プレイングマネージャーに求められるスキル 


  ■営業プレイングマネジャーに求められるスキル

   営業プレイングマネジャーには、「企画力」「交渉力」「管理力」「教育力」「学習力」
   「決断力」といった能力が求められます。

   企画力

    企画力とは「新商品や新サービスを思いつく発想力である」と思い込み、顧客 
    のニーズなどの裏付けもなしに「いい企画、画期的な企画、誰もが驚くような
    企画はないか……」と考えているだけでは、よい企画は生まれません。

   ○よい企画の条件

    1.「適切なタイミング」

      どんなに優れた商品の企画でも、顧客ニーズが一巡してしまった後に実
      現していたのでは遅すぎます。

    2.「新しい価値の提供」

      これまでにない価値を提供できる企画でなければ魅力がない。

    3.「実現可能なレベル」

      顧客にとって非常に有益なサービスであっても、実現可能な企画でなくて
      はならない。

    企画力を発揮するためには、下記の4点を日ごろの業務に取り組むことが基
    礎となる。

       (1)収集力

         収集力とは、業界動向、顧客や社内のニーズ、課題に関する適切な 
         情報を収集する力です。

         情報収集にぬかりがなければ、適切なタイミングで企画のシーズを
         つかむことができます。

       (2)想像力

         想像力とは、収集力の発揮によって集められた情報を生かし、顧客
         や自社に新たな価値を提供できるサービスなどを想像する力です。

       (3)具現力

         具現力とは、想像力の発揮によって営業プレイングマネジャーの頭 
         の中に出来上がったサービスなどを実現可能なレベルに落とし込む
         力です。

         この段階では、ニーズ、期間、コストなどを総合的に検討し、シビアに
         実現の可能性を探らなければなりません。

       (4)交渉力

         交渉とは、ある事柄について相手と取り決めをする行為であり、価格
         交渉などが典型例です。

         営業活動をスムーズに行うためには交渉を有利に進めることが一つ
         のポイントとなるため、交渉力は営業プレイングマネジャーに求めら
         れる重要な能力として位置付けられています。

         ただし、「交渉は勝負であり、交渉は勝つことがすべてである」との認
         識は正しくありません。

         交渉は「自社と相手にとっての最善の合意点を探る行為」です。

         利害が反する中で合意点を探り合う交渉では、提案、質問、理解、
         確認、調整などが繰り返されます。

         最終的な交渉の勝ち負けは、一連のプロセスから導き出された結果
         にすぎません。

         交渉は正しいプロセス(提案、質問、理解、確認、調整など)を経るこ 
         とが重要であり、そうすることで、交渉を有利に進められる可能性が
         高まるのです。

         正しいプロセスで交渉を進めるためには、「提案力」「把握力」「調整 
         力」を上手に発揮して、交渉の流れを正確につかみ続けることです。

         (1)提案力

           提案力とは、自社の考えを相手に正しく提案するための力です。

           交渉は相手があっての行為なので、自社の考えを相手に正しく理 
           解してもらわなければなりません。

           相手が理解しやすい提案を行うためには、相手の立場に立って 
           自社の提案内容を確認する行為が不可欠となります。

         (2)把握力

           把握力は2つの力から成り立ちます。

           ①相手の提案内容を正しく把握する力

            相手の提案を正しく理解することができなければ、話は平行線
            のままです。

           ②交渉のパワーバランスの変化を把握する力

            交渉のプロセスでは、自社が有利になったり不利になったりと
            パワーバランスが変化します。

            その変化をいち早く把握することは非常に重要です。

            例えば、自社が不利であることにいち早く気がつけば、一度交
            渉を打ち切って、次回に新しい提案をするなどの対策を講じる
            ことができるからです。

         (3)調整力

           調整力とは、自社と相手の提案内容を総合的に検討した上で、
           両者を最善の合意点に導く力です。

           その際のポイントは、具体的な数字を示しつつ、自社と相手を比
           較することです。

           例えば、「あなたは価格で○%得をします。

           一方、私は納期には○○日分の余裕があります」や「あなたも私も
           価格で○○%ずつ得をします」といった具合です。

           なお、自社の得だけを伝えた場合、相手は「一人勝ちしようとして
           いるのか?」と考えます。

           逆に、相手の得だけを伝えた場合、相手は「いい条件ばかり提示 
           してくるけど、腹の底では何を考えているのか分からない」と考え
           ることがあります。

  ■プレイングマネジャーに求められる管理能力

   営業プレイングマネジャーは、会社全体の営業活動やチームの業務遂行の状況を
   管理しなければなりません。

   営業プレイングマネジャーの管理力が高ければ、プロジェクトはスムーズに進み
   ます。

   しかし、複数のプロジェクトを兼務し、社内外を問わずさまざまな関係者と協力し
   合う営業プレイングマネジャーが、一人ひとりの業務の進み具合を管理することは
   難しいのが現状です。

