パブリシティとプレスリリース

記事タイトル一覧

・プレスリリース 原稿の書き方~配信

・パブリシティ活動

・中小企業における広報は経営

・WEBプレスリリース

・プレスリリースの方法と送り先マスコミデータ

・パブリシティ活動でマスコミを活用する

・広報(PR)活動は中小企業の競争力を強化

パブリシティとプレスリリース

プレスリリース 原稿の書き方~配信

■プレスリリース  

 1. リリースの方針を決める

  あなたの記事をどんな人に読んで貰いたいかを決めることで、自ずとどんな読者層のメディアに
  リリースを送るのが適しているかが分かります。

  「やたらめったらに送る」ではなく、掲載相手を「ピンポイント」で絞り込めば、そのメディア
  の特性に合わせた表現が使えます。

  そして、忘れては行けないのが、プレスリリースによって期待する方針を決めておくことです。

  というのも、記事にしてもらうことで相当数の読者の目に触れるため、商品の問い合わせが殺到
  するなどの直接的な効果も期待できますが、何よりも後々になってからも「あの時に話題になった
  ◯◯」ということで、HP、ニュースレター、DM等に掲載することで、二次的な信用効果も
  出てきます。

  記事を読んで問い合わせてくる効果は、新聞なら発売日からせいぜい1週間、月刊誌で2〜3ヶ月
  くらいです。

  これに対して、発表当時このように取り上げられたという使い方は、その商品なり会社なりが
  存在する限り、効果が持続します。

 2. リリース原稿を作成する(2〜3ページ程度)

  方針が決まったら、次は原稿を作成します。

  作文の苦手な人であっても、小説を書くわけではないので、表現に凝る必要は全くありません。

  それよりも注意することは、伝えたいことが確実に相手に伝わる内容にすることです。

  案外当事者であるあなたには「当たり前」と思っていることでも、他の人から見ると「???」
  だらけということも珍しくないのです。

  もう1つの注意点は、売り込みにならないようにすることです。

  商品を紹介して売り上げにつなげようと、「高性能です」「格安です」といった「売り込み」
  丸出しでは、原稿内容としては不適切です。

  このような点をふまえて、どこにニュース性があるのか、手にとって最初の5秒で続きを読んで
  みようと思わせる構成で、原稿を作成します。

  中には、多くを説明しようと10数ページもの原稿を作成して、送る人がいますが、相手に迷惑
  がられるだけです。

  10ページを越える内容を送られてきたら、読む前から見る気を失ってしまうかもしれません。

  せいぜい2〜3ページにとどめて、「続きはホームページをご覧下さい」のようにするのが効果的
  です。

 3. 詳細説明書を(できればweb上で)作成

  プレスリリースとして配信する内容は、ある意味短ければ短いほど効果的です。

  なぜならば、簡潔に要点をついているからこそ短いのであって、見る方も短時間の内に要点を
  つかむことができるからです。

  とはいえ、短い文章の中に具体的な詳細なことまでは表現できません(だからといって、細かい
  字でたくさん書くのはもっとよくありませんが)。

  そこで、最初のリリースに興味を持ってもらった人向けに、詳細な資料を用意しておくことです。

  webページに掲載しておき、リリースの中に、「詳細はこちらをご覧下さい」と一言書いて
  おくだけで十分です。

  わざわざ詳細なwebページを見に来てくれた人は、それなりに興味があるから見に来たのです。

  ここでは、商品のカラー写真や競合商品との性能比較表など、詳細かつ客観的な資料を用意
  しましょう。

  リリースの中でいくら「業界最安値を実現」としてみても客観性はありませんが、詳細資料の
  中で既存の「最安値」に関する資料を集めたうえで「それより安い」と書けば、記者が調べる
  手間もちょっとは省けるかもしれません。

 4. 配信先のマスコミ名簿を作る(部署名・担当者名・送付方法)

  原稿ができたら、次にマスコミにプレスリリースを送ります。

  ここで考慮することは、マスコミのどの部署に送るかです。

  例えば新聞社を例に取ると、経済記事の部門に送るのか、政治記事の部門に送るのか、リリース
  の内容によって代わってきます。
  (どの部署に送るかもわからず、代表宛に送ったり、全ての部署に送るのはやめましょう。
  会社にもよりますが、代表に送っても担当部署不明ということで処分される可能性は高いですし、
  複数の部署に送って同じ日の異なる記事でかかれたりすると、ブラックリストに載ってしまい
  ます。)

  さらに欲を言えば、部署名+担当者名まであれば、より確実に相手に届く。

  こうした情報は、組織変更などもあるので、送る直前に電話等で確認する必要があります。

 5. 郵送・FAX等の指示に従って、プレスリリースを送付

  メディアによってはFAXで送るのか郵送で送るのか、あるいは他の方法によるのかが異なり
  ます(同じ会社でも部署によって違う場合があります)。

  相手に気持ちよく「読んで戴く」ためにも、こうした約束事は最低限のマナーと言えましょう。

 6. アフターフォロー

  リリース記事を送ったあと、新聞社などからは早ければその日の内に電話がかかってくることが
  あります。

  当然のことながら、2〜3ページのリリース内容では詳細がわからないため、いろいろと質問を
  されることになります。

  その時にちゃんと答えられないと、リリース内容の信頼性が問われてしまいます。

  また、その時話の分かる人がいなければ、再び連絡をくれる保証はありません。

  責任をもって対応できる人がいるか、他の人でもわかるように状況を説明しておき、必要で
  あれば補足資料などの準備もしておきます。

 7. 効果の検証

  実際には取材も何もなく、いつの間にか掲載されているものもあります。

  このような場合、掲載されたかどうかは、自分で調べない限りわかりません。

  プレスリリースの狙いは、それを読んだ人が購買行動等のアクションを起こす期待以外に、
  資料として自社(あるいは商品)の信頼性を高めるところにあります。

  ですから、1つでも多く掲載された実績があれば、客観性をもつことにつながります。

  自分でどこにリリースを出したか控えておけば、後から確認もしやすくなります。

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パブリシティとプレスリリース

パブリシティ活動

パブリシティー活動


■中小企業におけるパブリシティー活動
 1.営業活動 
  大企業と中小企業の広報の大きな違いは、マスコミがコミュニケーションの輪に入って
  いるかどうかです。
  「小さな会社なんて相手にされないから」とあきらめている中小企業経営者はたくさん
  います。

  「こんなに良い製品を開発したのに、自社があまり知られていないから新規顧客を獲得
  できない」「この料理には絶対の自信があるのに、店が広く知られていないから来店
  客が増えない」など、自社には特徴ある製品・サービス(以下「商品」)があるのに、
  自社や商品の知名度が低いために顧客を獲得できないと考える企業は多いことでしょう。 

  これが、大企業や大手FCチェーンなどであれば、多くの営業担当者を割いてたくさんの
  企業を訪問させたり、多額の予算をかけて宣伝展開をすることなどにより、自社や
  商品の知名度を向上させることができます。

  ただ、人材や予算に限りのある中小企業においては、大企業などと同じ活動はできません。 
  しかし、多くの営業担当者を割いたり、多額の予算を投入することなく、広く自社や
  商品の情報を発信できる手段があります。

  それが、「パブリシティー活動」と呼ばれる情報発信の取り組みです。 
  パブリシティー活動とは、一般に、企業などが自社や商品の情報を発信して、メディアに
  取り上げてもらうよう働きかける活動といわれています。

  パブリシティー活動は、人材や予算などに余裕のある大企業においては広報担当部署
  などを通じて広く行われている活動ですが、中小企業においては、「よく分からない
  活動に人を割くことはできない」「やってみたいがノウハウがない」などの理由から、
  パブリシティー活動に対する取り組みは積極的ではないようです。

 2.企業の情報発信と中小企業におけるパブリシティー活動の重要性 
  企業による情報発信の取り組みは、「営業担当者による既存・新規顧客への営業活動」
  「広告掲載、DM(ハガキ・FAXなど)の送付、チラシの配布などの宣伝・販促活動」
  「自社Webサイトの開設」などを中心に行われているのが一般的です。

  これらの取り組みはそれぞれに一定の利点はあるものの制約もあります。 
  例えば、訪問などによる営業活動であれば、営業担当者が直接顧客に接するため、
  伝えるべき情報やそれに付随する情報を漏れなく伝えることができるという利点がある
  一方、営業担当者が1日に訪問できる件数は限られています。

  また、広告掲載やDM発送などの宣伝・販促活動は広く情報発信ができたり、自社に
  よって載せたい情報を決定することができるという利点がありますが、広告費・制作費
  ・発送費などのまとまった費用がかかります。

  また、Webサイトでは広く情報を発信できるものの、ターゲットとする層にアクセス
  ・閲覧してもらうことはそれほど容易ではありません。 
  また、これらの取り組みでは元々資金力や知名度のある大企業に有利に働きます。

  こうした企業の一般的な情報発信の取り組みに対し、パブリシティー活動には、
   ・メディアを通じて一度に多くの人に自社の情報を発信できる
   ・広告と異なり、活動費以外の費用(広告費など)が発生しない
   ・メディアという第三者に取り上げられることで、信用力を向上させることが
    できる
  などの利点があります。

  もちろん、パブリシティー活動にも、自社や商品の情報が取り上げられるかどうか、
  その内容・量については、メディア側に決定権があるという制約があります。
  また、パブリシティー活動においてもほかの情報発信の取り組みと同様、元々資金力や
  知名度のある大企業に有利であるということには変わりません。

  しかし、パブリシティー活動は、「メディア側が取り上げる情報を決定する」という
  特性により、ほかの情報発信の取り組みと比べて、大企業と中小企業の差が少ない活動
  であるともいえます。

  ある全国紙記者に対し、中小企業の事例が紙面で取り上げられるかについてヒアリング
  したところ、
   「ニュース価値があれば、企業規模にかかわらず、中小企業の取り組みであっても 
   記事にする」
  との回答が得られました。

  中小企業であっても特徴のある取り組みや商品がメディアに評価されれば、取り上げて
  もらえる可能性があるのです。 
  また、パブリシティー活動においては、うまく条件が合えば中小企業においても大企業
  並みの情報量を発信することも期待できます。

  例えば、ビジネス誌で「キラリと光る中小企業特集」が組まれたり、グルメ番組で
  「隠れ家的な飲食店特集」が組まれることがあります。
  そこにうまくアプローチし、メディアから評価を受けることができれば、中小企業で
  あっても大きく取り上げられる可能性があります。 

  人件費や多額の広告費を負担できない中小企業にとって、あまり費用をかけずに広く
  情報発信の期待を高めるパブリシティー活動は、すぐに成果が得られるとは限らない
  ものの、知っておきたい大切な取り組みの一つであるといえます。

□パブリシティー活動の流れ
 1.パブリシティー活動の流れ 
  パブリシティー活動の大まかな流れは図の通りです。
  以下では、各段階について紹介していきます。

 2.メディアに取り上げてほしい情報の整理 
  目的を達成するために、メディアに取り上げてほしい情報を整理します。
  自社のどの情報をメディアに取り上げてもらい、読者・視聴者など情報の受け手に
  対して情報発信したいかを明らかにする作業です。

