目標達成のための目標管理制度と評価制度

記事タイトル一覧

・目標及び方向の明確化・共有化

・実践的業績管理

・PDCAサイクルによる問題と対策

・目標設定の方法

・目標達成の秘訣は目標管理制度と評価制度の整備

・目標管理制度の運用

・目標管理表の作成

・間接部門の目標管理

目標及び方向の明確化・共有化

 目標の重要性については、充分認識されていると思います。

 経営体制・販売戦略・事務の効率化の現状を捉え、対策を講じる必要があります。

 但し、現実的には日常活動の中で発生する様々な問題に対処するのが精一杯で、特に目標も持たずに、
 ただ漠然と過ごしている状況に陥りやすいのではないでしょうか。

 また本来、自分が実現させたいと願っていた夢すら見失っていることが多いのではないでしょうか。

 ここで、目標の持つ意味をもう一度考えてみましょう。

 まず目的地(ゴール)と現在地(スタート)が明確でないと、人は行動できないのです。

 単に、「新規開拓を増やそう」とか「アップセル、クロスセルを強化しよう」などと言われても、具   
 体的に目に見える目標(新規数や企業数)が明確でなかったり、その目的がはっきりしていないと、   
 人は行動できません。

 もしくは動き出しても途中で方向を見失ったり、他のことに流されて終わってしまいます。

 重要なことは、目標(ゴール)と現在の位置(スタート)をしっかりと認識することです。

 現在の位置を充分把握できていれば、目的地に向けて進んでいく時に、その人にとって最善のコース
 を選択できるからです。

 どのコースが正しいか誤っているかではなく、目標に到達するために各々が解決すべき課題に
 対して、考え、工夫をしながら行動していくことが重要なのです。

 つまり、現状を充分認識しながら、目標や夢を具体的に持つことで、達成や実現に向けた能動的な
 行動ができるのです。

 組織においては、目標の意味や趣旨を他の従業員全員に納得してもらい、共通の認識として浸透さ
 せる必要があります。

 一人親方ならともかく、一人でも従業員を雇用している以上、自分と他人は同一ではないのです。

 複数の人間が存在する組織で最も重要なことは、一人ひとりが全く同じ目標・方法・意識をもって、   
 あたかも一人の人間であるかのように、分業し、行動していくことです。

 一人ひとりの力が結集して一つになった時、その力はとてつもなく大きくなります。

 反対に、一人ひとりがバラバラになっている場合には、その人数分以下のパワーになってしまうばか
 りか、ここに組織の大きな落とし穴、リスクが発生します。

 一人でもスタッフを抱えた場合には、この「共有化」というプロセスには、一定の時間やエネルギー
 を費やすことが重要となります。

 営業社員だけではなく、事務社員も含めてすべてのスタッフに、日々話をしながら、又は朝礼や
 定期的なミーティングを開いて、彼らの役割・使命を明確に示すことです。

 社長の考えが浸透し共有化されることで、従業員は自信を持って行動できるのです。

 自信を持った従業員全員の総力が、目標達成に向けて大きな原動力となります。

 益々、トップの強力な率先垂範が求められています。

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

実践的業績管理

■管理のポイント
   1.目標の設定・細分化・割り付けによる担当責任の明確化(得意先別・商品別・月別~日別・
    訪問回数・新規開拓など)
 
   2.目標達成のシナリオをつくる(目標に対する作戦を立てる→実行計画の策定)
 
   3.マネジャーと担当者との個別打ち合わせ(シナリオの良否検討、アドバイス実施)
 
   4.行動の執念(当月行動予定の確実な実行)
 
   5.チェックの強化(毎日・週間・月単位で押さえるべき管理事項をもれなくチェックする)
 
   6.報・連・相・打の基本動作の徹底(報告・連絡・相談・打ち合わせの確実な励行により、
    迅速なる行動体質をつくる)
 
   7.グラフ化・図表化による実態の把握(目に見える管理により、異常・弱点が一目で分かる
    状況をつくる)等々である。


□チェック⇒反省の習慣化
 目標達成も、達成のための改善も、すべては反省がスタートとなります。
 
 以下の7つのポイントを自身に問いかけ、チェック→反省の習慣化をしていくことです。
 
 <7つのポイント>
  (1)重点得意先における自社のシェアとポジション(地位)を熟知しているか。
  (2)目標達成のための作戦・計画を立てているか。
  (3)行動予定計画は立てているか。
  (4)得意先の重点度に応じて月間の訪問回数基準を設定しているか。
  (5)得意先別・商品別の売上(粗利)実績を把握しているか。
     また目標との比較チェックはどの程度の頻度で行っているか。
  (6)目標・実績チェックにより、差額原因を追究し、対策を立てているか。
  (7)戦いの中身を吟味し、成功要因・失敗要因を分析して、自己のノウハウづくりに
    活かしているか。


□確実に目標達成するためのシナリオづくり
 目標を達成しようとすれば、綿密な作戦が必要となる。
 
 厳しい環境下にあればあるほど、行き当たりばったりの成り行き行動は許されません。
 
 どこに、何を、どのくらい売り込むのか?
 
 新規開拓先の狙いは、どこにおいているのか? 
 
 どのような方法で、それを成し遂げようとしているのか? 
 いつ行動するのか? 
 
 等々を明確にし、ピント外れのない実践を敢行することが必要となる。
 
 その手順は、
  1.担当者が最低限行うこと
   (1)前月度実績の反省
     ①目標・実績の差異(売り上げ・粗利・回収・訪問回数)
 
     ②それは、なぜかの原因追求
      ・作戦計画の失敗
       見込み違い(得意先ニーズの把握不足)
       計画策定上の綿密さ不足(スキ間だらけ) など
 
      ・行動計画の不備
       行動予定計画を立てなかった(論外)。
       重点に応じた行動計画でなかった。 
       新規開拓の行動計画を組まなかった。
       全体的な行動調整不十分なため、予定どおりの行動ができなかった。
       クレーム処理が飛び込み、行動に混乱が起きた など。
 
      ・社内対応の不備
       欠品・納期遅れ・連絡不備などにより、納品すべきものが納品できなかった。
       これら反省点を今後の活動に徹底的に活かしきること(=反省なくして改善なし)
 
   (2)得意先別・商品別売り込み検討表の作成
     ①前年同月の売り上げ実績の内容を綿密に分析・検討し、売れる・売り込むものをつかむ
 
     ②最近2~3カ月間の得意先売り上げ状況から、何が売れるのか、売るのかをつかむ
      (そのためには、得意先訪問の折にネタ情報をメモっておくこ
とが肝心)
 
