社員教育の基本
 

■社員教育の課題

 1.社員教育にあたり経営者が認識すべきこと

   今日、企業の社会的責任が以前に増して問われるようになってきました。

   あらゆる企業は社会に対して何らかの役に立つことによって社会的責任を果た
   し、存在価値のある会社となります。

   会社で働く社員も、自社に在籍していることによって、社会の役に立っているとい
   う実感ができるからこそ自らの仕事にプライドがもてるようになるのです。

   会社は自社での仕事を通じて、人格を鍛錬し社会に貢献できる人材をまさに育成
   しています。

   その際、社員が会社に入って企業の社会的責任をどのように果たしていくべきな
   のか、また自身の存在価値を高めるためにどのように努力すべきなのかといった
   基本的な姿勢は学校教育のなかで教えられるべきことなのかもしれません。

   しかし現実的には、企業(トップ)が、仕事を通じて社員の人間性教育を行ってい
   るというのが実態ではないでしょうか。

   このような意味で、企業は社会にとって重要な人材を育てる教育機関といっても
   過言ではない。

   また、仕事を通じた人間性教育を引き受けているのが中小企業経営者であるが
   ゆえに、企業経営者の社会的価値も高いといえます。

   人材教育は社長の社会的役割と認識することも重要です。

   さて、企業経営者は社員に対して以下のことを教える必要があるのではないで 
   しょうか。

   (1)社員が会社と仕事にプライドがもてるようにする

     自社の理念を実現すべく活動している会社の業績を常日頃話題にし、理想に
     向かって現在どの程度のところまで進んでいるのか進捗状況を理解させる。

     また、個々の社員の仕事が、社会にとってどのような価値があり、仕事の出来
     栄えによって自身の社会的存在価値も大いに高まっていくものであることをつ
     ねに語り聞かせます。

   (2)社員が夢をもてるようにする

     会社自体がどのようなビジョン=夢をもっているのかを社員に語る必要があり
     ます。

     現在の自社の実態ばかりではなく、将来の夢を繰り返し伝えることも重要。

     また、社員が自身の仕事の品質を上げるために努力をした結果、社員にとっ
     てどのようにすばらしい未来が開けていくのかを理解させることも重要です。

   (3)社員の人生の目標を理解し、支援する

     社員は自分の人生において、どの程度鮮明であるかは別にして生涯設計を描
     いているはずです。

     もし、描いていないとすれば生涯設計の仕方から教える必要があるでしょう。

     これら生涯設計を社長が理解し、支援するという姿勢をもつことによって、社員
     の目標と会社の目標が一致し、会社に感謝しながら、社員は自身の能力をよ
     り高めたいと思うようになるのです。

     以上のように、人材育成に取り組む前に、社員自身が能力を高めたいと思う
     環境作りがまず重要といえます。

     自身を高めたいと思っていない状況でいくら教育しても、まったくの徒労に終
     わってしまう可能性がある。

     そのうえで具体的な教育にあたっていくのですが、社員教育は個々の社員の
     過去の生育環境や、会社内でのキャリアによって個人ごとに状況は異なって
     おり、一筋縄ではいきません。

     しかし、トップ自身が社員の人生を預かり「なんとしても社員を一流に育て上げ
     る」という使命感と、愛情と根気をもって継続的に教育に取り組めば、何年か
     後には見違えるような成果となって返ってくるのです。

     苦労して育成し、実力のついた社員によって構成されている会社が本当に強
     い会社といえるでしょう。

  2.これからの社員教育の実務的な課題

    社員教育を進めていくにあたって実務的には以下のような課題に対応する必要
    があります。

    (1)業務革新への適応

      ・事業の再構築や再編成にともなう即戦力養成の必要性

      ・複雑化する企業環境に対応できる戦略的思考や起業家精神をもつ管理者
       養成の必要性

      ・市場や、製品の企画力・開発力・販売力強化のための技術部門と営業部
       門に対する教育の必要性

    (2)技術革新への適応

      ・加速する技術革新にともない、あらゆる分野において導入されるコンピュー
       タなどのOA機器に関する教育の必要性

    (3)国際化への適応

      ・言語をはじめ、政治・経済・文化・宗教・生活全般の基礎的な知識、事業や 
       経営に関する慣行、センスなどの教育の必要性

    (4)高齢化対策

      ・増加する中高年労働者を積極的に活用するための能力開発と再教育訓練
       の必要性

    (5)社会進出の著しい女性への対応

      ・男女雇用機会均等法への対応とともに、将来の労働力不足を考慮した女
       性社員戦力化教育の必要性

    以上のような社員数育の必要性と課題を十分に理解したたうえで、自社の活性
    化を進める能力開発の実現には、どういった教育が必要であり、どういう教育方
    法が有効なのかを考えていくことにしましょう。

