起業家のための新規事業の方向性
 

  ■新規事業の方向性を探る

   新規事業の方向性の検討は、新しい着想や思いつきを一歩進め、そこから展開
   できそうな製品やサービス、ターゲットとなる顧客をイメージすることからはじまります。

   そして、新規事業の方向性の手がかりをつかむコツは、「自社(自分)の周辺から
   事業のネタをいかに導き出していくか」にあります。

   ここでは、新分野進出を検討する企業と、独立開業スタイルで事業を起こそうとす
   る起業家の2つの立場に分けて、基本的なアプローチ方法を紹介します。

  □既存事業から見た方向性の検討

   すでに事業を展開している企業では、新規事業の方向性を既存事業の延長線か
   ら見出していきます。

   たとえば事業展開の方向性を次の図で表わす4つのパターンから検討します。

   自社を取り巻く環境を踏まえながら、どの事業分野に進出したらよいのかを検討
   します。

   既存事業との相乗効果と経験をいかす観点から、「a → b → c → d」の順序で
   新規事業の方向性を探っていきます。

   この順番は一般的に事業リスクの高まる順番でもあります。

   b.新技術の展開、c.新市場の展開は、現有の事業ノウハウの技術や市場を軸
   に置き、新規事業を模索していくことから、比較的容易な事業が考えられます。

   しかし、d.新市場・新技術の展開となると、自社には事業ノウハウがまったく存在
   せず、リスクの高い事業分野であるといえます。

   実際に、自社の新規事業の可能性を「ワークシート:新規事業の方向性マトリクス
   に整理してみましょう。

   ワークシートでは、さらに、細かく9つの事業分野に分類しています。

   自社の既存事業を基点にして、順番に考えられる新規事業を列挙し、多角的に
   新規事業の方向性を見出していきます。

  □独立開業者から見た方向性の検討

   脱サラなど独立開業で新規事業を展開する場合、自分自身が保有しているノウ
   ハウや置かれた生活環境から新規事業の方向性を見出していきます。

   たとえば、次の4つの視点から事業のアイデアを整理し、新規事業の方向性を明
   らかにします。

   「ワークシート:起業の方向性分析」をあわせて参照し、実際に書き出してみましょう。

   (1)自分が保有している「強み」からのアプローチ

     独立開業者が保有している強みには次のようなものが考えられます。

      ・これまで培ってきた仕事での実績、経験

      ・製品、サービスにかかわる技術や技能、ノウハウ

      ・資格、免許などの顕在化している専門能力 

      ・独創的なアイデア

      ・豊富な個人資金

      ・広範な人的ネットワーク

      ・健康、若さ、精神力、やる気など

     これらの強みをいかすことから製品やサービスをイメージし、それに対しどの
     ような市場や顧客が見込まれるのかを構想していきます。

   (2)自分のやりたいことからのアプローチ

     「自分がやりたいことは何か」「自分の好きなことは何か」といったことを明らか
     にします。

     その延長線上に新事業の“ネタ”があると考えます。

   (3)自分のライフスタイルからのアプローチ

     家族を含めた自分のライフスタイルを整理してみます。

     仕事のスタイルとライフスタイルを融合させることで、思わぬ新規事業の可能
     性が拡がるかもしれません。

     たとえば、要介護の高齢者が自宅にいる場合、介護をしている経験を活かし
     介護ビジネスを構想してみるなどが考えられます。

   (4)社会の変化からのアプローチ

     社会の変化が思わぬビジネスチャンスを生み出します。

     これから有望なビジネスは何か、将来のトレンドになりそうなビジネスは何かと
     いう視点で、自分が興味あるビジネス分野から整理するのもひとつの方法です。

     ビジネスに栄枯盛衰があるという考えから、次のような事業ライフサイクルの
     各過程ごとに起業の方向性を探ってみましょう。

      未知ビジネス…ある特定の人が温めているようなビジネス

      ↓・方向性の例:自分が独創的な事業シーズを見出す

      有望ビジネス…将来有望視されているが、事業化はまだ本格化して
                いないビジネス

      ↓・方向性の例:事業を立ち上げるスピードを確保する

      成長ビジネス…成長の過程にあり、参入者が増加しているビジネス

      ↓・方向性の例:多数の競合に負けない差別化項目を見出す

      成熟ビジネス…市場の成長が止まり、価格競争、寡占状態が強まった
                ビジネス

      ↓・方向性の例:飽和、成熟した市場のすき間を狙うような事業アイデア
                をさがす

      衰退ビジネス…市場が縮小し、撤退企業が増加しているビジネス

      ↓・方向性の例:衰退した市場を蘇生させる事業アイデアをさがす

      事業の消滅または復活

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