業務改善の手順


  業務改善は業務の可視(見える)化を可能にし、社内のムリ、ムダ、ムラを排除し、
  収益アップに貢献します。ただ闇雲な業務改善ではなく、手順に沿った改善が必要
  となります。

  業務改善に着手する前にやっておくことがあります。

  業務棚卸表(業務の洗い出し)です。

  各業務担当者それぞれが日常行っているすべての仕事を書き出します。

  担当業務棚卸表による業務棚卸に当たって、メンバー全員が仕事の効率化
  ・省力による営業余力の創出と意識改革ついて認識する必要があります。


  ■業務改善手順書づくり 

   1.特定の人に依存しない仕組みをつくる

    (1)仕事の洗い出し

      ①出社〜退社までのすべての仕事(カギの開閉まで)

      ②自身の仕事がなにか、その仕事の意味を考慮し、誰でもできる部分は
       どこか、特定の人でなければ対応できない部分はどこなのかを分析

      ③特定の人の仕事をそぎ落とし、特定の人に頼る部分を小さくしていく

       ・高度な仕事とそうでない仕事を分け、低いスキルで仕事を遂行できる
        ようになるためには、何が必要か・どんなスキルをつめばよいかを検討

    (2)仕事の優先順位を考える

      ①トップ・部門責任者でなければできない仕事 (第1位)

      ②トップ・部門責任者がやっている・求められる仕事 (第2位)

      ③部下に任せられるがトップ・部門責任者がやっている仕事 (第3位)

      ④トップ・部門責任者でなくても部下に任せられる仕事 (第4位)

   2.組織(チーム)力

    各業務には手順があります。

    業務改善の目的はムダ・ムラ・ムリを排除し、業務全体をシンプルにすることで、
    誰に代わっても一定の品質が保てることを目指すものです。

    そのためには、「言葉で伝える」から「文書で伝える」手順書 (マニュアル)が
    必要となります。

    優秀な社員の業務を手順書に落とし込むことで、業務の推進を勘と経験に頼る
    ことなく、全員が同品質のレベルを保つことができます。

    組織力は「人に仕事を担わせる」のではなく「仕事に人を担わせる」が基本とな
    ります。(これが業務の役割分担の考えとなります)

    手順書は新人でも経験豊富な社員と同レベルの知識を共有するための基礎
    となるものです。 
    
   3.業務手順(フロー)書の作成

    ●間違ったマニュアル

     マニュアルとは、作業命令の完全な表現であり、やるべき職務について、具
     体的に内容を示したものです。

     それは同時に、本人の職務遂行能力、技術的な段階(あるいは水準)を示す
     バロメーターでもあるのです。

     マニュアルが作業命令の完全な表現であるということは、言い換えるなら、
     作業の手順を指示する文書ということなのです。

     多くのマニュアルの内容は道徳的・抽象的表現が多すぎます。

      ○「ねばならない」ではなく「する」と表現されます。

      ○「・・・してはならい」、「・・・に注意する」、「・・・に配慮する」、
       「・・・に気をくばる」、「・・・をチェックする」などは抽象的で
       どうすればいいのか本人には理解できません。

       よって、気くばりであるとか、気遣いを交える言葉は、マニュアルとしては
       正しくありません。

       マニュアルは決して漠然と確認ることでも注意することでもないからです。

      ○道徳的表現
       たとえば「早く」、「きちんと」、「ていねいに」、「きれいに」、「でき
       るだけ」といった表現。

    ●正しいマニュアルの条件

     (1)だれにでもわかること

       それには手順を示すこと、さらに事例をあげること。

       特に大事なことは反対のまずい事例もあげることです。

     (2)他の表現(解釈)ができないこと

       文章で表現するよりも数字で、数字よりも図で示すことです。

       そうすれば、他の方法がなくなってしまうからです。

     (3)他にやりようのない決め方

       文書はつねに「する」と表現する。

       抽象的であいまいな表現は使わない。

     (4)数字は少なくすること

       数字がたくさん書いてあると、わかりにくくなる。

       標準や、目安や、最大や、最小や、目標の数字は記入します。

     (5)文書フォームの統一

       マニュアルを書いた文書の形(文体)、活字の大きさ、色、厚さ、材質は統
       一する。

     (6)綴込み式であること

       マニュアルの内容は修正されていくものだから、1ページごとに交換可能で
       あること。

       修正した場合は1ページごとに取り換え、内容が変更されるときには、変更
       したページが綴じ込まれるのと引換えに、変更前のページを回収する。

     (7)現場でテストずみであること

       マニュアルは実際に現場でテストされたあとでなければ、流してはいけない。
       テストせずにマニュアル化される不完全なものになってしまう。

      (8)すべての作業について作ること

       作成するためにも、業務(役割)分担表を作成することで作成が作りやすく
       なる。

      (9)保管方法と周期的修正義務が明示されていること

       だれがどのように保管するのか、だれがいつどのように修正提案をするの
       かは、制度として成文化されていなければならない。

    (10)チェック・リストでフォローされること

       これはマニュアルが実行に移された段階において、はたしてマニュアルど  
       おりに実行されているのか、実行されていないとすればマニュアルのどこに 
       欠陥があるのか、さらにマニュアルどおりにやることによって、プラスの効
       果ばかりが出ているのか、もしもマイナスの効果も合わせて出てきたり、も 
       ともとマイナス効果しか出ないマニュアルであったとするならば、そのどこを
       どのように修正すればよいのかを調べあげるためです。

       したがって、このチェック・リストを作ること、そのチェック・リストでチェ
       ックすることは、担当者の本来の職務として、あらかじめ規定されなければ
       ならないのです。

  □業務手順書が無ければ 

   ・業務を教えるのに先輩社員が係わり、時間・労力・コストが発生

   ・教える側の考えが優先し、教わる側にスキルのばらつきが生じる

   ・教える側の主観が大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる

   ・社員のスキルを計る基準ができず、社員の評価が客観性を失う

   ・会社の統一感・一体感が生まれず、特定の社員に負担のかかるマン
    パワーに依存してしまう

  □手順書における表現の原則 

   ・誰にでもわかる(特別な経験がなくても)

   ・他にやりようがない決め方である 

   ・数字は少なくする 

   ・内容は修正されていくので用紙は綴り込み(バインダー)式にする

   ・文書(用語)、フォームは統一されている 

   ・内容は必ずテスト済みである

   ・各部門すべての業務について作成する

   ・保管方法、定期的な修正(誰が、いつ)義務を明示する 

   ・手順書どおりに実行されているかの有無をチェック・リストでフォローする

  □社内作成物(規程)との連動 

   ・就業規則、人事評価と連動していること 

   ・経営計画と連動していること

   業務のマニュアル化は、限られた現有資産を最大限に活用していくためにも欠かせない
   課題です。

   マニュアル作成は自社にとってのノウハウとなります。

   すでにマニュアルが整備されている企業のマニュアルを拝見させていただくと、それら
   のほとんどが「マニュアルらしきもの」であって、マニュアルではありません。

   理由は、

    ○言葉で説明しなければわからない

    ○内容が抽象的

    ○担当者にしか分からない

   といったことが挙げられます。

   マニュアルは苦労して作成し、修正し、つくりあげるしか方法はありません。 

 

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静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
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経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
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