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しゃべらない営業 |
営業は、明るくてしゃべりがうまくて根性があって押しの強い人が向いている。 どこでどう教わって来たのかはわかりませんが、とかく営業というと一般的にそんなイメ 高度経済成長期やバブル期など、これまで日本はいくつかの好景気を経験してきま ところが、近年では長い不況が続いていて、回復の兆しすら見えない状態です。 そんなときに、かつての好況時にやっていた営業スタイルをそのまま使っても、成果に その理由には、以下のようなものがあります。 ①欲しいものが減っている かつては、新しい家電をひとつひとつ買い足していくというのが、多くの家庭の ②インターネットの普及 かつては商品説明をいかに上手にできるかというのが、売れるポイントでした かつては有効だった営業テクニックも時間が経つに連れて陳腐化します。 それは、現場の営業担当者が一番感じていることでしょう。 しかし、それでもかたくなに、かつて自分がやっていた営業を部下に強制している上司 上司から言われたセールス手法がお客様には通じない。 そんな板ばさみで悩んでいる営業担当者はかわいそうです。 ところで、あなたが街を歩いていて、見ず知らずの人が親しげに近づいてきたらどう 警戒するか、無視して通り過ぎるでしょう。 その理由は、だまされて何か売りつけられるのではないかと思うからです。 このように普段の生活では、にこやかに近づいてくる営業を避けるのに、自分が営業 初対面の相手にも笑顔で行くから断られるのです。 多くの人が勘違いをしているのですが、新規のアポ取りや飛び込み営業というのは、 つまり、営業ではなくリサーチの段階なのです。 そこで営業っぽく接してしまうと、相手は当然ながら警戒して、逆に正確なリサーチが ですから初対面の相手に対しては、営業色を一切消さなければならないのです。 営業が苦手な担当者に多くみられる行動が、まわりと同じように明るく元気なふうを それが営業だと思っていたからです。 そして、当然のように門前払いをされ続けているのです。 苦手な笑顔も封印しましましょう。 するとお客様はそれまでの対応とうって変わって、ごく普通に接してくれるようになる 相手が受け入れてくれて、なおかつあなたもラクなスタイルにるので、一石二鳥です。 営業スマイルという言葉があります。 しかし、現在では「うさんくさい」と思われて警戒されるのがオチです。 それではいくら上手に商品説明ができたとしても、聞いてもくれません。 とくに近年は、巧妙な詐欺なども横行しており、ちょっとでも怪しいと思う相手にはすぐ どんなに自分では正直だと思っていても、相手にはそれが通じません。 だとしたら、最初から怪しまれるような接し方をしないほうがいいのです。 営業だからいつでもどこでも笑顔でいなければいけないという時代は、もう終わった 営業側がしゃべらないということは、裏を返せば相手側がしゃべっているということ お客様は自身がしゃべるほどに警戒心を解き、心を開いてくれます。 つまり営業がしゃべらないということは、相手の心のシャッターを開くための行為でも 営業は最初から仕事の話をせずに、まずは世間話から始めなさい、とよく言われます。 いわゆる雑談をして場を和ませようという意味です。 営業担当者が一生懸命にネタを披露して、お客様を笑わせるのが雑談だと思って それでは効果はありません。 営業の場面での有効な雑談とは、相手にしゃべらせることなのです。 可笑しいときには声を出して一緒に笑い、まじめな話のときには神妙な顔で黙って そこには営業スマイルや相手を持ち上げる感じなどありません。 だからこそ、相手も本気で話してくれるのです。 そうして相手の気持ちを和らげてから、徐々に仕事に関する質問、つまりヒアリングを この相手が本音で答えてくれるということが、次の商品説明に不可欠な要素になり さて、どうして営業はついつい「しやべり」を重視しがちなのかというと、それは商品 かつては営業の仕事のメインと言えば、商品を説明することにありました。 お客様の知らない情報を伝えるので、相手もきちんと聞いてくれたものです。 