目標達成の秘訣は『目標管理(シート)制度』と『評価制度』の整備 


  なぜ、目標達成が画餅に帰してしまうのでしょう?

  どのような目標であっても計画を立てることから始まります。

  しかし、計画を立て、実行に移し、目標の達成ができているでしょうか?

  未達の要因を挙げると次のようになります。

   ①目標が理解できていない

   ②具体的な行動計画がない(目標数値が単に数字の羅列に終わっている)

   ③結果の検証ができていない(数字の検証だけで終わっている)

   ④計画自体に実現の可能性がない(目標計画が願望だけで立てられている) 

  ④の「計画自体に実現可能性がない」を除けば、「(1)目標を理解し、(2)具体的な行動
  計画を立て、③プロセスを検証し修正を加えていく」ことができれば目標未達の悪循環
  から抜け出すことができるのです。

  この「目標を理解し、具体的な行動計画を立て、プロセスを検証し修正を加える」すなわ
  ちPDCA管理をトップ及び全社一丸となって徹底していくことで、目標未達の悪循環から
  抜け出すことができます。  

  ■目標管理を進めるポイント

  「目標を理解し、具体的な行動計画を立て、プロセスを検証し修正を加える」(*PDCA管理
   をトップを含め、全社一丸となって徹底していくことが、悪循環から抜け出す唯一絶対の方法です。

   全力を尽くしても目標達成ができないのであれば、それは「④計画自体に実現の可能性がない。」
   と考えてみることです。

 「目標を理解し、具体的に行動を立て、プロセスを検証し修正を加える」ことは短期的な
   目標管理だけでなく、中長期的に「不可能な目標を可能」にする有効ツールであると考えることが
     できます。

  *PDCA のサイクル
  目標を設定したら、必ず達成状況を検証しなくてはいけません。
  PLAN(目標設定)⇒ DO(実行)⇒ CHECK(検証)⇒ ACTION(目標の修正と実行)

   
  □面談制度の導入

   上司は部下のことをよく見て、理解して、部下ひとりひとりに合ったコミュニケーション
   の方法をとらなければならないのです。

   部下とコミュニケーションを取るのが上手な管理職ばかりではありません。

   そこで、コーチングスキルの習得が必要となります。

   コーチングは部下の目標達成をサポートするためのコミュニケーション手法として大き
   な力を発揮します。

   部下との面談を通して、部下には「自分のことを聞いてもらえた、理解してもらえた」
   という満足を与え、やる気を引き出すことができます。

   そして、上司は管理職として必要なコミュニケーション能力を養うことができます。


  ■目標の理解

   「目標を理解させる」ことは「会社経営と利益の仕組みを理解する」ことそのものです。

   最悪なパターンは、「この目標は至上命令 だからやれ!」と強制的に目標を上意下達
   し、日々激しく「目標達成!」と連呼させて、うちは全社員に目標意識を徹底させている
   と信じきっている管理者(リーダー)です。

   目標を理解するためには、先ず、「会社経営」と「利益の仕組み」を理解させることが
   秘訣となります。

   営業部門で売上目標が10%不足したら、利益はいくら減るのでしょう?

   残念なことに、過半数の社員が答えられないのが、現実ではないでしょうか。

   これを正確に即答できる社員が、「利益の仕組み」を理解している社員と言えます。

   目標を理解する最初の一歩は「売上の10%(○○万円)が利益にとって、どのくらい
   重要なのか?」を知ることから始まるのです。

            目標は絶対のものではなく、方向を示すものである。
            命令されるものではなく、自ら設定するものである。
            未来を決めるものではなく、未来を作るために資源と
            エネルギーを動員するためのものである。
                                  (P.F.ドラッカー)
   
  □目標管理制度(システム) の導入

   「目標」とは、いうまでもなく、数値目標だけをいうのではありません。

   目標管理制度とは、上司との面談などを通して従業員一人ひとりが自らの目標を設定
   し、その目標を従業員が自己管理することによって、自らと組織の目標の達成、能力
   開発を実現することを目的とした制度です。

   目標には、数値目標のほかに、遂行職務のレベルアップ目標や能力向上目標、
   業務姿勢の改善目標など
があります。

   社員一人ひとりが、担当する職務に関して一定期間内に達成すべき目標を自主的に
   設定し、その目標実現のために意識的、能動的に努力することによって、業績向上と
   能力向上を図ることを目的とします。

   目標管理システム(制度)を導入する際に用いるのが「目標管理テンプレート」です。

   目標管理テンプレートは、「業績目標」、「職務遂行目標」、「能力開発目標」、「業務
   改善目標」の四つの目標を設定し、期間終了後に「自己評価」と「上長評価」をし、次期
   への課題を明らかにすることによって、目標を実現して行くことを目的としたものです。

   目標管理制度を導入する上で次に関心事になることは、「人事制度とどう連動させる
   か?」という点にあります。

   成果主義人事制度の目的は「成果を査定すること」ではなく「成果を上げること」です。

  □適正な目標設定をする

   ①できるだけやってみようという努力目標でなく、ゴールを明確にする

   ②目標は総花的にならないよう、重点的に設定する(3〜5項目程度とする)