     ③上記から「得意先別・商品別売り込み検討表」を作成する
 
   (3)行動予定計画表の作成
     売り込み検討表をもとに、いつ得意先に訪問して売り上げにするのかの行動予定計画が
     必要となります。
 
     ポイントは
      ①重点から訪問先を決める
      ②月間訪問回数基準を満たすよう、訪問予定の設定を行う
      ③スキ間のないよう、バラツキのないよう、総合的な調整をやることである。
       そして、必ず予定と実績をチェックしながら、もれのない確実な訪問
活動を
       実践することが肝要となる。
 
      月間の行動予定が立たなければ、週間単位からでも始めること。
 
      計画のない訪問活動はどうしてもスキ間とバラツキが生じ、訪問効率も低下する。
 
      同時に、ともすれば安易な訪問に陥って訪問回数が低下します。
 
      「成果は行動によって生まれる」しかも「ピントとタイミングの合った行動こそが、
      大きい成果を生む」ということを再認識し、行動予定計画の重要性
を心することです。
 
  2.マネージャーと担当者との個別打ち合わせ
   担当者段階での目標達成のシナリオが描かれたら、その内容の良否についてマネージャーが
   チェック・アドバイスを行い、目標達成への指導をしなくてはなら
ない。
 
   そのための重要点は
    (1)市場の現状認識を的確に行う
      「現状認識チェックリスト」により現状把握を確実なものにすること。
      これらのポイントを押さえないと適切な掘り下げも、指導も不可能である。
 
    (2)現状認識をもとにして、売り込み検討表の中身をチェック
      売れるべき商品の売り込みが落ちていないか、逆に売れないものをムリに 
      売り込もうとしてはいないか等々を確認していくことです。
 
    (3)行動予定の適正か否かを見極める
      重点先に応じた訪問回数になっているか、そのタイミング時期は良いか、 
      指定先への片寄りはないか、未訪問先はないか、能率の悪い回り方になっ
      ていないか、等々である。
 
   以上のように、目標の達成を確実なものにするためには、業績管理の基本となる。
 
   計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act) のPDCAサイクルに乗っ取った行動を確実に
   実践することです。

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

PDCAサイクルによる問題と対策

■問題点・原因究明を正しく行う 

 1.差異原因を明らかにする 

  「計画」とは、目標を達成するための方法と順序でです。

  したがって、目的を達成するには、計画通りに進捗しているか、そうでないかを随時、確認する
  必要があります。

  3カ月や半年に1度、思いつきで行う程度では、目標の達成などおぼつきません。

  ここでは、計画の進捗を妨げる問題点と原因究明、つまりPDCAの「C(チェック)」について
  取り上げてみます。

  進捗を正確かつタイムリーに把握できれば、マネジメントの質とスピードは上がり、計画の実行性は
  格段に向上していきます。

  チェックにおいては、計画と実績にマイナスの差異が生じている場合、その原因を明らかにしなけ
  ればならない。

  その際、重要なポイントが2点あります。

  1点目は、「現実を厳しく受け止める」こと。

  当たり前のように思われるかもしれないが、実は“甘く”受け止める企業が非常に多いのです。

  前月目標が未達に終わったにもかかわらず、「まあいいか、よく頑張った」と満足して、差異原因の
  分析をしないケースです。

  目標の達成率に“許容範囲”はない。

  目指すべきは、常に「100%以上」です。

  たとえ達成率が99.9%であっても、未達は「未達」。

  目標とは「絶対に達成すべきもの」ととらえなければならない。

  それ以外の目標は、単なる「予定」でしかない。

  目標に到達していない事実を正しく、厳しく認識しなければ、「未達原因」の追及などできません。

  達成率100%でないことに対し、危機感を持つことが大切なのです。

  2点目は、目標未達という事実を、早く知ることです。

  現状で、「目標に対して○%足りない」ことが早い段階で分かれば、対策や修正計画を設定できる。

  そのためにも、チェックのタイミングがポイントであり、月・週・日など、タイムリーな「管理
  サイクル」の設定するが大切になります。

  目標達成率が高いリーダーは、何となく仕事をして、いつの間にか月末に目標を達成しているわけ
  ではない。

  目標まで、あといくら足りないかを常に把握し、すぐに対策と修正計画を考えます。

  仕掛けが早いから、目標を達成できるのです。

  例えば、製造業の生産進捗管理も同様です。

  取引先の必要に応じて注文が入る受注生産型の会社の場合、チェックを月ごとに行っても意味が
  ありません。

  なぜなら、日々修正される計画に対して問題点が明確にならず、修正が成り行きのものになり、
  不良率が下がらないなど、問題の解決につながらないからです。

  この場合は、日々チェックする管理体制を整えることで、1日の生産計画に対する生産の進捗状況を
  リアルタイムに把握していく。

  計画と実績との差異を常に確認し、遅れが発生した場合はその場で原因を究明し、応急の対策を
  実施する。

  これだけでも遅れを挽回できる。

  再発防止策(恒久対策)が必要な場合は、1日の仕事が終了した時点で改善計画を作成すれば、
  翌日から改善できます。

  チェックをするまでの期間が長いために、対策が後手に回る企業は多い。

  チェックをするタイミングを短くすることが必要です。

 2.KPIを正しく設定し、真因をつかむ

  計画の達成度や進捗状況の追跡も重要ですが、そもそも計画自体が正しく策定されているかどう
  かをチェックする必要がある。

  見る人によって受け取り方が異なるような漠然とした計画では、現状を正確に把握することなど
  できません。

  計画は具体的、かつ定量的でなければならないのです。

  「計画は順調か」「目指す結果が出ているか」を判断するための指標である、KPI
  (Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を活用する企業が増えている。