  □社員教育を行う前に

   人材育成の目的は、現時点での人材の能力と、これから展開する経営目標や事
   業計画に必要な人材の能力とのギャップの解消にあります。

   そのためにはただ漫然と社員教育を行うのではなく、社員教育によって何をどの
   ように解決していくかを明らかにしなければなりません。

   まずはギャップを把握することによって教育活動の具体的な目標をたて、その目
   標に向けいかにしてギャップを埋めていくかという対策を講じます。

   つまり、
    社長教育の導入・改善を行う前には
    人材育成の目標を明確にすること
   が必要です。

   人材育成方針の策定、めざすべき人物像の明示など、目標を明確にすることが、
   計画的かつ効果的な教育活動の基本です。

   1.人材育成方針の策定

     人材育成はあくまでも経営活動の一環として行われます。

     このため、企業活動の背景となる「経営理念」「中期経営計画」「人事管理方
     針」「中期事業計画」「経営環境」などに基づき、しっかりとした教育体系を作り
     上げていくことが求められます。

     したがって、めざす能力開発の方向性を的確にとらえ、以下のように、企業の
     発展という最終目的につながる社員教育を策定します。

      社員の能力育成 ⇒ 人材の能力活用 ⇒ 組織の活性化 ⇒ 企業の発展

     なお、経費削減策の一環として、研修などの教育費用を抑える企業も多く、限
     られた予算内で企業の業務や考え方をいかに効率的に理解させるか、人事・
     教育担当者が頭を悩ませるところです。

     しかし、どのような状況下にあっても、自社のエネルギーを生み出すのは人材
     です。

     社員教育は企業力を向上させるためのものだという本来の目的が損なわれる
     ようなことがあってはなりません。

   2.目標となる人物像の明示

     目標となる人物像を明確にすることは、人材育成を行ううえで成功のポイント
     となります。

     企業が期待する、必要とする人材がはっきりしていると、社員も目標像がイ
     メージしやすく、取り組む方向性を誤ることもなくなります。

     抽象的な理想像を掲げる会社も少なくありませんが、事業や職務に即して、よ
     り具体的に表現するほうが望ましいと思われます。

     例としては、

     <必要とする人材例>

      ・価値観の多様化といった社会環境・企業環境の変化に適応できる
       幅広い知識と専門的な能力をもつ人材

      ・職務やプロジェクトごとに異なる業務環境に柔軟に適応できる高い
       応用力をもつ人材

      ・流動する構成員や職種・職能の異なる社員を受け入れ、活用して
       いくことができる豊かな人間性をもつ人材

      ・言語をはじめ国際的知識・センスを習得し、企業の国際化戦略に
       対し広い視野と行動力をもって戦力となることのできる人材

    目標への挑戦は社員の意欲を大いに刺激します。

    とくにそれが人物像として明確になっていると、成長した自己の想像が容易であ
    るため、より意欲が高められます。

    少々漠然としていても、「現代的な感覚をうまく織り込み、社員が共感をもって受
    け入れられるもの」であること、加えて「能力開発の重要性や必要性を訴えてい
    る」ことが大切です。
    
  □能力開発の3本柱

   企業における教育は3本の柱から成るといわれます。

   それは、OJTと呼ばれる職場内教育、これに対してOff−JTと呼ばれる職場外教
   育(集合教育)、そして自己啓発の3つです。

   これらは個々に独立し、それぞれ別個に成果を上げるものとしてとらえられがちで
   したが、最近ではこれらを効果的に組み合わせ、より高度な教育をめざすように
   なってきました。

