工場の生産性を向上
 

  ■生産性向上を考える際の視点

   生産性向上を考える場合、検討すべきことは数多くあるが、大きく「能率の向上
   と「稼働率の向上」に分けられます。

   それぞれ次のように休系図で整理しました。

    *1.7大口スとは、

       ・作り過ぎ ・過剰在庫 ・不良品の製作  ・手持ち

       ・運搬ロス ・動作ロス ・加工そのもの

      という7つのムダを指す

    *2.TPMとは、トータル・プロダクティブ・メンテナンスの略で、
        全員参加の設備保全活動のこと

  □生産性向上の具体策

   生産性の向上を検討するための視点については前述したが、ここでは実際に生
   産性向上を実現するための

    1.ムダ取り7手法

    2.VRP(部品半減計画)

    3.標準作業の設定

    4.TPM(設備保全活動)

    5.段取り替えの短縮

    6.レイアウトの改善

   という代表的な6つの手法について、ご紹介します。

   1.ムダ取り7手法

     作り過ぎ、過剰在庫、運搬ロスなど、前述した「7大口ス」に代表される様々な
     ムダをなくす、7つの手法をご紹介します。

     (1)標準化生産

       「販売のブレ」をできるだけ少なくして、生産現場の毎日の仕事量のばらつ
       きを少なく し、製作する製品(数量)をできるだけ均一にする手法。過剰設
       備や過剰人員を防止できる。

     (2)U字型レイアウト

       機械の台数が多くなると、作業者の歩行距離が大きくなりムダな動作にな
       りがち。

       U字型レイアウトは初工程と最終工程が近くなるため、カラ歩きや不必要な
       運搬を防止し、在庫のムダ、運搬のムダ、手持ちのムダ、動作のムダをなく
       すことができる。

     (3)ポカヨケ

       ちょっとしたミスを防止する手法。

       具体的には

        ・作業者がいちいち気を配らなくてもミスを防止できる工夫

        ・作業手順を誤った場合でも不良品がでない工夫

        ・条件が整わないと機械が作動しない工夫

       などがある。

     (4)作業の自動化

       自動化することによって、異常発生時には自動停止装置が作動したり、異
       常の原因を自動検出できるようにすることができる。

     (5)シングル段取り

       10分未満の段取り替えをシングル段取りという。

       シングル段取りを可能にするためには、内段取り(機械を止めて行うもの)
       と外段取り(機械の稼働中に行うもの)の区分、治工具などの取付け・取り
       外し作業の簡素化・標準化、調整作業の廃止などが必要。

     (6)多工程持ち

       加工する順番に機械を配置し1人の作業者が複数の工程を受け持てるよう
       にする。  

     (7)動作経済の原則

       人間の動作のムダを排除するための原則(*)に則る。

       *動作経済の原則について

         ①基本原則

          ・動作の種類と数を減らし、不必要な動作をなくす

          ・最短距離で動く

          ・最も円滑に動けるようにする

          ・最も疲労の少ない動作にする

          ・動作に習慣性を持たせる

          ・作業標準を用いて事前に動作の訓練を行う

          ・動作の改善と適度な速度は製品の品質を向上させる

         ②人体の使用に関する原則

          ・両手の動作は同時に始めて同時に終わるようにする

          ・両手の動作は同時に反対方向に、かつ対称的経路になるようにする

          ・慣性、動力、自然力をできるだけ利用する

          ・手の動作は低級レベルにする(肩から先を全て使うより肘から
           先の動作、肘から先全てを使うより手首から先の動作で済ま
           せるなど、できるだけ動かす部分を少なくする)

          ・急な方向転換は避ける

          ・できるだけ自然な姿勢に近づける

          ・リズムのある動作にする

         ③作業場所に関する原則

          ・作業台や椅子の高さは姿勢に無理のないようにする

          ・工具、材料は作業に合わせて配置する

          ・加工品の送りは重力シュートを活用する

          ・加工品の工員は一目で見え、手の届く範囲内で、定位置に置く

          ・工具、材料は作業者に近い前面に置く

          ・工具、材料、設備はできるだけ作業者が歩く必要がないように
           配置する

         ④工具、設備の設計に関する原則

          ・簡単な作業や力の必要な作業は、足を使う器具を使用する

          ・加工品を長時間持つときは保持具を利用する

          ・工具、材料は定位置に置くようにする

          ・複数の工具はできるだけ組み合わせる

          ・一定の運動経路を規制するには治具、ガイドを利用する

          ・できるだけ動力工具を利用する

          ・工具や器具の握りは、できるだけ広く手のひらに当たるようにする

   2.VRP(部品半減計画)