  例えば、新商品の告知であれば、発売日・価格・販売場所などの商品に関する基本的な
  情報は必須といえます。
  また、新商品の発売に至った経緯・新商品の特徴・他社類似商品との差異化点・新商品の
  対象とする顧客なども大切な情報です。 

  特に他社類似商品との差異化点は、メディアに取り上げてもらいやすくする、読者や
  視聴者に与える影響を大きくするという意味でも非常に重要です。
  他社類似商品との差異化点を抽出したら、実際に他社類似商品とどの程度差異化が
  図れているかを検証するようにしましょう。

 3.情報を取り上げてほしいメディアの選定 
  情報を取り上げてほしいメディアを選定する際、まず情報を受け取ってほしい読者・
  視聴者を明確にすることが必要です。
  なぜなら、情報を受け取ってほしい読者・視聴者によって、選定するメディアが異なる
  からです。 

  例えば、女性向け商品の発売情報を掲載してもらうよう男性向けの雑誌に単純に働き
  かけても、企業の発信したい情報と雑誌側が読者に伝えたい情報がマッチしないため、
  掲載される可能性は高くないでしょう。

  仮にその情報が男性向けの雑誌に掲載されたとしても、今度は企業の発信した情報と
  読者が受け取りたい情報がマッチせず、あまり効果は得られません。
  こうしたミスマッチを防ぐためにも、情報を受け取ってほしい読者・視聴者を明確に
  することが重要です。

  情報を受け取ってほしい読者・視聴者が明確になれば、それに基づいて情報を取り上げて
  ほしいメディアを選定します。
  主なメディアには、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」「インターネット」が
  ありますが、情報を受け取ってほしい読者・視聴者がよく接するメディアは何かを考え、
  選ぶようにしましょう。

  実際にメディアを選ぶには、どのメディアに働きかけるかを決めるのはもちろんのこと、
  そのメディアのどのコーナー(紙面、番組など)に情報を取り上げてほしいかまで
  絞り込むことが大切です。

  また、(社)日本雑誌協会では、協会の会員出版社
  などの雑誌ついて、雑誌の発行部数や読者層などを公開しています。
  メディアを選定するに当たっては、こうしたデータを参考にするのもよいでしょう。

 4.プレスリリースを作成する 
  メディアの選定が終わったら、プレスリリースを作成・発送します。
  プレスリリースとは、取り上げてもらうために整理した情報をまとめた、メディアに
  提供するための資料のことです。

  メディアは各社から提供されるこのプレスリリースを見て、興味を持ったものについて
  取材をしたり、記事を書いたりします。 
  そのため、プレスリリースは、メディアを動かすきっかけとなる重要なツールである
  といえます。

  ◎プレスリリースに盛り込む事項 
   プレスリリースに盛り込む事項はさまざまありますが、主に以下の内容を盛り込み
   ます。
   ①タイトル 
    何を発表したいのか一目で分かるキャッチフレーズです。
    (例)「日本初! 新しいコンセプトの飲食店『○○○(店名)』を開店」

   ②要約 
    プレスリリース全体をまとめたものです。
    自社が、いつ、どこで、誰を対象に、何を、どうするか、を記述します。
    (例)「▲▲業を営む株式会社●●は、主婦層をターゲットにした“〜〜を
       テーマにした、新しいコンセプトの飲食店『○○○(店)』”を、 
       ●年●月●日に、■■(地域名)において開店します」

   ③特徴、商品開発の背景など 商品の特徴がどこなのか、商品を開発するに
    至った背景には何があるのかを記述します。
    タイトルや要約を見て興味を持ったメディアが、記事を作成するためのヒント
    となるような事実を盛り込みましょう。
    書き方は、文章形式でも、箇条書きでも問題ありません。

   ④問い合わせ先 
    プレスリリースを見て興味を持ったメディアが、もっと詳しくこの商品に
    ついて知りたい、取材をしたいと思ったときに連絡をする窓口です。
    自社の住所、電話番号、FAX番号、当該プレスリリースに関する担当者名、
    担当者のメールアドレスなどを記述します。 

   プレスリリースを作成する際、その内容に工夫するのはもちろんですが、体裁、
   読みやすさなど見た目にも工夫することが大切です。
   前述の通り、メディアには各社から多くのプレスリリースが提供されます。

   そのため、プレスリリースに書かれている情報の内容がいかに素晴らしくても、
   目を引かないタイトルであったり、読みにくい体裁であったりすると読んでもらえ
   ない可能性があります。

   プレスリリースの作成に当たっては、「タイトルを大きい文字にする」「文字フォント
   にメリハリをつける」といった目立たせる、読みやすくするなどの工夫をする
   ようにしましょう。

   こうした工夫については、既にインターネット上などで公開されている他社の
   プレスリリースを参考にすると分かりやすく、実践的であるといえます。 
   また、初めてアプローチするメディアには、プレスリリースのほかに会社概要
   などの自社について理解を深めてもらうための資料も同封するようにしましょう。

 5.プレスリリースを発送する 
  プレスリリースを作成したら、メディアに対してプレスリリースを送付します。
  プレスリリースの送付に当たっては、先ず「3.情報を取り上げてほしいメディアの選定」
  で決定したメディアにおける担当部署を把握する必要があります。

  当該メディアの代表に連絡し、掲載したい情報の概要を伝え、その案件を担当部署に
  つないでもらいます。
  もし、掲載を希望する番組や紙面などが決まっている場合には、直接その担当部署に
  回してもらっても構いません。 

  担当部署につないでもらったら、電話した意図(プレスリリースを送りたい旨、取り
  上げてほしい情報の概要など)を簡単に説明した上で、プレスリリースを送付する
  旨を伝えます。 

  やり取りの中で、担当者の名前や所属部署名を確認し、プレスリリースを郵送します。
  このとき確認した担当者の名前や所属部署名をリスト化しておくと、次回プレスリリース
  を発送する際に役立てることができます。

 6.プレスリリース送付先にフォローの連絡をする 
  プレスリリースを郵送したら、到着する時期を見計らって、担当者宛に「プレス
  リリースをお送りしましたが、到着しておりますか」などとフォローの電話を入れます。
  到着していない、到着したが目を通していないような場合には「到着しましたら
  (お時間あるときに)、お目通しいただけますようお願いいたします」と伝えて
  電話を切ります。

  その後、翌日か翌々日当たりにもう一度フォローの電話を入れましょう。 
  一方、到着していて目を通しており担当者が興味を示している場合には、「一度実物を
  持っていくので、直接説明させていただきたい」「実際に店(会社、工場など)に取材
  に来ていただきたい」旨を伝えて、アポイントを取るようにします。

 7.メディア担当者に説明をする、取材を受ける 
  アポイントが取れたら、メディアの担当者と直接会って説明をする、もしくは取材に
  来てもらうなどの対応を取ることになります。
  どちらの場合でも、事前に説明の流れを考えておくことが大切です。

  担当者に直接説明する際、説明の要点が分かりにくかったり、説明がしどろもどろに
  なっては、担当者に良い印象を与えません。 
  この際、「担当者があまり時間を取れない場合の説明」「担当者が十分に時間を確保
  してくれた場合の説明」などいくつかのパターンを考えておくとよいでしょう。

  担当者のスケジュールが急に変わり、「1時間の予定が30分になる」といったことは
  よくあるものです(逆に、時間を取れるようになる場合もあります)。
  そうした急な変化に対応するためにも、いくつかのパターンを考えておくことは大切
  です。 

  以上が、パブリシティー活動の主な流れとなります。一連の活動が終了したら、それに
  ついて評価をし、次の活動に生かすことが大切です。
  なお、実際の活動には、プレスリリースの郵送のみで取り上げてもらえるなどさまざまな
  ケースがあります。

□パブリシティー活動における留意点
 1.必ずしも取り上げてもらえるわけではない 
  ここで改めて注意しなければならないのは、前述の通り、パブリシティー活動において、
  当該情報を取り上げるかどうかの決定権はメディア側にあるということです。
  また、取材などの後に、担当者が取り上げる日(号数など)を教えてくれていたと
  しても、社会の動きや事件などによってメディアが取り上げる内容が変化し、紙面や
  番組の構成が変更されることもあります。 

  従って、パブリシティー活動はほかの情報発信の取り組みとは異なり、実施したから
  といって、必ずしも成果が出るわけではない(メディアに取り上げられるわけではない)
  ということを理解しておく必要があります。
  しかし、成果が出ないからといって、パブリシティー活動を中止してしまってはいけ
  ません。

  「最初の選定とは違うメディアにプレスリリースを送ってみる」「プレスリリースの
  内容、書式を見直してみる」「メディア担当者への説明の仕方を変えてみる」などの
  試行錯誤を繰り返していくことで、自社にノウハウが蓄積し、メディアに取り上げ
  られる可能性も高まるものです。

  すぐに成果を求めるのではなく、長期的な観点でパブリシティー活動を継続することが
  大切です。

 2.メディアに取り上げられた後の対応を考えておく 
  パブリシティー活動を実施して仮にメディアに大きく取り上げられることができて、
  多くの問い合わせがあったとしても、プレスリリースに記載した窓口担当者しか発信
  した情報について理解していないようでは、その場でしっかりとした対応をすることが
  できない可能性があります。

  しっかりとした対応ができなければ、問い合わせてきた見込み客などに良い印象を
  持ってもらえません。 
  また、飲食店などの場合では、メディアに取り上げられたことにより来店客が増えた
  ときに、顧客への対応がしっかりできないと、クレームにつながり、逆に顧客を失う
  ことにもつながります。 

  こうした事態を防ぐためには、「社内で情報を共有し、見込み客を逃さない対応を検討
  しておく」「接客などの従業員教育を再度徹底しておく」など、パブリシティー活動と
  ともにメディアに取り上げられた後の対応まで準備しておくことが大切です。 

  また、メディアに取り上げられたら、その結果を日々の営業活動に活用することが
  大切です。
  パブリシティー活動は、自社や商品などの情報を広く情報発信するだけでなく、
  メディアの信用力を利用することにより、
   ほかの情報発信の取り組みと連動させる
  ことで、その効果を享受することができるのです。 

  ほかの情報発信の取り組みとの連動の例としては、
   ・自社情報が取り上げられた新聞記事を加工して、営業担当者の持参ツールを
    作成する
   ・自社WebサイトやDM・チラシなどにメディアに取り上げられたことを記載
    する
  などが挙げられます。

□メディアに取り上げてもらうためのヒント
 1.中小企業が情報整理・メディア選定を行うときのヒント 
  全国紙記者にどういう情報が取り上げやすいかについてヒアリングしたところ、
  「メディアによって違いはあるだろうが、日本初や業界初など『初めての取り組み』と
  いうのは取り上げやすい。

  また、新聞においては全国紙の全国版を狙うよりは、業界専門紙や地方紙、全国紙
  の地方版を狙ったほうが競争相手も少なく取り上げてもらいやすいのではないか。
  また、地方紙や地方版においては、日本初でなくても県内初ということで取り上げる
  ことも多いため、比較的ハードルは低いのではないか」とのことでした。