  KPIとは、企業が目標実現に必要な業務プロセスをモニタリングする指標のうち、特に重要な
  ものを指します。

  また、プロセスの実施状況を計測するために、実行度合い(パフォーマンス)を定量的に示すもの
  です。

  これを月、週、日など、一定期間ごとに数値を計測して進捗を管理していく。

  目標を達成するため、こだわるべきツボをKPIとして押さえる。

  KPIが達成されれば、目標や成果も達成できる指標を選ぶことがポイントです。

  例えば、営業利益率の目標に対しては、「営業活動における訪問回数○回以上」「引き合い件数
  ○件以上」などがKPIになる。

  自動車ディーラーであれば試乗数、結婚式場であれば仮予約数など、契約に至る確率が高くなる
  指標を選ぶ。

  自社が目標を達成するために最も注目しなくてはならないプロセスがKPIに当たります。

  成果につながるKPIを正しく設定できれば、的確な振り返りができる。

  目標との差異についても、問題点や原因究明までたどり着ける正しいルートをスピーディーに絞り
  込むことができるわけです

  逆に、目標達成に直結しないKPIは、有効な対策の設定にたどり着けないだけでなく、社員に
  負荷をかけ、モチベーションが低下した状態へと陥ってしまう。

  成果につながるプロセスを考え抜いたKPIを設定することで、問題を顕在化させて原因究明を
  行っていただきたい。

  具体例を示すと、小売業・サービス業であれば、売上目標に対するKPIとして、客数や客単価を
  設定することが多い。

  「売上高」が「客数」と「客単価」に分解できるからです。

  ここで大切なのは、KPIを見れば進捗状況を正しく把握できることです。

  その上で、問題点の把握と、対策が実施されているかチェックする。

  この場合、KPIのうち「客数」が減少しているのならば、どの層(新規・リピート、年齢、
  男女、職業、グループの形態など)の顧客が減っているのかを分析する。

  さらに、ライバルの動き、地域の情勢、自社の販売施策をつかむことで、なぜ客数が減少している
  のかが見えるようにします。

  ここで客数の減少要因が「接客応対」と分かれば、顧客が満足できない原因を細かく分析して、
  対策を打つ。

  「販売促進策」が要因であれば、プロモーションの改善計画を立て、それに基づいた展開を図る。

  成果に直結するKPIの設定とスピーディーなチェックによって、PDCAの回転を上げていく
  ことが、マネジメント向上のポイントです。

□適時に適切な処置・対策を行う 

 1.改善を妨げるしがらみから脱却する

  立てた計画を確実に実行すること、さらに計画との差異をタイムリーにチェックすることで、
  問題の原因と改善の方向性が見えてくる。

  しかし、その改善策を確実に実施しなければ、PDCAサイクルを継続的に回すことはできず、
  業績向上は難しくなる。

  ここでは、PDCAの「A(アクション)」である「処置・対策」を確実に行うポイントを
  述べます。

  製造業A社の事例。

  A社の工場の生産進捗管理板(以降、管理板)の仕組みと管理方法には、二つの問題点があった。

  一つ目は、管理板の元となる「作業予定表」を工程管理課ではなく製造現場が作成しており、
  現場の仕事が滞っていたこと。

  二つ目は、管理板には当日の業務と担当割だけしか記されておらず、タイムリーな状況がつかめ
  ないことでした。

  そもそも、作業予定表を作成するのは、工程管理を担う部門の仕事。

  製造現場の使命は、「限られた時間内で、決められた数量をつくること」にある。

  したがってA社では、工程管理課が生産計画に基づいて現場に指示を行い、製造現場は与えられた
  数を必ずつくるという本来の姿に戻す必要がありました。

  最大のポイントは、「作業予定表は製造現場で作成する」という慣習をやめさせること。

  そうしなければ、製造現場が本来の仕事に注力できず、全体最適につながらないためです。

  しかし、A社は過去の慣習やしがらみに縛られ、改善できないままでいました。

  この問題を解決するには、部門の壁を超えてコミュニケーションを取り、問題を共有することが必
  要でした。

  工程管理課と製造現場で話し合った結果、月度の生産計画を達成するための作業予定表を工程
  管理課で作成することになった。

  また、慣習という意味では、業務マニュアルなども、実態に合わせて見直さねばならない。

  なぜなら、経営状況や周囲の環境の変化によって、マニュアルが効率化の妨げとなっていることが
  あるからです。

  「現在のマニュアルがベストか」「本来どうあるべきか」について考える姿勢を持たなければ、
  しがらみから脱却できず、表面的な改善しかできなくなる。

  これでは、最善に向けた処置・対策は進みません。

 2.勝負のポイントを細かく設定し、処置・対策を行う

  続いて、二つ目の問題点である、製造現場の管理板について述べます。

  A社の管理板には、当日の業務と担当が記されているのみであることは述べました。

  これでは、順調に進んでいるのか、遅れているのかを把握できず、遅延などの問題への対策を打つ
  ことができない。

  そこで、定期的に状況を管理版に記入することにした。

  これによって、遅延などの異常をタイムリーに把握し、処置・対策が打てるようになった。

  さらに、1日の作業終了時には当日の問題点への再発防止策を検討する仕組みにし、管理板で
  状況を見えるようにしたのです。

  目標に対する差異を見える化すれば、適切に作業が行われているかが分かる。

  また、人・材料・設備・方法に変化があった場合でも、対応を考えて、常にタイムリーな処置・
  対策を講じることができる。

  さらに、問題点対策管理表を用いて再発を防止する根本的な対策を打つことで、全体最適が図られ
  るのです。

  また、状況が細かく見えるため、現場で問題点などが共有され、それに対するコミュニケーション
  も活発になる。

  これによって、改善への動きが止まりにくい仕組みがつくられ、続けることで処置・対策を確実に
  実行できる組織になっていく。

  業務に応じて、1カ月、1週間、1日、時間ごとなど、定期的に成果をつかむ仕組みをつくり、
  組織として共有することがPDCAサイクルの改善においては重要なのです。

 3.改善が改善を生む風土つくる

  PDCAサイクルを正しく回し、継続的な向上を図るには、当たり前のことを当たり前に実施
  できる組織力を高めなければならない。

  処置・対策といった改善の実践力は、組織力の高さで決まるのです。

  例えば、製造業などで実施されている5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)。

  これを徹底できないチームと体質化できているチームでは、改善活動に大きな差が生まれることは
  想像に難くない。

  5Sの基本が共有化されており、その実践によって組織力が高くなっていることが、よりレベルの
  高い改善に取り組む下地となっている。

  また、スピード感を持って改善を重ねることで活動が進化していく経験をしているので、取り組む
  姿勢が企業の体質になっている。

  適切な処置・対策をタイムリーに行い継続的な改善を図っていくには、企業の「当たり前のレベル」
  を高めていくことが前提となる。

  それができなければ、改善案を自発的に立案し、スピーディーに実施していくことは困難です。

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

目標設定の方法

■目標は決まりましたか?

