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契約書作成の基本 |
■契約書に関する基本的な約束ごと 1.契約と契約書の関係 契約というのは、「双方の合意」に基づくものであり、口頭であってもお互いに したがって、契約書に調印しなければ契約は有効に成立しないとか、契約書を これは、 契約を結ぶ形式は各人の自由であり、 という「契約自由の原則」の内容である「契約方式の自由という原則」があるた 「契約方式自由の原則」によれば、あえて契約書を作る必要はないのですが、 また、たんなる約束ではなく、法的な効果の発生する「契約」であったと後に主 証拠として考えた場合、契約に立ち会った立会人の証言等も有力ですが、何 したがって、口頭契約で済ませてしまうよりも、書面による契約をするほうがよ このように 契約書は、「契約の成立」、「契約内容」を立証する であり、つねにこの目的を念頭において契約書を作ることが重要なポイントと ただし、贈与契約に関しては、書面を取り交わしていなければ各当事者が契 よって、贈与契約における契約書は、たんなる 「証拠」以上の特別な効力が ・契約の成立時期・有効期間を明記する ・契約の当事者を確定する ・契約の趣旨・目的を明らかにする ・契約の対象・目的物を正確に表示する ・定義・用語を正確に使用する ・双方の権利・義務の内容を明確にする もっとも簡単に、そして内容に不足がないように契約書を作成するならば、最 ・約束の事項が法律に規定されていない点 ・法律の規定と違った取り決め(特約)をしたい点 について記載するようにします。 契約の内容が不明確であったり、決めていない事項があった場合には、その つまり、わざわざ契約書に記入していなくても、問題が生じた際には法律の条 法律で規定されているような事項は省略しても構わない ということになります。 ただし、上記の2点に関しては、法律が代わりに守ってくれるということはない また、法律の規定と違った取り決め(特約)を定めた場合であっても、法律が強 契約を結ぶ方式はあくまで各人の自由で、口頭の契約でも書面による契約で しかし例外として、たとえば次のような場合には法律で契約書を作るように特 A.保証契約(民法446条2項) B.農地または採草放牧地の賃貸借契約(いわゆる小作契約)(農地法21条) C.借地借家法に基づく次の契約書 a.存続期間を50年以上とする定期借地権設定契約(借地借家法22条) D.労働組合との労働協約(労働組合法14条) また、それ以外にも建設業法第25条等の業法により、契約自体は認められるも 1.押印の意味 法律上意味をもつ文書を作成するときには、署名と押印をするのが−般的です。 法律上は署名が原則であって印は必要がないことになっています(例として手 ただし、裁判では署名が有効か無効かという形式的な判断だけでは十分でな ・本人の真意により作られたものか ・最終的な意思表示として手渡されたものか ・契約の合意の成立を十分に立証できる証拠書類といえるか という点を実質的に判断・審理されますので、氏名の記載が法律上の形式的 署名でも記名でも、それが個人である場合には「その姓名を正確に(フルネー 要するに ・それが誰であるのか ・その権利、義務の主体が誰であるのか を明確にすることが大切であり、その必要性を満たすことが署名・記名のポイ この署名・記名に関して問題になりやすいのが法人(会社)を相手にする場合 したがって、この3つの条件のうち1つでも欠けた文書は、たとえ会社の角 そして、特に重要な文書では、会社の角印だけでなく登録印も使用してもら もし、会社名や代表資格を記入してしまえば、契約の相手は個人ではなく 印鑑も、個人のものを使用してもらってください。 1.実印と認印の違い 印鑑には実印と認印がありますが、その効果には差がありません。 実印と認印の違いは印材の価格や印影の立派さ等ではなく、役所(個人の場 実印は印影を役所に登録しているため、確かに本人の印鑑であることを証明 しかし、印鑑である以上は実印も認印も、印鑑としての機能・効力は同じであ 実印の登録は原則として1人1個です。 だからこそ、「実印を押す」ということは、間違いなく本人が責任をもって作成し そして、実印であることを証明するために用いられるのが「印鑑登録証明書 印鑑登録証明書には、 ・実印の印影 ・印鑑登録した本人(実印の持ち主)の住所氏名 が記されていますので、それが本人の実印であることが確認できるわけです。 実印はきちんと登録されたものであり、本人の意思に基づき押印された印であ 重要な契約をするときに実印を用いる意味はここにあります。 さらに、実印に印鑑証明書を添付すればいっそう証拠能力が高くなります。 「実印を要する」という要求がない限りは認印でもかまいませんが、 ・土地や建物の登記 ・公正証書の作成 等の場合には、実印の使用および印鑑登録証明書の提出が義務づけられて また、重要な契約を交わす必要があるときにはやはり実印を用い、相手にも 前述のとおり、実印と認印の差は印鑑登録の有無のみであり、実印を認印同 契約書の作成にあたっては、特にこのように書かなければいけないといった規定 表題に関しても、「○○契約書」と書いても「○○証書」と書いてもかまいません。 そのほか、誓約書、念書、協定書、覚書等自由に選ぶことができます。 契約書の前文には、通常、次の内容を書きますが、これも法的根拠はありません。 ・契約当事者の名称 ・甲、乙の略称を用いることの記載 ・契約の目的・要旨 なお、民法に規定されている典型契約については、条文上契約の成立要件が明 A.対象となる財産の特定 何を売買するのか、その形状、数量といった性質と権利の種類 正確な金額のほか、「時価」といった金額を表す表現でもよい 支払時期は明確に記述する 割賦販売のような特別な場合を除き一般的には残金と同時に引き渡す A.賃貸借の目的物 どのような使い方をするのか 支払時期、支払方法 A.贈与と受諾の意思表示 贈与することと、それを受諾することの両方の関係を明確にする A.委託と承諾の意思表示 委託することと受託することの両方の関係を明確にする 有償契約、無償契約のどちらに属するのか。 公正証書とは、公証人が作成した法律行為や権利に関する証書のことで、一般 もっとも多く利用されるのは、賃貸借契約、債務弁済契約等の金銭取り立てに関 金銭の支払いを約束した条項については、これらの契約を交わす際に強制執行 このほか、金銭に替わる代替物や有価証券についても同様の効果があります。 ただし、借地契約や借家契約における賃貸物件の返還、物の引渡契約等金銭の 公正証書を作成するためには、公証役場に出向き、内容、条項、特記事項を説明 この場合、自分が契約当事者の本人(あるいは代理人)であることを証明するた そのほか、法人組織の場合は、代表者の資格証明書か法人の登記簿も必要です。 なお、印鑑証明書の有効期間は作成後3カ月以内のものに限ります。 参考までに、法律行為に係る一般の場合における公証人の証書作成手数料を紹 ただし、この証書作成費用は、証書の種類・法律行為の目的の価額等によって異
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