかには、従来のルールからなか
   なか抜け出せない人もいます。

   まずは社長自身が「絶対に改革をやり遂げる」という強い決意をもつことが大切です。

                         お問合せ・ご質問こちら

                          メルマガ登録(無料)はこちらから

 

 

社内提案制度

          

社内提案制度

  ■社内提案制度の概要

   厳しい経営環境が続くなか、会社の維持・成長に向けての社員一丸となった取り
   組みがこれまで以上に重要になってきています。

   社内提案制度はそのための有効な施策であり、すでに導入済みの中小企業もた
   くさんあります。

   しかし、導入当初は活発な提案があったものの、次第に社員の関心も薄れ、制度
   自体が形骸化しているといったことも多いようです。

   ここでは、社内提案制度を成功させるためのポイントについて紹介します。

   1.目的

     社内提案制度は社員から会社の業績向上や業務改善などに向けた提案を広
     く募集する制度です。

     社長や経常幹部が気づかない現場独自の発想や、若手ならではのユニーク
     な視点など、社内にいるすべての「人財」の英知を使って経営力を高めていこ
     うとする活動です。

     社内提案制度の目的を整理すると、

      <社内提案制度のおもな目的>

       ・会社業績への直接的な貢献(売上拡大・経費削減など)

       ・社員の経営参画意識の向上、一体感の醸成

       ・社員の問題解決意識・問題解決能力の向上

       ・社員のやる気、自立心の向上

     つまり、社内提案制度導入によって「直接的な業績貢献」のアイデアを得るだ
     けではなく、そのプロセスを通じて社員のさまざまな意識や行動を変えていくと
     いう効果も狙えるのです。

     たとえば、電気代節約のために「オフィスをエリアごとに区切ってこまめに照明
     を消す」というアイデアも、それが「社長指示」である場合と「社員からの提案」
     である場合は、その後の実践度合いに大きな差が出ることは容易に想像がつ
     きます。

     社員は自分たちからの提案だからこそ、「きちんとルールを守ろう」、「もっと節
     約できないか」といった意識が高まっていくのです。

   2.提案の種類

     社内提案制度で募集する内容としては、

     <提案内容のおもな種類>

      ・新規事業進出

      ・新商品開発

      ・社内制度改革

      ・顧客満足度向上

      ・現場レベルでの業務プロセスの改善(工数削減、品質向上、
       作業安全性向上など)

      ・経費削減

      ・社長のやる気や能力向上

      ・その他、全社の経営向上に役立つと思われる提案全般

     また、提案のレベルにも種類があります。

     たとえば、新規事業進出であれば、「こんな事業は有望なのではないか」と
     いった「思いつきレベル」のものから、実現までのステップやシミュレーションな
     ども含めた「事業プラン」までさまざまです。

     制度を活発化させるためには提案のためのハードルは低くしておき、より緻密
     なプランを提案した者についてはそれにふさわしい丁寧な評価を行うというス
     タンスが好ましいでしょう。

     なお、提案制度開始直後などには制度の主旨についての周知不足などから、
     たんなる要望(休日を増やして欲しい、福利厚生を充実して欲しいなど)が寄
     せられることがあります。

     これらに対しては頭ごなしに「提案拒否」するのではなく、「その要望を実現す
     るためにはどうすればよいのか、君にも考えて欲しい」といった、要望を提案に
     変えていくための指導も求められます。

   3.提案の単位

     提案の単位は「個人」と「グループ」の両方が考えられます。

     個人については正社員だけではなくパートやアルバイトなどからも募集するこ
     とで提案の幅が広がります。

     また、グループでの提案を奨励することで社員同士の連帯感を増す効果も期
     待できます。

     グループのなかに必ず他部門のメンバーを入れることで斬新なアイデア創出
     につなげることに成功しているケースもあります。

     <提案の単位>

      ・個人(パート・アルバイト含む)

      ・部門ごと(原則として部門全員が参加、リーダーは当該部門の
       上長とは限らない)

      ・部門内の有志(部門内の有志が参加)

      ・部門の枠を超えた有志(全社的な発想、斬新な発想が期待できる)

     なお、協力会社と密接に業務を行っている会社では、協力会社から自社への
     改善提案を受け付けているケースもあります。

     提案実現によって双方のコストダウンなどを図ろうという狙いです。

   4.提案の期間

     提案期間には「通年募集型」と募集期間を定めた「キャンペーン型」があります。

     幅広いテーマを通年で募集し、特定のテーマについてはキャンペーン型で集
     中的にアイデアを集めるといった方法が考えられます。

     なお、通年募集型にする場合でも、最低でも1カ月単位程度で周期をつくり、
     「○月提案分」として、集計・評価・発表を行うことが必要になります。

     提案した社員は自分の提案が会社にどのように受け止められているのかを気
     にしています。

     できるだけ短い周期でそれに答えることで社員のさらなる提案意欲は高まります。

     提案をしてくれた社員に対しては、受付後直ちに「あなたの提案は確かに受け
     付けた、評価結果発表は何月何日に行う」という通知をすることが必要でしょう。

     また、提案のなかには費用や準備が不要ですぐにでも始められるアイデアも
     あるはずです。

     これらのアイデアを長期間寝かせないためにも迅速な対応が求められます。
 
   5.提案の提出先

     提案の提出は大規模な会社であれば総務部門などが一括して受け付けて、
     予備評価後社長に渡すということもありますが、中小企業では社長自らがす
     べての提案を受け付けることが好ましいでしょう。

     「自分の提案に対して社長はどう思うのか」ということは社員にとって非常に気
     になるところです。

     社長自身が真っ先にすべての提案に目を通すとはっきり示すことで、社員の
     提案意欲も高まります。

     前述のように、提案のなかにはたんなる「要望」や「苦情」に近いレベルのもの
     が含まれていることもあります。

     提案制度の主旨からはこれらへの対応に社長の時間を割くことは非効率です。

     しかし、「要望」や「苦情」は社長が日頃聞けない「社員の生の声」でもあります。

     「提案」には値しないとしても、これらに社長自身が目を通すことで現場の状況
     や個々の提案者の気持ちを理解することにつながります。

     また、全社のためになる前向きな内容でありながら、直属の上長にとっては自
     分のマネジメントを否定されたように感じる「耳の痛い」内容もあるでしょう。

     社員が遠慮して提案をやめてしまわないためにも、上長が部下に提案内容に
     関する偏った圧力をかけてしまわないためにも、提案の提出先は少なくとも直
     属の上長は避けたほうがよいでしょう。

  □評価方法

   社員から集まった提案については次のようなステップで評価するとよいでしょう。

   なお、すべての提案に社長自身が目を通すことが重要ですが、予備評価の要件
   をクリアしているかどうかのチェックは担当部長などに任せても構いません。

   1.予備評価

     内容が「提案」としてふさわしいものかどうかを判断します。

     稚拙な内容であっても提案者の前向きな姿勢が感じられるものについては本
     評価の対象とします。

     予備評価の段階で外すべき提案としては次のようなものがあります。

     <予感評価の段階で外すべき基準>

      ・個人に対する批判

      ・公序良俗に反する内容

      ・匿名による提案

      ・要望のみで改善のための具体策がない提案

      ・過去にまったく同じ内容の提案があった提案(環境変化
       などで提案の意味合いが変わっている場合は検討可)