 中堅社員のAさんに課長が話しかけてきた。

 「来期の個人目標は決めた?」。「はい、営業関係の目標は決めました。今期の目標は新規5件
 だったので、来期は8件にチャレンジしてみようと思っています。ただ、それ以外の目標は迷って
 います」と少し困った顔で答えました。

 そんなAさんに課長は「3年後、5年後の自分の姿を具体的にイメージしてみると目標を決めやすく
 なるんじゃないかな」とアドバイスをして、その場を離れていきました。
 (漠然と「課長のように『仕事のできる人』なりたい」とは思っていたけど、3年後、5年後の自分の
 姿って、しっかりと考えたことはなかったな…)

□中堅社員の目標設定

 運用方法などの詳細は各社によって異なりますが、四半期・半年・年間など、定期的に社員が目標を
 設定し、その達成度合いを評価して人事評価などに活用する制度(以下「目標管理制度」)を導入
 しているところは多いでしょう。

 目標管理制度における目標は、新入社員など、入社間もない人は自社の育成方針などを基に、上司が
 設定することが多くなります。

 そのため、目標管理制度というと「上司に与えられた目標をとにかく達成しなければならない」と
 いう受身なものという印象を持っている人もいるかもしれません。

 しかし、中堅社員になると、目標の設定方法は異なってきます。

 最終的には、上司との間で調整し、その期の目標が決定されることになりますが、仕事の上での責任が
 増していくとともに、自分で目標を設定できる部分が増えてきます。

 しかし、その反面、設定する目標の意味合いや留意点を、しっかりと把握しなければ適切な目標を
 設定することはできません。

 以下では、中堅社員が目標を設定する際のポイントを紹介します。

□目標設定の基本的な考え方:イメージする将来像から“逆算”する

 目標を設定する際に不可欠なのは、自分が目指すビジネスパーソンとしての将来像(以下「将来像」)
 を明確にすることです。

 その上で、そこにたどり着くための道のりを、今から「5年後」「3年後」「1年後」…といったように
 “逆算”していき、最終的に目標管理制度の評価期間に落とし込むということが、目標を設定する際の
 基本的な考え方になります。

□目標設定のポイント1:目標を考える2つの視点

 設定する目標は、「個人の目標」「自社の目標」の2つの視点から検討する必要があります。

 個人の目標とは、前述した「将来像」に近付くために、今、何をすべきか、何をしたいかという視点
 です。

 一方、自社の目標とは、業績などの会社や部署の目標です。

 会社の一員である以上、自社や部署の目標に対して、いかにして貢献できるかということを最優先に
 考えなければなりません。

 ただし、単に自社の目標に基づいて、目標を設定しても、必ず「将来像」に近付くことができるとは
 限りません。

 設定する目標は、会社の目標を優先しつつ、そこに個人の目標をリンクさせ、「会社の目標を達成
 することで、会社や部署に貢献しつつ、自身の『将来像』にも近付くことができるような目標を設定
 する」というのが理想的です。

□目標設定のポイント2:目標の実現性

 もうひとつのポイントは目標の実現性です。

  目標は、特段の努力をすることもなく、容易に達成できるものであってはいけません。

 だからといって、ただ高い目標を設定すればよいということでもありません。

 目標を達成するためには、時間(期限)、自分の立場(権限の有無など)や能力など、さまざまな
 制約要因があります。

 目標を高く設定することはよいことですが、実現可能性を勘案する必要があります。

□目標設定のポイント3:バランス

 2つのポイントに共通して大切になるのは、バランスの取れた目標を設定することです。

 「個人の目標」と「自社の目標」のバランス、「目標の実現性」と「高い目標」のバランスが、それ
 ぞれ取れていないと、中堅社員の目標とはいえません。

 例えば、自社の方針や上司の期待などは常に同じものとは限りません。

 自社の直面している状況や本人の成長度合いなどによって、求められるものは変わります。

 こうした点をしっかりと把握しなければ、「個人の目標」と「自社の目標」をリンクさせたバランス
 が取れた目標を設定することはできません。

 また、自分の能力や業務の難易度などを理解していなければ、実現性がありつつ、高い目標というのを
 設定することはできません。

 このように、適切な目標を設定するということは、簡単なようですが、実は、中堅社員の持つ総合力
 が試される場面でもあるのです。

□目標は夢への道標

 「目標管理制度」は、「上司が部下を管理するための仕組み」という側面があるのは事実です。

 しかし、一方で、ここで紹介したような点を熟考して設定された目標は、「将来像」に近付くための
 “夢の道しるべ”となるものです。

 また、「自分で目標を検討し、それを基に上司と相談しながら最終的な目標を決める」という目標を
 設定するための一連のプロセスは自分の思いを上司に伝えることのできる大切な機会でもあります。

 「定期的に決めなければならないものだから…」と、安易に目標を設定するのではなく、自分の将来
 を決めるものだと認識して、しっかりと検討するようにしましょう。

 ◎ワンポイント

  ・目標設定は「個人の目標」と「自社の目標」、「目標の実現性」と「高い目標」のバランスを
   取ることが大切である

  ・熟慮した目標は、自身の“夢の道しるべ”となる

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

目標達成の秘訣は『目標管理(シート)制度』と『評価制度』の整備 


  なぜ、目標達成が画餅に帰してしまうのでしょう?

  どのような目標であっても計画を立てることから始まります。

  しかし、計画を立て、実行に移し、目標の達成ができているでしょうか?

