企画書の書き方とテンプレート(基本構成シート)

         

企画書は「説得から納得のコミュニケーション」ツール 


  ■企画書の目的

   企画書の目的は、「情報の送り手(企画立案者)が、受け手(クライアントや社内上司)
   に対し、情報やプランを正確かつ効果的に伝達し、その結果として送り手の意図する
   ように判断・意思決定してもらう『納得のコミュニケーション』のためのツールでです。

   決して自分の意見や事実を表現することが企画書の目的ではありません。

   そのためには、受け手にうまく意図を伝え、理解、納得してもらう必要があります。

   企画書を作成する際に重要なポイントは二つあります。

   一つは「論理的構成」を整えること、もう一つは「視覚的見やすさ」です。

   つまり企画の展開は、

    (1)現状分析・整理(今どうなっているかを知る)

    (2)問題の発見(何が問題なのかを知る)

    (3)解決策を模索(どうしたら良いかを発見する)

    (4)アイデア創出(アイデアをひねり出す)

    (5)実行具体策(具体的な施策、アクションプランなどを決める)

   このような構成に基づいて、エクセルなどで作成した各種グラフやフローチャートなど
   を、企画目的に合わせ、組み合わせて使うことが重要です。

   いくら良いアイデアを持っていても、企画の“見せ方”を知らなければ、上記五つの
   目的を果たすことはできない。

   企画書は通らなければ意味がありません。

   企画書とは、自分の企画を提案し、相手を納得させるためのものです。

   ですから、相手にとってわかりやすく、納得力のあるものでなければなりません。

   社内向けに企画を提案する場合なら、普段からコミュニケーションを取っている人に
   対して提案することも少なくないでしょうから、少々わかりにくい企画書であっても、
   企画は通るかもしれません。

   しかし、顧客や取引先など、社外向けに提案する企画の場合はどうでしょう。

   相手は自分のことをほとんど知らない、もしくは、まったく知らない相手が企画書を読む
   場合が多いことでしょう。

   ですから、自社だけでしか通用しないような用語を使ったり、あいまいな表現を使った
   りしてはなりません。

   企画書はだれにとってもわかりやすいものにしなければならないのです。

   そのためには、ポイントを個条書きで簡潔にまとめたり、図や写真を使ったり、といった
   工夫が必要ですが、それ以上に大切とも言えるのが企画書の書き方(構成)です。

   どういう構成にするかによって、わかりやすさだけでなく、納得力も大きく変わってき
   ます。

   企画書を書きなれていない人にとって、企画書の構成というと「むずかしそうだ」とか
   「よくわからない」と思うかもしれません。

   企画書の構成は「こうでなければならない」という決まり切ったものがあるわけでは
   ありません。

   ですが、企画書に盛り込むべき項目はある程度のパターンがありますので、テンプレート
   (基本構成)は押さえておきましょう。  
    
  ■企画書作成のアイデアフォーマット

   効果的な企画が生まれるかどうかは、アイデア次第です。

   企画書の書き方をいくら学んでも、アイデアが生まれてこなければ、何もつくりあげるこ
   とはできません。

   思いついたアイデアをメモする習慣をつけておくことです。

   せっかくのアイデアを忘れないように、簡単なメモを残しておいて、あとでじっくりモノ
   になるアイデアかどうか、考えればよいのです。

   「アイデアフォーマット(5W2H)」は、そのように書き留めておいたアイデアを整
   理し、練り上げていくためのフォーマットです。

  □アイデアフォーマットの使い方

   1.仮称(タイトル)

     まず仮タイトルを考えます。

     コンセプトを一言であらわすような仮タイトルがつけられれば、企画の説得力が
     増し、頭の中を整理する効果もあります。

    2.WHAT

      企画の目的をまとめる。

      何のための企画なのかをはっきりさせる。

    3.WHY

      なぜその企画を実現する必要があるのか、その理由をまとめる。

      面白いアイデアが浮かんでも、それを実現する意味や必要性がなければなら
      ない。

      説得力ある企画をまとめるためには重要な項目なので、じっくり考える。

    4.WHO

      ここは2つの意味があり、「誰がやるのか」、実際に中心となって企画を実行す
      るのは誰か。

      次に、「誰が対象なのか」、これは「目的」ともリンクしているが、ここで企画の
      ターゲットをより明確にしておく。

      それぞれ、記入欄は分けていないが、分けて使っても、企画の内容によっては
      どちらかひとつの意味だけに絞ってもよいです。

    5.WHERE

      ここでは、場所について考えます。

      例えば、商品展示会の企画であれば、会場はどんなところにしたらよいかを考
      えて記入する。

      具体的な会場が思いつかない場合は、どんな会場がふさわしいか、条件をあ
      げておいてもよいです。

    6.WHEN

      ここでは、企画の日時、スケジュール、そしてタイミングを考える。

      特にタイミングは重要です。

      販促イベントや広告企画に限らず、「このタイミングでやらなければ効果が半
      減してしまう」という企画は多いものです。

    7.HOW

      どのように企画を実現するかを考える。

      他社や他の部門の協力が必要なら、どのように相手を動かすか、また、企画
      の実現効果を最大にするために、どんな要素をどのようにコーディネートする
      かを十分に検討する。

    8.HOW MUCH

      ここは予算です。当然、この時点では概算でかまいません。

      ただ、どの程度の投資でどれだけのリターンを得るのか、費用対効果を考え
      ること。

    9.インパクト!