  このほかにも、「飲食店などで飲酒運転が社会的に注目を集めているときに、運転
  代行サービスの半額を提供する」など社会情勢を意識した取り組みや、法や条例などに
  基づく認定制度の初適用なども取り上げられやすいようです。

 2.情報の受け手に具体的なメリットを併せて提示する 
  情報の受け手に対して、具体的なメリットを併せて提示することも、メディアに取り
  上げられやすくなる方法の一つです。 

  具体的な取り組みの例としては、飲食店の新規開店の情報を取り上げてもらいたい
  のであれば、店舗の情報のほかに「この記事を持参すると全品500円引き」という
  情報を加えたり、新商品の情報を取り上げてもらいたいのであれば、商品概要のほかに
  「応募者20名様にプレゼント」という情報を加えるなどが挙げられます。

  このように、情報の受け手に具体的なメリットを併せて提示することで、ただの新規
  開店や新商品の情報が逆にメディアにとっても価値のある情報になります。
  その結果として、メディアにも取り上げられる可能性が高まるのです。

  前述の通り、パブリシティー活動は、取り組みを行ったとしても必ずしもメディアに
  取り上げてもらえるとは限らず、企業が行うさまざまな活動に比べその成果が不確定な
  ものであることは否めません。

  しかし、ここで大切なことは、短期的な観点からではなく継続してパブリシティー活動
  の取り組みを行うことです。
  そうすることで、例えばパブリシティー活動に関するノウハウの蓄積や、メディアの
  担当者との関係構築などが期待でき、その成果が上がる可能性も高まっていきます。 

  パブリシティー活動は地道な活動ではありますが、自社の情報発信の一手段として、
  継続して取り組んでみる価値はあるでしょう。

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パブリシティとプレスリリース

中小企業における広報は経営

中小企業における広報は経営


■中小企業におけるパブリシティー活動
 「こんなに良い製品を開発したのに、自社があまり知られていないから新規顧客を獲得
 できない」「この料理には絶対の自信があるのに、店が広く知られていないから来店客が
 増えない」など、自社には特徴ある製品・サービス(以下「商品」)があるのに、自社や
 商品の知名度が低いために顧客を獲得できないと考える企業は多いことでしょう。

 これが、大企業や大手FCチェーンなどであれば、多くの営業担当者を割いてたくさんの
 企業を訪問させたり、多額の予算をかけて宣伝展開をすることなどにより、自社や商品の
 知名度を向上させることができます。
 ただ、人材や予算に限りのある中小企業においては、大企業などと同じ活動はできません。

 しかし、多くの営業担当者を割いたり、多額の予算を投入することなく、広く自社や商品の
 情報を発信できる手段があります。
 それが、「パブリシティー(以下広報)活動」と呼ばれる情報発信の取り組みです。
 広報活動とは、一般に、企業などが自社や商品の情報を発信して、メディアに取り上げて
 もらうよう働きかける活動といわれています。

 広報活動は、人材や予算などに余裕のある大企業においては広報担当部署などを通じて
 広く行われている活動ですが、中小企業においては、「よく分からない活動に人を割く
 ことはできない」「やってみたいがノウハウがない」などの理由から、パブリシティー活動に
 対する取り組みは積極的ではないようです。

□広報は経営
 1.行商人からビジネスの本質・広報の本質を学ぶ
  ビジネスの最小単位の焼芋の行商人を考えてみましょう。
  まず芋を仕入れて、町へ運び焼芋を作る。
  これは価値作りです。

  次にそれを売って代金をもらい、利益で自動車を買うなど再投資する。
  もっと儲かれば給与アップや貯金に回す。
  つまり仕入れ ー 価値作り ー 売る ー 回収そして仕入れ・・・このサイクルがビジネス
  の基本。

  企業の大小を問わずこのサイクルを回すことが経営です。
  そこで、「価値作り」から「売る」間にある重要なビジネス活動の存在に気づかなけ
  ればならない。
  行商人は売る前に必ず叫びます。

  「人は知らないものは絶対に買えない。報せなければ買っていただけない」のです。
  お客様が知らない企業は存立し得ないのです。
  太古から未来まで、お客様に適切に報せる能力が顧客を増やす原動力となります。
  その優劣がライバルとの競争を決します。
  広報の能力=成長の能力、つまり広く報せる=広報は経営そのものなのです。

 2.多様化時代の今がチャンス 
  ピンチはビッグチャンスと化す。
  戦国時代・明治維新など歴史の激動期にはその知略・戦略によって小が大を倒し、軽が
  重を制しました。

  大企業の系列優遇の崩壊、価格破壊、それによる購買方式の見直しなどに加え、公平な
  競争による購買が奨励され、平等な機会が与えられます。
  価格・好み・品質・製品‥‥顧客の求める価値がこれほど多様化してきた時代ではチャンス
  は創意工夫によって産み出されるのです。
  異系列・異分野・異業種への参入が容易なのです。

□企業とメディアの関係
 1.記者とあなたの共通点はお客様 
  企業は、経営拡大のために、商品・サービスを「広く報せたい会社」であり、メディアは
  「報せることが仕事の会社」です。
  また、それぞれ、情報を「提供したい会社」、「入手したい会社」でもあるのです。

  つまり、企業とメディアとは、お互いに対等かつ協力関係にあります。
  また、メディアのお客さまは読者視聴者であるが、企業にとっても、そのお客さまは
  既存顧客か潜在顧客であるのです。

  つまり「お客様が共通」なのです。
  企業とメディアは共通のお客さまに、協力してご満足いただける記事を提供している
  のです。

  広報とは「記者に仕事をしていただく仕事」であり「メディアにアウトソーシングする
  仕事」と言えます。

 2.メディアは遠くのお客様へ報せる情報代理店
  近くのお客様には営業員が戸別訪問し、街頭でも大声で報せる。
  これは営業の原点で原始的だが最も着実な方法です。
  また、「代理店」を通じて営業活動を拡大強化する。

  それでは、遠くのお客様へはどうやって報せるのか?そこにメディアの存在があります。
  メディアは、企業に代わって、創業者の夢や志、経営ビジョンや経営戦略、商品・
  サービスなどについて「遠くの多くのお客様」に報せてくれる有難い存在なのです。
  まさに「情報の代理店」です。

  その代理店にいかに多く協力してもらえるかが競争に勝つことの秘訣なのです。
  メディアは、顧客や社会の代表者でもあるのです。
  社会の声を十分に察して、必要な情報入手を心がけます。
  時には顧客の代弁者・社会の公器として企業と対立する。

  記者の背後にはお客様・社会の人たちがいることを肝に銘じておく。
  営業が顧客の窓口ならば、広報は社会に通じるメディアの窓口です。
  「広報−メディア−顧客が一直線」であることを片時も忘れてはならないのです。

 3.広報と広告とはここが違う 
  広報の狙いは四つのアップです。
   ①商品・サービスの認知度アップ
   ②社名の知名度アップ
   ③イメージアップを図る
   ④ブランドアップが目標 

  そこで、広報と広告の違いを理解しておきましょう。
  《広報とは》:「企業情報をメディアに提供し、メディアは自らの判断・都合により、
         記事・ニュースとして報道すること。」
         コストはゼロだが、報道の可否は一切メディア任せ。
         従い報道された場合の客観的価値は高く、信頼性は圧倒的に高い。
         しかもその伝播力は計り知れない。
         記事やニュースはいわば第三者に評価された「勲章」なのです。

  《広告とは》:「企業がスペース・時間を買う。
         メディアは、企業の指示通りに広告・CMとして報道すること。」
         企業は予算に応じて計画的にできるが、効果を出すには膨大なコスト
         がかかる。
         また自画自賛のため客観性・信頼性は劣る。

  《記事広告とは》:スペースを買うが、取材記事となる中間的なもの。
           コストがかかる点では広告と同じ。
           最大の違いは、広報はお金で買えない=コストゼロ。
           広報はValueバリュー、広告はMoneyマネー。
           広報が主導し、広告が後押しする関係が理想。
           資金的に余裕があれば広告も大いに利用し、相乗効果が得られる。
           これからはマネーよりバリューの時代です。

メディアとは
 1.メディアの役割 
  マス・メディア(大衆媒体)には新聞、雑誌、テレビ、ラジオ他多種多様あります。
  特に各分野に多くの業界紙専門紙があることを重視しましょう。
  メディアはニュース報道、オピニオンリーダーとしての言論啓蒙、生活娯楽情報そして
  広告の四つの機能を持ちます。

 2.メディアもメーカー
  記者の取材は原材料の仕入れと同じです。
  メーカーで原材料が悪ければ良い商品が造れないのと同様に、良いネタでなければ
  良い原稿は書けない。
  それは一時加工です。
  デスクや整理部はそれぞれ二次加工や検査工程と同じ。

  つまりメディア全体もメーカーと同じ機能を果します。
  記者はよりよい原稿を目指して独自のニュースを探す。
  メーカーが他社との差別化を図り競争に勝つため、より安くて良い原材料を求める
  のと同じ。

  各メディアは販売部数・視聴率競争に勝つため、大衆がより読みたい・見たいものを
  報道しようとします。
  その激戦を勝ち抜いた「歴戦の勇士」であり、客観的に誉められた「名誉の勲章」
  なのです。
  一つひとつは小さくともその価値は高い。

□ニュースとは何か? 記事の出し方とは?
 1.ネタを探す
  ニュースの素材(ネタ)を探すには、キーワードで考えるといいでしょう。
  まず、「新しい」「最も」「初めて」や「NO.1」がつくと立派なネタになる。
  「独自=オンリーワン」、「独特=ユニーク」、「独創=オリジナル」という三つの
  独には興味を惹く。

  また「驚」くべき、「珍」らしい、まさか? にはみんなが目を見張る。
  プロ的趣味を持つ面白い社長や誰もやれない痛快なことを成し遂げた社員など「人」に
  関することも魅力があります。
  人助けや地道な社会貢献などの「美談」や「心温まる話」は拍手喝采を受けるでしょう。

  「世相・時流・指標」のキーワードにも注目します。
  「世相を反映しているもの」や「時流に乗っているもの」には誰もが目を惹きます。
  「業界一の売上高増加率達成」など「指標になるもの」もきっと喜ばれます。 
  企業活動についても同様。

  重要な経営戦略は常時注目を集めるでしょう。
  大プロジェクト受注やM&Aは当然。
  また工場祭りなどの「イベント」は常に話題になります。
  「ネタはもう一つの経営資源」であることを忘れてはなりません。

 2.ネタを造る 
  ネタをいくつ造れるかが広報合戦に勝利する鍵となります。
  しかしどれもが日本一など魅力的なネタとは限らない。
  そこで“条件付きキーワードで考えてみましょう。
  もっと「狭い」範囲でもいいでしょう。
  「九州で初めて」いや、「秋田市最大」でも十分です。

  また「その地域で一番のシェア」でもOK。
  すると魅力あるネタが案出できるでしょう。
  さらに、「小さい」を「業種・業界」「分野」と組み合わせる。
  「ある業種でNO.1」だとか、「ある分野でユニーク」等です。
  ますますアイデアが湧くでしょう。
  つまり、小と狭、分野・業種・地域の組み合わせがキーとなります。

