組織力の強化・向上は良好な人間関係から 


  組織力の強化は人間関係を築くことから始まります。

  その際に必要となってくるのが「コミュニケーション」です。

  とくにビジネスにおける「(社内)コミュニケーション」は、組織の仕事の円滑化、組織力
  強化のために非常に重要な要素となっています。

  「社内交流が少ない」「社員が育たない」「周囲との関係が希薄」ため、スムーズな問題
  解決ができないといった、「コミュニケーション」の不足に起因する組織停滞を招いてい
  ませんか。

  良好な「コミュニケーション」は、ストレスを溜めない職場を作り、その有効活用法を学ぶ
  ことで営業力も上がります。

  人に対して積極的に行動する力、相手の本音や望んでいることを聞き出す力、それが
  お客様、同僚や上司から信頼される力へとつながるのではないでしょうか。

  自社の貴重な経営資源であり、経営戦略の実行部隊である「組織と人材」について再点
  検をお勧めします。
   
  ■名ばかりの組織   

   これだけIT環境が整備された時代であっても、10、20年前と経営における悩みの多く
   は変わっていせん。

   中小企業では今日に至るまで『資金繰り』、『売上』、『人』 といった問題が常に上位
   を占めてきました。

   それではなぜ数十年たっても変わらないのだろう。

   それは、

   会社(店)として継続した経営改善として捉えておらず、場当たり的で短期的なテーマ
   としてしか扱っていないことが原因ではないでしょうか。

   過去の延長線上で変化を求めても何も変わりません。

   起業当時を考えてみてください。

   社長は1人での限界があったから人を採用し組織として、より効率的で効果的な利益
   追求を図ろうとしたはずです。

   しかし、現実では社長がトップセールスマンとして奔走し、業務の全てを指揮していた
   りと、せっかく採用した人材は生かされずじまいで、挙句に収益悪化でリストラを始め
   る始末です。

   これでは人が何十人、何百人いようと組織とは名ばかりの烏合の衆と化してしまいます。

   営業会社であれば組織の改革・改善の重要性は充分認識しているはずです。

   組織の中で従業員一人ひとりには明確な役割があります。

   そうでなければ従業員は必要ないはずです。

   「うちの従業員は○○でどうしょうもない」と言っている社長は逆に「私(社長)は○○
   でどうしょうもない」と自分のことを言っているようなものです。
   
   全ては社長であるあなたの責任で、従業員のせいではありません。

   今の組織体制を改善することで、収益は必ず上がります。

   中小企業にとって組織力の強化は待ったなしの課題です。
   
  ■組織づくり

   最近は以前と同様の方法では、業務をスムーズに進めにくくなってきたなど、組織上の
   問題を感じることが多いという経営者は少なくないようです。

   こうした背景には、パート・アルバイト・派遣社員などの非正規社員の増加、あるいは
   若年者を中心に勤労意識の変化がみられるなど、組織内の従業員の多様化が進んで
   いることなどがあります。

   こうした従業員の多様化に対応しながら、組織運営をスムーズに行っていくためには、
   さまざまな対策を講じることが求められます。

                       組織力強化マニュアルについてはこちら

  教育の重要性

   組織は単なる個人の集合体ではありません。

   メンバー全員のベクトルが一致し、トップ、部門リーダー、社員それぞれが自己の役割
   を明確にし、率先垂範していく集合体といえます。  

   全社員が目的・目標に向かい進んでいくための一体感が欠かせません。

   そのためには社員一人ひとりが組織人としての意識改革の教育が欠かせません。

   しかしその教育体制は今問題を抱えています。

   厚生労働省「平成26年度能力開発基本調査」においても、全体の75.9%の事業所が
   「人材育成に問題がある」と回答しています。

   中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者の人数と能力の不足が挙げられます。

   この問題を解決しなければ、社内教育制度の内製化は不可能です。   

    
  □組織のライフサイクル

   組織には誕生・成長・成熟・衰退といった商品のライフサイクルと類似した考え方があり
   ます。

   中小企業が特に注意しなければならないのは、起業(誕生)段階から成長段階に至る
   過程。

   中小企業の中には、会社運営の大部分を経営者の個人的な資質や魅力に依存して
   いるといった、起業段階のように未成熟な組織のままでとどまってしまっている場合が
   少なくありません。
 
   起業段階にみられる未成熟な組織が成り立つのは、従業員の多くが創業当時のメンバー
   であり、創業者の理念や夢に対する熱い思いを共有できているといったところに負う
   ところが大きいのです。

   創業当時から苦楽をともにしている従業員の間には親密なコミュニケーションが図ら
   れています。

   そのため、「自身の担当業務ではなくとも、ほかの従業員が困っていたら協力を惜しま
   ない」というように、指示がなくても相互補完的に業務を遂行するなど、発生する問題を
   自発的に補い合うことから、未成熟な組織であっても組織として成立し得るのです。

   創業者の理念や夢を共有できているからこそ従業員は「それを実現したい」という思いか
   ら、未成熟な組織の中でも高い貢献意欲を持って進んで業務に取り組むことができるの
   です。

   規模自体はそれほど大きくなくとも、従業員の多様化が進めばその中で創業者の理念や
   夢を自然と共有することは難しくなってきます。

   従って、組織運営をスムーズに行っていくためには、何らかの施策を講じる必要が出て
   きます。

  □組織変革の必要性

   「組織を変える」ことは、企業が永続していくためには常に直面する問題です。

   組織のライフサイクルをみても分かるように、企業を取り巻く外部環境の変化や企業
   自身の内部経営資源の変化といった要因、あるいは新規事業進出・既存事業撤退など
   さまざまな要因が、企業に常に新しい組織像を求めてきます。

   しかし、その一方で既存事業を行うために完成された組織を変えることは非常に困難な
   取り組みです。

  □組織全体の問題と従業員個人の問題

   組織変革が難しい理由は、組織には変わることを拒むという性質があるためです。

   変わることを拒む性質を生み出す問題には「組織全体」と「個人」の二つが存在します。

    1.組織全体での問題

      組織変革ということを強く意識せずに、特段の取り組みを行わない場合、組織は
      既存事業の強化など「現在の組織構造を強化する」という方向で変化する傾向が
      あります。