      ここでは企画が実現したときのインパクト、つまり影響力や効果を考える。

      企画が実現した場合に、どんなことが起こるのか、その状況をできるだけ具体的
      にイメージする。

  ■企画書の書き方と基本構成

   (1)表紙
     企画テーマ(タイトル)、作成者名、提出日
      などを書き込みます。

     タイトルはわかりやすくシンプルなものを
     考えることが重要です。

      ・一言集約すれば、何の企画なのか

      ・魅力的なタイトルか?

     タイトル次第で受け手の側印象は全然違
     うものになります。

     それだけに、タイトルの良し悪しも「通る
     企画書・提案書」づくりには重要な要素です。

   (2)まえがき

     挨拶文や企画立案のきっかけなどの「前置き」を書く。

   (3)目次

     読む人のために便利なように目次をつくります。

     企画書の全体構成がわかるので、読む人にとって企画内容を理解するた
     めの助けにもなります。

   (4)企画立案の背景 

     なぜこの企画が必要なのかを説明します。

   (5)現状分析 

     (4)を受けて、現状をどう分析、把握しているのかを説明します。

     例えば、会社が抱える問題点は何か、市場環境はどうか、といったことが
     考えられます。

   (6)基本構想 

     (5)を受けて、企画の狙いは何か、何のための企画なのか、全体像を説明
     します。

   (7)企画コンセプト 

     企画を売り込むための広告のようなものと考えてください。

     キャッチコピーやイメージ図などで、何のための企画なのかをシンプルに、
     できるだけ強力に印象づけます。

   (8)具体的内容 

     具体的な実施内容をまとめます。

   (9)企画内容要約 

     企画の全体像を再度まとめておきます。

     これをやるかやらないかで、企画の持つ説得力は大きく変わります。

   (10)クリアすべき課題 

     企画を実現するために、クリアしなければならない課題、問題点があれば
     説明します。

   (11)スケジュール 

     企画の実施スケジュール、予算等を簡潔に説明します。

   (12)添付資料 

     企画内容の補足や裏付けになる記事やデータなどの資料をまとめます。

  □作成の際してのポイント

   企画書は目的性の高い文書であることから、以下の点に注意します。

   ○企画書作成の留意点 

    (1)受け取るのは自分ではない。受け手が分かりやすいように書く。

    (2)企画書の目的を忘れず、視点を明確にした内容構成とする。

    (3)「内部用企画書」か「外部用企画書」かをハツキリさせる。

    (4)主語と述語が簡潔な文章で、分か

      りやすく書く。企画書.gif

    (5)相手の疑問に応え、すべての因果
      関係をはっきりさせる。

    (6)不必要なことは、できる限り書かない。

    (7)専門用語の使用は避け、使う場合は

      注釈を入れる。

   ○受け手が理解しやすい企画書の基本構成

    (1)企画の背景(なぜこの企画が必要なのか)

    (2)企画のテーマ(一言集約すれば、何の企画なのか)

    (3)企画の全体(企画の全体像や個別企画とのつながりが分かる)

    (4)企画の前提(前提条件・制約条件を明確化しておく)

    (5)現状の分析(今どうなっているかという現状を分析、整理する)

    (6)あるべき姿(最後にどうなっていれば良いかを措く)

    (7)企画の目的(何を狙いとしているのか)

    (8)企画の目標(それはどの程度の状況で達成するのか)

    (9)企画の内容(どうしたら達成できるのかのやり方、方法)

    (10)企画の詳細(個別企画の詳細、アクションプラン)

   ○起承転結

    起承転結の「起」に当たる(1)は、特に「なぜ企画が必要なのか」、そして「この企画
    を実施しなければ、どのような不都合が生じるのか」、「なぜ今でないとダメなのか」
    など、受け手の頭の中を整理してそれをニーズやウォンツに変え、いま企画を実行
    すべきという必然性を合理的にセットアップしなければなりません。