     VRP(バラエティ・リダクション・プログラム)は、(社)日本能率協会が開発した
     もので、

      「多品種・多部品・多工程」のもとで設計から生産までの総合的なコスト
      ダウンを行うための手法

     です。

     一般的に製品のライフサイクルに従ってその品種数は増加し、それと共に部
     品数や工程数も増加していきます。

     そして、ライフサイクルの末期になって売上げが落ち始めても、コストはそれに
     合わせて落ちていかず、収益を悪化させることになるのです。

      VRPは、市場の成熟化によって品種が増えても、
      部品数や工程数は増加させないような仕組みをつくり、
      それに適した作業の方法を検討する

     という考え方のもとにつくられるプログラムです。

     具体的には

      ・部品や工程の数や種類と、製品設計や生産方法との関連を分析する

      ・多工程、多部品が原因で発生するコストを分析する

      ・製品や生産システムの問題点に対して、「製品群」という視点で考える

      ・製品設計と生産システムの整合性を考える

     といったことから、生産性向上策やコストダウン策を考えていくわけです。

   3.標準作業の設定

     「標準作業」とは、作業条件・作業手順・作業要領などの作業方法を、様式を
     決めてまとめたものであり、作業者が作業を行うときの基準です。

     また、監督者が作業者の教育訓練を行うときの教材、作業管理の際の指標と
     もなります。

     基本的には

      ・作業遂行の目的(何を加工するか)

      ・作業条件(使用設備・治工具・標準時間)

      ・作業域のレイアウト

      ・作業手順

      ・要求される品質規格

      ・材料・部品の略図

      ・作業上の留意点(安全面、能率面なども含める)

     の7つの項目について作業方法を検討して、標準作業票を作成します。

     「標準作業票」の例を掲載します。

   4.TPM(設備保全活動)

     工場内の機械化・自動化・無人化が進んでいますが、せっかくの設備も専門
     知識をもたない作業員が運転していると、ちょっとした作業ミスや故障で機械
     が止まり、著しく稼働率を下げてしまうことになりかねません。

     TPMは、自分たちの大事な設備を、自分たちの手で保守できる部分は積極的
     に整備・修理していこうという活動です。

     つまり、

     TPMとは

      ・設備効率を最高の状態にすることを目標にして、

      ・設備の一生涯を対象とするPM(プロダクティブ・メンテナンス)の
       トータルシステムを確立し、

      ・その状態を維持保管するための人材を養成する。

      ・また設備の計画部門、使用部門、保管部門などあらゆる部門に
       わたって、経営者から第一線の作業者にいたるまで全員が参加し、

      ・小集団自主活動を中心にPMを推進する活動

     といえます。

   5.段取り替えの短縮

     段取り替えの時間短縮の手順は以下の通りです。

     (1)実態調査を行い現状を把握する

       IEの手法である「ワークサンプリング法」で、就業時間内の人と機械の
       稼働率を調査する。

     (2)改善目標を設定する

     (3)治工具を整理整頓する

     (4)内段取りの外段取り化を行う

       内段取りと外段取りの作業分解を行い、内段取りを外段取りとして行えるよ
       うにする。

     (5)内段取り自体の短縮化を行う

       機能の標準化、共同作業、仲介治具の使用、調整作業の廃止、締め付け
       の簡素化、能率・能力の向上などにより、段取りの時間を短縮する。

     (6)総時間の短縮と効果の確認を行う

   6.レイアウトの改善

     効率的なレイアウトは、ものの流れにそって配置することにあります。

     このためには、「ものの流れ分析」が有効です。

     これは、

      工場内のものの流れを把握し工程間の関連の強さを調べる手法

     です。

     この分析結果にもとづいて、レイアウト改善を検討します。

     レイアウトの改善は、以下のような場合に行うと効果的です。

      ・販売方法の変更時

      ・品種・生産量、流し方などの「生産システム」の変更時

      ・作業の機械化・自動化、材料や加工法などの技術の進歩や変化に応じて

      ・設計変更時

      ・現状のレイアウトの欠陥が見つかったとき

      ・生産量の増減があったとき

      ・工場の移転があったとき

      ・新製品を投入したとき

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