     なお、予備評価で外した場合でも、なぜそのようになったのかの理由を提案者
     にフィードバックする必要があります。

     特に「要望」や「過去の同一提案」の場合などについては、どのようにすれば
     「提案」として認められるのかを指導して次回捏案に向けた動機づけを図るこ
     とが大切です。

   2.本評価

     予備評価を通過した提案について本評価を行います。

     本評価対象となった提案は件数としてカウントし、すべて報奨の対象とします。

     本評価は社長だけではなく、役員クラス、部長クラスで構成した「評価委員会」
     でさまざまな角度から議論します。

     本評価では提案の効果や必要となる費用など、複数の視点で各項目ごとに3
     段階程度にポイントをつけて、合計点数によって最終的な評価をします。

     ◎本評価の評価基準例

      @効果性

       提案が実現した場合の効果を評価します。

       売上増・経費削減など直接的な効果の他、業務効率性アップ
       や社員のやる気向上なども効果として扱います。

       効果が大きいものは高い評価になり、効果が小さいものは
       低い評価になります。

       なお、効果性は評価のなかでもっとも重視すべき基準であり、
       ほかの評価項目よりも高い配点を与えます。

            「効果性」のポイント例.bmp 
      A適用範用

       提案を適用できる範囲を評価します。

       全社で適用できるものなど適用範囲が広いものは高い評価
       になり、限定部門や狭い職種にしか適用できないものは低い
       評価になります。

            「適用範囲」のポイント例.bmp

       B準備期開

       提案開始までに必要な準備期間を評価します。

       ほとんど準備なしで始められるものは高い評価になり、さまざま
       な段取りや業務設計の見直しが必要になるなど準備期間が長い
       ものは低い評価になります。

            「準備期間」のポイント例.bmp

      C必要資金

       提案実現に必要な初期投資やランニングコストを評価します。

       効果性との兼ね合いもありますが、現在の社内の資金状態に
       照らし合わせて、少ない資金で対応が可能であれば高い評価
       になり、多大な資金が必要なものは低い評価になります。

            「必要資金」のポイント例.bmp
      D難易度

       提案実現のために必要な新技術の難易度や、熟練者だけでは
       なく誰でも一定のトレーニングを積むことによって対応可能か
       などを評価します。

       難易度が低ければ高い評価になり、難易度が高ければ低い
       評価になります。

            「難易度」のポイント例.bmp

     E提案実施による悪影響

       提案実現によって他部門やほかの業務にマイナス面が生じない
       かどうかを評価します。

       まったく悪影響がない(簡単な対応で回避できる)場合は高い
       評価になり、避けがたい相応のマイナスが生じる場合は低い
       評価になります。

            「提案実施による悪影響」のポイント例.bmp
      F独創性

       着想や手法の独創性を評価します。

       これまでにない独創的な提案は高い評価になり、過去の延長
       線上の提案は低い評価になります。

            「独創性」のポイント例.bmp

      G現在の職責との関係防係

       提案内容が提案者の現在の職務に直接関連しているかを評価
       します。

       関連が低い内容であれば職責以外にも広い視野があることを
       認め高い評価となり、関連が高ければ本来の職責遂行の一環
       とみなし低い評価になります。

            「現在の職責との関係」のポイント例.bmp

  □報奨方法

   1.報奨制度

     提案者に対してはその労をねぎらうとともに次回の提案につなげるために報
     奨を行います。

     報奨制度としては次のようなものが考えられます。

     (1)月間(年間)最優秀提案賞

       当月度の提案のなかで本評価のポイントがもっとも高かった提案に最優秀
       賞を与え、2位、3位についても優秀賞として評価します。

       さらに、年間を通じてもっともポイントの高かった提案は年間最優秀賞とし
       て評価します。

     (2)月間(年間)最多提案賞

       本審査に進んだ提案はすべて1件としてカウントし、誰がもっとも多くの提
       案をしたかの「量」を評価します。

       提案内容は稚拙であっても、前向きな姿勢を評価するものです。

       同様に年間を通じてもっとも提案件数の多かった者は年間最多提案賞とし
       て評価します。

     (3)業績貢献賞

       提案内容が実現され、顕著な効果が生じた場合に、その度合いに応じて報
       奨を与えます。

       提案者だけではなく、提案実践に中心的な役割を果たしたメンバーもあわ
       せて評価します。

   2.報奨内容

     提案制度の報奨内容としては次のようなものが考えられます。

     (1)金一封支給

       評価ポイントの合計によって金賞、銀賞、銅賞などのランクをつけて、それ
       ぞれ数千〜数万円程度の金一封を支給します。

       年間最優秀賞にはさらに高額な賞金を支給することも考えられます。

       また、「提案と認められれば、ポイントに関係なく1件につき500円」というよ
       うに最低支給基準を設けておくことも有効です。

     (2)人事考課上の加点

       優れた提案や数多くの握案をした者に対しては、人事考課において加点評
       価を行います。

       社員にはあらかじめそのような扱いをすることを周知させておきます。

     (3)賞状やトロフィーなどの授与

       朝礼など全社員の集まる場において、社長自らがねぎらいの言葉とともに
       賞状やトロフィーなどを授与します。

     (4)事業推進者として抜擢

       新規事業などで特に優れた提案があり、提案者が自らその事業の立ち上
       げを希望し、かつ本人の資質も認められる場合には、「社内起業」として提
       案者を新規事業推進責任者として抜擢することも考えられます。

       提案者には開発予算や必要な人材などを与え、事業推進にあたらせます。

  □提案制度を活性化するために

   提案制度を導入当初だけの一時的な盛り上がりに終わらせずに、確実に社内に
   定着・活性化させていくためには次のような点に留意する必要があります。

   1.提案に対して迅速かつ丁寧に対応する

     社員が提案を行っても、それが長期間放置されていれば、やる気は急速に失
     われてしまいます。

     提案制度導入に際しては、評価方法、結果発表日などのルールを告知して、
     ルールどおりに運用していくことが絶対条件です。

     また、結果発表で終わらせずに、採用された提案を実際にどのように実現して
     いくかという計画をはっきりと示すことも重要です。

     なお、ピント外れのような提案をしてくる社員に対しても、少なくとも前向きでま
     じめな提案であれば、次回に向けて丁寧な指導をする必要があります。

     自分の提案に対して「バカにされた」という印象を受けた社員は二度と提案を
     してこなくなります。

   2.ハードルを下げる

     社員に気軽に提案してもらえるように、提案のためのハードルを下げることも
     有効です。

     たとえば提案書のフォーマットは「提案事項」、「提案理由」、「期待効果」の3項 
     目だけの記入で済むようにしておけば、社員の負担は軽くなります。

     より緻密な提案をしたい社員に対しては添付資料などでそれを説明してもらう
     ようにする。

     また、特別なフォーマットを用意しなくても、日報や週報などに「提案欄」を設け
     て、前述の3項目を記入してもらう方法もあります。

     さらに紙ベースだけではなく、社内メールに提案のための専用アドレスを設定
     して、気軽に投稿できるようにする方法も考えられます。

   3.提案ガイドを作成する

     特に制度導入当初には社員が提案にあたってどのような心構えで臨んで、具
     体的にどのように提案すればよいかのガイドを作成して配布する。

     ガイドには以下のような内容を分かりやすく記載します。

     <提案ガイドの内容>

      ・提案制度導入に至った背景

      ・制度導入で期待している効果

      ・提案の締め日、提出方法、提案の種類、評価方法、報奨などに
       関するルール

      ・提案書の記入例

 

