業務マニュアルの作成


  □業務マニュアルの作成手順

  1.マニュアルに記載する内容

    実際の職場では業務がただ単に「できる」レベルでは困ります。

    業務の効率や品質、個人情報流出防止など、最もよい方法で業務が遂行されなければ
    なりません。

    また、さまざまな製品を扱ったり、顧客からの要求ににも対応する必要がある
    でしょう。

    このように実務ではさまざまな事態が発生し、その全てに対応できる環境整備が求めら
    れます。

    マニュアルに記載すべき内容は業務手順の
    解説以外にも以下のことも必要となります。

   (1)帳票などの標準サンプル

     業務で使用する帳票、作成する帳票、取
     り扱う製品などの標準的なものをサンプ
     ルとして示しておく。

     ①実務で扱う主要なものをサンプルとして示
       し、実務を全く知らない新人でも、どのよう
       なものかをイメージできるようにする。

     ②帳票、製品、設備、道具など実物または

       写真で示す。

   (2)業務要領(コツ)

     業務効率、品質、CS、ES、個人情報管理等の
     面を実務担当者が業務を行う際に注意すべきことを解説する。

     ①「暗黙知」を「形式知」化する

     ②業務要領は自社のノウハウ

   (3)例外処理の方法

     マニュアルに記載された業務手順は、標準となる業務のやり方です。

     しかし、場合によってはイレギュラーな事態が発生し、標準の手順とは異なる取り
     扱いをしなければならないこともあるはずです。

     そうした場合については、あらかじめそれがわかっているのであれば、方法につい
     てもマニュアルに解説書とあえて記載しておきます。

     ①例外処理はミスにつながりやすい

     ②例外処理の対応は企業の競争力となる

     ③解説書にまとめることで、習得期間を短縮できる

   (4)対応事例

     接客、営業などお客様に応じた対応が求められる業務は、過去に発生したパター
     ンの具体的事例を示しておく。

     ①形式的な処理がしにくい接客、開発などの業務

     ②事例集を活用することで習得(教育)期間を短縮できる

     ③実務での成功・失敗事例をまとめる

   (5)チェックリスト

     業務を確実に行えるように、業務を行う本人またはリーダー(管理者が業務の状
     態をチェックするためのリストを準備しておく。

     ①マニュアルで定めた業務が標準どおり行われているかどうかを徹底

     ②確認すべき事項をリストアップできる様式であること

     ③仕事のモレ防止とともに業務の評価にも活用


  2.マニュアルの記述ポイント

    記述に際しては、「わかりやすい」「読みやすい」「活用しやすい」をを基準に進 
    めます。

    (1)重要な点、結論を初めに、次に各論・説明をを記述するするのが原則。

    (2)利用者の知識レベル、業務経験の度合いなど読み手のレベルに合わせた
       記述。

    (3)用字・用語は統一し、難しい用語には解説を付ける。

    (4)利用者が理解できるように、曖昧な表現は避ける。


  3.維持管理

   マニュアルには常に標準化された正しいことが記載されていることが基本であること
   から、常に適切な見直し(更新)を行います。

   (1)見直しのタイミング

     ①業務の変更時

      ・製品・サービスの変更が生じたとき

      ・組織や体制の変更時

      ・法令の制定や改正時

     ②定期、随時見直し

      ・毎年○月に見直す

      ・内容の間違い、追加事項に気づいた時

      ・新しい業務のやり方が提案された時

   (2)見直しの体制とルール

     ①部門ごとに体制とルールをつくる

     ②業務計画とマニュアル管理を連動させる

     ③更新履歴管理表に登録する

   (3)人事制度に組み込む

     ①評価制度のなかで活用

     ②昇格の判断基準にする


  成功は、「決めたことを決められた通り継続実行していくことだけ」計画(実行プラン)が
  ないから、やるべき優先順位が逆だったり、やらなくていいことを優先してやっている。