 3.記事の出し方
  企業からは、「一斉発表」と「取材要請(一般的にリークと呼ばれ)」、記者からは
  「取材申込み」によって記事は出ます。
  取材要請と申込みは個別取材となり、独占取材(1社)なので報道される確率は高く、
  相対的に大きな記事になる利点があります。

   ①一斉発表:“基本的な事項が明らかにできる場合”に、「複数のメディアに同じ
         情報内容を公式に提供すること」で、記者クラブや自社・ホテル
         などで発表したり、プレスリリースを配信する方法。
         多くのメディアで報道される可能性もあるが、1社特ダネではない
         ので記事は相対的に小さくなる。 
         その他記者会見や各種イベントでの挨拶も発表と同じ扱いとなる。
         事件や事故などにおいては基本的な事項が明らかでなくても発表
         せざるを得ない場合もあります。 

   ②取材要請:あるネタに関して「企業から特定メディアに取材を要請すること」で、
         メディアの選択権は企業にある強みを活かして戦略的な広報が行える
         ので多用するといいでしょう。

   ③取材申込み:記者からの特定テーマに関する申込みです。
          しかし、重要事項が漏洩しての申込みもあるので注意しましょう。

□報道されたら
 1.対外的な効果 
  1つの報道は、膨大な読者・視聴者への遡及に加え、多くのメディアの耳目にも達する。
  「記者の最大の情報源は他の記事(報道)」です。
  ある報道は他の記者にとって「取材候補企業」となり、取材申込みが増えます。
  小さな記事・ニュースでも大切。
  ビジネスチャンスが拡大します。

  「記事は勲章」。
  社会の信用・信頼性が飛躍的に増します。
  「有名ブランド」は万人に好まれ、リクルートに果す効果は計り知れません。
  だれでも有名な企業で働きたいのです。
  好ましい報道の繰返しは企業イメージを膨らませ長い目でブランドを築きます。

 2.社内的効果に喜ぶ 
  社内にも大きな効果を発揮します。
  企業ビジョンや経営方針の一端が報道されると社員の理解が深まります。
  広報の良さがわかると進んで協力する姿勢が育まれ、社内が活性化します。
  知名度があがると自分も有名になった気分になります。

  記事は社会に認知された証、自信ができ誇らしいでしょう。
  社会的責任への自覚が醸成され、志も昂揚するでしょう。
  これは最重要な効果です。
  記事は奥深い。好ましい報道効果を忘れるべからず。

  会社への帰属意識を強め、モチベーションを高めるでしょう。
  予期せぬ効果が社内に広がるでしょう。
  その家族・親戚も誇りでしょう。
  広報は対外的にも社内的にもWin−Win−Winをもたらします。
  広報を積極的に行うのは社長しかできない役割なのです。

□激動時代を勝ち抜く経営者の心得
 1.「読むもの」から「載るもの」、さらに「載せるもの」へ
  新聞は「読むもの」、載るなど関係ないと思い込んでいる社長が多い。
  これからは「載るもの」と発想転換しよう。
  さらに進めて「載せるもの」という積極的発想で取組みましょう。
  その姿勢が記者の心を捉えるのです。

 2.「小」「多」「異」の記者と親しくし、「小」「多」「異」の記事を喜ぼう 
  読売・日経など大メディアになかなか取り上げられる機会は少ない。
  そこで小さなメディア(業界紙専門紙など)の記者や記事を大切にする心がけが
  広報の原点。
  記事は「勲章」、広告と異なりどれに載っても客観的価値があるのです。
  小を重んじれば大に繋がる。
  異なったメディアで数多く報道されると「信用」が増す。波状的に現れると「イメージ」
  が膨らむ。
  メディアがメディアを増幅する。

 3.一人ひとり・・・会社の品格は? 
  社長がどんなに高邁なビジョン・理念を掲げても、それを日々具現化するのは社員
  一人ひとり。
  社長が機関車で社員はエンジン付きの車両、社長は自らの想いを常に徹底浸透させる
  ことが大切です。
  企業の品格は販売員や受付嬢など最前線の社員で決まることを忘れてはなりません。

 4.記事にならない企業は? 
  記者が面白さを感じない企業は、お客様に喜んでもらえない企業です。
  顧客価値を継続して創造できない会社はたちどころに衰退し、早晩市場から退場を
  迫られる。
  永続発展のためには、「いつも記事になる会社」を目指さなければならない。

   ①顧客価値のない企業は、記者に喜ばれない
   ②記者に喜ばれない企業は、記事にならない 
   ③記事にならない企業は、生き残れない

□広報力で業績を上げよう
 同じ価値の商品・サービスであれば、広く報せる力が強い方が勝つ。
 今や広報力の優劣が業績を変える時代だ。
 “情報とは情熱を報せるといい、情けに報いるともいう”。
 企業力は、販売力・財務力・購買力・技術開発力の積といえるが、その上広報力が
 加わると強い。
 広報力は、広報(発信)と広聴(受信)を両輪として企業力全体を支えつつ、ビジョン
 ・理念に向かう強力な牽引車なのである。

□広報は社長の仕事
 広報活動は、創業の夢・志を起点に、四つのアップの中心を堅牢な矢で貫通しつつ、
 ビジョン・理念に向かう、日々一貫した地道な継続的活動でなければならない。
 危機対応もIR活動もこの矢に沿ったものであるべきだ。
 さもなくば、いつか失敗の憂き目に遭おう。 

 記者は顧客への伝道者で顧客の代表者でもあるのでいつも社長が応対することが大切である。
 経営は社長の夢・想いの具現化に他ならない。
 記者の筆は「社長のビジョン十熱意」で進む。
 一国の首相・大統領と同じく、創業の夢・志やビジョン・理念を責任と権限をもって
 的確に発言できるひとは、社長以外にはいない。

 自らビジョン・理念を語り、自社及びその商品・サービスを一人でも多くの人に広く
 報せようと日夜努力する「動く広報担当社長」になろう。 
 広報は経営そのもの。
 創業から今日そして未来へと、あたかもリレー走者のごとく、引き継いだバトンをより
 良いバトンにして、顧客・社員そして後継者にもきちんと伝えていくことは、社長の
 仕事であり使命である。 
 “一貫して地道な広報日々継続、目指すはビジョン・志”

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パブリシティとプレスリリース

WEBプレスリリース

Webプレスリリース

Webプレスリリース
 従来のプレスリリースは郵送や直接持ち込みなど、ローカルなアプローチが主流でした。
 しかし、プレスリリース配信サービスはWebに掲載してネットワーク上でアプローチする
 ため、ローカルより圧倒的に早く効率的に配信することが可能です。

 またWebに掲載することで多くのユーザーの目に留まり、プレスリリース自体が商品・
 サービスの宣伝につながる可能性もあります。


■なぜあの商品はメディアで話題になるのか
 北海道の老舗菓子店が2017年4月に発売した「飲む羊羹」が連日メディアに取り上げられ
 話題になりました。
 当時「飲む羊羹」と検索すると上位には自社サイトの他、商品を取り上げた各種情報
 サイトがヒットしました。
 その他、ヒット商品の例としては

  1.年商10億円の日本酒蔵が1本3,000円の新商品を1,500本、1ヵ月で完売!
  2.原料生産から行う菓子店が立ち上げたばかりのネットショップで、いちごプリン
    を販売。
    たった1日で計100件受注!
  3.甘酒専門店がネットショップで新商品を80万円売上!

 ヒット商品につながった上記紹介メーカーに共通することは、
“WEBプレスリリース”
 手法を使った、ということです

 WEBプレスリリースは、商品認知度を高め売上アップにも直結します。

 今回はWEBリリース活用のポイントについてお伝えします。

□WEBプレスリリースの成否をわけるもの
 1.タイトルと見出しで80%が決まる

  日々メディア側に届く大量のリリース情報の中から興味を持たれるには
  「タイトル文と見出し」が勝負。
  きれいな文章である必要はなく、売れている実績を分かりやすくまとめられている
  かがポイントです。


 2.箇条書きで読みやすい工夫を
  商品の特徴などは箇条書きで書く方が読みやすいと言われます。

 3.具体的な「数字」を記述する
  販売実績や売上などを具体的に入れましょう。
  特に新商品のリリースが多い中、販売実績があるリリースはメディア側も取り上げ
  やすいものです。


WEBリリース配信サイト
 WEBプレスリリースは、リリース配信会社を利用することで多くのメディアに伝える
 ことが可能です。
 利用方法は
  ①情報売込による採用配信(無料)
  ② 有料によるリリース配信会社提携先への配信(1 配信3〜5万円程度)の
 2パターンがあります。
 どちらのパターンでも一度配信したWEBプレスリリースはインターネット上に残り続け
 ますので、メディア側がインターネットで取材対象を探す際にヒットしやすくなります。
 WEBプレスリリースを上手に活用し業績アップにチャレンジしていきましょう。


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パブリシティとプレスリリース

プレスリリースの方法


  今までのように「つくれば売れた時代」から「つくっても売れない時代」になってきま
  した。

  IT環境の進歩により消費者主導の時代になった今、売る側がマスコミを通してさまざまな
  情報を提供してきています。

  起死回生の中小企業を紹介するガイアの夜明け、カンブリア宮殿、アーカイブス(NHK)
       などの番組。

  B級グルメ、パテシエ、ものづくり(東大阪、大田区)など。

  マスコミは視聴者が飛びつくような情報を欲しがっており、売る側は商品やサービスを
       取り上げてもらいたい。

  TV、新聞、雑誌などに紹介される情報(商品やサービス等)の多くは売る側からの情報提供なので         す。

  報道の基準は、規模ではなく、ニュース価値です。

  会社の規模とは関係ありません。

  中小企業にとって、マスコミに取り上げられるメリットは大きいです。

  良い物だから売れるのではなく、良い物のように思えるから売れるのです。

  「知っている番組で取材された商品・サービスなら…」と購入したこともあるでしょう。

  大きなコストをかけてマス広告で、ターゲットに訴求できない中小企業にとっては、マスコ
  ミを活用することを経営戦略に入れるべきです。

  業界、専門紙・誌を、隅から隅まで読んでいる新聞記者、新聞地方版の小さな記事、
  ベタ記事(文字だけの小さなスペースの記事)を追っている全国放送のテレビディレクター
  もいます。

  彼らは、業界誌や新聞の小さな記事などをヒントに、テレビ番組や記事の企画をしたり、
  取材先を探したりしています。
   
  ■パブリシティを利用

   「これは売れる」と思われる新製品を開発し、宣伝したいが宣伝費が十分にない、といっ
   た悩みをかかえる会社が少なくありません。

   新聞や雑誌を使った広告には多額の費用がかかり、これを使って宣伝するのは難しく、
   かといってこれを怠れば製品はまったく売れない、というジレンマを解消するには
   「パブリシティの活用」といった方法があります。

   パブリシティを利用した宣伝効果の特徴は大きく二点があげられます。
    (1)純粋な記事として紹介してもらう広告活動なので広告のような費用はかからない。
    (2)記事として取り上げられるので、読者への信用度や説得力は高く、広告を出す
      よりむしろ信ぴょう性があって効果的。