                           お問合せ・ご質問こちら

                           メルマガ登録(無料)はこちらから

 

業務改善の考え方と方法

         

業務改善の考え方と方法


  ■業務改善の成否は部門長(リーダー)次第

   業務改善とは仕事の仕方を現在よりも好ましい方法に変えていくこと。

   多くの会社ではさまざまなテーマで業務改善への取り組みが行われていますが、
   活動が途中で頓挫したり、一時的な効果にとどまっているケースもみられます。

   要因の一つに部門長(リーダー)の改善のためのノウハウやスキルが備わってい
   ないことがあげられます。

   業務改善の成否は部門長(リーダー)にかかっているといっても過言ではない。

   多くが改善の仕組みづくりが目的化し、仕組みを動かすリーダーの教育ができて
   いません。

   どんなに素晴らしい仕組み(ハード)をつくっても、それを動かす人(ソフト)の教育
   ができていなければ、仕組みという箱ものづくりだけで終わってしまう。

   業務改善の仕組みづくりは手段であり、目的は仕事の仕方を現在よりも好ましい
   方法に変えていくことです。

   業務改善に着手する前に、部門長(リーダー)の品質を向上させることが重要とな
   ります。

   1.業務改善の考え方 (成果/労力=生産性)

     会社におけるすべての業務は何らかの目的にしたがって成果を生むために行
     われています。

     その生産性を上げるために行うのが業務改善です。

     上記の式からもわかるように、生産性を上げるためには、「分子の成果を増や
     す」、または「分母の労力を減らす」ことが必要になります。

     もちろん2つを同時に行うことができれば、生産性は飛躍的に上がります。

     業務改善を検討する際には両方向からのアプローチが効果的です。

     このように生産性向上のための基本的な考え方は、「適切な成果」のために
     「適切な労力」を投下していくことです。

   2.適切な成果

     企業活動の原則は顧客にとっての新たな価値を生み出すことにより、自社の
     収益を確保していくことです。

     そのために必要な製造や販売を行うことや、それらの活動を統制していくため
     の管理活動は適切な成果に向けた活動と捉えることができます。

     以上を整理して「適切な成果」とは何かについて考えてみると、それは次の条
     件のいずれかを満たしていることになります。

      ・顧客にとっての新たな価値を生み出していること(直接的成果)
      ・顧客価値創出のための自社組織運営に役立っていること(間接的成果) 

     全社の業務の棚卸しをすると多くの場合、上記の条件に当てはまらない「意味
     不明」の業務が見つかります。

     たとえば、「顧客ニーズの変化に対応できていない商品開発や販売活動」はそ
     の代表例です。

     これらについては、いくら手順を見直しても成果に結びつくことはありませんか
     ら、業務そのものをやめてしまうことを検討します。

   3.適切な労力

     「適切な労力」実現について考えてみると、そのためには、「3ムダラリ(ムダ・
     ムラ・ムリ)」をなくすことが基本となります。

      ムダ:成果に結びつかない余分な労力が使われている状態

      ムラ:ムダとムリが混在して起こっている状態

      ムリ:一部の工程や人間に過度の負担がかかっている状態

     以上のことを冒頭で述べた生産性を示す式の分母と分子に当てはめると、次

     のような改善の方向性が明らかになります。

   4.各階層で業務改善に取り組む     

     また、業務改善は社員一人ひとりの個人レベルから会社全体レベルまでさま
     ざまな階層で考える必要があります。

     社員一人ひとりがいくら努力して生産性を向上しても、個人レベルの積み上げ
     だけでは効果は限定的です。

     逆に全社で掲げた業務改善計画が個人レベルまで適切にブレイクダウンされ
     ていなければ、計画は画餅に帰してしまいます。 

     全社、部門全体、個人がそれぞれのレベルで、互いに整合性のとれた業務改
     善活動を行うことが大切です。

     このように自社の業務改善を検討する際には、

      ・成果の拡大と労力(投入時間)の削減を同時に行うにはどうすればよいか

      ・全社レベルから個人レベルまで一体となった活動を行うにはどうすればよ
       いか

     という視点をつねにもち続けておく必要があります。

   5.社長による動機づけが必要

     業務改善活動は通常の業務にプラスする形で行われますので、特に活動の
     成果がまだ出ていない取り組み当初は社員にとって負担感は大きくなります。

     社員の積極性を促すには、会社としての活動の重要性だけではなく、活動の
     成果が社員一人ひとりに与えるメリット(労働時間短縮・能力向上など)につい
     ても説明して、十分な動機づけを行う必要があります。

  □全社レベルでの改善

   1.組織構造の改善

     全社レベルでのもっとも重要な「成果」とは、全社経営計画の実現に他なりま
     せん。

     自社の経営計画実現のために必要な事業プロセスを明確にし、そのプロセス
     に応じた最適な組織構造に変えていくことが必要です。

     業種業態によって違いはあるが、たとえば、製造業の標準的な事業プロセス
     は次の図のように整理することができます。

     これらのプロセスを踏まえて自社の組織に過不足がないかを確認します。

     たとえば、製造業のなかには、上記図の@〜Bの上流工程実現のための組
     織は充実しているが、CDの下流工程やEの管理工程実現のための組織が
     適正に配置されていないことが多くあります。

     その結果、高品質の製品を作ることができても、「顧客の購買促進や満足度向
     上につながらない」、「全社の事業プロセスが円滑にコントロールできない」と
     いった事態を招いているケースもみられます。