  継続して増収するには、収益を確保できる体制を構築しなければならない。

  また、あなたや社員がストレスを感じることなく、仕事を行える労働環境を整えることが必
  要です。

  だから業務のシステム化が必要なのです。

  誰がやっても、同じ結果がでてくるというシス
  テムをつくる。

  業務の標準化はマクドナルドやディズニーラン
  ドに見ることができます。

  業務システム化の代表であるマクドナルドは、
  どの店にいっても対応も味も変わらない。

  しかもその均一なサービスを提供している担い
  手は、アルバイトの社員。

  ディズニーの社員(キャスト)も9割がアルバイトで、
  マニュアルは300以上もある職種別にできている。

  つまりマニュアル化により、業務を標準化することで、経験の少ない社員でも十分仕事がで
  きるようにしている。

  中小企業の多くが日々の業務に追われ、マニュアルを作ったり、研修をする時間をとるこ
  とができません。

  結果、「仕事は自分で覚えるものだ」といって、新人をほったらかしにしてしまいます。

  自分で覚えないような人間は「だめなのだ」と考えがちになるのです。

  あなたなら、どのように業務の流れを指導するのか?

  あなたが直接掛かりきりで指導するのか?

  それとも、時間がたてば自然に仕事を覚えて、自分の代わりになってもらえるだろうと期
  待するのか。

  だが現実には、いつになっても仕事を覚えない。

  挙句に、説明するよりは、自分でやった方が早いので、自分でやってしまう。

  よって社員は、いつまでも仕事を覚えないという悪循環にはまる。

  このように、社員が育たないことを、当人の能力のせいであると決め付けてしまっているの
  です。

  仕事を覚えないのは、社員の能力が原因なのではなく、覚えさせる機会(環境)を与えてい
  なかっただけです。

  多くの会社では、毎週1 回、業務の改革・改善ミーティングと称し、現在の業務の問題点と
  解決策を、全員で議論しています。

  すると「日々の営業成績を璧にはろう!」「営業レポートの作成を自動化しよう!」「日報
  の記載を紙から、コンピュータで見られるようにしよう」と様々な改善策が社員から出さ
  れます。

  しかし、決して実行できないでいます。

  その理由を考えると、まず忙しいということである。関係する社員のスケジュールを
  合わせ、打ち合わせをするだけでも難しい状況です。

  さらに中長期にわたる業務改善は計画が必要になるので、計画を作成するのに時
  間がかかる。

  計画はできたが、計画を進めるためには常にチェック・コントロールするコーチが必要にな
  ってきます。

  「業務を改善しよう!」と声をあげるまではいいのだが、ほぽ100%実行できない。

  結局、効果が上がらないので、業務改革ミーティング自体、尻すぽみになり中止になってし
  まうのです。

  正しい業務(作業)のあり方は、口頭ではなく、文書のみでしか表現できないものなのです。

  簡単なものでいいから、仕事のやり方を明確に伝えていくマニュアルがあれば、短期間で仕
  事を覚えるようにできます。

  簡易マニュアルを作ることによって、考えもしなかったメリットを得ることができます。

    1.研修時間が短くても、効率的に商品を覚える。

    2.「仕事の品質」が「人の品質」によってあまり左右されなくなる。

    3.現状が明確化されるので、問題点を改善させることがスムーズである。

    4.「役割分担」* ができることで、トップ・幹部はより生産性の高い仕事に集中でき
      るようになる。

    5.役割分担の確立により無理なく増員ができる。

  完璧を目指したマニュアルづくりはムダです。

  マニュアルは完璧である必要はありません。

  要するに、仕事の内容を明確化して、第三者でも仕事の流れを短時間に把握できるように
  することが目的です。

  業務のシステム化に終着点はありません。

  事業を営む限り、常に改善し続けていくものです。

  マニュアルは、一定の段階までの絶対的な条件・方法を示すもので、そのあとはマニュアル
  の範囲内でいくらでも能力は向上させていけます。

  正しいマニュアルがあれば、毎日がトレーニング(教育)ということになり、しかも、そのマ
  ニュアルを実行することで収益(増収)が上がっていくのだから、やりがいがある。

  「決めたことを決められた通り、継続実行していく」には無理があってはなりません。

  マニュアルは誰でもわかるようにシンプルでなければならない。

  どうしたら途中で断念せず続けられ、どうしたら効果があがるのか。

  この答えを出すには、

  1)苦労して作り  2)何度も試してみて 3)修正を続ける である。

  あなたは事業を運営していく上で、誰に変わっても同品質に保てる業務の手順書(マニュ
  アル)がありますか?

  電話応対の仕方、業務事項の電話対応、セールストーク等、まず、身近なことからつく
  ってみましょう。

 

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