実行可能な経営計画の策定


  場当たりな経営から羅針盤経営を着実に根付かせるためには、代理店経営者自らが
  『事業経営とは』を理解し、根気よく従業員に啓蒙していかなければならない。

  保険代理店の多くが経営計画を立ててはいるが、頓挫してしまっているのが実態です。

  なぜでしょう?

  主な原因は

   ①目標が理解できていない

   ②具体的な行動計画がない(目標数値が単に数字の羅列に終わっている)

   ③結果の検証ができていない(数字の検証だけで終わっている)

   ④計画自体に実現の可能性がない(目標計画が願望だけで立てられている)

  経営計画達成の鍵となるのは実行のプロセスを継続して実施していくことです。

  そのためには各プロセスを代理店経営の日常活動につなげてアクションプランの各段階が
  進められているか管理、見直すことが不可欠となります。

   ・増収するには、既存客からどれだけの増収(単価アップ、多種目販売紹介)を得られ
    るのか。

   ・新商品を導入するのか。(何を)

   ・商品毎の増収目標はどうするのか。(どのくらい)

   ・キャンペーンを何回すればいいのか。(どのように)

  上記は一例であるが、行動計画は、疑問の余地を挿まないほど、具体的である必要があり
  ます。

  ここでは保険代理店にとって実行可能な経営計画の立て方について一緒に考えていきま
   しょう。  

  経営計画の策定手順 

   ビジョンから中期・年度計画までの計画プロセスは、PDCA(経営管理のサイクル)の
   出発点になる基本的事項です。

   ビジョンをつくっても計画に落とし込まれていない、数値計画だけがあって戦略やビジョ
   ンの裏付けがない(現状延長線上に引き伸ばした計画が多い)がよく見受けられます
   が、実効性に乏しく、結果的に「画に描いた餅」で終わってしまう経営計画が多数見受け
   られます。

   組織メンバーを動機付けるものでないため、実効性に乏しいものとなってしまいます。

   計画作りにあたっては、以下の点を全員で自由
   に発言する場作りに努めていきます。

    ・第一段階
     どういう代理店にしたいか?

    ・第二段階 
     今どんな状態か?
     なにが起こりそうか?
     競争相手はどういうことをしそうか?

    ・第三段階 
     ではなにをしなければならないか?

   1.経営理念・ビジョン・行動指針 

     経営計画づくりの最初にくるものが経営理念ビジョン
      行動指針です。

     これらは、経営活動を推進する原動力であると同時に、
     活動を律する制約要因でもあります。

     組織規模の小さい代理店においては、従業員を巻き込んで策定する方が、より効果
     的に浸透させる効果が期待できます。

     とくに合併のケースにおいては、これまで別の道を歩んできた経営者が一緒に事業
     をやっていくことになるので、本音で語り合える雰囲気を作りながら、以下の3つの
     枠組み(経営理念・ビジョン・行動指針)に沿って十分議論することが不可欠です。

     (1)経営理念 

       ・自店の存在意義・使命は何か

       ・社会に提供する商品・サービスは何か(ドメイン

       自店(社)は事業を通じて社会に対してどのような価値を提供してゆくの
       か、といった経営者の事業に対する思いを従業員が理解していなければ、
       お客様にも伝わりません。

       したがって、経営者は従業員に対して常に経営理念を語り続け、その理念に
       基づいて自らが行動することが大事です。

        ①経営理念を従業員に語り続け、自らも行動し、従業員に分かってもらう
         →経営理念の発信・共有

        ②経営理念が分かった従業員がお客様にそれを伝える
         →経営理念の伝達

        ③お客様はサービスを通してその経営理念に共感する
         →お客様満足(CS)

       一方で、制度や仕組みの中で経営理念を共有していくことも有効な手段です。

       例えば、理念に整合する行動指針にしたがって業務を遂行したか、という項目を
       評価の一つにする方法です。

       理念を浸透させるには、評価結果の処遇(賃金や昇格)への反映、面接による
       フィルードバックなどをきちんと行うなど、制度を適確に運用することが大事
       です。

