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コストダウンを考える |
企業の業績が下がると、利益を上げる即効薬として「コストを下げろ、コストを削減 しかし、かけ声だけのコストダウン活動では、大きな成果を期待することはできま コストダウン活動に取り組むためには、より組織的に、より科学的にねばり強い活 1.コストダウンとは何か 企業は利益を上げなければ存続していくことができません。 利益は「売上−コスト」で計算され、利益を確保しようと企業は売上拡大に奔 しかし、売上があまり上がりそうにないならば、残された道は経費削減(コス このように、コストダウンとは、全社的な総費用(トータルコスト)をターゲット 売上拡大のための方策と同様に、自社の主要課題としてコストダウンに取り 今日企業がコストダウン活動を進める意義として、環境変化に適応し競合他 顧客の価格引き下げ要求に応えつつ、一定の利益を確保し続けるため 目まぐるしく変化する顧客ニーズに対応するためには、不採算製品(分 そこで、不採算分野において再度コストダウン活動を実施し、利益が上が 逆に、コストダウン活動の展開により、不採算部門に再生の可能性が生 今日の企業間競争では、たんに価格による差別化を進める戦略には限 そこで、競合他社と比べて優位な機能をもたせ、それに付随したサービス そのためには、「コストをかける部分」と「コストダウンを図る部分」とを明 コストダウン活動に取り組んでいるものの、なかなか成果が上がらないケー この理由として次のようなことが考えられます。 ・経営トップ、部門責任者の理解不足 ・コストに対する認識の甘さと管理手法の欠如 ・コストダウン技術の不足 ・コストダウン技術を適用する範囲とタイミングのミスマッチ ・無計画で場当たり的な展開 ・各部門間の協力体制の不備 ・責任者の不在と目標設定のあいまいさ ・継続的な活動への意欲不足 これらの問題点を最小限に抑え、コストダウンの成果を確実に出していくた ・コストダウン計画をゼロベースから策定し、 ・その際は、各部門の実情に合わせてコストダウンの対象を決定し、 ・さらには、各部門におけるコストダウンの負荷の均一化を図る ことが基本となります。 しかしこれだけでは十分ではなく、 さらに、中長期にわたるマネジメントも欠かすことはできません。 コストダウンの成果を1年間といった短期間で求めると、無謀なコストダウンをしが 短期間のコストダウンであっても(短期間のコストダウンだからこそ)成果が上が しかし、次年度にコストアップを招いてしまっては意味がありません。 成果の反動が生ずるような無謀なコストダウンを防止する意味でも、中長期にわ 1.コストの考え方 コストダウンについて考える前に、まずはコストの考え方について確認する必 コストとは、ある目的を達成する(成果を得る)ために消費された価値、つま と定義できます。 普段我々は、コストは「かかってしまうもの」と思いがちです。 しかし、この考え方から、成果を得るためには「いかに最適なコストをかける つまり、コストに関する基本的な考え方として そして、「どのような方法、どのようなシステム」を採用するかでコストの大き このようにコストを科学的に分析し、どうしたらもっとも経済的になるかを明確 以上のような観点から、コストコントロールとコストリダクションという2つのアプ コストコントロールとは、業務の現実コストに対し、 ・材料に無駄はないか ・人員に無駄はないか ・設備に無駄はないか ・エネルギーに無駄はないか などのコスト統制での無駄の排除によって、コストを低減していくことです。 コストコントロールでは、従業員に与えられた仕事が計画どおりに遂行できる たとえば、 ・計画(標準)が立てられているか、その計画は適当か ・計画(標準)は知らされているか、その知らせ方は適当か ・実績は計算されているか、その計算方法は適当か ・標準と実績の差を把握しているか、その差のつかみ方は適当か ・差を埋める行動はとられているか、その行動は適当か といったことが具体的な活動になります。 計画どおりに仕事が進まないと、計画した標準コストと実質(現実)のコストと そこで、いくらで作れると計画した標準コストと実質コストとの差、つまり実質ロ そして、その差を埋めるためにコストダウン活動を実行することになるのです。 コストリダクションとは、いわゆる標準コストを引き下げることを意味します。 現在の標準または予算として決められているコストの大きさは、現在実施して したがって、より経済的な方法やシステムに改善することができれば、現在用 この活動では、現在の製造方法や販売方法、あるいは管理方法などを変えて つまり、現在もし、最善の方法・システムをとっていないがために、標準コスト この改善のポイントは、現在の標準コストよりさらに低い目標コストを設定する コストダウンを考えるときには、 実質ロスをなくすためのコストコントロールと、機会ロスを 必要があります。 コストコントロールは、標準(コスト)を正しく決め、標準を守らせ、守られている 一方コストリダクションは、現在の標準コストを決めている要素・要因を見直し このように前者の「標準を守らせるための管理」と後者の「標準を変えるため したがって、これらを峻別して実施しなければ的確なコストダウンを実現するこ また、2つのコストダウン活動が実施される部門も異なります。 