募集・採用時に禁止されている間接差別

  ■募集・採用時に禁止されている間接差別

   ある中小企業(創業30年、従業員約100人)では、創業から現在までは東京にある
   本社のみで業務を行っており、支店展開等の計画は
今のところありませんが、創業
   当初から総合職の新規採用に関しては、全国転勤が
可能であることを要件として
   募集をしています。

   このような募集要件を掲げて採用を行うことに法的な問題はあるのでしょうか。

   男女雇用機会均等法では、コース別雇用管理における「総合職」の募集または採用
   に当たって、合理的な理由がなく転勤要件を設けることは「間接差別」として禁止され
   ています。

   事例の会社においては、長期間にわたって転勤の実態がないにもかかわらず、全国
   転勤ができることを募集要件にしているため、間接差別に該当し男女雇用機会均等
   法違反となる可能性があります。

  □男女雇用機会均等法とは

   近年、女性の就業意識の高まりなどを背景に女性労働者が増加しています。

   総務省の労働力調査では、2013年平均で15歳〜64歳女性の就業率は
   62.4%と前年に比べ1.7ポイント上昇し、過去最高の比率となっています。

   男女雇用機会均等法は、職場における男女の均等取り扱いを規定し、女性が差別を
   受けずに、家庭と仕事が両立できるよう作られた法律で、1986年4月に施行されて
   から改正を重ね現在に至ってる。

   具体的には、事業主は男女労働者を、募集・採用、昇進等において性別を理由に
   差別することや、婚姻・妊娠・出産を理由として女性労働者に不利益な取り扱いを
   することを禁止しています。

   また、事業主は職場におけるセクシャルハラスメントをなくすため、雇用管理上必要
   な対策をとらなければならないとも規定されております。

   男女雇用機会均等法に違反した場合は、国から雇用管理を是正するよう指導され、
   是正されない場合は企業名公表の対象となる場合があります。

  □男女雇用機会均等法における間接差別とは

   募集・採用や昇進等の場面において、会社は性別を理由に差別することのみを注意
   すれば良いわけではありません。

   男女雇用機会均等法では、たとえ性別以外の要件でも、業務上必要な筋力以上の
   筋力を求めることや、不合理な転勤要件などで、労働者の募集・採用、昇進等に差を
   付ける「間接差別」を禁止しています。

   厚生労働省令では以下の3つのケースが間接差別にあたり禁止されていますが、
   これ以外にも間接差別に該当する可能性のあるケースは、裁判において違法と判断
   される場合があります。

  □男女雇用機会均等法で禁止されている間接差別

   ①労働者の募集または採に当たって、労働者の、体重または体力を要件と
    すること。
    (例)荷物を運搬する業務を内容とする職務について、その業務を行うため
       に必要な筋以上の筋があることを要件とする場合。

   ②すべての労働者の募集・採用、昇進、職種の変更に当たって、転居を伴う
    転勤に応じることができることを要件とすること。(平成26年7月1日施行※)
     ※平成26年6月30日までは、総合職の労働者の募集・採用に当たって、
       合理的な理由なく、転勤要件を設けることが、間接差別として禁止
       されれていた。
       (例)広域にわたり展開する支店等はあるが、期間にわたり、転居を
          伴う転勤の実態がほとんどない場合。

   ③労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること。
    (例)昇進の際に、その職務をう上で異なる支店の経験が特に必要とは
       認められないにもかかわらず、異なる支店における勤務経験を必要と
       する場合。

   長年会社の慣例として行われている採用や昇進の基準が、実は男女雇用機会均等
   法に違反しているということもありますので、この機会に一度会社内の基準を確認
   することをお勧めします。

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