〒422-8067 静岡県静岡市駿河区南町2-26-501
管理者に欠かせないコミュニケーション能力 |
■部下との信頼関係づくりから 社長には、管理職と一般社員のコミュニケーションがうまくいっていないことを悩 なかには社長自らが、たびたび管理職である上司と一般社員の間に入って仲裁 よほど話がこじれた場合はこのようなことも仕方ないかもしれませんが、通常は上 ここでは管理職(=上司)に身につけさせるべきコミュニケーション能力について なお、本文中では管理職と一般社員という上下関係で説明していますが、自分 管理職が部下達をどの程度理解しているかを把握するには、 ①「君の部門のA君は最近非常にがんばっているけど。 ②「ついては社長賞を贈りたいのだが、A君が欲しがりそうな という2つの質問をしてみることです。 おそらく①の質問については、多くの上司が(たとえピント外れだとしても)何ら しかしながら②について的確に答えられる上司はそう多くはないはずです。 なぜなら仕事面だけではなく、A君の趣味や最近の関心事などについても理 答えられない上司のなかには「そんな個人的なことは分からなくて当然」とば 上司は部下と日常的に接するなかで、部下の仕事以外の部分も理解するチャ そのチャンスをいかして部下のことを深く知ろうとするかどうかは、ひとえに上 上司が部下の個人的なことをほとんど知らないという場合、その逆もしかりで そしてこのような状態で上司と部下の信頼関係が十分にできているということ もちろん個人的なことをすべて理解し合う必要はありませんが、ある程度の個 最近の若手社員は昔に比べて仕事とプライベートを分けているといわれます 部下が上司から指示を受ける場面を考えてみても、信頼関係なしに「上司の しかし、信頼関係を作るのには通常長い時間がかかるのも事実です。 ところが何年も上司と部下でありながら部下からの信頼ゼロという上司がいる いったい両者の違いはどこからくるのでしょうか。 信頼関係を作るのがうまい上司の最大の特徴は、「部下の話をよく聞く」という 部下が「最近、仕事がうまくいかないんです」と真剣に相談してきたときに、上 できるだけ時間を作って話を聞くようにしますし、どうしても時間がないときに 明後日には必ず時間を作るから」という具合に、話を聞きたいという姿勢、そ どちらもすぐに話を聞いてもらえないのは同じですが、部下に与える印象は 部下との日頃のコミュニケーションでは、できるだけ部下と対等なスタンスを取 もちろん上司と部下ですから、厳然たる上下関係はあります。 だからこそなかなか本音をいえない部下に対して、自分のほうから降りていっ これは決して「部下の機嫌を取って人気を集める」というような卑屈な行為では それこそが上司の器量というものです。 たとえば、部下が元気のない様子なので、上司がその理由を聞いて、「こうす 元気を出せよ」と激励したとします。 このとき上司があくまで上からの立場で激励していたとしたら、部下に残る印 これでは「元気よくみせていないとまた叱られる」という新たなプレッシャーにし 一方、部下と同じ目線で、 親身な対応をしてくれた時点で、すでに元気を取り戻していることもあります。 上司のなかには、上司としての威厳が損なわれるとして、このようなやり方を しかし、上司としての威厳とは、上下関係を際立たせることではありません。 上司の威厳とは、上下関係ではなく信頼関係をベースに作り上げていくことな 部下が上司に信頼をおくいちばんの理由は「あの人はすごい」と思うことでは それもひとつの理由ではありますが、いくら上司のことを「すごい」と思ってもそ 部下は「上司が自分のことを気にかけてくれている」と感じることではじめて上 これは「上司が自分を評価してくれている」という話とは違います。 上司は全員の部下に人事考課上の高い評価を与えることはできません。 しかし、少なくとも全員を「気にかけている」姿勢を示すことはできます。 これが非常に大事なのです。 たとえば、1日1回、一人ひとりの部下に、「最近調子はどうだ?」