コアコンピタンス経営
 

  ■コア・コンピタンス経営の基本

   1.中核的な能力を高める

     コア・コンピタンス経営とは、企業が中核的な能力を徹底的に磨き上げること
     で新しい市場を創造し、安定的な成長企業の実現につなげる戦略のあり方を
     指します。

     既存の競争ルールにしたがいながら成長を目指すのも、企業のとるべき戦略
     の一方策です。

     しかし挑戦者にとってそうした方法に基づいた経営を継続しながら、業界内の
     リーダー的競合他社に追いつき追い越すのは大変な労力を必要とします。

     そこで挑戦者はやや視点を変え、リーダー企業とは異なった方法で市場に接
     近し、新しい顧客を獲得することを考える必要があります。

     企業の置かれる外部経営環境の厳しさが増している現状にあって、それぞれ
     の企業には緻密な戦略の立案や事業の再構築が重要な経営課題となってい
     ます。

     コア・コンピタンス経営の概念にしたがい、外部環境に左右されない企業力を
     つける努力を続けるのは、大企業のみならず中小企業にとっても重要な経営
     課題であるといえます。

     ここではコア・コンピタンス経営の実践を、大きく3つのステップに分けて考えま
     す。

     ステップ1 

      :企業が追求すべき顧客の便益(benefit)を明らかにする

       顧客ニーズが多様化・高度化するなかで、それらに対応するためのマーケ
       ティング戦略を実践しない企業は、市場からの撤退を余儀なくされる。

       多くの企業は、顧客ニーズへの対応は当然のこととして認識しているかもし
       れないが、顧客ニーズを細分化したうえで、自社の提供すべき便益を明確
       にして迅速な市場対応を実践している企業はかならずしも多くは存在しま
       せん。

       したがって、コア・コンピタンス経営の最初の段階では、まず顧客のプロ 
       フィールを精査していかなければなりません。

       その際には、既存の顧客便益を明らかにすることにとどまらず、便益の芽
       を見出す必要があります。

       そうした努力が、将来の大きな市場を創出するからです。

     ステップ2

      :顧客便益を提供するのに必要な自社の技術・能力を徹底的に高める。

       自社の保有する経営資源には限りがあります。

       豊かな経営資源を確保する企業であっても、広範囲にわたる技術や能力
       を高めるために経営資源を分散して投入するのは得策であるとはいえませ
       ん。

       つまり、「選択と集中」の観点から経営資源の活用を進め、事業領域を焦
       点化していく必要があります。

       自社のコア・コンピタンスをどこに設定するか、そして事業領域をいかにし
       て絞り込んでいくかという戦略的な意思決定を行なうのは、社長のもっとも
       重要な責務です。

       この一連の意思決定をするにあたっては、社内外のスタッフを最大限に活
       用して、可能な限り客観的な判断材料を集めるのがよいでしょう。

       そうした科学的な要素を追求するとともに、社長の価億観や経験などの要 
       素を適宜加えて意思決定を行ないます。

   2.顧客との接点を重視する

     顧客の便益を明らかにし、自社独自の能力に磨きをかけていくと企業の総合
     力は飛躍的に高まります。

     しかし、企業がより高い成長を実現するには、もうひとつ別の取り組みが求め
     られます。

     ステップ3

      :企業と顧客との接点を重視する。

       自社のもつシーズ(技術)は製品化され、顧客ニーズと向き合います。

       十分な市場調査をもとに開発された製品は、消費者の支持を受ける可能
       性が高まります。

       しかし時間の経過とともに、シーズとニーズとの整合性が徐々に失われる
       可能性も否定できません。

       多様な企業との激しい競争環境から生まれる製品に触れる顧客は、より高
       い便益を手にすることを望むようになります。

       そこで、企業はつねに市場との接点を大切にしなければなりません。

       顧客の声を拾い上げデータベース化し、それらを全社員で共有して市場動
       向の微妙な変化を察知するよう努めます。

       具体的にはグループウエアを導入し、社員がいつでも必要とする顧客情報
       を入手できるようにするなどの取り組みが要求されます。

       こうして顧客とのコラボレーション(協業)を図り、企業の成長や競争優位の
       獲得を実現していきます。

   3.差別化戦略の実践につながる

     これまでみてきたように、コア・コンピタンス経営の考え方は非常に簡潔です。

     松下幸之助氏は生前、「力強い経常は、当たり前と思われる事項を確実に実
     践していくところから生まれる」と再三にわたり強調していました。

     松下氏の経営に対する見方はコア・コンピタンス経営と本質的な部分で重なっ
     ているのではないでしょうか。

     また、コア・コンピタンス経営の実践を図のように整理しました。

     コア・コンピタンス経営は市場発見・創出につながる未来の戦略であり、価格
     競争を重視したこれまでの経営とは一線を画するものです。

     さらに考えると、企業が新しい市場を発見し育てていくのは、差別化戦略の実
     践にもつながります。

     中小企業にとって差別化戦略によってすき闇市場を確保するのは、ひとつの
     重要な行動規範であるといえます。

     長期的な成長を考慮した戦略の立案と実行とが、企業には求められてくる。

     経営環境の厳しいなかにあるからこそ、そのような長い目でみた成長をもとに
     企業経営の方向性を探っていく必要があります。

           お問合せ・ご質問はこちら 

           メルマガ登録(無料)はこちらから

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
054-270-5009

静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。

対応エリア
静岡・愛知県内、東京周辺

お気軽に
お問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

054-270-5009

 (コンサルティング部門 直通<柴田>)

新着情報

2024年4月26日
記事:「保険代理店のプレゼンスキルアップ Ⅰ」 更新しました。
2024年4月25日
記事:「メルマガ709号更新しました。
2024年4月25日
記事:「社内体制の強化なしに会社の存続なし」 更新しました。
2024年4月24日
記事:コストダウンの最終目標」更新しました。 
2024年4月23日
記事:保険代理店業の環境整備 Ⅱ」更新しました。
  • 詳細はこちらへ

ビジネス
ソリューション
仕組み構築

住所

〒422-8067
静岡県静岡市駿河区南町
2-26-501