     次のような視点で全社の組織構造について確認してみましょう。

     <組織構造改善のポイント>

      ・事業プロセスに必要な組織が抜けていないか

      ・事業プロセスには関係のない組織が存在していないか

      ・同じプロセスを実現するための組織が重複していないか

      ・特定部門の肥大などバランスを欠いた組織編成になっていないか

      ・全般を管理する組織(総務、経理、人事、経営企画など)はあるか

      ・事業戦略面で特に重要な組織は十分に機能しているか

      ・それぞれの部門長には適切な権限と責任が与えられているか

   2.労働時間の短縮

     業務改善の大きな狙いのひとつは、生産性を上げて労働時間を短縮すること
     です。

     しかし、全社的に「長時間労働が当たり前」、「長時間労働した者が評価され
     る」という雰囲気があれば、改善は進みません。

     社長は自社の労働時間の実態や残業に対する社員の意識などを把握して、
     短縮に向けた仕組みづくりや雰囲気づくりを進める必要があります。

     また、業務改善によって残業代が大幅に削減できた場合は、その山部を原資
     として社員に賞与のなかで還元するなどの施策も求められるでしょう。

     <労働時間短縮のポイント>

       ・社長自身が長時間労働を推奨するような発言をしていないか

       ・長時間労働が評価される組織風土はないか

       ・全社の総労働時間、残業時間、所定労働時間の水準は適正か

       ・部門ごとの総労働時間に大きなバラツキはないか

       ・総人件費に占める残業代の割合が高すぎないか

       ・変形労働時間制やみなし労働時間制などの導入によるメリットは
        ないか    

       ・サービス残業(賃金の不払い残業)は発生していないか

  部門レベルでの改善

   同じ部門内のすべての社員について、誰がどのような仕事を担当し、どのくらい
   の時間を投入しているのかを把握します。

   これによって業務の重複によるムダや特定社員への業務の偏りなどの発生状況
   を確認し、改善します。

   また、各部門で行われている業務は、原則としてその部門が果たすべき役割に
   沿ったものであるべきです。

   たとえば、製造部門の社員が顧客との属人的なつながりから例外的に営業フォ
   ローに回ることはあるかもしれません。

   しかし、それを日常的に行うことは組織としての役割に合致しません。

   直接部門である製造部門の社員としての役割を十分に果たせないばかりか、営
   業部門の社員の活動と整合性がとれなくなる可能性もあります。

   さらに各部門で行われている業務を詳しくみると、本来の目的が見失われ従来か
   らの慣例だけで行われていることもあります。

   たとえば、各種の報告書は、報告書作成自体が目的ではありません。

   その報告によって上司から適切なアドバイスがあるなど何らかの問題解決につな
   がることで初めて意味をもちます。

   ほとんど上司に読まれることなく放置されるだけの報告書作成にかける時間は明
   らかにムダということになります。

   部門レベルでの改善はリーダー(部門長)が中心になって、部下の業務内容を十
   分に把握したうえで進める必要があります。

   <改善のポイント>

     ・業務の重複によるムダは生じていないか

     ・特定社員への業務の偏りが大きすぎないか

     ・社員の経験や能力に応じた業務分担になっているか

     ・業務手順は標準化・マニュアル化されているか

     ・その部門で行うのが適切な業務か、当該部門の役割に合敦しているか

     ・それぞれの業務の目的と求められる成果は明確になっているか

     ・無意味な報告書作成や会議などが行われていないか

     ・繁忙期・閑散期などの季節変動を吸収する取り組みは行われているか

     ・各社員のスキル向上に向けた教育や訓練が組織的に行われているか

     ・上司の思いつきによる計画性のない指示が頻発していないか

     ・ボトルネック(もっとも時間がかかる工程)改善のための取り組みは行われて
      いるか

     ・リードタイム(業務着手から完了までの時間)の適切な管理は行われている
      か

     ・上司は部下全員の労働時間について把握しているか

     ・恒常的に長時間労働を続けている社員はいないか

     ・上司は長時間労働している社員を「頑張っている」と単純に評価していない
      か

     ・メンタルヘルス面への配慮は十分に行われているか

  □個人レベルでの改善

   個人レベルの改善では、まず、個人ごとに自分が担当している業務についてすべ
   て列挙させたうえで、それぞれの業務の目的や求められる成果を確認することか
   ら始めます。

   その際に単純に「上司からの指示に従うこと」を目的とせず、その業務がもつ本来
   的な価値について考えさせます。

   そして、一つひとつの業務について「手順は適切か」、「各工程への投入時間は適
   切か」、「スケジューリングはきちんと行っているか」など正しい仕事の仕方につい
   て上司が指導していきます。

   また、自分が月単位、週単位でどの業務にどの程度の時間を使っているかという
   時間の有効活用度合いについても考えさせます。

   たとえば、業務は「顧客訪問」など価値に直接つながる業務(主体業務)と「訪問
   準備」などの主体業務実施のための準備業務(付帯業務)に分けることができま
   す。

   これらを区別し、主体業務比率を上げていくことも大切です。 

   さらに、業務の生産性は個人のスキルに大きく左右されます。各人に自分の伸ば
   すべきスキルを意識させ、向上に努めさせることが必要です。

   <改善のポイント>

     ・自分に正しい仕事の仕方が身についているかどうかをつねに意識している
      か

     ・現在自分が抱えている業務について納期や期待される成果水準を把握して
      いるか

     ・今後1カ月間のスケジューリングがきちんとできているか

     ・毎月、毎週、毎日の時間の使い方について振り返りを行い、改善につなげて
      いるか

     ・自分の担当業務のすべてについて目的と求められる成果は明確になってい
      るか

     ・自分が伸ばすべきスキルを意識しており、実際に向上に努めているか

     ・業務改善の意義を理解して積極的に取り組む意志をもっているか

     ・上司の指示事項をそのまま遂行することのみに没頭していないか

     ・部門全体の役割を理解し、そのなかで自分の担当業務の価値について意識
      しているか

     ・残業代を得るために自ら残業時間を増やそうとしていないか

     ・生産性が低いとわかっていながら従来のやり方に固執していないか

     ・緊急度や重要度によって業務に優先順位をつけているか

     ・自分の能力・工数で対応できない業務について早めに上司に相談している
      か

     ・自分が業務で使っている時間が会社の経営資源であることを意識し、大切に
      しているか

   初めに書いたように「業務改善は今までの業務のムダ・ムラ・ムリを排除し、仕事

   の仕方を現在よりも好ましい方法に変えていくこと」といいました。

   しかし残念なことは、

    ・改善を実践指導するリーダーのスキル不足

    ・目的と手段

   などによって、とん挫してしまうことを多数見聞きします。

                      お問合せ・ご質問こちら

                      メルマガ登録(無料)はこちらから

 

ECRSの原則で日常業務を見直す

         

ECRSで業務改善

  ■カイゼンの基本「ECRSの原則」で日常業務を見直す

   1.ルーチンワークを見直す

     業務の効率化やコストダウンを実現することのできる業務改善は、企業が常
     に取り組んでいかなければならない課題の一つです。

     しかし、業務改善といっても、どこから手をつけていいのか迷うこともあるでしょ
     う。

     業務改善は、定期的なルーチンワークを対象に行うと効果的です。

     新しく始める業務や突発的な業務であれば、無駄のないよう、事前にしっかり
     と手順を考えます。

     しかし、ずっと続けているルーチンワークは、「こういうものだ」と思って、業務
     の進め方を改めて見直す機会もないままに繰り返している場合が多いもので
     す。

     その結果、先輩などから教わった方法で業務を進め、それをまた後輩に教え、
     といったように、長い間見直されないままその業務が続けられている可能性が
     あります。

     また、「これまでずっとやっていたから」というだけの理由で、本人にも意味の
     分からない業務を行っている場合もあります。

     状況が変われば、業務の進め方も変わって当然です。

     それを旧来のままの方法で進めていては、非効率になっていることもありま 
     す。

     こうした業務を見つけることが業務改善の第一歩です。

     ただし、業務改善は思いつきで行ってもうまくはいきません。

     「目についた無駄からとりあえず削減していく」のも一つの方法とはいえます
     が、それでは抜け・漏れが多く発生してしまいます。

     細かな部分にばかり目がいって、大きな無駄を見逃してしまう可能性もある。

     業務改善に取り組む際には、体系立って行うことが必要です。

     業務改善に取り組む際の方法にはいくつかありますが、以降では、「ECRSの
     原則」を利用した改善方法を紹介していきます。

   2.ECRSの原則を利用した業務改善の進め方

     (1)ECRSの原則とは
       ECRSの原則とは、もともと生産管理の手法で、製造工程(ライン)の見直し
       を行う際の基本的な考え方です。

       ECRSは、見直しに当たって考えるべき事項の頭文字をつなげたもので、 
       それぞれ具体的には以下の通りです。

       ◎ECRSの原則
        なお、ECRSは単に頭文字をつなげただけではなく、その順番にも意味が
        あります。

        「E」が最も効果が高く、「S」に向けて効果が低くなっていくという順に並ん
        でおり、実施に当たっては、「E」「C」「R」「S」の順に考えることが重要
        なのです。