   そのため、営業プレイングマネジャーは、人単位ではなく、業務単位でプロジェクト
   を管理するようにします。

   とはいえ、小さな一つひとつの業務の内容、納期を細かく管理するわけではあり
   ません。

   プロジェクトの基点となるような重要な業務を見つけ、それを重点的に管理する
   のです。

   プロジェクトとは複数の業務の集合体であり、プロジェクトの完了は一つひとつの
   業務が終了した結果です。

   そして、プロジェクトを構成する個々の業務の中には、必ずポイントとなる重要な
   ものがあります。

   営業プレイングマネジャーは、プロジェクトを計画する段階でポイントとなる重要な
   業務を見つけ出し、その進捗度合いを重点的に管理していきます。

   ポイントとなる業務が計画通りであれば、全体の方向性が大きくズレてしまう危険性
   は低いからです。

   もちろん、ポイントとなる重要な業務は、それ以外の小さな業務が確実に終了しな
   ければクリアすることができませんが、そうした業務の管理については、メンバー
   にある程度の権限を委譲して任せたほうが効率的なこともあります。

   ポイントとなる業務を見つけ出すなど、効率的な管理を実現するためには、「計画」
   「委譲」「確認」を正しく発揮して、高い視点からプロジェクトを観察することです。

   1.計画

     計画は、プロジェクトの進行計画、チームの教育計画を立てることです。

     ポイントは、プロジェクトの始点から終点までをイメージし、必要なすべての
     業務をリストアップした上で、ポイントとなる重要な業務を見つけ出すことで
     す。

   2.委譲

     委譲は、プロジェクトを構成する業務の中から、メンバーに割り振る業務を
     決定し、その遂行を任せる力です。

     ポイントは、権限委譲したメンバーにプロジェクト全体の計画だけではなく、
     一つ一つの業務の意味や重要度を伝えることです。

     これは、メンバー教育の一環でもあります。

   3.確認

     確認力とは、一つ一つの業務が計画通りに進んでいるか(メンバーが指示
     通りに業務を遂行しているか)を確認する力です。

     ここでのポイントは、基点となる重要な業務の管理に力点を置くことです。

     小さな業務の確認については、納期10日前、5日前、3日前に進捗度合い 
     を確認する程度とし、後は権限委譲したメンバーに任せてみましょう。

  □教育力

   メンバーの教育は、営業プレイングマネジャーに求められる重要な能力です。

   教育によってメンバーの能力が高まれば、チームや企業の営業力が強化されます。

   一般的に、教育は相手の性格などに応じて教育スタイルを柔軟に見直すべきだと
   いわれています。

   確かにその通りで、気弱なメンバーに強い口調で指示を出すことは好ましくない
   場合があります。

   しかし、このポイントを押さえただけでは、営業活動に関する教育はスムーズにいか
   ないことがあります。

   なぜなら、営業活動には、本人には当然のことでも、他人からは理解が難しい 
   「なぜ?」がたくさんあるからです。

   例えば、交渉の場で、営業プレイングマネジャーが準備をしていた内容をすべて
   相手に提案しなかったとします。

   その理由は、営業プレイングマネジャーが「場の空気が停滞しているため、ここで
   提案をしても参加者の記憶に残りにくい。

   次回の交渉開始時に提案したほうがインパクトがある」と考えたからですが、これは
   営業プレイングマネジャー独自のスタイルです。

   同席したメンバーは、すべての提案をしない理由が理解できないため、営業プレイ
   ングマネジャーはメンバーに対して、「なぜ、すべての提案をしなかったのか?」
   を伝え、メンバーが自身の営業スタイルを確立するサポートをすることが重要です。

   メンバーにビジネスの「なぜ?」を理解してもらうためには、「理解力」「質問力」「伝
   達力」を発揮して、メンバーと真摯に向き合うことが不可欠です。

   しかし、社内の教育体制は今問題を抱えています。

   それは中小企業の多くが場当たりで無計画な教育が横行していることです。

   その原因に教育担当者・上司による育成能力の不足が挙げられます。

   厚生労働省「平成26年度能力開発基本調査」においても、全体の75.9%の事業所が
   「人材育成に問題がある」と回答しています。

   この問題を解決しなければ、教育制度の内製化は不可能です。

   1.理解力

     理解力とは、メンバーの性格や業務に対する考え方を知り、それを理解す
     る力です。

     教育は、営業プレイングマネジャーとメンバーのコミュニケーションが円滑で
     なければスムーズに進まないため、メンバーを理解することは教育の第一
     歩となります。