などという その時点で上司が決定的に部下から嫌われていれば、逆に「ウザい」と感じら 「上司は自分に何か働きかけている」と思わせるだけでも前進です。 また、部下と小さな約束をして、確実にそれを実行することも効果的です。 たとえば部下と「来週の月曜日は一緒にランチを食べる」という約束をして、そ 当日になって、いきなり「今日ランチ一緒にどう?」と誘ったのでは、たまたま誘 これでは効果は期待できません。 何日か前から約束をすることによって、部下は「特別感」をもつのです。 そして実際にランチに行くことで、部下は「ちゃんと覚えていてくれた」と感謝す また当日までの間に一度くらいは「何を話そうかな」と考えるでしょうから、本当 約束することは、何でも構いません。 ランチのような単純な約束でもよいし、「目標を達成したら朝礼で表彰するよ」 部下にとっては約束の内容そのものよりも、「上司と約束している」ということ、 もちろんその上司が仕事面でも「すごい」と尊敬できるような人であれば、部下 そもそもほめる、叱るという行為は正反対のように理解されがちですが、どちら 部下が正しい方向に向かっていれば、「それでいいよ」とほめてやり、間違った このように考えると、部下のミスを指摘するだけの行為は「叱っている」のでは 部下の性格や成長度合いなどによっても必要なミスの指摘の仕方は変わって しかし、どのような言葉をかけるにせよ、それが部下を正しい方向に導くことに もうひとつ原則として理解しておきたいのは、ほめるにせよ、叱るにせよ、その つまり部下ががんばって目標を達成したら、部下のすべてがすごいのではな 特に叱る場合はこの点に十分に配慮する必要があります。 人格そのものを否定するような叱り方は許されるはずもありません。 叱るときだけではなく、ほめるときにも注意が必要な場合があります。 たとえば、部下が大きな業績をあげた場合、普通、上司はこれをほめます。 これ自体は何ら問題ないのですが、そのウラには「数字を追いかけるあまり、 そしてそのことにほかの部下は気付いていることも多いものです。 上司がそれを知らずに「今後もがんばれ」と手放しでほめたのでは、その部下 したがって、上司は特に部下が「大手柄」ともいえる成果をあげた場合には、 随分とうがった見方のようにも思えますが、「ほめる」、「叱る」の本来の目的が 大きな業績自体はほめてあげますが、後輩の面倒については、逆に指導しな そしてそのようなマイナス面がなく、本当の「大手柄」をあげた場合には、ほか 叱る場合は特に「どの点を叱っているのか」をはっきりさせることが必要です。 部下は叱られて萎縮していますから、「自分自身が否定された」という誤解を そして、上司は「次回からはこうしろ」と直接的な指示をするのではなく、「どうし 上司からいわれるよりも、自分で気付いた改善策のほうがやる気がわくからで そして部下のプライドも考えて叱るときは、できるだけ個室などの目立たない ただし、全員の前で叱ったほうがよいケースがあります。 それは特別な事情がないのに、遅刻などのようにルールを破った場合です。 規律の維持のためにあえて全員の前で叱るのです。 もちろんこの場合でも部下自身を否定するのではなく、遅刻した事実を叱るこ 上司のなかには、自部門の業績や部下の状況については十分な注意を払う 「自部門の目標達成のためには、ほかに関わっている余裕などない」というわ 当然ながらそんな上司がコントロールできるのは自分の部下だけです。 一方、上司のなかにはつねにほかの部門にも関心をもち、最新の状況を把握 「隣の部門で問題になっていることは何か」、「ほかの部門で成功している営業 そうすることによって、自部門だけではなくて、周囲の力も借りて成果を創出で たとえば、自部門で何か大きな問題が発生した場合、ほかの部門で過去に同 また難攻不落の営業先に他部門と共同して挑むことも可能でしょう。 いうまでもなく、上司が任されている部門は会社全体のなかの一部です。 自部門だけで仕事を完結させるわけではありません。 ほかの部門と協力しあって成果を出していくことは、当然の選択肢なのです。 