         (E)Eliminate:なくせないか?
           →その工程をなくすことはできないかを考える。
         (C)Combine:一緒にできないか?
           →複数工程をまとめて処理することができないかを考える。
         (R)Rearrange:順序の変更はできないか?
           →工程の順序を入れ替えることで効率化できないかを考える。
         (S)Simplify:単純化できないか?
           →その工程をもっと単純なやり方に置き換えることはできないかを考
             える。

           ここで一つ例をみてみる。

           例えば、A、B、Cという3人がそれぞれX、Y、Zという3種類の書類を
           作成しているとします。

           このX、Y、Zの書類は、内容はほとんど同じですが、提出先が違うと
           いうことで、3人の担当者がそれぞれ個別に作成しています。

           同じような書類を3種類も作成するのは、明らかに無駄であり、改善
           したいところです。

           この業務をECRSの原則に従って改善するとどうなるか、順にみてい
           きます。

           なお、この書類は毎月1回作成するものであり、作成にはそれぞれ2
           時間かかるものとする。

           @E:なくせないか?

            まずは、無駄な工程を省くことを考えます。

            これは、ECRSの原則では、最も効果が高い方法です。

            この例であれば、内容がほぼ同じ書類が3種類あるなら、Xだけ作
            成し、残りの2種類の作成をそもそもなくしてしまうというのが、この
            「E」です。

            書類を作成するのにそれぞれ2時間かかるため、Y、Zの作成をな
            くすことで4時間の削減ができます。

           AC:一緒にできないか?

            なくすことができない場合、複数の作業をまとめることで時間の短
            縮を図ります。

            1人の作業だけでなく、複数人が同じような作業を行っている場合
            に、作業を1人にまとめるなども有効です。

            この例であれば、3人が個別に作成していた書類を、誰か1人がま
            とめて作成すればほかの2人は書類作成から解放されます。

            内容はほぼ同じ書類であるため、体裁の変更など軽微な修正で対
            応できるでしょう。

            修正にそれぞれ30分かかるとしても、全体の作業時間は2時間+
            30分×2種類で3時間となり、3時間の削減ができます。

            実際に書類を作成する人は作業時間が1時間長くなりますが、A、 
            B、Cの3人で作成を持ち回りとすれば、年間で各人が書類を作成
            する回数は4回ずつ、かかる時間は3時間×4回で12時間となりま
            す。

            各人が個別に作成していた場合、年間で2時間×12回の24時間
            かかっていたため、各人の作業時間は半減します。

           BR:順序の変更はできないか?

            なくすことも一緒にすることもできない場合、順序を変更することで
            効率化が図れないかを考えます。

            複数人が関係するような業務で、手待ちの発生を最小限にする場
            合などに役立ちます。

            この例であれば、3人が個別に作成していた書類を誰か1人が作 
            成し、そのデータを基にほかの2人が作成するようにすれば、ほか
            の2人の作業時間は短縮できます。

            もらったデータを基に各人が自分用の書類を作成するのにかかる
            時間が1時間とすると、全体の作業時間は2時間+1時間×2人で
            4時間となり、2時間の削減ができます。

           CS:単純化できないか?

            ここまでみてきたいずれも適用することができない場合、それぞれ
            の作業を単純化して時間を短縮することを考えます。

            ここまでは作業工程全体という大きな流れでとらえてきましたが、
            「S」については個別の作業について詳細に分析して単純化を図り
            ます。

            この例であれば、X、Y、Zの書類の内容を簡略化してより短時間で
            作成が可能なx、y、zとすれば、各人の作業時間を短縮できます。

            仮に書類作成の時間が30分短縮すれば、全体の作業時間は1時
            間30分×3人で4時間30分となり、1時間30分の削減ができます。

             
     (2)実施手順

       ECRSの原則を利用した業務改善の手順は以下の通りです。

       @改善チームの編成

        業務改善に取り組むための準備として、業務改善を担当する改善チーム
        を編成します。
        業務改善の取り組みを各人に任せてしまうと、日常業務を優先して業務
        改善が後回しになりがちです。
        担当を定めて責任と権限を明確化することで、実効性のある取り組みと
        なることが期待できます。
        改善チームの規模やチームに組み入れるべき人材は、企業規模や業務
        改善に取り組む範囲などに応じて決定します。
        ただし、チームには、業務改善に取り組む部署・グループの長など、全体 
        を俯瞰(ふかん)できる人材(以下「部門長」)が不可欠です。
        これは、業務改善には全体最適の視点が必要であることに加え、そうした 
        人材を組み入れることでチームに強い権限を持たせることができるからで
        す。
        また、部門長が率先して業務改善に取り組むことで、個々の従業員に対
        して、本気で業務改善に取り組む姿勢を示すこともできます。

       A業務の棚卸し

        改善チームを立ち上げたら、実際の業務改善に入ります。
        まずは、社内で定期的に行われている業務を洗い出すために、現在の業
        務の棚卸しを行います。
        業務の棚卸しでは、各人が1カ月単位や1週間単位などで業務スケ
        ジュール(業務棚卸表)を作成します。
        棚卸表を作成する期間は、自社や業務改善を行う部署の業務内容、業
        務周期に合わせて決定するとよいでしょう。
        記載する内容は、実施する業務、所要時間、関係者(共同で作業する
        者、データ・書類の受け渡しがある者など)などです。
        業務棚卸表には、個人で行う業務だけでなく、複数人で行うような業務で
        あっても記載します。
        なお、記載業務が多くなりすぎると分かりにくくなるため、毎日や毎週
        など多頻度で発生する業務は別に記載する、所要時間が短いものは
        記載しないこととするなどとします。

       B対象業務の選定

        各人による棚卸表が完成したら、それらを基に改善すべき業務を選定し
        ます。
        その際に大切になるのは、個人単位ではなく、部署・グループなどの単位
        で改善すべき業務を検討するということです。
        もちろん、個人単位での業務改善も必要です。
        しかし、1担当者の作業だけで完結する業務というのはわずかであり、業
        務の多くは複数の担当者がかかわることによって当該業務が完結しま
        す。
        そのため、部署・グループなどの単位で、業務の流れを俯瞰しながら取り
        組みを進めた方が、より効果的な業務改善を行うことができるのです。
        なお、対象業務の選定は、改善チームの中でも特に、部門長が中心と
        なって行うことが望ましいでしょう。
        これは、部門長であれば各人の業務内容やその業務の意義を把握して
        いるため、業務棚卸表をみるだけで業務の重要性や他者とのかかわりな
        どをおおよそ判断でき、業務改善の対象とすべき業務を的確に選定でき
        るからです。
        また、この選定業務の中で、各人の業務を見比べて抜け・漏れなどに気
        付いた際には、再び棚卸しに戻って抜け・漏れなどを補完します。

