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トップダウンマネジメント |
中小企業がこの厳しい時代を乗り越えていくためには、明確な経営戦略と社員一 そして、そのなかで社長が果たすべきトップダウンマネジメントの重要性は、一層 マネジメントスタイルの違いとしてよく取り上げられるのが、トップダウンとボト トップダウンとはトップ自らが方針を定め、会社を強力に引っ張っていくやり方 一方、ボトムアップとは、社員自身からの提案も積極的に経営に反映させてい 両者のメリット・デメリットをまとめると次のように整理できます。 トップダウンとボトムアップそれぞれに一長一短はありますが、景気低迷下に なぜなら、厳しい経営環境のなかで会社の進むべき方向性を明確に示し、困 両者を比較した場合の最大のポイントは、意思決定のスピードの差にあります。 トップダウンマネジメントにおいては、重要事項について社長はすべて即断即 ただし、限られた情報のなかでの判断であるため、「思いつき」になってしまう また、社員は社長の決断を後から聞かされて、慌ててその対応に追われるこ 逆にボトムアップマネジメントを重複すると、社員の意見を吸い上げるための 精度の高い情報は集まるかもしれませんが、「機を逸する」可能性も高くなると 社長としては、 ・トップダウンマネジメントのもつメリットを最大最発揮すると同時に、 ・ボトムアップマネジメントのもつメリットをトップダウン型のなかでも、 などが求められます。 これらのポイントについて、次項以降で説明します。 トップダウンマネジメントを強化する際には、いわゆる「ワンマン経営」に陥る可 トップダウン経営とワンマン経営、イメージとして似ているような気もしま 表は多少強調した部分もありますが、トップダウン経営とワンマン経営につい ワンマン経営は、実は会社がうまくいっている時期には、社長にとっても社員 極端にいえば、「社長は好き勝手して、社員は何も考えずに適当に流す」とい このような会社では、「マネジメントスタイルを切り替える」ことをどれだけ早く社 しかし、会社のなかにも、残念ながら結局ワンマン経営から脱却できずに、事 最初のうちは、そんな社長のやる気や手腕に対する社員の信頼も厚く、また しかし、業績好調が逆にアダとなって、社長のワンマンぶりが目立つようになり 社員は社長への信頼をもてなくなり、単に「社長というポジションにいる人」に それでもしばらくの間は大した支障もなく、会社は回っていきますが、やがて急 そしてすでに業績は悪化し、とてもそれまでのワンマン経営ではもたなくなって 自分自身では正しいトップダウン経営をしているつもりでも、ワンマン経営に そして、いったんワンマン経営が当たり前になってしまうと、基本的には社員は 気がつくと取り返しのつかない状況になっていることが多いのです。 この点は、特に注意する必要があるでしょう。 ここでは、社長が全社を強力に引っ求っていくための心構えや社員への接し方な 基本は「社長自身や全社員がどうやったら元気を出せるか」ということです。 また、前項で取り上げたようなワンマン経営に陥らないための心構えも大切です。 会社を引っ張っていこうという社長が、いつも暗い顔をして下を向いていたの 経営環境が悪化していることは、社員の誰もが気づいています。 そんなときだからこそ、社長は「多少無理をしてでも」明るく振る舞う必要があ 社員には、会社の細かい経営状態までは分かりません。 彼らは毎日接している社長の「元気さ」からそれを感じ取ろうとします。 また、社長自身も「不況の今こそチャンス」と思えるぐらいの「大胆さ、楽天さ」 実際に不況時に業績を伸ばした中小企業はいくらでもあります。 社員のためにも、自分自身のためにも、まずは「前向き」な姿勢を保つことが いうまでもないことですが、会社経営の全責任は社長にあります。 社長としてはそんなことは分かりきっていますから、社員が失敗したとしても しかし、残念ながら社長のそのような覚悟は、社員にはなかなか伝わりません。 プロ野球で監督がリリーフピッチャーを送り出すときには、「もし打たれても、そ 選手は監督の言葉を「意気に感じる」ことで実力以上のプレーをすることもあり 会社経営においても、「社長は普段は厳しいが、最終的には必ず社員を守っ そのためには、「社員は失敗を恐れずに頑張って欲しい」というメッセージを繰 不況が続くなかで、自社もしばらくの間は苦しい業績が続くかもしれません。 