経営幹部(管理者)のための職務分担


  経営者や経営幹部の方を対象として、経営幹部陣の生産性向上手法のひとつであ
  る、職務分担表の作成方法をご案内します。

  ■役割分担が曖昧だから話が進まない

   1.「わかっていないな」とぼやく前に 

     社員が各自の役割を認識できていること。
     それが社長をはじめ経営幹部の認識と一致していること。
     簡単なことのようですが、実際には互いの認識にギャップがあることがほとん
     どです。

     「我が社の課題はこれだ!」と誰もが認識しているのに、いつまで経っても解
     決策が出てこないのは、あるいは、誰も具体的に手をつけようとしないのは、
     責任者、遂行者たるべき人が「これは自分の仕事」と認識していないからなの
     かもしれない。

     すなわち、経営者と幹部や幹部同士の間でも認識のギャップがあるのではな
     いでしょうか。

   2.思い通りに動いてくれない幹部には、彼の役割分担を明確に示す

     このようなとき、各幹部間、あるいは幹部と経営者の間の認識のギャップを調
     整し、改めて互いに納得できる職務分担表を作成することで各自の役割を明
     確にし、業務効率を高めることができます。

  □ジョブ・アナリシス・システム 

   1.ジョブ・アナリシス・システム実施のステップ
     「ジョブ・アナリシス・システム」は、主に経営陣の間で互いの役割認識にギャッ
     プがないか確認し、またギャップがあるような重要業務については
      ・誰が責任者か
      ・誰が実務担当者か
      ・誰と誰は進捗を知っていなければならないか
     ということを話し合っていくための手法です。

   2.職務分担表の効用

     「ジョブ・アナリシス・システム」によって職務分担表を作成することが最も効果
     をあげるのは、
      ・管理者がまだ十分に育成できていないとき

      ・新たな業務に取り組むとき

     です。

     関係者全員が互いの役割分担について考えることを通じて、組織内のコミュニ
     ケーションをよくし、それぞれが自分の任務を明確に認識することができるた
     め、組織の生産性が大きく高まるのです。

      職務分担表の効用

       ・幹部間の役割分担が曖昧で、現在進捗が遅い業務の活性化が図れる

       ・新しく決定した施策のスムーズな実現が期待できる

       ・つねに業務にあたる際に関係者各人の役割分担を明確にしようとする
        習慣が定着する

  ジョ・アナリシス・システムを実施する
   1.調査対象業務の設定と関係者のリストアップ

     まず、経営者が「職務分担についての認識を一致させる必要がある」と考える
     業務を書き出し、さらに、設定した業務領域のそれぞれについて、関係者を書
     き出します。

     ここであまりたくさんの事柄を書き出しても、また、あまり多くの関係者をリスト
     アップしても、作業が煩雑になるだけです。

     まずは、「これこそ経営陣・経営幹部の仕事」という業務だけをとりあげ、それ
     に関連して「一定水準以上の判断業務をこなす人」だけを選び出せばよいで
     しょう。

   2.関係者の現状認識調査

     いよいよ調査の開始です。
     調査は次のような調査票を用いて、アンケート形式で行います。

   3.「業務遂行責任者」の存在の確認

     アンケートを回収した後、調査票と同じフォーマットを用意し、すべての回答の
     中から本人の回答を本人の欄に書き写していく(*)。  

     作業が終了したら、次の3点をチェックします。

      ・各業務ごとに業務遂行責任者が存在しているか

      ・1つの業務について「自分が業務遂行責任者」と
       主張する人が2人以上いることはないか   

      ・承認を与えるとした人が同じ業務に2人以上いないか

      *分析表では、

       たとえば、縦軸の「営業部長」の列には営業部長本人のアンケート回答を
       写し、「開発部長」の列は開発部長本人の回答を写します。

     分析例の表でみると、誰も「自分が遂行責任者(記号:B)だ」と考えていない業
     務がかなりあります。

     これでは業務が先に進むはずがありません。

     また、この例では見られませんが、自分が責任者と認識する人が1つの業務
     に何人もいる場合も、やはり問題です。

     そこで、このときに、問題の発見されたそれぞれの業務について、誰が遂行責
     任を負うべきかを検討します。

     同様に、「承認を与える」と考えている人が複数いる業務についても検討・調整
     を行います。

   4.「業務遂行責任者」の認識と各対象者の認識の照合

     すべての業務について遂行責任者が決まったら、他の幹部はそれぞれの遂
     行責任者が各人に対して期待している役割を果たしていかねばなりません。

     この点で認識のギャップがあると、また全体の動きがぎくしゃくしてしまうので、
     それぞれの認識を照合し、調整を行っていくわけです。

     まず、再度新しいフォーマットを用意し、記入欄に線を引いて上段と下段に分
     けて、各業務について

      ・遂行責任者の考える「他の各幹部の役割」を上の段に

      ・各幹部の認識している「自分の役割」を下の段に

     記入していきます(事例では、「生産計画の策定…」の行については、遂行責
     任者である「生産部長」のアンケート回答を上段に書き移す)

     次に、それぞれの欄の上段と下段を比較するわけです。

     事例では生産部長は開発部長に「C:限定責任」を負ってほしいと思っている
     のに、開発部長本人は「D:相談を受ける」だけでよいと思っているというような
     ギャップが発見できます。

     このようにして、ブレーンストーミング形式の討議で各々の役割を話し合い、調
     整ができたら、確定した役割をこれまでに用いてきたフォーマットに分析表と同
     じ形式で清書します。

     これが「職務分担表」です。

     これを用いることで、各人が自分の役割を明確に自覚し、また、お互いにどん
     な役割を期待し、どんな役割は期待すべきでないかを理解するという効果が
     期待できますので、個々の業務について経営陣のチームワークのとれた活動
     が可能になるでしょう。

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