   これら社員教育の3本柱について述べていきます。

   1.OJT

     職場内で、実際の職務を通して、計画的に、必要な知識や技能あるいは問題
     解決能力などを身につけさせる教育方法をOJT、職場内教育といいます。

     これには、業務のなかの、上司や先輩、ときには同僚が個別に行う教育・指導
     と、職場のミーティングや朝礼などが含まれています。

     実際に業務を体験しながら学ぶため、理解しやすく身につきやすい反面、指導
     者の能力により、育成される人材にばらつきが出るという問題があるため、事
     前に指導者の育成が必要となります。

     OJTは「仕事を通じて」行う点が強調されがちですが、達成しようとする能力開
     発の目標と期限を定め、たんに「目先の業務を教える」というスタンスではな
     く、長期的に能力をいかに高めていくかという「計画的」に行うことを忘れては
     いけません。

     業務のなかで行われるため「教育」としての意識が薄れがちなOJTをきちんと
     した能力開発のプログラムとして機能させるためには、目標とスケジュールが
     明確に設定されていることが必要です。

     (1)OJTのあり方

       OJTは、入社・異動・新技術導入などといった環境の変化があるときに対し
       て行われることが一般的です。

       最大の目的は、経験でしか得られないノウハウや技術を身につけることで
       すが、新しい環境への適応を促す機能もあります。

       OJTは、教わる側の能力や適性を配慮し、きめ細かなフォローのもとに個
       別教育を行うことができます。

       これはもっとも望ましい教育のあり方で、大きな効果が期待できます。

       OJTの基本的な流れをまとめると、次のようになります。

        ①業務に必要とされる能力の確認
         部下が業務を遂行するうえで必要な能力を明らかにします。
         計算力・折衝力・管理力など、業務内容によって求められる
         能力は多様です。

        ②部下の能力の把握
         OJTの対象となる部下の能力・知識・適性・関心領域などを
         把握します。
         先入観や偏見をもたないように注意が必要です。

        ③育成目標の設定
         業務に必要な能力と部下の保有する能力に基づいて、育成
         目標を設定します。
         期間や教育環境も考慮して定めることが必要です。

        ④育成計画の設定
         目標を踏まえたうえで、計画を立てます。
         教育項目・教育方法・期限などを決定します。

        ⑤実施
         相手の能力に合わせて取り組ませます。
         指導いかんによっては新たな戦力となるかどうかが決まります。
         OJTの名のもと、たんに業務を教えるのではなく、仕事上での
         部下の問題点や考慮すべき点などを発見・解決しながら進めます。

        ⑥途中および終了後のフォローアップ
         計画どおり進んでいるか、そうでないならば原因は何か、目標は
         達成できたか、できなかったのはなぜか、不足な点は何かなどの
         フォローが大切です。
         教育の効果や、問題点を明らかにすることで、OJTの質の向上を
         図ることができます。

     (2)OJTの有効な活用法

       OJTは教育予算をそれほど必要としない研修方式ですが、自社の教育体
       制の不備や、「指導者以上の成長が望めない」といった理由から、積極的
       に採用できない場合もあります。

       OJTを有効に行うためには、まず企業も社員も教育の必要性を理解し、意
       欲をもって臨めるように徹底していかなくてはなりません。

       これには、指導者の社員教育に対する努力と成果を人事評価の対象とす
       るなど、部下の指導に優れた社員にきちんと報いていく体制づくりが必要で
       す。

       評価制度と連動させることにより、指導者と指導を受ける者双方の意欲を
       高め、人材育成が日々の業務同様に重要であることを深く浸透させること
       ができます。

       また、OJTはジョブローテーションと組み合わせて用いられることも多くあり
       ます。

       これはさまざまな職務が経験できるため、ゼネラリスト育成には有効な手法
       ですが、人材育成までに時間がかかるうえ、配置された職場や職務が合わ
       ない、異動によって本人の能力がうまくいかせなくなったり、仕事への意欲
       がそがれたりするなど、教育効果を低下させてしまう場合もあります。

