損保代理店の法人向け生保販売プロセス
 

  ■個人向け営業と法人向け営業の違い

   営業パーソンによっては「個人向け保険は得意だけど、法人は苦手だ」という人、 
   逆に「法人のほうが得意だ」という営業パーソンもいます。

   何がちがうのでしょうか?

   ここでは、個人向け保険と法人向け保険の違いを考えてみます。

   個人の場合はニーズが明確であると言える。

   例えば、小さな子供のいる家庭の世帯主なら遺族生活保障、葬儀費用、医療保
   障、および老後生活費の準備など、ほぼニーズが推測できます。

   しかし、「生命保険の必要性を感じてもらう」、つまりお客様が自分の「死」など将
   来のリスクについて具体的にイメージできなければ、ニーズ喚起が難しいといえ
   ます。

   このステップが個人向け保険販売を難しくしています。

   一方、法人は規模、業種、経営状況などにより、その法人のおかれている状況が
   さまざまであることから、ニーズを推測することができないところに難しさがある。

   しかしながら、どの経営者も「自分の会社を良くしたい(発展させたい)」と考えてい
   ます。

   したがってそこを切り口に提案すれば、的を外すことは少ないといえます。

  □セールスプロセスの標準化

   (1)セールスプロセス標準化の全体像

     ① お客様との関係強化活動

       生命保険の加入を検討してもらうためには「ニーズ喚起」が必要です。

       しかし、その前にセールスパーソンについて、「この人は生命保険に
       ついて相談できる人だ」と認知してもらう必要があります。

       そこでまず、「お客様との関係強化活動」では、定期的に、売込みが
       なく専門性のある情報提供を行うことで、信頼感の醸成を図ります。

     ② 販売活動

       「販売活動」では、情報提供した中で、興味や関心がある方だけを
       「商談」に導きます。

       商談の場面は、アプローチ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロー
       ジングと、お客様の購買の段階に合わせて、ステップを重ねていく。

       このとき、ともすればセールスパーソンが少しでも早く成約に結び付け
       たいと焦りがちですが、あくまでも次のステップに進む判断はお客様に
       ゆだねます。

       それが、お客様にも代理店にもストレスのかからない営業スタイルであり、
       お客様満足度の高い商談になっていきます。

   (2)標準化されたセールスプロセスの用語定義

     ファーストアプローチ(声かけ)からアフターフォローまで、用語はすべて一般
     的な言葉ですので、ここでは上記のように定義づけをします。

     標準化されたセールスプロセスの流れは以下の通りです。

      ①ファーストアプローチ(声かけ)
       ⇒お客様に対し、生命保険を取り扱っていることを告知し、
        あわせて情報提供を行う。

      ②アプローチ(ニーズ喚起)
       ファーストアプローチ(声掛け)で生命保険に興味、関心を
        持ったお客様に対し、ニーズ喚起を行う。

      ③ヒアリング
       ニーズが顕在化したお客様に対し、保険設計書に必要な基本
        情報を確認するとともにお客様の現状と望ましい状態との差
        (リスク)を明確にする。

      ④プレゼンテーション
       ⇒ヒアリングを通じて明確になったお客様の抱えるリスクに対
        し、具体的な解決策としての保険商品を提示する。

      ⑤クロージング
       お客様の意向を確認し、購買の決断を促す。

      ⑥契約手続き
       正確・スピーディーに手続きを行い、契約を早期に成立させる。

     まず、「お客様との関係強化活動」としてファーストアプローチ(声かけ)を行
     い、お客様との関係を強化していきます。

     生命保険に対する興味を持っていただいてから、次のステップ「販売活動」に
     進んで行きます。

     それぞれの内容については以降で詳しく説明していきますが、基本的な考え
     方は個人の場合と同じです。

   (3)どの人に声をかけるのか?=見込み客とは

     私たちが何気なく使っている言葉に「見込み客」という言葉があります。

     生命保険販売ではこの「見込み客」をしっかり定義しておく必要があります。

     見込み客といえば、「成約できそうな法人」と考える方が多いかもしれません
     が、生命保険販売では違う考え方をしています。

     生命保険販売における見込み客とは、面談できる法人(経営者・意思決定権
     者に会える法人)のことを指します。

     生命保険は「ニーズ潜在型商品」なので、生命保険を必要としているお客さま 
     でも、その必要性に気付いていないケースがよくあります。

     このとき、見込み客を「成約できそうな法人」つまり「今、保険加入を検討してい
     る法人」ととらえてしまうと、多くのお客様を見逃してしまう可能性がある。

     「面談できる法人」と考えれば、情報提供を継続することで経営者が自らニー
     ズに気付き、いずれは契約できるかもしれません。

     したがって、見込み客はできるだけ幅広く捉えることが重要です。

     損害保険代理店には損害保険を通じた法人顧客がいます。

     その経営者に「生命保険でもこの人、この代理店に相談すれば良いのか」と
     思ってもらえるよう、まずは努めていくことが重要です。

  □経営者の関心ごとは・・・

   今後経営者との関係強化を進めて行くにあたり、一般的に経営者がどのようなこ
   とを考え、何に関心があるかを理解しておくことはとても重要です。

   経営者の関心事にはどのようなものがあるでしょうか?

   日々社長は、「売上(利益)を上げたい」「経費を削減したい」「資金繰りを良くした
   い」「今後の経営戦略はどうしようか?」「人材を育成したい」「人事労務の制度を
   見直したい」「後継者は誰にしようか?」など、頭を悩ませています。

   したがって、自ら生命保険のことについて考える機会が少ないため、日常の経営
   においては生命保険の優先順位は低いと言えそうです。

   そこで、社長に対し、どのようにして関係強化を図っていけば良いのかについて
   次項で考えてみます。

   ファーストアプローチからクロージングまで 

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