      これは組織内の個々の活動をみると分かりやすいかもしれません。

      例えば、ある事業について考えれば、設備投資は、その事業をより効率的に行
      うことのできる設備などを対象に行われます。

      人事面をみると、その事業に対する高い能力を有する人材を採用したり、そうし
      た能力を少しでも高めることができるように教育・訓練を実施するはずです。

      また、指揮・命令系統や部課などの組織構造も既存の事業などに最適な形に形
      成されていきます。

      このような「現在の組織構造を強化する」という流れは、現在の組織構造を変化
      させる組織変革にとっての大きな障害となるのです。

    2.個人での問題

      組織全体のレベルとは別に、実際に組織を動かす従業員などの中にも変わるこ
      とを拒む性質があります。

      人が変化を好まない理由はさまざまですが、その大きな原因は「先が分からな
      いという不安感」にあります。

      例えば「変革に伴って業務内容が変わるが、私にできるのだろうか?」「今まで
      の業務では高い評価を得られたが、新しい業務でも同様に高い評価を得ること
      ができるのか?」「業務の負担量が増えるのではないか?」など、新しいことに対
      してはさまざまな不安が付きまとうものです。

      その結果「先の分からない『変化』よりも、現状のままがいい」という気持ちが強
      くなってしまうのです。

   実際の組織変革への取り組みをみると、制度面の変更など比較的容易に取り組むこと
   ができる組織全体のレベルでの変革には注意が払われているものの、個人レベルでの
   変革については十分な注意が払われていないことが多いようです。

   実際に組織が直面する問題は非常に多岐にわたり、その状況も複雑です。

   そのため、問題の表面的な部分だけをとらえて施策を講じても、十分な効果を得ること
   が難しい場合が少なくありません。

   従って、問題を解決するための施策を検討・実施する際には、まず最初にこうした組織上
   の問題の特徴をしっかりと念頭に置いた上で、慎重に問題の原因を整理・分析するよう
   に心がけることが重要です。
   
  ■組織力

   組織を十二分に生かしきれている会社は多くありません。

   会社経営における組織の重要性については言うまでもなく、ほとんどの社長は「限ら
   れた員のなかで組織力を最大限に高めたい」と感じているはずです。

   組織力とは、「日々の活動のなかで確実に成果を作り出し、組織自身を成長させる力」
   といっていいでしょう。

   組織力を高めるためにはさまざまな施策があげられますが、そのなかでも効果的なのは、
   組織に「自ら考える力をもたせること」です。

   社長から逐一細かい指示を受けなくても、自分で判断し行動できる「考える(自発的)
   組織」への脱皮を進めることです。

   個々の社員に対して「もっとよく考えろ」という指示を出すことは多いと思いますが、
   これを個人レベル、組織についてもその対象とします。

   組織力強化に欠かせないのがコミュニケーションです。

   「自発的組織」は社長が経営理念や経営戦略の方針さえ示せば、あとは組織自らが
   現場の実情を踏まえた最適な方策を考え、これを実行します。

   これとは逆に「考えない(受動的)組織」は、たんなる個人の集合体(烏合の衆)でしか
   ありません。

   つまり、社長に依存することなく、自らの責任と役割を自覚して、「自立」と「自律」を
   徹底しているのが「自発的組織」の最大の特徴と言えます。

   例えば、目標が未達だった場合には問題点を十分に掘り下げて、解決のための課題を
   設定し、それに取り組むことで組織力を向上させます。

   組織力の現状とあるべき姿を認識し、そのギャップ解消に向けて日々努力できるの
   です。

   さらに、「自発的組織」は日々の活動を通じて、自分たちの組織だけではなく、他部門の
   業務改善や会社全体の戦略にも提言を行います。

   たとえば、「自発的営業部」では自分たちの営業活動を通じて得た商品改善のヒントを
   商品開発部に伝えたり、市場環境の変化を感じ取って全社の経営戦略修正にも有効な
   提言をすることができます。

  □ 「考える組織」、「考えない組織」

   会社経営における組織の重要性についてはいうまでもありません。

   ところで、組織力という言葉はさまざまな意味で使われます。

   いろいろな社長と話をしていても、「結束力がある」、「総合力がある」、「臨機応変
   である」など、そのとらえ方は多様です。

   1.組織力とは何か

     まず、組織力という言葉の意味を考えてみましょう。

     弊社ではこれまでの経験から組織力を次のように定義しています。

     組織力とは、

      日々の活動のなかで確実に成果を創出するとともに、組織自身を
      成長させる力

     つまり、現時点の保有能力を100%いかすこと(短期的な成果創出)と、保有
     能力そのものを強化していくこと(長期的な自己成長)を両立させている状態
     が、「組織力が高い」ということになります。

     同じ事業計画に取り組む際に、組織力が高い場合とそうでない場合では、短
     期的な成果の度合いが大きく異なります。

     そして、組織力が高い組織は自己成長によって、長期的にはよりチャレンジン
     グな事業計画を策定・遂行できるようになるのです。

   2.自ら「考える」ことで組織力は高まる

     では、組織力を高めるためにはどのようなことが必要なのでしょうか。

     さまざまな施策があげられますが、そのなかでも効果的なのは、組織に「自ら
     考える力をもたせること」、つまり社長から逐一細かい指示を受けなくても、自
     分で判断し行動できる「考える組織」への脱皮を進めることです。

     個々の社員に対して「もっとよく考えろ」という指示を出すことは多いと思います
     が、これを個人レベルだけではなく組織についてもその対象とするのです。

     「考える組織」では社長が経営理念や経営戦略の方針さえ示せば、あとは組
     織自らが現場の実情を踏まえた最適な方策を考え、これを実行します。

     つまり、社長に依存することなく、自らの責任と役割を自覚して、「自立」と「自
     律」を徹底しているのが「考える組織」の最大の特徴といえます。

     また、「考える組織」では、目標が未達だった場合には問題点を十分に掘り下
     げて、解決のための課題を設定し、それに取り組むことで組織力を向上させます。

     組織力の現状とあるべき姿を認識し、そのギャップ解消に向けて日々努力で
     きるのです。

     さらに、「考える組織」は日々の活動を通じて、自分たちの組織だけではなく、
     他部門の業務改善や会社全体の戦略にも提言を行います。

     たとえば、「考える営業部」では自分たちの営業活動を通じて得た商品改善の
     ヒントを商品開発部に伝えたり、市場環境の変化を感じ取って全社の経営戦
     略修正にも有効な提言をすることができます。