  未達の要因を挙げると次のようになります。

   ①目標が理解できていない

   ②具体的な行動計画がない(目標数値が単に数字の羅列に終わっている)

   ③結果の検証ができていない(数字の検証だけで終わっている)

   ④計画自体に実現の可能性がない(目標計画が願望だけで立てられている) 

  ④の「計画自体に実現可能性がない」を除けば、「(1)目標を理解し、(2)具体的な行動
  計画を立て、③プロセスを検証し修正を加えていく」ことができれば目標未達の悪循環
  から抜け出すことができるのです。

  この「目標を理解し、具体的な行動計画を立て、プロセスを検証し修正を加える」すなわ
  ちPDCA管理をトップ及び全社一丸となって徹底していくことで、目標未達の悪循環から
  抜け出すことができます。  

  ■目標管理を進めるポイント

  「目標を理解し、具体的な行動計画を立て、プロセスを検証し修正を加える」(*PDCA管理
   をトップを含め、全社一丸となって徹底していくことが、悪循環から抜け出す唯一絶対の方法です。

   全力を尽くしても目標達成ができないのであれば、それは「④計画自体に実現の可能性がない。」
   と考えてみることです。

 「目標を理解し、具体的に行動を立て、プロセスを検証し修正を加える」ことは短期的な
   目標管理だけでなく、中長期的に「不可能な目標を可能」にする有効ツールであると考えることが
     できます。

  *PDCA のサイクル
  目標を設定したら、必ず達成状況を検証しなくてはいけません。
  PLAN(目標設定)⇒ DO(実行)⇒ CHECK(検証)⇒ ACTION(目標の修正と実行)

   
  □面談制度の導入

   上司は部下のことをよく見て、理解して、部下ひとりひとりに合ったコミュニケーション
   の方法をとらなければならないのです。

   部下とコミュニケーションを取るのが上手な管理職ばかりではありません。

   そこで、コーチングスキルの習得が必要となります。

   コーチングは部下の目標達成をサポートするためのコミュニケーション手法として大き
   な力を発揮します。

   部下との面談を通して、部下には「自分のことを聞いてもらえた、理解してもらえた」
   という満足を与え、やる気を引き出すことができます。

   そして、上司は管理職として必要なコミュニケーション能力を養うことができます。


  ■目標の理解

   「目標を理解させる」ことは「会社経営と利益の仕組みを理解する」ことそのものです。

   最悪なパターンは、「この目標は至上命令 だからやれ!」と強制的に目標を上意下達
   し、日々激しく「目標達成!」と連呼させて、うちは全社員に目標意識を徹底させている
   と信じきっている管理者(リーダー)です。

   目標を理解するためには、先ず、「会社経営」と「利益の仕組み」を理解させることが
   秘訣となります。

   営業部門で売上目標が10%不足したら、利益はいくら減るのでしょう?

   残念なことに、過半数の社員が答えられないのが、現実ではないでしょうか。

   これを正確に即答できる社員が、「利益の仕組み」を理解している社員と言えます。

   目標を理解する最初の一歩は「売上の10%(○○万円)が利益にとって、どのくらい
   重要なのか?」を知ることから始まるのです。

            目標は絶対のものではなく、方向を示すものである。
            命令されるものではなく、自ら設定するものである。
            未来を決めるものではなく、未来を作るために資源と
            エネルギーを動員するためのものである。
                                  (P.F.ドラッカー)
   
  □目標管理制度(システム) の導入

   「目標」とは、いうまでもなく、数値目標だけをいうのではありません。

   目標管理制度とは、上司との面談などを通して従業員一人ひとりが自らの目標を設定
   し、その目標を従業員が自己管理することによって、自らと組織の目標の達成、能力
   開発を実現することを目的とした制度です。

   目標には、数値目標のほかに、遂行職務のレベルアップ目標や能力向上目標、
   業務姿勢の改善目標など
があります。

   社員一人ひとりが、担当する職務に関して一定期間内に達成すべき目標を自主的に
   設定し、その目標実現のために意識的、能動的に努力することによって、業績向上と
   能力向上を図ることを目的とします。

   目標管理システム(制度)を導入する際に用いるのが「目標管理テンプレート」です。

   目標管理テンプレートは、「業績目標」、「職務遂行目標」、「能力開発目標」、「業務
   改善目標」の四つの目標を設定し、期間終了後に「自己評価」と「上長評価」をし、次期
   への課題を明らかにすることによって、目標を実現して行くことを目的としたものです。

   目標管理制度を導入する上で次に関心事になることは、「人事制度とどう連動させる
   か?」という点にあります。

   成果主義人事制度の目的は「成果を査定すること」ではなく「成果を上げること」です。

  □適正な目標設定をする

   ①できるだけやってみようという努力目標でなく、ゴールを明確にする

   ②目標は総花的にならないよう、重点的に設定する(3〜5項目程度とする)

   ③目標達成のスケジュールと具体的な方法、段取りを明らかにする

   ④中長期的な目標と短期的な目標をバランスよく設定する

   といった点に留意することです。


  ■具体的行動に落とし込む

   具体的な行動計画(達成のシナリオ)を描けることが、本当の「目標を納得」ということ
   であり、目標を達成するために重要なステップです。

   目標を達成するための行動計画は、先を見越して前倒しで計画立てていかなければな
   りません。

   現在の営業や販売の仕掛けは、半年以上先の業績結果として現れることが多々あり
   ます。

  □行動計画の具体化(達成のシナリオ作り)

   ①行動の狙い(目的)の確認

   ②ターゲットの明確化

   ③行動の具体的方法の決定

   ④責任者の選定

   ⑤期間の決定

   ⑥行動を阻害する要因の想定
 
  ここで最も重要なことは「⑥の阻害要因の想定」です。

  厳しい環境下で高いレベルの目標を達成するためには、考えられる阻害要因をできるだ
  け多く想定し、その対策を講じておくことが非常に大事な要素になります。

  阻害する要因の多くが以下の点に集約されるのではないでしょうか。

    (1)忙しくて実行する時間がない

   (2)スケジュールの遅れに気付かない

   (3)計画自体を忘れてしまう

  「これだけ周到に計画をしたのだから絶対に成功する!」と思えるまで、行動計画を落と
  し込むことが、達成のシナリオ作りです。

  ■経過の検証、修正

   目標を達成するための3つ目のポイントは「計画の段階から検証の時期、確認事項」を
   決めることです。

   「修正」の効かない検証は「検証」ではありません。

   適正な(次なる一手の打てる)タイミングで検証することが目標達成において重要なポ
   イントとなります。
  
  ■評価制度

   目標管理と評価制度をどう連動させたらいいでしょうか?   