コストコントロールは、製造部門などの現場(ライン)を中心に実施され、あらか これらの活動を通じ、実質コストが標準コストと一致しはじめると、コストリダク コストリダクションは、設計や企画部門(スタッフ)で実施され、目標コストの設 これらの部門では、標準コストをこの目標コストに近づけるため、製品や工程 コストダウン活動の基本的な考え方は、 「コストコントロール → コストリダクション → コストコントロール → コスト という形で、それぞれが適切な部門・タイミングで実行され、 「実質ロス削減 → 機会ロス排除 → 実質ロス削減 → 機会ロス排除」 1.コストの体系 コストを分解すると、 ・製品を作るという目的を達成するために消費した価値を製造コスト ・それを販売する目的で使った価値をマーケテイングコスト(販売コスト) ・それを販売し商品を流通させるために消費した価値を物流コスト ・さらにこれら製造・販売・物流を効率よく行うために消費した価値を とすることができます。 さらにコストを費目別に分類すると次のようになります。 また、これらのコスト以外にも、 ・機会コスト:取引チャンスを逃すことなどにより発生するコスト ・時間コスト:時間をかけすぎてしまうことにより発生するコスト ・クレームコスト:顧客からのクレーム対応により発生するコスト といった顕在化しにくい目に見えないコストについても、場合によっては認識す コストダウン活動は、どのような手順で実施していけばよいのでしょうか。 一般的には次のような手順により、コストダウンの目標を立て、必要部門・担 <STEP 1>:製品別・部門別・費目別のコスト構成をつかむ コスト構成を明らかにすることで、どのようなコストがかかっているかを <STEP 2>:コスト構成からコスト削減のターゲットを絞る どのコストに削減のターゲットを絞ればよいか検討します。 <STEP 3>:コスト要因を分析する 重点管理コストに対して、コスト発生の要因を分析します。 <STEP 4>:2つのコストダウンの手法でアプローチする 分析したコスト要因について、「□コストダウンの考え方」で述べた <STEP 5>:コストダウンの目標を設定する アプローチ方法を確定したら、具体的なコストダウンの目標を設定し、 具体的なコストダウンは、各製品、各部門、各費目別に実行されます。 それでは、各費目コストについてどのような視点でコストダウンを考えたらよい 以下に各費目のコストダウン例をあげていきます。 製造現場などで発生する材料費は、材料の消費量に単価を掛けたもの したがって材料費のコストダウンには、その要素である消費量か単価の <材料消費量の削減策例> ・製品設計段階で部品点数の削減を検討しているか ・生産ロットは適切か・過剰な品質(部品の品質が要求性能を ・適切な検収をしているか <単価の引き下げ策例> ・購買市場の調査に基づく購入先選定は適切か ・大量仕入れ、一括購入を検討しているか ・支払い条件は適切か 製品の生産過程において工場などで支出されるおもな費用は、現場で働 これらのコストダウンを進めるには、作業の無駄を省くことと、作業の改善 <作業の無駄の排除例> ・原材料の不足などによる手待ちの削減 ・道具や設備の故障、トラブルの削減 ・予定変更の多発の削減 ・新設備導入による作業の自動化 ・作業研究による作業の標準化 ・工程の短縮や組み合わせによる簡素化 販売費のコストダウンを図るには、マーケティングの基本的な考え方を理 つまり、顧客のニーズをつかみ、そのニーズを満足させるためにどのよう たとえば、高齢者向け製品の販売を考える場合にインターネットを広告媒 そこで、インターネットによる広告が、果たして自社のターゲットに適した 管理費は、人事、経理、総務などのスタッフ部門で発生する給与や経費 ここで発生する費用は、直接売上の拡大に貢献するものではありません しかし日本では、生産現場での合理化は比較的進んでいるものの、これ したがって、事務の適正化や余剰人員の再配置などを進め、スタッフ部 企業のあらゆる活動にはコストがかかります。 コストダウンを検討するとき、これまで述べてきたように費目ごと、部門ごとに 部門同士が敵対関係になると、たとえば、「売れればよいということでどんどん 自部門の利益が他部門の損失にならないようにするためには、 ・他部門の利益は自部門の利益 ・他部門の損失は自部門の損失 といった全社的なトータルコストダウンの仕組みが必要になる。 トータルコストダウンの仕組みづくりには、強力なトップマネジメントに基づくプ 具体的には次のような手順を踏んでいくことになります。 <STEP 1>:トップによる組織の革新の提示 ・利益確保におけるトータルコストダウンの必要性を全社員に徹底 ・プロジェクトの企画 ・プロジェクト・マネージャーの任命 ・各部門のメンバーで構成されるプロジェクトの発足 ・各部門、各職場のコストダウン目標の設定 ・プロジェクトチーム主導の全社的な活動の実施
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