スクリプトを活用したセールスの基本 


  台本(スクリプト)とは台詞および動作の指示によってまとめられた芝居やドラマの筋書き
  ですが、営業活動においても欠かせないものです。

  なぜなら、小規模な会社(店)にとって、営業マン個人の能力に頼った営業は継続した収益
  の確保を困難にさせるからです。


  「うちの業界ではスクリプトなんて通用しないよ」とか「うちは特殊だから」などと、言っ
  ていられない環境にあります。

  営業に限らず、各業務の標準(マニュアル)化は必須であり、それが貴社(店)のノ
  ウハウとなるのです。

  ■優秀な営業マンのノウハウを共有

   自社の優秀な営業マンのセールススキル(ノウハウ)、知識、情報を組織として共有化、
   活用するナレッジマネジメントの実践が不可欠です。

   経験や勘、技術、ノウハウなどの知識である暗黙知は、これを文章にされていない
   状態で営業マン個人がもっています。

   今まで、優秀な営業マンのノウハウや知識はその個人のセンスであり、感覚的なものと
   して捉えられてきました。

   「なぜ、うまくいったのか」の感覚的なものを他の凡人営業マンでもわかるようにスクリ
   プトにすれば組織として独自のノウハウとなります。

   わが国では、昔から「阿吽の呼吸」「暗黙の了解」といった、言葉や文章で表現できない
   感覚的な意思の疎通が行われてきました。

   これを会社が、優秀な営業マンのセールススキルの暗黙知部分を文章化・図表化・数
   式化などによって説明・表現できるよう『形式知』化し、組織で共有することです。

   ここでは、

       営業の標準化=スクリプト

       について解説します。 


   お客様が感じていない「不安、不満」(ニーズ 
   潜在型)はどのように気づいてもらえばいい
   のでしょうか?

   「ニーズ喚起はセールスに欠かせない活動
   であり、あなたの扱う商品・サービスを提案す
   る前に行う活動です。

   人は現実の生活の中で目の前のやるべきことに
   追われ、あなたの商品・サービスについては頭の
   片隅にもありません。

   この状況を打破しなければセールスは困難なものとなってしまいます。

   お客様の感情に必要性を訴えなければなりません。
   
   広告用語でよく使われる法則にAIDMA(アイドマ)の法則があります。

   これは消費者が購買するまでの心理プロセス(消費者が商品の購入を決める心理的な
   状況の変化)をいいます。

   このことを順を追って説明すると、

    A:Attention  まず“注意”を引く

    I:Interest  “興味”を持たせる

    D:Desire   ほしいという“欲求”を引き起こす

    M:Memory   ”記憶“に残す

    A:Action   “購入行動”を起こす

   上記を念頭に、以下の1〜5までの営業手順を紙に落とします(手順書の作成)

    1.人、企業が抱える問題・悩みを提案する。

    2.問題・悩みをお客様にあてはめる。

    3.問題を放置すると、大きな問題に発展することを指摘する。

    4.最も理想的な解決策を提示する。

    5.動機づけてクロージングする。

   一方、営業マンがこの購買心理を起こさせるためのセールス手法にPASONA
   の法則があります。

    1)P:Problem(問題を提起する)

      「○○でお困りではございませんか?」「△△でお悩みではありませんか?」「××
      で不安はございませんか?」など、お客が潜在的に困っていること、悩んでいる
      こと、不便に感じていることなどを明確にして問題を気づかせます。


    2)A:Agitation(問題を炙り出し、煽りたてる)

      「○○が発生したら大変なことになってしまいますよね」「△△になってしまった
      ら大きな損失ですよね」など問題を視覚的にイメージできるように描写し、煽りた
      てます。

    3)S:Solution(解決策の提示と証拠)   

      「そのような悩みを解決できます。その解決策の一助として○○、□□がありま 
      す」とあなたの扱う商品やサービスが問題解決に役立つことを明記し、その
      証拠を示します。


    4)N:Narrow down(限定、緊急、絞込み)

      「しかし、この商品・サービスは弊社の対応に限りがあります」と絞込みをかけ
      ます。

      いつでも購入できるものではない限定感をアピールし、緊急性を演出します。


    5)A:Action(行動)