   しかし、ここで念頭に置いておきたいのは新聞や雑誌の記者や編集者が「この製品は
   掲載するに値する」と判断したものしか採用されないということです。

  □ビジュアルな資料を作る

   「掲載に値する」と相手に思わせるためには、積極的に働きかけることが大切です。

   とにかく「採用されなくてもともと」という開きなおった気持ちで、新製品の紹介欄をも
   つ目ぼしい新聞や雑誌に積極的にアプローチすることです。

  □アプローチの方法

   (1)担当者にくらいつく

     商品資料を送る前にまず電話を入れ、担当者名を聞き出しその担当者宛に送る。
     以後の連絡もすべて担当者を名指しですること。

   (2)パブリシティの中身を吟味

      文章だけでなく、写真や説明図を添えてできるだけビジュアル化する。

     また、開発の背景などもいれるとよいでしょう。
  
   (3)アフターフォローを適切に

     資料を送付して適当な時間がたってからプッシュの電話をする。

   (4)実物をみてもらう

     郵送、持って行く、見に来てもらう、と方法は適切なものでよい。

     資料だけでは関心を持たない人も、新たに関心を持つ可能性がある。

   以上の4つのポイントを相手や商品によって考え、組み合わせていくことです。


  □パブリシティへのPR方法(正確な資料作成)

   大企業は広報体制が整っているが、中小企業はそこまで気が回らず、新製品などの
   PRの機会を逸すケースが多いのが現実です。

   ここ数年、ベンチャー企業、ニュービジネス企業を含め中小企業に対するマスコミ報道
   機関の関心は高まる一方です。

   内容が報道価値のあるものであれば、企業規模は問題ではありません。

   こんな時期にこそ、社内の広報活動を見直し確立するチャンスなのです。

   まず、大切な点は、
   「社会的に受け入れられる広報素材を、企業の実際の活動の中から発見すること」

   その場合、
   「自社の事業・製品・サービスが社会にどんな新しい価値観や利便をもたらしうるか
   客観的に考察する」

   そしてそれを、
   「自社固有の特徴として把握すること」が基本となります。

   同時にこの特徴を「的確に言い表す」ことは大切なポイントです。

  業種・業態にあったコンタクト先を検討

   次にコンタクト先ですが、これは業種・業態によって左右されます。

   広報活動をスムーズに行うためにコンタクト先を正しく選択することは重要です。

   例えば、経済・産業のニュースに限定した場合を例にしますと、窓口は

    ・専門の新聞・業界紙

    ・経済・経営雑誌

   的はずれなところにコンタクトをとるのは、取り上げてもらう望みが薄く骨が折れるばか
   りです。

  □パブリシティ利用のルール

   マスコミにPRするもっともいい方法は新聞、テレビ、雑誌などのマスコミを利用して
   記事に
してもらうことですが、これには、守らなければならないルールがあります。

   うっかりすると、その後に大きく響く結果を残すことになりかねません。

   広告なら、お金さえ出せば、好きなときに好きなだけ、こちらの意志で自由になります
   が、マスコミ記事はすべて先方の価値判断次第です。

   つまり、興味をひくものでなければ振り向いてもくれませんし、逆に興味さえもっても
   らえれば販売促進効果は絶大です。

   事前に発表の場にあわせて、日程や発表方式を相談しておくことが大切になります。

  □記者発表する場合の「ルール」

   記者発表をする場合は、「一般紙を優先し、その後で業界紙や雑誌を対象に発表する」

   「一般紙、業界紙」と「特約店や販売代理店」への発表を一緒に行うことは避けま
   しょう。

  □低限、用意しておかなければならないもの

    ・その製品の特徴、価格、発売時期などを要領よくまとめたニュースリリース

    ・会社紹介、会社概要

    ・製品の写真

    ・社長の顔写真

   といった当たり前のものばかりですが、いざ発表する時になって慌てないよう、この
   4点はチェックしておく必須項目です。

  □事前に社内で模擬会見

   発表するときには次の2点に気をつけましょう。

    ・「簡潔に、要領よく説明」

    ・「質問には決してごまかしたり、嘘を言ってはいけない」

   わかってはいても、いざその場になるとなかなか難しいものです。

   説明に関しては、事前の準備の仕方で補うことができますが、問題なのは質問に答える
   ほうでしょう。

   あらゆる質問に備えて、社内で模擬会見をしておくことをお勧めします。

   会見には必ず社長か、役員に同席してもらうことも肝心なことです。

  ■中小企業のパブリシティ活動

   「良い製品を開発しても、自社にネームバリューがなく、新規顧客を獲得できない」
   「この料理には絶対の自信があるのに、店が広く知られていないから来店客が増えな
   い」など、自社には特徴ある製品・サービス(以下「商品」)があるのに、自社や商品の
   知名度が低いために顧客を獲得できないと考える会社(店)は多いことでしょう。

   これが、大企業や大手FCチェーンなどであれば、多くの営業担当者を割いてたくさんの
   企業を訪問させたり、独立した広報部門、多額の予算をかけて宣伝展開をすることなど
   により、自社や商品の知名度を向上させることができます。

   しかし、人材や予算に限りのある中小企業においては、大企業と同じ活動はできま
   せん。

   そこで、多くの営業担当者を割いたり、多額の予算を投入することなく、広く自社や
   商品の情報を発信できる手段があります。

   それが、「パブリシティ活動」と呼ばれる情報発信の取り組みです。

   パブリシティ活動とは、一般に、企業などが自社や商品の情報を発信して、メディアに取
   り上げてもらうよう働きかける活動といわれています。

   パブリシティ活動は、人材や予算などに余裕のある大企業においては広報担当部署
   などを通じて広く行われている活動ですが、中小企業においての取り組みは積極的では
   ないようです。

   企業による情報発信の取り組みは、「営業担当者による既存・新規顧客への営業活」
   「広告掲載、DM(ハガキ・FAXなど)の送付、チラシの配布などの宣伝・販促活動」
   「自社Webサイトの開設」などを中心に行われているのが一般的です。

   これらの取り組みはそれぞれに一定の利点はあるものの制約もあります。

   こうした企業の一般的な情報発信の取り組みに対し、パブリシティ活動には、

    ・メディアを通じて一度に多くの人に自社の情報を発信できる

    ・広告と異なり、活動費以外の費用(広告費など)が発生しない

    ・メディアという第三者に取り上げられることで、信用力を向上させることができる

   などの利点があります。

   もちろん、パブリシティ活動にも、自社や商品の情報が取り上げられるかどうか、その内
   容・量については、メディア側に決定権があるという制約があります。

   また、パブリシティ活動においてもほかの情報発信の取り組みと同様、元々資金力や
   知名度のある大企業に有利であるということには変わりません。

   しかし、パブリシティ活動は、「メディア側が取り上げる情報を決定する」という特性に
   より、ほかの情報発信の取り組みと比べて、大企業と中小企業の差が少ない活動で
   あるともいえます。

   パブリシティ活動において、ニュース価値があれば、企業規模にかかわらず、中小企業
   の取り組みであっても特徴のある取り組みや商品がメディアに評価されれば、取り上げ
   てもらえる可能性があるのです。

   既に「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」などの番組でご承知のことでしょう。

   また、パブリシティ活動においては、うまく条件が合えば中小企業においても大企業並み
   の情報量を発信することも期待できます。

   例えば、ビジネス誌で「キラリと光る中小企業特集」が組まれたり、グルメ番組で「隠れ
   家的な飲食店特集」が組まれることがあります。

   そこにうまくアプローチし、メディアから評価を受けることができれば、中小企業であっ
   ても大きく取り上げられる可能性があります。

   人件費や多額の広告費を負担できない中小企業にとって、あまり費用をかけずに広く
   情報発信の期待を高めるパブリシティ活動は、すぐに成果が得られるとは限らない
   ものの、知っておきたい大切な取り組みの一つであるといえます。

  □パブリシティ活動の流れ

   メディアに取り上げてほしい情報の整理
           
   情報を取り上げてほしいメディアの選定

    ・情報を受け取ってほしい読者・視聴者により、
     選定するメディアが異なるから
           
      活動をプレスリリースの作成

       ・メディアを動かすきっかけとなる重要なツール
           
       プレスリリースの発送

        ・発送先データの収集
           
       送付先へのフォロー
           
   メディア担当者に説明をする、取材に来てもらう
           ↓
     ・メディアで取り上げてもらう

     ・取り上げが見送りとなる

   
  ■広報(パブリシティ)活動は社長の仕事

   大企業と比較して、多くの中小企業は遠く・広くお客様から存在を認識されていないのが
   実態です。

   このような環境の中で広報活動は会社にとって重要な経営課題となります。

   「仕入れ(製造)−価値作り−売る−回収そして仕入れ・・・」のサイクルがビジネスの
   基本です。

   企業の大小を問わずこのサイクルを回すことが経営。

   そこで、「価値作り」から「売る」間にある重要なビジネス活動の存在があります。

   行商人は売る前に必ず叫ぶ。「人は知らないものは絶対に買えないし、買わない。

   報せなければ買っていただけない」のです。

   お客様が知らない企業は存立し得ません。

   お客様に適切に報せる能力が顧客を増やす原動力となり、その優劣がライバルとの
   競争を決します。

     広報の力=成長の力(広く報せる)=広報は経営そのもの

   広報とは、
    「企業情報をメディアに提供し、メディアは自らの判断・都合により、記事・ニュース
    として報道すること。」です。

   コストはゼロだが、報道の可否は一切メディア任せ。

   従って報道された場合の客観的価値・信頼性は圧倒的に高く、しかもその伝播力は
   計り知れない。

   記事やニュースはいわば第三者に評価された「印籠」なのです。

   作れば売れた時代は終わりを告げ、価格破壊、購買方式の見直し、お客様の嗜好・
   買い方の変化、公平な競争による購買が奨励されました。

   平等な機会が与えられ、価格・好み・品質・製品など顧客の求める価値が多様化して
   いる今、チャンスは創意工夫によって産み出され、異系列・異分野・異業種への参入が
   容易になったのです。

  □企業とメディアの関係

   メディアは、企業に代わって、創業者の夢や志、経営ビジョン経営戦略、商品・ サー
   ビスなどについて「遠く広くの多くのお客様」に報せてくれる有難い存在です。

   そのメディアにいかに多く協力してもらえるかが競争に勝つことの秘訣。

   メディアは顧客や社会の代表者でもあり、社会の声を十分に察して、必要な情報入手を
   心がけています。

   その記者の背後にはお客様・社会の人たちがいることを肝に銘じておくことです。

   営業が顧客の窓口ならば、広報は社会に通じるメディアの窓口。

   「広報−メディア−顧客」が一直線上にあることを片時も忘れてはならない。

  □記事の出し方

   ニュースの素材(ネタ)を探すには、キーワードで考えます。

   まず、

    ・「新しい」「最も」「初めて」や「NO.1」がつくと立派な素材になる。

    ・「独自=オンリーワン」、「独特=ユニーク」、「独創=オリジナル」という三つの
     「独」は興味を惹く。

    ・「驚」くべき、「珍」らしい、「まさか?」 にはみんなが目を見張る。

    ・玄人的趣味を持つ面白い社長や誰もやれない痛快なことを成し遂げた社員な
     ど「人」に関することも魅力がある。

    ・人助けや地道な社会貢献などの「美談」や「心温まる話」は拍手喝采を受け
     る。

    ・「世相・時流・指標」のキーワードも注目に値する。
     (「世相を反映しているもの」や「時流に乗っているもの」には誰もが目を惹く。)