  
  □成果主義制度

   昨今「成果主義人事制度」に対して否定的な出版物やコメントが多いようですが、本当に
   成果主義人事制度は間違いなのでしょうか。

   制度自体は間違っておらず、問題なのはその企業における導入の目的と運用方法に
   あります。

   成果主義人事制度は目標達成する企業風土づくりに欠かせない効果的なツールなの
   です。

  □成果主義制度の目的

   成果主義制度とは何かについて考えてみましょう。

   「成果を上げた人が高く評価される(査定)制度」というのが一般的です。

   間違いではないが、問題は「査定することが主目的」になっている点にあります。

   本来、成果主義制度とは、「高い成果を上げるための人事制度」であって、主目的は
   「高い成果を上げる」ことであったはずです。

   ですから、成果を上げるために制度を運用し、結果として成果に差がついてしまったら
   処遇に差をつけるだけでいいのではないでしょうか。

   しかし、査定(=価格を決定する)を目的とするために、半ば脅迫概念のように、人事
   主導で「格差をつけること」と「成果を明確にし、客観性を持たせること」が迫られる。

   それを第一優先に考えていくと、「結果主義」になってしまうケースが多くなるのです。

   「結果で査定される」こと自体は間違いではないのですが、問題はいつの時点の結果を
   結果とするかにあります。

   本来、企業活動とはGoing concern(永遠の継続体)であって終わりはないのです。

   しかし、査定を目的とすると、当然、査定期間を設定してその期間内の成果を査定する
   ことになります。

   つまり目標達成となる、ある一定期間での成果もしくはある時点での結果を以って測ら
   れます。

   つまりその時点で、辻褄あわせが社員にとって最大の関心事になってしまうのです。

   そこに、場当たりな仕事になってしまう危険性を含んでいると言えるのです。

  ■評価制度運用のポイント

   評価制度の運用のポイントは

    ①長期的視点に立った処遇反映

    ②プロセスと結果のバランス

    ③大きな格差をつけることを目的としない

   の3点です。

  □長期的な視点

   頻繁にプロセスを検証し、行動修正をすることは、目標管理を進める上でとても大事な
   ことです。

   しかし、短期的に結果を確定し、処遇(給料や賞与)に反映させることとは別の問題
   です。

   働く人間にとって処遇(給料・賞与)は重要な関心事です。

   処遇が短期的成果で変化するということは、社員が短期的成果(悪く言えば「目の前の
   利益」、「今すぐ成果につながること」だけに集中してしまう危険性を含んでいるといえ
   ます。

    短期的処遇に反映 ⇒ 社員が短期的結果に意識が向かう

    長期的処遇に反映 ⇒ 社員が長期的視点に立って行動する

  □プロセスと結果のバランス

   大きな差をつけることが目的となると、評価の客観性が重要視され、結果評価に重点
   がかかりすぎてしまいます。

   客観性は重要であり、客観性を持たせるうえで数値化することは有効な方法です。

   しかし、客観性を確保するために、あまり意味のない数値化や結果管理に終始してしま
   うのであれば本末転倒です。
 
   目標達成させるために大事なことは「計画されたことを実行し、検証し修正しているか」
   であって、その中には必ずしも数値化できないプロセスをしっかり評価することが求めら
   れているのです。

   適正に評価をしてそれ相応に処遇することは、目標管理を進める上で、またモチベーション
   マネジメントのうえでも重要なことですが、「査定し格差を設けることが本来の目的
   ではない。」ことを認識しておきましょう。  

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

目標管理制度の運用

目標管理制度
 

  ■目標管理制度

   目標管理制度は、上司との面談などを通して従業員が自ら目標を設定し、その達成
   度合いを評価するというもの
です。

   納得性が高く、従業員の意欲も向上させることができる有効的な評価ツールとして
   広く使われています。

   どのような目標にチャレンジするのか、といった目標の難易度も「意欲度」として
   評価します。

   この際、目標は、

    (1)明確・具体的であること

    (2)計測可能であること

    (3)達成可能な適切なレベルであること

    (4)自社としての目標とリンクしていること

   の4つの点を踏まえて設定することが大事です。

   途中経過をチェックし、常に上司がフィードバックしながら、従業員の能力を向上
   させることが望ましいと言えます。

   導入の際には、スケジューリングや、対象者の選定、面接などのフィードバックルール
   の策定、など十分な準備を行う必要があります。

   近年では、ホワイトカラーを中心に、年俸制などの成果主義的賃金制度を導入する
   際に
欠かせないサブシステムの一つとして、多くの企業で採り入れられている。

   しかし、マンネリで目標設定をしない従業員が増えるなどの悩みを抱える企業は少なく
   ありません。

   そこで目標管理制度をうまく運用するポイントを考えてみましょう。

   1.目標管理制度成功のポイント

     目標管理制度を導入した場合、初めのうちは、従業員に歓迎されないことがあ
     ります。

     なぜなら、半期ごとの目標設定やそのために行われる面談などに余分な時間
     を割かれること。

     さらに、目標が時にはノルマと化し、それに縛られるような感覚を従業員が覚
     えることがあるからです。

     したがって、目標管理制度を成功させるには、強い動機づけが必要となる。

     そこで、目標の達成度合いに応じて、適切な評価を行い、その評価結果を賃
     金や賞与などの待遇や昇格、昇進といった人事制度上の処遇に反映させるよ
     うに設計する必要があります。

     また、目標達成のためには、組織全体で援助することも大切です。

     つまり、目標管理制度は、単独の制度としてではなく、賃金(賞与)制度や人事
     制度(昇格制度等)、評価制度、教育研修制度(OJTを含む)などと一体のもの
     として設計し、成果が目に見えるように運用しなければ成功させることができ
     ないわけです。

     では、どんな目標を設定すればよいのでしょうか。

     目標管理制度で設定する目標には、計数目標(例えば営業職なら、売上高と
     か粗利率、回収率、シェア・アップ、新規顧客開拓件数など)とスキルズ・アップ
     の目標(担当職務に関する知識や技能向上を目指す目標など)、さらに、勤務
     態度(業務姿勢)の改善目標などがあります。

     このうち、計数目標については、目標の意義や目的、さらに、達成のための手
     だてを明示し、達成しようとする意欲を喚起することが大切です。

     また、スキル・アップや勤務態度の改善目標については、どんな職務遂行能
     力を身につけるか、勤務態度のどんな点を改善するかについて、上司の指導
     のもとで、部下が自覚的に目標を設定することが重要となります。

     以上の点を考慮しながら、目標設定シートを工夫することが大切です。

     例にあげたシートは、計数目標と能力向上のための重点目標、態度改善目標
     の3つが明らかになるように設計されたものです。

      目標設定表の例

   2.目標設定にあたっての留意点

     目標の設定に当たって、もっとも注意すべきことは、部下が納得できるような、
     適正かつバランスのとれたレベルの目標を設定することです。

     目標が適正に設定されなければ、設定した目標の達成度(成果)が、評価や
     処遇に適正に反映されない。

     そこで、適正な目標を設定するためには、
      ① できるだけやってみようという努力目標でなく、ゴールを明確にする
      ② 目標は総花的にならないよう、重点的に設定する(3〜5項目程度とする)
      ③ 目標達成のスケジュールと具体的な方法、段取りを明らかにする
      ④ 中長期的な目標と短期的な目標をバランスよく設定する
     といった点に留意することです。