   3.「考えない組織」とは

     一方、「考えない組織」とは、考えることを放棄している(または、考えたくても
     その方法を知らない)ため、日々の業務を回すことのみに追われている組織
     のことです。

     「いつまでに何をするか」という行動レベルにしか目がいっていないため、日常
     的な問題が生じるたびに社長に逐一「どうしたらよいですか」という指示を仰が
     なくてはなりません。

     また、組織目標の認識が自部門の短期的なアウトプット確保にしかないため、
     「自部門はどうやって成長するか」、「他部門にどのような好影響を与えるか」と
     いう視点はありません。

     このように「考える組織」と「考えない組織」ではさまざまな点で大きな差がある
     ことがわかります。

     自社のすべての部門、とりわけ主要部門について、「考える組織」への脱皮を
     進めることで、会社全体の組織力は大きく高まります。


   4.考える(自発的)組織とは 

     <目標設定>

       ・目標は自ら設定するという認識がある

       ・自ら適切な目標を設定できる

       ・自部門の目標のもつ意義を十分に理解している

     <自立性>

       ・何があっても目標達成へ執念をもって取り組む

       ・自ら主体的に判断して行動する

       ・環境変化をいち早く察知できる

       ・環境変化に応じた適切な戦術修正ができる

       ・問題が生じたら真の原因を探り対処する

       ・判断に必要な情報を積極的に入手する

       ・他部門の動向を注視し、助言や助力を行う

       ・全社経営戦略への改善提案を行う

  □自発的組織(自立と自律)を実現させるには

   1.組織の役割を明確にする

     「考える組織」づくりのなかでもっとも基本的な要件は、組織の役割を明確にす
     ることです。

     たとえば、一般的な営業組織の役割としては、レベルごとに次のようなものが
     考えられます。

     仮にA営業部が「レベル1」の認識、B営業部が「レベル3」の認識だった場合、
     A営業部は自部門の目標達成という限定された範囲内で業務を行っているの
     に対し、B営業部はより幅広い活動をしていることになります。

     同じ会社で並列の関係にある営業部であっても、役割認識が違えば行動は
     まったく異なるのです。

     社長は自社のすべての組織に対して、その部門が本来的に担うべき役割は
     何かを示し、部門長以下全員の共通認識をつくる必要があります。

     一般論ではなく、あくまで「自社の」営業部や製造部が果たすべき役割につい
     てできるだけ具体的にすることが大切です。

   2.考えるべきテーマを明確にする

     組織の役割を明確にできたら、その組織が「何を考えるべきか」についても明
     確にします。

     組織のもつ役割を広くとらえることによって、考えるべきテーマも広がっていく。

     ◎考えるべき事項の一例

      レベル3)営業を切り口として全社へ貢献する

            ・全社経営戦略への提言、商品開発部門・製造部門等への
             目的的な情報提供など

      レベル2)販売機能全般を担う

            ・全社販売戦略の策定・遂行、環境変化に応じた営業組織の
             最適化、商品改善の提言など

      レベル1)自部門の販売目標を達成する

            ・新規顧客開拓、既存顧客深耕、適正な価格設定、商品ごとの
             販促など

     前述のA営業部、B営業部の例に当てはめると、ともに自部門の販売目標達
     成について考えることは同じですが、B営業部ではそれに加えて全社レベルの
     問題意識をもって幅広いテーマについて考えることも求められます。

     「考える組織」が十分に実現できている状況では、ここであげた「何を考えるべ
     きか」というテーマ設定についても、組織自身が自立的に決めることができます。

     しかしながら、最初のうちはそれぞれの組織が考えるべきテーマを社長が選
     定することも必要でしょう。

     まずは、社長自身が経営戦略上の全社的課題について明確にして整理します。

     そして、それぞれの課題解決について、どの部門が主体的に取り組むべきか
     を判断し、当該部門に考えるべきテーマとして与えます。

   3.リーダー(部門長)の意識改革 

     考える組織のトップである部門長にはそれにふさわしい意識と能力が求めら
     れることは言うまでもありません。

     「考える(自発的)トップ」が「自発的組織」を育てるのです。

     部門長がたんなる上意下達の役割しか果たしていなければ、その部門全体に
     も「考える」という習慣は根付きません。

     本来であれば部門長は社長の言葉をそしゃくし、自分の方針も含めて部下に
     伝えることです。

     しかし、会社全体への関心の低さや、自分自身のビジョンが不明である場合、
     たんなる伝達者・調整者としての役割しか果たせていないことが多いのです。

     社長は部門長としての役割を確実に実践し、社長の片腕となるよう指導して
     いかなければなりません。

     そして、いくら指導しても「考えない」、「考えられない」場合については、部門長
     の資格なしとして、相応の処遇も必要になってくるでしょう。

     部門長には担当組織について、部門の成果創出と成長の責任はすべて自分
     自身にあり、日々の活動のなかで自らが中心になって完遂していくという強い
     使命感が求められます。

     また、部門長は意識だけではなく、考えるための能力も磨く必要があります。

     マネジメントの基本である、PDCAサイクル(「計画:plan」、「実施:do」、「評
     価:Check」、「改善:action」)や、問題解決手法などについて理解を深めるこ
     とは不可欠です。

     さらに、社長や部下とのコミュニケーション能力、部下への動機づけ能力など
     も高めなければなりません。

     (1)部門長に求められる要件

       ・どのような困難に遭遇しても、何としても目標を達成するという執念
        をもっている

       ・自部門のビジョンについて自分自身の明確な考えをもち、部下に
        示している

       ・社長からの指示をその背景も含めて正しく理解し、経営戦略全体の
        なかでとらえることができる

       ・トップの経営感覚で俯瞰的に物事をとらえることができる

       ・最前線の現場感覚で部下に個別具体的な指導をすることができる

       ・一般的な問題解決手法、思考法などについて理解し、実践している

       ・自分自身に足りない意識や能力についてつねに自問し、それを克服
        するための努力をしている     

     (2)権限委譲の範囲を明確にする

       「考える」ことによって自らの役割を全うさせるためには、同時にそれにふさ
       わしい権限も与える必要があります。

       いくら組織が自立的に考えて施策を打ち出すことができても、その遂行に
       ついてすべて社長承認を必要とするのであれば、組織活動のスピードは上
       がりません。