       C業務フローの作成   

        対象業務を選定したら、当該業務の進め方を詳しく調べ、業務フローを作
        成します。
        その際は、当該業務を行う従業員(以下「従業員」)任せにせず、改善 
        チームのメンバーが従業員からヒアリングを通じて業務の進め方を確か
        めていくようにします。
        従業員本人以外が作成に加わることで、業務の進め方を詳細に調べるこ
        とができます。

       DECRSの原則に従って業務フローの見直し

        作成した業務フローについて、ECRSの原則に従って見直しを行います。
        まずは「なくせる工程はないか」を考え、次いで「一緒にできる工程はない
        か」「順番を入れ替えたらもっと効率的にできないか」、と工程の再編を行
        います。
        それらが終わったら、最後に各工程について「この工程はもっと単純にで
        きないか」を考えます。
        また、ECRSは、どれか一つを適用すれば終わりというものではない。
        例えば、「E」を適用して工程数が減少した後、さらに「R」を適用して並べ 
        替えればより効率的になるということもある。
        また、「S」を適用して工程を単純化したら、それまで適用できなかった「C」
        が適用できるようになったということもあり得ます。
        なお、検討の際には、業務フローを工程ごとに分析し、小さなカードやふ
        せんに記載しておくと、容易に工程を取り除いたり(E)、並べ替えたり(R)
        できるため便利です。

       E新しい業務フローで業務実施

        見直した業務フローに従って業務を実施します。
        この際、新しい業務フローを適用して終わりではなく、実際にどの程度の
        効率化が図れたのか、効果を検証することも忘れないこと。

   3.実践に当たって押さえておきたいポイント

     (1)対象業務の選定は慎重に

       ECRSの原則は業務改善において有効なものではありますが、改善チーム
       を編成したりヒアリングを行ったりと、その実施には時間もコストもかかる。

       業務改善に取り組む際には、費用対効果を意識して対象業務を選定しな
       ければなりません。

       改善を検討すべき業務となるのは、作業時間が長い業務です。

       1回にかかる時間が長い業務、1回にかかる時間はそれほどでもないが、
       頻度が高いために多くの時間をとられる業務といったものから改善に取り
       組むことです。

       また、かかわる人が多い業務も同様です。

       その業務にかける各人の時間は長くはないとしても、かかわる人が多けれ
       ば多いほど、全員の時間を合わせれば、多くの時間をかけていることにな
       ります。

       特に、内容が同じような業務を複数人が行っているような場合には、当該
       業務の在り方を見直すことで大幅な改善が見込めます。

       ポイント:改善に取り組むべき業務は?
        ・1回にかかる時間が長い業務
        ・発生する頻度が高い業務
        ・関係する人数が多い業務

        ⇒こうした業務は総作業時間が長いため、業務改善が高い効果を
         発揮することが期待できる。

     (2)正確な業務フローの作成が成否を分ける

       ECRSの原則は、もともと製造工程の改善に用いられるものです。

       製造工程の場合には、製造工程を詳細に定めた工程図があるため、改善
       にも比較的取り組みやすいといえます。

       一方、オフィスワークは、製造工程と比べて、業務の内容・手順がみえにく
       い傾向があります。

       業務によってはマニュアルが定められているものもありますが、実際には 
       マニュアルがあってもそれが守られているとは限りません。

       各人が自分のやりやすいように変更している可能性があるからです。

       ECRSの原則を利用した業務改善は、業務フローをみながらその中の無駄   
       をみつけていくという取り組みであり、業務フローに抜け・漏れがあっては
       十分な効果を発揮できません。

       そこで、オフィスワークにECRSの原則を適用するためには、業務フローの
       作成が重要な意味を持ちます。

       どれだけ正確に業務フローを作成できるかが業務改善の成否を分けると
       いっても過言ではありません。

       そして、業務フローの作成において重要な役割を果たすのが、従業員への
       ヒアリングです。

       ヒアリングの際には、従業員から詳細に情報を得ることはもちろんですが、
       従業員本人も気付いていない(意識していない)工程がある場合もあり得る
       ので、ヒアリングを行うメンバーは注意が必要です。

       場合によっては、従業員が実際に業務を進めている様子を観察したり、ヒ
       アリングをしながら、メンバーが実際に当該業務の流れを体験してみたりす
       るのもよいでしょう。

       そうすることで、ヒアリング内容に何か抜け・漏れがあれば発見することが
       できます。

       ポイント:業務フローを正確に作成するには?
        ・従業員自身が意識していない点があることを覚えておく
        ・ヒアリングだけでなく、実際の業務の様子を観察したり、体験
         したりすることでより正確を期す

               ⇒これによって工程の抜け・漏れを防止することができます。

     (3)新しい業務フローが守られるとは限らない

       業務フローの見直しを行うと、最初は新しい業務フローに慣れずに、計画よ
       りも時間がかかってしまうこともあり得るでしょう。

       このとき、新しい業務フローが改善チームによって独断で作成されたもので
       ある場合、従業員が新しい業務フローを嫌がって、勝手に以前の業務フ 
       ローで業務を進めようとするかもしれません。

       こうした事態を防ぐため、業務フローの見直しは、改善チームが独断で行う
       のではなく、実際に業務を遂行する従業員の意見を聞きながら行うようにし
       ます。

       そうすれば、従業員も新しい業務フローに納得できるため、新しい業務フ
       ローが守られやすくなります。

       また、業務フローの見直し後にも、従業員に声をかけて業務フロー変更の 
       感想を聞くなど、改善チームと従業員とのコミュニケーションも業務改善を
       円滑に進めるためには必要となります。

       ポイント:新しい業務フローを定着させるには?
        ・業務フローの見直しは、従業員の意見を聞きながら行う
        ・業務フローの見直し後にも従業員に声をかける

        ⇒従業員が新しい業務フローに納得しやすくなり、従前の業務フローで
          業務を行うことを防止できる。

                      お問合せ・ご質問こちら

                      メルマガ登録(無料)はこちらから

 

業務の進め方

          

業務の進め方


  ■業務改善は永遠のテーマ 

   業務改善とは仕事の仕方を現在よりも好ましい方法に変えていくことです。

   会社におけるすべての業務は何らかの目的にしたがって成果を生むために行われて
   います。

   その生産性を上げるために行うのが業務改善です。

   新入社員の仕事は、“上司の指示通り”に業務を進めることです。

   これが中堅社員になると、“上司の指示通り”に業務を進められるのは当たり前のこと
   となり、さらに「改善」が求められるようになってきます。

   決められた手順に漫然と従っているのではなく、「本当にこのやり方でよいの
   か?」という問題意識を常に持ち、必要に応じて、具体的な改善策を立案・実行す
   ることで企業に員献することが中堅社員の仕事の1つなのです。

  □改善点を見つけるポイント
   さまざまな業務の中から、改善すべきポイントを見つける際は、以下の考え方が
   ヒントになります。

   1.「なくす」「減らす」「変える」
     業務や作業の手順を、「なくす」「減らす」「変える」という視点から評価してみま
     す。

     例えば、毎週作成している○○報告の資料が恒常的に遅延するケースであれ
     ば、「資料を作らない(なくす)」、「資料の作成サイクルを週1回から、月1回に
     する(減らす)」「資料のフォーマットを簡易なものにする(変える)」といった
     ようになります。