    ・「業界一の売上高増加率達成」など「指標になるもの」も喜ばれる。

    ・企業活動について。
     (重要な経営戦略は常時注目を集める。大プロジェクト受注やM&A、工場祭
     りなどの「イベント」は常に話題になる。)

   「素材はもう一つの経営資産」であることを忘れないでください。

  □キーワード(ネタ、素材)をつくる

   キーワードをいくつくれるかが広報合戦に勝利する鍵となる。

   しかしどれもが日本一など魅力的な弾丸とは限らないので、条件付き“キーワード”で
   考えてみましょう。

   もっと「狭い」範囲で、
    ・「九州で初めて」、「静岡市最大」でも十分。

    ・「その地域で一番のシェア」でもOK。

    ・さらに、「小さい」を「業種・業界」「分野」と組み合わせる。

    ・「ある業種でNO.1」、「ある分野でユニーク」等。

   つまり、「小」と「狭」、「分野・業種・地域の組み合わせ」がキーとなる。

  □対外的な効果

   1つの報道や記事は、膨大な読者・視聴者への遡及に加え、多くのメディアの耳目にも
   達する。

   「記者の最大の情報源は他の記事(報道)」です。

   ある報道は他の記者にとって「取材候補企業」となり、取材申込みが増える。

   小さな記事・ニュースでも大切でありビジネスチャンスが拡大する。

   メディアに取り上げられた「記事は印籠」であり、社会の信用・信頼性が飛躍的に増し
   ます。

   「有名ブランド」は万人に好まれ、求人活動に果す効果は計り知れません。

   だれでも有名な企業で働きたいのです。

   好ましい報道の繰返しは企業イメージを膨らませ長い目でブランドを築くのです。

  □広報力で業績を上げる

   同じ価値の商品・サービスであれば、広く報せる力が強い方が勝つ。

   今や広報力の優劣が業績を変える時代だ。

   企業力は、販売力・財務力・購買力・技術開発力の積といえるが、その上広報力が
   加わると強い。

   広報力は、広報(発信)と広聴(受信)を両輪として企業力全体を支えつつ、ビジョン・
   理念に向かう強力な牽引車なのです。

  □広報は社長の仕事

   記者は顧客への伝道者で顧客の代表者でもあるので、いつも社長が応対することが
   大切。

   経営は社長の夢・想いの具現化に他なりません。

   記者の記事は「社長のビジョン+熱意」で進む。創業の夢・志やビジョン・理念を責任と
   権限をもって的確に発言できるひとは、社長以外にはいないのです。

   社長は自らビジョン・理念を語り、自社及びその商品・サービスを一人でも多くの人に
   広く報せようと日夜努力する「広報担当」になろう。
   
  ■メディアを通じた情報発信

   新商品や特徴あるサービスをもっていたとしても、それをうまくプロモーションし、顧客
   の認知、販売にまでつなげることは難しいものです。

   自社名や商品・サービスの認知を広げるには、費用をかけて広告を打ったり、イベント
   を開催したりすることなどが考えられますが、人材や資金に限りのある中小企業が、
   大企業と同じようにプロモーション活動を行うことは難しいでしょう。

   一方、あまり費用をかけずに広く情報発信する手段もあります。

   それは、自社の情報をメディアに取り上げてもらうことです。

   メディアに取り上げられることで、商品・サービスだけでなく、自社のイメージや信用力
   を向上させることも期待できます。

  ■プレスリリースとは

   送り先であるマスコミに向け、企業の新製品・新サービスについての情報や記事をいいます。

   大企業は広報体制が整っているが、中小企業ではそうはいきません。

   「これは売れる」と思われる製品・商品・サービスを開発し、これを宣伝したいが広告・宣
   伝費が十分にない、といった悩みをかかえる会社は多いと思います。

   プレスリリースの内容のポイントは、有益な情報の提供に徹すること。

   タイトル、リード(要約)、本文の3つで構成し、A4判1枚に、
           簡潔なメッセージで商品・サービスについて伝えていきます。

   ニュースネタは身近にあるものです。

   突飛なユニークなネタに固執していては、なかなかプレスリリースに踏み切れません。

   身近な情報を、トレンド、あなたならではの視点と結びつけることで、ニュースになり
   ます。

   誰も考えつかなかった商品であっても、独自の視点と既存のサービスの組み合わせです。

         どんなにすばらしい商品やサービスを開発しても、
         その存在をお客さんが知らなければ買ってもらう
         ことはできません。

   だからといって、新聞や雑誌を使った広告には多額の費用がかかる。

   かといって、これを怠れば製品・商品・サービスはなかなか売れない。

   この悩みを解決する手段として情報や記事として送るプレスリリースという方法があり
   ます。

  □メディアに取り上げてもらう

   自社の商品・サービスが取り上げられるかどうかは、メディア側に決定権があります。

   メディアには、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・インターネットなどさまざまありますが、
   自社の情報を取り上げてもらうための第一歩は、プレスリリースを発信することです。

   プレスリリースを発信する目的は、まず、メディアの担当者の関心を集め、実際に記事な
   どにしてもらうことです。

   プレスリリースは、メディアの担当者が記事を書くために参考にすることを念頭に、
   読みやすく、分かりやすい文章・体裁が求められます。

   図表や画像を使うこともアピールしたい情報を効果的に伝える一策です。

   とはいえ、あれもこれも、と多くの事柄を盛り込んでしまうと焦点が定まらず、アピール
   したいことが伝わりにくい文章になりがちです。

   また、あからさまに広告・宣伝じみた文句は好まれません。

   無論、事実と異なる嘘や誇大表現をしてはなりません。

   発信したプレスリリースが、必ずしもメディアに取り上げてもらえるとは限りませんが、
   継続して取り組むことでノウハウの蓄積やメディアの担当者との関係構築などが期待
   でき、成果が上がる可能性が高まっていきます。

   プレスリリースを活用した宣伝効果の特徴は大きく2点があげられます。

    ①純粋な記事として紹介してもらうための広告活動なので広告のような
      費用はかからない。

    ②記事として取り上げられるので、読者への信用度や説得力は高く、
      広告を出すより、むしろ信ぴょう性があって効果的。

      マスコミ向けに自社の事業・製品・サービスが社会にどんな新しい価値
      観や利便をもたらしうるか客観的な内容の記事情報を配信先のマスコミ
      に送ることです。

  プレスリリースの書き方 

   プレスリリースの書き方のポイントは、有益な情報の提供に徹すること。

   タイトル、リード(要約)、本文の3つで構成し、A4判1枚に、簡潔なメッセージで商品・
   サービスについてFAXで伝えていきます。

   ニュースネタは身近にあるものです。

   突飛でユニークなネタに固執していては、なかなかプレスリリースに踏み切れません。

   身近な情報を、トレンド、あなたならではの視点と結びつけることで、ニュースになり
   ます。

   誰も考えつかなかった商品であっても、独自の視点と既存のサービスの組み合わせです。

   プレスリリースを書く時でも、“つながり”が重要です。

   多くの人が理解できること、知識と結びつけない限り、プレスリリースの内容を理解して
          くれません。

  □送り先マスコミFAX番号データ

   どんなに有益なプレスリリースであっても、情報の送り
   先となるマスコミデータ(FAX番号)、さらに業種・業態に
   よって送るマスコミ先を選択しなくてはミスマッチが起き
   てしまいます。

   そのためにも、広報活動をスムーズに行うためにり先マスコミデータ(業種別)を正しく
           選択することが重要となります。

   あなたにもプレスリリースを活用できるコトやモノが必ずあるはずです。

   ぜひこの機会を逃さずチャレンジしてみましょう。 

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パブリシティとプレスリリース

パブリシティ(広報)活動でマスコミを活用する
 

  大企業と中小企業の広報の大きな違いは、マスコミがコミュニケーションの輪に
  入っているかどうかです。

  「小さな会社なんて相手にされないから」とあきらめている中小企業経営者はたくさ
  んいます。

  改めて購読している新聞や雑誌、よく見るテレビ番組を思い出してみてください。

  発行や放送している企業名をどのくらい知っているでしょうか。

  名前も聞いたことがない企業も多いことに、驚くはずです。

  一方、政府、自治体、大企業など、マスコミにとって報道“しなければいけない”記事 
  も多く目にします。

  しかし、報道の基準は、規模ではなく、ニュース価値です。

  会社の規模とは関係ありません。

  中小企業にとって、マスコミに取り上げられるメリットは大きいです。

  良い物だから売れるのではなく、良い物のように思えるから売れるのです。

  レストラン街の店頭では、掲載された新聞や雑誌を看板のように飾っています。

  ショーウインドウと値段だけでは判断は難しいのです。

  「知っている番組で取材されたメニューなら…」とお店に入ったこともあるでしょう。

  大きな予算をかけてマス広告で、ターゲットに訴求できない中小企業にとっては、マ
  スコミを活用することを経営戦略に入れるべきです。

  ■広告と広報の違い

   広告と広報の違いは、どちらとも広く伝えるという意味です。

   広告はお金を払って、告知を掲載すること。

   広報は、政府、自治体、非営利団体の告知でよく使われます。

   広報の本来の意味は、パブリックリレーション(Publicrelations)といい、利害関
   係者との双方向のコミュニケーションを意味します。

   すなわち、“つながり”を重要視しているということです。

   つながる広報のイメージは、
    あなたの会社を中心(ハブ)に、顧客・業界団体・経営者団体・株主・マスコミ・家
    族・従業員・自治体等が放射状に繋がっているイメージです。

   一方的な情報の伝達ではなく、双方向の情報提供、相互理解が、企業活動の基
   本にあることが、広報です。

   直接の売り上げとなる(潜在)顧客だけでなく、多くの関係者とのつながりで企業
   活動は成り立っていいます。

   広報のイメージは一般的な利害関係者を上げました。

   自社を中心に置き、実際に書き出してみてください。

   要職に多く就いている方は、コミュニケーションを取っている丸が多いでしょう。

   丸に漏れがないか。

   情報伝達の矢印の一方が、太くなっていて、バランスを欠いていないかどうかを
   チェックしてみよう。

   政府広報、自治体広報は、一方通行の伝達も多いのが事実です。

   近年では市民の声を聞く部署を配置したり、ホームページなどで市民の声を聞い 
   たりすることにも、積極的に取り組んでいます。

   政府、自治体でも、つながる広報を試みているのなら、一般企業はなおさら取り
   組むべきでしょう。

  □マスコミをコミュニケーションの輪に入れる
   「マスコミなんて、中小企業なんて相手にしないから」と言っている社長の書く広報
   図には、一般的にマスコミが入っていません。