しかし、あくまで相手の協力あってのものですから、他部門からの救援要請に ほとんどの中小企業の場合、上司は任されている自部門の長であるだけでは そんな上司にとって「自部門の目標は達成したから後は知らない」という無関 自部門の目標達成は当然として、日頃から他部門の達成状況もチェックし、危 上司は自分の部下だけではなく、非常時にはほかの部門も上手にコントロー このような動きが当たり前にできるようになるためには、社長が日頃から部 上司がほかの部門へも関心をもつべき理由はもうひとつあります。 それは上司自身の成長、能力向上のためです。 上司はその役職に応じて視野を広げていく必要があります。 この場合の視野とは全体を見渡して「総合的な状況を把握する能力」、「もっと たとえば、課長が課長として自分の課や部下にだけ関心をもっているだけで 自分の課だけではなく、ほかの課で何が起きているかに興味をもつことで視野 また、視野を広げるためには、自分の上司に関心をもつことも有効です。 自分が課長であれば、上司である部長が今どんな問題意識をもっているの これを続けることによって、次第に自分が「課」ではなくその上の「部」を擬似的 やがては社長の右腕として会社全体を統括する感覚も身に付いてくるでしょ ここまで、いかに上司のコミュニケーション能力を高めるかについて述べてきま たとえば社長から部長に「君の部は売上目標2倍」といった一見無茶な命令が これでは部下は理不尽に思うだけです。 さらに部下の機嫌を取るように「まったくうちの社長はいつも無茶ばかりいうか これは意訳ではなく言い訳です。 そんな発言を繰り返す上司に対しては、「この人はまったく頼りにならない」と このとき部長が上司としてやるべきことは、なぜそのような目標が設定された つまり、社長の言葉がもっとも効果的に部下に伝わるように意訳してあげるの その際には「そうしないと全社で赤字が出るから」といった部下からみると距離 逆に部下から会社全体に対する不満があがった場合、自分自身もその通りだ 私としてはこのような解決策を考えているのですが…」といった具合に自分の この翻訳力が不足していると「上からは締め付けられて、下からは突き上げら 逆に優れた上司は意訳によって上と下に挟まれるのではなく、それぞれに好 上司のなかには部下と意見が対立した場合に、自分の正当性を主張するあま 部下の反対意見に対して、まずは論理的に応じますが、形勢不利とみるや、 いうまでもないことですが、部下と勝負しても何もよいことはありません。 部下を叩きのめしている上司をみて、ほかの部下が「やっぱりあの上司はすご 「あの人は何と了見の狭い子どものような人なんだ」と評判を落とすのがオチ たとえば自分が正しく、部下が間違っていることが明らかな場合、部下が成長 まずは「なぜ君はそう思うの?」という具合に部下自身に間違っている点を考 逆に部下と意見を交わしているうちに、自分の意見が間違っているとわかった この際にメンツを気にして「情報が不足していたから」、「考える時間がなかっ 「そうか、そういう考え方もあったのか」と部下をほめてあげることです。 上司と部下に十分な信頼関係ができていれば、一度や二度、間違いを認めた ここでいう悪口とは、いわゆる「愚痴」のことです。 愚痴(自分の気分をすっきりさせることが目的)ではなく相談する(部下の欠点 さて、上司が軽々しく部下の悪口をいってはいけない理由は、それを聞いてい 部下が上司の悪口をいい合って留飲を下げたとしても、基本的に話はそれで そんなに罪深いものではありません。 ところが、上司同士の飲み会で「まったくうちの部下のAは消極的だ」という話 酒の席のことで「話半分」として聞いてもマイナスの印象は確実に残ります。 これは、人事異動などで今後その部下の上司になる可能性がある人達に向 飲み会ごとに同じ部下の悪口をいっているようだったら刷り込みはどんどん進 さらに「Aは消極的だ」という発言がまったくのいいがかりだったとしたら、これ お問合せ・ご質問はこちら
|
静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。
対応エリア | 静岡・愛知県内、東京周辺 |
---|