     この考え方は、主に製造現場でムダ・ムラ・ムリを解消する際に用いられるも
     のですが、サービス業など他業種でも有効だといえます。

     なお、「なくす」「減らす」「変える」は効果が高い順番なので、この順番で検討
     するようにしましょう。

   2.「人」に注目する
     業務ではなく、それを遂行する「人」に着目することでも改善点が見つかりま
     す。

     基本は、業務に関わる人数や人手(工程)を減らす努力をして、時間とコストを
     削減することです。

     一方、中には必要以上の「人」が割り振られている業務もあります。

     「人」の数に合わせて業務を細分化し過ぎると、かえって非効率で、ミスも生じ
     やすくなります。

     このような場合は、思い切って「人」を減らしてみるとよいかもしれません。

  □業務改善時の留意点
   実際に業務改善に取り組む際に重要となる留意点を紹介します。

   1.全体最適の視点を持つ
     業務改善は、「全体最適」を実現できるように進めなければなりません。

     例えば、自分の担当業務の時間短縮に成功しても、次工程で業務がつまり、
     結果として従前と同じ時間がかかっているのであれば、次工程の業務改善に
     も着手しなければなりません。

     高い視点で業務を確認してみると、さまざまな部署や人が関わっていることが
     分かります。

     業務改善に取り組む際は、必要に応じて関係者と相談しながら進めることが
     大切です。

   2.根本的な問題点を見つけて解消する
     業務改善に取り組む際は、対象業務の「根本的な問題点」を把握し、改善する
     よう心掛ける必要があります。

     例えば、他部署から報告される紙のデータをパソコンに入力し、報告書の形式
     にまとめ直す業務において、データ入力のミスをなくすための改善策を考えて
     みる。

     この場合の打ち手として、「入力したデータを別の人がチェックする方法」が考
     えられますが、これは対症療法に過ぎないかもしれません。

     なぜなら、入力ミスは、データ入力の際に生じるわけですから、入力ミスを根本
     的になくすためには、データ入力という業務そのものを見直す必要があるわけ
     です。

     従って、この場合は「他部署から、紙ではなくエクセルなどの形式でデータをも
     らう」といった方法が好ましい改善策となります。

   3.バランス感覚を保つ
     業務改善がうまくいかない原因を探ってみると、バランス感覚を失っている 
     ケースが少なくないようです。

     例えば、「業務改善を通じて、1時間の時間短縮を実現する」という目標を掲げ
     たとします。

     こうした目標が掲げられる背景には、「1時間程度の時間短縮は可能」とのもく
     ろみがあるわけですが、あくまでももくろみであり、実現できるかどうかは分か
     りません。

     「当初のもくろみに反して改善は難しい」という判断になれば、潔く撤退すれば
     よいのですが、目標達成にこだわり過ぎると、「本来必要な作業時間まで削減
     してしまい、逆にミスが続発するようになった」という、“業務改悪”につながるこ
     ともあります。

  □業務改善に取り組む基準
   問題意識を持って、注意深く業務を見ていくと、改善すべき点が数多く浮かび上
   がってくるでしょう。

   業務改善によって大きな効果(コスト削減、時間短縮など)が期待できるなら、是非、
   取り組むべきです。

   逆に、ほんの小さな効果しか期待できないのであれば、それは看過してもよい課題
   かもしれません。

   その業務が今の状態で落ち着いているのには理由があります。ちょっとした改善が
   可能でも、効果と改善のリスクを考え、あえて看過されているケースもあるのです。

   もちろん、改善点を一つ一つ漬していくのは重要です。

   しかし、一気に進めれば混乱を招きます。「どこから改善に着手していくのか?」の
   基準は、「効果の大きさ」にあることを忘れてはなりません。

   最後に、

    ・業務改善の必要性を常に意識して業務に当たる
    ・まずは身近な業務から見直しを始めてみる


                          お問合せ・ご質問はこちら  

                          メルマガ登録(無料)はこちらから

 

業務の商品化

         

業務の商品化

  ■業務を商品化する

   日常行われている業務は日々進化していますか?

   昨日より今日、業務の改善は収益に直結しています。

   勘と経験を頼りにした業務進行からは何も生まれません。

   毎日必ずやらなければならない仕事なら、「どうしたらもっと楽(シンプル)にできない
   だろうか」、「どう行動したら顧客が喜んでくれるだろうか」、「どうしたら従業員の
   負担を減らせるだろうか」など日々疑問を持って仕事に取り組まなくては進化は
   ありません。

   忙しい中身を精査し、体に汗をかくだけでなく、脳みそに汗をかくことも欠かせません。

   
   兜髄野はダスキンの代理店業務をメインにする中小企業です。

   全国各地の中小企業経営者がセミナーや勉強会(実践塾)に参加し、経営者からは
   カリスマ社長と呼ばれている。

   その兜髄野が今では仕組みづくりのコンサルティングが商品となっています。

   自社の業務改善を徹底したことで、各業界の社長が教えを請う、そのことが商品と
   なり、小山社長は著書『「儲かる仕組み」をつくりなさい』で、「わが社のセミナー
   に参加した社長は、大きく二つのタイプに分かれます」と言っています。

   ほとんど自社を変えられなかった社長と、どんどん良くすることのできた社長とです。

   前者の社長はこんなふうに考えます。

   「武蔵野だからこそできたのだ」「小山社長だから実現した」と。

   これは大きな誤解です。

   田舎の中小企業であるわが社には、入社したときから優秀だった社員など、私を含め
   て誰ひとりいません。

   ひたすら自社を改善する仕組みをつくり、改善し続けたからこそ増収・増益を達成でき
   たのです。(小山社長談)

   この書籍は中小企業の業務改善に大いに参考になると思います。

   自社の業務で「面倒で大変だ」と思ったことを、「もっとシンプルで楽にできるよう
   にしたい」ことが業務改善に繋がったのです。

   社内業務において電話対応基本動作会議朝礼クレーム対応業務手順書
   セールス・スクリプトアプローチブックなどによって業務全体を改善することで、顧客
   や紹介によって顧客から依頼されるのです。

   このことが結果として本業に繋がります。

   武蔵野においても、自社の業務を改善しようと始めたことが結果的に商品となった
   のです。

   しかし、商品化するといっても必ずしも有料である必要はありません。
  
   あなたの本来の商品を売るための武器・ツールにすることでもいいのです。

   あなたも自社(店)で競合他社がまねのできない強みを1つでいいですから持ってくだ
   さい。

   その武器(強み)がいかに効果的かが分かるはずです。

   その分野で成功した人で最初から何の問題もなかった人などいません。

   参考にするものもなく、チャンスもなく、自分たち以外に競う相手もいない状況を乗り
   越えてきているのです。

   上手くいかないで、失敗する人たちには主に2つの理由があります。

    1.必要な情報を、手に入れる、探す、求める、買うということをしようとしていな
      い。

    2.せっかく良いアイデアを手に入れても、実行に移さない。

   成功を収めている人たちは、情報の価値を知っていて、常に情報に興味を持ち、情報
   を得ようとしています。

   アンテナを広げ、価値ある情報を入手したら実行に移しましょう。今すぐ!