   ③目標達成のスケジュールと具体的な方法、段取りを明らかにする

   ④中長期的な目標と短期的な目標をバランスよく設定する

   といった点に留意することです。


  ■具体的行動に落とし込む

   具体的な行動計画(達成のシナリオ)を描けることが、本当の「目標を納得」ということ
   であり、目標を達成するために重要なステップです。

   目標を達成するための行動計画は、先を見越して前倒しで計画立てていかなければな
   りません。

   現在の営業や販売の仕掛けは、半年以上先の業績結果として現れることが多々あり
   ます。

  □行動計画の具体化(達成のシナリオ作り)

   ①行動の狙い(目的)の確認

   ②ターゲットの明確化

   ③行動の具体的方法の決定

   ④責任者の選定

   ⑤期間の決定

   ⑥行動を阻害する要因の想定
 
  ここで最も重要なことは「⑥の阻害要因の想定」です。

  厳しい環境下で高いレベルの目標を達成するためには、考えられる阻害要因をできるだ
  け多く想定し、その対策を講じておくことが非常に大事な要素になります。

  阻害する要因の多くが以下の点に集約されるのではないでしょうか。

    (1)忙しくて実行する時間がない

   (2)スケジュールの遅れに気付かない

   (3)計画自体を忘れてしまう

  「これだけ周到に計画をしたのだから絶対に成功する!」と思えるまで、行動計画を落と
  し込むことが、達成のシナリオ作りです。

  ■経過の検証、修正

   目標を達成するための3つ目のポイントは「計画の段階から検証の時期、確認事項」を
   決めることです。

   「修正」の効かない検証は「検証」ではありません。

   適正な(次なる一手の打てる)タイミングで検証することが目標達成において重要なポ
   イントとなります。
  
  ■評価制度

   目標管理と評価制度をどう連動させたらいいでしょうか?   

  
  □成果主義制度

   昨今「成果主義人事制度」に対して否定的な出版物やコメントが多いようですが、本当に
   成果主義人事制度は間違いなのでしょうか。

   制度自体は間違っておらず、問題なのはその企業における導入の目的と運用方法に
   あります。

   成果主義人事制度は目標達成する企業風土づくりに欠かせない効果的なツールなの
   です。

  □成果主義制度の目的

   成果主義制度とは何かについて考えてみましょう。

   「成果を上げた人が高く評価される(査定)制度」というのが一般的です。

   間違いではないが、問題は「査定することが主目的」になっている点にあります。

   本来、成果主義制度とは、「高い成果を上げるための人事制度」であって、主目的は
   「高い成果を上げる」ことであったはずです。

   ですから、成果を上げるために制度を運用し、結果として成果に差がついてしまったら
   処遇に差をつけるだけでいいのではないでしょうか。

   しかし、査定(=価格を決定する)を目的とするために、半ば脅迫概念のように、人事
   主導で「格差をつけること」と「成果を明確にし、客観性を持たせること」が迫られる。

   それを第一優先に考えていくと、「結果主義」になってしまうケースが多くなるのです。

   「結果で査定される」こと自体は間違いではないのですが、問題はいつの時点の結果を
   結果とするかにあります。

   本来、企業活動とはGoing concern(永遠の継続体)であって終わりはないのです。

   しかし、査定を目的とすると、当然、査定期間を設定してその期間内の成果を査定する
   ことになります。

   つまり目標達成となる、ある一定期間での成果もしくはある時点での結果を以って測ら
   れます。

   つまりその時点で、辻褄あわせが社員にとって最大の関心事になってしまうのです。

   そこに、場当たりな仕事になってしまう危険性を含んでいると言えるのです。

  ■評価制度運用のポイント

   評価制度の運用のポイントは

    ①長期的視点に立った処遇反映

    ②プロセスと結果のバランス

    ③大きな格差をつけることを目的としない

   の3点です。

  □長期的な視点

   頻繁にプロセスを検証し、行動修正をすることは、目標管理を進める上でとても大事な
   ことです。

   しかし、短期的に結果を確定し、処遇(給料や賞与)に反映させることとは別の問題
   です。

   働く人間にとって処遇(給料・賞与)は重要な関心事です。

   処遇が短期的成果で変化するということは、社員が短期的成果(悪く言えば「目の前の
   利益」、「今すぐ成果につながること」だけに集中してしまう危険性を含んでいるといえ
   ます。

    短期的処遇に反映 ⇒ 社員が短期的結果に意識が向かう

    長期的処遇に反映 ⇒ 社員が長期的視点に立って行動する

  □プロセスと結果のバランス

   大きな差をつけることが目的となると、評価の客観性が重要視され、結果評価に重点
   がかかりすぎてしまいます。

   客観性は重要であり、客観性を持たせるうえで数値化することは有効な方法です。

   しかし、客観性を確保するために、あまり意味のない数値化や結果管理に終始してしま
   うのであれば本末転倒です。
 
   目標達成させるために大事なことは「計画されたことを実行し、検証し修正しているか」
   であって、その中には必ずしも数値化できないプロセスをしっかり評価することが求めら
   れているのです。

   適正に評価をしてそれ相応に処遇することは、目標管理を進める上で、またモチベーション
   マネジメントのうえでも重要なことですが、「査定し格差を設けることが本来の目的
   ではない。」ことを認識しておきましょう。  

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