     (2)ビジョン

       ①自店(社)は「どのような市場」で「どのような地位」を築きたいか(市場で
        のポジション

       ②ビジョンは下記項目をポイントに作成してみてください。

         ・代理店経営の理念

         ・日常活動の目安となる行動指針の重要項目

         ・対象とする主要なお客様(法人、団体、個人)の明確化

         ・お客様に提供する商品および主要サービスの明確化

         ・お客様からの認知イメージ

         ・中期における成長規模の目標
         ・サービス提供に要する経営資源の質と量

     (3)行動指針

      将来の目指す姿(ビジョン)を実現するための日常の行動指針となるものであり、
      これは従業員全員が共有し実行する必要があります。

      お客様との関係、どのお客様(マーケット)に、何(商品)を、どのような付加価値
      (サービス)で、提供するかを示すことで従業員の行動の指針とします。

      事業活動を行うに際して、大切にすべきこと、踏み外してはならないことを明記。

    2.経営方針・目標

      経営理念等を踏まえた上で、中長期的な観点から、自店(社)が進むべき当面の方
      向性を示すもの。

      今後の経営の方向性を端的に表す経営方針は、経営責任を担うトップが定め、メン
      バー全員に浸透させるのが一般的です。

      しかし代理店の実務においては、コミュニケーションを十分に取って全員が納得し
      て業務に邁進できる環境作りを心がけます。
       
      ○目標設定作成のポイント 

       到達すべきゴール(目的)と、そこに至るためのルート(手段)をセットで考 
       えて、目標とする。

        ①できるだけやってみようという努力目標でなく、ゴールを明確にする
        ②目標は総花的にならないよう、重点的に設定する(3〜5項目程度とする)                 
        ③目標達成のスケジュールと具体的な方法、段取りを明らかにする
        ④中長期的な目標と短期的な目標をバランスよく設定する


       「売上○○%アップ」、「新規開拓○○件」など、結果として目指すべき数値目
       標だけを掲げるケースを見受けられます。

       このような目標は掛け声としては威勢良く響きますが、単なるスローガンに留ま
       ってしまうことも少なくありません。

       結果としての数値目標を示すだけでは、結果として「○○%達成、よくやっ
       た!」とか「達成率90%だったが、次はもっと頑張ろう!」といった精神論的
       な評価・総括となり、組織力の強化にはつながりません。

       ゴール(目標)に向かって着実に歩みを進め、組織全体の業務遂行力を持続的
       に高めていくためには、「どうやって」の手段を「なにを、どうする」の目的と
       合わせて考えることが効果的です。

       例えば、売上を6千万円から9千万円に50%増加させるという目標ならば、

        (1)顧客の増加

        (2)顧客一人あたりの契約増(多種目化)

        (3)契約あたりの手数料単価アップ

       といった手段を組み合わせるという形で目標を設定します。

       また「手数料単価をアップする」だけに留まらず、より具体的に「特約付帯率を
       高める」、「付帯率アップのためのセールストーク、ニーズ喚起チラシを作る」
       というように実際の行動をイメージできるように目標を展開しています。

       具体的な手段により、目標に向けた行動を展開することが容易になり、達成可
       能な目標となります。

    3.自店(社)の経営環境分析

      代理店を取り巻く環境、市場の変化を分析、予測し、今後の顧客サービス、サー
      ビス提供のあり方を考えて、対処の方法を明確にしていきます。

      自店(社)の「強み・弱み」と「機会(チャンス)・脅威(ピンチ)」を把握
      自店が今後いかにビジネスを展開していくかという成長戦略を考えるための材料と
      して、自店の「強み・弱み」と市場の「機会・脅威」に関する分析を役立てます。

      市場に魅力的なビジネスチャンスがあって、そこで自店の強みを発揮できそうな場合、
      その機会を捉えた積極策によってビジネスを飛躍的に伸ばせる可能性があります。

      チャンスがあったとしても、それを活かす資源や能力の面で競争相手より劣っている
      場合、他店に決定的な差をつけられてしまわぬように弱みを克服する取組が必要とさ
      れるかもしれません。