   情報伝達先にマスコミがなければ、あなたの会社の情報は、マスコミに伝えてい
   ないということになる。

   関係はもたないという考えであれば、気にもかけないし、相手のことも知ろうとしな
   いのです。

   大手PR会社が設立されたのが、1960年代の高度成長期でした。

   マスコミへの情報発信は、政府や自治体、大手企業のみが行っていました。

   マスコミも大きい組織を追っていれば、よかった状況でした。

   このような時代であれば、中小企業は大手企業との取引をすることで、安定的な
   売り上げの確保、会社の信頼を得られました。

   しかし、大手企業との関係がなくなれば、受注先の顧客との関係も途切れること
   になります。

   直接顧客と繋がり、その前に知ってもらうには、マスコミへのアプローチが経営上
   も重要となってきました。

   マスコミで露出をしたいのなら、コミュニケーションの輪にまずマスコミを入れるこ
   とです。 

   新商品の発売の時にだけのお付き合いではなく、継続的に情報発信、やりとりを
   行う決意も必要です。

   マスコミへの心理的な壁は、どんな中小企業でも大きく、特別視されています。

   広報の専門誌も発行されて、広報と企業のあり方に注目も浴びてきましたが、紹
   介されるのは大手企業の事例が多く、中小企業での広報となると、現実的なイ
   メージがつかないようです。 

   しかし、マスコミを意識することで
    ・マスコミのトレンドに対して、適切な情報を提供できる
    ・タイミングにあった情報発信ができる
    ・いつでもマスコミに対応できる企業体質ができる
   ようになるのです。

   プレスリリースを書かなくても、取材はある日、突然やって来ることもあります。

   ホームページを作りっぱなしではなく、更新していれば、サイト検索によって取材
   依頼のメールが入る――。

   まだまだ時期尚早と機会を逃すのではなく、日頃からのマスコミ対応の準備をし
   ておくことです。

   お世話になっている社長からマスコミを紹介されれば、断ることもできません。

  □マスコミは情報を待っている
   プレスリリースでマスコミへの情報発信を積極的に行っている、横浜市のA工務
   店(社員30名)の中小企業。

   この工務店はシックハウス対策の住宅を建設してる。

   実は、この工務店の社長自身、初めて建設した自宅がシックハウスで、アトピー
   になった。

   それ以来、室内の空気環境の研究、実験を繰り返し、まだ完治はしていません
   が、アトピーの状態もよくなってきたそうだ。

   このことが社会性のあるテーマでもあり、自治体、建設業界からの講演の依頼も
   多く、マスコミから直接取材の依頼もあり、新聞、業界紙、テレビの実績もある社
   長。

   自らプレスリリースで情報発信しなくてもいいと思うのですが、A社社長いわく、 
   「ある時期、マスコミは情報を待っているとわかったそうである。

   マスコミからの依頼の対応だけでは、健康の最新情報など、伝えたくても伝えられ   
   ません。

   知人からプレスリリースについて教えてもらい、マスコミへの情報発信の重要性を
   知った」ということでした。

   A社社長の社内会議では、セミナー、講演会、新規事業を立ち上げる時には、マ
   スコミに伝えるべき情報なのか。

   マスコミの先にいる読者、視聴者にとって有益な情報なのか。

   マーケットとしてのマスコミが、企業活動の方法性を決める、一つの判断基準に
   なっています。

  □載りたいメディア、載れるメディア
   漠然とマスコミの取材を受けたいと思わずに、具体的にアプローチするメディアを
   決めましょう。

   新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットのうちどのメディアで報道されれば、効
   果的なのかを基準に選んでいきます。

   まず、新聞と言っても県紙、全国紙、地域紙があります。

   また経済面、社会面、県民版、生活部など部署も明確にしましょう。

   効果的という視点で考えると経済面となりますが、グローバル企業、日本の大企
   業などライバルがひしめく紙面であることから、中小企業ならば、社会面、県民版
   を狙った方が確実です。

   社会面というと事件、地域活動のイメージが強いのですが、「経済部で受けきれな
   い規模の企業は、社会部でプレスリリースを受け付けている」と全国放送の社会
   部報道記者は言ってるとのこと。

   次には、メディア名、部署、連絡先を記入したメディアリストを作成します。

   住所、代表電話はホームページで調べられます。

   「マスコミに連絡して、怒られないか」と言う中小企業経営者もいます。

   ネタ探しと締めきりとのプレッシャーから、冷たく扱われることもあるが、ネタが良
   ければ話は別。

   丁寧に対応してくれます。

   第三は、プレスリリースを送付したい部署に繋いでもらうことです。

   その内容を伝えれば、FAX番号を教えてくれます。

   商品写真などは、封筒で郵送して、到着するころに、確認の電話をします。

   マスコミ各社の代表連絡先が収録されているマスコミリストの購入によりホーム
   ページで調べる手間を省くことができます。

   その中から、あなたの会社の独自のメディアリストを作成してください。

  □マスコミの情報源はマスコミ
   大手マスコミだけを狙わずに、業界紙・誌、地域誌、コミュニティ誌へのアプローチ
   も行いましょう。

   掲載実績を着実に成果につなげていくことが大切です。

   業界内、地域で評価されていない企業を、全国区のマスコミが興味を持ってはく
   れません。

   取材先を選ぶ時の基準となるのは、地域や業界内で有名な会社です。

   掲載紙(誌)のコピーと一緒に、プレスリリースを送付することもポイントになりま
   す。

   プロの記者が、どのような視点で記事を書いたのか。

   ホームページ、パンフレットの情報が、どのように表現されているかを、彼らは執
   筆の参考にしています。

   マスコミは独自のニュースを取り上げたいと、誰も取り上げていないネタを追って
   日々、奔走している一方、他社がどんなニュースを、どのくらいのスペースで、ど
   のタイミングで配信しているのかを気にしています。

   他社で取り上げたニュースも、情報源なのです。

   マスコミが取り上げたニュースは、当然、報道価値があるからです。

   ある新聞社で取り上げたニュースを、他の新聞社で取り上げられる可能性はなく
   ても、記者の中には、時期を置いて、新たな視点で報道する参考のために、他紙
   の新聞記事を保存していることがあります。

   業界、専門紙(誌)を、隅から隅まで読んでいる新聞記者、新聞地方版の小さな記
   事、ベタ記事(文字だけの小さなスペースの記事)を追っている全国放送のテレビ 
   ディレクターもいます。

   彼らは、業界誌や新聞の小さな記事などをヒントに、テレビ番組や記事の企画を
   したり、取材先を探したりしています。

  □プレスリリースは、タダの広告ではない
   「広告費をかけないで、マスコミに掲載されるのなら……」とプレスリリースを配信
   する企業も増えてきました。

   しかし、「興味を持って読み進んでいたら、結局、宣伝ばかり」というものには、落
   胆する時もあると、インターネットメディアの編集長がいっていました。

   「読者が喜ぶニュースを、自らのメディアで伝えたい」というジャーナリストの気持
   ちは、読者が考えている以上に純粋です。

   例えば、香川の讃岐うどん。

   うどんという特段新しいものでもない食品がブームになった影には、小さな雑誌編
   集者がいます。

   「讃岐うどん独特のこしのあるうどんを全国に広めたい」という想いがあったのだ。

   プレスリリースの内容のポイントは、有益な情報の提供に徹すること。

   タイトル、リード(要約)、本文の3つで構成し、A4判1枚に、簡潔なメッセージで商
   品・サービスについて伝えていきます。

   仮に「街のお祭り」ならば、開催概要だけでは、取材の対象になりません。

   記者に注目してもらうには、社会背景に対応したメッセージと、例年との比較など
   を盛り込んで、物語で周辺情報と一緒に書き上げていく必要があります。

   中小企業のターゲットとする市場は、大企業が対応しない小さな市場の場合もあ
   り、商品開発のきっかけの背景が、新聞記者には感覚的に理解できないこともあ
   ります。

   理解できないという前提で、あなたの商品、サービスを必要としている人、企業の
   状況を、具体的に伝えることが重要です。

   一方、大手新聞の記者では理解できなくても、業界、専門紙・誌の記者ならば、興
   味をもってもらえる可能性もあります。

   メディアをリストアップしておくことが、プレスリリースを書くときに、役立ってくる。

   メディアを探し出しておくことで、取材〜掲載のチャンスロスがなくなります。

   まずは、今ある商品をプレスリリースで求められる要素を盛り込んで書いてみま
   しょう。

   そのプロセスで新たな切り口、視点が見つかれば、書き直して、マスコミに発信し
   てみてはいかがでしょうか。

   なお、ニュースネタは身近にあるものです。

   突飛なユニークなネタに固執していては、なかなかプレスリリースに踏み切れま
   せん。

   身近な情報を、トレンド、あなたならではの視点と結びつけることで、ニュースにな
   ります。

   誰も考えつかなかった商品であっても、独自の視点と既存のサービスの組み合わ
   せによって独自商品が生まれる可能性もあります。

   プレスリリースを書く時でも、“つながり”が重要です。

   多くの人が理解できること、知識と結びつけない限り、プレスリリースの内容を理
   解してくれません。

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パブリシティ活動とプレスリリース

広報(PR)活動は中小企業の競争力を強化

パブリシティ(広報)は中小企業の競争力を強化
 

  ビジネスの最小単位の焼芋の行商人を考えてみましょう。

  まず芋を仕入れて、町へ運び焼芋を作る。

  これは価値作りである。

  次にそれを売って代金をもらい、利益で自動車を買うなど再投資する。

  もっと儲かれば給与アップや貯金に回す。

  つまり仕入れ−価値作り−売る−回収そして仕入れ・・・このサイクルがビジネスの

  基本。

  企業の大小を問わずこのサイクルを回すことが経営の基本です。

  しかし、実はそれだけではありません。

  そこで、「価値作り」から「売る」間にある重要なビジネス活動の存在に気づかな
  ければなりません。

  「売る」前に「報(しら)せる」という仕事があるのです。

  行商人は売る前に必ず叫びます。

  「人は知らないものは絶対に買えません。

  報せなければ買っていただけない」のです。

  お客様が知らない企業や商品は存立しません。

  太古から未来まで、お客様に適切に報せる能力が顧客を増やす原動力となるのです。

  その優劣がライバルとの競争を決します。

  広報の能力=成長の能力、つまり広く報せる=広報は経営そのものなのです。  

  売れないと嘆く前に、買ってもらえないのは報せる努力が足りない、と反省すべきです。

  ■メディアの活用は自社の競争力を強化

   “お客様からいただく売上げだけが会社(あなた)存立の唯一の源である”ことを、
   片時も忘れてはなりません。

   報せるためには、まず顧客を直接訪問する。

   次に、街頭を歩き、大声で、スピーカーで呼びかける……。

   これらは昔から行われている「報せる」方法です。

   次に「チラシ」を配布し、「立札」で報せる……。

   これは「広告宣伝」です。

   そして「記事」や「ニュース」として報せる。

   これが「広報・PR」と呼ばれるものです。

   その方法を紹介します。

   近年は「インターネット」によって報せる方法がも盛んになっています。

   自分(自社)のホームページも簡単に立ち上げることができます。

   その都度更新し、自分(会社)の顔を整えます。

   しかし、それだけではアクセス数は増えません。

   つまり、誰も会いに来てはくれません。

   そこで、自分でもメルマガを配信したりブログを作ったりして、その存在をアピール
   する努力も怠らないようにします。

   これら一連のことが、いわゆるメディア=媒体で報せる方法なのです。

   メディアをうまく活用すれば、小さな会社でも情報の質・量・スピードにおいて大企業に
   劣らず、平等な機会で公平な競争ができるでしょう。

   なぜなら、顧客の嗜好、品質が多様化し、それによって、価格も多角化しているから
   です。

   今は量より質、価値、あるいは機能性や機動力が優先されます。

   つまり、小さな会社でも価値とスピードで、大企業に勝てる時代なのです。

   ところが実際には、多くの小さな会社には次のような弱点があります。

    ①広報の大切さを理解せずに、機会損失をしている
    ②よいネタを持っているのに、記事になっていない
    ③広報の知識・経験がなく、やる気があってもその方法がわからない

   そこで、価値ある情報をまとめて積極的に報せる「広報力」の重要性はますます高
   まっています。

   小さな会社でも独創的な知恵があれば、広報に力を入れることによってライバルを
   しのぎ、勝ち残ることができるのです。

  □広報の目的
   「広報に力を入れたので、知名度も上がり、会社の業績もよくなっている」と誇らしげな
   経営者がいる一方、「広報しなくてもそこそこもうかっているので別に必要ない」とか、
   「うちはBtoBなので有名になっても意味がない」などと言う社長がいます。

   そもそも有名になり、イメージが上がるとどんな効果があるのでしょうか?