       また、そのような状態のなかでは「考える」ことそのものに対しての動機も失
       われていくでしょう。

       権限委譲を効果的に進めていくためには「どこまで委譲するのか」という範
       囲を明確にすることが大切です。

       たとえば次のような視点で権限の範囲を規定することができます。

       ◎権限範囲の考え方

        ・戦略、戦術(例:戦術については委譲、戦略については不可)

        ・事業内容(例:既存事業については委譲、新規事業については不可)

        ・必要経費の額(例:1件につき20万円までは委譲、それ以上は不可)

        ・リスク程度(例:金額換算で100万円までは委譲、それ以上は不可)

        ・人事の範囲(例:主任クラスまでの人事権(異動・昇進など)は委譲、
         それ以上は不可)

       なお、ここでいう権限とはあくまで「執行する段階の責任」であり、「結果に
       対しての責任」ではありません。

       たとえば、ある部門長が20万円を使って販促キャンペーンを行った場合、
       権限の範囲内なので、「経費を勝手に使った」ということにはなりません。

       ただし、キャンペーンがまったく成果を生まなかった場合、その結果責任は
       当然ながら部門長にあります。

       権限委譲に際してはこのような点についても部門長に理解させる必要があ
       ります。

   □外部情報を積極的に入手させる

    「考える」ためにはそのための情報が不可欠です。

    組織は外部情報について、「日々の営業活動などを通じて結果として蓄積する」
    という受け身の姿勢ではなく、「有益な情報を的確かつ迅速に収集する」という
    積極性が必要になります。

    当然ながら情報収集そのものを目的とした活動も求められるでしょう。

    収集すべき外部情報として次のようなものがあげられます。

    ◎収集すべき外部情報

      ・顧客情報

      ・競合情報

      ・技術情報

      ・世の中全体の構造的変化に関する情報

      ・世の中全体のニーズ情報

     また、組織内のポジションによっても得られる情報の種類は異なります。

     たとえば、顧客情報について、営業部長が得る情報には顧客企業の意思決定
     層に関するものが多く、営業マンが得る情報には先方の担当者が感じている
     日常的な問題点などが多く含まれるでしょう。

     収集したこれらの複数の情報については、組織全体で共有し、議論、活用す
     ることで、より有効な問題解決や組織成長のための知恵を得ることができます。

     最前線で活動している担当者クラスが入手した情報を、日報などを通じて組織
     にフィードバックすることはもちろんですが、部門長自らが入手した情報につい
     ても、組織全体に公開する仕組みをつくることが大切です。

      

            組織力強化のための4つの改革は掛け算

  コミュニケーション×モチベーション×従業員満足(ES)×基本動作(ビジネスマナー) 

 

  上記4要素はリンクし、どれが欠けても組織力強化は図れません。

  企業経営に欠かせない「ヒト、モノ、カネ、ジョウホウ」の中で、最も重要な経営資源が
  「ヒト」であることは言うまでもありません。

  同時に、企業にとって永遠のテーマでもあります。

  ご承知のように、これらが自社に根付くには時間と根気を要しますが、厳しい経済環境
  の中で競合他社との差別化を図るためにもやり遂げなくてはなりません。

  「モノ、カネ、ジョウホウ」も「ヒト」の組織人としてのレベルアップがあってこそ機能
  するものです。

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イノベーション(Innovation) 


  経営者であるあなたは企業経営においてどのような思いを持っていますか? 何を実現
  したいのですか?

  ドラッカーは、
  『ビジネスには二つの機能しかない。マーケティングとイノベーションである』と。

  さらにドラッカーは組織について、
  組織は新しいものの創造に専念しなければならない。

  具体的には、あらゆる組織が三つの体系的な活動に取り組む必要がある。

  第一に、行うことすべてについて耐えざる改善を行う必要がある。

  第二に知識の開発、すなわちすでに成功しているものについて、さらに新しい応用法を
  開発する必要がある。

  第三にイノベーションの方法を学ぶ必要がある。

  イノベーションは体系的なプロセスとして組織化することができるし、まさにそのように
  組織化しなければならない。

  組織の変革(再構築)は「夢」、「思い(志)」が出発点となります。

  経営トップは、従業員一人ひとりに対して会社の目指す方向を明確に示さなければなり
  ません。

  それを示し、それを語り、彼らにも語らせ、力を合わせてやっていくことによって、組織と
  いうのはものすごい力を発揮していくことになります。

  一人ひとりが共通の思いを自ら持つことができたとき、人というのは信じられないことを
  実現することができるのです。

  共通の思い、すなわち夢やビジョンが必要なのです。そしてそれに向かってひとつになる。

  そうすると、人と組織は信じられない力を発揮し、組織力は確実に強化されます。

  今、マーケットのイニシアチブは完全にお客様が握り、売り手の論理だけでは通用しな
  い時代、「顧客主導マーケット」の時代の真っ只中にあります。

  さらに、お客様のニーズはどんどん変化し、変化のスピードは速くなるばかりです。

  企業が生き残るには、ニーズの変化に柔軟に対応できる組織にする必要があります。

  このような変化の激しい時代にあって、大多数の社長は「限られた人員のなかで組織
  力を最大限に強化したい」と感じているでしょう。

  そのためには、企業の構造そのものを変えなければ抜本的な改革にはなりません。

  組織とは単なる個人の集合体ではなく、メンバー全員の
  ベクトルが一致し、トップ、部門リーダー、社員それぞれ
  が自己の役割を明確にし、率先垂範していく集合体と
  いえます。  