      市場全体が縮小するなど一般的には脅威だと考えられる環境下にあっても、競争を勝ち
      抜いていけるだけの強みを持った代理店にとっては、他店との違いを訴求してシェア
      向上を図ることが可能になります。

      市場に厳しい脅威があり、それが自店の競争上の弱みと結びついてしまうときは厳しい
      意思決定を迫られます。

      地域産業の衰退など脅威が長期的なもので、当該産業向けの営業ノウハウが他店(社)
      より劣ってしまうといった場合などは、勝ち目のある領域に経営資源を振り向ける
      必要があるので、その事業領域から撤退することが得策ということもあり得ます。

  □経営計画書作成の目的と意義

   1.経営計画書をつくる目的(何のために作るのか?)

     代理店経営には、これから向かうべき方向を示す計画(中期および単年度)を持つ
     ことが重要です。

     また、その計画はPlan(計画)−Do(実行)−Check(評価)−Act(改善) の
     サイクルで見直され修正されていきます。

     代理店経営計画は、自店を取り巻く環境で変化するお客様のニーズに対応しなが
     ら競争相手に打ち勝ち、安定した成長を続けるために不可欠なものです。

     営計画書は、現状および今後の課題を多面的に分析し、目標達成のための戦略
     戦術を記述したものです。

     代理店経営計画が自店の経営を今後、いつまでに、どこへ、どうやって向かうのか
     をリードしていくのです。

     事業の目標・目的を確実に達成するためには船の航海同様に羅針盤が欠かせま
     せん。

     この羅針盤の役割を果たすのが経営計画です。

     経営計画が無く目標達成したとしても、それはたまたま達成できたと理解すべき
     です。

     計画書は事業運営の基本となります。

    2.経営計画書策定の理由

     (1)これから向かう方向とプロセスを明確にし、必要に応じて修正するため

     (2)目標の達成およびその目標達成のための戦略や戦術を明確にするため

     (3)代理店経営計画を策定することで、課題を浮き彫りにし、効果を予測した行動
       を従業員の意思統一をはかりながら実行するため
       (社内に掲示、会議ノートに計画書を入れておくと更に有効)

     (4)代理店経営を「人・物・金・情報」という経営資源の側面からとらえ、それが必要
       な時期や目的、投資の量をあらかじめ明確にするため

     (5)目標達成の可能性を高めるため

     (6)経営計画により、適切な時期でのレビューとフォローアップを可能にするため

     貴社(店)では計画を実行・実績に結びつける目標管理はできているでしょうか?

      ○計画には、必達すべき目標ができる限り数値化されたものとして
       明示され、実行可能な目標値となっているか

      ○各計画を実行に移し、目標を達成することができるような組織編成が
       できているか

      ○計画を実行する各部門の責任者は、マネジメントサイクル  
       (Plan→Do→Check→Action)に基づく適切な管理手法を展開
       しているか

      ○計画の進捗管理を行ない、場合によっては計画の軌道修正を検討
       しているか

      ○実行結果と目標値との差異を分析し、その結果が次の計画に活か
       されているか

     これらのことを踏まえた上で、経営計画策定をしてみてください。

    3.計画書作成についての注意事項

     (1)記述したものであること

       代理店経営計画とは単に数字を羅列したものではなく、代理店自身のビジネ
       スを多面的に分析・検討した上での結果を記述します。

       そして、関連する根拠のある数字であることが必要です。

     (2)ビジョンとプロセスの計画が示されていること

       3 年から最長でも5 年程度の中期計画であることが望ましく、中期の目標を達成
       するための単年度目標も必要になります。

       計画の要素としては、下記のものが含まれていることが望まれます。

        ①強み・弱みが把握されていること

         「自店の保有するお客様(マーケット)や他の見込みマーケットの特徴
         や将来性」と「自店の得意商品、サービスの有効性」を対比して、「強
         み、弱み」についての把握を行った上で、自店にとって撥会(チャンス)
         となるマーケット、商品構成、サービスや脅威(ピンチ)となりそうな
         競合チヤネル、商品、サービスなどを明らかにしておくことが必要です。

