営業マンによる見込み客評価


  ■見込み客の選別と評価

   見込み客はいわば将来の得意先候補ですから、自社にとってはまさに財産といえ
   ます。

   しかし、その財産をただ持っているだけでは意味がありません。

   多くの見込み客の中から、「これは」という企業を選び出し、訪問・商談を重ねて得意先
   へと育て上げる。

   こうした活動ができるかどうかが、企業の将来を左右するのです。

   では、得意先候補としてふさわしい見込み客の条件とは何でしょうか。

   一言で言えば、「長く付き合えること」です。

   「販売力がある」「資金力がある」「成長性がある」などといった「経営内容の良さ」が
   あることはもちろん、「経営者の考え方」や「販売方針」「仕入れ方針」といった
   「経営方針」の面でもこちらの戦略に合わなければ、長く付き合っていくことは難しい
   でしょう。

   実際に見込み客を訪問、選別していくのは営業マンの仕事です。

   つまり、どんな取引先と付き合うかという明確な基準や方針がなければ、営業マンの
   力量によって選別基準が変わってきます。

   場合によっては、有力な取引先候補を活動対象から外してしまうかもしれません。

   効率的に新規開拓を行うためにも、見込み評価フォーマットを使って、営業マンの見
   込み客選別作業を標準化していく必要があります。

  □取引基準を定める

   まず、自社の戦略として、どのような会社と取引をしたいのかを大まかに示しておく。

   「資本金は〇〇以上で、1回の取引量は××以上、経営者が・・・」などと、数字ばかり
   の細かい基準を示して、それを厳守させようとすと、かえって営業マンは気力をなくし
   てしまいます。

   ここでは、例えば「経営者の理念に共感できること」とか「しっかりとした成長戦略を
   持っていること」など、営業マンが自分で考え、判断できるような基準を設定すること
   です。

   見込み客評価を通じた新規開拓は、営業マンの実力をつける格好の場になります。

   営業マンのやる気をうまく引き出して、取引先開拓と営業マン育成の一石二鳥を狙っ
   てださい。

  □情報の聞き取り(優秀な営業マンは聞き上手

   1回の訪問で即、受注が成功することはまずありません。

   まずは、何度か訪問を重ね、相手の情報を聞き取っていきます。

   このとき注意することは、取引先を質問責めにしないことです。

   1度の訪問ですべての情報を聞き出す必要はありません。

   「優秀な営業マンは聞き上手」といわれるように、会話のなかに自然な感じで質問を
   織り交ぜながら、少しずつ聞き取っていくことがポイントです。

   見込み客評価において「会社(取引先)の経営方針」や「(取引先企業)発注上の
   方針」は、顧客との長いつきあいを望むなら、非常に重要な情報です。 

   しかし、売上高や資本金などの数字で表される情報と違い、相手の本音を引き出す
   のはなかなか難しいものです。

   この項目については、取引先企業の状況をある程度把握した後、小額の取引を何度
   か重ねて本音を引き出してから記入してもいいでしょう。

   同時に、将来の取引を拡大するべきかどうかを判断する基準にします。

  「競合他社」の動向も重要なポイントです。

   優良な見込み客は、すでにライバル会社が食い込んでいることが多いはずです。

   こうした見込み客は、ライバル会社にとっても優良な顧客ですから、攻略するのはむず
   かしいものです。

   ライバル会社がどういう戦略をとっているのか、しっかり情報収集し、こちらの戦略
   立案に役立てる必要があります。

  □評価分析を行う

   ある程度の情報を収集したら、将来の得意先候補としての条件がどの程度そろって
   いるのか、評価選別を行わなければなりません。

   フォーマットでは「資金繰り」から「同業者評価」までの13項目を、A〜Eまでの5段階
   で評価する仕組みになっています。

   自社の選定基準に合わせて、この項目は適宜変更してください。

   担当営業マンは、自分で収集した情報を基に、得意先候補としてふさわしいかどうか、
   どういう付き合い方をしていくべきかをまとめて、上司に報告します。

  □営業方針の決定

   担当営業マンによる情報収集と評価分析が終わり、上司と面談して今後の営業方針
   を決めてください。

   この時上司は、単に営業方針を決定するだけではマネジャーとしての役割を果たした
   とはいえません。

   見込み客評価は、営業マンの実力をつけるいい機会です。

   「情報収集をしっかりしているか」「評価選定の基準は適正か」など、部下の「お客を
   見る目」をしっかりと評価、育成することが肝要です。

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