  変革の必要ない会社は、ほとんどないでしょう。

  トップや幹部社員だけでなく、20代の若手社員でも、「うちの
  会社は変わらないと駄目だ」と感じている会社は非常に多いの
  です。

  現状が変えなくてはならないことばかりだと、非常に重たい気持
  ちになる経営者も少なくないでしょう。

  しかし、変革は、これまで築きあげたすべてを否定し、何から
  何まで新しいものに切り替えていくことではありません。

  変革すべきポイントを明確に絞り込むことで、変革は成功すると
  いうことでもあります。

  変えるべきではないポイントを発見することが、実は変革を成功に
  導くということです。

  企業にとって、創業時から変わらない大事なことを守り抜き、新しい時代に合わせて磨き
  をかけ、生き残るために変革を起こさなくてはいけないことは、実際非常に多いのです。

  ですから、「何を変えなくてはいけないか」「何を変えたいのか」と同時に、「何を変えて
  はいけないのか」について整理することは、大きな意味があります。

  変革を起こすときに重要なのは、いったいなぜこの変革をやるのかという「変革の理由」
  と、変革を通してどういう未来を目指すのかという「ビジョン」を示すことです。

  それは、リーダーであるトップの役割です。 

  現状から飛躍し、実現を信じることのできる未来像を魅力的に表現したビジョンは、
  変革を起こすときに非常に大きな役割を果たします。

  変革してどういう状況をつくりたいのかということが示されており、しかもそれが魅力的
  なものであればあるほど、人はその変革に共感し、各自が自分も変革に関わりたいと
  思うからです。

  このことが結果として組織力の強化に繋がるのです。

  □イノベーション3つの心得

    ・集中すること‥勤勉、持続、献身 。
     集中しないと出来ない。

    ・強みを基盤とする‥得意不得意あり
     自らの能力を生かしてくれる機会を探すこと

    ・世の中を大きく変えるものでなければならない
     常に市場志向をもつことが大切である。

  □イノベーションの3つのタブー

    ・凝りすぎてはならない
     凝りすぎは失敗の元。凝りすぎたものに時間と金を使う者はいない。

    ・多角化してはならない

    ・明日のためのイノベーションを行ってはならない
     「20年後には、多くの人がこれを必要とする」が、という考え方は間違いだ。
     「必要とする人は既に大勢いる。20年後はもっと大勢いる」という発想が必要

  □イノベーションはシンプルに

    ・イノベーションは、焦点を絞り、シンプルに行わなければならない

    ・イノベーションに対する最高の賛辞は 、「なぜ、自分は思いつかなかったか」
     だ。

     奇をてらったものは成功しないのである。

  □トップ自らが推進役となれ

   「イノベーションとは姿勢であり、行動である。 特にそれはトップマネジメントの姿
   勢であり、 行動である。

   イノベーションを行う組織では、トップマネジメントの役割が違う」
   そのために、トップは、生煮えの非現実的なアイデアを具体化しなければならない。

   ひとつの優れたアイデアを手にするためには 多くの馬鹿げたアイデアが必要で
   ある。

   トップ自身がイノベーションの推進役になって、初めてイノベーションは成功する
   のである。

  □新しいことも、改善も手間は同じ

   「新しいことを行うのも、すでに行っていることを改善するのも、かかる手間は同じ
   である」

    既にあるものの延長や改良ではなく、新しい価値あるものを創造すること。

  □経営者のための「八つの習慣」

    ・なされるべきことを考える なしたいことではない

    ・組織のことを考える 経営者のことでも、従業員のことでもない

    ・綿密なアクションプランを作る

    ・意志決定を行う
    ・コミュニケーションを行う

    ・機会に焦点を合わせる

    ・会議の生産性を上げる( 効率的な会議のためには、参加者全員が共通の
     会議ノートを使用することで意識統一や伝達の明確化を図る)

    ・「私は」ではなく、「我々は」を考える

  □成果をあげる5つの習慣

    ・時間をマネジメントする

    ・貢献に焦点を合わせる

    ・強みを生かす

    ・重要なことに集中する

    ・効果的な意思決定を行う

  □最後に必要なのは勇気

   「いよいよ意志決定の準備は整った。満たすべき条件は検討し、選択肢はすべて俎上
   に載せ、得るべきものとリスクを天秤にかけた。しかし、多くの決定が行方不明になる
   のが、まさにこの時である」

   ドラッカーの言葉は企業経営の真理をついたものばかりです。

   ぜひこのドラッカーの言葉を噛み締め、自社(店)の改革に取り入れてみてください。

    『「企業の目的は、顧客の創造である。」したがって、企業は2つの、2つだけの
    基本的な機能を持つ。それが、マーケティングとイノベーション(革新)だけが成 
    果をもたらす』 

   という。 

            

モチベーション(Motivation) 

   
  ■モチベーションの向上(=業績アップ)

   ドラッカー博士は、業績(成果)をあげることは習慣であるといっています。

   「組織が成果をあげるのは、優秀な人がいるからではなく、成果をあげる習慣がある
   からだ。」

   組織においては、より複雑なコミュニケーションと意思決定が日々繰り返されています
   が、コミュニケーションの良し悪しでモチベーションは変わってくるのです。

   好業績を持続している企業にいえることは、そうでないところと比較し、社員のモチベ
   ーションの高さが決定的に違うということです。

   経営者、部門責任者が最も重視すべきは「社員のモチベーションを高める経営である」
   ことです。

   社員のモチベーションが低下すれば、お客様への対応態度にも影響し、やがてお客様の
   足は遠のき、結果的に他の誠実な社員にも伝播していくのです。

   そして、モチベーションが低い会社(店)の離職率は高いという結果が示されており、
   その離職する社員の能力が高いということります。

   なぜ、社員のモチベーションは低下するのでしょう。

   厳しい経済環境になればなるほど、社員のモチべ−ションの高低が企業の盛衰の要因
   となってくる今、社員のモチベーションは年々低下してきているようです。

   たとえば、オリンパス、大王製紙などの上場企業の不祥事は既にご存知でしょう。

   経営者による不正が多くのステークホルダーに損害を与え、一生懸命働いている社員の
   モチベーションが最悪になるのは言うまでもありません。

   このような例にならないまでも、近年の社員のやる気が低下している最大要因は、
   経営者や上司の経営姿勢や言動にあると言われています。

   厚生労働省の調査によると、最も多かったのは「経営者や上司への信頼感をなくした時」
   (63.3%)、次に「賃金や処遇に対する不満が生じた時」(50.6%)、3位が「職場の人
   間関係が悪化した時」(40.8%)という結果が出ています。