      「今すぐでしたら、対応できます!」と次の行動を呼びかけます。

   この一連の流れが、お客様の購買心理を促進させる手法として昔から使われています。

   結果の出せない営業マンほど、「営業は行ってみなければわからない。

   現場で対応することだ」と言います。

   でも実際はどうでしょう。

   準備も目的もなく訪問した所でほとんどうまくいきません。

   だから何度も足を運ぶことになります。

   優秀な営業マンは訪問の目的を十分理解し、その準備を怠りません。

   そのためにはまず営業を標準化することが必要になります。

   営業(セールス)の標準化=スクリプト(台本)。

   最強のセールス手法です。

   セールスを我流でやるのではなく、原理・原則に基づいて行うことのほうが間違いなく
   成約率を高めるのです。

   スクリプトは営業活動における各ステップごとの営業場面をスクリプト(台本)にまとめ
   たものです。

   スクリプトは成果の上がっている営業マンのやり方を分析して作成します。

   また、実際に多数のお客様を訪問しスクリプトに則り商談をし、その効果を検証します。

   しかし、誰でも「決まったセリフを覚えてうまくいくの?」と考えます。

   スポーツを例にとると、「基本」を徹底して本番に臨むのと、「我流」で練習して本番に
   臨むのとではどちらが成果・結果が出るかは推して知るべしです。

   優秀な営業マンでなくても、彼らと同レベルの営業が可能となる。

   ロープレなどにより繰り返し練習し、基本をマスターするこで、実践で勝利するのです。

   スクリプトはセールスの「基本型」であり、凡人営業マンにとっての虎の巻となります。 

   スクリプトを覚える前に、是非押さえておきたい「セールスの基本(ポイント)」につ
   いて説明します。

  ■セールスの基本

   1.断られることを気にしない

    お客様に断られることを気にしない(当たり前)と思うくらいの余裕を持ちましょう。

    できるだけ多くのお客様に会うことが営業の
    条件です。

    当然、多くのお客様に断られます。

    重要なのは「なぜ失敗した(断られた)のか」

    を考え、次に結びつけることです。

    たくさん「断られること」は、「失敗に学ぶチ
    ャンス」を多く持つことなのです。

    断られてからが本当のセールスの始まりで
    あると信じることです。

   2.第一印象(見た目)が7割

    人はまず外見で他人を判断します。

    だらしのない身なりのセールスマンに
    「信頼できそう」「誠実そう」といった
    イメージは持ちにくいものです。

    つまり、第一印象(見た目)の良し悪しでお客様の反応は大きく変わります。

    服装・態度などの見た目は思った以上に大切なのです。

   3.話し方や笑顔で信頼度は決まる

    自信のある話し方はお客様に信頼感を与え、笑顔は安心感・親近感を与えます。

    話し方や表情で商談は大きく変わります。

    ロールプレイング(ロープレ)は営業マンのトレーニングのすべてです。

    その中で話し方・表情もしっかり身につけましょう。

   4.スクリプトは丸暗記する

    一言一句すべてをスムーズに再現できるまで練習します。

    「大雑把に覚えた」では、本番で自信を持って話すことができません。

    ロープレで完璧に再現できるようになれば、お客様の反応の「見え方」が劇的に変わり
    ます。

   5.お客様の話をよく「聴く

    お客様の反応は一様ではないため、スクリプトではお客様の発言部分の記載を必要最
    小限に留めておきます。

    しかし、一方的に話し続けるだけではお客様も「うんざり」してしまいます。

    何よりも大事なのはお客様の話を「聴く」ことであり、それによりお実様の本当の 
    「ニーズ」も引き出すことができるのです。

   6.商談ではスクリプトに戻す

    5で述べたとおり、お客様の話をよく「聴く」ことは大事ですが、提案したかったの
    に、話がお客様のペースで進んでしまいうまくいかなかった経験はないでしょう 
    か?

    常にスクリプトの流れを意識すれば、脱線してもスクリプトの流れに戻してクロージン
    グまで進むことができます。

   7.「私」ではなく「私ども」「弊社」という

    「私」というと個人の意見に受け取られますが、「私ども」と言うことによって組織の
    意見と感じるようになり、お客様に信頼感・安心感を不えます。心理学的には「拡
    散効果」と呼ばれています。

   8.影響力を使う

    「みなさんそのようにおっしゃっています」「○○さんも同じように考えておられま
    した」などというように、他の人や紹介者、世論、報道機関などの意見や考え方
    を引用する。

    つまり第三者の影響力を使うことによって、お客様は「自分もそうしなければならない
    のでは」という心理になります。

   9.二者択一を使う

    人は二者択一で聞かれると、他の解答があってもどちらかを選んでしまうものです。

    「○日の午前中と■日の午後ではどちらがよろしいでしょうか」「ご検討されるとした
    らAプランとBプランどちらがよろしいでしょうか」「もし保険料を下げるとしたら、方
    法は次の二つです」というように、必ず2つの選択肢を用意してどちらかを選んで
    もらうようにします。

   10.不利・デメリットな情報も正しく伝える

    有利な話ばかりでは警戒されてしまいます。

    不利な情報も正しくきちんと伝えることでお客様に信頼されます。

   11.いつも明るく、元気に!

    「また断られるんじゃないだろうか」と暗い気持ちで訪問すると、その雰囲気はお客様
    に伝わってしまいます。

    自信がなさそうで暗いセールスマンから商品を買いたいと思うお客様はいません。

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