そんななかで厳しい現状と真摯に向き合い、打開策を考えていくことはもちろ しかし同時に、その先にあるもの、つまり厳しい状祝を乗り越えたときに、自社 その際には、単に「不況を乗り越える」という小さな未来ではなく、その先にあ 「業界で首位になる」、「海外に進出する」、「給料を3倍にする」など自社が実 最初は社員も半信半疑かもしれませんが、社長が繰り返し語ることが大切です。 そして、社員が「ひとつやってみるか」という気になれば、会社の雰囲気はガラ トップダウンマネジメントを強化していくということは、社長に集中させた権限を このことは有効に機能すれば、会社牽引の大きな原動力となりますが、一歩 この危険性を少しでも回避するためには、社長が自分に不足している資質や 社長といえどもすべての面において社内でいちばんであるはずがありません。 不足している部分は、他の力を借りることで、最終的な正しい判断につなげれ また、特に重要な判断を行うときには、他の経営幹部の意見を必ず聞くという トップダウンマネジメントは「気合い」ではありません。 確かにそういう部分が必要なときもありますが、基本的にはきちんとした論理が背 ここでは、論理的なマネジメントの基本を説明します。 マネジメントには、幹となる戦略が必要です。 戦略とは、「自社のめざすべき将来の姿を描き、その姿を実現するためのシナ たとえば「業界ナンバー1になって競合他社に対して圧倒的な地位を確立す そして、戦略実現のためにどういったやり方で臨むのかが「戦術」になります。 先の例でいえば、「一定水準の技術者を50人育成する」などが戦術になります。 さらに、戦術にしたがって行う日々の具体的な業務が「実践(戦闘)」になります。 これも先の例でいえば、「カリキュラムに従って技術者を日々鍛える」などが実 時間軸で考えると、戦略は数年程度、戦術は3〜6カ月程度、実践は1日〜1 さらに「戦略、戦術、実践(戦闘)」は、整合性をもってブレイクダウンされている たとえば「業界ナンバー1になって競合他社に対して圧倒的な地位を確立す また、仮に正しい戦略をとることができても、それが適切に戦術や実践(戦闘) つまり、 正しい戦略が策定され、かつそれが適切に戦術、実践に展開された ということになります。 トップダウンマネジメントを行ううえでは、これらの整合性、進捗度合い、環境 なお、戦略と戦術については、混同しやすいので注意が必要です。 「一定水準の技術者を50人育成する」するということはあくまでも戦術であり、 また、一般社員が対応している「実践レベル」の進捗状況を社長自身がすべて 問題と課題、どちらも聞き慣れた言葉ですが、マネジメントにおいてはこの2つ 問題とは「現状と本来あるべき姿とのギャップ」のことであり、課題とは「その つまり、現状分析がきちんとなされ、なおかつどのような姿をめざすのかがき また、ギャップのなかには、自分たちの努力だけではどうしても解決できない たとえば、「円高」、「原油高」、「人口減少」などは、状況そのものを変えること このような要素を制約条件といいます。 たとえば、本来の計画では月商1億円となっているスーパーが、売上8000万 また、制約条件のなかには、一見自らの力では改善できないようにみえるもの たとえば、このスーパーが単独で仕入れを行っている場合、卸売業者といくら この段階では、制約条件です。 ただし、いくつかのスーパーと共同仕入れを検討することで、この制約条件を 共同仕入れが可能になれば、単独仕入れよりも有利に仕入れ交渉を行えるよ これによって「仕入れ交渉の限界」という制約条件は、「近隣スーパーとの共同 このように問題と課題を論理的に考えていくためには、 ・現状を把握・分析する ・あるべき姿を明確にする ・ギャップである同類を明確にする ・問題を解決するための課題を設定する ・何とかして制約条件を外すことはできないかを検討する といった、ステップを踏むことが大切です。
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静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
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