          ・自店(社)の主要なお客様(マーケット)の特徴と将来性

          ・重点販売(得意)商品、未販売商品

          ・提供しているサービス内容と今後予測されるサービスの必要性

          ・主要なお客様(マーケット)をめぐる競合代理店の状況

          ・自店(社)のサービス提供のための組織体制
           (損害サービス、リスクマネジメントサービス、顧客サービス)

          ・自店(社)従業員の知識およびスキル習得状況 等

        ②継続的に見直しが行われること

         代理店経営計画における各種の目標達成のためには、適時に進捗状況を見直し、
         必要に応じて修正することが必要です。

    実行可能な経営計画の策定は業務の正しい進め方が決め手となります。

    業務の進め方が場当たりである限り、達成可能な計画策定は不可能と言ってい
    いでしょう。

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  ■中期計画、単年度計画、アクションプランの設定

  □中期計画 

   経営計画は、大きく「長期計画」「中期計画」「年度計画」の3 つに分類できます。

   一般的に長期計画は5〜10 年単位、中期計画は3〜5 年単位で作成します。

   近年では経営環境の変化が激しいため、長期計画をつくることは少ないようです。

   まずは「中期計画」をつくってみましょう。

   この計画は毎年見直して修正を加え、さらに1年分追加してつねに3〜5 年先の計画
   が立ててある状態にします。

   経営戦略に沿って行動し、目的を達成することで達成可能な計画となります。

   建築に例えると、完成予想図が経営目標に相当し、建物の基本設計にあたるのが
   経営戦略であり、詳細な施工図や工程表が経営計画だと言ってよいでしょう。

   ある代理店では、年度毎に経営計画書をまとめています。

   そこには、経営理念やビジョンが掲げられているほか、今後数年間の数値計画と具体
   的な行動計画が記載され、より詳細な年度計画に展開されています。

   数値目標を例示すれば、「初年度代手3,000万円、経常利益200万円、継続率95
   %」といった具合で、行動計画には「一般種目50万円以上のAランクのお客様には
   社長が月1回、部長が月2回の定期訪問を行う」といったレベルで記載されています。

   ところで、専業代理店で中期経営計画という場合、「中期」とは3年間を目安に考え
   ればよいでしょう。

   なお、2年後、3年後の事業環境を現時点で確実に予測することは不可能です。

   したがって、環境変化について当初から幾つかのシナリオを想定したり、1年経過時点
   など途中段階で必要に応じた修正を行います。

  □実効性の高い行動計画を立てる

   計画が「画に描いた餅」になってしまわぬよう、下記の諸点について明確に定める
   投入資源(インプット)と創出価値(アウトプット)、スケジュールを明確にすること
   で、計数計画との整合性を保てる。

   具体的で進捗管理しやすい計画とすれば、この枠組みを人事管理上の目標管理と
   一体化できるのです。

   景気低迷が続く状況下では、業績見通しや利益目標の下方修正を当たり前のように
   繰り返してしまう例がかなり見受けられます。

   予期できないような事業環境の変化にともなう下方修正であれば、止むを得ないと
   言えるでしょうが、当初の見込みが甘すぎたり、計画が十分に練れていないとい
   ったケースも少なくないようです。

   計画に実効性を持たせるためには、計画の実施に携わるメンバーが具体的になに
   をすべきか理解していることと、適切な進捗管理によって施策の確認・見直しを繰り
   返すことが重要です。

   計画に実効性を持たせるためには、計画の実施に携わるメンバーが具体的になにを
   すべきか理解していることと、適切な進捗管理によって施策の確認・見直しを繰り返す
   ことが重要です。

   実行可能な計画を立てるためには、

    (1)明確なゴールを決める(創出価値)

    (2)ゴールに至る取組施策を描く(取組施策)

    (3)その道を進むために用いる道具や材料(営業ツール)を明確にする(投入資源)

    (4)ゴール到達までの道のりに時間軸を割り当て(スケジュール)

    (5)だれが先頭に立って進むのかを決める(役割分担)