     そして、期の終わりには、自己評価の機会を設けることが大切です。

     このことによって、目標が単なるノルマとしてではなく、目標への動機付けが図
     られ、目標管理制度が根づくようになるからです。

     また、目標を設定する際には、上司と部下の間で十分なコミュニケーションを
     図る場としての面談(目標設定面談)を制度化することが大切です。

     面談の場では、上司から期待する目標を提示し、部下の納得を得るようにしま
     す。

     言うまでもないことですが、部下の目標管理を適切に行えない上司は、管理者
     として不十分です。

     この場合、その上司は、さらに、その上の上司から目標管理を適正に行える
     力をつけるような目標設定を要求され、その結果が評価されることになるわけ
     です。

     目標管理制度で設定した目標は一種の上司と部下との間の契約事項となる。

     したがって、目標を達成したときには、それにふさわしい評価と処遇を行うこと
     が重要です。

     そこで、人事考課などの評価(成果認定)制度の中で、目標達成度に対する評
     価項目を設けるなど、成果に対して直接的な評価が行われるようにします。

     そして、評価の結果を面談(フィードバック面談)の場でフィードバックし、目標
     達成度について上司と部下の間で確認し合うことも、目標管理制度を成功さ
     せるためには欠かせません。

     その際、前述のように自己評価や自己アピールなども尊重します。

     また、目標管理制度をスケジュール化することも重要です。

     以上のように、目標管理制度をトータル人事制度の中に位置づけ、

       動機づけ(目標設定面談)→実践→評価(フィードバック面談)

     というように、プラン・ドゥ・シーのマネジメントサイクルとして実施し、
     成果を処遇に反映させるようにすれば、必ず目標管理制度は定着し、大きな
     効果をあげるでしょう。
 

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

目標管理表の作成と活用

  目標管理の意義
   目標管理制度は、従業員が自ら目標を設定し、その達成度合いを評価するというもの
   です。
   納得性が高く、従業員の意欲も向上させることができる有効的な評価ツールとして
   広く使われています。

   どのような目標にチャレンジするのか、といった目標の難易度も「意欲度」として
   評価します。

   この際、目標は、
    (1)明確・具体的であること
    (2)計測可能であること
    (3)達成可能な適切なレベルであること
    (4)代理店としての目標とリンクしていること
   の4つの点を踏まえて設定することが大事です。 

   途中経過をチェックし、常に上司がフィードバックしながら、従業員の能力を向上
   させることが望ましいと言えます。
   導入の際には、スケジューリングや、対象者の選定、面接などのフィードバック
   ルールの策定、など十分な準備を行う必要があります。

  □目標管理制度
   目標管理制度とは、社員一人ひとりが、担当する職務に関して一定期間内に達成
   すべき目標を自主的に設定し、その目標実現のために意識的、能動的に努力する
   ことによって、業績向上と能力向上を図ることを目的とした制度です。
   目標管理制度を導入する際には、通常、 「目標管理シート」 を用います。

   目標管理シートは様々な作り方がありますが、目標管理シートは、 「業績目標」と
   「職務遂行目標」および「能力開発目標」ならびに「業務改善目標」 の四つの目標を
   設定し、期間終了後に「自己評価」と「上長評価」をし、次期への課題を明らかに
   することによって、絶えず目標をバージョン・アップしながら、目標を実現して行く
   ことを目的としたものです。


  □目標管理表テンプレート

   (1)「目標」とは
     目標管理における「目標」とは、いうまでもなく、計数目標だけをいうのでは
     ありません。

     目標には、計数目標のほかに、遂行職務のレベルアップ目標や能力向上目
     標、業務姿勢の改善目標などがあります。

     また、目標管理制度における目標は、その性格によって、①実行目標、②改善
     目標、③挑戦目標の三つに分けることができます。

     どの目標に重点をおくかは、その企業の実情と個々人の状況(労働者の職種
     や階層)によって決めることになります。

   (2)目標項目の設定

     目標管理シートの目標項目は、職務基準書(グレード要件書)に沿ったものに
     すること、また、人事考課の評価内容に則した項目を設定することが大切で
     す。

     たとえば、人事考課の評価要素を業績、業務遂行、業務姿勢とする場合に
     は、目標管理シートも業務目標、能力開発目標、業務姿勢改善目標などのよ
     うに対応させた項目を設定します。

     では、参考例として目標管理表での記載のしかたについてのポイントを見て
     いくことにします。   

     ①「業績目標」
       例のように「業績目標」を計数的に表せるときは、計数目標を設定します。
       計数的な業績目標を設定できないときは、定性的な到達目標(技能
       アップ目標など)を設定します。

     ②「職務遂行目標」
       「職務遂行目標」欄では、業務遂行に関する目標を重点的に掲げる
       ようにします。
       例では、「強化項目」として、重点目標を決めるようになっており、「内容」
       欄に、具体的な目標を記載できるように作られています。
       なお、「強化項目」欄は、順位をつけてもよく、◎や○、△などの記号で
       重点を表してもよいでしょう。
       さらに、重要度に応じてウェート(10点満点)付けする方法もあります。

     ③「能力開発目標」
       「能力開発目標」欄は、一人ひとりの能力開発のために必要な点を
       明らかにし、その習得を目標とする自己啓発目標などを記載できる
       ようにします。

     ④「業務改善目標」
       「業務改善目標」欄では、改善すべき内容、性質に応じて、現状の中
       から問題点を拾い出し、それへの対応を改善目標として設定する
       ものと、将来を予測し今から手をうつべく、設定する創造目標等を
       記載します。

   (3)実績のチェック

     目標期間が終了した後に上長が評価をするための上長評価欄のほか、部下
     が目標に対する達成状況を自己評価するための自己評価欄も設けておく。

     これらの欄を設けておくと、部下の取り組み姿勢や努力の程度などを知ること
     ができ、フィードバック面談や部下指導の際に役立てることができます。

  □活用上のポイント
   目標管理制度は、①業績向上(組織目標の個人へのブレークダウン)、②個人の
   能力、技能の向上、③個人業績(成績)の評価ツール、などのために活用されますが、
   目標管理制度が効果をあげるためには、面談制度と併用することが大切です。