   広報の目的とはいったい何でしょうか?

   まず、外的な意義・効果を考えてみましょう。

   広報活動がうまくいけば、以下のような成果が行られます。
    ・多くの人に報せることができ、信用や知名度が向上する
    ・顧客や取引先が増え、ビジネスチャンスが拡大。売上げや業績が向上する
    ・企業のビジョンが社会に浸透し、ブランド力が向上、リクルートに役立つ
    ・顧客や株主も喜びと誇りを抱く
    ・取引先や協力企業も地域住民も喜び、誇りを抱く

   一方、内的効果も大きいことを見逃してはなりません。
    ・社長のビジョン・理念が客観的に社内に伝わり、浸透する
    ・社内が活性化し、帰属意識やモチベーションが高まる
    ・社員に社会的責任の自覚が芽生え、社員が自信と誇りを抱く
    ・社員の家族や親戚まで、関係する周りの人たちみんなが喜び、
     誇らしい気持ちになる

  □広告と記事の違い
   広報活動とは、全メディアを活用し、
    ①商品知名度 ②会社知名度 ③イメージ ④ブランド力 の4つのアップを目 
    指し、尊敬される会社になろうとする一連の活動です。

    そこで、広告と記事の違いを明確に学んでおきましょう。

   ◎広告
    会社がメディアのスペース(紙媒体)や時間(テレビ・ラジオ)を購入し、会社の指
    示どおりに広告・CMとして報道する。
    予算に応じて計画的にできるが、効果を出すには大きな資金がかかる。
    また、その内容は、主観的で自画自賛なので信頼性は低い。

   ◎記事・ニュース
    会社がメディアに情報を提供し、メディア自らの判断・都合により報道される。
    このような活動を「Publicity(パブリシティ)」と呼ぶ。

   ◎記事広告
    「パブ広告」や「タイアップ広告」ともいい、広告と記事の中間。
    広告の一種で廉価。

   以上のように、広告と記事の明確な違いは、「広告はお金(Money)で買えるが、記事
   はお金では買えない。

   価値(Value)のプレゼントによって生まれるもの」ということです。

   金(カネ)より価値(カチ)なのです。

   ところで、「広告はお金が必要だが、記事はタダ!」と言う人がいますが、“記事は無料
   の広告と短絡的にとらえてはなりません。

   広告は「広告費=Advertising Fee」が必要ですが、記事には社長の決意があり、
   会社としての情熱が欠かせないのです。

   実際、社長や広報担当の時間や労力が必要ですから、タダというのは間違いです。

   広報は崇高なる経営の仕事。

   広報を重視する風土や文化を育てましょう。

   永遠の成長を促すには、無限の情熱員を投入し、広報資産を築き上げることです。

  □適任の広報担当者を決める
   小さな会社では、どのような人が広報を担当するのでしょうか?

   1.社長が率先する
     小さな会社は、社長がオールマイティーに「広報担当社長」として率先して広
     報活動しましょう。

     それが社内外に決定的な好影響を与えます。

   2.広報担当者を指名する
     記者は、商品や会社の情報を顧客や社会に伝え、顧客や社会の情報を教え
     てくれるメディア(媒体)です。

     そこで、顧客の窓口に営業担当者がいるように、顧客の代表者であり、社会の
     代弁者といえるメディアの窓口にも広報担当者がいることは当然です。

     記名に知名度アップに協力してもらおうとお願いする立場なのに、その窓口が
     いないということは失礼でもあります。

     そして、経営として広報に取り組み、情報をどんどん発信することによっで情報
     の透明性やスピード性を重視するという姿勢が、内外に好影響をもたらすこと
     は疑うべくもありません。

     社長が頭脳とすれば、広報担当者は顔。

     組織上にも広報課、係、グループなどを設置し、兼任でよいので、将来を託せ
     る有望な第一級の若手人材を充てるのです。

     そのうえで、社内外にわかるように名刺に“広報担当”と記載することが大切です。

     広報担当者は、ネタを探し、それらをまとめ、社長に相談してメディアに発信し
     たり、ホームページにアップしたりする“情報基地”です。

     社長や社員がネタ発掘を心がける会社、ネタが湧き出る会社ほど社員は生き
     生きと躍動するものです。

  □広報活動を実践するための具体的な方法
   次のようなケースを考えてみましょう。

   A社の総務係長・Bさんは、社長に「今度、売りに出す新商品を何とか記事にしてほし
   い!これからは広報係長も兼任だ」と命じられました。

   A社は、会社設立1年。企業向けに独自開発したIT技術を活用したマーケテイング
   手法を開発し、少し実績もできたので、これからさらに拡販していこうという会社です。

   広報のことは何も知らないBさんは、いったいどのように実践すればよいのでしょう。

   1.社長にテーマ(切り口)を聞く
     まず、社長に相談しておくことは、「何をテーマにするか?」です。

     これを「切り口」といいます。

     ここでは、次のような切り口を考えてみましょう。

      ・独創的な技術を開発したこと
      ・独自商品の本格的な販売を開始すること

     などですが、今の段階でまだ決める必要はありません。

     記事にしやすい切り口でよいので、記者と話す段階、もしくは記者に決めても
     らってもよいのです。

   2.USP(強み)と差異(違い)を箇条書きでまとめる
     次に、Bさんがやるべきことは、社長か新商品の開発担当者に対するヒアリン
     グです。

      ・USP(Unique Selling Proposition)=独自の売り、強み、特長
      ・差異=他社商品サービス、または自社商品サービスとの際立った違い

     これらを明確・簡潔にわかりやすく表現すると、プレスリリースの根幹ができま
     す。

     新商品として販売する営業担当者のためにも、ライバル商品と比べてどのよう
     なUSP(強み)と差異があるかを把握する必要があります。

     まず、USPと差異を3つずつほど箇条書きにしてみてください。

     見つけ方のポイントには次のようなものがあります。

     ●USP(特長)と差異の例

     ○USP 
      ・特長
      ・際立った特長
      ・最高or最低価格
      ・最も幅広い選択肢
      ・最も秀でた利便性
      ・最も豊富な品揃え
      ・最高速サービス・配達
      ・最高品質、サービス
      ・最長・最大範囲の保証

     ○差異
      ・購入場所の多様性or限定性
      ・他社が提供できないサービス
      ・他社とは異なる行き届いた配慮
      ・他に真似できない有形無形のメリット
      ・他社にないロケーションの優位性
      ・他商品についていない特種機能
      ・前の商品との明確な差異
      ・際立ったパフォーマンスの差異

     ところが、このようなポイントで探してみても、なかなか、“日本一”や“世界
     一”の強み・差異が見つけられない、と行き詰まることも多いかもしれません。

     その場合は、「小」と「狭」、さらに「業種」「分野」「地域」のキーワードを
     組み合わせて考えてみましょう。

     たとえば、日本一でなくても、県で3番以内、あるいは、市でベストテン、町で最
     大でもよいのです。 

     それでもなければ、さらに小さな分野、パソコンだけの分野、さらにその中の機
     器の分野、その部品……と小さくしていき、そこで、1番やベストスリー、幅広い
     利便性などの視点で強みや差異を考えてみると、何かで、どこかで当てはま
     ることがあるでしょう。

     つまり、範囲をだんだん狭めて考えていくと、どんどんハードルが下がってネタ
     が生まれます。

     さらに、3つの独(独自・独特・独創)を組み合わせて考えるともっと魅力的にな
     るものです。

     このように、いろいろな組合せを工夫してみれば、何らかの条件で理屈づけが
     でき、小さな会社でもさまざまなニュースのネタが見出せるもの。

     それが強みであり、差異なのです。

     強み・差異がいくつかリストアップできていたら、その優先順位を考えてみま
     す。

     「どれを強調すると相手にインパクトがあるのか?」を考えながら。

     まず「細分化」して考え、それを「統合化」し、アイデアとして「具体化」するので
     す。

     この「細分化」の考えはマーケット(市場)開拓の細分化」と同様です。

     売り込む先を自社の商品(製品・サービス)を最も欲するであろう特定の顧客
     に絞り込む。

     異なった視点から考える工夫は、広報担当者としての素養を一段と磨くことに
     なります。

  □広報活動の軽視
   ここまでの内容が固まったら、次に、取材記者からの質問を予測し、それに適切に
   回答できるように、できるだけ周辺情報をまとめます。

   さらにメディアへのプロモーションを働きかけることによって、単に自社商品の売上げ
   が伸びる程度ではなく、「人に喜びと誇りを与える」「社会的責任の自覚を持たせる」
   といった効果が期待できます。

   ちなみに、広報を軽視し、広報を怠る社長は、2つの機会を逸しています。

    ①業績を伸ばす機会を逸している。
      同時に、ライバルより報せる力が衰え、将来の衰退を促進している
    ②周りに喜びと誇り、自信や責任感を与える機会を逸している

   広報を軽んずる人物を重用することは、ライバルに比べて相対的な衰退を意味する。

   ライバルに報せる競争で勝つのです。

   そのためには、まず兼任でよいので、広報において第一級の優秀な人材を充てる
   ことです。

    ・広報の重視は、「義務」であり「使命」
    ・広報の軽視は、「怠慢」であり「傲慢」

   広報担当は、広報活動を率先する重要な任務を帯びています。

   人も会社も、少しでも有名な、よいイメージの尊敬される人や会社と仲良くなりたい
   もの。

   つまり、「広報は、人を喜ばせ、誇りを持たせ、責任感と自信を与える気高い経営の
   仕事」です。

   このような“Win−Win−Win” 効果は、広報活動によって得られるのです。

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