   このことからも、経営者や上司が部下の信頼を得ることができれば、社員のモチベーショ
   ンが自然と上がり、それは必然的に業績アップに繋がってくるということです。

   既にご承知でしょうが、社員のモチベーションが高いことはいいこと尽くめです。

   業績、社内のコミュニケーション、愛社精神、ES(従業員満足)、CS(顧客満足)がアッ
   プするのです。

   前述のP.F.ドラッカーの言葉「組織が成果をあげるのは、優秀な人がいるからではなく、
   成果をあげる習慣があるからだ。」からも理解できると思います。

   さらにドラッカーは人間関係づくり、先々の準備や計画、サービスの改善、健康の維持、
   能力の向上…これらに時間を使わなければ、いつか何倍もの大きさで“緊急事項”と
   して再登場してくると言っています。

   厚生労働省の調査では、中学、高校、大学を卒業した後、3年以内に離職する割合は、
   それぞれ約7割、5割、3割で推移しており、いわゆる「七五三」といわれる現象がある
   そうです。

   また、財団法人社会経済生産性本部が今年度(平成19年)の新入社員を対象に「働く
   ことの意識」について調査したところ、「職場で感じる生きがい」についての設問では、
   上位では「仕事がおもしろいと感じるとき」(24.3%)、「自分の仕事を達成したとき」
   (23.3%)、「自分が進歩向上していると感じるとき」(19.1%)と続き“自分自身の充
   実感”を重視する傾向がうかがえます。

   さらに、経営者や上司の経営姿勢や言動の次に社員のモチべ−ションを低下させる
   要因に、貸金や処遇に対する不満があることも大きいといえます。

   モチべーションを高めるためには形から入ることをお勧めします。

   社会人・組織人として必要な基本動作を徹底すること、トップ・責任者が社員のモチベー
   ションを高めることが役割(使命)と肝に銘じ、経営活動に取り組む姿勢が欠かせま
   せん。

   「自社の業績を高め、会社を成長発展させることが最優先で、社員への愛や社員の幸福
   を実現しようという気持ちがまったく感じられない経営を実践していけば、社員の会社
   への不平・不満・不信感を増幅させてしまうのです。

   経済環境が厳しさを増すほど本物が求められてきます。

   そのためには「人材」ではなく「人財」の育成に取り組むことが急務となります。

   従業員満足を実現させるためには中長期の計画に基づいた仕組みづくりが必要です。

  □モチベーション向上のための実践ポイント

   1.社員同士のコミュニケーション、意見交換を活発化させるとともに、組織内に挑戦す
     る空気を生み出す

   2.社員に組織の目標と行動指針を明確に落とし込み、組織を一つの方向に向け、
     社員に乗り越えるべきハードルを意識させる

   3.組織の役割と責任範囲を明確にし、組織に負荷をかけすぎない

   4.組織の目標を達成するために十分な権限を与える

   5.関係する組織間に良好な関係を築き、ほかの組織と仕事をする場合も社員がスト
     レスなく仕事を進められる環境をつくる

   このように、組織のモチベーションを高めるためのハードルは、決して低くはありま
   せん。

   しかし、組織としてモチベーションが高まるということは、個々の社員がお互いにモチ
   ベーションを高め合うことにつながるため、それが仕事の生産性に与える影響は、
   一社員のモチベーションの高まりとは比べ物にならないくらい大きなものになります。

   従って、組織のモチベーションを高めることは、管理者にとって最も重要な課題の一つ
   といえます。
   
  ■組織のモチベーションを高める

   今、あなたの立場は会社の組織の長(トップ、リーダー)、社員の方、いずれかでし
   ょう。

   厳しい経済環境が続く中、会社(店)は将来にわたって事業を継続していく「ゴーイング
   コンサーン」という考えがあり、これを実現するための計画がBCP(事業継続計画)
   です。