   2.質問力

     質問力は2つの力から成り立ちます。

     (1)メンバーが営業プレイングマネジャーに質問しやすい雰囲気を演出する
       力

     (2)営業プレイングマネジャーがメンバーに問いかける力
       ここでいう問いかけは、「相手に深く考えさせる」ような問いかけです。

       これを繰り返すことで、メンバーに深く考えさせて気づきを与えます。

   3.伝達力

     伝達力とは、営業プレイングマネジャーが無意識に行っている「なぜ?」の
     理由を整理して、分かりやすくメンバーに伝達する力です。

     無意識的な行動の理由を他人に伝えることは意外と難しいのですが、何度
     か繰り返しているうちに整理しやすくなっていくものです。

   この活動を通じて、営業プレイングマネジャー自身が自分の営業スタイルを再確
   認することができるため、自身の能力向上のきっかけにもなります。

  □学習力

   優秀な営業プレイングマネジャーは自己の能力向上に積極的で、自発的に書籍
   を読んだり、セミナーに参加したりしています。

   優秀な営業プレイングマネジャーは、さまざまなタイプのビジネスパーソンとの出
   会いを貴重な学習機会と考えているのです。

   ビジネスパーソンの中には、「この人は非常に優秀だ」と尊敬できる人がいます。

   そうした優秀なビジネスパーソンは、その時点で自分が有していない能力を発揮
   していたり、自分とは異なる考え方をしていたりするものです。

   そうしたものを積極的に吸収していくことは、営業プレイングマネジャーが成長して
   いくための近道です。

   なぜなら、同じミーティングに参加しているほかの優秀なビジネスパーソンの言動
   は、実際のビジネスシーンで起こっている“生”の体験であり、イメージしやすいと
   いうメリットがあるからです。

   優秀なビジネスパーソンが持つ能力を学習していくためには、「観察力」「模倣力」
   「吸収力」を発揮して、自分のスタイルに適したものを見極めていくことです。

   1.観察力

     観察力とは、優秀なビジネスパーソンの言動を自分と比較しながら観察す
     る力です。

     「自分に置き換えてみる」ことが非常に重要なポイントで、例えば、優秀なビ
     ジネスパーソンが第三者から質問を受けている場合は、その質問に対する
     自分の回答と優秀なビジネスパーソンの回答を比較してみます。

     そうすることで、自分と優秀なビジネスパーソンの違いが明らかになってい
     きます。

   2.模倣力

     模倣力とは、優秀なビジネスパーソンになりきる力です。

     初めは、優秀なビジネスパーソンの言動を模倣するだけでも効果がありま
     す。

     例えば、自分が早口で、優秀なビジネスパーソンはゆっくり話すタイプであ 
     ったとします。

     優秀なビジネスパーソンを模倣してゆっくりと話すように心がけてみると、意 
     外な効果が表れます。

     時速50キロと100キロでは、車の窓から見える視界が異なるように、話す 
     スピードを変えただけで、周囲の見え方が変化するものです。

     これまでは、緊張してしっかりと見極めることができなかった交渉相手の表
     情が確認できるようになったりします。

   3.吸収力

     吸収力とは、模倣した内容のうち、自分の営業スタイルに合うもの(理解し
     やすいもの)を自分の能力として吸収する力です。

     先の例でいうと、話すスピードを変えたことで交渉相手の表情が確認できる
     ようになったのであれば、その発言のスピードは自分に合っているというこ
     となので、積極的に吸収します。

  □決断力

   営業プレイングマネジャーは、日々、決断の連続です。

   その多くはあまり迷わない小さな決断ですが、中には上司に相談しなければ決めら
   れない大きな決断もあります。

   ビジネスの結果は決断の連続によって決まるもので、実は、小さな決断の連続に
   よって進む方向が絞り込まれています。

   細かなサービス仕様など小さな決断を間違え続けると、計画していた方向から少し
   ずつ遠ざかってしまうのです。

   このように、軽視されがちな小さな決断は本当は非常に重要で、一つ一つを正しく
   決断することが理想です。

   しかし、間違った決断を恐れるあまり、小さな決断を下すまでに必要以上の時間を
   かけたり、後回しにしたりするとスピード感が損なわれます。

   小さな決断を一度や二度間違えた程度では、軌道修正不能なところまで状況が
   悪化してしまう危険性は低いものです。

   小さな決断はできる限り迅速に下すようにしましょう。

   その際に間違った決断をしてしまったとしても、連続して間違いをしないために、
   1つの決断を下した後は、次の決断をする前に、必ず1つ前の決断が正しかった
   のかを確認するようにしましょう。

   少なくとも連続して決断を誤らないようにするためには、「洞察力」「先見力」「分析
   力」を発揮して、冷静かつ客観的に考えてみることです。

   1.洞察力

     洞察力とは、過去の事例、他社の事例などを加味した上で現状を把握する
     力です。

     この段階では、必要に応じてメンバーにヒアリングを行うなどして、多くの情
     報を収集します。

   2.先見力

     先見力とは、決断結果によって引き起こされる可能性のある未来の姿をイ
     メージする力です。

     未来の姿は、最高のシナリオと最悪のシナリオの両方を想定するようにし
     ます。

   3.分析力

     分析力とは、過去の事例、未来の姿を見通した上で、決断すべきか否かを
     分析する力です。

     決断とは「YES」か「NO」の二者択一と思われがちですが、「保留」という選
     択肢もあります。

   最悪のシナリオが容易に想定できてしまう場合、その決断は保留し、上司に相談
   するなどしましょう。

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