       適性に合わない職務下で長期的に我慢させることも多く、そうした場合、社
       員のモラール(士気)は極端に低下してしまいます。

       さらに異動が繰り返されると熟練が望めないという欠点もあります。

       OJTは優れた教育手段ではありますが、短所も少なくないため、有効な経
       験の積ませ方を十分に考慮したうえで採用していくべきだと思われます。

   2.Off‐JT

     企業内で行われる集団教育や企業外で行われる講習や通信教育などを、
     OJTに対してOff‐JT、職場外教育といいます。

     OJTでは学べない体系立った知識やノウハウなどを階層別や職種別の集合
     教育で補うもので、OJTと合わせて教育の2本柱とされます。

     OJTでは得られない、これまで自社になかったノウハウについても学ぶことが
     できます。

     Of f−JTでは「学ばせっぱなし」にせずに、いかに実際の業務にいかしている
     かをフォローする必要があります。

     また、社外の専門家から学んだ社員が、講師となって社内勉強会を開くことを
     習慣づけると、本人の理解が深まるだけでなく、ほかの社員も新しいノウハウ
     を学ぶことができます。

     内容としては、大きく分けて「階層別教育」「職能別教育」「課題別教育」があげ
     られます。

     (1)階層別教育

       新入社員から経営者にいたるまでのすべての階層の社員に対し、それぞ
       れに合わせて用意された教育が階層別教育です。

       これは、会社における生涯学習としてとらえることもできます。

       人事制度上の資格等級や職位の上昇に応じ、その節目ごとに行われるこ
       とが一般的ですが、「将来のための教育」として随時行うことも有効です。

       階層別教育のもっとも代表的なものは「新入社員教育」で、このほか「中堅
       社員教育」「監督者教育」「管理者教育」「経営者教育」などがあり、最近とく
       に注目されているのが「管理者教育」です。

       激しく変化する企業環境下で管理職に求められる能力は高度化し、戦略的
       思考力・業務改善力・問題解決力の開発が急務となっています。

       そのため、管理職の能力開発と再教育について見直しを図る企業が増え
       ています。

     (2)職能別教育

       同じ業務を担当する者を集めて行う教育を「職能別教育」といいます。

       代表的なものとしては、「技術職教育」「営業職教育」「事務職教育」「国際
       業務教育」などがあげられます。

       これらは専門職教育で、専門職全体のレベルアップを図ったり、優秀な社
       員をさらに「スペシャリスト」として育てることを目的としている。

     (3)課題別教育

       これは「重点施策対応教育」とも呼ばれ、その時々の企業の戦略やプロ
       ジェクトの遂行に必要な要員の養成が目的です。

       階層や所属部門にとらわれずに行われることが多く、最近では、「国際業
       務要員の養成」や「高年齢労働者の再教育」などが重要な課題となってい
       ます。

     (4)Off‐JTの有効な活用法

       Off‐JT は、「しょせんは座学」という意識から、実践をともなわない一方的
       な知識の詰め込みになりがちです。

       しかし、Off‐JT は、企業目標への意識の統一を図り、体系的な教育を行う
       ため、OJTを行ったときに応用・実践する能力へと結実することになります。

       基礎教育やフォロー教育として有効であり、ほかの教育と調整することに
       よって相乗効果が期待できる教育法です。
     
   3.自己啓発

     OJTやOff‐JT の欠点を補うための第3の柱として、自己啓発があります。

     これは、「顧客の志向を敏感に感じとり、自社経営に反映できる人材」を望む
     企業と、「能力主義的人事制度に応え、自らのキャリア形成に積極的に関与
     する」ようになった社員との双方の今日的な必要性の合致から、急速に取り組
     まれるようになりました。

     自己啓発とは、通信教育やEラーニングなど、個人単位で学習し、必要な知識
     を身につける方法で、資格取得のための学習など、長期的な教育に適してい
     ます。

     また、自己啓発はあくまで本人が主体的に学ぶものであるため、必ずしも現在
     の業務に直結しない分野を選択することもあります。

     たとえば、現時点では海外との取引がない企業の社員が英会話を学ぶ場合
     などはこれに該当します。

     最近では、業務と直結しない自己啓発に対しても支援を行う会社が増えてい
     るようですが、少なくとも自社がこのような自己啓発に対してどのようなスタン
     スをとるかについては、社員に明示しておいたほうがよいでしょう。

     能力開発は、最終的には社員個人の自発的・主体的取り組み次第ということ
     になりますが、自主的教育活動には「必要なのはわかっているが取り組めな
     い」といった個人的な事情もあります。