                      お問合せ・ご質問こちら

                      メルマガ登録(無料)はこちらから

 

業務改善の手順

           

業務改善の手順


  業務改善は業務の可視(見える)化を可能にし、社内のムリ、ムダ、ムラを排除し、
  収益アップに貢献します。ただ闇雲な業務改善ではなく、手順に沿った改善が必要
  となります。

  業務改善に着手する前にやっておくことがあります。

  業務棚卸表(業務の洗い出し)です。

  各業務担当者それぞれが日常行っているすべての仕事を書き出します。

  担当業務棚卸表による業務棚卸に当たって、メンバー全員が仕事の効率化
  ・省力による営業余力の創出と意識改革ついて認識する必要があります。


  ■業務改善手順書づくり 

   1.特定の人に依存しない仕組みをつくる

    (1)仕事の洗い出し

      @出社〜退社までのすべての仕事(カギの開閉まで)

      A自身の仕事がなにか、その仕事の意味を考慮し、誰でもできる部分は
       どこか、特定の人でなければ対応できない部分はどこなのかを分析

      B特定の人の仕事をそぎ落とし、特定の人に頼る部分を小さくしていく

       ・高度な仕事とそうでない仕事を分け、低いスキルで仕事を遂行できる
        ようになるためには、何が必要か・どんなスキルをつめばよいかを検討

    (2)仕事の優先順位を考える

      @トップ・部門責任者でなければできない仕事 (第1位)

      Aトップ・部門責任者がやっている・求められる仕事 (第2位)

      B部下に任せられるがトップ・部門責任者がやっている仕事 (第3位)

      Cトップ・部門責任者でなくても部下に任せられる仕事 (第4位)

   2.組織(チーム)力

    各業務には手順があります。

    業務改善の目的はムダ・ムラ・ムリを排除し、業務全体をシンプルにすることで、
    誰に代わっても一定の品質が保てることを目指すものです。

    そのためには、「言葉で伝える」から「文書で伝える」手順書 (マニュアル)が
    必要となります。

    優秀な社員の業務を手順書に落とし込むことで、業務の推進を勘と経験に頼る
    ことなく、全員が同品質のレベルを保つことができます。

    組織力は「人に仕事を担わせる」のではなく「仕事に人を担わせる」が基本とな
    ります。(これが業務の役割分担の考えとなります)

    手順書は新人でも経験豊富な社員と同レベルの知識を共有するための基礎
    となるものです。 
    
   3.業務手順(フロー)書の作成

    ●間違ったマニュアル

     マニュアルとは、作業命令の完全な表現であり、やるべき職務について、具
     体的に内容を示したものです。

     それは同時に、本人の職務遂行能力、技術的な段階(あるいは水準)を示す
     バロメーターでもあるのです。

     マニュアルが作業命令の完全な表現であるということは、言い換えるなら、
     作業の手順を指示する文書ということなのです。

     多くのマニュアルの内容は道徳的・抽象的表現が多すぎます。

      ○「ねばならない」ではなく「する」と表現されます。

      ○「・・・してはならい」、「・・・に注意する」、「・・・に配慮する」、
       「・・・に気をくばる」、「・・・をチェックする」などは抽象的で
       どうすればいいのか本人には理解できません。

       よって、気くばりであるとか、気遣いを交える言葉は、マニュアルとしては
       正しくありません。

       マニュアルは決して漠然と確認ることでも注意することでもないからです。

      ○道徳的表現
       たとえば「早く」、「きちんと」、「ていねいに」、「きれいに」、「でき
       るだけ」といった表現。

    ●正しいマニュアルの条件

     (1)だれにでもわかること

       それには手順を示すこと、さらに事例をあげること。

       特に大事なことは反対のまずい事例もあげることです。

     (2)他の表現(解釈)ができないこと

       文章で表現するよりも数字で、数字よりも図で示すことです。

       そうすれば、他の方法がなくなってしまうからです。

     (3)他にやりようのない決め方

       文書はつねに「する」と表現する。

       抽象的であいまいな表現は使わない。

     (4)数字は少なくすること

       数字がたくさん書いてあると、わかりにくくなる。

       標準や、目安や、最大や、最小や、目標の数字は記入します。

     (5)文書フォームの統一

       マニュアルを書いた文書の形(文体)、活字の大きさ、色、厚さ、材質は統
       一する。

     (6)綴込み式であること

       マニュアルの内容は修正されていくものだから、1ページごとに交換可能で
       あること。

       修正した場合は1ページごとに取り換え、内容が変更されるときには、変更
       したページが綴じ込まれるのと引換えに、変更前のページを回収する。

     (7)現場でテストずみであること

       マニュアルは実際に現場でテストされたあとでなければ、流してはいけない。
       テストせずにマニュアル化される不完全なものになってしまう。

      (8)すべての作業について作ること

       作成するためにも、業務(役割)分担表を作成することで作成が作りやすく
       なる。

      (9)保管方法と周期的修正義務が明示されていること

       だれがどのように保管するのか、だれがいつどのように修正提案をするの
       かは、制度として成文化されていなければならない。

    (10)チェック・リストでフォローされること

       これはマニュアルが実行に移された段階において、はたしてマニュアルど  
       おりに実行されているのか、実行されていないとすればマニュアルのどこに 
       欠陥があるのか、さらにマニュアルどおりにやることによって、プラスの効
       果ばかりが出ているのか、もしもマイナスの効果も合わせて出てきたり、も 
       ともとマイナス効果しか出ないマニュアルであったとするならば、そのどこを
       どのように修正すればよいのかを調べあげるためです。

       したがって、このチェック・リストを作ること、そのチェック・リストでチェ
       ックすることは、担当者の本来の職務として、あらかじめ規定されなければ
       ならないのです。

  □業務手順書が無ければ 

   ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生

   ・教える側の考えが優先し、教わる側にスキルのばらつきが生じる

   ・教える側の主観が大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる

   ・社員のスキルを計る基準ができず、社員の評価が客観性を失う

   ・会社の統一感・一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかるマン
    パワーに依存してしまう

  □手順書における表現の原則 

   ・誰にでもわかる(特別な経験がなくても)

   ・他にやりようがない決め方である 

   ・数字は少なくする 

   ・内容は修正されていくので用紙は綴り込み(バインダー)式にする

   ・文書(用語)、フォームは統一されている 

   ・内容は必ずテスト済みである

   ・各部門すべての業務について作成する

   ・保管方法、定期的な修正(誰が、いつ)義務を明示する 

   ・手順書どおりに実行されているかの有無をチェック・リストでフォローする

  □社内作成物(規程)との連動 

   ・就業規則、人事評価と連動していること 

   ・経営計画と連動していること

   業務のマニュアル化は、限られた現有資産を最大限に活用していくためにも欠かせない
   課題です。

   マニュアル作成は自社にとってのノウハウとなります。

   すでにマニュアルが整備されている企業のマニュアルを拝見させていただくと、それら
   のほとんどが「マニュアルらしきもの」であって、マニュアルではありません。

   理由は、

    ○言葉で説明しなければわからない

    ○内容が抽象的

    ○担当者にしか分からない

   といったことが挙げられます。

   マニュアルは苦労して作成し、修正し、つくりあげるしか方法はありません。 

 

                         お問合せ・ご質問こちら

 

                         メルマガ登録(無料)はこちらから