   いきなり中長期の計画を立てるのは難しいという場合は、身近な日常業務について
   上記のポイントに沿って整理してと良いかもしれません。

   繰り返し大過なく実践できている仕事であれば、多くの場合は意識していないとしても、
   これらのポイントを押さえ成功パターンができているものです。

   1.中期計画の設定

     洗い出した経営課題(機会・脅成)を、代理店経営の重要性から優先順位をつけ、
     中期(3 年)に取り組むべきものを明らかにします。

     (1)経営課題

       代理店ビジネスを実行するうえでの機能面の充実となる中期の課題を明らか
       にします。

        ・代理店事務所(独立事務所設置、拡張計画、レイアウト等)

        ・従業員の採用教育計画、職務分掌の明確化等

        ・営業日/営業時間帯の拡大

        ・代理店ホームページの開設

        ・ITの活用、 等    

     (2)お客様とのコミュニケーション

       既存のお客様に対して、どのようなコミュニケーションをはかるべきかというこ
       とについて課題としてとりあげます。

        ①顧客満足の第一歩としての「顧客情報の収集と活用」に際し、
         どのような情報をどのように収集、記録、活用すべきか。

        ②お客様が望む情報はどのようなものがあるのか
         (新商品・新特約、サービス、加入状況・変更事項の説明等)

        ③お客様が望むコミュニケーションのスタイルはどうなっているか。
         (電話、FAX、訪問、E−mail、代理店ニュース等)

        ④どのくらいの頻度を期待しているのか。

     (3)資金計画

       目標とする「営業予算と営業利益」を獲得するために「必要な資金」を調達する
       ことも欠かせません。

       中期において何をやり、どのくらいの販売量と利益を得るかの見通しを立て、
       その計画に沿って、必要資金額および時期を明らかにし、最適な方法で調達する
       ことが必要です。
     
   2.単年度計画の設定 

    年度計画は中期計画の初年度計画に該当するもので、さらに具体的推進策が
    盛り込まれた内容になります。

    単年度経営計画は中期経営計画と整合性のとれるものとしなければなりませ
    ん。

    予算を立てるときは、前年実績などをベースにして増収分を加減するとうまく整
    理できます。

    ただし、前年実績をベースにするとしても、同じことを単純に繰り返したのではジリ
    貧に陥ってしまうので、収益力の目減り分をどうやって補い、上積みを築いていくか、
    ということがポイントになります。

    この点に着目して具体的な行動計画を作ることができれば、それが計数的な予算と
    リンクします。

    売上は、

     (1)お客様の数 

     (2)お客様一人あたり契約数 

     (3)1契約あたり手数料単価

    の3つを掛け合わせたものとして捉えることができます。

    単純な更改業務の繰り返しは継続落ちで顧客の数が減少したり、等級アップによる
    単価の低下を招き、年々売上は減少することになってしまいます。

    当然、目減り分を補い、さらなる事業拡大を目指して、新規開拓や多種目販売、
    単価アップのための営業活動を展開することになります。

    売上予算を組むときには、それらの取組からどの程度の成果を獲得するのか、と
    いう点について見積もる必要があります。

    さまざまな取組を継続実践して、その成果について確認していくことによって、売上
    アップに効果的な施策によりノウハウ蓄積が進み、業績向上と合わせて売上予算の
    精度向上が図られます。

 
    「計画を立てる」、「計画を基にした活動」が無くては事業運営はできません。

    すべての行動が計画に基づいて実行されることが、継続した収益の確保には欠か
    せないことを認識すべきです。

 
    (1)中期計画より、単年度で達成すべき目標を明確にして設定

      すぐにできること、すぐに経費増とならないものから優先して設定していく。

    (2)アクションプラン(具体的行動)