ところが、インターネットの出現によって、お客様は知りたいことを何でも手軽に調べる つまりお客様がすでに知っている可能性があるのです。 知っているかどうかもわからない相手に対して、丸暗記してきた商品説明をしゃべると もし相手がすでに知っていたとしたら、それはとても失礼なことになります。 それはそうですよね。 自分が知っていることをわざわざ説明されたら、誰でも気分が良くありません。 最悪は怒り出してしまいます。 これからの商品説明は、もう憶えた知識をそのまましゃべるという従来の手法では なぜならちょっと調べればわかることなのですから。 では営業はなにをすればいいのでしょうか。 それは、「目の前のお客様専用の説明」です。 相手の知識と興味の度合いを知ったうえで、お客様にピッタリの説明をすることなの このように相手に合わせて説明を変えることが重要なのです。 ホームページに載っている情報は、不特定多数の人に対して説明するものです。 興味がある人はそれをすでに見ている可能性があります。 それに対して営業担当者は、目の前の相手に特化した説明をすればいいのです。 自分のことをよくわかってくれる営業担当者に対して、信頼を寄せ始めます。 そうなれば、ライバル他社よりも大きくリードすることができるのです。 もちろんそのためには、事前のヒアリングが必須であることもわかります。 いずれにしても、商品説明を上手にしゃべることだけを念頭に置いたトレーニングは 営業はできるだけ「しゃべらない」ほうが良い結果がでるのです。 私はセミナーなどで最後に伝えていることがあります。 それは、「営業の言葉は軽い」ということです。 都合の良いことばかり言う営業のセリフは、ほとんど信じてもらえていないと思って 相手が聞いているからわかってもらえたと思ったら大間違い。 お客様は一応聞いているように見せかけて、じつは他のことを考えていたりするの 営業担当者はその現実を、まずは受け入れなければなりません。 ではどうすればいいのか? いままで口で伝えていたことを、別のもので伝えればいいのです。 例えば、「この商品は耐久性に優れています」と伝えたいときは、「こちらをご覧くだ このように、言いたいことをグッとこらえて別のもので伝えるように心がけてみてく 相手の反応が明らかに違ってくるのがわかるはずです。 他にも、新聞記事や公共の資料など、自社で作成したものではないものも有効です。 そのなかでもっとも効果的なのは、ずばり現物です。 商品そのものを見せることができるのなら、それに越したことはありません。 もちろん、これは私のようなロベタな営業担当者にとっても有効でした。 何しろしゃべらないで済むのですから。 しゃべって伝えることが苦手な人は、同じことを何かに置き換えて考えるクセをつけ 営業という仕事は、「売れる」というゴールに向かう道筋が何通りもある職業です。 自分に一番合ったスタイルでゴールにたどり着くのがベストなのです。 営業担当者は自分の言葉の軽さを自覚するのと同時に、何か別の伝え方がないかを 自分の言葉で伝えるときは、すでに相手に信頼を与えてからです。 こうして考えてみると、現在の営業スタイルというのは、かつての営業像とは反対に、 景気の良い時代には、営業の手法も進化してきましたが、不況の時代には、逆にお客 うるさい営業をどうやって断るか? “居留守”も、営業から逃れる手法として当たり前のように使われてきました。 そんなゆがんだ関係がずっと続いてきたのです。 しかし、もうそろそろ正常なビジネスに戻したいと思いませんか? 人を疑ったり、腹の中を探り合ったりするようなやり取りは、健全とはいえません。 それはお客様も望んでいることなのです。 「しゃべらない」ということ自体は、テクニックでもなんでもありません。 そのためには営業の不要なしゃべりをやめたほうがいい。 営業担当者とお客様という関係ではなく、人と人とのコミュニケーションを重視した結果 そして本当に信頼できる人からのアドバイスを求めています。 お客様にとっての信頼できる人物になる方法こそが、「しゃべらない営業の技術」なの これからの時代に合った営業スタイルを確立するためにも、ぜひ自社の営業体制の |
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