     そのため、会社からの働きかけが必要となるのです。

     実際に企業が取り入れている援助策としては次のようなものがあります。

      ・公的資格取得の奨励・援助

      ・外部講習会やセミナーの紹介・斡旋

      ・通信教育講座の受講斡旋・援助

      ・社内発表会やコンクールの開催

      ・研修制度、休暇制度による援助

     自己啓発の結果は、個人の満足や納得とともに企業にも利益をもたらすもの
     でなくてはなりません。

     社員が資格を取得したならば、極力その資格がいかせる業務につかせ、仕事
     に結びつけてそれをいかせるようにします。

     獲得した能力や技術を仕事に反映させることは、自社と社員双方の成長を促
     進する最良の策です。

  □組織の能力開発

   個人、職場、企業すべてに、より高い能力が求められる今日、個々の統合がさら
   に大きな能力となるよう、チームワークの重要性が注目されるようになってきた。

   職場全体の「組織能力」には、たんなる個人能力の寄せ集めではなく、各人の能
   力が有機的に統合されたものであることが要求されます。

   それを実現することで、組織的な業績の向上をめざすのです。

   職場という組織自体を活性化する教育方法は次のようにさまざまです。
    ・組織開発=OD(Organizational Development)

    ・全社的品質管理TQM(Total Quality Management)

    ・チームワーク形成(Team Building)

    ・感受性訓練(Sensitivity Training)

   これらの多くは、組織開発の主要な手法として海外の企業で多く取り入れられて
   いますが、日本企業ではおもにQC(Quality Control)サークルと称される「職場
   小集団活動」と「職場ぐるみ訓練(Family Training)」が実践されています。

   これらは職場全体での品質管理や教育を行い、全体で問題を提起し、解決し、発
   展していこうとするものです。

   こういった組織開発では、次の5つの過程を踏むことが一般的です。

    ・全員の討議によって、職場の問題点を明確にする

    ・問題の原因を全員で分析・診断する

    ・問題解決の目標とその手段を、全員によって決定する

    ・問題解決に向けて、全員の果たすべき役割を決定し、実行する

    ・実行結果に関し、全員で評価と検討を行う

   組織の団結した取り組みは、職場の人間関係の改善や業務のスムーズな運営を
   可能にします。

   さらに、個人能力の合計を上回る能力の発揮が期待できるのです。

  □能力開発のあるべき姿

   これまで述べてきたさまざまな教育法を組み合わせ、長期的視野で人材育成を
   図るものとしてCDP(Career Development Program)があります。

   これは、社員と会社がともに個人のキャリアアップに努める教育システムで、社員
   自身が自らの能力分析から目標設定、目標達成までの計画を策定し、社会や自
   社のニーズに合わせて自己の啓発に努め、企業はそれを支援します。

   CDPに代表されるように、会社の充実した教育支援と社員の自主的な能力開
   発、これらが効果的に整合して企業発展と個人の業務充実へと結びつくことが、
   社員教育体制のもっとも理想的なあり方です。

   能力開発は、最終的には社員個人の問題に帰着するものであり、自社における
   教育活動も、しょせんは社員の自己啓発を触発し、それを支援するものでしかあ
   りません。

   OJTやOff−JTも、最終的には個人が自発的・主体的に能力開発に取り組み、成
   長していく環境づくりといえます。

   理想的な能力開発とは、個人のキャリアアップとともに会社と個人それぞれが自
   らのニーズを満たしながらも、他方の目標へと歩み寄り、結果的には双方の目標
   を達成することです。

   互いの目標が近づけば近づくほど企業力と社員のモラールが向上するのです。

   <自己啓発による企業と個人の相互関係>

    このように、個人と会社双方による意識面・体制面からの能力開発の強化は、
    相互理解と活性化の促進や、大きな企業エネルギーの発動を実現することにな
    ります。

    中国古代の政治論集「管子」に、次のような言葉があります。

     一年の計は、穀を樹(う)うるに如くはなし
     十年の計は、木を樹うるに如くはなし
     百年の計は、人を樹うるに如くはなし

   この言葉を、自社の経営活動に当てはめてみてください。

   企業は一年の計を立てるため、十年の計を立てるため、その時々に設備投資や
   新製品開発などの対策を行います。

   しかし、百年の計を立てるのは人材です。

   人材を企業に根づかせ、育てていくことによって、企業の継続と繁栄が実現する
   のです。

   未来へと続く企業にとって、人への投資、人材の能力開発は、企業経営の重要な
   課題のひとつなのです。

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