      単年度で設定した達成目標を明確にしてアクションプランを作成します。

      3 ヶ月(四半期)ごとに進捗状況を確認していきます。

      年度目標(目標および数値目標)を設定してから目標を達成するための具体的な
      アクションプランを作成します。

      アクションプラン作成の目的は目標達成のための具体的行動を明らかにすることに
      あります。

      何を、誰が、いつまでに、どうやっておこなうか、そしてその遂行状況を適時に
      確認する仕組みをつくることが必要となります。

      ○実行プロセス
       アクションプランのプロセス内容(実施手順)を明確に
       していきます。

       年間計画(目標)の達成に必要な具体的行動を四半期、
       月間週間1日(日報)計画とし、確実に実行することが
       目標達成に不可欠となります。

        ①アクションプランの各段階の担当者、必要な資源を明確にす
         る。

         アクションプランを実行するためには誰が、いつ行うかを明確にすることが
         不可欠になります。

         また担当者に必要な教育プランの実施も必要です。(誰が、誰に、何を、
         いつまでに、教育するか)

        ②アクションプランの各段階の達成時期、達成すべき目標を明らかにします。

        ③目標の達成を測定できる評価項目を明らかにします。(担当者別)

      ○プロセスの進捗管理  

       代理店経営計画達成の鍵となるのは実行のプロセスを継続して実施していく
       ことです。

       そのためには各プロセスを代理店経営の日常活動につなげてアクションプラ
       ンの各段階が進められているか管理、見直すことが不可欠となります。

       結果検証の方策項目

        ①具体的行動の基準で実行されていることが測定できます。

          ・訪問件数

          ・有効面談数

          ・テレコール数

          ・DM 、FAXDM発送数 等

        ②各段階(期間中)の目標達成基準で測定できる

          ・新規獲得契約数

          ・多種目販売件数

          ・新特約付帯数

          ・新規保険料

    (3)目標の共有化

      目標数値からアクションプランの作成にあたってはその過程を担当する従業員
      としっかりと共有しておく必要があります。

      場合によっては経営者は目標数値を与え、従業員自身でアクションプランを作成
      させ、そのプランを従業員と一緒に良いものに修正していくことも、従業員の参画
      意識を高める上で有効な策といえます。

  □計画策定の心がまえ

   計画を立てること自体が目的ではありません。

   自社の将来の目標に向けて具体的な実行手順を示したものが計画です。

   計画と行動が結びつくようにするためには、次のような点に注意してつくるようにし
   ます。

    <進 め 方>

     ○全員参加で経営計画を立てること      

    <計画内容>

     ○前年度の反省を生かして計画を立てること

     ○全体計画に基づく実行目標を具体的に掲げること

     ○計画は月別に立て、具体的にイメージしやすいものにすること

     ○利益計画と資金計画が連動していること

    <体 制>

     ○計画の遂行に対する責任・権限体制を明確にすること

     ○計画達成の評価が正しく行なえるよう進捗管理体制を整えること

     ○月次での計画と実績のギャップを確認し、原因をつきとめ改善すること

 
     ○四半期ごとに見直しを行ない、再策定を行なうこと
   
  ■計画を実現するための管理手法

  □管理対象(なにを管理するのか)

    ・手段を予定どおり遂行したか
     目的を実現するための『手段』を遂行できたかどうかを確認する。

     予定どおり遂行できなかったとすれば、阻害要因を取り除く補完策や代替策
     を講じる。 

    ・手段は目的に対して効果的だったか

     遂行した『手段』が目的の実現に向けて効果を発揮したかどうかを確認す
     る。  

     効果が確認できなかったり不十分だと判断されれば、補完・代替策を講じる。

  □管理主体(だれが管理するのか)

    ・もっとも重要なのは日常の自己管理

     成果をあげるために手段の遂行を担う本人による自己管理が基本。

     日々の業務の中で常に補完・代替策を考えていけば、確実に目的実現に近
     づく。

    ・上司や同僚によるチェック

     上司は定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて指示・助言を与える。

     共通の目的に向けて役割を分担する同僚も、適宜情報を交換して行動を修
     正する。

     「誰(人)」ではなく、効果を上げるための『手段』と、手段による『効果』を管理
     の対象とする考え方を目標管理の基本とします。

     「誰」を管理の対象にしてしまうと、個人の属人的な手段に管理がとどまり、組
     織全体の手段(ノウハウ)として共有できない恐れもあるからです。

     その『手段』で業務を遂行すれば誰でも『効果』を上げられる仕組みを創り上
     げることは、特定の個人が属人的に短期的な売上を上げることよりも、組織に
     はるかに大きく貢献していると言えます。