    「承」は、どのような企画なのかについて5W3Hを使って分かりやすく示し、それによ
    ってどのような効果・成果が得られるのかを明示します。

    「転」は、企画のメリットとデメリットを比較して、その企画を実施しなかった場合の
    損失やライバル商品との比較を記します。

    他社での実施事例や意思決定を促す補足資料、サンプルデータなども有効です。

    最後の「結」には企画の進め方やスケジュール、予算などを記載します。

    結びの言葉として、企画書を提出させていただいたことへのお礼、または総まとめが
    入っても良いでしょう。

    流れで見れば、「起」の段階で受け手の不信感を払拭し、興味を引き付け、ニーズを
    喚起する。

    そして「承」で受け手の願望(こうなれば素晴らしい)を刺激し、企画を実施すること
    により享受できるメリットや夢を膨らませます。

    さらに「転」で質、量、価格などについて他社との比較を行い、事例で安心してもらい
    ます。

    そして「結」で受け手側の情報整理を行い、確信へと導きます。

  □効果的な企画手法

   企画書は視覚媒体であり、「分かりやすく」「見やすく」することが成否を分けます。

   いくら良い内容でも、文字ばかりの企画書では読む気がしないものです。

   「メラビアンの法則」によると、人の第一印象は、

    (1)見た目(外見)   55%

    (2)話し方(声)     38%

    (3)話の内容(言葉)  7%

   という順で決まるといわれています。

   いかに「ビジュアル」が大切かということです。
 
   また、モノクロよりもカラー、静止画よりも動画、の方が訴求力は増します。

   パワーポイントがプレゼンテーションの主役であるゆえんでしょう。

   しかし、モノクロよりもカラーの方がセンスを問われるのは事実であり、モノクロ時代に
   は必要なかった色の知識も、昨今のビジネスマンには不可欠です。

  ■企画全体について

  □伝えたいメッセージが明確に伝わる構成か? 

   言いたいこと(=聞きたいこと)を効果的に伝えるためには、文章全体に一貫性と説得
   力を持たせなければなりません。

   文章に使う一語一句、表現の工夫も大切な要素ですが、その前に文章の流れ
   (ストーリー)自体が重要な要素となります。

   そのような構成上の流れは、一般的に起承転結がよいと言われますが、少ない文字
   量でより効率的に必要な情報を相手に伝達しようとするには、まず、結論や結果を先に
   述べてしまったほうが、構成上メリハリがつくことや最初から読み手に関心を惹きつける
   点などで効果的です。

   なぜならば、人が集中して聞いてくれる時間は、いいところ15分くらいだと言われている
   からです。

  □記述の言葉は分かりやすいか? 

   企画書で重要なポイントの一つは、「分かりやすさ」です。

   企画書において分かりやすさを実現するには、一つには、平易な言葉を使うなどの
   言葉の分かり易さがあります。

   また、短く要領よくまとめるなどの文章の構成上の分かり易さがあります。

   難解な文章にならぬよう、また、文章はなるべく短くして、伝えたい内容を要領よく
   まとめることが大切です。

  □相手先の立場や要望に沿った企画・提案か? 

   その企画・提案が通るかどうかは、ひとえに「受け手」の心を動かせるかどうかにかかっ
   ています。

   「受け手」の心を動かすためには、当然以下の基本事項が前提となります。

   すなわち、

    ・相手が望んでいる内容か(困っていることの解決案を提示しているか)

    ・相手の会社・組織にとってプラスになる内容か

   「企画自体の面白さ」はもちろん、大切なことですが、まずはこの基本をおさえておく
   ことが大切です。

   その点で言えば、あなたは相手の現状(症状)に対して処方箋を出すことが求められて
   いるのです。

  □魅力的なタイトルか? 

   タイトル次第で受け手の側印象は全違うものになります。

   それだけに、タイトルの良し悪しも「通る企画書」づくりには重要な要素です。

   タイトルで相手の関心を惹きつけるのに2つの方法があります。

   一つは、タイトル自体に工夫を凝らす方法です。

   例えば、乗用芝刈り機のネーミング「芝耕作」、靴下「通勤快足」など、商品自体の企画
   とその魅力もさることながら、タイトルで成功した例と言えます。

   二つ目は、標準的なタイトルですが、サブタイトルで関心を引く方法です。

   例えば、「販促企画のご提案」「資産運用安心プランのご提案」など、いかにも他にあり
   そうなタイトルで、それ自体は関心を引くのに効果がないように思われます。

   しかし、ここに「従来コスト50%削減の新提案」や「20年後、お金の心配がない生活
   へのステップ」など、先方のメリットを具体的にサブタイトル(サブキャッチ)に入れ
   ると、自ずと興味・関心を引く企画書・提案書
   になります。

  □データに裏打ちされた内容か?

   説得力を持たせるためには、自らの主張の
   裏づけとなる情報があることが前提となり
   ます。いわゆる「データ」です。

  □効果予測は入っているか?

   採用される企画書・提案書を作成するための
   最後のポイントは、提案した業務を実施し
   た場合の効果に触れているかということです。

   これが聞き手の重要な判断材料となります。

   その効果の出し方については、

    ・予想売上げなどの経済的効果を示す。

    ・同様の事例があればその数値を参考にする。

    ・同様の事例がない場合は、比較的似た分野のものから推定する。


   企画書は作成したら終わりではありません。

   次に控えているのが、作成した企画書をプレゼンすることです。

   どんなにすばらしい企画書であってもプレゼンの良し悪しで成否が決まりますので、
   参考にしてみてください。 

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