   会社が倒産や廃業をしないように、半永久的に継続していくことが会社の社会的責任
   だと言われていますが、この言葉通りには至っていないのが実態です。

   (オーナー)経営者にとって会社は我が子同然であり、そこに働く従業員にとっては生活
   の糧を得るだけでなく、やりがい・生きがいを見出す場でもあるはずです。

   「ゴーイングコンサーン」を実現するためには時代にあったやり方・考えを取り入れ、
   改革していくことが重要となります。

   そして、規模の大小にかかわらず、会社の一番の目的は「売上や利益を上げること」
   ではなく「存続させること」と言われています。

   会社という組織を、より強固なものとしていくことが「ゴーイングコンサーン」を実現さ
   せるのです。

   そのためには従業員一人ひとりのモチベーションが重要となります。

   モチベーションとは、直訳すると「動機付け」、簡単にいうと「やる気」という意味で
   す。

   結果や成果は、何をするにもその精神状態に大きく左右されがちです。

   特に仕事は、努力や苦労などがともなう活動であるため、いかにやる気をもって前向き
   に取り組むかによって、その成果には大きな差が生まれます。

   そのため、社員のモチベーションを高めることは、企業にとって重要な経営課題の一つ
   となります。

   仕事に前向きに取り組む活気ある組織をつくり上げる方法について考えてみましょう。

   個々の社員のモチベーションは、当然個々の社員の気持ちのあり方により決まります。

   一方、組織全体のモチベーションはどうでしょうか。

   組織は社員の集合体です。

   従って、組織のモチベーションを考えるうえでも、個々の社員の気持ちは大変重要です。

   そのためにも、組織人としての基本動作の習得を徹底することです。

  □組織の環境改善

   組織のモチベーションを高めるには、組織内の雰囲気をよくするとともに、社員の仕事に
   対する意識を高めて組織を活性化させることが必要です。

   そのためには、組織の長が、社員に対して以下のような施策をとることが重要と考え
   られます。

   (1)普段のコミュニケーションを充実させる

     組織の長は、朝と終わりのあいさつはもちろん、できれば毎日1回あるいは2日に
     1回は、社員それぞれに何気なく声をかけるようにしましょう。

     組織の長と社員の間のコミュニケーションだけではなく、当然社員同士のコミュニ
     ケーションを充実させることも重要です。

     コミュニケーションが充実してくると、何でも話しやすい空気が生まれ、組織の雰囲
     気が次第によくなっていくでしょう。

   (2)社員に考えるくせをつけさせる

     組織の長は会議などはもちろんちょっとした打ち合せでも、できるだけすべての
     社員
に何らかの意見を出してもらうようにしましょう。

     ほとんど意見を言わない社員には、組織の長が直接問いかけます。

     その際は、

      ・いきなり具体的な案を求めるのではなく、先に出ている意見をどう思う
       かなど答えやすい質問から誘導する

      ・社員が出した意見は聞き流すことなく、まず肯定的に受け止めるように
       して、意見を出しやすい雰囲気をつくり上げます。
 
     こうした雰囲気づくりを、焦らず繰り返し積み重ねることで、社員にとっては意見を
     求められることが当たり前になり、社員が自然と自分の意見を考えるようになり
     ます。

     上記の事柄はトップ、リーダーによるコーチングが効果的です。
    
   (3)チャレンジしやすい環境をつくる

     組織の長は、モチベーションが高い社員には、希望する仕事にどんどん挑戦して
     もらうようにしましょう。

     ただし、組織の長は、その仕事を任せたからといって放ったらかしにするのでは

     く、必要に応じて方向性を示す、相談に乗るなどのサポートをします。

     そして、挑戦させた仕事が成功すれば、組織の長はその社員を評価するとともに、

     社員とともにその成功を喜びあいましょう。

     逆に失敗しても決して怒鳴ったりせず、ともに失敗した原因や対策を考えましょう。

     組織の長がこのような方針をとることで、社員の間に仕事に対する挑戦意欲が生

     まれ、組織は活性化してモチベーションが高まります。

 

■社員のモチベーションで業績は決まる

   従業員のモチベーションを向上(組織力強化)させるためには、「自己実現を可能にさ
   
ること」および「報酬への期待に応えること」が必要です。

   そして、従業員の自己実現への欲求が高まり続けるように、経営者は職場環境や制
   度、制度運用など(従業員満足)の改善の努力を重ね、対策を講じてゆくことが重要
   です。 

   個々の従業員が業務に関する知識やスキルを向上させていくことは、組織力を強化する
   ことになります。 

   しかし、その能力を発揮する場がなかったり、意欲を減退させるような環境に置いていて
   は、人財という経営資源を生かしているとは言い難いことになります。

   好業績を持続するのも、また不況を克服するのも、その唯一の経営資源は、「ヒト」を
   おいて、他には存在しません。

   企業の盛衰は、「人財」の有無やその優劣にかかっているといっていっていいでしょう。

   優良な企業(規模の大小ではなく組織力)はそうでない企業と比較し、社員のモチベー
   ョンの高さが決定的に違うということです。

   優良な企業の現場は、明るく活気に満ちあふれ、社員が自信に満ち満ちた態度で、
   創造的な仕事に取り組んでいることが分かります。

   一方、業績が思わしくない会社は、まったく逆で、総じて職場は暗く、生きるため、食べ
   るため、与えられた仕事を、ただ黙々と処理しているといった環境です。 

  ■なぜ社員のモチベーションは低下するのか

   「国民生活選好度調査」(内閣府)を見ると、「仕事についての満足感(やりがい)」
   を持つ社員の割合は、1978年調査で30.5%あったものが、2005年では16.6%に
   まで低下しています。

   モチベーションの低下は組織にさまざまな弊害をもたらし、ひいては最悪の事態を招き
   かねません。

    ・従業員満足の低下モチベーション1.jpg

    ・顧客満足活動の低下

    ・お客様からの不満がクレームへと発展

    ・顧客情報の漏洩

    ・従業員が労務問題を労基所へ持ち込む

   (1)経営者や上司への信頼感の低下

     社員のやる気が近年低下している最大の
     要因は、経営者や直属上司の経営姿勢と
     言動にあると思われます。

     やる気を低下させる要因について調査していますが、最も多かったのは「経営者や
     上司への信頼感をなくした時」で回答企業の63.3%に達しました。

     次いで「賃金や処遇に対する不満が生じた時」(50.6%)という結果が出てい
     ます。

   (2)生きがい・やりがい

     一般社員への「職場ではどんな時に一番生きがいを感じますか」という設問に対し、
     最も多かったのは「仕事が面白いと感じる時」24.3%、以下「自分の仕事を達成
     した時」23.3%、「自分が進歩・向上していると感じる時」19.1%