     また、上司によるトップダウン型の管理ではなく、日々の定常的業務の中で
     『手段』の遂行を担う本人が自発的に修正・改善・遂行を繰り返す自己管理型
     の環境を創ることが大切です。

     したがって、上司の管理者 としての最大の役割は、

      (1)このような環境を創ること

      (2)チェックやアドバイスで部下が採用している『手段』を改善すること

      (3)その『手段』を組織としてのノウハウとして蓄積・共有・浸透させること

   以上のように、計画の進捗に関する事実(行動を実践した事実、効果が得られた事実)
   をチェックするという体制が必要です。

   ヒトを管理しようとすると、アラ探しや責任追及に目が向いてしまい、事業の推進力が
   削がれてしまうことが多いので、それぞれの役割を担うメンバーが自己管理のもとで
   業務を推進することです。

   それでは、具体的な営業管理の方法について考えてみましょう。

   代理店の競争力は、営業担当者のレベルに依存するところが非常に大きいと言え
   ます。

   営業担当者のノウハウを個人的な能力としてとどめておく限り、代理店の競争力は
   向上しません。

   代理店経営においては、お客様シェアを拡大する、すなわち、お客様と長期的な関係
   を構築し、お客様の生涯価値( Life Time Value)を高めることが不可欠となります。

   そのためには、お客様一人ひとりのニーズに対応する “One to one” マーケティング
   重要です。

   お客様一人ひとりのニーズを把握するには、まず、「お客様を知る」ことが必要です。

   各社(店)では独自のやり方で “One to one” 対応を実践しているはずです。

   「アンケート調査」でお客様の本音を探る、「対話」を重視するなど様々ですが、大切な
   ことは、自社(店)に合ったやり方でお客様を知ることです。

   組織全体のレベルアップにつながる営業管理の仕組みが必要となります。

    (1)PLAN

      営業担当者の行動予定表を作成し、組織として共有します。

      中長期計画には具体的な訪問予定は入れられませんが、重要なお客様○○社
      への拡販といった戦略的な項目や更改予定等予め長期的なスパンで分かるも
      のが中心となります。

      短期であるほど具体的になります。(重点訪問先を入れる等)


    (2)DO

      営業日報が日常の情報収集のツールとなります。

      報告は口頭ベースで記録を残さない代理店が大半ですが、組織的に営業力を
      高めようとすれば、口頭以外での情報共有化ツールとして営業日報は重要とな
      ります。

      ここで得る情報は営業進捗情報等の「セールス情報(営業進捗・営業効率)」と
      営業戦略のベースともなる「マーケティング情報(お客様・競合・商品・価格
      等)」の2通りがあります。


    (3)CHECK

      「マーケティング情報」は、お客様管理表(顧客データベース)に蓄積し、メン
      バー全員が共有して代理店としての営業戦略を検討するベースとします。


    (4)ACTION
 
     上の情報をベースに次の新たな打ち手を講じたり、現在のやり方の軌道修正を
      行い、次期計画に反映させます。

 

   経営計画は、代理店が計画的に経営を推進し、目標とする成果を収めるためのもの
   です。

   これは、単なる数字をあてはめるのではなく、その目標を達成するための、戦略・戦術・
   戦闘が具体的に示されていることが必要です。

   具体的に示されたこと(決まったこと)の進捗状況が随時チェック&コントロールされて
   いなければなりません。

   最後に、

   今日の経済界は、変化(チェンジ)しているのではなくして、革新(イノベーション)
   しているのである。
   流通業界も同様に、革新につぐ革新で、その様相の変化は目まぐるしいからこそ、
   私どもは強調するのである。
   「変革が激しいからこそ、少しでもムダな行動を避けるために計画が必要なのであり、
   予測がむずかしいからこそ、衆知を集め頭をしぼって考えをめぐらさねばならないの
   である」。
                                 ― P.Fドラッカー ―


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