   具体的には、①目標設定面談を行って目標のすり合わせを行うこと(その際、一
   ひとりが適正な目標を設定するように、上司が指導、援助する)、②期中は、部
下が
   目標を確実に達成できるように援助、指導すること(必要に応じて教育研修
を受け
   させる)、③期末には、目標達成状況について自己評価を行わせたのち、
上司
   との面談で到達点や成果などを確認すること。

   その際、上司は評価結果をフィードバックすることが大切です。

  □留意点
   目標管理制度を成功させるためには、

    ①目標設定面談に臨む上司が事前に部下一人ひとりについて目標や
     課題を整理しておくこと
    ②期中のフォロー・アップを欠かさないこと
    ③面談の場で、上司が評価結果についてフィード・バックすること

   の三点が大切です。

   このように、目標管理制度を導入する際には、「面談制度」を確立し、面談内容を
   充実させることが不可欠であることに留意する必要があります。

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目標達成のための目標管理制度と評価制度

間接部門の目標管理 


  目標管理とは、従業員各人に職務についての具体的な目標を設定させ、その達成度合い
  を評価する人事制度のことをいいます。 

  ■目標管理導入のメリット

   ・従業員の業務への自主的な参加意識が高まり、モチベーションが向上する。

   ・上司との面接によって具体的な目標を設定することで、所属部課の重点目標に対
    する認識が高まり、情報の共有・コミュニケーションが図れる。

   ・設定した目標とそれに対する達成状況が分かりやすいため、業績連動型人事評
    価との相性がよい。


  ■間接部門の目標管理

   目標管理を導入する企業は多いが、一般的に、総務や経理、人事などの間接部門では、
   導入が難しいといわれます。


  ■導入が困難な理由

  □目標の定量化がしにくい

   目標を設定する際に、目標は可能な限り定量化、すなわち数値で表現したほうが、その
   到達度が計りやすくなります。

  この点営業部門などは売り上げや受注件数、利益額などの数値で目標を立てやすい業
  務ですが、間接部門の業務はその性格上成果を数値で表現しにくいなど、目標が立て
  づらく、また、成果を評価に反映させにくい面があります。


  目標設定のポイント

  □目標は可能な限り定量化する

   目標を定量化(数値で目標を表現)しやすい業務からはじめる。

  □定量化しやすい目標例

   ・経費の節減
    年間○○万円、○%節減など

   ・ミスやクレームなどの件数
    伝票ミス年間○件以下、クレーム件数○件以下、発生率○%以下など

   ・ISOなどに関わる業務の標準化 
    定型業務の標準化率○○%目標など

   ・処理時間の短縮
    月次決算資料作成日数を対前年比○日短縮など

  数値で目標を表現する際は、あらかじめ業務の主要な指標のデータ収集を行なっておく
  必要があります。

  例えば、遅延日数、残業時間、ミスやクレームの件数、クレームの処理件数などについ
  て、過去の推移や1人当たりの平均件数を測定しておけば、目標が設定しやすくなります。

  前述した通り、間接部門の目標設定は目標とするテーマの選定が難しいといわれます。


  ■目標を設定するに当たっての基本的なポイント

  □従業員個人の目標達成を組織・企業の目標達成に結びつける。

   目標設定に当たっては、必ず組織・企業の目標との関連付けを行い 「企業目標」
   → 「組織目標」「個人目標」を常に確認できるようにしておくことが重要です。

   そのためにも、組織・企業が目標を明確に設定しておくことが重要になります。

  □目標を現状維持にしない

   努力せずに達成できる目標は目標ではありません。

   目標は本人の能力よりやや高いもので、本人が努力することによって達成できるレベ
   ルに設定しなくてはなりません。

   ただし、本人の能力に対して余りにも高い目標を設定してしまっては「あきらめ」から努
   力を放棄してしまう可能性があります。

   組織の目標についても同様に、個人が努力することによって達成できるレベルの目標を
   設定することで、個人目標との関連付けも容易になります。

  □目標の数は増やしすぎない

   目標の数が多すぎると、注力すべき業務が分散してしまい成果が上がらない場合があ
   ります。

   目標を多く設定してそのいずれもが中途半端に終わるくらいならば、目標をある程度
   絞り込んでその分野に注力したほうが成果は上がるでしょう。

   目標設定に際しては重点項目を3点〜5点ほどに絞り込むことが有効です。

   また、それぞれの目標についても重要度に順序をつけ、優先順位を明確にすることも
   大切です。

  □目先の目標に偏重しない

   短期的な目標は早期の成果が求められる性質のものであり、期間単位での効果も測定
   しやすいものです。

   そのため、目標として設定しやすいという面があります。

   しかし、企業全体の成長を考えた場合、中長期目標を設定することも重要なポイントと
   なります。

   目標を設定する際には中長期と短期の目標のバランスを取ることが重要です。

  □各自の役割を反映した目標を設定

   目標設定に際しては、各自が現在携わっている業務や組織内での役割を反映させる必
   要があります。

   例えば、管理者(リーダー)ならば組織全体の業績に配慮し、さらに人材の育成を視野
   に入れた目標を設定し、社員であれば研修参加。


  ■間接部門における目標

  □定量的な目標

   ・教育訓練への参加者数

   ・売上高人件費率

   ・採用計画の達成度

   ・人員削減目標達成率

   ・月次決算の短縮日数

   ・全社の経費軽減金額 

   ・財務コストの削減金額

   ・支払利子の低減率

  □定性的な目標

   ・新しい人事制度の立案

   ・規定の見直し・導入 

   ・教育制度の改訂

   ・教育研修のマニュアル化

   ・支払い業務の効率化

   ・社内会計基準の改定

   ・資産運用効率の向上

   ・財務戦略の立案

  目標管理制度を成功させるためには、

   ①目標設定面談に臨む上司が事前に部下一人ひとりについて目標や課題を整理
    しておく。

   ②期中のフォロー・アップを欠かさない

   ③面談の場で、上司が評価結果についてフィード・バックすることの三点が大切です。

  このように、目標管理制度を導入する際には「面談制度」を確立し、面談内容を充実さ
  せることが不可欠であることに留意する必要があります。

  間接部門では目標設定こそ難しい面があるが、設定する目標の項目や達成レベルに自
  由度が大きいため、制度をうまく利用することで従業員のモチベーションを高めることが
  可能になります。

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