   (3)賃金や処遇の評価への不満

     この場合、気を付けなくてはならないのは、よほどひどいときは別にして、ここでい
     う不満とは、賃金や処遇そのものに対する不満ではないと思われます。

     貸金や福利厚生は他社と比較し、はるかに低いのに、社員のモチベーションが高
     い企業、その結果としての業績の高い企業が多数存在しているからです。

     この場合、不満は2つあると思われます。

      一つは賃金システムの問題であり、

      二つ目は評価システムに関する問題です。

     貸金システムの問題は、行き過ぎた成果主義・能力主義に対する社員の反発や
     不信と思われます。

     評価システムに関する問題では、評価者や評価方法、さらには結果の社員への伝
     え方やその後のフォローの問題と思われます。

   (4)職場の人間関係の悪化

     職場の人間関係の悪化も、社員のモチベーションを悪化させる大きな要因です。

     ある調査結果を見ても、40.8%の企業が職場の人間関係の悪化がモチベーシ
     ョンを低下させる要因としてあげていました。

     職場の人間関係が気まずくなればコミュニケーションの機会は少なくなる上、そ
     ればかりか、他の社員を疑心暗鬼で見てしまうことにもなりかねません。

     よりひどいケースは、それが原因で労働災害の発生や貴重な社員の離職を増大
     させてしまうことにもつながりかねません。

     組織力の低下は最悪の事態を招きかねません。

  ■社員のモチベーションを向上させるポイント  

   社員のモチベーションを向上させるためには、「自己実現を可能にさせること」および
   「報酬への期待に応えること」が必要です。 

    従業員の自己実現への欲求が高まり続けるように、経営者は職場環境や制度、制度の
   運用などの改善の努力を重ね、対策を講じていくことが重要です。

   各人の「自己実現」 ⇒ 「新たな挑戦」 ⇒ 「成功」 ⇒ 「自己実現」といったサイクルを
   実現させることが基本となります。 

   自己実現は、達成感や自己の能力開発・成長などによって可能になります。

   それは、個人目標の達成に向けて各人が仕事を通じて能力を発揮したり、不足し
   ている能力を開発するなどして自己の成長を図ることです。 
   
  □従業員が仕事に打ち込める職場環境

   従業員が仕事に打ち込める環境づくりのポイントは、

    (1)従業員のやる気をいかに引き出すか

      従業員のやる気を引き出すには、「自己実現が可能な環境であること」と「成果
      に対して報酬がきちんと支払われる環境」が整備されていることが必要です。

    (2)やる気のある従業員にどれだけ仕事をしやすくさせるか

      やる気のある従業員に仕事をしやすくさせるには、
      職種に合わせて柔軟に就業時間を設定して生産
      性を向上させるようにしたり、簡単なカウンセリング
      や残業のコントロールなどで従業員の健康管理を
      行うなどが大切です。
モチベーションA.gif
     (3)環境改善 
       社員同士のコミュニケーション、意見交換を活発 
      化させるとともに、組織内に挑戦する空気を生み
      出し、組織を活性化させることで組織力の強化と
      なります。

    (4)目標と行動指針の明確化・落とし込み
      織内の雰囲気がよくなり、組織が活性化しても、組  
      織はどこへどのように向かえばよいのでしょうか。

      それを示すのが、組織の目標と目標を達成する
      ために必要な行動指針です。

      組織の目標と行動指針がはっきりしていないと、
      組織としての仕事の優先順位や進め方を判断する
      基準があいまいになります。

      これでは、せっかく活性化した組織も、何が正しいか
      分からなくなる、あるいは一度決定したことが何度も
      変更されるといった事態に陥り、組織の中に不満が生まれてしまいます。

      組織の長は、経営者から与えられた目標をもとに、それを達成するための
      組織の行動指針を定めて、すべての社員に落とし込まなければなりません。
 
      さらに、目標や行動指針は、具体的かつ分かりやすくなければ社員に浸透しま
      せん。

    (5)役割と責任範囲の明確化

      前向きで積極的な部門には仕事が集中します。

      その集まった仕事が目標や行動指針に合致している、あるいはその部門にまだ
      余力があり、社員たちが仕事を希望しているのなら問題ありません。

      しかし、そのどちらでもないのなら、その状態が長く続くことで、社員の間に「な
      ぜ私たちがここまでしなければならないんだ」といった気持ちが生まれかねま
      せん。

      従って、組織の長は、部門ごとに担うべき仕事の範囲、すなわち組織の役割と
      責任範囲をあらかじめ明確にしておく必要があります。


    (6)組織への必要な権限の付与

      組織の長は、それぞれの組織に目標を達成するのに十分な権限を与えること
      が不可欠です。

      そうしなければ、組織にストレスが生まれ、モチベーションを下げてしまいます。

      組織のモチベーションを高めるためのハードルは、決して低くはありません。

      しかし、組織としてモチベーションが高まることは、個々の社員がお互いにモチベ
      ーションを高めあうことにつながるため、それが仕事の生産性に与える影響は、
      一社員のモチベーションの高まりとは比べ物にならないくらい大きなものになり
      ます。

      従って、組織のモチベーションを高めることは、経営者および部門長を含めた上
      司にとって最も重要な課題の一つといえるでしょう。

     
    (7)部門間の良好な関係の構築

      関係する組織間に良好な関係を築き、ほかの組織と仕事をする場合も社員がス
      トレスなく仕事を進められる環境をつくる。

   優秀な人材の確保が困難な環境の中で、「誰が手がけても一定の品質」が保てる仕組みを
   つくらなくては、いつまでたっても収益を上げることはできません。

  
  リーダーシップ

   リーダーはコミュニケーションを通じた「和」を形成し、個人の能力を最大限に引き出
   し、組織目標の達成に向けたPDCA『Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action
   (改善)』を実行する役割や行動を担います。   

   リーダーとしての役割には、組織のコミュニケーションを図りながら、やる気のあるチ
   ームワークを作り出し、会議の場での議論を通して何かをやろうとする機運を高めた
   り、ビジョンや経営計画づくりに全員を参画させて経営参画意識を高めたり、組織全体を
   活性化させます。

   部下個々の目標を設定するに当って、それぞれの立場・能力を知った上で助言したり、
   達成に向けての動機啓発を行ったり、教育の機会を与えたりといったことが、リーダーの
   役割になります。

   組織全体が一丸となって取組むべき全体目標では、各人が担う目標を達成させるため
   に、目標・方針・戦略を明示し、共有化し、達成が困難なメンバーに改善点を指摘する、
   といったことが、リーダーの役割となります。

   組織のモチベーションを高めるためのハードルは、決して低くはありません。

   しかし、組織としてモチベーションが高まるということは、個々の社員がお互いにモチ
   ベーションを高めあうことにつながるため、それが仕事の生産性に与える影響は、
   一社員のモチベーションの高まりとは比べ物にならないくらい大きな効果となります。

   従って、組織のモチベーションを高めることは、経営者および部門のリーダーを含めた
   上司にとって最も重要な課題の一つといえるでしょう。

   経営者にとってリーダーとは、自分の経営理念を理解し、その実現のために高い能力
   をもって支援してくれる存在です。

   規模や方針などによっては、経営者がすべてを掌握し、とくに管理者を置かない場合
   もありますが、事業規模が拡大したり組織化が進んだりした際に、片腕となって組織
   運営を行い、会社の発展を共に目指してくれる存在がいるというのは、大変心強く、
   大きな強みであるはずです。

   リーダーといっても、いくつかの段階に分かれますが、最終的には経営者の理念や
   考え、気持ちを十分理解し、その意向に沿った方向に組織を導くことができ、また経営
   者不在時には、経営者の代わりとして業務を遂行できる存在です。



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しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
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多くあったことを、私どもは見聞きしております。
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